JP2001260014A - 枚葉式両面ラップ盤およびウェーハ製造方法 - Google Patents

枚葉式両面ラップ盤およびウェーハ製造方法

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JP2001260014A JP2000070714A JP2000070714A JP2001260014A JP 2001260014 A JP2001260014 A JP 2001260014A JP 2000070714 A JP2000070714 A JP 2000070714A JP 2000070714 A JP2000070714 A JP 2000070714A JP 2001260014 A JP2001260014 A JP 2001260014A
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roller
shaft
wafer
pressing
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Yutaka Inada
豊 稲田
Tetsutsugu Osaka
哲嗣 大阪
Hiroshi Suzuki
弘 鈴木
Toshio Murakami
敏夫 村上
Hideki Iwai
英樹 岩井
Sadaaki Hagino
貞明 萩野
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Super Silicon Crystal Research Institute Corp
Toyoda Koki KK
Original Assignee
Super Silicon Crystal Research Institute Corp
Toyoda Koki KK
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  • Finish Polishing, Edge Sharpening, And Grinding By Specific Grinding Devices (AREA)
  • Mechanical Treatment Of Semiconductor (AREA)
  • Grinding Of Cylindrical And Plane Surfaces (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 ラッピング加工されたシリコンウェーハの仕
上がり精度を向上させること。 【解決手段】 本発明の枚葉式両面ラップ盤は、一対の
互いに対向したラップ定盤11,21の間にシリコンウ
ェーハであるワークWを挟持してラッピング加工する。
一方のラップ定盤11は固定された基準軸1によって回
転駆動され、他方のラップ定盤21は加圧軸2によって
回転駆動され、押圧力をもってワークWに押しつけられ
る。駆動ローラ装置7は、基準軸1側から支持された基
準ローラ72と、所望の付勢力でワークWに押しつけら
れる加圧ローラ73とをもち、ワークWを回転駆動す
る。粗加工工程から仕上げ加工工程に至る間に加圧軸2
の押圧力が軽減され、これに伴って加圧ローラ73の付
勢力も低減されるので、ワークWに曲げ変形が生ぜず、
仕上がり精度が向上する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、シリコンウェーハ
等の円盤状のワークを両面からラッピング加工する枚葉
式両面ラップ盤の技術分野に属する。
【0002】
【従来の技術】従来の枚葉式両面ラップ盤としては、た
とえば特開平10−80861号公報や特開平10−2
49718号公報に開示されているものがある。
【0003】すなわち従来技術の枚葉式両面ラップ盤
は、図7に示すように、砥粒を含む加工液Lが供給され
円盤状のワークWを表裏両面から挟持しつつ互いに対向
して回転する一対のラップ定盤101,102を有す
る。この枚葉式両面ラップ盤は、また、四方からワーク
Wの外周面に当接しワークWを回転可能に支持する四つ
のガイドローラ103と、ガイドローラ103に支持さ
れているワークWを所定の角速度で回転駆動する二対の
駆動ローラ104とをもつ。
【0004】ここで、ラップ定盤101,102は、ワ
ークWの直径の半分強の直径をもつリング状または円盤
状の部材であって、それぞれ先端にリング状のラップ面
をもち、回転軸に固定されている。ラップ101,10
2定盤は、中空の回転軸によって互いに逆方向に同等の
回転数で高速で回転駆動され、両ラップ定盤101,1
02の内部には、回転軸の軸芯の孔を通して加工液Lが
加圧供給される。一方、ワークWは、薄くて割れやす
く、精密かつ平坦に表面が研磨されるべきシリコンウェ
ーハである。
【0005】一方のラップ定盤101は基準軸側のラッ
プ定盤であって軸長方向に固定されており、四つのガイ
ドローラ103および二対の駆動ローラ104によって
支持されているワークWは、このラップ定盤101に軽
く押し当てられる。そして、その背後から他方のラップ
定盤102(加圧軸側のラップ定盤)が軸長方向に移動
してきて、ワークWを所定の押圧力でラップ定盤101
に押さえ付けるので、両ラップ定盤101,102によ
ってワークWの表裏両面が研磨される。その際、駆動ロ
ーラ104によってワークWが回転駆動され、ワークW
の表裏両面の全ての部分が順に送られてラップ定盤10
1,102のラップ面に摺接するので、ワークWの表裏
両面は平坦かつ平滑に研磨される。また、両ラップ定盤
101,102のラップ面には、加工中には常に内周側
から加工液Lが供給され続けるので、両ラップ面および
ワークWは、適当に冷却されつつ加工液L中の砥粒によ
って研磨される。
【0006】前述のようにラップ定盤101,102の
直径は、ワークWであるシリコンウェーハの円盤の半径
よりもやや大きい程度であるから、ラップ定盤101,
102の面積はワークWの面積の四分の一強で済む。そ
れゆえ、このような枚葉式両面ラップ盤は、ワークWと
してのシリコンウェーハの直径がかなり大きくなって
も、比較的小型に構成されるので、小型軽量かつ安価で
ある。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】前記従来技術の枚葉式
両面ラップ盤は、一方のラップ定盤101を所定の位置
で軸支して駆動する基準軸と、このラップ定盤101に
対して他方のラップ定盤102を所定の押圧力で押しつ
ける加圧軸とを有する。このようなタイプの枚葉式両面
ラップ盤について、発明者らは研究開発を進め、昨年に
は先行技術として枚葉式両面ラップ盤に関する発明を特
許出願するに至っている(特願平11−70975号お
よび特願平11−70981号)。
【0008】先行技術の枚葉式両面ラップ盤は、図8に
示すように、シリコンウェーハであるワークWの外縁部
を挟持し、ワークWを回転駆動する駆動ローラ72,7
3をもつ駆動ローラ装置7を備えている。ここで、一対
の駆動ローラ72,73のうち一方は、基準軸1側に位
置決めして固定された基準ローラ72であり、他方は加
圧軸2側から基準ローラ72に向かって押圧付勢される
加圧ローラ73である。そして、駆動ローラ装置7は、
加圧ローラ73を基準ローラ72に向かって所定の付勢
力で押圧付勢するエアシリンダ(図略)を備えている。
それゆえ、ワークWのラッピング加工が行われている間
は、一定の付勢力で押圧付勢された加圧ローラ73と回
転軸の位置が固定された基準ローラ72との間に、ワー
クWが挟持されて回転駆動されている。
【0009】そして、発明者らは、このような先行技術
の枚葉式両面ラップ盤を用いて、ラッピング加工を少な
くとも粗加工工程と仕上げ加工工程との二工程からなる
複数の工程に段階的に分けて行うことを試みてきた。す
なわち、粗加工工程から仕上げ加工工程に移行するにし
たがって、加圧軸の押圧力が段階的に低減されるウェー
ハ製造方法を試みてきた。すると、粗加工工程では高速
でワークを研摩して短時間で凹凸をなくし、仕上げ加工
工程では精密にワークを研磨することにより、ワークの
表裏両面をかなり精密に仕上げることができるようにな
った。
【0010】しかしながら、ICの集積度が高度化する
にしたがって、ウェーハの仕上がり精度に対する要求も
よりいっそう厳しいものとなり、さらに仕上がり精度を
向上させることが希求されている。
【0011】そこで本発明は、ラッピング加工の仕上が
り精度をいっそう向上させることができる枚葉式両面ラ
ップ盤を提供することを解決すべき第一の課題とする。
また本発明は、この枚葉式両面ラップ盤を用いてより精
密な仕上がり精度でウェーハを製造することができるウ
ェーハ製造方法を提供することを解決すべき第二の課題
とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、発明者らは以下の手段を発明した。
【0013】すなわち、発明者らが研究を重ねたとこ
ろ、ウェーハの仕上がり精度を劣化させる要因として、
基準軸側のラップ定盤のラップ面と基準ローラの外周面
との微少な位置のズレがあることが分かった。つまり、
両者の軸長方向の位置がわずかにでもずれていると、そ
のズレの大きさにしたがってラッピング加工中にウェー
ハが曲がり、ウェーハの仕上がり精度が劣化することが
分かった。そして、加圧軸の押圧力が大きな粗加工工程
で精密に位置合わせされていても、加圧軸の押圧力が小
さな仕上げ加工工程では、ラップ定盤の位置と駆動ロー
ラとの位置にズレが生じていることを発見した。
【0014】前述の位置ズレの原因は、樹脂製の両駆動
ローラが弾性変形してしまうためであると推察される。
そればかりではなく、原因はまだ十分には解明されてい
ないが、両駆動ローラによる挟持力があまり強いと、ウ
ェーハに歪みを生じてしまうことが発見された。また、
両ラップ定盤がウェーハを強く挟持している粗加工工程
では、駆動ローラの挟持力が強力であることが必要であ
るが、大きな付勢力に起因して、ガイドローラにかかる
力も大きくなり、ウェーハが変形してしまうということ
も発見された。一方、両ラップ定盤の挟持力が弱くなる
仕上げ加工工程では、両駆動ローラによる挟持力は弱く
ても十分であることにも、発明者らは思い至った。
【0015】このようなことは、ウェーハの歪みを精密
に測定してみたり、各種の試験を行ったりしているうち
に、だんだんと分かってきたことである。たとえば、駆
動ローラの付勢力を変化させる試験を行ったところ、ウ
ェーハの変形量が変化したことなどから、駆動ローラの
付勢力とウェーハの変形との間に関係があることが分か
ってきた。
【0016】そこで、以上の発見と着想とに基づき、加
圧軸の押圧力の大きさに合わせて駆動ローラの挟持力を
調整し、ラップ定盤と駆動ローラとの相対位置を適正に
制御することができるように、発明者らは以下の各手段
を発明するに至った。
【0017】(第1手段)本発明の第1手段は、円盤状
のワークを表裏両面から挟持しつつ互いに対向して回転
し、該ワークの該表裏両面をラッピング加工する一対の
ラップ定盤を有する枚葉式両面ラップ盤である。本手段
は、両該ラップ定盤のうち一方を軸長方向に移動させて
位置決めし、該ラップ定盤を軸支して回転駆動する基準
軸と、両該ラップ定盤のうち他方を軸支して回転駆動し
つつ所定の押圧力をもって付勢し該ワークに押しつける
加圧軸とを有する。そして、該ワークの外周面に当接し
該ワークを回転可能に支持する複数のガイドローラと、
該ワークの外縁部を挟持して該ワークを回転駆動する少
なくとも一対の駆動ローラをもつ駆動ローラ装置とをさ
らに有する。また、該基準軸、該加圧軸、各該ガイドロ
ーラおよび駆動ローラ装置を支持する基台テーブルと、
該基準軸、該加圧軸および該駆動ローラ装置を制御する
制御装置とをも有する。
【0018】本手段の枚葉式両面ラップ盤の特徴は、主
に前記駆動ローラ装置にある。すなわち、前記一対の駆
動ローラは、前記基準軸側に固定された基準ローラと、
前記加圧軸側から該基準ローラに押圧付勢される加圧ロ
ーラとである。そして、前記駆動ローラ装置は、前記加
圧ローラを基準ローラに向かって押圧付勢する付勢手段
と、その付勢力を適正に調節する調整手段とをもつ。
【0019】ここで、ワークとしては半導体ウェーハを
主に想定しているが、ワークはウェーハに限られるもの
ではなく、円盤状の部材で両面を研磨する必要があるも
のであればよいものとする。また、駆動ローラ装置の構
成において、付勢手段と調整手段とは一体であっても別
体であってもよく、両者のうちいずれかが駆動ローラ装
置の本体部分と別体になっていてもよい。
【0020】本手段では、駆動ローラ装置が、加圧ロー
ラを基準ローラに向かって押圧付勢する付勢手段と、そ
の付勢力を適正に調節する調整手段とをもつので、加圧
軸の押圧力に合わせた付勢力で加圧ローラをワークに押
しつけることができる。
【0021】すなわち、先ず、無負荷状態で基準軸側の
ラップ定盤のラップ面と基準ローラの外周面との位置合
わせを精密に行っておく。そして、粗加工工程で加圧軸
の付勢力が大きいときには、加圧ローラが空回りしない
ように、加圧ローラの付勢力も大きく設定される。する
と、この付勢力によって両駆動ローラが弾性変形して位
置ズレが生じ、ワークにいくらかの曲げ変形が生じてワ
ークがわずかに歪んでしまう。
【0022】しかしながら、ラッピング加工が進み、仕
上げ加工工程で加圧軸の付勢力が小さくなったときに
は、加圧ローラの付勢力が小さく調整される。すなわ
ち、駆動ローラの弾性変形が小さくなり、ワークに負荷
される駆動ローラの挟持力が低減されるように、調整手
段によって付勢手段が調整される。
【0023】その結果、基準軸側のラップ定盤のラップ
面の位置と基準ローラの外周面の位置とは、基準軸の押
圧力が大きい粗加工工程から同押圧力が小さい仕上げ加
工工程に移行するにしたがって、ほぼ完全に一致するよ
うになる。すると、仕上げ加工工程では、駆動ローラの
挟持力に起因するワークの変形がほとんどなくなり、ワ
ークの歪みに起因する仕上がり精度の劣化が防止される
ので、いっそう向上した仕上がり精度が得られるように
なる。
【0024】したがって、本手段の枚葉式両面ラップ盤
によれば、ラッピング加工の仕上がり精度をいっそう向
上させることができるようになるという効果がある。す
なわち、前述の第一の課題が解決される。
【0025】(第2手段)本発明の第2手段は、前述の
第1手段において、前記基台テーブルによって支持され
ラッピング加工中に前記ウェーハの厚さを測定する定寸
手段をさらに有し、前記制御装置は、該定寸手段の測定
結果に基づいて前記加圧軸と前記駆動ローラ装置を制御
することを特徴とする。
【0026】本手段では、ラッピング加工の最中にイン
プロセスでワークの厚さを測定でき、ほとんどリアルタ
イムで加圧軸の押圧力の制御や駆動ローラの付勢力の制
御に反映させることができるようになる。それゆえ、粗
加工工程から仕上げ加工工程に至るまでのラッピング加
工中にワークの厚さをモニターすることができるので、
工程管理がより適正に行えるようになる。その結果、ワ
ークの厚さについても仕上がり精度が向上するばかりで
はなく、ラッピング加工の時間を短縮することも可能に
なる。
【0027】したがって本手段によれば、前述の第1手
段の効果に加えて、ワークの厚さの仕上がり精度が向上
するばかりではなく、ラッピング加工の時間を短縮する
ことも可能になるという効果がある。
【0028】(第3手段)本発明の第3手段は、前述の
第1手段および第2手段の枚葉式両面ラップ盤により、
ワークとしてのウェーハをラッピング加工するウェーハ
製造方法である。本手段の特徴は、前記ラッピング加工
の工程は、少なくとも粗加工工程および仕上げ加工工程
の二工程からなり、該粗加工工程から該仕上げ加工工程
に移行するにしたがって、前記加圧軸の前記押圧力と前
記駆動ローラ装置の前記加圧ローラにかかる前記付勢力
とが低減されることである。
【0029】本手段では、ラッピング加工の過程で粗加
工工程から仕上げ加工工程に移行するにしたがって、加
圧軸の押圧力が低減していくばかりではなく、これと対
応して駆動ローラ装置の加圧ローラにかかる付勢力も低
減される。それゆえ、第1手段の項でも述べたように、
ラッピング加工が進むにつれてワークの変形が軽減され
る。そうすれば、加工中のウェーハの変形に起因する仕
上がり精度の劣化が防止されるので、仕上がり精度がい
っそう向上する。
【0030】したがって、本手段のウェーハ製造方法に
よれば、枚葉式両面ラップ盤を用いてより精密な仕上が
り精度でウェーハを製造することができるようになると
いう効果がある。すなわち、前述の第二の課題が解決さ
れる。
【0031】(第4手段)本発明の第4手段は、前述の
第3手段において、前記ラッピング加工の工程は、前記
粗加工工程に先立ち、前記加圧軸の前記押圧力と前記駆
動ローラ装置の前記加圧ローラにかかる前記付勢力とが
小さい状態で、前記枚葉式両面ラップ盤の運転を行う予
備工程を有することを特徴とする。
【0032】ここで、ウェーハにラッピング加工を施す
にあたり、粗加工工程から始めるのが普通であったが、
これでは、粗加工工程の初期に両ラップ定盤とウェーハ
との間に砥粒を含んだ加工液が十分に行き渡っていない
状態が起こりうる。このような状態は、特に、両ラップ
定盤からもきれいに加工液が洗い流されてしまうような
洗浄が行われると起こりやすい。すると、その後に次の
ウェーハが乾いた状態で搬入されてセットされ、ラップ
定盤とウェーハとの間に加工液がなく、乾性摩擦に近い
状態で粗加工工程に入るので、ウェーハに過大で不整な
摩擦応力がかかってウェーハが破損することがある。
【0033】そこで、本手段のように粗加工工程に先立
って軽負荷で予備工程が行われるのであれば、予備工程
ではウェーハにかかる負荷が小さくウェーハが損傷する
ことはない。そして、予備工程で加工液が供給され、両
ラップ定盤とウェーハとの間に加工液が行き渡るので、
粗加工工程に移行しても粗加工工程の初めから十分な潤
滑状態が、両ラップ定盤とウェーハとの間で得られる。
その結果、ウェーハの破損が防止されるので、ウェーハ
の歩留まりが向上し、ウェーハの製造コストが低減され
る。
【0034】したがって本手段によれば、前述の第3手
段の効果に加えて、ウェーハの破損が防止されて歩留ま
りが向上し、ウェーハの製造コストが低減されるという
効果がある。
【0035】
【発明の実施の形態】本発明の枚葉式両面ラップ盤およ
びウェーハ製造方法の実施の形態については、当業者に
実施可能な理解が得られるよう、以下の実施例で明確か
つ十分に説明する。
【0036】[実施例1] (実施例1の装置構成)本発明の実施例1としての枚葉
式両面ラップ盤は、図1に平面図を示すように、円盤状
のワークWを表裏両面から挟持しつつ、同軸で互いに対
向して回転し、ワークWの表裏両面をラッピング加工す
るための一対のラップ定盤11,21を有する。
【0037】ここでワークWは、シリコンの大きな単結
晶からなるインゴッドからソーイングによってスライス
された表面が粗いシリコンウェーハである。枚葉式両面
ラップ盤の目的は、ワークWを表裏両面が互いに平行で
ともに平坦かつ平滑にラッピング加工することにより、
表裏両面が平滑に仕上げされた薄い円盤状のシリコンウ
ェーハを製造することである。
【0038】そして、本実施例の枚葉式両面ラップ盤
は、一方のラップ定盤11を軸長方向に移動させて位置
決めし、ラップ定盤11を軸支して回転駆動する基準軸
1と、他方のラップ定盤21を軸支して回転駆動しつつ
所定の押圧力をもってワークWに押し付ける加圧軸2と
を有する。また、図1のII−II矢視側面図を図2に
示すように、ワークWの外周面に当接しワークWを回転
可能に支持する樹脂製の複数のガイドローラ31を有す
る。また、ワークWの外縁部を挟持しワークWを回転駆
動する一対の駆動ローラ72,73をもつ駆動ローラ装
置7を有する。さらに、再び図1に示すように、基準軸
1、加圧軸2、各ガイドローラ31および各駆動ローラ
72,73を直接的または間接的に支持する基台テーブ
ル100を有する。
【0039】本実施例の枚葉式両面ラップ盤はまた、図
3に示すように、本実施例の枚葉式両面ラップ盤の全体
を統御する制御装置5を有する。制御装置5は、マイク
ロコンピュータを中核とするプログラマブルな数値制御
装置である。制御装置5は、基準軸1、加圧軸2および
駆動ローラ装置7を所定のプログラムにしたがって適正
に制御する機能をもつ。
【0040】ここで、駆動ローラ装置7において、一対
の駆動ローラ72,73は、基準軸1側に固定された基
準ローラ72と、加圧軸2側から基準ローラ72に押圧
付勢される加圧ローラ73とである。駆動ローラ装置7
は、加圧ローラ73を基準ローラ72に向かって押圧付
勢する付勢手段としてのエアシリンダ74と、その付勢
力を適正に調節する調整手段としての電空レギュレータ
76とをもつ。そして、加圧ローラ73が基準ローラ7
2とでワークWを挟持するために加圧ローラ73が生じ
る付勢力は、制御装置5により電空レギュレータ76が
D/A変換器78を介して調整され、適正に設定され
る。
【0041】また、本実施例の枚葉式両面ラップ盤は、
基台テーブル100によって支持されラッピング加工中
にワークWの厚さを測定する定寸手段としてのインプロ
セス定寸装置4をさらに有する。そして、制御装置5
は、インプロセス定寸装置4の測定結果に基づいて、加
圧軸2にかかる押圧力と駆動ローラ装置7の加圧ローラ
73にかかる付勢力とを適正に制御する機能をもつ。
【0042】以下、より詳細に本実施例の枚葉式両面ラ
ップ盤の構成について説明する。
【0043】本実施例の枚葉式両面ラップ盤は、再び図
1に平面図を示すように、砥粒を含む加工液Lが供給さ
れ円盤状のワークWを表裏両面から挟持しつつ互いに対
向して反対方向に回転する一対のラップ定盤11,21
を有する。また、再び図2に示すように、ワークWの外
周面に当接しワークWを三方から回転可能に支持する三
つのガイドローラ31を有する。さらに、各ガイドロー
ラ31に当接するワークWの外縁部付近をその表裏両面
に対して所定の間隙を空けて覆う互いに対向した一対の
対向面(図略)と、両対向面にそれぞれ開口しワークW
に向かってパージ流体Pを供給するパージ流体供給孔3
0とが形成された三つのパージ装置3を、各ガイドロー
ラ31毎に有する。すなわち、各パージ装置3は、それ
ぞれガイドローラ31を内蔵しガイドローラ31を回転
自在に軸支している。
【0044】すなわち、本実施例の枚葉式両面ラップ盤
は、再び図1に示すように、基台テーブル100と、基
台テーブル100上にスライド可能に支持された基準軸
1と、基準軸1と同軸に対向して基台テーブル100上
に支持された加圧軸2とを有する。さらに、再び図2に
示すように、基準軸1と加圧軸2との間をまたいで門型
支柱8が基台テーブル100上に固定されている。そし
て、門型支柱8には、ガイドローラ31を覆う下方の一
対のパージ装置3と、ワークWの直上のパージ装置3を
支持している退避装置6と、ワークWを所定の角速度で
回転駆動する駆動ローラ装置7とが固定されている。
【0045】基準軸1は、ビルトイン・モータ12と、
同モータに回転駆動される回転軸の先端に取り付けられ
たラップ定盤11とを有する。ラップ定盤11は、軸長
方向に短い中空円筒状の部材であり、ラップ定盤11が
ワークWに摺接するラップ面11aは、リング状をして
いる。そして、ラップ定盤11の内部空間には、ビルト
イン・モータ12により回転駆動される回転軸の軸芯を
貫通している加工液供給孔10を通じて、砥粒を含んだ
スラリー状の加工液Lが加圧供給される。
【0046】また、基準軸1は、基台テーブル100に
形成された平行な一対のレール14上に載せられてお
り、基準軸1の軸長方向の背後には、ボールねじ駆動モ
ータ13が基台テーブル100に固定されている。基準
軸1は、基準軸1の下に取り付けられているボールねじ
15(図3参照)を駆動するボールねじ駆動モータ13
により、レール14に沿って軸長方向に移動可能になっ
ている。
【0047】一方、加圧軸2は、前述の基準軸1と同様
に、ビルトイン・モータ22(図3参照)と、同モータ
に回転駆動される回転軸の先端に取り付けられたラップ
定盤21とを有する。ラップ定盤21は、基準軸1のラ
ップ定盤11と同様の構成であり、これら一対のラップ
定盤11,21は、それぞれのラップ面11a,12a
を互いに対向させて同軸に向かい合うように配設されて
いる。そして、加圧軸2側のラップ定盤21の内部空間
にも、やはりビルトイン・モータ22により回転駆動さ
れる回転軸の軸芯を貫通している加工液供給孔20を通
じて、加工液Lが加圧供給される。
【0048】ただし、加圧軸2は、基準軸1と異なって
レール上には配設されておらず、二つの平行に配設され
た加圧シリンダ23によって軸長方向にわずかに移動可
能である。すなわち、加圧軸2のラップ定盤21が加圧
シリンダ23によって所定の押圧力でワークWに押し付
けられるように、加圧軸2は構成されている。なお、加
圧シリンダ23によって加圧軸2にかかる押圧力は、制
御装置5によって適正に設定される。
【0049】退避装置6は、ワークWの直上のガイドロ
ーラ31を覆って支持するパージ装置3を支持すると共
に、ワークWの交換時にはパージ装置3を退避させてワ
ークWの出し入れをするための開口を作るための装置で
ある。
【0050】駆動ローラ装置7は、図4に示すように、
前述の門型支柱8に固定された駆動用モータ71と、軸
受けを内蔵した支持部材によって門型支柱8に回転可能
に支承された基準ローラ72とをもつ。駆動用モータ7
1は、基準ローラ72を所望の回転数で回転駆動するモ
ータである。駆動ローラ装置7はまた、基準ローラ72
と対をなす加圧ローラ73と、加圧ローラ73をワーク
Wから離す方向に付勢するスプリング75と、スプリン
グ75の付勢力に逆らって加圧ローラ73をワークWに
押し付けるエアシリンダ74とをもつ。
【0051】一対の駆動ローラ72,73は、ともに円
錐台形の樹脂製ローラであって、再び図1および図2に
示すように、ワークWに対してワークWの回転軸線と両
駆動ローラ72,73の回転軸線とが斜歯歯車のように
交差する角度および位置に配設されている。それゆえ、
一対の駆動ローラ72,73に挟まれてワークWが回転
駆動されるに際しては、ワークWの外縁部と両駆動ロー
ラ72,73との接触面は転がりだけによって接触して
おり、摺接はしないので研磨作用はほとんど生じること
がない。
【0052】図4に模式的な平面図を示すように、加圧
ローラ73を付勢するエアシリンダ74には、エア源7
7から電空レギュレータ76を介して所望の圧力で作動
空気が供給される。それゆえ、加圧ローラ73は、ワー
クWを介し基準ローラ72に向かって所望の付勢力で押
しつけられる。
【0053】インプロセス定寸装置4は、同じく図4に
模式的な平面図を示すように、ワークWの軸線を挟んで
駆動ローラ装置7とほぼ対向する位置に配設されてい
る。インプロセス定寸装置4は、本質的には、ワークW
を軸長方向に挟んで配設された一対の変位センサであ
る。すなわち、インプロセス定寸装置4は、調節ネジ4
2で長さが調整される一対のセンサ部43をもち、各セ
ンサ部43の先端部は、それぞれダイヤモンドチップ4
4をもってワークWの表裏両面の外縁部に軽く接してい
る。各ダイヤモンドチップ44の先端は、適度な曲率を
もって丸く整形されており、ワークWに接触してもワー
クWを傷つけることがないように配慮されている。
【0054】そして、センサ部43のわずかな傾きは、
本体部41に内蔵された差動トランス型センサによって
電気信号化され、図示しないA/D変換器によってデジ
タル信号に変換されて、制御装置5に入力される。この
ようにして、ワークWの表裏両面がもつ変位は、インプ
ロセス定寸装置4によってインプロセス計測されてお
り、その差は制御装置5で演算されている。それゆえ、
ラッピング加工の最中にも、ワークWの厚さがリアルタ
イムで計測されている。なお、各本体部41は、水平方
向に並んで支持部材40に固定支持されており、支持部
材40は門型支柱8に固定されている。
【0055】各パージ装置3は、再び図2に示すよう
に、それぞれガイドローラ31を内蔵し、回転自在に軸
支している。パージ装置3には、ガイドローラ31に当
接するワークWの外縁部付近を、その表裏両面に対して
所定の間隙を空けて覆う互いに対向した一対の対向面
と、両対向面にそれぞれ開口しワークWに向かってパー
ジ流体Pを供給するパージ流体供給孔30とが形成され
ている。
【0056】すなわち、各パージ装置3には、ガイドロ
ーラ31に当接するワークWの外縁部付近をその表裏両
面に対して所定の間隙を空けて覆う、互いに対向した一
対の対向面が形成されている。さらに、各パージ装置3
には、両対向面にそれぞれ開口し、ワークWに向かって
パージ流体Pを供給する一対のパージ流体供給孔30が
形成されている。両対向面は、ワークWの厚さよりも所
定の寸法だけの隙間を空けてスロットを形成している。
そして、このスロットにワークWの外縁部が所定の隙間
を空けてはまり込み、パージ装置3に回転自在に収容さ
れているガイドローラ31の外周面にワークWの外周面
が当接して転がるようになっている。
【0057】それゆえ、各パージ装置3のスロットの開
口部では、ワークWの表裏両面を伝ってくる加工液Lの
ゆっくりとした流れに対して、スロットから勢い良く流
出するパージ流体Pがぶつかり、スロットへの加工液L
の浸入を防止する。その結果、ガイドローラ31はワー
クWの外周面とパージ流体Pとにのみ接触し、加工液L
には接触しない。
【0058】なお、加工液Lは、水を溶媒とし砥粒を多
量に含んだスラリー状の液体である。一方、パージ流体
Pは水であって、水は加工液Lの溶媒であるから、加工
液Lにパージ流体Pが混じっても何ら不都合は生じな
い。
【0059】(実施例1のウェーハ製造方法)本発明の
実施例1としてのウェーハ製造方法は、以上の構成をも
つ本実施例の枚葉式両面ラップ盤により、シリコンウェ
ーハであるワークWをラッピング加工する方法である。
【0060】本実施例のウェーハ製造方法では、図5に
示すように、ラッピング加工の工程Rは、順に、予備工
程R0、粗加工工程R1、中加工工程R2および仕上げ
加工工程R3の四工程からなる。そして、粗加工工程R
1から中加工工程R2を経て仕上げ加工工程R3に移行
するにしたがって、加圧軸2の押圧力と駆動ローラ装置
7の加圧ローラ73にかかる付勢力とが段階的に低減さ
れる。また、予備工程R0は、粗加工工程R1に先立
ち、加圧軸2の押圧力と駆動ローラ装置7の加圧ローラ
73にかかる付勢力とが小さい状態で、本実施例の枚葉
式両面ラップ盤の運転を行う工程である。
【0061】すなわち、本実施例の枚葉式両面ラップ盤
が始動すると、先ずワークWが搬入されてセットされ、
短時間の予備工程R0を終えた後、本格的なラッピング
加工工程R1,R2,R3が施される。ラッピング加工
が終了すると、ワークWは洗浄されて加工液Lを落とし
たうえで搬出される。そして、次のワークWが搬入さ
れ、同様の工程が繰り返される。
【0062】本実施例のウェーハ製造方法では、図6に
示すように、ラッピング加工の各工程R0〜R3におい
て、加圧軸2からワークWにかかる押圧力が異なってい
る。そればかりではなく、駆動ローラ装置7の両駆動ロ
ーラ72,73によるワークWの挟持力も、前述の加圧
軸2の押圧力に対応して各工程R0〜R3で異なってい
る。
【0063】先ず、予備工程R0においては、ごく軽い
押圧力P0でワークWが両ラップ定盤11,21に挟持
された状態で枚葉式両面ラップ盤の運転がごく短時間だ
け行われるので、ワークWにかかる負荷がごく小さく、
ワークWが損傷することはない。そして、予備工程R0
で砥粒を含んだスラリー状の加工液Lが供給され、両ラ
ップ定盤11,21とワークWとの間に加工液Lが行き
渡る。それゆえ、粗加工工程R1に移行しても、粗加工
工程R1の初めから、十分な加工液が行き渡った加工状
態が両ラップ定盤11,21とワークWとの間で得られ
る。その結果、ワークWの破損が防止されるので、ワー
クWの歩留まりが向上し、シリコンウェーハの製造コス
トが低減される。
【0064】次に、粗加工工程R1では、加圧軸2の押
圧力P1と加圧ローラ73の付勢力とがともに大きく
(図4参照)、ワークWは表裏両面が速いピッチで研摩
されて凹凸や歪みがあまりないように粗加工される。こ
の際、加圧軸2の押圧力P1に応じて、加圧ローラ73
の付勢力も大きく設定されている。すなわち、制御装置
5が制御する電空レギュレータ76により、駆動ローラ
装置7のエアシリンダ74に供給されるエアの圧力が適
正に調整される。
【0065】そして、中加工工程R2では、加圧軸2の
押圧力P2と加圧ローラ73の付勢力とがともに中程度
であり、ワークWは表面が中程度の速さで研摩されてほ
とんど凹凸がないように中加工される。この際にも、加
圧軸2の押圧力P2によって基準軸1が弾性変形で後退
するが、これに相当する大きさで基準ローラ72が後退
するように、加圧ローラ73の付勢力も中程度に設定さ
れている。すなわち、駆動ローラ装置7のエアシリンダ
74に供給されるエアの圧力が適正に低減される。
【0066】最後に、仕上げ加工工程R3では、加圧軸
2の押圧力P3と加圧ローラ73の付勢力とがともに小
さく、ワークWは表面が緩やかに研摩されてほとんど完
全に凹凸がない鏡面状に仕上げられる。この際にもやは
り、加圧軸2の押圧力P2に応じて、加圧ローラ73の
付勢力も小さく設定されている。すなわち、駆動ローラ
装置7のエアシリンダ74に供給されるエアの圧力がさ
らに低減される。
【0067】なお、駆動ローラ72,73の挟持力は、
中加工工程R2では粗加工工程R1よりも小さく、仕上
げ加工工程R3ではさらに小さい。しかし、前述のよう
にラップ定盤11,21の挟持力も小さくなってきてい
るので、駆動ローラ72,73の挟持力は、ラップ定盤
11,21とワークWの間で起こる摩擦力に打ち勝って
ワークWを回転させるのに十分である。
【0068】以上のように、本実施例のウェーハ製造方
法では、ラッピング加工の全ての工程R0〜R3で、基
準軸1側のラップ定盤11のラップ面11aと基準ロー
ラ72の外周面の接平面とが一致している。それゆえ、
ラップ定盤11,21に挟持された部分と駆動ローラ7
2,73に挟持された部分との間で、ワークWに曲げ変
形がほとんど起こらない。その結果、ワークWの曲げ変
形に起因する加工精度の低下が大幅に低減され、ワーク
Wの仕上がり精度は大きく向上する。
【0069】なお、基準軸1側のラップ定盤11のラッ
プ面11aと基準ローラ72の外周面の接平面とは、無
負荷状態で一致するように、予め調整されている。
【0070】また、粗加工工程R1、中加工工程R2お
よび仕上げ加工工程R3のそれぞれの終了判定は、イン
プロセス定寸装置4によってモニターされているワーク
Wの厚さによってなされる。それゆえ、各加工工程R1
〜R3の切替えタイミングが適正に取られ、比較的短時
間のうちにラッピング加工がなされるだけではなく、ワ
ークWの仕上がり厚さも精度よく制御される。
【0071】さらに、前述のように全てのラッピング加
工の工程R0〜R3において、駆動ローラ72,73の
挟持力は、ラップ定盤11,21とワークWの間で起こ
る摩擦力に打ち勝ってワークWを回転させるのに十分な
大きさをもつ。それゆえ、駆動ローラ72,73が空回
りしてワークWの回転駆動が所定の角速度で行われない
ような不都合は起きない。
【0072】(実施例1の効果)以上詳述したように、
本実施例の枚葉式両面ラップ盤およびウェーハ製造方法
は、次のように大きく分けて三つの効果を発揮する。
【0073】第一に、前述のようにワークWが仕上げ加
工工程ではほとんど全く曲がらないので、ワークWの表
裏両面の仕上がり精度が、従来技術だけではなく先行技
術に比べても大幅に向上するという効果がある。
【0074】第二に、インプロセス定寸装置4により、
ワークWの厚さがラッピング加工の各工程R0〜R3で
精密にモニターされているので、厚さに関する工程管理
の精度が増し、ワークWの厚さの仕上がり精度も極めて
高精度になるという効果がある。また、時間制御ではな
く厚さで加工工程R1〜R3の切替えが行われているの
で、加工時間の短縮もできるという効果がある。
【0075】第三に、粗加工工程R1の前に予備工程R
0があり、粗加工工程R1では初めから加工液Lが両ラ
ップ定盤11,21とワークWとの摺接面に行き渡って
いるので、ワークWの破損が起こりにくいという効果が
ある。その結果、ワークWの歩留まりが改善されるの
で、ワークWのコストダウンが可能になるという効果が
ある。
【0076】(実施例1の変形態様1)本実施例のウェ
ーハ製造方法では、図6に示すように、粗加工工程R
1、中加工工程R2および仕上げ加工工程R3で、加圧
軸2の押圧力と加圧ローラ73の付勢力とが、段階的に
切り替わっている。しかしながら、本実施例の変形態様
1として、粗加工工程R1の始めから仕上げ加工工程R
3の終わりに至るまで、連続的に徐々に、加圧軸2の押
圧力と加圧ローラ73の付勢力とが低減されるウェーハ
製造方法の実施が可能である。本変形態様は、制御装置
5の制御プログラムをそのように改修するだけで、実施
例1の枚葉式両面ラップ盤によって容易に実施すること
ができる。
【0077】本変形態様によれば、粗加工工程R1の始
めから仕上げ加工工程R3の終わりまで、ラップ定盤1
1,21によるワークWの挟持力を最適な値に保つこと
ができる。それゆえ、適正なプログラムが制御装置5に
与えられていれば、仕上がり精度をいささかも劣化させ
ることなく、加工時間を短縮することができるという効
果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】 実施例1としての枚葉式両面ラップ盤の構成
を示す平面図
【図2】 実施例1としての枚葉式両面ラップ盤の構成
を示す側面図
【図3】 実施例1としての枚葉式両面ラップ盤の構成
を示す模式図
【図4】 実施例1としての枚葉式両面ラップ盤の要部
構成を示す模式図
【図5】 実施例1としてのウェーハ製造方法を示すフ
ローチャート
【図6】 実施例1としてのウェーハ製造方法を示すタ
イムチャート
【図7】 従来技術による枚葉式両面ラップ盤の要部構
成を示す斜視図
【図8】 先行技術による枚葉式両面ラップ盤の要部構
成を示す模式図
【符号の説明】
100:基台テーブル 1:基準軸 10:加工液供給孔 11:ラップ定盤(リング状) 11a:ラップ面 12:ビルトイン・モータ 13:ボールねじ駆動モ
ータ 14:レール 15:ボールねじ 2:加圧軸 20:加工液供給孔 21:ラップ定盤(リング状) 21a:ラップ面 22:ビルトイン・モータ 23:加圧シリンダ 3:パージ装置 30:パージ流体供給孔 31:ガイドローラ 4:インプロセス定寸装置(定寸手段として) 40:支持部材 41:本体 42:センサ部調節
ネジ 43:センサ部 44:ダイヤモンドチップ 5:制御装置 6:退避装置 7:駆動ローラ装置 71:駆動用モータ 72,73:駆動ローラ(外周面は円錐面) 72:基準ローラ 72a:外周面(の接平面) 73:加圧ローラ 74:エアシリンダ(付勢手段として) 75:スプ
リング 76:電空レギュレータ(調整手段として) 77:エア源 78:D/A変換器 8:門型支柱 L:加工液(水を溶媒とし砥粒を含むスラリー) P:水(パージ流体として) W:ワーク(円盤状のシリコンウェーハ) R:ラッピング加工工程 R0:予備工程 R1:粗加工工程 R2:中加工工程 R3:仕上げ加工工程 101,102:ラップ定盤 103:ガイドローラ 104:駆動ローラ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 大阪 哲嗣 愛知県刈谷市朝日町1丁目1番地 豊田工 機株式会社内 (72)発明者 鈴木 弘 愛知県刈谷市朝日町1丁目1番地 豊田工 機株式会社内 (72)発明者 村上 敏夫 愛知県刈谷市朝日町1丁目1番地 豊田工 機株式会社内 (72)発明者 岩井 英樹 愛知県刈谷市朝日町1丁目1番地 豊田工 機株式会社内 (72)発明者 萩野 貞明 群馬県安中市中野谷555番地の1 株式会 社スーパーシリコン研究所内 Fターム(参考) 3C043 BC06 CC07 CC11 DD06 EE04 3C058 AA07 AA18 AB01 AB04 AB06 AC01 BA02 BA05 BB02 BC02 CB01 DA18

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】円盤状のワークを表裏両面から挟持しつつ
    互いに対向して回転し、該ワークの該表裏両面をラッピ
    ング加工する一対のラップ定盤と、 両該ラップ定盤のうち一方を軸長方向に移動させて位置
    決めし、該ラップ定盤を軸支して回転駆動する基準軸
    と、 両該ラップ定盤のうち他方を軸支して回転駆動しつつ所
    定の押圧力をもって付勢し該ワークに押しつける加圧軸
    と、 該ワークの外周面に当接し該ワークを回転可能に支持す
    る複数のガイドローラと、 該ワークの外縁部を挟持して該ワークを回転駆動する少
    なくとも一対の駆動ローラをもつ駆動ローラ装置と、 該基準軸、該加圧軸、各該ガイドローラおよび駆動ロー
    ラ装置を支持する基台テーブルと、 該基準軸、該加圧軸および該駆動ローラ装置を制御する
    制御装置と、を有する枚葉式両面ラップ盤において、 前記一対の駆動ローラは、前記基準軸側に固定された基
    準ローラと、前記加圧軸側から該基準ローラに押圧付勢
    される加圧ローラとであり、 前記駆動ローラ装置は、前記加圧ローラを基準ローラに
    向かって押圧付勢する付勢手段と、その付勢力を適正に
    調節する調整手段とをもつ、ことを特徴とする枚葉式両
    面ラップ盤。
  2. 【請求項2】前記基台テーブルによって支持されラッピ
    ング加工中に前記ウェーハの厚さを測定する定寸手段を
    さらに有し、 前記制御装置は、該定寸手段の測定結果に基づいて前記
    加圧軸と前記駆動ローラ装置を制御する、 請求項1記載の枚葉式両面ラップ盤。
  3. 【請求項3】請求項1および請求項2のうち一方に記載
    の枚葉式両面ラップ盤により、前記ワークとしてのウェ
    ーハをラッピング加工するウェーハ製造方法であって、 前記ラッピング加工の工程は、少なくとも粗加工工程お
    よび仕上げ加工工程の二工程からなり、 該粗加工工程から該仕上げ加工工程に移行するにしたが
    って、前記加圧軸の前記押圧力と前記駆動ローラ装置の
    前記加圧ローラにかかる前記付勢力とが低減される、こ
    とを特徴とするウェーハ製造方法。
  4. 【請求項4】前記ラッピング加工の工程は、前記粗加工
    工程に先立ち、前記加圧軸の前記押圧力と前記駆動ロー
    ラ装置の前記加圧ローラにかかる前記付勢力とが小さい
    状態で、前記枚葉式両面ラップ盤の運転を行う予備工程
    を有する、 請求項3記載のウェーハ製造方法。
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