JP2001232720A - 木目化粧材 - Google Patents

木目化粧材

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JP2001232720A
JP2001232720A JP2000044170A JP2000044170A JP2001232720A JP 2001232720 A JP2001232720 A JP 2001232720A JP 2000044170 A JP2000044170 A JP 2000044170A JP 2000044170 A JP2000044170 A JP 2000044170A JP 2001232720 A JP2001232720 A JP 2001232720A
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decorative
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JP2000044170A
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Takashi Kada
崇 荷田
Takanori Matsuzawa
孝教 松沢
Yuji Ishii
祐司 石井
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Toppan Printing Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】従来の塗装化粧材の問題点である、高度な塗装
技術や大規模な塗装設備を必要とせず、廃溶剤や溶剤臭
の発生などの環境負荷を軽減することができ、しかも、
塗装化粧材に特徴的な意匠性や塗装感などの高級感を、
簡便な乾式工法により容易に実現することのできる木目
化粧材を提供する。 【解決手段】透明又は半透明の接着剤層2と、厚さが5
0〜200μmの透明又は半透明の化粧シート3とが、
その両者を合わせて測定した内部ヘイズ値が10%以下
となるように、針葉樹系集成材などからなる木質系基材
1の表面に順次積層されており、該化粧シート3の表面
には、塗膜厚が3〜10μmとなるように、粘度50〜
300cps、溶剤濃度10〜50重量%の合成樹脂系
塗料が塗工された塗膜層32が形成されている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、住宅等の建築物の
内外装材や造作材、建具等の建築資材、家具什器類、住
設機器や家電製品等の表面化粧に使用するための木目化
粧材に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、天然木や突板を家具や扉等の表面
材に使用するために、天然木や突板の表面に塗料を塗装
することにより、風合い、意匠性及び耐久性を向上させ
る手法が、広く用いられてきた。
【0003】係る湿式塗装法の問題点として、塗装ムラ
を発生させることなく塗装するための職人芸的な技術
や、大面積の素材に均一に塗装させるための大規模な塗
装設備などが必要である上に、木質用塗料としては木材
組織に馴染み易い溶剤型塗料を使用するのが一般的であ
るので、塗料に大量に含まれる溶剤を揮発蒸散させるた
めの大規模な乾燥設備や、塗料を十分に乾燥固化させる
ための養生期間などを必要とし、しかも、塗装工程での
廃溶剤の廃棄や溶剤臭の発生など、環境に対する負荷も
大きいという問題点があった。
【0004】叙上のように手間もかかり環境負荷も大き
い天然木や突板への湿式塗装法にかえて、ポリ塩化ビニ
ル樹脂シート等の熱可塑性合成樹脂シートに木目柄を印
刷形成してなる印刷化粧シートを、接着剤を介して任意
の基材の表面に貼着することにより製造された木目化粧
材も、既に広く使用されている。
【0005】しかし、こうした木目化粧材は、天然木や
突板に塗装を施した塗装化粧材と比較すれば、その意匠
が印刷による木目だけであるので、平面的且つ人工的な
意匠となり、意匠感に劣る上、塗装化粧材の持つ光沢
感、照り感、深み感、奥行き感等の、独特の高級感溢れ
る塗装感を再現することは、熱可塑性合成樹脂シートへ
の木目柄の印刷形成という手法では、極めて困難である
という問題点があった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、従来の塗装
化粧材の問題点である、高度な塗装技術や大規模な塗装
設備を必要とせず、廃溶剤や溶剤臭の発生などの環境負
荷を軽減することができ、しかも、塗装化粧材に特徴的
な意匠性や塗装感などの高級感を、簡便な乾式工法によ
り容易に実現することのできる木目化粧材を提供しよう
とするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するた
めに、本発明者らは第1の発明として、木質系基材の表
面に、透明又は半透明の接着剤層を介して、透明又は半
透明の化粧シートが貼着されてなる木目化粧材であっ
て、前記透明又は半透明の接着剤層と前記透明又は半透
明の化粧シートとを合わせて測定した内部ヘイズ値が、
10%以下であることを特徴とする木目化粧材を提供す
る。
【0008】また第2の発明として、上記第1の発明に
おいて、前記透明又は半透明の化粧シートは、透明又は
半透明の熱可塑性合成樹脂フィルムの表面に、塗膜厚が
3〜10μmの透明又は半透明の塗膜層が設けられてな
ることを特徴とする木目化粧材を提供する。
【0009】また第3の発明として、上記第2の発明に
おいて、前記塗膜層は、溶剤濃度が10〜50重量%で
あり、且つ、粘度が50〜300cpsである透明又は
半透明の合成樹脂系塗料を塗布して形成したものである
ことを特徴とする木目化粧材を提供する。
【0010】また第4の発明として、上記第1〜第3の
いずれかの発明において、前記透明又は半透明の化粧シ
ートは、透明又は半透明の印刷木目柄を有することを特
徴とする木目化粧材を提供する。
【0011】また第5の発明として、上記第1〜第4の
いずれかの発明において、前記透明又は半透明の化粧シ
ートの厚みは、50〜200μmであることを特徴とす
る木目化粧材を提供する。
【0012】また第6の発明として、上記第1〜第5の
いずれかの発明において、前記透明又は半透明の接着剤
層及び前記透明又は半透明の化粧シートは、非塩素系の
合成樹脂からなることを特徴とする木目化粧材を提供す
る。
【0013】また第7の発明として、上記第1〜第6の
いずれかの発明において、前記木質系基材は針葉樹系集
成材であることを特徴とする木目化粧材を提供する。
【0014】
【発明の実施の形態】以下に本発明の木目化粧材の実施
の形態を図面を参照しつつ詳細に説明する。図1〜4は
それぞれ本発明の木目化粧材の各種の実施の形態を模式
的に表した側断面図である。
【0015】本発明の木目化粧材は、従来の塗装化粧材
で問題であった、職人的な特殊技能や大規模な塗装設備
を不要とし、しかも、廃溶剤や溶剤臭の発生などの環境
負荷を軽減すべく、図1に示すように、天然木や突板等
の木質系基材1の表面に対して、溶剤系の合成樹脂系塗
料を使用した塗装工程の代わりに、透明又は半透明の接
着剤層2を介して、透明又は半透明の化粧シート3を貼
り合わせてなるものである。
【0016】そして、こうして得た木目化粧材の表面の
意匠感として、従来の塗装化粧材と同等の光沢感や照り
感、木質感、深み感、塗装感等の高級な意匠感を具現す
るために、透明又は半透明の接着剤層2と透明又は半透
明の化粧シート3とを合わせて測定した内部ヘイズ値が
10%以下となるように構成することが重要である。
【0017】透明又は半透明の化粧シート3は、透明又
は半透明の可撓性のシート状体である基材シート31を
主体として構成される。
【0018】該基材シート31としては、例えばポリオ
レフィン系樹脂、ポリエステル系樹脂、アクリル系樹
脂、スチレン系樹脂、ポリビニル系樹脂、ポリウレタン
系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリイミド系樹脂等、又は
それらの2種以上の混合物、共重合体等の熱可塑性樹脂
からなるフィルム乃至シートや、硫酸紙、トレーシング
紙、グラシン紙、樹脂含浸紙、樹脂含浸布等のように透
明度の高い紙、織布又は不織布等、若しくはそれらの複
数種の複合体、積層体等からなる透明又は半透明のシー
ト状体を使用することができる。
【0019】但し、本発明の木目化粧材において重要
な、透明度の高さやヘイズ値の低さなどの観点から、基
材シート31としては透明又は半透明の熱可塑性樹脂か
らなるフィルム乃至シートを使用することが望ましい。
【0020】また、火災時や焼却処分時等の燃焼時に塩
化水素ガス等の有毒ガスやダイオキシン等の有毒物質を
発生するおそれのあるポリ塩化ビニル樹脂等の塩素系樹
脂の使用は避けることが望ましく、例えばポリオレフィ
ン系樹脂やポリエステル系樹脂等の非塩素系の樹脂から
なるフィルム乃至シートを使用することが望ましい。
【0021】接着剤層2に使用する接着剤の種類には特
に制限はなく、少なくとも固化乃至硬化後に透明又は半
透明性を有するものであればよい。
【0022】具体的には、例えば酢酸ビニル系、エチレ
ン−酢酸ビニル系、アクリル系、アクリル−酢酸ビニル
系、アクリル−スチレン系等の合成樹脂エマルジョン系
接着剤や、メラミン系、尿素系、フェノール系、エポキ
シ系、ウレタン系、ポリエステル系等の熱硬化性接着
剤、エチレン−酢酸ビニル系、エチレン−アクリル酸
系、ポリオレフィン系、ポリアミド系、ポリウレタン
系、ポリエステル系等のホットメルト接着剤、アクリル
系、合成ゴム系、シリコーン系等の感圧接着剤等を挙げ
ることができる。
【0023】但し、透明性の低下の原因となる充填剤や
着色剤の配合は極力避けることが望ましく、また燃焼時
の環境問題の観点からは非塩素系の接着剤を採用するこ
とが望ましい。
【0024】接着剤層2の塗布量には特に制限はなく、
接着剤の種類や塗布・接着方式にもよるが、一般的には
乾燥後の状態で5〜50g/m2程度である。
【0025】基材シート31としての合成樹脂フィルム
乃至シートをそのまま本発明の木目化粧材の表面に露出
させると、係るプラスチック材料に特有の人工的で無機
的な質感が現れ、実物感に乏しく安っぽい感じになり勝
ちである。
【0026】そこで、図1に示すように、基材シート3
1の表面に、従来の塗装化粧材に使用されていたものと
同様の合成樹脂系塗料を塗工して、透明又は半透明の塗
膜層32を設けると、得られる木目化粧材の表面が塗膜
層32によって覆われることによって塗装感が補われ、
塗装化粧材に近い外観を得ることができる。
【0027】塗膜層32の塗膜厚は、塗装化粧材に匹敵
する塗装感を得る為には、少なくとも3μm以上とする
ことが望ましい。上限は特にないが、化粧シートの可撓
性を主とした取扱性や、木質系基材3への貼着工程にお
けるひび割れの防止などを考慮すると、10μm以下と
することが望ましい。
【0028】10μm以下程度の塗膜厚であれば、従来
の塗装化粧材における数十μm乃至数百μmの塗膜厚と
比較して十分に少ないので、塗膜の乾燥に要する養生時
間の問題や、廃溶剤や溶剤臭の発生などの環境負荷の問
題は、従来の塗装化粧材の場合よりも遥かに改善するこ
とができる。
【0029】上記塗膜層は、溶剤濃度が10〜50重量
%で粘度が50〜300cpsの透明又は半透明の合成
樹脂系塗料を塗布して形成することが望ましい。
【0030】上記範囲の塗料を使用することにより、木
質系基材の表面に溶剤型の合成樹脂系塗料を直接スプレ
ー塗装等により塗装した際と同じような樹脂のレベリン
グ性が再現され、しかも溶剤分が塗装用合成樹脂系塗料
と同等である為に、樹脂が固まる際の溶剤の蒸発による
塗膜面の表面粗さやうねりが塗装化粧材と同等の状態と
なるので、塗装化粧材に匹敵する表面光沢感や深み感、
塗装感を有する木目化粧材を容易に得ることができるか
らである。
【0031】化粧シート3の厚みは、十分な塗装感を得
るためには少なくとも50μm以上とすることが望まし
く、一方、化粧シート3そのものの製造加工工程におけ
る取扱性や、木質系基材1への貼着時の加工適性などを
考慮すると、200μm以下とすることが望ましい。
【0032】木質系基材1として例えば針葉樹系木材等
のように天然の木目による意匠感が不十分な素材を使用
する場合には、図2に示すように、化粧シート3に透明
又は半透明の印刷木目柄33を設けることによって、木
目柄の意匠感を補い、高意匠性の木目化粧材を得ること
ができる。
【0033】印刷木目柄33は、有機顔料等のように透
明性の高い着色剤を使用した透明インキを使用して、グ
ラビア印刷法等の適宜の印刷方法により、基材シート3
1の表面又は裏面に、その透明性が損なわれない程度の
インキ被膜厚に印刷形成する。
【0034】印刷木目柄33を基材シート31の表面側
に設ける場合には、該印刷木目柄33の保護と、印刷木
目柄33上への透明層の形成による塗装感や深み感の付
与とを兼ねて、印刷木目柄33の上に厚さ50〜150
μm程度の透明又は半透明の表面樹脂層35を設けるこ
とが望ましい。
【0035】表面樹脂層35の構成材料としては、既に
基材シート31の構成材料として列挙したものと同様
の、例えばポリオレフィン系樹脂又はポリエステル系樹
脂等の熱可塑性樹脂を使用することが望ましい。
【0036】表面樹脂層35の形成方法としては、例え
ば適宜の透明又は半透明の接着剤層を介したドライラミ
ネート法又はウェットラミネート法や、接着剤層を介し
た又は介さない熱ラミネート法、別途用意した透明又は
半透明の熱可塑性樹脂を加熱溶融しフィルム状に押し出
した層を介して積層するサンドラミネート法、表面樹脂
層35の構成材料である熱可塑性樹脂を加熱溶融しフィ
ルム状乃至シート状に押し出すと同時に基材シート31
上に積層するエクストルーダーラミネート法等、従来公
知の各種の方法から材料の特性に合わせて適宜選択して
実施することができる。
【0037】上記エクストルーダーラミネート法におい
て、印刷木目柄を形成した基材シート31と表面樹脂層
35との直接の接着が困難である場合には、基材シート
31及び/又は押出樹脂の接着面にコロナ放電処理、プ
ラズマ処理、オゾン処理、電離放射線処理等の易接着化
のための表面処理を施す方法、基材シート31の表面に
予め接着剤、アンカー剤又はプライマー剤等を塗布して
おく方法、表面樹脂層35を構成する樹脂と一緒に例え
ばマレイン酸変性オレフィン系樹脂等の接着性樹脂を共
押出しすると同時に該接着性樹脂層34を挟持させて基
材シート31と表面樹脂層35とを積層する方法等によ
って、層間の接着性を改善することができる。
【0038】表面樹脂層35の表面には必要に応じて、
図3に示すように、例えば木目導管凹部やその他の木材
表面の質感模様等を模した凹凸模様をロールエンボス法
等により賦形して、エンボス凹陥部37を設けることも
できる。
【0039】エンボス凹陥部37の形成は、基材シート
31と表面樹脂層35との積層前、積層後又は積層と同
時から選ばれる任意の時期に施すことができるが、基材
シート31と表面樹脂層35とを重合してエンボスロー
ルと加圧ロールとの間を通すことにより積層と同時にエ
ンボスを施すダブリングエンボス法や、表面樹脂層35
を加熱溶融して押出した冷却固化前のフィルム乃至シー
ト状体を基材シートとエンボスロールとの間に導入する
ことによって積層と同時にエンボスを施すエクストルー
ダーラミネート同時エンボス法などによると、生産性良
く高品質のエンボス形状を再現性良く得ることができる
利点がある。
【0040】上記エンボス凹陥部37には必要に応じ
て、木目導管の色彩などを模した色彩の着色剤38をワ
イピング法等により充填して着色することにより、更な
る意匠性の向上を図ることもできる。
【0041】なお、図4に示すように、基材シート31
の裏面側に印刷木目柄33を施した化粧シート3を使用
した木目化粧材にあっては、上記したエンボス凹陥部3
7や着色剤38は、基材シート31の表面に対して施さ
れる。
【0042】接着剤層2を介した木質系基材1と化粧シ
ート3との接着を容易にし、十分な接着力を得るため
に、化粧シート3の裏面には予めプライマー層36を設
けておくこともできる。
【0043】プライマー層36としては、例えばエチレ
ン−酢酸ビニル系、エチレン−アクリル酸系、アクリル
系、ウレタン系、ポリアミド系、ポリエステル系等、従
来公知の易接着プライマー剤から、接着剤層2に使用す
る接着剤に合わせて適宜選択して使用すればよい。
【0044】なお、プライマー層36に例えばシリカ等
の無機質微粉末を配合すると、化粧シート3の巻取保管
時のブロッキングの防止や、投錨効果による接着力の向
上等に有効であるが、プライマー層36の内部ヘイズ値
を上昇させる原因ともなるので、無機質微粉末は添加し
ないか添加量を控え目にするのが良く、添加する場合に
はプライマー剤樹脂との屈折率差の小さい透明な粒子か
らなる粉末を選択するのが良い。
【0045】本発明の木目化粧材に使用する木質系基材
1は、木材の繊維組織による木質感を有するものであれ
ば何であっても良く、例えば天然木の無垢材や突板、合
板、集成材、単板積層材(LVL)、中密度繊維板(M
DF)、配向性ボード(OSB)等を使用することがで
きる。
【0046】これらの中で、従来の塗装化粧材に匹敵す
る意匠感を得るために最も有利なのは、高意匠性の木目
を有する広葉樹系の天然木の無垢材や突板などであるこ
とは勿論であるが、これらは高価であり品質も安定しな
いので、意匠性に優れた木目化粧材を一定の品質で安価
に大量に生産するためには、淡色で木目の不鮮明な針葉
樹系の木材を基材1とし、これに化粧シート3の印刷木
目柄33や塗膜層32で木目の意匠や色彩を補って製品
とすることが最も望ましい。
【0047】特に、針葉樹系の集成材は、例えばフィン
ガージョイント加工による継ぎ合わせや、幅方向への接
ぎ合わせにより、任意の大面積の板材を容易且つ安価に
得られる利点があり、係る針葉樹系の集成材を本発明の
木目化粧材における木質系基材1として使用すると、化
粧シート3の貼着によって表面が連続化・平滑化するこ
とに加え、印刷木目柄33や塗膜層32による意匠的な
連続化の作用もあって、縦横方向の継ぎ目や接ぎ目が目
立たなくなり、意匠性に優れた大型の木目化粧材が容易
且つ安価に得られる利点がある。
【0048】
【実施例】以下に本発明の木目化粧材の具体的な実施例
を示し更に詳細に説明する。
【0049】実施例1 厚み80μmの透明なポリプロピレン基材シート(タマ
ポリ(株)製)の表面に、透明顔料(不溶性アゾ系黄色
顔料P.Y.83、キナクリドン系赤色顔料P.V.8
3及びフタロシアニン系藍色顔料P.B.15)を使用
した高透明度のインキを使用し、しかもインキ塗膜の厚
みが1μm前後となるように設計したグラビア印刷版を
使用して、透明なオーク柄をグラビア印刷法により形成
した。
【0050】上記印刷基材シートの印刷面上に、透明な
熱可塑性ウレタン系アンカー剤を乾燥後の塗膜厚1μm
に塗工した後、該アンカー層上に、透明な接着性樹脂
(マレイン酸変性オレフィン系樹脂)20μm及び透明
なランダムポリプロピレン樹脂70μmを共押出ラミネ
ートし、該ラミネートと同時に金属製エンボスロールに
て導管柄のエンボスを施した。
【0051】冷却硬化後、表面のエンボス面の全面に、
溶剤濃度35重量%、粘度250cpsの透明な2液硬
化型ウレタン系トップコート剤をグラビアコート法によ
り乾燥後の塗膜厚8μmに施し乾燥硬化させてトップコ
ート層を形成し、しかる後、基材シートの裏面にコロナ
放電処理を施した後、ウレタン樹脂系プライマー剤をグ
ラビアコート法にて乾燥後の塗布量1g/m2に施して
プライマー層を形成し、透明な化粧シートを得た。
【0052】この化粧シートの内部ヘイズ値を測定した
ところ、6%であった。
【0053】表面を研磨して平滑性を持たせたパイン集
成材の表面に、硬化後に透明性を有する酢酸ビニル樹脂
系エマルジョン接着剤(中央理化工業(株)製;商品名
「BA−20」)を、塗布量60g/m2(wet)に
施し、塗りムラや糊ダクが生じないようにローラーを用
いて万遍なく塗布し、半乾燥後、該接着剤塗布面に上記
化粧シートのプライマー層面を向けて載置し、ローラー
を用いて化粧シートをパイン集成材の接着剤塗布面に密
着させた。
【0054】その際、接着剤塗布面に異物が混入しない
よう、また化粧シートとパイン集成材との間に気泡が残
留しないよう、貼り合わせはまずローラーを用いて20
m/minの速度で密着させた後、冷圧プレスを用いて
面圧約1kN/m2(約100kgf/m2)で48時間
圧締した。
【0055】上記の貼り合わせ方法により、透明な化粧
シートに透明な接着剤層を含めた内部ヘイズ値が8%で
あるのでパイン集成材の有する木質素材感が活かされ、
しかも美麗なオーク柄の木目模様を有し、表面が平滑で
塗装感にも優れた木目化粧材を得ることができた。
【0056】実施例2 実施例1において、オーク柄にかえてバーチ柄を印刷形
成した透明な化粧シートを作製し、パイン集成材にかえ
てアガチス材を使用し、実施例1と同様の手順によりバ
ーチ柄の木目化粧材を作製した。
【0057】上記透明な化粧シートの内部ヘイズ値は5
%であり、これに透明な接着剤層を含めた内部ヘイズ値
は7%であった。こうして得た木目化粧材は、アガチス
材の有する木質素材感が活かされ、しかも美麗なバーチ
柄の木目模様を有し、表面が平滑で塗装感にも優れたも
のであった。
【0058】
【発明の効果】本発明の木目化粧材は、木質基材に溶剤
型の合成樹脂塗料をスプレー塗装法等の湿式工法により
塗装して製造していた従来の塗装化粧材の代替として、
意匠的にかなり類似した化粧材を、化粧シートの貼着と
いう乾式工法によって簡便且つ安価に製造することがで
きる。
【0059】すなわち、本発明の木目化粧材は、木質系
基材の表面に、透明又は半透明の接着剤層を介して、透
明又は半透明の化粧シートを貼着し、その両者を合わせ
て測定した内部ヘイズ値を10%以下としたので、木質
系基材の木質素材感を活かした木目化粧材とすることが
可能であり、しかも、木質系基材の組織感や色調にバラ
ツキが発生した場合や、木質系基材として広葉樹と比較
して安価であるが組織感がなく意匠的に乏しい針葉樹系
木材、特に針葉樹系集成材を使用した場合などにあって
も、前記化粧シートに透明又は半透明の印刷木目柄を設
けることで意匠感を補い、任意に再現された高級感のあ
る品質の安定した木目化粧材を、安価に大量に生産する
ことができる。
【0060】また、前記化粧シートとして、透明又は半
透明の熱可塑性合成樹脂フィルムの表面に塗膜厚が3〜
10μmの透明又は半透明の塗膜層を有するものを使用
することにより、プラスチックに特有の人工感や安物感
が木目化粧材の表面に現れるのが防止され、塗装化粧材
に近い外観を得ることができる。
【0061】特に、上記塗膜層を溶剤濃度が10〜50
重量%で粘度が50〜300cpsの透明又は半透明の
合成樹脂系塗料を塗布して形成すると、木質系基材の表
面に溶剤型の合成樹脂系塗料を直接スプレー塗装等によ
り塗装した際と同じような樹脂のレベリング性が再現さ
れ、しかも溶剤分が塗装用合成樹脂系塗料と同等である
為に、樹脂が固まる際の溶剤の蒸発による塗膜面の表面
粗さやうねりが塗装化粧材と同等の状態となるので、塗
装化粧材に匹敵する表面光沢感や深み感、塗装感を有す
る木目化粧材を容易に得ることができる。
【0062】しかも、従来の塗装化粧材は、使用状態に
おける環境の変化や経時での劣化などにより、塗膜面の
割れ、目痩せなどを発生する場合があるのに対し、本発
明の木目化粧材は、塗料の塗膜よりも強度や耐久性に優
れた化粧シートを木質系基材に貼り合わせてあるので、
経時による割れや目痩せの心配もなく、耐久性の面で優
位である。
【0063】その上、木質系基材の表面に化粧シートが
貼り合わせてあることにより、当該化粧シートが水分や
湿気等に対する遮断層として機能し、木質系基材の吸水
や吸湿が抑えられるので、木質系基材の吸水による腐朽
劣化や、吸放湿による反りの発生などの、種々の不都合
な現象を防止する効果をも得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の木目化粧材の実施の形態を模式的に示
す側断面図である。
【図2】本発明の木目化粧材の他の実施の形態を模式的
に示す側断面図である。
【図3】本発明の木目化粧材の他の実施の形態を模式的
に示す側断面図である。
【図4】本発明の木目化粧材の他の実施の形態を模式的
に示す側断面図である。
【符号の説明】
1 木質系基材 2 接着剤層 3 化粧シート 31 基材シート 32 塗膜層 33 印刷木目柄 34 接着性樹脂層 35 表面樹脂層 36 プライマー層 37 エンボス凹陥部 38 着色剤
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Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】木質系基材の表面に、透明又は半透明の接
    着剤層を介して、透明又は半透明の化粧シートが貼着さ
    れてなる木目化粧材であって、前記透明又は半透明の接
    着剤層と前記透明又は半透明の化粧シートとを合わせて
    測定した内部ヘイズ値が、10%以下であることを特徴
    とする木目化粧材。
  2. 【請求項2】前記透明又は半透明の化粧シートは、透明
    又は半透明の熱可塑性合成樹脂フィルムの表面に、塗膜
    厚が3〜10μmの透明又は半透明の塗膜層が設けられ
    てなることを特徴とする請求項1に記載の木目化粧材。
  3. 【請求項3】前記塗膜層は、溶剤濃度が10〜50重量
    %であり、且つ、粘度が50〜300cpsである透明
    又は半透明の合成樹脂系塗料を塗布して形成したもので
    あることを特徴とする請求項2に記載の木目化粧材。
  4. 【請求項4】前記透明又は半透明の化粧シートは、透明
    又は半透明の印刷木目柄を有することを特徴とする請求
    項1〜3のいずれかの記載の木目化粧材。
  5. 【請求項5】前記透明又は半透明の化粧シートの厚み
    は、50〜200μmであることを特徴とする請求項1
    〜4のいずれかに記載の木目化粧材。
  6. 【請求項6】前記透明又は半透明の接着剤層及び前記透
    明又は半透明の化粧シートは、非塩素系の合成樹脂から
    なることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の
    木目化粧材。
  7. 【請求項7】前記木質系基材は針葉樹系集成材であるこ
    とを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の木目化
    粧材。
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