JPH10120491A - 結晶膜の形成方法 - Google Patents

結晶膜の形成方法

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JPH10120491A
JPH10120491A JP27440296A JP27440296A JPH10120491A JP H10120491 A JPH10120491 A JP H10120491A JP 27440296 A JP27440296 A JP 27440296A JP 27440296 A JP27440296 A JP 27440296A JP H10120491 A JPH10120491 A JP H10120491A
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JP
Japan
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film
substrate
forming
amorphous phase
crystal
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Application number
JP27440296A
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English (en)
Inventor
Koji Akiyama
浩二 秋山
Hiroshi Tsutsui
博司 筒井
Shinichi Mizuguchi
信一 水口
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Panasonic Holdings Corp
Original Assignee
Matsushita Electric Industrial Co Ltd
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Publication date
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  • Thin Film Transistor (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 結晶性の優れた結晶膜、即ち結晶粒径が大き
い多結晶または単結晶薄膜を、結晶でない絶縁物基板上
でも400℃以下の低基板温度で形成する。 【解決手段】 石英基板113をヒータ114で250〜350℃に
加熱し、SiH4ガス、希釈用ガスH2を真空容器102内に
導入し、バルブ116を調節して0.1〜2.0Torrとし、電極
103とグリッド電極118間にプラズマを発生させ,基板113
上に非晶質シリコン膜を0.3〜1nm形成する。次に、高
純度Heガスをボンベ108より真空容器内に導入し、0.1
〜2.0Torrで高周波電力を印加し、電極間にプラズマを
発生させ、a-SI:H膜表面に準安定状態にあるHe原
子を接触させてa-Si:H膜の原子配列をより結晶に近
いものに変化させ、高純度SiF4,高純度SiH4ガス,希
釈用ガスのH2を真空容器内に導入し、結晶性Si膜をa
-Si:H膜上に成長させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、半導体薄膜を構成
要素とする半導体装置やディスプレイデバイスなどに使
用される多結晶や単結晶の結晶膜を形成する方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】ガラスや石英などの絶縁物基板上に結晶
膜を形成する手法としては、先ず非晶質膜または多結晶
膜を形成した後、レーザや電子ビームを照射する、また
はストリップヒータで加熱して単結晶化する、あるいは
より大きな粒径(グレインサイズ)の多結晶に再結晶化
する方法が提案されている。
【0003】また、絶縁物基板上に直接結晶膜を成膜す
る手法としては、減圧下での化学的気相成長(減圧CV
D)で500℃以上の比較的高基板温度において多結晶
膜を気相成長させる方法が一般的である。さらに、プラ
ズマを使用した化学的気相成長(プラズマCVD)で
は、原料ガスを水素で高希釈することにより、200〜
400℃と、より低基板温度で微結晶膜が得られること
が報告されている(特開昭63−16616号公報)。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】レーザや電子ビームを
照射する手法では、照射するエネルギを調節することに
より、再結晶化したい層のみを加熱することができ、下
地や周辺の膜やデバイス構造にあまり影響を与えること
なく、結晶膜を形成できる。しかし、基板の面積が大き
くなると、ビームの走査に時間がかかること、照射位置
を合わせる精度が悪くなるという問題がある。一方、ス
トリップヒータで加熱する手法では、大面積の基板でも
ヒータの長さを長くすれば結晶化の処理時間を増加させ
なくてもすむが、再結晶化したい層だけ加熱することは
できず、ほぼ基板全体を加熱してしまうため、下地やす
でに形成済みのデバイスに対して影響を与えてしまう問
題がある。
【0005】絶縁物基板上に直接結晶膜を成膜する手法
は、先に結晶膜を形成してデバイスに加工して行くた
め、上記のような高温の加熱工程が入らず、所望のデバ
イス特性を得易いという長所がある。しかし、減圧CV
Dでは、下地が絶縁物であるために、単結晶膜の形成は
不可能であり、基板温度も比較的低いため多結晶の粒径
も小さく良質な結晶膜は得られにくいという問題があ
る。また、プラズマCVD法では、大面積の基板上にも
成膜可能であるという特長はあるが、結晶基板上ではエ
ピタキシャル成長が可能であるが、絶縁物基板上ではや
はり基板温度が低いため、多結晶よりもさらに粒径の小
さい微結晶膜しか得られないという問題がある。
【0006】以上のように従来の手法では、絶縁物基板
上に結晶性に優れた結晶膜、すなわち単結晶あるいは粒
径の大きい多結晶膜を大面積で、かつ400℃以下の低
温で形成することが不可能であった。
【0007】前記従来技術の課題を解決するため、本願
発明である結晶膜の形成方法は、絶縁物基板上に400
℃以下の低温で、結晶性に優れた結晶膜、すなわち単結
晶あるいは粒径の大きい多結晶膜を大面積に形成する方
法を提供することを目的とするものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】本願発明である結晶膜の
形成方法は、基板上に少なくとも非晶質相を含む膜を形
成した後、少なくとも準安定状態にある粒子を前記非晶
質相を含む膜に接触させて前記非晶質相を含む膜の原子
配列を変化させ、前記非晶質相を含む膜を構成する原子
を少なくとも含有する粒子を前記非晶質相に接触させて
前記非晶質相を含む膜上に結晶膜を形成することを特徴
とする結晶膜の形成方法。
【0009】また、上記結晶膜の形成方法において、非
晶質相を含む膜の厚みが1nm以上100nm以下であ
ることを特徴とする。
【0010】また、上記結晶膜の形成方法において、非
晶質相を含む膜を形成する前に、基板表面に水素ラジカ
ルを少なくとも接触させることを特徴とする。
【0011】また、上記結晶膜の形成方法において、準
安定状態にある粒子が希ガス原子であることを特徴とす
る。
【0012】また、上記結晶膜の形成方法において、結
晶膜を形成する前に、非晶質相を含む膜の形成と準安定
状態にある粒子の接触を複数回繰り返すことを特徴とす
る。
【0013】また、上記結晶膜の形成方法において、非
晶質相を含む膜の厚みが順に減少する、あるいは一定で
あることを特徴とする。
【0014】また、上記結晶膜の形成方法において、結
晶膜を構成する原子がシリコンであることを特徴とす
る。
【0015】また、上記結晶膜の形成方法において、高
周波電源を接続したカソード電極と前記カソード電極と
離して基板が配置され、かつ前記カソード電極と前記基
板の間に接地または負にバイアスされたグリッド電極を
配置した真空容器内に、準安定準位を有する原子からな
る結晶化処理用ガスを導入し、前記カソード電極と基板
の間にグロー放電を発生させて前記結晶化処理用ガスよ
り生成した準安定粒子を前記基板表面に接触させて前記
非晶質膜の原子配列を変化させることを特徴とする。
【0016】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て、図1から図3を用いて説明する。
【0017】(実施の形態1)図1は本発明に係る結晶
膜の形成方法の一実施例を示す形成装置の概略図であ
る。電源101は、高周波(1kHz〜1GHz)また
はマイクロ波(1GHz以上)電源であり、真空容器1
02内の電極103にマッチング回路104を介して接
続されている。
【0018】電極103にはシャワー状に多数の孔が設
けてあり、原料ガスボンベ105,106、希釈用ガス
ボンベ107、結晶化処理用ガスボンベ108、不純物
ガスボンベ119,120からこれらのガスがマスフロ
ーコントローラー(MFC)109〜112,121,
122によって所定の流量に調節されてこれらの孔から
真空容器102内に導入される(図1では6本のガスボ
ンベ及びガス系統しか示していないが、これらは形成す
る膜の種類に応じて増減する)。
【0019】結晶層を形成するための基板113は、ヒ
ーター114上に配置され所定の温度に加熱される。な
お、図1中、115は真空ポンプ、116は排気用バル
ブ、117は水冷装置である。水冷装置117は結晶膜
形成後の基板温度の冷却速度を速めるためのもので、必
ずしも必要とするものでない。また、真空容器102内
には基板113へ入射するイオン数を調節するための外
部電源を接続したメッシュ状のグリッド電極118を配
置している。
【0020】この装置を使ってシリコン結晶膜を以下の
手順で形成した。先ず、石英基板113をヒータ114
上にセットし、真空容器102内を高真空に排気し、基
板113を250〜300℃に加熱した。尚、基板温度
を400℃以下にして結晶膜を形成することが望まし
い。
【0021】次に、高純度のSiH4ガスをボンベ105
よりMFC109を通して、希釈用ガスのH2をボンベ
107よってMFC111を通して真空容器102内に
導入し、バルブ116によって所定の圧力(0.1〜
2.0Torr)になるように調整した。
【0022】電極103に13.56MHzの高周波電
力を電極103の単位面積当り0.01〜0.2W/c
2で印加し、電極103とグリッド電極118間にプ
ラズマを発生させ、図2(a)に示すように基板113
上に非晶質のシリコン(以下、a−Si:Hと略記す
る)膜201を0.3〜1nm形成した。この時、グリ
ッド電極118に印加する電圧は−300〜0Vとしa
−Si:H膜201にイオンが入射しないようにすると
ともに、流量比SiH4/H2は5/1〜1/100とし
た。
【0023】次に、これらのガスの導入を止めて高純度
Heガスをボンベ108よりMFC112を通して真空
容器102内に導入し、上記と同様の圧力(0.1〜
2.0Torr)で0.05〜1W/cm2の密度で高周
波電力を印加し、電極103とグリッド電極118間に
プラズマを10秒〜10分間発生させ、a−Si:H膜
201表面に準安定状態にあるHe原子を接触させてa
−Si:H膜201の自由表面側の原子配列をより結晶
に近いものに変化させた。
【0024】次に、Heガスの導入を止めて高純度Si
4をボンベ106よりMFC110を通して、高純度
のSiH4ガスをボンベ105よりMFC109を通し
て、希釈用ガスのH2をボンベ107よりMFC111
を通して真空容器102内に導入し、上記と同様の圧力
(0.1〜2.0Torr)で0.01〜0.2W/cm2
の密度で高周波電力を印加し、電極103とグリッド電
極118間にプラズマを発生させ、図2(b)に示すよ
うに結晶性Si膜202を100nm〜10μm成長さ
せた。この時流量比SiF4/SiH4は1/10〜10
/1、SiH4/H2は1/10〜1/100とした。
【0025】この結晶性Si膜202をラマン分光およ
び透過電子顕微鏡(TEM)にて評価したところ、ラマ
ン分光では520cmー1付近に結晶Siに起因するピー
クが観測され、結晶の粒径は少なくとも20μm以上
で、単結晶に近いものも得られていることが分かった。
【0026】比較のために、Heプラズマを発生させず
に、a−Si:H層201表面に準安定状態のHe原子
を一切接触させなかった場合も行ってみたが、a−S
i:H層201上に成長した膜を上記と同様に評価して
みたところ、ラマン分光では520cmー1付近のピーク
は見られず、非晶質であることがわかった。
【0027】以上の結果から、準安定状態のHe原子
(励起準位231,210)を非晶質膜201の表面に
接触させることにより、これらの原子のもつエネルギ
(19.82eV,20.61eV)が膜201表面に与えられ、表面
が実効的に加熱されるため原子配列が非晶質から結晶に
より近づくためと思われる。また、準安定He原子はグ
リッド電極118と電極103の間の発光しているプラ
ズマ領域で生成されるが、寿命が231で6×10
ー5秒,210で2×10ー2秒と長いため、拡散によって
十分膜201表面に到達できる。
【0028】なお、グリッド電極118と基板との距離
は、準安定原子の種類によって異なり、Heの場合は5
mm以上50mm以下にするのが望ましい。また、膜表
面を加熱する方法として、適度のエネルギで加速したイ
オンを入射してもよいが、イオンの場合はその運動エネ
ルギによって原子をはじき飛ばしたり、位置をずらした
りして原子配列を乱す問題がある。従って、せっかく結
晶に近い原子配列を構成しても、イオンの入射の際に原
子配列を乱してしまうため、結局原子配列は結晶構造に
あまり近づかないという結果になってしまう。一方、準
安定原子の場合は拡散によって膜201表面に入射する
ため、大きな運動エネルギを持たず、原子配列を乱すこ
とは無い。そのため、結晶構造に近い原子配列ができ易
い。
【0029】また、プラズマ領域で発生する準安定原子
の密度は、良質の結晶構造を得るために少なくとも10
10cmー3以上であることが望ましく、好ましくは1012
cm ー3程度である。
【0030】基板113は、石英基板のほかに、ガラス
基板、サファイア基板、SiOx,SiNx,SiCx
GeOx,GeNx,GeCx,AlOx,AlNx,B
x,BNxなどの無機絶縁物を形成したSiやGaAs
ウェーハや導電性基板などの絶縁性基板でも、金属基板
やガラス基板上にITOやSnO2のZnOなどの透明
導電膜を形成した導電性基板でも上記と同様の効果が得
られる。基板温度は、150℃以上400℃以下で有れ
ば、上記と同様の結果を得ることができた。
【0031】結晶膜202の伝導性を制御する場合は、
n型伝導を付与するときはPH3,PF3,PF5,PC
2F,PCl23,PCl3,PBr3,AsH3,As
3,AsF5,AsCl3,AsBr3,SbH3,Sb
3,SbCl3,H2Se等の不純物ガスをボンベ11
9より成膜時に供給すればよく、p型伝導を付与すると
きはB26,BF3,BCl3,BBr3,(CH33
l,(C253Al,(iC493Al,(CH33
In,(CH33Ga,(C253In,(C 253
Ga等のガスをボンベ120より供給すればよい。
【0032】使用できる原料ガスとしては、上記のSi
4やSiF4のほかにSi26,Si38,Si
410,SiH4ーnn,SiH4ーnCln(但し、n=1,2,
3),Si2 6,SiCl4などのシリコン化合物ガスが
挙げられる。
【0033】上記の例はシリコンの結晶膜を形成する場
合であるが、ダイヤモンド、ゲルマニウム、シリコンカ
ーバイド、シリコンゲルマニウムでも原料ガスを変える
だけで同様に結晶膜を得ることができる。
【0034】ダイヤモンドの場合は、CH4,C26
38,C410,C24,C36,C48,C22
34,C46,C66などの炭化水素ガス、CH
3F,CH3Cl,CH3Br,CH3I,C25Cl,C
25Br,C25Iなどのハロゲン化アルキル、C35
F,C35Cl,C35Brなどのハロゲン化アリル、
CClF3,CF4,CHF3,C26,C38などのフ
ロンガス、C66-mm(m=1〜6)の弗化ベンゼン
等の炭素化合物ガスを原料ガスとして使用すればよく、
ゲルマニウムの場合は、GeH4,Ge26,Ge
38,GeF4,GeCl4,GeBr4,GeI4,Ge
2,GeCl2,GeBr2,GeI2,GeHF3,G
eH22,GeH3F,GeHCl3,GeH2Cl2,G
eH3Cl,GeHBr3,GeH2Br2,GeH3
r,GeHI3,GeH22,GeH3Iなどのゲルマニ
ウム化合物ガスが原料ガスとして使用できる。
【0035】シリコンカーバイドの場合は、上記のシリ
コン化合物ガスおよび炭素化合物ガスを原料ガスとして
使用すればよく、シリコンゲルマニウムの場合は上記の
シリコン化合物ガス及びゲルマニウム化合物ガスを原料
ガスとして使用すればよい。
【0036】GaAs,GaPやGaNなどの化合物半
導体でも、同様に原料ガスを変えることで上記と同様の
効果を得ることができる。
【0037】結晶化処理用ガスとして使用できるガス
は、準安定状態を持っているガスであればよく、例えば
上記のHeのほかに、Ne,Ar,Kr,Xe,H2
2,が挙げられる。また、これらのガスを混合して使
用してもよい。希釈ガスもこれらのガスが使用できる。
【0038】(実施の形態2)実施の形態1に記載した
結晶膜の形成において、石英基板113上にa−Si:
H201を形成する前に、H2ガスのみを真空容器10
2内に導入し、0.1〜1.0Torrの圧力下で高周波
電力を0.01〜0.1W/cm2の電力密度で電極10
3に印加し、プラズマを発生させて石英基板113表面
に水素ラジカルを接触させて清浄化を行った。この場
合、a−Si:H層201上に形成した結晶性Si膜2
02は、結晶粒径が50μm以上と大きくなることを確
認した。
【0039】(実施の形態3)実施の形態1に記載した
結晶膜の形成において、石英基板113上に形成するa
−Si:H層201の膜厚を0.3nmから一連に増加
させた場合について調べてみた。その結果、a−Si:
H層201の膜厚が10nmを越えるとHeプラズマに
よる結晶化処理の後にも、a−Si:H層201の石英
基板113側に非晶質領域が残ることが判明した。
【0040】(実施の形態4)実施の形態1に記載した
結晶膜の形成において、石英基板113上に形成するa
−Si:H層201の膜厚を概ね10nmとし、Heプ
ラズマによる結晶化処理を行った後、図2(c)に示す
ように再度a−Si:H層203を約5nm積層しHe
プラズマによる結晶化処理を行った。この場合、a−S
i:H層201上に形成した結晶性Si膜202は、結
晶粒径が50μm以上と大きくなることを確認した。
【0041】また、積層するa−Si:H層の数を増や
すと、結晶性Si膜202の結晶粒径は大きくなること
も確認した。さらに、積層するa−Si:Hの膜厚を順
次減少させて行くことで、結晶粒径の増加が顕著になる
ことも確認した。但し、第1層目のa−Si:H層20
1膜厚が2nm以下の場合は、順次積層するa−Si:
H層の膜厚を減少させても効果は顕著ではなく、積層す
るa−Si:H層の膜厚は一定であってもよい。
【0042】(実施の形態5)図3に断面図で示した液
晶表示装置は、アクティブマトリックス型(以下、AM
LCと称する)のものである。AMLCは、液晶層を駆
動するための薄膜トランジスタ(以下、TFTと称す
る)あるいはダイオード、金属−絶縁体−金属(MI
M)素子などの能動素子を各画素に配置したものであ
る。但し、図3ではTFTを使用した例を示す。この場
合は、多結晶半導体(例えば、多結晶シリコンまたは単
結晶シリコン)を半導体層301として用いたTFTを
透明絶縁性基板(例えば、ホウ珪酸ガラス基板または石
英基板など)302上にマトリックス状に形成したもの
である。
【0043】TFTの形成はまず、透明絶縁性基板30
2上にゲート電極303を例えばCrまたはAl+Z
r、Al+Ta,Al−WなどのAl合金またはAl/
Cr積層で形成し、その後、SiNxゲート絶縁膜30
4をプラズマCVD法で形成した。次に、a−Si:H
層を1nm積層し、Heプラズマ中で準安定He原子と
の接触により該a−Si:H層を結晶化処理し、さらに
SiH4とH2の混合ガスを用いたプラズマCVD法で1
00nm厚の半導体層301を形成した。
【0044】さらに、SiNx半導体保護層305をプラ
ズマCVD法で形成した後、半導体層301および半導
体保護層305をパターニングした。次にオーミック性
を改善するためにプラズマCVD法においてSiH4とH
2とPH3の混合ガスを用いて上記の半導体層301と同
様にn型半導体層306を形成した後、ソース電極30
7・ドレイン電極308(例えばAlやMo、Mo/A
l/Mo多層構造からなる)を一括形成し、最後にIT
O透明電極309を形成し、TFTを作製した。
【0045】このTFTを評価したところ、半導体層3
01の電子の移動度は300〜500cm2/V・sであ
った。これは、レーザアニールで得られる多結晶Siを
半導体層としたTFTよりは3〜5倍向上していた。
【0046】その後、有機ポリマー(例えばポリイミド
またはポリビニルアルコール)からなる配向膜310を
0.01〜0.5μm厚で塗布、ラビングによる配向処
理をした。もう一方の透明絶縁性基板311には対向電
極312と遮光用のブラックマトリックス313を設
け、同様に配向膜314を塗布、配向処理を行うがこの
場合のラビングは先の基板とは約90゜ずれた方向に行
った。続いて、図3のように両基板の間にねじれネマテ
ィック液晶315を封入し、基板の前後に偏光板31
6,317を配置し、液晶表示装置を作製した。
【0047】この液晶表示装置の表示画像を評価したと
ころ、コントラストが150:1でXGAクラスの高精
細画像も従来のように分割駆動せずに動作できた。
【0048】
【発明の効果】以上説明したように、本発明に係る結晶
膜の形成方法によれば、結晶粒径が大きく結晶性の優れ
た結晶膜を、結晶でない絶縁物基板上でも低基板温度で
形成でき、安価で高速動作可能な半導体装置や液晶表示
装置が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る結晶膜の形成方法において使用し
た製造装置の一実施例を示す概略図
【図2】本発明に係る結晶膜の形成方法において作製し
た膜の一実施例を示す断面図
【図3】本発明に係る結晶膜の形成方法において作製し
た液晶表示装置の一実施例を示す断面図
【符号の説明】
101 電源 102 真空容器 103 電極 104 マッチング回路 105,106 原料ガスボンベ 107 希釈用ガスボンベ 108 結晶化処理用ガスボンベ 109〜112 マスフローコントローラー(MFC) 113 基板 114 ヒーター 115 真空ポンプ 116 排気用バルブ 117 水冷装置 118 グリッド電極 119,120 不純物ガスボンベ 121,122 マスフローコントローラー 201,203 非晶質シリコン層 202 結晶性Si層
フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI H01L 21/336

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】基板上に少なくとも非晶質相を含む膜を形
    成した後、少なくとも準安定状態にある粒子を前記非晶
    質相を含む膜に接触させて前記非晶質相を含む膜の原子
    配列を変化させ、前記非晶質相を含む膜を構成する原子
    を少なくとも含有する粒子を前記非晶質相に接触させて
    前記非晶質相を含む膜上に結晶膜を形成することを特徴
    とする結晶膜の形成方法。
  2. 【請求項2】非晶質相を含む膜の厚みが0.3nm以上
    10nm以下であることを特徴とする請求項1記載の結
    晶膜の形成方法。
  3. 【請求項3】非晶質相を含む膜を形成する前に、基板表
    面に水素ラジカルを少なくとも接触させることを特徴と
    する請求項1記載の結晶膜の形成方法。
  4. 【請求項4】準安定状態にある粒子が希ガス原子である
    ことを特徴とする請求項1記載の結晶膜の形成方法。
  5. 【請求項5】結晶膜を形成する前に、非晶質相を含む膜
    の形成と準安定状態にある粒子の接触を複数回繰り返す
    ことを特徴とする請求項1記載の結晶膜の形成方法。
  6. 【請求項6】非晶質相を含む膜の厚みが順に減少する、
    あるいは一定であることを特徴とする請求項5記載の結
    晶膜の形成方法。
  7. 【請求項7】結晶膜を構成する原子がシリコンであるこ
    とを特徴とする請求項1記載の結晶膜の形成方法。
  8. 【請求項8】高周波電源を接続したカソード電極と前記
    カソード電極と離して基板が配置され、かつ前記カソー
    ド電極と前記基板の間に接地または負にバイアスされた
    グリッド電極を配置した真空容器内に、準安定準位を有
    する原子からなる結晶化処理用ガスを導入し、前記カソ
    ード電極と基板の間にグロー放電を発生させて前記結晶
    化処理用ガスより生成した準安定粒子を前記基板表面に
    接触させて前記非晶質膜の原子配列を変化させることを
    特徴とする請求項1記載の結晶膜の形成方法。
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