JP2001355679A - 摩擦発生機構及び摩擦部材 - Google Patents

摩擦発生機構及び摩擦部材

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JP2001355679A JP2000179494A JP2000179494A JP2001355679A JP 2001355679 A JP2001355679 A JP 2001355679A JP 2000179494 A JP2000179494 A JP 2000179494A JP 2000179494 A JP2000179494 A JP 2000179494A JP 2001355679 A JP2001355679 A JP 2001355679A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 摩擦発生機構において所望の摩擦抵抗を発生
させる。 【解決手段】 第2ブッシュ15は、プレート4に回転
方向に係合するとともにフランジ5に当接し、プレート
4とハブフランジ5が相対回転するとフランジ5に摺動
して摩擦を発生する。プレート4とハブフランジ5が相
対回転するときに、第2ブッシュ15とハブフランジ5
の間で発生する摩擦抵抗は、第2ブッシュ15とプレー
ト4の間で発生する摩擦抵抗より大きい。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、摩擦発生機構、特
に、2つの回転部材が相対回転すると摩擦抵抗を発生し
て捩じり振動を減衰させるための機構に関する。
【0002】
【従来の技術】たとえば車両のクラッチディスク組立体
に用いられるダンパー機構は、一対の円板状入力側プレ
ートと、外周にフランジを有する出力側ハブと、一対の
入力側プレートとフランジとを回転方向に弾性的に連結
するトーションスプリングと、入力側プレートと出力側
ハブとの間に配置された摩擦発生機構とを備えている。
【0003】摩擦発生機構は、たとえば、出力側ハブの
フランジに当接する摩擦部材と、摩擦部材と入力側プレ
ートの一方との間に配置され摩擦部材をフランジに対し
て押圧するためのコーンスプリングとを有している。摩
擦部材は、環状の本体と、本体から軸方向に突出し入力
側プレートと一体回転するように係合する複数の突起を
有している。各突起は入力側プレートに形成された孔に
挿入され回転方向に係合している。すなわち、突起の回
転方向両端は孔の回転方向両端に当接しており、これに
より摩擦部材は入力側プレートに対して軸方向に移動可
能であるが回転方向には移動不能となっている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】前記従来の摩擦発生機
構では、突起と孔の係合部分において、突起の回転方向
幅が孔の回転方向幅より小さくなって、両者が相対回転
可能となるわずかな隙間が形成されていることがある。
これは、組み付け性確保のためには所定の隙間が必要で
あり、また摩擦部材が樹脂製であるため摩耗によって隙
間が大きくなることによる。この結果、捩じり振動減衰
時にこの隙間領域では、摩擦部材はハブフランジに対し
て滑らず、そのときに例えばコーンスプリングと入力側
プレートが互いに摺動する。すなわち前述の隙間領域に
おいては所望のヒステリシストルクが発生せず、車両の
音・振動減衰機能が低下する。
【0005】具体的には、例えば、低剛性・低ヒステリ
シストルク及び高剛性・高ヒステリシストルクの2段特
性を有する捩じり特性において、低剛性領域から高剛性
領域に移行する際に、前述の隙間角度範囲では摩擦部材
がフランジに対して摺動せず、所定のヒステリシストル
クが得られない。この結果、音・振動減衰性能がよい。
【0006】また、従来のダンパー機構には高捩じり角
度領域における微小捩じり振動に対しては摩擦発生機構
を作動させないことで低ヒステリシス特性を実現させる
構造が知られているが、その場合に本来の微小捩じり角
度領域に前記隙間角度が加わることによって微小捩じり
振動に対して摩擦発生機構が作動しない角度が大きくな
ってしまうことがある。この場合も所望の捩じり特性が
得られないため、音・振動減衰機能が低下する。
【0007】本発明の課題は、摩擦発生機構において所
望の摩擦抵抗を発生させることにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載の摩擦発
生機構は第1回転部材及び第2回転部材と摩擦部材とを
備えている。第1回転部材及び第2回転部材は互いに所
定角度範囲で相対回転可能である。摩擦部材は、第1回
転部材に回転方向に係合するとともに第2回転部材に当
接し、第1及び第2回転部材が相対回転すると第2回転
部材に摺動して摩擦を発生する。第1及び第2回転部材
が相対回転するときに、摩擦部材と第1回転部材の間で
発生する摩擦抵抗は、摩擦部材と第2回転部材の間で発
生する摩擦抵抗より大きい。
【0009】この機構では、第1回転部材と第2回転部
材が相対回転するときに、たとえ摩擦部材と第1回転部
材は相対回転可能な状態であっても実際に滑ることはな
く、摩擦部材は確実に第2回転部材に対して滑る。した
がって、所望の摩擦が得られる。請求項2に記載の摩擦
発生機構では、請求項1において、摩擦部材と第1回転
部材の間の摩擦係数は、摩擦部材と第2回転部材の間の
摩擦係数より高い。
【0010】請求項3に記載の摩擦発生機構では、請求
項2において、摩擦部材は、第1回転部材に接触する接
触部分と、第2回転部材に接触し接触部分より摩擦係数
が低い摩擦面とを有する。請求項4に記載の摩擦発生機
構は、請求項1又は2において、第1回転部材と摩擦部
材の間に配置され、摩擦部材を第2回転部材に対して付
勢するためのばね部材をさらに備えている。ばね部材と
摩擦部材の間の摩擦係数及びばね部材と第1回転部材の
間の摩擦係数の少なくとも一方は摩擦部材と第2回転部
材の間の摩擦係数より高い。
【0011】請求項5に記載の摩擦発生機構では、請求
項4において、摩擦部材は、ばね部材に接触する接触部
分と、第2回転部材に接触し接触部分より摩擦係数が低
い摩擦面とを有する。請求項6に記載の摩擦部材は、第
1回転部材と第2回転部材とが相対回転するときに摩擦
を発生させるための部材であり、係合部と摩擦面と接触
部とを備えている。係合部は第1回転部材に回転方向に
係合する。摩擦面は、第2回転部材に当接し、第1及び
第2回転部材が相対回転すると第2回転部材に摺動して
摩擦を発生するための面である。接触部は、第2回転部
材以外の部材に接触し、摩擦面より摩擦係数が高い。
【0012】
【発明の実施の形態】図1に示す本発明の一実施形態に
よるクラッチディスク組立体1は、図1の左側に配置さ
れたエンジン(図示せず)からのトルクを図1の右側に
配置されたトランスミッション(図示せず)に伝達及び
遮断するための装置である。図1においては、O−Oが
クラッチディスク組立体1の回転軸線である。また、図
2においてR1がクラッチディスク組立体1の回転方向
(円周方向)であり、R2がその反対方向である。
【0013】クラッチディスク組立体1は、主に、出力
側部材としてのハブ2と、入力側部材としてのクラッチ
プレート3及びリティーニングプレート4と、中間部材
としてのハブフランジ5と、ハブフランジ5とハブ2と
を回転方向に弾性的に連結するための小トーションスプ
リング6と、プレート3,4とハブフランジ5とを回転
方向に弾性的に連結するための大トーションスプリング
7と、プレート3,4とハブ2との間で相対回転が生じ
るときに所定の摩擦を発生するための摩擦発生機構8と
から構成されている。
【0014】ハブ2は、クラッチディスク組立体1の中
心に配置され、トランスミッションの軸(図示せず)に
連結される。ハブ2は、軸方向に延びる円筒状のボス2
aと、ボス2aの外周に一体形成されたフランジ2bと
から構成されている。フランジ2bの外周には、図2〜
図4に示すように、複数の突起2cが回転方向に等間隔
で形成されている。図3に示すように、フランジ2bの
径方向に対向する2カ所には、後述する小トーションス
プリング6の回転方向両端を受けるための切欠き2dが
形成されている。また、ボス2aの内周側には、トラン
スミッションの軸にスプライン係合するスプライン孔2
eが形成されている。
【0015】ハブフランジ5は、円板状のプレートであ
り、ハブ2のフランジ2bの外周に配置されている。ハ
ブフランジ5は、図2から明らかなように、半径方向外
方に延びる4つの突出部5aを有している。各突出部5
aには、回転方向に延びる窓孔5bが形成されている。
各突出部5aの間には外側切欠き5cが形成されてい
る。突出部5aの内周側には内周側環状部5fが設けら
れている。内周側環状部5fの内周縁には、ハブ2の突
起2cの間に対応する部分に歯5dが形成されている。
突起2cと歯5dとの間には回転方向に所定の隙間が確
保されており、これによりハブ2とハブフランジ5とが
所定角度まで回転可能となっている。ハブフランジ5の
内周側においてハブ2の切欠き2dに対応する2カ所に
は内側切欠き5eが形成されている。これらの切欠き2
dと内側切欠き5e内には小トーションスプリング6が
配置されている。
【0016】クラッチプレート3及びリティーニングプ
レート4はハブフランジ5の両側方に配置されている。
クラッチプレート3及びリティーニングプレート4は、
概ね円板状の一対の部材であり、ハブ2のボス2aの外
周方に回転自在に配置されている。クラッチプレート3
及びリティーニングプレート4は外周部で当接ピン11
により互いに固定されている。この当接ピン11は、ハ
ブフランジ5に形成された外側切欠き5c内を挿通して
いる。当接ピン11と外側切欠き5cとには回転方向に
所定の隙間が確保されているため、プレート3,4とハ
ブフランジ5とは所定角度内で相対回転可能である。
【0017】クラッチプレート3の外周には摩擦連結部
10(クラッチディスク)が配置されている。摩擦連結
部10は、主に、クッショニングプレート12と、クッ
ションニングプレート12の軸方向両側に固定された円
環状の摩擦フェーシング13とから構成されている。ク
ッショニングプレート12は、円環状に連続する環状部
12aと、環状部12aから外周側に突出して形成され
た複数のクッショニング部12bとを有している。環状
部12aはその一部が内周側に突出しており、その突出
した部分が当接ピン11によりクラッチプレート3に固
定されている。
【0018】クラッチプレート3及びリティーニングプ
レート4には、それぞれハブフランジ5の窓孔5bに対
応した位置に窓孔3a及び窓孔4aが形成されている。
これら窓孔3a及び窓孔4a内に大トーションスプリン
グ7が配置されている。各窓孔3a及び窓孔4aの半径
方向両側には軸方向外方に切り起こされた押さえ部3
b、押さえ部4bが形成されている。大トーションスプ
リング7は、それぞれ二組の第1スプリング組立体7a
と第2スプリング組立体7bとから構成されている。第
1スプリング組立体7aは、半径方向に対向するハブフ
ランジ5の窓孔5b内に各々配置されており、大径のト
ーションスプリングとその内側に配置された小径のトー
ションスプリングとから構成されている。第1スプリン
グ組立体7aの回転方向両端はハブフランジ5の窓孔5
bの回転方向両端、クラッチプレート3の窓孔3aの回
転方向両端及びリティーニングプレート4の窓孔4aの
回転方向両端に当接している。第2スプリング組立体7
bは、半径方向対向するハブフランジ5の窓孔5b内に
配置されており、トーションスプリングとその内側に配
置されたフロートラバー7cとから構成されている。第
2スプリング組立体7bのトーションスプリングの回転
方向両端は、ハブフランジ5の窓孔5bの回転方向両
端、クラッチプレート3の窓孔3aの回転方向両端及び
リティーニングプレート4の窓孔4aの回転方向両端に
当接している。ただし、フロートラバー7cの長さは各
窓孔の回転方向両端間より短くなっている。すなわち、
フロートラバー7cは各窓孔の回転方向両端間で回転方
向に移動自在である。
【0019】次に、摩擦発生機構8について説明する。
摩擦発生機構8は、図1及び図5に示すように、クラッ
チプレート3の内周部とリティーニングプレート4の内
周部との間でかつボス2aの外周側に配置されている。
この摩擦発生機構8は、第1ブッシュ14と第2ブッシ
ュ15と第1コーンスプリング16と第2コーンスプリ
ング17と第3ブッシュ18とを有している。第1〜第
3ブッシュ14、15,18はそれぞれナイロン系の樹
脂で形成されている。
【0020】第1ブッシュ14は樹脂製円板状プレート
である。第1ブッシュ14は、図5〜図7に示すよう
に、内周端がボス2aに近接しており、一側面がハブ2
のフランジ2bのトランスミッション側の側面に当接し
ている。第1ブッシュ14は、円板状部14aと、円板
状部14aから半径方向外方に延びる4つの突起14b
とから主に構成されている。また、円板状部14aの内
周部には、他の部分から軸方向に突出した第1環状部1
4cと、第1環状部14cの内周側部分においてさらに
軸方向に突出した第2環状部14dとを有している。
【0021】第1ブッシュ14とリティーニングプレー
ト4との間には、第1コーンスプリング16が配置され
ている。第1コーンスプリング16は、外周端がリティ
ーニングプレート4に支持され、内周端が第1ブッシュ
14の第1環状部14cに当接している。第1コーンス
プリング16は、軸方向に圧縮された状態で配置されて
おり、第1ブッシュ14をハブ2のフランジ2bに対し
て押しつけている。第1コーンスプリング16には、図
11に示すように、外周側に複数の切欠き16aが形成
されている。この切欠き16aは、第1ブッシュ14の
摩耗によって第1コーンスプリング16の姿勢が変化す
るときに、第1コーンスプリング16の付勢力の変化を
少なくするためのものである。
【0022】第2ブッシュ15は、図8〜図10及び図
13から明らかなように円板状の部材であり、第1ブッ
シュ14の外周側に、第1ブッシュ14が配置された平
面とほぼ同一平面上にかつ同芯に配置されている。第2
ブッシュ15は円板状の本体部15aから主に構成され
ている。本体部15aの内周側には、他の部分より軸方
向トランスミッション側に突出する環状部15bが形成
されている。本体部15aのエンジン側の側面15f
(摩擦面)は、ハブフランジ5の内周側環状部5fの軸
方向トランスミッション側の側面5gに当接しており、
両者によって第1摺動面31を形成している。環状部1
5bのトランスミッション側の側面には、回転方向に等
間隔で4つの切欠き15eが形成されている。この切欠
き15e内には、第1ブッシュ14の突起14bが回転
方向に相対回転不能にかつ軸方向に移動可能に係合して
いる。なお、突起14bと切欠き15eとの軸方向間に
は所定の隙間が確保されている。
【0023】環状部15bには、切欠き15eの間にト
ランスミッション側に延びる係合部としての4つの突起
が形成されている。これら突起は2つのスナップ突起1
5cと2つの棒状突起15dとからなる。ここでは同じ
種類の突起同士が半径方向に対向するように配置されて
いる。スナップ突起15cは軸方向に延びるスリットに
より半径方向に2分割されている。スナップ突起15c
はリティーニングプレート4に形成された孔4c内に挿
入され、棒状突起15dはリティーニングプレート4の
他の孔4c内に挿入されている。スナップ突起15c及
び棒状突起15dは孔4cに対して回転方向及び半径方
向に当接している。特に、スナップ突起15cは2つの
突起部分が孔4cに対して半径方向に弾性的に付勢され
ている。また、スナップ突起15cの先端には孔4cか
らの脱落を防止するための爪が形成されている。
【0024】第2コーンスプリング17は第2ブッシュ
15とリティーニングプレート4との間に配置されてい
る。第2コーンスプリング17は軸方向に圧縮されてお
り、外周端がリティーニングプレート4に当接し、内周
端が第2ブッシュ15の環状部15bのトランスミッシ
ョン側の面に当接している。このようにして第2コーン
スプリング17は第2ブッシュ15をハブフランジ5の
内周側環状部5fのトランスミッション側の側面5gに
付勢している。第2コーンスプリング17には、図12
に示すように、内周側に複数の切欠き17aが形成され
ている。この切欠き17aは、第2ブッシュ15の摩耗
によって第2コーンスプリング17の姿勢が変化すると
きに、第2コーンスプリング17の付勢力変化を少なく
するために形成されている。また、第2コーンスプリン
グ17の切欠き17aは、第2ブッシュ15のスナップ
突起15c、棒状突起15d及び切欠き15eに対応し
ており、第2コーンスプリング17とこれらの部材が互
いに干渉しないようになっている。第2コーンスプリン
グ17の付勢力は第1コーンスプリング16の付勢力よ
り大きくなるように設定されている。
【0025】以上に述べた第1ブッシュ14,第2ブッ
シュ15、第1コーンスプリング16及び第2コーンス
プリング17は、リティーニングプレート4に組み付け
られサブアッシーを構成している。これら部材は、第2
ブッシュ15のスナップ突起15cとリティーニングプ
レート4の孔4cの係合によって、リティーニングプレ
ート4から軸方向に外れないようになっている。
【0026】第3ブッシュ18は、図1に示すように、
クラッチプレート3の内周部とハブ2のフランジ2b及
びハブフランジ5の内周側環状部5fとの間に配置され
ており、円板状の本体部18aと、本体部18aの一側
面から軸方向に突出する複数のスナップ突起18bとを
有している。本体部18aのトランスミッション側の側
面18d(摩擦面)はフランジ2bの側面及びハブフラ
ンジ5の内周側環状部5fの軸方向エンジン側の側面5
hに当接している。側面18dと軸方向エンジン側の側
面5hによって第2摺動面32が形成されている。ま
た、本体部18aの軸方向エンジン側の側面18eはク
ラッチプレート3に当接している。
【0027】また、スナップ突起18bはクラッチプレ
ート3に形成された孔3c内に係合している。このスナ
ップ突起18bの形状は前述のスナップ突起15cと同
様である。第3ブッシュ18の内周部には軸方向エンジ
ン側に延びる環状の突出部18cが形成されている。こ
の突出部18cの外周面にはクラッチプレート3の内周
面が当接している。以上に述べた第3ブッシュ18はク
ラッチプレート3に組み付けられサブアッシーを構成し
ている。
【0028】摩擦発生機構8において、捩じり特性2段
目において高ヒステリシストルクを発生するための構造
についてさらに詳細に説明する。第2コーンスプリング
17は軸方向圧縮されており、この結果第2ブッシュ1
5はハブフランジ5に付勢され、第3ブッシュは入力側
プレート3,4を介してハブフランジ5に付勢されてい
る。プレート3,4とハブフランジ5が相対回転すると
き、第2ブッシュ15及び第3ブッシュ18はプレート
3,4と一体に回転し、ハブフランジ5に対して摺動す
る。
【0029】第2コーンスプリング17の内周縁と第2
ブッシュ15によって第1接触部33が形成され、第2
コーンスプリング17の外周縁とプレート4によって第
2接触部34が形成されている。第1接触部33及び第
2接触部34の少なくとも一方は第1摺動面31に比べ
て、発生する摩擦抵抗(最大静止摩擦力)が大きくなる
ように設定されている。具体的には、第2コーンスプリ
ング17によって各部分に付与される力は同一であり、
第1接触部33及び第2接触部34の少なくとも一方は
第1摺動面31に比べて摩擦係数(最大静止摩擦係数)
が大きくなるように設定されている。より具体的には、
第2ブッシュ15において、環状部15bの軸方向側面
にはエンジン側の側面15fより高摩擦係数を得るため
の高μコーティングが施されている。また、第2コーン
スプリング17の内外周縁やプレート4の支持部分に高
μコーティングが施されていてもよい。
【0030】このように第2ブッシュ15に関する摩擦
力を設定したのは、第1接触部33及び第2接触部34
で滑りが生じないようにするためである。第2ブッシュ
15とプレート4とは一体回転する構造であるため第1
及び第2接触部33,34では摺動が生じることはない
と考えられるが、突起15c,15dと孔4cにわずか
でも回転方向に隙間があれば第1接触部33又は第2接
触部34でその微小隙間角度範囲で摺動が可能である。
しかし、そのような場合でも、本願発明においては、第
1接触部33及び第2接触部34の少なくとも一方で発
生する摩擦抵抗が第1摺動面31で発生する摩擦抵抗よ
り大きくなっており、プレート3,4とハブフランジ5
が相対回転する時には、第1摺動面31では滑りが生じ
るが第1及び第2接触部33,34では滑りが生じな
い。このことは、所望の捩じり振動減衰特性が確実に得
られることを意味する。
【0031】第3ブッシュ18においては、軸方向エン
ジン側の側面18eとプレート3によって接触面35が
形成されている。接触面35は、第2摺動面32に比べ
て、発生する摩擦抵抗(最大静止摩擦力)が大きくなる
ように設定されている。具体的には、第2コーンスプリ
ング17によって各部分に付与される力は同一であり、
接触面35は第2摺動面32に比べて摩擦係数(最大静
止摩擦係数)が大きくなるように設定されている。より
具体的には、第3ブッシュ18において、軸方向エンジ
ン側の側面18eには側面18dより高摩擦係数を得る
ための高μコーティングが施されている。
【0032】このように第3ブッシュ18に関する摩擦
力を設定したのは、接触面35で滑りが生じないように
するためである。第3ブッシュ18とプレート3とは一
体回転する構造であるため接触面35では摺動が生じる
ことはないと考えられるが、突起18bと孔3cにわず
かでも回転方向に隙間があれば接触面35で微小隙間角
度範囲内の摺動が可能である。しかし、そのような場合
でも、本願発明においては、接触面35で発生する摩擦
抵抗が第2摺動面32で発生する摩擦抵抗より大きくな
っており、プレート3,4とハブフランジ5が相対回転
する時には、第2摺動面32では滑りが生じるが接触面
35では滑りが生じない。このことは、所望の捩じり振
動減衰特性が確実に得られることを意味する。
【0033】図14にクラッチディスク組立体1のダン
パー機能に関する機械模式図を示す。図14は、入力側
の部材と出力側の部材とを一回転方向にねじった場合の
各部品の動作や関係を説明するための図である。図から
明らかなように、ハブ2とプレート3,4との間には、
小トーションスプリング6と大トーションスプリング7
が直列に配置されている。小トーションスプリング6と
大トーションスプリング7との間にはハブフランジ5が
中間部材として配置されている。ハブ2とハブフランジ
5との間には、小トーションスプリング6が圧縮される
際に機能する小摩擦発生機構を構成する第1ブッシュ1
4が配置されている。ハブフランジ5とプレート3,4
との間には、大トーションスプリング7が圧縮される際
に機能する大摩擦発生機構としての第2ブッシュ15及
び第3ブッシュ18が配置されている。
【0034】次に、クラッチディスク組立体1の動作に
ついて説明する。摩擦フェーシング13がエンジン側の
フライホイール(図示せず)に押しつけられると、フラ
イホイールのトルクがクラッチプレート3及びリティー
ニングプレート4に入力される。このトルクは、大トー
ションスプリング7、ハブフランジ5,小トーションス
プリング6を介してハブ2に伝達され、さらに図示しな
いトランスミッション側のシャフトに出力される。
【0035】エンジン側のフライホイール(図示せず)
からクラッチディスク組立体1にトルク変動が伝達され
ると、プレート3,4とハブフランジ5とハブ2との間
で相対回転が生じ、小トーションスプリング6や大トー
ションスプリング7が回転方向に圧縮される。より詳細
に説明すると、捩じり角度の小さな領域では小トーショ
ンスプリング6のみが圧縮され、第1ブッシュ14及び
第3ブッシュ18がハブ2のフランジ2bに対して摺動
する。この結果、低剛性・低ヒステリシストルクの特性
が得られる。
【0036】クラッチディスク組立体1の捩じり角度が
大きくなると、小トーションスプリング6の圧縮が停止
され、一体回転するハブフランジ5及びハブ2とプレー
ト3,4との間で相対回転が生じる。このとき大トーシ
ョンスプリング7が圧縮され、第2ブッシュ15及び第
3ブッシュ18がハブフランジ5に摺動する。ここで
は、小トーションスプリング6が圧縮されたときに比べ
て高剛性・高ヒステリシストルクの特性が得られる。
【0037】前述の捩じり特性において、低剛性領域か
ら高剛性領域に移行する際に、第1摺動面31及び第2
摺動面32が確実に摺動するため、高ヒステリシストル
クの発生が遅れることはない。すなわち、音・振動減衰
性能がよい。 〔他の実施形態〕本発明に係る摩擦ブッシュはクラッチ
ディスク組立体の摩擦機構のみならず他の摩擦機構にも
適応可能である。
【0038】また、本発明に係る摩擦発生機構及び摩擦
ブッシュは、たとえば捩じり特性2段目の高剛性・高ヒ
ステリシストルクの領域において微小捩じり振動に対し
て高ヒステリシストルクを発生させないための回転方向
隙間を設けたダンパー機構に用いると効果を発揮する。
そのようなダンパー機構において摩擦ブッシュとプレー
トとの間に回転方向隙間が生じている場合でも、微小捩
じり振動に対して大摩擦発生機構を発生させない角度領
域が大きくなることがない。
【0039】各ブッシュにおいて摩擦面より接触部の摩
擦係数を高くする構成は、コーティングに限定されず、
摩擦係数の異なる部材を組みあわせて実現してもよい。
【0040】
【発明の効果】本発明に係る摩擦発生機構では、第1回
転部材と第2回転部材が相対回転するときに、たとえ摩
擦部材と第1回転部材が相対回転可能な状態になってい
ても、摩擦部材は確実に第2回転部材に対して滑るよう
になっている。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態によるクラッチディスク組
立体の縦断面概略図。
【図2】一部が切りかかれた図1におけるII矢視図。
【図3】ハブの平面図。
【図4】図3のIV―IV断面図。
【図5】図1の円A部分の拡大図。
【図6】第1ブッシュの平面図。
【図7】図6のVI―VI断面図。
【図8】第2ブッシュの平面図。
【図9】図8のXI―XI断面図。
【図10】図8のX―X断面図。
【図11】第1コーンスプリングの平面図。
【図12】第2コーンスプリングの平面図。
【図13】図5の部分拡大図。
【図14】クラッチディスク組立体におけるダンパー機
構の機械回路図。
【符号の説明】
1 クラッチディスク組立体 2 ハブ 3 クラッチプレート(第1回転部材) 4 リティーニングプレート(第1回転部材) 5 ハブフランジ(第2回転部材) 8 摩擦発生機構 15 第2ブッシュ(摩擦部材) 18 第3ブッシュ(摩擦部材) 17 第2コーンスプリング(ばね部材)

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】互いに所定角度範囲で相対回転可能な第1
    回転部材及び第2回転部材と、 前記第1回転部材に回転方向に係合するとともに前記第
    2回転部材に当接し、前記第1及び第2回転部材が相対
    回転すると前記第2回転部材に摺動して摩擦を発生する
    摩擦部材とを備え、 前記第1及び第2回転部材が相対回転するときに、前記
    摩擦部材と前記第1回転部材の間で発生する摩擦抵抗
    は、前記摩擦部材と前記第2回転部材の間で発生する摩
    擦抵抗より大きい、摩擦発生機構。
  2. 【請求項2】前記摩擦部材と前記第1回転部材の間の摩
    擦係数は、前記摩擦部材と前記第2回転部材の間の摩擦
    係数より高い、請求項1に記載の摩擦発生機構。
  3. 【請求項3】前記摩擦部材は、前記第1回転部材に接触
    する接触部分と、前記第2回転部材に接触し前記接触部
    分より摩擦係数が低い摩擦面とを有する、請求項2に記
    載の摩擦発生機構。
  4. 【請求項4】前記第1回転部材と前記摩擦部材の間に配
    置され、前記摩擦部材を前記第2回転部材に対して付勢
    するためのばね部材をさらに備え、 前記ばね部材と前記摩擦部材の間の摩擦係数及び前記ば
    ね部材と前記第1回転部材の間の摩擦係数の少なくとも
    一方は前記摩擦部材と前記第2回転部材の間の摩擦係数
    より高い、請求項1又は2に記載の摩擦発生機構。
  5. 【請求項5】前記摩擦部材は、前記ばね部材に接触する
    接触部分と、前記第2回転部材に接触し前記接触部分よ
    り摩擦係数が低い摩擦面とを有する、請求項4に記載の
    摩擦発生機構。
  6. 【請求項6】第1回転部材と第2回転部材とが相対回転
    するときに摩擦を発生させるための摩擦部材であって、 前記第1回転部材に回転方向に係合する係合部と、 前記第2回転部材に当接し、前記第1及び第2回転部材
    が相対回転すると前記第2回転部材に摺動して摩擦を発
    生するための摩擦面と、 前記第2回転部材以外の部材に接触し、前記摩擦面より
    摩擦係数が高い接触部と、を備えた摩擦部材。
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JP2006170388A (ja) * 2004-12-17 2006-06-29 Exedy Corp 摩擦発生機構
JP2014532842A (ja) * 2011-10-21 2014-12-08 ダイコ・ヨーロッパ・エッセ・エッレ・エッレ 改良型デュアルマスフライホイール
JP2019157875A (ja) * 2018-03-07 2019-09-19 株式会社エクセディ ダンパ装置

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