JP2001521972A5 - - Google Patents

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JP2001521972A5
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【書類名】 明細書
【発明の名称】 結合した安定型フリーラジカルを有する粒子、重合変性粒子、およびその製造方法
【特許請求の範囲】
【請求項1】 次式の結合基を持つ粒子を含む変性粒子:
【化1】
Figure 2001521972
(Aは、少なくとも1つの芳香族基、又は少なくとも1つのアルキル基を表し;Rは、結合、アリーレン基、アルキレン基、−O−、−NH−、−S−、−OR−、−NR−、
【化2】
Figure 2001521972
を表し(Rは、アルキル又はアルキレン基、あるいはアリール又はアリーレン基);R及びRは、同一であっても異なっていてもよく、水素、アルキル基、アリール基、−OR、−NHR、−NR又は−SRを表し(Rは、同一であっても異なっていてもよく、アルキル基又はアリール基);且つSFRは安定遊離ラジカルを表す)。
【請求項2】 前記SFRが次式を有する、請求項1の変性粒子:
【化3】
Figure 2001521972
又は、
−O−Ar (VI)
(R及びRは、同一であっても異なっていてもよく、置換型又は非置換型アルキル又はシクロアルキル基を表し、又はR及びRは、共に一つとなりシクロアルキル基を形成し;且つArは芳香族基を表す)。
【請求項3】 (a)少なくとも1つの炭素相及び少なくとも1つの金属含有種相を含む凝集体、少なくとも一つの炭素相及び少なくとも一つのシリコン含有種相を含む凝集体、金属酸化物、又は金属水酸化物、並びに
(b)前記粒子又は凝集体に結合しており、且つ下記の式を持つ基:
【化4】
Figure 2001521972
(CoupAは、Siに基づく基、Tiに基づく基、Crに基づく基、又はZrに基づく基を表し;R及びRは、同一であっても異なっていてもよく、水素、アルキル基、アリール基、−OR10、−NHR10、−NR1010、又は−SR10を表し(R10は、同一であっても異なっていてもよく、アルキル基又はアリール基);SFRは安定遊離ラジカルを表し;且つnは1〜3のいずれかの整数を表す)、
を含む、変性粒子又は凝集体。
【請求項4】 次式の基が結合した粒子を含む、変性粒子:
【化5】
Figure 2001521972
(Aは、少なくとも1つの芳香族基あるいはアルキル基を表し;Rは、結合、アリーレン基、アルキレン基、−O−、−NH−、−S−、−OR−、−NR−、
【化6】
Figure 2001521972
を表し(Rは、アルキル又はアルキレン基、あるいはアリール又はアリーレン基);R及びRは、同一であっても異なっていてもよく、水素、アルキル基、アリール基、−OR、−NHR、−NR又は−SRを表し(Rは、同一であっても異なっていてもよく、アルキル基又はアリール基);SFRは、安定遊離ラジカルを表し;且つXは、少なくとも1種類の重合可能なビニル又はジエン含有モノマーより形成されたポリマーを表す)。
【請求項5】 (a)少なくとも1つの炭素相及び少なくとも1つの金属含有種相を含む凝集体、少なくとも一つの炭素相及び少なくとも一つのシリコン含有種相を含む凝集体、金属酸化物、又は金属水酸化物、並びに
(b)前記粒子又は凝集体に結合しており、且つ下記の式を持つ基:
【化7】
Figure 2001521972
(CoupAは、Siに基づく基、Tiに基づく基、Crに基づく基、又はZrに基づく基を表し;R及びRは、同一であっても異なっていてもよく、水素、アルキル基、アリール基、−OR10、−NHR10、−NR1010、又は−SR10を表し(R10は、同一であっても異なっていてもよく、アルキル基又はアリール基);SFRは、安定遊離ラジカルを表し;Xは、少なくとも1種類の重合可能なビニル又はジエン含有モノマーより形成されたポリマーを表し;且つnは、1〜3のいずれかの整数を表す)、
を含む、変性粒子又は凝集体。
【請求項6】 −SFR基を有する有機基(SFRは安定遊離ラジカルを表す)が直接に結合している粒子を含む、変性粒子。
【請求項7】 次式の結合基を持つ粒子を含む、変性粒子:
−X−SFR
(SFRは、安定遊離ラジカルを表し;且つXは、前記粒子に直接に結合しており、且つ少なくとも1種類の重合可能モノマーより形成されたポリマーを表す)。
【請求項8】 次式の結合基を持つ粒子を含む、変性粒子:
【化8】
Figure 2001521972
(Aは、少なくとも1種類の芳香族基あるいは少なくとも1種類のアルキル基を表し;Rは、結合、アリーレン基、アルキレン基、−O−、−NH−、−S−、−OR−、−NR−、
【化9】
Figure 2001521972
を表し(Rは、アルキル又はアルキレン基、あるいはアリール又はアリーレン基);R及びRは、同一であっても異なっていてもよく、水素、アルキル基、アリール基、−OR、−NHR、−NR又は−SRを表し(Rは、同一であっても異なっていてもよく、アルキル基又はアリール基);Xは、少なくとも1種類の重合可能なビニル又はジエン含有モノマーより形成されるポリマーを表し;且つTは停止部分を表す)。
【請求項9】 (a)少なくとも1種類の炭素相及び少なくとも1種類の金属含有種相を含む凝集体、少なくとも一種類の炭素相及び少なくとも一種類のシリコン含有種相を含む凝集体、金属酸化物、又は金属水酸化物、並びに
(b)前記粒子又は凝集体に結合しており、且つ下記の式を持つ基:
【化10】
Figure 2001521972
(CoupAは、Siに基づく基、Tiに基づく基、Crに基づく基、又はZrに基づく基を表し;R及びRは、同一であっても異なっていてもよく、水素、アルキル基、アリール基、−OR10、−NHR10、−NR1010又は−SR10を表し(R10は、同一であっても異なっていてもよく、アルキル基又はアリール基);Xは、少なくとも1種類の重合可能なビニル又はジエン含有モノマーより形成されたポリマーを表し;Tは、停止部分を示し;且つnは、1〜3のいずれかの整数を表す)、
を含む、変性粒子又は凝集体。
【請求項10】 次式の結合基を有する粒子を含む、変性粒子:
−X−T
(Xは、前記粒子に直接に結合しており、且つ少なくとも1種類の重合可能モノマーより形成されるポリマーを表し;且つTは停止部分を表す)。
【請求項11】 前記粒子が、カーボン生成物、カーボン生成物以外の顔料、金属酸化物、金属水酸化物又はそれらの混合物である、請求項1、2、4、6又は7に記載の変性粒子。
【請求項12】 インクジェットインクビヒクル及び請求項8、9又は10に記載の変性粒子を含む、インクジェットインク組成物。
【発明の詳細な説明】
【0001】
発明の分野
本発明は、ブロックされたラジカル源を有する変性粒子の形成を可能にする結合した安定遊離ラジカルを有する粒子、例えばカーボンブラックに関する。本発明はさらに、この様な変性粒子を調製する方法及び利用する方法に関する。
【0002】
重合系中の熱安定剤としてのカーボンブラックの役割については、W.L.Hawkins、R.H.Hansen、W.Matreyek及びF.H.WinslowのJ.Applied Polymer Science、vol.1、37〜42ページ、1959年;J.T.Cruver及びK.W. RollmannのJ.Applied Polymer Science、vol.8、1169〜83ページ、1964年;並びにG.Ivan及びM. GiurginaのRevue Roumaine de Chemie、vol.29、8号、639〜656ページ、1984年で考察されている。各考察では、カーボンブラック表面上のフェノール又はキノンの酸素基が、ラジカル捕捉体又は過酸化物分解剤として機能するメカニズムが、論じられている。しかし当業者は、これらの部位が重合工程の開始部位として利用できないと考えていた。
【0003】
Belmont等(J.A.Belmont及びJ.M.FuntのInternational Rubber Conference、ドイツ国エッセン、1991年6月24〜27日)は、カーボンブラック表面上に、典型的には0.1〜0.4マイクロモル/平方メーターの範囲の、過酸化水素基が存在することを見いだした。しかし、これら過酸化水素基の大部分(80%以上)は、200℃の熱処理に対し熱安定であり、従ってラジカル重合の潜在的開始部位と考えることはできない。
【0004】
Tsubokawa等(K.Fujiki、N.Tsubokawa及びY. SoneのPolymer J.、vol22、8号、661〜70ページ、1990年、及びN. TsubokawaのProg. Polymer Science、vol17、417〜70ページ、1992年)は、カーボンブラック表面上の酸素基を利用して初めに官能基を結合させることによって、活性化したカーボンブラック表面からポリマーを成長させることについて論じている。典型的な例には、グリシジル基がカーボンブラック表面上のフェノールの水酸基と反応し、ビニル官能性を提供するグリシジルメタクリレートの利用;イソシアネート基がフェノールの水酸基と反応し、続いてアゾ基の熱分解によりアルキルラジカルが生じる4,4’アゾビス−(4−シアノバレリアン酸)反応の利用;並びにその後の陰イオン性重合の開始位置として利用できるフェノール水酸基とブチルリチウムとの反応を含む。
【0005】
これらアプローチは全て、カーボンブラック上に酸素基が存在することを必要とする。上記のアプローチに対し、典型的なファーネスカーボンブラックあるいはサーマルカーボンブラック上に存在する反応性のヒドロキシル基及びカルボキシル酸基のレベルは、典型的には0.01〜0.1マイクロモル/平方メーターであることから、潜在的開始部位の数は極めて少ない。
【0006】
更にこれら活性部位から続く重合の大部分は、鎖の結合反応、カーボンブラック表面上の未反応酸素基との結合、及び/又は鎖停止剤の付加による不可逆的な停止を伴いながら、遊離ラジカル重合に通常見られる様式で起こると考えられる。いずれの場合も、重合を再開することはできない。従って、上記制限を解消する安定遊離ラジカルが結合した粒子を提供する必要がある。
【0007】
発明の要旨
本発明の目的によれば、本発明は次式の結合基を持つ粒子を含む変性粒子に関する:
【0008】
【化11】
Figure 2001521972
(Aは芳香族基又はアルキル基を表し;Rは、結合、アリーレン基、アルキレン基、−O−、−NH−、−S−、−OR−、−NR−、
【0009】
【化12】
Figure 2001521972
【0010】
を表し(Rはアルキル又はアルキレン基、あるいはアリール又はアリーレン基);R及びRは、同一であっても異なっていてもよく、水素、アルキル基、アリール基、−OR、−NHR、−NR又は−SRを表し(Rは、同一であっても異なっていてもよく、水素、アルキル基、又はアリール基);且つSFRは安定遊離ラジカルを表す)。
【0011】
本発明はさらに、粒子又は凝集体が、カーボン−金属の多相凝集体、カーボン−シリコン含有種の多相凝集体、金属酸化物、あるいは金属水酸化物である、変性粒子又は凝集体に関する。この粒子又は凝集体には、下式を有する基が結合している:
【0012】
【化13】
Figure 2001521972
【0013】
(CoupAは、Si含有基、Ti含有基、Cr含有基、又はZr含有基を表し;R及びRは、同一であっても異なっていてもよく、水素、アルキル基、アリール基、−OR10、−NHR10、−NR1010又は−SR10を表し(R10は同一であっても異なっていてもよく、水素、アルキル基又はアリール基);SFRは安定遊離ラジカル、nは1〜3のいずれかの整数を表す)。
【0014】
更に本発明は、結合しているポリマー又はブロックされているラジカル源を伴う変性粒子であって、下式の結合基を持つものに関する:
【0015】
【化14】
Figure 2001521972
【0016】
(Xは、ブロックされているラジカル源、又は少なくとも1つの重合可能なビニル若しくはジエンに基づくモノマーより形成されたポリマーを表し、Aは、芳香族基あるいはアルキル基を表し;Rは、結合、アリーレン基、アルキレン基、−O−、−NH−、−S−、−OR−、−NR−、
【0017】
【化15】
Figure 2001521972
【0018】
を表し(Rは、アルキル又はアルキレン基、あるいはアリール又はアリーレン基);R及びRは、同一であっても異なっていてもよく、水素、アルキル基、アリール基、−OR、−NHR、−NR又は−SRを表し(Rは、同一であっても異なっていてもよく、アルキル基又はアリール基);且つSFRは安定遊離ラジカルを表す)。
【0019】
本発明はまた、結合したポリマーを有する別の変性粒子にも関連する。この粒子は、カーボン−金属の多相凝集体、カーボン−シリコン含有種の多相凝集体、金属酸化物、又は金属水酸化物である。粒子に結合している基は、次式で表される:
【0020】
【化16】
Figure 2001521972
【0021】
(CoupAは、Si含有基、Ti含有基、Cr含有基、又はZr含有基を表し;R及びRは、同一であっても異なっていてもよく、水素、アルキル基、アリール基、−OR10、−NHR10、−NR1010又は−SR10を表し(R10は、同一であっても異なっていてもよく、アルキル基又はアリール基);SFRは安定遊離ラジカルを表し、Xは、ブロックされているラジカル源、又は少なくとも1の重合可能なビニルあるいはジエン含有モノマーより形成されるポリマーであり、そしてnは1〜3のいずれかの整数である)。
【0022】
本発明は更に、これら様々な変性粒子を調製及び使用するための方法に関する。この方法は、ビニル置換アルキル基が結合している粒子を、反応性遊離ラジカル源及び安定遊離ラジカル源と反応させて、反応生成物を形成させることを含む。本応用は更に、この反応生成物を、重合可能なビニル又はジエン含有モノマーと反応させることによって、ブロックされているラジカル源又はポリマーが結合している変性粒子を形成することにも関する。
【0023】
本発明はさらに、次式の結合基を有する粒子を含む変性粒子を作成する方法に関する:
【0024】
【化17】
Figure 2001521972
【0025】
(Aは、芳香族基又はアルキル基を表し;Rは、結合、アリーレン基、アルキレン基、−O−、−NH−、−S−、−OR−、−NR−、
【0026】
【化18】
Figure 2001521972
【0027】
を表し(Rは、アルキル又はアルキレン基、あるいはアリール又はアリーレン基);R及びRは、同一であっても異なっていてもよく、水素、アルキル基、アリール基、−OR、−NHR、−NR又は−SRを表し(Rは、同一であっても異なっていてもよく、アルキル基又はアリール基);且つSFRは安定遊離ラジカルを表す)。
【0028】
この方法は、(a)引き抜き可能な陽子を含む基であってこの陽子が引き抜かれた場合には炭素中心ラジカルが残る基を持つ芳香族基又はアルキル基が結合している粒子に、(b)反応性遊離ラジカル源及び(c)安定遊離ラジカル源を反応せしめることを含む。
【0029】
更に本発明は、粒子に直接に結合されている−SFR基含有有機基を有する粒子を含む変性粒子に関する。また変性粒子は、粒子に直接に結合している−X−SFR基含有有機基を有する粒子でもよい。
【0030】
本発明は更に、−SFR基が、水素原子、ヒドロキシ基、又はハロゲン基の様な末端部分により置換あるいは停止されているポリマー変性粒子又は凝集体に関する。
【0031】
上記の一般的記述及び以下の詳細な説明は共に単なる例示及び説明を目的とするものに過ぎず、請求の範囲に係る本発明の更なる説明を提供するためと理解すべきである。
【0032】
発明の詳細な説明
実施態様の一つでは、本発明は、次式の結合基を有する粒子を含む変性粒子に関する:
【0033】
【化19】
Figure 2001521972
【0034】
(Aは、粒子に結合している芳香族基又はアルキル基を表し;Rは、結合、アリーレン基、アルキレン基、−O−、−NH−、−S−、−OR−、−NR−、
【0035】
【化20】
Figure 2001521972
【0036】
を表し(Rは、アルキル又はアルキレン基、あるいはアリール又はアリーレン基);R及びRは、同一であっても異なっていてもよく、水素、アルキル基、アリール基、−OR、−NHR、−NR又は−SRを表し(Rは、同一であっても異なっていてもよく、アルキル基又はアリール基);且つSFRは安定遊離ラジカルを表す)。
【0037】
変性される粒子は、式(I)〜(IV)の様な本明細書記載の式のいずれかにより表される基を有することができるいずれの粒子でもよい。好ましくは、式(I)及び(III)の基に関する好適実施例では、−SFR及び−X−SFRは炭素結合を介し粒子上に好ましく結合されることから、粒子は炭素活性部位(−)を持つことが好ましい。例えば、粒子は炭素生成物、炭素生成物以外の顔料、金属酸化物(例えばシリカ)、金属水酸化物、炭素相及びシリコン含有種相を含む多相凝集体、炭素相及び金属含有種相を含む多相凝集体等である。炭素は、結晶型及び/又はアモルファス型でよい。炭素生成物の例は、グラファイト、カーボンブラック、ガラス質炭素、活性チャコール、活性炭、カーボンファイバー、及びその混合物を含むが、これに限定されない。上記のものの微細分割形状が好ましい。最も好ましくは、粒子は炭素生成物であり、カーボンブラックが最も好ましい。
【0038】
シリコン含有種及び/又は金属含有種が、炭素相同様に凝集体の相である限り、炭素相及びシリコン含有種相を含む多相凝集体は、シリコン処理カーボンブラック凝集体であると考えることもでき、また炭素相及び金属含有種相を含む多相凝集体は、金属処理カーボンブラック凝集体であると考えることもできる。多相凝集体は、別個のカーボンブラック凝集体と別個のシリカ又は金属凝集体の混合物を表すものではなく、またシリカでコートされたカーボンブラックではない。むしろ、本発明で利用される多相凝集体は、凝集体の表面若しくはその近傍(しかし凝集体内には及ばない)及び/又は凝集体内に凝集している少なくとも1つのシリコン又は金属含有領域を含む。
【0039】
即ち凝集体は少なくとも2種類の相を含み、これらの相のうちの1つは、カーボンであり、もう1つはシリコン含有種、金属含有種又はそれら両方である。凝集体の一部になり得るシリコン含有種は、シリカカップリング剤のようにはカーボンブラック凝集体には結合していなが、実際には炭素相と同様に凝集体の一部となっている。例えば炭素相及びシリコン含有種相を持つ多相凝集体をSTEM−EDXで調べると、シリコン含有種に対応するシリコンシグナルは、個々のカーボンブラック凝集体中に存在することが判明した。これに対して、例えばシリカ及びカーボンブラックの物理的混合物では、STEM−EDX試験によれば、シリカとカーボンブラック凝集体が明らかに分離していることが示される。
【0040】
金属処理されたカーボンブラックは、少なくとも1種類の炭素相及び少なくとも1種類の金属含有種相を含む凝集体である。金属含有種は、アルミニウム、亜鉛、マグネシウム、カルシウム、チタン、バナジウム、コバルト、ニッケル、ジルコニウム、錫、アンチモン、クロム、ネオジム、鉛、テルル、バリウム、セシウム、鉄及びモリブデンを含有する化合物を含む。好ましくは、金属含有種相は、アルミニウム又は亜鉛含有種相である。金属含有種相は、凝集体の少なくとも一部に分布しており、また凝集体の本質的な部分である。
【0041】
さらに、1種類よりも多くの金属含有種相を含む金属処理カーボンブラック又は金属処理カーボンブラックが、シリコン含有種相及び/又はホウ素含有種相も含めるようにすることも、本発明の範囲内である。例えば、本発明の金属処理カーボンブラックは、炭素相、アルミニウム含有種相及び亜鉛含有種相を含む凝集体を有することができる。従って、本発明に用いる多相凝集体は、2種類又はそれ以上の金属含有種相及び/又は追加の非金属種相を有することができる。
【0042】
本発明の目的に関して、多相凝集体内に存在するシリコン成分及び/金属成分は、凝集体の重量当たり約0.1〜約25重量%であることが好ましく、より好ましくは約0.5重量%〜約10重量%であり、最も好ましくは約0.2重量%〜約5.4重量%である。
【0043】
多相凝集体製造の詳細は、1995年5月22日出願の米国特許出願08/446,141、1995年5月22日出願の同08/446,142号、1995年9月15日出願の同08/528/895号、1996年11月22日出願の同08/750,017号(1996年3月27日出願の国際出願WO96/37547)の国内段階、1997年3月27日出願の同08/828,785号、1997年4月18日出願の同08/837,493号、及び1998年4月7日出願の09/061,871号の明細書で説明されている。これら特許出願明細書は全て、ここで参照して本明細書の記載に含める。
【0044】
シリカコートされたカーボン生成物、例えばここで参照して本明細書の記載に含められる1996年11月28日公開の国際出願WO96/37547号に記載されているものも、この粒子として利用することができる。
【0045】
顔料は、芳香族基又はアルキル基の付加により修飾できる顔料であればいずれでもよい。カーボンブラック以外の顔料としては、黒、青、茶、シアン、緑、紫、マゼンタ、赤、黄及びその混合色が含まれるが、これに限定されるものではない。顔料の好適な分類としては、アントラキノン、フタロシアニンブルー、フタロシアニングリーン、ジアゾ、モノアゾ、ピラントロン、ペリレン、複素環式イエロー、キナクリドン及び(チオ)インジゴが含まれるが、これらに限定されるものではない。顔料、及び結合している芳香族基又はアルキル基を有する顔料の製造法に関する具体例及び追加情報は、ここで参照してその全体を本明細書の記載に含める国際出願公開WO97/47699号に記述されている。
【0046】
本発明に有用な粒子は例えば、一般に約10nm〜約500nm、好ましくは約20nm〜約250nmの範囲の一次粒径を有しており、また一次凝集体の大きさの範囲は一般に、約50nm〜約100μm、好ましくは約50nm〜約10μm、更に好ましくは約75nm〜約1μmである。これら粒子のBET表面積は、好適な面積であれば何れでもよく、好ましくは約10m/g〜約2000m/g、より好ましくは約10m/g〜約1,000m/g、更に好ましくは約50m/g〜500m/gであり;且つ粒子構造は好ましくは、約100cc/100g〜約1000cc/gの範囲、より好ましくは約50cc/100g〜約200cc/100gである。
【0047】
重合前に粒子に直接に結合しているSFR基の数は、有効に結合できる任意の量でよい。例えばSFR基の数は、約0.01mmol/g(粒子重量)〜約10mmol/g、又は約0.1mmol/g〜約4mmol/g、又は約0.05mmol/g〜4mmol/g、又は約0.5mmol/g〜約3mmol/g、又は約0.1mmol/g〜約2mmol/gである。
【0048】
粒子が、炭素相とシリコン含有種相とを含む粒子の様な多相凝集体である場合、式(I)又は(III)の基が、排他的でないとしても、少なくとも炭素相上に結合していることが好ましい。
【0049】
少なくとも1つの芳香族基又はアルキル基を表すAに関しては、いずれの芳香族基又はアルキル基も利用できる。後述する重合可能モノマーとは異なり、芳香族基又はアルキル基はポリマーではなく、また重合しない。例にはアリーレン基が含まれるが、これに限定されるものではない。好適なアリーレン基には、フェニレン及びナフタレン基が含まれるが、これに限定されるものではない。芳香族基としては、1又はそれ以上の環を有する不飽和型の環状炭化水素を挙げることができるが、これに限定されるものではない。芳香族基は、置換型又は非置換型であってよい。芳香族基には、アリール基(例えばフェニル、ナフチル、アントラセチル等)、及びヘテロアリール基(例えばイミダゾリル、ピラゾリル、ピリジニル、チエニル、チアゾリル、フルイル、トリアジニル、インドリル等)が含まれる。アルキル基は、C〜C12アルキル基が好ましく、また分枝型又は非分枝型でよく、エチルが好ましい。
【0050】
に関して、好適なアリーレン基としては、ベンゼン環含有基を挙げることができるが、これに限定されるものではない。好適なアルキレン基としては、C〜C18アルキレン含有基が含まれるが、これに限定されるものではない。これらの基は、直鎖状、分枝状、又は不飽和型であることができる。これらアリーレン基及びアルキレン基の例は、Rの例としても考えることができる。Rに関し、好適なアルキル基は、C〜C20アルキル基、より好ましくはC〜Cアルキル基であり、また好適なアリール基はフェニル、ビフェニル及びナフチルである。
【0051】
同一であっても異なっていてもよいR及びRに関して、アルキル基(例えばC〜C20アルキル基)の例としては、メチル、エチル、プロピル、ブチル等が含まれるが、これに限定されるものではない。好ましくは、アルキル基はC〜Cアルキル基である。アリール基の例としては、フェニル、ビフェニル及びナフチルが含まれるが、これに限定されるものではない。ここに記したアルキル及びアリール基、並びに明細書全体に記述されているアリーレン基及びアルキレン基は、本発明の目的に関して、非置換又は置換であってよい。Rは、R及びRに関して説明したのと同じタイプのアルキル及びアリール基であってよい。
【0052】
安定遊離ラジカルであるSFRは、粒子に結合している基の残部をキャップすることができれば何れのラジカルでもよい。SFRの例としては、ニトロオキシド遊離ラジカル、(例えば2,2,5,5−テトラメチル−ピロリジニルオキシ)及び2,2,6,6−テトラメチルピペリンジニルオキシ)、有機ヒドラジル化合物、有機ベダジル化合物、有機アロキシ化合物(例えば2,4,6−トリ第3ブチルフェノキシラジカル、ガルビノキシル(2,6−ジ第3ブチルアルファ−3,5−ジ第3ブチルオキソ−2,5−シクロヘキサジエン−1−イリデンパラトリオキシ)ラジカル)、不対電子が炭素上にあるアリールアルキル又はアリールシクロアルキル、置換型トリフェニルメチル、置換型トリフェニルアミン、及びこれら化合物の誘導体が含まれるが、これに限定されるものではない。
【0053】
本発明に使用されるSFRは、下式を有することが好ましい:
【0054】
【化21】
Figure 2001521972
【0055】
又は、
−O−Ar (VI)
(R及びRは、同一であっても異なっていてもよく、それぞれ置換型又は非置換型のアルキル又はシクロアルキル基を示し;又はR及びRは、共になりシクロアルキル基を形成することができ;Arは、置換型又は非置換型の芳香族基を表す)。アルキル基及び芳香族基の代表例は、置換基R及びRに関して説明したものと同じであってよい。
【0056】
本発明の別の実施態様は、式(II)の基が結合した変性粒子及び凝集体に関する。この粒子は、金属酸化物、金属水酸化物、少なくとも1つの炭素相及び少なくとも1つの金属含有種相を含む凝集体、又は少なくとも1つの炭素相及び少なくとも1つのシリコン含有種相を含む凝集体である。この粒子又は凝集体に結合している基は下記の式を有する:
【0057】
【化22】
Figure 2001521972
【0058】
(CoupAは、Si含有基、Ti含有基、Cr含有基又はZr含有基を表し;R及びRは、同一であっても異なっていてもよく、水素、アルキル基、アリール基、−OR10、−NHR10、−NR1010、又は−SR10を表し(R10は、同一であっても異なっていてもよく、アルキル基又はアリール基);SFRは安定遊離ラジカルを表し;またnは1〜3のいずれかの整数を表す)。好ましくはCoupAは、粒子又は凝集体に結合し、特にSi含有基の場合には、CoupAの一部を形成できる酸素ラジカルを介して粒子又は凝集体に結合する。
【0059】
Si含有基の例には、ジメチルシリルメチル、ジアルコキシシリルメチル等が含まれるが、これに限定されるものではない。Ti含有基の例には、アルファ置換型トリアセチルチタン等が含まれるが、これに限定されるものではない。Zr含有基の例には、ジアルファメトキシネオペンチルジルコネート、アルミニウムジルコネート等が含まれるが、これに限定されることはない。
【0060】
置換基R及びRの例は、上記置換基R及びRと同一でよい。同様に、置換基R10の例も、上記置換基Rと同一でよい。また、SFRも上記に同一である。
【0061】
例えば式(I)の様な式の結合基を有する変性粒子は、以下の様式にて作ることができる。すなわち、カーボンブラックの様な粒子は、初めに粒子に結合しているビニル置換芳香族基又はビニル置換アルキル基を有することができる。この結合は、ここにその全てが参照されて取り込まれているPCT国際公開WO96/18688及び米国特許第5,559,169号、同5,559,169号;同5,571,311号、並びに米国特許出願08/572,525号に記載の方法で実施できる。
【0062】
続いて、ビニル置換芳香族基又はビニル置換アルキル基が結合している粒子を、反応性遊離ラジカル源及び安定遊離ラジカル源と十分な時間及び十分な温度で反応させ、式(I)の様な結合基を有する変性粒子を形成する。安定遊離ラジカル源に対する反応性遊離ラジカル源のモル比は、約0.7〜約2.0、好ましくは約0.9〜約1.1である。反応性遊離ラジカル源の例には、過酸化ベンゾイルの様な有機過酸化物、及びアゾビスイソブチロニトリルの様なアゾ開始体等が含まれるが、これに限定されるものではない。反応性遊離ラジカル源は、粒子上に存在するビニル芳香族基又はビニルアルキル基と反応するのに十分な量で存在している。好ましくは、反応性ラジカル源の量は、約0.01mmol/g(粒子重量)〜10mmol/g、より好ましくは約0.01〜5mmol/gである。
【0063】
あるいは、本発明の変性粒子は、初めに式(I)の様な上記式の基を形成することによって製造できる。好ましくは、安定遊離ラジカル基は、それが利用される場合には芳香族基のメタ位又はパラ位に結合される。次に、安定遊離ラジカル基を有する芳香族基又はアルキル基を有する基を、上記参照特許明細書中の方法によりジアゾニウム処理して粒子に結合する。この場合、上記参照特許記載の方法によって、上記の式の基のうちの1つを有するジアゾニウム塩が、まず形成される。続いて、これらの式の基を、粒子に結合することができる。これほどは好ましくない方法では、本発明の式は、粒子上のヒドロキシル基又はカルボニル基を介して、粒子に結合できる。また、本発明の変性粒子は、少なくとも1つのアルコキシシリル、アルコキシチタニル、又はアルコキシジルコニル基を有する安定遊離ラジカル化合物を粒子に結合することにより形成することができる。この具体的な工程では、粒子は好ましくは、金属酸化物又は金属水酸化物、又はカーボン表面を有する。この具体的実施態様では、式(II)又は(IV)の基を、粒子に結合するであろう。
【0064】
別の工程では変性粒子は、初めに芳香族基又はアルキル基を得、それを化合物と反応させて、SFRの存在を除いて上記式と同じ基を形成することによって製造できる。言い換えれば、式A−R−CRを有する基をまず形成し、続いてSFRをこの基に結合させて、粒子に結合させることができる本発明の式(I)の基を形成する。この工程では、R及びRは水素であることが好ましい。
【0065】
1つの関連する方法には、式A−R−CRを有する基の様な芳香族基又はアルキル基を初めに得、続いて例えば上記の方法によりジアゾニウム処理を行うことによって、これを粒子上に結合し、そしてSFR基を結合して、本発明の式(I)の基を形成することを含む。本発明の実施例7は、この工程の具体的実施態様が示されている。より詳細には、この方法は、陽子引き抜き反応を含む。ここでは、炭素中心ラジカルを残す引き抜き可能な陽子を含む基が、粒子に直接に結合した芳香族基又はアルキル基上に結合している。この方法の目的に関して、芳香族基又はアルキル基を初めに粒子に結合させ、続いて引き抜き可能な陽子を有する基を結合させること、又は引き抜き可能な陽子を有する芳香族基若しくはアルキル基を、例えば上記のジアゾニウム処理によって、粒子に結合することができる。次に、反応性遊離ラジカル源及び安定遊離ラジカル源を、引き抜き可能な陽子を含む基を持つ芳香族基又はアルキル基が結合している粒子と十分な時間及び十分な温度で反応させて、式(I)の様な結合基を持つ変性粒子を形成する。続いて、この式(I)の様な結合基を持つ変性粒子は、前記式(III)の様な基が結合しているポリマーを得るための重合反応に供することができる。この工程では、反応性遊離ラジカル源は、引き抜き可能な陽子を持つ基から陽子を引き抜き、それによって炭素中心ラジカルが残す。これは、安定遊離ラジカル源、それに結合することを可能にして、前記式(I)の様な本発明の変性粒子が作る。炭素中心ラジカルを残す引き抜き可能陽子を含む基の例としては、アルキル基、オレフィン結合に対してアルファ位に水素原子を持つアルケン等が含まれる。具体例としては、メチル、エチル、プロピル、ブチル等のC〜C20アルキル基がある。この方法に関する反応性遊離ラジカル源は、過酸化ベンゾイル及び過酸化t−ブチルの様な有機過酸化物であってよい。安定遊離ラジカル源の例は上記の通りであり、この方法についても同じであってよい。この方法はまた、変性粒子集合体が式(II)及び(IV)の基の様な結合基を有する場合にも適用できる。
【0066】
あるいは、本発明の変性粒子の製造方法は、3段階の方法で実施できる。ここでは、初めにアルキル又は芳香族基を粒子に結合させ、続いて式R−C−Rの基を、芳香族基又はアルキル基に結合する。そして第3段階で、SFRをR−C−R基に結合することができる。
【0067】
また、上記式のうちの1つの結合基を持つ変性粒子の製造では、ビニル置換型アミノ芳香族若しくはアルキル化合物、又はビニル置換アルコキシシリル、チタニル、又はジルコニル誘導体をジアゾ化することによって、脂肪族ビニル基を粒子表面に結合することができる。続いてビニル基を、有機過酸化物及び安定遊離ラジカルと反応させる。ここでは、有機過酸化物及び安定遊離ラジカルは、ビニル基の少なくとも1%、好ましくはビニル基の約50〜約100%と反応するのに十分な量で存在し、有機過酸化物と安定遊離ラジカルとのモル比は、約0.5:1〜約1:1が好ましい。
【0068】
式(II)の変性粒子は、以下の方法にて作成できる。少なくとも1つの炭素相及び少なくとも1つの金属含有種相を含む凝集体は、本願でも参照され取り入れられている米国特許出願08/828,725号の記載に従って製造できる。少なくとも1つの炭素相及び少なくとも1つの金属含有種相を含む凝集体は、米国特許出願08/446,141号及び同08/750,017号の記載に従って製造できる。続いて溶媒中の凝集体にカップリングを添加し、混合して、凝集体又は粒子をカップリング剤と反応させることができる。次に、上記の様に、結合しているカップリング基を持つ凝集体又は粒子を、反応性ラジカル源及び安定遊離ラジカル源と反応させることができる。
【0069】
上記反応の目的に関して、反応は十分な時間及び温度で行わせて、粒子状又は凝集体上に結合基を形成すべきである。一般に、この時間は約3分〜約96時間であり、より好ましくは約1時間〜約24時間である。反応温度は過酸化物の半減期に依存し、好ましくは約50℃〜約200℃であり、より好ましくは約75℃〜約125℃である。
【0070】
上記の各種方法に関し、何れの溶媒、すなわち水性又は非水性溶媒が利用できる。溶媒は、粒子上のラジカルに干渉しないことが好ましい。好ましくは溶媒は、トルエン、ベンゼン、又はキシレンである。各種溶媒の混合物も同様に利用できる。
【0071】
上記変性粒子に関しては、これら粒子又は凝集体を、ビニルあるいはジエン含有モノマーの様な1又は複数種の重合可能モノマーと反応させることで、これら結合基上にポリマーを結合することができる。この様なモノマーの具体例としては、スチレン、イソプレン、ブタジエン、クロロメチルスチレン、メチルメタクリレート及びブチルメタクリレート、並びにアクリル酸及びアクリル酸エステル、及びメタクリル酸及びメタクリル酸エステルが含まれるが、これらに限定されるものではない。より具体的モノマーには、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレートの様なヒドリキシアルキル(メタ)アクリレート;メチルアクリレート又はブチルアクリレートの様なアルキル(メタ)アクリレート;グリシジル(メタ)アクリレート;ジメチルアミノエチルアクリレート;2−アクリルトリメチルエチル塩化アンモニウム;アミノエチルアクリレート;アクリロニトリル;酢酸ビニル等が含まれるが、これらに限定されるものではない。
【0072】
2種類又はそれよりも多くのモノマーの混合物を利用すること、且つ/又は続いて重合させることができる。本発明の目的に関して、モノマー含有ビニルには、ビニル含有モノマーと共役の又は非共役のオレフィン基を更に有するビニル含有モノマーが含まれる。
重合反応は、モノマーの重合が、粒子又は凝集体上に結合している基の一部が形成する条件で実施される。これらの条件は好ましくは、変性粒子をモノマーと共に80℃以上、好ましくは約120℃〜約150℃の温度で、随意の溶媒の存在下に加熱することである。反応は、温度を80℃以下に下げることで停止させることができる。その後、ポリマー変性粒子には、蒸留、蒸気ストリッピング又は沈殿、あるいは残存するモノマー及び溶媒を取り除くためのその他の既知の処理を行うことができる。
【0073】
この様にして、重合反応は、変性粒子又は凝集体上に、任意の長さのポリマーを作ることができる。例えば、好ましくは約500〜約1,000,000の範囲の分子量を持つポリマーを作ることができる。その他の平均分子量の範囲としては、限定するわけではないが、約500〜約3,000、約500〜約2,000、約500〜約500,000、及び約1,000〜約250,000を挙げることができる。ポリマーは、ホモポリマー、コポリマー、ターポリマー、又は多鎖ポリマーの様な任意のポリマーでよい。ポリマーは、ブロック、グラフトあるいはランダム型のポリマーでもよい。ポリマーは、分枝型でも非分枝型でもよい。コーム型ポリマーの様なポリマーを、形成又は主ポリマー鎖より派生させることができ、これらのポリマーは任意のタイプのポリマーであってよい。具体例としては、主ポリマー鎖上にグラフトされたポリエチレンイミン又はポリアルキレンオキシドの様なポリアミンがあるが、これに限定されるものではない。形成されるポリマーは、イオン性(例えば陽イオン性又は陰イオン性)又は非イオン性ポリマーであってよい。ポリマーの具体例としては、ポリアミド類、ポリアクリル類、ポリビニルアセテート類、ポリビニルアルコール類、ポリビニルピリジン類、ポリビニルピロリドン類、ポリビニルイミダゾール類及びアクリルアミド類、ならびにそれらの誘導体及び組合せが含まれるが、これに限定されるものではない。
【0074】
重合が起こると、変性粒子は、下式の結合基を持つようになる;
【0075】
【化23】
Figure 2001521972
【0076】
(置換基は前記式(I)に同じであり、Xは少なくとも1種類の重合可能なビニル又はジエン含有モノマーより形成されたポリマーを表す)。
【0077】
同様に、式(II)の基を持つ変性粒子又は凝集体を、1又はそれ以上のモノマーの導入により重合させると、粒子又は集合体に結合した基は次式を有する:
【0078】
【化24】
Figure 2001521972
【0079】
(置換基は式(II)に同じであり、Xは少なくとも1種類の重合可能なビニル又はジエン含有モノマーより形成されたポリマーを表す)。
【0080】
別の実施態様では、変性粒子は、粒子に直接に結合した−SFR基を含む有機基を有する。好ましくは、−SFR基は直接に粒子に結合している。−SFR基及び粒子は上記に同じであってよい。このタイプの変性粒子は、カーボンブラックの様な粒子を安定遊離ラジカルを含む有機基と伴に、トルエンの様な溶媒中において、好ましくは不活性雰囲気内に於いて加熱することによって、調製することができる。−SFR基を持つ結合有機基を有するこの変性粒子では、上記の方法と同じ方法で変性粒子を重合可能モノマーと反応させることによって、−SFR基上にポリマーを結合することができる。
【0081】
上記の−SFR基含有基の何れについても、−SFR基又はその重合体を含む変性粒子又は集合体は、上記式内の−SFR基の位置に停止部分(−T)が配置されるようにして、当業者に公知の任意の方法によって、停止させることができる。具体的には、−SFR基を陽子(例えば水素原子)で置換すること、不均化させること、又は基転移等によりある種の化学基と交換すること等ができる。例えば、−SFR基は、金属含有基(例えば錫及び錫化合物)、ヒドロキシ基、又はハロゲン基で置換できる。本発明の目的に関して、停止部分は、1段階又は多段階的で、−SFR基を置換又は交換することで化学結合を形成することができる化学基であればいずれでもよい。例えば、−SFR基を交換するヒドロキシ基又はハロゲン基は、当業者に公知の通常の酸化反応の様な方法によって、修飾、又は有機基の様な化学基と交換することができる。−SFR基を取り除き、そして別の基で交換又は停止するこの停止反応は、例えば本明細書で参照され取り込まれている1997年、9月7〜11日、ラスベガスで開催された214ASC国際会議(214ASCNat’lMig、Las Vegas)、ORGN 061, Gravert. D.J.: Datta A.; Wentwort P., Jr.; Janda, K.D., に記載の方法により実施できる。
【0082】
本発明の変性粒子、好ましくは本発明の変性粒子を重合及び停止させたものは、ポリマー組成物の一部を形成することができ、またポリマー組成物でよく使用され、また見い出される他の成分と共に存在できる。
【0083】
本発明の変性粒子は、様々な応用に利用できる。例えば、それは、印刷用インク及びインクジェットインク、トナー、自動車用コーティング剤等の様な、コーティング配合物又は組成物、インク配合物又は組成物、又はトナー配合物又は組成物において利用できる。また変性粒子は、ポリマー組成物の様な組成物用の強化材として利用でき、また耐衝撃性改良材として、又はポリマー組成物の相溶性を高めるために利用される試薬として利用できる。
【0084】
より詳細には、タイヤ、ホース、押し出し成形体、シール、ガスケット及び防振ユニットを含むエラストマー組成物の強化、並びに多相エラストマー混合組成物中の1つのエラストマー相の比強化;ポリオレフィン樹脂、スチレン樹脂、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂及びポリアミド樹脂、並びに熱可塑性エラストマー及びポリオレフィン樹脂の様な熱可塑性組成物の強化:例えばアクリル樹脂の様な熱硬化組成物の強化;熱可塑性組成物の耐衝撃性改良;熱硬化性組成物の耐衝撃改良;熱可塑性組成物、コーティング、熱可塑性エラストマー及び架橋型組成物への顔料、強化材及び/又はUV保護材の添加のための、高度に分散性のマスターバッチ;固相有機合成のための合成担体として;有機及び無機成分両方のための、溶出抽出工程用の担体又は溶媒として;且つ/又は例えば衛生服、植物用成長培地での利用のような、水性材料及び炭化水素材料の超吸着材としてである。
【0085】
本発明の変性粒子は、エラストマー組成物に導入すること、又エラストマー組成物の一部を形成させることができる。カップリング剤等のその他の通常のエラストマー組成物の成分も、同時に存在させることができる。
【0086】
ここで使用されるカップリング剤としては、粒子に結合する1つの官能価とエラストマーに結合する別の官能価を有するエラストマーに、カーボンブラック又はシリカの様な充填材をカップリングさせることができる化合物が含まれるが、これに限定されるものではない。シリカ又はカーボンブラックをエラストマーにカップリングするのに有用なカップリング剤は、シリコン処理カーボンブラックにも有用であると考えられる。有用なカップリング剤には、ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)テトラスルファン(Si−69)、3−チオシアネートプロピル−トリエトキシシラン(Si−264、Degussa AG, ドイツ製)、γ−メルカプトプロピル−トリメトキシシラン(A189、Union Carbide社、Danbury, Connecticut)の様なシランカップリング剤;ジルコニウムジネオアルカノールアトジ(3−メルカプト)プロピオナート−O(NZ66A 、Kenrich Petrochemical, Inc. Bayonne, New Jersey)の様なジルコネートカップリング剤);チタネートカップリング剤;N,N’−ビス(2−メチル−2−ニトロプロピル)−1,6−ジアミノヘキサン(Sumifine 1162、住友化学株式会社、日本)のようなニトロカップリング剤;ポリアルコキシシロキサン(例えば、横浜ゴム株式会社、日本);及びこれらの任意の混合物が含まれるが、これらに限定されるものではない。カップリング剤は、例えばDegussa AGより入手できるSi−69とN330カーボンブラックの混合物であるX50−Sの様に、好適なキャリアーとの混合物として提供されることがある。
【0087】
本発明のエラストマー化合物は、本発明の変性粒子を、任意のエラストマー、例えばカーボンブラックと配合するのに有益なエラストマーと配合することによって、本発明の変性粒子から得ることができる。
【0088】
任意の好適なエラストマーを変性粒子と配合して、本発明のエラストマー化合物を提供することができる。この様なエラストマーとしては、1,3−ブタジエン、スチレン、イソプレン、イソブチレン、2,3−ジメチル−1,3−ブタジエン、アクリロニトリル、エチレン及びプロピレンのホモ又はコポリマーがあるが、これらに限定されるものではない。エラストマーは、示差走査熱量計(DSC)により測定される約−120℃〜約0℃の範囲のガラス転移温度(Tg)を持つことが好ましい。例としては、スチレン−ブタジエンゴム(SBR)、天然ゴム、ポリブタジエン、ポリイソプレン及びその油展誘導体が含まれるが、これに限定されるものではない。上記のものの何れの配合物も利用できる。
【0089】
本発明での利用に好適なゴムには、天然ゴム及びその誘導体、例えば塩素化ゴム及びエポキシ化ゴムがある。本発明の変性粒子は、合成ゴム、例えばスチレン19部に対しブタジエン81部のコポリマー、スチレン30部に対しブタジエン70部のコポリマー、スチレン43部に対しブタジエン57部のコポリマー、及びスチレン50部に対しブタジエン50部のコポリマーの様な、スチレン約10〜約70重量%とブタジエン約90〜30重量%のコポリマー;ポリブタジエン、ポリイソプレン、ポリクロロプレンの様な共役ジエンのポリマー及びコポリマー、及びこのような共役ジエンと、このような共役ジエンと共重合可能なエチレン基含有モノマー、例えばスチレン、メチルスチレン、クロロメチルスチレン、アクリロニトリル、2−ビニル−ピリジン、5−メチル2−ビニルピリジン、5−エチル−2−ビニルピリジン、2−メチル−5−ビニルピリジン、アルキル置換型アクリレート又はメタクリレート、ビニルケトン、メチルイソプロペニルケトン、メチルビニルエーテル、アルファ−メチレンカルボキシル酸及びそのエステル及びアミド(例えばアクリル酸、メタクリル酸及びジアルキルアクリル酸アミド)とのコポリマーと共に利用することもできる。また、エチレンと、プロピレン、ブテン、ペンテン、ヘキセン及びオクテンの様な他の高級アルファオレフィンとのコポリマーも本利用に好適である。利用できる別のモノマーには、ノルボルネン、及びhex−1,5−ジエン等がある。
【0090】
従って、本発明のゴム組成物は、1又はそれよりも多くのエラストマー、硬化剤、補強充填材、カップリング剤及び随意に各種の加工補助剤、エクステンダー油、抗劣化剤を含むことができる。上記の例に加え、エラストマーは、1,3−ブタジエン、スチレン、イソプレン、イソブチレン、2,3−ジメチル−1,3−ブタジエン、アクリロニトリル、エチレン、プロピレン等より製造されるポリマー(例えばホモポリマー、コポリマー及びターポリマー)であってもよいが、これらに限定されるものではない。これらエラストマーは、DSCで測定したときに、−120℃〜0℃のガラス転移温度を持つことが好ましい。この様なエラストマーの例には、ポリ(ブタジエン)、ポリ(スチレン−コ−ブタジエン)及びポリ(イソプレン)が含まれる。
【0091】
本発明で開示されているエラストマー組成物には、加硫組成物(VR)、熱可塑性加硫体(TPV)、熱可塑性エラストマー(TPE)及び熱可塑性ポリオレフィン(TPO)が含まれるが、これらに限定されない。TPV、TPE及びTPO材料はさらに、その押出性能や特性の損失なしに複数回成形できる性能によって分類される。
【0092】
エラストマー組成物は、1又はそれ以上の硬化剤、例えば硫黄、硫黄供与体、活性化剤、促進剤、過酸化物、及びエラストマー組成物の加硫に利用される他の系を含むことができる。
【0093】
本発明の凝集体及び随意の1又は複数のカップリング剤を含む得られたエラストマー性コンパウンドは、トレッドコンパウンド、アンダートレッドコンパウンド、サイドウォールコンパウンド、ワイヤースキムコンパウンド、インナーライナーコンパウンド、ビーズ、アペックス、車両用タイヤのためのカーカス及び他の部分のためのコンパウンド、工業的なゴム製品、シール材、タイミングベルト、動力伝達ベルト、及びその他ゴム製品の様な各種のエラストマー製品に利用できる。
【0094】
本発明の実施態様では、少なくとも1種類の本発明の変性粒子を含む本発明のエラストマー組成物は、650℃での窒素熱分解後に、総計で約1〜約60重量%の残留物をもたらすことができる。
【0095】
本発明の目的に関して、インクは、少なくとも1種類の重合−停止変性粒子、及び少なくとも1種類のインクビヒクルを含む。インクジェットインク組成物は、少なくとも1種類の重合停止変性粒子と少なくとも1種類のインクジェットインクビヒクルを含む。一般に、ここでは、コーティングとインクに関する特許国際公開WO97/47699号に記載の配合であって、本発明の変性粒子を含有する配合が利用できる。コーティング配合物は、少なくとも1種類の重合停止変性粒子と、少なくとも1種類の適当な溶媒を含む。結合剤の様なその他の通常の添加物も、コーティング配合物に含有させることができる。
【0096】
これら配合物のそれぞれは更に、通常の顔料、及び随意の通常の成分又は添加物、例えば米国特許第5,571,311号、同第5,572,198号、同第5,266,361号、同第5,707,432号に記載の成分又は添加剤(例えば湿潤剤、結合剤、染料、殺生物剤、界面活性剤、浸透剤)を含むことができる。上記特許文献はいずれも、その全てをここで参照して、本明細書の記載に含める。
【0097】
トナーは、少なくとも1種類の重合−停止変性粒子とレジン粒子とを含むことができる。
【0098】
米国特許第5,278,018号、同第5,275,900号、同第5,695,899号、及び同第5,116,712号に記載の様な、トナー配合物のための通常の標準的な成分又は添加物は、本発明に利用可能である。尚、これら特許文献は、ここで参照してその全てを本明細書の記載に含める。トナーは、正又は負に荷電されたトナー組成物であってよい。
【0099】
本発明の変性粒子を取り込んでいる各種の生成物には、カーボン生成物(例えばカーボンブラック)、金属酸化物(例えばシリカ、酸化亜鉛及び酸化アルミニウム)、金属ケイ酸塩(例えばクレー、アルミニウム、カルシウム、マグネシウムケイ酸塩)、変性シリカ、有機基が結合している変性カーボン生成物、少なくとも1つの炭素相と少なくとも1つのシリコン含有種相を含み、且つ随意に有機基が結合している凝集体、少なくとも部分的にシリカで覆われているカーボンブラック、又はそれらの何れかの組合せの様な、1又は複数種の別のタイプの粒子も存在していてもよい。ここに記した生成物のいずれについても、上記の各種の生成物において、1種類以上の本発明の変性粒子が存在していてもよい。
【0100】
本発明を、以下の本発明の例示のみを目的とした実施例により更に説明する。
【0101】
実施例
実施例1
カーボンブラックへの、2,2,6,6−テトラメチルピペリジニルオキシ遊離ラジカル(TEMPO)の結合
【0102】
TEMPO及び7H等級のカーボンブラックをトルエンに加え、不活性雰囲気において130℃で96時間にわたって加熱した。カーボンブラックをトルエンから濾過し、蒸留水で洗浄し、そして乾燥した。
【0103】
得られたカーボンブラックのケルダール(Kjeld)分析より、カーボンブラックの窒素含有量が、0.040〜0.57重量%に増加したことが示された。この値は、カーボンブラック表面積1平方メーター当たり、0.09マイクロモルのTEMPOが結合していることに相当する。
【0104】
この例を多ジアゾ化法による硫酸の結合例と比較すると、この例は表面の約3%が被覆されたことに相当する。
【0105】
実施例2
実施例1で調製されたTEMPO変性カーボンブラックを、新たに蒸留されたスチレンと組合せ、不活性アルゴン雰囲気において下記の表に記載の様々な時間にわたって加熱した。
【0106】
定められた時間の終了後、熱源を除いて反応を停止した。処理済みカーボンブラックサンプルを濾過し、ソックスレー還流条件下にテトラヒドロフランを用いて48時間にわたって抽出した。
【0107】
TGA分析、及び窒素流量50ml/分における20℃/分の加熱速度を利用して、処理済みカーボンブラックサンプルの窒素含有量を分析した。
【0108】
【表1】
Figure 2001521972
【0109】
実施例3
アミノスチレンをジアゾ化(米国特許第5,571,311号の方法を利用)することによって調製したビニルベンゼン官能化カーボンブラックを、過酸化ベンゾイル及びTEMPOと、アルゴン雰囲気下において16時間にわたって70℃で反応させた。得られたカーボンブラックをテトラヒドロフランで抽出し、ケルダール法によって窒素分析すると、カーボンブラック表面積1平方メートル当たり2マイクロモルのTEMPOが結合していることが示された。
【0110】
実施例4
実施例3記載の変性カーボンブラックを、スチレンと共に、不活性アルゴン雰囲気において72時間にわたって130℃で加熱した。反応したカーボンブラックを、ソックスレー還流条件で48時間にわたってテトラヒドロフランで抽出して、未結合のポリスチレンを除去した。TGA分析の結果、反応カーボンブラックは、35%(カーボンブラック重量に基づいて)の有物質を含んでいた。
【0111】
実施例5(比較)
GeorgesによりMacromolecules、vol,26、2987〜8ページ(1993年)に記述された方法を用いて、GPCによる分子量11,200且つ多分散性1.3のTEMPO停止ポリスチレンを製造した。
【0112】
実施例6(比較)
実施例5で製造したTEMPO停止ポリスチレンを、不活性アルゴン雰囲気において下記の表に記載の条件で、トルエンにおいてカーボンブラックと供に加熱した。得られたカーボンブラックをテトラヒドロフランで抽出して、未結合のポリマーを除去し、カーボン粒子に結合した残留ポリマーを、TGA分析により決定した。
【0113】
【表2】
Figure 2001521972
【0114】
実施例7
【0115】
【化25】
Figure 2001521972
【0116】
エチルアニリンカーボンブラック付加体1
エチルアニリン(4mmol)の水サスペンション(60mL)に、塩酸(37%、8.0mmol)及びVulcan(商標)7Hカーボンブラック(10g)を加えた。亜硝酸ナトリウム(4.4mmol)の水溶液(5mL)をゆっくり加え、液を空気下において30分間にわたって攪拌した。温度を70℃に上げ、3.5時間にわたって攪拌を継続した。液を濾過し、水で洗浄(4×100mL)し、真空オーブン中で24時間にわたって乾燥した。
【0117】
Tempoカーボンブラック付加体2
変性カーボンブラック1(50g、0.4mmol/g、20mmol)を、Nガスで30分間パージし、続いてトルエン(250mL)及びTEMPO(40mmol)を加え、更にt−過酸化ブチル(100mmol)を滴下して加え、溶液を100℃で48時間にわたって加熱した。メタノール(100mL)を加え、変性カーボンブラックを濾過して除去し、メタノールで洗浄液が無色になるまで洗浄した(4×200mL)。
【0118】
ポリ(クロロメチルスチレン)変性カーボンブラック3
変性カーボンブラック2(10g、4mmol)をNで30分間にわたってパージした後で、トルエン(50mL)及びクロロメチルスチレン(40mmol)を加えた。溶液を130℃で72時間にわたって窒素下で攪拌しながら加熱した。メタノール(50mL)を加え、そして溶液を濾過した。残査を洗浄液が無色になるまでメタノールで洗った(4×100mL)。分析を目的とするサンプルに対して、更に72時間にわたってソックスレー抽出を実施した。
【0119】
エチルアニリンをカーボンブラック上でジアゾ化するが、この方法は、アルキル基又はその他の引き抜き可能な陽子を含む基が利用可能な又は化学反応により適用可能な他の粒子の表面にも等しく応用できる。本反応の副生成物は、tブタノールと未反応のTEMPOのみであることから、容易な精製及び生成物や試薬の再生が可能である。この方法は任意の過酸化物によるアルキル基又は他の基からの陽子の引き抜きのためにも応用できる。形成された材料を、モノマーの付加による「リビング(living)」遊離ラジカル重合の開始体として用いること、又はモノマーと反応させる前に沈殿及び/又は抽出により精製することができる。元素分析及びTGA分析によれば、標準的なTEMPO「リビング」遊離ラジカルの重合条件におけるTEMPO付加体の反応は、ポリマーの形成をもたらす。この方法は、「リビング」遊離ラジカル重合条件において反応することが既知である任意の活性モノマーの重合にも利用できるだろう。この方法は、それが提供するコストに関する利点に加え、工業スケールのポリマー変性粒子をもたらすための比較的清浄な経路も提供する。
【0120】
実施例8
【0121】
【化26】
Figure 2001521972
【0122】
イソプレン(300mL)を、パー(Parr)加圧反応器中のTEMPO変性V7H(20g、0.35mmol/g)に加えた。反応器を密封し、脱気し、アルゴンで加圧した。混合物を145℃で18時間にわたって加熱した。得られた黒色サスペンションを、激しく振盪されているメタノール内に滴下し、濾過して単離した。黒色の固形物を70℃で乾燥した。
【0123】
分析:
イソプレン:48.32重量%(TGA)
Tg(開始)=59.25℃
【0124】
ここに開示された発明の説明及び実施を参考にすれば、当業者にとっては、本発明の別の実施態様は明らかであろう。これらの説明及び実施例は例示を目的とするものであり、本発明の真の範囲及び本質は特許請求の範囲により示される。尚、本発明の実施形態としては下記の実施形態を挙げることができる:
【0125】
(実施形態1) 次式の結合基を持つ粒子を含む変性粒子:
【化27】
Figure 2001521972
(Aは少なくとも1つの芳香族基、又は少なくとも1つのアルキル基を表し;Rは結合、アリーレン基、アルキレン基、−O−、−NH−、−S−、−OR−、−NR−、
【化28】
Figure 2001521972
を表し(Rは、アルキル又はアルキレン基、あるいはアリール又はアリーレン基);R及びRは、同一であっても異なっていてもよく、水素、アルキル基、アリール基、−OR、−NHR、−NR又は−SRを表し(Rは同一であっても異なっていてもよく、アルキル基、又はアリール基);且つSFRは安定遊離ラジカルを表す)。
【0126】
(実施形態2) 前記SFRが、次式である、実施形態1の変性粒子:
【化29】
Figure 2001521972
又は、
−O−Ar (VI)
(R及びRは、同一であっても異なっていてもよく、それぞれが置換型又は非置換型アルキル又はシクロアルキル基を表し、又はR及びRは、共に一つとなりシクロアルキル基を形成する;Arは芳香族基を表す)。
【0127】
(実施形態3) 前記粒子が、カーボン生成物、カーボン生成物以外の顔料、金属酸化物、金属水酸化物、又はそれらの混合物である、実施形態1の変性粒子。
【0128】
(実施形態4) 前記粒子が、グラファイト、ガラス質カーボン、活性チャコール、カーボンファイバー、活性炭、又はそれらの混合物である、実施形態1の変性粒子。
【0129】
(実施形態5) 前記粒子が、カーボンブラックである、実施形態1の変性粒子。
【0130】
(実施形態6) 前記粒子が、少なくとも1つのシリコン含有種相、及び少なくとも1つの炭素相を含む凝集体である、実施形態1の変性粒子。
【0131】
(実施形態7) 前記粒子が、少なくとも1つの金属含有種相、及び少なくとも1つの炭素相を含む凝集体である、実施形態1の変性粒子。
【0132】
(実施形態8) 前記SFRが、2,2,5,5−テトラメチル−1−ピロリジニルオキシ、2,2,6,6−テトラメチル−1−ピペリンジニルオキシ、又はそれらの誘導体である、実施形態1の変性粒子。
【0133】
(実施形態9) (a)少なくとも1つの炭素相及び少なくとも1つの金属含有種相を含む凝集体、少なくとも一つの炭素相及び少なくとも一つのシリコン含有種相を含む凝集体、金属酸化物、又は金属水酸化物、及び(b)前記粒子又は凝集体に結合しており、且つ以下の式を持つ基を含む、変性粒子又は凝集体:
【化30】
Figure 2001521972
(CoupAは、Siに基づく基、Tiに基づく基、Crに基づく基、又はZrに基づく基を表し;R及びRは、同一であっても異なっていてもよく、水素、アルキル基、アリール基、−OR10、−NHR10、−NR1010、又は−SR10を表し(R10は同一であっても異なっていてもよく、アルキル基、又はアリール基);SFRは安定遊離ラジカルであり、nは1〜3のいずれかの整数を表す)。
【0134】
(実施形態10) 前記金属含有種相が、アルミニウム含有種相、亜鉛含有種相、マグネシウム含有種相、カルシウム含有種相、チタン含有種相、バナジウム含有種相、コバルト含有種相、ニッケル含有種相、ジルコニウム含有種相、錫含有種相、アンチモン含有種相、クロム含有種相、ネオジム含有種相、鉛含有種相、セシウム含有種相、鉄含有種相、モリブデン含有種相、又はその混合物を含む、実施形態9の変性粒子又は凝集体。
【0135】
(実施形態11) 前記SFRが、2,2,5,5−テトラメチル−1−ピロリジニルオキシ、2,2,6,6−テトラメチル−1−ピペリンジニルオキシ、又はそれらの誘導体である、実施形態9の変性粒子又は凝集体。
【0136】
(実施形態12) 前記粒子又は凝集体が、炭素相及び金属含有種相を含む凝集体、又は炭素相及びシリコン含有種相を含む凝集体である、実施形態9の変性粒子又は凝集体。
【0137】
(実施形態13) 次式の基が結合した粒子を含む変性粒子:
【化31】
Figure 2001521972
(Aは、少なくとも1つの芳香族基あるいはアルキル基を表し;Rは、結合、アリーレン基、アルキレン基、−O−、−NH−、−S−、−OR−、−NR−、
【化32】
Figure 2001521972
を表し(Rはアルキル又はアルキレン基、あるいはアリール又はアリーレン基);R及びRは、同一であっても異なっていてもよく、水素、アルキル基、アリール基、−OR、−NHR、−NR又は−SRを表し(Rは、同一であっても異なっていてもよく、アルキル基又はアリール基);且つSFRは、安定遊離ラジカルを表し;且つXは、少なくとも1種類の重合可能なビニル又はジエン含有モノマーより形成されたポリマーを表す)。
【0138】
(実施形態14) 前記粒子が、炭素生成物、炭素生成物以外の顔料、金属酸化物、金属水酸化物、又はその混合物である、実施形態13の変性粒子。
【0139】
(実施形態15) 前記粒子が、グラファイト、カーボンブラック、ガラス様カーボン、活性チャコール、カーボンファイバー、活性炭、又はそれらの混合物である、実施形態13の変性粒子。
【0140】
(実施形態16) 前記粒子が、少なくとも1種類のシリコン含有種相及び少なくとも1種類の炭素相を含む凝集体である、実施形態13の変性粒子。
【0141】
(実施形態17) 前記粒子が、少なくとも1種類の金属含有種相及び少なくとも1種類の炭素相を含む凝集体である、実施形態13の変性粒子。
【0142】
(実施形態18) 前記粒子が、カーボンブラックである、実施形態13の変性粒子。
【0143】
(実施形態19) 前記SFRが、2,2,5,5−テトラメチル−1−ピロリジニルオキシ、2,2,6,6−テトラメチル−1−ピペリンジニルオキシ、又はそれらの誘導体である、実施形態13の変性粒子又は凝集体。
【0144】
(実施形態20) (a)少なくとも1つの炭素相及び少なくとも1つの金属含有種相を含む凝集体、少なくとも1つの炭素相及び少なくとも1つのシリコン含有種相を含む凝集体、金属酸化物、又は金属水酸化物、及び(b)前記粒子又は凝集体に結合しており、且つ以下の式を持つ基を含む、変性粒子又は凝集体:
【化33】
Figure 2001521972
(CoupAは、Siに基づく基、Tiに基づく基、Crに基づく基、又はZrに基づく基を表し;R及びRは、同一であっても異なっていてもよく、水素、アルキル基、アリール基、−OR10、−NHR10、−NR1010、又は−SR10を表し(R10は、同一であっても異なっていてもよく、水素、アルキル基、又はアリール基);SFRは安定遊離ラジカルを表し;Xは、少なくとも1種類の重合可能なビニル又はジエン含有モノマーより形成されたポリマーを表し;且つnは1〜3のいずれかの整数を表す)。
【0145】
(実施形態21) 前記金属含有種相が、アルミニウム含有種相、亜鉛含有種相、マグネシウム含有種相、カルシウム含有種相、チタン含有種相、バナジウム含有種相、コバルト含有種相、ニッケル含有種相、ジルコニウム含有種相、錫含有種相、アンチモン含有種相、クロム含有種相、ネオジム含有種相、鉛含有種相、テルル含有種相、バリウム含有種相、セシウム含有種相、鉄含有種相、モリブデン含有種相、又はその混合物を含む、実施形態20の変性粒子又は凝集体。
【0146】
(実施形態22) 前記粒子又は凝集体が、少なくとも1種類の炭素相及び少なくとも1種類の金属含有種相を含む凝集体、又は少なくとも1種類の炭素相及び少なくとも1種類のシリコン含有種相を含む凝集体である、実施形態20の変性粒子又は凝集体。
【0147】
(実施形態23) 前記SFRが2,2,5,5−テトラメチル−1−ピロリジニルオキシ、2,2,6,6−テトラメチル−1−ピペリンジニルオキシ、又はそれらの誘導体である、実施形態20の変性粒子又は凝集体。
【0148】
(実施形態24) −SFR基を含有する基(−SFRは安定遊離ラジカル)が直接に結合している粒子を含む、変性粒子。
【0149】
(実施形態25) 前記粒子が、炭素生成物、炭素生成物以外の顔料、金属酸化物、金属水酸化物、少なくとも1種類のシリコン含有種相及び少なくとも1種類の炭素相を含む凝集体、少なくとも1種類の金属含有種相及び少なくとも1種類の炭素相を含む凝集体、又はそれらの混合物である、実施形態24の変性粒子。
【0150】
(実施形態26) 前記粒子が、グラファイト、カーボンブラック、ガラス様カーボン、活性チャコール、カーボンファイバー、活性炭、又はそれらの混合物である、実施形態24の変性粒子。
【0151】
(実施形態27) 前記粒子が、カーボンブラックである、実施形態24の変性粒子。
【0152】
(実施形態28) 前記SFRが、2,2,5,5−テトラメチル−1−ピロリジニルオキシ、2,2,6,6−テトラメチル−1−ピペリンジニルオキシ、又はその誘導体である、実施形態24の変性粒子又は凝集体。
【0153】
(実施形態29) 次式の結合基を持つ粒子を含む変性粒子:
−X−SFR−
(SFRは安定遊離ラジカルを表し、且つXは前記粒子に直接に結合し、少なくとも1種類の重合可能モノマーより形成されたポリマーを表す)。
【0154】
(実施形態30) 前記粒子が、炭素生成物、炭素生成物以外の顔料、金属酸化物、金属水酸化物、少なくとも1種類のシリコン含有種相及び少なくとも1種類の炭素相を含む凝集体、少なくとも1種類の金属含有種相及び少なくとも1種類の炭素相を含む凝集体、又はその混合物である、実施形態29の変性粒子。
【0155】
(実施形態31) 前記粒子が、グラファイト、カーボンブラック、ガラス様カーボン、活性チャコール、カーボンファイバー、活性炭、又はそれらの混合物である、実施形態29の変性粒子。
【0156】
(実施形態32) 前記粒子が、カーボンブラックである、実施形態29の変性粒子。
【0157】
(実施形態33) 前記SFRが、2,2,5,5−テトラメチル−1−ピロリジニルオキシ、2,2,6,6−テトラメチル−1−ピペリンジニルオキシ、又はその誘導体である、実施形態29の変性粒子又は凝集体。
【0158】
(実施形態34) 前記重合可能なモノマーが、ビニル又はジエン含有モノマーである、実施形態29の変性粒子。
【0159】
(実施形態35) 結合したビニル又はジエン置換芳香族基又はアリル基を持つ粒子を、活性遊離ラジカル源及び安定遊離ラジカル源と反応させることを含む、実施形態1の変性粒子の調製方法。
【0160】
(実施形態36) 実施形態1の変性粒子を、重合可能なビニル又はジエン含有モノマーと反応させることを含む、実施形態13の変性粒子調製方法。
【0161】
(実施形態37) 安定遊離ラジカルを、粒子と共に80℃以上の温度に加熱することを含む、実施形態24の変性粒子調製方法。
【0162】
(実施形態38) 次式の結合基を持つ粒子を含む変性粒子:
【化34】
Figure 2001521972
(Aは、少なくとも1種類の芳香族基あるいは少なくとも1種類のアルキル基を表し;Rは、結合、アリーレン基、アルキレン基、−O−、−NH−、−S−、−OR−、−NR−、
【化35】
Figure 2001521972
を表し(Rは、アルキル又はアルキレン基、あるいはアリール又はアリーレン基);R及びRは、同一であっても異なっていてもよく、水素、アルキル基、アリール基、−OR、−NHR、−NR又は−SRを表し(Rは、同一であっても異なっていてもよく、アルキル基又はアリール基);Xは、少なくとも1種類の重合可能なビニル又はジエン含有モノマーより形成されるポリマーを表し;且つTは、停止部分を表す)。
【0163】
(実施形態39) (a)少なくとも1種類の炭素相及び少なくとも1種類の金属含有種相を含む凝集体、少なくとも一種類の炭素相及び少なくとも一種類のシリコン含有種相を含む凝集体、金属酸化物、又は金属水酸化物、並びに(b)前記粒子又は凝集体に結合しており、且つ以下の式を持つ基を含む、変性粒子又は凝集体:
【化36】
Figure 2001521972
(CoupAは、Siに基づく基、Tiに基づく基、Crに基づく基、又はZrに基づく基を表し;R及びRは、同一であっても異なっていてもよく、水素、アルキル基、アリール基、−OR10、−NHR10、−NR1010、又は−SR10を表し(R10は、同一であっても異なっていてもよく、アルキル基又はアリール基);Xは、少なくとも1種類の重合可能なビニル又はジエン含有モノマーより形成されたポリマーを表し;Tは停止部分、及びnは1〜3のいずれかの整数を表す)。
【0164】
(実施形態40) 次式の結合基を有する粒子を含む変性粒子:
−X−T
(Xは、前記粒子に直接に結合しており、且つ少なくとも1種類の重合可能モノマーより形成されるポリマーを表し;且つTは停止部分を表す)。
【0165】
(実施形態41) 少なくとも1種類のエラストマー及び実施形態38の凝集体、及び随意にカップリング剤を含む、エラストマー組成物。
【0166】
(実施形態42) 前記エラストマーが、天然ゴム、ポリイソプレン、ポリブタジエン、エマルジョンSBR、液体SBR、官能化SBR、NBR、ブチルゴム、EPDM、EPM又は1,3−ブタジエン、スチレン、イソプレン、イソブチレン、2,3−ジメチル−1,3−ブタジエン、アクリロニトリル、エチレン、プロピレン、又はその誘導体に基づく又は含むホモ又はコポリマーを含む、実施形態42のエラストマー組成物。
【0167】
(実施形態43) 架橋剤、補強充填剤、カップリング剤、加工補助剤、エクステンダー油、抗劣化剤、又はその組合せをさらに含む、実施形態41のエラストマー組成物。
【0168】
(実施形態44) シリカ、カーボンブラック又はその混合物をさらに含む、実施形態41のエラストマー組成物。
【0169】
(実施形態45) シリカ、カーボンブラック、有機結合基を持つ変性カーボンブラック、変性シリカ、少なくとも一部をシリカで被覆されたカーボンブラック、少なくとも1種類の炭素相及び少なくとも1種類のシリコン含有種相を含む凝集体、少なくとも1種類の炭素相及び少なくとも1種類の金属含有種相を含む凝集体、又はその組合せをさらに含む、実施形態41のエラストマー組成物。
【0170】
(実施形態46) 前記エラストマー組成物が、20〜100℃の高温において低ヒステレシスを持つ、実施形態41のエラストマー組成物。
【0171】
(実施形態47) 実施形態41のエラストマー組成物を含む、タイヤ又はそのコンパウンド。
【0172】
(実施形態48) 実施形態41のエラストマー組成物より作られた成分を少なくとも1種類含む、製品。
【0173】
(実施形態49) 前記製品が、タイヤ部分、タイミングベルト、又は動力伝達ベルトである、実施形態48の製品。
【0174】
(実施形態50) (a)引き抜き可能な陽子を含み、且つ前記陽子が引き抜かれた場合に炭素中心ラジカルが残る基を伴う芳香族基又はアルキル基を持つ粒子を、(b)活性遊離ラジカル源、及び(c)安定遊離ラジカル源と反応させることを含む、次式の結合基を有する粒子を含む変性粒子の製造方法:
【化37】
Figure 2001521972
(Aは、芳香族基あるいはアルキル基を表し;Rは、結合、アリーレン基、アルキレン基、−O−、−NH−、−S−、−OR−、−NR−、
【化38】
Figure 2001521972
を表し(Rは、アルキル又はアルキレン基、あるいはアリール又はアリーレン基);R及びRは、同一であっても異なっていてもよく、水素、アルキル基、アリール基、−OR、−NHR、−NR又は−SRを表し(Rは、同一であっても異なっていてもよく、アルキル基又はアリール基);Xは、少なくとも1種類の重合可能なビニル又はジエン含有モノマーより形成されるポリマーを表し;且つTは停止部分を表す)。
【0175】
(実施形態51) 前記SFRが、次式である、実施形態1の方法:
【化39】
Figure 2001521972
又は
−O−Ar (VI)
(R及びRは、同一であっても異なっていてもよく、それぞれ置換型又は非置換型のアルキル又はシクロアルキル基を示し、又はR及びRは、一つになりシクロアルキル基を形成し;Arは型芳香族基を表す。
【0176】
(実施形態52) 前記粒子が、炭素生成物、金属酸化物、金属水酸化物又はそれらの混合物である、実施形態50の方法。
【0177】
(実施形態53) 前記粒子が、グラファイト、ガラス様カーボン、活性チャコール、カーボンファイバー、活性炭、又はそれらの混合物である、実施形態50の方法。
【0178】
(実施形態54) 前記粒子が、カーボンブラックである、実施形態50の方法。
【0179】
(実施形態55) 前記粒子が、シリコン含有種相及び炭素相を含む凝集体である、実施形態50の方法。
【0180】
(実施形態56) 前記粒子が、金属含有種相及び炭素相を含む凝集体である、実施形態50の方法。
【0181】
(実施形態57) 前記安定遊離ラジカル源が、2,2,5,5−テトラメチル−1−ピロリジニルオキシ、2,2,6,6−テトラメチル−1−ピペリンジニルオキシ、又はそれらの誘導体である、実施形態50の方法。
【0182】
(実施形態58) 前記活性遊離ラジカル源が、有機酸化物又はアゾ開始剤を含む、実施形態50の方法。
【0183】
(実施形態59) 前記活性遊離ラジカル源が、過酸化ベンゾイルである、実施形態50の方法。
【0184】
(実施形態60) 前記活性遊離ラジカルが、t−ブチル過酸化物を含む、実施形態50の方法。
【0185】
(実施形態61) 引き抜き可能な陽子を持ち、且つこの陽子の引き抜きにより炭素中心ラジカルを残すことができる前記基が、オレフィン結合のアルファ位に水素原子を持つアルキル基又はアルケン基を含む、実施形態50の方法。
【0186】
(実施形態62) 引き抜き可能な陽子を持ち、且つこの陽子の引き抜きにより炭素中心ラジカルを残すことができる前記基が、C〜C20アルキル基を含む、実施形態50の方法。
【0187】
(実施形態63) 前記C〜C20アルキル基が、メチル、エチル、プロピル、ブチル、又はヘキシル基である、実施形態62の方法。
【0188】
(実施形態64) 前記C〜C20アルキル基が、エチル基である、実施形態62の方法。
【0189】
(実施形態65) 前記芳香族基又はアルキル基をまず粒子上に結合し、続いて引き抜き可能な陽子を含む持ち、且つこの陽子の引き抜きにより炭素中心ラジカルを残す前記基を前記芳香族基又はアルキル基上に結合する、実施形態50の方法。
【0190】
(実施形態66) 引き抜き可能な陽子を含む持ち、且つこの陽子の引き抜きにより炭素中心ラジカルを残す結合基を持つ芳香族基又はアルキル基をまず形成し、続いてこの芳香族基又はアルキル基を、直接に粒子に結合する、実施形態50の方法。
【0191】
(実施形態67) さらに前記変性粒子を重合可能なモノマーと反応させて、次式の結合基を持つ粒子を含む変性粒子を形成させる、実施形態50の方法:
【化40】
Figure 2001521972
(Aは、芳香族基あるいはアルキル基を表し;Rは、結合、アリーレン基、アルキレン基、−O−、−NH−、−S−、−OR−、−NR−、
【化41】
Figure 2001521972
を表し(Rは、アルキル又はアルキレン基、あるいはアリール又はアリーレン基);R及びRは、同一であっても異なっていてもよく、水素、アルキル基、アリール基、−OR、−NHR、−NR又は−SRを表し(Rは、同一であっても異なっていてもよく、アルキル基又はアリール基);SFRは安定遊離ラジカルを表し;Xは少なくとも1種類の重合可能なモノマーより形成されたポリマーを表す。
【0192】
(実施形態68) 前記重合可能なモノマーが、ビニル又はジエン含有モノマーである、実施形態67の方法。
【0193】
(実施形態69) さらに、−SFR基を停止させることを含む、実施形態67の方法。
【0194】
(実施形態70) 前記停止が、不均化反応によって−SFR基を陽子で置換すること、又はSFR基以外の化学基での交換によって行う、実施形態69の方法。
【0195】
(実施形態71) 前記化学基が、ヒドロキシ基又はハロゲン基である、実施形態70の方法。
【0196】
(実施形態72) レジン粒子及び実施形態38の変性粒子を含む、トナー組成物。
【0197】
(実施形態73) レジン粒子及び実施形態39の変性粒子を含む、トナー組成物。
【0198】
(実施形態74) レジン粒子及び実施形態40の変性粒子を含む、トナー組成物。
【0199】
(実施形態75) インクビヒクル及び実施形態38の変性粒子を含む、インク組成物。
【0200】
(実施形態76) インクビヒクル及び実施形態39の変性粒子を含む、インク組成物。
【0201】
(実施形態77) インクビヒクル及び実施形態40の変性粒子を含む、インク組成物。
【0202】
(実施形態78) インクジェットインクビヒクル及び実施形態38の変性粒子を含む、インクジェットインク組成物。
【0203】
(実施形態79) インクジェットビヒクル及び実施形態39の変性粒子を含む、インクジェット組成物。
【0204】
(実施形態80) インクジェットビヒクル及び実施形態40の変性粒子を含む、インクジェット組成物。
【0205】
(実施形態81) 溶媒及び実施形態38の変性粒子を含む、コーティング組成物。
【0206】
(実施形態82) 溶媒及び実施形態39の変性粒子を含む、コーティング組成物。
【0207】
(実施形態83) 溶媒及び実施形態40の変性粒子を含む、コーティング組成物。
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