JP3894267B2 - 磁気記録媒体 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
強磁性粉末と結合剤とを分散させてなる磁性層を支持体上に設けた磁気記録媒体に関する。
【0002】
【従来の技術】
磁気記録媒体は、録音用テープ、ビデオテープあるいはフロッピーディスクなどとして広く用いられている。磁気記録媒体は、強磁性粉末が結合剤(バインダ)中に分散された磁性層を支持体上に積層している。
【0003】
磁気記録媒体は、電磁変換特性、走行耐久性および走行性能などの諸特性において高いレベルにあることが必要とされる。すなわち、音楽録音再生用のオーディオテープにおいては、より高度の原音再生能力が要求されている。また、ビデオテープについては、原画再生能力が優れているなど電磁変換特性が優れていることが要求されている。このような優れた電磁変換特性を有すると同時に、磁気記録媒体は前述のように良好な走行耐久性を持つことが要求されている。そして、優れた電磁変換特性及び良好な走行耐久性を得るためのアプローチの一つとして結合剤の分散性を改善する方法が取られている。
【0004】
例えば、特開平11−96539号公報(以下、「文献A」という)には、ダイマージオールを成分とするポリウレタを開示し、この結合剤を用いた磁気記録媒体は、粉体の分散安定性の向上、平滑性の改善、出力低下抑制、ヘッド汚れの防止、保存性(60℃、90%RH1ヶ月後の出力低下抑制、ヘッド汚れの防止)の向上が図れる旨の記載がある。
上述の文献Aは、本出願人によるものであり、高強度、高分散性のポリウレタンを結合剤として用いることを特徴とするが、塗布液の粘度調整やテープ物性調整などのために極性基を含有した塩化ビニル系樹脂を併用しなければならず、塩酸発生によるヘッド腐食や磁気記録媒体の廃棄時の環境保全が十分でないなどの問題があった。
【0005】
一方、そのような環境保全に好適な結合剤として、例えば、特開平5−307734号公報(以下、「文献B」という)には、Tgの異なる2種以上のポリエステルウレタンのみのバインダーを開示し、特開平6−52539号公報(以下、「文献C」という)には、ポリエステルウレタンのみをバインダーとすると共に、低分子成分を除去し、Tgを60〜80℃とした結合剤を開示している。
しかしながら、文献B及びCは、環境保全に有用な磁気記録媒体を提供できるが、それらが開示するポリウレタン樹脂では分散性、平滑性、電磁変換特性が不十分であり、また保存性も十分とは言えないものであった。
【0006】
ところで、近年の大容量、高速且つ高信頼性が要求されるデータメディアに使用した場合、磁気記録媒体から発生する極めて微量の塩酸ガスがテープの保存性のみならずヘッドの腐食にも悪影響を及ぼす可能性があることが分かってきた。特にコンピューター用のデータ記録システムで使われているMR(Magnet Resistance)ヘッドは金属薄膜を用いており、腐食による特性の劣化が懸念されるものであり、その対応が課題となっている。
また特に高温高湿度下において長期にテープを保存した場合に塩酸ガスによるテープ中の素材の変質、例えばエステル潤滑剤の加水分解によって発生する脂肪酸が、磁性層表面に移動析出、結晶化することがあり、従来よりも記録密度が向上しているため、より微小な異物もその影響が大きくなってきているという問題があった。
即ち、優れた電磁変換特性、保存性及び環境保全性を併有する磁気記録媒体が、望まれていたが、いまだ見出されていなかった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、次の磁気記録媒体を提供することを課題とするものである。
▲1▼優れた分散性、塗膜平滑性、電磁変換特性を有する磁気記録媒体を提供する。
▲2▼長期保存性に優れた磁気記録媒体を提供する。
▲3▼MRヘッド腐食の少ない磁気記録媒体を提供する。
▲4▼焼却時、環境に対する影響が小さい磁気記録媒体を提供する。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明は、支持体上に非磁性粉末または強磁性粉末と結合剤とを分散させてなる下層の上に少なくとも一層の強磁性粉末と結合剤を分散した磁性層を有する磁気記録媒体において、該結合剤が環状構造および長鎖アルキル鎖を有するジオール化合物とジイソシアネート化合物を重合して得られるポリウレタン樹脂を含み、且つ磁気記録媒体中の塩素含有量が同媒体1m2当たり35mg以下であることを特徴とする磁気記録媒体である。
【0009】
本発明の好ましい態様は以下の通りである。
(1)該結合剤が前記ポリウレタン樹脂と極性基含有塩化ビニル系樹脂との質量比が85/15〜100/0の範囲の樹脂を含む組成物であることを特徴とする磁気記録媒体。
(2)前記強磁性粉末は、Yを含む強磁性金属粉末であることを特徴とする磁気記録媒体。
(3)前記磁性層及び/又は下層は、エステル系潤滑剤を含有することを特徴とする磁気記録媒体。
【0010】
本発明は、現在の最新の高記録密度用の磁気記録媒体で極めて高いレベルでこれらの品質を満足することができる。
本発明は高品質のみならず、廃却のため焼却する場合においても塩素含有量が少ないあるいは塩素を含有しないため、ダイオキシン類などの有害物質を発生する懸念が小さく、環境に対する影響も小さい磁気記録媒体を提供することができる。
【0011】
【発明の実施の形態】
本発明で用いる結合剤は、環状構造および長鎖アルキル鎖を有するジオール化合物(以下、「本発明のジオール化合物」ともいう)とジイソシアネート化合物を重合して得られる特定構造のポリウレタン樹脂(以下、「本発明のポリウレタン樹脂」ともいう)を少なくとも含有する。
【0012】
本発明のジオール化合物が有する環状構造とは、芳香環、複素環、脂環式環を包含する。また、本発明のジオール化合物は、2個のω−ヒドロキシアルキル基が環状構造に結合した構造であり、そのω−ヒドロキシアルキル基は、少なくとも1個は長鎖アルキル鎖であることが必要であるが、更には両者ともに長鎖アルキル鎖であることが好ましい。ただし、長鎖アルキル鎖には、必ずしも水酸基を有している必要はなく、ω−ヒドロキシアルキル基とは別に環状構造に1個以上結合してもよい。ここで、長鎖アルキル鎖とは炭素数2〜18のω−ヒドロキシアルキル基又はアルキル基を言う。また、長鎖アルキル鎖は、更にその水素原子がアルキル基などで置換されたものでもよい。
【0013】
また、本発明のジオール化合物は、長鎖アルキル鎖以外にそれ以外のアルキル基やアリール基、あるいは複素環基などが環状構造に結合されていてもよい。
本発明のジオール化合物は、式1または式2から選ばれる少なくとも1種であることが好ましい。
【0014】
【化1】
Figure 0003894267
【0015】
ただし、Zはベンゼン環、ナフタレン環、シクロヘキサン環から選ばれる。R1、R2は、炭素数1〜18のアルキレン基、R3、R4は、炭素数2〜18のアルキル基である。また、R1及びR2のうち1つは、炭素数2〜18である必要がある。
更に、ジオール化合物は、式3〜式6から選ばれるものが好ましい。
【0016】
【化2】
Figure 0003894267
【0017】
ただしR1、R2、R3、及びR4は、上記と同義である。
また、ジオール化合物は、式7で示されるダイマージオールであることが特に好ましい。
【0018】
【化3】
Figure 0003894267
【0019】
本発明に好適なポリウレタン樹脂は、環状構造および少なくとも2個の長鎖アルキル鎖を有するジオール化合物とジイソシアネート化合物を重合して得られるポリウレタン樹脂である。従来のポリウレタン系結合剤は、分子量2000程度のポリエステルポリオール、ポリエーテルポリオールなどの長鎖ポリオールとジイソシアネート化合物を反応させて重合したもので、必要に応じて分子量100前後の短鎖ジオールが鎖延長剤として使用されていた。
【0020】
本発明のポリウレタン樹脂のジオール成分、即ち、本発明のジオール化合物は、例えば、上記したようなベンゼン環、ナフタレン環、シクロヘキサン環から選ばれる環状構造と、少なくとも2個の炭素数1〜18のアルキレン基、あるいは更に炭素数2〜18の2個のアルキル基を有するものがあり、長鎖ジオールと短鎖ジオールとの中間的な大きさを有するので、長鎖ポリオールを有するポリウレタンに比べてジイソシアネート成分の質量分率を増やし、ウレタン結合を増やすことができる。これによりウレタン結合の分子間相互作用を増しポリウレタンの力学強度を高めることが可能となる。
また、好ましくはベンゼン環、ナフタレン環、シクロヘキサン環から選ばれる環状構造を有するために力学強度を高めることができるという特徴を有している。
【0021】
特に、これらの環状構造および長鎖アルキル鎖を有するジオール化合物としては、上記のダイマージオールが好ましい。
ダイマージオールは分子量が537であり長鎖ポリオールと短鎖ジオールの中間的な範囲に当たる。このことから長鎖ポリオールを使うポリウレタンに比べてジイソシアネート成分の質量分率を増やし、ウレタン結合を増やすことができる。これによりウレタン結合の分子間相互作用を増しポリウレタンの力学強度を高めることが可能となる。またダイマージオールには環状構造であるシクロヘキサン環を持つことからも力学強度を高めることができる。
【0022】
ダイマージオールは、炭素数が18の不飽和脂肪族カルボン酸の2量体であるダイマー酸とした後に、不飽和結合およびカルボン酸を水添還元し、さらに蒸留精製して得られるものである。ダイマージオールは、飽和炭化水素の基本骨格を有し、不飽和結合を持たず、また分子の中間にエステル結合、エーテル結合などの連結基を持たない。
【0023】
したがって、本発明のジオール化合物とジイソシアネート化合物からなる本発明のポリウレタン樹脂ではエステル結合、エーテル結合を持たない。このことは高温、高湿環境下での劣化、分解を受けにくくし、磁気記録媒体の長期保存性を大きく向上させる。特に従来のポリエステルポリオールを用いたポリウレタンではエステル結合部分の加水分解やポリエーテルウレタンのエーテル結合の熱分解が問題となっていたが、本願のポリウレタンではこの問題を解決することができた。
【0024】
また、前記特開平4−324110号公報に記載のポリウレタンにおいては、ポリエステルポリオールの酸成分に水添ダイマー酸を使用してポリマー全体の疎水性を挙げて耐加水分解性を向上させてはいるものの、基本的にエステル結合を含有するポリエステル系のウレタンである以上、耐加水分解性の問題を解決することはできない。特に微粒子金属磁性体を用いた磁気記録媒体では磁性体の表面の触媒活性は高くバインダーの分解反応も促進されるため重要な問題である。
【0025】
またダイマージオールには長いアルキル分枝側鎖を2本もち、屈曲した分子構造をとるため溶剤への溶解性が高い。このことは磁性体を結合剤、および溶剤中で分散するときに、磁性体に吸着した結合剤の分子鎖の広がりを大きくするような構造(コンフォーメーション)を取りやすいため分散性を向上することができた。これによって磁気記録媒体の電磁変換特性を向上させることができた。
【0026】
さらに、ダイマージオールの屈曲した構造によりポリマー鎖の絡み合いを増やす。これとウレタン基間の分子間水素結合による相互作用で高い力学強度、すなわち高い弾性率と大きな破断伸びを両立させることができる。磁気記録媒体の磁性塗膜の強度を大きくし耐久性を大きく向上することができる。
ポリウレタン中のダイマージオールの含有量は、5質量%以上含まれるのが好ましい。更に好ましくは、10質量%以上である。
ダイマージオールは、ヘンケル社、東亞合成などから市販されている物を用いることができる。
【0027】
本発明のポリウレタン樹脂は、本発明のジオール化合物とともに他のジオールを併用しても良い。併用することができるジオールとしては、分子量500以下の低分子ジオールが好ましく、分子量300以下のものがより好ましい。
具体的には、エチレングリコール、1,3−プロパンジオール、プロピレングリコール、ネオペンチルグリコール(NPG)、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,8−オクタンジオール、1,9−ノナンジオール等の脂肪族グリコール、シクロヘキサンジメタノール(CHDM)、シクロヘキサンジオール(CHD)、水素化ビスフェノールA(H−BPA)等の脂環族グリコール、あるいはビスフェノールA(BPA)、ビスフェノールS、ビスフェノールP、ビスフェノールFなど芳香族グリコールを挙げることができる。
【0028】
また、分子量500を超える長鎖ジオールはウレタン結合濃度が低下するため力学強度が低下し好ましくない。
これらの併用することができる長鎖ジオールの使用量はポリウレタン中の50質量%以下とすることが好ましい。
ポリウレタン中には、極性基を含有させることができる。極性基としては、−SO3M、−SO4M、−COOM、−PO32、−PO42から選ばれる少なくとも1種以上の極性基を挙げることができる。Mは、水素原子、アルカリ金属、またアンモニウムから選ばれる少なくとも一種であり、好ましくはNa、Kであり、さらに好ましくはKである。極性基の含有量は、ポリウレタン中に1×10-6eq/g〜2×10-4eq/g含有することが好ましい。
極性基の量が少なすぎると分散性、耐久性が低下し、多すぎると平滑性が低下し電磁変換特性が低下する。
【0029】
極性基のポリウレタンへの導入は極性基を持つジオール化合物を、本発明の特定の化学構造を有するジオールとともにジイソシアネート化合物で重合してウレタン主鎖に組み込むことができる。極性基含有ジオールは重合溶剤への溶解性を高めるためにエチレンオキシド、プロピレンオキシドなどのアルキレンオキシドを付加して鎖長を延ばしても良いが、エーテル、エステルセグメントの量はできるだけ少なくするのが好ましい。これらの量が多すぎると保存性が低下する。
【0030】
本発明のポリウレタン樹脂の製造に使用されるジイソシアネート成分としては、公知のものが用いられるが、TDI(トリレンジイソシアネート)、MDI(ジフェニルメタンジイソシアネート)、p−フェニレンジイソシアネート、o−フェニレンジイソシアネート、m−フェニレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、水素化キシリレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネートなどが好ましい。
【0031】
また、本発明のポリウレタン樹脂の分子量は、質量平均分子量(Mw)が20000〜100000が好ましく、さらに好ましくは30000〜60000である。20000未満では塗膜強度が低下し、耐久性が低下する。100000以上では溶剤への溶解性が低下し、分散性が低下する。
本発明のポリウレタン樹脂のガラス転移温度(Tg)は、30℃〜200℃が好ましい。更に好ましくは60℃〜170℃である。
30℃未満では、高温での塗膜強度が低下するので耐久性、保存性が低下する。200℃以上ではカレンダー成型性が低下し、電磁変換特性が低下する。
【0032】
本発明のポリウレタン樹脂中のOH基、ポリウレタン1分子当たり3個〜20個が好ましい。更に好ましくは、1分子当たり4個〜15個である。1分子当たり3個未満であると、イソシアネート硬化剤との反応性が低いので塗膜強度が低く、耐久性が低くなる。また、15個/分子以上となると溶剤への溶解性が低下するので分散性が低下する。
本発明のポリウレタン樹脂の分子は、その末端に分枝OH基を有することが好ましい。この分岐OH基を付与するために用いる化合物としては、以下のOH基が3官能以上の化合物を用いることができる。
【0033】
その様な化合物としては、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、無水トリメリット酸、グリセリン、ペンタエリスリトール、ヘキサントリオール、3官能以上のOH基を持つ分枝ポリエステル、あるいはポリエーテルエステルがある。
これらのなかでも、3官能のものが好ましい。4官能以上になると硬化剤との反応が速くなりすぎポットライフが短くなる。
【0034】
また、ウレタン基濃度は、2.0〜5.0mmol/gが好ましい。さらに好ましくは3.0〜4.0mmol/gである。2.0mmol/gよりも少ないと力学強度が小さくなる。5.0mmol/gよりも多すぎると分散性が低下する。
【0035】
本発明のポリウレタン樹脂は、下層及び磁性層に少なくとも結合剤成分として含有されるものである。下層及び磁性層に使用される該結合剤は、本発明のポリウレタン樹脂のみでもよいが、他の樹脂を併用してもよく、また、通常、ポリイソシアネートなどの硬化剤が含まれる組成物である。
【0036】
併用される樹脂としては、塩化ビニル系樹脂等が挙げられる。塩化ビニル系樹脂の重合度は100〜500が好ましく、150〜400が更に好ましく、200〜300が特に好ましい。塩化ビニル系樹脂はビニル系モノマー、例えば酢酸ビニル、ビニルアルコール、塩化ビニリデン、アクリロニトリルなどを共重合させたものでもよい。
【0037】
中でも塩化ビニル系樹脂としては、塩化ビニルと酢酸ビニルとを含む共重合体が好ましい。酢酸ビニルは、この共重合体に好ましくは1〜15質量%含有されると本発明のポリウレタン樹脂との相溶性が高く、且つ塗布液の高剪断速度における粘度が低くなり極めて平滑な磁性層が得られるという効果を奏する。
【0038】
塩化ビニル系樹脂は、本発明のポリウレタン樹脂と同様な極性基を有していることが好ましく、極性基の含有量は、1×10-5〜1×10-3eq/gが好ましい。この範囲より多いと粘度が高く分散性が低下する傾向がある。この範囲より少なくとも分散性が低下する傾向がある。
また、塩化ビニル系樹脂はエポキシ基を有していることが好ましく、含有されるエポキシ基量は、好ましくは1×10-4〜1×10-2eq/g、更に好ましくは、5×10-4〜2×10-3eq/gである。
【0039】
更に、塩化ビニル系樹脂は、OH基を有していることが好ましい。塩化ビニル系樹脂にOH基を導入するとイソシアネート硬化剤と反応し架橋構造を形成し、力学強度が向上するので好ましい。OH基の導入法としては、ビニルアルコールのようにポリマー主鎖に直結するよりも主鎖から炭化水素鎖、ポリアルキレングリコール鎖を介して結合したものの方が硬化性が高く好ましい。また、OH基は2級、1級が好ましい。塩化ビニル系樹脂へのOH基の導入は、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチルアリルエーテルなどのビニルモノマーの共重合で行うことができる。
【0040】
塩化ビニル系樹脂のOH基含量は、好ましくは1×10-4〜5×10-3eq/g、更に好ましくは、2×10-4〜2×10-3eq/gである。
塩化ビニル系樹脂は、通常、0〜15質量%の範囲で他の共重合可能なモノマーを含有することができる。このような共重合可能なモノマ−としては、(メタ)アクリル酸アルキルエステル、カルボン酸ビニルエステル、アリルエーテル、スチレン、グリシジル(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシプロピルメタクリレート、2−ヒドロキシプロピルメタクリレート、3−ヒドロキシプロピルアリルエーテル、その他のビニルモノマ−が挙げられる。
【0041】
本発明において、併用される結合剤成分としては、その他、ニトロセルロース樹脂などのセルロース誘導体、アクリル樹脂、ポリビニルアセタール樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、エポキシ樹脂、フェノキシ樹脂等が挙げられ、これらは、単独でも組み合わせでも使用することができる。
他の合成樹脂を併用する場合には、塩素含有量が本発明の範囲になるように、その添加量が調整されねばならないが、通常、本発明のポリウレタン樹脂は結合剤中に50〜100質量%を含有されていることが好ましく、さらに好ましくは70〜100質量%の量である。特に好ましくは80〜100質量%の量である。10質量%以下では、分散性が低下する。
【0042】
上記併用される樹脂は、極性基を有しているものが好ましく、極性基及びその使用量は、言及のないものについては本発明のポリウレタン樹脂と同程度である。
また塩化ビニル系樹脂と併用する場合は、該結合剤として本発明のポリウレタン樹脂と極性基含有塩化ビニル系樹脂との質量比は、好ましくは85/15〜100/0、更に好ましくは90/10〜100/0、特に好ましくは95/5〜100/0の範囲の樹脂を含む組成物が挙げられる。
【0043】
結合剤成分となる硬化剤としてはポリイソシアネート硬化剤、エポキシ硬化剤などがあるがポリイソシアネート硬化剤が好ましい。ポリイソシアネート硬化剤の例としては、本発明のポリウレタン樹脂の構成成分となる前記有機ジイソシアネート化合物、前記ジイソシアネートとトリメチロールプロパン、グリセリンなど多価アルコールとの反応物、たとえばトリレンジイソシアネート3モルとトリメチロールプロパン1モルとの反応生成物(例、デスモジュールL−75(バイエル社製))、キシリレンジイソシアネートあるいは、ヘキサメチレンジイソシアネート3モルとトリメチロールプロパン1モルとの反応生成物、ヘキサメチレンジイソシアネート3モルとのビューレット付加化合物などがある。またジイソシアネート化合物を重合したイソシアヌレート型のポリイソシアネートとしてトリレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネートなどの3、5、7量体がある。またMDI(4,4−ジフェニルメタンジジイソシアネート)の多量体であるポリメリックMDIなどがある。磁性層に含まれるポリイソシアネート化合物は、結合剤中に10〜50質量%の範囲で含有されていることが好ましく、さらに好ましくは20〜40質量%の範囲である。
【0044】
また、電子線照射による硬化処理を行う場合には、ウレタンアクリレート等のような反応性二重結合を有する化合物を使用することができる。樹脂成分と硬化剤との合計(すなわち結合剤)の質量は、強磁性粉末100質量部に対して、通常15〜40質量部の範囲内にあることが好ましく、さらに好ましくは20〜30質量部である。
【0045】
本発明は、磁気記録媒体中の塩素含有量が同媒体1m2当たり35mg以下、好ましくは20mg以下、更に好ましくは10mg以下である。ここで、塩素含有量とは、磁気記録媒体を蛍光X線分析にかけてFe、Cl元素のピーク面積からCl量を定量し、磁気記録媒体1m2当たりのCl質量に換算したものを言う。従って、磁気記録媒体における塩素の存在形態、所在等は、任意であるが、通常、結合剤に大部分由来するものと考えられる。また、磁気記録媒体1m2当たりとは、当然にその厚み方向全体、即ち、上層磁性層、下層、バック層及び支持体等を含む意味である。
【0046】
本発明の磁気記録媒体に使用される強磁性粉末は、強磁性酸化鉄、コバルト含有強磁性酸化鉄又は強磁性合金粉末でBET法による比表面積(SBET)が通常、40〜80m2/g、好ましくは50〜70m2/gである。結晶子サイズは通常、12〜25nm、好ましくは13〜22nmであり、特に好ましくは14〜20nmである。
【0047】
強磁性金属粉末としてはFe、Ni、Fe−Co、Fe−Ni、Co−Ni、Co−Ni−Fe等が挙げられ、本発明においては、高記録密度媒体に使用されるFeを主体とするものが好ましく、通常、Feが強磁性金属粉末の50原子%以上、好ましくは、55〜90原子%であり、併用され得る元素としては、Y、Co等が好ましい。本発明において、それら元素は飽和磁化σsを大きくしかつ緻密で薄い酸化膜を形成することができるので特に好ましい。強磁性粉末中のイットリウム含有量は、鉄原子に対してイットリウム原子の比、Y/Feが0.5原子%〜20原子%が好ましく、更に好ましくは、5〜10原子%である。0.5原子%よりも少ないと強磁性粉末の高σs化できないために磁気特性が低下し、電磁変換特性が低下する。20原子%よりも大きいと鉄の含有量が少なくなるので磁気特性が低下し、電磁変換特性が低下する。さらに、鉄100原子%に対して総和で通常、20原子%以下、好ましくは、7〜20原子%の割合で、アルミニウム、ケイ素、硫黄、スカンジウム、チタン、バナジウム、クロム、マンガン、銅、亜鉛、モリブデン、ロジウム、パラジウム、金、錫、アンチモン、ホウ素、バリウム、タンタル、タングステン、レニウム、金、鉛、リン、ランタン、セリウム、プラセオジム、ネオジム、テルル、ビスマス等を含むことができる。
【0048】
Yを含む強磁性金属粉末は、同粒子間の磁気的エネルギーが強く分散しにくいのであるが、本発明のポリウレタン樹脂を含む結合剤を用いて分散することによって、電磁変換特性、走行耐久性に優れた磁気記録媒体を得ることができる。
【0049】
これらの強磁性粉末の製法は既に公知であり、本発明で用いる強磁性粉末についても公知の方法に従って製造することができる。強磁性粉末の形状には、針状、粒状、サイコロ状、米粒状および板状のものなどが使用される。とくに針状の強磁性粉末を使用することが好ましい。
【0050】
例えば、本発明で好適に用いられるコバルト、イットリウムを導入した強磁性金属粉末の製造方法の一例を示す。第一鉄塩とアルカリを混合した水性懸濁液に、酸化性気体を吹き込むことによって得られるオキシ水酸化鉄を出発原料とする例を挙げることができる。このオキシ水酸化鉄の種類としては、α一FeOOHが好ましく、その製法としては、第一鉄塩を水酸化アルカリで中和してFe(OH)2 の水性懸濁液とし、この懸濁液に酸化性ガスを吹き込んで針状のα一FeOOHとする第一の製法がある。一方、第一鉄塩を炭酸アルカリで中和してFeCO3 の水性懸濁液とし、この懸濁液に酸化性気体を吹き込んで紡錘状のα一FeOOHとする第二の製法がある。このようなオキシ水酸化鉄は第一鉄塩水溶液とアルカリ水溶液とを反応させて水酸化第一鉄を含有する水溶液を得て、これを空気酸化等により酸化して得られたものであることが好ましい。この際、第一鉄塩水溶液にNi塩や、Ca塩、Ba塩、Sr塩等のアルカリ土類元素の塩、Cr塩、Zn塩などを共存させても良く、このような塩を適宣選択して用いることによって粒子形状(軸比)などを調製することができる。第一鉄塩としては、塩化第一鉄、硫酸第一鉄等が好ましい。またアルカリとしては水酸化ナトリウム、アンモニア水、炭酸アンモニウム、炭酸ナトリウム等が好ましい。また、共存させることができる塩としては、塩化ニッケル、塩化カルシウム、塩化バリウム、塩化ストロンチウム、塩化クロム、塩化亜鉛等の塩化物が好ましい。
【0051】
次いで、鉄にコバルトを導入する場合は、イットリウムを導入する前に、硫酸コバルト、塩化コバルト等のコバルト化合物の水溶液を前記のオキシ水酸化鉄のスラリーに攪拌混合する。コバルトを含有するオキシ水酸化鉄のスラリーを調製した後、このスラリーにイットリウムの化合物を含有する水溶液を添加し、攪拌混合することによって導入することができる。これら強磁性粉末には、イットリウム以外にもネオジム、サマリウム、プラセオジウム、ランタン等を導入することができる。これらは、塩化イットリウム、塩化ネオジム、塩化サマリウム、塩化プラセオジウム、塩化ランタン等の塩化物、硝酸ネオジム、硝酸ガドリニウム等の硝酸塩などを用いて導入することができ、これらは、二種以上を併用しても良い。
【0052】
また、よく知られているように強磁性金属粉末は徐酸化処理により、化学的に安定にするためにその粒子表面に酸化被膜が形成せしめられる。強磁性金属粉末は、少量の水酸化物、または酸化物を含んでもよい。徐酸化の時に使用するガス中に炭酸ガスが含有されていると、強磁性金属粉末表面の塩基性点に吸着するので、このような炭酸ガスが含まれていてもよい。
【0053】
磁気記録媒体の表面粗さを小さくするために、強磁性金属粉末の平均長軸長は通常、0.04〜0.15μm、より好ましくは0.05〜0.12μm、平均針状比は通常、4〜10であって、好ましくは4〜8であることが望ましい。
【0054】
強磁性金属粉末粒子中の結晶を観察した時、単結晶で形成された粒子の全粒子に対する割合を結晶率と定義すると結晶率が30〜100%が好ましく、より好ましくは35〜100%である。本発明の強磁性金属粉末の飽和磁化σsは100A・m2/kg以上が好ましく、さらに好ましくは110〜160A・m2/kgである。強磁性金属粉末の抗磁力Hcは1800〜3000エルステッド{(1.43〜2.39)×105A/m}が好ましく、更に好ましくは1900〜2800エルステッド{(1.51〜2.23)×105A/m}である。
【0055】
また、強磁性金属粉末には、後述する分散剤、潤滑剤、界面活性剤、帯電防止剤などで分散前にあらかじめ処理を行うこともできる。具体的には、特公昭44−14090号公報、特公昭45−18372号公報、特公昭47−22062号公報、特公昭47−22513号公報、特公昭46−28466号公報、特公昭46−38755号公報、特公昭47−4286号公報、特公昭47−12422号公報、特公昭47−17284号公報、特公昭47−18509号公報、特公昭47−18573号公報、特公昭39−10307号公報、特公昭48−39639号公報、米国特許3026215号、同3031341号、同3100194号、同3242005号、同3389014号などに記載されている。
【0056】
強磁性金属粉末の含水率は0.01〜2質量%とするのが望ましい。後述する結合剤の種類によって強磁性金属粉末の含水率は最適化するのが望ましい。強磁性金属粉末は、タップ密度は0.2〜0.8g/ccが望ましい。0.8g/ccを越えると強磁性金属粉末を徐酸化するときに均一に徐酸化されないので強磁性金属粉末を安全にハンドリングのすることが困難であったり、得られたテープ等の磁化が経時で減少する傾向がある。0.2cc/g未満では分散が不十分になりやすい傾向がある。
【0057】
上記の樹脂成分、硬化剤および強磁性粉末を、磁性塗料の調製の際に通常使用されているメチルエチルケトン、ジオキサン、シクロヘキサノン、酢酸エチル等の溶剤と共に混練分散して磁性塗料とする。混練分散は通常の方法に従って行うことができる。なお、磁性塗料中には、上記成分以外に、α−Al23、Cr23等の研磨剤、カーボンブラック等の帯電防止剤、脂肪酸、脂肪酸エステル、シリコーンオイル等の潤滑剤、分散剤などの通常使用されている添加剤あるいは充填剤を含むものであってもよい。
【0058】
ところで、本発明の磁気記録媒体は、塩素含有量が極めて低いので、塩酸発生量が極めて低く、塩酸により分解される潤滑剤、中でもエステル系潤滑剤を有効に上層磁性層及び/又は下層に含有させることができ、ドロップアウトの低減等、走行耐久性の向上に効果がある。
本発明に好ましく使用することができる潤滑剤としては、ジアルコキシポリシロキサン(アルコキシは炭素数1〜4個)、モノアルキルモノアルコキシポリシロキサン(アルキルは炭素数1〜5個、アルコキシは炭素数1〜4個)などのシリコンオイル;炭素数12〜20個の一塩基性脂肪酸と炭素数3〜12個の一価または多価のアルコールから成る脂肪酸エステル類、アルキル燐酸エステル類、炭素数10〜22の飽和脂肪酸類、不飽和脂肪酸類や脂肪酸アミド類等が挙げられる。
【0059】
上記の中でも脂肪酸エステルが好ましい。脂肪酸エステルの原料となるアルコールとしてはエタノール、ブタノール、フェノール、ベンジルアルコール、2−メチルブチルアルコール、2−ヘキシルデシルアルコール、プロピレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジプロピレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、sec−ブチルアルコール等のモノアルコール類、エチレングリコール、ジエチレングリコール、ネオペンチルグリコール、グリセリン、ソルビタン誘導体等の多価アルコールが挙げられる。脂肪酸エステルの原料となる脂肪酸としては酢酸、プロピオン酸、オクタン酸、2−エチルヘキサン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、ステアリン酸、パルミチン酸、ベヘン酸、アラキン酸、オレイン酸、リノール酸、リノレン酸、エライジン酸、パルミトレイン酸等の脂肪族カルボン酸またはこれらの混合物が挙げられる。脂肪酸エステルとしての具体例は、ブチルステアレート、sec−ブチルステアレート、イソプロピルステアレート、ブチルオレエート、アミルステアレート、3−メチルブチルステアレート、2−エチルヘキシルステアレート、2−ヘキシルデシルステアレート、ブチルパルミテート、2−エチルヘキシルミリステート、ブチルステアレートとブチルパルミテートの混合物、ブトキシエチルステアレート、2−ブトキシ−1−プロピルステアレート、ジプロピレングリコールモノブチルエーテルをステアリン酸でエステル化したもの、ジエチレングリコールジパルミテート、ヘキサメチレンジオールをミリスチン酸でアシル化してジオールとしたもの、グリセリンのオレエート等の種々のエステル化合物を挙げることができる。
【0060】
本発明に使用する潤滑剤組成としては、脂肪酸エステルと脂肪酸を併用することがより好ましく、脂肪酸としては、例えば、常温で固体の飽和脂肪酸(炭素数10から22)が挙げられる。
【0061】
さらに、磁気記録媒体を高湿度下で使用するときしばしば生ずる脂肪酸エステルの加水分解を更に軽減するために、原料の脂肪酸及びアルコールの分岐/直鎖、シス/トランス等の異性構造、分岐位置を選択することができる。
これらの潤滑剤は結合剤100質量部に対して0.2〜20質量部の範囲で添加される。特に、脂肪酸は、強磁性粉末(上層磁性層または下層磁性層)または非磁性粉末(下層非磁性層の主体となる粉体用)100質量部に対し、通常、0.1〜2.0質量部、好ましくは、0.3〜1.5質量部用いられ、脂肪酸エステルは、強磁性粉末(上層磁性層または下層磁性層)または非磁性粉末(下層非磁性層の主体となる粉体用)100質量部に対し、通常、0.5〜3.0質量部、好ましくは、0.7〜2.5質量部用いられる。
【0062】
次に本発明の磁気記録媒体の層構成について説明する。本発明では、下層の上に磁性層を設ける構成であれば、特に制限はない。下層は、非磁性粉末または強磁性粉末と結合剤とを分散させてなるものであり、非磁性粉末のものを主体に選択した場合には非磁性層が、強磁性粉末を主体に選択した場合には磁性層が下層として構成され得る。下層が非磁性層の場合を下層非磁性層、下層が磁性層の場合を下層磁性層ともいうが、両者を総称する場合は、単に下層ともいう。また、下層及び下層上に設けられる磁性層(「上層磁性層」ともいう)は、各々単層でも複層でもよい。
【0063】
下層非磁性層に用いる非磁性粉末は、金属酸化物、金属炭酸塩、金属硫酸塩、金属窒化物、金属炭化物、金属硫化物等の無機質化合物から選択することができる。具体的には、α化率90〜100%のα−アルミナ、β−アルミナ、γ−アルミナ、炭化ケイ素、酸化クロム、酸化セリウム、α−酸化鉄、コランダム、窒化珪素、チタンカーバイト、酸化チタン、二酸化ケイ素、酸化すず、酸化マグネシウム、酸化タングステン、酸化ジルコニウム、窒化ホウ素、酸化亜鉛、炭酸カルシウム、硫酸カルシウム、硫酸バリウム、二硫化モリブデンなどが単独または組合せて使用される。特に好ましいのは二酸化チタン、酸化亜鉛、酸化鉄、硫酸バリウムであり、更に好ましいのは二酸化チタンである。これら非磁性粉末の平均粒子径は0.005〜2μmが好ましいが、必要に応じて平均粒子径の異なる非磁性粉末を組み合わせたり、単独の非磁性粉末でも粒径分布を広くして同様の効果をもたせることもできる。とりわけ好ましいのは非磁性粉末の平均粒子径は0.01μm〜0.2μmである。非磁性粉末のpHは6〜9の間が特に好ましい。非磁性粉末の比表面積は通常、1〜100m2/g、好ましくは5〜50m2/g、更に好ましくは7〜40m2/gである。非磁性粉末の結晶子サイズは0.01μm〜2μmが好ましい。DBPによる吸油量は通常、5〜100ml/100g、好ましくは10〜80ml/100g、更に好ましくは20〜60ml/100gである。比重は通常、1〜12、好ましくは3〜6である。形状は針状、球状、多面体状、板状のいずれでも良い。これらの非磁性粉末の表面は表面処理により表面にAl23、SiO2、TiO2、ZrO2、SnO2、Sb23、ZnOを存在させることが好ましい。特に分散性の向上に好ましいものはAl23、SiO2、TiO2、ZrO2であるが、更に好ましいのはAl23、SiO2、ZrO2 である。これらは組み合わせて使用しても良いし、単独で用いることもできる。また、共沈させた表面処理層を用いても良いし、先ずアルミナを存在させた後にその表層にシリカを存在させる処理をする方法、またはその逆の方法を採ることもできる。また、表面処理層は多孔質層にしても良いが、均質で密である方が一般には好ましい。
【0064】
下層にカーボンブラックを混合させて公知の効果であるRsを下げることができるとともに、所望のマイクロビッカース硬度を得る事ができる。このためにはゴム用ファーネスブラック、ゴム用サーマルブラック、カラー用カーボンブラック、アセチレンブラック等を用いることができる。カーボンブラックの比表面積は100〜500m2/g、好ましくは150〜400m2/g、DBP吸油量は20〜400ml/100g、好ましくは30〜200ml/100gである。カーボンブラックの平均粒子径は5〜80nm、好ましく10〜50nm、さらに好ましくは10〜40nmである。カーボンブラックのpHは2〜10、含水率は0.1〜10%、タップ密度は0.1〜1g/mlが好ましい。本発明に用いられるカーボンブラックの具体的な例としてはキャボット社製、BLACKPEARLS 2000、1300、1000、900、800,880,700、VULCAN XC−72、三菱化学社製、#3050B,3150B,3250B、#3750B、#3950B、#950、#650B,#970B、#850B、MA−600、コロンビアカーボン社製、CONDUCTEX SC、RAVEN 8800、8000、7000、5750、5250、3500、2100、2000、1800、1500、1255、1250、アクゾー社製ケッチェンブラックECなどが挙げられる。
【0065】
下層磁性層である場合には、強磁性粉末としては、γ−Fe23、Co変性γ−Fe23、α−Feを主成分とする合金、CrO2 等が用いられる。特に、Co変性γ−Fe23が好ましい。本発明の下層磁性層に用いられる強磁性粉末は上層磁性層に用いられる強磁性粉末と組成及び/又は磁気特性が異なるものが選択される。例えば、長波長記録特性を向上させるためには、下層磁性層の抗磁力Hcは上層磁性層のそれより低く設定することが望ましく、下層に強磁性酸化鉄粉末を上層磁性層に強磁性金属粉末を適用することができる。また下層磁性層の残留磁束密度Brを上層磁性層のそれより高くする事が有効である。下層磁性層または下層非磁性層の製造に使用する結合剤、潤滑剤、分散剤、添加剤、溶剤あるいは分散方法等は、上層磁性層に使用のものと同様のものを適用することができる。
【0066】
本発明に用いることのできる支持体としては二軸延伸を行ったポリエチレンナフタレート、ポリエチレンテレフタレート、ポリアミド、ポリイミド、ポリアミドイミド、芳香族ポリアミド、ポリベンズオキシダゾール等の公知のものが使用できる。好ましくはポリエチレンナフタレート、芳香族ポリアミドである。これらの支持体はあらかじめコロナ放電、プラズマ処理、易接着処理、熱処理などを行っても良い。また本発明に用いることのできる支持体は中心面平均表面粗さがカットオフ値0.25mmにおいて0.1〜20nm、好ましくは1〜10nmの範囲という優れた平滑性を有する表面であることが好ましい。また、これらの支持体は中心面平均表面粗さが小さいだけでなく1μm以上の粗大突起がないことが好ましい。
【0067】
本発明の磁気記録媒体の製造方法は例えば、走行下にある支持体の表面に下層塗布液及び上層磁性層塗布液を、上層磁性層の乾燥厚みが好ましくは0.05〜5μmの範囲内、より好ましくは0.07〜1μm、下層の乾燥厚みが0.05〜5μmの範囲内、より好ましくは0.07〜3μmになるように塗布する。ここで下層塗布液及び上層磁性層塗布液を逐次あるいは同時に重層塗布してもよい。
【0068】
上記磁性塗料を塗布する塗布機としては、エアードクターコート、ブレードコート、ロッドコート、押出しコート、エアナイフコート、スクイズコート、含浸コート、リバースロールコート、トランスファーロールコート、グラビヤコート、キスコート、キャストコート、スプレイコート、スピンコート等が利用できる。 これらについては例えば株式会社総合技術センター発行の「最新コーティング技術」(昭和58年5月31日)を参考にできる。
【0069】
本発明の磁気記録媒体の製造に適用する塗布装置、方法の例として以下のものを提案できる。
(1)磁性塗料の塗布で一般的に適用されるグラビア、ロール、ブレード、エクストルージョン等の塗布装置により、まず下層を塗布し、下層が未乾燥の状態のうちに特公平1−46186号公報、特開昭60−238179号公報、特開平2−265672号公報等に開示されているような支持体加圧型エクストルージョン塗布装置により、上層磁性層を塗布する。
(2)特開昭63−88080号公報、特開平2−17971号公報、特開平2−265672号公報に開示されているような塗布液通液スリットを2個有する一つの塗布ヘッドにより上層磁性層及び下層をほぼ同時に塗布する。
(3)特開平2−174965号公報に開示されているようなバックアップロール付きのエクストルージョン塗布装置により、上層磁性層及び下層をほぼ同時に塗布する。
【0070】
本発明で用いる支持体の磁性塗料が塗布されていない面にバックコート層(バッキング層)が設けられていてもよい。バックコート層は、支持体の磁性塗料が塗布されていない面に、研磨剤、帯電防止剤などの粒状成分と結合剤とを有機溶剤に分散したバックコート層形成塗料を塗布して設けられた層である。粒状成分として各種の無機顔料やカーボンブラックを使用することができ、また結合剤としてはニトロセルロース、フェノキシ樹脂、塩化ビニル系樹脂、ポリウレタン等の樹脂を単独またはこれらを混合して使用することができる。なお、支持体の磁性塗料およびバックコート層形成塗料の塗布面に接着剤層が設けられいてもよい。
【0071】
これら塗布層は、塗布層中に含まれる強磁性粉末を磁場配向処理を施した後に乾燥される。このようにして乾燥された後、塗布層に表面平滑化処理を施す。表面平滑化処理には、たとえばスーパーカレンダーロールなどが利用される。表面平滑化処理を行うことにより、乾燥時の溶剤の除去によって生じた空孔が消滅し磁性層中の強磁性粉末の充填率が向上するので、電磁変換特性の高い磁気記録媒体を得ることができる。カレンダー処理ロールとしてはエポキシ、ポリイミド、ポリアミド、ポリアミドイミド等の耐熱性プラスチックロールを使用する。また金属ロールで処理することもできる。
【0072】
本発明の磁気記録媒体は、表面の中心線平均粗さが、カットオフ値0.25mmにおいて0.1〜4nm、好ましくは1〜3nmの範囲という極めて優れた平滑性を有する表面であることが好ましい。その方法として、例えば上述したように特定の強磁性粉末と結合剤を選んで形成した磁性層を上記カレンダー処理を施すことにより行われる。カレンダー処理条件としては、カレンダーロールの温度を60〜100℃の範囲、好ましくは70〜100℃の範囲、特に好ましくは80〜100℃の範囲であり、圧力は通常、100〜500Kg/cm(980〜4900N/cm)の範囲であり、好ましくは200〜450Kg/cm(1960〜4410N/cm)の範囲であり、特に好ましくは300〜400Kg/cm(2940〜3920N/cm)の範囲の条件で作動させることによって行われることが好ましい。このようにして硬化処理された積層体を次に所望の形状にする。得られた磁気記録媒体は、裁断機などを使用して所望の大きさに裁断して使用することができる。
【0073】
【実施例】
以下に、本発明の実施例を示し、本発明をさらに詳細に説明する。以下に記載の「部」は「質量部」を示し、%は質量%を示す。
(ポリウレタン樹脂:本発明のポリウレタン樹脂a、b、c及び本発明外のポリウレタン樹脂dの合成例)
(ポリウレタン樹脂の合成)表1にその配合量(部で表示)とともに原料を、シクロヘキサノン:トルエン=1/1混合溶媒中で仕込み、ワンショット法でポリウレタンを重合した。得られた重合体のガラス転移温度、重量平均分子量(Mw)を表1に示す。
【0074】
【表1】
Figure 0003894267
【0075】
ただし表1において、
DD:ダイマージオール
CHM:シクロヘキサンジメタノール
NPG:ネオペンチルグリコール
HBPA:水素化ビスフェノールA
PES:ポリエステルポリオール(水添ダイマー酸/イソフタル酸/1,6−ヘキサンジオール=1.8/2.7/5.4mol、MW=2020)
DEIS:ビス(ヒドロキシエチル)5−スルホイソフタレートナトリウム塩
MDI:ジフェニルメタンジイソシアネート
TDI:トリレンジイソシアネート
をそれぞれ表す。
【0076】
〔実施例1〕
実施例中の「部」の表示は「質量部」を示す
(上層磁性層用塗料)
強磁性合金粉末(組成:Fe 89原子%,Co 5原子%,Y 6原子%、Hc:2000エルステッド(1.59×105A/m),結晶子サイズ:15nm,SBET:59m2/g,平均長軸長:0.12μm,平均針状比:7,σs:150A・m2/kg)100部をオープンニーダーで10分間粉砕し、次いで
ポリウレタン樹脂a 10部(固形分)
塩化ビニル系樹脂 1.7部
(塩化ビニル/酢酸ビニル/グリシジルメタクリレート=86/9/5の共重合体にヒドロキシエチルスルフォネートナトリウム塩を付加した化合物、SO3Na=6×10-5eq/g,エポキシ=10-3eq/g,Mw:30,000)
シクロヘキサノン 60部
を加え60分間混練し、次いで
研磨剤(Al23)(平均粒子径:0.3μm) 2部
カーボンブラック(平均粒子径:40nm) 2部
メチルエチルケトン/トルエン=1/1 200部
を加えてサンドミルで120分間分散した。これに
ポリイソシアネート 5部(固形分)
(日本ポリウレタン製コロネート3041)
ブチルステアレート 2部
ステアリン酸 1部
メチルエチルケトン 50部
を加え、さらに20分間撹拌混合したあと、1μmの平均孔径を有するフィルターを用いて濾過し、上層用磁性塗料を調製した。
【0077】
(下層非磁性用塗料)
α−Fe23 85部
(平均粒子径:0.15μm、SBET:52m2/g、表面処理Al23
SiO2、pH:6.5〜8.0)
カーボンブラック(平均粒子径:40nm) 15部
をオープンニーダーで10分間粉砕し、次いで
ポリウレタン樹脂a 10部(固形分)
塩化ビニル系樹脂 1.7部
(塩化ビニル/酢酸ビニル/グリシジルメタクリレート=86/9/5の共重合体にヒドロキシエチルスルフォネートナトリウム塩を付加した化合物、SO3Na=6×10-5eq/g,エポキシ=10-3eq/g,Mw:30,000)
シクロヘキサノン 60部
を加え60分間混練し、次いで
メチルエチルケトン/シクロヘキサノン=6/4 200部
を加えてサンドミルで120分間分散した。これに
ブチルステアレート 2部
ステアリン酸 1部
メチルエチルケトン 50部
を加え、さらに20分間撹拌混合したあと、1μmの平均孔径を有するフィルターを用いて濾過し、下層用塗料を調製した。
【0078】
接着層としてスルホン酸含有ポリエステル樹脂を乾燥後の厚さが0.1μmになるようにコイルバーを用いて厚さ4μmのアラミド支持体の表面に塗布した。次いで得られた下層用塗料を1.0μmに、さらにその直後に上層磁性塗料を乾燥後の厚さが0.1μmになるように、リバースロールを用いて同時重層塗布した。磁性塗料塗布された非磁性支持体を、磁性塗料が未乾燥の状態で0.5T(テスラ)のCo磁石と0.5Tのソレノイド磁石で磁場配向を行ない、塗布したものを金属ロール−金属ロール−金属ロール−金属ロール−金属ロール−金属ロール−金属ロールの組み合せによるカレンダー処理を(速度100m/min、線圧300Kg/cm(線圧2840N/cm)、温度90゜C)で行なった後3.8mm幅にスリットした。
【0079】
(実施例2〜8及び比較例1〜4)
ポリウレタン樹脂種、塩化ビニル系樹脂添加量、下層非磁性層の塗布厚み(乾燥後)を表2のように変更して実施例1と同様の方法で作成した。
得られた試料を以下により測定、評価し、その結果を表2に示す。
【0080】
測定方法
▲1▼塩素含有量:蛍光X線分析によりFe、Cl元素のピーク面積からCl量を定量し、テープ1m2あたりのCl質量に換算した。
▲2▼ヘッド腐食:MRヘッドの金属部材であるパーマロイを磁性層に接触させた状態で60℃、90%RH環境に2週間放置したのち、パーマロイ部材の表面を光学顕微鏡で観察し、表面の変化を調べた。
腐食のような変色が見られたものを×、見られなかったものを○とした。
▲3▼長期保存性:テープを60℃、90%RH環境下に8週間保存し、磁性層表面を微分干渉顕微鏡200倍で観察した。
微細な結晶が発生していたものを×、変化がなかったものを○とした。
▲4▼保存後のドロップアウト(DO):テープをリールに巻き取った状態で60℃90%RH環境下に8週間保存し、松下電器製デジタルビデオテープレコーダ(NV−BJ1)を用いて40℃10%RHの環境下で5分間走行を100回繰り返した後に、1分間に15μ秒間以上、−10dB以上出力低下したドロップアウト個数を調べ、DO増加として示した。
▲5▼再生出力:試料テープにドラムテスター(交洋製作所製)を用いて記録波長0.5μm、ヘッド速度10m/秒の条件で記録し、再生した。比較例3のテープの再生出力を0dBとしたときの各試料テープの相対的な再生出力を評価した。
【0081】
【表2】
Figure 0003894267
【0082】
上表より、本発明のポリウレタン樹脂を用いるが、塩化ビニル系樹脂との併用により塩素含有量が本発明の範囲外である比較例1、2及び4は、再生出力は、実施例と同程度であるが、ヘッド腐食、長期保存性及び保存後のDO増加が、劣ることが分かる。また、本発明のポリウレタン樹脂ではないポリウレタン樹脂を用いると共に塩素含有量が本発明の範囲内である比較例3は、ヘッド腐食、長期保存性は、実施例と同程度であるが、再生出力及び保存後のDO増加が、実施例に比べて劣ることが分かる。
【0083】
【発明の効果】
本発明のポリウレタン樹脂を含有する磁気記録媒体は、次の効果を奏する。
▲1▼電磁変換特性が向上した。
▲2▼ヘッド腐食性が改良された。
▲3▼長期保存性が向上した。
▲4▼環境への影響が小さい磁気記録媒体を提供できる。

Claims (4)

  1. 支持体上に非磁性粉末または強磁性粉末と結合剤とを分散させてなる下層の上に少なくとも一層の強磁性粉末と結合剤を分散した磁性層を有する磁気記録媒体において、該結合剤が環状構造および長鎖アルキル鎖を有するジオール化合物とジイソシアネート化合物を重合して得られるポリウレタン樹脂を含み、且つ磁気記録媒体中の塩素含有量が同媒体1m2当たり35mg以下であることを特徴とする磁気記録媒体。
  2. 該結合剤が前記ポリウレタン樹脂と極性基含有塩化ビニル系樹脂との質量比が85/15〜100/0の範囲の樹脂を含む組成物であることを特徴とする請求項1記載の磁気記録媒体。
  3. 前記強磁性粉末は、Yを含む強磁性金属粉末であることを特徴とする請求項1又は2記載の磁気記録媒体。
  4. 前記磁性層及び/又は下層は、エステル系潤滑剤を含有することを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の磁気記録媒体。
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