JP2001280185A - 内燃機関の始動制御装置およびこれを備える車両 - Google Patents

内燃機関の始動制御装置およびこれを備える車両

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JP2001280185A JP2000097183A JP2000097183A JP2001280185A JP 2001280185 A JP2001280185 A JP 2001280185A JP 2000097183 A JP2000097183 A JP 2000097183A JP 2000097183 A JP2000097183 A JP 2000097183A JP 2001280185 A JP2001280185 A JP 2001280185A
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cylinder
fuel
internal combustion
combustion engine
pressure
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JP2000097183A
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Kiyoo Hirose
清夫 広瀬
Senji Katou
千詞 加藤
Atsushi Takahashi
淳 高橋
Yukiichi Ito
之一 伊藤
Toru Kitamura
融 北村
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Toyota Motor Corp
Original Assignee
Toyota Motor Corp
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    • Y02TCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES RELATED TO TRANSPORTATION
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  • Electrical Control Of Ignition Timing (AREA)
  • Output Control And Ontrol Of Special Type Engine (AREA)
  • Control Of Vehicle Engines Or Engines For Specific Uses (AREA)
  • Electrical Control Of Air Or Fuel Supplied To Internal-Combustion Engine (AREA)
  • Combined Controls Of Internal Combustion Engines (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 内燃機関の始動性を向上させると共に内燃機
関始動時における排気ガス特性を向上させること。 【解決手段】制御ユニット70は、エンジン10の始動
に際して、燃圧センサ50から検出された燃圧、クラン
クポジションセンサ54からのクランク角信号位置およ
びカムポジションセンサ52からの気筒判別信号に基づ
く気筒判別結果に基づいて、燃料噴射を実行するシリン
ダ101を決定する。制御ユニット70は、決定したシ
リンダ101に対してインジェクタ12を介して高燃圧
の燃料を噴射する。シリンダ101の圧縮行程後期に燃
料噴射を実行した場合には、最初の点火時期にエンジン
10を始動させることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、内燃機関の始動制
御の技術に関し、特に、気筒内に燃料が直接噴射される
直噴型内燃機関に好適な始動制御技術に関する。
【0002】
【従来の技術】車両の運転状態に応じて内燃機関の燃焼
状態をより正確に制御するために気筒内に直接燃料を噴
射する直噴型の内燃機関が実用化されている。直噴型の
内燃機関では、一般的に、内燃機関の低負荷領域におい
て成層燃焼を実行することにより内燃機関の燃費を向上
させている。この成層燃焼は、圧縮行程において燃料噴
射を実行することで実現されており、燃料を噴射するに
当たっては圧縮行程における筒内圧力の上昇に打ち勝つ
よう高い燃料圧力(燃圧)にて燃料を噴射することが要
求される。ところが、この高い燃圧は、一般的に、運転
中の内燃機関により駆動される機械式ポンプ(高圧ポン
プ)によって生成されており、内燃機関の運転を停止し
た場合には時間の経過と共に生成された燃圧が低下する
場合がある。
【0003】そこで、このような直噴型の内燃機関にお
いても、始動時には、従来の内燃機関の同様にして燃圧
の低い燃料を吸気行程で気筒内に噴射することにより、
内燃機関の始動時における燃圧不足の問題を回避してい
る(特開平8−312401号公報)。あるいは、気筒
内に何度も燃料を噴射して燃料を十分に霧化させた後に
点火処理を実行することで内燃機関の始動時における燃
圧不足の問題を回避している(特開平11−27038
7号公報)。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、直噴型
の内燃機関を採用しながら内燃機関の始動時に吸気行程
で燃料を噴射する場合には、点火は圧縮行程を経てから
しか実行されないため、内燃機関の迅速な始動を期待す
ることができなかった。一方、クランキング開始直後に
点火時期を迎える気筒(圧縮行程後期の気筒)に燃料を
噴射しようとすれば、燃圧が不足する場合があり、必ず
しも始動を早めることにはならない。特に、車両状態に
応じて内燃機関のアイドリング運転を停止・再開させる
アイドリングストップ機能を備える車両では、内燃機関
の始動の遅れは円滑な車両の再走行を妨げることにな
る。
【0005】本発明は、上記問題を解決するためになさ
れたものであり、内燃機関の始動性を向上させることを
目的とする。また、内燃機関始動時における排気ガス特
性を向上させることを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段およびその作用・効果】上
記の課題を解決するために本発明の第1の態様は、内燃
機関を動力源とする昇圧装置によって昇圧された燃料を
気筒内に直接噴射する燃料噴射弁を備える内燃機関の始
動時燃料噴射制御装置を提供する。本発明の第1の態様
に係る燃料噴射であって、始動時に前記燃料噴射弁によ
って噴射可能な燃料の圧力を検出する燃圧検出手段と、
前記検出された燃料の圧力に応じて燃焼サイクルにおけ
る燃料噴射の時期を決定する燃料噴射時期決定手段と、
前記決定された燃料噴射時期に前記燃料噴射弁を介して
燃料を噴射する噴射制御手段とを備えることを特徴とす
る。
【0007】本発明の第1の態様に係る始動時燃料噴射
制御装置は、検出された燃料の圧力に応じて燃焼サイク
ルにおける燃料噴射の時期を決定し、決定した燃料噴射
時期に燃料噴射弁を介して燃料を噴射するので、内燃機
関の始動時であっても、燃圧に応じて燃焼サイクルの適
切な時期に燃料噴射を実行することができる。
【0008】本発明の第1の態様に係る内燃機関の始動
時燃料噴射制御装置において、前記内燃機関は複数の気
筒を有し、各気筒には前記燃料噴射弁がそれぞれ配置さ
れており、前記燃料噴射制御装置はさらに、前記燃料噴
射時期決定手段により決定された噴射時期にある気筒を
前記複数の気筒の中から判別する気筒判別手段を備える
ことができる。前記燃料噴射時期決定手段は、前記燃料
の圧力が第1の圧力以上の場合には、圧縮行程を燃料噴
射時期に決定することができる。また、前記燃料噴射時
期決定手段は、前記燃料の圧力が前記第1の圧力未満の
場合には、吸気行程を燃料噴射時期に決定することがで
きる。
【0009】このような構成を備えることにより、燃圧
が第1の圧力、例えば、5MPa以上の場合には、最初
の点火時期に燃料噴射を実行することが可能となり、内
燃機関の始動性を向上させることができる。また、燃圧
が第1の圧力未満の場合には、次の点火時期に燃料噴射
を実行することが可能となり、吸気行程にて確実に燃料
を気筒内に供給しつつ内燃機関の始動タイミングを早め
ることができる。また、圧縮行程または吸気行程にある
気筒に対して燃料を噴射するので未燃焼ガスを排出する
ことがなく、排気ガス特性を向上させることができる。
【0010】本発明の第1の態様に係る始動時燃料噴射
制御装置において、前記燃料噴射時期決定手段は、前記
燃料の圧力が前記第1の圧力よりも高い第2の圧力以上
の場合には、圧縮行程後半を燃料噴射時期に決定するが
できる。また、前記燃料噴射時期決定手段は、前記燃料
の圧力が前記第2の圧力未満であって前記第1の圧力以
上の場合には、圧縮行程前半を燃料噴射時期に決定する
ことができる。
【0011】このような構成を備えることにより、燃圧
が第2の圧力、例えば、10MPa以上の場合には、間
もなく点火時期を迎える圧縮行程後半に燃料噴射を実行
することが可能となり、より内燃機関の始動を迅速に行
うことができる。また、燃圧が第2の圧力未満の場合に
も、吸気行程よりも点火時期に近い圧縮行程初期に燃料
噴射を実行することができるので、内燃機関の始動性を
向上させることができる。
【0012】本発明の第1の態様に係る始動時燃料噴射
制御装置はさらに、前記気筒内の圧力を検出する筒内圧
力検出手段と、前記内燃機関の始動要求が車両の発進を
要求する車両発進要求に基づくものであるか否かを判定
する始動要求判定手段とを備え、前記噴射制御手段は、
前記始動要求が車両発進要求に基づくものではないと判
定された場合には、前記検出された筒内圧力が所定値以
下となった後に、前記判別された気筒に対する燃料噴射
を開始するようにしても良い。
【0013】このような構成を備える場合には、気筒内
に吸入される空気量が減少したところで最初の燃料噴射
および爆発燃焼を実行することができるので、燃焼圧力
を低減することが可能となり、車両側要求による内燃機
関の始動に伴う振動等を抑制することができる。
【0014】本発明の第2の態様は、複数の気筒を有す
ると共に、各気筒には内燃機関を動力源とする昇圧装置
によって昇圧された燃料を気筒内に直接噴射する燃料噴
射装置が配置されている内燃機関の始動制御装置を提供
する。本発明の第2の態様に係る始動制御装置は、前記
燃料噴射装置によって噴射される燃料の圧力を検出する
燃圧検出手段と、前記複数の気筒のうち圧縮行程にある
圧縮行程気筒を判別する気筒判別手段と、前記気筒判別
手段による判別結果、および前記検出された燃料の圧力
とに基づいて、前記内燃機関の始動時に最初に燃料を噴
射する初回噴射気筒を決定する初回噴射気筒決定手段
と、前記決定された初回噴射気筒に対して前記燃料噴射
装置を介して燃料を噴射すると共に点火を実行して前記
内燃機関を始動させる始動手段とを備えることを特徴と
する。
【0015】本発明の第2の態様に係る始動制御装置に
よれば、気筒判別手段による判別結果、および検出され
た燃料の圧力とに基づいて、内燃機関の始動時に最初に
燃料を噴射する初回噴射気筒を決定し、決定した初回噴
射気筒に対して燃料噴射装置を介して燃料を噴射すると
共に点火を実行することができる。したがって、内燃機
関の始動時においても圧縮行程において燃料噴射し、点
火による爆発燃焼を実行することが可能となり、内燃機
関の始動タイミングを早めることができる。なお、内燃
機関の燃焼サイクルにおける各行程は各々関連付けられ
ており、例えば、圧縮行程気筒の判別にあたっては、圧
縮行程気筒を直接判別する他、吸気行程気筒を判別する
ことによっても可能である。
【0016】本発明の第2の態様に係る始動制御装置に
おいて、前記初回噴射気筒決定手段は、前記検出された
燃料の圧力が第1の圧力以上の場合には、前記気筒判別
手段により判別された前記圧縮行程気筒を初回噴射気筒
に決定することができる。また、前記検出された燃料の
圧力が前記第1の圧力未満であって第1の圧力よりも低
い第2の圧力以上の場合には、前記圧縮行程気筒の次に
圧縮行程を迎える次期圧縮行程気筒を初回噴射気筒に決
定することができる。さらに、前記検出された燃料の圧
力が前記第2の圧力未満の場合には、前記次期圧縮行程
気筒の次に圧縮行程を迎える次次期圧縮行程気筒を初回
噴射気筒に決定することができる。
【0017】このような構成を備えることにより、燃圧
に応じて最も早い時期に点火時期を迎える気筒に対して
燃料噴射を実行することが可能となり、内燃機関の始動
タイミングを早めることができる。なお、第2の態様に
おける第1の圧力は、例えば、5MPaであり、第2の
圧力は10MPaである。
【0018】本発明の第2の態様に係る始動制御装置に
おいても、内燃機関の始動時における振動を低減するた
めに、第1の態様に係る始動時燃料噴射制御装置と同様
に、気筒内の圧力が所定値以下となるまで初回噴射気筒
に対する燃料噴射の時期を遅延させても良い。
【0019】本発明の第3の態様は、複数の気筒を有す
ると共に、各気筒には内燃機関を動力源とする昇圧装置
によって昇圧された燃料を気筒内に直接噴射する燃料噴
射装置が配置されている内燃機関の始動制御装置を提供
する。本発明の第3の態様に係る始動制御装置は、前記
燃料噴射装置によって噴射される燃料の圧力を検出する
燃圧検出手段と、前記複数の気筒のうち圧縮行程または
排気行程の初期行程にある特定の気筒群を識別する気筒
群識別手段と、前記特定の気筒群が識別された後に、前
記特定の気筒群のうち圧縮行程にある圧縮行程気筒を判
別する気筒判別手段と、前記気筒群識別手段による識別
結果、前記気筒判別手段による判別結果、および前記検
出された燃料の圧力とに基づいて、前記内燃機関の始動
時に最初に燃料を噴射する初回噴射気筒を決定する初回
噴射気筒決定手段と、前記決定された初回噴射気筒に対
して前記燃料噴射装置を介して燃料を噴射すると共に点
火を実行して前記内燃機関を始動させる始動手段とを備
えることを特徴とする。
【0020】本発明の第3の態様に係る始動制御装置に
よれば、複数の気筒のうち圧縮行程または排気行程の初
期行程にある特定の気筒群を識別することができるの
で、気筒判別が完了前であっても気筒判別時に圧縮行程
を迎える気筒に対して予備的に燃料を噴射することがで
きる。これにより、燃圧の側面から気筒判別時には燃料
の噴射が不可能な場合であっても、最初の点火時期にあ
わせて気筒内に燃料を供給することが可能となり、内燃
機関の始動性を向上させることができる。
【0021】本発明の第3の態様に係る始動制御装置に
おいて、前記初回噴射気筒決定手段は、前記特定の気筒
群が識別されているが前記圧縮行程気筒が判定されてお
らず、前記検出された燃料の圧力が第1の圧力以上の場
合には、前記気筒判別手段による気筒の前記圧縮行程気
筒の判別を待機し、前記圧縮行程気筒が判別された際に
は前記圧縮行程気筒を初回噴射気筒に決定することがで
きる。また、前記検出された燃料の圧力が前記第1の圧
力未満であって第1の圧力よりも低い第2の圧力以上の
場合には、前記識別された特定の気筒群を初回噴射気筒
に決定することができる。さらに、前記検出された燃料
の圧力が前記第2の圧力未満の場合には、前記特定の気
筒群の次に圧縮行程または排気行程を迎える気筒群を初
回噴射気筒に決定することができる。
【0022】このような構成を備えることにより、燃圧
が第1の圧力、例えば、10MPa以上の場合には、気
筒判別完了を待って圧縮行程での燃料噴射を実行し、最
初の点火時期に点火することができる。また、燃圧が第
1の圧力未満であって第2の圧力、例えば、5MPa以
上の場合には、気筒判別後に最初に圧縮行程にある気
筒、すなわち、最初に点火時期を迎える気筒に対して、
燃圧の側面から燃料供給可能な時期に気筒内に燃料を供
給することが可能となると共に、内燃機関の始動タイミ
ングを早めることができる。さらに、燃圧が第2の圧力
未満の場合には、気筒判別後に2回目の圧縮行程を迎え
る気筒、すなわち、第2の点火時期を迎える気筒に対し
て、燃圧の側面から燃料供給可能な時期に気筒内に燃料
を供給することが可能となると共に、可能な限り早い時
期に内燃機関を始動させることができる。
【0023】本発明の第4の態様は本発明の第1の態様
に係る燃料噴射制御装置を備える車両を提供する。ま
た、本発明の第5の態様は本発明の第2または第3の態
様に係る始動制御装置を備える車両を提供する。かかる
構成を備える場合には、迅速な車両発進が可能となる。
【0024】本発明の第4および第5の態様に係る車両
はさらに、車両の状態応じて前記内燃機関のアイドリン
グ運転を停止し、アイドリング運転を停止した前記内燃
機関の運転を再開するアイドリング制御手段を備え、前
記内燃機関の運転の再開に際しては、前記燃料噴射制御
装置または前記始動制御装置によって前記内燃機関に対
する燃料の供給が制御されるようにしても良い。このよ
うな構成を備えることにより、アイドリング運転停止後
における迅速な車両の再発進が可能となる。
【0025】本発明の第6の態様は、複数の気筒を有す
ると共に、各気筒には内燃機関を動力源とする昇圧装置
により昇圧された燃料を気筒内に直接噴射する燃料噴射
装置が配置されている内燃機関における始動制御方法を
提供する。本発明の第6の態様に係る方法は、前記燃料
噴射装置によって噴射可能な燃料の圧力を検出し、前記
複数の気筒のうち特定の気筒群が圧縮行程または排気行
程の初期行程にあることを示す気筒群識別信号を検出
し、前記特定の気筒群のうち圧縮行程にある圧縮行程気
筒を判別するための気筒判別信号を検出し、前記気筒群
識別信号と、前記気筒群識別信号を検出した後に検出し
た気筒判別信号と、前記検出した燃料の圧力とに基づい
て、前記内燃機関の始動時に最初に燃料を噴射する初回
噴射気筒を決定し、前記初回噴射気筒が点火時期を迎え
る前に、前記気筒群識別信号と気筒群識別信号を検出し
た後に検出した気筒判別信号とに基づいて点火気筒を決
定し、前記決定した初回噴射気筒に対して前記燃料噴射
装置を介して燃料を噴射すると共に前記点火気筒に対し
て点火を実行して前記内燃機関を始動させことを特徴と
する。
【0026】本発明の第6の態様に係る方法によれば、
複数の気筒のうち圧縮行程または排気行程の初期行程に
ある特定の気筒群を識別することができるので、気筒判
別が完了前であっても気筒判別時に圧縮行程を迎える気
筒に対して予備的に燃料を噴射することができる。これ
により、燃圧の側面から気筒判別時には燃料の噴射が不
可能な場合であっても、最初の点火時期にあわせて気筒
内に燃料を供給することが可能となり、内燃機関の始動
タイミングを早めることができる。
【0027】なお、本発明の第1および第2の態様につ
いてもそれぞれ同様に方法として本発明を特定すること
ができ、それぞれ、本発明の第1および第2の態様と同
等の作用ならびに効果を奏することができる。
【0028】
【発明の実施の形態】以下、本発明に係る内燃機関の始
動制御装置について図面を参照しつつ実施例に基づいて
説明する。
【0029】図1および図2を参照して本実施例に係る
始動制御装置を含むアイドリングストップ制御装置が用
いられ得る車両の概略構成について説明する。図1は第
1の実施例が適用される車両の概略構成を示すブロック
図である。図2はエンジンまわりの概略構成を示す説明
図である。
【0030】車両は、動力源としてのエンジン(内燃機
関)10、エンジン10の出力トルクを増幅するトルク
コンバータ20、最大減速比と最小減速比の間で減速比
を自動的に有段階に変更可能な自動有段変速装置(A
T)22とを備えている。エンジン10はクランクシャ
フト(出力軸)11を介してトルクコンバータ20の動
力入力軸と結合されており、トルクコンバータ20の動
力出力軸は、AT22の動力入力軸と結合されており、
AT22の動力出力軸はドライブシャフト24と結合さ
れている。ドライブシャフト24はディファレンシャル
ギヤ(ファイナルギヤを含む)25および車軸26を介
して車輪27と結合されている。
【0031】エンジン10は、図2に示すように、燃料
(例えば、ガソリン燃料)がシリンダ101内に直接噴
射される形式の直噴式ガソリンエンジンである。エンジ
ン10のシリンダヘッド102は、ガソリン燃料をシリ
ンダ101内に噴射するための高圧式インジェクタ1
2、シリンダ101内に噴射されたガソリンと吸入され
た空気とによって形成される混合気に点火するための点
火プラグ13を備えている。高圧式インジェクタ12に
はエンジン10によって駆動される高圧燃料ポンプ19
によって昇圧された高圧力のガソリン燃料がデリバリパ
イプ18を介して供給されており、制御ユニット70か
らの噴射信号に基づいて高圧式インジェクタ12が開弁
するとシリンダ101内にガソリン燃料が噴霧される。
デリバリパイプ18にはデリバリパイプ内の燃料の圧力
(燃圧)、すなわち、高圧式インジェクタ12から噴射
可能な燃圧Pfを検出する燃圧センサ50が備えられて
いる。点火プラグ13には制御ユニット70からの点火
信号に基づきイグナイタ14から高電圧が供給される。
なお、点火信号は気筒判別が完了した後に制御ユニット
70からイグナイタ14に送信される。
【0032】また、エンジン10のシリンダヘッド10
2は、吸入空気をシリンダ101内に導入する吸気ポー
ト103、燃焼ガスをシリンダ101外へ排出する排気
ポート104、吸気ポート103とシリンダ101とを
連通または遮断する吸気バルブ110、排気ポート10
4とシリンダ101とを連通または遮断する排気バルブ
111を備えている。吸気ポート103には外部空気を
導入するための吸気管120が結合されている。吸気管
120には吸気圧力センサ51を有するサージタンク1
21、シリンダ101内への吸入空気量を調整するスロ
ットルバルブ122が備えられている。吸気バルブ11
0および排気バルブ111は、カムシャフト112に備
えられているカム113によって所定のタイミングで開
閉駆動される。吸気バルブ110にはバルブ開閉タイミ
ングを最遅角位置から最進角位置まで連続可変的に変更
する可変バルブタイミング機構が備えられている。カム
シャフト112の近傍には気筒判別のための気筒判別信
号を出力するカムポジションセンサ52が配置されてい
る。
【0033】エンジン10のシリンダブロック105に
は、エンジン10を冷却する冷却液温度を検出するため
の冷却液温度センサ53が備えられている。クランクシ
ャフト11には、クランクシャフト11のクランク位
置、クランク角速度を検出するクランクポジションセン
サ54が備えられている。クランクポジションセンサ5
4は、外周部に上死点(TDC)を検出するための欠歯
部を含む信号歯が形成されているクランクシャフトタイ
ミングプーリ541と、信号歯の通過を検出して30°
CA(クランク角度)毎にクランク回転信号を出力する
MPU式の電磁ピックアップ542とを備えている。
【0034】エンジン10の周囲には、ウォータポン
プ、エアコン用コンプレッサ、パワーステアリング用ポ
ンプ等の補機30、ならびにアイドリングストップ処理
によるエンジン停止時に補機30を駆動するための補機
駆動用モータ(電動機)31が配置されている。各補機
30の動力入力軸、エンジン10のクランクシャフト1
1の一端にはプーリ160、161がそれぞれ装着され
ている。エンジン10のプーリ161と補機駆動用モー
タ31のプーリ162には、補機駆動用モータ31によ
ってエンジン10を始動させるための伝動ベルト16が
架装されている。プーリ161とプーリ162のプーリ
比は一般的に、1:2〜1:3程度である。各プーリ1
60,161には伝動ベルト17が架装されており、こ
の伝動ベルト17を介してエンジン10の出力が補機3
0の動力入力軸に伝達され、また伝動ベルト16および
伝動ベルト17を介して補機駆動用モータ31の出力が
補機30の動力入力軸に伝達される。なお、伝動ベルト
16、17としては、断面形状が台形であるいわゆるV
ベルト、あるいは厚みがVベルトよりも薄く幅広である
と共にその回転方向に沿ってV字状の溝が複数本形成さ
れている、いわゆるVリブベルト等が用いられており、
温度に依存して衝撃、振動等の吸収特性が変化する材料
が用いられている。
【0035】クランクシャフト11とプーリ161との
間には湿式多板式の電磁式クラッチ15が介装されてい
る。電磁式クラッチ15は、クラッチプレート151と
フライホイール152とを備え、図1に示すようにプー
リ161と別に備えられても良いし、プーリ161に内
蔵されても良い。この電磁式クラッチ15によって、ク
ランクシャフト11と伝動ベルト16との間における動
力伝達の切断および接続が実現される。また、電磁式ク
ラッチ15には、継合時に生じる衝撃、振動の軽減を図
るため図示しないダンパが内蔵されている。
【0036】車両走行時、あるいは、エンジン10が運
転している状態での車両停止時には、電磁式クラッチ1
5は継合されてクランクシャフト11の駆動力が伝動ベ
ルト17に伝達されるので補機30はエンジン10によ
って駆動される。一方、アイドリングストップ処理によ
るエンジン10の運転停止時には、電磁式クラッチ15
は解放されて、クランクシャフト11とプーリ161と
は機械的に分断され、補機30は伝動ベルト16および
プーリ161を介して補機駆動用モータ31によって駆
動される。このとき、クランクシャフト11はプーリ1
61、伝動ベルト16、17とは機械的に分断されてい
るため、補機駆動用モータ31はクランクシャフト11
を駆動する必要はなく、補機駆動用モータ31に掛かる
負荷が軽減される。
【0037】補機駆動用モータ31は固定子側に三相コ
イルを有する三相式モータであり、エンジン10を再始
動させる際にクランクシャフト11を駆動する駆動力源
ならびに補機30を駆動する駆動力源として機能すると
共に、エンジン10の運転時にはエンジン10によって
駆動されて発電するオルタネータとして機能する。補機
駆動用モータ31は、制御ユニット70からの駆動信号
に基づきインバータ200によって駆動制御される。イ
ンバータ200は、高電圧バッテリ210およびDC/
DCコンバータ220と接続されている。高電圧バッテ
リ210は専ら補機駆動用モータ31を駆動するための
電源として用いられ、補機駆動用モータ31がオルタネ
ータとして機能しているときには発電された電力を蓄電
する。DC/DCコンバータ220は、制御ユニット7
0と接続されており、高電圧バッテリ210の電圧また
は補機駆動用モータ31によって発電された電力の電圧
を降圧してバッテリ230を充電する。バッテリ230
は、後述する始動用モータ41、オイルポンプ駆動モー
タ45、および制御ユニット70等を駆動するための電
源として用いられる。なお、本実施例では、補機駆動用
モータ31を駆動するための高電圧バッテリ210と制
御ユニット70、その他のモータ41、45を駆動する
ためのバッテリ230とを各々備えているが、高電圧バ
ッテリ210のみを備えて、制御ユニット70、その他
のモータ41、45に対してはDC/DCコンバータ2
20を介して降圧された電力を供給するようにしても良
い。
【0038】エンジン10とトルクコンバータ20との
間には始動用リングギヤ40がクランクシャフト11に
連結されて配置されており、始動用リングギヤ40には
始動用モータ41のギヤが継合している。始動用モータ
41はバッテリ230を電源としてイグニッションスイ
ッチの操作を伴うエンジン始動時にのみ、すなわち、ア
イドリングストップ処理に伴うエンジン再始動時を除く
エンジン始動時にエンジン10を駆動回転させる。始動
用モータ41のギヤは、イグニッションポジションセン
サ58がイグニッションポジションのONからSTAへ
の切り換えを検出するエンジン始動時にのみリングギヤ
40と継合し、通常時はリングギヤ40とは継合するこ
となく離間した位置に格納されている。また、既述のよ
うにアイドリングストップ処理に伴うエンジン10の再
始動時には、補機駆動用モータ31がスタータモータと
して機能する。すなわち、本実施例においては、エンジ
ン10の運転開始時(初回始動時)には始動用モータ4
1によってエンジン10の始動処理が実行され、エンジ
ン10の再始動時には補機駆動用モータ31によってエ
ンジン10の始動処理が実行される。
【0039】始動用モータ41によるエンジン10の始
動は、ギヤノイズを伴うリングギヤ40を介した始動で
あり、頻繁に始動を繰り返す場合にはギヤノイズが問題
となる。また、アイドリングストップ制御処理の下では
頻繁な始動に伴うギヤの摩耗も問題となる。一方、補機
駆動用モータ31は伝動ベルト16を介してクランクシ
ャフト11と結合されているので、冷間時等、潤滑油の
粘度が高い場合にはクランクシャフト11を駆動(回
転)することができず、エンジン10を始動させること
ができない場合がある。そこで、エンジン10の始動時
には始動用モータ41によりエンジン10を始動し、エ
ンジン10が一旦、始動した後の再始動時には補機駆動
用モータ31によってエンジン10を始動させる。
【0040】トルクコンバータ20は、一般的な流体式
トルクコンバータであり、入力軸に入力された駆動トル
クを増幅して出力軸から出力する。なお、トルクコンバ
ータの詳細な構成および作用は公知であるからその説明
を省略する。自動式有段変速機(AT)22は内部にプ
ラネタリギヤを有する自動変速機であり、車速およびア
クセル踏み込み量等に応じて油圧アクチュエータ(図示
しない)を介してギヤの組み合わせを自動的に変更する
ことによって変速比を変える。AT22の出力軸はドラ
イブシャフト24に連結されており、AT22の出力軸
から出力された駆動力は、ドライブシャフト24、ディ
ファレンシャルギヤ25、車軸26を介して車輪27に
伝達される。AT22の近傍には、エンジン10の運転
停止時にも駆動系の油圧を保持するためのオイルポンプ
駆動モータ45が配置されている。オイルポンプ駆動モ
ータ45はバッテリ230を電源として運転される。
【0041】次に、図3を参照して本実施例に係る車両
の制御系について説明する。図3は第1実施例に係る車
両の制御系統を示す説明図である。制御ユニット70
は、アイドリングストップECU(電子制御ユニット)
700、エンジンECU710、およびブレーキECU
720を備えている。各ECU700、710、720
にはCPU、ROM、RAM等が備えられている。な
お、これらECUは例示であり、例えば、AT22を制
御するECUをアイドリングストップECU700とは
別に備えることができる。
【0042】アイドリングストップECU700は、ア
イドリングストップ制御に際して制御ユニット70の中
核をなすECUである。アイドリングストップECU7
00は、エンジンECU710、およびブレーキECU
720と双方向通信可能に信号線を介して接続されてい
る。アイドリングストップECU700には、燃圧セン
サ50、吸気圧力センサ51、カムポジションセンサ5
2、冷却液温度センサ53、クランクポジションセンサ
54、補機駆動用モータ31の回転数を検出するモータ
回転数センサ55、車両の速度を検出する車速センサ5
6、ギヤポジションを検出するシフトポジションセンサ
57、アクセルペダルの位置をアクセル開度として検出
するアクセル開度センサ58、ブレーキペダルの踏み込
みの有無を検出するブレーキペダルセンサ59、および
イグニッションスイッチのポジションを検出するイグニ
ッションポジションセンサ60がそれぞれ信号線を介し
て接続されている。アイドリングストップECU700
には、インバータ200、始動用モータ41、電磁式ク
ラッチ15、DC/DCコンバータ220、オイルポン
プ駆動モータ45、AT22、計器盤46が接続されて
いる。
【0043】アイドリングストップECU700は、イ
ンバータ200を介して補機駆動用モータ31の回転数
を制御し、アイドリングストップ処理によりエンジン1
0が停止している状態において補機30の駆動を実現す
る。また、アイドリングストップ状態からエンジン10
の運転を再開させる際には、始動用モータ41に代わっ
てエンジン10のクランクシャフト11を駆動回転させ
てエンジン回転数を始動回転数まで上昇させる。アイド
リングストップECU700は、電磁式クラッチ15の
電磁式アクチュエータ(図示しない)を制御してクラッ
チプレート151のフライホイール152に対する継合
および解放を実現し、動力の伝達および遮断を制御す
る。アイドリングストップECU700は、車速センサ
56、シフトポジションセンサ57、アクセル開度セン
サ58からの検出データに基づき油圧アクチュエータ
(図示せず)を制御して、最適な変速ポイントにおいて
変速比を変更する。アイドリングストップECU700
内のROMには、本実施例に係る始動制御処理および車
両側要求に基づく再始動制御処理を実行するためのプロ
グラムが格納されている。
【0044】エンジンECU710は、アイドリングス
トップECU700からの要求に基づいてインジェクタ
12を介して燃料噴射量を制御し、イグナイタ14を介
して点火時期を制御することによってエンジン10の運
転状態を制御する。また、アイドリングストップ処理に
よる車両停止時には、アイドリングストップECU70
0からの要求に従って、エンジン10に対するインジェ
クタ12を介した燃料噴射を停止してエンジン10の運
転を停止させる。
【0045】ブレーキECU720は、ブレーキアクチ
ュエータ47と接続されており、アイドリングストップ
状態からの再発進時には、エンジン10の駆動力が十分
に立ち上がるまでの間、ブレーキ油圧を保持するように
ブレーキアクチュエータ47を制御する。エンジン10
の駆動力が十分に立ち上がる状態とは、例えば、坂路発
進の際、ブレーキペダルが解放されていても車両が停止
状態にて保持される状態をいう。
【0046】次に、上記構成を備える車両の一般的な動
作について図1〜図3の構成図を参照して説明する。シ
フトポジションがパーキングPまたはニュートラルNの
状態にてイグニッションポジションセンサ60がイグニ
ッションポジションのONからエンジン始動位置STA
への切り替わりを検出すると、アイドリングストップE
CU700は始動用モータ41のギヤをリングギヤ40
に継合させた後、始動用モータ41を作動させてクラン
クシャフト11をエンジン始動時回転数まで回転させ
る。並行してアイドリングストップECU700は、エ
ンジンECU710に対してエンジン10の始動処理を
要求する。エンジンECU710は、インジェクタ12
を介して所定の燃料をエンジン10のシリンダ101内
に供給させると共に、イグナイタ14および点火プラグ
13を介してシリンダ101内に供給された燃料に点火
するエンジン始動処理を実行する。なお、本実施例にお
いては、エンジンの始動処理に当たり、燃圧Pfに応じ
て燃料噴射気筒を変更、すなわち、燃料噴射時期を変更
する制御が後述するように実行される。
【0047】エンジンの運転が開始すると、始動用モー
タ41のギヤはリングギヤ40から離間した格納位置に
待避させられる。シフトポジションがドライブDに変更
され、アクセルが踏み込まれると車両は発進し、アイド
リングストップECU700、エンジンECU710は
クランクポジションセンサ54、車速センサ56、アク
セル開度センサ58等からの検出データに基づいてエン
ジン10の運転制御およびAT22の変速制御を実行す
る。
【0048】本実施例では、車両走行中に信号停止等で
一時的に車両が停止すると、アイドリングストップEC
U700は、所定の条件下でエンジン10の運転を停止
させる、いわゆるアイドリングストップ制御処理を実行
する。このアイドリングストップ制御処理について図4
を参照して説明する。図4はアイドリングストップ制御
処理時における制御処理の移行状態を示す状態遷移図で
ある。
【0049】イグニッションポジションセンサ47がO
FFからONへのポジションの切り替わりを検出する
と、アイドリングストップECU700は、アイドリン
グストップ処理以外の処理によるエンジン停止状態を示
すモード0を選択する。この状態では、アイドリングス
トップ処理を実行中である旨を表示する計器盤46上の
表示ランプは消灯している。イグニッションポジション
センサ47がイグニッションポジションのONからST
Aへの切り替えを検出すると、既述のように始動用モー
タ14を用いたエンジン10の運転が開始される。アイ
ドリングストップECU700は、エンジン10が運転
している状態を示すモード1を選択する。モード1の状
態では、例えば、車両は既述の車両走行状態、あるい
は、エンジン10が運転された状態での車両停止状態に
ある。このモード1の状態では、アイドリングストップ
ECU700は電磁式クラッチ15をオンしてクランク
シャフト11と伝動ベルト17とを結合している。した
がって、補機30はエンジン10の駆動力によって駆動
される。また、補機駆動用モータ31は伝動ベルト16
を介してエンジン10によって駆動され、オルタネータ
として機能する他、高電圧バッテリ210が満充電状態
の場合には空回りする。
【0050】アイドリングストップECU700は、ア
イドリングストップ制御処理条件の成立を判定すると、
エンジン10の運転を停止させるための処理過程を示す
モード2を選択する。アイドリングストップ制御処理条
件としては、例えば、車速センサ56によって検出され
る車速が0であり、ブレーキペダルセンサ59によって
ブレーキペダルの踏み込みが検出されていること、シフ
トポジションセンサ57によって検出されるシフトポジ
ションがニュートラルNであること等が挙げられる。モ
ード2では、アイドリングストップECU700はエン
ジンECU710に対して燃料供給の停止を要求する。
アイドリングストップECU700は、ブレーキECU
720に対してブレーキ状態の保持を要求する。ブレー
キECU720は、ブレーキアクチュエータ47を制御
してブレーキペダル踏み込み量に対応するブレーキ油圧
を保持する。
【0051】アイドリングストップECU700は、ク
ランクポジションセンサ54からの検出データによって
エンジン10の運転停止を判定すると、アイドリングス
トップによるエンジン10の停止状態を示すモード3を
選択する。モード3では、アイドリングストップECU
700は計器盤46上の表示ランプを点灯させてアイド
リングストップ制御処理を実行中である旨を表示する。
また、アイドリングストップECU700は、電磁式ク
ラッチ15をオフしてクランクシャフト11と伝動ベル
ト16、17との結合を解放し、伝動ベルト17を介し
て補機駆動用モータ31によって各補機30を駆動させ
る。
【0052】アイドリングストップECU700はアイ
ドリングストップ制御処理終了要求を検出すると、エン
ジン10の運転を再開させるためのエンジン始動制御状
態を示すモード4を選択する。アイドリングストップE
CU700は、例えば、シフトポジションがニュートラ
ルNからドライブDにシフトされたとき、ブレーキペダ
ルが解放されたとき、バッテリの充電率が充電率の下限
値である充電要求値を下回ったとき、エアコンの冷却性
能が不足しているとき、何らかのシステム異常が発生し
たときにアイドリングストップ制御処理の要求を検出す
る。なお、本実施例では、運転者によるエンジン10の
再始動要求を除いた車両状態を所定の状態に維持するた
めの最始動要求があった場合には、後述する振動制御始
動制御処理が実行される。
【0053】モード4では、アイドリングストップEC
U700は、電磁式クラッチ15の継合に先立ち一旦、
補機駆動用モータ31を制動して補機駆動用モータ31
の回転数を低減させる。補記駆動用モータ31の制動
は、たとえば、反転位相電流を入力することにより実行
される。アイドリングストップECU700は、電磁式
クラッチ15を後述する電磁式クラッチ継合タイミング
遅延処理によって決定された継合タイミングにて継合さ
せた後、補機駆動用モータ31の回転数をエンジン始動
時回転数まで上昇させると共に、エンジンECU710
に対して燃料供給、火花点火の実行を要求する。アイド
リングストップECU700は、走行不能なシステム異
常を検出した場合には、モード0を選択する。
【0054】アイドリングストップECU700はエン
ジン10の始動を判定すると、モード1を選択する。ア
イドリングストップECU700は、例えば、クランク
ポジションセンサ54により検出されたエンジン回転数
が500r.p.m.以上である場合にエンジン10は始動し
ていると判定する。アイドリングストップECU700
は、ブレーキECU720に対して保持されているブレ
ーキ油圧の解放を要求する。ブレーキECU720は、
ブレーキアクチュエータ47を制御して保持されている
ブレーキ油圧を解放し、非制動状態を実現する。モード
1の状態にて、イグニッションポジションセンサ47が
ポジションのONからOFFへの切り替えを検出する
と、アイドリングストップECU700はモード0を選
択する。
【0055】続いて、本実施例に係るエンジン10の全
ての始動時(アイドリングストップ制御処理に伴う再始
動時、並びにイグニッションキー操作を伴う始動時)に
実行されるエンジン始動制御について図5ないし図10
を参照して説明する。図5はエンジン10の始動時に実
行されるエンジン始動制御処理の処理ルーチンを示すフ
ローチャートである。図6は気筒判別が完了していない
ときに実行される気筒非判別時燃料噴射制御の処理ルー
チンを示すフローチャートである。図7は気筒判別が完
了しているときに実行される気筒判別時燃料噴射制御の
処理ルーチンを示すフローチャートである。図8は図7
に続く筒判別が完了しているときに実行される気筒判別
時燃料噴射制御の処理ルーチンを示すフローチャートで
ある。図9は図8に続く筒判別が完了しているときに実
行される気筒判別時燃料噴射制御の処理ルーチンを示す
フローチャートである。図10はクランク回転信号、気
筒判別信号、クランク位置、各シリンダ101の行程の
関係を示すタイミングチャートである。
【0056】アイドリングストップECU700は、エ
ンジン10の始動要求が発生すると本処理ルーチンを開
始する。アイドリングストップECU700は、クラン
ク位置が既に確定しているか否かを判定する(ステップ
S100)。クランク位置が確定している場合には、燃
圧Pfを考慮しつつ圧縮行程を迎えるシリンダ101に
対して選択的に燃料噴射を実行する気筒判別時燃料噴射
制御(後述する)を実行することができるからである。
したがって、アイドリングストップECU700は、ク
ランク位置が確定していると判定した場合には(ステッ
プS100:Yes)、本処理ルーチンでの燃圧値の判
定は実行せず後述する気筒判別時燃料噴射処理を実行す
る。一方、アイドリングストップECU700は、クラ
ンク位置が確定していないと判定した場合には(ステッ
プS100:NO)、欠歯の検出の有無を判定する(ス
テップS110)。すなわち、図10に示すように欠歯
がクランクポジションセンサ54によって検出済みであ
るか否かを判定する。この欠歯を検出することによっ
て、1番シリンダおよび6番シリンダのうち、いずれの
シリンダ101が圧縮行程における上死点を迎えるか
(すなわち、気筒判別)までは判別できないが、150
°CA後には1番シリンダまたは6番シリンダが上死点
(TDC)を迎えることを検知することができる。アイ
ドリングストップECU700は、欠歯を検出していな
いと判定した場合には(ステップS110:No)、ク
ランク位置のみならず、全てのシリンダ101の行程を
特定することすらできないので本処理を終了する。すな
わち、欠歯の検出を待機する。
【0057】一方、アイドリングストップECU700
が、欠歯を検出済みであると判定した場合には(ステッ
プS110:Yes)、燃圧センサ50によって検出さ
れた燃圧Pfが10MPa未満であるか否かを判定する
(ステップS120)。なお、燃圧Pfは8ms毎に検
出されるものとする。燃圧Pfが10MPa以上であれ
ば、気筒確定後の最初の点火時期に合わせて(上死点前
(BTDC)30°)シリンダ101内圧力に抗してシ
リンダ101内に燃料を噴射することが可能である。こ
れに対して、燃圧Pfが10MPa未満の場合には、シ
リンダ101内圧力が上昇する前でなければシリンダ1
01内圧力に抗してシリンダ101内に燃料を噴射でき
ず、燃料噴射時期を早い時期に変更する必要があるから
である。アイドリングストップECU700は、燃圧P
fが10MPa未満であると判定した場合には(ステッ
プS120:Yes)、気筒非判別時燃料噴射制御(ス
テップS130)を実行する。上述のように、燃圧Pf
が10MPa未満の場合には、気筒確定まで待機してい
ても気筒確定後の最初の点火時期に合わせて燃料をシリ
ンダ101内に噴射することができないので、気筒判別
を待たずに欠歯を検出した時点で燃料噴射処理を実行す
るのである。気筒非判別時燃料噴射制御の詳細について
は後述する。
【0058】一方、アイドリングストップECU700
は、燃圧Pfが10MPa以上であると判定した場合に
は(ステップS120:No)、気筒判別を待って気筒
判別時燃料噴射制御(ステップS140)を実行する。
図10から読みとれるように、欠歯が検出から120°
CA後には必ず最初に点火時期を迎える気筒(圧縮行程
を終える気筒)が確定される。詳述すれば、欠歯検出後
120°CAの期間(G2ゲート)に気筒判別信号(G
信号)が入力されるか否かによって、欠歯検出から15
0°CA後に圧縮行程または排気行程を迎える複数のシ
リンダ101の内、いずれのシリンダ101が最初の点
火時期を迎えるかを確定することができる。本実施例で
は、1番シリンダおよび6番シリンダのいずれが最初の
点火時期を迎えるか確定することができる。
【0059】なお、本処理ルーチンの説明の初めに説明
したように、今回のタイミング(1番および6番シリン
ダのBTDC150°CA)では気筒が判別されていな
い場合であっても、気筒確定後(1番および6番シリン
ダのBTDC30°CA)に本処理ルーチンが実行され
れば、直ちに気筒判別時燃料噴射制御(ステップS14
0)が実行される。
【0060】次に、図6を参照して気筒非判別時燃料噴
射制御について説明する。アイドリングストップECU
700は、今回の始動要求がアイドリングストップ制御
処理終了要求によるものであるか否かを判定する(ステ
ップS200)。アイドリングストップ後にエンジン1
0を再始動させる場合には、できるだけ早い時期(初回
の点火時期)にエンジン10の再始動が要求されるが、
イグニッションキー操作を伴う通常のエンジン始動時で
あれば、気筒判別を待って始動させれば十分だからであ
る。アイドリングストップECU700は、アイドリン
グストップ後の再始動モード(モード4)ではないと判
定した場合には(ステップS200:No)、気筒判別
を待ってエンジン10を始動させるため本処理を終了す
る。一方、アイドリングストップECU700が、モー
ド4であると判定した場合には(ステップS200:Y
es)、燃圧センサ50によって検出された燃圧Pfが
5MPa以上であるか否かを判定する(ステップS21
0)。
【0061】アイドリングストップECU700は、燃
圧Pfが5MPa以上であると判定した場合には(ステ
ップS210:Yes)、1番シリンダ及び6番シリン
ダへの燃料噴射をエンジンECU710に要求する(ス
テップS220)。すなわち、1番および6番シリンダ
のBTDC150°での燃料噴射(図10中Fn1)を
実行する。BTDC150°における1番および6番シ
リンダは、圧縮行程の初期段階にあり、燃圧Pfが5M
Pa以上あればシリンダ101内の圧力に抗して十分に
燃料噴射を実行することができるからである。この結
果、最初の点火時期S1での点火を実現することができ
る。なお、点火プラグ13による点火シリンダ101の
決定は、気筒判別完了後になされるので、必ず圧縮行程
を終えるシリンダ101に対してのみ火花点火が実行さ
れる。
【0062】一方、アイドリングストップECU700
は、燃圧Pfが5MPa未満であると判定した場合には
(ステップS210:No)、2番および5番シリンダ
への燃料噴射をエンジンECU710に要求する(ステ
ップS230)。すなわち、2番および5番シリンダの
BTDC270°での燃料噴射(図10中Fn2)を実
行する。燃圧Pfが5MPa未満の場合には、吸気行程
または膨張行程にて燃料噴射を実行することにより確実
に燃料をシリンダ101内に供給するのである。この結
果、点火時期は2回目の点火時期S2となる。
【0063】なお、本処理ルーチンにおける各シリンダ
101への燃料噴射は、以下の処理ルーチンにて燃料噴
射済みの各シリンダ101に対して再度燃料噴射が実行
される場合には、初回、または、2回目の点火時期(S
1,S2)における点火をより確実にするためのプレ噴
射としての意味を持つ。
【0064】続いて、気筒判別時燃料噴射制御について
図7〜図10を参照して説明する。アイドリングストッ
プECU700は、気筒判別信号(G信号)が欠歯検出
から120°CA(G2ゲート)内に発生したか否かを
判定する(ステップS300)。アイドリングストップ
ECU700は、図10に示すようにG2ゲート内にG
信号の発生を検出しなかった場合には(ステップS30
0)、G信号フラグSg2をオフする(ステップS31
0)。なお、図10に示すタイミングチャートは、G2
ゲート内にG信号の発生がない場合のタイミングチャー
トであるから、以下の説明では主としてG信号フラグS
g2がオフの場合について説明する。
【0065】アイドリングストップECU700は、燃
圧Pfが10MPa以上であるか否かを判定し(ステッ
プS320)、燃圧Pfが10MPa以上であると判定
した場合には(ステップS320:Yes)、6番シリ
ンダへの燃料噴射をエンジンECU710に要求する
(ステップS330)。すなわち、6番シリンダのBT
DC30°での燃料噴射(図10中Fd1)を実行す
る。このように燃圧Pfによって噴射気筒を峻別するの
は、このタイミングにてシリンダ101内に燃料を噴射
して最初の点火時期S1に点火を実行するためには、高
い燃圧Pfが要求されるからである。すなわち、気筒が
確定するのは1番および6番シリンダのBTDC30°
CAであり、圧縮行程後半にあるシリンダ101内圧力
は高い。したがって、このシリンダ101内圧力に抗し
てシリンダ101内に燃料を供給するためには、10M
Pa以上の燃圧Pfが必要となる。このように、エンジ
ンECU710が6番シリンダへの燃料噴射を実行する
ことで、最初の点火時期S1にてエンジン10を再始動
させることができる。
【0066】アイドリングストップECU700は、燃
圧Pfが10MPa未満であると判定した場合には(ス
テップS320:No)、燃圧Pfが5MPa以上であ
るか否かを判定する(ステップS340)。アイドリン
グストップECU700は、燃圧Pfが5MPa以上で
あると判定した場合には(ステップS340:Ye
s)、2番シリンダへの燃料噴射をエンジンECU71
0に要求する(ステップS350)。すなわち、2番シ
リンダのBTDC150°での燃料噴射(図10中Fd
2)を実行する。2番シリンダのクランク位置がBTD
C150°(圧縮行程の初期)であるから、燃圧Pfが
5MPa以上であれば十分にシリンダ101内に燃料を
供給することができる。ただし、最初の点火時期S1で
の点火は実行できず、2回目の点火時期S2での点火、
エンジン10の再始動となる。
【0067】アイドリングストップECU700は、燃
圧Pfが5MPa未満であると判定した場合には(ステ
ップS340:No)、4番シリンダへの燃料噴射をエ
ンジンECU710に要求する(ステップS360)。
すなわち、4番シリンダのBTDC270°での燃料噴
射(図10中Fd3)を実行する。4番シリンダのクラ
ンク位置がBTDC270°(吸気行程)であるから、
燃圧Pfが5MPa未満であっても吸気負圧により燃料
は十分にシリンダ101内に供給される。ただし、最初
の点火時期S1での点火は実行できず、2番シリンダで
の2回目の点火時期S2または、4番シリンダでの3回
目の点火時期S3での点火、エンジン10の再始動とな
る。
【0068】ステップS300にてG2ゲート内にG信
号の発生を検出した場合には(ステップS300:Ye
s)、G信号フラグSg2をONして(ステップS37
0)、以後、燃圧Pfに応じて燃料噴射を実行するシリ
ンダ101を決定していく。なお、燃圧Pfの判定処理
は、G2ゲート内にG信号の発生を検出しない場合と同
等であるからステップ番号を付して説明を簡略にする。
アイドリングストップECU700は、燃圧Pfが10
MPa以上の場合には(ステップS380:Yes)、
1番シリンダに対して燃料噴射を実行するようエンジン
ECU710に要求する(ステップS390)。アイド
リングストップECU700は、燃圧Pfが10MPa
未満の場合(ステップS380:No)であって5MP
a以上の場合には(ステップS400:Yes)、5番
シリンダに対して燃料噴射を実行するようエンジンEC
U710に要求する(ステップS410)。アイドリン
グストップECU700は、燃圧Pfが5MPa未満の
場合には(ステップS400:No)、3番シリンダに
対して燃料噴射を実行するようエンジンECU710に
要求する(ステップS420)。
【0069】アイドリングストップECU700は、最
初の燃料噴射処理が終了すると、2回目の燃料噴射処理
を実行する。先ず、アイドリングストップECU700
は、燃圧Pfが5MPa以上であるか否かを判定する
(ステップS430)。アイドリングストップECU7
00は、燃圧Pfが5MPa未満であると判定した場合
には(ステップS430:No)、本処理ルーチンを終
了する。この時点で燃圧Pfが5MPa未満の場合に
は、続く燃料噴射制御処理において圧縮行程への燃料噴
射が不可能となるので、本処理ルーチンを終了する。か
かる場合であっても、4番または3番シリンダには燃料
が供給されており、遅くとも3回目の点火時期S3には
点火が実行される。また、燃圧Pfの上昇によっては、
1つ前の2回目の点火時期S2を迎える2番または5番
シリンダへの燃料噴射ならびに点火を実行できる。
【0070】アイドリングストップECU700は、燃
圧Pfが5MPa以上であると判定した場合には(ステ
ップS430:Yes)、G信号フラグSg2がONさ
れているか否かを判定する(ステップS440)。既述
のように、図10のタイミングチャートはSg2=OF
Fの場合の各タイミングを表している。アイドリングス
トップECU700は、G信号Sg2がOFFされてい
ると判定した場合には(ステップS440:No)、燃
圧Pfが10MPa以上であるか否かを判定する(ステ
ップS450)。この時点では、第2シリンダがTDC
を迎えるため、第2シリンダへのBTDC30°CAで
の燃料噴射が可能であるか否かを判定するのである。ア
イドリングストップECU700は、燃圧Pfが10M
Pa以上であると判定した場合には(ステップS45
0:Yes)、2番シリンダへの燃料噴射をエンジンE
CU710に要求する(ステップS460)。この結
果、第2シリンダのBTDC30°CAで燃料噴射が実
行され(Fd4)、第2の点火時期S2に点火が実行さ
れる。先のステップS350にて2番シリンダへの燃料
噴射が実行されている場合には、先の燃料噴射はプレ噴
射として機能する。かかる場合には、第2の点火時期S
2でのより確実な点火が可能となる。
【0071】一方、アイドリングストップECU700
は、燃圧Pfが10MPa未満であると判定した場合に
は(ステップS450:No)、4番シリンダへの燃料
噴射をエンジンECU710に要求する(ステップS4
70)。この結果、第4シリンダのBTDC150°C
Aで燃料噴射が実行され(Fd5)、第3の点火時期S
3に点火が実行される。先のステップS360にて4番
シリンダへの燃料噴射が実行されている場合には、先の
燃料噴射はプレ噴射として機能する。かかる場合には、
第3の点火時期S3でのより確実な点火が可能となる。
【0072】アイドリングストップECU700は、G
信号フラグSg2がONであると判定した場合には(ス
テップS440:Yes)、燃圧Pfが10MPa以上
であるか否か判定し(ステップS480)、燃圧Pfが
10MPa以上の場合には(ステップS480:Ye
s)、5番シリンダへの燃料噴射をエンジンECU71
0に要求する(ステップS490)。これに対して、ア
イドリングストップECU700は、燃圧Pfが10M
Pa未満であると判定した場合には(ステップS43
0:No)、3番シリンダへの燃料噴射をエンジンEC
U710に要求する(ステップS500)。この結果、
第3の点火時期に点火が実行される。先のステップS4
00にて3番シリンダへの燃料噴射が実行されている場
合には、先の燃料噴射はプレ噴射として機能する。かか
る場合には、第3の点火時期でのより確実な点火が可能
となる。
【0073】このようにして、2回目の燃料噴射が終了
すると、アイドリングストップECU700は、3回目
の燃料噴射制御を実行する。先ず、アイドリングストッ
プECU700は、燃圧Pfが10MPa以上であるか
否か判定する(ステップS510)。この時点で燃圧P
fが10MPa未満の場合(ステップS510:No)
には、続く燃料噴射制御処理において圧縮行程への燃料
噴射が不可能となるので、本処理ルーチンを終了する。
かかる場合であっても、既に4番または3番シリンダに
は燃料が供給されており、遅くとも3回目の点火時期S
3には点火が実行される。
【0074】アイドリングストップECU700は、燃
圧Pfが10MPa以上であると判定した場合には(ス
テップS510:Yes)、G信号フラグがONである
か否かを判定する(ステップS520)。アイドリング
ストップECU700は、G信号フラグがOFFである
と判定した場合には(ステップS520:No)、4番
シリンダへの燃料噴射をエンジンECU710に要求す
る(ステップS530)。一方、アイドリングストップ
ECU700は、G信号フラグがONであると判定した
場合には(ステップS520:Yes)、3番シリンダ
への燃料噴射をエンジンECU710に要求する(ステ
ップS540)。この結果、第4シリンダのBTDC3
0°CAで燃料噴射が実行されFd6、第3の点火時期
S3に点火が実行される。先のステップS470または
ステップS500にて3番または4番シリンダへの燃料
噴射が実行されている場合には、先の燃料噴射はプレ噴
射として機能する。かかる場合には、第3の点火時期S
3におけるより確実な点火が可能となる。
【0075】以上説明したように、本実施例に従う始動
制御装置によれば、燃料の圧力が十分に高い場合には
(10MPa以上)、気筒判別を待って、最初に点火時
期を迎えるシリンダ101に対して燃料噴射を実行する
ことができるので、エンジン10を最も早い段階、点火
時期S1にて再始動させることができる。すなわち、直
噴型エンジンのみが実施可能な圧縮行程後期における燃
料噴射を、エンジン10の始動時においても実行するこ
とができる。さらに、気筒判別されたシリンダ101に
対してのみ燃料を噴射するので、未燃焼ガスを排出する
ことがなく、排気ガス特性を向上させることができる。
【0076】また、気筒判別が完了している場合には、
燃圧PfがBTDC30°CAでの燃料噴射を許容する
程は高くない場合であっても(10MPa未満)、燃圧
Pmに応じて最も早く点火時期を迎えるシリンダ101
に対して燃料を噴射する。これによって、エンジン10
の迅速な始動を実現することができると共に、気筒判別
されたシリンダ101に対してのみ燃料を噴射するの
で、未燃焼ガスを排出することがなく、排気ガス特性を
向上させることができる。
【0077】さらに、気筒判別が完了しておらず、ま
た、燃圧PfがBTDC30°CAでの燃料噴射を許容
する程は高くない場合であっても、燃圧Pfが比較的高
い場合には(5MPa以上10MPa未満)、最初に点
火時期を迎えるシリンダ群(特定気筒群)に対して、B
TDC150°CAでの燃料噴射を実行するので、第1
回目の点火時期S1には確実にエンジン10を再始動さ
せることができる。また、同様な状態にて燃圧Pfが比
較的低い場合(5MPa未満)には、2回目に点火時期
を迎えるシリンダ群に対して、BTDC270°CAで
の燃料噴射を実行するので、第2回目の点火時期S2に
は確実にエンジン10を再始動させることができる。
【0078】このように、本実施例に係るエンジン10
の始動制御装置を用いれば、燃圧Pfに応じて直噴型エ
ンジンの長所を利用しつつ可能な限りエンジン10を早
期に始動させることができる。
【0079】次に、車両側の要求によりエンジン10を
再始動させる場合に実行される再始動時エンジン始動制
御処理について図11および図12を参照して説明す
る。図11は、エンジンのアイドリング運転を停止して
いるアイドリングストップ状態にて、車両側からの要求
によりエンジン10を再始動させる際に実行される処理
ルーチンを示すフローチャートである。図12は、車両
側要求に基づくエンジン再始動時における吸気管圧力P
m、補機駆動用モータ回転数Nm、エンジン回転数Ne
の時間経過に伴う変化を示すタイミングチャートであ
る。
【0080】アイドリングストップECU700は、エ
ンジン10の運転を再開させるためのエンジン始動制御
状態を示すモード4を選択しているか否かを判定する
(ステップS600)。アイドリングストップECU7
00は、モード4を選択していないと判定した場合には
(ステップS600:No)、本処理を終了し、モード
4を選択していると判定した場合には(ステップS60
0:Yes)、エンジン10の再始動要求が車両側から
の要求に基づくものであるか否かを判定する(ステップ
S610)。また、既述のように、エンジン10の再始
動時には、図12に示すように反転位相電流を入力する
ことにより補記駆動用モータ31が制動され、その回転
数Nmが低下する。そして、補記駆動用モータ31の回
転数Nmが所定回転数まで低下したところで電磁式クラ
ッチ15が継合されて補記駆動用モータ31のロータと
エンジン10のクランクシャフト11とが結合される。
電磁式クラッチ15が継合された後、補記駆動用モータ
31によってエンジン10をクランキング(モータリン
グ)する。クランキングに際しては気筒判別も実行さ
れ、気筒判別後に最初の燃料噴射が実行される。なお、
本処理ルーチンを実行する際には、スロットルバルブ1
22は略全閉されており、シリンダ101内への吸入空
気量を規制している。
【0081】車両側からのエンジン10の再始動要求の
発生要因としては、運転者によるアクセルペダル、ブレ
ーキペダル操作を除く、例えば、バッテリの充電率が充
電率の下限値である充電要求値を下回ったとき、エアコ
ンの冷却性能が不足しているとき等が挙げられる。この
ような要因に基づく場合には、迅速なエンジン10の再
始動は要求されず、むしろ、エンジン10の再始動に伴
う衝撃、振動等を抑制することが要求される。そこで、
本実施例では、スロットルバルブ122を略全閉状態と
したまま、補記駆動用モータ31によるクランキングを
吸気管圧力Pmが所定値以下となるまで実行して、シリ
ンダ101内の圧力(吸気管圧力Pm)が所定の圧力
(負圧)以下となったときにエンジン10の始動を開始
する。すなわち、スロットルバルブ122を略全閉のま
まクランキングを継続すれば、図12に示すように補記
駆動用モータ31の回転数Nmの増加と共に、吸気管圧
力Pmはやがて負圧となり、このことはシリンダ101
内への吸入空気量が減少していることを意味する。
【0082】アイドリングストップECU700は、吸
気圧力センサ51によって検出された吸気管圧力Pmが
吸気管圧力判定値Pmref以下であるか否かを判定する
(ステップS620)。この吸気管圧力判定値Pmref
は、シリンダ101内への吸入空気量を低減してエンジ
ン10の最初の爆発燃焼によって発生するトルク(燃焼
圧力)が十分に小さくなるように設定される。アイドリ
ングストップECU700は、吸気管圧力Pmが吸気管
圧力判定値Pmref以下であると判定した場合には(ス
テップS620:Yes)、図12に示すように気筒判
別によって決定されたシリンダ101に燃料噴射を開始
する(ステップS630)と共に点火処理を実行してエ
ンジン10を再始動させる。このように、シリンダ10
1内の圧力を負圧にしてシリンダ101内への吸入空気
量を減少させれば、エンジン10の始動時に発生するト
ルクは小さくなり急激なトルク変動を抑制することがで
きる。この結果、エンジン10の回転数Neは図12に
示すように緩やかに上昇していく。一般的に、エンジン
停止時における吸気管圧力Pmはエンジン停止時間の増
加に伴って大気圧に収束していき、シリンダ101内の
圧力も同等の振る舞いを見せる。従来の再始動制御で
は、この状態にてエンジン10を始動していたため、シ
リンダ101内には大量の吸入空気が導入され爆発燃焼
によって大きなトルクが発生していた。このような急激
なトルク変動は、運転者の意志に起因する場合にはドラ
イバビリティを向上させることとなるが、車両側の要求
に基づく場合には違和感をもたらすことになる。
【0083】一方、アイドリングストップECU700
は、吸気管圧力Pmが吸気管圧力判定値Pmrefより大
きいと判定した場合には(ステップS620:No)、
始動開始からの経過時間ΔTsが始動経過時間判定値T
ref以上であるか否かを判定する(ステップS64
0)。アイドリングストップECU700は、経過時間
ΔTs<Trefであると判定した場合には(ステップS
640:No)、再度、吸気管圧力Pmと吸気管圧力判
定値Pmrefとの対比を実行する(ステップS62
0)。アイドリングストップECU700は、経過時間
ΔTs≧Trefであると判定した場合には(ステップS
640:Yes)、吸気系に異常が発生している旨の報
知を計器盤46を介して行い(ステップS650)、バ
ッテリ上がり等を防止するために気筒判別により決定さ
れたシリンダ101に対する燃料噴射を開始し(ステッ
プS630)、点火処理を介してエンジン10を再始動
させる。すなわち、始動時に発生する衝撃、振動の抑制
よりもエンジン10の確実な再始動を優先させる。
【0084】このように、本実施例では、車両側始動要
求に基づくエンジン10の再始動時には、シリンダ10
1内への吸入空気量を低減して、爆発燃焼に伴い発生す
るトルクを抑制するので、エンジン10の再始動に伴い
発生するトルク変動を抑制することが可能となり、車両
に発生する衝撃、振動を低減することができる。特に、
運転者の意志によらないエンジン10の始動は、運転者
に違和感を与えるが、エンジン10の再始動に伴う衝
撃、振動を抑制することにより、かかる違和感を軽減す
ることができる。
【0085】以上、いくつかの発明の実施の形態に基づ
き本発明に係る内燃機関の始動制御装置を説明してきた
が、上記した発明の実施の形態は、本発明の理解を容易
にするためのものであり、本発明を限定するものではな
い。本発明は、その趣旨並びに特許請求の範囲を逸脱す
ることなく、変更、改良され得ると共に、本発明にはそ
の等価物が含まれることはもちろんである。
【0086】例えば、上記実施例では、アイドリングス
トップ機能を備える車両に基づいて本発明に係る内燃機
関の始動制御装置を説明したが、シリンダ101内に直
接、高圧の燃料が噴射されるエンジンを有する車両であ
ればどのような車両にも適用することができる。たと
え、イグニッションキー操作を伴う始動時であっても、
エンジン10の早期始動要求は存在し、本発明に係る始
動制御装置を用いればその要求に応えることができる。
また、点火時期を迎えるシリンダに対して選択的に燃料
噴射を実行するので、未燃焼ガスの排出を抑制すること
ができる。
【0087】また、上記実施例では、圧縮行程後期(B
TDC30°CA)に燃料噴射を実行するか否かの判定
に燃圧値10MPaを用い、圧縮行程初期(BTDC1
50°CA)に燃料噴射を実行するか否かの判定に燃圧
値5MPaを用いている。しかしながら、これらの燃圧
値は例示であり、各時期においてシリンダ圧力に抗して
燃料をシリンダ内に噴射できれば良く、エンジンの圧縮
比等に基づいて適宜変更され得る。
【0088】さらに、上記実施例では6気筒エンジンを
用いて説明しているが、4気筒、5気筒、8気筒、12
気筒といった他の多気筒エンジンはもちろんのこと、単
気筒エンジンに対しても用いることができる。
【0089】また、上記実施例では、燃圧の判定値とし
て10MPa、5MPaといった値を用いているが、こ
れらの値はエンジンの圧縮行程における圧力によって適
宜変更され、例えば、圧縮比の高いエンジンではより高
い燃圧値が用いられ、圧縮比の低いエンジンではより低
い燃圧値が用いられ得る。すなわち、圧縮行程における
気筒内圧力に抗して燃料を噴射することがかのうな圧力
であればよい。
【0090】上記実施例では、電磁式クラッチ15内に
ダンパが内蔵されているが、電磁式クラッチ15とダン
パとは別個に備えられていても良い。さらに、説明の都
合上、図1にはクランクシャフトプーリ125と電磁式
クラッチ15とは別個に記載されているが、電磁式クラ
ッチ15はクランクシャフトプーリ125に内蔵されて
いても良い。
【0091】上記実施例では、トランスミッション22
として自動式有段変速機を用いたが自動式有段変速機に
代えて手動式変速機、自動式無段変速機を用いても良
い。いずれの場合にもアイドリングストップ制御処理を
実行することができると共に、自動式有段変速機を用い
た場合と同様の利益を得ることができる。
【0092】上記実施例では、車両の駆動力源としてエ
ンジン10のみを備える車両に基づいて本発明を説明し
たが、本発明は駆動力源としてエンジンおよび車両駆動
用モータを備えるハイブリッド車両に対しても適用し得
る。かかる場合にも、エンジンとして直噴型のエンジン
を備えている場合には、始動時に同様の問題が発生し、
本発明を適用することによりそれらの問題を解決するこ
とができる。また、ハイブリッド車両では、モータ走行
中を含むアイドリングストップ後に、車両側からの要求
によりエンジンを始動させる場合があり、かかる場合に
本実施例に係る内燃機関の再始動制御を実行すればエン
ジン再始動に伴う振動が抑制され、エンジン再始動に伴
い乗員に与える不快感を軽減することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に従う実施例が適用される車両の概略構
成を示すブロック図である。
【図2】本発明に従う実施例にて用いられるエンジンま
わりの概略構成を示す説明図である。
【図3】本発明に従う実施例に係る車両の制御系統を示
す説明図である。
【図4】アイドリングストップ制御処理時における制御
処理の移行状態を示す状態遷移図である。
【図5】エンジン10の始動時に実行されるエンジン始
動制御処理の処理ルーチンを示すフローチャートであ
る。
【図6】気筒判別が完了していないときに実行される気
筒非判別時燃料噴射制御の処理ルーチンを示すフローチ
ャートである。
【図7】気筒判別が完了しているときに実行される気筒
判別時燃料噴射制御の処理ルーチンを示すフローチャー
トである。
【図8】図7に続く筒判別が完了しているときに実行さ
れる気筒判別時燃料噴射制御の処理ルーチンを示すフロ
ーチャートである。
【図9】図8に続く筒判別が完了しているときに実行さ
れる気筒判別時燃料噴射制御の処理ルーチンを示すフロ
ーチャートである。
【図10】クランク回転信号、気筒判別信号、クランク
位置、各シリンダ101の行程の関係を示すタイミング
チャートである。
【図11】エンジンのアイドリング運転を停止している
アイドリングストップ状態にて、車両側からの要求によ
りエンジン10を再始動させる際に実行される処理ルー
チンを示すフローチャートである。
【図12】車両側要求に基づくエンジン再始動時におけ
る吸気管圧力Pm、補機駆動用モータ回転数Nm、エン
ジン回転数Neの時間経過に伴う変化を示すタイミング
チャートである。
【符号の説明】
10…エンジン 11…クランクシャフト 12…インジェクタ 13…点火プラグ 14…イグナイタ 15…多板式電磁式クラッチ 16、17…伝動ベルト 18…デリバリパイプ 20…トルクコンバータ 22…自動式有段変速機(AT) 24…ドライブシャフト 25…ディファレンシャルギヤ 26…車軸 27…車輪 30…補機 31…補機駆動用モータ 40…リングギヤ 41…始動用モータ 45…オイルポンプ駆動モータ 46…計器盤 47…ブレーキアクチュエータ 50…冷却液温度センサ 51…外気温度センサ 52…モータ回転数センサ 53…エンジン回転数センサ 56…車速センサ 57…シフトポジションセンサ 58…アクセル開度センサ 59…ブレーキペダルセンサ 60…イグニッションポジションセンサ 70…制御ユニット 101…シリンダ 102…シリンダヘッド 103…吸気ポート 104…排気ポート 105…シリンダブロック 110…吸気バルブ 111…排気バルブ 112…カムシャフト 113…カム 120…吸気管 121…サージタンク 122…スロットルバルブ 151…クラッチプレート 152…フライホイール 160…補機プーリ 161…クランクシャフトプーリ 162…補機駆動用モータプーリ 200…インバータ 210…高電圧バッテリ 220…DC/DCコンバータ 230…バッテリ 700…アイドリングストップECU 710…エンジンECU 720…ブレーキECU
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) F02D 43/00 301 F02D 43/00 301J 45/00 362 45/00 362E 368 368S F02P 5/15 F02P 5/15 E (72)発明者 高橋 淳 愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自動 車株式会社内 (72)発明者 伊藤 之一 愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自動 車株式会社内 (72)発明者 北村 融 愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自動 車株式会社内 Fターム(参考) 3G022 BA01 CA01 CA03 EA01 FA02 GA00 GA01 GA02 3G084 AA00 BA13 BA15 BA17 CA01 CA07 DA00 DA09 DA10 DA39 EA07 EA11 EB22 FA00 FA05 FA06 FA11 FA21 FA38 FA39 3G092 AA01 AA06 AA11 AB02 AC03 BA09 BA10 BB06 BB10 BB18 CA02 CB04 CB05 DE03S EA09 EA17 FA14 FA15 FA30 FA32 GA01 GB01 GB10 HA05Z HB03Z HC01Z HE04Z HE05Z HF02Z HF12Z HF13Z HF21Z HF26Z 3G093 AA04 AA05 AA06 AB00 BA00 BA20 BA21 BA22 BA24 BA32 BA33 CA02 CB01 CB05 CB14 DA00 DA03 DA07 DB00 DB05 DB12 DB15 DB23 EA00 EA05 EA13 FA11 FB02 3G301 HA01 HA04 HA19 JA00 JA21 JA37 JB10 KA04 KA28 KB01 LA00 LB04 MA19 MA24 NA08 NE23 PA07Z PB08Z PC01Z PE04Z PE05Z PF01Z PF05Z PF08Z PF10Z PG00Z

Claims (21)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】内燃機関を動力源とする昇圧装置によって
    昇圧された燃料を気筒内に直接噴射する燃料噴射弁を備
    える内燃機関の始動時燃料噴射制御装置であって、 始動時に前記燃料噴射弁によって噴射可能な燃料の圧力
    を検出する燃圧検出手段と、 前記検出された燃料の圧力に応じて燃焼サイクルにおけ
    る燃料噴射の時期を決定する燃料噴射時期決定手段と、 前記決定された燃料噴射時期に前記燃料噴射弁を介して
    燃料を噴射する噴射制御手段とを備える内燃機関の始動
    時燃料噴射制御装置。
  2. 【請求項2】請求項1に記載の内燃機関の始動時燃料噴
    射制御装置において、 前記内燃機関は複数の気筒を有し、各気筒には前記燃料
    噴射弁がそれぞれ配置されており、 さらに、前記燃料噴射時期決定手段により決定された噴
    射時期にある気筒を前記複数の気筒の中から判別する気
    筒判別手段を備えることを特徴とする内燃機関の始動時
    燃料噴射制御装置。
  3. 【請求項3】請求項1または請求項2に記載の内燃機関
    の始動時燃料噴射制御装置において、 前記燃料噴射時期決定手段は、前記燃料の圧力が第1の
    圧力以上の場合には、圧縮行程を燃料噴射時期に決定す
    ることを特徴とする内燃機関の始動時燃料噴射制御装
    置。
  4. 【請求項4】請求項3に記載の内燃機関の始動時燃料噴
    射制御装置において、 前記燃料噴射時期決定手段は、前記燃料の圧力が前記第
    1の圧力未満の場合には、吸気行程を燃料噴射時期に決
    定することを特徴とする内燃機関の始動時燃料噴射制御
    装置。
  5. 【請求項5】請求項3に記載の内燃機関の始動時燃料噴
    射制御装置において、 前記燃料噴射時期決定手段は、前記燃料の圧力が前記第
    1の圧力よりも高い第2の圧力以上の場合には、圧縮行
    程後半を燃料噴射時期に決定することを特徴とする内燃
    機関の始動時燃料噴射制御装置。
  6. 【請求項6】請求項5に記載の内燃機関の始動時燃料噴
    射制御装置において、 前記燃料噴射時期決定手段は、前記燃料の圧力が前記第
    2の圧力未満であって前記第1の圧力以上の場合には、
    圧縮行程前半を燃料噴射時期に決定することを特徴とす
    る内燃機関の始動時燃料噴射制御装置。
  7. 【請求項7】請求項1に記載の内燃機関の始動時燃料噴
    射制御装置はさらに、 前記気筒内の圧力を検出する筒内圧力検出手段と、 前記内燃機関の始動要求が車両の発進を要求する車両発
    進要求に基づくものであるか否かを判定する始動要求判
    定手段とを備え、 前記噴射制御手段は、前記始動要求が車両発進要求に基
    づくものではないと判定された場合には、前記検出され
    た筒内圧力が所定値以下となった後に、前記判別された
    気筒に対する燃料噴射を開始することを特徴とする内燃
    機関の始動時燃料噴射制御装置。
  8. 【請求項8】複数の気筒を有すると共に、各気筒には内
    燃機関を動力源とする昇圧装置によって昇圧された燃料
    を気筒内に直接噴射する燃料噴射装置が配置されている
    内燃機関の始動制御装置であって、 前記燃料噴射装置によって噴射される燃料の圧力を検出
    する燃圧検出手段と、 前記複数の気筒のうち圧縮行程にある圧縮行程気筒を判
    別する気筒判別手段と、 前記気筒判別手段による判別結果、および前記検出され
    た燃料の圧力とに基づいて、前記内燃機関の始動時に最
    初に燃料を噴射する初回噴射気筒を決定する初回噴射気
    筒決定手段と、 前記決定された初回噴射気筒に対して前記燃料噴射装置
    を介して燃料を噴射すると共に点火を実行して前記内燃
    機関を始動させる始動手段とを備える内燃機関の始動制
    御装置。
  9. 【請求項9】請求項8に記載の内燃機関の始動制御装置
    において、 前記初回噴射気筒決定手段は、前記検出された燃料の圧
    力が第1の圧力以上の場合には、前記気筒判別手段によ
    り判別された前記圧縮行程気筒を初回噴射気筒に決定す
    ることを特徴とする始動制御装置。
  10. 【請求項10】請求項8に記載の内燃機関の始動制御装
    置において、 前記検出された燃料の圧力が前記第1の圧力未満であっ
    て第1の圧力よりも低い第2の圧力以上の場合には、前
    記圧縮行程気筒の次に圧縮行程を迎える次期圧縮行程気
    筒を初回噴射気筒に決定することを特徴とする内燃機関
    の始動制御装置。
  11. 【請求項11】請求項10に記載の内燃機関の始動制御
    装置において、 前記検出された燃料の圧力が前記第2の圧力未満の場合
    には、前記次期圧縮行程気筒の次に圧縮行程を迎える次
    次期圧縮行程気筒を初回噴射気筒に決定することを特徴
    とする内燃機関の始動制御装置。
  12. 【請求項12】請求項9に記載の内燃機関の始動制御装
    置はさらに、 前記気筒内の圧力を検出する筒内圧力検出手段と、 前記内燃機関の始動要求が車両の発進を要求する車両発
    進要求に基づくものであるか否かを判定する始動要求判
    定手段とを備え、 前記始動手段は、前記始動要求が車両発進要求に基づく
    ものではないと判定された場合には、前記検出された筒
    内圧力が所定値以下となった後に、前記決定された初回
    噴射気筒に対して燃料の噴射および点火を実行すること
    を特徴とする内燃機関の始動制御装置。
  13. 【請求項13】複数の気筒を有すると共に、各気筒には
    内燃機関を動力源とする昇圧装置によって昇圧された燃
    料を気筒内に直接噴射する燃料噴射装置が配置されてい
    る内燃機関の始動制御装置であって、 前記燃料噴射装置によって噴射される燃料の圧力を検出
    する燃圧検出手段と、 前記複数の気筒のうち圧縮行程または排気行程の初期行
    程にある特定の気筒群を識別する気筒群識別手段と、 前記特定の気筒群が識別された後に、前記特定の気筒群
    のうち圧縮行程にある圧縮行程気筒を判別する気筒判別
    手段と、 前記気筒群識別手段による識別結果、前記気筒判別手段
    による判別結果、および前記検出された燃料の圧力とに
    基づいて、前記内燃機関の始動時に最初に燃料を噴射す
    る初回噴射気筒を決定する初回噴射気筒決定手段と、 前記決定された初回噴射気筒に対して前記燃料噴射装置
    を介して燃料を噴射すると共に点火を実行して前記内燃
    機関を始動させる始動手段とを備える内燃機関の始動制
    御装置。
  14. 【請求項14】請求項13に記載の内燃機関の始動制御
    装置において、 前記初回噴射気筒決定手段は、前記特定の気筒群が識別
    されているが前記圧縮行程気筒が判定されておらず、前
    記検出された燃料の圧力が第1の圧力以上の場合には、
    前記気筒判別手段による気筒の前記圧縮行程気筒の判別
    を待機し、前記圧縮行程気筒が判別された際には前記圧
    縮行程気筒を初回噴射気筒に決定することを特徴とする
    始動制御装置。
  15. 【請求項15】請求項14に記載の内燃機関の始動制御
    装置において、 前記検出された燃料の圧力が前記第1の圧力未満であっ
    て第1の圧力よりも低い第2の圧力以上の場合には、前
    記識別された特定の気筒群を初回噴射気筒に決定するこ
    とを特徴とする内燃機関の始動制御装置。
  16. 【請求項16】請求項15に記載の内燃機関の始動制御
    装置において、 前記検出された燃料の圧力が前記第2の圧力未満の場合
    には、前記特定の気筒群の次に圧縮行程または排気行程
    を迎える気筒群を初回噴射気筒に決定することを特徴と
    する内燃機関の始動制御装置。
  17. 【請求項17】請求項8ないし請求項16のいずれかの
    請求項に記載の内燃機関の始動制御装置を備える車両。
  18. 【請求項18】請求項17に記載の車両はさらに、 車両の状態応じて前記内燃機関のアイドリング運転を停
    止し、アイドリング運転を停止した前記内燃機関の運転
    を再開するアイドリング制御手段を備え、 前記内燃機関の運転の再開に際しては、前記始動制御装
    置によって前記内燃機関の運転の再開が制御されること
    を特徴とする車両。
  19. 【請求項19】請求項1ないし請求項7のいずれかの請
    求項に記載の燃料噴射制御装置を備える車両。
  20. 【請求項20】請求項19に記載の車両はさらに、車両
    の状態応じて前記内燃機関のアイドリング運転を停止
    し、アイドリング運転を停止した前記内燃機関の運転を
    再開するアイドリング制御手段を備え、 前記内燃機関の運転の再開に際しては、前記燃料噴射制
    御装置によって前記内燃機関に対する燃料の供給が制御
    されることを特徴とする車両。
  21. 【請求項21】複数の気筒を有すると共に、各気筒には
    内燃機関を動力源とする昇圧装置により昇圧された燃料
    を気筒内に直接噴射する燃料噴射装置が配置されている
    内燃機関における始動制御方法であって、 前記燃料噴射装置によって噴射可能な燃料の圧力を検出
    し、 前記複数の気筒のうち特定の気筒群が圧縮行程または排
    気行程の初期行程にあることを示す気筒群識別信号を検
    出し、 前記特定の気筒群のうち圧縮行程にある圧縮行程気筒を
    判別するための気筒判別信号を検出し、 前記気筒群識別信号と、前記気筒群識別信号を検出した
    後に検出した気筒判別信号と、前記検出した燃料の圧力
    とに基づいて、前記内燃機関の始動時に最初に燃料を噴
    射する初回噴射気筒を決定し、 前記初回噴射気筒が点火時期を迎える前に、前記気筒群
    識別信号と気筒群識別信号を検出した後に検出した気筒
    判別信号とに基づいて点火気筒を決定し、 前記決定した初回噴射気筒に対して前記燃料噴射装置を
    介して燃料を噴射すると共に前記点火気筒に対して点火
    を実行して前記内燃機関を始動させる内燃機関の始動制
    御方法。
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