JP2001331923A - 磁気記録媒体 - Google Patents

磁気記録媒体

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JP2001331923A
JP2001331923A JP2000149932A JP2000149932A JP2001331923A JP 2001331923 A JP2001331923 A JP 2001331923A JP 2000149932 A JP2000149932 A JP 2000149932A JP 2000149932 A JP2000149932 A JP 2000149932A JP 2001331923 A JP2001331923 A JP 2001331923A
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JP2000149932A
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English (en)
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Yuichiro Murayama
裕一郎 村山
Hiroshi Hashimoto
博司 橋本
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Fujifilm Holdings Corp
Original Assignee
Fuji Photo Film Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 走行耐久性、電磁変換特性、耐久性が良好な
磁気記録媒体を提供する。 【解決手段】 非磁性支持体上に少なくとも一層の強磁
性微粉末と結合剤を分散した磁性層を有する磁気記録媒
体において、該結合剤が重量平均分子量600以下の短
鎖ジオールと有機ジイソシアネートを用いて得られたポ
リウレタン樹脂を含み前記短鎖ジオールが炭素原子を共
有しない3〜5個のシクロヘキサン環、芳香環の少なく
ともいずれかを有する短鎖ジオールである磁気記録媒
体。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】非磁性支持体上に強磁性微粉
末と結合剤とを分散させてなる少なくとも一層以上の磁
性層を設けた磁気記録媒体において、優れた電磁変換特
性及び耐久性を有する磁気記録媒体に関する。
【0002】
【従来の技術】磁気記録媒体は、録音用テープ、ビデオ
テープあるいはフロッピー(登録商標)ディスクなどと
して広く用いられている。磁気記録媒体は、強磁性粉末
が結合剤(バインダー)中に分散された磁性層を非磁性
支持体上に積層している。磁気記録媒体は、電磁変換特
性、走行耐久性および走行性能などの諸特性において高
いレベルにあることが必要とされる。すなわち、音楽録
音再生用のオーディオテープにおいては、より高度の原
音再生能力が要求されている。また、ビデオテープにつ
いては、原画再生能力が優れているなど電磁変換特性が
優れていることが要求されている。このような優れた電
磁変換特性を有すると同時に、磁気記録媒体は良好な走
行耐久性を持つことが要求されている。そして、良好な
走行耐久性を得るために、一般には研磨材および潤滑剤
が磁性層中に添加されている。
【0003】磁気記録媒体の使用機器において媒体と磁
気ヘッドが摺動接触するために、磁気記録媒体の結合剤
中の低分子成分が磁性層表面付近に浮上して磁気ヘッド
に付着する磁気ヘッド汚れが生じるという問題があっ
た。磁気ヘッド汚れは電磁変換特性の劣化の原因となっ
ている。とくに、高密度記録用の機器では、磁気ヘッド
回転数が上昇しており、デジタルビデオテープレコーダ
では、磁気ヘッドの回転数が9600回転/分と、アナ
ログビデオテープレコーダの民生用の1800回転/
分、業務用の5000回転/分に比べて格段に高速回転
数であり、磁気記録媒体と磁気ヘッドとの摺動する速度
が大きくなり、また磁気ヘッドも薄膜ヘッド等のように
小型のものが用いられており、磁気記録媒体から生じる
成分による磁気ヘッド汚れの改善が求められている。
【0004】このような問題点を解決する方法として、
特許第2985242号公報には、磁性層、バックコー
ト層の結合剤としてグリコールの30モル%以上が、特
定構造の3環式グリコールからなるポリエステルポリオ
ールからなるウレタンを含有した磁気記録媒体が提案さ
れている。ところが、脂環族ジオールを用いたポリエス
テルポリオールからなるウレタンに関するものであであ
り、ウレタン中にエステル結合を持つために有機溶剤へ
の溶解性に乏しく強磁性微粉末の分散性が不充分であ
り、磁気特性の良好な磁気記録媒体を得ることができな
い。
【0005】また、特開平11−96539号公報に
は、ダイマージオールからなるウレタンを用いた磁気記
録媒体が記載されているが、ダイマージオールは、中鎖
のアルキル基を有しているために、磁性体への吸着が立
体障害によって阻害される場合もあり、分散性に不利に
作用する場合もあり、磁性体への吸着性を高めて分散性
を高めることには改良の余地があった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、優れた分散
性、塗膜平滑性、電磁変換特性を有する磁気記録媒体を
提供することを課題とするものであり、また走行耐久性
に優れた磁気記録媒体を提供することを課題とするもの
である。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明の課題は、非磁性
支持体上に少なくとも一層の強磁性微粉末と結合剤を分
散した磁性層を有する磁気記録媒体において、該結合剤
が重量平均分子量600以下の短鎖ジオールと有機ジイ
ソシアネートを用いて得られたポリウレタン樹脂を含み
前記短鎖ジオールが炭素原子を共有しない3〜5個のシ
クロヘキサン環、芳香環の少なくともいずれか一方を有
する短鎖ジオールである磁気記録媒体によって解決する
ことができる。また、非磁性支持体上に少なくとも一層
の非磁性微粉末と結合剤を分散させた非磁性層を有し、
その上に少なくとも一層の強磁性微粉末と結合剤を分散
した磁性層を有する磁気記録媒体において、前記の非磁
性層または磁性層の少なくともいずれか一方の結合剤が
重量平均分子量600以下の短鎖ジオールと有機ジイソ
シアネートを用いて得られたポリウレタン樹脂を含み前
記短鎖ジオールが炭素原子を共有しない3〜5個のシク
ロヘキサン環、または芳香環の少なくともいずれか一方
を有する短鎖ジオールである磁気記録媒体である。短鎖
ジオールがエステル結合を有しない前記の磁気記録媒体
である。また、短鎖ジオールが下群より選ばれる少なく
とも1種の短鎖ジオールを含む前記の磁気記録媒体であ
る。
【0008】
【化3】
【0009】
【発明の実施の形態】本願の発明は、シクロヘキサン
環、あるいは芳香環を有する短鎖ジオールをポリウレタ
ンに導入することによってウレタン結合濃度を高めて塗
膜強度を高めたものである。環状構造は有するジオール
によってウレタン結合濃度を高めようとすると、一般に
は、溶剤への溶解性が不利に作用し、磁性体への分散性
が不充分なものとなったが、炭素原子を共有しないシク
ロヘキサン環、芳香環を1分子中に3個以上有する重量
平均分子量500以下の短鎖ジオールを用いると、ウレ
タン結合の近傍に嵩高い骨格であるシクロヘキサン環や
芳香環が存在することによって、溶液中でのウレタン結
合同士の会合を立体障害的に防止でき、その結果溶剤へ
の溶解性が高まるものと推察される。そして、これによ
り、磁性体の分散性を向上させることができ、電磁変換
特性および走行耐久性を高めることができることを見出
したものである。
【0010】本願の発明のポリウレタン樹脂に用いる炭
素原子を共有しない3〜5個のシクロヘキサン環、芳香
環の少なくともいずれか一方を有する短鎖ジオールとし
ては、(A)シクロヘキサン環を有するもの 5,5’(1−メチルエチリデン)ビス−(1,1’ビ
シクロヘキシル)2オール、4,4’(1−メチルエチ
リデン)ビス−2メチルシクロヘキサノール、5,5’
(1,1’−シクロヘキシリデン)ビス−(1,1’ビ
シクロヘキシル)2オール、5,5’(1,1’−シク
ロヘシルメチレン)ビス−(1,1‘ビシクロヘキシ
ル)2オール、水添ビスフェノールP、水添テルペンジ
フェノール、モノメチロールシクロヘキサノン等の脂環
族モノオールを脱水縮合して得られるケトンジオールや
上記ジオールのエチレンオキサイド、プロピレンオキサ
イド付加物が挙げられる。
【0011】(B)芳香環を有するもの ジフェニルビスフェノールA、ジフェニルビスフェノー
ルS、ビスフェノールP、ジフェニルビスフェノール
P、9,9−ビス−(4−ヒドロキシフェニル)フルオ
レン、アセトフェノン等の芳香族モノオールを脱水縮合
して得られるケトンジオールや上記ジオールのエチレン
オキサイド、プロピレンオキサイド付加物が挙げられ
る。
【0012】(C)シクロヘキサン環及び芳香環を有す
るもの 4,4’−(3−メチルエチリデン)ビス(2−シクロ
ヘキシル−5−メチルフェノール)、4,4’−(3−
メチルエチリデン(ビス(2−フェニル−5メチルシク
ロヘキサノール)、4,4’−(1−フェニルエチリデ
ン)ビス(2−フェノール)、4,4’シクロヘキシリ
デンビス(2−メチルフェノール)テルペンジフェノー
ルやこれらのエチレンオキサイド、プロピレンオキサイ
ド付加物等が挙げられる。
【0013】これらのなかでも、シクロヘキサン環をも
つ(A)群のものであり、特に好ましくは5,5’(1
−メチルエチリデン)ビス−(1,1’ビシクロヘキシ
ル)2オール、5,5’(1,1’シクロヘキシリデ
ン)ビス−(1,1’ビシクロヘキシル)2オールであ
る。また、短鎖ジオ−ルの含有量は、好ましくは5〜6
5重量%。更に好ましくは20〜50重量%である。5
重量%よりも少ないと溶解性が低下する。65重量%よ
りも多いと塗膜がもろくなりやすい。
【0014】また、ウレタン基濃度は、2.0mmol
/g〜6.0mmol/gであることが好ましく、更に
好ましくは3.0mmol/g〜4.0mmol/gで
ある。2.0mmol/gよりも少ないと塗膜のTgが
低下し、耐久性が低下する。6.0mmol/gよりも
多いと溶液粘度が高くなり分子量調整しにくい等の合成
上の不都合が生じやすい。
【0015】また、ポリウレタンの重量平均分子量は、
30000〜70000が好ましい。さらに好ましくは
40000〜60000である。30000未満では塗
膜強度が低下し、耐久性が低下する。また、70000
以上では、溶剤への溶解性が低下し、分散性が低下す
る。ガラス転移温度Tgは40℃〜200℃が好まし
い。より好ましくは70℃〜180℃であり、更に好ま
しくは80℃〜170℃である。40℃未満では、高温
での塗膜強度が低下するので耐久性、保存性が低下す
る。一方200℃以上ではカレンダー成型性が低下し、
電磁変換特性が低下する。
【0016】また、ポリウレタン中の極性基としては、
−SO3M、−OSO3M、−PO32、−COOMが好
ましく、より好ましくは−SO3M、−OSO3Mであ
る。極性基の含有量は、1×10-5eq/g〜2×10
-4eq/gであることが好ましく、1×10-5未満では
磁性体への吸着が不十分となるので分散性が低下する。
また、2×10-4以上では溶剤への溶解性が低下するの
で分散性が低下する。ポリウレタン中のOH基は、2個
/分子〜20個/分子であることが好ましく、 更に好
ましくは3個/分子〜15個/分子である。3個/分子
未満ではイソシアネート硬化剤との反応性が低下するた
めに塗膜強度が低下し、 耐久性が低下する。一方、1
5個/分子以上では溶剤への溶解性が低下するので分散
性が低下する。
【0017】また、併用できる短鎖ジオールとしては、
分子量500以下の低分子ジオールを用いることができ
る。好ましくは分子量300以下のものである。具体的
には、エチレングリコール、1,3−プロパンジオー
ル、プロピレングリコール、、ネオペンチルグリコール
(NPG)、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタ
ンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,8−オク
タンジオール、1,9−ノナンジオール、2,2−ジメ
チル1,3−プロパンジオール、2−エチル2−ブチル
1,3−プロパンジオール、2,2−ジエチル1,3−
プロパンジオール等の脂肪族グリコールを挙げることが
でき、また、シクロヘキサンジメタノール(CHD
M)、シクロヘキサンジオール(CHD)、水素化ビス
フェノールA(H−BPA)等の脂環族グリコール及び
これらのエチレンオキシド付加物、プロピレンオキシド
付加物、ビスフェノールA(BPA)、ビスフェノール
S、ビスフェノールP、ビスフェノールFなど芳香族グ
リコール及びこれらのエチレンオキシド付加物、プロピ
レンオキシド付加物を挙げることができる。なかでも特
に好ましいものは水素化ビスフェノールA、ビスフェノ
−ルAのプロピレンオキシド付加物である。
【0018】併用できるポリオールとしては、ポリエス
テルポリオール、ポリエーテルポリオール、ポリオレフ
ィンポリオール、ポリカーボネートポリオール、ポリエ
ーテルエステルポリオールを用いることができる。なか
でもポリエーテルポリオールが好ましく。特にビスフェ
ノールAのポリプロピレンオキシド付加物が好ましい。
【0019】また、ジイソシアネ−トとしては、TDI
(トリレンジイソシアネート)、MDI(ジフェニルメ
タンジイソシアネート)、p−フェニレンジイソシアネ
ート、o−フェニレンジイソシアネート、m−フェニレ
ンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、水
素化キシリレンジイソシアネート、イソホロンジイソシ
アネートなどが好ましい。
【0020】本発明のポリウレタン樹脂に塩化ビニル系
の合成樹脂を併用しても良い。併用することができる塩
化ビニル系樹脂の重合度は200〜600が好ましく、
250〜450が特に好ましい。塩化ビニル系樹脂はビ
ニル系モノマー、例えば酢酸ビニル、ビニルアルコー
ル、塩化ビニリデン、アクリロニトリルなどを共重合さ
せたものでもよい。
【0021】本発明のポリウレタン樹脂の他に各種の合
成樹脂を用いることができる。例えば、塩化ビニル系樹
脂、エチレン・酢酸ビニル共重合体、ニトロセルロース
樹脂などのセルロース誘導体、アクリル樹脂、ポリビニ
ルアセタール樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、エポキ
シ樹脂、フェノキシ樹脂である。これらは、単独でも組
み合わせでも使用することができる。
【0022】他の合成樹脂を併用する場合には、磁性層
に含まれるポリウレタンは、結合剤中に10〜90重量
%を含有されていることが好ましく、さらに好ましくは
20〜80重量%の量である。特に好ましくは25〜6
0重量%の量である。また塩化ビニル系樹脂は、結合剤
中に10〜80重量%含有されていることが好ましく、
さらに好ましくは20〜70重量%の量である。特に好
ましくは30〜60重量%の量である。
【0023】また、本発明の結合剤とともに、ポリイソ
シアネート化合物等の硬化剤を使用することができる。
ポリイソシアネート化合物の例としては、トリレンジイ
ソシアネート3モルとトリメチロールプロパン1モルと
の反応性生物(例、デスモジュールL−75(バイエル
社製))、キシリレンジイソシアネートあるいはヘキサ
メチレンジイソシアネートなどのジイソシアネート3モ
ルとトリメチロールプロパン1モルとの反応生成物、ヘ
キサメチレンジイソシアネート3モルとのビューレット
付加化合物、トリレンジイソシアネート5モルのイソシ
アヌレート化合物、トリレンジイソシアネート3モルと
ヘキサメチレンジイソシアネート2モルのイソシアヌレ
ート付加化合物、イソホロンジイソシアネートおよびジ
フェニルメタンジイソシアネートのポリマーを挙げるこ
とができる。
【0024】磁性層に含まれるポリイソシアネート化合
物は、結合剤中に10〜50重量%の範囲で含有されて
いることが好ましく、さらに好ましくは20〜40重量
%の範囲である。また、電子線照射による硬化処理を行
う場合には、ウレタンアクリレート等のような反応性二
重結合を有する化合物を使用することができる。樹脂成
分と硬化剤との合計(すなわち結合剤)の重量は、強磁
性粉末100重量部に対して、通常15〜40重量部の
範囲内にあることが好ましく、さらに好ましくは20〜
30重量部である。
【0025】本発明の磁気記録媒体に使用される強磁性
粉末は、コバルト含有強磁性酸化鉄又は強磁性合金粉末
でSBET 比表面積が40〜80m2 /g、好ましくは5
0〜70m2 /gである。結晶子サイズは12〜25n
m、好ましくは13〜22nmであり、特に好ましくは
14〜20nmである。長軸長は0.05〜0.25μ
mであり、好ましくは0.07〜0.2μmであり、特
に好ましくは0.08〜0.15μmである。強磁性粉
末としては、イットリウムを含むFe、Fe−Co、F
e−Ni、Co−Ni−Feが挙げられ、強磁性粉末中
のイットリウム含有量は、鉄原子に対してイットリウム
原子の比、Y/Feが0.5原子%〜20原子%が好ま
しく、更に好ましくは、5〜10原子%である。0.5
原子%よりも少ないと強磁性粉末の高σS化できないた
めに磁気特性が低下し、電磁変換特性が低下する。20
原子%よりも大きいと鉄の含有量が少なくなるので磁気
特性が低下し、電磁変換特性が低下する。さらに、鉄1
00原子%に対して20原子%以下の範囲内で、アルミ
ニウム、ケイ素、硫黄、スカンジウム、チタン、バナジ
ウム、クロム、マンガン、銅、亜鉛、モリブデン、ロジ
ウム、パラジウム、錫、アンチモン、ホウ素、バリウ
ム、タンタル、タングステン、レニウム、金、鉛、リ
ン、ランタン、セリウム、プラセオジム、ネオジム、テ
ルル、ビスマス等を含むことができる。また、強磁性金
属粉末が少量の水、水酸化物または酸化物を含むものな
どであってもよい。
【0026】本発明の、コバルト、イットリウムを導入
した強磁性粉末の製造方法の一例を示す。第一鉄塩とア
ルカリを混合した水性懸濁液に、酸化性気体を吹き込む
ことによって得られるオキシ水酸化鉄を出発原料とする
例を挙げることができる。このオキシ水酸化鉄の種類と
しては、α−FeOOHが好ましく、その製法として
は、第一鉄塩を水酸化アルカリで中和してFe(OH)
2 の水性懸濁液とし、この懸濁液に酸化性ガスを吹き込
んで針状のα−FeOOHとする第一の製法がある。一
方、第一鉄塩を炭酸アルカリで中和してFeCO3 の水
性懸濁液とし、この懸濁液に酸化性気体を吹き込んで紡
錘状のα−FeOOHとする第この製法がある。このよ
うなオキシ水酸化鉄は第一鉄塩水溶液とアルカリ水溶液
とを反応させて水酸化第一鉄を含有する水溶液を得て、
これを空気酸化等により酸化して得られたものであるこ
とが好ましい。この際、第一鉄塩水溶液にNi塩や、C
a塩、Ba塩、Sr塩等のアルカリ土類元素の塩、Cr
塩、Zn塩などを共存させても良く、このような塩を適
宣選択して用いることによって粒子形状(軸比)などを
調製することができる。
【0027】第一鉄塩としては、塩化第一鉄、硫酸第一
鉄等が好ましい。またアルカリとしては水酸化ナトリウ
ム、アンモニア水、炭酸アンモニウム、炭酸ナトリウム
等が好ましい。また、共存させることができる塩として
は、塩化ニッケル、塩化カルシウム、塩化バリウム、塩
化ストロンチウム、塩化クロム、塩化亜鉛等の塩化物が
好ましい。次いで、鉄にコバルトを導入する場合は、イ
ットリウムを導入する前に、硫酸コバルト、塩化コバル
ト等のコバルト化合物の水溶液を前記のオキシ水酸化鉄
のスラリーに撹拌混合する。コバルトを含有するオキシ
水酸化鉄のスラリーを調製した後、このスラリーにイッ
トリウムの化合物を含有する水溶液を添加し、撹拌混合
することによって導入することができる。
【0028】本発明の強磁性粉末には、イットリウム以
外にもネオジム、サマリウム、プラセオジウム、ランタ
ン等を導入することができる。これらは、塩化イットリ
ウム、塩化ネオジム、塩化サマリウム、塩化プラセオジ
ウム、塩化ランタン等の塩化物、硝酸ネオジム、硝酸ガ
ドリニウム等の硝酸塩などを用いて導入することがで
き、これらは、二種以上を併用しても良い。強磁性粉末
の形状に特に制限はないが、通常は針状、粒状、サイコ
ロ状、米粒状および板状のものなどが使用される。とく
に針状の強磁性粉末を使用することが好ましい。
【0029】上記の樹脂成分、硬化剤および強磁性粉末
を、通常磁性塗料の調製の際に使用されているメチルエ
チルケトン、ジオキサン、シクロヘキサノン、酢酸エチ
ル等の溶剤と共に混練分散して磁性塗料とする。混練分
散は通常の方法に従って行うことができる。
【0030】なお、磁性塗料中には、上記成分以外に、
α−Al2 3 、Cr2 3 等の研磨材、カーボンブラ
ック等の帯電防止剤、脂肪酸、脂肪酸エステル、シリコ
ーンオイル等の潤滑剤、分散材など通常使用されている
添加剤あるいは充填剤を含むものであってもよい。
【0031】次に本発明が多層構成の場合における下層
非磁性層または下層磁性層について説明する。本発明の
下層に用いられる無機粉末は、磁性粉末、非磁性粉末を
問わない。例えば非磁性粉末の場合、金属酸化物、金属
炭酸塩、金属硫酸塩、金属窒化物、金属炭化物、金属硫
化物、等の無機質化合物から選択することができる。無
機化合物としては例えばα化率90〜100%のα−ア
ルミナ、β−アルミナ、γ−アルミナ、炭化ケイ素、酸
化クロム、酸化セリウム、α−酸化鉄、コランダム、窒
化珪素、チタンカ−バイト、酸化チタン、二酸化珪素、
酸化すず、酸化マグネシウム、酸化タングステン、酸化
ジルコニウム、窒化ホウ素、酸化亜鉛、炭酸カルシウ
ム、硫酸カルシウム、硫酸バリウム、二硫化モリブデン
などが単独または組合せで使用される。特に好ましいの
は二酸化チタン、酸化亜鉛、酸化鉄、硫酸バリウムであ
り、更に好ましいのは二酸化チタンである。これら非磁
性粉末の平均粒径は0.005〜2μmが好ましいが、
必要に応じて平均粒径の異なる非磁性粉末を組み合わせ
たり、単独の非磁性粉末でも粒径分布を広くして同様の
効果をもたせることもできる。とりわけ好ましいのは非
磁性粉末の平均粒径は0.01μm〜0.2μmであ
る。非磁性粉末のpHは6〜9の間が特に好ましい。非
磁性粉末の比表面積は1〜100m2/g、好ましくは
5〜50m2/g、更に好ましくは7〜40m2/gであ
る。非磁性粉末の結晶子サイス゛は0.01μm〜2μmが
好ましい。DBPを用いた吸油量は5〜100ml/10
0g、好ましくは10〜80ml/100g、更に好ましくは
20〜60ml/100gである。比重は1〜12、好まし
くは3〜6である。形状は針状、球状、多面体状、板状
のいずれでも良い。
【0032】これらの非磁性粉末の表面には、表面処理
によってAl2O3、SiO2、TiO2、ZrO2,SnO2,Sb2O3,ZnO
が存在することが好ましい。特に分散性に好ましいのは
Al2O 3、SiO2、TiO2、ZrO2、であるが、更に好ましいの
はAl2O3、SiO2、ZrO2である。これらは組み合わせて使
用しても良いし、単独で用いることもできる。また、目
的に応じて共沈させた表面処理層を用いても良いし、先
ずアルミナで処理した後にその表層をシリカで処理する
方法、またはその逆の方法を採ることもできる。また、
表面処理層は目的に応じて多孔質層にしても構わない
が、均質で密である方が一般には好ましい。
【0033】下層にカーボンブラックを混合させて公知
の効果であるRsを下げることができるとともに、所望
のマイクロビッカース硬度を得る事ができる。このため
にはゴム用ファーネスブラック、ゴム用サーマルブラッ
ク、カラー用カーボンブラック、アセチレンブラック等
を用いることができる。カーボンブラックの比表面積は
100〜500m2/g、好ましくは150〜400m2
/g、DBP吸油量は20〜400ml/100g、好ましく
は30〜200ml/100gである。カーボンブラックの平
均粒径は5mμ〜80mμ、好まし<10〜50mμ、
さらに好ましくは10〜40mμである。カーボンブラ
ックのpHは2〜10、含水率は0.1〜10%、タッ
プ密度は0.1〜1g/ml、が好ましい。本発明に用い
られるカーボンブラックの具体的な例としてはキャボッ
ト社製、BLACKPEARLS 2000、130
0、1000、900、800,880,700、VU
LCAN XC−72、三菱化学社製、#3050B,
3150B,3250B、#3750B、#3950
B、#950、#650B,#970B、#850B、
MA−600、コロンビアカーボン社製、CONDUC
TEX SC、RAVEN 8800,8000,7000,5750,525
0,3500,2100,2000,1800,1500,1255,1250 、ケッチェン
・ブラック・インターナショナル社製ケッチェンブラッ
クECなどが挙げられる。
【0034】本発明の下層にはまた、磁性粉末を用いる
こともできる。磁性粉末としては、γ−Fe23、Co
変性γ−Fe23、α−Feを主成分とする合金、Cr
2等が用いられる。特に、Co変性γ−Fe23が好
ましい。本発明の下層に用いられる強磁性粉末は上層磁
性層に用いられる強磁性粉末と同様な組成、性能が好ま
しい。ただし、目的に応じて、上下層で性能を変化させ
ることは公知の通りである。例えば、長波長記録特性を
向上させるためには、下層磁性層のHcは上層磁性層の
それより低く設定することが望ましく、また、下層磁性
層のBrを上層磁性層のそれより高くする事が有効であ
る。それ以外にも、公知の重層構成を採る事による利点
を付与させることができる。
【0035】下層磁性層または下層非磁性層の結合剤、
潤滑剤、分散剤、添加剤、溶剤、分散方法その他は磁性
層のそれが適用できる。特に、結合剤量、種類、添加
剤、分散剤の添加量、種類に関しては磁性層に関する公
知技術が適用できる。以上の材料により調製した磁性塗
料を非磁性支持体上に塗布して磁性層を形成する。
【0036】本発明に用いることのできる非磁性支持体
としては二軸延伸を行ったポリエチレンナフタレート、
ポリエチレンテレフタレート、ポリアミド、ポリイミ
ド、ポリアミドイミド、芳香族ポリアミド、ポリベンズ
オキシダゾール等の公知のものが使用できる。好ましく
はポリエチレンナフタレート、芳香族ポリアミドであ
る。これらの非磁性支持体はあらかじめコロナ放電、プ
ラズマ処理、易接着処理、熱処理、などを行っても良
い。また本発明に用いることのできる非磁性支持体は中
心線平均表面粗さがカットオフ値0.25mmにおいて
0.1〜20nm、好ましくは1〜10nmの範囲とい
う優れた平滑性を有する表面であることが好ましい。ま
た、これらの非磁性支持体は中心線平均表面粗さが小さ
いだけでな<1μ以上の粗大突起がないことがこのまし
い。
【0037】本発明の磁気記録媒体の製造方法は例え
ば、走行下にある非磁性支持体の表面に下層用の塗布液
を塗布した後に、あるいは同時に磁性塗料を塗布し、磁
性層の乾燥後の層厚が0.05〜1.00μm、より好
ましくは0.07〜0.5μmになるように塗布し、下
層の乾燥後の厚さが0.5〜2.0μmとなるように、
より好ましくは1.0〜1.5μmとなるように塗布す
る。
【0038】上記磁性塗料を塗布する塗布機としては、
エアードクターコート、ブレードコート、ロッドコー
ト、押出しコート、エアナイフコート、スクイズコー
ト、含浸コート、リバースロールコート、トランスファ
ーロールコート、グラビヤコート、キスコート、キャス
トコート、スプレイコート、スピンコート等が利用でき
る。 これらについては例えば株式会社総合技術センタ
ー発行の「最新コーティング技術」(昭和58年5月3
1日)を参考にできる。
【0039】本発明を二層以上の構成の磁気記録媒体に
適用する場合、塗布する装置、方法の例として以下のも
のを提案できる。 (1)磁性塗料の塗布で一般的に適用されるグラビア、
ロール、ブレード、エクストルージョン等の塗布装置に
より、まず下層を塗布し、下層が未乾燥の状態のうちに
特公平1-46186号公報、特開昭60-238179
号公報、特開平2-265672号公報等に開示されて
いるような支持体加圧型エクストルージョン塗布装置に
より、上層を塗布する。 (2)特開昭63-88080号公報、特開平2-179
71号公報、特開平2-265672号公報に開示され
ているような塗布液通液スリットを2個有する一つの塗
布ヘッドにより上下層をほぼ同時に塗布する。 (3)特開平2-174965号公報に開示されている
ようなバックアップロール付きのエクストルージョン塗
布装置により、上下層をほぼ同時に塗布する。
【0040】本発明で用いる非磁性支持体の磁性塗料が
塗布されていない面にバック層(バッキング層)が設け
られていてもよい。通常バック層は、非磁性支持体の磁
性塗料が塗布されていない面に、研磨材、帯電防止剤な
どの粒状成分と結合剤とを有機溶剤に分散したバック層
形成塗料を塗布して設けられた層である。なお、非磁性
支持体の磁性塗料およびバックコート層形成塗料の塗布
面に接着剤層が設けられいてもよい。塗布された磁性塗
料の塗布層は、磁性塗料の塗布層中に含まれる強磁性粉
末を磁場配向処理を施した後に乾燥される。
【0041】このようにして乾燥された後、塗布層に表
面平滑化処理を施す。表面平滑化処理には、たとえばス
ーパーカレンダーロールなどが利用される。表面平滑化
処理を行うことにより、乾燥時の溶剤の除去によって生
じた空孔が消滅し磁性層中の強磁性粉末の充填率が向上
するので、電磁変換特性の高い磁気記録媒体を得ること
ができる。カレンダー処理ロールとしてはエポキシ、ポ
リイミド、ポリアミド、ポリアミドイミド等の耐熱性プ
ラスチックロールを使用する。また金属ロールで処理す
ることもできる。
【0042】本発明の磁気記録媒体は、表面の中心線平
均粗さが、カットオフ値0.25mmにおいて0.1〜
4nm、好ましくは1〜3nmの範囲という極めて優れ
た平滑性を有する表面であることが好ましい。その方法
として、例えば上述したように特定の強磁性粉末と結合
剤を選んで形成した磁性層を上記カレンダー処理を施す
ことにより行われる。カレンダー処理条件としては、カ
レンダーロールの温度を60〜100℃の範囲、好まし
くは70〜100℃の範囲、特に好ましくは80〜10
0℃の範囲であり、線圧は98〜490kN/cmの範
囲であり、好ましくは196〜441kN/mの範囲で
あり、特に好ましくは294〜393kN/cmの範囲
の条件で作動させることによって行われることが好まし
い。得られた磁気記録媒体は、裁断機などを使用して所
望の大きさに裁断して使用することができる。
【0043】
【実施例】以下に実施例、比較例を示し、本発明をさら
に詳細に説明する。実施例中の「部」の表示は「重量
部」を示す。 (ポリウレタン樹脂の合成)表1に示した組成のジオー
ル、ポリオ−ルを還流式冷却器、撹拌機を具備し、予め
窒素置換した容器にシクロヘキサノンに30重量%の溶
液となるように窒素気流下60℃で溶解した。次いで触
媒として、ジ−n−ブチルスズジラウレート60ppm
を加え更に15分間溶解した。更に表1に示したジイソ
シアネートを加え90℃にて6時間加熱反応し、ポリウ
レタン樹脂溶液A〜Nを得た。得られたポリウレタンの
分子量及びガラス転移温度Tgを表1に示す。また、分
子量は、高速液体クロマトグラフィー(東ソー製HLC
8020)を用い、テトラヒドロフラン溶媒流量1ml
/minの条件で、標準ポリスチレン換算で求めた。
【0044】
【表1】ホ゜リ 短鎖ジオール ポリオール その他のシ゛オール シ゛イソシアネ-トウレタン 種類 含有量 種類 含有量 種類 含有量 種類 含有量 Mw Tg A 化合物A 38 ホ゜リオールA 25 DEIS 2 MDI 35 41000 110 B 化合物B 35 ホ゜リオールA 30 DEIS 2 MDI 33 38000 120 C 化合物C 35 ホ゜リオールA 30 DEIS 2 MDI 33 40000 130 D 化合物D 29 ホ゜リオールA 26 DEIS 2 MDI 43 37000 135 E 化合物A 35 ホ゜リオールA 35 DEIS 2 TDI 28 40500 110 F 化合物A 63 なし 0 DEIS 2 MDI 35 37000 200 G 化合物E 30 ホ゜リオールA 30 DEIS 2 MDI 38 41000 120 H 化合物F 36 ホ゜リオールA 34 DEIS 2 MDI 28 39000 110 I 化合物G 36 ホ゜リオールA 34 DEIS 2 MDI 28 36000 120 J 化合物H 35 ホ゜リオールA 35 DEIS 2 MDI 28 37000 130 K 化合物I 35 ホ゜リオールA 35 DEIS 2 MDI 28 40000 110 L 化合物J 35 ホ゜リオールA 25 DEIS 2 MDI 38 38000 90 M 化合物K 35 ホ゜リオールA 25 DEIS 2 MDI 38 38000 90 N 化合物L 30 ホ゜リオールA 30 DEIS 2 MDI 38 41700 90
【0045】ただし、表中の含有量は重量%。 化合物A:5,5'(1-メチルエチリテ゛ン)ヒ゛ス(1,1'ヒ゛シクロヘキシル)-シ゛オー
ル 化合物B:5,5'(1-シクロヘキシリテ゛ン)ヒ゛ス(1,1'ヒ゛シクロヘキシル)-シ゛オ
ール 化合物C:5,5'(1-シクロヘキシルメチレン)ヒ゛ス(1,1'ヒ゛シクロヘキシル)-シ゛
オール 化合物D:9,9-ヒ゛ス-4,2-ヒト゛ロキシエトキシフェニルフルオレン 化合物E:9,9-ヒ゛ス-4,2-ヒト゛ロキシエトキシシクロヘキシルフルオレン 化合物F:ビスフェノールP 化合物G:水添ビスフェノールP 化合物H:テルペンジフェノール 化合物 I:水添テルペンジフェノール 化合物J:ヘキサヒドロビスフェノールA 化合物K:ビスフェノールA 化合物L:1,4−シクロヘキサンジメタノール ポリオ−ルA:ヒ゛スフェノ-ルAのホ゜リエチレンオキシト゛付加物(Mw10
00) DEIS:スルホイソフタル酸のエチレンオキシト゛付加物 MDI:ジフェニルメタンジイソシアネート TDI:トリレンジイソシアネート
【0046】実施例1 強磁性合金粉末(組成:Fe:Co:Y=89:5:6
(原子比)Hc:159kA/m,結晶子サイズ15n
m,BET比表面積59m2/g,長軸径0.12μ
m,針状比7,σs150Am2/kg)100部 を
オープンニーダーで10分間粉砕し、次いで、ポリウレ
タンA 20部(固形分)、シクロヘキサノン60部で
60分間混練し、次いで 研磨剤 (Al23 粒子サイズ0.3μm) 2部 カーボンブラック (粒子サイズ 40nm) 2部 メチルエチルケトン/トルエン=1:1(重量比) 200部 を加えてサンドミルで120分間分散した。これに ポリイソシアネート(日本ポリウレタン製コロネート3041 固形分) 5部 ブチルステアレート 2部 ステアリン酸 1部 メチルエチルケトン 50部 を加え、さらに20分間撹拌混合したあと、1μmの平
均孔径を有するフィルターを用いて濾過し、磁性塗料を
調製した。次いで接着層としてスルホン酸含有ポリエス
テル樹脂を乾燥後の厚さが0.1μmになるようにコイ
ルバーを用いて厚さ10μmのアラミド支持体の表面に
塗布した。
【0047】次いで得られた磁性塗料を乾燥後の厚さが
1.5μmになるように、リバースロールを用いて塗布
した。磁性塗料が塗布された非磁性支持体を、磁性塗料
が未乾燥の状態で0.5Tのコバルト磁石と0.4Tの
ソレノイド磁石で磁場配向を行ない、塗布したものを金
属ロール−金属ロール−金属ロール−金属ロール−金属
ロール−金属ロール−金属ロールの組み合せによるカ
レンダー処理を(速度100m/min、線圧294.
2kN/m、温度90℃)で行なった後3.8mm幅に
裁断し、磁気記録媒体を作製した。得られた磁気記録媒
体を以下の評価方法によって評価を行いその結果を表2
に示す。
【0048】実施例2〜11及び比較例1〜3 ポリウレタン樹脂Aを表2に示したポリウレタン樹脂に
変更した点を除き、実施例1と同様の方法で実施例2〜
11及び比較例1〜3の磁気記録媒体を作製し、実施例
1と同様に評価を行い、その結果を表2に示す。
【0049】(測定方法) (1)表面平滑性 走査プローブ顕微鏡(Digital Instrum
ent社製NanoscopeII)を用い、トンネル
電流10nA、バイアス電流400mVで30μm×3
0μmの範囲を走査して10nm以上の突起数を求めた
比較例1を10としたときの相対値で示した。 (2)SQ特性 振動式試料型磁束計(東英工業製)を用い外部磁場強度
3.98×105A/mの条件で測定した。 (3)電磁変換特性 DDS3ドライブにて4.7MHzの単一周波数信号を
最適記録電流で記録し、その再生出力を測定した。比較
例1の再生出力を0dBとした相対値で示した。 (4)繰り返し走行耐久性 テープを50℃、0%RHの乾燥下で磁性層面をDDS
3ドライブに使用されているガイド棒に接触させて荷重
9.81×10-2N(T1)を加えて、8mm/sの速
度となるように張力(T2)を加えて引っ張りT2/T
1よりガイド棒に対する磁性面の摩擦係数を求めた。測
定は繰り返し500パスまで行い、1パス目と500パ
ス目の摩擦係数を求め、1パス目の摩擦係数を1とした
ときの500パス目の摩擦係数を相対値で示した。測定
後のガイド棒の汚れを微分干渉光学顕微鏡で観察し、以
下の評価基準で評価した。 優秀:汚れが全くみられない。 不良:汚れがある。
【0050】
【表2】 走行耐久性 ホ゜リウレタン 表面 SQ 電磁変換特性 摩擦係数 カ゛イト゛棒 平滑性 (dB) の変化 汚れ 実施例1 A 80 0.88 0.7 1.5 優秀 実施例2 B 85 0.88 0.7 1.3 優秀 実施例3 C 79 0.89 0.6 1.3 優秀 実施例4 D 80 0.88 0.7 1.2 優秀 実施例5 E 83 0.87 0.7 1.5 優秀 実施例6 F 90 0.84 0.4 1.0 優秀 実施例7 G 90 0.88 0.7 1.5 優秀 実施例8 H 88 0.86 0.5 1.5 優秀 実施例9 I 85 0.88 0.6 1.6 優秀 実施例10 J 85 0.87 0.7 1.4 優秀 実施例11 K 83 0.88 0.7 1.5 優秀 比較例1 L 100 0.76 0.0 2.3 不良 比較例2 M 120 0.76 0.0 2.5 不良 比較例3 N 115 0.80 0.2 2.5 不良
【0051】実施例12 (重層構成磁気記録媒体)上層用磁性塗料は実施例1と
同様のものを用いた。 (下層用塗料の調製)α−Fe23(平均粒径0.15
μm、SBET52m2/g、表面処理Al23、Si
2、pH6.5〜8.0)85部をオープンニーダー
で10分間粉砕し、次いで、塩化ビニル/酢酸ビニル/
グリシジルメタクリレート共重合体=86/9/5(重
量比)にヒドロキシエチルスルホネートナトリウム塩を
付加した化合物(SO3Na=6×10-5eq/g、エ
ポキシ=10-3eq/g、Mw30000)を7.5部
及び、表1に記載のポリウレタンH 10部(固形
分)、シクロヘキサノン60部で60分間混練し、次い
で メチルエチルケトン/シクロヘキサノン=6/4(重量比) 200部 を加えてサンドミルで120分間分散した。これに ブチルステアレート 2部 ステアリン酸 1部 メチルエチルケトン 50部 を加え、さらに20分間撹拌混合した後、1μmの平均
孔径を有するフィルターを用いて濾過し、下層用塗料を
調製した。
【0052】次いで接着層としてスルホン酸含有ポリエ
ステル樹脂を乾燥後の厚さが0.1μmになるようにコ
イルバーを用いて厚さ10μmのアラミド支持体の表面
に塗布した。次いで得られた下層用塗料を塗布し、さら
にその直後に上層磁性塗料を表3に示す上層及び下層の
乾燥後の厚さとなるように、リバースロールを用いて同
時重層塗布した。磁性塗料が塗布された非磁性支持体
を、磁性塗料が未乾燥の状態で0.5Tのコバルト磁石
と0.4Tのソレノイド磁石で磁場配向を行った後に金
属ロール−金属ロール−金属ロール−金属ロール−金属
ロール−金属ロール−金属ロールの組み合せによるカレ
ンダー処理を(速度100m/min、線圧294.2
kN/m、温度90℃)で行なった後3.8mm幅に裁
断して磁気記録媒体を作製し、実施例1と同様に評価を
行い、その結果を表3に示す。
【0053】実施例13〜14及び比較例4 上層ポリウレタン及び下層用ポリウレタンを表3に示し
たポリウレタンに変更して、実施例8と同様の方法で実
施例13〜14及び比較例4を作製し、実施例1と同様
に評価を行い、その結果を表3に示す。
【0054】
【表3】 電磁変 走行耐久性 ホ゜リウレタン 厚み(μm) 表面 換特性 摩擦係数 カ゛イト゛棒 上層 下層 上層 下層 平滑性 SQ (dB) 変化 汚れ 実施例12 A A 0.5 1.5 65 0.88 0.8 1.5 優秀 実施例13 A L 0.5 1.5 75 0.88 0.7 1.8 優秀 実施例14 L A 0.5 1.5 75 0.83 0.5 1.8 優秀 比較例4 L L 0.5 1.5 95 0.81 -0.3 2.7 不良
【0055】
【発明の効果】本発明の磁気記録媒体は、塗膜表面を平
滑にすることができたので、電磁変換特性が向上し、ま
た繰り返し走行耐久性が向上した。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C09D 175/04 C09D 175/04 G11B 5/738 G11B 5/738 Fターム(参考) 4J002 CK021 DC006 DE116 GS01 4J034 CA04 CB03 CC12 CC15 CC23 CC45 CC52 CC53 CC54 CC55 CC61 CC62 CC65 CC66 CC68 CC69 HA01 HA07 HC12 HC17 HC22 HC46 HC52 HC61 HC67 HC71 HC73 MA03 RA16 4J038 DG051 DG261 HA066 HA216 KA20 MA14 NA22 PB11 5D006 BA15 CA01 FA02 FA05 FA09

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 非磁性支持体上に少なくとも一層の強磁
    性微粉末と結合剤を分散した磁性層を有する磁気記録媒
    体において、該結合剤が重量平均分子量600以下の短
    鎖ジオールと有機ジイソシアネートを用いて得られたポ
    リウレタン樹脂を含み前記短鎖ジオールが炭素原子を共
    有しない3〜5個のシクロヘキサン環、芳香環の少なく
    ともいずれか一方を有する短鎖ジオールであることを特
    徴とする磁気記録媒体。
  2. 【請求項2】 短鎖ジオールが下群より選ばれる少なく
    とも1種の短鎖ジオールを含むこと特徴とする請求項1
    記載の磁気記録媒体。 【化1】
  3. 【請求項3】 非磁性支持体上に少なくとも一層の非磁
    性微粉末と結合剤を分散させた非磁性層を有し、その上
    に少なくとも一層の強磁性微粉末と結合剤を分散した磁
    性層を有する磁気記録媒体において、前記の非磁性層ま
    たは磁性層の少なくともいずれか一方の結合剤が重量平
    均分子量600以下の短鎖ジオールと有機ジイソシアネ
    ートを用いて得られたポリウレタン樹脂を含み前記短鎖
    ジオールが炭素原子を共有しない3〜5個のシクロヘキ
    サン環、または芳香環の少なくともいずれか一方を有す
    る短鎖ジオールであることを特徴とする磁気記録媒体。
  4. 【請求項4】 短鎖ジオールが下群より選ばれる少なく
    とも1種の短鎖ジオールを含むこと特徴とする請求項3
    記載の磁気記録媒体。 【化2】
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