JP2000179572A - ダンパーディスク組立体 - Google Patents

ダンパーディスク組立体

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JP2000179572A
JP2000179572A JP10361400A JP36140098A JP2000179572A JP 2000179572 A JP2000179572 A JP 2000179572A JP 10361400 A JP10361400 A JP 10361400A JP 36140098 A JP36140098 A JP 36140098A JP 2000179572 A JP2000179572 A JP 2000179572A
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friction
disk
intermediate member
spring
shaped
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JP10361400A
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Hideki Hashimoto
秀樹 橋本
Takashi Harada
貴司 原田
Keisuke Fujioka
啓介 藤岡
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Original Assignee
Exedy Corp
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    • F16ENGINEERING ELEMENTS AND UNITS; GENERAL MEASURES FOR PRODUCING AND MAINTAINING EFFECTIVE FUNCTIONING OF MACHINES OR INSTALLATIONS; THERMAL INSULATION IN GENERAL
    • F16FSPRINGS; SHOCK-ABSORBERS; MEANS FOR DAMPING VIBRATION
    • F16F15/00Suppression of vibrations in systems; Means or arrangements for avoiding or reducing out-of-balance forces, e.g. due to motion
    • F16F15/10Suppression of vibrations in rotating systems by making use of members moving with the system
    • F16F15/12Suppression of vibrations in rotating systems by making use of members moving with the system using elastic members or friction-damping members, e.g. between a rotating shaft and a gyratory mass mounted thereon
    • F16F15/121Suppression of vibrations in rotating systems by making use of members moving with the system using elastic members or friction-damping members, e.g. between a rotating shaft and a gyratory mass mounted thereon using springs as elastic members, e.g. metallic springs
    • F16F15/123Wound springs
    • F16F15/1238Wound springs with pre-damper, i.e. additional set of springs between flange of main damper and hub

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 車輌等の違いに対して容易に微小捩り振動発
生時のヒステリシストルクの大きさを変更できるように
する。 【解決手段】 クラッチディスク組立体1において、摩
擦ワッシャー48は、プレート32とハブフランジ18
との間に配置され、プレート32からトルクが入力され
るようにかつ軸方向に移動可能に係合している。コーン
スプリング49は、摩擦ワッシャー48とプレート32
との軸方向間に配置され、両部材に対して軸方向に反発
力を与えている。固定プレート20は摩擦ワッシャー4
8に軸方向から当接している。スペーサ80は、固定プ
レート20とハブフランジ18との軸方向間に挟まれて
配置され、両部材の間でトルクを伝達する。スペーサ8
0と固定プレート20との回転方向間、及びスペーサ8
0とハブフランジ18との回転方向間の少なくとも一方
には隙間機構46が形成されている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ダンパーディスク
組立体、特に、捩じり特性の高捩じり角度領域において
微小捩じり振動が発生した時に所定の摩擦機構を作動さ
せないための回転方向隙間を有するダンパーディスク組
立体に関する。
【0002】
【従来の技術】車輌に用いられるクラッチディスク組立
体は、フライホイールに連結・切断されるクラッチ機能
と、フライホイールからの捩じり振動を吸収・減衰する
ためのダンパー機能とを有している。一般に車両の振動
には、アイドル時異音(ガラ音)、走行時異音(加速・
減速ラトル,こもり音)及びティップイン・ティップア
ウト(低周波振動)がある。これらの異音や振動を取り
除くことがクラッチディスク組立体のダンパーとしての
機能である。
【0003】アイドル時異音とは、信号待ち等でシフト
をニュートラルに入れ、クラッチペダルを放したときに
トランスミッションから発生する「ガラガラ」と聞こえ
る音である。この異音が生じる原因は、エンジンアイド
リング回転付近ではエンジントルクが低く、エンジン爆
発時のトルク変動が大きいことにある。このときにトラ
ンスミッションのインプットギアとカウンターギアとが
歯打ち現象を起こしている。
【0004】ティップイン・ティップアウト(低周波振
動)とは、アクセルペダルを急に踏んだり放したりした
ときに生じる車体の前後の大きな振れである。駆動伝達
系の剛性が低いと、タイヤに伝達されたトルクが逆にタ
イヤ側から伝わり、その揺り返しとしてタイヤに過大ト
ルクが発生し、その結果車体を過渡的に前後に大きく振
らす前後振動となる。
【0005】アイドリング時異音に対しては、クラッチ
ディスク組立体の捩じり特性においてゼロトルク付近が
問題となり、そこでの捩じり剛性は低い方が良い。一
方、ティップイン・ティップアウトの前後振動に対して
は、クラッチディスク組立体の捩じり特性をできるだけ
ソリッドにすることが必要である。
【0006】以上の問題を解決するために、2種類のバ
ネを用いることにより2段特性を実現したクラッチディ
スク組立体が提供されている。そこでは、捩じり特性に
おける低捩じり角度領域における捩じり剛性及びヒステ
リシストルクを低く抑えているために、アイドリング時
の異音防止効果がある。また、捩じり特性における高捩
じり角度領域では捩じり剛性及びヒステリシストルクを
高く設定しているため、ティップイン・ティップアウト
の前後振動を十分に減衰できる。
【0007】さらに、高捩じり角度領域においてたとえ
ば通常走行時のエンジンの燃焼変動に起因する微小振動
が入力されたときに、高捩じり角度領域で作動するため
の摩擦機構を作動させないことで、低ヒステリシストル
クによって微小振動を効果的に吸収するダンパー機構も
知られている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】従来のクラッチディス
ク組立体では、例えばリテーニングプレートに対して樹
脂製の摩擦部材を所定角度範囲内で相対回転可能に係合
させている。従って、捩り特性の高捩じり角度領域にお
いて微小捩り振動が発生した時には、コーンスプリング
とリテーニングプレートとの間で摺動が生じる。ここで
発生するヒステリシストルクは、金属同士の摩擦である
ため値をコントロールできない。そのため車輌の種類に
よっては微小捩り振動に対して適切な値でない場合があ
る。
【0009】本発明の目的は、車輌等の違いに対して容
易に微小捩り振動発生時のヒステリシストルクの大きさ
を変更できるようにすることにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載のダンパ
ーディスク組立体は、第1及び第2円板状入力部材とハ
ブと円板状中間部材と摩擦部材と付勢部材と中間機構と
第1弾性部材と第2弾性部材とを備えている。
【0011】第1及び第2円板状入力部材は軸方向に間
隔をあけて配置され互いに固定されている。ハブは第1
及び第2円板状入力部材の内周側に配置されている。円
板状中間部材はハブの外周側で第1及び第2円板状入力
部材の軸方向間に配置されている。摩擦部材は、第2円
板状入力部材と円板状中間部材との間に配置され、第2
円板状入力部材に対して第2円板状入力部材からトルク
が入力されるようにかつ軸方向に移動可能に係合してい
る。付勢部材は、摩擦部材と第2円板状入力部材との軸
方向間に配置され、摩擦部材と第2円板状入力部材に対
して軸方向に反発力を与えている。第1弾性部材は中間
機構とハブとを回転方向に弾性的に連結している。第1
弾性部材は捩じり特性の低捩じり角度領域で低剛性をも
たらすための部材である。第2弾性部材は第1及び第2
円板状入力部材と円板状中間部材とを回転方向に弾性的
に連結している。第2弾性部材は捩り特性の高捩じり角
度領域において高剛性をもたらすための部材である。
【0012】中間機構は第1中間部材と第2中間部材と
を有している。第1中間部材は摩擦部材に軸方向から当
接して配置されている。第2中間部材は、第1中間部材
と円板状中間部材との軸方向間に挟まれて配置され、第
1中間部材と円板状中間部材との間でトルクを伝達する
ようになっている。第1中間部材と第2中間部材との回
転方向間、及び第2中間部材と円板状中間部材との回転
方向間の少なくとも一方には前記高捩じり角度領域にお
ける微妙捩じり振動に対して前記摩擦部材と前記中間機
構を摺動させないための所定の隙間が確保されている。
【0013】請求項1に記載のダンパーディスク組立体
では、第1及び第2円板状入力部材にトルクが入力され
ると、両入力部材から、第2弾性部材、円板状中間部
材、中間機構、第1弾性部材、ハブの順番でトルクが伝
達される。また、ダンパーディスク組立体において捩じ
り振動が生じるときには、第1及び第2円板状入力部材
とハブとが相対回転し、両部材間で第1及び第2弾性部
材が回転方向に圧縮される。これにより、各種捩じり振
動が効果的に吸収・減衰される。
【0014】ダンパーディスク組立体の捩じり特性につ
いて、第1及び第2円板状入力部材を他の部材に固定し
ておきそれに対してハブを一方向に捩じっていく動作に
よって説明する。低捩じり角度領域では第1弾性部材が
回転方向に圧縮され、低剛性の特性が得られる。捩じり
角度が大きくなり高捩じり角度領域に入ると、第2弾性
部材が圧縮され高剛性の特性が得られる。高捩じり角度
領域では、摩擦部材が中間機構に対して回転方向に摺動
することで比較的大きな摩擦を発生する。
【0015】車輌通常走行時(第1及び第2円板状入力
部材とハブの捩じり角度は高捩じり角度領域に位置して
いる)において、例えばエンジンのトルク変動に起因す
る微小捩じり振動が発生したときは、高捩じり角度領域
にも関わらず、捩じり振動が所定の隙間の捩じり角度範
囲内であれば、摩擦部材と中間機構との間に相対回転す
なわち摺動が生じない。この結果、摩擦部材による比較
的大きな摩擦が発生せず、微小捩じり振動を効果的に吸
収・減衰できる。
【0016】中間機構は第1中間部材と第2中間部材と
からなり、前記所定の隙間は第1中間部材と第2中間部
材との回転方向間、及び第2中間部材と円板状中間部材
との回転方向間の少なくとも一方に確保されているた
め、いずれの部材との間に所定の隙間を確保するかを選
択することによって微小捩り振動発生時に第2中間部材
が摺動する部材を変更できる。この結果、第2中間部材
と他の部材との摩擦係数がそれぞれ異なる場合には微小
捩り振動に対して異なるレベルのヒステリシストルクを
得ることができる。この結果、車輌の種類に応じて適切
な特性を得ることができる。ここでは、特に、第2中間
部材の変更によって第2中間部材をいずれの部材と摺動
させるかを決定することができるので、方法が簡単であ
る。
【0017】請求項2に記載のダンパーディスク組立体
では、請求項1又は2において、第1中間部材と第2中
間部材との間の摩擦係数は円板状中間部材と第2中間部
材との間の摩擦係数と異なる。
【0018】請求項3に記載のダンパーディスク組立体
では、請求項2において、第2中間部材は樹脂製であ
る。
【0019】請求項3に記載のダンパーディスク組立体
では、第2中間部材は容易に設計変更が可能である。
【0020】請求項4に記載のダンパーディスク組立体
では、請求項1〜3のいずれかにおいて、第1中間部材
と第2中間部材との回転方向間、及び第2中間部材と円
板状中間部材との回転方向間の両方に高捩じり角度領域
における微妙捩じり振動に対して摩擦部材と中間機構を
摺動させないための所定の隙間が確保されている。
【0021】請求項4に記載のダンパーディスク組立体
では、回転方向隙間が直列に形成されているため、ヒス
テリシストルクの立ち上がりを滑らかにできる。
【0022】
【発明の実施の形態】図1〜図5に、本発明の一実施形
態としてのクラッチディスク組立体1を示す。クラッチ
ディスク組立体1は車輌のクラッチに用いられる。図3
〜図5に示すクラッチディスク組立体1の左側には図示
しないエンジン及びフライホイールが配置され、図3〜
図5の右側には図示しないトランスミッションが配置さ
れている。以後、図3〜図5の左側を第1軸方向側(エ
ンジン側)と呼び、図3〜図5の右側を第2軸方向側
(トランスミッション側)と呼ぶ。各図のO−Oはクラ
ッチディスク組立体1の回転軸線すなわち回転中心であ
り、図1に示す矢印R1はフライホイール及びクラッチ
ディスク組立体1の回転方向(正側)であり、R2はそ
の反対回転方向(負側)である。
【0023】概略説明図6に示す機械回路図は、入力回
転体2とハブ3とのトルク伝達経路間に形成されるダン
パー機構4を模式的に描いたものであり、例えばハブ3
を入力回転体2に対してR2方向に捩じったときの各部
材の動作関係を説明するための図である。ダンパー機構
4は、捩じり特性の高捩じり角度領域において高剛性を
もたらす第1ダンパー機構5と、捩じり特性の低捩じり
角度領域において低剛性をもたらす第2ダンパー機構6
とから構成されている。第1ダンパー機構5と第2ダン
パー機構6とは、入力回転体2とハブ3との間に互いに
直列に作用するように配置されている。
【0024】第1ダンパー機構5は、第1バネ16やバ
ネ17からなる第1弾性機構7と、ハブフランジ18と
入力回転体2とが相対回転するときに摩擦を発生する第
2大摩擦機構8と、ハブフランジ18と入力回転体2と
の相対回転角度を規制するための機構であり捩じり角度
θ2+θ3だけ入力回転体2とハブフランジ18との相
対回転を許容している第1ストッパー11とから構成さ
れている。第1弾性機構7、第2大摩擦機構8及び第1
ストッパー11はハブフランジ18と入力回転体2との
間に互いに並列に作用するように配置されている。
【0025】第2ダンパー機構6は主に第2弾性機構9
と第1小摩擦機構10と第2ストッパー12とから構成
されている。第2弾性機構9の第2バネ21は第1弾性
機構7の第1バネ16よりバネ定数が小さく設定されて
いる。第1小摩擦機構10は第2大摩擦機構8で発生す
る摩擦より小さな摩擦を発生するように設定されてい
る。第2ストッパー12は、ハブ3とハブフランジ18
との相対回転を規制するための機構であり、捩じり角度
θ1だけハブ3とハブフランジ18との相対回転を許容
している。第2弾性機構9,第1小摩擦機構10及び第
2ストッパー12はハブ3とハブフランジ18との間で
互いに並列に作用するように配置されている。
【0026】詳細説明 次に、クラッチディスク組立体1の各構造について詳細
に説明する。
【0027】入力回転体2はクラッチプレート31とリ
テーニングプレート32とクラッチディスク33とから
構成されている。クラッチプレート31及びリテーニン
グプレート32は円板状又は環状のプレート部材であ
り、互いに対して軸方向に所定距離だけ離れて配置され
ている。クラッチプレート31はリテーニングプレート
32の第1軸方向側に配置されている。クラッチプレー
ト31とリテーニングプレート32の外周部は回転方向
に並んで配置された複数のストップピン40により互い
に固定されている。これにより、クラッチプレート31
とリテーニングプレート32との軸方向距離が定めら
れ、さらに両プレート31, 32は一体回転する。クラ
ッチプレート31の外周部には、クラッチディスク33
のクッショニングプレート41が複数のリベット43に
より固定されている。クッショニングプレート41の軸
31の両側に環状の摩擦フェーシング42が固定されて
いる。
【0028】クラッチプレート31及びリテーニングプ
レート32には、回転方向に等間隔で複数の第1収容部
34が形成されている。第1収容部34は軸方向に僅か
に膨らんだ部分であり、回転方向両側に第1支持部35
を有している。さらに、クラッチプレート31及びリテ
ーニングプレート32には、回転方向に等間隔で複数の
第2収容部36が形成されている。第2収容部36は各
第1収容部34のR1側に隣接して配置されている。第
2収容部36は回転方向両側に第2支持部37を有して
いる。各第2収容部36は第1収容部34に比べ半径方
向及び回転方向に長く形成されている。
【0029】ハブフランジ18はクラッチプレート31
及びリテーニングプレート32の間すなわち両部材の軸
方向間に配置されている。ハブフランジ18は入力回転
体2とハブ3との間の中間部材として機能する。ハブフ
ランジ18はプレート31,32に比べて厚肉の円板状
又は環状の部材である。ハブフランジ18には、第1収
容部34に対応して第1窓孔57が形成されている。第
1窓孔57は第1収容部34に対して形成されている。
第1窓孔57の回転方向角度は第1収容部34の第1支
持部35間の回転方向角度より小さくなっている。そし
て第1窓孔57の回転方向中心は第1収容部34の回転
方向中心とほぼ一致している。このため、第1窓孔57
の回転方向両端と第1収容部34の第1支持部35との
間には回転方向両側にそれぞれ捩じり角度θ2だけの隙
間が確保されている。第1窓孔57内にはバネ17が配
置されている。バネ17はコイルスプリングであり、回
転方向両端が第1窓孔57の回転方向両端に当接してい
る。この状態で、バネ17の回転方向両端は第1収容部
34の第1支持部35に対してそれぞれ捩じり角度θ2
だけ離れている。
【0030】ハブフランジ18には、第2収容部36に
対応した位置に第2窓孔56が形成されている。第2窓
孔56は半径方向及び回転方向長さが第2収容部36に
ほぼ一致している。第1バネ16は第2窓孔56内に配
置されている。第1バネ16は2組のコイルスプリング
が組み合わされてなる弾性部材であり、回転方向両端が
第2窓孔56の回転方向両端に当接している。また、第
1バネ16の回転方向両端は第2収容部36の第2支持
部37に当接している。ハブフランジ18の内周部に
は、軸方向両側に延びる筒状部59が形成されている。
筒状部59の内周面には、半径方向内側に延びる複数の
内周歯61が形成されている。
【0031】ハブ3は、プレート31, 32及びハブフ
ランジ18の内周側すなわち各部材の中心孔内に配置さ
れた筒状の部材である。ハブ3は主に筒状のボス62か
ら構成されている。ボス62の中心孔には複数のスプラ
イン63が形成されている。このスプライン63がトラ
ンスミッションから延びるシャフトのスプラインに係合
することで、ハブ3からシャフトにトルク出力が可能と
なっている。ボス62には半径方向外方に延びるフラン
ジ64が形成されている。この実施形態ではフランジ6
4の半径方向幅は僅かである。フランジ64には、さら
に半径方向外方に延びている複数の外周歯65が形成さ
れている。外周歯65はボス62から半径方向外側に延
びるフランジの一部を形成していると考えてもよい。外
周歯65はハブフランジ18の筒状部59に対応する半
径方向長さを有している。外周歯65は内周歯61の回
転方向間に延びており、回転方向両側にそれぞれ所定の
捩じり角度θ1だけ隙間を有している。また、外周歯6
5から見てそのR2側の捩じり角度θ1はR1側の捩じ
り角度θ1に比べてやや大きく設定されている。内周歯
61及び外周歯65はそれぞれ半径方向先端に向かって
回転方向幅が狭くなる形状である。
【0032】次に第2ダンパー機構6について説明す
る。第2ダンパー機構6は、ハブ3とハブフランジ18
との間でトルクを伝達するとともに、捩じり振動を吸収
・減衰するためのものである。第2ダンパー機構6の第
2弾性機構9は主に第2バネ21から構成されている。
第2ダンパー機構6の第1小摩擦機構10はブッシュ1
9と固定プレート20と第2コーンスプリング78とか
ら構成されている。
【0033】固定プレート20は、第2ダンパー機構6
において入力側の部材として機能する。すなわち、固定
プレート20はハブフランジ18からのトルクが入力さ
れる部材である。固定プレート20は、ハブフランジ1
8の内周部とリテーニングプレート32の内周部との間
に配置された板金製の薄肉プレート部材である。固定プ
レート20は、図8〜11に示すように、第1円板状部
71と、第1円板状部71の内周縁から第2軸方向(ト
ランスミッション側)に延びる筒状部72と、筒状部7
2からさらに半径方向内側に延びる第2円板状部73と
から構成されている。
【0034】固定プレート20の第1円板状部71とハ
ブフランジ18との間にはスペーサ80が配置されてい
る。スペーサ80は、ハブフランジ18に固定プレート
20を回転方向に連結するとともに、固定プレート20
から軸方向ハブフランジ18側へ作用する力を受ける役
割を有している。スペーサ80は環状の樹脂製部材で
る。スペーサ80は、環状部81と、環状部81から半
径方向外側に突出する複数の突出部82とを有してい
る。突出部82には、外周縁に2つの切欠き83が形成
されている。また、突出部82付近には、突出部82か
ら第1軸方向側に延び、ハブフランジ18に形成された
孔58に挿入された突起84が形成されている。突起8
4は、孔58に対して半径方向には僅かに移動可能にか
つ回転方向には相対移動不能に係合している。
【0035】固定プレート20の第1円板状部71に
は、回転方向に等間隔で半径方向外方に突出する複数の
突出部74が形成されている。この突出部74は、スペ
ーサ80の突出部82に対応して形成されている。固定
プレート20の突出部74には、スペーサ80の突出部
82に形成された切欠き83に係合する爪75が形成さ
れている。以上に述べた構造において、固定プレート2
0はスペーサ80を介してハブフランジ18に相対回転
不能となるようにすなわちハブフランジ18からトルク
が入力され得るようになっている。また、固定プレート
20はスペーサ80を介してハブフランジ18に第1軸
方向側を支持されるようになっている。なお、固定プレ
ート20はスペーサ80及びハブフランジ18から第2
軸方向側には移動可能となっている。
【0036】前述の爪75と切欠き83との係合によっ
て構成される第2隙間機構46について図6を用いて詳
細に説明する。各爪75の回転方向角度θ75は、切欠
き83の回転方向角度θ83より小さく、その差は隙間
θAC(例えば2〜4度)となっている。隙間θAC
は、固定プレート20とスペーサ80との間の回転方向
隙間であり、第1バネ16と第2バネ21との間に形成
された回転方向隙間である。さらに詳細に隙間θACを
説明すると、隙間θACは、固定プレート20と入力回
転体2との間において、第1バネ16と直列に配置され
るとともに、後述する第2大摩擦機構8と並列に配置さ
れている。隙間θACの機能は、第1バネ16が圧縮状
態となっている高捩じり角度領域において隙間θAC内
で捩じられる捩じり振動に対しては後述の第2大摩擦機
構8を機能させない(すなわち高ヒステリシストルクを
発生させない)ことにある。なお、そのときに固定プレ
ート20とスペーサ80が互いに摺動するが、金属同士
の摺動ではなく、金属と樹脂の摺動であるため、大きな
摩擦は発生しない。
【0037】なお、図6においては、各爪75のR1側
端75aと各切欠き83のR1側端83aとの間には隙
間θAC1が確保され、各爪75のR2側端75bと各
切欠き83のR2側端83bとの間には隙間θAC2が
確保されている。θAC1とθAC2との和がθACと
なっている。さらに、この実施形態では爪75と切欠き
83の組み合わせは2組となっているが、3以上又は1
つであってもよい。
【0038】次に、固定プレート20とリテーニングプ
レート32との間に形成された第2大摩擦機構8につい
て説明する。第2大摩擦機構8は第1摩擦ワッシャー4
8と第1コーンスプリング49とから構成されている。
第1摩擦ワッシャー48は、リテーニングプレート32
に対して相対回転不能かつ軸方向に移動自在に係合し、
固定プレート20に対して摺動することで摩擦を発生す
るための摩擦部材である。第1摩擦ワッシャー48は主
に環状の樹脂部材からなる。第1摩擦ワッシャー48は
樹脂製の環状部85を有している。
【0039】環状部85において固定プレート20側に
は摩擦材86がモールド又は接着されている。摩擦材8
6は、第1摩擦ワッシャー48と固定プレート20との
間の摩擦係数を高めるための部材であり、環状又は円板
状に延びている。環状部85の内周部には、第2軸方向
側に延びる複数の回転方向係合部87が形成されてい
る。回転方向係合部87は、リテーニングプレート32
の中心孔52(内周縁)に形成された複数の切欠き53
内に挿入され係合している。これにより、第1摩擦ワッ
シャー48はリテーニングプレート32に対して相対回
転不能にかつ軸方向に移動自在になっている。さらに、
環状部85には、外周縁から半径方向外側に延びさらに
そこから第2軸方向側に延びる係合部88が形成されて
いる。係合部88は比較的細い形状であり、先端に爪部
が形成されている。係合部88はリテーニングプレート
32に形成された孔54内に挿入され、爪部がリテーニ
ングプレート32に係合している。係合部88は係合状
態で半径方向外方に自らを付勢しており、孔54に圧接
している。このためサブアッシー組み付け後にも第1摩
擦ワッシャー48はリテーニングプレート32から外れ
にくい。このように第1摩擦ワッシャー48においてト
ルクを伝達するための係合部(回転方向係合部87)と
リテーニングプレート32に対して部材を仮止めするた
めの係合部(係合部88)とを別々に設け、係合部88
を細く撓み可能な形状にしている。係合部88は剛性が
低いためサブアッシー組立時に折れにくい。このため、
回転方向係合部87は、サブアッシー組立時に力が作用
せず、従来の樹脂製摩擦ワッシャーにおいて半径方向係
合部にリテーニングプレートへの係合の爪部を持たせた
ものに比べても破損しにくい。また、サブアッシー組立
時に圧入機が不要になり、設備費が低減できる。
【0040】第1コーンスプリング49は、第1摩擦ワ
ッシャー48とリテーニングプレート32の内周部との
間に配置されており、両部材間で軸方向に圧縮された配
置となっている。第1コーンスプリング49は、外周端
がリテーニングプレート32に支持され、内周端が第1
摩擦ワッシャー48の環状部85に当接している。第1
コーンスプリング49の内周側には、複数の切欠き49
aが形成されている。この切欠き49aによって複数の
突起が内周縁に形成されていると見なしてもよい。切欠
き49a内には第1摩擦ワッシャー48の回転方向係合
部87の外周側に形成された突起部分が挿入されてい
る。これにより、第1コーンスプリング49は第1摩擦
ワッシャー48と相対回転不能に係合している。
【0041】固定プレート20の第2円板状部73に
は、回転方向に等間隔で複数の切り起こし部76が形成
されている。切り起こし部76は、第2円板状部73の
内周側から軸方向に切り起こされた形状であり、第2円
板状部73における他の部分に比べて第2軸方向側に配
置されている。この切り起こし部76が形成された部分
には、第2円板状部73において切欠き部分が形成され
ている。切欠き部分の回転方向両端には支持部77が形
成されている。
【0042】ブッシュ19は、第2ダンパー機構6にお
いて出力側の部材として機能し、ハブ3に相対回転不能
に係合している。さらに詳細に説明すると、ブッシュ1
9は、ハブフランジ18の内周歯61及びハブ3の外周
歯65の第2軸方向側で固定プレート20の筒状部72
の内周側、さらにはボス62の第2軸方向側部分の外周
側の空間に配置された環状の樹脂製部材である。ブッシ
ュ19は、図12〜19に示すように環状部89から主
に構成されている。環状部89には、第2軸方向側面に
回転方向に等間隔で複数のバネ収容部90が形成されて
いる。バネ収容部90は固定プレート20の切り起こし
部76すなわち切欠き部分に対応して形成されている。
バネ収容部90はブッシュ19の第2軸方向側面に形成
された凹部である。この凹部は図14及び15に示すよ
うに断面で円の一部を構成するように滑らかに形成され
ている。また、各バネ収容部90の半径方向及び回転方
向中心には軸方向に貫通する孔が形成されている。さら
には、環状部89の内周部には、第2軸方向側に延びる
筒状の内周支持部91が形成されている。この内周支持
部91を含めたブッシュ19の内周面91aはボス62
の外周面に当接又は近接している。さらに、ブッシュ1
9の環状部89に形成された第2軸方向側面89aは固
定プレート20の第2円板状部73の第1軸方向側面に
当接している。ここでは、ブッシュ19の環状部89と
固定プレート20の第2円板状部73との間に第1小摩
擦機構10が形成されている。
【0043】各バネ収容部90内には第2バネ21が配
置されている。第2バネ21は、第1バネ16やバネ1
7に対して小型のコイルスプリングであり、バネ定数が
小さい。第2バネ21は、バネ収容部90内に配置さ
れ、回転方向両端がバネ収容部90の回転方向両端に当
接又は近接している。第2バネ21は、バネ収容部90
内において、ブッシュ19によって軸方向内側(第1軸
方向側)及び内周側を支持されている。
【0044】第2バネ21の回転方向両端には、固定プ
レート20の支持部77が回転方向に当接している。こ
れにより、固定プレート20からのトルクは第2バネ2
1を介してブッシュ19に伝達されるようになってい
る。第2バネ21の回転方向端面は第1軸方向側がバネ
収容部90の回転方向端部によって全面的に支持されて
いる。また、第2バネ21は回転方向端面が支持部77
に半径方向全体にわたって支持されている。このように
第2バネ21は回転方向両端の掛かり代が十分に大きく
なっている。言い換えると、第2バネ21の回転方向両
端において支持される部分の面積が増えている。これは
第2バネを従来のハブとハブフランジの間から軸方向に
ずらした位置に配置することで可能になっている。以上
の結果スプリングシートを廃止することができ、部品点
数が減っている。
【0045】また、切り起こし部76は第2バネ21の
軸方向外側(第2軸方向側)を支持するように配置され
ている。このようにして、第2バネ21は固定プレート
20によって外周側及び軸方向外側を支持されている。
【0046】ブッシュ19には、環状部89から第1軸
方向側に延びる係合部99が形成されている。係合部9
9はブッシュ19のトルクをハブ3に伝達するための構
成である。係合部99は、外周歯65間の隙間に合った
形状をしており、ハブ3の外周歯65の間に挿入され各
外周歯65に対して回転方向に移動不能に係合してい
る。
【0047】第2コーンスプリング92は第1小摩擦機
構10において第2円板状部73と環状部89とを軸方
向に互いに付勢するための付勢部材である。第2コーン
スプリング92は、ハブ3の外周歯65及びハブフラン
ジ18の内周歯61とブッシュ19との軸方向間に配置
されている。第2コーンスプリング92は内周部がハブ
3のフランジ64に支持され、外周部がブッシュ19の
環状部89に当接している。第2コーンスプリング92
は軸方向に圧縮された状態であり、ブッシュ19を第2
軸方向側に付勢している。この結果、ブッシュ19の環
状部89の第2軸方向側面89aと固定プレート20の
第2円板状部73の第1軸方向側面とが所定の力で軸方
向に互いに付勢されている。第2コーンスプリング92
は第1コーンスプリング49に比べて内外径共に小さ
く、厚みも大幅に小さい。このようにして第2コーンス
プリング92は第1コーンスプリング49に対して付勢
力が大幅に小さくなっている。第2コーンスプリング9
2の内周縁には複数の切欠き92aが形成されている。
切欠き92aによって内周縁に複数の突起が形成されて
いると見なしてもよい。前述の係合部99は切欠き92
a内を延びている。
【0048】以上に述べたように、固定プレート20
は、第2ダンパー機構6において第2バネ21に係合す
る入力側の部材及び第1小摩擦機構10を構成する部材
として、さらには第2大摩擦機構8を構成する部材とし
て機能している。以下に、この固定プレート20を用い
た利点について説明する。固定プレート20は、前述の
ように、第2ダンパー機構6において第2バネ21の回
転方向両端を支持する支持部材及び第1小摩擦機構10
を構成する部材として機能している。このように1つの
部材で2つの機能を実現しているために部品点数が少な
くなる。さらには、固定プレート20は第2バネ21の
軸方向外側をも支持している。さらには、固定プレート
20は、捩じり特性の低捩じり角度領域で摺動して摩擦
を発生する第1小摩擦機構10と、捩じり特性の高捩じ
り角度領域で摺動して摩擦を発生する第2大摩擦機構8
の両方の摩擦面を構成している。このように1つの部材
で両摩擦面を形成しているため、両摩擦面の摩擦特性を
調整・管理するのが容易になっている。具体的には、従
来のようにボスのフランジ及びハブフランジの両方の摺
動面を管理する必要がなくなる。特に、固定プレート2
0は従来のハブやハブフランジとは異なり小型で単純な
構成であるため摩擦面の管理が容易である。以上に述べ
た固定プレート20は板金製であり、プレス加工により
所望の形状を容易に実現でき、安価に実現可能である。
【0049】次に、ブッシュ19の利点について説明す
る。ブッシュ19は樹脂製であり所望の形状を容易に実
現できる。特に、樹脂製であるため係合部99を一体成
形でき、製造が容易である。係合部99はハブ3の外周
歯65の回転方向間に係合しているため、ハブ3に係合
のための特別な孔や凹部等を形成する必要がない。この
ため、ハブ3の加工工程が増えることはない。ブッシュ
19は、第2ダンパー機構6の出力側の部材として機能
し、第2バネ21の回転方向両側に係合するとともに第
1小摩擦機構10の一部を構成している。このように単
一の部材でトルク伝達と摩擦発生部を実現しているた
め、全体の部品点数が少なくなる。
【0050】次に、クラッチプレート31の内周側に設
けられたブッシュ93について説明する。ブッシュ93
はクラッチプレート31の内周部に設けられ、ハブ3の
外周面、フランジ64の端面、外周歯65,ハブフラン
ジ18の筒状部59及び内周歯61に当接又は近接する
部材である。ブッシュ93の機能としては、摩擦を発生
して回転方向の振動を減衰する、クラッチプレート31
をハブ3に対して半径方向に位置決めする、ハブフラン
ジ18をハブ3に対して半径方向に位置決めするなどが
ある。ブッシュ93は、図20〜22に示すように、主
に、樹脂製の環状部94から主に構成されている。環状
部94は半径方向に所定の幅を有し軸方向の厚みが薄い
円板状の部材である。環状部94はクラッチプレート3
1の内周部とハブフランジ18の内周部との軸方向間に
配置されている。環状部94の第2軸方向側には環状の
摩擦部材95がモールド若しくは接着又は単に配置され
ている。摩擦部材95は環状であり、半径方向に所定の
幅を有し軸方向の厚みが薄い円板状の部材である。摩擦
部材95は高摩擦係数の例えばゴム系、ガラス系の混紡
もしくは含浸成形品や、セラミック等からなる。摩擦部
材95はブッシュ93に高摩擦係数の特性をもたらすも
のであり、また材料を選択することで摩擦の大きさを調
整できる。
【0051】図20の平面図で示すように、環状部94
及び摩擦部材95は内外径が円形となっている。摩擦部
材95は、環状部94の第2軸方向側面に当接するよう
に配置されていると見なしても良いし、環状部94の第
2軸方向側面に形成された溝内に配置されていると見な
しても良い。すなわち、環状部94の内周縁には第2軸
方向側に延びる筒状部96が形成され、外周縁には第2
軸方向側に延びる筒状部97が形成されている。筒状部
96,97に囲まれた環状の空間が環状部94の溝を構
成している。この溝は内外径が円であり、この溝内に摩
擦部材95は配置されている。
【0052】筒状部96の第2軸方向端面96cはハブ
3のフランジ64の第1軸方向側面に当接している。第
2軸方向端面96cは低捩じり角度領域の捩じり範囲で
ハブ3に摺動するようになっている。摩擦部材95は、
ハブフランジ18の筒状部59及び内周歯61の第1軸
方向側端面に当接している。この部分が高捩じり角度領
域で摺動するようになっている。摩擦部材95とハブ3
の外周歯65の第1軸方向側面との間にはわずかな隙間
が確保されている。ハブフランジ18の筒状部59及び
内周歯61の第1軸方向側端面は摩擦部材95にのみ軸
方向に当接している。
【0053】摩擦部材95には回転方向に並んだ複数の
孔95aが形成されており、この孔95a内に環状部9
4から突起94aが挿入されている。これにより、環状
部94と摩擦部材95の回り止めが実現されている。摩
擦部材95は円形であるため、このような回り止めが特
に重要な役割を果たす。従来であれば、摩擦部材が円形
の場合にはSPCCからなる裏板に接着しても剥離等の
強度に関する問題が生じる可能性があり、そのため摩擦
部材を四角形状化することで回り止めを図っていた。こ
の実施形態による摩擦部材95では、摩擦部材95を円
形という簡単な構造に保ったまま、剥離等の問題も解消
している。特に、摩擦部材95の孔95aの形成、及び
樹脂製環状部94の突起94aの形成はともに容易であ
り、コスト低減が実現されている。
【0054】なお、この実施形態では摩擦部材95は環
状部94に対して固定されておらず、軸方向に離脱可能
である。このため接着等の作業が不要である。ただし、
本願発明の構成においても摩擦部材95と環状部94と
を接着等していてもよい。
【0055】さらには、環状部94には回転方向に並ん
だ複数の孔94bが形成されている。孔94bは軸方向
に延び環状部94の第1軸方向側と第2軸方向側とを連
絡しており、摩擦部材95の第1軸方向側面の一部を露
出させている。また、クラッチプレート31の内周部に
は、孔94bに対応して孔13が形成されている。孔1
3は孔94bより大径で孔94bの周囲にさらに広がっ
ている。このように同一位置に形成された孔94b及び
孔13によって摩擦部材95の一部がクラッチディスク
組立体1の外部に露出している。このため、摩擦部材9
5は充分に冷却され、すなわち摩擦部材95はクラッチ
プレート31側への大気にも放熱し、摩擦部材95の摩
擦熱による摩擦特性の変化等が抑えられる。さらに、摩
擦部材95の耐久強度が向上し、またハブ3及びハブフ
ランジ18の硬度低下が防止される。さらに突起94a
には軸方向に延び貫通する孔94cが形成されている。
孔94cは環状部94の第1軸方向側と第2軸方向側と
を貫通させている。孔94b,94cはブッシュ93全
体の体積を低減しており、これにより樹脂の使用量が減
り、コストが低減されている。
【0056】環状部94の内周縁には、第1軸方向側に
延びる筒状部98が形成されている。筒状部96,98
は内周面がボス62の外周面に当接している。これによ
り、クラッチプレート31及びリテーニングプレート3
2のハブ3に対する半径方向の位置決め(芯出し)が行
われている。
【0057】筒状部97には複数の切欠き97aが形成
されている。筒状部97の半径方向内側面は、ハブフラ
ンジ18の筒状部59の第1軸方向側外周面に当接して
いる。すなわち、ハブフランジ18はこのブッシュ93
の筒状部97によってハブ3及びクラッチプレート31
及びリテーニングプレート32に半径方向の位置決めを
されている。
【0058】環状部94の外周縁には第1軸方向に延び
る複数の係合部14が形成されている。係合部14は回
転方向に等間隔で形成されている。係合部14は爪形状
を有しており、クラッチプレート31に形成された複数
の孔15にそれぞれ係合している。
【0059】図23を用いて、係合部14と孔15から
なる第1隙間機構45について詳細に説明する。なお、
係合部14と孔15の関係は、前述の爪75と切欠き8
3との関係と同様である。各係合部14の回転方向角度
θ14は、孔15の回転方向角度θ15より小さく、そ
の差は第1隙間機構45となっており、その角度の大き
さはθAC(例えば2〜4度)である。第1隙間機構4
5は、クラッチプレート31とブッシュ93との間の回
転方向隙間であり、第1バネ16と第2バネ21との間
に形成された回転方向隙間である。さらに詳細に第1隙
間機構45を説明すると、第1隙間機構45は、ハブフ
ランジ18と入力回転体2との間で第1大摩擦機構39
と直列に配置されるとともに、第1バネ16と並列に配
置されている。第1隙間機構45の機能は、第1バネ1
6が圧縮状態となっている捩じり特性高捩じり角度領域
において隙間θAC内で捩じられる捩じり振動に対して
は第1大摩擦機構39を機能させない(すなわち高ヒス
テリシストルクを発生させない)ことにある。
【0060】なお、図23においては、係合部14のR
1側端14aと孔15のR1側端15aとの間には隙間
θAC1が確保され、係合部14のR2側端14bと孔
15のR1側端15bとの間には隙間θAC2が確保さ
れている。θAC1とθAC2との和がθACとなって
いる。
【0061】ブッシュ93(摩擦ワッシャー)は、ハブ
3のボス62の外周面62aに相対回転自在に支持され
た内周面96aと、ハブ3に対して回転方向に摩擦摺動
可能に当接する筒状部96の端面96c(第1摩擦面)
と、ハブフランジ18に対して回転方向に摩擦摺動可能
に当接し第1摩擦面より摩擦係数が高い摩擦部材95
(第2摩擦面)とを有する。ブッシュ93は、1対の入
力プレートであるクラッチプレート及びリテーニングプ
レート31,32をハブ3に対して半径方向に位置決め
する機能と、低捩じり角度領域において小摩擦を発生す
る機能と、高捩じり角度領域において大摩擦を発生する
機能と、高捩じり角度領域において所定角度θAC範囲
内の捩じり振動に対して大摩擦を発生させないための第
1隙間機構45を形成する機能とを兼ね備えている。こ
のように、1つの部材を多機能にすることによって全体
の部品点数が少なくなる。また、クラッチディスク組立
体1の組み付け性が向上する。
【0062】図6の機械回路図を用いてダンパー機構4
における各摩擦機構について再度説明する。第1小摩擦
機構10は、第2円板状部73と環状部89とにより構
成され、ブッシュ19と固定プレート20が相対回転し
て第2バネ21が圧縮されるときに摩擦を発生する。第
2小摩擦機構38は、フランジ64と筒状部96とによ
り構成され、ハブ3とブッシュ93とが相対回転する際
に摩擦を発生する。第1大摩擦機構39は、筒状部59
と摩擦部材95とにより構成され、ハブフランジ18と
入力回転体2が相対回転する際に摩擦を発生する。第2
大摩擦機構8は、第1円板状部71と第1摩擦ワッシャ
ー48とにより構成され、固定プレート20と入力回転
体2が相対回転する際に摩擦を発生する。第1及び第2
大摩擦機構で発生可能な摩擦(ヒステリシストルク)
は、第1及び第2小摩擦機構で発生可能な摩擦(ヒステ
リシストルク)より大幅に大きい。
【0063】第1小摩擦機構10が摩擦を発生するの
は、ハブ3と固定プレート20及びハブフランジ18が
相対回転するときのみであり、第2ストッパー12が当
接するとそれ以上捩じり角度が大きくなっても摩擦を発
生しない。第2小摩擦機構38は入力回転体2とハブ3
が相対回転するときは常に摩擦を発生する。第1大摩擦
機構39はハブフランジ18と入力回転体2とが相対回
転するときに摩擦を発生する。第2大摩擦機構8は固定
プレート20と入力回転体2とが相対回転するときに摩
擦を発生する。高捩じり角度領域で隙間θACの範囲内
の捩じりとなる捩じり振動が入力されたときには、第1
大摩擦機構39は第1隙間機構45により滑らず、第2
大摩擦機構8は第2隙間機構46により滑らない。これ
は捩じり特性の高捩じり角度領域で機能する大摩擦機構
に対してそれぞれ隙間機構が設けられていることを意味
する。また、クラッチプレート31とリテーニングプレ
ート32の両方の大摩擦機構にそれぞれ隙間機構が設け
られていることを意味する。
【0064】入力回転体2のクラッチディスク33が図
示しないフライホイールに押し付けられると、クラッチ
ディスク組立体1にトルクが入力される。トルクは、ク
ラッチプレート31及びリテーニングプレート32から
第1バネ16,ハブフランジ18,スペーサ80,固定
プレート20,第2バネ21,ブッシュ19の順番で伝
達され、最後にハブ3から図示しないシャフトに出力さ
れる。
【0065】エンジンからのトルク変動がクラッチディ
スク組立体1に入力されると、入力回転体2とハブ3と
の間で捩じり振動すなわち相対回転が生じ、第1バネ1
6,バネ17及び第2バネ21が回転方向に圧縮され
る。
【0066】次に、図7の機械回路図及び図24、25
の捩じり特性線図を用いてクラッチディスク組立体1の
ダンパー機構としての動作を説明する。図24及び図2
5の捩じり特性線図は、入力回転体2に対してハブ3を
回転方向正側又は負側の一方に最大まで捩じった状態か
ら反対側に最大まで捩じり、さらに元の位置まで戻す過
程での捩じりトルクと捩じり角度の関係を示したもので
ある。図25において、このクラッチディスク組立体1
では、正負ともにθAまでの1段目が低捩じり角度領域
に該当し、θAを越えた2,3段目が高捩じり角度領域
に該当する。
【0067】ハブ3を入力回転体2に対してR2側に捩
っていくと(入力回転体2はハブ3にR1側すなわち回
転方向正側に捩じれる)、捩じり角度θAまででは主に
第2ダンパー機構6が作動する。すなわち、第2バネ2
1が回転方向に圧縮され、第1小摩擦機構10及び第2
小摩擦機構38で摺動が生じる。ここでは、第2大摩擦
機構8及び第1大摩擦機構39で摺動が生じないため
に、高ヒステリシストルクの特性となることはない。こ
の結果、低剛性・低ヒステリシストルクの特性が得られ
る。
【0068】捩じり角度が捩じり角度θAを超えると、
第2ストッパー12が当接し、ハブ3とハブフランジ1
8との相対回転が停止する。すなわち、捩じり角度θA
以上では第2ダンパー機構6が作動しない。このように
捩じり角度θA以上では第2バネ21が圧縮されないた
め、第2バネ21の破損が生じにくい。また第2バネ2
1の強度を心配しなくて良くなるので設計が容易にな
る。捩じり特性の高捩じり角度領域では第1ダンパー機
構5が作動する。すなわち、第1バネ16がハブフラン
ジ18と入力回転体2との間で回転方向に圧縮され、第
2大摩擦機構8及び第1大摩擦機構39で摺動が生じ
る。この結果、高剛性・高ヒステリシストルクの特性が
得られる。
【0069】なお、図25の矢印A部分に示すように、
捩じり角度がθAを越えてからさらにθAC分だけ捩じ
れる範囲内では、第1大摩擦機構39と第2大摩擦機構
8で滑りが生じない。これはそれぞれ第1隙間機構45
と第2隙間機構46とによるものである。この捩じり特
性線図ではハブ3は入力回転体2に対して一旦中立位置
よりR1側に捩じられているため、θ1においては、図
6とは異なり、突起75は切欠き83に対して最もR1
側に位置しており、係合部14は孔15に対して最もR
1側に位置しているからである。
【0070】捩じり角度がθB(θ1+θ2)を超える
と、バネ17の回転方向端部が第2収容部36の第2支
持部37に当接する。すわなち、第2ダンパー機構6に
おいて第1バネ16とバネ17とが並列に圧縮される。
この結果、3段目では2段目より高い剛性が得られる。
捩じり角度がθC(θ1+θ2+θ3)となると第1ス
トッパー11が当接し、入力回転体2とハブ3との相対
回転が停止する。
【0071】次に、例えば通常走行時においてエンジン
の燃焼変動に起因する微小捩じり振動がクラッチディス
ク組立体1に生じたとする。このとき、高捩じり角度領
域においてハブ3と入力回転体2とは隙間θAC範囲内
(図25の矢印B部分)では第1大摩擦機構39と第2
大摩擦機構8と作用させず相対回転可能である。すなわ
ち、捩じり特性線図の高捩じり角度領域では隙間θAC
範囲内では、第1バネ16が作動し、第2小摩擦機構3
8でのみ滑りが生じる。この結果、走行時ラトル、こも
り音の原因となる微小捩じり振動を効果的に吸収でき
る。
【0072】具体的に説明すると、図7において(第2
ストッパー12は当接状態であるとする)、第1バネ1
6は圧縮された状態で伸縮を繰り返す。ハブフランジ1
8は第1バネ16により駆動されるが、θAC範囲内で
は、固定プレート20を駆動しない。したがって第2大
摩擦機構8で滑りが生じない。またθAC範囲内では、
ブッシュ93は入力回転体2と相対回転可能であるた
め、第1大摩擦機構39で滑りが生じない。
【0073】捩じり特性の負側においても各捩じり角度
θ1〜θ3の大きさは異なるものの同様の特性が得られ
る。
【0074】第2実施形態 図26及び図27に示す第2実施形態としてのクラッチ
ディスク組立体1は、基本的な構造は前記第1実施形態
とほぼ同じである。異なるのは、高捩じり角度領域にお
いて微小捩じり振動に対して第2大摩擦機構8を機能さ
せないための第2隙間機構46の位置である。図27に
示すように、第2隙間機構46はスペーサ80とハブフ
ランジ18とのトルク伝達経路間に形成されている。図
28においてより具体的に説明すると、スペーサ80の
突起84の回転方向角度θ84は、ハブフランジ18の
孔58の回転方向角度θ58より小さく、その差は第2
隙間機構46を構成し、その大きさは隙間θAC(例え
ば2〜4度)となっている。なお、図26においては、
各突起84のR1側端84aと孔58のR1側端58a
との間には隙間θAC1が確保され、各突起84のR2
側端84bと孔58のR2側端58bとの間には隙間θ
AC2が確保されている。θAC1とθAC2との和が
θACとなっている。
【0075】この実施形態において得られる効果は前記
実施形態と同様である。
【0076】第2隙間機構46の捩じり角度θAC範囲
内で捩じられる場合は、スペーサ80とハブフランジ1
8が摺動を繰り返すが、樹脂と金属であるため発生する
摩擦は小さい。
【0077】第3実施形態 図28及び図29に示す第3実施形態としてのクラッチ
ディスク組立体1は、基本的な構造は前記第1実施形態
とほぼ同じである。異なるのは、高捩じり角度領域にお
いて微小捩じり振動に対して第2大摩擦機構8を機能さ
せないための第2隙間機構46の位置である。図に示す
ように、第2隙間機構46は、固定プレート20とスペ
ーサ80とのトルク伝達経路間の隙間機構46Aと、ス
ペーサ80とハブフランジ18とのトルク伝達経路間の
隙間機構46Bとからなる。言い換えると、スペーサ8
0の回転方向両側と他の部材とのトルク伝達経路間に隙
間機構を設け、ダンパー機構4全体において2つの隙間
機構を直列に配置したことになる。
【0078】このように2つの隙間機構を直列に配置し
たため、ヒステリシストルクの値を第1及び第2実施形
態に比べてより細かくコントロールでき、ヒステリシス
トルクの立ち上げを滑らかにできる。
【0079】各爪75の回転方向角度θ75は、切欠き
83の回転方向角度θ83より小さく、その差は隙間θ
ac(隙間機構46A)となっている。隙間θacは、
固定プレート20とスペーサ80との間の回転方向隙間
である。なお、図28においては、各爪75のR1側端
75aと切欠き83のR1側端83aとの間には隙間θ
AC1が確保され、各爪75のR2側端75bと切欠き
83のR2側端83bとの間には隙間θAC2が確保さ
れている。θAC1とθAC2との和がθacとなって
いる。
【0080】スペーサ80の突起84の回転方向角度θ
84は、ハブフランジ18の孔58の回転方向角度θ5
8より小さく、その差は隙間θac(隙間機構46B)
となっている。なお、図26においては、各突起84の
R1側端84aと孔58のR1側端58aとの間には隙
間θAC1が確保され、各突起84のR2側端84bと
孔58のR2側端58bとの間には隙間θAC2が確保
されている。θAC1とθAC2との和がθacとなっ
ている。
【0081】第2隙間機構46の捩じり角度θAC範囲
内で捩じられる場合は、スペーサ80は、固定プレート
20及びハブフランジ18と繰り返し摺動するが、樹脂
と金属であるため発生する摩擦は小さい。 〔スペーサ80による隙間機構の構成〕第1、第2及び
第3実施形態においてハブフランジ18、スペーサ80
及び固定プレート20からなる中間機構において第2隙
間機構46を設けたことの利点を説明する。ここでは、
第2隙間機構は、従来と異なり、第1摩擦ワッシャー4
8とリテーニングプレート32との間に設ける必要がな
い。したがって、回転方向係合部87がリテーニングプ
レート32の切り欠きに対して回転方向に隙間なく当接
している。この結果、微小捩じり振動発生時に第1コー
ンスプリング49とリテーニングプレート32との間で
相対回転が生じず、従来におけるリテーニングプレート
32の摩耗が生じない。
【0082】スペーサ80はハブフランジ18に軸方向
から当接している。固定プレート20はスペーサ80と
第1摩擦ワッシャー48との軸方向間に配置されてい
る。スペーサ80と固定プレート20はは半径方向に所
定の幅を有する環状の部材である。つまりハブフランジ
80、スペーサ80及び固定プレート20は互いに対し
て半径方向に所定の幅を有する環状部分同士が軸方向に
当接しており、接触面積が比較的大きい。したがってス
ペーサ80と軸方向両側の部材の面圧は比較的小さく、
微小捩じり振動が発生したときにスペーサ80がいずれ
かの部材と摺動したときに各部材の摩耗が少ない。
【0083】第1、第2及び第3実施形態においてスペ
ーサ80により第2隙間機構46を構成したことの利点
を説明する。スペーサ80は、トルク伝達経路において
は固定プレート20とハブフランジ18との間に配置さ
れさた中間部材である。また、スペーサ80は、軸方向
位置においては、固定プレート20とハブフランジ18
との間で挟まれている。このスペーサ80によって第2
隙間機構46を設けたのが前記第1、第2及び第3実施
形態である。第1実施形態では第2隙間機構46はスペ
ーサ80と固定プレート20とのトルク伝達経路間に形
成されている。第2実施形態では第2隙間機構46はス
ペーサ80とハブフランジ18とのトルク伝達経路間に
形成されている。第3実施形態では第2隙間機構46は
スペーサ80と固定プレート20とのトルク伝達経路
間、さらにはスペーサ80とハブフランジ18とのトル
ク伝達経路間に形成されている。第2隙間機構46の位
置を変更することで、θAC範囲内で捩じり振動が作用
する際に摩擦が発生する箇所が異なり、それにより生じ
る摩擦の大きさも異なるようになる。上記実施形態で
は、例えば、ハブフランジ18は固定プレート20より
面粗度が大きいため、第2実施形態の方が第1実施形態
より微小捩じり振動に対して大きな摩擦が発生する。変
形例としては、固定プレート20の摩擦係数をハブフラ
ンジ18の摩擦係数より大きくしてもよい。また、スペ
ーサ80の軸方向両側面にコーティング等を施すことで
スペーサ80の軸方向両面の摩擦係数を異ならせても良
い。
【0084】第2隙間機構46の位置は、スペーサ80
の形状により比較的容易に変更できる。これはスペーサ
80が樹脂製であり製造・加工が容易だからである。こ
の結果、クラッチディスク組立体1が搭載される車両に
おける微小振動に対して適切なレベルのヒステリシスト
ルクを発生させて音・振動を効果的に吸収・減衰でき
る。
【0085】なお、第2隙間機構46を構成する爪や突
起及び孔や切り欠きは、形状・個数・形成された部材等
については、前記各実施形態に限定されない。
【0086】第4実施形態 図30に示すように、前記実施形態のスペーサを廃止し
て、固定プレート20をハブフランジ18に直接係合さ
せてもよい。固定プレート20の第1円板状部71はハ
ブフランジ18の筒状部59に直接支持されている。ま
た、第1円板状部71の外周縁からは、ハブフランジ1
8の孔58内に係合爪28が延びている。この構成で
は、スペーサを省略でき部品点数が少なくなっている。
【0087】この実施形態では、図31に示すように、
第2隙間機構46は固定プレート20とハブフランジ1
8との間に設けられている。第2隙間機構46による効
果は第1〜3実施形態と同様である。
【0088】この実施形態では第2隙間機構46におけ
るストッパーとして機能するハブフランジ18の孔58
と固定プレート20の爪28とがともに金属製であるた
め、高温下であっても両者共に変形が少なく、第2隙間
機構46の大きさθACが安定している。
【0089】第5実施形態 図32〜図46に示すクラッチディスク組立体201
は、基本的な構造は第1実施形態と同様である。したが
ってここでは第1実施形態と異なる点のみを詳細に説明
する。 〔概略説明〕この第5実施形態のクラッチディスク組立
体201は4段特性を有しており、その点で3段特性を
有する第1実施形態のクラッチディスク組立体1と異な
る。具体的には、図45の機械回路図において、固定プ
レート20とハブフランジ18とのトルク伝達経路間
に、第1実施形態のスペーサ80の代わりにサブプレー
ト207,208とバネ206とが配置されている。サ
ブプレート207,208は固定プレート20からトル
クが入力されるようになっている。バネ206はサブプ
レート207,208とハブフランジ18とを回転方向
に弾性的に連結している。サブプレート207,208
は、ハブ3に対して回転方向両側にそれぞれθ1だけ相
対回転可能である。なお、ハブフランジ18はハブ3に
対して回転方向両側にそれぞれθ1+θ2だけ相対回転
可能であるが、ここでのθ1+θ2は第1実施形態のθ
1に対応している。すなわち、第1実施形態のθAまで
の角度(低捩じり角度領域)内にバネ206が機能する
2段目の特性を設けていることになる。
【0090】なお、機械回路図は、各部材の回転方向の
関係を説明するための模式図であり、回転方向に一体に
動作する部材同士は一つの部材として考えられる。具体
的には、ハブ3とブッシュ19は回転方向には一体の部
材である第1回転体250を構成している。固定プレー
ト20とサブプレート207,208は第2バネ21と
バネ206の間で機能する第1中間体251として機能
している。第1中間体251は、第1回転体250との
間に第1小摩擦機構10を形成し、入力回転体2との間
に第2大摩擦機構8を形成し、ハブフランジ18との間
に摩擦機構241を形成している。さらに、第1中間体
251はハブ3との間に隙間角度θ1のストッパー機構
を形成している。入力回転体2は第1摩擦ワッシャー4
8,ブッシュ93と一体回転するようになっており、第
2回転体252を構成している。 〔バネ206の説明〕図45において、バネ206は、
4段特性を実現するダンパー機構において高捩じり角度
領域で圧縮されるバネ又は弾性部材としての役割を有し
ている。バネ206は1段目範囲で圧縮される第2バネ
21と直列に作用するように配置され、3段目範囲で圧
縮される第1バネ16と直列に作用するように配置され
ている。バネ206は、固定プレート20及び第1及び
第2サブプレート207,208を介して第2バネ21
に回転方向に連結され、ハブフランジ18を介して第1
バネ16に回転方向に連結されている。バネ206は第
2バネ21に対して剛性が大幅に高く、1段目範囲では
バネ206はほとんど圧縮されない。
【0091】バネ206は第1バネ16に対して剛性は
低いが、その程度は大きくない。したがってバネ206
は圧縮の程度が進むと、バネ206は第1バネ16のイ
ニシャルトルクとヒステリシストルク(バネ206が第
1バネ16に荷重を作用させたときに摩擦係合した部分
で発生する抵抗力に基づくトルク)の合計を越えるトル
クを発生できる。
【0092】なお、摩擦機構241は、バネ206と並
列に作用するように配置されており、より厳密にはバネ
206が作動するときのみ摩擦を発生するようになって
いる。また、摩擦機構241は、第1バネ16と並列に
作用する第1大摩擦機構39と直列に作用するように配
置されている。 〔第1及び第2サブプレート207,208の説明〕サ
ブプレートは、ハブフランジ18のエンジン側に配置さ
れた第1サブプレート207と、ハブフランジ18のト
ランスミッション側に配置された第2サブプレート20
8とから構成されている。サブプレート207,208
は互いに一体回転するように係合している。第1及び第
2サブプレート207,208は、図45から明らかな
ように、固定プレート20とともに第2バネ21とバネ
206とを回転方向に連結するための中間部材として機
能している。また、第2サブプレート208は内周歯2
12によってハブ3の外周歯65とともに前述のストッ
パー機構を構成している。このストッパー機構によって
捩じり角度θAを越えると第2バネ21の圧縮が行われ
ないようになっている。 〔詳細説明〕図38に示すように、ハブフランジ18に
複数の第3窓孔230が形成されている。第3窓孔23
0は回転方向に等間隔で4個形成されている。第3窓孔
230は、半径方向及び回転方向長さが第2窓孔56や
第1窓孔57に比べて小さく形成されている。また、各
第3窓孔230はハブフランジ18の最も内周側に形成
されている。第3窓孔230内にはバネ206が配置さ
れている。バネ206はコイルスプリングであり、回転
方向に延びている。バネ206の両端は第3窓孔230
の回転方向両端に当接又は近接している。
【0093】第1サブプレート207は、ハブフランジ
18とクラッチプレート31との間に配置されている。
第1サブプレート207は、図40に示すように、円板
状又は環状の部材である。より具体的には第1サブプレ
ート207は板金製の部材である。第1サブプレート2
07は主に環状部221から構成されている。環状部2
21のエンジン側に突出する筒状部222が形成されて
いる。筒状部222の内周面はハブフランジ18の筒状
部59外周面に相対回転可能に当接している。すなわち
第1サブプレート207は筒状部222によりハブフラ
ンジ18に対して半径方向の位置決めをされている。さ
らに、筒状部222の外周面には、ブッシュ93の筒状
部97が当接している。
【0094】第1サブプレート207において、環状部
221から回転方向に等間隔で複数の突出部223が形
成されている。突出部223は環状部221から連続し
て半径方向外方に延びている。各突出部223はハブフ
ランジ18の第3窓孔230に対応して形成されてい
る。突出部223において、環状部221から突出部2
23にかけて切り起こし部226が形成されている。切
り起こし部226は環状部221及び突出部223から
軸方向に切り起こされて形成された孔であり、切り起こ
し部226はバネ206の回転方向両端、半径方向両側
及び軸方向片側(エンジン側)を支持している。さら
に、切り起こし部226の一部はクラッチプレート31
に対してトランスミッション側から当接している。
【0095】環状部221の外周縁において各突出部2
23の回転方向間には、突起227が形成されている。
突起227は環状部221の外周縁から折り曲げられ軸
方向(トランスミッション側)に延びる部分である。突
起227には、図41に示すように、軸方向に突出する
2つの爪228が回転方向両側に形成されている。ある
いは爪228によって突起227の先端に切欠き229
が形成されていると考えても良い。
【0096】突起227は、第1サブプレート207の
本体である環状部221と一体に形成された板状部分で
ある。突起227の板厚は環状部221の板厚と等し
い。突起227は板の両平面が半径方向を向いている。
【0097】次に第2サブプレート208について説明
する。第2サブプレート208はハブフランジ18とリ
テーニングプレート32との間に配置された円板状又は
環状の部材である。より詳細には、第2サブプレート2
08はハブフランジ18と固定プレート20との軸方向
間に配置されている。第2サブプレート208は、第1
サブプレート207と同様に板金製の円板状部材であ
る。第2サブプレート208の外径は第1サブプレート
207の外径とほぼ同じであるが、内径は第1サブプレ
ート207に比べて小さい。すなわち第2サブプレート
208の内周部は第1サブプレート207に比べてさら
に内周側に延びている。
【0098】第2サブプレート208は図39に示すよ
うに主に環状部211から構成されている。環状部21
1の内周縁には、半径方向内側に突出する複数の内周歯
212が形成されている。内周歯212はハブフランジ
18の内周歯61と軸方向に並んで配置されている。内
周歯212は内周歯61に比べて回転方向長さが長くな
っている。図42に示すように、内周歯212の回転方
向両端は内周歯61の回転方向両端よりさらに半径方向
外側に配置されている。内周歯212は、内周歯61と
同様に外周歯65の回転方向間に配置されている。外周
歯65から見て回転方向両側の内周歯212との間には
それぞれθ1だけの隙間が確保されている。さらに、外
周歯65から見て回転方向両側の内周歯61の端面との
間にはそれぞれθ1+θ2だけの隙間が確保されてい
る。
【0099】環状部211には半径方向外方に突出する
複数の突出部213が連続して形成されている。突出部
213は回転方向に等間隔で形成されている。突出部2
13はハブフランジ18の第3窓孔230に対応して形
成されている。突出部213に対応する部分には、窓部
216が形成されている。窓部216は軸方向に貫通す
る孔を有しており、バネ206の回転方向両側、半径方
向両側及び軸方向片側(トランスミッション側)を支持
している。突出部213の半径方向外側縁には、第1係
合部214が形成されている。第1係合部214は2つ
の切欠き部分である。第1係合部214には固定プレー
ト20の爪75が係合している。これにより、第2サブ
プレート208は固定プレート20と一体回転するよう
になっている。爪75は第1係合部214に対して半径
方向には所定距離までは移動可能となっている。また、
爪75は第1係合部214に対して軸方向に移動可能で
ある。
【0100】爪75と係合部214の係合は、高捩じり
角度領域において微小捩じり振動に対して第2大摩擦機
構8を機能させないための第2隙間機構46を構成して
いる。図33に示すように、第2隙間機構46は固定プ
レート20と第2サブプレート208との間に形成され
ている。図44においてより具体的に説明すると、固定
プレート20の爪75の回転方向角度θ75は、第2サ
ブプレート208の第1係合部214の回転方向角度θ
214より小さく、その差が第2隙間機構46となり、
その角度はθAC(例えば2〜4度)となっている。な
お、図44においては、各爪75のR1側端75aと第
1係合部214のR1側端214aとの間には隙間θA
C1が確保され、各爪75のR2側端75bと第1係合
部214のR2側端214bとの間には隙間θAC2が
確保されている。θAC1とθAC2との和がθACと
なっている。
【0101】この実施形態では第2隙間機構46におけ
るストッパーとして機能する第2サブプレート208と
固定プレート20が金属製であるため、高温下であって
も両者共に変形が少なく、隙間の角度θACが安定して
いる。
【0102】環状部211の外周縁において各突出部2
13の回転方向間には第2係合部217が形成されてい
る。第2係合部217は2個の切欠きであり、第1サブ
プレート207の爪228が係合している。この結果、
第1サブプレート207,208は一体回転するように
なっている。爪228は第2係合部217に対して半径
方向に所定の距離までは移動可能になっている。
【0103】第2サブプレート208の環状部211の
トランスミッション側面は固定プレート20に当接して
いる。固定プレート20はコーンスプリングによりエン
ジン側に押圧されており、第2サブプレート208は固
定プレート20によりエンジン側に付勢されている。第
2サブプレート208は、環状部211とハブフランジ
18の内周部との間に配置されたワッシャー240によ
りハブフランジ18に軸方向を支持されている。ワッシ
ャー240は樹脂製の部材である。
【0104】突起227は第2窓孔56の内周縁に形成
された切欠き56a内を延びている。このように第1サ
ブプレート207と第2サブプレート208とを一体回
転させるための部分が既存の窓孔内を延びているため、
特別な孔やスリットを形成する必要がない。なお、突起
227とその回転方向両側の切欠き56aとの間にはそ
れぞれθ2より大きな隙間が確保されている。
【0105】この実施形態では、第1サブプレート20
7と第2サブプレート208とが板状の突起227によ
り係合しているため、従来のサブピンを用いた係合より
スペースを大幅に省略できる。特に、突起227は板状
であり半径方向には板の厚さのみの幅を有している。こ
のため、半径方向のスペースを大幅に確保できる。また
突起227は第2窓孔56内において半径方向に小さい
ため、第1バネ16の径が小さくなることはない。ま
た、突起227は第2窓孔56の最内周に配置されてお
り、第1バネ16に干渉しにくい。
【0106】さらに、突起227は第1サブプレート2
07と一体の部材であるため、従来のサブピン構造に比
べて部品点数を減らせる。 〔ブッシュ93の構造〕ブッシュ93の機能について説
明する。
【0107】摩擦ブッシュ93は、図20〜22に示す
ように、主に、樹脂製の環状部94から主に構成されて
いる。環状部94は半径方向に所定の幅を有し軸方向の
厚みが薄い円板状の部材である。環状部94の内周縁に
は軸方向エンジン側(第1軸方向側)に突出する筒状部
98が形成されている。筒状部98の内周面はハブ3の
ボス62の外周面に当接又は近接している。環状部94
の外周縁には軸方向トランスミッション側(第2軸方向
側)に突出する筒状部97が形成されている。筒状部9
7の内周面は第1サブプレート207の筒状部222の
外周面に当接又は近接している。
【0108】ブッシュ93は、 (1)筒状部98によって、自らと、クラッチプレート
31,リテーニングプレート32とをハブ3のボス62
に対して相対回転可能に半径方向に支持する。 (2)筒状部97によって、ハブフランジ18をハブ3
のボス62に対して相対回転可能となるように半径方向
に支持する。筒状部97は、第1実施形態では筒状部5
9を直接支持し、第2実施形態では第1サブプレート2
07の筒状部222を介して筒状部59を支持してい
る。
【0109】以上に述べたようにブッシュ93は、ハブ
3のボス62の外周側に配置された3枚のプレート(プ
レート31,32とハブフランジ18)をボス62に対
して芯出ししている。 〔動作説明〕次に、図46の捩じり特性線図を用いてク
ラッチディスク組立体201の動作について説明する。
ここでは、入力回転体2を他の部材に固定しておきそれ
に対してハブ3をR2方向に捩っていく動作に基づいて
説明する。捩じり角度の小さな領域では、最も剛性の低
い第2バネ21が圧縮され第1小摩擦機構10で滑りが
生じる。この結果、θAまでは低剛性・低ヒステリシス
トルクの特性が得られる。捩じり角度がθAを超える
と、第2バネ21の圧縮がそれ以上進まず、バネ206
が回転方向に圧縮される。このとき第2大摩擦機構8で
滑りが生じ1段目よりは大きいヒステリシストルクが発
生する。この2段目においてバネ206で発生するトル
クが第1バネ16のイニシャルトルクとヒステリシスト
ルクの合計(バネ206が第1バネ16に荷重を作用さ
せたときに摩擦係合部分において発生する抵抗力に基づ
くトルク)を超えると、第1バネ16の圧縮が開始さ
れ、第1バネ16と並列に配置された第1大摩擦機構3
9で滑りが生じる。このように2段目途中からヒステリ
シストルクが高くなる。θBになり、内周歯61と外周
歯65が当接すると、以後はバネ206の圧縮は停止さ
れる。すなわち、第1バネ16のみが圧縮され、さらに
捩じり角度が大きくなるとバネ17が第1バネ16と並
列に圧縮される。
【0110】以上に説明したように、2段目のバネ20
6と3段目の第1バネ16とが直列に作用するように配
置されているため、2段目においてヒステリシストルク
が途中から高くなる。
【0111】より詳細には、2段目初期ではバネ206
のみが主に圧縮され中剛性・中ヒステリシストルク(H
2)が発生する。θBからは第1バネ16とバネ206
が直列に圧縮されるため、剛性は1段目よりは高いが2
段目初期よりは低くなる。しかし、バネ206が圧縮さ
れることでブッシュ93と筒状部59において滑りが生
じ、2段目初期より大きい中間ヒステリシストルク(H
m)が発生している。この実施形態では、中間ヒステリ
シストルク(Hm)の領域は2段目の大半(8割程度)
を占めている。捩じり角度θBを越えると、バネ206
の圧縮が停止され、第1バネ16のみが圧縮される。し
たがって3段目では2段目より高い剛性が得られる。ま
た、3段目で生じる高ヒステリシストルク(H3)は2
段目で生じるヒステリシストルク(H2,Hm)より大
きい。
【0112】以上の説明から明らかなように、第1バネ
16とバネ206が直列に圧縮されているときの中間ヒ
ステリシストルク(Hm)は、第1バネ16のみが圧縮
されているときに発生するヒステリシストルク(H2)
より高く、バネ206のみが圧縮されているときに発生
する高ヒステリシストルク(H3)より低い。この結
果、3段目の開始時(2段目と3段目の境界)であるθ
Bにおいてヒステリシストルクが急激に大きくなること
がない。従来であれば、θBにおいてヒステリシストル
ク(H2)からヒステリシストルク(H3)に変化し、
その変化量は大きかった。また、2段目の開始時(1段
目と2段目の境界)であるθAにおいてもヒステリシス
トルクが急激に大きくなることはない。
【0113】以上の捩じり特性によって、1段目正負全
体にわたって作動するアイドリング時の振動に対してジ
ャンピング現象が生じにくくなっている。具体的には2
段目に中間ヒステリシストルク(Hm)が得られている
ため、振動の吸収が緩やかに行われる。
【0114】このクラッチディスク組立体1では、θA
までの1段目が低捩じり角度領域に該当し、θB以上の
3、4段目が高捩じり角度領域に該当する。θA〜θB
までの間はその中間領域である。
【0115】本発明に係るダンパー機構又はダンパーデ
ィスク組立体は、クラッチディスク組立体に限定され
ず、フライホイール組立体のダンパー、トルクコンバー
タロックアップのダンパー、その他のダンパーに採用可
能である。
【0116】
【発明の効果】本発明に係るダンパーディスク組立体で
は、中間機構は第1中間部材と第2中間部材とからな
り、前記所定の隙間は第1中間部材と第2中間部材との
回転方向間、及び第2中間部材と円板状中間部材との回
転方向間の少なくとも一方に確保されているため、いず
れの部材との間に所定の隙間を確保するかを選択するこ
とによって微小捩り振動発生時に第2中間部材が摺動す
る部材を変更できる。この結果、第2中間部材と他の部
材との摩擦係数がそれぞれ異なる場合には微小捩り振動
に対して異なるレベルのヒステリシストルクを得ること
ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態としてのクラッチディスク
組立体の平面図。
【図2】図1の部分拡大図。
【図3】図1のIII−III 断面図。
【図4】図1の0-IV断面図。
【図5】図1のO-V 断面図。
【図6】第2隙間機構を説明するための部分平面図。
【図7】本発明のクラッチディスク組立体のダンパー機
構としての機械回路図。
【図8】固定プレートの平面図。
【図9】図8のIX-IX 断面図。
【図10】図8のX 矢視図。
【図11】図8のXI矢視図。
【図12】ブッシュの平面図。
【図13】図12のXIII矢視図。
【図14】図12のXIV-XIV 断面図。
【図15】図14の部分拡大図。
【図16】図17のXVI-XVI 断面図。
【図17】ブッシュの裏面図。
【図18】図17のXVII矢視図。
【図19】図17のXIX 矢視図。
【図20】摩擦ブッシュの平面図。
【図21】図20のXXI-XXI 断面図。
【図22】図21の部分拡大図。
【図23】第1隙間機構を説明するための部分平面図。
【図24】クラッチディスク組立体の捩じり特性線図。
【図25】図24の部分拡大図。
【図26】第2実施形態における、図6に対応する図。
【図27】第2実施形態における、図7に対応する図。
【図28】第3実施形態における、図6に対応する図。
【図29】第3実施形態における、図7に対応する図。
【図30】第4実施形態における、図3に対応する図。
【図31】第4実施形態における、図7に対応する図。
【図32】第5実施形態におけるクラッチディスク組立
体の平面図。
【図33】図32のXXXIII−O断面図。
【図34】図32のXXXIV−O断面図。
【図35】図32のXXXV−O断面図。
【図36】図32の部分拡大図。
【図37】図32の部分拡大図。
【図38】ハブフランジの平面図。
【図39】第2サブプレートの平面図。
【図40】第1サブプレートの平面図。
【図41】図40のXXXXI矢視図。
【図42】第2サブプレートとハブとの係合を示すため
の部分平面図。
【図43】ハブフランジと第1及び第2サブプレートと
の関係を示す断面図。
【図44】第5実施形態における、第2隙間機構説明す
るための部分平面図。
【図45】クラッチディスク組立体の機械回路図。
【図46】クラッチディスク組立体の捩じり特性線図
【符号の説明】
1 クラッチディスク組立体 2 入力回転体 3 ハブ 4 ダンパー機構 5 第1ダンパー機構 6 第2ダンパー機構 7 第1弾性機構 8 第2大摩擦機構 9 第2弾性機構 10 第1小摩擦機構 16 第1バネ 18 ハブフランジ 19 ブッシュ 20 固定プレート 21 第2バネ 31 クラッチプレート 32 リテーニングプレート 38 第2小摩擦機構 39 第1大摩擦機構 45 第1隙間機構 46 第2隙間機構 48 第1摩擦ワッシャー 49 第1コーンスプリング 78 第2コーンスプリング
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 藤岡 啓介 大阪府寝屋川市木田元宮1丁目1番1号 株式会社エクセディ内 Fターム(参考) 3J056 AA58 BA03 BE28 CB14 CX03 CX18 CX23 CX38 CX44 CX63 GA02 GA12

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】軸方向に間隔をあけて配置され互いに固定
    された第1及び第2円板状入力部材(31,32)と、 前記第1及び第2円板状入力部材の内周側に配置された
    ハブ(3)と、 前記ハブの外周側で前記第1及び第2円板状入力部材の
    軸方向間に配置された円板状中間部材(18)と、 前記第2円板状入力部材(32)と前記円板状中間部材
    との間に配置され、前記第2円板状入力部材に対して前
    記第2円板状入力部材からトルクが入力されるようにか
    つ軸方向に移動可能に係合する摩擦部材(48)と、 前記摩擦部材と前記第2円板状入力部材との軸方向間に
    配置され、前記摩擦部材と前記第2円板状入力部材に対
    して軸方向に反発力を与えている付勢部材(49)と、 前記摩擦部材と前記円板状中間部材との軸方向間に挟ま
    れて配置された中間機構(20,80,206,20
    8)と、 前記中間機構と前記ハブとを回転方向に弾性的に連結
    し、捩じり特性の低捩じり角度領域で低剛性をもたらす
    ための第1弾性部材(21)と、 前記第1及び第2円板状入力部材と前記円板状中間部材
    とを回転方向に弾性的に連結し、捩じり特性の高捩じり
    角度領域で高剛性をもたらすための第2弾性部材(1
    6)とを備え、 前記中間機構は、前記摩擦部材に軸方向から当接して配
    置された第1中間部材(20)と、前記第1中間部材と
    前記円板状中間部材との軸方向間に挟まれて配置され前
    記第1中間部材と前記円板状中間部材との間でトルクを
    伝達するようになっている第2中間部材(80)とを有
    しており、 前記第1中間部材と前記第2中間部材との回転方向間、
    及び前記第2中間部材と前記円板状中間部材との回転方
    向間の少なくとも一方には前記高捩じり角度領域におけ
    る微妙捩じり振動に対して前記摩擦部材と前記中間機構
    を摺動させないための所定の隙間が確保されている、ダ
    ンパーディスク組立体(1)。
  2. 【請求項2】前記第1中間部材と前記第2中間部材の間
    の摩擦係数は、前記円板状中間部材と前記第2中間部材
    の摩擦係数と異なる、請求項1に記載のダンパーディス
    ク組立体。
  3. 【請求項3】前記第2中間部材は樹脂製である、請求項
    1又は2に記載のダンパーディスク組立体。
  4. 【請求項4】前記第1中間部材と前記第2中間部材との
    回転方向間、及び前記第2中間部材と前記円板状中間部
    材との回転方向間の両方に前記高捩じり角度領域におけ
    る微妙捩じり振動に対して前記摩擦部材と前記中間機構
    を摺動させないための所定の隙間が確保されている、請
    求項1〜3のいずれかに記載のダンパーディスク組立
    体。
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