JP2001271446A - 金属パネル - Google Patents

金属パネル

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JP2001271446A
JP2001271446A JP2000086693A JP2000086693A JP2001271446A JP 2001271446 A JP2001271446 A JP 2001271446A JP 2000086693 A JP2000086693 A JP 2000086693A JP 2000086693 A JP2000086693 A JP 2000086693A JP 2001271446 A JP2001271446 A JP 2001271446A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 意匠用に磨き上げた鏡面状のプレコート鋼板
からなる金属薄板1と補強板2を接着してなり、接着歪
みを確認できない金属パネルの提供。 【解決手段】 接着剤組成物の硬化収縮率をX(単位:
%)とし、接着剤組成物の硬化体の貯蔵弾性率をY(単
位:MPa)とした場合に、20〜25℃において、下
記式(1)の条件を満たしてなり、かつ、難燃剤を含有
してなる接着剤組成物を用いて、プレコート鋼板からな
る金属薄板1と補強板2を接着した金属パネル。 式(1) Y≦863X-0.6

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、金属パネルに関す
る。
【0002】
【従来の技術】金属パネルとは、金属薄板と補強板を接
着したものをいい、建築物の内装材、例えば間仕切り
板、ドア及びエレベーター等や収納庫に使用されるもの
である。金属薄板だけでは、その中央部に剛性が出ない
ため、中央部に補強板を接合し、金属パネルに剛性をも
たせたものである。金属パネルの形状にはいろいろある
が、例えば図1に示すように金属薄板1と補強板2を接
着したものが挙げられる。金属薄板や補強板は、剛性を
もたせるために、金属薄板や補強板の周縁を曲げ加工し
たものが使用されている。
【0003】金属薄板は、美観上美しく、意匠上好まし
い点で、高級ホテル等で、鏡面状に磨き上げたものが使
用されている。
【0004】金属パネルの製造に使用する接着剤組成物
として、省力化、省資源及び省エネルギー等の点で、常
温下、短時間で硬化する常温速硬化型接着剤組成物を使
用することが要求されている。従来、常温速硬化型接着
剤組成物としては、二液型速硬化エポキシ系接着剤組成
物、嫌気性接着剤組成物、瞬間接着剤組成物及び第二世
代のアクリル系接着剤組成物(SGA) が知られてい
る。
【0005】二液型速硬化エポキシ系接着剤組成物は、
主剤と硬化剤を計量、混合して被着体に塗布し、主剤と
硬化剤の反応により硬化するエポキシ系接着剤組成物で
ある。しかしながら、二液型速硬化エポキシ系接着剤組
成物は、剥離強度や衝撃強度が弱いという欠点があっ
た。
【0006】嫌気性接着剤組成物は、被着体間において
接着剤組成物を圧着して空気を遮断することにより硬化
するものである。しかしながら、嫌気性接着剤組成物
は、圧着する際に接着剤組成物の一部が被着体からハミ
出した場合、ハミ出した部分は空気に接触するために硬
化しないという欠点があった。又、被着体間のクリアラ
ンスが大きい場合も硬化しないという欠点があり、金属
パネルの補強接着等には使用されていなかった。
【0007】瞬間接着剤組成物は通常シアノアクリレー
トを主成分とし、作業性に優れるものである。しかしな
がら、剥離強度や衝撃強度が低いという欠点があり、耐
湿性と耐水性が劣るために金属パネルの補強接着等には
使用されていなかった。
【0008】SGA(第2世代のアクリル系接着剤組成
物)は二液型であるが、二液の正確な計量を必要とせ
ず、計量や混合が不完全でも、時には二液の接触だけで
も、常温で数分〜数十分で硬化するために、作業性に優
れ、しかも剥離強度や衝撃強度が高く、ハミ出し部分の
硬化も良好であるために、広く用いられている。
【0009】しかしながら、SGAを、金属の接着に使
用した場合には、金属との接着強度が強いために、硬化
時に接着剤組成物が硬化収縮した場合に、被着体の金属
に接着歪みが生じて、金属パネル表面上の美観を損な
い、金属パネルの補強接着用に使用できないという欠点
があった。
【0010】そのために、意匠用に磨き上げた鏡面状の
金属パネルを使用する場合には、予め金属薄板と補強板
を接着して金属パネルを製造し、この金属パネル表面
に、意匠用に磨き上げた金属薄板をゴム系接着剤組成物
等により、更に貼り合わせる方法が行われている。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、この方
法では、金属パネルの製造に非常にコストが掛かり、金
属パネルの質量も大きくなるという課題があった。
【0012】本発明は、これらの課題を解決するため
に、接着剤組成物の硬化収縮率と接着剤組成物の硬化体
の貯蔵弾性率が特定の範囲内にすることにより、意匠用
に磨き上げた鏡面状の金属薄板を用いた金属パネルにお
いて、接着歪みを確認できない金属パネルが得られると
の知見を得て、本発明を完成するに至った。
【0013】
【課題を解決するための手段】即ち、本発明は、接着剤
組成物の硬化収縮率をX(単位:%)とし、接着剤組成
物の硬化体の貯蔵弾性率をY(単位:MPa)とした場
合に、20〜25℃において、下記式(1)の条件を満
たしてなる接着剤組成物を用いてプレコート鋼板からな
る金属薄板と補強板を接着してなる金属パネルであり、 式(1) Y≦863X-0.6 接着剤組成物の硬化収縮率をX(単位:%)とし、接着
剤組成物の硬化体の貯蔵弾性率をY(単位:MPa)と
した場合に、20〜25℃において、下記式(2)の条
件を満たしてなる接着剤組成物を用いてプレコート鋼板
からなる金属薄板と補強板を接着してなる金属パネルで
あり、 式(2) Y≦44X-1.0 接着剤組成物の固着時間が12分以上である該金属パネ
ルであり、接着剤組成物が常温硬化型接着剤組成物であ
る該金属パネルであり、接着剤組成物がアクリル系接着
剤組成物である該金属パネルであり、金属薄板の厚さが
0.1〜3.2mmである該金属パネルである。
【0014】
【発明の実施の形態】以下、本発明を詳細に説明する。
【0015】本発明の接着剤組成物は、硬化収縮率をX
(単位:%)とし、接着剤組成物の硬化体の貯蔵弾性率
をY(単位:MPa)とした場合に、20〜25℃にお
いて、下記式(1)の条件を満たす接着剤組成物であ
る。 式(1) Y≦863X-0.6
【0016】さらに、本発明では、 式(2) Y≦44X-1.0 が好ましい。
【0017】Yが上式を満たさないと金属パネルに接着
歪みが現れてしまい、好ましくない。
【0018】Xは0.01〜12%が好ましく、0.0
1〜8%がより好ましい。0.01%未満の接着剤組成
物の配合は難しいおそれがあり、12%を越える接着剤
組成物を配合するには貯蔵弾性率を極めて小さくしなけ
ればならず、組成物の強度が小さくなるおそれがある。
【0019】Yの下限値は1MPaが好ましく、5MP
aがより好ましい。1MPa未満だと接着剤組成物が柔
らかすぎて接着剤組成物の強度が小さくなるおそれがあ
る。
【0020】本発明の接着剤組成物において、硬化収縮
率が小さいだけでは接着歪みを解消できず、又、硬化速
度の速い接着剤は塗布に時間がかかる大型の金属パネル
に使用できず、接着歪みの原因となる内部応力が発生し
やすいおそれがある。この問題を解決するためには、本
発明の接着剤組成物の固着時間は、12分以上が好まし
く、12分〜24時間がより好ましく、12分〜12時
間が最も好ましい。12分未満だと大型の金属パネルを
製造する場合に塗布面全体に接着剤組成物を塗布する前
に接着剤組成物が硬化してしまう問題があり、又、接着
歪みの原因となる内部応力が発生しやすいおそれがあ
る。24時間を越えると金属パネルの製造に時間を要
し、生産性に支障が出るおそれがある。
【0021】本発明の接着剤組成物は、接着剤組成物や
被着体の線膨張率の違いによる熱応力を発生させない点
で、常温硬化型接着剤組成物が好ましい。
【0022】本発明の常温硬化型接着剤組成物として
は、エポキシ系、アクリル系、ウレタン系、不飽和ポリ
エステル系及びシリコン系等が挙げられるが、硬化速度
が速く、接着前の脱脂処理が簡単な点で、アクリル系が
好ましい。
【0023】アクリル系接着剤組成物とは、(メタ)ア
クリル系単量体を含有し、重合硬化する反応性アクリル
系接着剤組成物をいう。(メタ)アクリル系単量体とし
ては、例えば、次のようなものが挙げられる。
【0024】 一般式 Z−O−R1 で示される単量体。式中、Zは(メタ)アクリロイル
基、 CH2=CHCOOCH2−CH(OH)CH2 −基又はCH 2 =C(CH3)
COOCH2−CH(OH)CH2 −基を示し、R1 は炭素数1〜20
個のアルキル基、シクロアルキル基、ベンジル基、フェ
ニル基、テトラヒドロフルフリル基、グリシジル基、ジ
シクロペンチル基、ジシクロペンテニル基又は(メタ)
アクリロイル基を示す。
【0025】このような単量体としては例えば、(メ
タ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸シクロヘキ
シル、(メタ)アクリル酸ベンジル、(メタ)アクリル
酸テトラヒドロフルフリル、(メタ)アクリル酸ジシク
ロペンチル、(メタ)アクリル酸ジシクロペンテニル、
グリセロール(メタ)アクリレート及びグリセロールジ
(メタ)アクリレート等が挙げられる。
【0026】 一般式 Z−O−(R2 O)p −R1 で示される単量体。式中、Z及びR1は前述の通りであ
る。R2 は−C2H4−、−C3H6−、−CH2CH(CH3)−、−C4
H8−又は−C6H12−を示し、pは1〜25の整数を表
す。
【0027】このような単量体としては例えば、2−ヒ
ドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ
プロピル(メタ)アクリレート、エトキシエチル(メ
タ)アクリレート、ポリエチレングリコール(メタ)ア
クリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、
ジシクロペンテニルオキシエチル(メタ)アクリレー
ト、フェノキシジエチレングリコール(メタ)アクリレ
ート、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレー
ト及び1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレー
ト等が挙げられる。
【0028】 一般式
【化1】 で示される単量体。式中、Z及びR2 は前述の通りであ
る。R3 は水素又は炭素数1〜4のアルキル基を示し、
qは0〜8の整数を表す。
【0029】このような単量体としては例えば、2,2
−ビス(4−(メタ)アクリロキシフェニル)プロパ
ン、2,2−ビス(4−(メタ)アクリロキシエトキシ
フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−(メタ)アク
リロキシジエトキシフェニル)プロパン、2,2−ビス
(4−(メタ)アクリロキシプロポキシフェニル)プロ
パン及び2,2−ビス(4−(メタ)アクリロキシテト
ラエトキシフェニル)プロパン等が挙げられる。
【0030】 前記、又は記載の単量体に含ま
れない多価アルコールの(メタ)アクリル酸エステル。
【0031】このような単量体としては例えば、トリメ
チロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ネオペン
チルグリコールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリス
リトールテトラ(メタ)アクリレート及びジペンタエリ
スリトールヘキサ(メタ)アクリレート等が挙げられ
る。
【0032】 (メタ)アクリロイルオキシ基を有す
るウレタンプレポリマー。このような単量体は、例えば
水酸基を有する(メタ)アクリル酸エステル、有機ポリ
イソシアネート及び多価アルコールを反応することによ
り得られる。
【0033】ここで水酸基を有する(メタ)アクリル酸
エステルとしては例えば、(メタ)アクリル酸ヒドロキ
シエチル、(メタ)アクリル酸ヒドロキシプロピル及び
(メタ)アクリル酸ヒドロキシブチル等が挙げられる。
【0034】有機ポリイソシアネートとしては例えば、
トルエンジイソシアネート、4,4−ジフェニルメタン
ジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート及
びイソホロンジイソシアネート等が挙げられる。
【0035】多価アルコールとしては例えば、ポリエチ
レングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテト
ラメチレングリコール及びポリエステルポリオール等が
挙げられる。
【0036】 下記一般式(I)て示される酸性リン
酸化合物。
【化2】 式中、Rは CH2=CR4CO(OR5)m −基(但し、R4 は水素
又はメチル基、R5 は−C2H4−、−C3H6−、−CH2CH(CH
3)−、−C4H8−、−C6H12−又は
【化3】 を示し、mは1〜10の整数を表す。)を示し、nは1
又は2の整数を表す。
【0037】この一般式(I)で示される酸性リン酸化
合物としては例えば、アシッドホスホオキシエチル(メ
タ)アクリレート、アシッドホスホオキシプロピル(メ
タ)アクリレート及びビス(2−(メタ)アクリロイル
オキシエチル)フォスフェート等が挙げられる。
【0038】常温硬化型接着剤組成物とするためには、
アクリル系接着剤組成物の場合には、(メタ)アクリル
系単量体に、重合開始剤と重合開始剤を分解するための
還元剤を併用すればよい。
【0039】重合開始剤としては、有機過酸化物が好ま
しい。有機過酸化物としては、クメンハイドロパーオキ
シド等が挙げられる。
【0040】重合開始剤の使用量は、(メタ)アクリル
系単量体100質量部に対して0.1〜10質量部が好
ましく、0.5〜7質量部がより好ましい。0.1質量
部未満だと硬化不良を起こすおそれがあり、10質量部
を越えると貯蔵安定性を損なうおそれがある。
【0041】還元剤としては、エチレンチオ尿素やバナ
ジルアセチルアセトネート等が挙げられる。
【0042】還元剤の使用量は、(メタ)アクリル系単
量体100質量部に対して0.05〜10質量部が好ま
しく、0.1〜5質量部がより好ましい。0.05質量
部未満だと硬化不良を起こすおそれがあり、10質量部
を越えると貯蔵安定性を損なうおそれがある。
【0043】さらに、アクリル系接着剤組成物の場合に
は、接着剤組成物の強靱さを付与するために、アクリロ
ニトリル−ブタジエンゴム(NBR)等のジエン系ゴム
や、アクリロニトリル−ブタジエン−メタクリル酸共重
合体、ブタジエン−スチレン−メチルメタクリレート共
重合体(MBS)及びブタジエン−スチレン−アクリロ
ニトリル−メチルメタクリレート共重合体(MBAS)
等の合成高分子を使用しても良い。これらの中では、接
着性の点で、ジエン系ゴムが好ましい。
【0044】ジエン系ゴムや合成高分子の使用量は、
(メタ)アクリル系単量体100質量部に対して5〜5
0質量部が好ましく、8〜30質量部がより好ましい。
5質量部未満だと硬化した接着剤組成物が強靱でなくな
るおそれがあり、50質量部を越えると粘度が高くなり
すぎるおそれがある。
【0045】さらに、アクリル系接着剤組成物の場合に
は、柔軟性を付与する点で、可塑剤を使用することがで
きる。可塑剤としては、ジオクチルフタレートやジオク
チルアジペート等が挙げられる。
【0046】可塑剤の使用量は、(メタ)アクリル系単
量体100質量部に対して50質量部以下が好ましい。
【0047】さらに、アクリル系接着剤組成物の場合に
は、硬化収縮率を低減する点で、無機充填剤を使用する
ことができる。無機充填剤としては、シリカやタルク等
が挙げられる。
【0048】無機充填剤の使用量は、(メタ)アクリル
系単量体100質量部に対して150質量部以下が好ま
しい。150質量部を越えると粘度が高くなりすぎるお
それがある。
【0049】常温硬化型のアクリル系接着剤組成物の中
では、作業性の点で、A剤に少なくとも重合開始剤を含
有してなり、B剤に少なくとも還元剤を含有してなる、
A剤とB剤からなる二剤型アクリル系接着剤組成物がよ
り好ましい。
【0050】本発明の接着剤組成物を使用する被着体と
しては、接着歪みが目視で確認されない点で、意匠用に
磨き上げた鏡面状の金属パネルに好ましく使用できる。
【0051】本発明の接着剤組成物を金属パネルの補強
接着用に使用する場合の接着方法としては、金属薄板1
の裏面と補強板2の接合面を図1のように接着する。二
剤型アクリル系接着剤組成物の場合、金属薄板又は補強
板のいずれか一方にA剤とB剤を重ね塗り混合し、金属
薄板と補強板を張り合わせても良く、金属薄板にA剤、
補強板にB剤を又はその逆を、別々に塗布し、金属薄板
と補強板を張り合わせても良い。
【0052】金属薄板の材料として好ましくは、プレコ
ート鋼板を意匠用にバフ(布のようなもの)で磨いたも
のが使用される。金属薄板の厚さは0.1〜3.2mm
が好ましく、0.5〜2.0mmがより好ましい。0.
1mm未満だと接着歪みのない状態に貼り合わせるのが
難しいおそれがあり、3.2mmを越えると金属薄板が
重くなり、金属パネルの軽量化ができなくなるおそれが
ある。
【0053】従来、例えば家電製品における塗装は鋼板
を成型後、家電メーカー側で塗装するポストコートが行
われていたが、塗装焼付時における溶剤蒸気等の揮散に
より作業環境が悪くなり、大気汚染を起こすおそれがあ
った。そこで、近年、作業環境や大気汚染への悪影響を
なくし、家電メーカー側での塗装による煩雑さをなくす
ために、鋼板を鋼板メーカー側で塗装、焼付して塗装鋼
板たるプレコート鋼板を得、このプレコート鋼板を家電
メーカーで成型するようになっている。プレコート鋼板
を得るために塗装する塗料としては、ポリエステル樹
脂、アルキド樹脂、シリコン変性ポリエステル樹脂、シ
リコン変性アクリル樹脂、フッ素樹脂及びエポキシ樹脂
が挙げられる。これらの中では、接着性が良好な点で、
ポリエステル樹脂が好ましい。
【0054】補強板としては、耐食性が良好な点で、表
面処理鋼板が好ましいものとして使用される。本発明で
いう表面処理鋼板としては、めっきを施した鋼板が好ま
しい。めっきを施した鋼板としては、溶融亜鉛めっき鋼
板、合金系溶融めっき鋼板、電気亜鉛めっき鋼板及び合
金電気めっき鋼板等が挙げられる。これらの中では、接
着強度が良好で、耐食性が高い点で、電気亜鉛めっき鋼
板及び/又は溶融亜鉛めっき鋼板がより好ましい。
【0055】
【実施例】以下、実験例により本発明を更に詳細に説明
する。
【0056】実験例1 表1〜4に示す接着剤組成物を調製し、以下の方法によ
り評価した。結果を表1〜4に示す。なお、接着剤組成
物は第一剤と第二剤を1:1の配合割合で混合して使用
した。
【0057】〔使用材料〕 ウレタンアクリレートDET−1B:ライトケミカル
(株)製 エポキシ系接着剤アラルダイトAV−138/HV−9
98:日本チバガイギー(株)製 エポキシ系接着剤EP−330:セメダイン(株)製 エポキシ系接着剤45/15:エコボンド45/エコボ
ンド15(グレースジャパン(株)製) エポキシ系接着剤DP−60クリアー:住友スリーエム
(株)製
【0058】〔評価方法〕 (硬化収縮率の測定)各接着剤組成物の液比重をJIS
K 7232の3.1(1)から求め、各接着剤組成
物の硬化体の比重をJIS K 7232の3.2
(1)から求め、以下の式より硬化収縮率を測定した。 (硬化収縮率)=(硬化体比重−液比重)/(硬化体比
重)×100(%) (貯蔵弾性率の測定)各接着剤組成物を厚さ1mmのシ
ート状に硬化させ、得られた硬化体を粘弾性測定装置
(セイコー電子工業(株)製テンションモジュールDM
S210)により測定し、23℃における貯蔵弾性率を
求めた。 (固着時間)JIS K 6850の接着剤の引張剪断
強度接着強さの測定方法に記載の方法で接着後、引張剪
断強度接着強さが0.13MPa以上になる時間を固着
時間とした。接着試験片は鉄(SPCC、100mm×
25mm×1.6mmt)を用いた。 (接着歪みの測定)プレコート鋼板(ポリエステル樹脂
でプレコートしたもの、1.6mmt)の意匠性を向上
させるために表面をバフ研磨した金属薄板1を意匠面が
表面(図1では下)になるようにして、図1に示す形状
に曲げ加工して作成した。又、電気亜鉛めっきリン酸処
理鋼板(SECC−P、1.6mmt)からなる補強板
2を、図1に示す形状になるように曲げ加工して作成し
た。金属薄板1の裏面と補強板2を定盤上で図1のよう
に各接着剤組成物により接着した後、常温で1週間養生
して金属パネルを製造した。接着歪みの判定は金属パネ
ルを立てかけ、金属パネル表面から5m離れた位置か
ら、目視により接着歪みの有無を判定した。判定は以下
の通りである。 ○:接着歪みがわからない。 △:わずかに接着歪みが見られる。 ×:明らかな接着歪みがある。
【0059】
【表1】
【0060】
【表2】
【0061】
【表3】
【0062】
【表4】
【0063】実験例2 表5〜6に示す接着剤組成物を調製し、評価した。結果
を表5〜6に示す。
【0064】〔使用材料〕 エポキシ系接着剤DP−190:住友スリーエム(株)
【0065】
【表5】
【0066】
【表6】
【0067】実験例3 実験No.1−1の組成の接着剤組成物を使用し、表7
に示す厚さの表面を鏡面加工したステンレス鋼板を使用
して接着歪みと作業性を評価した。結果を表7に示す。
【0068】〔評価方法〕 (作業性の測定)金属パネルの製造が容易な場合を○、
金属パネルが重くてその製造が容易でない場合を×とし
た。
【0069】
【表7】
【0070】実験例4 表8に示す接着剤組成物につき、評価した。但し、実験
No.4−1は実験No.1−1の配合の接着剤組成物
を、実験No.4−2は実験No.1−10の配合のも
のを用いた。結果を表8に示す。
【0071】〔評価方法〕 (接着強度−1の測定)JIS K 6850の接着剤
の引張剪断接着強さの測定方法に記載の方法で引張速度
10mm/分で引っ張り剪断接着強さを測定した。接着
試験片は防錆油が塗られた鉄(SPCC 100mm×
25mm×1.6mmt)をウェス拭きし、接着し、常
温7日養生したものを用いた。
【0072】
【表8】
【0073】実験例5 実験No.1−1の組成の接着剤組成物を使用し、表9
に示す鋼板からなる補強板2を使用して接着歪みと接着
強度を評価した。結果を表9に示す。
【0074】〔使用材料〕 補強板ア:電気亜鉛めっきリン酸処理鋼板(SECC−
P、1.6mmt) 補強板イ:溶融亜鉛めっき鋼板(SGCC−M、1.6
mmt) 補強板ウ:溶融亜鉛めっきクロメート処理鋼板(SGH
C−C、1.6mmt)
【0075】〔評価方法〕 (接着強度−2の測定)JIS K 6850の接着剤
の引張剪断接着強さの測定方法に記載の方法で引張速度
10mm/分で引っ張り剪断接着強さを測定した。接着
試験片は補強板と同じ材料からなる鋼板(100mm×
25mm×1.6mmt)とプレコート鋼板(ポリエス
テル樹脂でプレコートしたもの、100mm×25mm
×1.6mmt)をウェス拭きし、貼り合わせて接着
し、常温7日養生したものを用いた。
【0076】
【表9】
【0077】
【発明の効果】本発明のように、特定の貯蔵弾性率と硬
化収縮率を有する接着剤組成物を使用することにより、
金属パネルに接着歪みが現れないという効果を有する。
更に、特定の硬化時間を有する接着剤組成物を使用する
ことにより、巨大な金属パネルの製造にも使用できると
いう効果を有する。又、本発明により、意匠用に鏡面状
に磨いた金属薄板と表面処理鋼板からなる補強板を接着
して金属パネルを製造する場合、金属薄板の意匠性を保
持するために金属薄板と補強板以外の金属板を新たに使
用する必要がないので、コストも安く、パネルの質量も
小さくなるという効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】補強接着した金属パネルを示す斜視図である。
【符号の説明】
1 金属薄板 2 補強板

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 接着剤組成物の硬化収縮率をX(単位:
    %)とし、接着剤組成物の硬化体の貯蔵弾性率をY(単
    位:MPa)とした場合に、20〜25℃において、下
    記式(1)の条件を満たしてなる接着剤組成物を用いて
    プレコート鋼板からなる金属薄板と補強板を接着してな
    る金属パネル。 式(1) Y≦863X-0.6
  2. 【請求項2】 接着剤組成物の硬化収縮率をX(単位:
    %)とし、接着剤組成物の硬化体の貯蔵弾性率をY(単
    位:MPa)とした場合に、20〜25℃において、下
    記式(2)の条件を満たしてなる接着剤組成物を用いて
    プレコート鋼板からなる金属薄板と補強板を接着してな
    る金属パネル。 式(2) Y≦44X-1.0
  3. 【請求項3】 接着剤組成物の固着時間が12分以上で
    ある請求項1又は2記載の金属パネル。
  4. 【請求項4】 接着剤組成物が常温硬化型接着剤組成物
    である請求項1〜3のうちの1項記載の金属パネル。
  5. 【請求項5】 接着剤組成物がアクリル系接着剤組成物
    である請求項1〜4のうちの1項記載の金属パネル。
  6. 【請求項6】 金属薄板の厚さが0.1〜3.2mmで
    ある請求項1〜5のうちの1項記載の金属パネル。
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