JP2001226297A - 1,2−ジクロルエタンの回収方法 - Google Patents

1,2−ジクロルエタンの回収方法

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 EDCの熱分解に於ける未分解EDCの低沸
物分離塔の塔頂留出液からクロロプレンや1,1−ジク
ロルエタン等の低沸点成分とベンゼン及びトリクロルエ
チレンをEDCより効率良く分離除去して、経済的に有
利にEDCを回収する。 【解決手段】1,2−ジクロルエタンを熱分解し、生成
した塩化水素と塩化ビニルモノマーを分離した後の未分
解1,2−ジクロルエタンの低沸物分離塔の塔頂留出液
から1,2−ジクロルエタンを回収するに際し、第1の
蒸留塔で、クロロプレンを含む常圧での沸点が70℃以
下の成分を蒸留分離し、次に、第1の蒸留塔の缶出液を
第1の蒸留塔の後段に設けた第2の蒸留塔にフィードし
て蒸留し、塔頂よりベンゼン及びトリクロルエチレンを
留出させて除去し、塔底より1,2−ジクロルエタンを
回収する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、1,2−ジクロル
エタンの回収方法に関するものである。更に詳しくは、
1,2−ジクロルエタンの熱分解での未分解1,2−ジ
クロルエタンを低沸物分離塔で蒸留して得られる塔頂留
出液から1,2−ジクロルエタンを回収する方法に関す
るものである。
【0002】
【従来の技術】1,2−ジクロルエタン(以下、EDC
という)を熱分解して塩化ビニルモノマーを製造する方
法は、工業的に大規模に実施されている。このEDCの
熱分解反応に於いて、EDCの分解率を高くすると、ク
ロロプレンやベンゼンの副生が増加して塩化ビニルモノ
マーの選択率が低下し、コーキング速度が増加する。こ
のためEDCの分解率は通常、50〜65%である。
【0003】EDCの熱分解反応では1,1−ジクロル
エタン、クロロプレン、1−クロルブタジエン、ベンゼ
ン等多くの副生物が生成する。また、未分解EDC中に
はこれらの副生物の外、エチレンのオキシクロリネーシ
ョン工程で副生し、熱分解炉へのフィードEDC中に含
有されて熱分解工程でそのまま残留したクロロホルム、
四塩化炭素、トリクロルエチレン等が含有される。
【0004】熱分解反応での未分解のEDCは、生成し
た塩化水素と塩化ビニルモノマーを分離した後、EDC
より低沸点の成分を低沸物分離塔で蒸留分離し、EDC
より高沸点の成分を高沸物分離塔で蒸留分離した後、熱
分解炉に供給して再使用される。未分解EDC中に含有
されるベンゼン及びトリクロルエチレンは、該低沸物分
離塔の塔底にかなりの割合で残留するが、それ以外の低
沸点の成分は塔頂に留出して除去される。従って、該留
出液中には低沸点成分が多く含有されるが、主成分はE
DCであり、EDCが通常、40〜60重量%含有され
る。
【0005】該低沸物分離塔の塔頂留出液中には、この
ようにEDCが高濃度で含有されるため、該留出液から
EDCを回収する方法が検討され、これまで多くの提案
がなされている。該留出液中に含有されるクロロプレ
ン、クロロホルム、ベンゼン、トリクロルエチレン等
は、EDCの熱分解反応に於けるインヒビターであり、
該留出液からEDCを回収して熱分解原料として再使用
するためには、これらの不純物を高い除去率でEDCよ
り分離除去する必要がある。
【0006】該留出液中に含有される不純物の内、クロ
ロプレンは極めて重合性が高く、蒸留の際に、蒸留塔の
閉塞の原因となる。また、ベンゼン及びトリクロルエチ
レンは沸点がEDCの沸点と近接しており、蒸留による
分離が困難である。
【0007】従来、このような問題を解決する方法とし
て、EDC中のクロロプレンやベンゼン、トリクロルエ
チレンを塩素化して高沸化した後、蒸留分離する方法が
提案されている。(特公昭42−19444号、特公平
2−47968号、特開平4−225929号等)しか
しながらこの方法は大量の塩素を必要とする上に、工程
数が多く設備費が嵩むために経済性の面で問題がある。
【0008】特公昭46−22003号には、塩化アル
ミニウム触媒を使用して、共存するクロロプレン類とベ
ンゼンとを反応させて分離除去する方法が提案されてい
る。しかしながらこの方法は、反応に於けるベンゼンの
転化率が低い欠点があり、ベンゼンの除去方法としては
不満足なものである。
【0009】米国特許No.4,145,367には、
EDC中のクロロプレンを水素化して除去する方法が提
案されている。この方法は、反応で塩化水素が発生する
ために反応器を耐食性のものにする必要があり、設備費
が嵩む問題がある。
【0010】米国特許No.4,333,799には、
テトラクロルエチレン等の高沸点の塩素化炭化水素溶媒
を使用して、抽出蒸留する方法が提案されている。この
方法は、EDC中のベンゼン及びトリクロルエチレンを
蒸留操作により分離除去することが可能な特徴を有して
いるが、溶媒を大量に使用する必要があり、溶媒回収の
ためのエネルギー消費が大きく、経済性の面で問題があ
る。
【0011】従来技術では上述のように、クロロプレ
ン、ベンゼン、トリクロルエチレン等をEDCより効率
的にかつ経済的に有利に分離除去してEDCを回収する
ことは困難であった。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、ED
Cの熱分解に於ける未分解EDCの低沸物分離塔の塔頂
留出液からクロロプレンや1,1−ジクロルエタン等の
低沸点成分とベンゼン及びトリクロルエチレンをEDC
より効率良く分離除去して、経済的に有利にEDCを回
収する方法を提供することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、未分解E
DCの低沸物分離塔の塔頂留出液からEDCを回収する
方法について鋭意検討を行った結果、本発明を完成する
に至った。即ち、本発明は、第1の蒸留塔とその後段に
設けた第2の蒸留塔の二つの蒸留塔による二段階での蒸
留により、該留出液中の不純物をEDCより分離除去す
るEDCの回収方法である。第1の蒸留塔で、クロロプ
レンを含む常圧での沸点が70℃以下の低沸点成分を低
温で蒸留分離し、次に設けた第2の蒸留塔で、第1の蒸
留塔の缶出液を蒸留して、塔頂よりベンゼン及びトリク
ロルエチレンを留出させて除去することを特徴とするE
DCの回収方法である。
【0014】本発明者らは、経済的観点より、工程数を
少なくして設備費を低減する必要があることから、蒸留
操作のみによるEDCの回収方法について鋭意検討を実
施した。蒸留操作によるEDCの回収方法に於いて、ク
ロロプレンの重合抑制が大きな課題である。塩化ビニル
モノマープラントの未分解EDCの低沸物分離塔は、塔
頂温度が80℃付近であり、クロロプレンの重合による
蒸留塔の閉塞を避けるために、該低沸物分離塔の塔頂留
出液中のクロロプレン濃度を5重量%以下に抑えて運転
しているのが現状である。
【0015】本発明者らは、クロロプレンの重合速度に
対する濃度、温度、雰囲気等の影響について検討した結
果、クロロプレンの重合速度は、クロロプレンの濃度に
比例して増加し、温度に強く依存する事を見出した。重
合の活性化エネルギーは約15kcal/molであ
り、温度を20℃低くすると重合速度は約1/3になる
ことが分った。これらの結果より、本発明者らは蒸留を
一つの蒸留塔で実施するのではなく、二つの蒸留塔を使
用して二段階の蒸留を実施することにより、第1の蒸留
塔の塔頂温度を低くすることができ、クロロプレンの重
合を抑制することができることを見出した。
【0016】第1の蒸留塔では、塔頂のクロロプレンの
濃度がフィード液の2〜3倍に上昇する。通常、第1蒸
留塔のフィード液中のクロロプレンの濃度は4〜5重量
%であり、第1蒸留塔の留出液中のクロロプレンの濃度
は8〜12重量%となる。クロロプレンの重合速度は濃
度に比例して速くなるが、重合速度は温度に強く依存
し、温度を20℃低くすると重合速度は約1/3にな
る。従って、第1蒸留塔の塔頂温度が60℃以下であれ
ば、現状の未分解EDCの低沸物分離塔の塔頂でのクロ
ロプレンの重合速度と同程度あるいはそれ以下までクロ
ロプレンの重合が抑制される。更に、窒素雰囲気下及び
/又は重合禁止剤を添加して蒸留することにより、クロ
ロプレンの重合を実質的に問題のない程度まで抑制する
ことが可能で、クロロプレンを含む、主として常圧での
沸点が70℃以下の低沸点成分を蒸留分離可能である。
また、第2の蒸留塔では、第1の蒸留塔の缶出液に水を
添加して蒸留することにより、含有されるベンゼン及び
トリクロルエチレンを水との共沸により、塔頂に留出さ
せて更に高い除去率で分離除去することが可能である。
【0017】以下、本発明について詳細に説明する。
【0018】本発明で用いる蒸留塔は図1に示してい
る。この図は、本発明におけるEDCの熱分解における
未分解EDCの低沸物分離塔塔頂留出液からのEDCの
回収工程を示したフローシートである。
【0019】本発明において、原料に供する混合物は、
EDCを熱分解し、生成した塩化水素と塩化ビニルモノ
マーを分離した後の、未分解のEDCを低沸物分離塔で
蒸留して得られる塔頂留出液である。該塔頂留出液中に
は、1,1−ジクロルエタン、クロロプレン、1−クロ
ルブタジエン、ジクロルエチレン、クロロホルム、四塩
化炭素等の外、ベンゼン及びトリクロルエチレンが含有
され、EDCの濃度は通常、40〜60重量%である。
該塔頂留出液中にはクロロプレンが通常、2〜5重量
%、ベンゼンが1〜5重量%、トリクロルエチレンが1
〜5重量%含有されている。更に、直接塩素化やオキシ
クロリネーションにより製造されたEDCを低沸物分離
塔で蒸留して得られる塔頂留出液を該フィード液に添加
して原料に供することができる。
【0020】第1の蒸留塔はあまり多くの段数を必要と
せず、理論段数が通常、10〜30段、好ましくは15
〜20段の蒸留塔を使用する。還流比もあまり大きくす
る必要はなく、重量基準で通常、1〜5、好ましくは2
〜4である。この蒸留塔でフィード液に含有される1,
1−ジクロルエタン、クロロプレン、1−クロルブタジ
エン、ジクロルエチレン、クロロホルム等、沸点が70
℃以下の低沸点成分を塔頂から留出させて除去する。第
1蒸留塔のフィード液中のクロロプレン濃度は通常、3
〜5重量%であり、該蒸留塔の塔頂留出液中のクロロプ
レン濃度は液組成により異なるが、通常、5〜12重量
%となる。第1の蒸留塔でのクロロプレンの重合を抑制
するために、塔頂温度を70℃以下にする必要があり、
65℃以下とするのが好ましく、60℃以下とするのが
特に好ましい。
【0021】また、クロロプレンの重合を抑制するた
め、窒素雰囲気下及び/又は重合禁止剤を添加して蒸留
することが好ましい。重合禁止剤の添加方法としては、
気相部に一酸化窒素ガスを窒素ガスに混合して添加する
か、該蒸留塔のフィード液及び/又は還流液に、2,6
−ジターシャリーブチルパラクレゾールやターシャリー
ブチルカテコール等を添加する方法が挙げられる。重合
禁止剤の添加量は通常、フィード液あるいは還流液に対
して約0.05〜5重量%であり、0.1〜1重量%と
するのが好ましい。第1蒸留塔の塔底へのEDCの缶出
率は通常、95%以上が得られ、塔頂へのEDCのロス
率は5%以下である。
【0022】第1蒸留塔の缶出液を次の第2蒸留塔にフ
ィードして、フィード液中のベンゼン及びトリクロルエ
チレンを塔頂より蒸留分離する。フィード液中のベンゼ
ンの濃度は通常、2〜8重量%、トリクロルエチレンの
濃度は通常、2〜6重量%である。また、フィード液中
のEDCの濃度は通常、75〜95重量%である。第1
蒸留塔の缶出液をそのまま第2蒸留塔にフィードして蒸
留しても良いが、好ましくは、第1蒸留塔の缶出液に水
を共沸剤として添加して蒸留することであり、これによ
り高いベンゼン及びトリクロルエチレン除去率が得られ
る。共沸剤として添加する水の量は基本的にはベンゼン
と水、トリクロルエチレンと水、EDCと水の共沸組成
に対応したものとする。ベンゼンと水の共沸組成はベン
ゼン91.2重量%、水8.8重量%、トリクロルエチ
レンと水の共沸組成はトリクロルエチレン93.0重量
%、水7.0重量%、EDCと水の共沸組成はEDC9
1.9重量%、水8.1重量%である。従って、水の添
加量はフィード液中のベンゼンとトリクロルエチレンの
合計量に対して重量比率で0〜0.6の範囲とするのが
好ましい。水の添加量が多すぎる場合は蒸留の蒸気原単
位が大となり、効率的でない。
【0023】本発明により、第2蒸留塔の塔頂よりベン
ゼン及びトリクロルエチレンを留出させて除去し、塔底
よりEDCを回収することができる。第2蒸留塔は理論
段数で通常、10〜70段、好ましくは20〜60段の
蒸留塔を使用する。また、還流比は、重量基準で通常、
5〜60の範囲であり、好ましくは10〜50、特に好
ましくは20〜40の範囲である。蒸留塔の段数や還流
比を大きくすればベンゼン及びトリクロルエチレンの除
去率は向上するが、設備費並びに蒸留に於ける蒸気原単
位がアップするので、上記範囲とするのが好ましい。第
2蒸留塔への原料の供給位置(フィード段)は、中央付
近の段からフィードするのが好ましい。また、共沸剤と
して添加する水は、第1蒸留塔の缶出液と共に同一段か
らフィードするのが好ましい。第2蒸留塔の塔底缶出液
として得られる回収EDCは、そのままあるいは水分を
除去した後、熱分解用の原料として使用することができ
る。
【0024】
【実施例】以下、実施例を示して本発明を具体的に、か
つ更に詳細に説明するが本発明はこれらの実施例に限定
されるものではない。
【0025】実施例1 第1蒸留塔には、内径32mm、実段数20段のオール
ダーショウ蒸留塔を使用した。この蒸留塔に、EDCを
熱分解し生成した塩化水素と塩化ビニルモノマーを分離
した後の未分解EDCの低沸物分離塔の塔頂留出液をフ
ィードした。蒸留塔の中段の10段から560.4g/
Hrの速度でフィード液をフィードした。フィード液の
組成は表1に示す通りで、フィード液温60℃、還流比
4であった。塔底より窒素ガスを約30ml/分の速度
で吹き込みながら蒸留を行った。蒸留塔の塔頂温度は5
9.6℃、釜液温度は82.3℃であった。塔頂への留
出液量は225.8g/Hr、塔底缶出液量は334.
6g/Hrであり、留出液及び缶出液組成は、表1に示
す通りであった。第1蒸留塔の塔底へのEDCの缶出率
(%)((缶出液中のEDC量/フィード液中のEDC
量)×100)は、95.6%であった。次に、この第
1蒸留塔の缶出液を第2蒸留塔にフィードして蒸留を行
った。第2蒸留塔には、内径32mm、実段数80段の
オールダーショウ蒸留塔を使用した。この蒸留塔の中央
の40段から、第1蒸留塔の缶出液を101.4g/H
rの速度でフィードして連続蒸留を行った。フィード液
温80℃、還流比40で、塔頂温度は82.2℃、留出
液量26.8g/Hr、釜液温度88.2℃、缶出液量
74.6g/Hrであり、缶出液組成は表1に示す通り
であった。第2蒸留塔でのベンゼンの除去率(%)
((フィード液中のベンゼン量−缶出液中のベンゼン
量)/フィード液中のベンゼン量×100)は91.6
%、トリクロルエチレンの除去率(%)((フィード液
中のトリクロルエチレン量−缶出液中のトリクロルエチ
レン量)/フィード液中のトリクロルエチレン量×10
0)は98.8%であり、第2蒸留塔の塔底へのEDC
の缶出率は85.2%であった。これより第1蒸留塔と
第2蒸留塔を通してのEDCの回収率(%)(第1蒸留
塔でのEDCの缶出率(%)×第2蒸留塔でのEDCの
缶出率(%)/100)は、81.4%であった。
【0026】
【表1】
【0027】実施例2 第1蒸留塔には、内径32mm、実段数20段のオール
ダーショウ蒸留塔を使用した。この蒸留塔に、EDCを
熱分解し生成した塩化水素と塩化ビニルモノマーを分離
した後の未分解EDCの低沸物分離塔の塔頂留出液をフ
ィードした。蒸留塔の中央の10段からフィード液を5
46.0g/Hrの速度でフィードした。フィード液の
組成は表2に示す通りで、フィード液温60℃、還流比
4であった。塔底より窒素ガスを約30ml/分の速度
で吹き込みながら蒸留を行った。蒸留塔の塔頂温度は5
9.6℃、釜液温度は82.3℃であった。塔頂への留
出液量は217.4g/Hr、塔底缶出液量は328.
4g/Hrであり、留出液及び缶出液組成は表2に示す
通りであった。第1蒸留塔の塔底へのEDCの缶出率は
96.4%であった。次に、この第1蒸留塔の缶出液に
水を添加して、これを第2蒸留塔にフィードして蒸留を
行った。第2蒸留塔には、内径32mm、実段数80段
のオールダーショウ蒸留塔を使用した。蒸留塔の中央の
40段から、第1蒸留塔の缶出液を102.0g/Hr
の速度でフィードすると共に、同一段の40段から水を
2.9g/Hrの速度でフィードして連続蒸留を行っ
た。水の添加量は、第2蒸留塔にフィードする液中のベ
ンゼンとトリクロルエチレンの合計量に対して重量比率
で0.30である。フィード液温70℃、還流比20
で、塔頂温度69.2℃、留出液量29.8g/Hr、
釜液温度88.2℃、缶出液量75.0g/Hrであ
り、缶出液組成は表2に示す通りであった。第2蒸留塔
でのベンゼンの除去率は93.4%、トリクロルエチレ
ンの除去率は99.2%であり、第2蒸留塔の塔底への
EDCの缶出率は85.5%であった。これより、第1
蒸留塔と第2蒸留塔を通してのEDCの回収率は82.
4%であった。
【0028】
【表2】
【0029】
【発明の効果】本発明によれば、EDCの熱分解での未
分解EDCの低沸物分離塔の塔頂留出液から、クロロプ
レンや1,1−ジクロルエタン、クロロホルム等の低沸
点成分とベンゼン及びトリクロルエチレンを効率良く分
離除去して、高純度のEDCを得ることができる。本発
明は、第1蒸留塔でクロロプレンの重合を抑制して沸点
が70℃以下の低沸点成分を蒸留分離し、第2の蒸留塔
で第1蒸留塔の缶出液を蒸留することにより、ベンゼン
及びトリクロルエチレンを除去して塔底より高純度のE
DCを回収するものである。
【0030】本発明の二段階蒸留分離法は蒸留操作のみ
で工程数が少なく、経済的にEDCが回収可能で、回収
したEDCはEDCの熱分解原料として使用可能であ
る。従って、工業的に極めて有利なEDCの回収方法で
ある。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は本発明の方法によるEDCの熱分解に於
ける未分解EDCの低沸物分離塔塔頂留出液からのED
Cの回収工程を示すフローシートである。
【符号の説明】
C−1 第1蒸留塔 C−2 第2蒸留塔 E−1 第1蒸留塔コンデンサー E−2 第2蒸留塔コンデンサー 未分解EDCの低沸物分離塔塔頂留出液(第1蒸
留塔フィード液) 第1蒸留塔缶出液(第2蒸留塔フィード液) 第1蒸留塔留出液 第1蒸留塔還流液 水 第2蒸留塔缶出液(回収EDC) 第2蒸留塔留出液 第2蒸留塔還流液

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】1,2−ジクロルエタンを熱分解し、生成
    した塩化水素と塩化ビニルモノマーを分離した後の未分
    解1,2−ジクロルエタンの低沸物分離塔の塔頂留出液
    から1,2−ジクロルエタンを回収するに際し、第1の
    蒸留塔で、クロロプレンを含む常圧での沸点が70℃以
    下の成分を蒸留分離し、次に、第1の蒸留塔の缶出液を
    第1の蒸留塔の後段に設けた第2の蒸留塔にフィードし
    て蒸留し、塔頂よりベンゼン及びトリクロルエチレンを
    留出させて除去し、塔底より1,2−ジクロルエタンを
    回収することを特徴とする1,2−ジクロルエタンの回
    収方法。
  2. 【請求項2】第2の蒸留塔で、第1の蒸留塔の缶出液に
    水を添加して、共沸蒸留により、ベンゼン及びトリクロ
    ルエチレンを除去することを特徴とする請求項1に記載
    の1,2−ジクロルエタンの回収方法。
  3. 【請求項3】第1の蒸留塔の塔頂温度を65℃以下とし
    て蒸留し、塔頂よりクロロプレンを除去することを特徴
    とする請求項1又は請求項2に記載の1,2−ジクロル
    エタンの回収方法。
  4. 【請求項4】第1の蒸留塔で、窒素雰囲気下及び/又は
    重合禁止剤を添加して蒸留することを特徴とする請求項
    1〜請求項3いずれかに記載の1,2−ジクロルエタン
    の回収方法。
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