JP4432187B2 - 1,2−ジクロルエタンの回収方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、1,2−ジクロルエタンの回収方法に関するものである。更に詳しくは、1,2−ジクロルエタンの熱分解での未分解1,2−ジクロルエタンを低沸物分離塔で蒸留して得られる塔頂留出液から1,2−ジクロルエタンを回収する方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
1,2−ジクロルエタン(以下、EDCという)を熱分解して塩化ビニルモノマーを製造する方法は、工業的に大規模に実施されている。このEDCの熱分解反応に於いて、EDCの分解率を高くすると、クロロプレンやベンゼンの副生が増加して塩化ビニルモノマーの選択率が低下し、コーキング速度が増加する。このためEDCの分解率は通常、50〜65%である。
【0003】
EDCの熱分解反応では1,1−ジクロルエタン、クロロプレン、1−クロルブタジエン、ベンゼン等多くの副生物が生成する。また、未分解EDC中にはこれらの副生物の外、エチレンのオキシクロリネーション工程で副生し、熱分解炉へのフィードEDC中に含有されて熱分解工程でそのまま残留したクロロホルム、四塩化炭素、トリクロルエチレン等が含有される。
【0004】
熱分解反応での未分解のEDCは、生成した塩化水素と塩化ビニルモノマーを分離した後、EDCより低沸点の成分を低沸物分離塔で蒸留分離し、EDCより高沸点の成分を高沸物分離塔で蒸留分離した後、熱分解炉に供給して再使用される。未分解EDC中に含有されるベンゼン及びトリクロルエチレンは、該低沸物分離塔の塔底にかなりの割合で残留するが、それ以外の低沸点の成分は塔頂に留出して除去される。従って、該留出液中には低沸点成分が多く含有されるが、主成分はEDCであり、EDCが通常、40〜60重量%含有される。
【0005】
該低沸物分離塔の塔頂留出液中には、このようにEDCが高濃度で含有されるため、該留出液からEDCを回収する方法が検討され、これまで多くの提案がなされている。該留出液中に含有されるクロロプレン、クロロホルム、ベンゼン、トリクロルエチレン等は、EDCの熱分解反応に於けるインヒビターであり、該留出液からEDCを回収して熱分解原料として再使用するためには、これらの不純物を高い除去率でEDCより分離除去する必要がある。
【0006】
該留出液中に含有される不純物の内、クロロプレンは極めて重合性が高く、蒸留の際に、蒸留塔の閉塞の原因となる。また、ベンゼン及びトリクロルエチレンは沸点がEDCの沸点と近接しており、蒸留による分離が困難である。
【0007】
従来、このような問題を解決する方法として、EDC中のクロロプレンやベンゼン、トリクロルエチレンを塩素化して高沸化した後、蒸留分離する方法が提案されている。(特公昭42−19444号、特公平2−47968号、特開平4−225929号等)しかしながらこの方法は大量の塩素を必要とする上に、工程数が多く設備費が嵩むために経済性の面で問題がある。
【0008】
特公昭46−22003号には、塩化アルミニウム触媒を使用して、共存するクロロプレン類とベンゼンとを反応させて分離除去する方法が提案されている。しかしながらこの方法は、反応に於けるベンゼンの転化率が低い欠点があり、ベンゼンの除去方法としては不満足なものである。
【0009】
米国特許No.4,145,367には、EDC中のクロロプレンを水素化して除去する方法が提案されている。この方法は、反応で塩化水素が発生するために反応器を耐食性のものにする必要があり、設備費が嵩む問題がある。
【0010】
米国特許No.4,333,799には、テトラクロルエチレン等の高沸点の塩素化炭化水素溶媒を使用して、抽出蒸留する方法が提案されている。この方法は、EDC中のベンゼン及びトリクロルエチレンを蒸留操作により分離除去することが可能な特徴を有しているが、溶媒を大量に使用する必要があり、溶媒回収のためのエネルギー消費が大きく、経済性の面で問題がある。
【0011】
従来技術では上述のように、クロロプレン、ベンゼン、トリクロルエチレン等をEDCより効率的にかつ経済的に有利に分離除去してEDCを回収することは困難であった。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、EDCの熱分解に於ける未分解EDCの低沸物分離塔の塔頂留出液からクロロプレンや1,1−ジクロルエタン等の低沸点成分とベンゼン及びトリクロルエチレンをEDCより効率良く分離除去して、経済的に有利にEDCを回収する方法を提供することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、未分解EDCの低沸物分離塔の塔頂留出液からEDCを回収する方法について鋭意検討を行った結果、本発明を完成するに至った。即ち、本発明は、第1の蒸留塔とその後段に設けた第2の蒸留塔の二つの蒸留塔による二段階での蒸留により、該留出液中の不純物をEDCより分離除去するEDCの回収方法である。第1の蒸留塔で、クロロプレンを含む常圧での沸点が70℃以下の低沸点成分を低温で蒸留分離し、次に設けた第2の蒸留塔で、第1の蒸留塔の缶出液を蒸留して、塔頂よりベンゼン及びトリクロルエチレンを留出させて除去することを特徴とするEDCの回収方法である。
【0014】
本発明者らは、経済的観点より、工程数を少なくして設備費を低減する必要があることから、蒸留操作のみによるEDCの回収方法について鋭意検討を実施した。蒸留操作によるEDCの回収方法に於いて、クロロプレンの重合抑制が大きな課題である。塩化ビニルモノマープラントの未分解EDCの低沸物分離塔は、塔頂温度が80℃付近であり、クロロプレンの重合による蒸留塔の閉塞を避けるために、該低沸物分離塔の塔頂留出液中のクロロプレン濃度を5重量%以下に抑えて運転しているのが現状である。
【0015】
本発明者らは、クロロプレンの重合速度に対する濃度、温度、雰囲気等の影響について検討した結果、クロロプレンの重合速度は、クロロプレンの濃度に比例して増加し、温度に強く依存する事を見出した。重合の活性化エネルギーは約15kcal/molであり、温度を20℃低くすると重合速度は約1/3になることが分った。これらの結果より、本発明者らは蒸留を一つの蒸留塔で実施するのではなく、二つの蒸留塔を使用して二段階の蒸留を実施することにより、第1の蒸留塔の塔頂温度を低くすることができ、クロロプレンの重合を抑制することができることを見出した。
【0016】
第1の蒸留塔では、塔頂のクロロプレンの濃度がフィード液の2〜3倍に上昇する。通常、第1蒸留塔のフィード液中のクロロプレンの濃度は4〜5重量%であり、第1蒸留塔の留出液中のクロロプレンの濃度は8〜12重量%となる。クロロプレンの重合速度は濃度に比例して速くなるが、重合速度は温度に強く依存し、温度を20℃低くすると重合速度は約1/3になる。従って、第1蒸留塔の塔頂温度が60℃以下であれば、現状の未分解EDCの低沸物分離塔の塔頂でのクロロプレンの重合速度と同程度あるいはそれ以下までクロロプレンの重合が抑制される。更に、窒素雰囲気下及び/又は重合禁止剤を添加して蒸留することにより、クロロプレンの重合を実質的に問題のない程度まで抑制することが可能で、クロロプレンを含む、主として常圧での沸点が70℃以下の低沸点成分を蒸留分離可能である。また、第2の蒸留塔では、第1の蒸留塔の缶出液に水を添加して蒸留することにより、含有されるベンゼン及びトリクロルエチレンを水との共沸により、塔頂に留出させて更に高い除去率で分離除去することが可能である。
【0017】
以下、本発明について詳細に説明する。
【0018】
本発明で用いる蒸留塔は図1に示している。この図は、本発明におけるEDCの熱分解における未分解EDCの低沸物分離塔塔頂留出液からのEDCの回収工程を示したフローシートである。
【0019】
本発明において、原料に供する混合物は、EDCを熱分解し、生成した塩化水素と塩化ビニルモノマーを分離した後の、未分解のEDCを低沸物分離塔で蒸留して得られる塔頂留出液である。該塔頂留出液中には、1,1−ジクロルエタン、クロロプレン、1−クロルブタジエン、ジクロルエチレン、クロロホルム、四塩化炭素等の外、ベンゼン及びトリクロルエチレンが含有され、EDCの濃度は通常、40〜60重量%である。該塔頂留出液中にはクロロプレンが通常、2〜5重量%、ベンゼンが1〜5重量%、トリクロルエチレンが1〜5重量%含有されている。更に、直接塩素化やオキシクロリネーションにより製造されたEDCを低沸物分離塔で蒸留して得られる塔頂留出液を該フィード液に添加して原料に供することができる。
【0020】
第1の蒸留塔はあまり多くの段数を必要とせず、理論段数が通常、10〜30段、好ましくは15〜20段の蒸留塔を使用する。還流比もあまり大きくする必要はなく、重量基準で通常、1〜5、好ましくは2〜4である。この蒸留塔でフィード液に含有される1,1−ジクロルエタン、クロロプレン、1−クロルブタジエン、ジクロルエチレン、クロロホルム等、沸点が70℃以下の低沸点成分を塔頂から留出させて除去する。第1蒸留塔のフィード液中のクロロプレン濃度は通常、3〜5重量%であり、該蒸留塔の塔頂留出液中のクロロプレン濃度は液組成により異なるが、通常、5〜12重量%となる。第1の蒸留塔でのクロロプレンの重合を抑制するために、塔頂温度を70℃以下にする必要があり、65℃以下とするのが好ましく、60℃以下とするのが特に好ましい。
【0021】
また、クロロプレンの重合を抑制するため、窒素雰囲気下及び/又は重合禁止剤を添加して蒸留することが好ましい。重合禁止剤の添加方法としては、気相部に一酸化窒素ガスを窒素ガスに混合して添加するか、該蒸留塔のフィード液及び/又は還流液に、2,6−ジターシャリーブチルパラクレゾールやターシャリーブチルカテコール等を添加する方法が挙げられる。重合禁止剤の添加量は通常、フィード液あるいは還流液に対して約0.05〜5重量%であり、0.1〜1重量%とするのが好ましい。第1蒸留塔の塔底へのEDCの缶出率は通常、95%以上が得られ、塔頂へのEDCのロス率は5%以下である。
【0022】
第1蒸留塔の缶出液を次の第2蒸留塔にフィードして、フィード液中のベンゼン及びトリクロルエチレンを塔頂より蒸留分離する。フィード液中のベンゼンの濃度は通常、2〜8重量%、トリクロルエチレンの濃度は通常、2〜6重量%である。また、フィード液中のEDCの濃度は通常、75〜95重量%である。第1蒸留塔の缶出液をそのまま第2蒸留塔にフィードして蒸留しても良いが、好ましくは、第1蒸留塔の缶出液に水を共沸剤として添加して蒸留することであり、これにより高いベンゼン及びトリクロルエチレン除去率が得られる。共沸剤として添加する水の量は基本的にはベンゼンと水、トリクロルエチレンと水、EDCと水の共沸組成に対応したものとする。ベンゼンと水の共沸組成はベンゼン91.2重量%、水8.8重量%、トリクロルエチレンと水の共沸組成はトリクロルエチレン93.0重量%、水7.0重量%、EDCと水の共沸組成はEDC91.9重量%、水8.1重量%である。従って、水の添加量はフィード液中のベンゼンとトリクロルエチレンの合計量に対して重量比率で0〜0.6の範囲とするのが好ましい。水の添加量が多すぎる場合は蒸留の蒸気原単位が大となり、効率的でない。
【0023】
本発明により、第2蒸留塔の塔頂よりベンゼン及びトリクロルエチレンを留出させて除去し、塔底よりEDCを回収することができる。第2蒸留塔は理論段数で通常、10〜70段、好ましくは20〜60段の蒸留塔を使用する。また、還流比は、重量基準で通常、5〜60の範囲であり、好ましくは10〜50、特に好ましくは20〜40の範囲である。蒸留塔の段数や還流比を大きくすればベンゼン及びトリクロルエチレンの除去率は向上するが、設備費並びに蒸留に於ける蒸気原単位がアップするので、上記範囲とするのが好ましい。第2蒸留塔への原料の供給位置(フィード段)は、中央付近の段からフィードするのが好ましい。また、共沸剤として添加する水は、第1蒸留塔の缶出液と共に同一段からフィードするのが好ましい。第2蒸留塔の塔底缶出液として得られる回収EDCは、そのままあるいは水分を除去した後、熱分解用の原料として使用することができる。
【0024】
【実施例】
以下、実施例を示して本発明を具体的に、かつ更に詳細に説明するが本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
【0025】
実施例1
第1蒸留塔には、内径32mm、実段数20段のオールダーショウ蒸留塔を使用した。この蒸留塔に、EDCを熱分解し生成した塩化水素と塩化ビニルモノマーを分離した後の未分解EDCの低沸物分離塔の塔頂留出液をフィードした。蒸留塔の中段の10段から560.4g/Hrの速度でフィード液をフィードした。フィード液の組成は表1に示す通りで、フィード液温60℃、還流比4であった。塔底より窒素ガスを約30ml/分の速度で吹き込みながら蒸留を行った。蒸留塔の塔頂温度は59.6℃、釜液温度は82.3℃であった。塔頂への留出液量は225.8g/Hr、塔底缶出液量は334.6g/Hrであり、留出液及び缶出液組成は、表1に示す通りであった。第1蒸留塔の塔底へのEDCの缶出率(%)((缶出液中のEDC量/フィード液中のEDC量)×100)は、95.6%であった。次に、この第1蒸留塔の缶出液を第2蒸留塔にフィードして蒸留を行った。第2蒸留塔には、内径32mm、実段数80段のオールダーショウ蒸留塔を使用した。この蒸留塔の中央の40段から、第1蒸留塔の缶出液を101.4g/Hrの速度でフィードして連続蒸留を行った。フィード液温80℃、還流比40で、塔頂温度は82.2℃、留出液量26.8g/Hr、釜液温度88.2℃、缶出液量74.6g/Hrであり、缶出液組成は表1に示す通りであった。第2蒸留塔でのベンゼンの除去率(%)((フィード液中のベンゼン量−缶出液中のベンゼン量)/フィード液中のベンゼン量×100)は91.6%、トリクロルエチレンの除去率(%)((フィード液中のトリクロルエチレン量−缶出液中のトリクロルエチレン量)/フィード液中のトリクロルエチレン量×100)は98.8%であり、第2蒸留塔の塔底へのEDCの缶出率は85.2%であった。これより第1蒸留塔と第2蒸留塔を通してのEDCの回収率(%)(第1蒸留塔でのEDCの缶出率(%)×第2蒸留塔でのEDCの缶出率(%)/100)は、81.4%であった。
【0026】
【表1】
Figure 0004432187
【0027】
実施例2
第1蒸留塔には、内径32mm、実段数20段のオールダーショウ蒸留塔を使用した。この蒸留塔に、EDCを熱分解し生成した塩化水素と塩化ビニルモノマーを分離した後の未分解EDCの低沸物分離塔の塔頂留出液をフィードした。蒸留塔の中央の10段からフィード液を546.0g/Hrの速度でフィードした。フィード液の組成は表2に示す通りで、フィード液温60℃、還流比4であった。塔底より窒素ガスを約30ml/分の速度で吹き込みながら蒸留を行った。蒸留塔の塔頂温度は59.6℃、釜液温度は82.3℃であった。塔頂への留出液量は217.4g/Hr、塔底缶出液量は328.4g/Hrであり、留出液及び缶出液組成は表2に示す通りであった。第1蒸留塔の塔底へのEDCの缶出率は96.4%であった。次に、この第1蒸留塔の缶出液に水を添加して、これを第2蒸留塔にフィードして蒸留を行った。第2蒸留塔には、内径32mm、実段数80段のオールダーショウ蒸留塔を使用した。蒸留塔の中央の40段から、第1蒸留塔の缶出液を102.0g/Hrの速度でフィードすると共に、同一段の40段から水を2.9g/Hrの速度でフィードして連続蒸留を行った。水の添加量は、第2蒸留塔にフィードする液中のベンゼンとトリクロルエチレンの合計量に対して重量比率で0.30である。フィード液温70℃、還流比20で、塔頂温度69.2℃、留出液量29.8g/Hr、釜液温度88.2℃、缶出液量75.0g/Hrであり、缶出液組成は表2に示す通りであった。第2蒸留塔でのベンゼンの除去率は93.4%、トリクロルエチレンの除去率は99.2%であり、第2蒸留塔の塔底へのEDCの缶出率は85.5%であった。これより、第1蒸留塔と第2蒸留塔を通してのEDCの回収率は82.4%であった。
【0028】
【表2】
Figure 0004432187
【0029】
【発明の効果】
本発明によれば、EDCの熱分解での未分解EDCの低沸物分離塔の塔頂留出液から、クロロプレンや1,1−ジクロルエタン、クロロホルム等の低沸点成分とベンゼン及びトリクロルエチレンを効率良く分離除去して、高純度のEDCを得ることができる。本発明は、第1蒸留塔でクロロプレンの重合を抑制して沸点が70℃以下の低沸点成分を蒸留分離し、第2の蒸留塔で第1蒸留塔の缶出液を蒸留することにより、ベンゼン及びトリクロルエチレンを除去して塔底より高純度のEDCを回収するものである。
【0030】
本発明の二段階蒸留分離法は蒸留操作のみで工程数が少なく、経済的にEDCが回収可能で、回収したEDCはEDCの熱分解原料として使用可能である。従って、工業的に極めて有利なEDCの回収方法である。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は本発明の方法によるEDCの熱分解に於ける未分解EDCの低沸物分離塔塔頂留出液からのEDCの回収工程を示すフローシートである。
【符号の説明】
C−1 第1蒸留塔
C−2 第2蒸留塔
E−1 第1蒸留塔コンデンサー
E−2 第2蒸留塔コンデンサー
▲1▼ 未分解EDCの低沸物分離塔塔頂留出液(第1蒸留塔フィード液)
▲2▼ 第1蒸留塔缶出液(第2蒸留塔フィード液)
▲3▼ 第1蒸留塔留出液
▲4▼ 第1蒸留塔還流液
▲5▼ 水
▲6▼ 第2蒸留塔缶出液(回収EDC)
▲7▼ 第2蒸留塔留出液
▲8▼ 第2蒸留塔還流液

Claims (4)

  1. 1,2−ジクロルエタンを熱分解し、生成した塩化水素と塩化ビニルモノマーを分離した後の未分解1,2−ジクロルエタンの低沸物分離塔の塔頂留出液から1,2−ジクロルエタンを回収するに際し、第1の蒸留塔で、クロロプレンを含む常圧での沸点が70℃以下の成分を蒸留分離し、次に、第1の蒸留塔の缶出液を第1の蒸留塔の後段に設けた第2の蒸留塔にフィードして蒸留し、塔頂よりベンゼン及びトリクロルエチレンを留出させて除去し、塔底より1,2−ジクロルエタンを回収することを特徴とする1,2−ジクロルエタンの回収方法。
  2. 第2の蒸留塔で、第1の蒸留塔の缶出液に水を添加して、共沸蒸留により、ベンゼン及びトリクロルエチレンを除去することを特徴とする請求項1に記載の1,2−ジクロルエタンの回収方法。
  3. 第1の蒸留塔の塔頂温度を65℃以下として蒸留し、塔頂よりクロロプレンを除去することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の1,2−ジクロルエタンの回収方法。
  4. 第1の蒸留塔で、窒素雰囲気下及び/又は重合禁止剤を添加して蒸留することを特徴とする請求項1〜請求項3いずれかに記載の1,2−ジクロルエタンの回収方法。
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