JP2001288449A - 化粧板用接着剤、それを用いた化粧板、および、化粧板の製造方法 - Google Patents

化粧板用接着剤、それを用いた化粧板、および、化粧板の製造方法

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JP2001288449A
JP2001288449A JP2000103469A JP2000103469A JP2001288449A JP 2001288449 A JP2001288449 A JP 2001288449A JP 2000103469 A JP2000103469 A JP 2000103469A JP 2000103469 A JP2000103469 A JP 2000103469A JP 2001288449 A JP2001288449 A JP 2001288449A
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JP2000103469A
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Hideo Ishibashi
秀夫 石橋
Mitsuaki Matsumoto
光顕 松本
Akinori Iwata
顕範 岩田
Koichi Kimura
皓一 木村
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Nippon Paint Co Ltd
Original Assignee
Nippon Paint Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】化粧板の製造に用いた際、表面の平滑性、鮮映
性が良好であり、耐沸水性、耐温水性を確保でき、か
つ、作製直後に重ね置きしても外観に不具合の発生しな
い化粧板用接着剤、それを用いた化粧板、および、化粧
板の製造方法を提供する。 【解決手段】転写シートと基材とを貼り合わせるために
用いられる接着剤であって、上記接着剤が、繊維素誘導
体と、水酸基含有ポリブタジエン系重合体および有機ポ
リイソシアネートとからなることを特徴とする化粧板用
接着剤。また、基材上に、接着剤層または接着剤層およ
びベースコート層と、転写層とを含んでいる化粧板であ
って、上記接着剤層が、先の化粧板用接着剤から得られ
るものであることを特徴とする化粧板。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、住宅やビルディン
グなどの建築物の内装材や外装材等に用いることのでき
る化粧板に利用することができる化粧板用接着剤、それ
を用いた化粧板、および、化粧板の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、住宅やビルディングなどの建築物
の内装材および外壁材として、タイルやパネルなどの化
粧板を用いたものが数多く使用されてきている。
【0003】特開平11−333368号公報には、転
写シートを作成し、基材の上に接着剤を用いて貼り付け
ることにより化粧板を作成できる化粧板用図柄シートが
開示されている。この方法は、従来の複雑な製造工程を
簡略化することが可能とされている。また、この方法で
は、化粧板の製造工程において塗料を用いないので、溶
剤を使用することなく化粧板を製造するすることができ
るという利点があった。
【0004】しかしながら、この方法では、基材表面の
凹凸部を隠蔽できないこと、接着剤の塗布、乾燥時に凹
凸が発生すること、貼り付け後のクリア層硬化時の収縮
によって凹凸が発生することなどの要因により、化粧板
表面の平滑性、鮮映性が低下するという問題があった。
また、化粧板をユニットバス用途に用いられる場合に
は、熱湯(沸水や温水)に対する化粧板の耐性を確保す
ることが困難であり、平滑性、鮮映性の確保との両立が
不可能であった。
【0005】また、作製された化粧板は次々に重ねて保
管されるため、自重により化粧板塗膜に凹みが生じ外観
が低下するという問題があった。
【0006】
【発明が解決しようとしている課題】従って、本発明の
目的は、化粧板の製造に用いた際、表面の平滑性、鮮映
性が良好であり、耐沸水性、耐温水性を確保でき、か
つ、作製直後に重ね置きしても外観に不具合の発生しな
い化粧板用接着剤、それを用いた化粧板、および、化粧
板の製造方法を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、転写シートと
基材とを貼り合わせるために用いられる接着剤であっ
て、上記接着剤が、繊維素誘導体と、水酸基含有ポリブ
タジエン系重合体および有機ポリイソシアネートとを含
んでいることを特徴とする化粧板用接着剤である。ここ
で、繊維素誘導体が、1分子内に2個以上の水酸基を有
するもの、および/または、ポリブタジエン系重合体に
含まれるブタジエン単位構造が1,4−トランスおよび
シス体70〜90mol%、1,2−ビニル体10〜3
0mol%からなるものであることが好ましい。また、
有機ポリイソシアネートが、脂肪族または脂環族イソシ
アネート、例えば、ヘキサメチレンジイソシアネートの
ウレトジオン変性体、ヘキサメチレンジイソシアネート
のイソシアヌレート変性体、これらの混合物、または、
これらの混合物から誘導されるものを含んでいることが
好ましい。さらに、水酸基含有ポリブタジエン系重合体
および/または有機ポリイソシアネートが、予めプレポ
リマー化されていてもよい。
【0008】また、接着剤が、水酸基含有ポリブタジエ
ン系重合体以外の水酸基含有樹脂または化合物、例え
ば、エチレングリコールを含んでいてもよい。
【0009】さらに、接着剤が、無機粒子、例えば、シ
リカ粒子を含んでいてもよい。
【0010】また、本発明は、基材上に、接着剤層また
は接着剤層およびベースコート層と、転写層とを含んで
いる化粧板であって、上記接着剤層が、先の化粧板用接
着剤から得られるものであることを特徴とする化粧板で
ある。
【0011】さらに、本発明は、ベースフィルム上に転
写層と、図柄層および/またはベースコート層とが設け
られている転写シートにおいて、上記ベースフィルムと
反対側の面または基材面に、接着剤によって接着剤層を
形成した後、上記転写シートと前記基材とを貼り合わせ
る工程(1)、上記工程(1)の後、上記ベースフィル
ム側から放射線を照射する工程(2)、上記工程(2)
の後、上記ベースフィルムを剥離する工程(3)によっ
て得ることができる化粧板の製造方法であって、上記接
着剤が先の化粧板用接着剤であることを特徴とする化粧
板の製造方法である。
【0012】
【発明の実施の態様】化粧板用接着剤 本発明の化粧板用接着剤は、転写シートと基材とを貼り
合わせるために用いられる接着剤であって、上記接着剤
が、繊維素誘導体と、水酸基含有ポリブタジエン系重合
体および有機ポリイソシアネートとからなることを特徴
とするものである。
【0013】本発明の化粧板用接着剤に含まれる繊維素
誘導体としては特に限定されず、具体的には、1分子内
に2個以上の水酸基を有するものを挙げることができ、
例えば、カルボン酸変性繊維素誘導体、硝酸変性繊維素
誘導体、硫酸変性繊維素誘導体等を挙げることができる
が、工業的入手の容易さの観点からカルボン酸変性繊維
素誘導体であることが好ましい。
【0014】このようなカルボン酸変性繊維素誘導体と
しては、特に限定されず、具体的には、酢酸変性繊維素
誘導体、プロピオン酸変性繊維素誘導体、酪酸変性繊維
素誘導体、イソ吉草酸変性繊維素誘導体、セルロースア
セテートブチレート等を挙げることができ、セルロース
アセテートブチレートであることが好ましく、市販され
ているものとしては、水酸基を1個含む無水グルコース
4単位構造を複数個有するCAB−551−0.01や
CAB−551−0.2(いずれもイーストマンケミカ
ル社製)等を挙げることができる。
【0015】本発明の化粧板用接着剤の固形分100重
量部中に含まれる上記繊維素誘導体の固形分重量として
は特に限定されないが、10〜80重量部であることが
好ましい。上記固形分が10重量部未満である場合、本
発明の効果が得られない恐れがあり、また、80重量部
を超える場合、化粧板の製造に用いた際、得られる化粧
板の可撓性が低下し、取り扱い中にひび割れする恐れが
ある。
【0016】本発明の化粧板用接着剤に含まれる水酸基
含有ポリブタジエン系重合体としては特に限定されず、
例えば、ブタジエンホモポリマー、ブタジエン−イソプ
レンコポリマー、ブタジエン−スチレンコポリマー、ブ
タジエン−アクリロニトリルコポリマー等を例示するこ
とができるが、粘度の観点から、水酸基含有ブタジエン
ホモポリマーであることが好ましい。上記水酸基含有ブ
タジエンホモポリマーとしては、粘度の観点から、ブタ
ジエン単位構造が1,4−トランスおよびシス体70〜
90mol%、1,2−ビニル体10〜30mol%か
らなる水酸基含有ブタジエンホモポリマーであることが
さらに好ましい。このような水酸基含有ブタジエンホモ
ポリマーとして、市販されているものとしては、例え
ば、Poly bd R−45HT、Poly bd
R−15HT(いずれも出光石油化学社製)等を例示す
ることができる。
【0017】また、本発明の化粧板用接着剤に含まれる
有機ポリイソシアネートとしては特に限定されず、例え
ば、トリレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイ
ソシアネート、ナフチレンジイソシアネート等の芳香族
ポリイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、
α,α,α',α',−テトラメチルキシリレンジイソシ
アネート等のアラルキルポリイソシアネート、ヘキサメ
チレンジイソシアネート、リジンジイソシアネート等の
脂肪族イソシアネート、4,4'−ジシクロヘキシルメ
タンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、
シクロヘキサン−1,4−ジイソシアネート、水素化ト
リレンジイソシアネート等の脂環族ポリイソシアナアア
ート、およびこれらポリイソシアネートの変性体(イソ
シアヌレート、ビュウレット、カルボジイミド、ウレト
ジオンなどの変性体)等、およびこれらの2種類以上の
混合物を例示することができるが、耐候性の観点から、
アラルキルポリイソシアネート、脂肪族ポリイソシアネ
ート、脂環族ポリイソシアネートであることが好まし
く、脂肪族ポリイソシアネート、脂環族ポリイソシアネ
ートであることがさらに好ましい。このようなものとし
て、例えば、イソホロンジイソシアネートを例示するこ
とができる。
【0018】なお、上記水酸基含有ポリブタジエン系重
合体および/または上記有機ポリイソシアネートは、予
めプレポリマー化されていてもよい。上記プレポリマー
化する方法としては特に限定されず、具体的には、ウレ
タン化反応等、当業者によってよく知られた方法を挙げ
ることができる。
【0019】また、本発明の化粧板用接着剤は、必要に
応じて、上記水酸基含有ポリブタジエン系重合体および
上記繊維素誘導体以外の水酸基含有樹脂または化合物を
含むことができる。このような水酸基含有樹脂または化
合物としては特に限定されず、例えば、エチレングリコ
ール、グリセリン、ジエチレングリコール、プロピレン
グリコール、1,6−ヘキサンジオール、トリメチロー
ルプロパン、ペンタエリスリトール、スクロース等の多
価アルコール、および、これら多価アルコールを出発原
料として酸化オレフィンを反応させて得られたポリオキ
シアルキレンポリオールや、これらポリオキシアルキレ
ンポリオールにポリイソシアネートを反応させて官能基
数をさらに増加させたものや、ポリエステルポリオー
ル、アクリルポリオール等を例示することができるが、
硬化反応性の観点から、分子量200以下の多価アルコ
ールや、この多価アルコールを出発原料として酸化オレ
フィンを反応させて得られたポリオキシアルキレンポリ
オール、および、これらポリオキシアルキレンポリオー
ルにさらにポリイソシアネートを反応させて官能基数を
さらに増加させたものが好ましい。上記分子量200以
下の多価アルコールとしては、具体的には、エチレング
リコールを挙げることができる。また、上記多価アルコ
ールを出発原料として酸化オレフィンを反応させて得ら
れたポリオキシアルキレンポリオール、および、これら
ポリオキシアルキレンポリオールにさらにポリイソシア
ネートを反応させて官能基数をさらに増加させたもの
で、市販されているものとしては、例えば、エクセルラ
ミHB−504、エクセルラミHB−502(いずれも
三洋化成社製)等を例示することができる。
【0020】本発明の化粧板用接着剤に含まれる有機ポ
リイソシアネートのイソシアネート基と、水酸基含有ポ
リブタジエン系重合体およびそれ以外の水酸基含有樹脂
の水酸基の和との当量比(NCO/OH比)としては、
例えば、0.8〜3.0であり、0.9〜2.0である
ことがが好ましく、1.0〜1.5であることがさらに
好ましい。上記当量比が0.8未満である場合、接着性
が低下する恐れがあり、3.0を超える場合、粘着性の
増大によって作業性が低下する恐れがある。
【0021】さらに、本発明の化粧板用接着剤は、本発
明の効果を高めるために、無機粒子を含むことができ
る。上記無機粒子としては特に限定されず、具体的に
は、シリカ粒子、アルミナ粒子、シリカアルミナ粒子、
タルク粒子、雲母粒子、長石粒子、粘土鉱物粒子、炭酸
カルシウム粒子、亜鉛華粒子等を挙げることができる
が、分散性の観点から、シリカ粒子であることが好まし
い。このような無機粒子の平均粒子径は特に限定されな
いが、0.01〜50μmであることが好ましい。
【0022】上記無機粒子を含む場合、本発明の化粧板
用接着剤の固形分100重量部中に含まれる上記無機粒
子の固形分重量としては特に限定されないが、0.5〜
75重量部であることが好ましい。上記含有量が0.5
重量部未満である場合、本発明の効果を高めることがで
きない恐れがあり、75重量部を超える場合、化粧板用
接着剤の製造に用いた際、得られる化粧板の可撓性が低
下し、取り扱い中にひび割れする恐れがある。
【0023】本発明の化粧板用接着剤は、上記成分以外
に、さらに、硬化触媒、有機溶剤、熱可塑性樹脂、着色
成分、レベリング剤、分散剤、消泡剤、難燃性付与剤や
増粘剤などの各種添加剤を含むことができる。上記硬化
触媒としては、例えば、スズ系有機金属化合物等の触媒
を例示することができる。また、上記有機溶剤として
は、例えば、トルエン、キシレン、エチルベンゼン等の
芳香族炭化水素系溶剤や、酢酸エチル、酢酸ブチル、プ
ロピルエトキシエチレート、コハク酸ジメチル、グルタ
ル酸ジメチル、アジピン酸ジメチル等のエステル系溶剤
やセルソルブアセテートやカルビトールアセテート等の
エーテル系溶剤、メチルエチルケトン、メチルイソブチ
ルケトン等のケトン系溶剤を例示することができるが、
樹脂の溶解性の観点から、キシレン、トルエン、酢酸エ
チルおよびこれらの混合物であることが好ましい。
【0024】また、上記熱可塑性樹脂としては、例え
ば、ウレタン樹脂、飽和ポリエステル樹脂、エチレン−
ビニルアルコール重合体等のビニル重合体およびこれら
の混合物等を例示することができる。
【0025】上記着色成分としては、例えば、各種染
料、二酸化チタン、弁柄、黄色酸化鉄、カーボンブラッ
ク、フタロシアニンブルー、フタロシアニングリーン、
キナクリドン系顔料、アゾ系顔料等の着色顔料や、タル
ク、シリカ、炭酸カルシウム、沈降性硫酸バリウムなど
の体質顔料等を例示することができる。
【0026】また、本発明の化粧板用接着剤は、貯蔵安
定性の観点から、上記水酸基含有ポリブタジエン系重合
体と上記有機ポリイソシアネートとをそれぞれ別々に保
管しておき、使用直前に混合することが好ましい。
【0027】本発明の化粧板用接着剤の硬化温度として
は、例えば、60〜150℃であり、80〜120℃で
あることが好ましい。また、硬化時間としては、接着剤
の塗布膜厚および硬化温度に応じて、当業者によって適
宜設定することができるが、例えば、0.5〜5分であ
り、1〜3分であることがさらに好ましい。
【0028】化粧板 本発明の化粧板は、基材上に、接着剤層または接着剤層
およびベースコート層と、転写層とを含んでいる化粧板
であって、上記接着剤層が、先の化粧板用接着剤から得
られるものであることを特徴とするものである。
【0029】本発明の化粧板における基材としては、例
えば、住宅やビルディングなどの建築物における内装材
や外壁材などに用いられる基材が挙げられ、具体的に
は、具体的には、石膏ボードなどの石膏系基材類、パル
プセメント板や木片セメント板などの繊維セメント板
類、コンクリート類、鉄やアルミニウムなどの金属板
類、板紙や石膏ボード紙などの紙類、ポリエチレンフィ
ルムやポリプロピレンフィルム等の各種樹脂フィルム
類、木や合板などの木質基材類等が挙げられる。これら
の基材は板状であってもよいし、任意の形状に成形され
たものであってもよい。また、石膏ボード、ケイ酸カル
シウム板、スレート板などの基材などの場合、一般に施
されるシーラー材の塗布やサイディングシーラー材の塗
布および表面平滑化などの下地処理が行われたものであ
ってもよい。
【0030】本発明の化粧板における接着剤層は、先の
接着剤によって上記基材の上に設けられている層であ
り、その膜厚としては特に限定されず、一般には、乾燥
膜厚として、5〜100μmである。上記膜厚が5μm
未満である場合、接着剤としての効果が充分に得られな
い恐れがあり、また、100μmを超える場合、それに
比例した効果が得られないため経済的でなく、また、形
成された接着剤層の乾燥に時間がかかる恐れがある。
【0031】本発明の化粧板におけるベースコート層
は、ベースコート組成物によって上記接着剤層上に設け
られるものであり、その膜厚としては特に限定されず、
一般には、乾燥膜厚として5〜100μmである。上記
膜厚が5μm未満である場合、下地隠蔽性が不充分にな
る恐れがあり、また、100μmを超える場合、それに
比例した効果が得られないため経済的でなく、また、ベ
ースコート層の乾燥に時間がかかる恐れがある。
【0032】上記ベースコート組成物は熱硬化性樹脂成
分および/または熱可塑性樹脂成分を含んでいるもので
ある。上記熱硬化性樹脂成分としては、例えば、水酸基
含有樹脂、カルボキシル基含有樹脂、エポキシ基含有樹
脂、イソシアネート基含有樹脂、および、アミノ基含有
樹脂等、当業者によってよく知られた熱硬化性官能基を
有する熱硬化性樹脂および化合物を例示することができ
る。さらに、上記熱硬化性樹脂および化合物が単独で硬
化性を有しない場合、さらに、硬化剤を含んでいること
が好ましい。このような硬化剤としては、具体的には、
ポリイソシアネート、ポリカルボジイミド化合物、エポ
キシ基含有樹脂、アミノ基含有樹脂等、上記熱硬化性樹
脂の有する熱硬化性官能基の種類に応じて、当業者によ
ってよく知られたものを挙げることができる。
【0033】上記熱可塑性樹脂成分としては、具体的に
は、上記接着剤のところで述べたものを挙げることがで
きる。
【0034】さらに、上記ベースコート組成物は、着色
成分、および、難燃性や付着性等改良のための各種成分
を含んでもよい。
【0035】なお、先の接着剤が着色成分を含んでい
て、この接着剤層だけで得られる化粧板が所望の意匠性
を有することができる場合は、上記ベースコート層は省
略することができる。
【0036】本発明の化粧板において、意匠性の観点か
ら、上記接着剤層上または上記ベースコート層上に図柄
層を設けていてもよい。上記図柄層の膜厚は、特に限定
されるものではないが、一般には、0.1〜5μmに設
定される。上記図柄層の膜厚が0.1μm未満である場
合、図柄自体が不鮮明になり意匠性が低下する恐れがあ
り、また、5μmを超える場合、図柄層による凹凸が目
立つようになり、最終的に得られる化粧板の平滑性が低
下する恐れがある。
【0037】なお、上記図柄層は、不連続な層であって
も、全面を覆うような連続した層であってもよい。
【0038】本発明の化粧板における転写層は、放射線
硬化樹脂組成物によって上記接着剤層または上記ベース
コート層または上記図柄層の上に設けられているもので
あり、その膜厚としては特に限定されず、一般には、乾
燥膜厚として、10〜100μmであり、20〜100
μmが好ましく、30〜50μmがさらに好ましい。上
記膜厚が10μm未満である場合、外観上深み感が減少
して、意匠としての高級感が失われる恐れがあり、ま
た、100μmを超える場合、それに比例した効果が得
られないため経済的でなく、また、硬化後の転写層内に
内部応力によるクラック等が生じる恐れがある。
【0039】上記放射線硬化樹脂組成物は、紫外線や電
子線等によって硬化する放射線硬化樹脂を含んでいる。
このような放射線硬化樹脂としては、具体的には、エチ
レン性不飽和二重結合を分子内に1個以上有する化合物
の単体または混合物等を挙げることができる。このよう
なものとしては、例えば、不飽和ポリエステル樹脂、ポ
リエステルポリアクリレート樹脂、ポリエステルポリメ
タクリレート樹脂、エポキシポリメタクリレート樹脂、
エポキシポリアクリレート樹脂、ポリエステルポリメタ
クリレート樹脂、ウレタンポリアクリレート樹脂、ウレ
タンポリメタクリレート樹脂、アクリルポリアクリレー
ト樹脂、アクリルポリメタクリレート樹脂等を例示する
ことができる。
【0040】上記放射線硬化樹脂組成物を、紫外線の照
射によって硬化させる場合には、さらに、光重合開始剤
を含むことができる。光重合開始剤としては、紫外線硬
化用として通常用いられる公知の光重合開始剤を用いる
ことができる。また、上記光重合開始剤を含まない場合
には、上記放射線硬化樹脂組成物は、一般に電子線の照
射によって硬化させることができる。
【0041】さらに、上記熱硬化性樹脂組成物は、熱硬
化性樹脂成分を含むことができる。上記熱硬化性樹脂成
分は、具体的には、上記ベースコート層で述べたもの挙
げることができる。
【0042】化粧板の製造方法 本発明の化粧板の製造方法は、ベースフィルム上に転写
層と、図柄層および/またはベースコート層とが設けら
れている転写シートにおいて、上記ベースフィルムと反
対側の面または基材面に、接着剤によって接着剤層を形
成した後、上記転写シートと上記基材とを貼り合わせる
工程(1)、上記工程(1)の後、上記ベースフィルム
側から放射線を照射する工程(2)、上記工程(2)の
後、上記ベースフィルムを剥離する工程(3)によって
得ることができる化粧板の製造方法であって、上記接着
剤が先の化粧板用接着剤であることを特徴とするもので
ある。
【0043】上記転写シートは、ベースフィルム上に転
写層、図柄層および/またはベースコート層が設けられ
ている。
【0044】上記転写シートを得る方法としては、例え
ば、上記ベースフィルム上に放射線硬化樹脂組成物を含
んだ塗料を塗布した後、乾燥させて転写層を形成する工
程(A)、上記工程(A)で得られた転写層上に、図柄
層(B)および/またはベースコート組成物を含んだ塗
料を塗布した後、乾燥させてベースコート層を形成する
工程(B’)から得られるものを例示することができ
る。
【0045】上記ベースフィルムは、設けられる転写層
に対して剥離性を有するベースフィルムからなるもので
あり、放射線を透過するものであれば、特に限定される
ものではなく、例えば、ポリエチレンテレフタレート
(PET)樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹
脂などの各種合成樹脂から形成されたフィルム、および
合成紙などの表面処理を施された紙類等からなるものを
挙げることができる。透明性および強度の観点から、こ
のような剥離性を有するベースフィルムとしては、PE
T樹脂フィルムが好ましい。
【0046】上記ベースフィルムの膜厚は、特に限定さ
れるものではないが、一般的に10〜200μmが好ま
しく、25〜100μm程度がさらに好ましい。上記ベ
ースフィルムの膜厚が10μm未満である場合、フィル
ムの強度が不充分になり、得られる転写シートを用いて
化粧板を製造した後、使用時においてベースフィルムを
剥離する際に破断する恐れがあり、また、200μmを
超える場合、それに比例した効果が得られないため経済
的でなく、また、転写層に放射線を照射し硬化させる
際、転写層に到達する放射線の量が減少し、硬化が不充
分になる恐れがある。
【0047】また、転写層の表面に凹凸を形成し、艶消
し調の転写シートを形成する場合には、転写層と接する
面にエンボス加工等を施し凹凸面を形成した上述のベー
スフィルムを、剥離性を有するベースフィルムとして用
いることができる。
【0048】上記工程(A)は、上記ベースフィルム上
に放射線硬化樹脂組成物を含んだ塗料を塗布して転写層
を形成するものである。上記放射線硬化樹脂組成物とし
ては、具体的には、上記転写層で述べたものを挙げるこ
とができる。上記塗料の形態としては、一般に塗装によ
り塗膜として形成することができる塗料であれば特に限
定されないが、塗布の容易さの観点から、水または有機
溶媒等の溶剤成分を含んだ有機溶剤型、水性、エマルジ
ョン型などのいずれかの塗料形態であることが好まし
い。上記ベースフィルムに対する塗料の塗布方法として
は、例えば、刷毛塗り、浸漬コーティング、スプレーコ
ーティング、ロールコーティング、カーテンフローコー
ティングなどの方法が挙げられるが、経済性や得られる
転写層外観の量産安定性の観点から、ロールコーティン
グが好ましい。
【0049】塗布後、さらに、50〜150℃で2〜3
分間乾燥して残留している溶剤成分が除去することによ
って転写層を得ることができる。上記溶剤成分の除去
は、得られた転写層上に他の層を形成する際の付着性の
観点から、充分に行うことが好ましい。
【0050】上記工程(B)は、上記転写層上または上
記ベースコート層上に上記図柄層を形成するものであ
る。上記図柄層の形成方法としては、例えば、上記転写
層またはベースコート層上に転写箔を貼り合わせる方法
や、上記転写層上に直接印刷する方法を例示することが
できる。転写箔を貼り合わせる方法としては、具体的に
は、上記転写箔の図柄が下になり、台紙が上になるよう
に転写層またはベースコート層上に重ね合わせ、加熱や
加圧する方法等を挙げることができる。また、直接印刷
する方法としては、具体的には、上記転写層またはベー
スコート層上にスクリーン印刷やインクジェット法等の
印刷方法によって、所望の図柄を直接印刷する方法等を
挙げることができる。なお、転写層上に転写箔を用いて
図柄層を形成した場合には、上記ベースコート層を形成
する前に、また、ベースコート層上に転写箔を用いて図
柄層を形成する場合には、得られた転写シートを工程
(1)に進める前に、それぞれ上記台紙を剥離しておく
必要がある。
【0051】上記工程(B’)では、まず、上記転写層
上または上記図柄層上に上記ベースコート組成物を含ん
だ塗料を塗布する。上記ベースコート組成物を含んだ塗
料の形態としては、一般に塗装により塗膜として形成す
ることができる塗料であれば特に限定されないが、塗布
の容易さの観点から、水または有機溶媒等の溶剤成分を
含んだ有機溶剤型、水性、エマルジョン型などのいずれ
かの塗料形態であることが好ましい。上記ベースコート
組成物の塗布方法としては、例えば、刷毛塗り、浸漬コ
ーティング、スプレーコーティング、ロールコーティン
グ、カーテンフローコーティングなどの方法が挙げられ
るが、経済性や得られる接着剤層外観の量産安定性の観
点から、ロールコーティングが好ましい。
【0052】さらに、上記転写シートと基材とを貼り合
わせる際の付着性の観点から、得られるベースコート層
内に残留している溶剤成分が除去されるように乾燥され
ることが好ましい。この乾燥は、硬化させるものであっ
てもよく、乾燥温度および乾燥時間は、ベースコート組
成物を含んだ塗料の種類および膜厚によって適宜決定さ
れる。
【0053】なお、上記工程(B)および(B’)は得
られる化粧板の意匠性に応じて、先に上記工程(B’)
を行った後上記工程(B)を行ってもよく、また、その
工程を省略してもよい。例えば、後述の工程(1)での
用いる接着剤が着色成分を含んでいて、上記工程(B)
によって得られる図柄層と相まって、所望の意匠性を有
する化粧板が得られる場合は、上記工程(B’)を省略
することができる。
【0054】このようにして、上記転写シートを得るこ
とができる。
【0055】上記工程(1)は、具体的には、上記転写
シートのベースフィルムと反対側の層の面または基材面
に、上記接着剤によって接着剤層を形成した後、上記転
写シートと基材とを貼り合わせ、所定の温度で上記接着
剤層を加熱硬化させる工程である。
【0056】上記工程(1)では、まず、上記転写シー
トのベースフィルムと反対側の層の面または基材面に、
上記接着剤によって接着剤層を形成する。上記接着剤層
の形成方法としては、例えば、刷毛塗り、浸漬コーティ
ング、スプレーコーティング、ロールコーティング、カ
ーテンフローコーティングによって先の接着剤を塗布す
る方法等が挙げられるが、経済性や得られる接着剤層外
観の量産安定性の観点から、ロールコーティングが好ま
しい。
【0057】上記接着剤が有機溶剤を含んでいる場合、
接着剤層の形成後、付着性の観点から、接着剤層内に残
留している溶剤成分が除去されるように乾燥させること
が好ましい。この乾燥は、硬化させるものではなく、乾
燥温度および乾燥時間は、接着剤の種類および接着剤層
の膜厚によって適宜決定される。また、上記所定の温度
は、上記の接着剤の種類によって決定されるが、省エネ
ルギー、省資源の観点および転写層や図柄層の耐熱性の
観点から、60〜150℃であることが好ましい。
【0058】上記貼り合わせる方法としては、一般に、
ラミネートする方法が行われる。これは、上記接着剤層
を介して、上記転写シートと上記基材とをラミネータと
呼ばれるローラ対の間隙を通して貼り合わせながら一体
化する方法である。上記ローラ対は、一方がゴムロール
であり、他方が金属製ローラであることが好ましい。ラ
ミネートする条件としては特に限定されず、上記ローラ
の材質等に応じて当業者によって設定することができ
る。
【0059】また、上記工程(2)は、上記工程(1)
の後、上記ベースフィルム側から放射線を照射する工程
である。ここで、放射線とは、紫外線または電子線のこ
とであり、上記転写層の放射線硬化樹脂組成物を硬化さ
せるものである。
【0060】上記転写層を硬化するために用いられる放
射線の種類および照射時間は、用いられる放射線硬化樹
脂組成物の種類および照射する放射線の強度によって、
適宜設定される。なお、放射線の照射による放射線硬化
樹脂の硬化は必ずしも完全に行う必要はなく、ベースフ
ィルムを剥離するのに充分な強度を発現する程度でもよ
い。その場合、完全な硬化は、ベースフィルムを剥離し
た後、適時行ってもよい。
【0061】上記工程(3)は、上記工程(2)の後、
上記ベースフィルムを剥離する工程である。なお、この
化粧板の表面のベースフィルムは、得られた化粧板を使
用する際に剥離してもよい。この剥離は、当業者よって
よく知られた方法で行うことができる。
【0062】このように工程(1)、(2)および
(3)によって化粧板を得ることができる。
【0063】
【実施例】 製造例1 放射線硬化樹脂組成物を含んだ塗料の調製 コーポニール1355 67重量部 (日本合成化学社製熱可塑性アクリル樹脂、固形分重量100%) NKエステルA−6HA 60重量部 (新中村化学社製ウレタンポリアクリレート、固形分重量100%) イルガキュア184 5重量部 (チバスペシャリティー・ケミカルズ社製光重合開始剤、固形分重量100% ) トルエン 80重量部 酢酸エチル 50重量部 上記原料を混合し、ホモミキサーにて均一に溶解した
後、酢酸エチルを用いて希釈し、25℃での粘度が25
0cpsになるように調整し、放射線硬化樹脂組成物を
含んだ塗料を得た。
【0064】製造例2 アクリル樹脂溶液の調製 ダイヤナールBR−101(三菱レイヨン社製、数平均
分子量160000、Tg50℃、樹脂固形分100重
量%)30重量部、キシレン50重量部およびイソプロ
ピルアルコール20重量部を混合し、ディスパーを用い
て分散混合し、均一にしてアクリル樹脂溶液を得た。
【0065】製造例3 顔料ペーストの調製 製造例1で得られたアクリル樹脂溶液1を50重量部、
CR−97(石原産業社製二酸化チタン)40重量部、
キシレン5重量部およびイソプロピルアルコール5重量
部を混合し、φ1.3mmガラスビーズを用いてサンド
グラインドミルにて、分散粒子径が10μm未満になる
まで分散し、顔料ペーストを得た。
【0066】製造例4 繊維素誘導体溶液の調製 CAB−551−0.2(イーストマンケミカル社製繊
維素誘導体、数平均分子量30000、樹脂固形分10
0重量%)30重量部、キシレン35重量部およびイソ
プロピルアルコール35重量部を混合し、ディスパーを
用いて分散混合し、均一にして繊維素誘導体溶液を得
た。
【0067】製造例5 ベースコート組成物を含んだ塗
料の調製 製造例2で得られたアクリル樹脂溶液70重量部、製造
例3でで得られた顔料ペースト100重量部および、製
造例4で得られた繊維素誘導体溶液13.4重量部を混
合し、ホモミキサーを用いて10分間撹拌して均一にし
た。さらに、キシレン/イソプロピルアルコール=75
/25(重量比)混合溶媒で希釈し、20℃での粘度が
300cpsであるベースコート組成物を含んだ塗料を
得た。
【0068】製造例6 プレポリマー溶液の調製 撹拌機、温度計および窒素導入管を備えた反応容器に、
Poly bd R−15HT(出光石油化学社製水酸
基含有ポリブタジエンホモポリマー、固形分濃度100
%)522.3重量部、イソホロンジイソシアネート2
77.7重量部およびトルエン200重量部を仕込み、
窒素雰囲気下、撹拌しながら90℃で3時間反応させ
た。次いでジブチルジンジラウラート0.1重量部を加
えてさらに5時間反応させて、イソシアネート基含有量
5.7%の、粘度約2000mPa・sのプレポリマー
を得た。得られたウレタンプレポリマーに樹脂固形分が
80重量%になるように酢酸エチルを加え、プレポリマ
ー溶液を得た。
【0069】実施例1 クリア接着剤1 表1の配合に従って原料を容器に仕込み、ディスパーを
用いて均一に混合し、さらに、酢酸エチルを用いて希釈
し、25℃での粘度が300cpsになるように調整す
ることでクリア接着剤1を得た。
【0070】実施例2 クリア接着剤2 実施例1で得られたクリア接着剤1を80.9重量部、
ニップシールSS−170X(日本シリカ工業社製シリ
カ粒子、平均粒子径3μm)8.3重量部および酢酸エ
チル10.8重量部を容器に仕込み、ディスパーを用い
て均一に混合し、さらに、酢酸エチルを用いて希釈し、
25℃での粘度が300cpsになるように調整するこ
とでクリア接着剤2を得た。
【0071】 実施例3 白色接着剤1 Poly bd R−15HT 10.0重量部 (出光石油化学社製水酸基含有ポリブタジエンホモポリマー、樹脂固形分100 重量%) Poly bd R−45HT 5.0重量部 (出光石油化学社製水酸基含有ポリブタジエンホモポリマー、樹脂固形分100 重量%) 製造例4で得られた繊維素誘導体溶液 33.30重量部 酢酸ブチル 31.70重量部 上記原料を密閉式サンドミルに仕込んで、平均粒子径が
10μmとなる白色ペーストを得た。さらに、得られた
白色ペースト180重量部、実施例1で得られたクリア
接着剤1を156.0重量部、デスモジュールN−34
00を2.50重量部(住友バイエルウレタン社製有機
ポリイソシアネート、樹脂固形分100重量%)および
スミジュールN−3300を5.00重量部(住友バイ
エルウレタン社製有機ポリイソシアネート、樹脂固形分
100重量%)を容器に仕込み、ディスパーを用いて均
一に混合することにより、白色接着剤1を得た。
【0072】実施例4 クリア接着剤3 表1の配合に従って原料を容器に仕込み、ディスパーを
用いて均一に混合し、さらに、酢酸エチルを用いて希釈
し、25℃での粘度が300cpsになるように調整す
ることでクリア接着剤3を得た。
【0073】実施例5 クリア接着剤4 実施例4で得られたクリア接着剤4を80.8重量部、
ニップシールSS−170X(日本シリカ工業社製シリ
カ粒子、平均粒子径3μm)7.3重量部および酢酸エ
チル11.9重量部を容器に仕込み、ディスパーを用い
て均一に混合し、さらに、酢酸エチルを用いて希釈し、
25℃での粘度が300cpsになるように調整するこ
とでクリア接着剤4を得た。
【0074】実施例6 クリア接着剤5 表1の配合に従って原料を容器に仕込み、ディスパーを
用いて均一に混合し、さらに、酢酸エチルを用いて希釈
し、25℃での粘度が300cpsになるように調整す
ることでクリア接着剤5を得た。
【0075】実施例7 クリア接着剤6 実施例6で得られたクリア接着剤5を80.9重量部、
ニップシールSS−170X(日本シリカ工業社製シリ
カ粒子、平均粒子径3μm)8.3重量部および酢酸エ
チル10.8重量部を容器に仕込み、ディスパーを用い
て均一に混合し、さらに、酢酸エチルを用いて希釈し、
25℃での粘度が300cpsになるように調整するこ
とでクリア接着剤6を得た。
【0076】比較例1および2 クリア接着剤7および
表1の配合に従って原料を容器に仕込み、ディスパーを
用いて均一に混合し、さらに、酢酸エチルを用いて希釈
し、25℃での粘度が300cpsになるように調整す
ることでクリア接着剤7および8を得た。
【0077】比較例3 白色接着剤2 ハイボン7662(日立化成ポリマー社製水酸基含有ポ
リウレタン樹脂、固形分重量30%)100重量部と、
CR−97(石原産業社製二酸化チタン)30重量部と
を、密閉式サンドミルに仕込んで分散を行い、平均粒子
径10μmの白色ペーストを得た。これに、スミジュー
ルN−3300(住友バイエルウレタン社製有機ポリイ
ソシアネート、固形分重量100%)5重量部を混合
し、ディスパーにて均一にし、さらに、酢酸エチルを用
いて希釈し、25℃での粘度が300cpsになるよう
に調整し、白色接着剤2を得た。
【0078】製造例7 転写シート1の作製 ベースフィルムとして、ルミラーフィルム(東レ社製P
ETフィルム、膜厚50μm)の上にコンマコーターを
用いて、製造例1にて得られた紫外線硬化樹脂組成物を
含んだ塗料を、乾燥膜厚が50μmとなるように塗布し
た後に、120℃で2分間乾燥することによりPETフ
ィルム上に未硬化状態の転写層を形成した。乾燥後、図
柄の形成された転写箔を、図柄が転写層と重なるように
合わせて、80℃かつ4Kg/cm2にてラミネートし
て、転写層上に膜厚が1μmの図柄層を形成し、転写シ
ート1を得た。
【0079】製造例8 転写シート2の作製 製造例7で得られた転写シート1の表面に、さらに、製
造例5で得られたベースコート組成物を含んだ塗料をコ
ンマコーターを用いて、乾燥膜厚が20μmとなるよう
に塗布した後に、120℃で2分間乾燥することによ
り、転写シート2を得た。
【0080】実施例8 化粧板1 製造例8で得られた転写シート2のベースコート層の上
に、実施例1で得られたクリア接着剤1をコンマコータ
ーを用いて、乾燥後の厚みが20μmとなるように塗装
した後に、120℃で2分間乾燥した。80℃になるよ
うに加温した、アルカリ止めシーラーおよびサンディン
グシーラー処理の施されたスレート基材と、転写シート
の接着剤の塗布された面を重ね合わせ4Kg/cm2
つ120℃でラミネートした。貼り合わせ後に、転写シ
ートのPETフィルム側の面を、集光型反射板を使用し
た120W/cm2の高圧水銀灯の下を10m/分の速
度で通過させることにより転写層を硬化させた。さら
に、スレート板が貼り付けてない転写シートのみの部分
をカッターナイフ等で切り離して化粧板1を得た。な
お、化粧板表面のPETフィルムは手で剥離することが
できた。
【0081】実施例9〜13 化粧板2〜6 実施例1で得られたクリア接着剤1の代わりに、それぞ
れ実施例2および4〜7で得られたクリア接着剤2〜6
を用いたこと以外は、実施例8と同様にして、化粧板2
〜6を得た。なお、いずれの化粧板表面のPETフィル
ムも手で剥離することができた。
【0082】実施例14 化粧板7 製造例7で得られた転写シート1のベースコート層の上
に、実施例3で得られた白色接着剤1をコンマコーター
を用いて、乾燥後の厚みが20μmとなるように塗装し
た後に、120℃で2分間乾燥した。80℃になるよう
に加温した、アルカリ止めシーラーおよびサンディング
シーラー処理の施されたスレート基材と、転写シートの
接着剤の塗布された面を重ね合わせ4Kg/cm2かつ
120℃でラミネートした。貼り合わせ後に、転写シー
トのPETフィルム側の面を、集光型反射板を使用した
120W/cm2の高圧水銀灯の下を10m/分の速度
で通過させることにより転写層を硬化させた。さらに、
スレート板が貼り付けてない転写シートのみの部分をカ
ッターナイフ等で切り離して化粧板7を得た。なお、化
粧板表面のPETフィルムは手で剥離することができ
た。
【0083】比較例4および5 化粧板8および9 実施例1で得られたクリア接着剤1の代わりに、それぞ
れ比較例1および2で得られたクリア接着剤7および8
を用いたこと以外は、実施例8と同様にして、化粧板8
および9を得た。なお、いずれの化粧板表面のPETフ
ィルムも手で剥離することができた。
【0084】比較例6 化粧板10 実施例3で得られた白色接着剤1の代わりに、比較例3
で得られた白色接着剤2を用いたこと以外は、実施例1
4と同様にして、化粧板10を得た。なお、化粧板表面
のPETフィルムも手で剥離することができた。
【0085】評価試験 実施例8〜14および比較例4〜6で得られた化粧板1
〜10について、以下の項目の評価試験を行った。結果
は表2に示した。
【0086】<鮮映性>得られた各化粧板の外観を目視
にて評価した。評価基準は以下の通りとした。 ○:接着剤塗工跡がなく、ユズ肌も見られない ×:接着剤塗工跡やユズ肌が見られる
【0087】<初期層間密着性>得られた各化粧板に、
カッターナイフで4mm角のマス目を16個入れ、セロ
ハンテープによる剥離試験を行ったが、マス目の剥離は
全く見られなかった。
【0088】<耐沸水性>得られた各化粧板を90〜1
00℃の沸水に4時間浸漬した後、60℃で2時間乾燥
する試験を1サイクルとして、10サイクル繰り返した
後の化粧板を、カッターナイフで4mm角のマス目を1
6個入れ、セロハンテープによる剥離試験を行った。評
価基準は以下の通りとした。 ○:剥離したマス目がない ×:剥離したマス目がある
【0089】<耐温水性>得られた各化粧板を60℃の
温水に240時間浸漬した後、60℃で24時間乾燥
し、上記耐沸水試験と同様にして評価した。評価基準も
耐沸水性と同様にした。
【0090】<非タック性>各化粧板を得る際に切り取
ったスレート板に貼り合わされずに残った転写シート
の、接着剤層の面を指触し、非タック性を評価した。 ○:粘着性がない ×:粘着性がある
【0091】<耐ブロッキング性>得られた各化粧板を
70℃に加温したスレート板に挟んでブロッキング試験
機にセットし、70℃にて2Kg/cm2で10分間加
重した。試験終了後、化粧板の外観を目視にて評価し
た。評価基準は以下の通りとした。 ◎:凹み、ユズ肌がない ○:微小径の凹みがわずかに見られる △:径の大きい凹みが見られるが、ユズ肌は見られない ×:径の大きい凹みが多数見られ、ユズ肌も見られる
【0092】
【表1】
【0093】
【表2】
【0094】表2から明らかなように、本発明の化粧板
用接着剤を用いて製造された化粧板は、表面の平滑性、
鮮映性が良好であり、耐沸水性、耐温水性を確保でき、
かつ、製造直後に重ね置きしても外観に不具合の発生し
ない。
【0095】
【発明の効果】本発明の化粧板用接着剤は、繊維素誘導
体と、水酸基含有ポリブタジエン系重合体および有機ポ
リイソシアネートとからなるので、この接着剤を用いて
製造される化粧板は、表面の平滑性、鮮映性が良好であ
る。これは、接着剤に含まれる水酸基含有ポリブタジエ
ン系重合体および有機ポリイソシアネートから形成され
るウレタン骨格が柔軟性に富み、化粧板の製造時に、基
材の凹凸を隠蔽することができることによると考えられ
る。また、得られる化粧板は、耐沸水性、耐温水性に優
れる。これは、ウレタン骨格に加水分解によって結合が
解離する部分がなく、疎水性骨格であることによると考
えられる。
【0096】さらに、得られる化粧板は、製造直後に重
ね置きしても外観に不具合がない。これは、従来接着剤
層の養生不足による硬度の不充分さによって起こってい
たと考えられる。本発明の化粧板用接着剤に含まれる繊
維素誘導体は、形成される接着剤層を一定硬度以上に保
持できることによると考えられる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) B32B 33/00 B32B 33/00 B44C 1/17 B44C 1/17 A B (72)発明者 木村 皓一 大阪府寝屋川市池田中町19番17号 日本ペ イント株式会社内 Fターム(参考) 3B005 EA01 EB05 EC01 EC30 FB11 FB21 FF01 FG11Z FG12Z GA02 GB01 GC03 4F100 AA01B AA20B AE01 AJ02B AK29B AK51B AL05B AR00A AR00B AS00A AT00C BA03 BA07 BA10A BA10C CA23B DE01B EC042 EC182 GB07 GB08 HB00A JK15 JL11B 4J040 EF051 EF181 EF281 EF291 EF331 GA05 HA006 HA032 HA092 HA136 HA196 HA306 HA356 MA08 MB09 NA12

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】転写シートと基材とを貼り合わせるために
    用いられる接着剤であって、前記接着剤が、繊維素誘導
    体と、水酸基含有ポリブタジエン系重合体および有機ポ
    リイソシアネートとを含んでいることを特徴とする化粧
    板用接着剤。
  2. 【請求項2】前記繊維素誘導体が、1分子内に2個以上
    の水酸基を有する、請求項1に記載の化粧板用接着剤。
  3. 【請求項3】前記ポリブタジエン系重合体に含まれるブ
    タジエン単位構造が1,4−トランスおよびシス体70
    〜90mol%、1,2−ビニル体10〜30mol%
    からなるものである請求項1または2に記載の化粧板用
    接着剤。
  4. 【請求項4】前記有機ポリイソシアネートが、脂肪族ま
    たは脂環族イソシアネートを含んでいる請求項1ないし
    3のうちのいずれか1つに記載の化粧板用接着剤。
  5. 【請求項5】前記脂肪族または脂環族イソシアネート
    が、ヘキサメチレンジイソシアネートのウレトジオン変
    性体、ヘキサメチレンジイソシアネートのイソシアヌレ
    ート変性体、これらの混合物、または、これらの混合物
    から誘導されるものである請求項4に記載の化粧板用接
    着剤。
  6. 【請求項6】前記水酸基含有ポリブタジエン系重合体お
    よび/または有機ポリイソシアネートが、予めプレポリ
    マー化されている請求項1ないし5のうちのいずれか1
    つに記載の化粧板用接着剤。
  7. 【請求項7】前記接着剤が、さらに、前記水酸基含有ポ
    リブタジエン系重合体以外の水酸基含有樹脂または化合
    物を含んでいる請求項1ないし6のうちのいずれか1つ
    に記載の化粧板用接着剤。
  8. 【請求項8】前記水酸基含有樹脂または化合物がエチレ
    ングリコールである請求項7に記載の化粧板用接着剤。
  9. 【請求項9】前記接着剤が、無機粒子を含有する請求項
    1ないし8のうちのいずれかに1つに記載の化粧板用接
    着剤。
  10. 【請求項10】前記無機粒子が、シリカ粒子である請求
    項9に記載の化粧板用接着剤。
  11. 【請求項11】基材上に、接着剤層または接着剤層およ
    びベースコート層と、転写層とを含んでいる化粧板であ
    って、前記接着剤層が、請求項1ないし10のうちのい
    ずれか1つに記載の化粧板用接着剤から得られるもので
    あることを特徴とする化粧板。
  12. 【請求項12】ベースフィルム上に転写層と、図柄層お
    よび/またはベースコート層とが設けられている転写シ
    ートにおいて、前記ベースフィルムと反対側の面または
    基材面に、接着剤によって接着剤層を形成した後、前記
    転写シートと前記基材とを貼り合わせる工程(1)、前
    記工程(1)の後、前記ベースフィルム側から放射線を
    照射する工程(2)、前記工程(2)の後、前記ベース
    フィルムを剥離する工程(3)によって得ることができ
    る化粧板の製造方法であって、前記接着剤が請求項1な
    いし10のうちのいずれか1つに記載の化粧板用接着剤
    であることを特徴とする化粧板の製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2008038067A (ja) * 2006-08-09 2008-02-21 Dai Ichi Kogyo Seiyaku Co Ltd 無黄変型粘着性組成物
CN113165330A (zh) * 2018-11-30 2021-07-23 3M创新有限公司 垫材料、其制造方法、无机粘合剂片材、污染控制装置和隔热结构

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