JP2001278078A - 電動パワーステアリング装置 - Google Patents

電動パワーステアリング装置

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JP2001278078A JP2000095471A JP2000095471A JP2001278078A JP 2001278078 A JP2001278078 A JP 2001278078A JP 2000095471 A JP2000095471 A JP 2000095471A JP 2000095471 A JP2000095471 A JP 2000095471A JP 2001278078 A JP2001278078 A JP 2001278078A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 電動モータに結合される駆動軸の軸方向移動
を許容して衝撃吸収可能とする電動パワーステアリング
装置において、軸受装置による駆動軸の支持状態を向上
し、電動モータのトルク伝達性を向上すること。 【解決手段】 電動パワーステアリング装置10におい
て、電動モータ30に結合された駆動軸32を支持する
軸受装置33を2個のアンギュラ玉軸受41、42によ
り構成し、軸受41、42の内輪41A、42Aに設け
たスラスト受面41D、42Dを背中合せになるように
並置し、両軸受41、42の内輪41A、42Aの間に
弾性変形具46を介装し、両内輪41A、42Aを駆動
軸32に隙間嵌めし、且つ2つの内輪係止部47、48
の間に挟持したもの。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は電動パワーステアリ
ング装置に関する。
【0002】
【従来の技術】電動パワーステアリング装置は、ステア
リング軸に接続されたピニオン軸をラック軸に噛合いさ
せるとともに、電動モータに結合された駆動軸にウォー
ムギヤを設け、該ウォームギヤに噛合うウォームホイー
ルをピニオン軸に接続し、モータのトルクをラック軸に
伝えることで操舵アシストする。
【0003】然るに、ウォームギヤとウォームホイール
の歯面同士は加工上、作動上の必要から適度なバックラ
ッシュが設定されている。ところが、電動パワーステア
リング装置では、ステアリングホイールの操作或いは路
面から入力される振動により、動力の伝達方向が反転す
ることがある。このような反転駆動時には、ウォームギ
ヤ又はウォームホイールの今まで当接していた歯面の裏
側の歯面が、バックラッシュ分だけ急に移動して相手の
歯面に衝突し、叩き音を生ずる。
【0004】また、電動パワーステアリング装置では、
操舵中にタイヤが縁石に乗り上げる等により、ラック軸
のストロークが急停止せしめられたとき、電動モータは
たとえ給電を停止しても慣性により回転し続けようとす
るため、電動モータに接合されている駆動軸の慣性推力
がトルク伝達経路に損傷を招く虞もある。
【0005】従来技術では、実開平6-39665 号公報に記
載の如く、上述の叩き音を低減したり、トルク伝達経路
の損傷を防止するため、電動モータに結合された駆動軸
をギヤハウジングに支持する軸受装置を2個の軸受で構
成し、この2個の軸受の内輪と外輪をともに駆動軸とギ
ヤハウジングに隙間嵌めするとともに、両軸受の間に皿
ばねを介装している。これにより、電動パワーステアリ
ング装置の反転駆動時や、タイヤの縁石乗り上げ時等
に、駆動軸上の皿ばねを、駆動軸上の一方の軸受により
他方の軸受に対して押し込んで圧縮変形させ、該駆動軸
を2個の軸受のうちの一方のものとともに軸方向の一方
側に移動可能とし、結果として、ウォームギヤの歯面に
生ずる衝撃力の緩和による歯面同士の叩き音の低減、或
いは駆動軸の慣性推力によるトルク伝達経路の損傷の回
避を図るものである。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】駆動軸をギヤハウジ
ングに支持する軸受装置が、2個の軸受の間の皿ばねを
圧縮変形させるとき、駆動軸は一方の軸受の全体(内輪
及び外輪)とともに軸方向に移動する。このとき、一方
の軸受の外輪がギヤハウジングに対して滑り、他方の軸
受の内輪が駆動軸に対して滑る必要がある。従って、2
個の軸受は、前述した如く、それらの内輪と外輪をとも
に駆動軸とギヤハウジングに隙間嵌めする必要があり、
ギヤハウジングと駆動軸の間での径方向のがたが大き
く、駆動軸の支持状態が悪く、ひいては電動モータのト
ルク伝達性を損なう。
【0007】2個の軸受の間に介装した皿ばねが駆動
軸に付与する予圧力は、駆動軸に設けた内輪のロックナ
ットにより皿ばねを予圧縮することにより付与される。
このため、駆動軸の軸方向移動を許容して一定の衝撃吸
収性能を確保するに必要な予圧力を駆動軸に付与するた
めには、ロックナットの締め加減によって皿ばねに付与
する予圧縮量を微妙に調整する必要があり、軸受装置が
駆動軸に付与する予圧調整に困難がある。
【0008】本発明の課題は、電動モータに結合される
駆動軸の軸方向移動を許容して衝撃吸収可能とする電動
パワーステアリング装置において、軸受装置による駆動
軸の支持状態を向上し、電動モータのトルク伝達性を向
上することにある。
【0009】また、本発明の課題は、軸受装置が駆動軸
に付与する予圧設定を簡易に高精度化することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】請求項1の発明は、ステ
アリング軸に接続されたピニオン軸をラック軸に噛合い
させ、電動モータに結合された駆動軸を回転自在に支持
する軸受装置を備えるとともに、該駆動軸に駆動ギヤを
設け、該駆動ギヤに噛合う中間ギヤを上記ピニオン軸に
接続してなる電動パワーステアリング装置において、前
記軸受装置が、内輪又は外輪の転走面の一側にスラスト
受面を備えた2個のアンギュラ軸受を、それらのスラス
ト受面が背面合せになるように並置し、2個のアンギュ
ラ軸受の内輪にスラスト受面を備えた場合には、両軸受
の内輪の間に弾性変形具を介装し、両内輪を駆動軸に隙
間嵌めし、且つ該駆動軸に設けた2つの内輪係止部の間
に挟持するとともに、両軸受の外輪をハウジングの側に
固定配置し、2個のアンギュラ軸受の外輪にスラスト受
面を備えた場合には、両軸受の外輪の間に弾性変形具を
介装し、両外輪をハウジングに隙間嵌めし、且つ該ハウ
ジングに設けた2つの外輪係止部の間に挟持するととも
に、両軸受の内輪を駆動軸の側に固定配置してなるよう
にしたものである。
【0011】請求項2の発明は、請求項1の発明におい
て更に、前記2個のアンギュラ軸受のスラスト受面を備
えた内輪又は外輪を挟持する2つの係止部のうち、一方
の係止部が駆動軸又はハウジングに設けた段差部、他方
の係止部が駆動軸又はハウジングの該段差部と一定の距
離をなす位置に設けた溝に係着されるストッパリングで
あるようにしたものである。
【0012】請求項3の発明は、請求項1又は2の発明
において更に、前記弾性変形具が、弾性体と、弾性体の
一方の面の側に接合した座金と、弾性体の他方の面の側
に組付けた座金とからなるようにしたものである。
【0013】
【作用】請求項1の発明によれば下記、の作用があ
る。 電動パワステアリング装置の反転駆動時や、タイヤの
縁石乗り上げ時等に、駆動軸に過大推力が作用すると、
2個の軸受の内輪の間(又は2個の軸受の外輪の間)に
介装された弾性変形具が圧縮変形し、2個の軸受のうち
の一方の軸受の内輪が当該軸受の外輪に対して(2個の
軸受のうちの一方の軸受の外輪が当該軸受の内輪に対し
て)軸方向に相対移動(離隔移動)する。これにより、
駆動ギヤの歯面に生ずる衝撃力を緩和して歯面同士の叩
き音を低減し、或いは駆動軸の慣性推力によるトルク伝
達経路の損傷を回避する。
【0014】2個の軸受は、内輪だけ(又は外輪だ
け)を駆動軸(又はギヤハウジング)に隙間嵌めし、他
方の外輪(又は内輪)はギヤハウジング(又は駆動軸)
に固定配置するものであるから、内外輪の両方を隙間嵌
めするものに比して、ギヤハウジングと駆動軸の間での
径方向のがたを小さくし、結果として、軸受装置による
駆動軸の支持状態を向上し、電動モータのトルク伝達性
を向上できる。更に、隙間嵌め個所を減らすことで摺動
嵌合部の磨耗が無く、耐久性上優位となる。
【0015】請求項2の発明によれば下記の作用があ
る。 2個の軸受の内輪の間(又は外輪の間)に介装した弾
性変形具が駆動軸に付与する予圧力は、駆動軸(又はギ
ヤハウジング)に設けた段差部からなる一方の係止部
と、溝に設けたストッパリングからなる他方の係止部と
がなす一定の間隔に基づき弾性変形具に付与される一定
の予圧縮量により直ちに一義的に定められる。従って、
駆動軸の軸方向移動を許容して一定の衝撃吸収性能を確
保するに必要な予圧力を、2つの係止部の間隔の設定の
みにより一義的に定めることができ、軸受装置が駆動軸
に付与する予圧設定を簡易に高精度化できる。
【0016】請求項3の発明によれば下記、の作用
がある。 弾性変形具は、2枚の座金の間に弾性体を挟んで相隣
る内輪の間(又は外輪の間)に介装するものであり、弾
性体をそれらの内輪の間(又は外輪の間)で安定的に弾
性変形させることができる。
【0017】弾性変形具は、一方の座金を弾性体の一
方の面の側に接合し、他方の座金を弾性体の他方の面の
側に組付けるものであるから、それら3部品のサブ組性
を向上でき、軸受装置への組立性を向上できる。
【0018】
【発明の実施の形態】図1は電動パワーステアリング装
置を一部破断して示す正面図、図2は図1のII-II 線に
沿う断面図、図3は図2のIII-III 線に沿う断面図、図
4は図3の要部拡大断面図、図5は駆動軸の移動状態を
示す断面図、図6は弾性変形具を示す断面図、図7は電
動パワーステアリング装置の変形例を示す要部拡大断面
図、図8は駆動軸の移動状態を示す断面図、図9は弾性
変形具を示す断面図である。
【0019】電動パワーステアリング装置10は、図
1、図2に示す如く、不図示のブラケットにより車体フ
レーム等に固定されるハウジング11(第1〜第3のハ
ウジング11A〜11C)を有する。そして、ステアリ
ングホイールが結合されるステアリング軸12にトーシ
ョンバー13を介してピニオン軸14を連結し、このピ
ニオン軸14にピニオン15を設け、このピニオン15
に噛合うラック16Aを備えたラック軸16を第1ハウ
ジング11Aに左右動可能に支持している。ステアリン
グ軸12とピニオン軸14の間には、操舵トルク検出装
置17を設けてある。尚、ステアリング軸12とピニオ
ン軸14は軸受12A、14A、14Bを介してハウジ
ング11に支持される。
【0020】操舵トルク検出装置17は、図2に示す如
く、ステアリング軸12、ピニオン軸14に係合してい
る円筒状のコア17Cを囲む2個の検出コイル17A、
17Bを第3ハウジング11Cに設けている。コア17
Cは、ピニオン軸14のガイドピン17Dに係合する縦
溝17Eを備えて軸方向にのみ移動可能とされるととも
に、ステアリング軸12のスライダピン17Fに係合す
るスパイラル溝17Gを備える。これにより、ステアリ
ングホイールに加えた操舵トルクがステアリング軸12
に付与され、トーションバー13の弾性ねじり変形によ
り、ステアリング軸12とピニオン軸14の間に回転方
向の相対変位を生ずると、ステアリング軸12とピニオ
ン軸14の回転方向の変位がコア17Cを軸方向に変位
させるものとなり、このコア17Cの変位による検出コ
イル17A、17Bの周辺の磁気的変化に起因する検出
コイル17A、17Bのインダクタンスが変化する。即
ち、コア17Cがステアリング軸12側へ移動すると、
コア17Cが近づく方の検出コイル17Aのインダクタ
ンスが増加し、コア17Cが遠ざかる方の検出コイル1
7Bのインダクタンスが減少し、このインダクタンスの
変化により操舵トルクを検出できる。
【0021】第1ハウジング11A内でラック軸16の
一端を挟んでピニオン15と相対する部分に設けられて
いるシリンダ部18には、図2に示す如く、ラックガイ
ド19が内蔵され、ラックガイド19(ブッシュ19
A)はシリンダ部18に被着されるキャップ20により
背面支持されるばね21によりラック軸16の側に弾発
され、ラック軸16のラック16Aをピニオン15に押
し付けるとともに、ラック軸16の一端を摺動自在に支
持する。尚、ラック軸16の他端側は軸受22により支
持される。また、ラック軸16の中間部には連結ボルト
22A、22Bにより左右のタイロッド23A、23B
が連結される。
【0022】第2ハウジング11Bは、図3に示す如
く、電動モータ30を支持する。電動モータ30の出力
軸にはクラッチ31を介して駆動軸32が結合され、駆
動軸32は軸受装置33と軸受34によりハウジング1
1Bに両端支持されるとともに、駆動軸32の中間部に
ウォームギヤ(駆動ギヤ)35を一体に備える。そし
て、このウォームギヤ35に噛合うウォームホイール3
6(中間ギヤ)をピニオン軸14の中間部に固定してあ
る。電動モータ30の発生トルクは、ウォームギヤ35
とウォームホイール36の噛合い、ピニオン15とラッ
ク16Aの噛合いを介してラック軸16に操舵アシスト
力となって付与され、運転者がステアリング軸12に付
与する操舵力をアシストする。
【0023】然るに、軸受装置33は、図4に示す如
く、内輪41Aと外輪41Bと転走体41Cからなるア
ンギュラ軸受41(アンギュラ玉軸受)と、内輪42A
と外輪42Bと転送体42Cからなるアンギュラ軸受4
2(アンギュラ玉軸受)の2個の軸受を用いて構成され
る。このとき、軸受41は内輪41Aの転走面の一側に
スラスト受面41Dを備え、軸受42は内輪42Aの転
走面の一側にスラスト受面42Dを備え、軸受41と軸
受42はそれらのスラスト受面41D、42Dが互いに
背面合せになるように並置される。そして、軸受41と
軸受42は、それらの外輪41B、42Bの間にスペー
サ43を挟んでハウジング11Bに挿入され、軸受41
の外輪41Bをハウジング11Bの段差部44に衝合し
た状態で、ハウジング11Bに螺合されるロックナット
45により軸受42の外輪42Bを加圧することにて、
それらの外輪41B、42Bをハウジング11Bの側に
固定配置する。このとき、軸受41と軸受42は、それ
らの内輪41A、42Aの間に予圧縮された弾性変形具
46を介装し、両内輪41A、42Aを駆動軸32に軸
方向に相対移動可能となるように隙間嵌めし、且つ駆動
軸32に設けた第1と第2の内輪係止部47、48の間
に挟持する。第1係止部47は駆動軸32に設けたつば
状段差部であって内輪41Aを衝合可能とされ、第2係
止部48は駆動軸32に設けた溝に係着されたストッパ
リングであり、第1係止部47と第2係止部48は弾性
変形具46に所望の予圧縮量(一定の衝撃吸収性能)を
付与するに必要な一定の距離をなす位置に設定される。
【0024】弾性変形具46は、図6に示す如く、四角
断面円環状のゴムからなる弾性体51と、弾性体51の
一方の側面に焼付きにて結合した平板円板状座金52
と、弾性体51の他方の側面の側に組付けられるL字断
面環状座金53とからなる。座金53は、筒部53Aを
弾性体51の内周面に嵌合して組付けられる。そして、
弾性変形具46は、弾性体51、座金52、53の外径
を内輪41A、42Aより大径、座金52、53の筒部
53Aの内径を内輪41A、42Aと同等にして、両内
輪41A、42Aの間で座金52、53を介することに
て弾性体51を確実に挟圧可能としている。同時に、座
金52、座金53の筒部53Aの内径を弾性体51の内
径より内方に突出させ、座金52と座金53の筒部53
Aとの衝合により弾性体51の圧縮ストローク端を規制
可能としている。即ち、後述の(2-2) 、(2-3) で弾性変
形具46が2個の内輪41A、42Aに挟まれて圧縮変
形せしめられるとき、座金52と座金53の筒部53A
とが衝合するタイミングをその圧縮ストローク端とす
る。
【0025】以下、電動パワーステアリング装置10の
動作について説明する。 (1) 操舵トルク検出装置17が検出した操舵トルクが所
定値より低いとき、操舵アシスト力は不要であり、電動
モータ30は駆動されない。
【0026】(2) 操舵トルク検出装置17が検出した操
舵トルクが所定値を越えるとき、操舵アシスト力を必要
とするから、電動モータ30が駆動される。電動モータ
30の発生トルクが、駆動軸32を回転させ、ウォーム
ギヤ35とウォームホイール36の噛合い、ピニオン1
5とラック16Aの噛合いを介してラック軸16に付与
される。
【0027】(2-1) 通常作動時には、駆動軸32のウォ
ームギヤ35とウォームホイール36との間に反力が生
ずるが、軸受装置33の弾性変形具46が駆動軸32に
付与している予圧力がその反力より大きく設定されてい
るから、駆動軸32は軸方向に移動しない(図4)。従
って、電動モータ30の発生トルクはそのままウォーム
ホイール36に伝えられる。
【0028】(2-2) ステアリングホイールの操舵或いは
路面から入力される振動により、動力の伝達方向が反転
する反転駆動時に、ウォームギヤ35とウォームホイー
ル36がそれらのバックラッシュの存在によってそれら
の歯面同士を当接せしめるときには、ウォームギヤ35
とウォームホイール36との間に上述(2-1) より大きな
反力Fが生ずる。この場合には、軸受装置33の弾性変
形具46が駆動軸32に付与している予圧力よりもその
反力の方が大きくなり、2個の軸受41、42の内輪4
1A、42Aの間に介装された弾性変形具46が圧縮変
形し、2個の軸受41、42のうちの一方の例えば軸受
42の内輪42Aが当該軸受42の外輪42Bに対して
軸方向に相対移動するものとなって駆動軸32が軸方向
に移動する(図5)。これにより、ウォームギヤ35の
歯面に生ずる衝撃力を弾性変形具46の弾性変形により
緩和し、歯面同士の叩き音を低減する。
【0029】(2-3) 上述(2-1) の操舵中にタイヤが縁石
に乗り上げる等により、ラック軸16のストロークが急
停止せしめられると、電動モータ30がたとえ給電を停
止されても慣性により回転し続けようとし、電動モータ
30に結合されている駆動軸32に慣性推力Fが作用す
る。このとき、慣性推力は軸受装置33の弾性変形具4
6が駆動軸32に付与している予圧力を上回り、2個の
軸受41、42の内輪41A、42Aの間に介装された
弾性変形具46が圧縮変形し、2個の軸受41、42の
うちの一方の例えば軸受42の内輪42Aが当該軸受4
2の外輪42Bに対して軸方向に相対移動するものとな
って駆動軸32が軸方向に移動する(図5)。これによ
り、駆動軸32に作用する慣性推力を弾性変形具46の
弾性変形によって吸収し、トルク伝達経路の損傷を回避
する。
【0030】従って、本実施形態によれば以下の作用が
ある。 電動パワステアリング装置10の反転駆動時や、タイ
ヤの縁石乗り上げ時等に、駆動軸32に過大推力が作用
すると、2個の軸受41、42の内輪41A、42Aの
間に介装された弾性変形具46が圧縮変形し、2個の軸
受41、42のうちの一方の例えば軸受42の内輪42
Aが当該軸受42の外輪42Bに対して軸方向に相対移
動(離隔移動)する。これにより、ウォームギヤ35の
歯面に生ずる衝撃力を緩和して歯面同士の叩き音を低減
し、或いは駆動軸32の慣性推力によるトルク伝達経路
の損傷を回避する。
【0031】2個の軸受41、42は、内輪41A、
42Aだけを駆動軸32に隙間嵌めし、他方の外輪41
B、42Bはギヤハウジング11Bに固定配置するもの
であるから、内外輪の両方を隙間嵌めするものに比し
て、ギヤハウジング11Bと駆動軸32の間での径方向
のがたを小さくし、結果として、軸受装置33による駆
動軸32の支持状態を向上し、電動モータ30のトルク
伝達性を向上できる。更に、隙間嵌め個所を減らすこと
で摺動嵌合部の磨耗が無く、耐久性上優位となる。
【0032】2個の軸受41、42の内輪41A、4
2Aの間に介装した弾性変形具46が駆動軸32に付与
する予圧力は、駆動軸32に設けた段差部からなる一方
の第1係止部47と、溝に設けたストッパリングからな
る第2係止部48とがなす一定の間隔に基づき弾性変形
具46に付与される一定の予圧縮量により直ちに一義的
に定められる。従って、駆動軸32の軸方向移動を許容
して一定の衝撃吸収性能を確保するに必要な予圧力を、
2つの係止部47、48の間隔の設定のみにより一義的
に定めることができ、軸受装置33が駆動軸32に付与
する予圧設定を簡易に高精度化できる。
【0033】弾性変形具46は、2枚の座金52、5
3の間に弾性体51を挟んで相隣る内輪41A、42A
の間に介装するものであり、弾性体51をそれらの内輪
41A、42Aの間で安定的に弾性変形させることがで
きる。
【0034】弾性変形具46は、一方の座金52を弾
性体51の一方の面の側に接合し、他方の座金53を弾
性体51の他方の面の側に組付けるものであるから、そ
れら3部品のサブ組性を向上でき、軸受装置33への組
立性を向上できる。
【0035】図7〜図9は、本発明の変形例である。こ
の変形例が図4〜図6の実施例と異なる点は、弾性変形
具46の構成の変更にある。図7〜図9の弾性変形具4
6は、四角断面円環状のゴムからなる弾性体61と、弾
性体61の一方の側面に焼付きにて接合した平板円板状
座金62と、弾性体61の他方の側面の側に組付けたコ
字断面環状座金63とからなる。座金63は、内筒部6
3Aと外筒部63Bの間に弾性体61を嵌合して組付け
られる。そして、弾性変形具46は、座金62、63の
外径を内輪41A、42Aより大径、座金62、63の
内径を内輪41A、42Aと同等にして、両内輪41
A、42Aの間で座金62、63を介することにて弾性
体61を確実に挟圧可能としている。同時に、座金6
2、座金63の内筒部63Aの内径を弾性体61の内径
より内方に突出させ、座金62と座金63の内筒部63
Aとの衝合により弾性体61の圧縮ストローク端を規制
可能としている。
【0036】以上、本発明の実施の形態を図面により詳
述したが、本発明の具体的な構成はこの実施の形態に限
られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲の
設計の変更等があっても本発明に含まれる。例えば、本
発明の軸受装置は、2個のアンギュラ軸受(アンギュラ
玉軸受)の外輪にスラスト受面を備えるものとし、両軸
受の外輪の間に弾性変形具を介装し、両外輪をハウジン
グに隙間嵌めし、且つ該ハウジングに設けた2つの外輪
係止部の間に挟持するとともに、両軸受の内輪を駆動軸
の側に固定配置しても良い。
【0037】また、本発明が適用される電動パワーステ
アリング装置において、駆動ギヤと中間ギヤは、ウォー
ム減速機を構成するものに限らず、駆動軸に推力を発生
させる歯車、例えばはすば歯車、かさば歯車等の他の歯
車からなるものであっても良い。
【0038】
【発明の効果】以上のように本発明によれば、電動モー
タに結合される駆動軸の軸方向移動を許容して衝撃吸収
可能とする電動パワーステアリング装置において、軸受
装置による駆動軸の支持状態を向上し、電動モータのト
ルク伝達性を向上できる。
【0039】また、本発明によれば、軸受装置が駆動軸
に付与する予圧設定を簡易に高精度化することができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は電動パワーステアリング装置を一部破断
して示す正面図である。
【図2】図2は図1のII-II 線に沿う断面図である。
【図3】図3は図2のIII-III 線に沿う断面図である。
【図4】図4は図3の要部拡大断面図である。
【図5】図5は駆動軸の移動状態を示す断面図である。
【図6】図6は弾性変形具を示す断面図である。
【図7】図7は電動パワーステアリング装置の変形例を
示す要部拡大断面図である。
【図8】図8は駆動軸の移動状態を示す断面図である。
【図9】図9は弾性変形具を示す断面図である。
【符号の説明】
10 電動パワーステアリング装置 11B ハウジング 12 ステアリング軸 14 ピニオン軸 16 ラック軸 30 電動モータ 32 駆動軸 33 軸受装置 35 ウォームギヤ(駆動ギヤ) 36 ウォームホイール(中間ギヤ) 41、42 軸受 41A、42A 内輪 41B、42B 外輪 41D、42D スラスト受面 46 弾性変形具 47、48 係止部 51、61 弾性体 52、62 座金 53、63 座金

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ステアリング軸に接続されたピニオン軸
    をラック軸に噛合いさせ、 電動モータに結合された駆動軸を回転自在に支持する軸
    受装置を備えるとともに、該駆動軸に駆動ギヤを設け、
    該駆動ギヤに噛合う中間ギヤを上記ピニオン軸に接続し
    てなる電動パワーステアリング装置において、 前記軸受装置が、内輪又は外輪の転走面の一側にスラス
    ト受面を備えた2個のアンギュラ軸受を、それらのスラ
    スト受面が背面合せになるように並置し、 2個のアンギュラ軸受の内輪にスラスト受面を備えた場
    合には、両軸受の内輪の間に弾性変形具を介装し、両内
    輪を駆動軸に隙間嵌めし、且つ該駆動軸に設けた2つの
    内輪係止部の間に挟持するとともに、両軸受の外輪をハ
    ウジングの側に固定配置し、 2個のアンギュラ軸受の外輪にスラスト受面を備えた場
    合には、両軸受の外輪の間に弾性変形具を介装し、両外
    輪をハウジングに隙間嵌めし、且つ該ハウジングに設け
    た2つの外輪係止部の間に挟持するとともに、両軸受の
    内輪を駆動軸の側に固定配置してなることを特徴とする
    電動パワーステアリング装置。
  2. 【請求項2】 前記2個のアンギュラ軸受のスラスト受
    面を備えた内輪又は外輪を挟持する2つの係止部のう
    ち、一方の係止部が駆動軸又はハウジングに設けた段差
    部、他方の係止部が駆動軸又はハウジングの該段差部と
    一定の距離をなす位置に設けた溝に係着されるストッパ
    リングである請求項1記載の電動パワーステアリング装
    置。
  3. 【請求項3】 前記弾性変形具が、弾性体と、弾性体の
    一方の面の側に接合した座金と、弾性体の他方の面の側
    に組付けた座金とからなる請求項1又は2記載の電動パ
    ワーステアリング装置。
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CN114024402A (zh) * 2021-11-11 2022-02-08 惠州市汉泰科传动***有限公司 电动推杆
CN114165576A (zh) * 2021-11-23 2022-03-11 合众新能源汽车有限公司 一种汽车电动转向减速箱齿轮轴固定结构

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