JP2001304282A - 固定型等速自在継手 - Google Patents

固定型等速自在継手

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JP2001304282A JP2000127566A JP2000127566A JP2001304282A JP 2001304282 A JP2001304282 A JP 2001304282A JP 2000127566 A JP2000127566 A JP 2000127566A JP 2000127566 A JP2000127566 A JP 2000127566A JP 2001304282 A JP2001304282 A JP 2001304282A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 組み込み時の干渉を抑制すると共に組み込み
作業の単純化を図る。 【解決手段】 内球面21に複数のトラック溝22を形
成した継手外輪25と、外球面26に前記トラック溝2
2と対をなす複数のトラック溝27を形成した継手内輪
28と、継手内外輪28,25の両トラック溝22,2
7間に介在してトルクを伝達する複数のボール29と、
継手内外輪28,25間に介在してボール29を保持す
るケージ30とを備えた固定型等速自在継手において、
トラックオフセット量Fが、ケージオフセット量fとの
間でf/(f+F)=0.12〜1.0の条件を満たす
ように設定され、かつ、前記ケージオフセット量fが、
継手外輪25の開口端23からのボール29の飛び出し
をケージ30のポケット33で拘束できるように大きく
設定されている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は固定型等速自在継手
に関し、詳しくは、自動車や各種産業機械の動力伝達系
において使用されるもので、駆動側と従動側の二軸間で
作動角度変位のみを許容する固定型の等速自在継手に関
する。
【0002】
【従来の技術】例えば、固定型等速自在継手として、図
7に示すようなUF(アンダーカットフリー)タイプの
ものがある。この固定型等速自在継手は、内球面1に複
数のトラック溝2を円周方向等間隔に軸方向に沿って開
口端3に向けて形成したマウス部4を有する継手外輪5
と、外球面6に継手外輪5のトラック溝2と対をなす複
数のトラック溝7を円周方向等間隔に軸方向に沿って形
成した継手内輪8と、継手外輪5と継手内輪8の両トラ
ック溝2,7間に介在してトルクを伝達する複数のボー
ル9と、継手外輪5の内球面1と継手内輪8の外球面6
との間に介在して各ボール9を保持するケージ10とを
備えている。複数のボール9は、ケージ10に形成され
たポケット13に収容されて円周方向等間隔に配置され
ている。
【0003】この固定型等速自在継手では、大きな作動
角を取り得る構造とするため、継手外輪5のトラック溝
2の曲率中心O1’と、継手内輪8のトラック溝7の曲
率中心O2’とは、ボール中心を含む継手中心面Pに対
して等距離F’だけ軸方向に逆向きにオフセットされて
いる(トラックオフセット)。同様に、ケージ10の内
球面11の曲率中心O3’と、外球面12の曲率中心
4’とは前記継手中心面Pに対して等距離f’だけ軸
方向に逆向きにオフセットされている(ケージオフセッ
ト)。
【0004】従来では、トラックオフセット量F’は、
ケージオフセット量f’との関係において、f’/
(f’+F’)=0〜0.11となるように設定されて
いる。ただ、ケージオフセット量f’の最適範囲は継手
の大きさによって変わるので、継手の大きさを表わす基
本寸法との関係において求める必要がある。そのため、
ケージオフセット量f’と、継手内輪8のトラック溝7
の曲率中心O2’(または継手外輪5のトラック溝2の
曲率中心O1’)とボール9の中心とを結ぶ線分の長さ
PCR’との比f’/PCR’を用いることにし、従来
の場合、f’/PCR’=0〜0.017を満たすよう
にケージオフセット量f’の最適範囲を設定している。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところで、従来の固定
型等速自在継手では、前述したようにf’/(f’+
F’)=0〜0.11、かつ、f’/PCR’=0〜
0.017からなる条件を満足するような寸法形状に設
計されていたことから、継手内輪8、ケージ10および
継手外輪5の継手組立は以下の要領でもって行われてい
た。
【0006】継手内輪8をケージ10に組み込むに際し
ては、図8に示すように継手内輪8をケージ10の軸方
向に対して直角方向に相対位置させ、ケージ10のポケ
ット13の一つに、継手内輪8のトラック溝7間に位置
する球面突起部14を落とし込んだ状態でケージ10内
に継手内輪8を挿入し、継手内輪8の中心O5’とケー
ジ10の中心O6’とが一致したところで継手内輪8を
ケージ10の軸方向に対して直角方向に回転させて正規
の位置に配置する。
【0007】また、ケージ10を継手外輪5に組み込む
に際しても、図9に示すようにケージ10を継手外輪5
に対して直角方向に相対位置させ、継手外輪5のトラッ
ク溝2間に位置する球面突起部15にケージ10のポケ
ット13を合わせて挿入し、ケージ10の中心O6’と
継手外輪5の球面中心O7’とが一致したところでケー
ジ10を継手外輪5に対して直角方向に回転させて正規
の位置に配置する。
【0008】前記ケージ10は、継手内輪8の組み込み
時における球面突起部14との干渉や継手外輪5への組
み込み時における球面突起部15との干渉、およびボー
ル9の組み込みに際して作動角をとった時に他のボール
9の周方向移動による干渉などがないようにするため、
ポケット13の周方向寸法を適正値に設定する必要があ
る。
【0009】このポケット13の周方向寸法を大きくす
れば、前記組み込み時の干渉を抑制することができる
が、ケージ10におけるポケット13間の柱幅寸法が小
さくなるのでケージの強度が低下することになる。逆
に、ポケット13の周方向寸法を小さくすると、ケージ
10の柱幅寸法を大きくすることができるのでケージ1
0の強度を向上させ得るが、前記組み込み時の干渉を抑
制することが困難となる。
【0010】そのため、ケージ10におけるポケット1
3の周方向寸法は、継手内輪8および継手外輪5の球面
突起部14,15との干渉やボール9の周方向移動によ
る干渉などがないようにケージ強度を考慮しながら設定
しなければならず、継手の設計上、多くの制約を受けて
いた。
【0011】継手サイズやオフセット量によってはケー
ジ10の柱幅寸法が小さくなりケージ強度が低下する場
合もあるため、組み込み専用の長穴部をケージ10の1
80°対向する位置に一対設けたり、継手内輪8の球面
突起部14の入口側端縁に切欠き16(図7および図8
参照)を設けてケージ10のポケット13への落とし込
みを容易にする等の手段により対処していた。この場
合、前記ケージ10や継手内輪8を加工しなければなら
ず、コストアップを招来することになる。
【0012】また、継手内輪8のケージ10への組み込
み時には、継手内輪8をケージ10のポケット13に一
旦落とし込まなければならず、また、ケージ10の継手
外輪5への組み込み時にはケージ10を継手外輪5に挿
入した上で直角方向に回転させるという二段階の操作が
必要で、それぞれの組み込み作業において自動組立など
を複雑化していた。
【0013】そこで、本発明は前記問題点に鑑みて提案
されたもので、その目的とするところは、組み込み時の
干渉を抑制すると共に組み込み作業の単純化を図り得る
ように設計された固定型等速自在継手を提供することに
ある。
【0014】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するため
の技術的手段として、本発明は、内球面に複数のトラッ
ク溝を円周方向等間隔に軸方向に沿って開口端に向けて
形成した継手外輪と、外球面に前記継手外輪のトラック
溝と対をなす複数のトラック溝を円周方向等間隔に軸方
向に沿って形成した継手内輪と、前記継手外輪と継手内
輪の両トラック溝間に介在してトルクを伝達する複数の
ボールと、継手外輪の内球面と継手内輪の外球面との間
に介在してボールを保持するケージとを備えた固定型等
速自在継手において、以下の点を特徴とする。
【0015】請求項1の発明は、前記継手外輪のトラッ
ク溝の曲率中心と、前記継手内輪のトラック溝の曲率中
心とが、前記ボール中心を含む継手中心面に対して軸方
向に等距離だけ反対側にオフセットされ、そのトラック
オフセット量Fが、下記ケージオフセット量fとの間で
f/(f+F)=0.12〜1.0の条件を満たすよう
に設定され、かつ、前記ケージの外球面中心と内球面中
心とが、前記継手中心面に対して軸方向に等距離だけ反
対側にオフセットされ、そのケージオフセット量fが、
継手外輪の開口端からのボールの飛び出しをケージのポ
ケットで拘束できるように大きく設定されていることを
特徴とする。
【0016】この請求項1の発明に係る固定型等速自在
継手では、トラックオフセット量Fが、ケージオフセッ
ト量fとの間でf/(f+F)=0.12〜1.0の条
件を満たすように設定され、かつ、ケージオフセット量
fが、継手外輪の開口端からのボールの飛び出しをケー
ジのポケットで拘束できるように大きく設定されている
ことから、組み込み時の干渉を抑制することができると
共に組み込み作業の単純化を図り得る。
【0017】すなわち、ケージの奥側開口径が従来タイ
プよりも大きくなることから、継手内輪をケージに組み
込むに際しては、そのケージの奥側から継手内輪の球面
突起部をケージのポケットに落とし込まずに継手内輪を
挿入することができ、また、継手外輪の入口側開口径が
従来タイプよりも大きくなることから、ケージを継手外
輪に組み込むに際しては、ケージを同軸方向の向きでそ
のポケットと継手外輪の球面突起部とを位置合わせした
状態で継手外輪に挿入することができる。
【0018】その結果、ケージにおけるポケットの周方
向寸法は、継手内輪の組み込み時における球面突起部と
の干渉、および継手外輪への組み込む時における球面突
起部との干渉を考慮する必要がなく、ボールの組み込み
に際して作動角をとった時におけるボールの周方向移動
量のみを考慮するだけで設定することができて継手の設
計が容易となる。
【0019】前記トラックオフセット量Fとケージオフ
セット量fとの関係において、f/(f+F)が1.0
より大きい場合、すなわち、トラックオフセット量Fが
マイナスになると、オフセット方向が逆になり、ケージ
奥側に荷重がかかる位相で接触位置がポケットからはみ
出る構造となるため、機構として成立しない。逆に、
0.12より小さいと、従来のUFタイプの固定型等速
自在継手で採用している範囲となり、このUFタイプの
固定型等速自在継手をベースとしてより高角化の機構を
得るためには不十分である。したがって、機構成立性の
点から、f/(f+F)は0.12〜1.0の範囲内で
あることが最適である。
【0020】ここで、ケージオフセット量fを大きく設
定することにより、継手内輪が組み入れられるケージの
入口側の肉厚を増大させて強度向上を図ることができ、
ケージの入口側肉厚の増大により、作動角をとった時、
継手外輪の開口端からボールが飛び出すことをケージの
ポケットで拘束することができる。
【0021】ただし、ケージオフセット量fが大きすぎ
ると、ケージのポケット内におけるボールの周方向移
動量が大きくなり、ボールの適正な運動を確保するた
め、ケージのポケットの周方向寸法を大きくする必要が
生じるので、ケージの柱部が細くなり、強度面が問題と
なる。ケージの入口側と反対側に位置する奥側の肉厚
が小さくなり、強度面が問題となる。
【0022】以上より、ケージオフセット量fが過大で
あるのは好ましくなく、ケージオフセット量fを設ける
意義と前記の問題との均衡を図り得る最適範囲が存
在する。ただ、ケージオフセット量fの最適範囲は継手
の大きさによって変わるので、継手の大きさを表わす基
本寸法との関係において求める必要がある。そのため、
ケージオフセット量fと、継手外輪のトラック溝の曲率
中心又は継手内輪のトラック溝の曲率中心とボールの中
心とを結ぶ線分の長さPCRとの比f/PCRを用い
る。
【0023】そこで、請求項2の発明は、前記ケージオ
フセット量fと、継手外輪のトラック溝の曲率中心又は
継手内輪のトラック溝の曲率中心とボールの中心とを結
ぶ線分の長さPCRとの比f/PCRが0.018〜
0.150の範囲内であることを特徴とする。
【0024】この比f/PCRが0.150より大きい
と前記の問題がある。逆に、0.018より小さい
とケージオフセット量fを設ける意義がなくなる。すな
わち、ケージオフセットは、高作動角の時にボールの継
手外輪入口側の接触点がケージのポケットからはみ出す
ことを防ぐのが目的で0.018より小さい範囲では、
その目的が達成できない。従って、ケージ強度の確保、
耐久性の確保の点から、比f/PCRが0.018〜
0.150の範囲内であることが、ケージオフセット量
fの最適範囲である。
【0025】また、請求項3の発明のように前記継手外
輪の内球面の開口端部に面取りを形成したり、あるい
は、請求項4の発明のように前記ケージのポケットにお
いて、軸方向対向する側面の外径側開口縁に面取りを形
成したりすれば、ケージを同軸方向の向きでそのポケッ
トと継手外輪の球面突起部を位置合わせした状態で継手
外輪に挿入する作業をより一層容易にすることができ
る。
【0026】さらに、請求項5の発明は、前記ケージの
ポケットの奥側でボールを拘束しないようにポケット隙
間を形成したことを特徴とする。このようにすれば、ケ
ージオフセット量を大きくしたことに伴ってケージの奥
側の肉厚が小さくなっても、ケージの強度を確保するこ
とができる。
【0027】
【発明の実施の形態】本発明に係る固定型等速自在継手
の実施形態を以下に詳述する。
【0028】図1に示す実施形態の固定型等速自在継手
は、内球面21に複数のトラック溝22を円周方向等間
隔に軸方向に沿って開口端23に向けて形成したマウス
部24を有する継手外輪25(図2参照)と、外球面2
6に継手外輪25のトラック溝22と対をなす複数のト
ラック溝27を円周方向等間隔に軸方向に沿って形成し
た継手内輪28(図3参照)と、継手外輪25と継手内
輪28の両トラック溝22,27間に介在してトルクを
伝達する複数のボール29と、継手外輪25の内球面2
1と継手内輪28の外球面26との間に介在して各ボー
ル29を保持するケージ30(図4参照)とを備えてい
る。複数のボール29は、ケージ30に形成されたポケ
ット33に収容されて円周方向等間隔に配置されてい
る。
【0029】継手外輪25の各トラック溝22は、その
開口側溝底を前記開口端に向けて直線的に拡径させたテ
ーパ状としている。つまり、トラック溝22は、マウス
部24の奥側での円弧底22aと、マウス部24の開口
側でのテーパ底22bとを有する(図2参照)。一方、
継手内輪28の各トラック溝27は、その奥側溝底を奥
側に向けて直線的に拡径させたテーパ状としている。つ
まり、トラック溝27は、マウス部24の開口側での円
弧底27aと、マウス部24の奥側でのテーパ底27b
とを有する(図3参照)。
【0030】このように継手外輪25のマウス部24の
トラック溝22の開口側溝底を、その開口端に向けて直
線的に拡径したテーパ底22bとしたことにより、継手
外輪25のマウス部24の外径を大きくすることなく、
作動角の高角化を実現している。その結果、継手外輪2
5のコンパクト化および負荷容量アップ等を図ることが
できる。
【0031】なお、図示しないが、継手外輪25のトラ
ック溝22の軸方向形状をすべてストレートテーパ状と
することも可能である。つまり、この継手外輪25のト
ラック溝22として、マウス部24の奥側からその開口
端23に向けて一律的に拡径するストレートテーパ底を
形成してもよい。また、継手内輪28のトラック溝27
も、マウス部24の開口側からその奥側に向けて一律的
に拡径するストレートテーパ底を形成してもよい。この
ようにすれば、作動角の高角化と共に例えば冷間鍛造に
よる加工性の向上も図れる。
【0032】図1の固定型等速自在継手では、大きな作
動角を取り得る構造とするため、継手外輪25のトラッ
ク溝22の曲率中心O1と、継手内輪28のトラック溝
27の曲率中心O2とは、ボール中心を含む継手中心面
Pに対して等距離Fだけ軸方向に逆向きにオフセットさ
れている(トラックオフセット)。同様に、ケージ30
の内球面31の曲率中心O3と、外球面32の曲率中心
4とは前記継手中心面Pに対して等距離fだけ軸方向
に逆向きにオフセットされている(ケージオフセッ
ト)。
【0033】この実施形態における固定型等速自在継手
について、トラックオフセット量Fは、ケージオフセッ
ト量fとの関係において、f/(f+F)=0.12〜
1.0となるように設定され、かつ、ケージオフセット
量fが、継手外輪25の開口端23からのボール29の
飛び出しをケージ31のポケット33で拘束できるよう
に大きく設定されている。ただ、ケージオフセット量f
の最適範囲は継手の大きさによって変わるので、継手の
大きさを表わす基本寸法との関係において求める必要が
ある。そのため、ケージオフセット量fと、継手内輪2
8のトラック溝27の曲率中心O2(または継手外輪2
5のトラック溝22の曲率中心O1)とボール29の中
心とを結ぶ線分の長さPCRとの比f/PCRを用いる
ことにし、この固定型等速自在継手では、f/PCR=
0.018〜0.150の範囲に設定されている。
【0034】なお、図1に示す実施形態では、トラック
オフセット量F=0の場合、つまり、f/(f+F)=
1.0の場合を示す。そのため、継手外輪25のトラッ
ク溝22の曲率中心O1と、継手内輪28のトラック溝
27の曲率中心O2とは、継手中心面P上に一致して位
置する。
【0035】このような固定型等速自在継手では、トラ
ックオフセット量Fが、ケージオフセット量fとの間で
f/(f+F)=0.12〜1.0の条件を満たすよう
に設定され、かつ、ケージオフセット量fが、継手外輪
25の開口端23からのボール29の飛び出しをケージ
30のポケット33で拘束できるように大きく設定され
ていることから、継手内輪28のケージ30への組み込
みおよびケージ30の継手外輪25への組み込みを単純
化することが実現容易となる。
【0036】すなわち、ケージ30の奥側開口径が従来
タイプよりも大きくなることから、継手内輪28をケー
ジ30に組み込むに際しては、図5に示すようにそのケ
ージ30の奥側から継手内輪28の球面突起部34をケ
ージ30のポケット33に落とし込まずに継手内輪28
をケージ30内に挿入することができる。また、継手外
輪25の入口側開口径が従来タイプよりも大きくなるこ
とから、ケージ30を継手外輪25に組み込むに際して
は、図6に示すようにケージ30を、継手外輪25と同
軸方向の向きでそのポケット33と継手外輪25の球面
突起部35とを位置合わせした状態で継手外輪25内に
挿入することができる。
【0037】なお、前記継手外輪25のトラック溝22
の入口側端部に面取り36を形成したり(図2参照)、
あるいは、前記ケージ30のポケット33において、軸
方向対向する側面の外径側開口縁に面取り37を形成し
たりすれば〔図4(a)参照〕、ケージ30を継手外輪
25と同軸方向の向きでポケット33と継手外輪25の
球面突起部35を位置合わせした状態で継手外輪25に
挿入する作業をより一層容易にすることができる。
【0038】以上のような組み込み時の単純化により、
ケージ30におけるポケット33の周方向寸法は、継手
内輪28の組み込み時における球面突起部34との干
渉、および継手外輪25への組み込む時における球面突
起部35との干渉を考慮する必要がなく、ボール29の
組み込みに際して作動角をとった時におけるボール29
の周方向移動量のみを考慮するだけで設定することがで
きて継手の設計上における制約が少なくなる。このこと
からケージ30の柱幅寸法に基づくケージ強度を容易に
確保することができる。
【0039】また、図1に示すようにケージ30のポケ
ット33の奥側でボール29を拘束しないようにポケッ
ト隙間tを形成している。このようにすれば、ケージオ
フセット量fを大きくしたことに伴ってケージ30の奥
側の肉厚が小さくなっても、ケージ30のポケット33
の奥側に接触することによりケージ30の奥側に損傷を
与えることを緩和し、ケージ30の強度を確保すること
ができる。
【0040】
【発明の効果】請求項1に係る発明によれば、継手外輪
のトラック溝の曲率中心と、前記継手内輪のトラック溝
の曲率中心とが、前記ボール中心を含む継手中心面に対
して軸方向に等距離だけ反対側にオフセットされ、その
トラックオフセット量Fが、下記ケージオフセット量f
との間でf/(f+F)=0.12〜1.0の条件を満
たすように設定され、かつ、前記ケージの外球面中心と
内球面中心とが、前記継手中心面に対して軸方向に等距
離だけ反対側にオフセットされ、そのケージオフセット
量が、継手外輪の開口端からのボールの飛び出しをケー
ジのポケットで拘束できるように大きく設定されている
ことから、継手内輪、ケージおよび継手外輪の組み込み
時における部材相互の干渉を抑制して組み込み作業の単
純化を図れると共に、継手の設計上における制約が少な
くなって前記ケージの強度を容易に確保することができ
る。
【0041】請求項2の発明のように前記ケージオフセ
ット量fと、継手外輪のトラック溝の曲率中心又は継手
内輪のトラック溝の曲率中心とボールの中心とを結ぶ線
分の長さPCRとの比f/PCRが0.018〜0.1
50の範囲内とすれば、ケージオフセット量は、ケージ
強度の確保、耐久性の確保の点で最適となる。
【0042】また、請求項3の発明のように前記継手外
輪の内球面の開口端部に面取りを形成したり、あるい
は、請求項4の発明のように前記ケージのポケットにお
いて、軸方向対向する側面の外径側開口縁に面取りを形
成したりすれば、ケージの継手外輪への組み込み作業を
より一層容易にすることができる。
【0043】さらに、請求項5の発明のように前記ケー
ジのポケットの奥側でボールを拘束しないようにポケッ
ト隙間を形成すれば、ケージの強度を確保することがよ
り一層容易となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る固定型等速自在継手の実施形態を
示す断面図である。
【図2】図1の等速自在継手に組み込まれた継手外輪を
示す断面図である。
【図3】図1の等速自在継手に組み込まれた継手内輪を
示す断面図である。
【図4】(a)は図1の等速自在継手に組み込まれたケ
ージを示す断面図で、(b)は(a)のA−A線に沿っ
た矢視図である。
【図5】本発明の実施形態において、継手内輪をケージ
に組み込む状態を示す断面図である。
【図6】本発明の実施形態において、ケージを継手外輪
に組み込む状態を示す断面図である。
【図7】固定型等速自在継手の従来例を示す断面図であ
る。
【図8】従来例において、継手内輪をケージに組み込む
状態を示す断面図である。
【図9】従来例において、ケージを継手外輪に組み込む
状態を示す断面図である。
【符号の説明】
21 継手外輪の内球面 22 継手外輪のトラック溝 23 開口端 25 継手外輪 26 継手内輪の外球面 27 継手内輪のトラック溝 28 継手内輪 29 ボール 30 ケージ 31 ケージの内球面 32 ケージの外球面 33 ポケット f ケージオフセット量 F トラックオフセット量 O1 継手外輪のトラック溝の曲率中心 O2 継手内輪のトラック溝の曲率中心 O3 ケージの内球面中心 O4 ケージの外球面中心 t ポケット隙間

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 内球面に複数のトラック溝を円周方向等
    間隔に軸方向に沿って開口端に向けて形成した継手外輪
    と、外球面に前記継手外輪のトラック溝と対をなす複数
    のトラック溝を円周方向等間隔に軸方向に沿って形成し
    た継手内輪と、前記継手外輪と継手内輪の両トラック溝
    間に介在してトルクを伝達する複数のボールと、継手外
    輪の内球面と継手内輪の外球面との間に介在してボール
    を保持するケージとを備えた固定型等速自在継手におい
    て、 前記継手外輪のトラック溝の曲率中心と、前記継手内輪
    のトラック溝の曲率中心とが、前記ボール中心を含む継
    手中心面に対して軸方向に等距離だけ反対側にオフセッ
    トされ、そのトラックオフセット量が、下記の条件を満
    たすように設定され、かつ、前記ケージの外球面中心と
    内球面中心とが、前記継手中心面に対して軸方向に等距
    離だけ反対側にオフセットされ、そのケージオフセット
    量が、継手外輪の開口端からのボールの飛び出しをケー
    ジのポケットで拘束できるように大きく設定されている
    ことを特徴とする固定型等速自在継手。前記トラックオ
    フセット量をF、前記ケージオフセット量をfとした
    時、 f/(f+F)=0.12〜1.0
  2. 【請求項2】 前記ケージオフセット量fと、継手外輪
    のトラック溝の曲率中心又は継手内輪のトラック溝の曲
    率中心とボールの中心とを結ぶ線分の長さPCRとの比
    f/PCRが0.018〜0.150の範囲内であるこ
    とを特徴とする請求項1記載の固定型等速自在継手。
  3. 【請求項3】 前記継手外輪の内球面の開口端部に面取
    りを形成したことを特徴とする請求項1又は2に記載の
    固定型等速自在継手。
  4. 【請求項4】 前記ケージのポケットにおいて、軸方向
    対向する側面の外径側開口縁に面取りを形成したことを
    特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の固定型等
    速自在継手。
  5. 【請求項5】 前記ケージのポケットの奥側でボールを
    拘束しないようにポケット隙間を形成したことを特徴と
    する請求項1乃至4のいずれかに記載の固定型等速自在
    継手。
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