JP2001257127A - 積層セラミック電子部品の製造方法および製造装置 - Google Patents

積層セラミック電子部品の製造方法および製造装置

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JP2001257127A
JP2001257127A JP2000068132A JP2000068132A JP2001257127A JP 2001257127 A JP2001257127 A JP 2001257127A JP 2000068132 A JP2000068132 A JP 2000068132A JP 2000068132 A JP2000068132 A JP 2000068132A JP 2001257127 A JP2001257127 A JP 2001257127A
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JP
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ceramic green
drying
green sheet
station
ceramic
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JP2000068132A
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English (en)
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Shigeyuki Horie
重之 堀江
Hiroyuki Baba
広之 馬場
Takao Hosokawa
孝夫 細川
Yasunobu Yoneda
康信 米田
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Murata Manufacturing Co Ltd
Original Assignee
Murata Manufacturing Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 たとえば積層セラミックコンデンサにおける
内部電極の厚みによる段差を実質的になくすように、セ
ラミックグリーンシートの主面上であって内部電極が形
成されない領域にセラミックペーストを印刷することに
よって段差吸収用セラミックグリーン層を形成し、乾燥
したとき、この段差吸収用セラミックグリーン層が内部
電極の一部上に乗り上げるなどして、段差吸収用セラミ
ックグリーン層が良好なパターン精度をもって形成され
ないことがある。 【解決手段】 セラミックグリーンシート1の主面上
に、内部電極2を形成し、乾燥し、次いで、段差吸収用
セラミックグリーン層3を形成した後、この段差吸収用
セラミックグリーン層3を乾燥するとき、これを下方に
向けた状態とすることによって、段差吸収用セラミック
グリーン層3を構成するセラミックペーストに及ぼされ
る重力がパターン精度を向上させる方向に働くようにす
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、積層セラミック
電子部品の製造方法および製造装置に関するもので、特
に、セラミック層間に形成される内部回路要素膜の厚み
に起因する段差を吸収するために内部回路要素膜パター
ンのネガティブパターンをもって形成された段差吸収用
セラミック層を備える、積層セラミック電子部品の製造
方法および製造装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】たとえば積層セラミックコンデンサのよ
うな積層セラミック電子部品を製造しようとするとき、
複数のセラミックグリーンシートが用意され、これらセ
ラミックグリーンシートが積み重ねられる。特定のセラ
ミックグリーンシート上には、得ようとする積層セラミ
ック電子部品の機能に応じて、コンデンサ、抵抗、イン
ダクタ、バリスタ、フィルタ等を構成するための導体
膜、抵抗体膜のような内部回路要素膜が形成されてい
る。
【0003】近年、電子機器は、小型化かつ軽量化が進
み、このような電子機器において、たとえば積層セラミ
ック電子部品が回路素子として用いられる場合、このよ
うな積層セラミック電子部品に対しても、小型化および
軽量化が強く要求されるようになっている。たとえば、
積層セラミックコンデンサの場合には、小型化かつ大容
量化の要求が高まっている。
【0004】積層セラミックコンデンサを製造しようと
する場合、典型的には、セラミックグリーンシートが成
形され、次いで、セラミックグリーンシートの主面上
に、互いに間隔を隔てた複数のパターンをもって、導電
性ペーストをスクリーン印刷によって付与し、これを乾
燥することにより、内部回路要素膜としての内部電極が
セラミックグリーンシート上に形成される。次に、セラ
ミックグリーンシートが所定の枚数だけ積み重ねられ、
さらに、この積み重ねの上下に内部電極を形成していな
いセラミックグリーンシートが所定の枚数だけ積み重ね
られることによって、生の積層体が作製される。
【0005】この生の積層体は、積層方向にプレスされ
た後、個々の積層セラミックコンデンサのための積層体
チップとなるべき大きさに切断され、次いで、脱バイン
ダ工程を経た後、焼成工程に付され、最終的に外部電極
が形成されることによって、積層セラミックコンデンサ
が完成される。
【0006】このような積層セラミックコンデンサにお
いて、その小型化かつ大容量化に対する要求を満足させ
るためには、セラミックグリーンシートおよび内部電極
の積層数の増大およびセラミックグリーンシートの薄層
化を図ることが必要となってくる。
【0007】しかしながら、上述のような多層化および
薄層化が進めば進むほど、内部電極の各厚みの累積の結
果、内部電極が位置する部分とそうでない部分との間、
あるいは、内部電極が積層方向に比較的多数配列されて
いる部分とそうでない部分との間での厚みの差がより顕
著になり、得られた積層体チップの外観において、その
一方主面が凸状となるような変形が生じてしまうことが
ある。
【0008】積層体チップにおいて、このような変形が
生じていると、内部電極が位置していない部分あるいは
比較的少数の内部電極しか積層方向に配列されていない
部分においては、プレス工程の際に比較的大きな歪みが
もたらされており、また、セラミックグリーンシート間
の密着性が劣っているため、焼成時に引き起こされる内
部ストレスによって、デラミネーションや微小クラック
等の構造欠陥が発生しやすく、最悪の場合には、ショー
ト不良が生じることもある。
【0009】上述のような問題を解決するため、たとえ
ば、図3および図4に示すように、セラミックグリーン
シート1上の内部電極2が形成されていない領域に、段
差吸収用セラミックグリーン層3を形成し、この段差吸
収用セラミックグリーン層3によって、セラミックグリ
ーンシート1上での内部電極2の厚みによる段差を実質
的になくすことが、たとえば、特開昭56−94719
号公報、特開平3−74820号公報、特開平9−10
6925号公報等に記載されている。
【0010】上述のように、段差吸収用セラミックグリ
ーン層3を形成することによって、図3に一部を示すよ
うに、生の積層体4を作製したとき、内部電極2が位置
する部分とそうでない部分との間、あるいは内部電極2
が積層方向に比較的多数配列されている部分とそうでな
い部分との間での厚みの差が実質的に生じなくなり、得
られた積層体チップにおいて、前述のような不所望な変
形を生じにくくすることができる。
【0011】その結果、前述したようなデラミネーショ
ンや微小クラック等の構造欠陥および内部電極2の変形
によるショート不良といった問題を生じにくくすること
ができ、得られた積層セラミックコンデンサの信頼性を
高めることができる。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】上述した段差吸収用セ
ラミックグリーン層3は、セラミックグリーンシート1
上に導電性ペーストを印刷することによって内部電極2
を形成し、この内部電極2を乾燥した後、図5(1)に
示すように、セラミックペーストを印刷することによっ
て形成される。この段差吸収用セラミックグリーン層3
は、次いで、乾燥される。
【0013】しかしながら、上述の乾燥後において、段
差吸収用セラミックグリーン層3は、図5(2)に示す
ように、その形状が崩れ、内部電極2の一部上に乗り上
げ、その平面的形状としてのパターンが崩れてしまって
いることがある。このような段差吸収用セラミックグリ
ーン層3におけるパターンの崩れは、段差吸収用セラミ
ックグリーン層3を形成することによる段差吸収効果を
減殺するばかりでなく、段差吸収用セラミックグリーン
層3の形成がかえって段差の助長を招くことになってし
まう。
【0014】以上、積層セラミックコンデンサに関連し
て説明を行なったが、同様の問題は、積層セラミックコ
ンデンサ以外のたとえば積層インダクタといった他の積
層セラミック電子部品においても遭遇する。
【0015】そこで、この発明の目的は、上述したよう
な問題を解決し得る、積層セラミック電子部品の製造方
法および製造装置を提供しようとすることである。
【0016】
【課題を解決するための手段】この発明は、セラミック
グリーンシートを用意し、このセラミックグリーンシー
トの主面上にその厚みによる段差をもたらすように部分
的に導電性ペーストを印刷することによって内部回路要
素膜を形成し、この内部回路要素膜を乾燥し、内部回路
要素膜の厚みによる段差を実質的になくすようにセラミ
ックグリーンシートの主面上であって内部回路要素膜が
形成されない領域にセラミックペーストを印刷すること
によって段差吸収用セラミックグリーン層を形成し、こ
の段差吸収用セラミックグリーン層を乾燥し、セラミッ
クグリーンシート、内部回路要素膜および段差吸収用セ
ラミックグリーン層をそれぞれ備える、複数の複合構造
物を積み重ねることによって、生の積層体を作製し、こ
の生の積層体を焼成する、各工程を備える、積層セラミ
ック電子部品の製造方法にまず向けられるものである。
【0017】このような製造方法に関して、前述したよ
うな問題の発生の原因を調査すべく、種々の実験を重ね
た結果、段差吸収用セラミックグリーン層の印刷直後に
おいては、そのパターンの崩れがないにも関わらず、乾
燥後において、パターンの崩れが発生し得るものがある
ことがわかった。このことから、段差吸収用セラミック
グリーン層におけるパターンの崩れは、その乾燥工程に
原因があると推測し、鋭意研究した結果、以下のような
特徴的構成を採用することによって、この問題の解決を
図り得ることを見出した。
【0018】すなわち、この発明では、段差吸収用セラ
ミックグリーン層を乾燥する工程を、段差吸収用セラミ
ックグリーン層を下方に向けた状態とされたセラミック
グリーンシートに対して実施するようにしたことを特徴
としている。
【0019】この発明は、また、積層セラミック電子部
品の製造装置にも向けられる。
【0020】この製造装置は、長尺のセラミックグリー
ンシートをその長手方向に搬送するための搬送経路と、
この搬送経路上の第1の位置に設けられるものであっ
て、セラミックグリーンシートの主面上にその厚みによ
る段差をもたらすように部分的に導電性ペーストを印刷
することによって内部回路要素膜を形成するための第1
の印刷ステーションと、搬送経路上の第1の位置に後続
する第2の位置に設けられるものであって、内部回路要
素膜を乾燥するための第1の乾燥ステーションと、搬送
経路上の第2の位置に後続する第3の位置に設けられる
ものであって、内部回路要素膜の厚みによる段差を実質
的になくすようにセラミックグリーンシートの主面上で
あって内部回路要素膜が形成されない領域にセラミック
ペーストを印刷することによって段差吸収用セラミック
グリーン層を形成するための第2の印刷ステーション
と、搬送経路上の第3の位置に後続する第4の位置に設
けられるものであって、段差吸収用セラミックグリーン
層を乾燥するための第2の乾燥ステーションとを備えて
いる。
【0021】そして、この製造装置は、より特徴的な構
成として、第2の乾燥ステーションにおいて、セラミッ
クグリーンシートは、段差吸収用セラミックグリーン層
を下方に向けた状態とされるように構成されている。
【0022】この発明に係る積層セラミック電子部品の
製造装置において、好ましくは、第1の乾燥ステーショ
ンと第2の乾燥ステーションとは、共通する乾燥炉内に
位置され、かつ、第1の乾燥ステーションにおいて、セ
ラミックグリーンシートは内部回路要素膜を上方に向け
た状態とされ、搬送経路は、第2の乾燥ステーションよ
り上流側の位置でセラミックグリーンシートを反転させ
るための反転ステーションを備えている。
【0023】また、この発明に係る積層セラミック電子
部品の製造装置において、第1の乾燥ステーションと第
2の印刷ステーションとの間の位置に、セラミックグリ
ーンシートのテンションを制御するためのダンサーロー
ルが設けられることが好ましい。
【0024】
【発明の実施の形態】この発明の一実施形態の説明を、
積層セラミックコンデンサの製造方法について行なう。
図1は、この実施形態による積層セラミックコンデンサ
の製造装置10を図解的に示す正面図である。図1にお
いて、その上下方向は重力方向に対応している。また、
図2は、前述した図5に相当する図である。
【0025】これら図1および図2において、前述した
図3ないし図5に示した要素に相当する要素には同様の
参照符号を付し、重複する説明は省略する。
【0026】図1に示す製造装置10を適用するにあた
って、長尺のセラミックグリーンシート1が用意され、
このセラミックグリーンシート1は、ロール11の形態
とされる。ロール11から引き出されたセラミックグリ
ーンシート1は、搬送経路12に沿って、その長手方向
に搬送され、最終的に、ロール13の形態となるように
巻き取られる。
【0027】上述した搬送経路12上の第1の位置に
は、セラミックグリーンシート1の主面上にその厚みに
よる段差をもたらすように部分的に導電性ペーストを印
刷することによって内部電極2を形成するための第1の
印刷ステーション14が設けられる。
【0028】次に、搬送経路12上の上述の第1の位置
に後続する第2の位置には、内部電極2を乾燥するため
の第1の乾燥ステーション15が設けられる。
【0029】次に、搬送経路12上の上述の第2の位置
に後続する第3の位置には、内部電極2の厚みによる段
差を実質的になくすようにセラミックグリーンシート1
の主面上であって内部電極2が形成されない領域にセラ
ミックペーストを印刷することによって段差吸収用セラ
ミックグリーン層3を形成するための第2の印刷ステー
ション16が設けられる。
【0030】この第2の印刷ステーション16を通過し
た直後のセラミックグリーンシート1、内部電極2およ
び段差吸収用セラミックグリーン層3を備える複合構造
物17の断面図が、図2(1)に示されている。
【0031】次に、搬送経路12上の上述の第3の位置
に後続する第4の位置には、段差吸収用セラミックグリ
ーン層3を乾燥するための第2の乾燥ステーション18
が設けられる。この第2の乾燥ステーション18を通過
した直後の複合構造物17の断面図が図2(2)に示さ
れている。
【0032】次に、第2の乾燥ステーション18を通過
した複合構造物17は、ロール13の形態となるように
巻き取られる。
【0033】上述した搬送経路12に沿ってセラミック
グリーンシート1が搬送されるとき、第1の印刷ステー
ション14においては、セラミックグリーンシート1の
上方に向く主面上に内部電極2が形成され、この姿勢を
維持したまま、第1の乾燥ステーション15において、
内部電極2の乾燥が実施される。そして、第2の印刷ス
テーション16においては、図2(1)によく示されて
いるように、同じく内部電極2を上方に向けた状態で、
セラミックグリーンシート1の上方に向く主面上に段差
吸収用セラミックグリーン層3が形成される。
【0034】これらに対して、第2の乾燥ステーション
18においては、図2(2)によく示されているよう
に、セラミックグリーンシート1は、段差吸収用セラミ
ックグリーン層3を下方に向けた状態とされている。そ
のため、搬送経路12は、第2の乾燥ステーション18
より上流側の位置でセラミックグリーンシート1すなわ
ち複合構造物17を反転させるための反転ステーション
19を備えている。
【0035】また、この実施形態では、第1の乾燥ステ
ーション15と第2の乾燥ステーション18とは、共通
する乾燥炉20内に位置される。上述したように搬送経
路12に反転ステーション19を設けることによって、
第1の乾燥ステーション15と第2の乾燥ステーション
18とを同じ乾燥炉20内に位置させることが容易にな
る。
【0036】従来のように、段差吸収用セラミックグリ
ーン層3を上方に向けた状態で、これを乾燥しようとす
る場合、図5(2)に示すような乾燥後の状態がもたら
されることがあるが、これは、段差吸収用セラミックグ
リーン層3を構成するセラミックペーストが、未乾燥ま
たは半乾燥状態において、セラミックグリーンシート1
の移動や振動などが原因となって、一方側に片寄せられ
るためであると考えられる。この場合において、セラミ
ックペーストには、内部電極2上に重なる方向の重力が
加わっており、したがって、上述の片寄りは、乾燥工程
の間、修正される余地がほとんどない。
【0037】これに対して、この実施形態では、図2
(2)によく示されているように、第2の乾燥ステーシ
ョン18において、セラミックグリーンシート1は、段
差吸収用セラミックグリーン層3を下方に向けた状態と
されているので、段差吸収用セラミックグリーン層3を
構成するセラミックペーストに対して、セラミックグリ
ーンシート1の移動や振動などが原因となって、これを
一方側に片寄せる力が加わっても、このセラミックペー
ストに及ぼされる重力が、この片寄せを修正する方向に
作用するため、優れたパターン精度をもって段差吸収用
セラミックグリーン層3を乾燥させることができる。
【0038】なお、上述のように、第2の乾燥ステーシ
ョン18において、段差吸収用セラミックグリーン層3
を下方に向けた状態としても、段差吸収用セラミックグ
リーン層3を構成するセラミックペーストに含まれる樹
脂成分のセラミックグリーンシート1に対する密着力が
比較的強いため、このようなセラミックペーストが乾燥
中に垂れ落ちることはない。
【0039】また、図1および図2(2)に示すよう
に、第2の乾燥ステーション18において、セラミック
グリーンシート1の主面が水平方向に延びる状態とされ
ながら、段差吸収用セラミックグリーン層3が下方に向
けられたが、この発明による効果が損なわれない限り、
セラミックグリーンシート1の主面をある程度傾斜させ
ながら、段差吸収用セラミックグリーン層3を斜め下方
に向けた状態とされてもよい。
【0040】図1に示すように、この実施形態では、第
1の乾燥ステーション15と第2の印刷ステーション1
6との間の位置には、セラミックグリーンシート1のテ
ンションを制御するためのダンサーロール21が設けら
れている。このようなダンサーロール21を設けること
によって、第1の乾燥ステーション15と第2の印刷ス
テーション16との間でのセラミックグリーンシート1
のテンションを一定に保つことが可能となり、特に、第
2の印刷ステーション16における段差吸収用セラミッ
クグリーン層3の印刷精度を高めることができる。
【0041】以上のようにしてロール13の形態となる
ように巻かれた複合構造物17は、次の工程において、
ロール13から引き出され、そこから取り出された所定
形状の複合構造物17を積み重ねることによって、生の
積層体が作製される。次いで、この生の積層体は、積層
方向にプレスされた後、必要に応じて、個々の積層セラ
ミックコンデンサのための積層体チップとなるべき大き
さに切断され、次いで、脱バインダ工程を経た後、焼成
工程に付され、最終的に外部電極が形成されることによ
って、積層セラミックコンデンサが完成される。
【0042】以上、積層セラミックコンデンサの製造に
関して、実施形態の説明を行なったが、この発明は、積
層セラミックコンデンサ以外のたとえば積層インダクタ
のような他の積層セラミック電子部品の製造においても
適用することができる。
【0043】
【発明の効果】以上のように、この発明によれば、段差
吸収用セラミックグリーン層を乾燥するにあたって、こ
の段差吸収用セラミックグリーン層を下方に向けた状態
とされるので、段差吸収用セラミックグリーン層を構成
するセラミックペーストに及ぼされる重力が段差吸収用
セラミックグリーン層のパターン精度を向上させる方向
に働き、したがって、乾燥後において、段差吸収用セラ
ミックグリーン層のパターン精度を向上させることがで
きる。
【0044】そのため、段差吸収用セラミックグリーン
層の形成によって、積層セラミック電子部品におけるク
ラックやデラミネーション等の構造欠陥を防止するとい
う効果がかえって減殺されてしまうことがなく、積層セ
ラミック電子部品の小型化かつ薄型化の要求に確実に対
応することが可能となり、この発明が積層セラミックコ
ンデンサの製造に適用された場合には、小型化かつ大容
量化が図られた積層セラミックコンデンサを高い歩留り
をもって製造することができる。
【0045】この発明に係る積層セラミック電子部品の
製造装置によれば、長尺のセラミックグリーンシートの
ための一連の搬送経路に沿って、内部回路要素膜を形成
するための第1の印刷ステーションと、内部回路要素膜
を乾燥するための第1の乾燥ステーションと、段差吸収
用セラミックグリーン層を形成するための第2の印刷ス
テーションと、段差吸収用セラミックグリーン層を乾燥
するための第2の乾燥ステーションとが順次設けられて
いるので、内部回路要素膜の印刷および乾燥ならびに段
差吸収用セラミックグリーン層の印刷および乾燥といっ
た作業を連続的に行なうことができ、内部回路要素膜お
よび段差吸収用セラミックグリーン層を形成したセラミ
ックグリーンシートをもって構成される複合構造物の生
産性を高めることができる。
【0046】また、これらの作業を一連の工程で進める
ことができるので、たとえば、内部回路要素膜の印刷お
よび乾燥と段差吸収用セラミックグリーン層の印刷およ
び乾燥とを別の装置において行なう場合に比べて、セラ
ミックグリーンシートの移し替えが不要となるので、セ
ラミックグリーンシートに機械的損傷がもたらされる可
能性を低減することができる。
【0047】この発明に係る積層セラミック電子部品の
製造装置が次のように構成されるとき、すなわち、セラ
ミックグリーンシートが、第1の乾燥ステーションにお
いて、内部回路要素膜を上方に向けた状態とされ、第2
の乾燥ステーションにおいて、段差吸収用セラミックグ
リーン層(および内部回路要素膜)を下方に向けた状態
とされるように、搬送経路が、第2の乾燥ステーション
より上流側の位置でセラミックグリーンシートを反転さ
せるための反転ステーションを備え、第1の乾燥ステー
ションと第2の乾燥ステーションとが、共通する乾燥炉
内に位置されるように構成されたとき、製造装置が必要
とする床面積を低減できるとともに、乾燥炉の共通化に
よるコストダウンを期待することができる。
【0048】また、この発明に係る積層セラミック電子
部品の製造装置において、第1の乾燥ステ−ションと第
2の印刷ステーションとの間の位置に、セラミックグリ
ーンシートのテンションを制御するためのダンサーロー
ルが設けられていると、セラミックグリーンシートのテ
ンションを一定に保つことが容易となり、その結果、第
2の印刷ステーションにおける段差吸収用セラミックグ
リーン層の印刷精度をより向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の一実施形態による積層セラミック電
子部品の製造方法を説明するためのもので、積層セラミ
ックコンデンサの製造装置10を示す正面図である。
【図2】図1に示した製造装置を用いて製造されるセラ
ミックグリーンシート1、内部電極2および段差吸収用
セラミック層3を備える複合構造物17の一部を拡大し
て断面で示す正面図であり、(1)は第2の乾燥ステー
ション18を通過する前の状態を示し、(2)は第2の
乾燥ステーション18を通過した後の状態を示す。
【図3】この発明にとって興味ある積層セラミックコン
デンサの製造方法を説明するためのもので、生の積層体
4の一部を図解的に示す断面図である。
【図4】図3に示した積層セラミックコンデンサの製造
において作製される、セラミックグリーンシート1上に
内部電極2および段差吸収用セラミックグリーン層3を
形成した複合構造物の一部を破断して示す平面図であ
る。
【図5】この発明が解決しようと課題を説明するための
図2に対応する図である。
【符号の説明】
1 セラミックグリーンシート 2 内部電極 3 段差吸収用セラミックグリーン層 4 生の積層体 10 製造装置 12 搬送経路 14 第1の印刷ステーション 15 第1の乾燥ステーション 16 第2の印刷ステーション 17 複合構造物 18 第2の乾燥ステーション 19 反転ステーション 20 乾燥炉 21 ダンサーロール
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 細川 孝夫 京都府長岡京市天神二丁目26番10号 株式 会社村田製作所内 (72)発明者 米田 康信 京都府長岡京市天神二丁目26番10号 株式 会社村田製作所内 Fターム(参考) 4G052 DA02 DB02 DB12 DC06 4G055 AA08 AB03 AC01 AC09 BA22 BA42 5E001 AB03 AD02 AF06 AH01 AH05 AH06 AH08 AH09 AJ01 AJ02 5E082 AA01 AB03 BC33 BC38 BC39 EE04 EE35 FG06 FG26 FG46 FG51 FG54 JJ03 LL02 LL03 MM11 MM17 MM22 MM24

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 セラミックグリーンシートを用意し、 前記セラミックグリーンシートの主面上にその厚みによ
    る段差をもたらすように部分的に導電性ペーストを印刷
    することによって内部回路要素膜を形成し、 前記内部回路要素膜を乾燥し、 前記内部回路要素膜の厚みによる段差を実質的になくす
    ように前記セラミックグリーンシートの前記主面上であ
    って前記内部回路要素膜が形成されない領域にセラミッ
    クペーストを印刷することによって段差吸収用セラミッ
    クグリーン層を形成し、 前記段差吸収用セラミックグリーン層を乾燥し、 前記セラミックグリーンシート、前記内部回路要素膜お
    よび前記段差吸収用セラミックグリーン層をそれぞれ備
    える、複数の複合構造物を積み重ねることによって、生
    の積層体を作製し、 前記生の積層体を焼成する、各工程を備える、積層セラ
    ミック電子部品の製造方法であって、 前記段差吸収用セラミックグリーン層を乾燥する工程
    は、当該段差吸収用セラミックグリーン層を下方に向け
    た状態とされた前記セラミックグリーンシートに対して
    実施されることを特徴とする、積層セラミック電子部品
    の製造方法。
  2. 【請求項2】 長尺のセラミックグリーンシートをその
    長手方向に搬送するための搬送経路と、 前記搬送経路上の第1の位置に設けられるものであっ
    て、前記セラミックグリーンシートの主面上にその厚み
    による段差をもたらすように部分的に導電性ペーストを
    印刷することによって内部回路要素膜を形成するための
    第1の印刷ステーションと、 前記搬送経路上の前記第1の位置に後続する第2の位置
    に設けられるものであって、前記内部回路要素膜を乾燥
    するための第1の乾燥ステーションと、 前記搬送経路上の前記第2の位置に後続する第3の位置
    に設けられるものであって、前記内部回路要素膜の厚み
    による段差を実質的になくすように前記セラミックグリ
    ーンシートの前記主面上であって前記内部回路要素膜が
    形成されない領域にセラミックペーストを印刷すること
    によって段差吸収用セラミックグリーン層を形成するた
    めの第2の印刷ステーションと、 前記搬送経路上の前記第3の位置に後続する第4の位置
    に設けられるものであって、前記段差吸収用セラミック
    グリーン層を乾燥するための第2の乾燥ステーションと
    を備え、 前記第2の乾燥ステーションにおいて、前記セラミック
    グリーンシートは、前記段差吸収用セラミックグリーン
    層を下方に向けた状態とされることを特徴とする、積層
    セラミック電子部品の製造装置。
  3. 【請求項3】 前記第1の乾燥ステーションと前記第2
    の乾燥ステーションとは、共通する乾燥炉内に位置さ
    れ、かつ、前記第1の乾燥ステーションにおいて、前記
    セラミックグリーンシートは前記内部回路要素膜を上方
    に向けた状態とされ、前記搬送経路は、前記第2の乾燥
    ステーションより上流側の位置で前記セラミックグリー
    ンシートを反転させるための反転ステーションを備え
    る、請求項2に記載の積層セラミック電子部品の製造装
    置。
  4. 【請求項4】 前記第1の乾燥ステーションと前記第2
    の印刷ステーションとの間の位置に、前記セラミックグ
    リーンシートのテンションを制御するためのダンサーロ
    ールが設けられる、請求項1または2に記載の積層セラ
    ミック電子部品の製造装置。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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US8188828B2 (en) 2007-12-26 2012-05-29 Murata Manufacturing Co., Ltd. Multilayer electronic component and electronic component module including the same
US8233264B2 (en) 2009-12-24 2012-07-31 Samsung Electro-Mechanics Co., Ltd. Multilayer ceramic capacitor
US8264815B2 (en) 2009-12-10 2012-09-11 Samsung Electro-Mechanics Co., Ltd. Multilayer ceramic capacitor and method for manufacturing the same

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