JP2766588B2 - 車両のヨー角速度検出方法 - Google Patents

車両のヨー角速度検出方法

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JP2766588B2
JP2766588B2 JP4171108A JP17110892A JP2766588B2 JP 2766588 B2 JP2766588 B2 JP 2766588B2 JP 4171108 A JP4171108 A JP 4171108A JP 17110892 A JP17110892 A JP 17110892A JP 2766588 B2 JP2766588 B2 JP 2766588B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は車両のヨー角速度を検出
する角速度検出方法に係り、特に、安価でしかも検出
度を高めるのに好適な車両のヨー角速度検出方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】一般的に運動体の角速度を検出するに
は、光ファイバジャイロ・ガスレートセンサ等を用いる
方法がある。これらはヨーレートセンサと呼ばれ、特開
昭62−261575号,特開昭62−71866号,
特開昭63−219829号,特開平3−153464
号公報に見られるように、車両に搭載することが検討さ
れている。しかし、ヨーレートセンサは、センサ自体が
高価であり、また、温度変化に対する出力安定性に欠け
ることから、実際の自動車のヨー角速度検出に適用され
ることはなかった。
【0003】これに対し、特開昭63−218866号
公報記載の従来技術では、車両の左右の対地速度を検出
する車輪速度センサを設け、両車輪速度センサからの車
両の左右対地速度差を演算することにより、ヨー角速度
を求めており、ヨーレートセンサよりは安価な技術を提
案している。
【0004】また、特開昭62−70766号,特開昭
64−12272号公報記載の従来技術では、運動体の
二ヶ所にG(加速度)センサを検出軸が平行になるよう
に固定し、両Gセンサの出力差から、上記運動体の角加
速度を計算している。そして、この角加速度を積分する
ことで、ヨー角速度を求めている。これも、ヨーレート
センサよりは安価な技術を提案するものである。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上述した左右
車輪速の差を用いる方法は、車輪速度が車両の対地速度
と異なる状態、すなわち車輪がスリップしている状態で
は、正確なヨー角速度を得ることができないという問題
がある。加速時の車輪スリップ状態では、駆動輪のみが
スリップして、従動輪はスリップしていないので、従動
輪の車輪速度を用いればこの問題を解決することができ
る。しかし、制動時の車輪スリップ状態では、すべての
車輪がスリップするため、従動輪の車輪速度を用いて
も、計算したヨー角速度と実際のヨー角速度との誤差は
大きくなってしまう。特に、ABS作動中は、車輪速度
の時間的変化が大きく、計算したヨー角速度の誤差は大
である。
【0006】2つのGセンサの出力差でヨー角加速度を
求め、それを積分してヨー角速度を求める方法は、積分
時に誤差が積算されていくので、長時間にわたってヨー
角速度を検出すると、誤差が大きくなってしまい、これ
を使用して各種制御を行うには不安がある。
【0007】本発明の目的は、検出精度が高くしかも安
価な車両のヨー角速度検出方法を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記目的は、左右の車輪
速度センサと、2つのGセンサとを備え、制動時以外に
は、左右の車輪速度差によるヨー角速度を真のヨー角速
度とみなし、このときGセンサの値をもとに算出したヨ
ー角速度は無視し、逆に、制動時には、2つのGセンサ
の値をもとに算出したヨー角速度を真のヨー角速度とみ
なし、このとき左右の車輪速度差によるヨー角速度の値
は無視することで、達成される。
【0009】
【作用】加速・減速・定速走行を含む非制動時には、左
右の従動輪の速度差でヨー角速度を検出する。このとき
の車輪速は車体の速度とみなしてよいから、求められる
ヨー角速度は正確である。
【0010】制動時には2つのGセンサの値をもとにヨ
ー角速度を算出する。このとき、車輪がロックしていよ
うと、ABSの動作で車輪速が急変していようと、加速
度には影響がでないので、正確にヨー角速度を検出する
ことができる。また、積算誤差については、一回の制動
時間が長くても20秒程度であるため、誤差の影響は少
ない。
【0011】
【実施例】以下、本発明の一実施例を、自動車のヨー角
加速度検出に適用した場合について、図面を参照して説
明する。図1は、角速度検出装置の構成図である。車体
8の前後方向をX軸,左右方向をY軸,上下方向をZ軸
とするとき、第一のGセンサ4と第二のGセンサ5を車
体のY軸方向に2rなる距離をとって配置し、それぞれ
の加速度検出方向がX軸方向となるように固定する。
【0012】先ず、Gセンサによるヨー角加速度の検出
原理を説明する。車体8に、図1に示す角加速度ω’が
発生すると、第一のGセンサ4では負方向に、第二のG
センサ5では正方向に加速度が発生する。発生する加速
度の絶対値は次の数式1で表せる。
【0013】
【数1】G(ω’) = r*ω’ G(ω’)・・・・ ω’により発生する加速度 r ・・・・ 車体中心6と加速度センサとの間の距
離 ω’ ・・・・ ヨー角加速度。
【0014】各々の加速度センサで検出する加速度は、
実際には重心点での前後方向加速度(これをGbxとす
る。)を考慮すると、Gセンサ4では次式2のようにな
る。
【0015】
【数2】GL = Gbx − r*ω’ GL ・・・・ Gセンサ4で計測する加速度 Gbx ・・・・ 車両重心点での前後方向加速度。
【0016】また、加速度センサ5では、数式2の第2
項の符号だけが反対となる次式4で表される。
【0017】
【数3】GR = Gbx + r*ω’ GR ・・・・ 加速度センサ5で計測する加速度。
【0018】ヨー角加速度は、上記の測定値GL,GRを
用いて次式4により求められる。
【0019】
【数4】ω’ = (GR−GL)/2r
【0020】つまり、原理的には数式4を演算すれば、
ヨー角加速度を求めることができる。さらに、ヨー角速
度を求めるには、前出のヨー角加速度を時間で積分すれ
ばよい。
【0021】次に、左右の従動輪の車輪速差によるヨー
角速度の検出について説明する。必要となる構成は、車
輪1a〜1dと、各車輪と一緒に回る金属歯車2a〜2d
と、磁束の変化を正弦波電圧に変換する車輪速センサ3
a〜3dと、信号処理,演算を行う制御装置29である。
【0022】図1の車両8が後輪駆動車であるとする。
角速度ωにて半径Rの円旋回をおこなっているとすれ
ば、右側の従動輪1aの速度VWRは、次式5で表され
る。
【0023】
【数5】VWR = (R+r)*ω VWR ・・・・ 右側従動輪の車輪速度 R ・・・・ 車両の旋回半径(旋回中心7と車両重
心6との間の距離) ω ・・・・ ヨー角速度。
【0024】また、左側の従動輪1bの速度VWLは、図
1の場合、次式6で示されるように、右側より小さくな
る。
【0025】
【数6】VWL = (R−r)*ω VWL ・・・・ 左側従動輪の車輪速度。
【0026】数式5と数式6より、
【0027】
【数7】ω = (VWR − VWL)/2r
【0028】この数式7によれば、ヨー角速度ωは、左
右の従動輪の速度差に比例することがわかる。以上が、
2つのGセンサまたは2つの車輪速センサからの車両の
ヨー角速度の算出方法の物理的観点による説明である。
【0029】次に、図2のブロック図により、ハード構
成と信号の流れについて説明する。演算処理の中心とな
るのはマイクロ・コンピュータ28(以下、マイコンと
いう。)である。マイコン28は、例えば自動車のAB
S(アンチスキッド・ブレーキ・システム)や4WS
(4輪操舵制御装置)など他の目的の計算機を用いて、
角速度の演算処理をソフトの形で組み込んでもよい。ま
た、マイコン28はDSP(デジタル・シグナル・プロ
セッサ)であってもよい。
【0030】信号の流れを追うと、Gセンサ4,5の検
出信号は、A/D変換器22によりデジタル信号に変換
され、マイコン28に入力される。マイコン28の中で
は、2つの加速度信号の差が取られ、係数手段24によ
り係数(1/2r)が乗じられてヨー角加速度ω'Gが算
出され、さらに、積分手段26にて積分されることによ
って、ヨー角速度ωGが得られる。
【0031】車輪速センサ3a,3bの信号は、波形整形
器23にて正弦波から矩形波に変換され、マイコン28
に入力される。マイコン28の中では、2つの車輪速度
信号の差がとられ、係数手段25にて係数(1/2r)
が乗じられ、ヨー角速度ωvが得られる。
【0032】2つのGセンサ4,5の検出値から算出し
たヨー角速度ωGと、2つの車輪速度センサ3a,3bの
検出値から算出したヨー角速度ωvは、車両の運転状態
によっていずれか一方が実際のヨー角速度と異なること
がある。そこで、本実施例では、車両の運転状態に応じ
て、精度良く実際のヨー角速度を現している方のヨー角
速度ωGまたはωvを選択し、選択したヨー角速度を用い
て制御を行う。
【0033】本実施例では、車両の制動時には、Gセン
サから求めたヨー角速度ωGを選択し、非制動時には、
車輪速センサから求めたヨー角速度ωvを選択する。ス
イッチ27は、制動時か非制動時かの条件判定を行っ
て、ヨー角速度ωG,ωvの選択を行う。このときの条件
判定には、例えば、ブレーキランプスイッチ21の信号
を用いることができる。
【0034】次に、マイコン28の内部処理で、制御に
使用するヨー角速度を算出する方法について、図3のフ
ローチャートに従って説明する。本フローチャートは、
STARTからENDまでの処理を一定時間毎の割り込
みで行うものとする。
【0035】ステップ31では、ブレーキランプがオン
かオフかを判定する。これは、車両が制動状態にあるか
非制動状態にあるかを判別するためである。非制動状態
である場合には車輪速センサ側を選択するため、、ステ
ップ35にて、前記数式7の計算をしてヨー角速度ωv
を求める。次のステップ36では、Gセンサによるヨー
角加速度を積分するときに用いる積分初期値ω0とし
て、このωvの値を保存する。最後に、ステップ37で
は真のヨー角速度ωとしてωvの値を代入する。
【0036】制動状態である場合にはGセンサ側を選択
するため、ステップ32にて数式4の計算をしてヨー角
加速度ωG'を求める。次のステップ33では、ヨー角加
速度ωG'の積分を行うが、このときの積分初期値ω0と
しては、ブレーキランプがオンになる直前の前記ωvの
値を用いる。最後に、ステップ34では、真のヨー角速
度ωとしてωGの値を代入する。
【0037】このように、制動時にはGセンサ側、非制
動時には車輪速センサ側を選択することで、両方の欠点
を相補することができ、常に正確なヨー角速度を得るこ
とが可能となる。
【0038】次に、上述したヨー角速度検出装置を、ア
ンチスキッド制御装置に応用した実施例について、図4
を用いて説明する。前右輪1a,前左輪1b,後右輪1c,後
左輪1dには、それぞれブレーキ液圧を車輪に伝達するホ
イールシリンダ43a〜43dと、車輪速センサ3a〜3dが設置
されている。ホイールシリンダ43a〜43dに供給するブレ
ーキ液圧は、ブレーキペダル47から操作されることによ
ってマスターシリンダ44内で圧力が発生し、これを油圧
ユニット45に伝達し、この油圧ユニット45を介して各ホ
イールシリンダ43a〜43dへ油圧を伝える。
【0039】油圧ユニット45には、各車輪1a〜1dへ伝え
るブレーキ液圧の増圧,保持,減圧を行う電磁弁45a〜4
5dが配置され、制御装置46からの制御指令を受けて動作
する。またこの他に、制御装置46への入力信号を与える
センサとしては、車輪速センサ3a〜3dと、ハンドル49の
回転位置を検出する操舵角センサ48と、車両の前後Gを
検出する加速度センサ4,5が設けられている。更に、出
力としては、油圧電磁弁45a〜45dを駆動する図示しない
複数のトランジスタを備える。
【0040】このアンチスキッド制御装置の基本動作に
ついて説明する。従来よりアンチスキッド制御装置につ
いては種々のシステムがあり報告されているが、基本と
なる動作は同じである。各車輪速センサ3a〜3dによって
得られる各車輪速値と車体速度とを、ここでは仮に、 Vfr : 前右輪の車輪速値 Vfl : 前左輪の車輪速値 Vrr : 後右輪の車輪速値 Vrl : 後左輪の車輪速値 V : 車体の速度 とし、また、各車輪のスリップ率を以下の式8〜11と
する。
【0041】
【数8】 Sfr = (V − Vfr)/V : 前右輪のスリップ率
【0042】
【数9】 Sfl = (V − Vfl)/V : 前左輪のスリップ率
【0043】
【数10】 Srr = (V − Vrr)/V : 後右輪のスリップ率
【0044】
【数11】Srl = (V − Vrl)/V : 後左輪の
スリップ率。
【0045】図7に示すμ-S特性で、摩擦係数が最大
となるように、各車輪のスリップ率を0.2付近に設定
し、スリップ率が大きな時には電磁弁45a〜45dを動作さ
せ、ホイールシリンダ43a〜43dの液圧を減圧する。この
結果、車輪速は車体の速度まで次第に引き上げられるた
め、スリップ率は小さくなる。
【0046】また、スリップ率がきわめて小さな値の時
には、ホイールシリンダ43a〜43dの液圧を増加させ、車
輪に制動トルクをかけスリップ率を上昇させている。
【0047】このように、ホイールシリンダ43a〜43dの
液圧を変化させることを繰り返し、スリップ率を所定の
値に近づけ、制動力を最大とし、かつ、走行時の安定に
寄与する横抗力をも低めることなく安定に制動すること
ができるのである。
【0048】しかしながら、上述の動作は、4つの車輪
が同じ路面に存在することを想定している。図6に示す
ように、各々の車輪から得られる制動力を Ffr : 前右輪の制動力 Ffl : 前左輪の制動力 Frr : 後右輪の制動力 Frl : 後左輪の制動力 とする。車輪にかかる垂直荷重Wf,Wrに左右の差がな
く、しかも路面の摩擦係数μが同じであるとすれば
【0049】
【数12】Ffl = Ffr = μ・Wf
【0050】
【数13】Frl = Frr = μ・Wr
【0051】となり、差を持たない。このため、車両に
横方向に働く力が発生せず、車両の操向安定性が得られ
る。
【0052】しかし、路面の摩擦係数μが、左右輪で差
がある場合、例えば右側の路面μが高い場合、つまり、
図6に示す路面μが、μr>μlの場合
【0053】
【数14】Ffr = μr・Wf > Ffl = μl・Wf
【0054】
【数15】Frr = μr・Wr > Frl = μl・Wr
【0055】となり、車両の重心位置回りに
【0056】
【数16】 Mb = Lr(Ffr + Frr) - Ll(Ffl + Frl) -La(Cfr + Cfl) - Lb(Crr + Crl)
【0057】なるモーメントが発生する。ここで、Cf
r,Cfl,Crr,Crlは、前右,前左,後右,後左の車
輪が発生するコーナリングフォースであり、その最大値
は、図7における横抗力の値以下となっている。
【0058】ここで、
【0059】
【数17】Lr(Ffr + Frr) - Ll(Ffl + Frr) < La(Cfr + Cfl) + Lb(Crr + Crl)
【0060】の時には、左右輪の制動力差によるモーメ
ントの発生は、タイヤの横抗力によって打ち消され、実
際、車両にヨーモーメントすなわちヨーが発生すること
はない。
【0061】しかし、左右のμの差が大きくなるに従い
【0062】
【数18】Lr(Ffr + Frr) - Ll(Ffl + Frr) > La(Cfr + Cfl) + Lb(Crr + Crl)
【0063】となり、ヨーが発生する。このヨーは、運
転者のハンドル操作によって発生したものではなく、路
面の状態によって発生したものであるため、運転者の意
志に反するものである。また、運転者にとって予期せぬ
ことであるので、突然のヨー発生により事故を引き起こ
すケースもある。
【0064】この対策として、以下に示すヨー角速度を
フィードバックしたアンチスキッド制御システムが有効
である。これを図5の制御ブロック図を用いて説明す
る。
【0065】図3のフローチャートにて算出したヨー角
加速度ωは、ハンドル舵角をもとにしてつくられた目標
(規範)ヨー角速度と比較される。一般に、ハンドル舵
角がヨー角速度に比例することが知られており、比例分
をステップ51で発生させて、ハンドル舵角θから規範ヨ
ー角速度ωRを生成する。規範ヨー角加速度ωRを、図3
のフローチャートで算出されたヨー角速度ωと比較し、
その偏差βを求める。
【0066】次に、このヨー角速度偏差βに基づき、各
々の車輪の目標スリップ率Sfrt,Sflt,Srrt,Srlt
を、各ブロック52a〜52dにより求める。これらのブロッ
クには、ヨー角速度偏差βから目標スリップ率を求める
テーブルがあり、図5に示したような形になっている。
【0067】このテーブルの本質的な意味は、車両に目
標ヨー各加速度ωRよりも右回りのヨー角速度が発生し
たときには、右側の車輪の目標スリップ率を下げること
にある。この結果、図7の説明では右側の車輪の目標ス
リップ率は0.2付近であったものが、0.1以下に下げら
れ、右側の車輪の摩擦係数μが小さくなり、車両に左回
りのヨーモーメントが発生する。
【0068】次に、夫々の次段のブロック53a〜53dで
は、推定車体速V,目標スリップ率Sfrt,Sflt,Srr
t,Srlt及び各車輪速から、目標車輪速値を次式19に
て算出する。
【0069】
【数19】Vfrt = V * (1 - Sfrt) 添字flt,rrt,rltについても同じ計算式となる。
【0070】これらの目標車輪速値と実際の車輪速値と
の差により、各電磁弁45a〜45dの増圧,保持,減圧を決
定する。
【0071】次に、各車輪を上記の目標スリップ率に制
御する演算について、図8,図9を参照して説明する。
【0072】図8は、前記の数式19に目標スリップ率
を代入して得た目標車輪速Vfrtを制御する動作の説明
図である。図8中のA〜Dは、油圧バルブ動作の条件を示
している。
【0073】 A条件 ・・・・ 車輪の加速度Gfr < GLで保持 B条件 ・・・・ 車輪速Vfr < 目標車輪速Vfrtで減圧 C条件 ・・・・ 車輪の加速度Gfr > GHで保持 D条件 ・・・・ A,B,C条件以外で増圧。
【0074】上記の条件をフローチャートにて示すと図
9のようになる。なお本ルーチンは例えばΔT( = 10m
s)毎に演算される。先ず、ステップ901では、目標車輪
速を演算する。次のステップ902では、車輪加速度を演
算するが、1回前に演算したVfrとの差から求める。ス
テップ903では、図8中のB条件判定を行う。ステップ90
4では、図8中のC条件判定を行う。ステップ905では、
図8中のA条件判定を行う。ここで、A〜C条件にあては
まらなかったときは、D条件となり、電磁弁は増圧状態
となる。
【0075】以上、前右車輪を例にとり図5のブロック
53aについて説明したが、他のブロック53b〜53dについ
ても同様の処理を行い、車輪速を目標車輪速に追従させ
る。
【0076】尚、図9のフローチャートに示した処理
は、実際にはマイコン28によっておこなわれる。
【0077】
【発明の効果】本発明によれば、非制動時には、左右の
車輪速度差によるヨー角速度を真のヨー角速度とみな
し、このときGセンサの値をもとに算出したヨー角速度
は無視するので、長時間のヨー角速度検出をおこなって
も誤差が増大することはない。
【0078】逆に、制動時には2つのGセンサの値をも
とに算出したヨー角速度を真のヨー角速度とみなし、左
右の車輪速度差によるヨー角速度の値は無視する。従っ
て、車輪がロックしていようと、ABSの動作で車輪速
が急変していようと、加速度には影響がでないので、正
確にヨー角速度を検出することができる。また、積算誤
差については、一回の制動時間が長くても20秒程度で
あるため誤差の大きさは無視できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】角速度検出装置の構成図である。
【図2】角速度検出装置のブロック構成図である。
【図3】制御手順のフローチャートである。
【図4】アンチスキッド制御システムの構成図である。
【図5】図4に示すアンチスキッド制御システムの制御
ブロック図である。
【図6】ヨーモーメント発生を示す図である。
【図7】μ-s特性図である。
【図8】車輪速制御の動作説明図である。
【図9】車輪速制御のフローチャートである。
【符号の説明】
1a〜1d…車輪、3a〜3b…車輪速センサ、4,5…Gセン
サ、28…マイコン、45…油圧ユニット、46…制御装置、
52a〜52d…目標スリップ率テーブル。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 菅原 早人 茨城県勝田市大字高場字鹿島谷津2477番 地3 日立オートモティブエンジニアリ ング株式会社内 審査官 秋田 将行 (56)参考文献 特開 平4−133825(JP,A) 特開 平4−136708(JP,A) 特開 昭63−269064(JP,A) 特開 平5−85321(JP,A) 特開 平4−204059(JP,A) 特開 昭62−70766(JP,A) 実開 昭64−33071(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) G01P 7/00 G01P 15/00

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 車両の進行方向に直角な方向に距離を隔
    てて配置され且つ各々の検出方向が車両進行方向に平行
    となるように取り付けられた2つの加速度センサと、車
    両の左右の車輪の速度を夫々検出する車輪速度センサと
    を搭載した車両において、車両の運転状態が制動時であ
    るか非制動時であるかを判定し、運転状態が制動時であ
    ると判定したときは前記2つの加速度センサの出力の差
    分からヨー角加速度を求めこれを積分してヨー角速度を
    求め、運転状態が非制動時であると判定したときは前記
    車輪速度センサの検出した左右の車輪速度の差からヨー
    角速度を求めることを特徴とする車両のヨー角速度検出
    方法。
  2. 【請求項2】 車両の進行方向に直角な方向に距離を隔
    てて配置され且つ各々の検出方向が車両進行方向に平行
    となるように取り付けられた2つの加速度センサと、車
    両の左右の車輪の速度を夫々検出する車輪速度センサと
    を搭載した車両において、車両の運転状態が制動時であ
    るか非制動時であるかを判定し、運転状態が制動時であ
    ると判定したときは前記2つの加速度センサの出力の差
    分からヨー角加速度を求めこれを積分してヨー角速度を
    求め、運転状態が非制動時であると判定したときは前記
    車輪速度センサの検出した左右の車輪速度の差からヨー
    角速度を求め、車両が非制動状態から制動状態に移行し
    たときの前記積分の初期値として直前の非制動時に求め
    たヨー角速度の値を用いることを特徴とする車両のヨー
    角速度検出方法。
  3. 【請求項3】 車両の進行方向に直角な方向に距離を隔
    てて配置され且つ各々の検出方向が車両進行方向に平行
    となるように取り付けられた2つの加速度センサと、車
    両の左右の車輪の速度を夫々検出する車輪速度センサと
    を搭載した車両において、車両がヨー運動をしたとき前
    記2つの加速度センサの出力の差分からヨー角加速度ω
    G'求めこれを積分してヨー角速度ωGを求め、左右の車
    輪速度の差からヨー角速度ωvを求め、車両の制動時に
    はヨー角速度として前記ωGを選択し、非制動時には前
    記ωvを選択することを特徴とする車両のヨー角速度検
    出方法。
  4. 【請求項4】 車両の進行方向に直角な方向に距離を隔
    てて配置され且つ各々の検出方向が車両進行方向に平行
    となるように取り付けられた2つの加速度センサと、車
    両の左右の車輪の速度を夫々検出する車輪速度センサと
    を搭載した車両において、車両がヨー運動をしたとき前
    記2つの加速度センサの出力の差分からヨー角加速度ω
    G'求めこれを積分してヨー角速度ωGを求め、左右の車
    輪速度の差からヨー角速度ωvを求め、車両の制動時に
    はヨー角速度として前記ωGを選択し、非制動時には前
    記ωvを選択し、車両が非制動状態から制動状態に移行
    したときは前記積分の初期値として直前の非制動時に求
    めたヨー角速度ωvの値を用いることを特徴とする車両
    のヨー角速度検出方法。
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