JP2001313624A - Ofdmパケット通信用受信装置 - Google Patents

Ofdmパケット通信用受信装置

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JP2001313624A
JP2001313624A JP2000120959A JP2000120959A JP2001313624A JP 2001313624 A JP2001313624 A JP 2001313624A JP 2000120959 A JP2000120959 A JP 2000120959A JP 2000120959 A JP2000120959 A JP 2000120959A JP 2001313624 A JP2001313624 A JP 2001313624A
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 OFDMパケット通信用受信装置において送
信側と受信側の波周波数にずれが存在する場合又は受信
信号に位相雑音や熱雑音が付加される場合に復調される
信号の劣化を抑制する。 【解決手段】 各サブキャリア信号を用いてチャネル特
性の推定を行うチャネル推定手段106と、推定結果を
用いてサブキャリア信号に対し同期検波処理を行い検波
信号を出力する同期検波手段107と、検波信号を用い
て送信側と受信側のクロック周波数誤差による位相回転
量あるいは位相回転累積量を検波信号の位相と基準信号
の位相の差により検出し各サブキャリア信号の位相回転
情報を生成するクロック周波数誤差推定手段108、1
10、111と、クロック周波数誤差に応じて検波信号
に対してクロック周波数誤差による位相回転を補正する
位相回転補正手段109とを設けた。位相回転を補正さ
れた信号を識別回路112に入力してシンボルの識別を
行う。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、直交周波数分割多
重(Orthogonal Frequency Division Multiplexing;O
FDM)方式のディジタル無線通信システムに用いるパ
ケット通信用受信装置に関し、特に、送信側装置と受信
側装置の間でサンプリングクロック周波数又は搬送波周
波数にずれがある場合や、受信信号に位相雑音や熱雑音
が付加される場合であっても、伝送効率を低下させずに
小さな処理遅延で高精度にOFDM信号を復調する受信
装置に関する。
【0002】
【従来の技術】OFDM方式は、高速な信号系列を複数
の信号系列に並列化し、複数の低速なサブキャリアを用
いて同時に伝送を行うマルチキャリア方式の一種であ
り、それぞれのサブキャリアが互いに直交するように最
密に配置されているのが特徴である。一般に、無線を用
いて信号の高速伝送を行う場合には、無線信号の反射や
回折により生じるマルチパス伝搬に起因する符号間干渉
が伝送品質を著しく劣化させるため大きな問題になる。
しかし、OFDM方式のようなマルチキャリア方式では
高速伝送を行う場合であっても並列化によりそれぞれの
サブキャリアの伝送速度を低くすることができるため、
マルチパス伝搬に起因する符号間干渉の影響を低減する
ことができる。また、OFDM方式では送信側で逆高速
フーリエ変換を用いて各サブキャリアの周波数多重化を
ベースバンドで容易に行うことができることに加え、受
信側では高速フーリエ変換を用いて受信信号から各サブ
キャリアの信号を容易に分離することができるため、送
受信装置を容易に実現することが可能である。さらにこ
れを利用して、送信側で逆高速フーリエ変換出力を循環
的に拡張した信号をガードインターバルとして各OFD
Mシンボルに付加して送信し、受信側で各OFDMシン
ボルの信号系列から符号間干渉の少ない信号部分をFF
Tウインドウで切り出して高速フーリエ変換を行うこと
により、符号間干渉の影響をさらに低減することができ
る。さらにまた、ガードインターバルを設けることで、
受信側で雑音成分の影響等によりシンボルタイミングす
なわちFFTウインドウタイミングが多少ずれたとして
も、それがガードインターバル内に収まる程度のタイミ
ングのずれであれば、隣接シンボルからの干渉を受けず
に信号を復調することができるため、単一キャリア伝送
の場合に必要となる高精度なタイミング同期が不必要で
あるという利点もある。以上のような理由により、OF
DM方式は無線を用いた高速信号伝送に適していると言
える。
【0003】従来例のOFDMパケット通信用受信装置
について、図43を参照して説明する。なお、この例で
は図44に示すパケットフォーマットのOFDM信号を
送受信する場合を想定している。
【0004】図43において、アンテナ1で受信された
OFDM信号は、受信回路2に入力される。受信回路2
は入力されたOFDM信号に対し、周波数変換、フィル
タリング、直交検波およびAD変換等の受信処理を行い
複素ベースバンド信号を出力する。なお、クロック周波
数誤差の詳細については後述するが、受信回路2にはク
ロック周波数誤差検出回路8から出力されるクロック周
波数誤差情報信号が入力される。受信回路2は、前述の
受信処理を行うとともに、このクロック周波数誤差情報
信号に基づいてAD変換等に用いるクロック周波数の制
御をアナログ部品である発振器に対して行い、クロック
周波数ずれの除去を行う。受信回路2から出力された複
素ベースバンド信号は同期処理回路3に入力される。同
期処理回路3は、入力された複素ベースバンド信号の先
頭部分に設定された同期用プリアンブル信号を用いて搬
送波周波数誤差およびOFDMシンボルタイミングを検
出し、検出した搬送波周波数誤差情報を用いて受信処理
後の複素ベースバンド信号に対して搬送波周波数誤差補
正処理を行い、搬送波周波数誤差補正処理後の複素ベー
スバンド信号を出力するとともに、検出したOFDMシ
ンボルタイミング情報信号を出力する。なお、OFDM
シンボルタイミングの検出は、続くガードインターバル
除去回路4において、複素ベースバンド信号からガード
インターバルに相当する信号を除去しフーリエ変換回路
5に入力する信号を抽出する処理等のために必要とな
る。同期処理回路3から出力された搬送波周波数誤差補
正処理後の信号およびOFDMシンボルタイミング情報
信号はガードインターバル除去回路4に入力される。ガ
ードインターバル除去回路4は、入力されるOFDMシ
ンボルタイミング情報に従い、入力される搬送波周波数
誤差補正処理後の信号に対して1OFDMシンボル毎に
1OFDMシンボル長からガードインターバルに相当す
る信号長を差し引いた時間幅をウインドウサイズに持つ
FFTウインドウをかけることによりガードインターバ
ルに相当する信号を除去し、フーリエ変換回路5に入力
する信号を抽出して出力する。ガードインターバル除去
回路4から出力されるガードインターバル除去後の信号
はフーリエ変換回路5に入力される。フーリエ変換回路
5は、入力されるガードインターバル除去後の信号を高
速フーリエ変換して各サブキャリアに相当する周波数成
分を抽出することにより、各サブキャリア信号をベース
バンドで分離してそれぞれ出力する。なお、フーリエ変
換回路5は、1OFDMシンボル毎に高速フーリエ変換
処理を行い、1OFDMシンボル毎に当該OFDMシン
ボル内の各サブキャリアの信号を分離して出力する。フ
ーリエ変換回路5から出力される各サブキャリア信号
は、同期検波回路7およびチャネル推定回路6に入力さ
れるとともにクロック周波数誤差検出回路8に入力され
る。クロック周波数誤差検出回路8は、入力される各サ
ブキャリア信号から受信回路2における受信処理時に用
いられるサンプリングクロックの周波数誤差に起因する
各サブキャリア信号の位相回転を検出し、検出した各サ
ブキャリア信号の位相回転に基づいて送信側装置と受信
側装置の間のクロック周波数誤差を演算し、クロック周
波数誤差情報を出力する。
【0005】例えば、変調方式として16QAM変調を
採用している場合には、同期検波後の信号は、本来であ
れば図45に示す位相平面上の16個の基準信号点S1
〜S16のいずれかの位置に現れる。しかし、送信側装
置と受信側装置との間でサンプリングクロック周波数等
にずれが存在する場合には、前述のように同期検波され
た検波信号に位相回転が生じるため、同期検波回路7か
ら出力される検波信号(例えば、図45のR1、R2)
の位置は本来の位置である前述の16個の基準信号点S
1〜S16のいずれか1つの基準信号点の位置と一致し
なくなる。
【0006】実際には、クロック周波数誤差検出回路8
はまず同一の1OFDMシンボル内の各サブキャリア信
号の位相回転量を検出する。例えば、図45に示す入力
信号R1が、同期検波回路7が出力する検波信号であっ
た場合、クロック周波数誤差検出回路8は基準信号点S
1〜S16の中で位置が入力信号R1に最も近い基準信
号点S3を基準とし、基準信号点S3と入力信号R1と
の位相差φ1を検出する。また、図45に示す入力信号
R2が、同期検波回路7が出力する検波信号であった場
合、クロック周波数誤差検出回路8は基準信号点S1〜
S16の中で位置が入力信号R2に最も近い基準信号点
S6を基準とし、基準信号点S6と入力信号R2との位
相差φ2を検出する。
【0007】ここで、送信側装置のサンプリングクロッ
ク周波数と受信側装置のサンプリングクロック周波数と
の間にずれがある場合、すなわち、送受間でクロック周
波数誤差がある場合に、フーリエ変換回路5が出力する
各サブキャリア信号にどのような位相回転が生じるかに
ついて簡単に説明する。
【0008】上述のように、ガードインターバル除去回
路4では、パケット先頭の同期用プリアンブルを用いて
検出したシンボルタイミングを用いてFFTウインドウ
をかけることにより各OFDMシンボルからガードイン
ターバルに相当する信号を除去するが、送受間でクロッ
ク周波数誤差がある場合には、同一パケット内のOFD
Mシンボルであっても、パケット内のOFDMシンボル
の相対的な時間的位置によってOFDMシンボル毎に当
該OFDMシンボルのシンボルタイミングとFFTのウ
インドウタイミングとの間でずれが生じることになる。
従って、同期検波を行う際に使用されるチャネル推定結
果を検出する時に用いたパケット先頭付近のチャネル推
定用プリアンブル信号に相当するOFDMシンボル(チ
ャネル推定用OFDMシンボル)におけるFFTウイン
ドウのタイミングと、それ以外のOFDMシンボルにお
けるFFTウインドウのタイミングとの間にずれが生じ
ることになる。送信側装置のサンプリングクロック周波
数をfTCLK 、受信側装置のサンプリングクロック周波
数をfRCLK 、チャネル推定用OFDMシンボルからt
秒経過後に出現するOFDMシンボルのシンボルタイミ
ングのずれをΔtとすると次式が成り立つ。
【0009】 t・fTCLK=(t−Δt)・fRCLK ・・・(1)
【0010】ここで、サンプリングクロック周波数の規
格値に対する送受間のサンプリングクロック周波数のず
れの割合をΔxとすると、次式が成り立つ。
【0011】 Δx=(fRCLK−fTCLK)/fCLK ・・・(2) fCLK:送信側装置および受信側装置のサンプリングク
ロック周波数の規格値
【0012】前記第(1)式と前記第(2)式より、前述の
タイミングずれの量Δtは次式のように表される。
【0013】 Δt=(fCLK/fRCLK)・Δx・t ・・・(3)
【0014】ここで、fCLK≒fRCLK、すなわちfCLK
RCLK≒1であることを考慮すると、Δtは次式のよう
に近似できる。
【0015】Δt≒Δx・t ・・・(4)
【0016】上式より、送受間でサンプリングクロック
周波数にずれがある場合には、サンプリングクロック周
波数の規格値に対する送受間のサンプリングクロック周
波数のずれの割合および時間の経過に比例したFFTウ
インドウのタイミングずれが生じることがわかる。
【0017】このFFTウインドウタイミングのずれ
は、フーリエ変換回路5におけるフーリエ変換の基本的
性質上、サブキャリア周波数によって異なる位相回転と
なって現れることになる。また、時間の経過に比例して
FFTウインドウのタイミングのずれも大きくなるた
め、時間の経過とともに位相の回転量が増加する。ここ
で、a(t)をフーリエ変換した結果がA(f)である
と仮定すると、a(t+Δt)をフーリエ変換した結果
はA(f)・exp(j・2π・f・Δt)と表すこと
ができる。従って、ガードインターバル除去回路4にお
けるFFTウインドウタイミングがΔt(≒Δx・t、
第(4)式参照)だけずれていると、フーリエ変換回路
5が出力する各サブキャリア信号には、次式で表される
位相回転Δθが付加されることになる。
【0018】Δθ≒2π・f・t・Δx ・・・(5) f:チャネルの中心周波数からの当該サブキャリアの周
波数オフセット量 t:チャネル推定用OFDMシンボルからの当該OFD
Mシンボルの時間経過量 Δx:サンプリングクロック周波数の規格値に対する送
受間のサンプリングクロック周波数のずれの割合
【0019】すなわち、送受間のサンプリングクロック
周波数にずれがある場合、チャネル推定用OFDMシン
ボルからの当該OFDMシンボルの時間経過量、すなわ
ちチャネル推定時からの当該OFDMシンボルの時間経
過量およびチャネルの中心周波数からの当該サブキャリ
アの周波数オフセット量に比例して増加(あるいは減
少)するような位相回転がフーリエ変換回路5から出力
される各サブキャリア信号に付加されることになる。
【0020】クロック周波数誤差検出回路8は、フーリ
エ変換回路5が出力する各サブキャリア信号から前述の
ように送受間のサンプリングクロック周波数ずれ、すな
わち、送受間のクロック周波数誤差に起因する位相回転
を検出した後、前述の第(5)式に基づいてクロック周波
数誤差情報を算出して出力する。
【0021】クロック周波数誤差検出回路8から出力さ
れたクロック周波数誤差情報信号は受信回路2に入力さ
れる。受信回路2は、入力されたクロック周波数誤差情
報信号に基づいて送受間のクロック周波数誤差を除去す
るように受信回路2の内部の発振器に対してサンプリン
グクロック周波数(AD変換器等のサンプリングクロッ
ク周波数に相当)の制御を行う。
【0022】一方、チャネル推定回路6では、入力され
た各サブキャリア信号のうちパケットの先頭部分にて送
信された既知信号であるチャネル推定用プリアンブル信
号を用いて当該パケットのOFDM信号が通ってきた伝
搬路(チャネル)の状態を推定し、推定されたチャネル
推定結果を出力する。マルチパス伝搬による周波数選択
性フェージングにより各サブキャリアの信号は互いに異
なる振幅位相変動を受けることになるが、チャネル推定
用信号は既知信号であるため、伝搬路を通過して受信さ
れた各サブキャリア信号と既知の理想信号をサブキャリ
ア毎にそれぞれ比較することにより、各々のサブキャリ
アの振幅や位相が伝搬路通過時にどのような影響を受け
たのかを容易に推定することができる。チャネル推定回
路6から出力された各サブキャリアのチャネル推定結果
は同期検波回路7に入力されるとともに重み付け回路1
1に入力される。同期検波回路7は、入力された各サブ
キャリアのチャネル推定結果を用いて各サブキャリア毎
にフェージング等のチャネル特性に起因する振幅変動お
よび位相回転を補正することにより同期検波相当の処理
を行い、検波信号を出力する。なお、OFDM方式を用
いるような高速なパケット通信システムの場合には、1
つのパケットの時間的な長さが短いため、1パケット内
では伝搬路特性は一定であるとみなすことができる場合
がほとんどである。従って、パケットの先頭部分に設定
されたチャネル推定用プリアンブル信号に基づいて推定
された各サブキャリアの伝搬路特性を用いて上述のよう
に後続のデータ信号に対して同期検波相当の処理を行う
ことができる。同期検波回路7から出力された検波信号
はパイロット信号位相回転抽出回路10に入力されると
ともに位相補正回路9に入力される。
【0023】パイロット信号位相回転抽出回路10は、
同期検波回路7から入力される検波信号に含まれる特定
の少なくとも1つのサブキャリアにて送信される既知信
号であるパイロット信号に相当する各検波信号から、残
留搬送波周波数誤差および位相雑音に起因する位相回転
量の情報を1OFDMシンボル毎にそれぞれ抽出する。
なお、位相雑音は送信側装置の送信処理部および受信側
装置の受信処理部においてアナログ回路の不完全性によ
って信号の位相成分に対して付加される雑音である。ま
た、残留搬送波周波数誤差は、受信装置の同期処理回路
3における搬送波周波数同期処理の際に、受信回路2に
おいて付加される熱雑音等の影響によって不完全な搬送
波周波数同期処理が行われることによって同期処理回路
3の出力信号に残留してしまう周波数誤差である。
【0024】ここで、残留搬送波周波数および位相雑音
がある場合に、同期検波回路7が出力する各検波信号に
どのような位相回転が生じるかについて簡単に説明す
る。残留搬送波周波数誤差がある場合には、同期処理回
路3が出力するOFDM信号の全てのサブキャリア信号
のサブキャリア周波数に同一の周波数誤差が付加される
ことになる。従って、チャネル推定時をt=0と定義す
る場合の各サブキャリア信号の残留搬送波周波数誤差に
よる位相回転量Δψは次式で表される。
【0025】Δψ≒2π・Δf・t ・・・(6) Δf:残留搬送波周波数誤差量 t:チャネル推定時からの当該OFDMシンボルの時間
経過量
【0026】上式に示されるように、残留搬送波周波数
誤差に起因する各サブキャリアの位相回転量は各サブキ
ャリアで共通であり、また、各サブキャリア信号に対し
て1OFDMシンボル毎に一定量の位相回転が付加され
ることになる。一方、受信回路2においてOFDM信号
に付加される位相雑音は、一般に、OFDMシンボル間
隔と比較して非常にゆっくり変化するため、位相雑音に
より各OFDM信号に付加される位相回転は1OFDM
シンボル期間内で一定であると仮定できる。また、フー
リエ変換は線形変換の一種であるため、フーリエ変換回
路5への入力信号の全てに同一の位相回転が付加されて
いれば、フーリエ変換回路5の全ての出力信号に対して
入力信号に付加された位相回転と同一の位相回転が付加
されることになる。従って、位相雑音によって付加され
る位相回転量は、残留搬送波周波数誤差の場合と同様に
同一OFDMシンボル内の各サブキャリアで同一とな
る。また、前述のように位相雑音はOFDMシンボル間
隔と比較して非常にゆっくり変化するため、隣接するい
くつかのOFDMシンボル間の位相雑音による位相回転
量の変化は少ない。
【0027】ところで、同期検波回路7はパケット先頭
部に設けられたチャネル推定用OFDMシンボルを用い
て得られた各サブキャリアのチャネル推定結果に基づい
て同期検波処理を行うため、OFDMシンボル毎に位相
回転量が変化するような位相回転に対しては原理上、補
正を行うことはできない。従って、同期検波回路7から
は、残留搬送波周波数誤差および位相雑音に起因する各
OFDMシンボル内の各サブキャリアに共通した位相回
転が付加された検波信号が出力される。
【0028】前述のパイロット信号位相回転抽出回路1
0は、同期検波回路7から入力される検波信号に含まれ
るパイロット信号に相当する各検波信号から、残留搬送
波周波数誤差、位相雑音等に起因する位相回転量の情報
を1OFDMシンボル毎にそれぞれ抽出する。この各パ
イロット信号の位相回転情報がパイロット信号位相回転
抽出回路10からそれぞれ出力される。パイロット信号
位相回転抽出回路10から出力される各パイロット信号
の位相回転情報は重み付け回路11に入力される。
【0029】重み付け回路11は、パイロット信号位相
回転抽出回路10から1OFDMシンボル毎に入力され
る各パイロット信号の位相回転情報に対し、チャネル推
定回路6から入力される各サブキャリアのチャネル推定
結果に基づいて重み付けを行う。例えば、チャネル推定
結果から得られるパイロット信号に相当するサブキャリ
アの信号レベル情報に基づいて、信号レベルが大きいパ
イロット信号の位相回転情報には大きな重み付けを行
い、信号レベルが小さいパイロット信号の位相回転情報
には小さい重み付けを行う。このような重み付けを行う
と、後続の回路において信号レベルの小さいパイロット
信号の位相回転情報の影響度が小さくなり位相回転検出
の信頼性が改善される。また、重み付け後の各パイロッ
ト信号の位相回転情報信号の生成は、例えば、入力され
る各パイロット信号の位相回転量を位相成分とし、入力
される各パイロット信号の信号レベル値を振幅成分に持
つようなベクトル信号を各パイロット信号についてそれ
ぞれ生成することにより行うことができる。重み付け後
の各パイロット信号の位相回転情報信号(前述の例では
各パイロット信号に対応する各ベクトル信号)が1OF
DMシンボル毎に重み付け回路11から出力される。重
み付け回路11から出力される重み付け後の各パイロッ
ト信号の位相回転情報信号はシンボル内平均回路12に
入力される。
【0030】シンボル内平均回路12は、重み付け回路
11から1OFDMシンボル毎に入力される重み付け後
の各パイロット信号の位相回転情報信号に対して1OF
DMシンボル内で平均化処理を行う。前述の例では、1
OFDMシンボル内の各パイロット信号に対応するベク
トル信号をベクトル加算することにより、重み付け後の
各パイロット信号の位相回転情報信号を平滑化できる。
なお、この場合にはベクトル加算して得られるベクトル
の位相が、平滑化された重み付け後の各パイロット信号
の位相回転情報を表すことになる。位相雑音や残留搬送
波周波数誤差による各サブキャリアの位相回転量は、1
OFDMシンボル内ではほぼ同一となる。従って、1O
FDMシンボル内で各パイロット信号の位相回転情報信
号を平滑化することにより、当該OFDMシンボル中の
各サブキャリアの検波信号の、位相雑音および残留搬送
波周波数誤差等のような各サブキャリアの位相回転量が
1OFDMシンボル内で同一となるような要因に起因す
る位相回転量を精度良く知ることができる。1OFDM
シンボル内で平均化処理された重み付け後の各パイロッ
ト信号の位相回転情報信号が1OFDMシンボル毎にシ
ンボル内平均回路12から出力される。シンボル内平均
回路12から出力される1OFDMシンボル内で平均化
処理された重み付け後の各パイロット信号の位相回転情
報信号は移動平均回路13に入力される。
【0031】移動平均回路13は、1OFDMシンボル
毎に入力される1OFDMシンボル内で平均化処理され
た重み付け後の各パイロット信号の位相回転情報信号に
対し、複数シンボルに渡る時間方向の移動平均化処理を
行い出力する。この時間方向の移動平均化処理により、
受信回路2において信号に付加された熱雑音等の雑音成
分を抑圧し低減することができる。移動平均回路13か
ら出力される移動平均後の位相回転情報信号は位相補正
回路9に入力される。
【0032】位相補正回路9は、移動平均回路13から
入力される移動平均後の位相回転情報信号を用いて、同
期検波回路7から入力される各検波信号に含まれる位相
雑音および残留搬送波周波数誤差等のような各サブキャ
リアの位相回転量が1OFDMシンボル内で同一となる
ような要因に起因する位相回転を補正する。位相回転補
正後の検波信号が位相補正回路9から出力される。位相
補正回路9から出力される位相補正後の各検波信号は識
別回路14に入力される。
【0033】識別回路14は、位相補正回路9が出力す
る位相補正後の各検波信号に含まれるデータ信号に対し
てシンボル判定を行い、判定結果を出力する。
【0034】
【発明が解決しようとする課題】前述のように、受信処
理を行う際に用いるサンプリングクロック周波数と送信
側装置で用いるサンプリングクロック周波数にずれがあ
る場合、何も補正を行わずに同期検波を行うと各サブキ
ャリア信号の位相回転によって受信側装置において各サ
ブキャリア信号の正しい位相が検出できなくなるため、
極めて大きな劣化を生じる。従って、従来の装置では、
送受間のクロック周波数誤差を受信側装置におけるフー
リエ変換後の各サブキャリア信号から検出し、検出した
クロック周波数誤差情報に基づいて受信側の各回路で共
通に使用されるサンプリングクロック周波数をアナログ
処理によって直接制御することにより送受間のサンプリ
ングクロック周波数誤差の除去を行っていた。ところ
が、このようなアナログ処理による制御を実現するため
には非常に構成の複雑なアナログ処理を含む補正回路を
設ける必要があった。また、アナログ処理のため、補正
精度を一定以上に高くすることが困難であり、高い伝送
品質を得ることができないといった問題や、消費電力の
増大といった問題があった。
【0035】一方、送受間の搬送波周波数にずれがある
場合にOFDMパケット信号を同期検波するためには、
通常、OFDMパケット信号の先頭に設けられる同期用
プリアンブル信号を用いて搬送波周波数誤差を検出し、
検出した搬送波周波数誤差情報を用いて受信処理後の複
素ベースバンド信号に対して搬送波周波数誤差補正処理
を行う。ところが、一般に、周波数変換や直交検波等を
行う受信処理部において熱雑音等の雑音成分が受信信号
に付加されるため、検出した搬送波周波数誤差情報に検
出誤差が生じてしまう。従って、上述のような搬送波周
波数誤差補正処理のみでは受信信号に対して高精度な搬
送波周波数誤差補正を施すことは困難であり、前述の検
出誤差によって受信信号に残留した搬送波周波数誤差、
すなわち残留搬送波周波数誤差に起因した各検波信号の
位相回転により伝送品質に劣化が生じてしまう。この残
留搬送波周波数誤差による伝送品質の劣化を改善するた
めに、従来の装置では、同期検波後に既知信号であるパ
イロット信号の残留搬送波周波数誤差に起因する位相回
転量を検出して位相回転の補正を行っていた。
【0036】ところで、この残留搬送波周波数誤差に起
因する位相回転量を高精度に検出するためには、受信処
理部で付加される熱雑音の影響を精度良く除去する必要
があるため、非常に多数のパイロット信号の位相回転量
を検出して平滑化を行わなければならない。
【0037】しかしながら、一般に、高い周波数利用効
率を維持するためには、パイロット信号を伝送するため
に用いるサブキャリアの数をなるべく少なくする必要が
あるため、十分な平滑化を行うためには非常に多くのO
FDMシンボルに渡って検出した多数のパイロット信号
の位相回転量を平滑化処理する必要があった。一般に、
このように多シンボルに渡る時間方向の平滑化処理を行
うと、大きな処理遅延が生じるためにシステム全体のス
ループットが低下してしまう問題があった。さらに、従
来の装置では、時間方向の平滑化の原理上、パケットの
先頭部分のOFDMシンボルについては十分な平滑化を
行うことができない。従って、パケットの先頭部分のO
FDMシンボルの各検波信号に含まれる残留搬送波周波
数誤差に起因する位相回転を精度良く補正することがで
きないという問題もあった。
【0038】また、従来の装置では、残留搬送波周波数
誤差および位相雑音に起因する同期検波後の各サブキャ
リア信号に含まれる位相回転の補正を行う場合には、パ
イロット信号に相当する同期検波後の信号の位相回転量
を検出し、パイロット信号の受信信号レベルに応じた重
み付けを行うとともに1個のOFDMシンボル内で平滑
化処理を行い、更に、熱雑音の影響を低減させるために
複数シンボルに渡って時間方向に移動平均処理を行って
各サブキャリアの位相回転を検出し、その検出結果に基
づいて同期検波後の各サブキャリア信号の位相回転の補
正を行っていた。
【0039】しかしながら、実際の受信装置では、一般
に、受信回路2において受信信号をアナログ処理する際
に熱雑音が付加され、受信回路2からは熱雑音に起因す
る雑音成分が付加された複素ベースバンド信号が出力さ
れる。同期処理回路3、ガードインターバル除去回路4
およびフーリエ変換回路5は前述の雑音成分を除去ある
いは低減する機能を持たないため、受信回路2から出力
される複素ベースバンド信号に雑音成分が付加されてい
ると、フーリエ変換回路5が出力するサブキャリア毎の
各信号の信号品質は雑音成分の影響によって劣化するこ
とになる。一方、チャネル推定回路6はフーリエ変換回
路5が出力するサブキャリア毎の各信号のうち、図44
に示すパケットの先頭付近の固定長のチャネル推定用プ
リアンブル信号に相当する信号だけを用いて、受信した
OFDM信号が通ってきた伝送路(チャネル)の状態を
サブキャリア毎に推定する。システムのスループット特
性を向上させるため、一般にパケットのチャネル推定用
プリアンブル信号の信号長は短く設定される。従って、
フーリエ変換回路5が出力する各サブキャリア信号の信
号品質が前述の雑音成分の影響によって劣化すると、チ
ャネル推定回路6における伝送路(チャネル)の状態の
推定精度も雑音成分の影響によって低下することにな
る。チャネル推定回路6におけるチャネルの推定精度が
低下した場合、重み付け回路11には精度の低下した各
サブキャリアのチャネル推定結果が入力されることにな
り、重み付け回路11では精度の低い信号レベル情報に
基づいて各パイロット信号の位相回転情報に対して重み
付けを行うことになる。この低い精度の信号レベル情報
に基づいた重み付けによる影響については、原理上、シ
ンボル内平均回路12および移動平均回路13において
補正することは不可能である。従って、結果的に位相回
転補正回路9において精度の低い位相回転補正が行われ
ることになるため、伝送品質に大きな劣化を生じる。
【0040】このような熱雑音による伝送路(チャネ
ル)状態の推定精度の低下を回避するため、従来の装置
においては、OFDMパケット信号の先頭付近において
同一の既知のチャネル推定用プリアンブル信号を複数回
送信し、受信側で平均化を行うことにより雑音成分を抑
圧して熱雑音の影響を低減する方法や、受信したチャネ
ル推定用プリアンブル信号を周波数方向に移動平均処理
することにより雑音成分を抑圧して熱雑音の影響を低減
する方法が知られている。しかし、前者には、パケット
内の全ての信号に対するチャネル推定用プリアンブル信
号の割合が増加するために伝送効率すなわちスループッ
トが低下するという問題がある。また、後者には、周波
数方向に移動平均処理を行うことから、各サブキャリア
毎の伝送路(チャネル)状態の変動が大きい場合にその
変動に追従することができなくなるため、チャネルの推
定精度が低下するという問題がある。従って、従来の装
置では精度の高い信号レベル情報を用いて重み付けを行
うことが困難であり、高い伝送品質を得ることが困難で
あった。
【0041】さらに、シンボル内平均回路12から出力
される信号の位相成分は、主として位相雑音に起因する
位相回転成分、残留搬送波周波数誤差に起因する位相回
転成分および熱雑音に起因する位相回転成分の累積値か
ら構成されている。図43に示した従来のOFDMパケ
ット通信用受信装置の移動平均回路13は、シンボル内
平均回路12から出力される信号のうち、熱雑音に起因
する位相回転成分を低減し、位相雑音に起因する位相回
転成分および残留搬送波周波数誤差に起因する位相回転
成分を精度良く検出することを目的として設けられてい
る。ここで、ある信号に対し一定期間に渡る移動平均処
理を行う場合を考えてみる。この場合、移動平均処理を
行う期間内の希望信号の変化量が十分に小さいときに
は、熱雑音等の影響を低減しつつ精度良く希望信号の信
号成分を検出することが可能である。しかしながら、移
動平均処理を行う期間内の希望信号の変化量が大きい場
合には、移動平均処理することによって雑音成分のみな
らず希望信号の信号成分自体が平滑化されてしまうた
め、移動平均後の信号成分には移動平均処理に起因する
劣化が生じてしまうことになる。実際には、位相雑音に
起因する位相回転成分は数OFDMシンボル程度では殆
ど変化しない。従って、移動平均処理を行っても位相雑
音に起因する位相回転成分には劣化が殆ど生じない。し
かしながら、残留搬送波周波数誤差に起因する位相回転
成分の累積値は単調増加(あるいは単調減少)し、ま
た、1個のOFDMシンボル毎の位相回転成分の累積値
の増加量は比較的大きいため、移動平均処理を行うとそ
の信号成分には劣化が生じてしまう。従って、移動平均
回路13が出力する移動平均後の位相回転情報信号のう
ちの残留搬送波周波数誤差に起因する位相回転成分に
は、残留搬送波周波数誤差量および移動平均期間の時間
長に比例した一定の誤差が生じることになる。従って、
従来の装置では、位相回転補正回路9において移動平均
回路13から出力される移動平均後の位相回転情報信号
を用いて各サブキャリア信号の位相回転の補正を行う
と、補正後の信号には残留搬送波周波数誤差量および移
動平均期間の時間長に応じた劣化が生じる問題があっ
た。
【0042】本発明は、上述のようなOFDMパケット
通信用受信装置において、送信側装置のサンプリングク
ロック周波数と受信側装置のサンプリングクロック周波
数との間にずれが存在する場合であっても伝送品質の劣
化を抑制するとともに回路構成の複雑化を回避すること
を目的としている。また、送受間の搬送波周波数にずれ
がある場合や位相雑音がある場合であっても小さな処理
遅延で高精度にOFDM信号を復調することを目的とし
ている。さらに、受信側装置において受信信号に熱雑音
が付加される場合であっても、簡易な回路で伝送効率を
低下させずに伝送品質の劣化を抑制することを目的とし
ている。
【0043】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するため
の本発明によるOFDMパケット通信用受信装置は、O
FDM信号を受信して所定の受信処理を行う受信手段
(102)と、前記受信手段が出力する受信信号に対し
てタイミング同期処理および搬送波周波数同期処理を行
う同期処理手段(103)と、前記同期処理手段によっ
てタイミング同期処理および搬送波周波数同期処理され
た受信信号をフーリエ変換を用いて各サブキャリア毎の
信号に分離するフーリエ変換手段(105)と、前記フ
ーリエ変換手段によって分離された各サブキャリア信号
を用いてチャネル特性の推定を行うチャネル推定手段
(106)と、前記チャネル推定手段によって得られた
チャネル特性の推定結果を用いて前記フーリエ変換手段
によって分離されたサブキャリア信号に対し同期検波処
理を行い検波信号を出力する同期検波手段(107)と
を備えるOFDMパケット通信用受信装置において、前
記同期検波手段によって出力された検波信号のうち全て
あるいは一部の検波信号を用いて送信側と受信側の間の
クロック周波数誤差による位相回転量あるいは位相回転
累積量を検波信号(R1、R2)の位相と基準信号(S
1〜S16)の位相との差により検出し、クロック周波
数誤差(fRCLK−fTCLK)による各サブキャリア信号の
位相回転情報(Δθ)を生成するクロック周波数誤差推
定手段(100)と、前記クロック周波数誤差推定手段
から出力されたクロック周波数誤差に応じた情報に基づ
いて、前記同期検波手段から出力された検波信号に対し
てクロック周波数誤差による位相回転を補正する位相回
転補正手段(109)とを備え、該位相回転補正手段
(109)の出力をシンボル毎に識別する。
【0044】本発明の別の実施例によるOFDMパケッ
ト通信用受信装置は、OFDM信号を受信して所定の受
信処理を行う受信手段と、前記受信手段が出力する受信
信号に対してタイミング同期処理および搬送波周波数同
期処理を行い同期後の信号および搬送波周波数誤差情報
を出力する同期処理手段と、前記同期処理手段によって
タイミング同期処理および搬送波周波数同期処理された
信号をフーリエ変換を用いて各サブキャリア毎の信号に
分離するフーリエ変換手段とを備え、前記フーリエ変換
手段によって分離された各サブキャリア信号を用いてチ
ャネル特性の推定を行うチャネル推定手段と、前記チャ
ネル推定手段によって得られたチャネル特性の推定結果
を用いて前記フーリエ変換手段によって分離されたサブ
キャリア信号に対し同期検波処理を行い検波信号を出力
する同期検波手段と、前記同期検波手段から出力される
検波信号の全てあるいは一部の検波信号の残留搬送波周
波数誤差による位相回転量を検出し、残留搬送波周波数
誤差情報を生成する残留搬送波周波数誤差推定手段と、
前記同期処理手段から出力される搬送波周波数誤差情報
と前記残留搬送波周波数誤差推定手段から出力される残
留搬送波周波数誤差情報とに基づいて、前記同期検波手
段から出力される検波信号のクロック周波数誤差による
位相回転量を予測し位相回転情報を生成する位相回転予
測手段と、前記位相回転予測手段から出力される位相回
転情報に基づいて、前記同期検波手段から出力される検
波信号に対しクロック周波数誤差により生じる位相回転
を補正する位相回転補正手段とを有する。
【0045】
【発明の実施の形態】(第1の実施の形態)この形態の
OFDMパケット通信用受信装置について、図1を参照
して説明する。この形態は請求項1に対応する。
【0046】この形態では、請求項1の受信手段、同期
処理手段、フーリエ変換手段、チャネル推定手段、同期
検波手段、クロック周波数誤差推定手段及び位相回転補
正手段は、それぞれ受信回路102、同期処理回路103、フ
ーリエ変換回路105、チャネル推定回路106、同期検波回
路107、クロック周波数誤差推定部100及び位相回転補正
回路109に対応する。
【0047】アンテナ101で受信されたOFDM信号は
受信回路102に入力される。受信回路102は、入力される
OFDM信号に対して周波数変換、フィルタリング、直
交検波、AD変換等の受信処理を施す。この受信処理の
結果、受信信号が複素ベースバンド信号として受信回路
102から出力される。
【0048】受信回路102から出力される複素ベースバ
ンド信号は、同期処理回路103に入力される。同期処理
回路103は、入力される複素ベースバンド信号に含まれ
る同期用プリアンブル信号(図44参照)を用いて搬送
波周波数誤差及びシンボルタイミングを検出する。そし
て、受信回路102から入力される複素ベースバンド信号
に対して、検出した搬送波周波数誤差の情報を用いて搬
送波周波数誤差を補正するための処理を施す。
【0049】同期処理回路103は、搬送波周波数誤差の
補正された複素ベースバンド信号と、検出したシンボル
タイミングの情報とを出力する。これらの信号はガード
インターバル除去回路104に入力される。なお、シンボ
ルタイミングの検出は、受信したOFDM信号のシンボ
ル間に存在するガードインターバルを除去して各シンボ
ルから有効なデータ成分を抽出するために必要になる。
【0050】ガードインターバル除去回路104は、同期
処理回路103から入力されるシンボルタイミングの情報
に従って、入力される複素ベースバンド信号にFFTウ
インドウ処理を施す。すなわち、複素ベースバンド信号
の1OFDMシンボル毎に、FFTウインドウの時間幅
の信号成分だけを抽出し、ガードインターバルを除去す
る。FFTウインドウの時間幅は、1OFDMシンボル
長からガードインターバルに相当する信号長を差し引い
た時間幅である。
【0051】ガードインターバル除去回路104によって
ガードインターバルを除去された複素ベースバンド信号
が1OFDMシンボル毎にフーリエ変換回路105に入力
される。フーリエ変換回路105は、入力される複素ベー
スバンド信号に1OFDMシンボル毎に高速フーリエ変
換処理を施して、入力信号に含まれる多数のサブキャリ
アの各信号成分をそれぞれ分離する。
【0052】フーリエ変換回路105で分離された各サブ
キャリアの信号は、同期検波回路107及びチャネル推定
回路106にそれぞれ入力される。チャネル推定回路106
は、入力される各サブキャリアの信号のうち、チャネル
推定用プリアンブル信号(図44参照)に相当する信号
成分を用いて各サブキャリア信号が通ってきた伝送路
(チャネル)の状態をサブキャリア毎に推定し、その推
定結果を出力する。
【0053】チャネル推定回路106から出力されるチャ
ネル推定結果を参照することにより、例えば、各々のサ
ブキャリアの振幅や位相がフェージングによってどのよ
うな影響を受けているかを知ることができる。チャネル
推定回路106から出力されるチャネル推定結果は、同期
検波回路107に入力される。
【0054】同期検波回路107は、同期検波回路107から
入力される複素ベースバンド信号について、チャネル推
定回路106から入力されるチャネル推定結果を利用し
て、サブキャリア毎に、フェージシグ等のチャネル特性
に起因する振幅変動及び位相回転を補正することで同期
検波に相当する処理を行う。
【0055】同期検波回路107が出力する検波信号は、
位相回転補正回路109及びクロック周波数誤差推定部100
にそれぞれ入力される。クロック周波数誤差推定部100
は、位相回転検出回路108、クロック周波数誤差予測回
路110、位相回転演算回路111で構成されている。
【0056】例えば、変調方式として16QAM変調を
採用している場合には、同期検波後の信号は本来、位相
平面上で図45に示す16個の基準信号点S1〜S16
のいずれかの位置に現れる。しかし、送信側装置のサン
プリングクロック周波数と受信側装置のサンプリングク
ロック周波数にずれが存在する場合、すなわち、送受間
でクロック周波数誤差が存在する場合には、同期検波さ
れた検波信号に位相回転が生じるため、同期検波回路10
7から出力される検波信号(例えば、図45のR1、R
2)の位置は本来の位置であるいずれか1つの基準信号
点と一致しなくなる。検波信号の位相回転量は、検波信
号毎に異なる。
【0057】クロック周波数誤差推定部100の位相回転
検出回路108は、各サブキャリアの検波信号について、
それぞれの位相回転量あるいは位相回転累積量を検出す
る。例えば、図45に示す入力信号R1が同期検波回路
107から出力された検波信号であった場合、位相回転検
出回路108は基準信号点S1〜S16の中で位置が入力
信号R1に最も近い基準信号点S3を基準とし、基準信
号点S3と入力信号R1との位相差φ1を検出する。
【0058】また、図45に示す入力信号R2が同期検
波回路107から出力された検波信号であった場合、位相
回転検出回路108は基準信号点S1〜S16の中で位置
が入力信号R2に最も近い基準信号点S6を基準とし、
基準信号点S6と入力信号R2との位相差φ2を検出す
る。
【0059】このクロック周波数誤差に起因する位相回
転量は、前記第(5)式で表される。従って、クロック
周波数誤差による位相回転量(Δθ)(例えば、図45
の位相差φ1、φ2)、チャネル推定時からの時間経過
量(t)、チャネルの中心周波数からの各サブキャリア
の周波数オフセット量(f)はいずれも既知なので、前
記第(5)式に基づいてサンプリングクロック周波数の
規格値に対する送受間のサンプリングクロック周波数の
ずれの割合(Δx)を算出することができる。さらに、
サンプリングクロック周波数の規格値(fCLK)は既知
であるため、サンプリングクロック周波数の規格値に対
する送受間のサンプリングクロック周波数のずれの割合
(Δx)から、送受間のサンプリングクロック周波数の
周波数ずれの量(fRCLK−fTCLK)を算出することもで
きる。
【0060】クロック周波数誤差予測回路110は、OF
DMシンボル毎に位相回転検出回路108から入力される
各検波信号の位相回転量の情報を用いて、前記第(5)
式に基づいてサンプリングクロック周波数の規格値に対
する送受間のサンプリングクロック周波数のずれの割合
すなわちクロック周波数偏差あるいは送受間のサンプリ
ングクロック周波数の周波数ずれの量すなわちクロック
周波数誤差を予測演算する。
【0061】位相回転量演算回路111は、クロック周波
数誤差予測回路110が予測演算したクロック周波数偏差
あるいはクロック周波数誤差に基づき、同期検波回路10
7が出力する各検波信号のクロック周波数誤差に起因す
る位相回転量を検波信号毎に演算する。この位相回転量
は、前記第(5)式により求めることができる。
【0062】位相回転補正回路109は、同期検波回路107
から入力される各検波信号に対して、位相回転演算回路
111で演算された位相回転量の情報に基づいて、クロッ
ク周波数誤差に起因する位相回転を除去するような位相
補正処理を行う。
【0063】位相回転補正回路109によって位相補正さ
れた検波信号が識別回路112に入力される。識別回路112
は、入力される検波信号のうち、データ信号(図44参
照)についてシンボル判定を行い、その判定結果を復調
出力として出力する。例えば、16QAM変調の場合に
は識別回路112は各々の検波信号が図45に示す基準信
号点S1〜S16のいずれに該当するかを識別する。こ
の際、各検波信号がいずれの基準信号点に対応するかを
識別する前に、位相回転補正回路109によって検波信号
毎に前記位相回転量が補正されているため、クロック周
波数ずれの影響を受けることなく信号を識別することが
できる。すなわち、従来の装置では実現が困難であった
高精度なクロック周波数同期を実現することができる。
また、上述したようなクロック周波数誤差に対する補正
処理はディジタル処理によって実現できるので、構成の
複雑なアナログ補正回路を設ける必要が無く、消費電力
の増加を抑制することができる。
【0064】(第2の実施の形態)この形態のOFDM
パケット通信用受信装置について、図2を参照して説明
する。この形態は請求項2に対応する。この形態は第1
の実施の形態の変形例である。図2において、第1の実
施の形態と対応する要素は同一の符号を付けて示してあ
る。第1の実施の形態と同一の部分については、以下の
説明を省略する。
【0065】図2に示すクロック周波数誤差推定部200
には、重み付け回路201、平滑化回路202、位相回転検出
回路203、クロック周波数誤差予測回路110及び位相回転
演算回路111が備わっている。
【0066】同期検波回路107から出力される検波信号
と、チャネル推定回路106から出力されるサブキャリア
毎のチャネル推定結果とが重み付け回路201に入力され
る。重み付け回路201は、まず同期検波回路107から入力
される検波信号の基準信号からの位相回転量の情報を検
出し、次にチャネル推定回路106から入力されるチャネ
ル推定結果に基づいて前述の位相回転量の情報に対して
重み付けを行う。
【0067】例えば、チャネル推定結果から得られる各
サブキャリアの信号レベル情報に基づいて、信号レベル
が大きいサブキャリアの検波信号から検出した位相回転
量の情報には大きな重み付けを行い、信号レベルが小さ
いサブキャリアの検波信号から検出した位相回転量の情
報には小さい重み付けを行う。このような重み付けを行
うと、クロック周波数誤差推定手段における信号レベル
の小さい信号(劣化した信号)の影響度が小さくなるた
め、クロック周波数誤差推定の信頼性が改善される。
【0068】重み付け回路201によって重み付けされた
位相回転量情報信号は、平滑化回路202に入力される。
平滑化回路202は、重み付け回路201から入力される重み
付け後の位相回転量情報信号について、サブキャリア毎
に時間軸方向に対する移動平均を計算し、その結果を出
力する。すなわち、平滑化回路202は重み付け後の位相
回転量情報信号を平滑化する。この平滑化により、受信
回路102において信号に付加された熱雑音等による信号
品質の劣化を除去することができる。
【0069】位相回転検出回路203は、重み付け回路201
で重み付けされ平滑化回路202で平滑化された位相回転
量情報信号を入力し、クロック周波数誤差によって当該
検波信号に生じた位相回転の位相回転量(例えば、図4
5のφ1、φ2)あるいは位相回転累積量を検波信号毎
に検出する。
【0070】クロック周波数誤差予測回路110は、位相
回転検出回路203が検出した検波信号毎の位相回転量あ
るいは位相回転累積量を用いて、前記第(5)式に基づ
いてクロック周波数偏差あるいはクロック周波数誤差を
予測演算する。位相回転演算回路111は、クロック周波
数誤差予測回路110が予測演算したクロック周波数誤差
に基づいて、同期検波回路107から出力される検波信号
のクロック周波数誤差に起因する位相回転量を検波信号
毎に演算する。この位相回転量は、前記第(5)式によ
り求めることができる。この演算結果が位相回転補正回
路109に印加される。
【0071】サブキャリア毎に通信品質が異なる場合に
は、上述のように通信品質が良好なサブキャリアの検波
信号から検出した位相回転量の情報の重みを大きくした
信号を処理することによって、フェージング等の影響を
抑制することができるため、クロック周波数誤差の検出
精度を改善できる。また、時間方向に対して平滑化した
位相回転量情報信号を処理することによって、熱雑音等
の影響を抑制できるため、さらに高精度にクロック周波
数誤差を検出することが可能になる。すなわち、従来の
装置では実現が困難であった高精度なクロック周波数同
期を実現することができる。また、上述したようなクロ
ック周波数誤差に対する補正処理はディジタル処理によ
って実現できるので、構成の複雑なアナログ補正回路を
設ける必要が無く、消費電力の増加を抑制することがで
きる。
【0072】(第3の実施の形態)この形態のOFDM
パケット通信用受信装置について、図3を参照して説明
する。この形態は請求項3に対応する。この形態は第1
の実施の形態の変形例である。図3において、第1の実
施の形態と対応する要素は同一の符号を付けて示してあ
る。第1の実施の形態と同一の部分については、以下の
説明を省略する。
【0073】図3に示すクロック周波数誤差推定部300
には、パイロット信号抽出回路301、位相回転検出回路3
02、クロック周波数誤差予測回路303及び位相回転演算
回路111が備わっている。
【0074】この形態では、受信したOFDM信号に含
まれる多数のサブキャリアのうち一部分(複数)のサブキ
ャリアに既知信号であるパイロット信号を伝送する場合
を想定している。
【0075】パイロット信号抽出回路301は、同期検波
回路107が出力する検波信号を入力し、その検波信号の
中からパイロット信号に相当する検波信号の信号成分だ
けを抽出する。
【0076】位相回転検出回路302は、パイロット信号
抽出回路301が抽出したパイロット信号に相当する検波
信号の信号成分だけを入力し、その各検波信号に生じた
位相回転の位相回転量あるいは位相回転累積量を、検波
信号毎に検出する。
【0077】パイロット信号は既知信号なので、それに
対応する基準信号点も既知である。従って、パイロット
信号に相当する検波信号だけを位相回転量の検出対象に
する場合には検波信号に対応する特定の基準信号点を識
別する必要がなく、信号処理が簡単になる。また、検波
信号に大きな雑音成分が付加されている場合であって
も、当該検波信号の本来の基準信号点が誤って識別され
るようなことも無いため、位相回転量の検出精度が改善
される。
【0078】クロック周波数誤差予測回路303は、位相
回転検出回路302により検出された位相回転量あるいは
位相回転累積量を検波信号毎に入力して、クロック周波
数偏差あるいはクロック周波数誤差を予測演算する。
【0079】位相回転演算回路111は、クロック周波数
誤差予測回路303が予測演算したクロック周波数偏差あ
るいはクロック周波数誤差に基づいて、同期検波回路10
7が出力する各検波信号に生じるクロック周波数誤差に
起因する位相回転量を検波信号毎に演算する。この位相
回転量は、前記第(5)式により求めることができる。
【0080】位相回転補正回路109は、同期検波回路107
から入力される各検波信号に対して、位相回転演算回路
111から入力される位相回転量の情報に基づいて、クロ
ック周波数誤差に起因する位相回転を除去するような位
相補正処理を行う。
【0081】上述のように、OFDM信号の一部のサブ
キャリアを利用して既知信号であるパイロット信号を伝
送する場合には、パイロット信号に相当する検波信号の
信号成分からクロック周波数誤差を検出することによ
り、一部の検波信号だけを用いて効率的にクロック周波
数誤差を検出できるので、クロック周波数誤差推定手段
の回路構成を単純化できる。また、検波信号に大きな雑
音成分が付加されている場合であっても、当該検波信号
の基準信号点が誤って識別されるようなことが無いた
め、クロック周波数誤差の検出精度が向上する。すなわ
ち、従来の装置では実現が困難であった高精度なクロッ
ク周波数同期を簡易な回路で実現することができる。ま
た、上述したようなクロック周波数誤差に対する補正処
理はディジタル処理によって実現できるので、構成の複
雑なアナログ補正回路を設ける必要がなく、消費電力の
増加を抑制することができる。
【0082】(第4の実施の形態)この形態のOFDM
パケット通信用受信装置について、図4を参照して説明
する。この形態は請求項4に対応する。この形態は第1
の実施の形態の変形例である。図4において、第1の実
施の形態と対応する要素は同一の符号を付けて示してあ
る。第1の実施の形態と同一の部分については、以下の
説明を省略する。
【0083】図4に示すクロック周波数誤差推定部400
は、パイロット信号抽出回路401、重み付け回路402、平
滑化回路403、位相回転検出回路404、クロック周波数誤
差予測回路405及び位相回転演算回路111を備えている。
【0084】この形態では、受信したOFDM信号に含
まれる多数のサブキャリアのうち一部分(複数)のサブ
キャリアを用いて既知信号であるパイロット信号を伝送
する場合を想定している。
【0085】パイロット信号抽出回路401は、同期検波
回路107が出力する検波信号を入力し、その検波信号の
中からパイロット信号に相当する検波信号の信号成分だ
けを抽出する。
【0086】重み付け回路402は、まず、パイロット信
号抽出回路401によって検波信号の中から抽出されたパ
イロット信号に相当する各検波信号の基準信号からの位
相回転量の情報を抽出し、次に、チャネル推定回路106
が推定したチャネル推定結果に基づいて前述の位相回転
量の情報に対して重み付けを行う。
【0087】例えば、チャネル推定結果から得られる各
サブキャリアの信号レベル情報に基づいて、信号レベル
が大きいサブキャリアの検波信号から検出した位相回転
量の情報には大きな重み付けを行い、信号レベルが小さ
いサブキャリアの検波信号から検出した位相回転量の情
報には小さい重み付けを行う。このような重み付けを行
うと、クロック周波数誤差推定手段における信号レベル
の小さい信号の影響度が小さくなるため、クロック周波
数誤差推定の信頼性が改善される。
【0088】重み付け回路402によって重み付けされた
位相回転量情報信号は、平滑化回路403に入力される。
平滑化回路403は、重み付け回路402から入力される重み
付け後の位相回転量情報信号について、サブキャリア毎
に時間軸方向に対する移動平均を計算し、その結果を出
力する。すなわち、平滑化回路403は重み付け後の位相
回転量情報信号を平滑化する。この平滑化により、受信
回路102において信号に付加された熱雑音等による信号
品質の劣化を除去することができる。
【0089】位相回転検出回路404は、重み付け回路402
で重み付けされ平滑化回路403で平滑化された位相回転
量情報信号を入力し、クロック周波数誤差によって当該
検波信号に生じた位相回転の位相回転量(例えば、図4
5のφ1、φ2)あるいは位相回転累積量をパイロット
信号に相当する検波信号毎に検出する。
【0090】クロック周波数誤差予測回路405は、位相
回転検出回路404が検出したパイロット信号に相当する
各検波信号の位相回転量あるいは位相回転累積量を用い
て、前記第(5)式に基づいてクロック周波数偏差ある
いはクロック周波数誤差を予測演算する。位相回転演算
回路111は、クロック周波数誤差予測回路405が予測演算
したクロック周波数誤差に基づいて、同期検波回路107
から出力される検波信号のクロック周波数誤差に起因す
る位相回転量を検波信号毎に演算する。この位相回転量
は、前記第(5)式により求めることができる。この演
算結果が位相回転補正回路109に印加される。
【0091】上述のようにOFDM信号の一部のサブキ
ャリアを利用して既知信号であるパイロット信号を伝送
する場合には、パイロット信号に相当する検波信号の信
号成分からクロック周波数誤差を検出することにより、
一部の検波信号だけを用いて効率的にクロック周波数誤
差を検出できるので、クロック周波数誤差推定手段の回
路構成を単純化できる。また、検波信号に大きな雑音成
分が付加されている場合であっても、当該検波信号の基
準信号点が誤って識別されるようなことが無いため、ク
ロック周波数誤差の検出精度が向上する。
【0092】さらに、サブキャリア毎に通信品質が異な
る場合には、上述のように通信品質が良好なサブキャリ
アを利用して伝送されたパイロット信号から検出した位
相回転量の情報の重みを大きくした信号を処理すること
によって、フェージング等の影響を抑制することができ
るため、クロック周波数誤差の検出精度を改善できる。
また、時間方向に対して平滑化した位相回転量情報信号
を処理することによって、熱雑音等の影響を抑制できる
ため、さらに高精度にクロック周波数誤差を検出するこ
とが可能になる。
【0093】すなわち、従来の装置では実現が困難であ
った高精度なクロック周波数同期を簡易な回路で実現す
ることができる。また、上述したようなクロック周波数
誤差に対する補正処理はディジタル処理によって実現で
きるので、構成の複雑なアナログ補正回路を設ける必要
が無く、消費電力の増加を抑制することができる。
【0094】(第5の実施の形態)この形態のOFDM
パケット通信用受信装置について、図5を参照して説明
する。この形態は請求項5に対応する。この形態は第1
の実施の形態の変形例である。図5において、第1の実
施の形態と対応する要素は同一の符号を付けて示してあ
る。第1の実施の形態と同一の部分については、以下の
説明を省略する。
【0095】この形態では、請求項5の受信手段、同期
処理手段、フーリエ変換手段、チャネル推定手段、同期
検波手段、クロック周波数誤差推定手段及び位相回転補
正手段は、それぞれ受信回路102、同期処理回路103、フ
ーリエ変換回路105、チャネル推定回路106、同期検波回
路107、クロック周波数誤差推定部500及び位相回転補正
回路109に対応する。
【0096】図5に示すクロック周波数誤差推定部500
は、位相回転検出回路501、クロック周波数誤差予測回
路502及び位相回転演算回路503を備えている。
【0097】位相回転検出回路501は、位相回転補正回
路109を通過した位相回転補正後の検波信号を入力し、
検波信号の位相回転量をOFDMシンボル毎及びサブキ
ャリア毎に検出する。なお、位相回転検出回路501の基
本的な動作は、図1の位相回転検出回路108と同様であ
る。
【0098】クロック周波数誤差予測回路502は、当該
シンボル受信時までに位相回転検出回路501から入力さ
れた各検波信号の位相回転量の情報を用いて、クロック
周波数偏差あるいはクロック周波数誤差を予測演算す
る。
【0099】位相回転演算回路503は、クロック周波数
誤差予測回路502が予測演算したクロック周波数偏差あ
るいはクロック周波数誤差の情報を用いて同期検波回路
107が出力する検波信号に生じるクロック周波数誤差に
起因する位相回転の位相回転量を、検波信号毎に演算し
て求める。この位相回転量は、前記第(5)式により求
めることができる。
【0100】位相回転補正回路109は、同期検波回路107
から入力される各検波信号に対して、位相回転演算回路
503から入力される位相回転量の情報に基づいて、クロ
ック周波数誤差に起因する位相回転を除去するような位
相補正処理を行う。
【0101】すなわち、図1のOFDMパケット通信用
受信装置においては位相回転補正回路109が補正する前
の検波信号から位相回転を検出しているのに対し、図5
のOFDMパケット通信用受信装置においては位相回転
補正回路109が補正した後の検波信号から位相回転を検
出している。
【0102】従って、第1の実施例と同様に各検波信号
がいずれの基準信号点に対応するかを識別する前に検波
信号毎に前記位相回転量を補正することにより、クロッ
ク周波数ずれの影響を受けることなく信号を識別するこ
とができる。すなわち、従来の装置では実現が困難であ
った高精度なクロック周波数同期を実現することができ
る。また、上述したようなクロック周波数誤差に対する
補正処理はディジタル処理によって実現できるので、構
成の複雑なアナログ補正回路を設ける必要が無く、消費
電力の増加を抑制することができる。
【0103】(第6の実施の形態)この形態のOFDM
パケット通信用受信装置について、図6を参照して説明
する。この形態は請求項6に対応する。この形態は第5
の実施の形態の変形例である。図6において、第5の実
施の形態と対応する要素は同一の符号を付けて示してあ
る。第5の実施の形態と同一の部分については、以下の
説明を省略する。
【0104】図6に示すクロック周波数誤差推定部600
は、重み付け回路601、平滑化回路602、位相回転検出
回路603、クロック周波数誤差予測回路502及び位相回転
演算回路503を備えている。
【0105】クロック周波数誤差予測回路502は、当該
シンボル受信時までに位相回転検出回路501から入力さ
れた各検波信号の位相回転量の情報を用いて、クロック
周波数偏差あるいはクロック周波数誤差を予測演算する
【0106】重み付け回路601は、位相回転補正回路109
が出力する位相回転補正後の検波信号を入力し、まず位
相回転補正回路109から入力される位相回転補正後の検
波信号の基準信号からの位相回転量の情報を検出し、次
にチャネル推定回路106が推定したチャネル推定結果に
基づいて前述の位相回転量の情報に対して検波信号毎に
重み付けを行う。
【0107】例えば、チャネル推定結果から得られる各
サブキャリアの信号レベル情報に基づいて、信号レベル
が大きいサブキャリアの検波信号から検出した位相回転
量の情報には大きな重み付けを行い、信号レベルが小さ
いサブキャリアの検波信号から検出した位相回転量の情
報には小さい重み付けを行う。このような重み付けを行
うと、クロック周波数誤差推定手段における信号レベル
の小さい信号の影響度が小さくなるため、クロック周波
数誤差推定の信頼性が改善される。
【0108】重み付け回路601によって重み付けされた
位相回転量情報信号は、平滑化回路602に入力される。
平滑化回路602は、重み付け回路601から入力される重み
付け後の位相回転量情報信号について、サブキャリア毎
に時間軸方向に対する移動平均を計算し、その結果を出
力する。すなわち、平滑化回路602は重み付け後の位相
回転量情報信号を平滑化する。この平滑化により、受信
回路102において信号に付加された熱雑音等による信号
品質の劣化を除去することができる。
【0109】位相回転検出回路603は、重み付け回路601
で重み付けされ平滑化回路602で平滑化された位相回転
量情報信号を入力し、クロック周波数誤差によって該検
波信号に生じた位相回転の位相回転量を検波信号毎に検
出する。
【0110】位相回転検出回路603の検出した各検波信
号の位相回転量がクロック周波数誤差予測回路502に印
加され、クロック周波数偏差あるいはクロック周波数誤
差の予測演算に利用される。
【0111】サブキャリア毎に通信品質が異なる場合に
は、上述のように通信品質が良好なサブキャリアの検波
信号から検出した位相回転量の情報の重みを大きくした
信号を処理することによって、フェージング等の影響を
抑制することができるため、クロック周波数誤差の検出
精度を改善できる。また、時間方向に対して平滑化した
位相回転量情報信号を処理することによって、熱雑音等
の影響を抑制できるため、さらに高精度にクロック周波
数誤差を検出することが可能になる。すなわち、従来の
装置では実現が困難であった高精度なクロック周波数同
期を実現することができる。また、上述したようなクロ
ック周波数誤差に対する補正処理はディジタル処理によ
って実現できるので、構成の複雑なアナログ補正回路を
設ける必要が無く、消費電力の増加を抑制することがで
きる。
【0112】(第7の実施の形態)この形態のOFDM
パケット通信用受信装置について、図7を参照して説明
する。この形態は請求項7に対応する。この形態は第5
の実施の形態の変形例である。図7において、第5の実
施の形態と対応する要素は同一の符号を付けて示してあ
る。第5の実施の形態と同一の部分については、以下の
説明を省略する。
【0113】図7に示すクロック周波数誤差推定部700
は、パイロット信号抽出回路701、位相回転検出回路70
2、クロック周波数誤差予測回路703及び位相回転演算回
路503を備えている。
【0114】この形態では、受信したOFDM信号に含
まれる多数のサブキャリアのうち一部分(複数)のサブ
キャリアに既知信号であるパイロット信号を伝送する場
合を想定している。
【0115】パイロット信号抽出回路701は、位相回転
補正回路109によって位相回転補正された検波信号を入
力し、その検波信号の中からパイロット信号に相当する
検波信号の信号成分だけを抽出する。
【0116】位相回転検出回路702は、パイロット信号
抽出回路701が抽出したパイロット信号に相当する検波
信号の信号成分だけを入力し、その検波信号に生じた位
相回転の位相回転量あるいは位相回転累積量を、検波信
号毎に検出する。
【0117】パイロット信号は既知信号なので、それに
対応する基準信号点も既知である。従って、パイロット
信号に相当する検波信号だけを位相回転量の検出対象に
する場合には検波信号に対応する特定の基準信号点を識
別する必要がなく、信号処理が簡単になる。また、検波
信号に大きな雑音成分が付加されている場合であって
も、当該検波信号の基準信号点が誤って識別されるよう
なことも無いため、位相回転量の検出精度が改善され
る。
【0118】クロック周波数誤差予測回路703は、位相
回転検出回路702により検出された位相回転量あるいは
位相回転累積量を検波信号毎に入力して、クロック周波
数偏差あるいはクロック周波数誤差を予測演算する。
【0119】各検波信号に生じるクロック周波数誤差に
起因する位相回転量を演算するために、クロック周波数
誤差予測回路703が予測演算したクロック周波数偏差あ
るいはクロック周波数誤差の情報が位相回転演算回路50
3に入力される。
【0120】上述のように、OFDM信号の一部のサブ
キャリアを利用して既知信号であるパイロット信号を伝
送する場合には、パイロット信号に相当する検波信号の
信号成分からクロック周波数誤差を検出することによ
り、一部の検波信号だけを用いて効率的にクロック周波
数誤差を検出できるので、クロック周波数誤差推定手段
の回路構成を単純化できる。また、検波信号に大きな雑
音成分が付加されている場合であっても、当該検波信号
の基準信号点が誤って識別されるようなことが無いた
め、クロック周波数誤差の検出精度が向上する。すなわ
ち、従来の装置では実現が困難であった高精度なクロッ
ク周波数同期を簡易な回路で実現することができる。ま
た、上述したようなクロック周波数誤差に対する補正処
理はディジタル処理によって実現できるので、構成の複
雑なアナログ補正回路を設ける必要が無く、消費電力の
増加を抑制することができる。
【0121】(第8の実施の形態)この形態のOFDM
パケット通信用受信装置について、図8を参照して説明
する。この形態は請求項8に対応する。この形態は第5
の実施の形態の変形例である。図8において、第5の実
施の形態と対応する要素は同一の符号を付けて示してあ
る。第5の実施の形態と同一の部分については、以下の
説明を省略する。
【0122】図8に示すクロック周波数誤差推定部800
は、パイロット信号抽出回路801、重み付け回路802、平
滑化回路803、位相回転検出回路804、クロック周波数誤
差予測回路805及び位相回転演算回路503に対応する。
【0123】この形態では、受信したOFDM信号に含
まれる多数のサブキャリアのうち一部分(複数)のサブ
キャリアを用いて、既知信号であるパイロット信号を伝
送する場合を想定している。
【0124】パイロット信号抽出回路801は、位相回転
補正回路109によって位相回転補正された検波信号を入
力し、その検波信号の中からパイロット信号に相当する
検波信号の信号成分だけを抽出する。
【0125】重み付け回路802は、パイロット信号抽出
回路801により抽出されたパイロット信号に相当する検
波信号を入力し、まず、パイロット信号抽出回路801か
ら入力されるパイロット信号に相当する各検波信号の基
準信号からの位相回転量の情報を抽出し、次に、チャネ
ル推定回路106が推定したチャネル推定結果に基づいて
前述の位相回転量の情報に対して重み付けを行う。
【0126】例えば、チャネル推定結果から得られる各
サブキャリアの信号レベル情報に基づいて、信号レベル
が大きいサブキャリアの検波信号から検出した位相回転
量の情報には大きな重み付けを行い、信号レベルが小さ
いサブキャリアの検波信号から検出した位相回転量の情
報には小さい重み付けを行う。このような重み付けを行
うと、クロック周波数誤差推定手段における信号レベル
の小さい信号の影響度が小さくなるため、クロック周波
数誤差推定の信頼性が改善される。
【0127】重み付け回路802によって重み付けされた
位相回転量情報信号は、平滑化回路803に入力される。
平滑化回路803は、重み付け回路802から入力される重み
付け後の位相回転量情報信号について、サブキャリア毎
に時間軸方向に対する移動平均を計算し、その結果を出
力する。すなわち、平滑化回路803は重み付け後の位相
回転量情報信号を平滑化する。この平滑化により、受信
回路102において信号に付加された熱雑音等による信号
品質の劣化を除去することができる。
【0128】位相回転検出回路804は、重み付け回路802
で重み付けされ平滑化回路803で平滑化された位相回転
量情報信号を入力し、クロック周波数誤差によって当該
検波信号に生じた位相回転の位相回転量を各パイロット
信号に相当する検波信号毎に検出する。
【0129】クロック周波数誤差予測回路805は、位相
回転検出回路804が検出した各パイロット信号に相当す
る各検波信号の位相回転量を用いて、前記第(5)式に
基づいてクロック周波数偏差あるいはクロック周波数誤
差を予測演算する。
【0130】各検波信号に生じるクロック周波数誤差に
起因する位相回転量を演算するために、クロック周波数
誤差予測回路805が予測演算したクロック周波数偏差あ
るいはクロック周波数誤差の情報が位相回転演算回路50
3に入力される。
【0131】上述のようにOFDM信号の一部のサブキ
ャリアを利用して既知信号であるパイロット信号を伝送
する場合には、パイロット信号に相当する検波信号の信
号成分からクロック周波数誤差を検出することにより、
一部の検波信号だけを用いて効率的にクロック周波数誤
差を検出できるので、クロック周波数誤差推定手段の回
路構成を単純化できる。また、検波信号に大きな雑音成
分が付加されている場合であっても、当該検波信号の基
準信号点が誤って識別されるようなことが無いため、ク
ロック周波数誤差の検出精度が向上する。
【0132】さらに、サブキャリア毎に通信品質が異な
る場合には、上述のように通信品質が良好なサブキャリ
アを利用して伝送されたパイロット信号から検出した位
相回転量の情報の重みを大きくした信号を処理すること
によって、フェージング等の影響を抑制することができ
るため、クロック周波数誤差の検出精度を改善できる。
また、時間方向に対して平滑化した位相回転量情報信号
を処理することによって、熱雑音等の影響を抑制できる
ため、さらに高精度にクロック周波数誤差を検出するこ
とが可能になる。
【0133】すなわち、従来の装置では実現が困難であ
った高精度なクロック周波数同期を簡易な回路で実現す
ることができる。また、上述したようなクロック周波数
誤差に対する補正処理はディジタル処理によって実現で
きるので、構成の複雑なアナログ補正回路を設ける必要
が無く、消費電力の増加を抑制することができる。
【0134】(第9の実施の形態)この形態のOFDM
パケット通信用受信装置について、図9を参照して説明
する。この形態は請求項9に対応する。
【0135】この形態では、請求項9の受信手段、同期
処理手段、フーリエ変換手段、チャネル推定手段、同期
検波手段、残留搬送波周波数誤差推定手段、位相回転予
測手段及び位相回転補正手段は、それぞれ受信回路10
2、同期処理回路901、フーリエ変換回路105、チャネル
推定回路106、同期検波回路107、残留搬送波周波数誤差
検出回路902、位相回転予測回路904及び位相回転補正回
路109に対応する。
【0136】なお、この例では図9のOFDMパケット
通信用受信装置が受信するOFDM信号を送信する送信
装置において、搬送波周波数とサンプリングクロックの
周波数とが同期していることを想定している。また、図
9のOFDMパケット通信用受信装置は、受信側におけ
る搬送波周波数とサンプリングクロックの周波数とが同
期するように制御する。この例では、同一の信号源が出
力する信号に基づいて搬送波周波数及びサンプリングク
ロック周波数の両方を生成しているので、搬送波周波数
とサンプリングクロックの周波数とが同期している。
【0137】アンテナ101で受信されたOFDM信号は
受信回路102に入力される。受信回路102は、入力される
OFDM信号に対して周波数変換、フィルタリング、直
交検波、AD変換等の受信処理を施す。この受信処理の
結果、受信信号が複素ベースバンド信号として受信回路
102から出力される。
【0138】受信回路102から出力される複素ベースバ
ンド信号は、同期処理回路901に入力される。同期処理
回路901は、入力される複素ベースバンド信号に含まれ
る同期用プリアンブル信号(図44参照)を用いて搬送波
周波数誤差及びシンボルタイミングを検出する。そし
て、受信回路102から入力される複素ベースバンド信号
に対して、検出した搬送波周波数誤差の情報を用いて搬
送波周波数誤差を補正するための処理を施す。
【0139】同期処理回路901は、搬送波周波数誤差の
補正された複素ベースバンド信号と、検出したシンボル
タイミングの情報と、検出した搬送波周波数誤差の情報
とを出力する。これらの信号のうち、複素ベースバンド
信号とシンボルタイミング情報はガードインターバル除
去回路104に入力される。また、搬送波周波数誤差情報
は位相回転予測回路904に入力される。なお、シンボル
タイミングの検出は、受信したOFDM信号のシンボル
間に存在するガードインターバルを除去して各シンボル
から有効なデータ成分を抽出するために必要になる。
【0140】ガードインターバル除去回路104は、同期
処理回路901から入力されるシンボルタイミングの情報
に従って、入力される複素ベースバンド信号にFFTウ
インドウ処理を施す。すなわち、複素ベースバンド信号
の1OFDMシンボル毎に、FFTウインドウの時間幅
の信号成分だけを抽出し、ガードインターバルを除去す
る。FFTウインドウの時間幅は、1OFDMシンボル
長からガードインターバルに相当する信号長を差し引い
た時間幅である。
【0141】ガードインターバル除去回路104によって
ガードインターバルを除去された複素ベースバンド信号
が1OFDMシンボル毎にフーリエ変換回路105に入力
される。フーリエ変換回路105は、入力される複素ベー
スバンド信号に1OFDMシンボル毎に高速フーリエ変
換処理を施して、入力信号に含まれる多数のサブキャリ
アの各信号成分をそれぞれ分離する。
【0142】フーリエ変換回路105で分離された各サブ
キャリアの信号は、同期検波回路107及びチャネル推定
回路106にそれぞれ入力される。チャネル推定回路106
は、入力される各サブキャリアの信号のうち、チャネル
推定用プリアンブル信号(図44参照)に相当する信号成
分を用いて各サブキャリア信号が通ってきた伝送路(チ
ャネル)の状態をサブキャリア毎に推定し、その推定結
果を出力する。
【0143】チャネル推定回路106から出力されるチャ
ネル推定結果を参照することにより、例えば、各々のサ
ブキャリアの振幅や位相がフェージングによってどのよ
うな影響を受けているかを知ることができる。チャネル
推定回路106から出力されるチャネル推定結果は、同期
検波回路107に入力される。
【0144】同期検波回路107は、同期検波回路107から
入力される複素ベースバンド信号に対して、チャネル推
定回路106から入力されるチャネル推定結果を利用し
て、サブキャリア毎に、フェージング等のチャネル特性
に起因する振幅変動及び位相回転を補正することで同期
検波に相当する処理を行う。
【0145】同期検波回路107が出力する検波信号は、
残留搬送波周波数誤差検出回路902及び位相回転補正回
路903にそれぞれ入力される。残留搬送波周波数誤差検
出回路902は、同期検波回路107から入力される検波信号
を用いて、その検波信号に現れる残留搬送波周波数誤差
に起因する各検波信号の位相回転を検出することによ
り、残留搬送波周波数誤差を検出する。
【0146】例えば、変調方式として16QAM変調を
採用している場合には、同期検波後の信号は本来、位相
平面上で図45に示す16個の基準信号点S1〜S16
のいずれかの位置に現れる。しかし、送信側装置と受信
側装置との間で搬送波周波数及びサンプリングクロック
周波数にずれが存在する場合には、同期検波後の各検波
信号に前記第(5)式および前記第(6)式に示される
ような位相回転が生じるため、同期検波回路107から出
力される検波信号(例えば、図45のR1、R2)の位置
は本来の位置であるいずれか1つの基準信号点と一致し
なくなる。
【0147】搬送波周波数のずれによって生じる位相回
転は、前記第(6)式に示されるように当該OFDMシ
ンボルに含まれる全ての検波信号の信号成分に共通に現
れる。また、OFDMシンボル間隔は一定であるため、
1OFDMシンボル当たりの位相回転量は、残留搬送波
周波数誤差量に比例した一定量となる。そこで、残留搬
送波周波数誤差検出回路902は、入力される複数のサブ
キャリア信号に共通に現れる前述の1OFDMシンボル
当たりの位相回転量あるいはチャネル推定時から当該O
FDMシンボルまでに付加される位相回転累積量を検出
することにより、前記第(6)式に基づいて残留搬送波
周波数誤差を検出する。
【0148】実際には、まず同一の1OFDMシンボル
について各々のサブキャリア信号の基準信号点からの位
相回転量を検出する。例えは、図45に示す入力信号R
1が同期検波回路107から出力された検波信号であった
場合、残留搬送波周波数誤差検出回路902は基準信号点
S1〜S16の中で位置が入力信号R1に最も近い基準
信号点S3を基準とし、基準信号点S3と入力信号R1
との位相差φ1を検出する。また、図45に示す入力信
号R2が同期検波回路107から出力された検波信号であ
った場合、残留搬送波周波数誤差検出回路902は基準信
号点S1〜S16の中で位置が入力信号R2に最も近い
基準信号点S6を基準とし、基準信号点S6と入力信号
R2との位相差φ2を検出する。
【0149】ここで検出される位相回転量には、前記第
(6)式に示されるような残留搬送波周波数誤差に起因
する位相回転成分だけでなく、前記第(5)式に示され
るようなクロック周波数誤差に起因する位相回転成分も
含まれている。そこで、残留搬送波周波数誤差によって
生じる全てのサブキャリアに共通な位相回転量を検出す
るために、残留搬送波周波数誤差検出回路902は同一の
OFDMシンボルについて検出された各検波信号の位相
回転量を全てのサブキャリアに渡って平均化する。
【0150】各検波信号のクロック周波数誤差による位
相回転量は、前記第(5)式に示されるように、チャネ
ルの中心周波数と当該サブキャリア周波数との間の周波
数オフセット量に比例する。このため、全てのサブキャ
リアの各々の位相回転量を1OFDMシンボル内で単純
に平均化すると、周波数軸上でチャネルの中心周波数を
跨いで互いに対称な位置にあるサブキャリア同士でクロ
ック周波数誤差による位相回転が打ち消し合うため、残
留搬送波周波数誤差に起因する前記第(6)式に示され
るような各サブキャリアに共通な位相回転量の情報だけ
が抽出される。この位相回転量の情報を用いて、前記第
(6)式に基づいて残留搬送波周波数誤差の情報が算出
される。算出された残留搬送波周波数誤差の情報が残留
搬送波周波数誤差検出回路902から出力される。
【0151】位相回転予測回路904の入力には、同期処
理回路901から出力される搬送波周波数誤差の情報と、
残留搬送波周波数誤差検出回路902から出力される残留
搬送波周波数誤差の情報とが印加される。これらの入力
情報に基づいて、位相回転予測回路904はクロック周波
数誤差によって生じる位相回転量を検波信号毎にそれぞ
れ予測する。
【0152】この実施例では、送信側の装置における搬
送波周波数とサンプリングクロックの周波数とが同期
し、かつ受信側の装置における搬送波周波数とサンプリ
ングクロックの周波数とが同期している場合を想定して
いる。このような場合には、サンプリングクロック周波
数の規格値に対する送受間のサンプリングクロック周波
数のずれの割合(Δx)と、搬送波周波数の規格値に対
する送受間の搬送波周波数のずれの割合が等しくなるた
め、次式が成り立つ。
【0153】 Δx=(fRCLK−fTCLK)/fCLK=Δf/fRF=(fRRF−fTRF)/fR F ・・・(7) fTRF:送信側装置の搬送波周波数 fRRF:受信側装置の搬送波周波数 fRF:搬送波周波数の規格値
【0154】従って、前記第(5)式に第(7)式を代
入すると、送受間のクロック周波数誤差に起因する各検
波信号の位相回転量Δθは、次式のように表される。
【0155】 Δθ≒2π・f・t・(fRRF−fTRF)/fRF ・・・(8)
【0156】従って、同期処理回路901から入力される
搬送波周波数誤差の情報と残留搬送波周波数誤差検出回
路902から入力される搬送波周波数誤差の情報を用い
て、第(8)式に基づいて送受間のクロック周波数誤差
に起因する各検波信号の位相回転量Δθを求めることが
できる。なお、同期処理回路901から入力される搬送波
周波数誤差の情報だけを用いて、第(8)式に基づいて
送受間のクロック周波数誤差に起因する各検波信号の位
相回転量Δθを求めることもできるが、残留搬送波周波
数誤差検出回路902から入力される搬送波周波数誤差の
情報を用いることにより、送受間のクロック周波数誤差
に起因する各検波信号の位相回転量Δθをより高精度に
求めることができる。一方、第(8)式に示されるよう
に、送受間のクロック周波数誤差に起因する各検波信号
の位相回転量ΔθはOFDMシンボル毎およびサブキャ
リア毎に異なる。従って、位相回転予測回路904は、同
期処理回路901から出力される搬送波周波数誤差の情報
と残留搬送波周波数誤差検出回路902から出力される残
留搬送波周波数誤差の情報とにより得られる高精度な搬
送波周波数誤差情報を用いて、同期検波回路107から出
力される検波信号のそれぞれに生じる送受間のクロック
周波数誤差に起因する位相回転量Δθを、第(8)式に
基づいて予測演算する。
【0157】位相回転補正回路903は、位相回転予測回
路904が予測演算した検波信号毎の位相回転量Δθの情
報に基づいて、同期検波回路107から入力される各検波
信号に生じているクロック周波数誤差に起因する位相回
転を除去するような位相補正処理を行う。
【0158】位相回転補正回路903から出力される位相
回転補正処理後の検波信号が識別回路112に入力され
る。識別回路112は、入力される検波信号のうち、デー
タ信号(図44参照)についてシンボル判定を行い、その
判定結果を復調出力として出力する。例えば、16QA
M変調の場合には識別回路112は各々の検波信号が図4
5に示す基準信号点S1〜S16のいずれに該当するか
を識別する。この際、各検波信号がいずれの基準信号点
に対応するかを識別する前に、位相回転補正回路903に
よって検波信号毎に前記位相回転が高精度に補正されて
いるため、クロック周波数誤差の影響を受けることなく
信号を識別することができる。すなわち、従来の装置で
は実現が困難であった高精度なクロック周波数同期を実
現することができる。また、上述したようなクロック周
波数誤差に対する補正処理はディジタル処理によって実
現できるので、構成の複雑なアナログ補正回路を設ける
必要が無く、消費電力の増加を抑制することができる。
【0159】(第10の実施の形態)この形態のOFD
Mパケット通信用受信装置について、図10を参照して
説明する。この形態は請求項10に対応する。この形態
は第9の実施の形態の変形例である。図10において、
第9の実施の形態と対応する要素は同一の符号を付けて
示してある。第9の実施の形態と同一の部分について
は、以下の説明を省略する。
【0160】図10のOFDMパケット通信用受信装置
には、重み付け回路1001及び平滑化回路1002が追加され
ている。残留搬送波周波数誤差検出回路1003の基本的な
動作は、前記残留搬送波周波数誤差検出回路902と同じ
である。
【0161】なお、この例でも図10のOFDMパケッ
ト通信用受信装置が受信するOFDM信号を送信する送
信装置において、搬送波周波数とサンプリングクロック
の周波数とが同期していることを想定している。また、
図10のOFDMパケット通信用受信装置は、受信側に
おける搬送波周波数とサンプリングクロックの周波数と
が同期するように制御する。
【0162】重み付け回路1001の入力には、同期検波回
路107から出力される検波信号と、チャネル推定回路106
から出力されるチャネル推定結果と、位相回転予測回路
904から出力される各検波信号の位相回転量の情報とが
それぞれ印加される。
【0163】重み付け回路1001は、同期検波回路107が
出力する検波信号の全てあるいは一部分(複数)の検波信
号を入力する。そして、まずクロック周波数誤差によっ
て各々の検波信号に生じた位相回転を、位相回転予測回
路904が出力した当該検波信号の位相回転量の情報を用
いて補正し、位相回転補正後の該検波信号の基準信号か
らの位相回転量の情報を検出する。次に、チャネル推定
回路106から入力されるチャネル推定結果に基づいて、
前述の基準信号からの位相回転量情報に対して重み付け
を行う。
【0164】例えば、チャネル推定結果から得られる各
サブキャリアの信号レベル情報に基づいて、信号レベル
が大きいサブキャリアの検波信号から検出した位相回転
量の情報には大きな重み付けを行い、信号レベルが小さ
いサブキャリアの検波信号から検出した位相回転量の情
報には小さい重み付けを行う。このような重み付けを行
うと、残留搬送波周波数誤差推定手段における信号レベ
ルの小さい信号(劣化した信号)の影響度が小さくなる
ため、残留搬送波周波数誤差推定の信頼性が改善され
る。
【0165】重み付け回路1001によって重み付けされた
位相回転量情報信号は、平滑化回路1002に入力される。
平滑化回路1002は、重み付け回路1001から入力される重
み付け後の位相回転量情報信号について、サブキャリア
毎に時間軸方向に対する移動平均を計算し、その結果を
出力する。すなわち、平滑化回路1002は重み付け後の位
相回転量情報信号を平滑化する。この平滑化により、受
信回路102において信号に付加された熱雑音等による信
号品質の劣化を除去することができる。
【0166】残留搬送波周波数誤差検出回路1003は、重
み付け回路1001で重み付けされ平滑化回路1002で平滑化
された位相回転量情報信号を入力する。そして、入力さ
れた位相回転量情報信号から残留搬送波周波数誤差に起
因する位相回転を検出することにより、前記第(6)式
に基づいて残留搬送波周波数誤差を算出する。残留搬送
波周波数誤差検出回路1003の基本的な動作は、前記残留
搬送波周波数誤差検出回路902と同じであるため、残留
搬送波周波数誤差検出回路1003についての詳細な説明は
省略する。
【0167】位相回転予測回路904は、同期処理回路901
で検出された搬送波周波数誤差の情報と、残留搬送波周
波数誤差検出回路1003で検出された残留搬送波周波数誤
差の情報とに基づいて、クロック周波数誤差によって生
じる位相回転量を検波信号毎にそれぞれ予測する。
【0168】サブキャリア毎に通信品質が異なる場合に
は、上述のように通信品質が良好なサブキャリアの検波
信号から検出した位相回転量の情報の重みを大きくした
信号を処理することによって、フェージング等の影響を
抑制することができるため、残留搬送波周波数誤差の検
出精度を改善できる。また、時間方向に対して平滑化し
た位相回転量情報信号を処理することによって、熱雑音
等の影響を抑制できるため、さらに高精度に残留搬送波
周波数誤差を検出することが可能になる。すなわち、従
来の装置では実現が困難であった高精度なクロック周波
数同期を実現することができる。また、上述したような
クロック周波数誤差に対する補正処理はディジタル処理
によって実現できるので、構成の複雑なアナログ補正回
路を設ける必要が無く、消費電力の増加を抑制すること
ができる。
【0169】(第11の実施の形態)この形態のOFD
Mパケット通信用受信装置について、図11を参照して
説明する。この形態は請求項11に対応する。この形態
は第9の実施の形態の変形例である。図11において、
第9の実施の形態と対応する要素は同一の符号を付けて
示してある。第9の実施の形態と同一の部分について
は、以下の説明を省略する。
【0170】図11のOFDMパケット通信用受信装置
には、パイロット信号抽出回路1101が追加されている。
残留搬送波周波数誤差検出回路1102の基本的な動作は、
前記残留搬送波周波数誤差検出回路902と同じである。
【0171】この形態では、受信したOFDM信号に含
まれる多数のサブキャリアのうち一部分(複数)のサブキ
ャリアを用いて、既知信号であるパイロット信号を伝送
する場合を想定している。
【0172】なお、この例でも図11のOFDMパケッ
ト通信用受信装置が受信するOFDM信号を送信する送
信装置において、搬送波周波数とサンプリングクロック
の周波数とが同期していることを想定している。また、
図11のOFDMパケット通信用受信装置は、受信側に
おける搬送波周波数とサンプリングクロックの周波数と
が同期するように制御する。
【0173】パイロット信号抽出回路1101は、同期検波
回路107が出力する検波信号を入力し、その検波信号の
中からパイロット信号に相当する検波信号の信号成分だ
けを抽出する。
【0174】残留搬送波周波数誤差検出回路1102は、パ
イロット信号抽出回路1101が抽出したパイロット信号に
相当する検波信号の信号成分だけを入力し、各検波信号
に共通に生じている位相回転量あるいは位相回転累積量
を検波信号毎に検出する。
【0175】パイロット信号は既知信号なので、それに
対応する基準信号点(例えば図45のS1〜S16のい
ずれか1つ)も既知である。従って、パイロット信号に
相当する検波信号だけを位相回転量の検出対象にする場
合には、検波信号に対応する特定の基準信号点を識別す
る必要がなく、残留搬送波周波数誤差検出回路1102にお
ける信号処理が簡単になる。また、検波信号に大きな雑
音成分が付加されている場合であっても、当該検波信号
の本来の基準信号点が誤って識別されるようなことも無
いため、位相回転量の検出精度が改善される。
【0176】残留搬送波周波数誤差検出回路1102は、検
出した位相回転量あるいは位相回転累積量を用いて、前
記第(6)式に基づいて残留搬送波周波数誤差を求め
る。残留搬送波周波数誤差検出回路1102の基本的な動作
は、前記残留搬送波周波数誤差検出回路902と同じであ
るため、残留搬送波周波数誤差検出回路1102についての
詳細な説明は省略する。残留搬送波周波数誤差検出回路
1102から出力される残留搬送波周波数誤差の情報が、位
相回転予測回路904に入力される。
【0177】上述のようにOFDM信号の一部のサブキ
ャリアを利用して既知信号であるパイロット信号を伝送
する場合には、パイロット信号に相当する検波信号の信
号成分から残留搬送波周波数誤差を検出することによ
り、一部の検波信号だけを用いて効率的に残留搬送波周
波数誤差を検出できるので、残留搬送波周波数誤差推定
手段の回路構成を単純化できる。また、検波信号に大き
な雑音成分が付加されている場合であっても、当該検波
信号の基準信号点が誤って識別されるようなことが無い
ため、残留搬送波周波数誤差の検出精度が向上する。
【0178】すなわち、従来の装置では実現が困難であ
った高精度なクロック周波数同期を簡易な回路で実現す
ることができる。また、上述したようなクロック周波数
誤差に対する補正処理はディジタル処理によって実現で
きるので、構成の複雑なアナログ補正回路を設ける必要
が無く、消費電力の増加を抑制することができる。
【0179】(第12の実施の形態)この形態のOFD
Mパケット通信用受信装置について、図12を参照して
説明する。この形態は請求項12に対応する。この形態
は第9の実施の形態の変形例である。図12において、
第9の実施の形態と対応する要素は同一の符号を付けて
示してある。第9の実施の形態と同一の部分について
は、以下の説明を省略する。
【0180】図12のOFDMパケット通信用受信装置
には、パイロット信号抽出回路1201、重み付け回路120
2、平滑化回路1203及び残留搬送波周波数誤差検出回路1
204が追加されている。残留搬送波周波数誤差検出回路1
204の基本的な動作は、前記残留搬送波周波数誤差検出
回路902と同じである。
【0181】この形態では、受信したOFDM信号に含
まれる多数のサブキャリアのうち一部分(複数)のサブキ
ャリアを用いて既知信号であるパイロット信号を伝送す
る場合を想定している。
【0182】なお、この例でも図12のOFDMパケッ
ト通信用受信装置が受信するOFDM信号を送信する送
信装置において、搬送波周波数とサンプリングクロック
の周波数とが同期していることを想定している。また、
図12のOFDMパケット通信用受信装置は、受信側に
おける搬送波周波数とサンプリングクロックの周波数と
が同期するように制御する。
【0183】パイロット信号抽出回路1201は、同期検波
回路107が出力する検波信号を入力し、その検波信号の
中からパイロット信号に相当する検波信号の信号成分だ
けを抽出する。
【0184】重み付け回路1202には、パイロット信号抽
出回路1201によって検波信号の中から抽出されたパイロ
ット信号に相当する各検波信号の信号成分と、チャネル
推定回路106から出力されるチャネル推定結果と、位相
回転予測回路904から出力される各検波信号の位相回転
量の情報とが入力される。重み付け回路1202は、まずク
ロック周波数誤差によって各々の検波信号に生じた位相
回転を、位相回転予測回路904から入力される当該検波
信号の位相回転量の情報を用いて補正し、位相回転補正
後の該検波信号の基準信号からの位相回転量の情報を検
出する。次に、チャネル推定回路106から入力されるチ
ャネル推定結果に基づいて、前述の基準信号からの位相
回転量情報に対して重み付けを行う。
【0185】例えば、チャネル推定結果から得られる各
サブキャリアの信号レベル情報に基づいて、信号レベル
が大きいサブキャリアの検波信号から検出した位相回転
量の情報には大きな重み付けを行い、信号レベルが小さ
いサブキャリアの検波信号から検出した位相回転量の情
報には小さい重み付けを行う。このような重み付けを行
うと、残留搬送波周波数誤差推定手段における信号レベ
ルの小さい信号の影響度が小さくなるため、残留搬送波
周波数誤差推定の信頼性が改善される。
【0186】重み付け回路1202によって重み付けされた
位相回転量情報信号は、平滑化回路1203に入力される。
平滑化回路1203は、重み付け回路1202から入力される重
み付け後の位相回転量情報信号について、サブキャリア
毎に時間軸方向に対する移動平均を計算し、その結果を
出力する。すなわち、平滑化回路1203は重み付け後の位
相回転量情報信号を平滑化する。この平滑化により、受
信回路102において信号に付加された熱雑音等による信
号品質の劣化を除去することができる。
【0187】残留搬送波周波数誤差検出回路1204は、重
み付け回路1202で重み付けされ平滑化回路1203で平滑化
された位相回転量情報信号を入力し、その位相回転量情
報信号から残留搬送波周波数誤差に起因する位相回転を
検出することにより、残留搬送波周波数誤差を求める。
残留搬送波周波数誤差検出回路1204の基本的な動作は、
前記残留搬送波周波数誤差検出回路902と同じであるた
め、残留搬送波周波数誤差検出回路1204についての詳細
な説明は省略する。残留搬送波周波数誤差検出回路1204
の求めた残留搬送波周波数誤差の情報が位相回転予測回
路904に入力される。
【0188】上述のようにOFDM信号の一部のサブキ
ャリアを利用して既知信号であるパイロット信号を伝送
する場合には、パイロット信号に相当する検波信号の信
号成分から残留搬送波周波数誤差を検出することによ
り、一部の検波信号だけを用いて効率的に残留搬送波周
波数誤差を検出できるので、残留搬送波周波数誤差推定
手段の回路構成を単純化できる。また、検波信号に大き
な雑音成分が付加されている場合であっても、当該検波
信号の基準信号点が誤って識別されるようなことが無い
ため、残留搬送波周波数誤差の検出精度が向上する。
【0189】さらに、サブキャリア毎に通信品質が異な
る場合には、上述のように通信品質が良好なサブキャリ
アの検波信号から検出した位相回転量の情報の重みを大
きくした信号を処理することによって、フェージング等
の影響を抑制することができるため、残留搬送波周波数
誤差の検出精度を改善できる。また、時間方向に対して
平滑化した位相回転量情報信号を処理することによっ
て、熱雑音等の影響を抑制できるため、さらに高精度に
残留搬送波周波数誤差を検出することが可能になる。す
なわち、従来の装置では実現が困難であった高精度なク
ロック周波数同期を実現することができる。また、上述
したようなクロック周波数誤差に対する補正処理はディ
ジタル処理によって実現できるので、構成の複雑なアナ
ログ補正回路を設ける必要が無く、消費電力の増加を抑
制することができる。
【0190】(第13の実施の形態)この形態のOFD
Mパケット通信用受信装置について、図13を参照して
説明する。この形態は請求項13に対応する。この形態
は第9の実施の形態の変形例である。図13において、
第9の実施の形態と対応する要素は同一の符号を付けて
示してある。第9の実施の形態と同一の部分について
は、以下の説明を省略する。
【0191】この形態では、請求項13の受信手段、同
期処理手段、フーリエ変換手段、チャネル推定手段、同
期検波手段、第1の位相回転予測手段、第1の位相回転
補正手段、残留搬送波周波数誤差推定手段、第2の位相
回転予測手段及び第2の位相回転補正手段は、それぞれ
受信回路102、同期処理回路901、フーリエ変換回路10
5、チャネル推定回路106、同期検波回路107、位相回転
予測回路904、位相回転補正回路903、残留搬送波周波数
誤差検出回路902、位相回転予測回路904及び位相回転補
正回路903に対応する。
【0192】なお、この例でも図13のOFDMパケッ
ト通信用受信装置が受信するOFDM信号を送信する送
信装置において、搬送波周波数とサンプリングクロック
の周波数とが同期していることを想定している。また、
図13のOFDMパケット通信用受信装置は、受信側に
おける搬送波周波数とサンプリングクロックの周波数と
が同期するように制御する。
【0193】図13に示すOFDMパケット通信用受信
装置は、独立した2つの位相回転予測回路1301、904
と、独立した2つの位相回転補正回路903、1302とを備
えている。この形態では、位相回転予測回路1301は、同
期処理回路901から入力される搬送波周波数誤差の情報
を用いてクロック周波数誤差によって検波信号に生じる
位相回転量を検波信号毎にそれぞれ予測する。
【0194】すなわち、この例では送信側の装置におけ
る搬送波周波数とサンプリングクロックの周波数とが同
期し、かつ受信側の装置における搬送波周波数とサンプ
リングクロックの周波数とが同期しているので、前述の
ようにクロック周波数のずれによって生じる位相回転量
は第(6)式に基づいて搬送波周波数の誤差から求める
ことができる。位相回転量は検波信号毎に異なるので、
それらの各々について位相回転予測回路1301は位相回転
量を計算する。
【0195】位相回転補正回路1302は、同期検波回路10
7から入力される検波信号に生じるクロック周波数誤差
に起因する位相回転を、位相回転予測回路1301の予測し
た当該検波信号の位相回転量の情報に基づいて検波信号
毎にそれぞれ補正する。位相回転が補正された検波信号
が、位相回転補正回路1302から出力される。
【0196】しかしながら、現実には受信回路102にお
いて受信信号に付加される雑音成分等の影響により同期
処理回路901において搬送波周波数誤差を正しく検出し
て搬送波周波数誤差を完全に補正することはできないの
で、同期処理回路901が出力する複素ベースバンド信号
には残留搬送波周波数誤差が含まれている。位相回転補
正回路1302は同期処理回路901が検出した搬送波周波数
誤差の情報に基づいて位相回転予測回路1301の予測した
位相回転量を補正するので、位相回転補正回路1302から
出力される位相回転補正後の検波信号には、クロック周
波数誤差によって生じる位相回転成分のうちの残留搬送
波周波数誤差に相当する位相回転成分が残留している。
【0197】そこで、位相回転補正回路1302が出力する
検波信号に残留している位相回転成分、すなわちクロッ
ク周波数誤差によって生じる位相回転のうちの残留搬送
波周波数誤差に相当する位相回転成分を位相回転補正回
路903で補正する。
【0198】残留搬送波周波数誤差検出回路902は、位
相回転補正回路1302で位相回転補正された検波信号を入
力し、この検波信号を用いて残留搬送波周波数誤差を検
出する。すなわち、検波信号に現れる残留搬送波周波数
誤差に起因する各検波信号の位相回転を検出することに
より、残留搬送波周波数誤差を検出する。残留搬送波周
波数誤差検出回路902の詳細な動作の説明は既に述べて
いるので省略する。
【0199】位相回転予測回路904は、位相回転補正回
路1302が出力する検波信号に残留している前述の位相回
転量を、残留搬送波周波数誤差検出回路902で検出され
た残留搬送波周波数誤差の情報に基づいて、検波信号毎
にそれぞれ予測する。
【0200】この例では、送信側の装置における搬送波
周波数とサンプリングクロックの周波数とが同期し、か
つ受信側の装置における搬送波周波数とサンプリングク
ロックの周波数とが同期しているので、クロック周波数
のずれによって生じる位相回転量は、前記第(8)式に
基づいて残留搬送波周波数誤差検出回路902から入力さ
れる残留搬送波周波数誤差の情報から求めることができ
る。位相回転量は検波信号毎に異なるので、それらの各
々について位相回転予測回路904は位相回転量を計算す
る。
【0201】位相回転補正回路903は、位相回転予測回
路904が予測した検波信号毎の各位相回転量の情報に基
づいて、位相回転補正回路1302から入力される検波信号
に生じている位相回転を除去するように位相回転補正処
理を行う。この位相回転補正処理によって、送受間のク
ロック周波数誤差によって生じた位相回転のうち、位相
回転補正回路1302で補正しきれなかった残留位相回転が
補正される。
【0202】従って、各検波信号がいずれの基準信号点
に対応するかを識別する前に、位相回転補正回路1302お
よび位相回転補正回路903によって検波信号毎にクロッ
ク周波数誤差により生じる位相回転が高精度に補正され
ているため、識別回路112はクロック周波数誤差の影響
を受けることなく信号を識別することができる。すなわ
ち、従来の装置では実現が困難であった高精度なクロッ
ク周波数同期を実現することができる。また、上述した
ようなクロック周波数誤差に対する補正処理はディジタ
ル処理によって実現できるので、構成の複雑なアナログ
補正回路を設ける必要が無く、消費電力の増加を抑制す
ることができる。
【0203】(第14の実施の形態)この形態のOFD
Mパケット通信用受信装置について、図14を参照して
説明する。この形態は請求項14に対応する。この形態
は第13の実施の形態の変形例である。図14におい
て、第13の実施の形態と対応する要素は同一の符号を
付けて示してある。第13の実施の形態と同一の部分に
ついては、以下の説明を省略する。
【0204】図14のOFDMパケット通信用受信装置
には、重み付け回路1401及び平滑化回路1402が追加され
ている。残留搬送波周波数誤差検出回路1403の基本的な
動作は、前記残留搬送波周波数誤差検出回路902と同じ
である。
【0205】なお、この例でも図14のOFDMパケッ
ト通信用受信装置が受信するOFDM信号を送信する送
信装置において、搬送波周波数とサンプリングクロック
の周波数とが同期していることを想定している。また、
図14のOFDMパケット通信用受信装置は、受信側に
おける搬送波周波数とサンプリングクロックの周波数と
が同期するように制御する。
【0206】重み付け回路1401の入力には、位相回転補
正回路1302から出力される検波信号と、チャネル推定回
路106から出力されるチャネル推定結果と、位相回転予
測回路904から出力される各検波信号の位相回転量の情
報とがそれぞれ印加される。
【0207】重み付け回路1401は、位相回転補正回路13
02が出力する検波信号の全てあるいは一部分(複数)の検
波信号を入力する。そして、まずクロック周波数誤差に
よって各々の検波信号に生じた位相回転を、位相回転予
測回路904から入力された位相回転量の情報を用いて補
正し、位相回転補正後の該検波信号の基準信号からの位
相回転量の情報を検出する。次に、チャネル推定回路10
6から入力されるチャネル推定結果に基づいて、前述の
基準信号からの位相回転量情報に対して重み付けを行
う。
【0208】例えば、チャネル推定結果から得られる各
サブキャリアの信号レベル情報に基づいて、信号レベル
が大きいサブキャリアの検波信号から検出した位相回転
量の情報には大きな重み付けを行い、信号レベルが小さ
いサブキャリアの検波信号から検出した位相回転量の情
報には小さい重み付けを行う。このような重み付けを行
うと、残留搬送波周波数誤差推定手段における信号レベ
ルの小さい信号(劣化した信号)の影響度が小さくなるた
め、残留搬送波周波数誤差推定の信頼性が改善される。
【0209】重み付け回路1401によって重み付けされた
位相回転量情報信号は、平滑化回路1402に入力される。
平滑化回路1402は、重み付け回路1401から入力される重
み付け後の位相回転量情報信号について、サブキャリア
毎に時間軸方向に対する移動平均を計算し、その結果を
出力する。すなわち、平滑化回路1402は重み付け後の位
相回転量情報信号を平滑化する。この平滑化により、受
信回路102において信号に付加された熱雑音等による信
号品質の劣化を除去することができる。
【0210】残留搬送波周波数誤差検出回路1403は、重
み付け回路1401で重み付けされ平滑化回路1402で平滑化
された位相回転量情報信号を入力する。そして、入力さ
れた位相回転量情報信号から残留搬送波周波数誤差に起
因する位相回転を検出することにより、残留搬送波周波
数誤差を検出する。残留搬送波周波数誤差検出回路1403
の基本的な動作は、前記残留搬送波周波数誤差検出回路
902と同じであるため、残留搬送波周波数誤差検出回路1
403についての詳細な説明は省略する。
【0211】位相回転予測回路904は、位相回転補正回
路1302が出力する検波信号に残留している前述の位相回
転量を、残留搬送波周波数誤差検出回路1403で検出され
た残留搬送波周波数誤差の情報に基づいて、検波信号毎
にそれぞれ予測する。
【0212】サブキャリア毎に通信品質が異なる場合に
は、上述のように通信品質が良好なサブキャリアの検波
信号から検出した位相回転量の情報の重みを大きくした
信号を処理することによって、フェージング等の影響を
抑制することができるため、残留搬送波周波数誤差の検
出精度を改善できる。また、時間方向に対して平滑化し
た位相回転量情報信号を処理することによって、熱雑音
等の影響を抑制できるため、さらに高精度に残留搬送波
周波数誤差を検出することが可能になる。すなわち、従
来の装置では実現が困難であった高精度なクロック周波
数同期を実現することができる。また、上述したような
クロック周波数誤差に対する補正処理はディジタル処理
によって実現できるので、構成の複雑なアナログ補正回
路を設ける必要が無く、消費電力の増加を抑制すること
ができる
【0213】(第15の実施の形態)この形態のOFD
Mパケット通信用受信装置について、図15を参照して
説明する。この形態は請求項15に対応する。この形態
は第13の実施の形態の変形例である。図15におい
て、第13の実施の形態と対応する要素は同一の符号を
付けて示してある。第13の実施の形態と同一の部分に
ついては、以下の説明を省略する。
【0214】図15のOFDMパケット通信用受信装置
には、パイロット信号抽出回路1501が追加されている。
残留搬送波周波数誤差検出回路1502の基本的な動作は、
前記残留搬送波周波数誤差検出回路902と同じである。
【0215】この形態では、受信したOFDM信号に含
まれる多数のサブキャリアのうち一部分(複数)のサブキ
ャリアを用いて、既知信号であるパイロット信号を伝送
する場合を想定している。
【0216】なお、この例でも図15のOFDMパケッ
ト通信用受信装置が受信するOFDM信号を送信する送
信装置において、搬送波周波数とサンプリングクロック
の周波数とが同期していることを想定している。また、
図15のOFDMパケット通信用受信装置は、受信側に
おける搬送波周波数とサンプリングクロックの周波数と
が同期するように制御する。
【0217】パイロット信号抽出回路1501は、位相回転
補正回路1302が出力する検波信号を入力し、その検波信
号の中からパイロット信号に相当する検波信号の信号成
分だけを抽出する。
【0218】残留搬送波周波数誤差検出回路1502は、パ
イロット信号抽出回路1501が抽出したパイロット信号に
相当する検波信号の信号成分だけを入力し、各検波信号
に共通に生じている位相回転量あるいは位相回転累積量
を検波信号毎に検出する。
【0219】パイロット信号は既知信号なので、それに
対応する基準信号点(例えば図45のS1〜S16のい
ずれか1つ)も既知である。従って、パイロット信号に
相当する検波信号だけを位相回転量の検出対象にする場
合には、検波信号に対応する特定の基準信号点を識別す
る必要がなく、残留搬送波周波数誤差検出回路1502にお
ける信号処理が簡単になる。また、検波信号に大きな雑
音成分が付加されている場合であっても、当該検波信号
の本来の基準信号点が誤って識別されるようなことも無
いため、位相回転量の検出精度が改善される。
【0220】残留搬送波周波数誤差検出回路1502は、検
出した位相回転量から残留搬送波周波数誤差を求める。
残留搬送波周波数誤差検出回路1502の基本的な動作は、
前記残留搬送波周波数誤差検出回路902と同じであるた
め、残留搬送波周波数誤差検出回路1502についての詳細
な説明は省略する。残留搬送波周波数誤差検出回路1502
がパイロットサブキャリアの信号成分から検出した残留
搬送波周波数誤差の情報が、位相回転予測回路904に入
力される。
【0221】上述のようにOFDM信号の一部のサブキ
ャリアを利用して既知信号であるパイロット信号を伝送
する場合には、パイロット信号に相当する検波信号の信
号成分から残留搬送波周波数誤差を検出することによ
り、一部の検波信号だけを用いて効率的に残留搬送波周
波数誤差を検出できるので、残留搬送波周波数誤差推定
手段の回路構成を単純化できる。また、検波信号に大き
な雑音成分が付加されている場合であっても、当該検波
信号の基準信号点が誤って識別されるようなことが無い
ため、残留搬送波周波数誤差の検出精度が向上する。
【0222】すなわち、従来の装置では実現が困難であ
った高精度なクロック周波数同期を簡易な回路で実現す
ることができる。また、上述したようなクロック周波数
誤差に対する補正処理はディジタル処理によって実現で
きるので、構成の複雑なアナログ補正回路を設ける必要
が無く、消費電力の増加を抑制することができる。
【0223】(第16の実施の形態)この形態のOFD
Mパケット通信用受信装置について、図16を参照して
説明する。この形態は請求項16に対応する。この形態
は第13の実施の形態の変形例である。図16におい
て、第13の実施の形態と対応する要素は同一の符号を
付けて示してある。第13の実施の形態と同一の部分に
ついては、以下の説明を省略する。
【0224】図16のOFDMパケット通信用受信装置
には、パイロット信号抽出回路1601、重み付け回路160
2、平滑化回路1603及び残留搬送波周波数誤差検出回路1
604が追加されている。残留搬送波周波数誤差検出回路1
604の基本的な動作は、前記残留搬送波周波数誤差検出
回路902と同じである。
【0225】この形態では、受信したOFDM信号に含
まれる多数のサブキャリアのうち一部分(複数)のサブキ
ャリアを用いて、既知信号であるパイロット信号を伝送
する場合を想定している。
【0226】なお、この例でも図16のOFDMパケッ
ト通信用受信装置が受信するOFDM信号を送信する送
信装置において、搬送波周波数とサンプリングクロック
の周波数とが同期していることを想定している。また、
図16のOFDMパケット通信用受信装置は、受信側に
おける搬送波周波数とサンプリングクロックの周波数と
が同期するように制御する。
【0227】パイロット信号抽出回路1601は、位相回転
補正回路1302が出力する検波信号を入力し、その検波信
号の中からパイロット信号に相当するサブキャリアの信
号成分だけを抽出する。
【0228】重み付け回路1602の入力には、パイロット
信号抽出回路1601から出力されるパイロット信号に相当
する検波信号と、チャネル推定回路106から出力される
チャネル推定結果と、位相回転予測回路904から出力さ
れる前述のパイロット信号に相当する検波信号の位相回
転量の情報とがそれぞれ印加される。
【0229】重み付け回路1602は、パイロット信号抽出
回路1601が出力するパイロット信号に相当する検波信号
に対して、まずクロック周波数誤差によって各々の検波
信号に生じた位相回転を、位相回転予測回路904から入
力される位相回転量の情報に基づいて補正し、位相回転
補正後の該検波信号の基準信号からの位相回転量の情報
を検出する。次に、チャネル推定回路106から入力され
るチャネル推定結果に基づいて、前述の基準信号からの
位相回転量情報に対して重み付けを行う。
【0230】例えば、チャネル推定結果から得られる各
サブキャリアの信号レベル情報に基づいて、信号レベル
が大きいサブキャリアの検波信号から検出した位相回転
量の情報には大きな重み付けを行い、信号レベルが小さ
いサブキャリアの検波信号から検出した位相回転量の情
報には小さい重み付けを行う。このような重み付けを行
うと、残留搬送波周波数誤差推定手段における信号レベ
ルの小さい信号(劣化した信号)の影響度が小さくなるた
め、残留搬送波周波数誤差推定の信頼性が改善される。
【0231】重み付け回路1602によって重み付けされた
位相回転量情報信号は、平滑化回路1603に入力される。
平滑化回路1603は、重み付け回路1602から入力される重
み付け後の位相回転量情報信号について、サブキャリア
毎に時間軸方向に対する移動平均を計算し、その結果を
出力する。すなわち、平滑化回路1603は重み付け後の位
相回転量情報信号を平滑化する。この平滑化により、受
信回路102において信号に付加された熱雑音等による信
号品質の劣化を除去することができる。
【0232】残留搬送波周波数誤差検出回路1604は、重
み付け回路1602で重み付けされ、平滑化回路1603で平滑
化された位相回転量情報信号を入力し、その位相回転量
情報信号から残留搬送波周波数誤差に起因する位相回転
を検出することにより、残留搬送波周波数誤差を求め
る。残留搬送波周波数誤差検出回路1604の基本的な動作
は、前記残留搬送波周波数誤差検出回路902と同じであ
るため、残留搬送波周波数誤差検出回路1604についての
詳細な説明は省略する。
【0233】残留搬送波周波数誤差検出回路1604の求め
た残留搬送波周波数誤差の情報が、位相回転予測回路90
4に入力される。
【0234】上述のようにOFDM信号の一部のサブキ
ャリアを利用して既知信号であるパイロット信号を伝送
する場合には、パイロット信号に相当する検波信号の信
号成分から残留搬送波周波数誤差を検出することによ
り、一部の検波信号だけを用いて効率的に残留搬送波周
波数誤差を検出できるので、残留搬送波周波数誤差推定
手段の回路構成を単純化できる。また、検波信号に大き
な雑音成分が付加されている場合であっても、当該検波
信号の基準信号点が誤って識別されるようなことが無い
ため、残留搬送波周波数誤差の検出精度が向上する。
【0235】さらに、サブキャリア毎に通信品質が異な
る場合には、上述のように通信品質が良好なサブキャリ
アの検波信号から検出した位相回転量の情報の重みを大
きくした信号を処理することによって、フェージング等
の影響を抑制することができるため、残留搬送波周波数
誤差の検出精度を改善できる。また、時間方向に対して
平滑化した位相回転量情報信号を処理することによっ
て、熱雑音等の影響を抑制できるため、さらに高精度に
残留搬送波周波数誤差を検出することが可能になる。す
なわち、従来の装置では実現が困難であった高精度なク
ロック周波数同期を実現することができる。また、上述
したようなクロック周波数誤差に対する補正処理はディ
ジタル処理によって実現できるので、構成の複雑なアナ
ログ補正回路を設ける必要が無く、消費電力の増加を抑
制することができる。
【0236】(第17の実施の形態)この形態のOFD
Mパケット通信用受信装置について、図17を参照して
説明する。この形態は請求項17に対応する。この形態
は第9の実施の形態の変形例である。図17において、
第9の実施の形態と対応する要素は同一の符号を付けて
示してある。第9の実施の形態と同一の部分について
は、以下の説明を省略する。
【0237】図17に示す残留搬送波周波数誤差検出部
1700には、位相回転量情報抽出回路1701および共通位相
回転検出回路1702が備わっている。
【0238】なお、この例でも図17のOFDMパケッ
ト通信用受信装置が受信するOFDM信号を送信する送
信装置において、搬送波周波数とサンプリングクロック
の周波数とが同期していることを想定している。また、
図17のOFDMパケット通信用受信装置は、受信側に
おける搬送波周波数とサンプリングクロックの周波数と
が同期するように制御する。
【0239】同期検波回路107が出力する検波信号が、
位相回転量情報抽出回路1701と位相回転補正回路903に
入力されている。位相回転量情報抽出回路1701は、入力
される検波信号の全てあるいは一部の検波信号から、図
45に示されるような位相平面における基準信号点から
の位相の回転量を検出する。位相回転量情報抽出回路17
01によって検出された位相回転量情報信号は、共通位相
回転検出回路1702に入力される。搬送波周波数のずれに
よって生じる位相回転は、前記第(6)式に示されるよ
うに当該OFDMシンボルに含まれる全ての検波信号の
信号成分に共通に現れる。また、OFDMシンボル間隔
は一定であるため、1OFDMシンボル当たりの位相回
転量は、残留搬送波周波数誤差量に比例した一定量とな
る。そこで、共通位相回転検出回路1702は、入力された
各検波信号の位相回転量の情報から、残留搬送波周波数
誤差によって生じる各検波信号に共通した1OFDMシ
ンボルあたりの位相回転量あるいはチャネル推定時から
当該OFDMシンボルまでに付加される位相回転累積量
を検出し、前記第(6)式に基づいて残留搬送波周波数
誤差の情報を算出する。共通位相回転検出回路1702によ
り算出された残留搬送波周波数誤差の情報が位相回転予
測回路903に印加される。
【0240】従って、各検波信号がいずれの基準信号点
に対応するかを識別する前に、位相回転補正回路1302お
よび位相回転補正回路903によって検波信号毎にクロッ
ク周波数誤差により生じる位相回転が高精度に補正され
ているため、識別回路112はクロック周波数誤差の影響
を受けることなく信号を識別することができる。すなわ
ち、従来の装置では実現が困難であった高精度なクロッ
ク周波数同期を実現することができる。また、上述した
ようなクロック周波数誤差に対する補正処理はディジタ
ル処理によって実現できるので、構成の複雑なアナログ
補正回路を設ける必要が無く、消費電力の増加を抑制す
ることができる。
【0241】(第18の実施の形態)この形態のOFD
Mパケット通信用受信装置について、図18を参照して
説明する。この形態は請求項18に対応する。この形態
は第1の実施の形態と同様の部分が多く存在する。従っ
て、図18において、第1の実施の形態と対応する要素
は同一の符号を付けて示してある。第1の実施の形態と
同一の部分については、以下の説明を省略する。
【0242】フーリエ変換回路105が出力する各サブキ
ャリア信号がチャネル推定回路106、同期検波回路107に
入力されるとともに信号レベル情報抽出回路1801に入力
されている。信号レベル情報抽出回路1801は、入力され
た各サブキャリア信号のうち全てあるいは一部のサブキ
ャリア信号からその信号レベルを抽出し、OFDMシン
ボル毎に出力する。信号レベル情報抽出回路1801からO
FDMシンボル毎に出力される信号レベル情報は、信号
レベル情報平滑化回路1802に入力される。
【0243】受信手段による受信処理時に受信信号に熱
雑音が付加されると、フーリエ変換手段によって分離さ
れる各サブキャリア信号の振幅成分と位相成分の両方に
誤差が生じることになる。信号レベル情報抽出回路1801
はフーリエ変換回路105によって分離された各サブキャ
リア信号に基づいて信号レベル情報を抽出するため、受
信回路102における受信処理時に受信信号に熱雑音が付
加されると、信号レベル情報抽出回路1801によって抽出
される信号レベル情報に熱雑音の影響による誤差が生じ
ることになる。そこで、信号レベル情報平滑化回路1802
は、信号レベル情報抽出回路1801から入力される信号レ
ベル情報について、サブキャリア毎に時間軸方向に平滑
化を行う。この平滑化により、信号レベル情報に含まれ
ている熱雑音等に起因する雑音成分の影響を低減するこ
とができる。すなわち、各サブキャリア信号の信号レベ
ル情報を高精度に検出することができる。信号レベル情
報平滑化回路1802から出力された平滑化後の高精度な信
号レベル情報は、重み付け回路1803に入力される。一
方、同期検波回路107から出力された検波信号は、位相
回転量情報抽出回路1701と位相回転補正回路1805に入力
される。位相回転量情報抽出回路1701は、入力される検
波信号の全てあるいは一部の検波信号から、図45に示
されるような位相平面における基準信号点からの位相の
回転量を検出する。位相回転量情報抽出回路1701によっ
て検出された位相回転量情報信号は、重み付け回路1803
に入力される。重み付け回路1803は、信号レベル情報平
滑化回路1802から入力される平滑化後の高精度な信号レ
ベル情報に基づいて、位相回転量情報抽出回路1701によ
って検出された位相回転量情報信号に対して重み付けを
行う。例えば、信号レベルが大きいサブキャリアの位相
回転量情報信号には大きな重み付けを行い、信号レベル
が小さいサブキャリアの位相回転量情報信号には小さな
重み付けを行う。また、重み付け後の各位相回転量情報
信号の生成は、例えば、入力される位相回転量を位相成
分とし、入力される平滑化後の各信号レベルを振幅成分
に持つようなベクトル信号を各位相回転量情報信号につ
いてそれぞれ生成することにより行うことができる。重
み付け回路1803は、高精度な信号レベル情報に基づい
て、入力される位相回転情報に対して重み付けを行うた
め、精度の高い重み付け処理を行うことができる。重み
付け回路1803から出力される重み付け後の位相回転量情
報信号は共通位相回転検出回路1804に入力される。搬送
波周波数のずれによって生じる位相回転は、前記第
(6)式に示されるように当該OFDMシンボルに含ま
れる全ての検波信号の信号成分に共通に現れる。また、
位相雑音によって生じる位相回転も、前述のように当該
OFDMシンボルに含まれる全ての検波信号の信号成分
に共通に現れる。そこで、共通位相回転検出回路1804
は、入力された重み付け後の各検波信号の位相回転量の
情報に基づいて、同期検波回路107から出力される検波
信号の残留搬送波周波数誤差および位相雑音に起因して
当該OFDMシンボルに含まれる各検波信号に共通して
生じる位相回転量あるいはチャネル推定時から当該OF
DMシンボルまでに付加される位相回転累積量を検出し
て出力する。すなわち、共通位相回転検出回路1804は、
同期検波回路107から出力される各検波信号の、残留搬
送波周波数誤差および位相雑音によって生じる位相回転
量の情報を出力する。共通位相回転検出回路1804から出
力された位相回転量の情報は位相回転補正回路1805に入
力される。位相回転補正回路1805は、共通位相回転検出
回路1804から入力された位相回転量の情報に基づいて、
同期検波回路107から入力される検波信号に含まれてい
る残留搬送波周波数誤差および位相雑音に起因する位相
回転を除去するように位相回転補正処理を行う。
【0244】本例の装置は、チャネル推定用プリアンブ
ル信号の数を増やすこと無く信号レベル情報の精度を向
上させることができるため、残留搬送波周波数誤差およ
び位相雑音によって生じる各検波信号の位相回転を、シ
ステムのスループットを低下させること無く高精度に補
正することができる。また、周波数方向の移動平均処理
を行っていないため、隣接サブキャリア間の伝送路(チ
ャネル)状態の変動が大きい場合であっても高精度に信
号レベル情報を検出することが可能であり、前述の位相
回転を精度良く補正することができる。
【0245】(第19の実施の形態)この形態のOFD
Mパケット通信用受信装置について、図19を参照して
説明する。この形態は請求項19および請求項20に対
応する。この形態は第18の実施の形態の変形例であ
る。図19において、第18の実施の形態と対応する要
素は同一の符号を付けて示してある。第18の実施の形
態と同一の部分については、以下の説明を省略する。
【0246】図19に示す位相回転量情報抽出部1900に
は、パイロット信号抽出回路1902、位相回転検出回路19
03および基準信号出力回路1904が備わっており、共通位
相回転検出部1901には、シンボル内平均回路1905および
時間方向移動平均回路1906が備わっている。
【0247】この形態では、受信したOFDM信号に含
まれる多数のサブキャリアのうち一部分(複数)のサブ
キャリアを用いて、既知信号であるパイロット信号を伝
送する場合を想定している。
【0248】同期検波回路107が出力する各検波信号
は、位相回転補正回路1805に入力されるとともにパイロ
ット信号抽出回路1902に入力される。パイロット信号抽
出回路1902は、同期検波回路107から入力された検波
信号のうちパイロット信号に相当する検波信号を抽出し
て出力する。パイロット信号抽出回路1902から出力され
たパイロット信号に相当する検波信号は位相回転検出回
路1903に入力される。一方、基準信号出力回路1904は、
パイロット信号抽出回路1902から位相回転検出回路1903
に入力されたパイロット信号に相当する検波信号に対応
する基準信号(図45参照)を出力する。前述の通り、
パイロット信号は既知信号であるため、容易に前述の基
準信号を出力することができる。基準信号出力回路1904
から出力された基準信号は位相回転検出回路1903に入力
される。位相回転検出回路1903は、基準信号出力回路19
04から入力された基準信号に基づいて、パイロット信号
抽出回路1902から入力されたパイロット信号に相当する
検波信号の位相回転量を検出して位相回転量情報信号を
出力する。
【0249】上述のように、パイロット信号に相当する
検波信号だけを位相回転量の検出対象にする場合には検
波信号に対応する特定の基準信号点を識別する必要がな
く、位相回転量情報抽出手段における信号処理が簡単に
なる。また、検波信号に大きな雑音成分が付加されてい
る場合であっても、当該検波信号の本来の基準信号点が
誤って識別されるようなことも無いため、位相回転量の
検出精度が改善される。
【0250】位相回転検出回路1903から出力された位相
回転量情報信号は重み付け回路1803に入力される。重み
付け回路1803は、信号レベル情報平滑化回路1802から入
力される平滑化後の信号レベル情報に基づいて位相回転
検出回路1903から入力される位相回転量情報信号を重み
付けして出力する。なお、重み付け回路1803ではパイロ
ット信号に相当する位相回転量情報信号に重み付けを行
うので、信号レベル情報抽出回路1801はフーリエ変換回
路105が出力するサブキャリア信号のうちのパイロット
信号に相当するサブキャリア信号の信号レベルを抽出す
るものとする。さらに、前述のように、重み付け後の各
位相回転量情報信号の生成は、例えば、入力される位相
回転量を位相成分とし、入力される平滑化後の各信号レ
ベルを振幅成分に持つようなベクトル信号を各位相回転
量情報信号についてそれぞれ生成することにより行うこ
とができる。重み付け回路1803から出力される重み付け
後の位相回転量情報信号は、シンボル内平均回路1905に
入力される。シンボル内平均回路1905は、重み付け回路
1803から1個のOFDMシンボル毎に入力される重み付
け後の各パイロット信号の位相回転量情報信号に対して
1個のOFDMシンボル内で平均化処理を行う。前述の
例では、1OFDMシンボル内の各パイロット信号に対
応するベクトル信号のベクトル和を演算することにより
ベクトル信号の位相成分の平均化処理を行うことができ
る。位相雑音や残留搬送波周波数誤差による各サブキャ
リアの位相回転量は、1OFDMシンボル内では各サブ
キャリアでほぼ一定となる。従って、1個のOFDMシ
ンボル内で各パイロット信号の位相回転情報信号を平均
化することにより信号に含まれる雑音成分が抑圧され、
当該OFDMシンボル中の各サブキャリア信号の、位相
雑音および残留搬送波周波数誤差のような各サブキャリ
アの位相回転量が1個のOFDMシンボル内で同一とな
るような要因に起因する位相回転量を精度良く知ること
ができる。なお、この平均化処理は1個のOFDMシン
ボル内で行われるため、周波数方向の平均化処理に相当
する。1個のOFDMシンボル内で平均化処理された重
み付け後の各パイロット信号の位相回転情報信号が1個
のOFDMシンボル毎にシンボル内平均回路1905から出
力される。シンボル内平均回路1905から出力される1個
のOFDMシンボル内で平均化処理された重み付け後の
各パイロット信号の位相回転情報信号は時間方向移動平
均回路1906に入力される。時間方向移動平均回路1906
は、1個のOFDMシンボル毎に入力される1個のOF
DMシンボル内で平均化処理された重み付け後の各パイ
ロット信号の位相回転量情報信号に対し、複数信号に渡
る時間方向の移動平均処理を行い出力する。この時間方
向の移動平均処理により、受信回路102において信号に
付加された熱雑音等に起因する信号の雑音成分を、さら
に抑圧することができる。時間方向移動平均回路1906か
ら出力される移動平均後の位相回転量情報信号は位相回
転補正回路1805に入力される。
【0251】本例の装置は、パイロット信号に相当する
検波信号の信号成分から残留搬送波周波数誤差および位
相雑音によって生じる各検波信号の位相回転量を検出す
ることにより、一部の検波信号だけを用いて効率的に前
述の位相回転量を検出できるので、共通位相回転検出手
段の回路構成を単純化できる。また、検波信号に大きな
雑音成分が付加されている場合であっても、当該検波信
号の基準信号点が誤って識別されるようなことが無いた
め、前述の位相回転量の検出精度が向上する。さらに、
重み付け処理された位相回転量情報に対し、周波数方向
に平均化処理を行うとともに時間方向にも平均化処理を
行うため、位相回転量情報に含まれている雑音成分を効
果的に抑圧することができる。すなわち、従来の装置で
は実現が困難であった残留搬送波周波数誤差および位相
雑音による位相回転に対する高精度な補正処理を、簡易
な回路で実現することができる。
【0252】(第20の実施の形態)この形態のOFD
Mパケット通信用受信装置について、図20を参照して
説明する。この形態は請求項19、請求項20および請
求項29に対応する。この形態は第19の実施の形態の
変形例である。図20において、第19の実施の形態と
対応する要素は同一の符号を付けて示してある。第19
の実施の形態と同一の部分については、以下の説明を省
略する。
【0253】図20のOFDMパケット通信用受信装置
には、信号レベル情報平滑化回路1802の代わりに時間方
向移動平均回路2001を備えている。時間方向移動平均回
路2001の入力には、信号レベル情報抽出回路1801が出力
する1OFDMシンボル毎の各パイロット信号の信号レ
ベル情報が印加される。
【0254】この形態では、受信したOFDM信号に含
まれる多数のサブキャリアのうち一部分(複数)のサブ
キャリアを用いて、既知信号であるパイロット信号を伝
送する場合を想定している。
【0255】時間方向移動平均回路2001は、信号レベル
情報抽出回路1801が出力する各パイロット信号の信号レ
ベル情報を各パイロット信号毎に時間方向に移動平均処
理を行う。この移動平均処理により、信号レベル情報抽
出回路1801が出力する各パイロット信号の信号レベル情
報に対する平滑化が行われる。時間方向移動平均回路20
01によって移動平均処理が施された各パイロット信号の
信号レベル情報は重み付け回路1803に入力される。
【0256】フェージングによる伝送路(チャネル)の
状態が、1パケット内で変化するような場合、各サブキ
ャリア信号の信号レベルは当該サブキャリア信号が属す
るOFDMシンボルのパケット内の時間的位置によって
変化するため、当該OFDMシンボルに隣接する複数の
OFDMシンボルを用いてサブキャリア毎に信号レベル
を平均化処理すなわち移動平均処理することにより、雑
音成分の影響を低減しつつパケット内でのチャネル特性
の変動に追従して各サブキャリアの信号レベル情報を検
出することが可能となる。すなわち、本例の装置は、パ
ケット内でチャネル特性が変動するような場合であって
も高精度に位相回転補正を行うことができる。
【0257】(第21の実施の形態)この形態のOFD
Mパケット通信用受信装置について、図21を参照して
説明する。この形態は請求項19、請求項20および請
求項30に対応する。この形態は第19の実施の形態の
変形例である。図21において、第19の実施の形態と
対応する要素は同一の符号を付けて示してある。第19
の実施の形態と同一の部分については、以下の説明を省
略する。
【0258】図21のOFDMパケット通信用受信装置
には、信号レベル情報平滑化回路1802の代わりに積分回
路2101および除算回路2102を備えている。積分回路2101
の入力には、信号レベル情報抽出回路1801が出力する1
OFDMシンボル毎の各パイロット信号の信号レベル情
報が印加される。
【0259】この形態では、受信したOFDM信号に含
まれる多数のサブキャリアのうち一部分(複数)のサブ
キャリアを用いて、既知信号であるパイロット信号を伝
送する場合を想定している。
【0260】積分回路2101は、信号レベル情報抽出回路
1801が出力する各パイロット信号の信号レベル情報を各
パイロット信号毎に時間方向に積分する。積分回路2101
により積分された各パイロット信号の信号レベル情報は
除算回路2102に入力される。除算回路2102は、各パイロ
ット信号の1個のOFDMシンボル当たりの信号レベル
を算出するために、積分回路2101が出力する各パイロッ
ト信号の信号レベル情報の積分値を、積分回路2101にて
積分処理したOFDMシンボル数でそれぞれ除算する。
このように各パイロット信号の信号レベルの積分値を利
用して各パイロット信号の1OFDMシンボル当たりの
信号レベルを算出することにより、パケットの後ろにい
くほど精度良く熱雑音の成分を除去することが可能とな
る。除算回路2102によって算出された各パイロット信号
の1OFDMシンボル当たりの信号レベル情報は重み付
け回路1803に入力される。
【0261】フェージングによる伝送路(チャネル)の
状態が、パケット内でほとんど変化しないような場合、
各サブキャリア信号の信号レベルは、各サブキャリア信
号の信号レベルをサブキャリア毎に積分処理し、その積
分値を、積分を行った回数すなわち積分を行ったOFD
Mシンボル数で除算することにより求めることができ
る。この場合、パケットの後ろに行くほど積分するOF
DMシンボル数が増加するため、平滑化の効果すなわち
雑音成分の抑圧効果が向上し、熱雑音の影響を効果的に
低減することができる。従って、高精度に各サブキャリ
ア信号の信号レベル情報を検出することができる。すな
わち、本例の装置は、パケット内でチャネル特性が1パ
ケット期間内にほとんど変化しないような場合に高精度
に位相回転補正を行うことができる。
【0262】(第22の実施の形態)この形態のOFD
Mパケット通信用受信装置について、図22を参照して
説明する。この形態は請求項19、請求項20および請
求項31に対応する。この形態は第21の実施の形態の
変形例である。図22において、第21の実施の形態と
対応する要素は同一の符号を付けて示してある。第21
の実施の形態と同一の部分については、以下の説明を省
略する。
【0263】図22のOFDMパケット通信用受信装置
には、除算回路2102の代わりにビットシフト回路2201を
備えている。ビットシフト回路2201の入力には、積分回
路2101が出力する各パイロット信号の信号レベル情報の
積分値が印加される。
【0264】この形態では、受信したOFDM信号に含
まれる多数のサブキャリアのうち一部分(複数)のサブ
キャリアを用いて、既知信号であるパイロット信号を伝
送する場合を想定している。
【0265】ビットシフト回路2201は、各パイロット信
号の1個のOFDMシンボルあたりの信号レベルを算出
するために、積分回路2101にて積分処理したOFDMシ
ンボル数が2(N:自然数)で表されるときに、積分
回路2101から出力された各パイロット信号の信号レベル
情報の積分値をNビットのビットシフトにより除算を行
う。なお、このビットシフトは、積分回路2101にて積分
処理したOFDMシンボル数が2(N:自然数)で表
される時にのみ行い、ビットシフト回路2201の出力を更
新する。なお、シンボル数が2で表されないときは前
回のビットシフトをしたときの結果をそのまま用いる。
また、シンボル数が1の時はビットシフト回路2201は入
力された信号をそのまま出力する。このような処理を行
うと、パケットの前に行くほどビットシフト回路2201の
出力が高い頻度で更新され、パケットの後ろに行くほど
その更新頻度は低くなる。しかしながら、前述のよう
に、各パイロット信号の信号レベルの積分値を利用して
各パイロット信号の1OFDMシンボル当たりの信号レ
ベルを算出することにより、パケットの後ろにいくほど
精度良く熱雑音の成分を除去することが可能となる。従
って、パケットの後ろの更新頻度を低くしても特性は劣
化しない。また、ビットシフトを行うために必要な回路
規模は一般に非常に小さいため、回路規模を大幅に低減
することができる。ビットシフト回路2201によって算出
された各パイロット信号の1OFDMシンボル当たりの
信号レベル情報は重み付け回路1803に入力される。
【0266】フェージングによる伝送路(チャネル)の
状態が、パケット内でほとんど変化しないような場合、
各サブキャリア信号の信号レベルは、各サブキャリア信
号の信号レベルをサブキャリア毎に積分処理し、その積
分値を、積分を行った回数すなわち積分を行ったOFD
Mシンボル数で除算することにより求めることができ
る。この場合、パケットの後ろに行くほど積分するOF
DMシンボル数が増加するため、平滑化の効果すなわち
雑音成分の抑圧効果が向上し、熱雑音の影響を効果的に
低減することができる。従って、高精度に各サブキャリ
ア信号の信号レベル情報を検出することができる。ま
た、各サブキャリア信号の1個のOFDMシンボル当た
りの信号レベルを求めるための除算をビットシフトによ
って実現するため、回路規模の増加を抑制することがで
きる。さらに、ビットシフトは積分処理を行ったOFD
Mシンボル数が2(N:自然数)で表されるときにの
み行うため、OFDMシンボル毎の動作が不要であり、
また、パケットの後ろに行くほどビットシフト処理の頻
度が少なくなるため、消費電力を著しく低減できる。す
なわち、本例の装置は、パケット内でチャネル特性が1
パケット期間内にほとんど変化しないような場合に、簡
易な回路を用いて少ない消費電力で高精度に位相回転補
正を行うことができる。
【0267】(第23の実施の形態)この形態のOFD
Mパケット通信用受信装置について、図23を参照して
説明する。この形態は請求項18および請求項38に対
応する。この形態は第19の実施の形態の変形例であ
る。図23において、第19の実施の形態と対応する要
素は同一の符号を付けて示してある。第19の実施の形
態と同一の部分については、以下の説明を省略する。
【0268】図23に示す共通位相回転検出部2300に
は、位相回転累積値演算回路2301、シンボル内平均回路
2302、時間方向移動平均回路2303、除算回路2304および
遅延補正回路2305が備わっている。
【0269】この形態では、受信したOFDM信号に含
まれる多数のサブキャリアのうち一部分(複数)のサブ
キャリアを用いて、既知信号であるパイロット信号を伝
送する場合を想定している。
【0270】重み付け回路1803から出力される重み付け
後の各パイロット信号の位相回転量情報信号は、位相回
転累積値演算回路2301に入力される。位相回転累積値演
算回路2301は、重み付け回路1803から入力される重み付
け後の各パイロット信号の位相回転量情報信号を用いて
チャネル推定時からの位相雑音および残留搬送波周波数
誤差に起因する各パイロット信号の累積の位相回転量を
演算する。この累積の位相回転量の演算は、例えば、当
該OFDMシンボル処理時に入力された重み付け後の各
パイロット信号の位相回転量情報信号とその直前のOF
DMシンボルの処理時に入力された重み付け後の各パイ
ロット信号の位相回転情報信号の差分値をひとつのOF
DMシンボル毎にそれぞれ積分することによって行うこ
とができる。演算された位相雑音および残留搬送波周波
数誤差に起因する各パイロット信号の累積の位相回転量
が位相回転累積値演算回路2301から出力される。位相回
転累積値演算回路2301から出力される各パイロット信号
の累積の位相回転量はシンボル内平均回路2302に入力さ
れる。
【0271】シンボル内平均回路2302は、位相回転累積
値演算回路2301からひとつのOFDMシンボル毎に入力
される各パイロット信号の累積の位相回転量に対してひ
とつのOFDMシンボル内で平均化処理を行う。前述の
例では、ひとつのOFDMシンボル内の各パイロット信
号に対応するベクトル信号をベクトル加算する。位相雑
音および残留搬送波周波数誤差による各サブキャリアの
位相回転量は、ひとつのOFDMシンボル内では各サブ
キャリアでほぼ同一となる。従って、その累積値も1O
FDMシンボル内では各サブキャリアでほぼ同一とな
る。従って、ひとつのOFDMシンボル内で各パイロッ
ト信号の位相回転の累積値を平均化処理することによ
り、当該OFDMシンボル中の各サブキャリアの信号に
共通な、位相雑音および残留搬送波周波数誤差に起因す
る位相回転の累積値を精度良く知ることができる。な
お、この平均化処理は1個のOFDMシンボル内で行わ
れるため、周波数方向の平均化処理に相当する。ひとつ
のOFDMシンボル内で平均化処理された重み付け後の
各パイロット信号の位相回転の累積値がひとつのOFD
Mシンボル毎にシンボル内平均回路2302から出力され
る。シンボル内平均回路2302から出力される1OFDM
シンボル内で平均化処理された重み付け後の各パイロッ
ト信号の位相回転の累積値は時間方向移動平均回路2303
に入力される。
【0272】時間方向移動平均回路2303は、ひとつのO
FDMシンボル毎に入力される1OFDMシンボル内で
平均化処理された位相回転の累積値に対し、複数シンボ
ルに渡る時間方向の移動平均化処理を行い出力する。こ
の時間方向の移動平均化処理により、受信回路102にお
いて信号に付加された熱雑音等による信号の劣化を低減
することができる。時間方向移動平均回路2303から出力
される移動平均後の累積の位相回転量情報は除算回路23
04に入力されるとともに遅延補正回路2305に入力され
る。
【0273】除算回路2304は、時間方向移動平均回路23
03から入力される移動平均後の累積の位相回転量情報に
対して位相回転累積値演算回路2301において累積処理し
たOFDMシンボル数から時間方向移動平均回路2303に
おける移動平均処理により生じる遅延分を差し引いた数
で除算を行う。例えば、位相回転累積値演算回路2301に
おいて累積処理したOFDMシンボル数が10個のOF
DMシンボルであり、時間方向移動平均回路2303におい
て3つのOFDMシンボルの移動平均処理する場合につ
いて考えてみる。この場合は、3個のOFDMシンボル
の移動平均処理によって1つのOFDMシンボル分の遅
延による誤差が生じるため、除算回路2304では9で除算
を行うことになる。また、位相雑音に起因する位相回転
の累積値はほぼ0となる。従って、この除算によって残
留搬送波周波数誤差に起因するひとつのOFDMシンボ
ルあたりの位相回転量が求められる。このように各パイ
ロット信号の位相回転量の累積値を利用して各パイロッ
ト信号のひとつのOFDMシンボル当たりの位相回転量
を算出することにより、パケットの後ろに行くほど精度
良く熱雑音および位相雑音の成分を除去することが可能
となる。求められた残留搬送波周波数誤差に起因する1
個のOFDMシンボルあたりの位相回転量情報が除算回
路2304から出力される。除算回路2304から出力される残
留搬送波周波数誤差に起因する1個のOFDMシンボル
あたりの位相回転量情報は遅延補正回路2305に入力され
る。
【0274】遅延補正回路2305は、除算回路2304から入
力される残留搬送波周波数誤差に起因する1個のOFD
Mシンボルあたりの位相回転量情報を用いて時間方向移
動平均回路2303から入力される移動平均後の累積の位相
回転量情報に含まれる前述の移動平均処理に起因する遅
延によって生じる遅延誤差を補正し、当該OFDMシン
ボルの各サブキャリア信号に含まれる残留搬送波周波数
誤差および位相雑音に起因する位相回転の累積量を求め
る。遅延誤差補正後の累積の位相回転情報が遅延補正回
路2305から出力される。遅延補正回路2305から出力され
る遅延誤差補正後の累積の位相回転量情報は位相回転補
正回路1805に入力される。
【0275】位相回転補正回路1805は、遅延補正回路23
05から入力される遅延誤差補正後の累積の位相回転量情
報を用いて、同期検波回路107から入力される検波信号
に含まれる位相雑音および残留搬送波周波数誤差に起因
する位相回転を補正する。本例の装置は、高精度な信号
品質情報に基づいて重み付けされた位相回転量の情報を
用いて、残留搬送波周波数誤差および位相雑音によって
生じる各検波信号の位相回転の累積量を演算し、これに
より得られた演算結果を用いて各検波信号に対して位相
回転の補正処理を行うことにより、高精度な位相回転補
正処理が実現できる。
【0276】また、上述の位相回転の累積値に対して周
波数方向および時間方向の平均化処理を行うことにより
雑音成分を効果的に抑圧できるため、受信処理時に受信
信号に熱雑音が付加される場合であっても、残留搬送波
周波数誤差および位相雑音によって生じる各検波信号の
位相回転の累積量を精度良く検出することができる。
【0277】さらに、上述の位相回転の累積量を累積を
行ったOFDMシンボル数で除算することによって残留
搬送波周波数誤差により生じる1OFDMシンボルあた
りの位相回転量を高精度に算出し、この算出結果に基づ
いて時間方向平均化処理時に生じる位相回転累積値検出
誤差を除去するので、残留搬送波周波数誤差および位相
雑音によって生じる各検波信号の位相回転の累積量をさ
らに精度良く検出することができる。
【0278】すなわち、従来の装置では実現が困難であ
った残留搬送波周波数誤差および位相雑音に起因する各
検波信号の位相回転に対する高精度な補正処理を行うこ
とができる。
【0279】(第24の実施の形態)この形態のOFD
Mパケット通信用受信装置について、図24を参照して
説明する。この形態は請求項18、請求項38および請
求項39に対応する。この形態は第23の実施の形態の
変形例である。図24において、第23の実施の形態と
対応する要素は同一の符号を付けて示してある。第23
の実施の形態と同一の部分については、以下の説明を省
略する。
【0280】図24のOFDMパケット通信用受信装置
には、除算回路2304の代わりにビットシフト回路2401を
備えている。ビットシフト回路2401の入力には、時間方
向移動平均回路2303が出力する移動平均後の累積の位相
回転量情報が印加される。
【0281】この形態では、受信したOFDM信号に含
まれる多数のサブキャリアのうち一部分(複数)のサブ
キャリアを用いて、既知信号であるパイロット信号を伝
送する場合を想定している。
【0282】ビットシフト回路2401は、各パイロット信
号の1個のOFDMシンボルあたりの位相回転量を算出
するために、時間方向移動平均回路2303が出力する移動
平均後の累積の位相回転量情報が2(N:自然数)個
分のOFDMシンボル分の位相回転の累積値であるよう
な時に、時間方向移動平均回路2303から出力された移動
平均後の累積の位相回転量情報をNビットのビットシフ
トにより除算を行う。なお、このビットシフトは、時間
方向移動平均回路2303が出力する移動平均後の累積の位
相回転量情報が2(N:自然数)個分のOFDMシン
ボル分の位相回転の累積値であるような時にのみ行い、
ビットシフト回路2401の出力を更新する。なお、時間方
向移動平均回路2303が出力する移動平均後の累積の位相
回転量情報が2個分のOFDMシンボル分の位相回転
の累積値でないようなときは、前回のビットシフトをし
たときの結果をそのまま出力する。また、時間方向移動
平均回路2303が出力する移動平均後の累積の位相回転量
情報が1個分のOFDMシンボル分の位相回転値である
ようなときは、ビットシフト回路2401は入力された信号
をそのまま出力する。このような処理を行うと、パケッ
トの前に行くほどビットシフト回路2401の出力が高い頻
度で更新され、パケットの後ろに行くほどその更新頻度
は低くなる。しかしながら、前述のように、各パイロッ
ト信号の位相回転量の累積値を利用して各サブキャリア
の1OFDMシンボル当たりの位相回転量を算出するこ
とにより、パケットの後ろにいくほど精度良く熱雑音お
よび位相雑音の成分を除去することが可能となる。従っ
て、パケットの後ろの更新頻度を低くしても特性は劣化
しない。また、ビットシフトを行うために必要な回路規
模は一般に非常に小さいため、回路規模を大幅に低減す
ることができる。ビットシフト回路2401によって算出さ
れた各パイロット信号の1OFDMシンボル当たりの平
均の位相回転量情報は遅延補正回路2305に入力される。
【0283】すなわち、本例の装置は、従来の装置では
実現が困難であった残留搬送波周波数誤差および位相雑
音による位相回転に対する高精度な補正処理を、簡易な
回路で実現することができる。
【0284】(第25の実施の形態)この形態のOFD
Mパケット通信用受信装置について、図25を参照して
説明する。この形態は請求項18、請求項29、請求項
38および請求項39に対応する。この形態は第24の
実施の形態の変形例である。図25において、第24の
実施の形態と対応する要素は同一の符号を付けて示して
ある。第24の実施の形態と同一の部分については、以
下の説明を省略する。
【0285】図25のOFDMパケット通信用受信装置
には、信号レベル情報平滑化回路1802の代わりに時間方
向移動平均回路2501を備えている。時間方向移動平均回
路2501の入力には、信号レベル情報抽出回路1801が出力
する1OFDMシンボル毎の各パイロット信号の信号レ
ベル情報が印加される。
【0286】この形態では、受信したOFDM信号に含
まれる多数のサブキャリアのうち一部分(複数)のサブ
キャリアを用いて、既知信号であるパイロット信号を伝
送する場合を想定している。
【0287】時間方向移動平均回路2501は、信号レベル
情報抽出回路1801が出力する各パイロット信号の信号レ
ベル情報を各パイロット信号毎に時間方向に移動平均処
理を行う。この移動平均処理により、信号レベル情報抽
出回路1801が出力する各パイロット信号の信号レベル情
報に対する平滑化が行われる。時間方向移動平均回路25
01によって移動平均処理が施された各パイロット信号の
信号レベル情報は重み付け回路1803に入力される。
【0288】フェージングによる伝送路(チャネル)の
状態が、1パケット内で変化するような場合、各サブキ
ャリア信号の信号レベルは当該サブキャリア信号が属す
るOFDMシンボルのパケット内の時間的位置によって
変化するため、当該OFDMシンボルに隣接する複数の
OFDMシンボルを用いてサブキャリア毎に信号レベル
を平均化処理すなわち移動平均処理することにより、雑
音成分の影響を低減しつつパケット内でのチャネル特性
の変動に追従して各サブキャリアの信号レベル情報を検
出することが可能となる。すなわち、本例の装置は、パ
ケット内でチャネル特性が変動するような場合であって
も、従来の装置では実現が困難であった残留搬送波周波
数誤差および位相雑音による位相回転に対する高精度な
補正処理を、簡易な回路で実現することができる。
【0289】(第26の実施の形態)この形態のOFD
Mパケット通信用受信装置について、図26を参照して
説明する。この形態は請求項18、請求項30、請求項
38および請求項39に対応する。この形態は第24の
実施の形態の変形例である。図26において、第24の
実施の形態と対応する要素は同一の符号を付けて示して
ある。第24の実施の形態と同一の部分については、以
下の説明を省略する。
【0290】図26のOFDMパケット通信用受信装置
には、信号レベル情報平滑化回路1802の代わりに積分回
路2601および除算回路2602を備えている。積分回路2601
の入力には、信号レベル情報抽出回路1801が出力する1
OFDMシンボル毎の各パイロット信号の信号レベル情
報が印加される。
【0291】この形態では、受信したOFDM信号に含
まれる多数のサブキャリアのうち一部分(複数)のサブ
キャリアを用いて、既知信号であるパイロット信号を伝
送する場合を想定している。
【0292】積分回路2601は、信号レベル情報抽出回路
1801が出力する各パイロット信号の信号レベル情報を各
パイロット信号毎に時間方向に積分する。積分回路2601
により積分された各パイロット信号の信号レベル情報は
除算回路2602に入力される。除算回路2602は、各パイロ
ット信号の1個のOFDMシンボル当たりの信号レベル
を算出するために、積分回路2601が出力する各パイロッ
ト信号の信号レベル情報の積分値を、積分回路2601にて
積分処理したOFDMシンボル数でそれぞれ除算する。
このように各パイロット信号の信号レベルの積分値を利
用して各パイロット信号の1OFDMシンボル当たりの
信号レベルを算出することにより、パケットの後ろにい
くほど精度良く熱雑音の成分を除去することが可能とな
る。除算回路2602によって算出された各パイロット信号
の1OFDMシンボル当たりの信号レベル情報は重み付
け回路1803に入力される。
【0293】フェージングによる伝送路(チャネル)の
状態が、パケット内でほとんど変化しないような場合、
各サブキャリア信号の信号レベルは、各サブキャリア信
号の信号レベルをサブキャリア毎に積分処理し、その積
分値を、積分を行った回数すなわち積分を行ったOFD
Mシンボル数で除算することにより求めることができ
る。この場合、パケットの後ろに行くほど積分するOF
DMシンボル数が増加するため、平滑化の効果すなわち
雑音成分の抑圧効果が向上し、熱雑音の影響を効果的に
低減することができる。従って、高精度に各サブキャリ
ア信号の信号レベル情報を検出することができる。すな
わち、本例の装置は、パケット内でチャネル特性が1パ
ケット期間内にほとんど変化しないような場合に、従来
の装置では実現が困難であった残留搬送波周波数誤差お
よび位相雑音による位相回転に対する高精度な補正処理
を、簡易な回路で実現することができる。
【0294】(第27の実施の形態)この形態のOFD
Mパケット通信用受信装置について、図27を参照して
説明する。この形態は請求項18、請求項31、請求項
38および請求項39に対応する。この形態は第26の
実施の形態の変形例である。図27において、第26の
実施の形態と対応する要素は同一の符号を付けて示して
ある。第26の実施の形態と同一の部分については、以
下の説明を省略する。
【0295】図27のOFDMパケット通信用受信装置
には、除算回路2602の代わりにビットシフト回路2701を
備えている。ビットシフト回路2701の入力には、積分回
路2601が出力する各パイロット信号の信号レベル情報の
積分値が印加される。
【0296】この形態では、受信したOFDM信号に含
まれる多数のサブキャリアのうち一部分(複数)のサブ
キャリアを用いて、既知信号であるパイロット信号を伝
送する場合を想定している。
【0297】ビットシフト回路2701は、各パイロット信
号の1個のOFDMシンボルあたりの信号レベルを算出
するために、積分回路2601にて積分処理したOFDMシ
ンボル数が2(N:自然数)で表されるときに、積分
回路2601から出力された各パイロット信号の信号レベル
情報の積分値をNビットのビットシフトにより除算を行
う。なお、このビットシフトは、積分回路2601にて積分
処理したOFDMシンボル数が2(N:自然数)で表
される時にのみ行い、ビットシフト回路2701の出力を更
新する。なお、シンボル数が2で表されないときは前
回のビットシフトをしたときの結果をそのまま用いる。
また、シンボル数が1の時はビットシフト回路2701は入
力された信号をそのまま出力する。このような処理を行
うと、パケットの前に行くほどビットシフト回路2701の
出力が高い頻度で更新され、パケットの後ろに行くほど
その更新頻度は低くなる。しかしながら、前述のよう
に、各パイロット信号の信号レベルの積分値を利用して
各パイロット信号の1OFDMシンボル当たりの信号レ
ベルを算出することにより、パケットの後ろにいくほど
精度良く熱雑音の成分を除去することが可能となる。従
って、パケットの後ろの更新頻度を低くしても特性は劣
化しない。また、ビットシフトを行うために必要な回路
規模は一般に非常に小さいため、回路規模を大幅に低減
することができる。ビットシフト回路2701によって算出
された各パイロット信号の1OFDMシンボル当たりの
信号レベル情報は重み付け回路1803に入力される。
【0298】フェージングによる伝送路(チャネル)の
状態が、パケット内でほとんど変化しないような場合、
各サブキャリア信号の信号レベルは、各サブキャリア信
号の信号レベルをサブキャリア毎に積分処理し、その積
分値を、積分を行った回数すなわち積分を行ったOFD
Mシンボル数で除算することにより求めることができ
る。この場合、パケットの後ろに行くほど積分するOF
DMシンボル数が増加するため、平滑化の効果すなわち
雑音成分の抑圧効果が向上し、熱雑音の影響を効果的に
低減することができる。従って、高精度に各サブキャリ
ア信号の信号レベル情報を検出することができる。ま
た、各サブキャリア信号の1個のOFDMシンボル当た
りの信号レベルを求めるための除算をビットシフトによ
って実現するため、回路規模の増加を抑制することがで
きる。さらに、ビットシフトは積分処理を行ったOFD
Mシンボル数が2(N:自然数)で表されるときにの
み行うため、OFDMシンボル毎の動作が不要であり、
また、パケットの後ろに行くほどビットシフト処理の頻
度が少なくなるため、消費電力を著しく低減できる。す
なわち、本例の装置は、パケット内でチャネル特性が1
パケット期間内にほとんど変化しないような場合に、従
来の装置では実現が困難であった残留搬送波周波数誤差
および位相雑音による位相回転に対する高精度な補正処
理を、簡易な回路で実現することができる。
【0299】(第28の実施の形態)この形態のOFD
Mパケット通信用受信装置について、図28を参照して
説明する。この形態は請求項18、請求項22、請求項
40および請求項41に対応する。この形態は第18の
実施の形態の変形例である。図28において、第18の
実施の形態と対応する要素は同一の符号を付けて示して
ある。第18の実施の形態と同一の部分については、以
下の説明を省略する。
【0300】図28に示す位相回転量情報抽出部2800に
は、特定シンボル内サブキャリア信号抽出回路2803、硬
判定回路2804および位相回転検出回路2805が備わってお
り、共通位相回転検出部2801には、シンボル内平均回路
2806、単位量演算回路2807および位相回転量推定回路28
01が備わっている。
【0301】チャネル推定回路106から出力されたチャ
ネル推定結果は同期検波回路107に入力されるとともに
重み係数演算回路2802に入力される。重み係数演算回路
2802は、チャネル推定回路106から入力される各サブキ
ャリアのチャネル推定結果に基づいてサブキャリア毎に
その通信品質に応じた重み係数を演算して出力する。例
えば、各サブキャリアの通信品質を表す尺度としては、
各サブキャリア信号の受信信号レベル等が考えられる。
これらの受信信号レベルはチャネル推定回路106から入
力される各サブキャリアのチャネル推定結果を用いて簡
単な演算を行うことによって求めることができる。例え
ば、各サブキャリアのチャネル推定結果の振幅成分を2
乗することにより求めることができる。重み係数演算回
路2802から出力されたサブキャリア毎の重み係数は重み
付け回路1803に入力される。一方、同期検波回路107か
ら出力された検波信号は特定シンボル内サブキャリア信
号抽出回路2803に入力されるとともに位相回転補正回路
1805に入力される。特定シンボル内サブキャリア信号抽
出回路2803は、入力された検波信号から予め定められた
パケット先頭付近の特定の少なくとも1つのOFDMシ
ンボルに含まれる全てのサブキャリアの検波信号を抽出
して出力する。特定シンボル内サブキャリア信号抽出回
路2803から出力された各検波信号は位相回転検出回路28
05に入力されるとともに硬判定回路2804に入力される。
硬判定回路2804では、特定シンボル内サブキャリア信号
抽出回路2803から入力された各検波信号のそれぞれに対
して硬判定を行い、各判定結果を出力する。硬判定回路
2804から出力された各判定結果は位相回転検出回路2805
に入力される。位相回転検出回路2805は、硬判定回路28
04から入力された各判定結果に基づき、特定シンボル内
サブキャリア信号抽出回路2803から入力された各検波信
号のそれぞれに対して残留搬送波周波数誤差に起因する
位相回転量を検出して出力する。例えば、特定シンボル
内サブキャリア信号抽出回路2803によって抽出される検
波信号がBPSK変調されている場合には、同期検波後
の信号は本来、位相平面上で図46に示す2個の基準信
号点S0およびS1のいずれかの位置に現れる。しか
し、同期処理回路103の出力する信号に残留搬送波周波
数誤差による位相回転がある場合には、同期検波された
検波信号のそれぞれに残留搬送波周波数誤差の量に比例
した位相回転が生じるため、同期検波回路107から出力
される検波信号(例えば図46のR0とR1)の位置は
本来の位置であるいずれか1つの基準信号点と一致しな
くなる。位相回転検出回路2805は、各サブキャリアの検
波信号について、それぞれの位相回転量あるいはそれに
相当する信号を検出して出力する。例えば、図46に示
す入力信号R0が同期検波回路107から出力された検波
信号であった場合、硬判定回路2804は基準信号点S0お
よびS1の中で位置が入力信号R0に最も近い基準信号
点S0を出力することになるため、位相回転検出回路28
05は基準信号点S0と入力信号R0との位相差P0を検
出して出力する。また、図46に示す入力信号R1が同
期検波回路107から出力された検波信号であった場合、
硬判定回路2804は基準信号点S0およびS1の中で位置
が入力信号R1に最も近い基準信号点S1を出力するこ
とになるため、位相回転検出回路2805は基準信号点S1
と入力信号R1との位相差P1を検出して出力する。位
相回転検出回路2805から出力された各サブキャリアの位
相回転量情報信号は重み付け回路1803に入力される。重
み付け回路1803は、重み係数演算回路2802から入力され
た各サブキャリアの重み係数に基づいて位相回転検出回
路2805から入力された各サブキャリアの位相回転量情報
信号に対して重み付けを行い出力する。この重み付けに
より、フェージング等によって情報の信頼度が低下して
いる位相回転量情報を用いることにより生じる悪影響を
抑制することができる。重み付け回路1803から出力され
た重み付け後の各サブキャリアの位相回転量情報信号は
シンボル内平均回路2806に入力される。シンボル内平均
回路2806は、重み付け回路1803から入力された当該OF
DMシンボルの重み付け後の全てのサブキャリアの位相
回転量情報信号に対して平均化処理を行うことにより、
受信回路102において付加される熱雑音等の影響を抑制
し、残留搬送波周波数誤差に起因して生じる各サブキャ
リアに共通する位相回転量を高精度に算出して出力す
る。シンボル内平均回路2806から出力された高精度な位
相回転量情報信号は単位量演算回路2807に入力される。
単位量演算回路2807は、シンボル内平均回路2806から入
力された高精度な位相回転量情報信号を用いて、検波信
号の残留搬送波周波数誤差に起因する1OFDMシンボ
ルあたりの位相回転量を演算して出力する。この演算
は、例えば、図44に記載のチャネル推定用プリアンブ
ル信号と特定の1OFDMシンボルの間の時間間隔を1
OFDMシンボル間隔で除算した値で、シンボル内平均
回路2806から入力された高精度な位相回転量情報を除算
することにより、簡単に行うことができる。単位量演算
回路2807から出力された信号は、位相回転量推定回路28
08に入力される。位相回転量推定回路2808は、単位量演
算回路2807から入力される検波信号の残留搬送波周波数
誤差に起因する1OFDMシンボルあたりの位相回転量
を用いて、前記第(6)式に基づいて同期検波回路107
から出力される検波信号に付加されている残留搬送波周
波数誤差に起因して生じる位相回転量を推定して位相回
転量情報信号を出力する。この位相回転量の推定は、例
えば、当該検波信号を含んでいたOFDMシンボルと図
44に記載のチャネル推定用プリアンブル信号の間の時
間間隔を1OFDMシンボル間隔で除算した値を、単位
量演算回路2807から入力された検波信号の残留搬送波周
波数誤差に起因する1OFDMシンボルあたりの位相回
転量に乗算することにより、簡単に行うことができる。
位相回転量推定回路2808から出力された各検波信号の位
相回転量情報信号は位相回転補正回路1805に入力され
る。位相回転補正回路1805は、位相回転量推定回路2808
から入力された各検波信号の位相回転量情報信号を用い
て各検波信号の残留搬送波周波数誤差に起因する位相回
転を補正し、位相回転補正後の検波信号を出力する。
【0302】すなわち、同期処理手段から出力される信
号に残留搬送波周波数誤差が存在する場合、同期検波手
段から出力される前述の特定のOFDMシンボルの全て
のサブキャリアの検波信号は、前記第(6)式に示され
るような残留搬送波周波数誤差の量に応じた量の位相回
転によって、位相平面上の基準信号点からずれた位置に
現れる。従って、各検波信号と基準信号点とのずれを調
べて位相回転量を検出することにより、前記第(6)式
に基づいて残留搬送波周波数誤差の量あるいは残留搬送
波周波数誤差に起因する1OFDMシンボルあたりの位
相回転量を検出することができる。前述の特定のOFD
Mシンボルの期間内の全てのサブキャリアの検波信号を
利用して検出を行うため、高精度に検出を行うことがで
きる。
【0303】また、上述したように、基準信号点は前述
の各検波信号を硬判定することにより求めることができ
る。一般に、低速な変調方式によって変調された信号は
高速な変調方式によって変調された信号よりも雑音成分
に対する耐性が強いため、前述の特定のOFDMシンボ
ルの各々のサブキャリアの検波信号が他の検波信号に比
べて低速な変調方式によって変調されている場合(例え
ば、前述の特定の検波信号がBPSK変調されており、
他の検波信号が16QAM変調されているような場合)
には、精度良く硬判定を行うことができる。すなわち、
精度良く残留搬送波周波数誤差の量あるいは残留搬送波
周波数誤差に起因する1OFDMシンボルあたりの位相
回転量を検出することができる。
【0304】さらに、この検出結果を用いて該特定のO
FDMシンボル以外のOFDMシンボルに含まれる検波
信号に対する位相回転量を前記第(6)式に基づいて簡
単に求めることができるため、該特定のOFDMシンボ
ルがパケットの先頭付近に設定されている場合には、小
さな処理遅延でパケット内の各検波信号の位相回転の補
正処理を行うことができる。
【0305】さらにまた、無線通信において一般的な伝
搬環境である周波数選択性フェージング環境下において
は、サブキャリア毎に通信品質が異なるため、通信品質
が良好なサブキャリアの検波信号から検出した位相回転
量信号の重みを大きくした信号を処理することによっ
て、フェージング等の影響を抑制し、残留搬送波周波数
誤差の検出精度を改善できる。また、OFDMシンボル
内で平滑化した位相回転量信号を処理することによっ
て、熱雑音等の影響を抑制し、残留搬送波周波数誤差の
検出精度を改善できる。
【0306】すなわち、本例の装置は、従来の装置では
実現が困難であった残留搬送波周波数誤差による位相回
転に対する高精度な補正処理を、小さな処理遅延で実現
することができる。
【0307】(第29の実施の形態)この形態のOFD
Mパケット通信用受信装置について、図29を参照して
説明する。この形態は請求項18、請求項22、請求項
23、請求項40、請求項41および請求項42に対応
する。この形態は第28の実施の形態の変形例である。
図29において、第28の実施の形態と対応する要素は
同一の符号を付けて示してある。第28の実施の形態と
同一の部分については、以下の説明を省略する。
【0308】図29に示す位相回転量情報抽出部2900に
は、特定シンボル内サブキャリア信号抽出回路2803、硬
判定回路2804および逆変調回路2902が備わっており、共
通位相回転検出部2901には、シンボル内ベクトル和演算
回路2903、位相検出回路2904、単位量演算回路2807およ
び位相回転量推定回路2801が備わっている。
【0309】特定シンボル内サブキャリア信号抽出回路
2803から出力される各検波信号は逆変調回路2902に入力
されるとともに硬判定回路2804に入力される。硬判定回
路2804から出力された各判定結果は逆変調回路2902に入
力される。逆変調回路2902は、硬判定回路2804から入力
された各判定結果に基づき、特定シンボル内サブキャリ
ア信号抽出回路2803から入力された各検波信号のそれぞ
れに対してベースバンド上で逆変調処理を行い、逆変調
後の複素ベクトル信号を出力する。この逆変調処理によ
り、特定シンボル内サブキャリア信号抽出回路2803から
入力された各検波信号から、送信側の変調処理によって
付加されていた信号成分が除去される。従って、逆変調
後の信号には残留搬送波周波数誤差に起因して生じる位
相回転による位相成分と、受信回路102において付加さ
れる熱雑音等の成分のみが含まれることになる。逆変調
回路2902から出力された逆変調後の各サブキャリアの複
素ベクトル信号は重み付け回路1803に入力される。重み
付け回路1803は、重み係数演算回路2802から入力された
各サブキャリアの重み係数に基づいて逆変調回路2902か
ら入力された逆変調後の各サブキャリアの複素ベクトル
信号に対して重み付けを行い出力する。この重み付け
は、例えば、重み係数演算回路2802から出力された各サ
ブキャリアの重み係数を、逆変調回路2902から入力され
た逆変調後の各サブキャリアの複素ベクトル信号の振幅
成分とすることにより実現できる。この重み付けによ
り、フェージング等によって情報の信頼度が低下してい
る位相回転量情報を用いることにより生じる悪影響を抑
制することができる。重み付け回路1803から出力された
重み付け後の複素ベクトル信号はシンボル内ベクトル和
演算回路2903に入力される。シンボル内ベクトル和演算
回路2903は、重み付け回路1803から入力された当該OF
DMシンボルの重み付け後の全ての複素ベクトル信号の
ベクトル和を演算する。このベクトル和演算によって、
重み付け回路1803から入力された複素ベクトル信号の位
相成分の平滑化が実現されることになる。この位相成分
の平滑化により、受信回路102において付加される熱雑
音等の影響を抑制することができる。つまり、シンボル
内ベクトル和演算回路2903から出力される複素ベクトル
信号の位相成分は、残留搬送波周波数誤差に起因して生
じる各サブキャリアに共通する位相回転量を高精度に表
していることになる。シンボル内ベクトル和演算回路29
03から出力された複素ベクトル信号は位相検出回路2904
に入力される。位相検出回路2904は、シンボル内ベクト
ル和演算回路2903から入力された複素ベクトル信号の位
相成分を検出して位相成分情報信号を出力する。位相検
出回路2904から出力された位相成分情報信号は単位量演
算回路2807に入力される。
【0310】すなわち、本例の装置は、従来の装置では
実現が困難であった残留搬送波周波数誤差による位相回
転に対する高精度な補正処理を、小さな処理遅延で実現
することができる。
【0311】(第30の実施の形態)この形態のOFD
Mパケット通信用受信装置について、図30を参照して
説明する。この形態は請求項18、請求項22、請求項
24、請求項40、請求項41および請求項42に対応
する。この形態は第29の実施の形態の変形例である。
図30において、第29の実施の形態と対応する要素は
同一の符号を付けて示してある。第29の実施の形態と
同一の部分については、以下の説明を省略する。
【0312】図30に示す位相回転量情報抽出部3000に
は、特定シンボル内サブキャリア信号抽出回路2803、硬
判定回路2804および符号反転制御回路3001が備わってい
る。
【0313】なお、図30は残留搬送波周波数誤差によ
る位相回転を検出するために用いる特定の少なくとも1
つのOFDMシンボルの各サブキャリア信号が、例えば
BPSKやQPSKのように、ある基準信号点から任意
の基準信号点への遷移が符号の反転処理のみによって可
能であるような変調方式によって変調されている場合の
構成例である。
【0314】特定シンボル内サブキャリア信号抽出回路
2803の出力信号である各検波信号が、符号反転制御回路
3001に入力されるとともに硬判定回路2804に入力されて
いる。符号反転制御回路3001は、入力された各検波信号
に対する逆変調処理を、符号反転処理によって実現して
いる。符号反転制御回路3001から出力された符号反転処
理後の各複素ベクトル信号は重み付け回路1803に入力さ
れる。
【0315】例えば、BPSKやQPSKのように、あ
る基準信号点から他の基準信号点への遷移が、符号の反
転処理のみによって可能であるような変調方式によって
各サブキャリア信号が変調されている場合には、逆変調
処理は信号の符号を反転処理することによって実現でき
るので、逆変調手段の回路構成を単純化することができ
る。すなわち、本例の装置は、従来の装置では実現が困
難であった残留搬送波周波数誤差による位相回転に対す
る高精度な補正処理を、簡易な回路により小さな処理遅
延で実現することができる。
【0316】(第31の実施の形態)この形態のOFD
Mパケット通信用受信装置について、図31を参照して
説明する。この形態は請求項26に対応する。この形態
は第28の実施の形態の変形例である。図31におい
て、第28の実施の形態と対応する要素は同一の符号を
付けて示してある。第28の実施の形態と同一の部分に
ついては、以下の説明を省略する。
【0317】この形態では、受信したOFDM信号に含
まれる多数のサブキャリアのうち一部分(複数)のサブ
キャリアを用いて、既知信号であるパイロット信号を伝
送する場合を想定している。
【0318】同期検波回路107から出力される各検波信
号は特定シンボル内サブキャリア抽出回路2803、位相回
転補正回路1805に入力されるとともにパイロット信号抽
出回路3101に入力される。パイロット信号抽出回路3101
では、同期検波回路107から入力された各検波信号に含
まれるパイロット信号に相当する検波信号を抽出して出
力する。パイロット信号抽出回路3101から出力された信
号は、位相回転検出回路3102に入力される。一方、基準
信号出力回路3103は、パイロット信号抽出回路3101から
位相回転検出回路3102に入力されたパイロット信号に相
当する検波信号に対応する基準信号を出力する。前述の
通り、パイロット信号は既知信号であるため、容易に前
述の基準信号を出力することができるのである。基準信
号出力回路3103から出力された基準信号は位相回転検出
回路3102に入力される。位相回転検出回路3102は、基準
信号出力回路3103から入力された基準信号に基づいて、
パイロット信号抽出回路3101から入力されたパイロット
信号に相当する検波信号の位相回転量を検出して位相回
転量情報信号を出力する。位相回転検出回路3102から出
力された位相回転量情報信号は共通位相回転検出回路31
04に入力される。共通位相回転検出回路3104は、位相回
転検出回路3102から入力された位相回転量情報に基づい
て、残留搬送波周波数誤差によって生じる各検波信号に
共通した1OFDMシンボルあたりの位相回転量を検出
し、残留搬送波周波数誤差情報として出力する。共通位
相回転検出回路3104から出力される残留搬送波周波数誤
差情報は、選択回路3106に入力される。一方、重み付け
回路1803から出力された重み付け後の各サブキャリアの
位相回転量情報信号が、共通位相回転検出回路3105に入
力される。共通位相回転検出回路3105は、重み付け回路
1803から入力された重み付け後の位相回転量情報に基づ
いて、残留搬送波周波数誤差によって生じる各検波信号
に共通した1OFDMシンボルあたりの位相回転量を検
出し、残留搬送波周波数誤差情報として出力する。共通
位相回転検出回路3105から出力される残留搬送波周波数
誤差情報は、選択回路3106に入力される。ここで、共通
位相回転検出回路3104から出力される残留搬送波周波数
誤差情報と共通位相回転検出回路3105から出力される残
留搬送波周波数誤差情報の違いについて間単に説明す
る。共通位相回転検出回路3104から出力される残留搬送
波周波数誤差情報はパイロット信号に相当する検波信号
を用いて検出した情報であり、共通位相回転検出回路31
05から出力される残留搬送波周波数誤差情報は特定のO
FDMシンボルに含まれる各検波信号を用いて検出した
情報である。当然のことながら、数多くの検波信号を用
いて検出された残留搬送波周波数誤差情報のほうが検出
精度は高い。本例では、受信したOFDM信号に含まれ
る多数のサブキャリアのうち一部分(複数)を用いて、
既知信号であるパイロット信号を伝送する場合を想定し
ているため、時間の経過に伴い、処理されるパイロット
信号に相当する検波信号の数は増えることになるが、特
定のOFDMシンボルに含まれる検波信号の数は時間が
経過しても一定以上に増えることは無い。仮に、1つの
OFDMシンボルに全部で52本のサブキャリアが含ま
れており、さらに、その52本のサブキャリアのうちの
4本がパイロット信号を送信するために用いられていた
とする。また、前述の特定のOFDMシンボルの数が1
であると仮定すると、13個以上のOFDMシンボルに
含まれる52個以上の信号を共通位相回転検出回路3104
が処理すれば、共通位相回転検出回路3104が出力する信
号の精度は共通位相回転検出回路3105が出力する信号の
精度以上の精度になることは明らかである。ただし、共
通位相回転検出回路3104が処理するパイロット信号数が
52未満であれば、信号の精度は共通位相回転検出回路
3105が出力する信号の方が高くなる。
【0319】選択回路3106は、共通位相回転検出回路31
04から入力された残留搬送波周波数誤差情報と、共通位
相回転検出回路3105から入力された残留搬送波周波数誤
差情報のうち、精度の高い一方の信号を選択して出力す
る。なお、前述の通り、どちらの信号の精度が高いかに
ついては、例えば、同期検波回路107が処理した各検波
信号のOFDMシンボル相当数に応じて簡単に判定する
ことができる。選択回路3106から出力される残留搬送波
周波数誤差情報は位相回転量推定回路2808に入力され
る。
【0320】すなわち、同期処理手段から出力される信
号に残留搬送波周波数誤差が存在する場合、同期検波手
段から出力される前述の特定のOFDMシンボルの全て
のサブキャリアの検波信号は、前記第(6)式に示され
るような残留搬送波周波数誤差の量に応じた各サブキャ
リアに共通な位相回転によって、位相平面上の基準信号
点からずれた位置に現れる。従って、各検波信号と基準
信号点とのずれを調べて当該OFDMシンボル期間内の
各検波信号に共通な位相回転量を検出することにより、
前記第(6)式に基づいて残留搬送波周波数誤差の量あ
るいは残留搬送波周波数誤差に起因する1OFDMシン
ボルあたりの位相回転量を検出することができる。前述
の特定のOFDMシンボルの期間内の全てのサブキャリ
アの検波信号を利用して検出を行うため、高精度に検出
を行うことができる。
【0321】また、上述したように、基準信号点は前述
の各検波信号を硬判定することにより求めることができ
る。一般に、低速な変調方式によって変調された信号は
高速な変調方式によって変調された信号よりも雑音成分
に対する耐性が強いため、前述の特定のOFDMシンボ
ルの各々のサブキャリアの検波信号が他の検波信号に比
べて低速な変調方式によって変調されている場合(例え
ば、前述の特定の検波信号がBPSK変調されており、
他の検波信号が16QAM変調されているような場合)
には、精度良く硬判定を行うことができる。すなわち、
精度良く残留搬送波周波数誤差の量あるいは残留搬送波
周波数誤差に起因する1OFDMシンボルあたりの位相
回転量を検出することができる。
【0322】さらに、この検出結果を用いて該特定のO
FDMシンボル以外のOFDMシンボルに含まれる検波
信号に対する位相回転量を前記第(6)式に基づいて簡
単に求めることができるため、該特定のOFDMシンボ
ルがパケットの先頭付近に設定されている場合には、小
さな処理遅延でパケットの先頭部分から各検波信号の位
相回転量を算出することができる。
【0323】さらにまた、無線通信において一般的な伝
搬環境である周波数選択性フェージング環境下において
は、サブキャリア毎に通信品質が異なるため、通信品質
が良好なサブキャリアの検波信号から検出した位相回転
量信号の重みを大きくした信号を処理することによっ
て、フェージング等の影響を抑制し、残留搬送波周波数
誤差の検出精度を改善できる。
【0324】しかしながら、上述のように残留搬送波周
波数誤差に起因する位相回転量を、同期検波手段から出
力される特定のOFDMシンボルの期間内の検波信号か
ら検出するだけでは、一定以上の検出精度を得ることが
できない。一方、前述の特定の検波信号からだけでな
く、パケット内の各OFDMシンボルに含まれる既知の
パイロット信号の位相回転量をOFDMシンボル毎に検
出し、十分に多数のパイロット信号から残留搬送波周波
数誤差に起因する1OFDMシンボルあたりの位相回転
量の平均値を求めることによって、残留搬送波周波数誤
差の検出精度を高めることができる。ただし、高い検出
精度を得るためには非常に多くのパイロット信号を処理
する必要があるため、パケットの先頭付近のOFDMシ
ンボルを処理している期間は、原理上、一定以上の検出
精度を得ることができない。特に、1つのOFDMシン
ボルに含まれるパイロット信号の数はサブキャリア数に
比較して非常に少ないため、パケットの先頭付近のいく
つかのOFDMシンボルのパイロット信号のみを用いて
検出した残留搬送波周波数誤差の検出精度は、前述の特
定のOFDMシンボルに含まれるすべてのサブキャリア
の検波信号を用いて検出した残留搬送波周波数誤差の検
出精度よりも悪くなってしまう。そこで、パケットの先
頭付近のOFDMシンボルに含まれる残留搬送波周波数
誤差に起因する位相回転ついては、前述のような特定の
OFDMシンボル期間内の全てのサブキャリアの検波信
号を用いて検出した位相補正量を用いて補正を行い、後
続のOFDMシンボルに含まれる位相回転については、
前述のような各OFDMシンボルに含まれる既知のパイ
ロット信号の位相回転量をOFDMシンボル毎に検出し
て得られる位相補正量を用いて補正を行うことにより、
パケット全体に渡って精度の高い位相補正を行うことが
できる。
【0325】すなわち、本例の装置は、従来の装置では
実現が困難であった残留搬送波周波数誤差による位相回
転に対する高精度な補正処理を、小さな処理遅延で実現
することができる。
【0326】(第32の実施の形態)この形態のOFD
Mパケット通信用受信装置について、図32を参照して
説明する。この形態は請求項26および請求項44に対
応する。この形態は第31の実施の形態の変形例であ
る。図32において、第31の実施の形態と対応する要
素は同一の符号を付けて示してある。第31の実施の形
態と同一の部分については、以下の説明を省略する。
【0327】この形態では、受信したOFDM信号に含
まれる多数のサブキャリアのうち一部分(複数)のサブ
キャリアを用いて、既知信号であるパイロット信号を伝
送する場合を想定している。
【0328】図32に示す共通位相回転検出部3200に
は、シンボル内平均回路3201および単位量演算回路3202
が備わっている。
【0329】重み付け回路1803から出力された重み付け
後の各サブキャリアの位相回転量情報信号はシンボル内
平均回路3201に入力される。シンボル内平均回路3201
は、重み付け回路1803から入力された当該OFDMシン
ボルの重み付け後の全てのサブキャリアの位相回転量情
報信号に対して平均化処理を行うことにより、受信回路
102において付加される熱雑音等の影響を抑制し、残留
搬送波周波数誤差に起因して生じる各サブキャリアに共
通する位相回転量を高精度に算出して出力する。シンボ
ル内平均回路3201から出力された高精度な位相回転量情
報信号は単位量演算回路3202に入力される。単位量演算
回路3202は、シンボル内平均回路3201から入力された高
精度な位相回転量情報信号を用いて、検波信号の残留搬
送波周波数誤差に起因する1OFDMシンボルあたりの
位相回転量を演算して出力する。単位量演算回路3202か
ら出力された信号は、選択回路3106に入力される。
【0330】上述のように、OFDMシンボル内で平滑
化した位相回転量信号を処理することによって、熱雑音
等の影響を抑制し、残留搬送波周波数誤差に起因して生
じる各サブキャリアに共通する位相回転量の検出精度を
改善できる。すなわち、本例の装置は、従来の装置では
実現が困難であった残留搬送波周波数誤差による位相回
転に対する高精度な補正処理を、小さな処理遅延で実現
することができる。
【0331】(第33の実施の形態)この形態のOFD
Mパケット通信用受信装置について、図33を参照して
説明する。この形態は請求項26、請求項44、請求項
45および請求項49に対応する。この形態は第32の
実施の形態の変形例である。図33において、第32の
実施の形態と対応する要素は同一の符号を付けて示して
ある。第32の実施の形態と同一の部分については、以
下の説明を省略する。
【0332】この形態では、受信したOFDM信号に含
まれる多数のサブキャリアのうち一部分(複数)のサブ
キャリアを用いて、既知信号であるパイロット信号を伝
送する場合を想定している。
【0333】図33に示す共通位相回転検出部3300に
は、シンボル内ベクトル和演算回路3302、位相検出回路
3303および単位量演算回路3202が備わっている。
【0334】特定シンボル内サブキャリア信号抽出回路
2803から出力される各検波信号は逆変調回路3301に入力
されるとともに硬判定回路2804に入力される。硬判定回
路2804から出力された各判定結果は逆変調回路3301に入
力される。逆変調回路3301は、硬判定回路2804から入力
された各判定結果に基づき、特定シンボル内サブキャリ
ア信号抽出回路2803から入力された各検波信号のそれぞ
れに対してベースバンド上で逆変調処理を行い、逆変調
後の複素ベクトル信号を出力する。この逆変調処理によ
り、特定シンボル内サブキャリア信号抽出回路2803から
入力された各検波信号から、送信側の変調処理によって
付加されていた信号成分が除去される。従って、逆変調
後の信号には残留搬送波周波数誤差に起因して生じる位
相回転による位相成分と、受信回路102において付加さ
れる熱雑音等の成分のみが含まれることになる。逆変調
回路3301から出力された逆変調後の各サブキャリアの複
素ベクトル信号は重み付け回路1803に入力される。重み
付け回路1803は、重み係数演算回路2802から入力された
各サブキャリアの重み係数に基づいて逆変調回路3301か
ら入力された逆変調後の各サブキャリアの複素ベクトル
信号に対して重み付けを行い出力する。この重み付け
は、例えば、重み係数演算回路2802から出力された各サ
ブキャリアの重み係数を、逆変調回路3301から入力され
た逆変調後の各サブキャリアの複素ベクトル信号の振幅
成分とすることにより実現できる。重み付け回路1803か
ら出力された重み付け後の複素ベクトル信号はシンボル
内ベクトル和演算回路3302に入力される。シンボル内ベ
クトル和演算回路3302は、重み付け回路1803から入力さ
れた当該OFDMシンボルの重み付け後の全ての複素ベ
クトル信号のベクトル和を演算する。このベクトル和演
算によって、重み付け回路1803から入力された複素ベク
トル信号の位相成分の平滑化が実現されることになる。
この位相成分の平滑化により、受信回路102において付
加される熱雑音等の影響を抑制することができる。つま
り、シンボル内ベクトル和演算回路3302から出力される
複素ベクトル信号の位相成分は、残留搬送波周波数誤差
に起因して生じる各サブキャリアに共通する位相回転量
を高精度に表していることになる。シンボル内ベクトル
和演算回路3302から出力された複素ベクトル信号は位相
検出回路3303に入力される。位相検出回路3303は、シン
ボル内ベクトル和演算回路3302から入力された複素ベク
トル信号の位相成分を検出して位相成分情報信号を出力
する。位相検出回路3303から出力された位相成分情報信
号は単位量演算回路3202に入力される。
【0335】すなわち、本例の装置は、従来の装置では
実現が困難であった残留搬送波周波数誤差による位相回
転に対する高精度な補正処理を、小さな処理遅延で実現
することができる。
【0336】(第34の実施の形態)この形態のOFD
Mパケット通信用受信装置について、図34を参照して
説明する。この形態は請求項26、請求項44、請求項
46および請求項49に対応する。この形態は第33の
実施の形態の変形例である。図34において、第33の
実施の形態と対応する要素は同一の符号を付けて示して
ある。第33の実施の形態と同一の部分については、以
下の説明を省略する。
【0337】この形態では、受信したOFDM信号に含
まれる多数のサブキャリアのうち一部分(複数)のサブ
キャリアを用いて、既知信号であるパイロット信号を伝
送する場合を想定している。
【0338】なお、図34は残留搬送波周波数誤差によ
る位相回転を検出するために用いる特定の少なくとも1
つのOFDMシンボルの各サブキャリア信号が、例えば
BPSKやQPSKのように、ある基準信号点から任意
の基準信号点への遷移が符号の反転処理のみによって可
能であるような変調方式によって変調されている場合の
構成例である。
【0339】特定シンボル内サブキャリア信号抽出回路
2803の出力信号である各検波信号が、符号反転制御回路
3401に入力されるとともに硬判定回路2804に入力されて
いる。符号反転制御回路3401は、入力された各検波信号
に対する逆変調処理を、符号反転処理によって実現して
いる。符号反転制御回路3401から出力された符号反転処
理後の各複素ベクトル信号は重み付け回路1803に入力さ
れる。
【0340】例えば、BPSKやQPSKのように、あ
る基準信号点から他の基準信号点への遷移が、符号の反
転処理のみによって可能であるような変調方式によって
各サブキャリア信号が変調されている場合には、逆変調
処理は信号の符号を反転処理することによって実現でき
るので、逆変調手段の回路構成を単純化することができ
る。すなわち、本例の装置は、従来の装置では実現が困
難であった残留搬送波周波数誤差による位相回転に対す
る高精度な補正処理を、簡易な回路により小さな処理遅
延で実現することができる。
【0341】(第35の実施の形態)この形態のOFD
Mパケット通信用受信装置について、図35を参照して
説明する。この形態は請求項26、請求項34、請求項
35、請求項44および請求項47に対応する。この形
態は第32の実施の形態の変形例である。図35におい
て、第32の実施の形態と対応する要素は同一の符号を
付けて示してある。第32の実施の形態と同一の部分に
ついては、以下の説明を省略する。
【0342】この形態では、受信したOFDM信号に含
まれる多数のサブキャリアのうち一部分(複数)のサブ
キャリアを用いて、既知信号であるパイロット信号を伝
送する場合を想定している。
【0343】図35に示す位相累積値演算部3501には、
位相差分演算回路3504、遅延回路3505および積分回路35
06が備わっており、共通位相回転検出部3500には、シン
ボル内平均回路3503、位相累積値演算部3501、時間方向
移動平均回路3507および除算回路3508が備わっている。
【0344】位相回転検出回路3102から出力されたパイ
ロット信号に相当する位相回転量情報信号は、重み付け
回路3502に入力される。重み付け回路3502は、重み係数
演算回路2802から入力された重み係数に基づいて、位相
回転検出回路3102から入力された位相回転量情報信号に
対して重み付けを行い出力する。この重み付けにより、
フェージング等によって情報の信頼度が低下している位
相回転量情報信号を用いることにより生じる悪影響を抑
制することができる。重み付け回路3502から出力された
重み付け後の位相回転量情報信号はシンボル内平均回路
3503に入力される。シンボル内平均回路3503は、重み付
け回路3502から入力された当該OFDMシンボルの重み
付け後の全ての位相回転量情報信号に対して平均化処理
を行う。なお、重み付け回路3502が出力する位相回転量
情報信号が前述のベクトル信号であるような場合には、
ベクトル和を演算することにより位相成分の平均化処理
を行うことができる。シンボル内平均回路3503から出力
された平均化処理後の位相回転量情報信号は位相差分演
算回路3504に入力されるとともに遅延回路3505に入力さ
れる。遅延回路3505は、シンボル内平均回路3503から入
力された平均化処理後の位相回転量情報信号を1OFD
Mシンボル期間だけ遅延させて出力する。遅延回路3505
によって1OFDMシンボル分だけ遅延した各位相回転
量情報信号は、位相差分演算回路3504に入力される。位
相差分演算回路3504は、遅延回路3505から入力された1
OFDMシンボル分だけ遅延した各位相回転量情報信号
に対するシンボル内平均回路3503から入力された位相回
転量情報信号の位相差を検出して位相差分信号を1OF
DMシンボル毎に出力する。位相差分演算回路3504から
出力された位相差分信号は、積分回路3506に入力され
る。積分回路3506は、位相差分演算回路3504から入力さ
れた位相差分信号を積分処理することにより、残留搬送
波周波数誤差および位相雑音による累積位相回転量を算
出して出力する。この累積位相回転量は、同期検波回路
107から出力された当該OFDMシンボル中の各検波信
号に含まれる残留搬送波周波数誤差および位相雑音に起
因して生じた累積の位相回転量である。積分回路3506か
ら出力された累積位相回転量信号は、時間方向移動平均
回路3507に入力される。時間方向移動平均回路3507
は、積分回路3506から入力された累積位相回転量を複数
OFDMシンボルに渡って時間方向に移動平均処理を行
い出力する。この移動平均処理によって、受信回路102
において付加される熱雑音等の影響を抑制することがで
きる。時間方向移動平均回路3507から出力された移動平
均処理後の累積位相回転量信号は、除算回路3508に入力
される。除算回路3508では、時間方向移動平均回路3507
から入力された移動平均処理後の累積位相回転量を、積
分回路3506で積分を行ったOFDMシンボル数と時間方
向移動平均回路3507で移動平均処理を行ったOFDMシ
ンボル数に応じた値で除算することにより、残留搬送波
周波数誤差に起因して生じた各検波信号の1OFDMシ
ンボルあたりの位相回転量を精度良く求めることができ
る。例えば、積分回路3506で10OFDMシンボル分の
積分処理を行い、後続の時間方向移動平均回路3507で3
OFDMシンボル分の移動平均処理を行ったと仮定する
と、この3OFDMシンボル分の移動平均処理によって
必然的に1OFDMシンボル分の遅延が生じる。従っ
て、除算回路3508は、入力された値を9で除算して1O
FDMシンボルあたりの位相回転量を算出することにな
る。この積分回路3506において、特定シンボル内サブキ
ャリア信号抽出回路2803で処理されるOFDMシンボル
の数よりも十分に多い信号数の積分処理が行われていれ
ば、除算回路3508は単位量演算回路3202から出力される
信号よりも高い精度で残留搬送波周波数誤差に起因する
1OFDMシンボルあたりの位相回転量を求めることが
できる。除算回路3508から出力された残留搬送波周波数
誤差に起因する1OFDMシンボルあたりの位相回転量
信号は、選択回路3106に入力される。
【0345】上述のように、高精度な信号品質情報に基
づいて重み付けされた位相回転量の情報に対して1シン
ボル内で平均化処理を行うことにより、位相回転量の情
報に含まれている雑音成分を抑圧することができるの
で、残留搬送波周波数誤差よって検波信号に生じる各サ
ブキャリア共通の位相回転量を精度良く求めることがで
きる。また、残留搬送波周波数誤差よって検波信号に生
じる各サブキャリア共通の位相回転量の累積値を演算し
て累積を行ったOFDMシンボル数で除算することによ
り、残留搬送波周波数誤差により生じる1OFDMシン
ボルあたりの位相回転量を高精度に算出することができ
る。さらに、前述の除算を行う前に、位相回転量の累積
値に対して時間方向の移動平均処理を行うことにより熱
雑音の影響を効果的に低減するため、残留搬送波周波数
誤差により生じる1OFDMシンボルあたりの位相回転
量の検出精度を改善することができる。
【0346】すなわち、本例の装置は、従来の装置では
実現が困難であった残留搬送波周波数誤差による位相回
転に対する高精度な補正処理を、小さな処理遅延で実現
することができる。
【0347】(第36の実施の形態)この形態のOFD
Mパケット通信用受信装置について、図36を参照して
説明する。この形態は請求項26、請求項34、請求項
35、請求項44、請求項45、請求項47および請求
項49に対応する。この形態は第35の実施の形態の変
形例である。図36において、第35の実施の形態と対
応する要素は同一の符号を付けて示してある。第35の
実施の形態と同一の部分については、以下の説明を省略
する。
【0348】この形態では、受信したOFDM信号に含
まれる多数のサブキャリアのうち一部分(複数)のサブ
キャリアを用いて、既知信号であるパイロット信号を伝
送する場合を想定している。
【0349】図36に示す共通位相回転検出部3600に
は、シンボル内ベクトル和演算回路3602、位相検出回路
3603および単位量演算回路3604が備わっている。
【0350】特定シンボル内サブキャリア信号抽出回路
2803から出力される各検波信号は逆変調回路3601に入力
されるとともに硬判定回路2804に入力される。硬判定回
路2804から出力された各判定結果は逆変調回路3601に入
力される。逆変調回路3601は、硬判定回路2804から入力
された各判定結果に基づき、特定シンボル内サブキャリ
ア信号抽出回路2803から入力された各検波信号のそれぞ
れに対してベースバンド上で逆変調処理を行い、逆変調
後の複素ベクトル信号を出力する。この逆変調処理によ
り、特定シンボル内サブキャリア信号抽出回路2803から
入力された各検波信号から、送信側の変調処理によって
付加されていた信号成分が除去される。従って、逆変調
後の信号には残留搬送波周波数誤差に起因して生じる位
相回転による位相成分と、受信回路102において付加さ
れる熱雑音等の成分のみが含まれることになる。逆変調
回路3601から出力された逆変調後の各サブキャリアの複
素ベクトル信号は重み付け回路1803に入力される。重み
付け回路1803は、重み係数演算回路2802から入力された
各サブキャリアの重み係数に基づいて逆変調回路3601か
ら入力された逆変調後の各サブキャリアの複素ベクトル
信号に対して重み付けを行い出力する。この重み付け
は、例えば、重み係数演算回路2802から出力された各サ
ブキャリアの重み係数を、逆変調回路3601から入力され
た逆変調後の各サブキャリアの複素ベクトル信号の振幅
成分とすることにより実現できる。重み付け回路1803か
ら出力された重み付け後の複素ベクトル信号はシンボル
内ベクトル和演算回路3602に入力される。シンボル
内ベクトル和演算回路3602は、重み付け回路1803から入
力された当該OFDMシンボルの重み付け後の全ての複
素ベクトル信号のベクトル和を演算する。このベクトル
和演算によって、重み付け回路1803から入力された複素
ベクトル信号の位相成分の平滑化が実現されることにな
る。この位相成分の平滑化により、受信回路102におい
て付加される熱雑音等の影響を抑制することができる。
つまり、シンボル内ベクトル和演算回路3602から出力さ
れる複素ベクトル信号の位相成分は、残留搬送波周波数
誤差に起因して生じる各サブキャリアに共通する位相回
転量を高精度に表していることになる。シンボル内ベク
トル和演算回路3602から出力された複素ベクトル信号は
位相検出回路3603に入力される。位相検出回路3603は、
シンボル内ベクトル和演算回路3602から入力された複素
ベクトル信号の位相成分を検出して位相成分情報信号を
出力する。位相検出回路3603から出力された位相成分情
報信号は単位量演算回路3604に入力される。
【0351】すなわち、本例の装置は、従来の装置では
実現が困難であった残留搬送波周波数誤差による位相回
転に対する高精度な補正処理を、小さな処理遅延で実現
することができる。
【0352】(第37の実施の形態)この形態のOFD
Mパケット通信用受信装置について、図37を参照して
説明する。この形態は請求項26、請求項34、請求項
35、請求項44、請求項46、請求項47および請求
項49に対応する。この形態は第36の実施の形態の変
形例である。図37において、第36の実施の形態と対
応する要素は同一の符号を付けて示してある。第36の
実施の形態と同一の部分については、以下の説明を省略
する。
【0353】この形態では、受信したOFDM信号に含
まれる多数のサブキャリアのうち一部分(複数)のサブ
キャリアを用いて、既知信号であるパイロット信号を伝
送する場合を想定している。
【0354】なお、図37は残留搬送波周波数誤差によ
る位相回転を検出するために用いる特定の少なくとも1
つのOFDMシンボルの各サブキャリア信号が、例えば
BPSKやQPSKのように、ある基準信号点から任意
の基準信号点への遷移が符号の反転処理のみによって可
能であるような変調方式によって変調されている場合の
構成例である。
【0355】特定シンボル内サブキャリア信号抽出回路
2803の出力信号である各検波信号が、符号反転制御回路
3701に入力されるとともに硬判定回路2804に入力されて
いる。符号反転制御回路3701は、入力された各検波信号
に対する逆変調処理を、符号反転処理によって実現して
いる。符号反転制御回路3701から出力された符号反転処
理後の各複素ベクトル信号は重み付け回路1803に入力さ
れる。
【0356】例えば、BPSKやQPSKのように、あ
る基準信号点から他の基準信号点への遷移が、符号の反
転処理のみによって可能であるような変調方式によって
各サブキャリア信号が変調されている場合には、逆変調
処理は信号の符号を反転処理することによって実現でき
るので、逆変調手段の回路構成を単純化することができ
る。すなわち、本例の装置は、従来の装置では実現が困
難であった残留搬送波周波数誤差による位相回転に対す
る高精度な補正処理を、簡易な回路により小さな処理遅
延で実現することができる。
【0357】(第38の実施の形態)この形態のOFD
Mパケット通信用受信装置について、図38を参照して
説明する。この形態は請求項17、請求項20、請求項
25、請求項32、請求項33および請求項43に対応
する。この形態は第17の実施の形態の変形例である。
図38において、第17の実施の形態と対応する要素は
同一の符号を付けて示してある。第17の実施の形態と
同一の部分については、以下の説明を省略する。
【0358】この形態では、受信したOFDM信号に含
まれる多数のサブキャリアのうち一部分(複数)のサブ
キャリアを用いて、既知信号であるパイロット信号を伝
送する場合を想定している。
【0359】なお、この例でも図38のOFDMパケッ
ト通信用受信装置が受信するOFDM信号を送信する送
信装置において、搬送波周波数とサンプリングクロック
の周波数とが同期していることを想定している。また、
図38のOFDMパケット通信用受信装置は、受信側に
おける搬送波周波数とサンプリングクロックの周波数と
が同期するように制御する。
【0360】図38に示す位相回転量情報抽出部3800に
は、パイロット信号抽出回路3803、位相回転検出回路38
04および基準信号出力回路3805が備わっており、共通位
相回転検出部3801には、シンボル内平均回路3808、位相
回転累積値演算回路3809、時間方向移動平均回路3810、
除算回路3811および遅延補正回路3812が備わっている。
【0361】チャネル推定回路106から出力されたチャ
ネル推定結果は同期検波回路107に入力されるとともに
重み係数演算回路3802に入力される。重み係数演算回路
3802は、チャネル推定回路106から入力される各サブキ
ャリアのチャネル推定結果に基づいてサブキャリア毎に
その通信品質に応じた重み係数を演算して出力する。例
えば、各サブキャリアの通信品質を表す尺度としては、
前述のような各サブキャリア信号の受信信号レベル等が
考えられる。重み係数演算回路3802から出力されたサブ
キャリア毎の重み係数は重み付け回路3807に入力され
る。
【0362】一方、同期検波回路107から出力される各
検波信号は、位相回転補正回路3815に入力されるととも
にパイロット信号抽出回路3803に入力される。パイロッ
ト信号抽出回路3803は、同期検波回路107から入力され
た検波信号のうちパイロット信号に相当する検波信号を
抽出して出力する。パイロット信号抽出回路3803から出
力されたパイロット信号に相当する検波信号は位相回転
検出回路3804に入力される。一方、基準信号出力回路38
05は、パイロット信号抽出回路3803から位相回転検出回
路3804に入力されたパイロット信号に相当する検波信号
に対応する基準信号を出力する。前述の通り、パイロッ
ト信号は既知信号であるため、容易に前述の基準信号を
出力することができるのである。基準信号出力回路3805
から出力された基準信号は位相回転検出回路3804に入力
される。位相回転検出回路3804は、基準信号出力回路38
05から入力された基準信号に基づいて、パイロット信号
抽出回路3803から入力されたパイロット信号に相当する
検波信号の位相回転量を検出して位相回転量情報信号を
出力する。位相回転検出回路3803から出力された位相回
転量情報信号はクロック周波数誤差低減回路3806に入力
される。また、位相回転予測回路903から出力されるク
ロック周波数誤差に起因するパイロット信号に相当する
各サブキャリアの位相回転情報もクロック周波数誤差低
減回路3906に入力される。クロック周波数誤差低減回路
3806は、位相回転予測回路903から入力されるクロック
周波数誤差に起因する各サブキャリアの位相回転情報に
基づいて位相回転検出回路3804から入力される位相回転
量情報信号に含まれるクロック周波数誤差による位相回
転を除去する。クロック周波数誤差低減回路3806から出
力されるクロック周波数誤差による位相回転除去後の位
相回転量情報信号は重み付け回路3807に入力される。重
み付け回路3807は、重み係数演算回路3802から入力され
た各サブキャリアの重み係数に基づいてクロック周波数
誤差低減回路3806から入力されたクロック周波数誤差に
よる位相回転除去後の位相回転量情報信号に対して重み
付けを行い出力する。この重み付けにより、フェージン
グ等によって情報の信頼度が低下している位相回転量情
報を用いることにより生じる悪影響を抑制することがで
きる。重み付け回路3807から出力された重み付け後の各
サブキャリアの位相回転量情報信号はシンボル内平均回
路3808に入力される。シンボル内平均回路3808は、重み
付け回路3807から入力された当該OFDMシンボルの重
み付け後のパイロット信号に相当する位相回転量情報信
号に対して平均化処理を行うことにより、受信回路102
において付加される熱雑音等の影響を抑制し、残留搬送
波周波数誤差に起因して生じる当該OFDMシンボル内
の各サブキャリアに共通する位相回転量を高精度に算出
して出力する。なお、この平均化処理は1個のOFDM
シンボル内で行われるため、周波数方向の平均化処理に
相当する。シンボル内平均回路3808から出力された高精
度な位相回転量情報信号は位相回転累積値演算回路3809
に入力される。位相回転累積値演算回路3809は、シンボ
ル内平均回路3808から入力される高精度な位相回転量情
報信号を用いてチャネル推定時からの位相雑音および残
留搬送波周波数誤差に起因する各パイロット信号の累積
の位相回転量を演算する。この累積の位相回転量の演算
は、例えば、当該OFDMシンボル処理時に入力された
高精度な位相回転量情報信号とその直前のOFDMシン
ボルの処理時に入力された高精度な位相回転量情報信号
の差分値をひとつのOFDMシンボル毎にそれぞれ積分
することによって行うことができる。演算された位相雑
音および残留搬送波周波数誤差に起因する各パイロット
信号の累積の位相回転量が位相回転累積値演算回路3809
から出力される。位相回転累積値演算回路3809から出力
されるパイロット信号の累積の位相回転量は時間方向移
動平均回路3810に入力される。時間方向移動平均回路38
10は、1OFDMシンボル毎に入力される位相雑音およ
び残留搬送波周波数誤差に起因する各パイロット信号の
累積の位相回転量に対し、複数シンボルに渡る時間方向
の移動平均化処理を行い出力する。この時間方向の移動
平均化処理により、受信回路102において信号に付加さ
れた熱雑音等による信号の劣化を低減することができ
る。時間方向移動平均回路3810から出力される移動平均
後の累積の位相回転量情報は除算回路3811に入力される
とともに遅延補正回路3812に入力される。
【0363】除算回路3811は、時間方向移動平均回路38
10から入力される移動平均後の累積の位相回転量情報に
対して位相回転累積値演算回路3809において累積処理し
たOFDMシンボル数から時間方向移動平均回路3810に
おける移動平均処理により生じる遅延分を差し引いた数
で除算を行う。例えば、位相回転累積値演算回路3809に
おいて累積処理したOFDMシンボル数が10個のOF
DMシンボルであり、時間方向移動平均回路3810におい
て3つのOFDMシンボルの移動平均処理を行う場合に
ついて考えてみる。この場合は、3個のOFDMシンボ
ルの移動平均処理によって1つのOFDMシンボル分の
遅延による誤差が生じるため、除算回路3811では9で除
算を行うことになる。また、位相雑音に起因する位相回
転の累積値は明らかに0となる。従って、この除算によ
って残留搬送波周波数誤差に起因するひとつのOFDM
シンボルあたりの位相回転量が求められる。このように
各パイロット信号の位相回転量の累積値を利用して各パ
イロット信号のひとつのOFDMシンボル当たりの位相
回転量を算出することにより、パケットの後ろに行くほ
ど精度良く熱雑音および位相雑音の成分を除去すること
が可能となる。求められた残留搬送波周波数誤差に起因
する1個のOFDMシンボルあたりの位相回転量情報が
除算回路3811から出力される。除算回路3811から出力さ
れる残留搬送波周波数誤差に起因する1個のOFDMシ
ンボルあたりの位相回転量情報は遅延補正回路3812に入
力されるとともに位相回転予測回路903に入力される。
【0364】遅延補正回路381には、除算回路3811から
入力される残留搬送波周波数誤差に起因する1個のOF
DMシンボルあたりの位相回転量情報を用いて時間方向
移動平均回路3810から入力される移動平均後の累積の位
相回転量情報に含まれる前述の移動平均処理に起因する
遅延によって生じる遅延誤差を補正し、当該OFDMシ
ンボルの各サブキャリア信号に含まれる残留搬送波周波
数誤差および位相雑音に起因する位相回転の累積量を求
める。遅延誤差補正後の累積の位相回転情報が遅延補正
回路3812から出力される。遅延補正回路3812から出力さ
れる遅延誤差補正後の累積の位相回転量情報は加算回路
3814に入力される。
【0365】一方、位相回転予測回路903から出力され
るクロック周波数誤差に起因する位相回転の情報がクロ
ック周波数誤差低減回路3806に入力されるとともに加算
回路3814に入力される。加算回路3814は、遅延補正回路
3812から入力される残留搬送波周波数誤差および位相雑
音に起因する位相回転の累積量と、位相回転予測回路90
3から入力されるクロック周波数誤差に起因する位相回
転情報を加算することにより、クロック周波数誤差、残
留搬送波周波数誤差および位相雑音に起因する位相回転
情報を出力する。加算回路3814から出力されるクロック
周波数誤差、残留搬送波周波数誤差および位相雑音に起
因する位相回転情報は位相回転補正回路3815に入力され
る。位相回転補正回路3815は、加算回路3814から入力さ
れるクロック周波数誤差、残留搬送波周波数誤差および
位相雑音に起因する位相回転情報に基づいて、同期検波
回路107から入力される各検波信号に含まれるクロック
周波数誤差、残留搬送波周波数誤差および位相雑音に起
因する位相回転の補正を行う。位相回転補正回路3815か
ら出力される位相回転補正後の各検波信号は識別回路11
2に入力される。
【0366】上述のように、OFDM信号の一部のサブ
キャリアを利用して既知信号であるパイロット信号を伝
送する場合には、パイロット信号に相当する検波信号の
信号成分から残留搬送波周波数誤差を検出することによ
り、一部の検波信号だけを用いて効率的に残留搬送波周
波数誤差を検出できるので、共通位相回転検出手段の回
路構成を単純化できる。また、検波信号に大きな雑音成
分が付加されている場合であっても、当該検波信号の基
準信号点が誤って識別されるようなことが無いため、残
留搬送波周波数誤差の検出精度が向上する。
【0367】また、位相回転量情報抽出手段が出力する
検波信号の位相回転量の情報に含まれているクロック周
波数誤差に起因するサブキャリア毎に異なる位相回転成
分の除去を行うとともに、サブキャリア毎の通信品質に
応じた重み付けを行うことによって、共通位相回転検出
手段における各サブキャリア共通の位相回転量の検出精
度が向上する。
【0368】さらに、重み付けされた検波信号の位相回
転量の情報に対して周波数方向に平均化処理を行うた
め、位相回転量の情報の精度が向上する。さらにまた、
この高精度な位相回転量の情報を用いて、残留搬送波周
波数誤差および位相雑音によって生じる各検波信号の位
相回転の累積量を演算し、得られた演算結果を用いて各
検波信号に対して位相回転の補正処理を行うため、高精
度な位相回転補正処理が実現できる。
【0369】また、上述の位相回転の累積値に対して時
間方向の平均化処理を行うことにより雑音成分を効果的
に抑圧できるため、受信処理時に受信信号に熱雑音が付
加される場合であっても、残留搬送波周波数誤差および
位相雑音によって生じる各検波信号の位相回転の累積量
を精度良く検出することができる。
【0370】さらに、上述の位相回転の累積量を累積を
行ったOFDMシンボル数で除算することによって残留
搬送波周波数誤差により生じる1OFDMシンボルあた
りの位相回転量を高精度に算出し、この算出結果に基づ
いて時間方向移動平均処理時に生じる位相回転累積値検
出誤差を除去するので、残留搬送波周波数誤差および位
相雑音によって生じる各検波信号の位相回転の累積量を
さらに精度良く検出することができる。
【0371】さらにまた、上述のようにして高精度に検
出した残留搬送波周波数誤差に起因する1OFDMシン
ボルあたりの位相回転量の情報を用いて、クロック周波
数誤差によって各検波信号に生じる位相回転を予測演算
するので、精度良くクロック周波数誤差によって各検波
信号に生じる位相回転を求めることができる。
【0372】すなわち、本例の装置は、従来の装置では
実現が困難であったクロック周波数誤差、残留搬送波周
波数誤差および位相雑音に起因する各検波信号の位相回
転に対する高精度な補正処理を行うことができる。
【0373】(第39の実施の形態)この形態のOFD
Mパケット通信用受信装置について、図39を参照して
説明する。この形態は請求項17、請求項20、請求項
25、請求項28、請求項31、請求項32、請求項3
3、請求項35、請求項37および請求項43に対応す
る。この形態は第38の実施の形態の変形例である。図
39において、第38の実施の形態と対応する要素は同
一の符号を付けて示してある。第38の実施の形態と同
一の部分については、以下の説明を省略する。
【0374】この形態では、受信したOFDM信号に含
まれる多数のサブキャリアのうち一部分(複数)のサブ
キャリアを用いて、既知信号であるパイロット信号を伝
送する場合を想定している。
【0375】なお、この例でも図39のOFDMパケッ
ト通信用受信装置が受信するOFDM信号を送信する送
信装置において、搬送波周波数とサンプリングクロック
の周波数とが同期していることを想定している。また、
図39のOFDMパケット通信用受信装置は、受信側に
おける搬送波周波数とサンプリングクロックの周波数と
が同期するように制御する。
【0376】図39に示す位相累積値演算部3901には、
位相差分演算回路3906、遅延回路3907および積分回路39
08が備わっており、共通位相回転検出部3900には、シン
ボル内平均回路3808、位相回転累積値演算部3901、時間
方向移動平均回路3810、ビットシフト回路3909および遅
延補正回路3812が備わっている。
【0377】フーリエ変換回路105が出力する各サブキ
ャリア信号がチャネル推定回路106、同期検波回路107に
入力されるとともに信号レベル情報抽出回路3903に入力
されている。信号レベル情報抽出回路3903では、入力さ
れた各サブキャリア信号のうち全てあるいは一部のサブ
キャリア信号から、その信号レベルを抽出して出力す
る。信号レベル情報抽出回路3903から出力されたサブキ
ャリア信号の信号レベル情報は、積分回路3904に入力さ
れる。積分回路3904は、信号レベル情報抽出回路3903が
出力する各パイロット信号の信号レベル情報を各パイロ
ット信号毎に時間方向に積分する。積分回路3904により
積分された各パイロット信号の信号レベル情報はビット
シフト回路3905に入力される。
【0378】ビットシフト回路3905は、各パイロット信
号の1個のOFDMシンボルあたりの信号レベルを算出
するために、積分回路3904にて積分処理したOFDMシ
ンボル数が2(N:自然数)で表されるときに、積分
回路3904から出力された各パイロット信号の信号レベル
情報の積分値をNビットのビットシフトにより除算を行
う。なお、このビットシフトは、積分回路3904にて積分
処理したOFDMシンボル数が2(N:自然数)で表
される時にのみ行い、ビットシフト回路3905の出力を更
新する。なお、シンボル数が2で表されないときは前
回のビットシフトをしたときの結果をそのまま用いる。
また、シンボル数が1の時はビットシフト回路3905は入
力された信号をそのまま出力する。このような処理を行
うと、パケットの前に行くほどビットシフト回路3905の
出力が高い頻度で更新され、パケットの後ろに行くほど
その更新頻度は低くなる。しかしながら、前述のよう
に、各パイロット信号の信号レベルの積分値を利用して
各パイロット信号の1OFDMシンボル当たりの信号レ
ベルを算出することにより、パケットの後ろにいくほど
精度良く熱雑音の成分を除去することが可能となる。従
って、パケットの後ろの更新頻度を低くしても特性は劣
化しない。また、ビットシフトを行うために必要な回路
規模は一般に非常に小さいため、回路規模を大幅に低減
することができる。ビットシフト回路3905によって算出
された各パイロット信号の1OFDMシンボル当たりの
信号レベル情報は重み付け回路3807に入力される。
【0379】一方、シンボル内平均回路3808から出力さ
れる平均化処理後の高精度な位相回転量情報信号は位相
差分演算回路3906に入力されるとともに遅延回路3907に
入力される。遅延回路3907は、シンボル内平均回路3808
から入力された平均化処理後の位相回転量情報信号を1
OFDMシンボル期間だけ遅延させて出力する。遅延回
路3907によって1OFDMシンボル分だけ遅延した各位
相回転量情報信号は、位相差分演算回路3906に入力され
る。位相差分演算回路3906は、遅延回路3907から入力さ
れた1OFDMシンボル分だけ遅延した各位相回転量情
報信号に対するシンボル内平均回路3808から入力された
位相回転量情報信号の位相差を検出して位相差分信号を
1OFDMシンボル毎に出力する。位相差分演算回路39
06から出力された位相差分信号は、積分回路3908に入力
される。積分回路3908は、位相差分演算回路3906から入
力された位相差分信号を積分処理することにより、残留
搬送波周波数誤差および位相雑音による累積位相回転量
を算出して出力する。この累積位相回転量は、同期検波
回路107から出力された当該OFDMシンボル中の各検
波信号に含まれる残留搬送波周波数誤差および位相雑音
に起因して生じた累積の位相回転量である。積分回路39
08から出力された累積位相回転量信号は、時間方向移動
平均回路3810に入力される。一方、時間方向移動平均回
路3810から出力される移動平均後の累積の位相回転量情
報はビットシフト回路3909に入力されるとともに遅延補
正回路3812に入力される。
【0380】ビットシフト回路3909は、時間方向移動平
均回路3810から入力される移動平均後の累積の位相回転
量情報に対して位相回転累積値演算部3901において累積
処理したOFDMシンボル数から時間方向移動平均回路
3810における移動平均処理により生じる遅延分を差し引
いた数が2(N:自然数)で表されるときに、時間方
向移動平均回路3810から入力される移動平均後の累積の
位相回転量情報をNビットのビットシフトにより除算を
行う。なお、このビットシフトは位相回転累積値演算部
3901において累積処理したOFDMシンボル数から時間
方向移動平均回路3810における移動平均処理により生じ
る遅延分を差し引いた数が2(N:自然数)で表され
るときにのみ行い、ビットシフト回路3909の出力を更新
する。なお、前述の数が2で表されないときは前回の
ビットシフトをしたときの結果をそのまま用いる。ま
た、前述の数が1の時はビットシフト回路3909は入力さ
れた信号をそのまま出力する。ビットシフト回路3909か
ら出力される残留搬送波周波数誤差に起因する1個のO
FDMシンボルあたりの位相回転量情報は遅延補正回路
3812に入力される。
【0381】フェージングによる伝送路(チャネル)の
状態が、パケット内でほとんど変化しないような場合、
各サブキャリア信号の信号レベルは、各サブキャリア信
号の信号レベルをサブキャリア毎に積分処理し、その積
分値を、積分を行った回数すなわち積分を行ったOFD
Mシンボル数で除算することにより求めることができ
る。この場合、パケットの後ろに行くほど積分するOF
DMシンボル数が増加するため、平滑化の効果すなわち
雑音成分の抑圧効果が向上し、熱雑音の影響を効果的に
低減することができる。従って、高精度に各サブキャリ
ア信号の信号レベル情報を検出することができる。ま
た、各サブキャリア信号の1個のOFDMシンボル当た
りの信号レベルを求めるための除算をビットシフトによ
って実現するため、回路規模の増加を抑制することがで
きる。さらに、ビットシフトは積分処理を行ったOFD
Mシンボル数が2(N:自然数)で表されるときにの
み行うため、OFDMシンボル毎の動作が不要であり、
また、パケットの後ろに行くほどビットシフト処理の頻
度が少なくなるため、消費電力を著しく低減できる。す
なわち、本例の装置は、パケット内でチャネル特性が1
パケット期間内にほとんど変化しないような場合に、従
来の装置では実現が困難であったクロック周波数誤差、
残留搬送波周波数誤差および位相雑音に起因する各検波
信号の位相回転に対する高精度な補正処理を、簡易な回
路を用いて少ない消費電力で行うことができる。
【0382】(第40の実施の形態)この形態のOFD
Mパケット通信用受信装置について、図40を参照して
説明する。この形態は請求項26、請求項27、請求項
34、請求項35、請求項44、請求項46、請求項4
7、請求項48、請求項49および請求項50に対応す
る。この形態は第37の実施の形態の変形例である。図
40において、第37の実施の形態と対応する要素は同
一の符号を付けて示してある。第37の実施の形態と同
一の部分については、以下の説明を省略する。
【0383】この形態では、受信したOFDM信号に含
まれる多数のサブキャリアのうち一部分(複数)のサブ
キャリアを用いて、既知信号であるパイロット信号を伝
送する場合を想定している。
【0384】なお、この例でも図40のOFDMパケッ
ト通信用受信装置が受信するOFDM信号を送信する送
信装置において、搬送波周波数とサンプリングクロック
の周波数とが同期していることを想定している。また、
図40のOFDMパケット通信用受信装置は、受信側に
おける搬送波周波数とサンプリングクロックの周波数と
が同期するように制御する。
【0385】なお、図40は残留搬送波周波数誤差によ
る位相回転を検出するために用いる特定の少なくとも1
つのOFDMシンボルの各サブキャリア信号が、例えば
BPSKやQPSKのように、ある基準信号点から任意
の基準信号点への遷移が符号の反転処理のみによって可
能であるような変調方式によって変調されている場合の
構成例である。
【0386】図40に示す共通位相回転検出部4004には
シンボル内平均回路3503、位相累積値演算部3501、時間
方向移動平均回路3507およびビットシフト回路4011が備
わっている。
【0387】同期処理回路4006は入力された複素ベース
バンド信号の同期用プリアンブル信号を用いて搬送波周
波数誤差およびシンボルタイミングを検出し、検出した
搬送波周波数誤差情報を用いて受信処理後の複素ベース
バンド信号に対して搬送波周波数誤差補正処理を行い出
力するとともに、検出したシンボルタイミング情報信号
および搬送波周波数誤差情報を出力する。同期処理回路
4006から出力された搬送波周波数誤差補正処理後の信号
およびシンボルタイミング情報信号はガードインターバ
ル除去回路104に入力される。また、同期処理回路4006
から出力された搬送波周波数誤差情報は位相回転予測回
路4013に入力される。
【0388】フーリエ変換回路105が出力する各サブキ
ャリア信号がチャネル推定回路106、同期検波回路107に
入力されるとともに信号レベル情報抽出回路4007に入力
されている。信号レベル情報抽出回路4007では、入力さ
れた各サブキャリア信号のうち全てあるいは一部のサブ
キャリア信号から、その信号レベルを抽出して出力す
る。信号レベル情報抽出回路4007から出力されたサブキ
ャリア信号の信号レベル情報は、積分回路4008に入力さ
れる。積分回路4008は、信号レベル情報抽出回路4007が
出力する各パイロット信号の信号レベル情報を各パイロ
ット信号毎に時間方向に積分する。積分回路4008により
積分された各パイロット信号の信号レベル情報はビット
シフト回路4009に入力される。
【0389】ビットシフト回路4009は、各パイロット信
号の1個のOFDMシンボルあたりの信号レベルを算出
するために、積分回路4008にて積分処理したOFDMシ
ンボル数が2(N:自然数)で表されるときに、積分
回路4008から出力された各パイロット信号の信号レベル
情報の積分値をNビットのビットシフトにより除算を行
う。なお、このビットシフトは、積分回路4008にて積分
処理したOFDMシンボル数が2(N:自然数)で表
される時にのみ行い、ビットシフト回路4009の出力を更
新する。なお、シンボル数が2で表されないときは前
回のビットシフトをしたときの結果をそのまま用いる。
また、シンボル数が1の時はビットシフト回路4009は入
力された信号をそのまま出力する。このような処理を行
うと、パケットの前に行くほどビットシフト回路4009の
出力が高い頻度で更新され、パケットの後ろに行くほど
その更新頻度は低くなる。しかしながら、前述のよう
に、各パイロット信号の信号レベルの積分値を利用して
各パイロット信号の1OFDMシンボル当たりの信号レ
ベルを算出することにより、パケットの後ろにいくほど
精度良く熱雑音の成分を除去することが可能となる。従
って、パケットの後ろの更新頻度を低くしても特性は劣
化しない。また、ビットシフトを行うために必要な回路
規模は一般に非常に小さいため、回路規模を大幅に低減
することができる。ビットシフト回路4009によって算出
された各パイロット信号の1OFDMシンボル当たりの
信号レベル情報は重み付け回路1803に入力されるととも
に重み付け回路3502に入力される。
【0390】一方、位相回転検出回路3102から出力され
る位相回転量情報信号はクロック周波数誤差低減回路40
10に入力される。また、位相回転予測回路4013から出力
されるクロック周波数誤差に起因するパイロット信号に
相当する各サブキャリアの位相回転情報もクロック周波
数誤差低減回路4010に入力される。クロック周波数誤差
低減回路4010は、位相回転予測回路4013から入力される
クロック周波数誤差に起因する各サブキャリアの位相回
転情報に基づいて位相回転検出回路3102から入力される
位相回転量情報信号に含まれるクロック周波数誤差によ
る位相回転を除去する。クロック周波数誤差低減回路40
10から出力されるクロック周波数誤差による位相回転除
去後の位相回転量情報信号は重み付け回路3502に入力さ
れる。重み付け回路3502は、ビットシフト回路4009から
入力される各パイロット信号の1OFDMシンボル当た
りの信号レベル情報に基づいてクロック周波数誤差低減
回路4010から入力されたクロック周波数誤差による位相
回転除去後の位相回転量情報信号に対して重み付けを行
い出力する。この重み付けにより、フェージング等によ
って情報の信頼度が低下している位相回転量情報を用い
ることにより生じる悪影響を抑制することができる。重
み付け回路3502から出力された重み付け後の各サブキャ
リアの位相回転量情報信号はシンボル内平均回路3503に
入力される。
【0391】一方、時間方向移動平均回路3507から出力
される移動平均後の累積の位相回転量情報はビットシフ
ト回路4011に入力されるとともに遅延補正回路4012に入
力される。
【0392】ビットシフト回路4011は、時間方向移動平
均回路3507から入力される移動平均後の累積の位相回転
量情報に対して位相回転累積値演算部3501において累積
処理したOFDMシンボル数から時間方向移動平均回路
3507における移動平均処理により生じる遅延分を差し引
いた数が2(N:自然数)で表されるときに、時間方
向移動平均回路3507から入力される移動平均後の累積の
位相回転量情報をNビットのビットシフトにより除算を
行う。なお、このビットシフトは位相回転累積値演算部
3501において累積処理したOFDMシンボル数から時間
方向移動平均回路3507における移動平均処理により生じ
る遅延分を差し引いた数が2(N:自然数)で表され
るときにのみ行い、ビットシフト回路4011の出力を更新
する。なお、前述の数が2で表されないときは前回の
ビットシフトをしたときの結果をそのまま用いる。ま
た、前述の数が1の時はビットシフト回路4011は入力さ
れた信号をそのまま出力する。ビットシフト回路4011か
ら出力される残留搬送波周波数誤差に起因する1個のO
FDMシンボルあたりの位相回転量情報は遅延補正回路
4012に入力される。
【0393】遅延補正回路4012は、ビットシフト回路40
11から入力される残留搬送波周波数誤差に起因する1個
のOFDMシンボルあたりの位相回転量情報を用いて時
間方向移動平均回路3507から入力される移動平均後の累
積の位相回転量情報に含まれる前述の移動平均処理に起
因する遅延によって生じる遅延誤差を補正し、当該OF
DMシンボルの各サブキャリア信号に含まれる残留搬送
波周波数誤差および位相雑音に起因する位相回転の累積
量を求める。遅延誤差補正後の累積の位相回転情報が遅
延補正回路4012から出力される。遅延補正回路4012から
出力される遅延誤差補正後の累積の位相回転量情報は加
算回路4014に入力される。
【0394】一方、位相回転予測回路4013は、同期処理
回路4006から入力された搬送波周波数誤差情報および選
択回路3106から入力された残留搬送波周波数誤差情報を
用いてクロック周波数誤差に起因する位相回転の情報を
予測演算し、予測演算された位相回転情報を出力する。
位相回転予測回路4013から出力されるクロック周波数誤
差に起因する位相回転の情報がクロック周波数誤差低減
回路4010に入力されるとともに加算回路4014に入力され
る。加算回路4014は、遅延補正回路4012から入力される
残留搬送波周波数誤差および位相雑音に起因する位相回
転の累積量と、位相回転予測回路4013から入力されるク
ロック周波数誤差に起因する位相回転情報を加算するこ
とにより、クロック周波数誤差、残留搬送波周波数誤差
および位相雑音に起因する位相回転情報を出力する。加
算回路4014から出力されるクロック周波数誤差、残留搬
送波周波数誤差および位相雑音に起因する位相回転情報
は位相回転補正回路4015に入力される。位相回転補正回
路4015は、加算回路4014から入力されるクロック周波数
誤差、残留搬送波周波数誤差および位相雑音に起因する
位相回転情報に基づいて、同期検波回路107から入力さ
れる各検波信号に含まれるクロック周波数誤差、残留搬
送波周波数誤差および位相雑音に起因する位相回転の補
正を行う。位相回転補正回路4015から出力される位相回
転補正後の各検波信号は識別回路112に入力される。
【0395】フェージングによる伝送路(チャネル)の
状態が、パケット内でほとんど変化しないような場合、
各サブキャリア信号の信号レベルは、各サブキャリア信
号の信号レベルをサブキャリア毎に積分処理し、その積
分値を、積分を行った回数すなわち積分を行ったOFD
Mシンボル数で除算することにより求めることができ
る。この場合、パケットの後ろに行くほど積分するOF
DMシンボル数が増加するため、平滑化の効果すなわち
雑音成分の抑圧効果が向上し、熱雑音の影響を効果的に
低減することができる。従って、高精度に各サブキャリ
ア信号の信号レベル情報を検出することができる。ま
た、各サブキャリア信号の1個のOFDMシンボル当た
りの信号レベルを求めるための除算をビットシフトによ
って実現するため、回路規模の増加を抑制することがで
きる。さらに、ビットシフトは積分処理を行ったOFD
Mシンボル数が2(N:自然数)で表されるときにの
み行うため、OFDMシンボル毎の動作が不要であり、
また、パケットの後ろに行くほどビットシフト処理の頻
度が少なくなるため、消費電力を著しく低減できる。
【0396】また、位相回転検出回路が出力するパイロ
ット信号の位相回転量の情報に含まれているクロック周
波数誤差に起因するサブキャリア毎に異なる位相回転成
分の除去を行うとともに、サブキャリア毎の通信品質に
応じた重み付けを行うことによって、第二の共通位相回
転検出手段における各サブキャリア共通の位相回転量の
検出精度が向上する。
【0397】さらに、時間方向移動平均手段から出力さ
れる位相回転の累積量を累積を行ったOFDMシンボル
数で除算処理することによって残留搬送波周波数誤差に
より生じる1OFDMシンボルあたりの位相回転量を高
精度に算出し、この算出結果に基づいて時間方向移動平
均処理時に生じる位相回転累積値検出誤差を除去するの
で、残留搬送波周波数誤差および位相雑音によって生じ
る各検波信号の位相回転累積量の検出精度が向上する。
【0398】さらにまた、残留搬送波周波数誤差により
生じる1OFDMシンボルあたりの位相回転量を算出す
る際の除算処理をビットシフトによって実現するため、
回路規模の増加を抑制することができる。さらに、ビッ
トシフトは累積処理を行ったOFDMシンボル数が2
(N:自然数)で表されるときにのみ行うため、OFD
Mシンボル毎の動作が不要であり、また、パケットの後
ろに行くほどビットシフト処理の頻度が少なくなるた
め、消費電力を著しく低減できる。
【0399】また、上述のようにして高精度に検出した
残留搬送波周波数誤差に起因する1OFDMシンボルあ
たりの位相回転量の情報を用いて、クロック周波数誤差
によって各検波信号に生じる位相回転を予測演算するの
で、精度良くクロック周波数誤差によって各検波信号に
生じる位相回転を求めることができる。
【0400】すなわち、本例の装置は、従来の装置では
実現が困難であったクロック周波数誤差、残留搬送波周
波数誤差および位相雑音に起因する各検波信号の位相回
転に対する高精度な補正処理を、簡易な回路を用いて少
ない消費電力で行うことができる。
【0401】(第41の実施の形態)この形態のOFD
Mパケット通信用受信装置について、図41を参照して
説明する。この形態は請求項26、請求項44、請求項
46、請求項47、請求項49および請求項51に対応
する。この形態は第37の実施の形態の変形例である。
図41において、第37の実施の形態と対応する要素は
同一の符号を付けて示してある。第37の実施の形態と
同一の部分については、以下の説明を省略する。
【0402】この形態では、受信したOFDM信号に含
まれる多数のサブキャリアのうち一部分(複数)のサブ
キャリアを用いて、既知信号であるパイロット信号を伝
送する場合を想定している。
【0403】なお、図41は残留搬送波周波数誤差によ
る位相回転を検出するために用いる特定の少なくとも1
つのOFDMシンボルの各サブキャリア信号が、例えば
BPSKやQPSKのように、ある基準信号点から任意
の基準信号点への遷移が符号の反転処理のみによって可
能であるような変調方式によって変調されている場合の
構成例である。
【0404】図41に示す共通位相回転検出部4100には
シンボル内平均回路3503、位相差分演算回路3504、遅延
回路3505および時間方向移動平均回路4101が備わってい
る。
【0405】位相差分演算回路3504から出力された位相
差分信号は、時間方向移動平均回路4101に入力される。
この位相差分信号は、残留搬送波周波数誤差に起因する
1OFDMシンボルあたりの位相回転量を1OFDMシ
ンボル毎に出力した信号になっている。時間方向移動平
均回路4101は、位相差分演算回路3504から入力された位
相差分信号を複数OFDMシンボルに渡って時間方向に
移動平均処理を行い出力する。この移動平均処理によっ
て、受信回路102において付加される熱雑音等の影響を
抑制することができ、残留搬送波周波数誤差に起因する
1OFDMシンボルあたりの位相回転量を精度良く得る
ことができる。時間方向移動平均回路4101から出力され
た移動平均処理後の残留搬送波周波数誤差に起因する1
OFDMシンボルあたりの位相回転量信号は、選択回路
3106に入力される。
【0406】すなわち、本例の装置は、従来の装置では
実現が困難であった残留搬送波周波数誤差による位相回
転に対する高精度な補正処理を実現することができる。
【0407】(第42の実施の形態)この形態のOFD
Mパケット通信用受信装置について、図42を参照して
説明する。この形態は請求項17および請求項36に対
応する。この形態は第17の実施の形態の変形例であ
る。図42において、第17の実施の形態と対応する要
素は同一の符号を付けて示してある。第17の実施の形
態と同一の部分については、以下の説明を省略する。
【0408】なお、この例でも図42のOFDMパケッ
ト通信用受信装置が受信するOFDM信号を送信する送
信装置において、搬送波周波数とサンプリングクロック
の周波数とが同期していることを想定している。また、
図42のOFDMパケット通信用受信装置は、受信側に
おける搬送波周波数とサンプリングクロックの周波数と
が同期するように制御する。
【0409】図42に示す残留搬送波周波数誤差検出部
4200には、位相回転量情報抽出回路1701および共通位相
回転検出部4201が備わっており、共通位相回転検出部42
01には、シンボル内平均回路4202、位相差分演算回路42
03、遅延回路4204および時間方向移動平均回路4205が備
わっている。
【0410】位相回転量情報抽出回路1701によって検出
された位相回転量情報信号は、シンボル内平均回路4202
に入力される。シンボル内平均回路4202は、位相回転量
情報抽出回路1701から入力された位相回転量情報信号に
対し、1OFDMシンボル内で平均化処理を行う。シン
ボル平滑化回路4202から出力された平滑化後の位相回転
量情報信号は位相差分演算回路4203に入力されるととも
に遅延回路4204に入力される。遅延回路4204は、シンボ
ル内平均回路4202から入力された平均化処理後の位相回
転量情報信号を1OFDMシンボル期間だけ遅延させて
出力する。遅延回路4204によって1OFDMシンボル分
だけ遅延した各位相回転量情報信号は、位相差分演算回
路4203に入力される。位相差分演算回路4203は、遅延回
路4204から入力された1OFDMシンボル分だけ遅延し
た各位相回転量情報信号に対するシンボル内平均回路42
02から入力された位相回転量情報信号の位相差を検出し
て位相差分信号を1OFDMシンボル毎に出力する。位
相差分演算回路4203から出力された位相差分信号は、時
間方向移動平均回路4205に入力される。なお、この位相
差分信号は、残留搬送波周波数誤差に起因する1OFD
Mシンボルあたりの位相回転量を1OFDMシンボル毎
に出力した信号になっている。時間方向移動平均回路42
05は、位相差分演算回路4203から入力された位相差分信
号を複数OFDMシンボルに渡って時間方向に移動平均
処理を行い出力する。この移動平均処理によって、受信
回路102において付加される熱雑音等の影響を抑制する
ことができ、残留搬送波周波数誤差に起因する1OFD
Mシンボルあたりの位相回転量を精度良く得ることがで
きる。時間方向移動平均回路4205から出力された移動平
均処理後の残留搬送波周波数誤差に起因する1OFDM
シンボルあたりの位相回転量信号は、位相回転予測回路
903に入力される。
【0411】すなわち、本例の装置は、従来の装置では
実現が困難であったクロック周波数誤差による位相回転
に対する高精度な補正処理を実現することができる。ま
た、上述したようなクロック周波数誤差に対する補正処
理はディジタル処理によって実現できるので、構成の複
雑なアナログ補正回路を設ける必要が無く、消費電力の
増加を抑制することができる。
【0412】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、送
信側装置のサンプリングクロック周波数と受信側装置の
サンプリングクロック周波数との間にずれが存在する場
合であっても簡易なディジタル回路によって高精度にO
FDM信号を復調することができる。また、送受間の搬
送波周波数にずれがある場合や受信信号に位相雑音が付
加されている場合であっても簡易な回路によって小さな
処理遅延で高精度にOFDM信号を復調することができ
る。さらに、受信側装置において受信信号に熱雑音が付
加される場合であっても、簡易な回路によって伝送効率
を低下させずに伝送品質の劣化を抑制することができ
る。
【0413】また、チャネル推定結果を利用して重み付
けを行いさらに平滑化を行った情報を用いて同期検波後
の各サブキャリア信号の位相回転を検出することによ
り、フェージングや熱雑音等の影響を受けにくくなる。
【0414】また、既知信号であるパイロット信号を利
用してクロック周波数誤差による位相回転量あるいは位
相回転累積量を検出することにより、位相回転を検出す
る回路の構成が簡略化される。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の実施の形態のOFDMパケット通信用受
信装置の構成を示すブロック図である。
【図2】第2の実施の形態のOFDMパケット通信用受
信装置の構成を示すブロック図である。
【図3】第3の実施の形態のOFDMパケット通信用受
信装置の構成を示すブロック図である。
【図4】第4の実施の形態のOFDMパケット通信用受
信装置の構成を示すブロック図である。
【図5】第5の実施の形態のOFDMパケット通信用受
信装置の構成を示すブロック図である。
【図6】第6の実施の形態のOFDMパケット通信用受
信装置の構成を示すブロック図である。
【図7】第7の実施の形態のOFDMパケット通信用受
信装置の構成を示すブロック図である。
【図8】第8の実施の形態のOFDMパケット通信用受
信装置の構成を示すブロック図である。
【図9】第9の実施の形態のOFDMパケット通信用受
信装置の構成を示すブロック図である。
【図10】第10の実施の形態のOFDMパケット通信
用受信装置の構成を示すブロック図である。
【図11】第11の実施の形態のOFDMパケット通信
用受信装置の構成を示すブロック図である。
【図12】第12の実施の形態のOFDMパケット通信
用受信装置の構成を示すブロック図である。
【図13】第13の実施の形態のOFDMパケット通信
用受信装置の構成を示すブロック図である。
【図14】第14の実施の形態のOFDMパケット通信
用受信装置の構成を示すブロック図である。
【図15】第15の実施の形態のOFDMパケット通信
用受信装置の構成を示すブロック図である。
【図16】第16の実施の形態のOFDMパケット通信
用受信装置の構成を示すブロック図である。
【図17】第17の実施の形態のOFDMパケット通信
用受信装置の構成を示すブロック図である。
【図18】第18の実施の形態のOFDMパケット通信
用受信装置の構成を示すブロック図である。
【図19】第19の実施の形態のOFDMパケット通信
用受信装置の構成を示すブロック図である。
【図20】第20の実施の形態のOFDMパケット通信
用受信装置の構成を示すブロック図である。
【図21】第21の実施の形態のOFDMパケット通信
用受信装置の構成を示すブロック図である。
【図22】第22の実施の形態のOFDMパケット通信
用受信装置の構成を示すブロック図である。
【図23】第23の実施の形態のOFDMパケット通信
用受信装置の構成を示すブロック図である。
【図24】第24の実施の形態のOFDMパケット通信
用受信装置の構成を示すブロック図である。
【図25】第25の実施の形態のOFDMパケット通信
用受信装置の構成を示すブロック図である。
【図26】第26の実施の形態のOFDMパケット通信
用受信装置の構成を示すブロック図である。
【図27】第27の実施の形態のOFDMパケット通信
用受信装置の構成を示すブロック図である。
【図28】第28の実施の形態のOFDMパケット通信
用受信装置の構成を示すブロック図である。
【図29】第29の実施の形態のOFDMパケット通信
用受信装置の構成を示すブロック図である。
【図30】第30の実施の形態のOFDMパケット通信
用受信装置の構成を示すブロック図である。
【図31】第31の実施の形態のOFDMパケット通信
用受信装置の構成を示すブロック図である。
【図32】第32の実施の形態のOFDMパケット通信
用受信装置の構成を示すブロック図である。
【図33】第33の実施の形態のOFDMパケット通信
用受信装置の構成を示すブロック図である。
【図34】第34の実施の形態のOFDMパケット通信
用受信装置の構成を示すブロック図である。
【図35】第35の実施の形態のOFDMパケット通信
用受信装置の構成を示すブロック図である。
【図36】第36の実施の形態のOFDMパケット通信
用受信装置の構成を示すブロック図である。
【図37】第37の実施の形態のOFDMパケット通信
用受信装置の構成を示すブロック図である。
【図38】第38の実施の形態のOFDMパケット通信
用受信装置の構成を示すブロック図である。
【図39】第39の実施の形態のOFDMパケット通信
用受信装置の構成を示すブロック図である。
【図40】第40の実施の形態のOFDMパケット通信
用受信装置の構成を示すブロック図である。
【図41】第41の実施の形態のOFDMパケット通信
用受信装置の構成を示すブロック図である。
【図42】第42の実施の形態のOFDMパケット通信
用受信装置の構成を示すブロック図である。
【図43】従来のOFDMパケット通信用受信装置の構
成を示すブロック図である。
【図44】OFDM信号のパケットフォーマットを示
す。
【図45】16QAM変調の場合の信号の例を示すグラ
フである。
【図46】BPSK変調の場合の信号の例を示すグラフ
である。
【符号の説明】
100、200、300、400 クロック周波数誤差
推定部 101 アンテナ 102 受信回路 103 同期処理回路 104 ガードインターバル除去回路 105 フーリエ変換回路 106 チャネル推定回路 107 同期検波回路 108、203、302、404、501、603 位
相回転検出回路 109 位相回転補正回路 110、303、405、502、703 クロック周
波数誤差予測回路 111、503 位相回転演算回路 112 識別回路 201、402、601、802 重み付け回路 202、403、602、803 平滑化回路 301、401、701、801 パイロット信号抽出
回路 500、600、700、800 クロック周波数誤差
推定部 702、804 位相回転検出回路 805 クロック周波数誤差予測回路
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (31)優先権主張番号 特願平11−171072 (32)優先日 平成11年6月17日(1999.6.17) (33)優先権主張国 日本(JP) (31)優先権主張番号 特願2000−45963(P2000−45963) (32)優先日 平成12年2月23日(2000.2.23) (33)優先権主張国 日本(JP) (72)発明者 守倉 正博 東京都新宿区西新宿三丁目19番2号 日本 電信電話株式会社内 Fターム(参考) 5K022 DD01 DD13 DD19 DD33 DD42 5K047 AA03 AA11 BB01 CC01 GG10 GG45 HH04 HH11 HH42 HH53 MM13 MM35

Claims (51)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 OFDM信号を受信して所定の受信処理
    を行う受信手段(102)と、前記受信手段が出力する
    受信信号に対してタイミング同期処理および搬送波周波
    数同期処理を行う同期処理手段(103)と、前記同期
    処理手段によってタイミング同期処理および搬送波周波
    数同期処理された受信信号をフーリエ変換を用いて各サ
    ブキャリア毎の信号に分離するフーリエ変換手段(10
    5)と、 前記フーリエ変換手段によって分離された各サブキャリ
    ア信号を用いてチャネル特性の推定を行うチャネル推定
    手段(106)と、 前記チャネル推定手段によって得られたチャネル特性の
    推定結果を用いて前記フーリエ変換手段によって分離さ
    れたサブキャリア信号に対し同期検波処理を行い検波信
    号を出力する同期検波手段(107)とを備えるOFD
    Mパケット通信用受信装置において、 前記同期検波手段によって出力された検波信号のうち全
    てあるいは一部の検波信号を用いて送信側と受信側の間
    のクロック周波数誤差による位相回転量あるいは位相回
    転累積量を検波信号(R1、R2)の位相と基準信号
    (S1〜S16)の位相との差により検出し、クロック
    周波数誤差(fRCLK−fTCLK)による各サブキャリア信
    号の位相回転情報(Δθ)を生成するクロック周波数誤
    差推定手段(100)と、 前記クロック周波数誤差推定手段から出力されたクロッ
    ク周波数誤差に応じた情報に基づいて、前記同期検波手
    段から出力された検波信号に対してクロック周波数誤差
    による位相回転を補正する位相回転補正手段(109)
    とを備え、該位相回転補正手段(109)の出力をシン
    ボル毎に識別することを特徴とするOFDMパケット通
    信用受信装置。
  2. 【請求項2】 請求項1のOFDMパケット通信用受信
    装置において、 前記クロック周波数誤差推定手段が、前記チャネル推定
    手段によって推定されたチャネル特性から得られる各サ
    ブキャリア信号の品質情報に基づいて前記同期検波手段
    から出力された全てあるいは一部の検波信号の基準信号
    からの位相回転量情報に対して重み付けするとともに、
    時間方向に平滑化を行い、重み付けおよび平滑化された
    該位相回転量情報に基づいてクロック周波数誤差による
    位相回転量あるいは位相回転累積量を検出することを特
    徴とするOFDMパケット通信用受信装置。
  3. 【請求項3】 請求項1のOFDMパケット通信用受信
    装置において、 前記クロック周波数誤差推定手段は前記同期検波手段か
    ら出力される検波信号に含まれるパイロット信号に相当
    する信号成分のクロック周波数誤差による位相回転量あ
    るいは位相回転累積量を検出することを特徴とするOF
    DMパケット通信用受信装置。
  4. 【請求項4】 請求項1のOFDMパケット通信用受信
    装置において、 前記クロック周波数誤差推定手段が、前記チャネル推定
    手段によって推定されたチャネル特性から得られる各サ
    ブキャリア信号の品質情報に基づいて前記同期検波手段
    から出力される検波信号に含まれるパイロット信号に相
    当する信号の基準信号からの位相回転量情報に対して重
    み付けするとともに、時間方向に平滑化を行い、重み付
    け及び平滑化された該位相回転量情報に基づいてクロッ
    ク周波数誤差による位相回転量あるいは位相回転累積量
    を検出することを特徴とするOFDMパケット通信用受
    信装置。
  5. 【請求項5】 OFDM信号を受信して所定の受信処理
    を行う受信手段と、前記受信手段が出力する受信信号に
    対してタイミング同期処理および搬送波周波数同期処理
    を行う同期処理手段と、前記同期処理手段によってタイ
    ミング同期処理および搬送波周波数同期処理された受信
    信号をフーリエ変換を用いて各サブキャリア毎の信号に
    分離するフーリエ変換手段とを備えるOFDMパケット
    通信用受信装置において、 前記フーリエ変換手段によって分離された各サブキャリ
    ア信号を用いてチャネル特性の推定を行うチャネル推定
    手段と、 前記チャネル推定手段によって得られたチャネル特性の
    推定結果に基づき、前記フーリエ変換手段によって分離
    されたサブキャリア信号に対して同期検波処理を行い検
    波信号を出力する同期検波手段と、 前記同期検波手段が出力する検波信号に対してクロック
    周波数誤差により生じる位相回転を補正する位相回転補
    正手段と、 前記位相回転補正手段から出力される位相回転補正後の
    検波信号のうち全てあるいは一部の信号に基づいてクロ
    ック周波数誤差による位相回転量を検出し、クロック周
    波数誤差による各サブキャリア信号の位相回転情報を生
    成してこの位相回転情報を前記位相回転補正手段に与え
    るクロック周波数誤差推定手段とを備えたことを特徴と
    するOFDMパケット通信用受信装置。
  6. 【請求項6】 請求項5のOFDMパケット通信用受信
    装置において、 前記クロック周波数誤差推定手段が、前記チャネル推定
    手段によって推定されたチャネル特性から得られる各サ
    ブキャリア信号の品質情報に基づいて前記同期検波手段
    から出力される全てあるいは一部の検波信号の基準信号
    からの位相回転量情報に対して重み付けするとともに、
    時間方向に対して平滑化を行い、重み付けおよび平滑化
    された該位相回転量情報に基づいてクロック周波数誤差
    による位相回転量を検出することを特徴とするOFDM
    パケット通信用受信装置。
  7. 【請求項7】 請求項5に記載のOFDMパケット通信
    用受信装置において、 前記クロック周波数誤差推定手段が、前記位相回転補正
    手段から出力される位相回転補正後の検波信号に含まれ
    るパイロット信号に相当する信号成分に基づいて、クロ
    ック周波数誤差による位相回転量を検出することを特徴
    とするOFDMパケット通信用受信装置。
  8. 【請求項8】 請求項5のOFDMパケット通信用受信
    装置において、 前記クロック周波数誤差推定手段が、前記チャネル推定
    手段によって推定されたチャネル特性から得られる各サ
    ブキャリア信号の品質情報に基づいて、前記位相回転補
    正手段から出力される位相回転補正後の検波信号に含ま
    れるパイロット信号に相当する信号の基準信号からの位
    相回転量情報に対して重み付けするとともに、時間方向
    に対して平滑化を行い、重み付けおよび平滑化された該
    位相回転量情報に基づいて、クロック周波数誤差による
    位相回転量を検出することを特徴とするOFDMパケッ
    ト通信用受信装置。
  9. 【請求項9】 OFDM信号を受信して所定の受信処理
    を行う受信手段と、前記受信手段が出力する受信信号に
    対してタイミング同期処理および搬送波周波数同期処理
    を行い同期後の信号および搬送波周波数誤差情報を出力
    する同期処理手段と、前記同期処理手段によってタイミ
    ング同期処理および搬送波周波数同期処理された信号を
    フーリエ変換を用いて各サブキャリア毎の信号に分離す
    るフーリエ変換手段とを備えたOFDMパケット通信用
    受信装置において、 前記フーリエ変換手段によって分離された各サブキャリ
    ア信号を用いてチャネル特性の推定を行うチャネル推定
    手段と、 前記チャネル推定手段によって得られたチャネル特性の
    推定結果を用いて前記フーリエ変換手段によって分離さ
    れたサブキャリア信号に対し同期検波処理を行い検波信
    号を出力する同期検波手段と、 前記同期検波手段から出力される検波信号の全てあるい
    は一部の検波信号の残留搬送波周波数誤差による位相回
    転量を検出し、残留搬送波周波数誤差情報を生成する残
    留搬送波周波数誤差推定手段と、 前記同期処理手段から出力される搬送波周波数誤差情報
    と前記残留搬送波周波数誤差推定手段から出力される残
    留搬送波周波数誤差情報とに基づいて、前記同期検波手
    段から出力される検波信号のクロック周波数誤差による
    位相回転量を予測し位相回転情報を生成する位相回転予
    測手段と、 前記位相回転予測手段から出力される位相回転情報に基
    づいて、前記同期検波手段から出力される検波信号に対
    しクロック周波数誤差により生じる位相回転を補正する
    位相回転補正手段とを備えたことを特徴とするOFDM
    パケット通信用受信装置。
  10. 【請求項10】 請求項9のOFDMパケット通信用受
    信装置において、 前記残留搬送波周波数誤差推定手段が、前記チャネル推
    定手段によって推定されたチャネル特性から得られる各
    サブキャリア信号の品質情報に基づいて、前記同期検波
    手段から出力される全てあるいは一部の検波信号の基準
    信号点からの位相回転量情報に対して重み付けするとと
    もに、時間方向に平滑化を行い、重み付けおよび平滑化
    された該位相回転量情報に基づいて残留搬送波周波数誤
    差による位相回転量を検出することを特徴とするOFD
    Mパケット通信用受信装置。
  11. 【請求項11】 請求項9のOFDMパケット通信用受
    信装置において、 前記残留搬送波周波数誤差推定手段が、前記同期検波手
    段から出力される検波信号のうちパイロット信号に相当
    する信号成分に基づいて残留搬送波周波数誤差による位
    相回転量を検出することを特徴とするOFDMパケット
    通信用受信装置。
  12. 【請求項12】 請求項9のOFDMパケット通信用受
    信装置において、 前記残留搬送波周波数誤差推定手段が、前記同期検波手
    段から出力される検波信号のうちパイロット信号に相当
    する信号の基準信号からの位相回転量情報に対して、前
    記チャネル推定手段によって推定されたチャネル特性か
    ら得られる各サブキャリア信号の品質情報に基づいて重
    み付けするとともに時間方向に平滑化を行い、重み付け
    および平滑化された該位相回転量情報に基づいて残留搬
    送波周波数誤差による位相回転量を検出することを特徴
    とするOFDMパケット通信用受信装置。
  13. 【請求項13】 OFDM信号を受信して所定の受信処
    理を行う受信手段と、前記受信手段が出力する受信信号
    に対してタイミング同期処理および搬送波周波数同期処
    理を行い同期後の信号および搬送波周波数誤差情報を出
    力する同期処理手段と、前記同期処理手段によってタイ
    ミング同期処理および搬送波周波数同期処理された信号
    をフーリエ変換を用いて各サブキャリア毎の信号に分離
    するフーリエ変換手段とを備えたOFDMパケット通信
    用受信装置において、 前記フーリエ変換手段によって分離された各サブキャリ
    ア信号を用いてチャネル特性の推定を行うチャネル推定
    手段と、 前記チャネル推定手段から得られるチャネル特性の推定
    結果を用いて前記フーリエ変換手段により分離されたサ
    ブキャリア信号に対し同期検波処理を行い検波信号を出
    力する同期検波手段と、 前記同期処理手段から出力される搬送波周波数誤差情報
    を用いて各サブキャリア信号のクロック周波数誤差によ
    る位相回転を予測し位相回転情報を生成する第一の位相
    回転予測手段と、 前記第一の位相回転予測手段から出力される位相回転情
    報を用いて前記同期検波手段から出力される検波信号に
    対しクロック周波数誤差により生じる位相回転を補正す
    る第一の位相回転補正手段と、 前記第一の位相回転補正手段から出力される位相回転補
    正後の信号の全てあるいは一部の検波信号の残留搬送波
    周波数誤差による位相回転量を検出し残留搬送波周波数
    誤差情報を生成する残留搬送波周波数誤差推定手段と、 前記残留搬送波周波数誤差推定手段から出力される残留
    搬送波周波数誤差情報を用いて前記第一の位相回転補正
    手段から出力される検波信号のクロック周波数誤差によ
    る残留位相回転量を予測し残留位相回転情報を生成する
    第二の位相回転予測手段と、 前記第二の位相回転予測手段から出力される残留位相回
    転情報を用いて前記第一の位相回転補正手段から出力さ
    れる位相回転補正後の信号に対しクロック周波数誤差に
    より生じる残留位相回転を補正する第二の位相回転補正
    手段とを備えたことを特徴とするOFDMパケット通信
    用受信装置。
  14. 【請求項14】 請求項13のOFDMパケット通信用
    受信装置において、 前記残留搬送波周波数誤差推定手段が、前記チャネル推
    定手段が推定したチャネル特性から得られる各サブキャ
    リア信号の品質情報に基づいて、前記第一の位相回転補
    正手段から出力される位相回転補正後の全てあるいは一
    部の検波信号の基準信号からの位相回転量情報に対して
    重み付けするとともに、時間方向に平滑化を行い、重み
    付けおよび平滑化された該位相回転量情報から残留搬送
    波周波数誤差による位相回転量を検出することを特徴と
    するOFDMパケット通信用受信装置。
  15. 【請求項15】 請求項13のOFDMパケット通信用
    受信装置において、 前記残留搬送波周波数誤差推定手段が、前記第一の位相
    回転補正手段から出力される位相回転補正後の信号のう
    ち、パイロット信号に相当する信号成分に基づいて残留
    搬送波周波数誤差による位相回転量を検出することを特
    徴とするOFDMパケット通信用受信装置。
  16. 【請求項16】 請求項13のOFDMパケット通信用
    受信装置において、 前記残留搬送波周波数誤差推定手段が、前記第一の位相
    回転補正手段から出力される位相回転補正後の検波信号
    のうち、パイロット信号に相当する信号の基準信号から
    の位相回転量情報に対して、前記チャネル推定手段が推
    定したチャネル特性から得られる各サブキャリア信号の
    品質情報に基づいて重み付けするとともに、時間方向に
    検波信号の平滑化を行い、重み付けおよび平滑化された
    検波信号から残留搬送波周波数誤差による位相回転量を
    検出することを特徴とするOFDMパケット通信用受信
    装置。
  17. 【請求項17】 請求項9あるいは請求項13に記載の
    OFDMパケット通信用受信装置において、 前記残留搬送波周波数誤差推定手段が、前記残留搬送波
    周波数誤差推定手段に入力される検波信号の全てあるい
    は一部の検波信号から位相回転量情報を抽出する位相回
    転量情報抽出手段と、 前記位相回転量情報抽出手段によって抽出される各検波
    信号の位相回転量情報に基づいて残留搬送波周波数誤差
    に起因する各サブキャリア信号に共通な位相回転量を検
    出する共通位相回転検出手段とを備えたことを特徴とす
    るOFDMパケット通信用受信装置。
  18. 【請求項18】 OFDM信号を受信して所定の受信処
    理を行う受信手段と、前記受信手段が出力する受信信号
    に対してタイミング同期処理および搬送波周波数同期処
    理を行い同期後の信号を出力する同期処理手段と、前記
    同期処理手段によってタイミング同期処理および搬送波
    周波数同期処理された信号をフーリエ変換を用いて各サ
    ブキャリア毎の信号に分離するフーリエ変換手段とを備
    えるOFDMパケット通信用受信装置において、 前記フーリエ変換手段によって分離された各サブキャリ
    ア信号を用いてチャネル特性の推定を行うチャネル推定
    手段と、 前記チャネル推定手段によって得られたチャネル特性の
    推定結果を用いて前記フーリエ変換手段によって分離さ
    れたサブキャリア信号に対し同期検波処理を行い検波信
    号を出力する同期検波手段と、 前記同期検波手段から出力される検波信号のうち全てあ
    るいは一部の検波信号から位相回転量情報を抽出する位
    相回転量情報抽出手段と、 前記フーリエ変換手段によって分離された各サブキャリ
    ア信号のうち全てあるいは一部の検波信号の品質情報を
    抽出する品質情報抽出手段と、 前記品質情報抽出手段から得られた各検波信号の品質情
    報を各サブキャリア毎に時間方向に平滑化を行う品質情
    報平滑化手段と、 前記品質情報平滑化手段から得られる各検波信号の時間
    方向に平滑化された品質情報に基づいて前記位相回転量
    情報抽出手段から出力される位相回転量情報に対し重み
    付けを行う重み付け手段と、 前記重み付け手段によって重み付けされた各検波信号の
    位相回転量情報に基づいて前記同期検波手段から出力さ
    れた検波信号の残留搬送波周波数誤差に起因する位相回
    転量を推定する共通位相回転検出手段と、 前記共通位相回転検出手段により推定された位相回転量
    に基づいて前記同期検波手段から出力される検波信号に
    対し位相補正を行う位相回転補正手段とを設けたことを
    特徴とするOFDMパケット通信用受信装置。
  19. 【請求項19】 請求項18に記載のOFDMパケット
    通信用受信装置において、 前記共通位相回転検出手段が、 前記共通位相回転検出手段に入力される位相回転量情報
    に対して1OFDMシンボル内で平均化処理を行うシン
    ボル内平均手段と、 前記シンボル内平均手段によって出力される平均化処理
    された位相回転量情報を時間方向に移動平均処理する時
    間方向移動平均手段とから構成されることを特徴とする
    OFDMパケット通信用受信装置。
  20. 【請求項20】 請求項17あるいは請求項18に記載
    のOFDMパケット通信用受信装置において、 前記位相回転量情報抽出手段が、前記位相回転量情報抽
    出手段に入力される検波信号のうちパイロット信号に相
    当する検波信号を抽出するパイロット信号抽出手段と、
    前記パイロット信号抽出手段によって抽出された検波信
    号に対応する基準信号を出力する基準信号出力手段と、
    前記基準信号出力手段の出力する基準信号に基づいて前
    記パイロット信号抽出手段によって出力される検波信号
    に含まれる位相回転を検出する位相回転検出手段とで構
    成されることを特徴とするOFDMパケット通信用受信
    装置。
  21. 【請求項21】 請求項17あるいは請求項18に記載
    のOFDMパケット通信用受信装置において、 前記位相回転量情報抽出手段が、前記位相回転量情報抽
    出手段に入力される検波信号のうちあらかじめ定めた特
    定のOFDMシンボル内の検波信号を抽出する特定シン
    ボル信号抽出手段と、前記特定シンボル信号抽出手段に
    よって抽出された検波信号に対応する基準信号を出力す
    る基準信号出力手段と、前記基準信号出力手段の出力す
    る基準信号に基づいて前記特定シンボル信号抽出手段に
    よって出力される検波信号に含まれる位相回転を検出す
    る位相回転検出手段とで構成されることを特徴とするO
    FDMパケット通信用受信装置。
  22. 【請求項22】 請求項21に記載のOFDMパケット
    通信用受信装置において、 前記基準信号出力手段が、前記特定シンボル信号抽出手
    段が抽出する特定のOFDMシンボル内の検波信号を硬
    判定する硬判定手段で構成されることを特徴とするOF
    DMパケット通信用受信装置。
  23. 【請求項23】 請求項20および請求項21のOFD
    Mパケット通信用受信装置において、 前記位相回転検出手段が、逆変調を行うことにより位相
    回転を検出する逆変調手段で構成されることを特徴とす
    るOFDMパケット通信用受信装置。
  24. 【請求項24】 請求項20および請求項21のOFD
    Mパケット通信用受信装置において、 前記位相回転検出手段が、前記基準信号出力手段の出力
    する基準信号に基づいて符号反転制御を行うことにより
    位相回転を検出する符号反転制御手段で構成されること
    を特徴とするOFDMパケット通信用受信装置。
  25. 【請求項25】 請求項17に記載のOFDMパケット
    通信用受信装置において、 前記チャネル推定手段によって得られた各サブキャリア
    のチャネル特性の推定結果を用いて各サブキャリア信号
    の信号品質に応じた重み係数を演算する重み係数演算手
    段と、 前記重み係数手段により得られた各サブキャリアの重み
    係数に基づいて前記位相回転量情報抽出手段により出力
    される位相回転量情報に重み付けを行う重み付け手段を
    備え、 前記共通位相回転検出手段が、前記重み付け手段によっ
    て出力される各検波信号の位相回転量情報に基づいて残
    留搬送波周波数誤差に起因する各サブキャリア信号に共
    通な位相回転量を検出することを特徴とするOFDMパ
    ケット通信用受信装置。
  26. 【請求項26】 OFDM信号を受信して所定の受信処
    理を行う受信手段と、前記受信手段が出力する受信信号
    に対してタイミング同期処理および搬送波周波数同期処
    理を行い同期後の信号および搬送波周波数誤差情報を出
    力する同期処理手段と、前記同期処理手段によってタイ
    ミング同期処理および搬送波周波数同期処理された信号
    をフーリエ変換を用いて各サブキャリア毎の信号に分離
    するフーリエ変換手段とを備えたOFDMパケット通信
    用受信装置において、 前記フーリエ変換手段によって分離された各サブキャリ
    ア信号を用いてチャネル特性の推定を行うチャネル推定
    手段と、 前記チャネル推定手段によって得られた各サブキャリア
    のチャネル特性の推定結果を用いて前記フーリエ変換手
    段によって分離されたサブキャリア信号に対しサブキャ
    リア毎に同期検波処理を行い検波信号を出力する同期検
    波手段と、 前記同期検波手段によって出力された検波信号からあら
    かじめ定められる少なくとも1つのOFDMシンボルに
    含まれる検波信号を抽出し出力する特定シンボル抽出手
    段と、 前記特定シンボル抽出手段によって抽出された検波信号
    を硬判定し判定結果を出力する硬判定手段と、 前記硬判定手段から出力された硬判定結果に基づいて前
    記特定シンボル抽出手段から出力された検波信号に含ま
    れる位相回転を検出する第一の位相回転検出手段と、 前記チャネル推定手段によって得られた各サブキャリア
    のチャネル特性の推定結果を用いて各サブキャリア信号
    の信号品質に応じた重み係数を演算する重み係数演算手
    段と、 前記重み係数演算手段により得られた各サブキャリアの
    重み係数に基づいて前記第一の位相回転検出手段によっ
    て検出された位相回転量に対し重み付けを行う重み付け
    手段と、 前記重み付け手段から出力される位相回転量情報に基づ
    いて残留搬送波周波数誤差に起因する各サブキャリア信
    号に共通な位相回転量を検出する第一の共通位相回転検
    出手段と、 前記同期検波手段によって出力された検波信号からパイ
    ロット信号に相当する検波信号を抽出し出力するパイロ
    ット信号抽出手段と、 前記パイロット信号抽出手段によって抽出された検波信
    号に対応する基準信号を出力する基準信号出力手段と、 前記基準信号出力手段の出力する基準信号に基づいて前
    記パイロット信号抽出手段によって出力される検波信号
    に含まれる位相回転を検出する第二の位相回転検出手段
    と、 前記第二の位相回転検出手段から出力される位相回転量
    情報に基づいて残留搬送波周波数誤差に起因する各サブ
    キャリア信号に共通な位相回転量を検出する第二の共通
    位相回転検出手段と、 前記第一の共通位相回転検出手段から出力される各サブ
    キャリア信号に共通な位相回転量と前記第二の共通位相
    回転検出手段から出力される各サブキャリア信号に共通
    な位相回転量のうち前記同期検波手段から出力された検
    波信号のOFDMシンボル相当数に応じてどちらか一方
    を選択して出力する選択手段と、 前記選択手段によって選択された位相回転量に基づいて
    前記同期検波手段から出力された検波信号の残留搬送波
    周波数誤差に起因する位相回転量を推定する位相回転量
    推定手段と、 前記位相回転推定手段から出力される位相回転情報に基
    づいて、前記同期検波手段から出力される検波信号の位
    相回転を補正する位相回転補正手段とを備えたことを特
    徴とするOFDMパケット通信用受信装置。
  27. 【請求項27】 請求項26のOFDMパケット通信用
    受信装置において、 送信側装置および受信側装置ともに搬送波周波数とクロ
    ック周波数がそれぞれ同期しており、 前記同期処理手段から出力される搬送波周波数誤差情報
    と前記選択手段から出力される残留搬送波周波数誤差に
    起因する位相回転量情報に基づいて前記同期検波手段か
    ら出力される検波信号のクロック周波数誤差に起因する
    位相回転量を予測演算する位相回転予測手段を備え、 前記位相補正手段が、前記位相回転予測手段から出力さ
    れる位相回転量に基づいて前記同期検波手段から出力さ
    れる検波信号の位相回転を補正することを特徴とするO
    FDMパケット通信用受信装置。
  28. 【請求項28】 請求項25あるいは請求項26あるい
    は請求項27に記載のOFDMパケット通信用受信装置
    において、 前記フーリエ変換手段によって分離された各サブキャリ
    ア信号のうち全てあるいは一部の検波信号の品質情報を
    抽出する品質情報抽出手段と、 前記品質情報抽出手段から得られた各検波信号の品質情
    報を各サブキャリア毎に時間方向に平滑化を行う品質情
    報平滑化手段とを備え、 前記重み付け手段は前記品質情報平滑化手段から得られ
    る各検波信号の時間方向に平滑化された品質情報に基づ
    いて、入力される位相回転量情報に対し重み付けを行う
    ことを特徴とするOFDMパケット通信用受信装置。
  29. 【請求項29】 請求項18および請求項28のOFD
    Mパケット通信用受信装置において、 前記品質情報平滑化手段が、 前記品質情報抽出手段によって得られた各検波信号の品
    質情報をサブキャリア毎に時間方向に移動平均化を行う
    ことを特徴とするOFDMパケット通信用受信装置。
  30. 【請求項30】 請求項18および請求項28のOFD
    Mパケット通信用受信装置において、 前記品質情報平滑化手段が、 前記品質情報抽出手段によって得られた各検波信号の品
    質情報をそれぞれ時間方向に積分するとともに該積分を
    行った信号数で除算を行うことを特徴とするOFDMパ
    ケット通信用受信装置。
  31. 【請求項31】 請求項18および請求項28のOFD
    Mパケット通信用受信装置において、 前記品質情報平滑化手段が、 前記品質情報抽出手段によって得られた各検波信号の品
    質情報をそれぞれ時間方向に積分するとともに該積分を
    行った信号数が2(N:自然数)で表される時にNビ
    ットのビットシフトにより除算を行うことを特徴とする
    OFDMパケット通信用受信装置。
  32. 【請求項32】 請求項25あるいは請求項28に記載
    のOFDMパケット通信用受信装置において、 前記位相回転予測手段によって生成される位相回転情報
    に基づいて前記位相回転量情報抽出手段が出力する位相
    回転量情報に含まれるクロック周波数誤差による位相回
    転の補正を行うクロック周波数誤差低減手段を備え、 前記重み付け手段が、前記クロック周波数誤差低減手段
    によって位相回転補正された位相回転量情報対して重み
    付けを行うことを特徴とするOFDMパケット通信用受
    信装置。
  33. 【請求項33】 請求項17あるいは請求項20に記載
    のOFDMパケット通信用受信装置において、 前記共通位相回転検出手段が、 前記位相回転情報抽出手段によって出力される位相回転
    量情報に対して1OFDMシンボル内で平均化処理を行
    うシンボル内平均手段と、 前記シンボル内平均手段によって平均化処理される位相
    回転量情報に基づいてチャネル推定時からの位相回転の
    累積量を演算する位相回転累積値演算手段と、 前記位相回転累積値演算手段によって出力される位相回
    転の累積量を時間方向に移動平均処理する時間方向移動
    平均手段と、 前記時間方向移動平均手段によって移動平均処理される
    位相回転の累積値を該累積を行ったシンボル数から前記
    時間方向移動平均手段における移動平均処理により生じ
    る遅延シンボル数を差し引いた数で除算を行い残留搬送
    波周波数誤差に起因する1OFDMシンボルあたりの位
    相回転量を演算する除算手段とを備えたことを特徴とす
    るOFDMパケット通信用受信装置。
  34. 【請求項34】 請求項26あるいは請求項27に記載
    のOFDMパケット通信用受信装置において、 前記第二の共通位相回転検出手段が、 前記第二の位相回転検出手段によって出力される位相回
    転量情報に対して1OFDMシンボル内で平均化処理を
    行うシンボル内平均手段と、 前記シンボル内平均手段によって平均化処理される位相
    回転量情報に基づいてチャネル推定時からの位相回転の
    累積量を演算する位相回転累積値演算手段と、 前記位相回転累積値演算手段によって出力される位相回
    転の累積量を時間方向に移動平均処理する時間方向移動
    平均手段と、 前記時間方向移動平均手段によって移動平均処理される
    位相回転の累積値を該累積を行ったシンボル数から前記
    時間方向移動平均手段における移動平均処理により生じ
    る遅延シンボル数を差し引いた数で除算を行い残留搬送
    波周波数誤差に起因する1OFDMシンボルあたりの位
    相回転量を演算する除算手段とを備えたことを特徴とす
    るOFDMパケット通信用受信装置。
  35. 【請求項35】 請求項33あるいは請求項34に記載
    のOFDMパケット通信用受信装置において、 前記位相回転累積値演算手段が、前記シンボル内平均手
    段によって平均化処理される位相回転量情報を1OFD
    Mシンボル分遅延させる遅延手段と、 前記シンボル内平均手段によって平均化処理される位相
    回転量情報と前記遅延手段によって1OFDMシンボル
    分遅延した位相回転量情報の差分を演算して1OFDM
    シンボル毎の位相回転量を演算する位相差分演算手段
    と、 前記位相差分演算手段によって得られる1シンボル毎の
    位相回転量を1OFDMシンボル毎に積分して出力する
    積分手段とで構成されることを特徴とするOFDMパケ
    ット通信用受信装置。
  36. 【請求項36】 請求項17に記載のOFDMパケット
    通信用受信装置において、 前記共通位相回転検出手段が、 前記共通位相回転検出手段に入力される位相回転量情報
    に対して1OFDMシンボル内で平均化処理を行うシン
    ボル内平均手段と、 前記シンボル内平均手段によって平均化処理される位相
    回転量情報を1OFDMシンボル分遅延させる遅延手段
    と、 前記シンボル内平均手段によって平均化処理される位相
    回転量情報と前記遅延手段によって1OFDMシンボル
    分遅延した位相回転量情報の差分を演算して1OFDM
    シンボル毎の位相回転量を演算する位相差分演算手段
    と、 前記位相差分演算手段によって出力される1OFDMシ
    ンボル毎の位相回転量を時間方向に移動平均処理する時
    間方向移動平均手段とを備えたことを特徴とするOFD
    Mパケット通信用受信装置。
  37. 【請求項37】 請求項33あるいは請求項34に記載
    のOFDMパケット通信用受信装置において、 前記除算手段が、 前記除算手段が除算する数が2(N:自然数)で表さ
    れる時にNビットのビットシフトにより除算を行うこと
    を特徴とするOFDMパケット通信用受信装置。
  38. 【請求項38】 請求項18に記載のOFDMパケット
    通信用受信装置において、 前記共通位相回転検出手段が、 前記重み付け手段によって重み付けされる位相回転量情
    報に基づいてチャネル推定時からの位相回転の累積量を
    演算する位相回転累積値演算手段と、 前記位相回転累積値演算手段から出力される位相回転の
    累積量に対して1OFDMシンボル内で平均化処理を行
    うシンボル内平均手段と、 前記シンボル内平均手段から出力される平均化処理され
    た位相回転累積量を時間方向に移動平均処理する時間方
    向移動平均手段と、 前記時間方向移動平均手段から出力される移動平均後の
    位相回転累積量を該累積を行ったシンボル数から前記時
    間方向移動平均手段における移動平均処理により生じる
    遅延シンボル数を差し引いた数で除算を行い残留搬送波
    周波数誤差に起因する1OFDMシンボルあたりの位相
    回転量を算出する除算手段と、 前記除算手段から出力される残留搬送波周波数誤差に起
    因する1OFDMシンボルあたりの位相回転量に基づい
    て前記時間方向移動平均手段から出力される移動平均後
    の位相回転累積量に含まれる時間方向移動平均処理に起
    因する処理遅延による位相誤差を補正する遅延補正手段
    とから構成されることを特徴とするOFDMパケット通
    信用受信装置。
  39. 【請求項39】 請求項34あるいは請求項38に記載
    のOFDMパケット通信用受信装置において、 前記除算手段が、前記位相回転累積値演算手段が累積を
    行った信号数が2(N:自然数)で表される時にNビ
    ットのビットシフトにより除算を行うことを特徴とする
    OFDMパケット通信用受信装置。
  40. 【請求項40】 請求項18に記載のOFDMパケット
    通信用受信装置において、 前記共通位相回転検出手段が、 前記重み付け手段によって重み付けされた位相回転量情
    報に対して1OFDMシンボル内で平均化処理を行うシ
    ンボル内平均手段と、 前記シンボル内平均手段から出力される平均化処理され
    た位相回転累積量に基づいて残留搬送波周波数誤差によ
    る1OFDMシンボルあたりの位相回転量を演算する単
    位量演算手段と、 前記単位量演算手段から出力される残留搬送波周波数誤
    差による1OFDMシンボルあたりの位相回転量に基づ
    いて前記同期検波手段から出力される各検波信号の残留
    搬送波周波数誤差による位相回転量を推定する位相回転
    量推定手段とから構成されることを特徴とするOFDM
    パケット通信用受信装置。
  41. 【請求項41】 請求項40に記載のOFDMパケット
    通信用受信装置において、 前記チャネル推定手段によって得られた各サブキャリア
    のチャネル特性の推定結果を用いて各サブキャリア信号
    の信号品質に応じた重み係数を演算する重み係数演算手
    段を備え、 前記重み付け手段が、前記重み係数演算手段により得ら
    れた品質情報に基づいて前記位相回転量情報抽出手段か
    ら出力される位相回転量情報に対し重み付けを行うこと
    を特徴とするOFDMパケット通信用受信装置。
  42. 【請求項42】 請求項40あるいは請求項41に記載
    のOFDMパケット通信用受信装置において、 前記重み付け手段から出力される信号がベクトル信号で
    ある場合に、 前記シンボル内平均手段が、前記重み付け手段によって
    重み付けされた位相回転量情報ベクトル信号を1OFD
    Mシンボル内でベクトル和演算することにより位相成分
    を平均化処理するシンボル内ベクトル和演算手段と、前
    記シンボル内ベクトル和演算手段から出力されるベクト
    ル和の位相を検出するベクトル位相検出手段とから構成
    されることを特徴とするOFDMパケット通信用受信装
    置。
  43. 【請求項43】 請求項33に記載のOFDMパケット
    通信用受信装置において、 前記除算手段から出力される残留搬送波周波数誤差に起
    因する1OFDMシンボルあたりの位相回転量に基づい
    て前記時間方向移動平均手段によって移動平均される位
    相回転の累積値に含まれる時間方向移動平均処理に起因
    する処理遅延による位相誤差を補正する遅延補正手段
    と、 前記遅延手段から出力される遅延補正後の位相回転の累
    積量と、前記位相回転予測手段から出力されるクロック
    周波数誤差により生じる位相回転量を加算する加算手段
    とを備え、 前記位相回転補正手段が、前記加算手段から入力される
    出力信号に基づいてクロック周波数誤差、残留搬送波周
    波数誤差により生じる位相回転を補正することを特徴と
    するOFDMパケット通信用受信装置。
  44. 【請求項44】 請求項26あるいは請求項27のOF
    DMパケット通信用受信装置において、 前記第一の共通位相回転検出手段が、 前記重み付け手段によって重み付けされた位相回転量情
    報に対して1OFDMシンボル内で平均化処理を行うシ
    ンボル内平均手段と、 前記シンボル内平均手段から出力される平均化処理され
    た位相回転累積量に基づいて残留搬送波周波数誤差によ
    る1OFDMシンボルあたりの位相回転量を演算する単
    位量演算手段とで構成されることを特徴とするOFDM
    パケット通信用受信装置。
  45. 【請求項45】 請求項26あるいは請求項27に記載
    のOFDMパケット通信用受信装置において、 前記第一の位相回転検出手段が、逆変調を行うことによ
    り位相回転を検出する逆変調手段で構成されることを特
    徴とするOFDMパケット通信用受信装置。
  46. 【請求項46】 請求項26あるいは請求項27に記載
    のOFDMパケット通信用受信装置において、 前記第一の位相回転検出手段が、前記硬判定手段の出力
    する硬判定結果に基づいて符号反転制御を行うことによ
    り位相回転を検出する符号反転制御手段で構成されるこ
    とを特徴とするOFDMパケット通信用受信装置。
  47. 【請求項47】 請求項26あるいは請求項27に記載
    のOFDMパケット通信用受信装置において、 前記重み係数演算手段により得られた各サブキャリアの
    重み係数を用いて前記第二の位相回転検出手段によって
    検出された位相回転量に対し重み付けを行う第二の重み
    付け手段を備えたことを特徴とするOFDMパケット通
    信用受信装置。
  48. 【請求項48】 請求項47に記載のOFDMパケット
    通信用受信装置において、 前記位相回転予測手段によって生成される位相回転情報
    に基づいて前記第二の位相回転検出手段が出力する位相
    回転量情報に含まれるクロック周波数誤差による位相回
    転の補正を行うクロック周波数誤差低減手段を備え、 前記第二の重み付け手段が、前記クロック周波数誤差低
    減手段によって位相回転補正された位相回転量情報に重
    み付けを行うことを特徴とするOFDMパケット通信用
    受信装置。
  49. 【請求項49】 請求項26あるいは請求項27に記載
    のOFDMパケット通信用受信装置において、 前記重み付け手段から出力される信号がベクトル信号で
    ある場合に、 前記シンボル内平均手段が、前記重み付け手段によって
    重み付けされた位相回転量情報ベクトル信号を1OFD
    Mシンボル内でベクトル和演算することにより位相成分
    を平均化処理するシンボル内ベクトル和演算手段と、前
    記シンボル内ベクトル和演算手段から出力されるベクト
    ル和の位相を検出するベクトル位相検出手段とから構成
    されることを特徴とするOFDMパケット通信用受信装
    置。
  50. 【請求項50】 請求項34に記載のOFDMパケット
    通信用受信装置において、 前記選択手段から出力される残留搬送波周波数誤差に起
    因する1OFDMシンボルあたりの位相回転量に基づい
    て前記時間方向移動平均手段によって移動平均される位
    相回転の累積値に含まれる時間方向移動平均処理に起因
    する処理遅延による位相誤差を補正する遅延補正手段
    と、 前記遅延手段から出力される遅延補正後の位相回転の累
    積量と、前記位相回転予測手段から出力されるクロック
    周波数誤差により生じる位相回転量を加算する加算手段
    とを備え、 前記位相回転補正手段が、前記加算手段から入力される
    出力信号に基づいてクロック周波数誤差、残留搬送波周
    波数誤差により生じる位相回転を補正することを特徴と
    するOFDMパケット通信用受信装置。
  51. 【請求項51】 請求項26あるいは請求項27に記載
    のOFDMパケット通信用受信装置において、 前記第二の共通位相回転検出手段が、 前記第二の共通位相回転検出手段に入力される位相回転
    量情報に対して1OFDMシンボル内で平均化処理を行
    うシンボル内平均手段と、 前記シンボル内平均手段によって平均化処理される位相
    回転量情報を1OFDMシンボル分遅延させる遅延手段
    と、 前記シンボル内平均手段によって平均化処理される位相
    回転量情報と前記遅延手段によって1OFDMシンボル
    分遅延した位相回転量情報の差分を演算して1OFDM
    シンボル毎の位相回転量を演算する位相差分演算手段
    と、 前記位相差分演算手段によって出力される1OFDMシ
    ンボル毎の位相回転量を時間方向に移動平均処理する時
    間方向移動平均手段とを備えたことを特徴とするOFD
    Mパケット通信用受信装置。
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