JP2001505925A - 風味を帯びた被覆を有する可食性カプセル - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 風味を帯びた被覆を持つゼラチン外皮からなる被覆カプセルが開示されている。糖もしくは糖代替物が外皮材料中及び被覆中に含まれる結果、両組成及び両者の間の結合が安定化される。

Description

【発明の詳細な説明】 風味を帯びた被覆を有する可食性カプセル 本発明は経口投与のための可食性カプセルに関し、更に詳しくは風味（フレー バー）もしくは甘味を帯びたカプセルに関するものである。本発明は、又、実質 的にそのままの状態で飲み込んだカプセルが胃に到達したときにのみカプセル内 容物が放散するように意図されたカプセルに関するものである。 多くの医薬品は味わいが比較的不快であり、錠剤またはカプセルのいずれの形 態であっても、より食べやすくするために風味を帯びた被覆で覆われている。本 発明は、典型的には液体状であるが場合によってはペースト状、更には固体状の 充填組成物を含んでなるゼラチンのカプセルの周囲にもうけた風味のある被覆を 提供するものである。ゼラチンの外皮は上記組成物をカプセル化するための有用 な手段を提供するが、その周囲に風味を帯びた被覆を設けることにはいくつかの 問題点があった。特に、典型的な被覆を設けた場合ゼラチン外皮構造に変化を与 える結果、カプセル、時には被覆自体の性状は悪影響を受ける。 組成物をカプセル化するために用いる典型的なゼラチン外皮は、ゼラチンとグ リセリンの如き可塑剤とからなるものであり、この場合可塑剤は水分の存在下で 外皮にある程度の柔軟性と可撓性と保持させる。このような外皮は比較的取り扱 いが容易であるが、風味の点では有利なものではない。この点はブレスフレッシ ュナーの場合に特に関係してくるため、本発明は、その１側面において、風味の ある被覆が設けられた充填ゼラチンカプセル状のブレスフレッシュナーを提供す るものである。このようなカプセルは、カプセルをそれが崩壊する前に飲み込ん で、胃の 中でカプセル外皮が破壊された時初めてその充填物が放散されるような場合に特 に適している。 本発明による上記及びその他の態様を提供すべく、カプセル外皮とそれに設け る風味を帯びた被覆は、少なくとも両者の間の境界に安定な結合が形成されるよ うな組成を有している。これにより、実質的に乾いた被覆が形成でき、その結果 、ゼラチン外皮から水分や可塑剤が被覆に移行することは無く、被覆構造が悪影 響を受けることが無い。これを達成すべく、糖もしくはソルビトールの如き糖代 替物をカプセル外皮組成に含有させ、それに合わせて被覆にも同等物を含有させ る。この組成合わせにより、被覆及び外皮の組成の両方が効果的に安定化される とともに、ゼラチン外皮中の水分やグリセリンが被覆へ移行することが防止され る。このようにして湿潤物はゼラチン外皮に保持され、その結果ゼラチンの可撓 性や可食性は口内にあっても維持される。 広い指標としては、ゼラチン、グリセリン、糖もしくはその代替物及び水の組 成範囲（外皮組成に対する重量百分率）が下記の通りである場合、例えばソリビ トール溶液で被覆するための満足しうる基材を提供することがわかった。 ゼラチン ３３．００〜５８．００ グリセリン １６．００〜３１．００ 糖もしくはその代替物 （例：ソルビトール） １５．００〜３０．００ 水 １５．００以下 好ましくは、ゼラチンに対する可塑剤（グリセリン＋糖もしくはその代替物） の比は０．７〜１．２、更に好ましくは０．８〜１．０であり、この場合グリセ リンに対する糖もしくはその代替物の比は０．８〜１． ２の範囲である。 風味を帯びた被覆が塗布される軟質ゼラチンを安定化するためには、グリセリ ン含有量を比較的高くしそれに伴って水含量を低くすることが必要であることが わかった。ソルビトールを外皮中の追加成分、又、被覆のための基本成分として 用いるにあたり、グリセリン及びソリビトールの下限（乾燥外皮組成に対する重 量百分率として）は下記の通りである。尚、この場合の組成中のゼラチン及び水 の数値も示す。 グリセリン １７．７ ソリビトール １６．７ ゼラチン ５６．７ 水 ８．９ 全可塑剤 ３４．４ ％ ゲルに対する可塑剤の比 ０．６１ グリセリン及びソルビトール含有量は更に増大することができ、それに従って ゼラチンの量を減少させる。ソルビトールにより風味づけられた被覆を塗布され た外皮に柔軟性を保持しうる外皮組成は典型的には次の通りである。 グリセリン ２１．０ ソリビトール ２０．０ ゼラチン ５０．４ 水 ８．６ 全可塑剤 ４１．０ ％ ゲルに対する可塑剤の比 ０．８１ 実験によれば、グリセリン及びソルビトール含有量は上記よりも更に増大する ことができるが、下記の組成が本発明の外皮構造を保持しうる 典型的な最大量を示すものである。 グリセリン ２９．３ ソリビトール ２８．６ ゼラチン ３４．５ 水 ７．６ 全可塑剤 ５７．９ ％ ゲルに対する可塑剤の比 １．８ 改善され且つ安定な柔軟性を与えるべくゼラチン外皮中の高められたグリセリ ン含量を使用することについては国際特許公開ＷＯ９５／００１２３に開示され ており参照されたい。この公報に記載された種類の組成は本発明の利用において も使用できるが、付加的な安定化成分に関しては前記の指標を顧慮すべきである 。 尚、上記においては特定の糖もしくは糖代替物としてソルビトールについて示 したが、種々の糖アルコールまたは非還元糖またはポリオールを用いることがで きる。例えば、ソルビトール、ポリグリセロール、マンニトール、キシリトール 、マルチトール、イソマルト、コーンシロップ及びアニドリソーブ（ANIDORISOR B；ロケットフレレス社のソリビトール、ソルビタン及びマンニトール混合物） などである。 以上述べたように、本発明のカプセルに設けられる風味を持つ被覆は糖または 糖代替物をベースとするものであり、例えば水溶液としてパンプロセスによりカ プセルに塗布される。パン被覆ゼラチンカプセルは英国特許公報第２２８３８９ ９号に記載されており、本発明においてはそこに開示された技術及びパラメータ を用いてカプセルを被覆することができる。通常の被覆は典型的には結晶性のも のであるが、そのままではカプセル外皮から水分を取り込む傾向がある。被覆材 料及び外皮組成の 両方に水及び糖もしくは糖代替物を含有させることにより、被覆を塗布した場合 にダイナミックなバランスが達成される。パンコーティング法におけるように、 被覆は湿潤状態で塗布されるが、これ自身、被覆と外皮との間の界面を安定化す る助けとなる。 被覆カプセルにおける外皮材料の量をできるだけ少なくすることはもちろん望 ましいが、この場合、被覆と外皮の間に十分安定な界面及び結合が存在するなら ば、被覆は外皮を補強する役割を果たす一方、外皮は被覆を効果的に封印する役 割を果たすことが認められた。かくして、もし外皮の厚みが薄くなってその厚み 全体が被覆に効果的に結合する場合には、カプセルは最小の外皮材料からなるこ とになる。 本発明のカプセルに用いる充填組成物は種々の形態をとることができ、これに 関しては再度英国特許公報第２２８３８９９号を参照されたい。しかし、本発明 は、口腔内では放散されず胃に到達するまでカプセル内にとどまるような組成物 に適するものである。このことは、特に、胃からのブレスフレッシュナーとして は有効であるが口腔内では著しく不快な風味を与えるパヤリシードオイルなどの ブレスフレッシュナーにおいて当てはまる。充填組成物の性質は外皮材料の完全 性に直接影響し、例えばパセリシードオイルなどのオイルをベースとした組成物 は外皮に対して軟化効果を持つ。外皮中に糖またはソルビトールなどの糖代替物 が存在すると、外皮に対するオイルベース及び水ベースの充填組成物の影響を極 小化する効果が得られる。 実施例 本発明を具現化する充填カプセル型のブレスフレッシュナーの充填物、外皮及 び被覆の組成を次に示す。 充填物 量 ％ アスパルテーム ０．８２５ｍｇ ０．５１０ 分留ココナツ油 ６６．２８０ｍｇ ４１．４２５ カオリッチビーズ （Kaorich Beads） １０．８８８ｍｇ ６．８ レボメントール ＢＰ／ＥＰ ４．８００ｍｇ ３．０ パセリシードオイル ０．２５０ｍｇ ０．１５６ ペパーミントフレーバー ６．４００ｍｇ ４．０ ローダーズ(Loders)７ （硬質植物油） ２３．８３０ｍｇ １４．８９４ アスコルビン酸 １．５００ｍｇ ０．９３８ 第二リン酸カルシウム ４１．７５０ｍｇ ２６．０９４ リシチン シン（軽質） ３．４７８ｍｇ ２．１７４ １６０．０００ｍｇ 外皮 量 ％ グリセリン １９．９８ｍｇ １９．９８ ソルビトールシロップ ７０％ ２７．１９ｍｇ ２７．１９ グリセリン ５２．８３ｍｇ ５２．８３ １００．００ｍｇ 被覆 量 ％ イソマルト １８４．６６７ｍｇ ６６．７ ソルビトール ９２．３３３ｍｇ ３３．３ ２７７．０００ｍｇ 本発明によるカプセル中の充填組成物は、もし口腔内で放散されることが意図 されるかもしくは必要とされる場合、その可食性を高めるためにそれ自体に風味 付け成分を含むことができることは言うまでもない。又、同様な目的のために、 更に他の成分を外皮中に含めることもできる。しかしながら、充填組成物が放散 される前に飲み込むような種類のカプセルの場合、絶対不可欠なのはもちろん被 覆の風味である。

【手続補正書】特許法第１８４条の８第１項 【提出日】平成１１年４月２０日（１９９９．４．２０） 【補正内容】 請求の範囲 １．水と可塑剤を含むゼラチン外皮からなるとともに風味を帯びた被覆を有す る被覆カプセルであって、該カプセルは充填組成物を含有するものであって、該 風味を帯びた被覆及び該外皮の材料の各々が糖もしくは糖代替物の形態の物質を 含み、該物質は該外皮と被覆との間に安定な結合を形成すべく、且つ該被覆が該 ゼラチン外皮から水又は可塑剤を引き込むことを防止するべく適合されているこ とを特徴とする被覆カプセル。 ２．前記被覆材料及び外皮中の前記糖もしくは糖代替物は同一材料である請求 の範囲１に記載の被覆カプセル。 ３．前記外皮材料の乾燥組成は重量基準で下記の通りである請求の範囲１又は ２に記載の被覆カプセル。 ゼラチン ３３〜５８％ グリセリン １６〜３１％ 糖もしくはその代替物（例：ソルビトール） １５〜３０％ 水 １５％以下 ４．前記外皮組成における水の量は１０重量％以下である請求の範囲３に記載 の被覆カプセル。 ５．前記外皮組成におけるゼラチンに対する可塑剤（グリセリン＋糖もしくは その代替物）の比は０．８〜１．０の範囲である請求の範囲２又は４に記載の被 覆カプセル。 ６．グリセリンに対する糖もしくはその代替物の比は０．８〜１．２の範囲で ある請求の範囲３乃至５のいずれかに記載の被覆カプセル。 ７．前記糖もしくはその代替物はソルビトール、ポリグリセロール、マンニト ール、キシリトール、マルチトール、イソマルト、コーンシロ ップ及びこれらの混合物の中から選ばれる前記請求の範囲のいずれかに記載の被 覆カプセル。 ８．前記風味を帯びた被覆は前記糖もしくはその代替物の水溶液からなる前記 請求の範囲のいずれかに記載の被覆カプセル。 ９．前記充填組成物がブレスフレッシュナーである前記請求の範囲のいずれか に記載の被覆カプセル。 １０．前記充填組成物がパセリシードオイルを含む請求の範囲９に記載の被覆 カプセル。 【手続補正書】 【提出日】平成１２年１１月２８日（２０００．１１．２８） 【補正内容】 請求の範囲 １．水と可塑剤を含むゼラチン外皮と、外皮を被覆する風味を帯びた被覆から なる、充填組成物が充填された 被覆カプセルであって、該外皮組成中のゼラチン に対する可塑剤の比が０．７〜１．２の範囲であり、 該風味を帯びた被覆及び該 外皮の材料の各々が、該外皮と被覆との間に安定な結合を形成すべく、且つ該被 覆が該ゼラチン外皮から水又は可塑剤を引き込むことを防止するべく適合されて いる 糖もしくは糖代替物を含むことを特徴とする被覆カプセル。 ２．同じ糖もしくは糖代替物が前記被覆及び外皮の両方に存在する、請求の範 囲１に記載の被覆カプセル。 ３．前記外皮材料の組成は、３３〜５８重量％のゼラチン、１６〜３１重量％ のグリセリン、１５〜３０重量％の糖もしくはその代替物、及び１５重量％以下 の水からなる請求の範囲１又は２に記載の被覆カプセル。 ４．前記外皮組成における水の量は１０重量％以下である請求の範囲３に記載 の被覆カプセル。 ５．前記外皮組成におけるゼラチンに対する可塑剤の比は０．８〜１．０の範 囲であり、該可塑剤はグリセリンと糖もしくはその代替物からなる、請求の範囲 ２又は４に記載の被覆カプセル。 ６．グリセリンに対する糖もしくはその代替物の比は０．８〜１．２の範囲で ある請求の範囲３乃至５のいずれかに記載の被覆カプセル。 ７．前記糖もしくはその代替物はソルビトール、ポリグリセロール、マンニト ール、キシリトール、マルチトール、イソマルトコーンシロップ及びこれらの混 合物の中から選ばれる請求の範囲１乃至６のいずれかに記載の被覆カプセル。 ８．前記風味を帯びた被覆は前記糖もしくはその代替物の水溶液からなる請求 の範囲１乃至７のいずれかに記載の被覆カプセル。 ９．前記充填組成物がブレスフレッシュナーである請求の範囲１乃至８のいず れかに記載の被覆カプセル。 １０．前記充填組成物がパセリシードオイルを含む請求の範囲９に記載の被覆 カプセル。

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Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １．充填組成物を含有するとともに風味を帯びた被覆を有するゼラチン外皮か らなる被覆カプセルであって、該風味を帯びた被覆及び該外皮の材料が糖もしく は糖代替物を含むことを特徴とする被覆カプセル。 ２．前記被覆材料及び外皮中の前記糖もしくは糖代替物は同一材料である請求 の範囲１に記載の被覆カプセル。 ３．前記外皮の材料は糖もしくは糖代替物に加え、ゼラチン及び可塑剤を含む 請求の範囲１又は２に記載の被覆カプセル。 ４．前記外皮材料の乾燥組成は重量基準で下記の通りである請求の範囲３に記 載の被覆カプセル。 ゼラチン ３３〜５８％ グリセリン １６〜３１％ 糖もしくはその代替物（例：ソルビトール） １５〜３０％ 水 １５％以下 ５．前記外皮組成における水の量は１０重量％以下である請求の範囲４に記載 の被覆カプセル。 ６．前記外皮組成におけるゼラチンに対する可塑剤（グリセリン＋糖もしくは その代替物）の比は０．８〜１．０の範囲である請求の範囲４又は５に記載の被 覆カプセル。 ７．グリセリンに対する糖もしくはその代替物の比は０．８〜１．２の範囲で ある請求の範囲４乃至６のいずれかに記載の被覆カプセル。 ８．前記糖もしくはその代替物はソルビトール、ポリグリセロール、マンニト ール、キシリトール、マルチトール、イソマルト、コーンシロップ及びこれらの 混合物の中から選ばれる前記請求の範囲のいずれかに記載の被覆カプセル。 ９．前記風味を帯びた被覆は前記糖もしくはその代替物の水溶液からなる前記 請求の範囲のいずれかに記載の被覆カプセル。 １０．ブレスフレッシュナー充填組成物を含有するとともに風味を帯びた被覆 を有するゼラチン外皮からなる被覆カプセル。 １１．前記充填組成物がブレスフレッシュナーである請求の範囲１乃至９のい ずれかに記載の被覆カプセル。 １２．前記充填組成物がパセリシードオイルを含む請求の範囲１０又は１１に 記載の被覆カプセル。