JP2001241345A - ディーゼルエンジンの燃料制御装置 - Google Patents

ディーゼルエンジンの燃料制御装置

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JP2001241345A
JP2001241345A JP2000053946A JP2000053946A JP2001241345A JP 2001241345 A JP2001241345 A JP 2001241345A JP 2000053946 A JP2000053946 A JP 2000053946A JP 2000053946 A JP2000053946 A JP 2000053946A JP 2001241345 A JP2001241345 A JP 2001241345A
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fuel
injection
engine
sub
injection amount
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JP2000053946A
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English (en)
Inventor
Tomomi Watanabe
友巳 渡辺
Kenichi Morisane
健一 森実
Keiji Araki
啓二 荒木
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Mazda Motor Corp
Original Assignee
Mazda Motor Corp
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  • Electrical Control Of Air Or Fuel Supplied To Internal-Combustion Engine (AREA)
  • Combined Controls Of Internal Combustion Engines (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 直噴式ディーゼルエンジン1が加速運転状態
になったとき、インジェクタ5による燃料噴射量を増量
補正するとともに、少なくとも加速運転初期には該イン
ジェクタ5により主噴射に先立って副噴射を行わせるよ
うにする場合に、加速性能の向上と燃焼騒音やエミッシ
ョンの低減とを高次元で両立させる。 【解決手段】 エンジン1が加速運転状態になったとき
(SA4)、インジェクタ5による燃料の副噴射量及び
主噴射量をそれぞれ増量補正するとともに(SA7)、
エンジン1の運転状態の変化度合いに基づいて該エンジ
ン1が高負荷側の設定運転領域にまで移行するかどうか
予測し(SA8)、エンジン1が設定運転領域にまで移
行すると予測されれば、燃料の副噴射量の主噴射量に対
する割合である副噴射割合Rが少なくなるように、該副
噴射量の増量補正を制限する(SA9,SA10)。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、エンジンの気筒内
燃焼室に燃料噴射弁により燃料を直接、噴射供給するよ
うにした直噴式ディーゼルエンジンの燃料制御装置に関
し、特に、エンジンの加速運転時における副噴射制御の
技術分野に属する。
【0002】
【従来の技術】従来より、この種のエンジンの燃料噴射
制御装置として、例えば特開平9−228880号公報
に開示されるように、ターボ過給機を装備したディーゼ
ルエンジンにおいて、加速運転の初期にターボ過給機に
よる吸気の過給圧が立ち上がるまで、主噴射に先立って
パイロット噴射(副噴射)を行うようにしたものが知ら
れている。このものでは、エンジンの気筒内燃焼室への
吸入空気量を検出するセンサを設け、このセンサからの
出力信号に基づいて、吸入空気量が少ないほどパイロッ
ト噴射による燃料噴射量を増量し、この燃料の燃焼によ
って主噴射を行うときの筒内温度を上昇させることで、
低過給圧状態においても主噴射された燃料の着火遅れ時
間を短縮して、燃焼騒音を適切に低下させるようにして
いる。
【0003】このようなパイロット噴射による着火性改
善の効果は、ターボ過給機を装備しないものについても
同様に得られ、一般的に加速運転初期には燃焼室の温度
状態が相対的に低いにもかかわらず、要求出力の増大に
応じて燃料噴射量が増量補正されることから、このとき
にパイロット噴射を行って主噴射の燃料噴霧の着火性等
を大幅に改善することで、エンジン出力を高めながら、
燃焼騒音を低下させかつエミッションを低減することが
できる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで、近年、ディ
ーゼルエンジンにおいてはコモンレール方式等を採用し
た燃料噴射装置が実用化され、気筒内燃焼室への燃料
(軽油)の噴射圧力が従来までに比べて格段に高くなっ
ており、これにより、燃料霧の微粒化特性が顕著に改善
されるため、着火遅れ期間は大幅に短くなる傾向があ
る。
【0005】このような超高圧の燃料噴射という条件下
で前記のようにエンジンの加速運転に対応してパイロッ
ト噴射を行うようにすると、前記の如く加速運転の初期
に出力向上や燃焼騒音及びエミッションの低減といった
効果が期待できる一方で、加速運転の後期になって燃焼
室の温度状態が高くなると、パイロット噴射された燃料
の燃焼が過度に激しくなって、燃焼騒音の増大やエミッ
ションの増加を招くことがある。
【0006】本発明は斯かる点に鑑みてなされたもので
あり、その目的とするところは、加速運転に対応して燃
料の副噴射を行うようにした直噴式ディーゼルエンジン
において、主にその副噴射量の制御に工夫を凝らすこと
で、加速性能の向上と燃焼騒音やエミッションの低減と
を高次元で両立させることにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するため
に、本発明の第1の解決手段では、エンジンが加速運転
状態になったときに、この加速運転によってエンジンが
所定の高負荷運転状態になるかどうか予測し、高負荷運
転状態になると予測したときには、燃料の副噴射量の増
量を制限するようにした。
【0008】具体的に、請求項1の発明は、図1(a)に
示すように、エンジン1の気筒2内燃焼室4に燃料を直
接、噴射供給する燃料噴射弁5と、エンジン1が加速運
転状態になったとき、前記燃料噴射弁5による燃料噴射
量を増量補正する燃料増量補正手段40bと、少なくと
もエンジン1の加速運転初期に、前記燃料噴射弁5によ
り燃料の主噴射とこれに先立つ副噴射とを行わせる燃料
噴射制御手段40aとを備えたディーゼルエンジンの燃
料制御装置Aを前提とする。そして、エンジン1が加速
運転状態になったとき、該エンジン1が高負荷側の設定
運転領域にまで移行するかどうか予測する予測手段40
cと、該予測手段40cによりエンジン1が設定運転領
域にまで移行すると予測されたとき、そうでないときに
比べて、前記燃料の副噴射量の主噴射量に対する割合で
ある副噴射割合Rが少なくなるように該副噴射量の増量
を制限する増量規制手段40dとを備える構成とする。
【0009】前記の構成により、少なくともエンジン1
が加速運転状態になったときには、燃料噴射制御手段4
0aによる燃料噴射弁5の作動制御によって、燃料の主
噴射とこれに先立つ副噴射とが行われる。すなわち、副
噴射された燃料が空気と混合されて燃焼し(予混合燃
焼)、この燃焼により燃焼室4の温度及び圧力状態が高
められたところで、燃料噴射弁5により主噴射が行われ
ることになるので、この主噴射された燃料は、着火遅れ
時間が極めて短くなって良好に拡散燃焼するようにな
る。そして、燃料増量補正手段40bにより前記燃料の
副噴射量及び主噴射量がそれぞれ増量されることで、エ
ンジン出力が向上するとともに、その副噴射量の増量に
よって燃焼室4の温度及び圧力状態が可及的に速やかに
上昇することにより、燃料噴射量が増量されていても、
燃焼騒音及びエミッションの低減が図られる。
【0010】さらに、予測手段40cにより、エンジン
1が高負荷側の設定運転領域にまで移行すると予測され
たときには、増量規制手段40dにより前記の副噴射量
の増量補正が制限されるので、加速運転の後期にエンジ
ン1が設定運転領域に移行して燃焼室4が過熱気味にな
っても、副噴射された燃料の燃焼が過度に激しくなるこ
とが抑制され、よって、燃焼騒音やエミッションの増大
を回避することができる。
【0011】請求項2の発明では、増量規制手段を、燃
料増量補正手段による副噴射量の増量を禁止するものと
する。こうすることで、エンジンの加速運転状態でも燃
料噴射弁による燃料の副噴射量は定常運転状態のときと
同じになり、この副噴射燃料の燃焼が過度に激しくなる
ことを確実に回避できる。
【0012】請求項3の発明では、増量規制手段を、燃
料増量補正手段による副噴射量の増量補正量を所定量減
少させるものとする。こうすることで、エンジンの加速
運転初期に燃焼室4の温度及び圧力状態を高めつつ、加
速運転後期には燃料噴射弁により副噴射量された燃料の
燃焼が過度に激しくなることを抑制できる。
【0013】次に、本発明の第2の解決手段では、エン
ジンが加速運転状態になって、その後、実際に高負荷側
の設定運転領域に移行したときに、移行前に比べて燃料
の副噴射量の増量を制限するようにした。
【0014】具体的に、請求項4の発明は、図1(b)に
示すように、エンジン1の気筒2内燃焼室4に燃料を直
接、噴射供給する燃料噴射弁5と、エンジン1が加速運
転状態になったとき、前記燃料噴射弁5による燃料噴射
量を増量補正する燃料増量補正手段40bと、少なくと
もエンジン1の加速運転初期に、前記燃料噴射弁5によ
り燃料の主噴射とこれに先立つ副噴射とを行わせる燃料
噴射制御手段40aとを備えたディーゼルエンジンの燃
料制御装置Aを前提とする。そして、エンジン1が高負
荷側の設定運転領域に移行したことを判定する判定手段
40eと、該判定手段40eにより設定運転領域に移行
したと判定されたとき、この判定前に比べて、前記燃料
の副噴射量の主噴射量に対する割合である副噴射割合R
が少なくなるように該副噴射量の増量補正を制限する増
量規制手段40dとを備える構成とする。尚、判定手段
40eは、例えば、エンジン1の負荷状態ないしエンジ
ン回転数に基づいて、該エンジン1が設定運転領域に移
行したことを判定するようにすればよい。
【0015】前記の構成により、エンジン1が加速運転
状態になったとき、請求項1の発明と同様に燃料噴射弁
5により燃料の副噴射及び主噴射が行われて、この噴射
された燃料が極めて短い着火遅れの後に良好に拡散燃焼
するようになる。また、燃料増量補正手段40bにより
前記燃料の副噴射量及び主噴射量がそれぞれ増量される
ことで、エンジン出力が向上する。さらに、その燃料の
副噴射量の増量によって燃焼室4の温度及び圧力状態が
可及的に速やかに上昇し、燃焼騒音及びエミッションの
低減が図られる。一方、エンジン1が加速運転の後期に
高負荷側の設定運転領域に移行すると、このことが判定
手段40eにより判定され、この判定前に比べて燃料の
副噴射割合Rが少なくなるように、増量規制手段40d
により副噴射量の増量補正が制限される。これにより、
エンジン1の燃焼室4が過熱気味になっていても、副噴
射された燃料の燃焼が過度に激しくなることを抑制し
て、燃焼騒音やエミッションの増大を回避できる。
【0016】つまり、エンジン1の加速運転初期には燃
料の副噴射量を十分に増量させ、主噴射される燃料の燃
焼性を高めることによって燃焼騒音及びエミッションを
低減できる一方、燃焼室4が過熱気味になる加速運転後
期には、前記の副噴射量の増量を制限することによっ
て、燃焼騒音及びエミッションを低減できる。
【0017】請求項5の発明では、請求項4における増
量規制手段を、判定手段によりエンジンの設定運転領域
への移行が判定されたとき、燃料増量補正手段による副
噴射量の増量補正量を強制的に零にさせるものとする。
こうすることで、エンジンの加速運転後期には燃料噴射
弁による燃料の副噴射量は定常運転状態のときと同じに
なり、これにより、副噴射された燃料の燃焼が過度に激
しくなることを確実に回避できる。
【0018】次に、本発明の第3の解決手段では、エン
ジンが加速運転状態のときに、燃料噴射弁による燃料の
副噴射量の主噴射量に対する割合(副噴射割合)を、エ
ンジンの負荷状態が増大するとともに、減少させるよう
にした。
【0019】具体的に、請求項6の発明は、エンジンの
気筒内燃焼室に燃料を直接、噴射供給する燃料噴射弁
と、エンジンが加速運転状態になったとき、前記燃料噴
射弁による燃料噴射量を増量補正する燃料増量補正手段
と、少なくともエンジンの加速運転初期に、前記燃料噴
射弁により燃料の主噴射とこれに先立つ副噴射とを行わ
せる燃料噴射制御手段とを備えたディーゼルエンジンの
燃料制御装置を前提とし、このものにおいて、前記燃料
増量補正手段を、エンジンが加速運転状態のとき、前記
燃料の副噴射量の主噴射量に対する割合である副噴射割
合がエンジンの負荷状態の増大に応じて減少するよう
に、該副噴射量及び主噴射量の増量補正量を変更するも
のとした。
【0020】この構成により、エンジンの加速運転状態
において請求項1又は請求項4の発明と同様に燃料噴射
弁により燃料の副噴射及び主噴射が行われるとともに、
その副噴射量及び主噴射量がそれぞれ燃料増量補正手段
により増量されて、エンジン出力の向上と燃焼騒音及び
エミッションの低減とが図られる。そして、加速運転に
よってエンジンが低負荷側から高負荷側へ移行すると、
前記燃料増量補正手段により、エンジンの負荷状態の増
大に応じて副噴射割合が徐々に減少するように、燃料の
副噴射量及び主噴射量の増量補正量が適宜変更される。
このことで、前記請求項4の発明と同じく、エンジンの
加速運転の初期には燃料の副噴射量が十分に増量される
一方、その後、エンジンの運転状態の変化に応じて副噴
射割合が最適に変化し、これにより、加速運転中のエン
ジン出力の向上と燃焼騒音及びエミッションの低減とが
極めて高い次元で両立できる。
【0021】請求項7の発明では、請求項1、4又は6
のいずれか1つにおける燃料増量補正手段を、エンジン
が低負荷運転状態で加速運転状態になったときには、中
負荷運転状態で加速運転状態になったときに比べて、少
なくとも加速運転初期の副噴射割合が多くなるように、
燃料の副噴射及び主噴射量をそれぞれ増量させるものと
する。
【0022】このことで、エンジンが加速運転状態にな
ったときのの負荷状態が低くて燃焼室の温度状態が低い
ほど、燃料の副噴射量が増やされ、その副噴射燃料の燃
焼によって燃焼室の温度状態が速やかに高められる。こ
れにより、加速運転に対応して燃料噴射弁による燃料の
噴射量をかなり多くさせても、その多量の燃料を良好に
燃焼させることができる。
【0023】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態を図面に
基いて説明する。
【0024】(実施形態1)図2は本発明の実施形態1
に係るディーゼルエンジンの制御装置Aの全体構成を示
し、1は車両に搭載される直列4気筒ディーゼルエンジ
ンである。このエンジン1は4つの気筒2,2,2,2
を有し、その各気筒2内に往復動可能なようにピストン
(図示せず)が嵌装されていて、このピストンにより各
気筒2内に燃焼室4が区画されている。また、その各燃
焼室4の上面略中央部には、図には誇張して示すが、気
筒2の中心線に沿って延びるようにインジェクタ(燃料
噴射弁)5が配設され、この各インジェクタ5の先端部
には噴射ノズルが一体的に設けられている。これらのイ
ンジェクタ5,5,…は、それぞれ、燃料をその噴射圧
以上の高圧状態で蓄える共通のコモンレール6に対し分
岐管6a,6a,…により接続され、噴射ノズルの芯弁
が図示しないアクチュエータにより開閉作動されること
で、前記コモンレール6から供給される高圧の燃料を、
噴射ノズル先端の複数の噴孔から燃焼室4に直接、噴射
供給するようになっている。また、コモンレール6には
内部の燃圧(コモンレール圧)を検出する燃料圧力セン
サ6bが配設されている。
【0025】前記コモンレール6は高圧燃料供給管7を
介して燃料供給ポンプ8に接続され、その燃料供給ポン
プ8は燃料供給管9を介して燃料タンク10に接続され
ている。この燃料供給ポンプ8は、入力軸8aにエンジ
ン1のクランク軸からの回転入力を受け入れて駆動さ
れ、燃料供給管9を介して燃料タンク10内の燃料を燃
料フィルタ11により濾過しながら吸い上げるととも
に、ジャーク式圧送系により燃料をコモンレール6に圧
送する。また、燃料供給ポンプ8にはその圧送系により
送り出される燃料の一部を燃料戻し管12に逃がして、
ポンプの吐出量を調節する電磁弁が設けられており、こ
の電磁弁の開度が前記燃料圧力センサ6bによる検出値
に応じて制御されることによって、コモンレール6内の
燃料の圧力状態がエンジン1の運転状態に対応する所定
の状態に保持されるようになっている。
【0026】尚、同図の符号13は、コモンレール圧が
所定値以上になったときに、燃料をコモンレール6から
排出させるプレッシャリミッタを示し、このプレッシャ
リミッタから排出された燃料は燃料戻し管14を流通し
て、燃料タンク10に戻される。また、符号15は燃料
の一部をインジェクタ5から燃料タンク10に戻すため
の燃料戻し管を示している。
【0027】このエンジン1には、詳細は図示しない
が、クランク軸の回転角度を検出するクランク角センサ
16と、動弁系カム軸の回転角度を検出するカム角セン
サ17と、冷却水温度(エンジン水温)を検出するエン
ジン水温センサ18とが設けられている。前記クランク
角センサ16は、クランク軸端に設けた被検出用プレー
トとその外周に相対向するように配置した電磁ピックア
ップとからなり、前記被検出用プレートの外周部全周に
亘って等間隔に形成された突起部の通過に対応して、パ
ルス信号を出力するものである。また、前記カム角セン
サ17は、同様にカム軸周面の所定箇所に設けた複数の
突起部と、その各突起部が通過するときにパルス信号を
出力する電磁ピックアップとからなる。尚、符号19は
前記カム軸により駆動されるバキュームポンプを示して
いる。
【0028】また、エンジン1の一方の側(図の上側)
には、図外のエアクリーナで濾過した空気を燃焼室4に
供給する吸気通路20が接続されている。この吸気通路
20の下流端部にはサージタンク21が設けられ、この
サージタンク21から分岐した各通路がそれぞれ図示し
ない吸気ポートにより各気筒2の燃焼室4に連通してい
る。また、サージタンク21には、後述のターボ過給機
31により圧送される吸気の圧力状態を検出する過給圧
センサ22が配設されている。さらに、前記吸気通路2
0には、上流側から下流側に向かって順に、エンジン1
に吸入される吸気流量を検出するホットフィルム式エア
フローセンサ23と、後述のタービン29により駆動さ
れて吸気を圧縮するブロワ24と、このブロワ24によ
り圧縮した吸気を冷却するインタークーラ25と、バタ
フライバルブからなる吸気絞り弁26とが設けられてい
る。この吸気絞り弁26は、詳細は図示しないが、弁軸
がステッピングモータにより回動されて、全閉から全開
までの任意の状態に位置づけられるようになっており、
また、全閉状態でも空気が流入するように切り欠きが設
けられている。
【0029】一方、エンジン1の反対側(図の下側)に
は、各気筒2の燃焼室4からそれぞれ燃焼ガス(排気)
を排出する排気マニホルド27が接続され、この排気マ
ニホルド27の下流端集合部に排気通路28が接続され
ている。この排気通路28には上流側から下流側に向か
って順に、排気流により回転されるタービン29と、排
気中の有害成分(未燃HC、CO、NOx、スモーク
等)を除去するための触媒コンバータ30とが配設され
ている。前記タービン29と吸気通路20のブロワ24
とからなるターボ過給機31は、詳細は図示しないが、
可動式のフラップによりタービン29への排気流路の断
面積(ノズル断面積)を変化させるようにしたVGT
(バリアブルジオメトリーターボ)であり、前記フラッ
プは、バキュームポンプ19からの負圧を利用する負圧
駆動式のアクチュエータ35によって回動されるように
なっている。
【0030】また、前記触媒コンバータ30は、詳細は
図示しないが、排気の流れる方向に沿って互いに平行に
延びる多数の貫通孔を有するハニカム構造のコージェラ
イト製担体を有するものであり、その担体の各貫通孔壁
面にいわゆるリーンNOx触媒の触媒層が形成されてい
る。このリーンNOx触媒は、排気中の酸素濃度が高い
とき、即ち燃焼室4の平均的な空気過剰率λが1よりも
大きなリーン状態であっても、排気中のNOxを還元浄
化できるとともに、理論空燃比付近では三元触媒として
も働くものである。
【0031】さらに、前記排気通路28は、タービン2
9よりも排気上流側の部位で、排気の一部を吸気側に還
流させる排気還流通路(以下EGR通路という)33の
上流端に分岐接続されており、このEGR通路33の下
流端が吸気絞り弁26及びサージタンク21の中間の吸
気通路20に接続されていて、排気通路28から取り出
した排気の一部を吸気通路20に還流させるようになっ
ている。また、該EGR通路33の途中の下流端寄りに
は、開度調節可能な排気還流量調節弁(以下EGR弁と
いう)34が配置され、このEGR弁34が前記ターボ
過給機31のフラップと同様に負圧駆動式アクチュエー
タ35により開閉作動されることで、EGR通路33の
通路断面積がリニアに変化されて、吸気通路20に還流
される排気の流量が調節されるようになっている。
【0032】前記各インジェクタ5、燃料供給ポンプ
8、吸気絞り弁26、VGT31、EGR弁34等は、
いずれもコントロールユニット(Electronic Contorol
Unit:以下ECUという)40からの制御信号によって
作動する。一方、このECU40には、前記燃料圧力セ
ンサ6bからの出力信号と、クランク角センサ16及び
カム角センサ17からの出力信号と、エンジン水温セン
サ18からの出力信号と、過給圧センサ22からの出力
信号と、エアフローセンサ23からの出力信号と、車両
の運転者による図示しないアクセルペダルの操作量(ア
クセル開度)を検出するアクセル開度センサ36からの
出力信号とが少なくとも入力されている。
【0033】そして、前記ECU40による基本的な制
御としては、主にアクセル開度に基づいて目標燃料噴射
量を決定し、インジェクタ5の作動制御によって燃料の
噴射供給量や噴射時期を制御するとともに、高圧供給ポ
ンプ8の作動によりコモンレール圧、即ち燃量噴射圧力
を制御する。また、吸気絞り弁26及びEGR弁34の
作動制御によって吸入空気量を調節することで、燃焼室
4の平均的な空気過剰率を制御する。さらに、VGT3
1のフラップの作動制御(VGT制御)によって吸気の
過給効率を高めるようにしている。
【0034】具体的に、例えば燃料噴射制御としては、
詳しくは後述するが、エンジン1の略全運転領域におい
て、図3(b)に示すように、インジェクタ5により気筒
の圧縮上死点(TDC)近傍で燃料の主噴射を、またこ
の主噴射に先立つ副噴射をそれぞれ行わせる。また、該
副噴射及び主噴射による燃料の総噴射量を主にエンジン
1の負荷状態の変化に応じて増量又は減量させるととも
に、燃料の副噴射量の主噴射量に対する割合(副噴射割
合)Rや各噴射作動の開始時期等もエンジン1の負荷状
態や回転数の変化に応じてきめ細かく変更することで、
各気筒2の燃焼室4における燃料噴霧の形成の最適化を
図り、これにより、エンジン1の燃費性能、出力性能、
耐熱信頼性、エミッション等の相反する種々の要求を高
次元で満足させるようにしている。
【0035】また、前記EGR弁34の作動制御(EG
R制御)としては、例えば、全気筒2に共通の目標空気
過剰率をエンジン1の運転状態に応じて定めるととも
に、エアフローセンサ出力に基づいて各気筒2の燃焼室
4への実際の吸入空気量を検出し、この検出値と各気筒
2毎の燃料噴射量とに基づいて、前記目標空気過剰率に
なるように排気還流量を制御する。つまり、気筒2毎の
排気還流量を調節することにより、燃焼室4への新気
(外気)の吸入量を変化させて、各気筒2内燃焼室4の
空気過剰率を目標空気過剰率になるように制御するもの
である。
【0036】さらに、吸気絞り弁26の作動制御として
は、前記のようなEGR制御により所要量の排気を還流
させるために、主としてエンジン1のアイドル運転時に
吸気絞り弁26を全閉状態として、吸気通路20に負圧
を発生させる一方、それ以外の運転状態では吸気絞り弁
26は概ね全開状態とするようにしている。
【0037】尚、一般的に、直噴式ディーゼルエンジン
においては、排気の還流量を増やして初期の予混合燃焼
の立ち上がりを穏やかにさせることで、NOxの生成を
抑制できるが、排気還流量が増えればその分、新気の吸
入空気量が減少して、燃焼室の平均的な空気過剰率が小
さくなり、局所的な過濃混合気部分におけるスモークの
生成量が増加する傾向がある。そこで、この実施形態に
おけるEGR弁34の制御では、前記空気過剰率の目標
値はスモークのあまり増加しない範囲においてできるだ
け小さな値に設定している。
【0038】(定常運転状態の燃料噴射制御)次に、エ
ンジン1が定常運転状態のときの燃料噴射制御について
説明すると、ECU40のメモリには図4(a)(b)に一例
を示すような複数の噴射制御マップが電子的に格納され
ており、これらの噴射制御マップからエンジン1の運転
状態に応じて制御データが読み込まれるようになってい
る。例えば、同図(a)に示す燃料噴射量のマップには、
エンジン1の負荷状態及びエンジン回転数の変化に応じ
て実験的に決定した基本燃料噴射量Qbの最適値が記録
されており、アクセル開度センサ36からの出力信号に
基づいて求めた目標トルク(エンジン1の負荷状態)と
クランク角センサ16からの出力信号に基づいて求めた
エンジン回転数とに基づいて、前記燃料噴射量マップか
らエンジン1の要求出力に対応する基本燃料噴射量Qb
が読み込まれる。この基本燃料噴射量Qbは目標トルク
が大きいほど、またエンジン回転数が高いほど、多くな
るように設定記録されており、このようにして読み込ま
れた基本噴射量Qbがエンジン水温や吸気圧力等に応じ
て補正されて、最終的な目標燃料噴射量が決定される。
【0039】また、同図(b)に示す副噴射割合のマップ
には、前記と同様にエンジン1の負荷状態及びエンジン
回転数に対応付けて副噴射割合Rが記録されている。同
図によれば、インジェクタ5による燃料の噴射供給を中
止する燃料カット領域を除いて、低負荷側の運転領域
(イ)において副噴射割合RがR=20〜40%とさ
れ、また、中負荷運転領域(ロ)ではR=10〜20%
とされ、さらに高負荷側の運転領域(ハ)ではR=5〜
10%とされている。つまり、副噴射割合Rはエンジン
1の負荷状態が低いほど大きくされる。尚、副噴射と主
噴射とを合わせた燃料の総噴射量はエンジン1の負荷状
態が高いほど多くなるので、結果的に燃料の副噴射量は
エンジン1の高負荷側の方が多くなる。
【0040】さらに、図示しないが、ECU40のメモ
リには、前記と同様にエンジン1の負荷状態及びエンジ
ン回転数に対応付けて、副噴射及び主噴射においてイン
ジェクタ5の閉弁時期(インジェクタ5のノズルを閉じ
るクランク角位置)をそれぞれ記録した噴射時期のマッ
プが電子的に格納されており、このマップから読み込ん
だインジェクタ5の閉弁時期と所要の燃料を噴射するた
めのインジェクタ5の開弁時間間隔とに基づいて、該イ
ンジェクタ5のノズルを開くクランク角位置、即ち噴射
開始時期が設定されるようになっている。
【0041】この噴射時期のマップには、例えばエンジ
ン1の負荷状態、エンジン回転数、エンジン水温及びコ
モンレール圧に対応づけて、インジェクタ5の閉弁時期
が記録されていて、一例を挙げれば、エンジン水温が低
いほど、またコモンレール圧が低いほど、噴射時期が進
角されるようになっている。これは、エンジン水温等に
よって燃料の着火遅れ時間が変化することに対応して、
常に最適な燃焼状態とするためである。また、この実施
形態では、エンジン1が高負荷ないし高回転側にあるほ
ど、副噴射及び主噴射の時期を進角させかつそれらの間
の噴射停止間隔を長くするようにしている。尚、そのよ
うに燃料噴射時期を進角又は遅角させるといっても、燃
焼状態の悪化を防ぐために、主噴射の終了時期が気筒2
の圧縮上死点後(ATDC)35°CAよりも以前とさ
れている。
【0042】(加速運転状態の燃料噴射制御)次に、エ
ンジン1が加速運転状態のときの燃料噴射制御について
説明するが、この加速運転状態というのはエンジン1の
運転状態の変化が所定以上に大きいいわゆる過渡状態の
ことであり、このときには過渡時燃料増量補正が行われ
る。すなわち、前記の如くエンジン1の運転状態、即ち
負荷状態及びエンジン回転数に基づいて行われる定常運
転状態の制御に加えて、目標燃料噴射量が増量補正され
てこの増量補正分が副噴射と主噴射とにそれぞれ分配さ
れるとともに、該副噴射及び主噴射の時期がそれぞれ進
角側に補正される。
【0043】また、前記の燃料噴射量の増量補正量は主
にアクセル開度の変化状態に対応して、急加速状態であ
るほど多くなるように増量されるのであるが、本願発明
の特徴部分として、この実施形態では、その燃料増量補
正量の副噴射及び主噴射への分配の仕方を、主にエンジ
ン1が加速運転状態になったときの該エンジン1の負荷
状態及びエンジン回転数に基づいて決定し、さらに、特
に副噴射量ないし副噴射割合は加速運転の後期における
エンジン1の負荷状態やエンジン回転数に応じて変更す
るようにしている。
【0044】以下、エンジン1の加速運転状態のときの
燃料噴射量制御の処理手順を、図5に示すフローチャー
ト図に基づいて具体的に説明する。尚、この制御手順
は、ECU40のメモリ上に電子的に格納された制御プ
ログラムに従い、各気筒2毎に独立して所定クランク角
で実行されるものである。
【0045】まず、スタート後のステップSA1におい
て、クランク角信号、エアフローセンサ出力、アクセル
開度、過給圧、エンジン水温等のデータを入力し、続く
ステップSA2において、アクセル開度から求めた目標
トルクとクランク角信号から求めたエンジン回転数とに
基づいて、前記図4(a)の燃料噴射量のマップから基本
燃料噴射量Qbを読み込み、この基本燃料噴射量Qbをエ
ンジン水温や吸気圧力等に応じて補正して、目標燃料噴
射量Qを設定する。続いて、ステップSA3において、
前記図4(b)の副噴射割合のマップから副噴射割合Rを
読み込み、前記ステップSA2で求めた目標燃料噴射量
Qを副噴射割合Rに基づいて分配して、基本的な燃料の
副噴射量Qp及び主噴射量Qmを演算する。
【0046】 Qp = R×Q, Qm =(1−R)×Q さらに、インジェクタ5による副噴射及び主噴射の時期
をそれぞれ設定する。
【0047】続いて、ステップSA4において、エンジ
ン1が加速運転状態かどうか判定する。この判定はアク
セル開度やその変化速度及びエンジン回転数の変化度合
いに基づいて行われ、この判定結果がNOで加速運転状
態でないNOならば、ステップSA14に進む一方、例
えば、アクセル開度が所定の判定基準値よりも大きくか
つエンジン回転数の上昇変化量が所定の判定基準値より
も大きければ、加速運転状態でYESと判定して、ステ
ップSA5に進む。このステップSA5では、エンジン
1が加速運転状態であることを示す加速判定フラグFの
値が0かどうか判別し、F=1ならば、エンジン1は前
回の制御サイクルから継続して加速運転状態であると判
定して、ステップSA13に進む一方、F=0であれ
ば、エンジン1が定常運転状態から加速運転状態になっ
たと判定して、ステップSA6に進み、このステップS
A6において加速判定フラグFの値を1にする(F=
1)。
【0048】続いて、ステップSA7において、エンジ
ン1の加速運転に対応するよう燃料噴射量を増量補正す
る。すなわち、まず、アクセル開度の変化量やその変化
速度等に応じて、運転者によるアクセル操作量が大きい
ほど、またこの操作が急なほど、燃料噴射量が多くなる
ように増量補正量を演算する。続いて、例えば図6に示
すような制御マップから前記増量補正量の副噴射への分
配係数を読み込み、この係数に基づいて前記増量補正量
を分配して、副噴射増量値ΔQp及び主噴射増量値ΔQ
mをそれぞれ設定する(ΔQp>ΔQm)。
【0049】ここで、前記図6の制御マップによれば、
分配係数は、加速運転状態になったときのエンジン1の
負荷状態やエンジン回転数が低いほど、大きくなるよう
に設定されており、例えばエンジン1が低回転かつ低負
荷運転状態にあれば副噴射割合Rは100%くらいにな
り、また、エンジン1が中回転かつ低中負荷運転状態に
あれば副噴射割合は80%くらいになり、さらに、それ
以上の負荷状態ないしエンジン回転数であれば、副噴射
割合Rは60%くらいになる。つまり、エンジン1が加
速運転状態になったとき、基本的には、そのときのエン
ジン1の運転状態に対応する分配割合でもって、燃料噴
射量の増量分を副噴射及び主噴射に分配するようにして
いる。
【0050】続いて、ステップSA8において、アクセ
ル開度の変化量やその変化速度、さらにはエンジン1が
加速運転状態になったときの負荷状態及びエンジン回転
数等に基づいて、該エンジン1が高負荷側の設定運転領
域にまで移行するかどうか予測する。この設定運転領域
は、例えば図7に斜線を入れて示すように、エンジン1
の高負荷域であってかつ中回転ないし高回転領域に予め
設定したものであり、元々、燃料噴射量が多くかつエン
ジン回転数が高いことから、各気筒2内の燃焼室4がや
や過熱気味になるような運転領域である。
【0051】続いて、前記ステップSA8において設定
運転領域に移行すると予測したときには(判定がYE
S)、続くステップSA9において副噴射減量値Qpt
を演算し、続くステップSA10において、前記ステッ
プSA7で求めた副噴射増量値ΔQpから前記副噴射減
量値Qptを減算して、この減算後の値を改めて副噴射
増量値ΔQpとして、ステップSA11に進む。一方、
前記ステップSA8において設定運転領域に移行しない
と予測したときには(判定がNO)、副噴射増量値ΔQ
pはそのままで、ステップSA11に進む。このステッ
プSA11では、前記ステップSA3で演算した副噴射
量Qpに前記副噴射増量値ΔQpを加算して最終的な副
噴射量Qpを演算する。続いて、ステップSA12にお
いて、該副噴射量Qp及び主噴射量ΔQmに対応する制
御信号をインジェクタ5に出力して、該インジェクタ5
により燃料の副噴射及び主噴射をそれぞれ実行させ、し
かる後にリターンする。
【0052】つまり、加速運転によってエンジン1が設
定運転領域にまで移行すると予測すれば、この設定運転
領域において燃焼室4が過熱気味になることを考慮し
て、副噴射された燃料の燃焼が過度に激しくなることを
回避するために、予め燃料の副噴射量の増量を抑えるよ
うにしている。尚、前記ステップSA9においては副噴
射減量値Qptとして予め設定した一定の値をECU4
0のメモリから読み込むようにすればよく、或いはその
値をアクセル開度やエンジン回転数等に応じて補正する
ようにしてもよい。
【0053】一方、前記ステップSA5において、エン
ジン1が前回の制御サイクルから継続して加速運転状態
であるNOと判定して進んだステップSA13では、副
噴射増量値ΔQpを前回の制御サイクルにおける値(前
回ΔQp)とし、前記ステップSA11及びステップS
A12に進んで、インジェクタ5により燃料の副噴射及
び主噴射を実行させた後、リターンする。つまり、前記
のようにエンジン1の加速運転初期に設定した副噴射増
量値ΔQp及び主噴射増量値ΔQmは、エンジン1の加
速運転が終了するまで維持するようにしている。
【0054】また、前記ステップSA4において、エン
ジン1が加速運転状態でないNOと判定されれば、エン
ジン1は定常運転状態になっているから、ステップSA
14に進んでフラグFをクリアし(F=0)、それから
前記ステップSA12に進んで、インジェクタ5により
燃料の副噴射及び主噴射を実行させて、しかる後にリタ
ーンする。つまり、定常運転状態では上述の如き燃料噴
射量の増量補正は行わない。
【0055】前記図5に示すフローの各ステップによ
り、全体として、エンジン1の殆ど全ての運転領域にお
いてインジェクタ5により燃料の主噴射とこれに先立つ
副噴射とを行わせる燃料噴射制御手段40aが構成され
ている。また、ステップSA7により、エンジン1が加
速運転状態になったとき、インジェクタ5による燃料噴
射量を増量補正する燃料増量補正手段40bが構成され
ている。この燃料増量補正手段40bは、エンジン1が
加速運転状態になったときの該エンジン1の運転状態、
即ち負荷状態及びエンジン回転数に基づいて、燃料の副
噴射及び主噴射量をそれぞれ増量させるものであり、エ
ンジン1が低負荷で加速運転状態になったときには、中
負荷で加速運転状態になったときよりも副噴射割合Rを
多くさせるようにしている。
【0056】さらに前記フローのステップSA8によ
り、エンジン1が加速運転状態になったとき、該エンジ
ン1が高負荷側の設定運転領域にまで移行するかどうか
予測する予測手段40cが構成され、ステップSA9,
SA10の各ステップにり、エンジン1が設定運転領域
にまで移行することが予測されたときには副噴射割合R
が少なくなるように副噴射増量値ΔQpを減少させる、
即ち、前記燃料増量補正手段40bによる副噴射量の増
量補正を制限する増量規制手段40dが構成されてい
る。
【0057】尚、この実施形態1では、前記のように燃
料増量補正手段40bによる副噴射量の増量補正を増量
規制手段40dにより制限するために、副噴射増量値Δ
Qpから一定の副噴射減量値Qptを減算するようにし
ているが、これに限らず、例えば強制的に副噴射増量値
ΔQp=0として、前記燃料増量補正手段40bによる
副噴射量の増量を禁止するようにすることも可能であ
る。
【0058】(実施形態1の作用効果)したがって、こ
の実施形態1に係るエンジンの燃料制御装置Aによれ
ば、まず、エンジン1の殆ど全ての運転領域において、
前記図3(b)に示すように、エンジン1の各気筒2のイ
ンジェクタ5により副噴射と主噴射とに分けて燃料の噴
射供給が行われる。この際、気筒2の圧縮行程で燃料の
副噴射が行われると、この燃料が空気と混合されて燃焼
し(予混合燃焼)、この燃焼によって燃焼室4の温度及
び圧力状態が高められる。例えば、同図(a)に実線で示
すのは、副噴射を行ったときの燃焼室4の圧力状態(気
筒内圧)の変化であり、また仮想線で示すのは副噴射を
行わないときである。同図によれば、副噴射された燃料
の燃焼によって燃焼室4の圧力状態が高められ、ピスト
ンの上昇とも相俟ってTDC近傍で気筒内圧が極めて高
くなることが見てとれる。
【0059】続いて、TDC近傍でインジェクタ5によ
り主噴射が行われると、前記のように燃焼室4の温度及
び圧力状態が極めて高くなっていることから、主噴射さ
れた燃料の着火遅れ時間が極めて短くなり、その殆どが
良好に拡散燃焼されるようになる。すなわち、前記図3
(a)に実線で示すように、副噴射を行ったときには行わ
なかったときに比べて燃焼の立ち上がりの圧力上昇が穏
やかになり、しかも圧力のピークはかなり高くなる。こ
のことで、燃焼初期の燃焼騒音を低下させかつエミッシ
ョンを低減しながら、エンジン1の出力は向上すること
ができる。
【0060】そうして、エンジン1が加速運転状態にな
ると、燃料増量補正手段40bにより、アクセル開度や
エンジン回転数等の変化に応じて燃料噴射量が増量補正
されて、エンジン出力が高められる。すなわち、相対的
に変化の急な加速運転状態では燃料の増量補正量も大き
くされ、一方、相対的に変化の緩やかな加速運転状態で
は燃料の増量補正量は小さくされる。
【0061】この際、加速運転状態になったときのエン
ジン1の負荷状態及びエンジン回転数に基づいて、前記
増量補正量が副噴射及び主噴射に分配される。すなわ
ち、加速運転開始時にエンジン1が相対的に低負荷ない
し低回転側にあって、燃焼室4の温度状態が低いほど、
副噴射割合Rが大きくされ、この副噴射燃料の燃焼によ
って燃焼室4の温度状態を速やかに上昇させることがで
きるので、加速増量によって燃料噴射量がかなり多くな
っていても、その多量の燃料を極めて良好に燃焼させて
エンジン出力を十分に高めつつ、前記のように燃焼騒音
の低下やエミッション低減といった作用効果を十分に得
ることができる。
【0062】ところで、前記の如く、エンジン1の加速
運転初期に燃料の副噴射を行えば、主噴射燃料の着火遅
れ時間を極めて短くして、この主噴射燃料の予混合燃焼
に伴う燃焼騒音を低下させかつエミッションを低減する
ことができる上に、燃焼性の向上によってエンジン出力
も高めることができるものであるが、一方、加速運転に
よってエンジン1が前記図7に示す設定運転領域にまで
移行すると、今度は燃焼室4が過熱気味になるので、前
記の燃料噴射量の増量補正やコモンレール方式による超
高圧噴射とも相俟って、副噴射された燃料の燃焼が過度
に激しくなってしまい、このときに燃焼騒音の増大やエ
ミッションの増加を招くことが懸念される。
【0063】そこで、この実施形態では、エンジン1が
加速運転状態になったとき、そのときのエンジン1の負
荷状態等の変化度合いに基づいて、加速運転の後期に前
記設定運転領域に移行するかどうか予測し(図5のステ
ップSA8参照)、移行すると予測したときには副噴射
量の増量補正を制限するようにした。これにより、加速
運転後期にエンジン1が前記設定運転領域に移行して
も、副噴射された燃料の燃焼が過度に激しくなることは
なくなり、よって、該副噴射燃料の燃焼に起因する加速
運転後期の燃焼騒音やエミッション増大といった不具合
の発生を回避することができる。
【0064】一方、同図(b)に矢印で示すように、加速
運転初期のエンジン1の負荷状態等の変化があまり大き
くなければ、このときにはエンジン1は設定運転領域に
移行しないと予測し、副噴射増量値ΔQpの減量は行わ
ない。すなわち、加速運転の後期にエンジン1が設定運
転領域に移行しなければ、燃焼室4が過熱気味になるこ
とはないので、燃料の副噴射量の増量を制限しなくても
不具合の生じることはなく、従って、該副噴射燃料の増
量補正量をエンジン1の加速初期の運転状態に対応する
ように十分に多くすることで、加速運転初期のエンジン
出力の向上、燃焼騒音の低下及びエミッション低減とい
った作用効果を十分に得ることができる。
【0065】(実施形態2)次に、図9は、本発明の実
施形態2に係る燃料制御装置Aにおけるエンジン1の加
速運転状態のときの制御手順を示し、この実施形態2で
は、エンジン1が加速運転状態になったときに前記実施
形態1と同様に、インジェクタ5による燃料の副噴射量
及び主噴射量を増量補正するとともに、加速運転の後期
には副噴射の増量補正量を減少させることで、副噴射の
増量補正に起因する燃焼騒音やエミッションの増大を防
止するようにしている。尚、この実施形態2に係る燃料
制御装置Aの全体構成は前記実施形態1のもの(図2参
照)と同じなので、実施形態1と同じ構成要素について
は同一符号を付して、その説明は省略する。
【0066】具体的に、前記図9に示すフローのステッ
プSB1〜SB7では、実施形態1のステップSA1〜
SA7と同じ制御手順を実行し、エンジン1の加速運転
に対応して、インジェクタ5による燃料の副噴射量及び
主噴射量を増量補正する。続いて、ステップSB8にお
いて、加速運転の後期になったかどうか、より具体的に
はエンジン1が高負荷側の設定運転領域(図7参照)に
移行したかどうか判定する。そして、判定がYESで加
速運転の後期になればステップSB13に進む一方、判
定がNOであれば、ステップSA9に進んで、噴射割合
修正係数Rq1を設定する。
【0067】この噴射割合修正係数Rq1の値(0<Rq1
<1)は、後述のRq2よりも大きな一定値(例えば、R
q1=0.5)を予め設定しておけばよい。また、該噴射
割合修正係数Rq1(0<Rq1<1)は、エンジン1が前
記設定運転領域以外にあるときの該エンジン1の運転状
態、即ちエンジン1の負荷状態やエンジン回転数に対応
づけて、例えば高負荷ないし高回転側ほど小さな値にな
るように設定してもよい。
【0068】続いて、ステップSB10では、前記ステ
ップSB9で設定された噴射割合修正係数Rq1に基づい
て、副噴射量Qp及び主噴射量Qmをそれぞれ修正し、
その後、ステップSB11に進んで、前記実施形態1と
同様にインジェクタ5により副噴射及び主噴射を実行さ
せて、しかる後にリターンする。尚、前記噴射割合修正
係数Rq1をエンジン1の運転状態に対応づけて変化させ
るようにすれば、加速運転によるエンジン運転状態の変
化に伴い、副噴射割合Rが徐々に変化するようになり、
一方、噴射割合修正係数Rq1=0.5とすれば、エンジ
ン1が設定運転領域に移行するまで、副噴射割合Rは変
化しないことになる。
【0069】一方、前記ステップSB8において、加速
運転の後期になったYESと判定して進んだステップS
B13では、前記ステップSB9と同様に噴射割合修正
係数Rq2を設定する(0<Rq2<Rq1<1)。この噴射
割合修正係数Rq2は前記の修正係数Rq1よりも小さな値
であればよく、例えばRq2=0.4とすればよい。そし
て、続くステップSB14では該噴射割合修正係数Rq2
に基づいて、前記ステップSB10と同様に副噴射量Q
p及び主噴射量Qmをそれぞれ修正して、副噴射割合R
を減少させた後に、ステップSB11に進んでインジェ
クタ5により副噴射及び主噴射を実行させ、しかる後に
リターンする。
【0070】つまり、エンジン1が加速運転状態になっ
たとき、まず、前記実施形態1と同様にそのときのエン
ジン1の運転状態やアクセル開度等に基づいて、燃料噴
射量の増量補正量やその副噴射及び主噴射への分配割合
を決定する。一方、加速運転の後期にエンジン1が実際
に設定運転領域に移行したときには、移行前に比べて副
噴射割合Rを減少させるようにしている。
【0071】ここで、前記ステップSB5においてNO
と判定して進んだステップSB12では、副噴射増量値
ΔQp及び主噴射量ΔQmを前回の制御サイクルにおけ
る値(前回値)として、前記ステップSB8〜SB14
に進むようにしているので、エンジン1が加速運転状態
になったときに設定された副噴射増量値ΔQp及び主噴
射増量値ΔQmの値には変更はない。また、前記ステッ
プSB4においてNOと判定されたエンジン1の定常運
転状態では、ステップSB15でフラグFをクリアした
後に(F=0)、前記ステップSB11に進んで、イン
ジェクタ5により燃料の副噴射及び主噴射を実行させ、
しかる後にリターンする。つまり、定常運転状態では燃
料の増量補正は行わない。
【0072】前記図9に示すフローの各ステップによ
り、全体として、実施形態1と同じ機能を有する燃料噴
射制御手段40aが構成され、また、ステップSB7に
より同様に燃料増量補正手段40bが構成されている。
さらに、前記フローのステップSAB8により、エンジ
ン1が高負荷側の設定運転領域に移行したことを判定す
る判定手段40eが構成され、ステップSB13,SB
14の各ステップにより、前記判定手段40eによって
エンジン1が設定運転領域に移行したと判定されたと
き、その判定前に比べて副噴射割合Rが少なくなるよう
に副噴射量及び主噴射量を修正することで、燃料の副噴
射量の増量を制限する増量規制手段40dが構成されて
いる。
【0073】尚、この実施形態2では、前記増量規制手
段40dにより噴射割合修正係数の値をエンジン1の運
転状態に応じて変更して(Rq1→Rq2)、加速運転の後
期に副噴射割合Rを減少させるようにしているが、これ
に限らず、例えば、エンジン1が設定運転領域に移行し
たとき、副噴射増量値ΔQp(燃料の副噴射量の増量補
正量)を強制的に零にさせるようにしてもよい。
【0074】したがって、この実施形態2に係るエンジ
ンの燃料制御装置Aによれば、図10に一例を示すよう
に、エンジン1が加速運転状態になったとき(t=t
0)、その加速運転の初期には前記実施形態1と同様に
インジェクタ5による燃料噴射量が増量補正されるとと
もに、特に燃料の副噴射量が十分に増量されて(t
1)、エンジン出力の向上、燃焼騒音の低下及びエミッ
ション低減といった作用効果が得られる。
【0075】そして、図11(a)に示すように、加速運
転によってエンジン1の運転状態が図の点P1→P2→
P3と変化していって、加速運転の後期(点P4)にエ
ンジン1が高負荷側の設定運転領域に移行すると(t
2)、増量規制手段40dにより噴射割合修正係数が変
更されて(Rq1→Rq2)、副噴射割合Rが減少し、これ
により、エンジン1の燃焼室4が過熱気味になっても、
副噴射された燃料の燃焼が過度に激しくなることを抑制
して、燃焼騒音増大やエミッション増加といった不具合
を防止することができる。
【0076】つまり、この実施形態2では、エンジン1
の加速運転の初期と後期とで、インジェクタ5による燃
料の副噴射割合Rを変更することで、それぞれ、エンジ
ン1の加速性能の向上と燃焼騒音やエミッションの低減
といった作用効果を十分に得ることができる。
【0077】尚、前記図9に示すフローのステップSB
9,SB13において、噴射割合修正係数Rq1,Rq2
を、それぞれ、エンジン1の運転状態に応じて高負荷な
いし高回転側ほど小さくなるように設定すれば、ステッ
プSB7〜SB10及びステップSB13,SB14の
各ステップにより、エンジン1が加速運転状態になって
いる間、該エンジン1の負荷状態ないしエンジン回転数
の増大に対応して副噴射割合Rが少なくなるよう、イン
ジェクタ5による燃料の副噴射量及び主噴射量の増量補
正量を変更する燃料増量補正手段40bが構成される。
【0078】そして、このようにした場合には、エンジ
ン1が加速運転状態になって、その運転状態が前記図1
1(b)に示すように点P1→P2→P3→P4へと低負
荷側から高負荷ないし高回転側へ変化するに従って、噴
射割合修正係数が徐々に減少されることになるので、イ
ンジェクタ5による燃料の副噴射及び主噴射の増量補正
量は、エンジン1の運転状態の変化とともに副噴射割合
Rが減少するように変更されることになる。
【0079】これにより、エンジン1の加速運転中に、
該エンジン1の負荷状態及びエンジン回転数の変化に対
応するように燃料の副噴射割合Rを最適に変更して、エ
ンジン1の加速性能の向上と燃焼騒音やエミッションの
低減とを極めて高い次元で両立させることができる。
【0080】
【発明の効果】以上、説明したように、請求項1の発明
に係るディーゼルエンジンの燃料制御装置によると、エ
ンジンが加速運転状態になったとき、燃料噴射弁により
燃料を副噴射及び主噴射させるとともに、それぞれ噴射
量を増量することで、エンジン出力を向上させながら、
加速運転初期の燃焼騒音を低下させかつエミッションを
低減することができる。しかも、予測手段によりエンジ
ンが高負荷側の設定運転領域にまで移行すると予測され
たときには、増量規制手段により前記の副噴射量の増量
補正を制限することで、加速運転後期の燃焼騒音やエミ
ッションの増大を回避できる。
【0081】請求項2の発明によると、エンジンが加速
運転によって高負荷側の設定運転領域にまで移行すると
予測されたときには、燃料増量補正手段による副噴射量
の増量を禁止することで、この副噴射燃料の燃焼に起因
する燃焼騒音やエミッションの増大を確実に防止でき
る。
【0082】請求項3の発明によると、エンジンが加速
運転によって高負荷側の設定運転領域にまで移行すると
予測されたときには、燃料増量補正手段による副噴射量
の増量補正量を所定量減少させることで、請求項1の発
明による効果を十分に得ることができる。
【0083】また、請求項4の発明に係るディーゼルエ
ンジンの燃料制御装置によると、エンジンの加速運転の
初期には燃料噴射弁による燃料の副噴射量を十分に増量
させて、請求項1の発明と同様にエンジン出力を向上さ
せながら、燃焼騒音を低下させかつエミッションを低減
できる一方、燃焼室が過熱気味になる加速運転後期に、
前記の副噴射量の増量を制限することにより、燃焼騒音
及びエミッションを低減できる。
【0084】請求項5の発明によると、エンジンが加速
運転の後期に実際に設定運転領域に移行したときに、燃
料増量補正手段による副噴射量の増量補正量を強制的に
零にさせることで、該副噴射燃料の燃焼に起因する燃焼
騒音やエミッションの増大を確実に防止できる。
【0085】さらに、請求項6記載の発明におけるディ
ーゼルエンジンの燃料制御装置によると、エンジンの加
速運転の初期には燃料噴射弁による燃料の副噴射量を十
分に増量させる一方、その後はエンジンの運転状態の変
化に応じて副噴射割合を適切に減少させることにより、
加速運転中のエンジン出力の向上と燃焼騒音及びエミッ
ションの低減とを極めて高い次元で両立できる。
【0086】請求項7の発明によると、エンジンが加速
運転状態になったとき、そのときのエンジンの負荷状態
に応じて、燃焼室の温度状態が低いほど副噴射割合を大
きくすることで、該燃焼室の温度状態を適切に上昇させ
て燃料の燃焼性を適切に高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の概略構成を示す説明図である。
【図2】本発明の実施形態に係る制御装置の全体構成図
である。
【図3】インジェクタの開閉作動状態を示す説明図であ
る。
【図4】(a)燃料噴射量及び(b)副噴射割合の制御マップ
の一例を示す図である。
【図5】燃料噴射制御の手順を示すフローチャート図で
ある。
【図6】加速時増量補正における副噴射増量値の分配係
数を設定した制御マップの一例を示す図である。
【図7】加速時増量補正において燃料の増量補正を制限
する設定運転領域の一例を示す図である。
【図8】(a)加速運転に伴いエンジンが設定運転領域に
移行する場合と(b)移行しない場合にとついてそれぞれ
エンジンの運転状態の変化を示す説明図である。
【図9】本発明の実施形態2に係る図5相当図である。
【図10】エンジンの加速運転の後期に副噴射割合が減
少する様子を示したタイムチャート図である。
【図11】実施形態2に係る図8相当図(a)と、その変
形例に係る図(b)である。
【符号の説明】
A エンジンの燃料制御装置 1 ディーゼルエンジン 2 気筒 4 燃焼室 5 インジェクタ(燃料噴射弁) 40 コントロールユニット 40a 燃料噴射制御手段 40b 燃料増量補正手段 40c 予測手段 40d 増量規制手段 40e 判定手段
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) F02D 41/38 F02D 41/38 B 45/00 314 45/00 314K (72)発明者 荒木 啓二 広島県安芸郡府中町新地3番1号 マツダ 株式会社内 Fターム(参考) 3G084 AA01 BA13 BA15 CA04 DA01 DA07 DA10 EB02 EB08 EB12 FA07 FA12 FA20 FA33 FA34 FA38 3G301 HA02 HA11 JA01 JA24 JA37 KA09 KA12 LB11 MA11 MA19 MA23 NC01 NC02 ND02 NE01 PA01Z PA16Z PB03A PB05A PE01Z PE02Z PE03Z PE08Z PF03Z PF04Z

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 エンジンの気筒内燃焼室に燃料を直接、
    噴射供給する燃料噴射弁と、 エンジンが加速運転状態になったとき、前記燃料噴射弁
    による燃料噴射量を増量補正する燃料増量補正手段と、 少なくともエンジンの加速運転初期に、前記燃料噴射弁
    により燃料の主噴射とこれに先立つ副噴射とを行わせる
    燃料噴射制御手段とを備えたディーゼルエンジンの燃料
    制御装置において、 エンジンが加速運転状態になったとき、該エンジンが高
    負荷側の設定運転領域にまで移行するかどうか予測する
    予測手段と、 前記予測手段によりエンジンが設定運転領域にまで移行
    すると予測されたとき、そうでないときに比べて、前記
    燃料の副噴射量の主噴射量に対する割合である副噴射割
    合が少なくなるように、該副噴射量の増量補正を制限す
    る増量規制手段とを備えていることを特徴とするディー
    ゼルエンジンの燃料制御装置。
  2. 【請求項2】 請求項1において、 増量規制手段は、燃料増量補正手段による副噴射量の増
    量を禁止するように構成されていることを特徴とするデ
    ィーゼルエンジンの燃料制御装置。
  3. 【請求項3】 請求項1において、 増量規制手段は、燃料増量補正手段による副噴射量の増
    量補正量を所定量減少させるように構成されていること
    を特徴とするディーゼルエンジンの燃料制御装置。
  4. 【請求項4】 エンジンの気筒内燃焼室に燃料を直接、
    噴射供給する燃料噴射弁と、 エンジンが加速運転状態になったとき、前記燃料噴射弁
    による燃料噴射量を増量補正する燃料増量補正手段と、 少なくともエンジンの加速運転初期に、前記燃料噴射弁
    により燃料の主噴射とこれに先立つ副噴射とを行わせる
    燃料噴射制御手段とを備えたディーゼルエンジンの燃料
    制御装置において、 エンジンが高負荷側の設定運転領域に移行したことを判
    定する判定手段と、 前記判定手段により設定運転領域に移行したと判定され
    たとき、この判定前に比べて、前記燃料の副噴射量の主
    噴射量に対する割合である副噴射割合が少なくなるよう
    に、該副噴射量の増量補正を制限する増量規制手段とを
    備えていることを特徴とするディーゼルエンジンの燃料
    制御装置。
  5. 【請求項5】 請求項4において、 増量規制手段は、判定手段によりエンジンの設定運転領
    域への移行が判定されたとき、燃料増量補正手段による
    副噴射量の増量補正量を強制的に零にさせるように構成
    されていることを特徴とするディーゼルエンジンの燃料
    制御装置。
  6. 【請求項6】 エンジンの気筒内燃焼室に燃料を直接、
    噴射供給する燃料噴射弁と、 エンジンが加速運転状態になったとき、前記燃料噴射弁
    による燃料噴射量を増量補正する燃料増量補正手段と、 少なくともエンジンの加速運転初期に、前記燃料噴射弁
    により燃料の主噴射とこれに先立つ副噴射とを行わせる
    燃料噴射制御手段とを備えたディーゼルエンジンの燃料
    制御装置において、 前記燃料増量補正手段は、エンジンが加速運転状態のと
    き、前記燃料の副噴射量の主噴射量に対する割合である
    副噴射割合がエンジンの負荷状態の増大に応じて減少す
    るように、該副噴射量及び主噴射量の増量補正量を変更
    するように構成されていることを特徴とするディーゼル
    エンジンの燃料制御装置。
  7. 【請求項7】 請求項1、4又は6のいずれか1つにお
    いて、 燃料増量補正手段は、エンジンが低負荷運転状態で加速
    運転状態になったときには、中負荷運転状態で加速運転
    状態になったときに比べて、少なくとも加速運転初期の
    副噴射割合が多くなるように、燃料の副噴射及び主噴射
    量をそれぞれ増量させるものであることを特徴とするデ
    ィーゼルエンジンの燃料制御装置。
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