JP2008213410A - 積層板、および積層体の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 アモルファスおよびナノ結晶金属薄帯の難加工性を改善し、打抜き加工が容易でハンドリング性に優れた積層板および積層体の製造方法を提供する。
【解決手段】 厚さが8〜35μmの軟磁性金属薄帯に熱硬化性樹脂を厚さが0.5μm以上2.5μm以下となるように塗布して複合薄帯とし、前記複合薄帯を総厚さが50μm以上250μm以下になるように積層して積層板とし、前記積層板を打抜き加工して積層ブロックを得た後、前記積層ブロックを重ねて積層体とする積層体の製造方法を用いる。
【選択図】図1

Description

本発明は、情報機器、自動車、家電/民生機器、産業機械などの分野で需要が拡大している、回転機やリアクトル、磁性アンテナ等の高効率化や高利得化に有用な軟磁性金属薄帯を用いた積層板および積層体の製造方法に関するものである。
近年、情報機器、自動車、家電/民生機器、産業機械分野などで、回転機の需要が拡大している、それに伴い回転機の性能向上が求められている。回転機性能向上の課題として、制御性の向上、低騒音化、低振動化、保守性向上、高効率化などのさまざまな課題があるが、エネルギー危機や地球環境保全の観点から、特に回転機の高効率化が最重要課題のひとつとして挙げられる。近年、制御技術の進歩により、誘導電動機や永久磁石型のシンクロナスモータが、広く用いられるようになった。誘導電動機は、構造がシンプルでブラシレス化により保守性にも優れるが、回転子による2次銅損が損失の大きな比率を占め、また力率が悪いため効率においては問題がある。一方で、回転子に、永久磁石を用いる永久磁石型のシンクロナスモータは、回転子側の損失が比較的少なく、効率においては優れるという特徴がある。近年、希土類焼結磁石を回転子に用いた永久磁石型のシンクロナスモータが広く利用されている。しかしながら、希土類永久磁石を回転子に用いるなどのため誘導モータに対し製作コストが高く、温度上昇に対し減磁による出力低下が発生するため高温下や高速下での運転には課題がある。最近、200℃以上での運転にも耐えられる、希土類永久磁石が開発され、10,000回転/分以上の高速で回転する永久磁石型のシンクロナスモータも検討されているが、この耐熱性希土類磁石には最大10重量%以上におよぶ希少元素であるDyを使用するため、将来の資源枯渇の懸念がある。一方、自動車や新エネルギー分野においては、近い将来の化石燃料枯渇が懸念されており、風力発電や太陽光発電などの新エネルギーの技術開発が盛んに行われている。また自動車分野では省エネルギーの観点からは一部または全部の動力を電気エネルギーから得るHEVや電気自動車が徐々に普及しつつあり、このような背景から低損失のリアクトルや高効率な、モータや発電機が望まれている。
さらに自動車分野においては、快適性、安全性の要求から、電子化が加速しており、統合制御化が進展し、キーレスエントリシステムやタイヤ空気圧センサー、VSCなどが普及しつつあり、磁性アンテナなどの磁性部品が使用されている。
これら磁性部品の高効率化、高利得化には、制御回路や磁性材料の高性能化が必要である。なかでも回転機やリアクトル、アンテナなどのコア材料として軟磁性材料が多用されており、その高性能化が求められている。例えば、モータや発電機コアとして大量に使用される電磁鋼板においては損失を低減するために、薄板電磁鋼板が開発されており、従来の350〜500μmの板厚を270〜150μmとした材料が一部で採用されている。
また、材料のSi含有量を特殊なプロセスを用いて増加させ電気抵抗を大きくした低損失材料として、Fe−6.5%Si材料も開発されている。
アモルファス材料およびナノ結晶材料は、低損失で高電気抵抗、高磁束密度、良励磁特性を有することを特徴とした優れた軟磁性属材料として知られており、電力用トランスやノイズ対策用部品として利用されている。しかしながら、これらの磁性材料は、通常、溶融した金属を単ロール法などの溶湯急冷法により製造されるために、得られる基材の形態は、35μm以下の薄帯状であり、またこれらの金属薄帯は機械硬度(Hv>800)が高く延性を持たないため機械加工が著しく困難であるという欠点を有する。したがって従来、こららの金属薄帯基材は、電力用トランスコアやノイズカット部品などにトロイダル状に積層した巻き磁心として応用されてきた。近年ではこれら金属薄帯を積層し、回転機やリアクトル、アンテナなどの磁性部材として活用することが検討されており、例えば特許文献1や非特許文献1には、アモルファス薄帯やナノ結晶薄帯を、耐熱性樹脂を用いて積層ブロックとし、300℃以上の高温で熱処理し、軟磁性コア材料とすることが既に開示されている。また非特許文献1では、積層ブロックを放電加工してモータコアとする技術も開示されている。一方、回転機やリアクトルその他に磁気回路構成部材として、最も一般的に利用される電磁鋼板やパーマロイなどの軟磁性板材は、加工効率や加工精度に優れるプレス金型での打抜き加工が常用されている。一方、従来加工性に劣る、アモルファス材料やナノ結晶材料は、35μm以下の薄帯を350℃以上で歪み取り、あるいは結晶化熱処理後、1枚ずつエッチング加工や打抜き加工などにより所定の形状に加工した後、積層してワニスなどの樹脂を含浸熱硬化させることによりコア材料とするか、特許文献1などで開示されている耐熱樹脂などを用いた積層ブロックを放電加工やレーザ加工で所定形状に加工する方法がとられている。しかし、これらの加工方法は加工効率が著しく低く工業生産上問題があるばかりでなく、熱処理後のアモルファス薄帯やナノ結晶薄帯は著しく脆いため、上記放電加工などの手段を用いても、チッピングや割れの発生が避けられず、加工歩留まりが悪いという問題点もある。
特開2002−164224号公報 Y.Enomoto et.al."Evaluation of Experimental Permanent Magnet Brushless Moter Utilizing New Magnetic Material for Stator Core Teeth"INTERMAG2005,TG-11(2005.4)
本発明はかかる、アモルファスおよびナノ結晶金属薄帯の難加工性を改善し、打抜き加工が容易でハンドリング性に優れた磁性コア用アモルファスおよびナノ結晶材による積層板および積層体の製造方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、薄帯間に適切な柔らかい層を設けること、打抜き加工を行う積層板の厚さを適切なものにすること、また、アモルファス材やナノ結晶材の加工性が300℃以下の熱処理で改善されることにより加工性が改善されることを見出し本発明に至った。
つまり本発明は、厚さが8〜35μmの軟磁性金属薄帯を複数枚積層した積層板であって、金属薄帯間の熱硬化性樹脂の各厚さが0.5μm以上2.5μm以下、積層板の総厚さが50μm以上250μm以下であることを特徴とする打抜き加工用の積層板である。
また、本発明は積層体の製造方法として、厚さが8〜35μmの軟磁性金属薄帯に熱硬化性樹脂を厚さが0.5μm以上2.5μm以下となるように塗布して複合薄帯とし、前記複合薄帯を総厚さが50μm以上250μm以下になるように積層して積層板とし、前記積層板を打抜き加工して積層ブロックを得た後、前記積層ブロックを重ねて積層体とすることを特徴とするものである。また、打抜き加工の前に積層板に300℃以下の熱処理を施すことで、積層板の打抜き加工が行いやすくなる。
本発明の積層板、積層体における軟磁性金属薄帯間の樹脂の厚さは、0.5μm以上2.5μm以下とする。樹脂厚さが0.5μm未満では、樹脂と金属薄帯間の結合強度が弱く、打抜き加工の際にはがれが発生しやすい。また、軟磁性金属薄帯間の層間絶縁が低下し、回転機や発電機として使用した場合には、損失の低下をもたらす。またアンテナなどのコアとして使用した場合には利得の低下をもたらすので好ましくない。一方、樹脂層が厚すぎると、磁性材料の体積比が減少して磁気特性が低下するばかりでなく、打抜き加工の際に破断面に段差が生じるなどの精度上の問題があり好ましくない。さらに好ましい樹脂の厚さの範囲は、0.7μm以上2.0μm以下である。
積層体の総厚さが250μmを超えると打抜き加工性が低下し、数百ショット程度の連続打抜きで金型に1mm以上のばりが発生し、型研磨が必要となるため生産効率上好ましくない。また1ショット辺りの生産効率やハンドリング性を考慮すると積層体の総厚さは、50μm以上が好ましい。
本発明の積層板、積層体に用いる樹脂は熱硬化性のエポキシ樹脂、アルキッド樹脂、ポリイミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、イミド変性アクリル樹脂が好ましい。熱可塑性樹脂は、回転機や発電機など高速回転で運転される場合などに、寸法変形やはがれなどにより回転機がロックされる恐れがあり好ましくない。また、樹脂の硬化温度は、300℃以下が好ましい。硬化温度が300℃超では、構造緩和等により基材の加工性が著しく低下し、打抜き加工時に基材に亀裂が発生するなどの問題点がある。また硬化温度が150℃未満では樹脂と金属薄帯の結合力が十分でなく打抜き加工時に剥がれが生じるなどの問題点がある。
本発明により製造した軟磁性金属と樹脂による積層板を用いて積層体とすることにより、磁性コアの損失とヒステリシス損失を大幅に低減することが可能であり、回転機の高効率化、リアクトルの低損失化、アンテナの高利得化を実現できる。また、本発明の積層板は打抜き加工性に優れており、これらの高性能の積層体を容易に提供することが可能である。
以下、本発明について具体的に説明する。図1に軟磁性金属薄帯の積層体1を示す。軟磁性金属薄帯の積層体は、軟磁性金属薄帯2の表面に接着剤となる熱硬化性樹脂3が設けられており、この熱硬化性樹脂3を介して、複数枚の軟磁性金属薄帯2が積層されている。
本発明の積層板を作製する場合は、軟磁性金属薄帯の原反からロ−ルコ−タなどのコ−ティング装置を用いて軟磁性金属薄帯上に樹脂の塗膜を作り、これを乾燥させて半硬化の状態の熱硬化性樹脂とする工程と、複数の樹脂付軟磁性金属薄帯を熱圧着する工程で作製することができる。熱圧着の手段として、熱プレス法や熱ロール法などがある。いずれの方法においてもプレス板、熱ロールと樹脂付軟磁性金属薄帯が接触する部分に塗布した樹脂がある場合では、その樹脂がプレス板や熱ロールに転写されて、表面の平坦性、清浄度を悪化させ、メンテナンス性の悪化に繋がるため、表面に樹脂を設けない方が好ましい。積層板をさらに積層する手段としては、積層板の表面に再度熱硬化性樹脂を付与し、同様の熱圧着により積層体とすればよい。
なお、熱圧着時の温度は熱可塑性樹脂の種類により異なるが、概ね、硬化物のガラス転移温度(Tg)近傍で積層接着することが好ましい。
アモルファス材料からなる軟磁性金属薄帯は、通常、磁気特性を発現させるための最適熱処理が施されるが、その最適化熱処理の温度は300℃超である。アモルファス材料はその際に脆化が進行するので機械的強度が低下する。そのため、軟磁性金属薄帯を積層した後の金型打抜き等による加工を行う場合は、最適熱処理を施されたものでは、打抜く際に割れ・欠けが発生しやすい。そのため、積層工程の温度は、金属薄帯の脆化が進行せず、接着可能な温度範囲を選択する必要がある。上記したようにこの温度は150℃以上300℃以下とする。
磁気特性発現のための最適熱処理は、打抜き加工後に行うことが望ましく、その際には、軟磁性合金薄帯、積層板、積層ブロック同士の位置ずれが発生しないことが望ましい。また、回転機や発電機など高速回転で運転される場合などに、熱により寸法変形やはがれなどが発生しにくいことが望まれる。この観点から本発明に用いる樹脂は、熱圧着工程で硬化し、最適熱処理工程以降に軟化しない熱硬化性樹脂を用いることが好ましい。
本発明の磁性基材に使用される軟磁性金属薄帯に好適な磁性材料としては、アモルファス材料やナノ結晶金属材料がある。例えば、Fe基、Co基などのアモルファス材料、Fe基、Co基などのナノ結晶金属材料などが挙げられる。ここでFe基アモルファス材料としては、Fe−Si−B系、Fe−B系、Fe−P−C系などのFe−半金族系アモルファス材料やFe−Zr系、Fe−Hf系、Fe−Ti系などのFe−還移金属系アモルファス材料が例示でき、また、Co基アモルファス材料としてはCo−Si−B系、Co−B系などのアモルファス材料が例示できる。そして、アモルファス材料を熱処理によりナノサイズに結晶化させたナノ結晶質材料においては、Fe−Si−B−Cu−Nb系、Fe−B−Cu−Nb系、Fe−Zr−B−(Cu)系、Fe−Zr−Nb−B−(Cu)系、Fe−Zr−P−(Cu)系、Fe−Zr−Nb−P−(Cu)系、Fe−Ta−C系、Fe−Al−Si−Nb−B系、Fe−Al−Si−Ni−Nb−B系、Fe-Al-Nb-B系、Co−Ta−C系、などが例示できる。
積層体の磁性基材に使用される軟磁性金属薄帯は、溶湯急冷方法などによりシ−ト状に作製されたアモルファス材料やナノ結晶材料などを使用することができる。また、磁性基材に用いられる軟磁性金属薄帯は、単一軟磁性金属薄帯を用いても良いし、複数および多種類の軟磁性金属薄帯を重ねたものを用いることもできる。
軟磁性金属薄帯、積層板、積層ブロックの熱圧着温度は、軟磁性金属薄帯を構成する磁性材料により異なるが、軟磁性金属薄帯が脆化しない温度が望ましく、概ね300℃以下の温度にする必要がある。
積層板の加工は、エッチング、ワイヤ放電、レーザ、ウォータジェット等いくつかの方法があるが、その中で、量産性という観点では、金型打抜きによる加工が優れている。金型打抜き加工では、アモルファス材料のビッカース硬度が極めて高いため、金型材料としては、これよりも硬度の高い材料が望ましく、超硬材料などを用いることで良好な打抜きを行うことができるようになる。
所定の形状に加工された積層ブロックは、積層後の表面に新たに付与した熱硬化性樹脂により、所定の厚さに積層され、熱プレス法等で圧着される。さらに、必要に応じて熱処理を行い、最適な磁気特性の発現を行う。熱処理の要否の目安としては、モータの回転子等に代表される可動部か、アンテナ等の非可動部品であるかにより判定する。また、熱処理温度は、軟磁性金属薄帯を構成する磁性材料により異なるが、Fe基、Co基などのアモルファス材料では、熱処理温度が最も低く、その温度範囲は、良好な磁気特性を発現させる温度は概ね300℃超〜500℃の範囲にある。Fe基ナノ結晶材料の最適な熱処理温度は400℃〜700℃の範囲にある。熱硬化性樹脂は、軟磁性金属薄帯に付与されているため軟磁性金属薄帯の磁気特性を発現させる最適熱処理温度での熱処理で、熱分解の少ない材料を選定することが望ましい。熱処理温度が300℃超〜500℃のFe基、Co基などの非晶質材料では、耐熱性樹脂としてはエポキシ樹脂、アルキッド樹脂、ポリイミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、イミド変性アクリル樹脂などを用いることが好ましい。
以下、本発明の実施例について示す。
<実施例1〜6>
軟磁性金属薄帯に付与する樹脂の厚さに対する接着強さについて求めた。軟磁性金属薄帯として、日立金属社製、Metglas:2605SA−1(商品名)、幅約213mm,厚み約25μmのFe80Si11(at%)の組成を持つアモルファス薄帯を使用した。この薄帯に約0.1Pa・sの粘度の液状ポリイミド樹脂をバーコータにより所定の厚みに両面塗布し、150℃で乾燥して半硬化させ、積層接着可能な熱硬化性樹脂を薄帯の両面に所定の厚さに塗布した。その後、接着強さ試験および打抜き加工試験を行うために所定の形状に切断し、熱プレス法で250℃1時間の雰囲気中で接着積層を行った。接着強さ試験片は、圧縮せん断接着強さ試験により求めた。打抜きには、超硬材料からなる打抜き金型を準備し、内径25mm、外径40mmのドーナツ形状の形状に打抜いた。その結果を表1に示す。
Figure 2008213410
樹脂厚さを0.5μmから3.0μmまで変化させたときの接着強さ及び打抜き加工性を評価した。接着強さは、比較例1の樹脂の厚みが0.4μmでは、十分な接着強さを得ることができず、打抜き加工で積層体の剥離が生じた。樹脂厚さを厚くするにつれて(実施例1〜6)、接着強さは向上していき、0.8μm以上で十分な接着強度を得ることができた。さらに樹脂厚を厚くしていくと接着強度は十分あるが、軟磁性金属薄帯に比べて軟らかい樹脂の部分の変形が大きくなり、打抜き金型のダイとパンチの隙間に噛み込むようになり、バリが発生するようになった。
<実施例7〜9>
実施例1と同じ軟磁性金属薄帯用いて熱処理温度に対する打抜き加工性の影響を調べた。軟磁性金属薄帯及び樹脂は、実施例1と同様の材料を用い、バーコータにより1.0μmの厚みに両面塗布し、150℃で乾燥して半硬化させ、接着強さ試験および打抜き加工試験を行うために所定の形状に切断し、熱プレス法で150℃〜350℃1時間の雰囲気中で接着積層を行った。その結果を表2に示す。
Figure 2008213410
接着温度を変えた時の接着強さ及び打抜き加工性を評価した。軟磁性金属薄帯同士の接着温度が半硬化の乾燥温度と同じ温度(比較例3)では積層板を得ることができなかった。接着温度が乾燥温度よりも高い温度にすると積層板を得ることができ、良好な接着強度をえられる。また、打抜き加工性も良好である(実施例7〜9)。接着温度をさらに上げると、樹脂の分解によるものと考えられる接着強さの低下と共に軟磁性金属薄帯の脆化が進行し打抜きを行った際にワレの発生が認められた。
<実施例10〜12>
形成する積層板の厚さと打抜き加工性について求めた。軟磁性金属薄帯として、日立金属社製、Metglas:2714A(商品名)、幅約50mm、厚み約12μmのCo66FeNi(BSi)29(at%)の組成を持つアモルファス薄帯を使用した。この薄帯に約0.1Pa・sの粘度の液状ポリアミドイミド樹脂をバーコータにより乾燥後の樹脂厚が1.0μmになるように両面に塗布し、150℃で乾燥して樹脂を半硬化させた。その後、軟磁性金属薄帯を所定の厚さになるように積層し、熱プレス法で250℃1時間の雰囲気中で接着積層を行って本発明の積層板を得た。その後、この積層板の打抜き加工性を評価した。その結果を表3に示す。
Figure 2008213410
積層板の厚さに対する打抜き加工性の影響を調査した。実施例10に示すように積層板の厚さが薄い場合は、良好に打抜くことができた。軟磁性金属薄帯の積層枚数が厚くなるにつれて、打抜きに要する力が増えていく。実施例12では、打抜きにかなりの力を要するものの良好に打抜くことができたが、積層板の厚がそれ以上に厚くなると打抜くことができず、金型に欠けが生じる結果となった。
<実施例13〜15>
磁性材料の種類を変えた場合の接着性と加工性について求めた。軟磁性金属薄帯として、前述の2605SA−1及び2714Aのアモルファス軟磁性金属薄帯に加え、日立金属製のFe−Si−B−Cu−Nb系のナノ結晶材料ファインメットFT−3(商品名)、幅約50mm,厚み約18μmの軟磁性金属薄帯を使用した。この軟磁性金属薄帯に約0.1Pa・sの粘度の液状ポリイミド樹脂をバーコータにより所定の厚みに両面塗布し、150℃で乾燥して半硬化させ、積層接着可能な熱硬化性樹脂を薄帯の両面に所定の厚さに塗布した。その後、接着強さ試験および打抜き加工試験を行うために熱プレス法で250℃1時間の雰囲気中で接着積層を行い、厚さ約100μmの積層板を得た。
Figure 2008213410
磁性材料の種類に対する差を調査した。実施例13〜15に示すように樹脂塗布厚は、占積率が90%以上となるように調整し積層体を作成した。その結果、接着強さ、打抜き加工性、共に良好な結果を得ることができた。
<実施例16>
軟磁性金属薄帯に付与する樹脂の厚さと絶縁耐圧の関係について調査を行った。軟磁性金属薄帯として、日立金属社製、Metglas:2605SA−1(商品名)、幅約213mm,厚み約25μmのFe80Si11(at%)の組成を持つアモルファス薄帯を使用した。この薄帯に約0.1Pa・sの粘度の液状ポリイミド樹脂をバーコータにより所定の厚みに両面塗布し、150℃で乾燥して半硬化させ、積層接着可能な熱硬化性樹脂を薄帯の両面に所定の厚さに塗布した。その後、恒温槽中で250℃1時間の雰囲気中で樹脂の硬化を行った。その後、この1枚の樹脂付き軟磁性金属薄帯の耐電圧の測定を行った。この積層体は、回転機や発電機あるいは、アンテナなどのコアとして使用することを想定しており、外部から磁界が印加された際に発生する渦電流が発生するため、層間絶縁されていることが望ましい。そこで、絶縁耐圧測定により、被覆率の測定を行った。絶縁耐圧測定は、JIS C2110に準拠してφ25mmの円板とφ20の球からなる電極間に軟磁性金属薄帯を挟み、この電極間に所定の電圧を印加したときの絶縁の有無で判定した。また、被覆率は、1枚のシート内に任意の100点を測定し、絶縁有と総測定数の比率により求めた。その結果を図2に示す。図に示すように、樹脂厚が0.5μm以上で絶縁被覆率が80%を超えており、十分な層間絶縁性を有する結果を得た。
本発明の積層板を重ねた積層体の模式図である。 樹脂厚と被覆率との関係を示す図である。
符号の説明
1 積層体
2 軟磁性金属薄帯
3 熱硬化性樹脂

Claims (4)

  1. 厚さが8〜35μmの軟磁性金属薄帯を複数枚積層した積層板であって、金属薄帯間の熱硬化性樹脂の各厚さが0.5μm以上2.5μm以下、積層板の総厚さが50μm以上250μm以下であることを特徴とする打抜き加工用の積層板。
  2. 厚さが8〜35μmの軟磁性金属薄帯に熱硬化性樹脂を厚さが0.5μm以上2.5μm以下となるように塗布して複合薄帯とし、前記複合薄帯を総厚さが50μm以上250μm以下になるように積層して積層板とし、前記積層板を打抜き加工して積層ブロックを得た後、前記積層ブロックを重ねて積層体とすることを特徴とする積層体の製造方法。
  3. 前記熱硬化性樹脂を300℃以下で加熱硬化させ、その後積層板の打抜き加工を行うことを特徴とする請求項2に記載の積層体の製造方法。
  4. 前記軟磁性金属薄帯として、Fe基アモルファス合金材料、Co基アモルファス合金材料、またはFe基ナノ結晶材料を用いたことを特徴とする請求項2又は請求項3に記載の積層体の製造方法。
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