JP2001332503A - プラズマ放電による微結晶膜の製造方法 - Google Patents

プラズマ放電による微結晶膜の製造方法

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JP2001332503A
JP2001332503A JP2000153003A JP2000153003A JP2001332503A JP 2001332503 A JP2001332503 A JP 2001332503A JP 2000153003 A JP2000153003 A JP 2000153003A JP 2000153003 A JP2000153003 A JP 2000153003A JP 2001332503 A JP2001332503 A JP 2001332503A
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film
microcrystalline
substrate
plasma discharge
germanium
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Toshiaki Sasaki
敏明 佐々木
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Fuji Electric Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 良好な微結晶膜の形成と製膜速度の向上を図
ったプラズマ放電による微結晶膜の製造方法を提供す
る。 【解決手段】 微結晶膜形成用基板5の一側に配設した
接地電極3と、他側に配設した高周波電極2と、原料ガ
ス供給口6とを備えた成膜室1に、膜形成用の原料ガス
を導入し、プラズマ放電によって前記基板主面に微結晶
膜を形成する微結晶膜の製造方法において、前記原料ガ
スとして、少なくとも水素化ゲルマニウムもしくはハロ
ゲン化ゲルマニウムと水素とを用い、前記成膜室の圧力
を70〜700Paとする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、薄膜トランジス
タや薄膜太陽電池などの、微結晶膜を用いた薄膜半導体
デバイスにおける微結晶膜の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】非単結晶膜を用いた薄膜半導体デバイ
ス、特にシリコン系の非単結晶薄膜であるアモルファス
シリコン(a-Si)、およびアモルファスシリコンゲルマニ
ウム(a-SiGe)等の合金膜を、プラズマ放電によって形成
した薄膜半導体デバイスは、単結晶シリコンデバイスと
比較して、大面積に、低温で、安価に作成できることか
ら、ディスプレイ用の薄膜トランジスタ(TFT)や電力用
の大面積薄膜太陽電池等への適用において特に期待され
ている。
【0003】上記プラズマ放電によって形成する薄膜
は、例えば下記のような装置により形成される。図8
は、a-Si 薄膜太陽電池をプラズマ放電によって形成す
る場合の成膜室の概略構造の一例を示し、特開平8−2
50431号公報に記載された構造の一例を示す。図8
(a)、(b)はそれぞれ、成膜室の開放時および封止
時の概略断面図を示す。
【0004】図8(a)に示すように、断続的に搬送さ
れてくる可撓性基板10の上下に函状の下部成膜部室壁
体21と上部成膜部室壁体22とを対向配置し、成膜室
の封止時には、下部成膜部室と上部成膜部室からなる独
立した処理空間を構成するようになっている。この例に
おいては、下部成膜部室は電源40に接続された高周波
電極31を備え、上部成膜部室は、ヒータ33を内蔵し
た接地電極32を備える。
【0005】成膜時には、図8(b)に示すように、上
部成膜部室壁体22が下降し、接地電極32が基板10
を抑えて下部成膜部室壁体21の開口側端面に取付けら
れたシール部材50に接触させる。これにより、下部成
膜部室壁体21と基板10とから、排気管61に連通す
る気密に密閉された成膜空間60を形成する。上記のよ
うな成膜室において、高周波電極31へ高周波電圧を印
加することにより、プラズマを成膜空間60に発生さ
せ、図示しない導入管から導入された原料ガスを分解し
て基板10上に膜を形成することができる。
【0006】ところで、上記のような装置によって形成
された薄膜太陽電池用のa-Siは、単結晶に比べて、電子
移動度が小さいため、上記TFTに適用した場合、ディス
プレイの開口率が小さく輝度やコントラストが悪くなる
問題がある。これを解決するために、微結晶シリコン
(μc-Si)のTFTへの適用が検討されている。ここで微結
晶とは、プラズマCVDや光CVD、熱CVD等で作成した薄膜
で、アモルファス成分に対して結晶体積分率が数%から
ほぼ100%、結晶粒径が数nmから数μmの物を指す。μc-S
iを用いることにより、a-Siに比べて電子移動度を数桁
向上することができる。
【0007】さらに、単結晶シリコンに比べて単結晶ゲ
ルマニウムは、電子移動度で約2倍、ホール移動度で約
2.5倍大きい。微結晶膜においても同様に、微結晶シ
リコンゲルマニウム(μc-SiGe)あるいは微結晶ゲルマ
ニウム(μc-Ge)を用いることによって、μc-Siに比べて
電子移動度の向上が期待できる。
【0008】また上記とは異なる問題として、a-Siまた
はアモルファスシリコンゲルマニウム(a-SiGe)を用いた
太陽電池では、長時間の光照射に対して太陽電池の効率
が低下するいわゆるSteabler Wronski効果によって、効
率が初期よりも低下する問題がある。
【0009】最近、p-i-n型非単結晶太陽電池として、
p、i、n層材料にμc-Siを適用することにより、光劣化
がない太陽電池が作成可能なことが報告されている
([報告1]J.Meier, P. Torres, R. Platz, S. Dubail,
U. Kroll, A.A. Anna Selvan, N. Pellaton Vaucher C
h. Hof, D. Fischer, H. Keppner, A. Shah, K.D. Ufer
t, P.Giannoules, J.Koehler; "On the way towards hi
gh efficiency thin film silicon solar cells by the
"micromorph" concept", Mat. Res. Soc. Symp. Pro
c. Vol.420, 1996, pp.3 参照)。
【0010】しかしながら、μc-Siはa-Siに比べて長波
長の光感度がある反面、吸収係数の値が小さく、膜厚を
a-Siの約10倍にする必要がある。また、プラズマCVDで作
成した場合、a-Siに比べて、μc-Siの製膜速度は1/2〜1
/10程度と遅い問題がある。その結果、製膜時間はa-Si
に比べ、非常に長時間を要する問題がある。
【0011】μc-Siに代えて、薄膜太陽電池用のμc-Si
Geの研究が最近報告されている。μc-Siに比べて、μc-
SiGeは吸収係数を大きくできるので、太陽電池用の膜と
して膜厚を薄くできることが期待されている。ガングリ
ーらは、RF(13.56MHz)の容量結合型のプラズマCVDで、
シラン(SiH4)、ゲルマン(GeH4)、水素(H2)の混合ガスを
用いて作製したμc-SiGeについて報告している。([報
告2]G. Ganguly et al.; "Hydrogenated microcrystall
ine silicon germanium: A bottom cell material for
amorphous silicon-based tandem solar cells", Appl.
Phys. Lett., 69 (1996) pp.4224; [報告3]G. Ganguly
et al.; "Microcrystalline silicon germanium: An a
ttractive bottom-cell material for thin-film silic
on-basedtandem-solar-cells" , Mat. Res. Soc. Symp.
Proc. 467(1997) pp.681. 参照)。
【0012】上記報告において、製膜した圧力範囲は4
〜66.5Pa(0.03〜0.5torr)、水素希釈率はH2/(SiH4+Ge
H4)=50〜500倍、製膜速度は0.48〜2.16nm/minである。
【0013】通常、水素希釈率15〜20倍程度でμc-Siが
できるのに比べて、μc-SiGeの作製にはそれよりも高い
水素希釈率を用いている。ただし、Geの組成に対して、
水素希釈率を変化させているかどうかについては記述が
ない。低速製膜で光照射前の欠陥密度が1015cm-3台の高
品質なa-Siの製膜速度が2nm/min程度、高速製膜で光照
射前の欠陥密度が1016cm-3台の中程度の品質のa-Siの製
膜速度が10〜20nm/minであるのに比べて、遅くなってい
る。
【0014】また、カリウスらは、VHF(95MHz)の容量結
合型のプラズマCVDで、SiH4もしくはジシラン(Si2H6)
と、GeH4、H2の混合ガスを用いて作製したμc-SiGeにつ
いて報告している。([報告4]R. Carius, et al.; "Micr
osrystalline silicon-germanium alloys for absorpti
on layers in thin film solar cells", Mat. Res. So
c. Symp. Proc. 507(1998) pp.813.; [報告5]M. Kraus
e, et al.; "Role of bandgap grading for the perfor
mance of microcrystalline silicon germaniumsolar c
ells", Mat. Res. Soc. Symp. Proc. 557(1999) pp.59
1. 参照)。
【0015】カリウスらは、μc-Siに比べて、μc-SiGe
はGe量が増えるに従って、微結晶になりにくいと報告し
ている。SiH4を用いたμc-Siが水素希釈率20〜50倍で完
全に微結晶になるのに対して、μc-SiGeを作製するため
にはより大きな水素希釈率が必要であると報告してい
る。具体的にはSiH4とGeH4を用いた場合、H2/(SiH4+GeH
4)が40倍以上で一部微結晶になり、80倍以上で完全に微
結晶になると述べている。Si2H6とGeH4を用いた場合、
さらに微結晶になりにくく、167倍以上の水素希釈率が
必要で、膜中Ge密度が高いところではSi2H6を用いてμc
-SiGeは作製できないと述べている。前記[報告5]では、
水素希釈率120から320倍と非常に高い水素希釈率を用い
ている。このとき、製膜時の圧力について何ら記述はな
い。また、95MHzという非常に高い周波数を用いている
にもかかわらず、製膜速度は、前記[報告4]において3.2
〜10.2nm/min、[報告5]において2.4〜7.2nm/minと述べ
ている。
【0016】
【発明が解決しようとする課題】本願発明者も、13.56M
Hzの容量結合型プラズマCVDで、SiH4、GeH4、H2の混合
ガスを用いてμc-SiGeを作製したところ、膜中Ge密度の
増加に伴って、微結晶になりにくいことを確認した。膜
中Ge密度100%の場合は、特に、微結晶になりにくかっ
た。そのため非常に高い水素希釈率が必要になり、その
結果、製膜速度が低下した。
【0017】上記のように、膜中Ge密度の増加に伴っ
て、μc-SiGeやμc-Ge等の微結晶膜ができにくい問題が
ある。また、μc-SiGeやμc-Geを作製するために、非常
に高い水素希釈率が必要となり、製膜速度が低下する問
題がある。
【0018】この発明は、上記の点に鑑みてなされたも
ので、本発明の課題は、良好な微結晶膜の形成と製膜速
度の向上を図ったプラズマ放電による微結晶膜の製造方
法を提供することにある。
【0019】
【課題を解決するための手段】前述の課題を達成するた
め、この発明は、微結晶膜形成用基板の一側に配設した
接地電極と、他側に配設した高周波電極と、原料ガス供
給口とを備えた成膜室に、膜形成用の原料ガスを導入
し、プラズマ放電によって前記基板主面に微結晶膜を形
成する微結晶膜の製造方法において、前記原料ガスとし
て、少なくとも水素化ゲルマニウムもしくはハロゲン化
ゲルマニウムと水素とを用い、前記成膜室の圧力を70
〜700Paとすることとする(請求項1の発明)。
【0020】また、微結晶膜形成用基板の一側に配設し
た接地電極と、他側に配設した高周波電極と、原料ガス
供給口とを備えた成膜室に、膜形成用の原料ガスを導入
し、プラズマ放電によって前記基板主面に微結晶膜を形
成する微結晶膜の製造方法において、前記原料ガスとし
て、少なくとも水素化ゲルマニウムもしくはハロゲン化
ゲルマニウムと水素とを用い、前記成膜室の圧力を70
Pa以上とし、前記原料ガスを基板に向かって吹き出す
ように供給することとする(請求項2の発明)。
【0021】上記請求項1または2の発明の実施態様と
しては、下記が好適である。即ち、前記請求項2に記載
の微結晶膜の製造方法において、高周波電極は、原料ガ
スを基板に向かってシャワー状に吹き出すための複数の
ガス通流口を有するものとし、前記複数のガス通流口か
ら原料ガスを供給することとする(請求項3の発明)。
【0022】また前記請求項1ないし3のいずれかに記
載の微結晶膜の製造方法において、基板に形成する微結
晶膜は、微結晶ゲルマニウム膜であることとする(請求
項4の発明)。さらに、請求項1ないし3のいずれかに
記載の微結晶膜の製造方法において、基板に形成する微
結晶膜は、微結晶シリコンゲルマニウム膜であることと
する(請求項5の発明)。
【0023】さらにまた、前記請求項1ないし3のいず
れかに記載の微結晶膜の製造方法において、前記原料ガ
スとして、ゲルマン(GeH4)と水素とを用いる、あるい
はゲルマン(GeH4)とシラン(SiH4)と水素とを用いる
こととする(請求項6の発明)。
【0024】この発明の作用は、下記のとおりである。
即ち、製膜時の圧力を70Pa以上とすることによっ
て、プラズマ中の気相反応が大きく変ると考えられる。
ゲルマニウム系のラジカルGeHxは非常に反応性が高いた
め重合反応を起こしやすく、低圧ではポリマーやクラス
ターになりやすく、その結果膜がアモルファスになり易
いと考えられる。圧力を上げることによって、GeHxと、
希釈ガスであるH2との気相中の衝突反応が増えて、効果
的にGe系のクラスターを分解していると考えられる。
【0025】また、圧力を上げることによって、基板近
傍のシースが薄くなって基板へ飛び込むイオンのエネル
ギーが減少して、イオン衝撃による膜へのダメージが抑
制されて、微結晶になりやすいと考えられる。
【0026】しかしながら、所定の圧力以上に圧力を上
げると、GeHxとGeH4あるいはSiH4との衝突も無視できな
くなり、粉が発生してしまう。このため、微結晶が作製
可能で、かつ、粉が発生しない、最適な圧力範囲が存在
する。
【0027】圧力を上げすぎると粉が発生する。ガスの
供給は、通常反応室の壁面からガスを導入し、この場
合、700Pa以上で粉が発生した。この場合、電極間
のプラズマに外側から拡散によってガスが供給され、基
板上に粉が付いたと考えられる。従って、圧力の最適範
囲は、70〜700Paである。
【0028】しかしながら、原料ガスを基板に向かって
シャワー状に吹き出すことによって、ガスが電極間のプ
ラズマから外側に向かって流れることによって、気相中
で発生した粉を強制的に外に押し流すことができる。こ
の結果、700Pa以上の圧力でも基板上に粉が発生せ
ず、良好な微結晶膜を作製することが可能となる。
【0029】
【発明の実施の形態】この発明の実施の形態について以
下に述べる。
【0030】(実施例1:Ge密度100%の微結晶膜の製
膜について)図1に、図2に示す装置を用いて製膜した
膜中Ge密度(Ge/(Ge+Si))=100%の膜について、ラマン散
乱スペクトルを測定した結果を示す。図1の横軸はラマ
ンシフト、縦軸はスペクトル強度を任意目盛(a.u.)で
示す。まず、図2の製膜装置および製膜条件について説
明する。図2は、RF(13.56MHz)の容量結合型プラズマCV
D装置である。成膜室1は、図8に示す装置と同様に、
高周波電極2と接地電極3とを備える。接地電極3の上
に基板5を置き、ヒータ4により加熱することができ
る。原料ガスは、成膜室1の壁に取り付けられたガス供
給口6により、成膜室1に導入される。高周波電極2と
接地電極3との間にプラズマを発生させて原料ガスを分
解して、基板5に微結晶膜の製膜を行う。
【0031】膜の条件Ge/(Ge+Si)=100%は、最も微結晶
になりにくい条件といえる。膜の作製には、GeH4とH2
混合ガスを原料ガスに用いた。基板ヒータ温度は200
℃、放電パワーは50W、GeH4流量は5sccm、H2流量は500s
ccmとし、水素希釈率H2/GeH4は100倍とした。基板には
ガラスを用いた。なお、流量の単位sccmは、standard c
c/min(標準状態換算の流量cm3/min)を示す。
【0032】図1のラマン散乱スペクトルにおいて、30
0cm-1付近のシャープなピークと、280cm-1付近の幅の広
いピークが認められる。それぞれ、Ge-Ge結合の結晶TO
ピークと、アモルファスのTOピークに相当する。製膜時
の圧力Pr=67Pa(0.5torr)で結晶ピークが認めら
れ、それよりPrを増加するにしたがって、結晶ピークが
大きくなっている。最も微結晶になりにくいGe/(Ge+Si)
=100%の条件であるにもかかわらず、略Pr=70Pa以上
とすることによってμc-Geが作製できることが認められ
る。
【0033】図3に、図1のGe-Ge結合の結晶ピーク(I
c)と、アモルファスのピーク(Ia)の比(Ic/Ia)と圧力
(Pr)との関係を示す。Ic/Iaが大きいほど、結晶体積分率
が高い良好な微結晶膜といえる。Prの増加とともに、Ic
/Iaが増加する。略Pr=70PaでIc/Ia〜1で微結晶膜に
なっていることが分かる。Prを増加すると、Ic/Iaが単
調に増加する。ただし、Prを700Paより大きくする
と、粉の発生が認められ、特に接地電極の端部付近にお
いた基板に粉の付着が認められた。
【0034】(実施例2:Ge密度100%の微結晶膜の製
膜速度について)図4に、前記実施例1の膜に関わる製
膜速度(DR)と圧力(Pr)との関係を示す。Prの増加に伴っ
て、DRが増加している。すなわち、Prを略70Pa以上
に上げることによって、結晶性の向上と同時に製膜速度
の増加を図ることができる。
【0035】(実施例3:Ge密度と圧力との関係につい
て)図5に、膜中Ge密度(Ge/(Ge+Si))と微結晶になる製
膜圧力(Pr)との関係を示す。アモルファスから微結晶に
なったかどうかの判定は、ラマン散乱のGe-Ge結合ピー
クの結晶成分ピークとアモルファス成分ピークの比(Ic/
Ia)を用いた。ただし、Ge-Ge結合ピークのピーク波数
は、Ge/(Ge+Si)を減少すると、Ge/(Ge+Si)にほぼ比例し
て低波数側にシフトする。ここでは、Ge/(Ge+Si)に合わ
せて結晶成分とアモルファス成分のピーク波数を同定し
て、Ic/Iaを求めた。SiとGeを含む膜においても、Prが略
70Pa以上でIc/Ia〜1となり、微結晶になっているこ
とが分かる。ただし、Ic/Ia>2の結晶性の高い膜は、Ge/
(Ge+Si)が小さい領域では、より低いPrでも作製できて
いる。
【0036】(実施例4:シャワー電極による製膜につ
いて)図6に、請求項3の発明に関わる実施例を示す。
この実施例における高周波電極15は、図7に示すよう
に、電極本体15aと、ガス供給口15bと、穴あき金
属板15cとからなり、原料ガスを基板5に向かってシ
ャワー状に吹き出すようになっている。図2に示すよう
に、ガス供給口と高周波電極とを分けることもできる
が、図6に示す高周波電極とガス供給口との兼用構造に
よれば、原料ガスを基板に向かって略均一にシャワー状
に吹き出すことができ、より好適である。
【0037】ガスをシャワー状に吹き出すことによっ
て、電極間から外側に向かってガスが流れ、気相中で粉
が発生しても外側に押し流される。この結果、圧力を7
000Paに上げても、基板上に粉の付着は認められな
くなった。
【0038】なお、上記実施例1〜4においては、Geの
原料ガスとして水素化ゲルマニウムのGeH4を用いたが、
この他にGe2H6等の高級同族体を用いることもできる。
また、Hをアルキル基(CH3)、シリル基(SiH3)で置換した
ものも使用可能である。
【0039】ハロゲン化ゲルマニウムとして四弗化ゲル
マニウム(GeF4)を用いた場合も、同様に製膜時の圧力
を70Pa以上に上げることによって、微結晶膜が得ら
れた。ハロゲン化ゲルマニウムとして、この他にGeCl4
GeBr4、GeI4等を用いることもできる。また、ハロゲン
をHで置換したものも使用可能である。
【0040】微結晶シリコンゲルマニウムを作製する際
のSiの原料としては、水素化シラン(SiH4、Si2H6等)
やハロゲン化シラン(SiF4、SiCl4等)が用いられる。
また、ハロゲン化シランの一部のハロゲンをHで置換し
たもの(SiH2Cl2等)を用いることも可能である。
【0041】また、製膜時の圧力70Pa以上で原料ガ
スの水素希釈率を上げると、微結晶膜の体積分率をさら
に増加することも可能である。
【0042】
【発明の効果】上記のとおり、この発明によれば、微結
晶膜形成用基板の一側に配設した接地電極と、他側に配
設した高周波電極と、原料ガス供給口とを備えた成膜室
に、膜形成用の原料ガスを導入し、プラズマ放電によっ
て前記基板主面に微結晶膜を形成する微結晶膜の製造方
法において、前記原料ガスとして、少なくとも水素化ゲ
ルマニウムもしくはハロゲン化ゲルマニウムと水素とを
用い、前記成膜室の圧力を70〜700Paとすること
により、粉の発生がなく、良好な微結晶膜を作製するこ
とができる。また、製膜速度を向上することができる。
【0043】さらに、原料ガスを基板に向かってシャワ
ー状に吹き出すことによって、反応室の圧力が700P
aより大きくても、基板主面への粉の発生を抑制するこ
とができる。
【0044】このように作成したGeを含有する微結晶膜
を薄膜太陽電池へ適用した場合、吸収係数の増加によっ
て膜厚を薄くできるとともに、製膜速度の増加によっ
て、作製時間短縮の効果がある。
【0045】また、このように作成したGeを含有する微
結晶膜をディスプレイ用の薄膜トランジスタへ適用した
場合、Geを含有することによる電子移動度の向上から、
ディスプレイの開口率を大きくし輝度やコントラストを
向上する上で効果がある。また、製膜速度の増加によっ
て、作製時間短縮の効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の微結晶膜のラマン散乱スペクトルを
示す図
【図2】この発明の微結晶膜の製膜装置の一例を示す図
【図3】ピーク強度比(Ic/Ia)と圧力(Pr)との関係を示
す図
【図4】製膜速度(DR)と圧力(Pr)との関係を示す図
【図5】膜中Ge密度(Ge/(Ge+Si))と製膜圧力(Pr)との関
係を示す図
【図6】この発明の微結晶膜の異なる製膜装置を示す図
【図7】図6における高周波電極の概略構成の一例を示
す図
【図8】従来の薄膜太陽電池用の成膜室の概略構造の一
例を示す図
【符号の説明】
1:成膜室、2,15:高周波電極、3:接地電極、
4:ヒータ、5:基板、6,15b:ガス供給口、15
a:電極本体、15c:穴あき金属板。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4K030 AA05 AA17 BA09 BB04 CA06 EA04 FA03 JA09 KA17 LA16 5F045 AA08 AB05 AC01 AD06 AE19 AE21 AF07 CA13 CA15 EF05 EH05 EH12 5F051 AA04 CA07 CA16 CA35 CA36 CA37 GA03

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 微結晶膜形成用基板の一側に配設した接
    地電極と、他側に配設した高周波電極と、原料ガス供給
    口とを備えた成膜室に、膜形成用の原料ガスを導入し、
    プラズマ放電によって前記基板主面に微結晶膜を形成す
    る微結晶膜の製造方法において、前記原料ガスとして、
    少なくとも水素化ゲルマニウムもしくはハロゲン化ゲル
    マニウムと水素とを用い、前記成膜室の圧力を70〜7
    00Paとすることを特徴とするプラズマ放電による微
    結晶膜の製造方法。
  2. 【請求項2】 微結晶膜形成用基板の一側に配設した接
    地電極と、他側に配設した高周波電極と、原料ガス供給
    口とを備えた成膜室に、膜形成用の原料ガスを導入し、
    プラズマ放電によって前記基板主面に微結晶膜を形成す
    る微結晶膜の製造方法において、前記原料ガスとして、
    少なくとも水素化ゲルマニウムもしくはハロゲン化ゲル
    マニウムと水素とを用い、前記成膜室の圧力を70Pa
    以上とし、前記原料ガスを基板に向かって吹き出すよう
    に供給することを特徴とするプラズマ放電による微結晶
    膜の製造方法。
  3. 【請求項3】 請求項2に記載の微結晶膜の製造方法に
    おいて、前記高周波電極は、原料ガスを基板に向かって
    シャワー状に吹き出すための複数のガス通流口を有する
    ものとし、前記複数のガス通流口から原料ガスを供給す
    ることを特徴とするプラズマ放電による微結晶膜の製造
    方法。
  4. 【請求項4】 請求項1ないし3のいずれかに記載の微
    結晶膜の製造方法において、基板に形成する微結晶膜
    は、微結晶ゲルマニウム膜であることを特徴とするプラ
    ズマ放電による微結晶膜の製造方法。
  5. 【請求項5】 請求項1ないし3のいずれかに記載の微
    結晶膜の製造方法において、基板に形成する微結晶膜
    は、微結晶シリコンゲルマニウム膜であることを特徴と
    するプラズマ放電による微結晶膜の製造方法。
  6. 【請求項6】 請求項1ないし3のいずれかに記載の微
    結晶膜の製造方法において、前記原料ガスとして、ゲル
    マン(GeH4)と水素とを用いる、あるいはゲルマン(Ge
    H4)とシラン(SiH4)と水素とを用いることを特徴とす
    るプラズマ放電による微結晶膜の製造方法。
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