JP3021310B2 - ナッツ製品およびその製法 - Google Patents

ナッツ製品およびその製法

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JP3021310B2 JP7047225A JP4722595A JP3021310B2 JP 3021310 B2 JP3021310 B2 JP 3021310B2 JP 7047225 A JP7047225 A JP 7047225A JP 4722595 A JP4722595 A JP 4722595A JP 3021310 B2 JP3021310 B2 JP 3021310B2
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澄夫 堀下
晧 松延
▲吉▼孝 大野
泰司 天野
徹 宮秋
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株式会社トン
カネボウフーズ株式会社
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、軽い口当たりを有する
ナッツ製品およびその製法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来から、ナッツ製品は、おやつ,スナ
ック,酒のつまみ等として広く用いられている。このよ
うなナッツ製品は、通常、原料である生のナッツ類をロ
ースト(空気中または植物油中での熱調理)して乾燥さ
せることにより製造されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
ように、単にローストしたナッツ類は、水分が大幅に減
少してカリッとした食感を与えるものの、ナッツ類特有
の緻密な組織構造がそのまま維持されているため、固い
口当たりを有し、歯の弱い人や胃腸の弱い人はあまり食
することができない、という問題がある。そこで、栄養
価に優れるナッツ類を、より多くの人が手軽に喫食する
ことのできるよう、従来のナッツ製品よりも軽い口当た
りを有し消化のよいナッツ製品の開発が強く望まれてい
るが、そのようなものは未だ実現していないのが実情で
ある。
【0004】本発明は、このような事情に鑑みなされた
もので、軽い口当たりを有し消化のよいナッツ製品およ
びその製法の提供をその目的とするものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
め、本発明は、表面が主として増粘剤からなる緻密な皮
膜で覆われたナッツ類であって、ローストされることに
よりその内部組織が膨化して多孔質になっているナッツ
製品を第1の要旨とし、ナッツ類表面を湿潤状態にし
て、その表面に増粘剤を主とする粉末を振りかけて均一
にまぶし、ついで蒸煮して上記粉末層を粘稠な皮膜と
し、冷却後にローストしてナッツ類の内部組織を膨化さ
せ多孔質化するようにしたナッツ製品の製法を第2の要
旨とし、増粘剤を主とする粘稠液を準備し、この粘稠液
でナッツ類表面を均一にコーティングし、ついでロース
トしてナッツ類の内部組織を膨化させ多孔質化するよう
にしたナッツ製品の製法を第3の要旨とする。
【0006】
【作用】すなわち、本発明者らは、口当たりの軽いナッ
ツ製品を得るべく、一連の研究を重ねた。その過程で、
ナッツ製品を、多孔質にするという着想を得た。すなわ
ち、多孔質化することにより、ナッツ製品が脆くなり、
この結果、軽い口当たりと優れた消化吸収性をナッツ製
品に付与することが可能となる。そこで、ナッツ製品を
多孔質化する方法について、さらに研究を重ねたとこ
ろ、原料となるナッツ類の表面を、増粘剤を主とする粘
稠な皮膜で被覆し、これをローストすると、上記粘稠な
皮膜の作用によりナッツ類内部が気密となり、かつロー
ストによってナッツ類内部の空気や水蒸気等のガスが内
圧を高め、最終的には上記皮膜を激しく破ることにより
ナッツ内部組織が膨化して多孔質となることを突き止め
た。そして、ナッツ類の表面を、増粘剤を主とする粘稠
な皮膜で被覆する方法としては、ナッツ類表面を湿潤状
態にして、その表面に増粘剤を主とする粉末を振りかけ
て均一にまぶし、これを蒸煮して粘稠な皮膜とする方法
と、予め増粘剤を主とする粘稠液を準備しておき、これ
でナッツ類表面を均一にコーティングする方法の二通り
があることを見出し、本発明に到達した。
【0007】なお、本発明において、「増粘剤を主とす
る」とは、全体が増粘剤のみからなる場合も含む趣旨で
ある。
【0008】つぎに、本発明について詳細に説明する。
【0009】まず、本発明に用いるナッツ類としては、
アーモンド,ピーナッツ,カシューナッツ,ピスタチ
オ,ヘーゼルナッツ(ハシバミ),ブラジルナッツ,マ
カダミアナッツ,クルミ,松の実,ペカン等、木の実と
して食用に供されている各種のナッツ類があげられる。
なかでも、均一膨化性,風味の点で、アーモンド,ピー
ナッツ,カシューナッツを用いることが好ましく、特に
アーモンドが最適である。
【0010】また、本発明に用いる増粘剤としては、米
粉,ワキシーコーンスターチ,トウモロコシ澱粉,タピ
オカ澱粉,馬鈴薯澱粉等の各種澱粉の外、セルロース,
キチン,キトサン,フラクタン,マンナン,ガラクタン
等の中性単純多糖、あるいはグルコマンナン,ガラクト
マンナン等の中性複合多糖、さらにアルギン酸,ペクチ
ン,アラビアゴム等をあげることができる。なかでも、
効果の点で、米粉澱粉が優れている。なお、これらの増
粘剤は、単独で用いても、2種以上を併用するようにし
ても差し支えはない。
【0011】本発明では、上記ナッツ類および増粘剤を
用い、例えばつぎのようにしてナッツ製品を得ることが
できる。すなわち、まずナッツ類表面を湿潤状態にし
て、その表面に増粘剤を主とする粉末を振りかけて均一
にまぶし、ついで蒸煮して上記粉末層を粘稠な皮膜とす
る。そして、冷却後に、皮膜が形成されたナッツ類をロ
ーストすることにより、目的とするナッツ製品を得るこ
とができる。
【0012】上記製法において、ナッツ類表面を湿潤状
態にして、その表面に増粘剤を主とする粉末を振りかけ
て均一にまぶす工程は、通常、回転釜を用いて行われ
る。そして、上記回転釜内においてナッツ類を回転させ
ながら、液体と、増粘剤を主とする粉末とを、交互に掛
けるようにする。上記液体としては、単なる水でもよい
が、ある程度粘着性を有した液体の方が好ましく、通常
は、10〜80重量%(以下「%」と略す)の糖液が用
いられる。上記糖液に用いられる糖類としては、砂糖の
外、各種の単糖類,多糖類,糖アルコール等が単独で、
あるいは2種以上を併せて用いられる。なかでも、60
%砂糖液が好適である。なお、上記液体の使用量は、対
象とするナッツ類の重量に対し3〜7%、なかでも5%
前後に設定することが好適である。すなわち、3%未満
では、ナッツ類表面を充分に湿らせることができにく
く、逆に7%を超えると、液体が過剰となって粉末とと
もに落下して無駄になりやすいからである。
【0013】また、上記増粘剤を主とする粉末として
は、前記増粘剤のみからなる粉末の外、増粘剤粉末に香
辛料,調味料等の粉末を混合したものを用いることがで
きる。ただし、最終的にナッツ類にまぶす増粘剤粉末の
量は、対象とするナッツ類の重量に対し2〜10%、特
に5%前後に設定することが好適である。2%よりも少
ないとナッツ類の表面に形成される皮膜が薄くなり、つ
ぎのロースト工程において皮膜が破れてナッツ類の膨化
が不完全になるおそれがあり、逆に10%よりも多いと
形成される皮膜が厚くなり、最終的に得られるナッツ製
品において、皮膜自身の口当たりが重くなる傾向がみら
れるからである。なお、増粘剤粉末以外の粉末を混合し
て用いる場合には、上記増粘剤粉末以外の粉末の配合割
合は、粉末全体の10%以下に設定することが好まし
い。すなわち、10%を超えると、形成される皮膜の粘
稠性が損なわれるおそれがあるからである。
【0014】さらに、上記製法において、増粘剤を主と
する粉末をかけたナッツ類を蒸煮する場合は、通常、常
圧で2〜5分間蒸すことが行われる。蒸煮時間は、ナッ
ツ類の大きさ(表面積が異なる)やまぶした増粘剤粉末
量にもよるが、一般に3分間に設定することが好適であ
る。そして、蒸煮されたナッツ類を冷却する場合は、通
常、室温下で5〜15分間放置することが行われる。よ
り冷却時間を短縮する場合には、5〜15℃の冷風下で
1〜2分間放置することができる。
【0015】また、上記製法において、蒸煮し冷却した
ナッツ類をローストする方法としては、オイルロース
ト,ドライロースト等、適宜のローストが行われる。ロ
ーストの条件は、ナッツ類の種類や増粘剤の種類によっ
て適宜調整されるが、例えばアーモンドをオイルロース
トする場合は150〜170℃で5〜8分間程度、なか
でも160℃で7分間ローストを行うことが好適であ
る。
【0016】このようにして得られたナッツ製品は、増
粘剤を主とする緻密な皮膜に覆われた状態でローストさ
れているため、上記皮膜の気密作用により内圧が高ま
り、最終的には上記皮膜が激しく破れることによって内
部組織が膨化して多孔質となる。このため、この多孔質
のナッツ製品を喫食すると、ナッツがさくさくと軽い口
当たりで非常に喫食しやすい。そして、歯の弱い人や胃
腸の弱い人であっても、安心して喫食することができ、
栄養価の高いナッツを充分に摂取することができる。
【0017】ここで、本発明のナッツ製品の多孔質化の
程度は、原料ナッツ類に対するナッツ製品の体積増加率
で判断することができる。すなわち、上記のように、原
料ナッツ類の表面に皮膜を形成してローストすると、ナ
ッツ内部に微小空隙(孔)が多数生成して体積が増加す
る。したがって、本発明のナッツ製品であるか否かは、
ナッツ製品の原料ナッツに対する体積増加率で判断する
ことができる。この体積増加率は、1〜50%の範囲で
ある。この範囲の体積増加率を示したナッツ製品は、軽
い口当たりで消化吸収性に優れるという本発明の作用効
果を奏するため、本発明のナッツ製品と判断することが
できる。また、ナッツの体積が増加するということは、
密度(g/cm3 )が小さくなることを意味するため、
この密度によっても、上記体積増加率と同様に、本発明
のナッツ製品であるか否かの判断が可能である。すなわ
ち、各種原料ナッツ類の密度は、予め測定して決定する
ことができ、この密度よりも小さい密度であれば、ナッ
ツ類が多孔質化したこととなる。このナッツ製品の密度
の範囲としては、ナッツ類の種類等により異なるが、一
般に、0.70〜1.10g/cm3 の範囲である。な
お、本発明のナッツ製品において、上記体積増加率の好
適範囲は、2〜30%であり、密度の好適範囲は0.8
5〜1.07g/cm3 である。すなわち、これらの範
囲の体積増加率あるいは密度のナッツ製品は、極めて良
好な軽い口当たりとなり、また優れた消化吸収性を示す
からである。
【0018】また、本発明では、上記の製法とは異な
る、つぎのような製法によっても目的とするナッツ製品
を得ることができる。すなわち、まず増粘剤を主とする
粘稠液を準備し、この粘稠液でナッツ類表面を均一にコ
ーティングしたのち、これをローストして目的とするナ
ッツ類を得ることができる。
【0019】上記製法において、増粘剤を主とする粘稠
液は、増粘剤を主とする粉末を、湯浴中で適宜の液体に
溶解して調製される。増粘剤を主とする粉末としては、
先の製法と同様、増粘剤のみからなる粉末の外、増粘剤
粉末に香辛料等の粉末を混合したものを用いることがで
きる。そして、上記他の粉末の配合割合は、粉末全体の
10%以下で設定することが好ましい点でも、先の製法
と同様である。そして、上記粉末を溶解させる液体とし
ては、単なる水でもよいが、ある程度粘着性を有した液
体の方が好ましく、通常は、10〜80%の糖液、なか
でも20%の糖液が用いられる。上記糖液に用いられる
糖類についても、先の製法で述べたものと同様である。
なお、上記液体に対する粉末の溶解量は、液体重量に対
し10〜30%となるように設定することが好適であ
る。10%未満では、得られる液が粘稠性の乏しいもの
となりナッツ類表面に付着しにくくなり、逆に30%を
超えると、得られる液の流れ性が悪くなり、ナッツ類表
面に均一に広がりにくいからである。
【0020】また、上記粘稠液のナッツ類への付与は、
先の製法と同様、回転釜を用い、その付与量は、対象と
するナッツ類の重量に対し、5〜15%、なかでも10
%前後に設定することが好適である。5%よりも少ない
と、ナッツ類の表面に形成される皮膜が薄すぎて、つぎ
のロースト工程においてナッツ類の膨化が不完全になる
おそれがあり、逆に15%を超えると、それ以上の量は
ナッツ類の表面に付着せず、落下して無駄となるおそれ
があるからである。
【0021】また、上記製法において、ローストの方法
および条件は、前記製法と同じである。
【0022】このようにして得られたナッツ製品も、前
記製法で得られたものと同様、内部組織が膨化して多孔
質になっており、喫食すると、ナッツがさくさくと軽い
口当たりで、歯の弱い人や胃腸の弱い人であっても、安
心して喫食することができる。ただし、この粘稠液をコ
ーティングする製法によって得られたものの方が、ナッ
ツ類表面を覆う増粘剤皮膜が薄く均一に形成されるた
め、さきの製法によるものよりも、一層口当たりが軽
い。
【0023】つぎに、本発明の実施例を、比較例と併せ
て説明する。
【0024】
【実施例1】まず、生のアーモンド100gを準備し、
これに、回転釜を用いて、米粉(上新粉)5gを、60
%砂糖液5gを掛けながら均一にコーティングした。つ
ぎに、コーティング済アーモンドを、常圧下で3分間蒸
して、米粉の澱粉をα化して粘稠な皮膜とした。そし
て、室温下で2分間放置して冷却したのち、160℃×
7分間オイルローストした。このようにして、目的とす
るナッツ製品を得た。
【0025】
【実施例2】上記実施例1と同様のアーモンド100g
を準備するとともに、米粉(上新粉)15gを20%砂
糖液115g中に添加して湯浴によりα化させた粘稠液
を調製した。上記アーモンドに、回転釜を用いて、上記
粘稠液を掛けながら均一にコーティングした。そして、
コーティング済アーモンドを、160℃×7分間オイル
ローストして、目的とするナッツ製品を得た。
【0026】
【比較例1】上記実施例1と同様のアーモンド100g
を、そのまま160℃×7分間オイルローストして、比
較例となるナッツ製品を得た。
【0027】上記実施例1,2品および比較例1品の外
観および口当たりを、専門パネラー10名によって官能
評価するとともに、生アーモンドを100として、得ら
れたナッツ製品の体積比率(ランダムに取り出した10
粒のアーモンドの平均)を求めた。これらの結果を下記
の表1に示す。
【0028】
【表1】
【0029】上記表1の結果から、実施例1,2品のナ
ッツ製品は、皮膜形成能に優れた米粉を用いていること
から、体積増加(多孔質化)が著しく大きく優れた多孔
質ナッツ製品が得られた。これに対し、比較例1品のナ
ッツ製品は、皮膜がないため、体積増加がなく多孔質と
ならなかった。
【0030】つぎに、上記実施例1,2品および比較例
1品のナッツ製品について、レオメーター(SunRh
ee Meter CR−200D,Sun Scie
ntific社製)を用い、破壊強度を測定した。この
結果を下記の表2に示す。なお、この破壊強度は、アー
モンドが破壊される際の最大荷重(平均値)である。ま
た、レオメーター測定の条件は以下のとおりである。 アタッチメント:円錐型(底面積直径15mm×高さ1
4mm) 移動速度:30mm/分 測定数:n=30
【0031】
【表2】
【0032】上記結果から、実施例1,2品のナッツ製
品は、多孔質となっているため、破壊強度が小さいこと
がわかる。このことから、本発明のナッツ製品は、軽い
口当たり(さくさく感)を有していることがわかる。こ
れに対し、比較例1品のナッツ製品は、多孔質でないた
め、破壊強度が高かった。
【0033】
【実施例3〜8】上記実施例1と同様の製法において、
下記の表3に示す組成の粉末を用いた。それ以外は実施
例1と同様にして、目的とするナッツ製品を得た。そし
て、上記実施例1,2と同様にして評価し、その結果を
下記の表3に併せて示した。
【0034】
【表3】 *1:◎…良好 ○…ほぼ良好 △…やや不良(以下の表も同じ) *2:◎…良好 ○…ほぼ良好 △…やや不良(以下の表も同じ)
【0035】上記の結果から、増粘剤として各種のもの
を用いることができることがわかる。また、増粘剤とと
もに用いる香辛料や調味料を用いても多孔質のナッツ製
品を製造することが可能であることがわかる。
【0036】
【実施例9〜14】上記実施例1の製法において、粉末
を付着させるために用いる液体として、下記の表4に示
す組成のものを用いた。それ以外は上記実施例1と同様
にして、目的とするナッツ製品を得た。そして、上記実
施例1,2と同様にして評価し、その結果を下記の表4
に併せて示した。
【0037】
【表4】
【0038】上記の結果から、液体として水、あるいは
種々濃度の砂糖水溶液を用いても、ナッツ製品の体積が
増加すること(多孔質化)がわかる。そして、ソルビッ
トを併用すると、体積増加が著しいことがわかる。
【0039】
【実施例15〜18】上記実施例1の製法において、増
粘剤粉末(米粉)を付着させる量を、下記の表5に示す
ように変えた。それ以外は上記実施例1と同様にして、
目的とするナッツ製品を得た。そして、上記実施例1,
2と同様にして評価し、その結果を下記の表5に併せて
示した。
【0040】
【表5】 *1:原料に対する重量%
【0041】上記の結果から、種々割合で米粉を用いて
も、ナッツ製品において体積増加(多孔質化)が確認さ
れた。
【0042】
【実施例19〜22】上記実施例1の製法において、増
粘剤粉末(米粉)を付着させるために用いる液体の量
を、下記の表6に示すように変えた。それ以外は上記実
施例1と同様にして、目的とするナッツ製品を得た。そ
して、上記実施例1,2と同様にして評価し、その結果
を下記の表6に併せて示した。
【0043】
【表6】 *1:原料に対する重量%
【0044】上記の結果から、米粉の付着において、種
々割合で液体を用いることが可能であることがわかる。
【0045】
【実施例23〜28】上記実施例2の製法において、粘
稠液を調製するために用いる液体として、下記の表7に
示す組成のものを用いた。それ以外は上記実施例2と同
様にして、目的とするナッツ製品を得た。そして、上記
実施例1,2と同様にして評価し、その結果を下記の表
7に併せて示した。
【0046】
【表7】
【0047】上記の結果から、種々組成の粘稠液を用い
ても、ナッツ製品の体積増加(多孔質化)を確認するこ
とができた。
【0048】
【実施例29〜32】上記実施例2の製法において、粘
稠液における増粘剤粉末の溶解量を、下記の表8に示す
ように変えた。それ以外は上記実施例2と同様にして、
目的とするナッツ製品を得た。そして、上記実施例1,
2と同様にして評価し、その結果を下記の表8に併せて
示した。
【0049】
【表8】 *1:液体に対する重量%
【0050】上記の結果から、米粉の溶解量の適正値
が、10〜30重量%であることが分かる。また、実施
例29〜32品のナッツ製品において、体積増加(多孔
質化)を確認することができた。
【0051】
【実施例33〜36】上記実施例2の製法において、ナ
ッツ類にコーティングする粘稠液の量を、下記の表9に
示すように変えた。それ以外は上記実施例2と同様にし
て、目的とするナッツ製品を得た。そして、上記実施例
1,2と同様にして評価し、その結果を下記の表9に併
せて示した。
【0052】
【表9】 *1:原料に対する重量%
【0053】上記の結果から、粘稠液付与量の好適範囲
は、5重量%以上であることがわかる。また、実施例3
3〜36品のナッツ製品において、体積増加(多孔質
化)が確認できた。上記実施例のなかで、特に、実施例
36,35品は、粘稠液付与量が最適であるため、優れ
た外観および口当たり、高い体積増加を示した。
【0054】
【実施例37〜41】上記実施例2において、ロースト
条件を下記の表10に示すように変えた。それ以外は上
記実施例2と同様にして目的とするナッツ製品を得た。
そして、上記実施例1,2と同様にして評価し、その結
果を下記の表10に併せて示した。
【0055】
【表10】 *1:熱風加熱によるロースト
【0056】上記の結果から、種々のロースト(オイル
ロースト,ドライロースト)が、本発明のナッツ製品の
製法に適用可能なことがわかる。このなかで、170℃
×7分間のオイルローストが、好適条件であることがわ
かる。
【0057】
【実施例42,43】実施例2の方法にしたがい、原料
として、ピーナッツを用いて実施例42品を得、カシュ
ーナッツを用いて実施例43品を得た。これらについて
も上記実施例1,2と同様にして評価し、その結果を下
記の表11に示した。
【0058】
【表11】
【0059】上記の結果から、ピーナッツやカシューナ
ッツに、本発明のナッツ製品の製法を適用すれば、優れ
た外観および口当たりを備えた多孔質のナッツ製品を製
造することが可能であることがわかる。
【0060】
【実施例44,45、比較例2】重量1.20g,長径
23.5mm,短径12.0mm,厚み8.0mmのサ
イズに選別したアーモンドをそれぞれの実施例および比
較例において各々100個準備した。そして、オイルロ
ーストの条件を、170℃×7分間とした以外は、実施
例44は実施例1と同様に、実施例45は実施例2と同
様に、比較例2は比較例1と同様にしてナッツ製品をそ
れぞれ作製した。そして、乾式自動密度計(アキュピッ
ク1330,島津社製)を用いて密度(g/cm3 )を
測定した。その結果を下記の表12に示す。また、併せ
て生原料のアーモンドの密度の値も同表に示す。なお、
下記の表12の値は、平均値(n=100)である。
【0061】
【表12】
【0062】上記結果から、実施例44,45のナッツ
製品は、多孔質化が進み密度が小さくなったことがわか
る。このことから、本発明のナッツ製品は、軽い口当た
り(さくさく感)を有し、消化吸収がよいことがわか
る。これに対し、皮膜処理をしない比較例2品は、顕著
な密度の減少は認められなかった。また、得られたナッ
ツ製品の食感も、軽い口当たり(さくさく感)ではなか
った。
【0063】
【発明の効果】以上のように、本発明は、原料となるナ
ッツ類の表面を、増粘剤を主とする粘稠な皮膜で被覆
し、これをローストしてナッツ類の内部組織を膨化させ
て内部を多孔質の状態にしたものである。したがって、
このようにして得られたナッツ製品は、口当たりが軽
く、消化吸収もよいため、歯の弱い人や胃腸の弱い人で
も安心して喫食することができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 天野 泰司 大阪府高槻市古曽部町1丁目26番5号 (72)発明者 宮秋 徹 大阪府箕面市桜3の6の21 (56)参考文献 特開 昭59−227246(JP,A) 特開 昭62−118871(JP,A) 特開 昭58−877(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) A23L 1/36 WPI(DIALOG) JAFIC(JOIS)

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 表面が主として増粘剤からなる緻密な皮
    膜で覆われたナッツ類であって、ローストされることに
    よりその内部組織が膨化して多孔質になっていることを
    特徴とするナッツ製品。
  2. 【請求項2】 ナッツ類表面を湿潤状態にして、その表
    面に増粘剤を主とする粉末を振りかけて均一にまぶし、
    ついで蒸煮して上記粉末層を粘稠な皮膜とし、冷却後に
    ローストしてナッツ類の内部組織を膨化させ多孔質化す
    るようにしたことを特徴とするナッツ製品の製法。
  3. 【請求項3】 増粘剤を主とする粘稠液を準備し、この
    粘稠液でナッツ類表面を均一にコーティングし、ついで
    ローストしてナッツ類の内部組織を膨化させ多孔質化す
    るようにしたことを特徴とするナッツ製品の製法。
JP7047225A 1995-03-07 1995-03-07 ナッツ製品およびその製法 Expired - Fee Related JP3021310B2 (ja)

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