JP2001279600A - 光遮蔽紙 - Google Patents

光遮蔽紙

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JP2001279600A
JP2001279600A JP2001018092A JP2001018092A JP2001279600A JP 2001279600 A JP2001279600 A JP 2001279600A JP 2001018092 A JP2001018092 A JP 2001018092A JP 2001018092 A JP2001018092 A JP 2001018092A JP 2001279600 A JP2001279600 A JP 2001279600A
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JP2001018092A
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English (en)
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Toru Murakami
徹 村上
Shinichi Akahori
慎一 赤堀
Tomoki Hirasawa
智樹 平澤
Yoshihiko Fukumuro
嘉彦 福室
Himio Fujita
一三夫 藤田
Shotaro Okamura
昌太郎 岡村
Hideo Nagasawa
秀雄 長澤
Hirobumi Tezuka
博文 手塚
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Tokushu Paper Manufacturing Co Ltd
Kyodo Printing Co Ltd
Original Assignee
Tokushu Paper Manufacturing Co Ltd
Kyodo Printing Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】高い白色度を有しているにもかかわらず、低坪
量で極めて大きな光遮蔽性を示し、さらにはカールも起
こりにくく、故紙からの繊維回収も可能な光遮蔽紙を提
供する。 【解決手段】白色紙1の裏面に光を遮蔽する性能を有し
た濃色紙3が接着剤層2を介して積層されている基本構
成を有する。濃色紙の裏面に第2の白色紙を第2の接着
剤層を介して積層したり、濃色紙の裏面に高不透明性で
かつ高白色度の白色顔料塗工層を設けることもできる。
インクジェット記録を施す場合には、白色紙表面にイン
ク受容層を設けてもよい。白色紙に紫外線の照射で蛍光
発色する繊維状物や粒状物を含有さることにより、繊維
状物や粒状物が普通光では見えないが紫外線照射下で蛍
光発色することから、偽造防止効果のある光遮蔽紙とす
ることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、表面が高い白色度
を有し、しかも低坪量で、不透明性が極めて大きく実質
的に光を遮蔽することができる光遮蔽紙に関するもので
ある。
【0002】
【従来の技術】紙はその主材料であるセルロース繊維が
複雑に絡み合った三次元のシート状の構造となっている
ために、紙に入射する光は複雑な反射と屈折を繰り返
し、紙と同じようなシート状物である高分子フィルムと
比較するとはるかに不透明性が大きなことが特徴であ
る。印刷を表裏両面に施す用途の紙においては、不透明
性が小さいと表面に印刷された文字などが裏面に透けて
見えてしまうので、不透明性は特に重要な特性となって
いる。
【0003】不透明性が極めて大きく、実質的に光を遮
蔽する性質を有する光遮蔽紙は、スクラッチくじ、はが
き等に貼付する隠蔽ラベル、遮光性の建材等の用途に用
いられているが、以下、本発明ではスクラッチくじ用紙
を代表的な例として説明する。「スクラッチくじ」は、
「インスタントくじ」とも呼ばれ、予めくじの表面に当
たり外れを表示しておき、表示部の表面に隠蔽性に優れ
たアルミペーストインキ等で剥離可能な被覆層を形成し
た構造になっている。くじの購入者は、被覆層を爪の先
やコイン等で削り取ることでくじの当り外れを判定す
る。
【0004】従って、「スクラッチくじ用紙」において
は、当たり外れを表示してある面の裏面側から強い光を
当てて、くじの当たり外れを見破られることを防ぐ必要
があることから、用紙の不透明性は極端に大きなことが
要求され、実質的に光を遮蔽する性能が要求される。
【0005】紙の不透明性を大きくするためには、紙の
坪量を大きくすること、二酸化チタン粉末のような屈折
率の大きな顔料を抄紙時に併用(内添)すること、紙の
表面にカオリン、炭酸カルシウム、二酸化チタン粉末の
ような屈折率の大きな無機粉末とバインダーを主成分と
した塗料を塗工すること等の手段が採られていた。この
技術は、白色か白色に近い色を紙に要求される場合に多
く採用されている。
【0006】紙に入射した光を吸収することでも不透明
性を大きくすることができる。これを達成するには、光
吸収性に優れた黒色の染顔料を紙に内添することや、紙
の表面に黒色染顔料とバインダーを主成分とする塗料を
塗工することが行われている。写真用フィルムやレント
ゲン用フィルムの感光を防ぐために使用される遮光紙は
このようにして製造されている。
【0007】一方、紙の白色度を高めるためには、紙の
原料として使用するパルプに白色度の高い晒しパルプを
使用すること、白色度の高いクレイ、炭酸カルシウム、
カオリン、タルク、二酸化チタン粉末等の顔料を内添す
ること、紙の表面にカオリン、炭酸カルシウム、二酸化
チタン粉末のような白色度の高い無機粉末とバインダー
からなる塗料を塗工すること等の手段が採用されてい
る。
【0008】従来、低坪量の紙で、不透明性が極めて大
きく、かつ白色度も高い紙を製造することは特殊な技術
を使用しないと製造できなかった。これを実現した一例
として、アルミ箔やアルミ蒸着フィルムの両面に白色度
の高い紙を貼合した不透明紙が製造されている。この例
ではアルミ箔やアルミ蒸着層が光の遮断層と反射層とし
て機能し、低坪量で高い白色度を保ち、かつ極めて大き
な不透明性を達成している。
【0009】また、特開平7−242086号では、基
紙の表面に、カーボンブラック、アルミフレーク、パー
ル顔料等の不透明性に優れた顔料を塗布して透過光に対
して不透明なスクラッチくじ用紙の提案がなされてい
る。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】前記したような、紙と
アルミ箔を貼合した不透明紙の場合は、アルミ箔が高価
であるとともに、故紙からの製紙用繊維の回収が不可能
であるため焼却処理を行う必要があり、この焼却処理時
にアルミ箔が焼却されずに残る等の環境上の問題点があ
った。また、紙とアルミ蒸着フィルムを貼合した不透明
紙の場合は、焼却処理に際して炉を傷めること、有害な
ガスを発生すること等の問題点があった。
【0011】また、前記特開平7−242086号で提
案されている従来のスクラッチくじ用紙では、遮光性を
高めるために不透明性に優れた顔料の塗布量を多くしな
ければならず、また、さらに印刷適性を付与する必要が
あることから、不透明性に優れた顔料の塗布層の上にさ
らに白色の顔料を塗布している。周知のように、加工紙
が湾曲して丸まるカール現象は、基紙の表裏で水分の吸
放湿に差ができる結果、基紙の表裏で伸縮に差ができる
ことで起こる。上記構成の従来のスクラッチくじ用紙
は、基紙の片面に2重の塗工層を有した構成とせざるを
得ないため、基紙の表裏で水分の吸放湿の差が起こりや
すく、カールし易いという致命的な問題点を常に有して
いた。
【0012】本発明はこれらの問題点を解決することを
課題とする。すなわち、高い白色度を有しているにもか
かわらず、低坪量で極めて大きな光遮蔽性を示し、さら
にはカールも起こりにくく、故紙からの繊維回収も可能
な光遮蔽紙を提供することを課題とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明者らは上記課題を
解決することを目的に鋭意検討の結果、本発明を完成さ
せたものであって、本発明による光遮蔽紙の基本構成
は、白色紙の裏面に光を遮蔽する性能を有した濃色紙が
接着剤層を介して積層されていることを特徴とするもの
である。
【0014】上記基本構成の光遮蔽紙によれば、濃色紙
側の用紙の裏面から強い光線を当てても光が透過するこ
とがなく、光遮蔽性に優れたものとなる。また、白色紙
側の用紙の表面は、白色紙による高い白色度を有してい
るため、所望の印刷を施すことができる。この用紙の裏
面は濃色紙による濃色が現れているため、裏面にも印刷
する場合には白色または白色に近い色のインクで行うこ
とになる。
【0015】本発明の光遮蔽紙において、表裏両面に所
望の印刷を施すことができるようにするためには、第1
の白色紙の裏面に光を遮蔽する性能を有した濃色紙が第
1の接着剤層を介して積層され、この濃色紙の裏面に第
2の白色紙が第2の接着剤層を介して積層されている構
成とすることができる。
【0016】また、上記基本構成の光遮蔽紙における濃
色紙の表面または裏面または表裏両面に、高不透明でか
つ高白色度の白色顔料塗工層を設けることにより、光遮
蔽効果をさらに向上させることができ、且つ、白色紙側
の用紙の表面および濃色紙側の用紙の裏面のどちらも白
色度をより一層向上させることもできる。従って白色紙
の表面に所望の印刷を施す場合、印刷仕上がり、見映
え、高級感といった印刷物の価値をより高めることがで
きる。また、濃色紙の裏面に白色顔料塗工層を設けた場
合にはこの白色顔料塗工層に所望の印刷を施した時、同
じように印刷仕上がり、見映え、高級感といった印刷物
の価値をより高めることができる。
【0017】上記の濃色紙としては、水に溶出しない濃
色の顔料を定着させて抄紙されたものを好ましく使用す
ることができる。
【0018】上記の白色紙としては、基紙の表面、裏面
または表裏両面に白色顔料塗工層を設けたものを好まし
く使用することができる。
【0019】また、本発明の光遮蔽紙の白色紙に、紫外
線の照射で蛍光発色する繊維状物及び/または粒状物を
含有させることにより、偽造防止用紙とすることができ
る。すなわち、かような繊維状物や粒状物は、普通光
(自然光、白熱電球の光、蛍光灯などの光)のもとでは
視認できないか視認しにくいが、紫外線を照射すること
により繊維状物や粒状物が種々の蛍光色を発すること
で、用紙の真贋を簡便かつ確実に判別することが可能と
なる。
【0020】
【発明の実施の形態】以下に図面に示す実施例を参照し
て本発明を説明する。図1は本発明の光遮蔽紙の基本構
成を模式的に図示したものであり、白色紙1の裏面に光
を遮蔽する性能を有した濃色紙2が接着剤層3を介して
積層されている。
【0021】本発明に用いる白色紙1を製造するに際し
ては、原料パルプとして針葉樹晒クラフトパルプ(NB
KP)、広葉樹晒クラフトパルプ(LBKP)、針葉樹
晒サルファイトパルプ(NBSP)等の木材パルプを主
体とし、これに必要に応じて、麻、竹、ワラ、ケナフ等
の非木材パルプを併用することができる。これらの原料
パルプに必要に応じてクレー、カオリン、タルク、二酸
化チタン、炭酸カルシウム、水酸化アルミニウム粉末等
の内添用顔料を加え、さらにロジンサイズ剤等のサイズ
剤、ポリアクリルアミド等の乾燥紙力増強剤、ポリアミ
ド・ポリアミン・エピクロルヒドリンやメラミン樹脂等
の湿潤紙力増強剤、硫酸バンド等の定着剤等の製紙用副
資材を適宜添加して紙料を調製し、一般的にはフリーネ
ス300〜500mlC.S.F.で円網抄紙機、長網
抄紙機、ツインワイヤー抄紙機等の抄紙機を使用して常
法に従い、通常坪量40〜100g/m2 となるように
抄造する。
【0022】なお必要に応じて、白色紙の紙面強度を向
上させるために、原紙の抄紙段階の途中でサイズプレス
装置等によって、スチレン系樹脂、スチレン・アクリル
系樹脂、スチレン・マレイン酸樹脂、アルキルケテンダ
イマー、澱粉、酸化澱粉、ヒドロキシエチル化澱粉、カ
ルボキシメチル化セルロース、カルボキシメチル化グア
ーガム、リン酸化グアーガム、酸化グアーガム、ポリビ
ニルアルコール、ポリアクリルアミド等の薬品を表面に
塗工してもよい。また、ビルブレードコーター等を使用
して微塗工紙に使用される塗料を数g/m2 塗工するこ
とも適宜行うことができる。
【0023】前述したように光遮蔽紙は、用紙の裏面か
ら強い光を当てても光が実質的に透過しないことが必要
であるが、これを達成する手段として本発明において
は、白色紙の裏面に、光を遮蔽する性能を有した濃色紙
を貼合する。かような濃色紙としては、黒色紙の他に、
黒灰色紙、黒褐色紙、黒赤色紙、黒青色紙等の濃色を有
した色紙を使用することができ、白色紙と貼合した後に
実質的に光を遮蔽するのに十分なだけの光遮蔽能力があ
ればよい。
【0024】濃色紙の抄造に際しては、濃色の染料や顔
料を紙料中に添加してパルプ繊維に定着させる以外は、
前述した白色紙の抄造と同様な方法を採用することがで
き、通常は坪量40〜100g/m2 となるように抄造
する。
【0025】濃色紙の抄造に用いる濃色の染料として
は、黒色、黒灰色、黒青色、黒褐色等の明度の低い直接
染料、酸性染料、塩基性染料、分散染料等の周知の染料
が使用できる。また、濃色の顔料としては、同じく明度
の低いレーキ顔料、トーナー顔料等の有機顔料、紺青、
ベンガラ、カーボンブラック等の無機顔料が使用でき
る。最も効果の大きなものは黒色の染顔料であり、黒色
の染料、アニリンブラック、カーボンブラックが好まし
く使用できる。濃色紙の抄造においては、これらの濃色
染料や顔料を単独あるいは2種類以上混合して使用する
ことができるが、パルプに対する添加量は通常数重量%
〜30重量%とする。
【0026】濃色紙の抄造に際して用いる濃色の顔料と
しては、水に溶出しないもの、例えばカーボンブラック
を使用するのが好ましい。水に溶出しない顔料を使用す
れば、スクラッチくじや隠蔽ラベルを貼付したはがき等
をワイシャツのポケット等に入れたまま洗濯してしまっ
た場合でも、濃色紙中の顔料が溶出して周囲を汚染する
という弊害を防止できるからである。
【0027】白色紙と濃色紙を貼合するに際して使用す
る接着剤としては、水系若しくは溶剤系の周知の接着剤
をいずれも使用できる。例えば、水系の接着剤として
は、澱粉系接着剤、ポリビニルアルコール系接着剤、合
成樹脂エマルション接着剤、合成ゴムラテックス接着剤
等が挙げられる。また溶剤系の接着剤としては、ポリウ
レタン系のドライラミネート接着剤、合成ゴム接着剤、
EVA等のホットメルト接着剤等をいずれも使用でき
る。
【0028】特にスクラッチくじ用紙に使用する光遮蔽
紙においては、接着剤に耐水性のあるものを使用するこ
とが望ましい。白色紙と濃色紙を耐水性のない接着剤で
貼合した光遮蔽紙をスクラッチくじ用紙として用いた場
合、用紙を水に浸して白色紙と濃色紙を剥がし、白色紙
裏面から光を照射して白色紙表面に印刷された当たり外
れの表示を透かし見ることが可能となり、その後に再度
白色紙裏面に濃色紙を貼合すれば、くじ用紙の表面のア
ルミペーストインキ被覆層を剥離することなくくじの当
たり外れを視認できてしまう危険がある。白色紙と濃色
紙の貼合に耐水性のある接着剤を使用することにより、
かような危険を確実に防止することができる。
【0029】光遮蔽紙の光遮蔽効果をより高めるため
に、接着剤中に光を遮蔽する性質を有した着色染料、着
色顔料、白色顔料等の着色剤を添加することもできる。
接着剤中に添加する光遮蔽性に優れた着色染料や顔料と
しては、前述した濃色紙の製造に使用する濃色染料や顔
料と同じの種類のものを使用できる。これらの着色染料
や顔料は単独あるいは2種類以上混合して使用できる
が、接着剤に対する添加量は通常数重量%〜30重量%
とする。
【0030】特に本発明の光遮蔽紙をスクラッチくじ用
紙やはがき等に貼付する隠蔽ラベル用紙として使用する
場合には、接着剤中に添加する光遮蔽性の着色剤として
は、水に溶出しない、例えばカーボンブラック等の濃色
の着色顔料や、水に溶出しない濃色の着色染料を使用す
ることが望ましい。水に溶出しない着色剤を接着剤に添
加すれば、スクラッチくじや隠蔽ラベルを貼付したはが
き等をワイシャツのポケット等に入れたまま洗濯してし
まった場合でも、接着剤中の着色剤が溶出して周囲を汚
染するという弊害を防止できるからである。
【0031】図2は本発明の光遮蔽紙の他の実施例を示
しており、第1の白色紙1aの裏面に光を遮蔽する性能
を有した濃色紙2が第1の接着剤層3aを介して積層さ
れ、この濃色紙の裏面に第2の白色紙1bが第2の接着
剤層3bを介して積層されている。図2の構成の光遮蔽
紙によれば、用紙の表裏両面が白色紙で構成されるた
め、所望の印刷を表裏両面の白色紙に施すことができ
る。
【0032】図3は本発明の光遮蔽紙のさらに別な実施
例を示しており、白色紙1の裏面に光を遮蔽する性能を
有した濃色紙2が接着剤層3を介して積層され、この濃
色紙の裏面に高不透明性でかつ高白色度の白色顔料塗工
層4を設けられている。この白色顔料塗工層4は不透明
性の高いものであるため、光遮蔽紙の裏面から照射され
た光を遮蔽する作用もするため、光遮蔽効果をより一層
向上させることができる。また、この白色顔料塗工層4
の高不透明性により濃色紙の色が透けて見えることがな
く、さらに塗工層4自体が高白色度を有するものである
から、この塗工層4に所望の印刷を施すことができ、用
紙の表裏印刷が可能となる。
【0033】図3における白色顔料塗工層4は、高不透
明性でかつ高白色度の白色顔料とバインダーを主成分と
した塗工液を周知の塗工機を使用して塗工することによ
り形成することができる。白色顔料塗工層4を形成する
ための塗工液は、後述する図4に示した白色顔料塗工層
5aや5bの形成に用いる塗工液と同様なものを使用す
ることができる。不透明性を特に高める必要がある場合
には、白色顔料として二酸化チタンやカオリン等の顔料
を多量に配合した塗工液を用いることが望ましい。白色
顔料塗工層4を形成するには、上記したような塗工液を
塗工するのに代えて、高不透明性でかつ高白色度の白色
顔料とバインダーを主成分としたインクを周知の印刷機
を使用してベタ印刷することにより形成することもでき
る。
【0034】本発明で使用する白色紙1が、それ自体で
高白色度を有しかつ不透明性の高いものである場合に
は、そのまま本発明の光遮蔽紙における白色紙として使
用できるが、必要に応じて図4に示したように、基紙A
の表面、裏面または表裏両面に白色顔料塗工層5a、5
bを形成したものを白色紙1として使用することもでき
る。
【0035】白色顔料塗工層5aは、白色紙1の表面側
に現れる層となるものであって、濃色紙2の色が白色紙
側から透けて見えないように隠蔽する機能とともに、白
色紙表面に高白色度を付与し、多色刷り等における印刷
適性を向上させる機能を有する。白色顔料塗工層5aを
形成するための塗工液は、カオリン、炭酸カルシウム、
二酸化チタン、水酸化アルミニウム粉末等の白色顔料の
1種類または2種類以上の混合物と、スチレン・ブタジ
エンラテックス、メチルメタクリレート・ブタジエンラ
テックス、澱粉、ポリビニルアルコール等のバインダー
の1種類または2種類以上の混合物を主体とし、これに
分散剤、耐水化剤、防腐剤、防かび剤等の従来から慣用
されている塗工用副資材を適宜混合して調製する。故紙
からの製紙用繊維の回収を考慮すると、バインダーには
澱粉やポリビニルアルコール等の水溶性バインダーを使
用することが特に好ましい。塗工液中のバインダーの混
合割合は通常白色顔料100重量部に対して10〜30
重量部とする。このようにして調製した塗工液を、エア
ナイフコーター、ブレードコーター、ロールコーター等
の周知のコーターを使用して基紙Aの表面に塗工するこ
とにより白色顔料塗工層5aを形成することができる。
この塗工層5aの塗工量は通常5〜25g/m2 であ
る。なお、この白色顔料塗工層5aは、基紙Aの白色度
が高く、かつ高不透明性を有するものである場合には、
必ずしも設ける必要はない。
【0036】基紙Aの裏面に白色顔料塗工層5bを設け
る目的は、濃色紙2の色が白色紙側から透けて見えない
ように隠蔽するためである。かような塗工層5bを形成
するためには、基本的には白色顔料塗工層5aの形成に
使用したものと同様な塗工液を使用すればよいが、上記
した隠蔽機能の観点からは、不透明性を付与する効果の
大きい二酸化チタンを白色顔料として使用することが特
に好ましい。
【0037】また白色紙1と濃色紙2とを接着剤で貼合
するに際して、溶剤系の接着剤を白色紙1の裏面に塗布
して濃色紙2と貼り合わせる場合には、白色紙1の裏面
となる白色顔料塗工層5bは溶剤系接着剤の溶剤を浸透
させない耐溶剤浸透性を有することが望ましい。白色顔
料塗工層5bに耐溶剤浸透性を付与するためには、白色
顔料塗工層に使用するバインダーとして耐溶剤浸透性に
優れたものを使用すること、白色顔料に対するバインダ
ーの比率を高めること、白色顔料塗工層の上にさらに溶
剤を浸透を防止する塗工層を設けること、などの手段を
適宜施すことができる。
【0038】一方、スクラッチくじの当たり外れ等の印
字、印刷を行うに際しては、インクジェットプリンター
が使用されることがある。本発明の光遮蔽紙にインクジ
ェット記録を施す場合には、図5に図示したように、白
色紙1の表面に周知のインクジェット記録におけるイン
ク受容層6を設ける構成とすることができる。特に記録
面の耐水性(文字や画像の記録部分のインクが水滴など
の影響で溶出し、にじみ出ない性質)が要求される場合
には、白色紙1の表面にカチオン性物質を塗工すること
により、あるいはカチオン性物質を含有する塗工液を塗
工することによりインク受容層6を形成させることが望
ましい。アニオン性のインクジェット記録用インクがイ
ンク受容層6中のカチオン性物質により水に溶け難くさ
れ、耐水性を付与することができるからである。
【0039】カチオン性物質としては、例えば、ポリエ
チレンイミン、金属の水溶性塩、ポリビニルピリジウム
ブロマイド、ポリエチレンイミン、ジメチルジアリルア
ンモニウムクロライド、ポリエチレンイミン有機酸塩、
カチオン性コロイダルシリカ、ポリアルキレンポリアミ
ンジシアンジアミドアンモニウム塩縮合物、ポリエチレ
ンイミン第4級アンモニウム化合物、ジアルカノールア
ミノ変性アルキレングリコール誘導体、アクリルアミド
とジアリルジメチルアンモニウムクロライドとを主要モ
ノマーとするアクリルアミド・ジアリルジメチルアンモ
ニウムクロライド共重合体、等の周知のカチオン性物質
を使用できる。
【0040】本発明の光遮蔽紙をスクラッチくじ用紙と
して使用する場合、用紙に偽造防止手段を施すことが望
ましい。偽造防止手段としては、例えば白色紙1中に紫
外線の照射で種々の色相に蛍光発色する繊維状物または
粒状物、あるいは両者を混合して含有させることが好ま
しい。これらの繊維状物や粒状物は、普通光の下では見
えないが、紫外線を照射すると種々の蛍光色を発するも
のであり、用紙に紫外線を照射したときに蛍光発色する
繊維状物や粒状物が見えない場合には、偽造された用紙
であることが簡単にかつ確実に判定できる。
【0041】紫外線の照射で蛍光発色する繊維状物や粒
状物は従来から種々のものが提案されており、本発明で
はこれら周知のものが使用できる。例えば、特開昭55
−122100号で提案されているスチルベン系等の蛍
光染料を定着させた繊維、特開平6−128807号で
提案されているSr5 (PO4 )3 Cl:Eu、Zn2
eO2 :Mn、Y2 2 S:Eu等の金属酸化物系の蛍
光顔料を練り込んだ繊維、特開平10−164273号
で提案されている物理的若しくは化学的作用で自着性を
発現する粒子表面に蛍光顔料を固着した蛍光発色する粒
状物、特願平11−347237号で提案されている水
不溶性の蛍光染料及び/または顔料と粉状物質との混合
物の造粒物からなる蛍光発色粒子、あるいは粉状物質の
造粒物とこの造粒物の外側に形成した水不溶性蛍光染料
及び/顔料のコーティング層とからなる蛍光発色粒子等
をいずれも使用できる。
【0042】白色紙1が図4に示したような基紙Aの表
面に白色顔料塗工層5aを設けてなる白色紙の場合に
は、紫外線の照射で蛍光発色する繊維状物や粒状物は基
紙Aに含有させることができる。この場合、基紙Aや白
色顔料塗工層5a中に紫外線を吸収する性質を有する例
えば二酸化チタンやカオリン等の顔料が含まれている
と、用紙の真贋を判別するために紫外線を照射したとき
にかような顔料に紫外線が吸収されてしまい、基紙A中
の繊維状物や粒状物が蛍光発色しにくくなる。従って、
基紙Aや白色顔料塗工層5aには紫外線を吸収する顔料
が実質的に含有されていないことが望ましく、例えば水
酸化アルミニウムやプラスチックピグメント等の紫外線
を吸収しない顔料を含有させればよい。
【0043】
【実施例】以下に実施例および比較例を挙げて本発明を
さらに説明する。なお、実施例および比較例中に示した
「重量部」や「重量%」は乾燥重量換算の値である。
【0044】[実施例1] <基紙の製造>NBKP30重量部、LBKP70重量
部をフリーネス430mlC.S.F.に叩解し、これ
に二酸化チタン粉末1重量部、カオリン3重量部、紙力
増強剤(商品名「ポリアクロン」、ミサワセラミックス
(株)製造)0.4重量部、サイズ剤(商品名「サイズ
パインE」、荒川化学工業(株)製造)0.8重量部、
硫酸バンド5重量部を加えて紙料を調製し、長網抄紙機
を使用して坪量70g/m2 の基紙(図4の基紙A)を
抄造した。
【0045】<白色顔料塗工層の調製と塗工>二酸化チ
タン粉末250重量部、分散剤5重量部、水360重量
部を分散機で処理した後、これにバインダーとしてSB
Rラテックス(商品名「スマーテックス750」、日本
エイアンドエル(株)製造)を50重量部加えて白色顔
料塗工液を調製した。この塗工液をエアナイフコーター
を使用して上記で得られた基紙の裏面に15g/m2
なるように塗工して、基紙の裏面に白色顔料塗工層(図
4の塗工層5b)を有する坪量85g/cm2 の白色紙
を作製した。なお、基紙の表面は高白色度を有していた
ため基紙表面には白色顔料塗工層(図4の塗工層5a)
を設けなかった。
【0046】<濃色紙の製造>NBKP25重量部、L
BKP75重量部をフリーネス280mlC.S.F.
に叩解し、これにカーボンブラック10重量部、紙力増
強剤(「ポリアクロン」)0.4重量部、サイズ剤
(「サイズパインE」)0.8重量部、硫酸バンド5重
量部を加えて紙料を調製し、長網抄紙機を使用して坪量
70g/m2 の黒色の濃色紙を抄造した。
【0047】<接着剤の調製>ウレタン樹脂(商品名
「タケラックA−975」、武田薬品工業(株)製造)
40重量部にイソシアネート硬化剤(商品名「タケネー
トA3」、武田薬品工業(株)製造)3.5重量部と酢
酸エチル140重量部を加えてドライラミネート接着剤
塗工液を調製した。
【0048】<白色紙と濃色紙の貼り合わせ>白色紙裏
面の白色顔料塗工層の上に接着剤塗工液をグラビアコー
ターラミネーターを使用して4g/m2 塗工し、乾燥ゾ
ーンで接着剤塗工層中の溶剤を揮発させた後に、コンバ
イナーロール部分で濃色紙と貼合し、坪量159g/m
2 の光遮蔽紙を製造した。
【0049】[実施例2] <基紙の製造>NBKP30重量部、LBKP70重量
部をフリーネス430mlC.S.F.に叩解し、これ
にカオリン4重量部、偽造防止を目的に紫外線の照射で
赤色に発色する蛍光発色粒子0.05重量部、紙力増強
剤(商品名「ポリアクロン」)0.4重量部、サイズ剤
(商品名「サイズパインE」)0.8重量部、硫酸バン
ド5重量部を加えて紙料を調製し、長網抄紙機を使用し
て坪量70g/m2 の基紙(図4の基紙A)を抄造し
た。
【0050】<白色顔料塗工層の調製と塗工>カオリン
250重量部、分散剤5重量部、水360重量部を分散
機で処理した後、これにバインダーとしてSBRラテッ
クス(商品名「スマーテックス750」)を50重量部
加えて白色顔料塗工液を調製した。この塗工液をエアナ
イフコーターを使用して上記で得られた基紙の表面に5
g/cm2 となるように塗工して、基紙の表面に白色顔
料塗工層(図4の塗工層5a)を形成した。
【0051】さらに基紙の裏面には、実施例1で設けた
ものと同様な15g/m2 の白色顔料塗工層(図4の塗
工層5b)を設け、両面塗工の坪量90g/m2 の白色
紙を製造した。この白色紙にはスーパーキャレンダーを
用いて平滑化処理を施した。
【0052】<白色紙と濃色紙の貼り合わせ>実施例1
で用いたと同じ濃色紙を、実施例1と同様にして、上記
で得られた両面塗工白色紙と貼合し、偽造防止手段を施
した坪量164g/m2 の光遮蔽紙を作製した。この光
遮蔽紙は、両面塗工白色紙側から紫外線(市販のブラッ
クライトの光)を照射すると、通常の照明下ではその存
在を視認することができなかった粒子が赤色に発色し、
その存在を明瞭に視認できた。
【0053】[比較例1](コート紙/アルミ箔/コー
ト紙の構成の光遮蔽紙) 厚さ15μmのアルミ箔の両面に、実施例1で用いたと
同様なドライラミネート接着剤塗工液を片面3g/m2
となるように塗布して溶剤を揮発させた後、坪量50g
/m2 のコート紙をアルミ箔両面に貼合し、坪量146
g/m2 の光遮蔽紙を製造した。
【0054】[比較例2](コート紙表面に濃色塗工層
を設けた構成の光遮蔽紙) 坪量128g/m2 のコート紙(商品名「シルバーダイ
ヤ」、三菱製紙(株)製造)の表面に、カーボンブラッ
ク100重量部とSBRラテックス(商品名「スマーテ
ックス750」)20重量部とからなる黒色塗工液を4
0g/m2 となるように塗工し、坪量168g/m2
光遮蔽紙を製造した。
【0055】[光遮蔽紙の性能評価]上記実施例および
比較例で得られた光遮蔽紙について、坪量、厚さ、白色
度を表1にまとめて示し、併せて各種性能を評価した結
果も示す。測定方法および評価方法は以下の通りであ
る。
【0056】<白色度の測定>JIS P8123に規
定される方法に準じて光遮蔽紙サンプル表面の白色度を
測定した。
【0057】<光遮蔽性の評価>投光器と一体化された
白色光ランプ(商品名「LAMP HOUSE MOL
EL 15HLE」、セナー(株)製造)を変圧器(商
品名「POWER SUPPLY MODEL 151
5D」、セナー(株)製造)に繋いで電圧を調整するこ
とでランプの照度を調整できるようにし、ランプから1
50mmの距離を隔ててサンプル載置台を配置する。サ
ンプル載置台には直径80mmの穴が開けてあり、光遮
蔽紙のサンプルはこの穴を塞ぐようにサンプル載置台に
置かれる。
【0058】この装置を暗室内に設置し、サンプルが置
かれていないサンプル載置台の穴の中央の照度が100
万ルクスとなるように変圧器で電圧を調整した。照度の
測定は照度計(商品名「デジタル照度計 TIH」、ミ
ノルタ(株)製造)を用いて行った。この状態で光遮蔽
紙サンプルをその裏面側から光が当たるようにサンプル
載置台に置き、サンプル載置台の穴を通って透過する光
を光遮蔽紙表面側から目視により観察した。光遮蔽性の
評価は以下の4段階で行った。 ◎:光遮蔽紙表面側から穴の輪郭が全く見えない。 ○:光遮蔽紙表面側から穴の輪郭がきわめて微かに見え
る。 △:光遮蔽紙表面側から穴の輪郭が僅かに見える。 ×:光遮蔽紙表面側から穴の輪郭が明瞭に見える。
【0059】<カールの評価>光遮蔽紙を、10℃−3
0%RHの空調室内、および30℃−80%RHの空調
室内に5時間放置した後、カールの状態を目視で観察し
た。評価は以下の4段階で行った。 ◎:全く起こらないか、ごく僅か発生する。 ○:僅かに発生するが実用上問題にならないレベル。 △:相当発生し、実用上問題になるレベル。 ×:ひどく発生し、実用上使用できないレベル。
【0060】<故紙からの繊維回収性の評価>光遮蔽紙
サンプルを1cm四方に切り、その5gを700mL
(ミリリットル)の水を入れた家庭用ミキサーに投入し
て1分間処理し、光遮蔽紙を離解した。得られた処理物
を、25cm角の手抄きシート装置を用いて手抄きシー
トを製造し、シート中の結束繊維や未離解物の有無を目
視により観察した。評価は以下の4段階で行った。 ◎:結束繊維や未離解物が全くない状態。 ○:結束繊維や未離解物は多少あるが板紙の内層紙の用
途には十分使用できる状態。 △:結束繊維や未離解物が相当残り、長時間離解処理を
行わなくては板紙の内層紙の用途にも使用できない状
態。 ×:長時間離解処理しても結束繊維や未離解物が大量に
残る状態。
【0061】<焼却処理適性の評価>光遮蔽紙サンプル
を焼却炉で焼却したときの残滓の発生量で評価した。評
価は以下の4段階で行った。 ◎:完全に焼却し、残滓も焼却灰のみで上質紙を焼却し
た時と同じ状態。 ○:焼却するが、残滓がやや発生する状態。 △:焼却するが、残滓が相当発生する状態。 ×:燃焼しない残滓が多量に発生する状態。
【0062】
【0063】表1から下記のことがわかる。 1)光遮蔽紙の従来例である比較例1(アルミ箔の貼
合)と比較すると、本発明の実施例の光遮蔽紙は、故紙
からの繊維の回収が可能であり、焼却処理適性も優れて
いることがわかる。
【0064】2)比較例2と比較した場合も、本発明の
実施例の光遮蔽紙の光遮蔽性が優れていることがわか
る。実施例で使用した濃色紙のみについてその光遮蔽性
を光遮蔽紙と同様にして測定したところ評価は◎であっ
た。この濃色紙に含まれるカーボンブラックの量を計算
すると6.3g/m2 であるのに対して、比較例2で用
いたカーボンブラック量は33.3g/m2 であった。
実施例におけるカーボンブラック量が比較例1の約1/
5であるのに光遮蔽性がはるかに優れている理由は、本
発明ではカーボンブラック粒子が濃色紙の厚さ方向全体
にわたって分散して分布しているため、濃色紙に入射し
た光が複雑な反射と吸収を繰り返し、反対面に到達する
までに吸収されてしまうためと考えられる。これに対し
て比較例1では、カーボンブラックが塗工層中に含有さ
れており、カーボンブラック粒子が塗工層中に密に分布
しているので、光の反射と吸収が繰り返えされる効果が
少なくなると考えられる。
【0065】
【発明の効果】上述したところからわかるように、本発
明による光遮蔽紙は次のような効果を有する。 1)坪量を高めることなく、高白色度で不透明性の極め
て大きい光遮蔽紙を得ることができる。
【0066】2)アルミ箔またはアルミ蒸着フィルムを
貼合した従来の光遮蔽紙と比較して、焼却処理時にアル
ミ箔が燃焼せずに残ることがなく、有害なガスを発生す
ることもないので、焼却処理も容易である。さらに故紙
からの製紙用繊維の回収も容易にできる。
【0067】3)基紙の片面のみに複数の塗工層を積層
形成することがないため、カールも起こりにくい。
【0068】4)白色紙の表面に必要に応じて、印刷適
性を向上させる塗工層やインクジェット記録用の耐水性
インク受容層を容易に設けることができる。
【0069】5)紫外線の照射で蛍光発色する繊維状物
や粒状物を白色紙に含有させることにより、偽造防止用
の光遮蔽紙を容易に製造することができる。
【0070】6)接着剤層に光遮蔽性の染料や顔料を含
有させることにより、光遮蔽性をより一層向上させるこ
とができる。
【0071】7)濃色紙の抄造時に使用する濃色顔料や
接着剤層中に添加する着色剤として、水に溶出しない着
色染顔料を使用すれば、この光遮蔽紙を衣類のポケット
に入れたまま洗濯してしまった場合でも、着色染顔料が
溶出して周囲を汚染することがない。
【0072】8)濃色紙が裏面に露出している光遮蔽紙
をスクラッチくじ用紙として使用した場合、用紙表面の
アルミペーストインキの被覆層を剥がさずに当たり外れ
の表示を透かし見ようとして用紙裏面から強い光を照射
すると、裏面の濃色紙が光を吸収して発熱し数秒で焼け
焦げてしまうため、かような行為を未然に防止すること
ができる。
【0073】9)このような特徴を生かして、本発明の
光遮蔽紙は、遮光紙、食品包装材、食品容器、スクラッ
チくじ、はがき等に貼付する隠蔽ラベル、遮光性を要求
される建材(例えば壁紙やブラインド)等の用紙として
好適に使用できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の光遮蔽紙の基本構成を示す断面図であ
る。
【図2】本発明の光遮蔽紙の実施例を示す断面図であ
る。
【図3】本発明の光遮蔽紙の別な実施例を示す断面図で
ある。
【図4】本発明で用いる白色紙の一例を示す断面図であ
【図5】本発明の光遮蔽紙において、インクジェット記
録に用いる好ましい実施例を示す断面図である。
【符号の説明】
1,1a,1b: 白色紙 2: 光を遮蔽する性能を有した濃色紙 3,3a,3b: 接着剤層 4:高不透明性でかつ高白色度の白色顔料塗工層 5a,5b: 白色顔料塗工層 6: インクジェット記録におけるインク受容層 A: 基紙
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 赤堀 慎一 静岡県駿東郡長泉町本宿501番地 特種製 紙株式会社内 (72)発明者 平澤 智樹 静岡県駿東郡長泉町本宿501番地 特種製 紙株式会社内 (72)発明者 福室 嘉彦 静岡県駿東郡長泉町本宿501番地 特種製 紙株式会社内 (72)発明者 藤田 一三夫 東京都文京区小石川4丁目14番12号 共同 印刷株式会社内 (72)発明者 岡村 昌太郎 東京都文京区小石川4丁目14番12号 共同 印刷株式会社内 (72)発明者 長澤 秀雄 東京都文京区小石川4丁目14番12号 共同 印刷株式会社内 (72)発明者 手塚 博文 東京都文京区小石川4丁目14番12号 共同 印刷株式会社内 Fターム(参考) 4F100 AR00E BA02 BA03 BA04 BA05 BA06 BA07 BA14 BA26 CA13B CA13E DE01A DE01C DG01A DG01C DG07A DG07B DG07C DG07D DG07E EH41B EH411 EH46E EH462 GB07 GB90 JA13 JA13B JA13D JL10A JL10B JL10C JL10E JL11E JN02 JN02E JN13A JN13C JN30 JN30A JN30C 4L055 AC06 AG02 AG08 AG19 AG27 AG63 AG75 AG85 AG97 AH02 AH03 AH11 AH16 AH33 AH37 AJ03 BE08 EA05 EA08 EA14 FA12 GA21 GA50

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 白色紙の裏面に光を遮蔽する性能を有し
    た濃色紙が接着剤層を介して積層されていることを特徴
    とする光遮蔽紙。
  2. 【請求項2】 第1の白色紙の裏面に光を遮蔽する性能
    を有した濃色紙が第1の接着剤層を介して積層され、こ
    の濃色紙の裏面に第2の白色紙が第2の接着剤層を介し
    て積層されていることを特徴とする光遮蔽紙。
  3. 【請求項3】 白色紙の裏面に光を遮蔽する性能を有し
    た濃色紙が接着剤層を介して積層され、この濃色紙の表
    面または裏面または表裏両面に高不透明でかつ高白色度
    の白色顔料塗工層が設けられていることを特徴とする光
    遮蔽紙。
  4. 【請求項4】 前記濃色紙が、水に溶出しない濃色の顔
    料を定着させて抄紙されたものであることを特徴とする
    請求項1〜3のいずれか1項記載の光遮蔽紙。
  5. 【請求項5】 前記白色紙が、基紙の表面、裏面または
    表裏両面に白色顔料塗工層を設けた構成を有することを
    特徴とする請求項1〜4のいずれか1項記載の光遮蔽
    紙。
  6. 【請求項6】 前記白色紙が、紫外線の照射で蛍光発色
    する繊維状物及び/または粒状物を含有していることを
    特徴とする請求項1〜5のいずれか1項記載の光遮蔽
    紙。
  7. 【請求項7】 前記白色紙が、基紙の表面に白色顔料塗
    工層を設けた構成を有し、紫外線の照射で蛍光発色する
    前記繊維状物及び/または粒状物が前記基紙に含有さ
    れ、前記基紙及び白色顔料塗工層には紫外線を吸収する
    顔料が実質的に含有されていないことを特徴とする請求
    項6記載の光遮蔽紙。
  8. 【請求項8】 前記基紙の坪量が40〜100g/
    2 、前記白色顔料塗工層の塗工量が片面で5〜25g
    /m2 、前記濃色紙の坪量が40〜100g/m 2 であ
    ることを特徴とする請求項5〜7のいずれか1項記載の
    光遮蔽紙。
  9. 【請求項9】 前記接着剤層が光遮蔽性に優れた染料及
    び/または顔料を含有していることを特徴とする請求項
    1〜8のいずれか1項記載の光遮蔽紙。
  10. 【請求項10】前記光遮蔽性に優れた染料及び/または
    顔料として、水に溶出しない着色染料及び/または顔料
    を使用することを特徴とする請求項9記載の光遮蔽紙。
  11. 【請求項11】 前記白色紙表面の白色度が、JIS
    P−8123で規定する白色度で60%以上であること
    を特徴とする請求項1〜10のいずれか1項記載の光遮
    蔽紙。
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