JP2001235103A - 酸素燃焼ボイラとその運転方法 - Google Patents

酸素燃焼ボイラとその運転方法

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JP2001235103A
JP2001235103A JP2000042701A JP2000042701A JP2001235103A JP 2001235103 A JP2001235103 A JP 2001235103A JP 2000042701 A JP2000042701 A JP 2000042701A JP 2000042701 A JP2000042701 A JP 2000042701A JP 2001235103 A JP2001235103 A JP 2001235103A
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boiler
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recirculation
furnace
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Shigetoshi Ono
重俊 小野
Toru Kobashi
徹 小橋
Tomomasa Usui
奉賢 碓井
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Mitsubishi Power Ltd
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Babcock Hitachi KK
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 酸素燃焼ボイラの火炉における熱吸収比率を
低くし、対流伝熱部における熱吸収量を相対的に増加さ
せる。 【解決手段】 再循環ガス抜出しダクトでボイラ出口か
ら抜出した排ガスを加圧するガス再循環ファン6と、加
圧された排ガスを火炉に吹き込む複数のガス注入孔3e
と、前記再循環ガス抜出しダクト夫々に設けられて抜出
すガス量を調整する再循環ガス抜出しダクトダンパ5a
〜5cと、前記複数のガス注入孔3e夫々に設けられて
吹き込むガス量を調整するガス調整ダンパ4a〜4n
と、ボイラ出口の燃焼排ガス温度を検出するガス温度検
出器13と、過熱器出口の蒸気温度を検出する蒸気温度
検出器12と、ガス温度検出器13の出力と蒸気温度検
出器12の出力を加算する加算器16と、加算器16の
出力に基づいてガス再循環ファン6の回転数を制御する
ファン回転数制御器18と、を設ける。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、酸素濃度が空気よ
りも高い気体(燃焼気体)を用いて燃料を燃焼させるボ
イラに係り、特に、火炉への熱吸収量の偏在を防止する
ように構成した酸素燃焼ボイラとその運転方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】従来のボイラは、燃料を燃焼させる気体
(燃焼気体)として空気を用いており、燃焼ガス中のC
は地球温暖化の原因としてその排出量削減が課題と
なっている。一方、空気を使用せず、酸素100%の気
体を用いて燃焼すると、NOxの発生も少なく、排ガス
中にNが含まれないため、COの回収が容易であ
る。
【0003】このため、窒素量の少ない、言い換えると
酸素濃度の高い気体を用いて燃料を燃焼させるボイラ、
いわゆる酸素燃焼ボイラの開発が進められている。
【0004】酸素燃焼ボイラはまだ運転実績が少なく、
各種データは完全には把握されていないが、発明者等の
試験データからは、次のような特徴があることがわかっ
た。 a.燃料との反応が早く、短炎である。 b.空気燃焼のバーナ部の温度に比べて火炎温度が高
く、2000℃を越える。 c.燃焼温度が高く、生成するNOx値は高い。 d.燃焼排ガス量は空気燃焼時と比べて少なく、純酸素
燃焼の場合、約1/4。
【0005】図4に、火炉長手方向位置の伝熱面負荷
を、空気燃焼時(実線a)と100%酸素燃焼時(実線
b)で比較して示す。図から明らかなように、空気燃焼
時に比べ、100%酸素燃焼時(以下、酸素燃焼という
ときは100%酸素燃焼をいう)は、バーナ近傍の伝熱
面熱負荷が高くなっており、火炉長手方向では、火炉出
口に近づくにつれ急激に熱負荷が低下している。これ
は、単純にみれば、酸素燃焼時は、バーナ部で燃料と酸
素が急激に反応することを意味し、バーナ部においての
熱負荷が高く、この領域における熱吸収が急激に起こる
ことを示している。
【0006】図5は、空気燃焼時の湿り排ガス量を10
0としたときの、酸素濃度が変化した場合の湿り排ガス
量を示している。酸素富化率21パーセントの気体での
燃焼は空気燃焼であり、このときの湿り排ガス量を10
0とすると、酸素富化率100%(純酸素)の気体での
燃焼時の湿り排ガス量は約25となる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】酸素燃焼ボイラは上記
各特徴のため、従来の空気燃焼ボイラに比べ、次のよう
な問題がある。
【0008】まず、燃焼が急激であるため、熱発生量が
バーナ近傍に偏る。したがってバーナに近い水壁管に大
きな熱負荷がかかるため、缶水の循環上も局部循環が行
われる傾向となる。局部循環が甚だしくなると循環不良
を起こし、水壁管壁の異常高温トラブルやドラム水位調
整不良が生ずる。燃焼条件によっては、局部的なドラム
レベル異常上昇になり、ドラムからのキャリオーバの危
険等もある。
【0009】また、燃焼排ガス量の減少に伴なって対流
伝熱部における伝熱量が減少し、例えば必要な過熱器出
口温度を確保できない。酸素燃焼時は、火炉における熱
吸収割合が極端に多くなり、従来の空気燃焼時の火炉の
熱吸収量が全体熱吸収量の約50%であるのに比べ、酸
素燃焼時の火炉の熱吸収量は全体熱吸収量の約85%と
なる。
【0010】さらに、ボイラ出口部においては、排ガス
温度は下がり、特に後部伝熱部における熱交換は、酸素
燃焼時は図5に示すように、排ガスの絶対量が少なくな
ることと併せて大幅に減少する。例えば、過熱器を設置
するボイラでは、過熱器出口温度の規定値を保てない状
況も出てくる。
【0011】すなわち、ボイラ熱収支上、従来の空気燃
焼ボイラに比べ、火炉における熱吸収比率が高く、対流
伝熱部における伝熱量が少ない。
【0012】本発明の課題は、酸素燃焼ボイラの火炉に
おける熱吸収比率を低くし、対流伝熱部における熱吸収
量を相対的に増加させることにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】酸素燃焼ボイラでは、火
炉における熱吸収量を抑えて、過熱器における熱吸収量
を増やして過熱器出口温度を確保する等、火炉の熱吸収
制御が必要になる。
【0014】この手段として、ボイラ出口部から燃焼排
ガスを火炉に再循環させて、火炉における熱吸収割合を
抑えて蒸発量制御を行う、 さらに、対流伝熱部の熱交換量を相対的に増やす手
段として、対流伝熱部に流れる全体ガス量を増やす、 また、再循環ガスは対流伝熱部の過熱器や節炭器の
熱吸収比率を調整可能なように、再循環ガス量を10%
から400%まで、変更可能とする、 加えて、火炉バーナ部における温度を抑えることに
よって、窒素酸化物の発生も制御可能とする、 酸素燃焼では、排ガス量が大幅に減少するので、火
炉における熱吸収パターンを制御可能とする、などが考
えられる。
【0015】本発明は、ボイラ対流伝熱部出口の排ガス
である不活性ガスを火炉のバーナ部あるいはその下流側
あるいはその双方に再循環させることで上記課題を解決
する。ガスを取出す部分及び火炉に吹き込む吹き込み口
はそれぞれ複数にして、ガス流れ分布を均等にし、ま
た、再循環させる排ガスの量を調整するダンパを、排ガ
スを取出す複数の再循環ガス抜出しダクトそれぞれに、
あるいは再循環ガスを火炉に吹き込む複数の吹き込み口
それぞれに、設けるのが望ましい。
【0016】また、再循環させる排ガス量の調整を、再
循環ガスを加圧するガス再循環ファンの回転数を制御す
ることで行ってもよい。さらに、ガス再循環ファン入口
にガス再循環ファン入口ダンパを設け、このダンパで再
循環量を調整するようにしてもよい。
【0017】再循環させる排ガス量の調整は、例えば、
取出す排ガスの温度、過熱器出口の蒸気温度を入力とし
て、所定の過熱器出口蒸気温度を維持するように行う。
さらに、ボイラ負荷やボイラ各部の温度を先行信号とし
てフィードフォワード的な制御を加味してもよい。
【0018】ボイラ出口の排ガスを火炉に再循環させる
ことで燃焼が緩慢化される。言い換えると燃焼火炎が、
短炎から長炎化される。燃焼火炎の長炎化により、火炉
での局所的な高熱負荷が緩和され、これにより水壁管の
局部的な高い熱負荷による異常循環が平準化される。火
炉熱吸収を平準化することで蒸発器(水壁管)における
局部的な蒸発量の増加も緩和されて正常なドラムレベル
が維持され、安定したボイラの運転が可能となる。すな
わち、再循環ガス量を調節することで、火炉水壁におけ
る蒸発量を制御できる。基本的には、再循環ガス量の増
加は火炉水壁における蒸発量を低下させ、過熱器出口の
蒸気温度を上昇させる。
【0019】また、再循環される排ガス(以下、再循環
ガスという)を増やすと対流伝熱部に流れるガス量が増
え、ガス量の増加は対流伝熱部におけるガス流速を増加
させる。このガス流速の増加により、対流伝熱特性が向
上し、対流伝熱部に於ける熱吸収量が増加する。
【0020】再循環ガス投入によって火炉における熱吸
収量を調整する場合、局部的に再循環ガスを投入するこ
とによるバーナ燃焼の阻害を避けるため、バーナ周辺へ
のガス投入孔は少なくとも4個とし、各投入孔には投入
量調整のためのダンパを設けるのが望ましい。
【0021】火炉のバーナ部のガス温度は、酸素燃焼時
は2000℃を越える温度になる。火炉のバーナ部に再
循環ガスを投入することにより、バーナ部近傍の酸素濃
度が低下し、急激な燃焼が抑制されて燃焼火炎が長炎化
される。再循環ガスはまた冷却ガスとしても機能し、火
炉壁の温度を抑制する。
【0022】
【発明の実施の形態】以下、図面を本発明の実施の形態
を説明する。図1は本発明の実施の形態に係る酸素燃焼
ボイラの要部を示す概念図である。図示の酸素燃焼ボイ
ラは、火炉1aを構成するボイラ水冷壁1と、火炉1a
に燃料と酸素を吹き込んで燃焼させるバーナ2と、火炉
1aの末端に配置された過熱器7と、過熱器7の燃焼ガ
ス流路下流側に順に配置された後部伝熱管群9,10,
11と、後部伝熱管群11下流側の燃焼ガス流路に接続
された煙道20と、過熱器7に接続された過熱器出口管
8と、過熱器出口管8の蒸気温度を検出出力する蒸気温
度検出器12と、前記後部伝熱管群9出側の燃焼ガス温
度を検出、出力するガス温度検出器13と、前記後部伝
熱管群9と後部伝熱管群10の間の燃焼ガス流路に接続
されて燃焼ガスを取出す再循環ガス抜出しダクト3a
と、前記後部伝熱管群10と後部伝熱管群11の間の燃
焼ガス流路に接続されて燃焼ガスを取出す再循環ガス抜
出しダクト3bと、前記煙道20に接続されて燃焼ガス
を取出す再循環ガス抜出しダクト3cと、再循環ガス抜
出しダクト3a、再循環ガス抜出しダクト3b、再循環
ガス抜出しダクト3cの各下流端が接続されたガス再循
環ダクト3と、再循環ガス抜出しダクト3a、再循環ガ
ス抜出しダクト3b、再循環ガス抜出しダクト3cにそ
れぞれ介装されて風量を制御する再循環ガス抜出しダク
トダンパ5a、再循環ガス抜出しダクトダンパ5b、再
循環ガス抜出しダクトダンパ5cと、ガス再循環ダクト
3の再循環ガス抜出しダクト3cの接続位置よりも下流
側に介装された再循環ガス加圧手段であるガス再循環フ
ァン6と、ガス再循環ダクト3のガス再循環ファン6入
り側に介装されたガス再循環ファン入口ダンパ5と、フ
ァン回転数制御機6aを介してガス再循環ファン6を駆
動するファンモータ6bと、前記蒸気温度検出器12か
ら蒸気温度検出回路14を介して入力された蒸気温度と
前記ガス温度検出器13からガス温度検出回路15を介
して入力されたガス温度を加算して出力する加算器16
と、加算器16の出力側に温度制御回路17で接続さ
れ、回転数制御回路19を介して前記ファン回転数制御
機6aを制御する制御手段であるファン回転数制御器1
8と、前記ボイラ水冷壁1に形成された複数のガス注入
孔3eと、これら複数のガス注入孔3eを覆うように形
成され前記ガス再循環ダクト3の下流端が接続されたガ
スチャンバー3dと、前記複数のガス注入孔3eそれぞ
れに設けられた注入ガス量調整手段であるガス調整ダン
パ4a〜4nと、を含んで構成されている。
【0023】本実施の形態は、燃料に酸素を吹き込んで
燃焼させる場合、燃料がバーナ付近で急激に燃焼するの
で、燃焼速度を低下させるため、ボイラ出口付近の排ガ
スを再循環させて火炉に吹き込むように構成したもので
ある。再循環ガス量は、蒸気温度検出器12及びガス温
度検出器13の出力に基づいてファン回転数制御器18
により制御される。また、火炉へ吹き込まれる再循環ガ
スの火炉長手方向の配分は、ガス調整ダンパ4a〜4n
によって調整される。同時に、再循環ガスの取出し量の
配分は、再循環ガス抜出しダクトダンパ5a,5b,5
cにより調整されるようになっている。
【0024】このように構成し、ガス再循環量と火炉へ
の吹き込み量の分布を調整することで、火炉の長手方向
の伝熱面熱負荷分布を、図4の空気燃焼時を示す実線b
で表される特性に近づけることができる。
【0025】図6に、酸素富化率が空気燃焼状態から酸
素燃焼状態に至る間にある燃焼気体で燃料を燃焼させる
場合の、酸素富化率と過熱器出口温度の関係を示す。図
において、実線cが排ガス再循環を行わない場合の過熱
器出口温度の変化を示し、実線dが適切な排ガス再循環
を行った場合を示す。図示のように、排ガス再循環を行
わない場合は、過熱器出口温度は酸素富化率が増すにつ
れて低下しているが、前述のように、排ガス再循環量を
蒸気温度検出器12及びガス温度検出器13の出力に基
づいて制御するとともに、火炉長手方向の再循環ガス吹
き込み量分布を調整することにより、実線dに示すよう
に、空気燃焼時の過熱器出口温度を維持することが出来
る。
【0026】本実施の形態では、再循環ガス量は、燃焼
気体の10%〜400%の範囲で変化させることが可能
になっている。また、再循環ガス量は、前記蒸気温度検
出器12及びガス温度検出器13の出力に基づくフィー
ドバック制御だけでなく、ボイラーの負荷や火炉各部の
温度を先行信号として、フィードフォワード的な制御行
うように構成してある。
【0027】図6からもわかるように、燃焼気体の酸素
富化率によって過熱器出口温度(SOT)は変化する。
すなわち、酸素富化率が高くなれば、燃焼によって生成
される全体の燃焼ガス量が少なくなることから、火炉に
おける熱吸収割合が増加してSOTは低下する。
【0028】したがって、酸素燃焼においては、ボイラ
負荷がどの状態にあっても、ある割合の再循環ガスを火
炉に供給し、対流伝熱部に流入するガス量を増加する必
要がある。再循環ガス量が増すほど、対流伝熱部での熱
交換量は増加し、SOTも高くなる。特に、ボイラ負荷
が高い状態(例えば最大負荷)では、バーナ部を含めた
水壁部の絶対ガス量を増やしておくことが望ましい。酸
素単独の燃焼では、先にも述べたように急激な燃焼とな
り、火炎は短く、温度は非常に高くなる。不活性ガス
(再循環ガス)を燃焼部に、燃焼に適度の影響を与える
ように注入することにより、燃焼を緩慢にして火炎を長
炎化し、熱吸収比率の火炉長手方向分布を制御する。再
循環ガスの火炉への吹き込みは1箇所からではなく、複
数箇所から吹き込み可能とし、かつ、それぞれの吹き込
み位置での吹き込み量を調整できるように、ガス調整ダ
ンパ4a〜4nを設け、局部的に大量の再循環ガスが吹
き込まれて燃焼に悪影響が生ずるのを避けられるように
してある。
【0029】また、バーナ部に吹きこまれる再循環ガス
は、火炎温度を低下させて燃焼時バーナ部に発生するN
Ox量を低減させる。
【0030】燃料燃焼時、ボイラ火炉では、バーナ2か
らの火炎により、伝熱が行われる。酸素燃焼時はこれま
でに述べたように、形成される火炎は短炎になるから、
火炉の熱吸収比率の分布を調整するために、燃焼排ガス
の再循環を行う。排ガスの再循環は、ボイラ後部の対流
伝熱部から、再循環ガス抜出しダクト3a〜3cにより
排ガスを抜出し、ガス再循環ダクト3を経てガス再循環
ファン6により、火炉に送り込むことで行われる。
【0031】従来の空気燃焼時には、過熱器や再熱器の
出口温度制御のために排ガスの再循環が行われている
が、本実施の形態では、過熱器出口温度制御だけではな
く、火炉水壁における熱吸収と、対流伝熱部における熱
吸収の比率の制御も併せて行われ、水壁管(蒸発器)に
おける局部的な過大蒸発の抑制や全体としての蒸発量の
制御も含めて排ガスの再循環制御が行われる。
【0032】上述のように、本実施の形態によれば、ボ
イラ出口から燃焼排ガスを火炉に再循環させるように
し、且つ、再循環量を前記蒸気温度検出器12及びガス
温度検出器13の出力に基づいて制御するとともに、火
炉長手方向での再循環ガス量の吹き込み量を調整できる
ようにしたので、過熱器出口温度を必要な温度に維持す
ることが可能になるとともに、火炉水壁部の熱吸収量を
抑制して蒸発量を制御することが出来る。
【0033】図2に、排ガス再循環による燃焼火炎の長
炎化の状況を示す。図の実線で示される火炎は酸素燃焼
時の、排ガス再循環がない状態の火炎である。この状態
では、図示のように短炎であり、燃焼で生成されるガス
量は、Qg1である。一方、点線で示される火炎は、ボ
イラ排ガスを再循環ガス量Qg2で火炉に吹き込み、全
体ガス量をQg1+Qg2として、バーナ部に於ける絶
対ガス量を増やして長炎化したものである。火炉に再循
環ガスを吹き込むガス注入孔3eは、バーナ2の燃焼に
悪影響を与えないように吹き込み量の配分を調整できる
ように、ボイラ水冷壁1に、火炉の長手方向、バーナ半
径方向、及びバーナ周方向に分散して複数個設けてあ
る。
【0034】さらに、各ガス注入孔3eには、再循環ガ
ス吹き込み量を調整するガス調整ダンパ4a〜4nが設
けられている。
【0035】図3に、空気燃焼ボイラにおいて、酸素燃
焼を実施した場合の短炎と火炉水壁の局部加熱によるボ
イラ汽胴1aにおける水面の局部上昇の例を示す。ボイ
ラ汽胴1a内の水位(実線e)は排ガスの再循環がない
場合の短炎燃焼では、部分的(特にバーナに近い位置の
水壁管部分)に異常上昇する。再循環ガスによって火炎
が長炎化されると、火炉内の熱吸収量分布も平均化さ
れ、汽胴水位も汽胴長手方向に平準化される。
【0036】なお、酸素燃焼ボイラにおいては、ボイラ
の最大負荷点においても、蒸発量制御のために再循環ガ
スを火炉に吹き込むように計画することが望ましい。す
なわち、基本熱バランス上、再循環ガスを火炉に投入す
るよう計画する。
【0037】
【発明の効果】本発明によれば、酸素燃焼ボイラの火炉
における熱吸収比率を低くし、対流伝熱部における熱吸
収量を相対的に増加させることを可能にする効果があ
る。その結果、水壁管の局部的な温度上昇の防止、局部
的な過大蒸発量の抑止と汽胴水位の安定確保、過熱器出
口蒸気温度の所定温度維持、などが可能となり、酸素燃
焼ボイラの蒸気条件を安定させた運用が実現できる。ま
た、大気放出される排ガスの絶対量が少ないため、ボイ
ラ排ガス損失が低下してボイラ効率が向上するととも
に、排出されるNOx総量も低減される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態を示すブロック図である。
【図2】排ガス再循環を行った場合と排ガス再循環を行
わない場合のバーナ火炎の状況を示す模式図である。
【図3】酸素燃焼時の汽胴水位の変動の例を示す模式図
である。
【図4】ボイラ火炉長手方向の伝熱面熱負荷分布を、空
気燃焼時と酸素燃焼時で比較して示す概念図である。
【図5】空気燃焼時と酸素を富化した燃焼気体での燃焼
時の湿り排ガス量を比較して示すグラフである。
【図6】燃焼気体の酸素濃度(酸素富化率)を変えた場
合の、過熱器出口温度を、排ガス再循環を行った場合と
そうでない場合を比較して示す概念図である。
【符号の説明】
1 ボイラ水冷壁 1a 汽胴 2 バーナ 3 ガス再循環ダクト 3a〜3c 再循環ガス抜出しダクト 3d ガスチャンバ 3e ガス注入孔 4a〜4n ガス調整ダンパ 5 ガス再循環ファン入口ダンパ 5a〜5c 再循環ガス抜出しダクトダンパ 6 ガス再循環ファン 6a ファン回転数制御機 6b ファンモータ 7 過熱器 8 過熱器出口管 9〜11 後部伝熱管群 12 蒸気温度検出器 13 ガス温度検出器 14 蒸気温度検出回路 15 ガス温度検出回路 16 加算器 17 温度制御回路 18 ファン回転数制御器 19 回転数制御回路 20 煙道

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ボイラ出口部から燃焼排ガスを抜出して
    再循環ガスとして送り出す再循環ガス抜出しダクトと、
    この再循環ガスを加圧する再循環ガス加圧手段と、火炉
    水壁に形成され前記加圧された再循環ガスを火炉に導く
    複数のガス注入孔と、該ガス注入孔夫々に設けられて通
    過する再循環ガス量を調整する注入ガス量調整手段と、
    を含んでなり、酸素濃度が空気よりも高い気体を用いて
    燃料を燃焼させるよう構成された酸素燃焼ボイラ。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の酸素燃焼ボイラにおい
    て、再循環ガス加圧手段としてガス再循環ファンが設け
    られ、ガス再循環ファンの回転数を、抜出される燃焼排
    ガスの温度および過熱器出口の蒸気温度に基づいて制御
    する制御手段が設けられていることを特徴とする酸素燃
    焼ボイラ。
  3. 【請求項3】 ボイラ出口部から燃焼排ガスを抜出して
    再循環ガスとして送り出す再循環ガス抜出しダクトと、
    この再循環ガスを加圧する再循環ガス加圧手段と、火炉
    水壁に形成され前記加圧された再循環ガスを火炉に導く
    複数のガス注入孔と、該ガス注入孔夫々に設けられて通
    過する再循環ガス量を調整する注入ガス量調整手段と、
    を含んでなり、酸素濃度が空気よりも高い気体を用いて
    燃料を燃焼させるよう構成された酸素燃焼ボイラの運転
    方法において、再循環ガス量を調節して水壁管における
    蒸発量を制御することを特徴とする酸素燃焼ボイラの運
    転方法。
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