JP2001288321A - ポリビニルアルコール系樹脂組成物 - Google Patents
ポリビニルアルコール系樹脂組成物Info
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Abstract
性、強度、形態安定性に優れた成形物を作製し得る樹脂
組成物を提供すること。 【解決手段】 重合度200〜2000、けん化度85
〜99.5モル%で熱溶融性のポリビニルアルコール系
樹脂100重量部に対し、固体可塑剤を1〜50重量部
含有する樹脂組成物。
Description
ール系樹脂からなる樹脂組成物に関する。さらに詳しく
は、熱溶融成形性、耐湿性、水崩壊性、耐久性、強度、
形態安定性に優れた成形物を作製し得る樹脂組成物に関
する。
は、水崩壊性、力学物性、耐油性、生分解性等に優れて
おり、農業用、土木用、工業用、医療用、包装用、レジ
ャー用、玩具、雑貨、日用品、容器、部品等の幅広い分
野で使用されている。しかしながら、従来、ポリビニル
アルコールは融点と分解温度が近いため、熱溶融成形に
て成形物を製造することが困難であった。また、射出成
形などのように樹脂の流動性を要求される成形方法の場
合、ポリビニルアルコールは融点や溶融粘度が比較的高
いため、成形品の形状が複雑になると完全に樹脂が充填
された成形品を得る事ができず、成形が著しく困難であ
ることが多かった。ポリビニルアルコールに熱溶融性を
付与するため、これまで種々の検討がなされてきた。例
えば、けん化度を下げたり、他のコモノマーを共重合さ
せたり、可塑剤を添加したりすることで融点や溶融粘度
を下げて熱溶融性を付与する方法や重合度を下げて溶融
粘度を低下させる方法等が検討されてきた。
下するため、成形時に酢酸臭や分解臭が発生したり、成
形物にゲルやブツが発生することがあり問題となること
があるばかりか、得られた成形物を高湿度下に放置した
際の強度や弾性率が大きく低下したり、変形したりする
ことがある。また共重合した場合も、得られた成形物を
高湿下で放置した際の強度や弾性率が低下する。さらに
液状の可塑剤を添加して融点や、溶融粘度を下げた場合
も、得られた成形物を高湿下で放置した際の強度や弾性
率が低下したり変形したりすることがあるばかりか、可
塑剤が成形物表面に滲み出たりすることがあり、問題と
なることが多い。また重合度を下げた場合、得られた成
形品の物性、特に耐衝撃性が著しく低下するため、問題
となることとが多かった。
優れた水溶性を維持しながら、上記に示すような高湿度
下での物性や形態安定性を維持する、即ち耐水性を上げ
ることが要求されている。一般的に、けん化度を上げる
などしてビニルアルコール系重合体の耐水性を上げる
と、水溶性が低下し、水溶性を維持しながら耐水性を付
与することは困難であった。フィラーを添加したりする
ことによる検討もなされているが、耐水性、耐湿性、形
態安定性への効果は不十分であった。
ような背景下において、熱溶融成形性、耐湿性、水崩壊
性、、耐久性、強度、形態安定性に優れた成形物を作製
し得る樹脂組成物を提供することにある。
0〜2000、けん化度85〜99.5モル%で、熱溶
融性のポリビニルアルコール系樹脂100重量部、固体
可塑剤1〜50重量部からなる樹脂組成物を提供するこ
とにより達成される。
ルコール系樹脂は、ビニルエステル単独またはビニルエ
ステル共重合体のけん化物である。ここでビニルエステ
ルとしては酢酸ビニルが代表例として挙げられるが、そ
の他にプロピオン酸ビニル、ピバリン酸ビニル、バレリ
ン酸ビニル、カプリン酸ビニル、安息香酸ビニル等のビ
ニルエステルも挙げられる。これらのビニルエステルは
一種あるいは二種以上混合して使用してもよい。
は、炭素数4以下のα−オレフィンで変性されているこ
とが好ましい。α−オレフィンの一例としてエチレン、
プロピレン、n−ブテン、イソブチレン等が挙げられる
が、得られる成形物の耐水性、耐湿性、形態安定性等の
点で、エチレンが好ましい。α−オレフィン、特にエチ
レンを特定量共重合することで、得られる成形物の耐水
性や耐湿性、形態安定性を損なうことなく、ポリビニル
アルコール系樹脂に熱溶融性を付与できるのは驚くべき
ことである。α−オレフィンの含有量は1〜19モル%
であることが好ましく、2〜15モル%であることがよ
り好ましく、3〜12モル%であることが特に好まし
い。α−オレフィンの含有量が1モル%未満では、共重
合による効果が顕著に現れず、熱溶融性が低下すること
がある。一方、α−オレフィンの含有量が19モル%を
超えると、得られた成形物の水崩壊性が低下し、用途に
よっては問題となる場合がある。
系樹脂は、本発明の効果を損なわない範囲で、α−オレ
フィン以外の変性がなされていてもよい。ビニルエステ
ルと共重合可能なビニルモノマーとしてはアクリルアミ
ド、N−メチルアクリルアミド、N−エチルアクリルア
ミド、N,N−ジメチルアクリルアミド等のアクリルア
ミド系単量体;メタクリルアミド、N−メチルメタクリ
ルアミド、N−エチルメタクリルアミド、N,N−ジメ
チルメタクリルアミド等のメタクリルアミド系単量体;
メチルビニルエーテル、エチルビニルエーテル、n−プ
ロピルビニルエーテル、i−プロピルビニルエーテル、
t−ブチルビニルエーテル、ドデシルビニルエーテル等
のビニルエーテル系単量体;アリルアルコール;ビニル
トリメトキシシラン;N−ビニル−2−ピロリドン、イ
ソプロペニルアルコール、7−オクテン−1−オール、
アリルアセテート、イソプロペニルアセテート等が挙げ
られる。
系樹脂の重合度は200〜2000であることが必要で
あり、250〜1500であることが好ましく、300
〜1000であることが特に好ましい。重合度が200
より低いと得られた成形物の物性、特に耐衝撃性や力学
物性が低下する。一方、重合度が2000より高いと、
溶融粘度が高くなり、熱溶融成形が著しく困難となる。
系樹脂のけん化度は、85〜99.5モル%であること
が必要であり、88〜99モル%であることが好まし
く、90〜98.5モル%であることが特に好ましい。
けん化度が85モル%未満では、得られた成形物の耐水
性、耐湿性、形態安定性が低下するばかりか、成形時の
熱安定性が悪くなり、酢酸臭を発生したりすることがあ
る。一方、けん化度が99.5モル%を超えると、成形
物の水崩壊性が低下する。
れらのコモノマーの種類や量、けん化度、重合度のうち
少なくともひとつが異なるポリビニルアルコール系樹脂
を混合して使用してもよい。
系樹脂は、熱溶融性であることが必要である。熱溶融性
とは、熱溶融成形時において著しい劣化やゲル化等の変
質をきたさないような成形条件を設定し得るものであ
り、融点が170〜230℃のポリビニルアルコール系
樹脂が好ましい。融点が170℃未満の場合は、ポリビ
ニルアルコール系樹脂の熱安定性や、耐水性、耐湿性、
形態安定性が低下するため、問題となることがある。一
方、融点が230℃を超えると、ポリビニルアルコール
系樹脂の熱分解温度と近くなるため、成形が困難となる
場合がある。また、190℃〜230℃の範囲のいずれ
かの温度で、2160g荷重におけるメルトフローイン
デックスが0.1〜500g/10分のものが一般的に
用いられる。
るα−オレフィン変性ポリビニルアルコール系樹脂は、
カルボン酸およびラクトン環の含有量が、0.02〜
0.4モル%であることが好ましく、0.022〜0.
37モル%が好ましく、0.024〜0.33モル%が
より好ましく、0.025〜0.3モル%が特に好まし
いことを見出した。本発明におけるカルボン酸はそのア
ルカリ金属塩を包含し、アルカリ金属としてはカリウ
ム、ナトリウムなどがあげられる。カルボン酸およびラ
クトン環の含有量が0.02モル%未満の場合には、ポ
リビニルアルコール系樹脂を熱溶融成形した際の、増
粘、ゲル化が顕著となり、溶融成形性、成形流動性が低
下する場合がある。一方、カルボン酸およびラクトン環
の含有量が0.4モル%を超えると、ポリビニルアルコ
ール系樹脂の熱分解により溶融成形性が悪くなることが
あるばかりか、得られた成形物の耐水性、耐湿性、形態
安定性が低下することがある。
オレフィン変性ビニルアルコール系樹脂の製法として
は、酢酸ビニルなどのビニルエステル系単量体とα−
オレフィンとカルボン酸およびラクトン環を生成する能
力を有する単量体とを共重合して得られたビニルエステ
ル系樹脂を、アルコールあるいはジメチルスルホキシド
溶液中でけん化する方法、メルカプト酢酸、3−メル
カプトプロピオン酸などのカルボン酸を含有するチオー
ル化合物の存在下で、α−オレフィンとビニルエステル
系単量体を重合した後それをけん化する方法、酢酸ビ
ニルなどのビニルエステル系単量体を重合する際に、ビ
ニルエステル系単量体およびビニルエステル系樹脂のア
ルキル基への連鎖移動反応を起こし、高分岐ビニルエス
テル系樹脂を得た後にけん化する方法、エポキシ基を
有する単量体とビニルエステル系単量体との共樹脂をカ
ルボキシル基を有するチオール化合物と反応させた後け
ん化する方法、PVAとカルボキシル基を有するアル
デヒド類とのアセタール化反応による方法などが挙げら
れる。
およびラクトン環の含有量はプロトンNMRのピークか
ら求めることができる。けん化度99.95モル%以上
に完全にけん化後、十分にメタノール洗浄を行い、次い
で90℃減圧乾燥を2日間して分析用のPVAを作製し
た。上記の場合、作成した分析用PVAをDMSO−
D6に溶解し、500MHzのプロトンNMR(JEO
L GX−500)を用いて60℃で測定した。アクリ
ル酸、アクリル酸エステル類、アクリルアミドおよびア
クリルアミド誘導体の単量体は、主鎖メチンに由来する
ピーク(2.0ppm)を用いて、メタクリル酸、メタ
クリル酸エステル類、メタクリルアミドおよびメタクリ
ルアミド誘導体の単量体は、主鎖に直結するメチル基に
由来するピーク(0.6〜1.1ppm)を用いて、常
法により含有量を算出した。フマール酸、マレイン酸、
イタコン酸、無水マレイン酸または無水イタコン酸等に
由来するカルボキシル基を有する単量体は、作成した分
析用PVAをDMSO−D6に溶解後トリフルオロ酢酸
を数滴加え、500MHzのプロトンNMR(JEOL
GX−500)を用いて60℃で測定した。定量は
4.6〜5.2ppmに帰属されるラクトン環のメチン
ピークを用いて常法により含有量を算出した。および
の場合、硫黄原子に結合するメチレンに由来するピー
ク(2.8ppm)を用いて含有量を算出した。の場
合、作成した分析用PVAをメタノール−D4/D2O=
2/8に溶解し、500MHzのプロトンNMR(JE
OL GX−500)を用いて80℃で測定した。末端
のカルボン酸もしくはそのアルカリ金属塩のメチレン由
来ピーク(下記の化1および化2)は2.2ppm(積
分値A)および2.3ppm(積分値B)に帰属し、末
端のラクトン環のメチレン由来ピークは(下記の化3)
は2.6ppm(積分値C)、ビニルアルコール単位の
メチン由来ピークは3.5〜4.15ppm(積分値
D)に帰属し、下記の式でカルボン酸およびラクトン環
の含有量を算出する。ここで△は変性量(モル%)を表
す。 カルボン酸およびラクトン環の含有量(モル%)=50
×(A+B+C)×(100−△)/(100×D)
O−D6に溶解し、500MHzのプロトンNMR(J
EOL GX−500)を用いて60℃で測定した。ア
セタール部分のメチンに由来するピーク4.8〜5.2
ppm(下記の化4)を用いて、常法により含有量を算
出した。
ルアルコール系樹脂100重量部に対し、固体性可塑剤
1〜50部が配合されていることが必要であり、好適に
は3〜45重量部であり、最適には5〜40重量部であ
る。ここで固体性可塑剤とは溶融成形時にはポリビニル
アルコール系樹脂の可塑剤として作用し、成形後には固
体となる物質のことであり、具体的には20℃において
固体であり、かつポリビニルアルコールの融点以上の温
度においては、液状となり、ポリビニルアルコール系樹
脂の成形流動性を改善しうる物質のことであり、水分散
性の物質であることが好ましく、ポリビニルルコールと
溶融混練した際に、分散性、相溶性の良い物質であるこ
とがさらに好ましい。このような物質として、固体多価
アルコール、とくに炭素数3〜30、好適には5〜30
の固体多価アルコールが挙げられ、ソルビトール、マン
ニトール、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリト
ール等が一例として挙げられる。
阻害されない範囲で、グリセリン、ジグリセリンやそれ
らの誘導体、ポリエチレングリコール、水等公知の液体
可塑剤を併用することもできる。液体可塑剤は、ポリビ
ニルアルコール系樹脂組成物の成形流動性や成形物の柔
軟性を改善できるが、添加量が多いと、成形物の耐水性
や耐湿性が低下したり、可塑剤が成形品表面ににじみ出
たりして問題になることがある。添加量はポリビニルア
ルコール系樹脂100重量部に対し、20重量部未満で
あることが好ましく、8重量部未満であることがさらに
好ましい。また、他の添加剤(熱安定剤、紫外線吸収
剤、酸化防止剤、着色剤、滑剤、離型剤、フィラー、増
量材、界面活性剤など)を本発明の目的が阻害されない
範囲で使用できる。
にエラストマーを配合することが好ましいことを見出し
た。即ち固体可塑剤を添加することで、用途によっては
成形物の耐衝撃性や伸度が低下し問題となることがあ
る。エラストマーを添加することで、耐衝撃性や伸度を
向上させることができる。また液体可塑剤のように成形
物の耐水性や耐湿性が低下したり、可塑剤が表面に滲み
出したりすることがない。エラストマーの添加量が少な
いと耐衝撃性や伸度の向上効果が顕著でなくなり、多い
と水崩壊性や強度が低下するため、エラストマーはポリ
ビニルアルコール系樹脂100重量部に対し、通常1〜
50重量部の範囲で添加され、3〜45重量部が好まし
く、5〜40重量部が特に好ましい。
れるポリビニルアルコール系樹脂の耐衝撃性や伸度を向
上しうる物質であり、通常は常温で固体であり、ポリビ
ニルアルコール系樹脂に溶融混練した際の分散性、相溶
性に優れていることが好ましい。また、ポリビニルアル
コール系樹脂の耐衝撃性や伸度を向上しうる物質であれ
ば、樹脂組成物を成形する際に、該エラストマーは溶融
されていても良くそうでなくてもよい。このような物質
の一例としてゴム系ポリマー、ゴム系ポリマーをブレン
ドしたポリオレフィン類等の熱可塑性樹脂、無水マレイ
ン酸やイタコン酸やアクリル酸あるいはグリシジル(メ
タ)アクリレートなどの極性官能基物質を付加あるいは
グラフトしたポリオレフイン等の熱可塑性樹脂が挙げら
れる。
系樹脂組成物及びそれを溶融成形してなる成形物には、
水崩壊性、生分解性、光分解性を有する生分解性樹脂や
汎用樹脂等の他の熱可塑性樹脂を、本発明の目的が阻害
されない範囲でブレンドしたり、積層したりして用いる
ことができる。これら他の熱可塑性樹脂の種類には特に
制限はなく、生分解性樹脂として、ポリ乳酸、ポリエチ
レンサクシネート、ポリブチレンサクシネート、ポリカ
プロラクトン等が一例として挙げられ、汎用樹脂とし
て、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン
や、ポリスチレン、ABS樹脂、ナイロン、ポリエステ
ル樹脂などが挙げられる。
溶融成形することで作製される。成形物の形状や大きさ
に特に制限は無く、用途、目的により適宜選択でき、塊
状、板状、棒状、箱状、円柱状、円筒状、フィルム、ボ
トル、容器、カップ、シート、キャップ等の成形物に加
工される。熱溶融成形法の種類には特に限定が無く、成
形物の形状や用途により、公知の方法の中から適宜選択
される。成形方法の一例として、射出成形法、押出成形
法、Tダイ押出成形法、インフレーション成形法、プレ
ス成形法、中空成形法、真空成形法、圧空成形法などが
挙げられる。
物は熱溶融成形性に優れており、所望の成形方法にて種
々の成形物が作製でき、また得られた成形物は、耐湿
性、水崩壊性、、耐久性、強度、形態安定性に優れてい
るため、農業用、土木用、工業用、医療用、包装用、レ
ジャー用、玩具、雑貨、日用品、容器、部品など様々な
用途で使用される。
らに詳細に説明する。なお、以下の実施例および比較例
において「部」および「%」は、特に断らない限り重量
基準を意味する。また、ポリビニルアルコールの分析方
法は下記の要領で測定した。
726に従った。本発明のエチレン変性量は変性ポリビ
ニルエステルを用いて、カルボン酸およびラクトン環の
含有量はPVAを用いて500 MHz 1H-NMR(JEOL GX-500)
装置による測定から前述のとおり求めた。本発明のPV
Aの融点は、DSC(メトラー社、TA3000)を用
いて、窒素中、昇温速度10℃/分で250℃まで昇温
後室温まで冷却し、再度昇温速度10℃/分で250℃
まで昇温した場合のPVAの融点を示す吸熱ピークのピ
ークトップの温度を調べた。
度8モル%、カルボン酸およびラクトン環含有率0.0
54%のエチレン変性ポリビニルアルコール系樹脂10
0重量部と、固体可塑剤としてペンタエリスリトール2
0部、熱可塑性エラストマー(グリシジルメタアクリレ
ート変性エチレンーエチルアクリレート共重合体){商
品名「レクスパール RA3150」(日本ポリオレフ
ィン社製)}15部をドライブレンド後、2軸押出機を
用い、225℃で溶融混練することでペレットを作製し
た。さらに、ペレットからシリンダー温度、ノズル温度
ともに230℃で、金型温度40℃の条件で射出成形を
行い、縦5cm、横5cm、高さ1cm、肉厚0.8m
mの箱形形状の射出成形品を作製した。成形は1ショッ
トで成形品が6個取りの金型を用いて行った。成形性、
成形品の水崩壊性、耐衝撃性、形態安定性、外観を以下
の基準で評価した。樹脂組成と結果を表1〜2に示す。
なった成形品はなかった。 ○:樹脂がほぼ完全に充填しているが、まれに充填不足
(不良品)となる成形品が認められた。 △:樹脂が充填不足(不良品)となる成形品がかなり認
められた。 ×:全ての成形品において樹脂が充填不足となり、完全
に充填した成形品は全く得られなかった。 (2)水崩壊性 得られた成形品を、30℃の水中に28日間浸漬し、崩
壊程度を目視で観察した。 ◎:成形品のほとんどが崩壊しており、形態をとどめて
いない。 ○:成形品の一部が崩壊し、かなり(指でつぶせる程度
に)膨潤しているが、形態はとどめている。 △:成形品のごく一部が崩壊し、膨潤はわずか(指では
つぶせない程度)である。 ×:成形品はほとんど崩壊しておらず、膨潤も極めて少
ない。もしくは全く膨潤していない。 (3)耐衝撃性 成形品に30gの重り(分銅)を取付け、5℃の恒温槽
で1日温度調節後、コンクリート地面に3m高さから落
下させ、外観変化を以下の基準で評価した。 ◎:割れたり欠けたりすることが全くなく、外観にも変
化がない。 ○:割れたり欠けたりはしなかったが、外観に白化等の
異常が認められた。 :ごく一部が欠けたり、小さな亀裂が認められた。 ×:成形品が破断した。 (4)形態安定性 成形品を20℃、65%RHで28日間放置後、変形程
度を目視で観察し、以下の基準で評価した。 :変形が全く認められない。 ○:変形はほとんど認められない。 △:やや変形が認められる。 ×:かなり変形している。 (5)成形品表面外観 成形品を20℃、65%RHで28日間放置後の成形品
表面を目視で観察し、固体可塑剤、またはグリセリンが
表面に滲み出す程度を目視で観察し、以下の基準で評価
した。 :表面に可塑剤の滲み出しが全く認められない。 :表面にごく僅かに可塑剤の滲み出しが認められる。 ×:表面にかなり可塑剤の滲み出しが認められる。
以外は、実施例1と同様に、射出成形品を作製し、評価
した。樹脂組成と結果を表1〜2に示す。
性度、カルボン酸およびラクトン環含有率が異なる以外
は、実施例1と同様に射出成形品を作製し、評価した。
樹脂組成と結果を表1〜2に示す。
7.8モル%、プロピレン変性度3モル%、カルボン酸
およびラクトン環含有率0.062%であるプロピレン
変性ポリビニルアルコールを用いた以外は、実施例1と
同様に射出成形品を作製し、評価した。樹脂組成と結果
を表1〜2に示す。
した以外は、実施例1と同様に射出成形品を作製し、評
価した。樹脂組成と結果を表1〜2に示す。
に、液状可塑剤であるグリセリン20部を使用する以外
は、実施例2と同様にして射出成形品を作成し。評価し
た。樹脂組成と結果を表1〜2に示す。
久性、強度、形態安定性に優れた成形物を作製し得る樹
脂組成物を提供することができる。
Claims (6)
- 【請求項1】 重合度200〜2000、けん化度85
〜99.5モル%で熱溶融性のポリビニルアルコール系
樹脂100重量部に対し、固体可塑剤を1〜50重量部
含有する樹脂組成物。 - 【請求項2】 ポリビニルアルコールが炭素数4以下の
α−オレフィン1〜19モルを主鎖に含有するポリビニ
ルアルコールである請求項1記載の樹脂組成物。 - 【請求項3】 α−オレフィンがエチレンである請求項
2に記載の樹脂組成物。 - 【請求項4】 ポリビニルアルコール系樹脂がカルボン
酸およびラクトン環を0.02〜0.4モル%を含有す
る請求項2または3項に記載の樹脂組成物。 - 【請求項5】 ポリビニルアルコール系樹脂100重量
部に対し、エラストマーを1〜50重量部さらに含有す
る請求項1〜4のいずれか1項に記載の樹脂組成物。 - 【請求項6】 請求項1〜5のいずれか1項に記載の樹
脂組成物を溶融成形してなる成形物。
Priority Applications (1)
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---|---|---|---|
JP2000100615A JP4472100B2 (ja) | 2000-04-03 | 2000-04-03 | ポリビニルアルコール系樹脂組成物 |
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