JP2001294996A - 高加工性方向性電磁鋼板およびその製造方法 - Google Patents

高加工性方向性電磁鋼板およびその製造方法

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JP2001294996A
JP2001294996A JP2000105095A JP2000105095A JP2001294996A JP 2001294996 A JP2001294996 A JP 2001294996A JP 2000105095 A JP2000105095 A JP 2000105095A JP 2000105095 A JP2000105095 A JP 2000105095A JP 2001294996 A JP2001294996 A JP 2001294996A
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silicon steel
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Tsutomu Kaido
力 開道
Takeaki Wakizaka
岳顕 脇坂
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Nippon Steel Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 従来のものより結晶粒径が小さくかつ加工性
に優れた方向性電磁鋼板とその製造方法を提供するこ
と。 【解決手段】 方向性電磁鋼板の各結晶粒において、鋼
板表面と最も小さい角をなす磁化容易軸の潜り角βと結
晶粒径D(mm)に対して、D sinβの平均値が0.2mm
以下であることを特徴とする高加工性方向性電磁鋼板。
また、この高加工性方向性電磁鋼板の製造方法として、
方向性電磁鋼板の表面に局部的な歪を導入し焼鈍するこ
とにより、再結晶を局部的に生じさせて、方向性電磁鋼
板の結晶粒径Dを細分化する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、高加工性方向性電
磁鋼板およびその製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】電磁鋼板はモータ、発電機、変圧器、リ
アクトル等のエネルギー変換用鉄心やインダクタ等の電
気回路素子などに使用される。これらのエネルギー変換
機(変換器)や回路素子は高磁束密度使用がなされ、更
なる小形高出力化、高寸法精度が求められている。
【0003】この場合、電磁鋼板には高透磁率が求めら
れ、また高加工寸法精度性が求められる。電磁鋼板の透
磁率を上げるためには、集合組織改善により磁化容易軸
を励磁方向に集中させること等が行われている。無方向
性電磁鋼板においては、電磁鋼板の透磁率を上げるため
に、集合組織改善により磁化容易軸を鋼板面内に集中さ
せることが行われて、電磁鋼板の加工性を向上させるた
めには、硬度や板厚を調整すると共に、鋼板表面に施さ
れる被膜の最適化などが行われている。
【0004】一方、方向性電磁鋼板は、磁化容易軸を鋼
板面のある方向に集中させた電磁鋼板であり、極めて高
透磁率であるため、トランスに多く使用されるが、さら
には小形モータでも分割鉄心等への適用が検討されてい
る。しかし、方向性電磁鋼板は結晶粒が大きいため、加
工後の鉄心の寸法精度が低くなり、加工後の鉄心におい
ても、加工鋼板片が欠損したり、割れが生じるので、小
形モータ鉄心、超小形トランス鉄心において、問題であ
る。鋼板の欠損は鉄心形状を損なうことであり、さら
に、回転機やリニアモータ等の電気機械エネルギー変換
機では、鉄心を構成する電磁鋼板加工片に割れ目等が生
じていると、駆動時に鉄心に発生する交番あるいはパル
ス的な応力により、鉄心から電磁鋼板片が飛散する恐れ
がある。このように、鉄心に方向性電磁鋼板を用いる
と、モータの安定、信頼性に問題が出てくる。この為、
鉄心をモールドしたり、構成する積層電磁鋼板の間を接
着したりすることが検討されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、このような
従来問題のあった方向性電磁鋼板の加工性を改善するこ
とが課題となる。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明の要旨とするとこ
ろは、次の通りである。 (1)方向性電磁鋼板の各結晶粒において、鋼板表面と
最も小さい角をなす磁化容易軸の潜り角βと結晶粒径D
(mm)に対して、D sinβの平均値が0.2mm以下であ
ることを特徴とする高加工性方向性電磁鋼板。 (2)方向性電磁鋼板の表面に局部的な歪を導入し焼鈍
することにより、再結晶を局部的に生じさせて、方向性
電磁鋼板の結晶粒径Dを細分化することを特徴とする上
記(1)記載の高加工性方向性電磁鋼板の製造方法。 (3)上記(1)に記載の高加工性方向性電磁鋼板を打
ち抜いて形成されたエネルギー変換機器用鉄心。
【0007】
【発明の実施の形態】本発明における方向性電磁鋼板は
モータ、発電機、変圧器、リアクトル等のエネルギー変
換用鉄心、インダクタ等の電気回路素子用鉄心や磁気シ
ールド等に使用される鉄心素材であり、珪素を有する方
向性珪素鋼、珪素を殆ど含まなく、鉄を主成分とする方
向性電磁鋼板であり、電磁鋼板面の一方向に磁化容易方
向が集中している従来の一方向性電磁鋼板、或いは電磁
鋼板面内の二方向に磁化容易方向が集中している二方向
性電磁鋼板を意味するものである。
【0008】本発明においては、高い加工性を得るため
に、この方向性電磁鋼板の結晶粒径を次のように規定す
る。方向性電磁鋼板の各結晶粒において、鋼板表面と最
も小さい角をなす磁化容易軸の潜り角βと結晶粒径D
(mm)に対して、個々の結晶粒におけるD sinβの値を
その結晶粒が占める鋼板表面の面積で加重平均したD s
inβの平均値が、0.2mm以下とする。ここで、結晶粒
径は鋼板面における面積換算の結晶粒径で計算し、結晶
粒が非常に小さい結晶粒の場合、例えば平均結晶粒径に
対して1/10以下のものはカウント対象外とした。ま
た、潜り角βはEBSP(Electron Back Scattering P
attern)で測定した。
【0009】従来の方向性電磁鋼板の結晶粒径は、高配
向性では、β≒3゜のもので10mm程度で、β≒6゜の
通常の配向性のものは5mm程度であり、従来の方向性電
磁鋼板におけるDとβの関係は、D sinβ≒0.5mmで
ある。加工性を改善するためにはDを小さくすると良い
が、あまり小さくすると、結晶粒界が増加し、また、β
も大きくなり、透磁率が劣化する。従って、方向性電磁
鋼板において、高透磁率の低減を出来るだけ抑えて、加
工性を改善するには、D sinβ≪0.5mmのものが必要
であり、本発明では効果が顕著であるD sinβの平均値
が0.2mm以下とした。
【0010】このような方向性電磁鋼板は従来の製造方
法において、インヒビターや、圧延条件或いは、焼鈍条
件(温度、時間等)を制御することにより製造可能であ
るが、局部的に歪を導入し、その後、焼鈍することによ
り、その部分に小さい結晶粒を生じさせて、結晶粒Dを
小さくしても良い。この場合、発生する結晶粒が板厚方
向に貫通してないときは、D sinβは両面で平均する必
要がある。局部的に導入する歪は機械的に生じさせた
り、レーザ照射等により生じさせることができる。
【0011】
【実施例】[実施例1]二方向性電磁鋼板1は平均結晶
粒径が約10mmである。図1に示すように、縦横2mm間
隔に歯が付いているプレス板で、この二方向性電磁鋼板
1の両面に圧力を加え、縦横格子状の歪を導入し、その
後、歪導入部を再結晶させるための焼鈍を行う。再結晶
粒は1mm以下となるように、焼鈍条件を調整した。この
結果、Dsinβ=0.19mmの二方向性電磁鋼板が得ら
れた。磁気特性は800A/mで1.75Tであった。
100mm角の材料を5mm間隔にスリットしたところ、歪
導入前の材料では、200個のスリット材のうち、2,
3個ほど、欠けが発生したが、本発明のものでは、スリ
ットによる欠けは発生しなかった。
【0012】[実施例2]12分割のモータ電機子鉄心
に一方向性電磁鋼板を用いる場合に、一方向性電磁鋼板
を所定の形状に連続的に打ち抜きした。鉄心の歯部の幅
は6mmである。従来の高磁束密度方向性電磁鋼板(D s
inβ=0.58mm)を用いたところ、歯部先端の欠損な
どの不良率が約3%であった。高磁束密度方向性電磁鋼
板の製造工程において、冷延率60%と低くし、焼鈍時
間も調整して製造されたD sinβ=0.17mmの方向性
電磁鋼板を使用したところ、不良率が1%以下に改善で
きた。これらの結果を表1に示す。
【0013】
【表1】
【0014】
【発明の効果】方向性電磁鋼板は高透磁率であるため、
トランスに多く使用されるが、小形モータでも分割鉄心
が使用されるようになり、方向性電磁鋼板の適用が検討
されている。しかし、方向性電磁鋼板は結晶粒が大き
く、加工後の鉄心において、加工鋼板片が欠損したり、
割れが生じて、安定して、鉄心を生産することが困難で
あった。本発明の方向性電磁鋼板は従来より結晶粒径が
小さいので、加工後の鉄心の寸法精度が良く、また、小
形鉄心ではコーナー部が欠損することも少なく、欠損し
てもその大きさが小さい。従って、小形モータ鉄心、超
小形トランス鉄心においても、高い寸法精度の鉄心が可
能になり、さらに、回転機やリニアモータ等の電気機械
エネルギー変換機では駆動時に鉄心に交番あるいはパル
ス的な応力が加わるが、鉄心の電磁鋼板加工片に割れ目
等が生じ難いので、鉄心から電磁鋼板片が飛散する恐れ
が少ない。従って、方向性電磁鋼板を鉄心に用いたモー
タでも、高信頼性のモータを安定生産できる。
【0015】モータを高性能化するために、また低コス
ト化、製造の自動化を行うために、分割鉄心や曲げ加工
による鉄心が適用されている。これらの鉄心には、主な
励磁方向があり、方向性電磁鋼板の適用が効果的である
が、前述のように、従来の方向性電磁鋼板では加工性の
問題があったが、本発明の方向性電磁鋼板は加工性に富
むので、モータの量産生産に適用できる。方向性電磁鋼
板は極めて透磁率が高く、低鉄損であるので、方向性電
磁鋼板の鉄心を用いたモータは小形軽量、高効率であ
り、省エネ対策、環境対策が必要な家電機器、FA機
器、電気自動車などに適している。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例において使用する、縦横格子状
の歪を導入した二方向性電磁鋼板を示す模式図。
【符号の説明】
1 二方向性電磁鋼板 2 結晶粒界 3、4 導入歪

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 方向性電磁鋼板の各結晶粒において、鋼
    板表面と最も小さい角をなす磁化容易軸の潜り角βと結
    晶粒径D(mm)に対して、D sinβの平均値が0.2mm
    以下であることを特徴とする高加工性方向性電磁鋼板。
  2. 【請求項2】 方向性電磁鋼板の表面に局部的な歪を導
    入し焼鈍することにより、再結晶を局部的に生じさせ
    て、方向性電磁鋼板の結晶粒径Dを細分化することを特
    徴とする請求項1記載の高加工性方向性電磁鋼板の製造
    方法。
  3. 【請求項3】 請求項1に記載の高加工性方向性電磁鋼
    板を打ち抜いて形成されたエネルギー変換機器用鉄心。
JP2000105095A 2000-04-06 2000-04-06 高加工性方向性電磁鋼板およびその製造方法 Withdrawn JP2001294996A (ja)

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