JP2001214062A - シリコーンゴム組成物およびその製造方法 - Google Patents

シリコーンゴム組成物およびその製造方法

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JP2001214062A
JP2001214062A JP2000026800A JP2000026800A JP2001214062A JP 2001214062 A JP2001214062 A JP 2001214062A JP 2000026800 A JP2000026800 A JP 2000026800A JP 2000026800 A JP2000026800 A JP 2000026800A JP 2001214062 A JP2001214062 A JP 2001214062A
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silicone rubber
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rubber composition
polyether
hydrocarbon group
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JP2000026800A
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English (en)
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Hiroyoshi Iijima
宏義 飯島
Yasushi Ishima
泰 石間
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Momentive Performance Materials Japan LLC
Original Assignee
GE Toshiba Silicones Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 加熱処理を施すことなく、可塑化戻りが少な
く貯蔵安定性に優れ、経時的な物理変化が起こらないシ
リコーンゴム組成物を得る。 【解決手段】 (A)平均組成式:R1 a SiO
2(4a-a)/2 (R1 は1価の炭化水素基、aは1.98〜2.0
2)のポリオルガノシロキサン 100部、(B)平均組成
式:R2 b c SiO(4-b-c)/2 (R2 は1価の炭化水
素基、b、cは正の数でb+c= 1.0〜 3.0)ポリオルガノ
ハイドロジェンシロキサン0.1〜10部、(C)平均組成
式:R3 d e SiO(4-d-e)/2 (R3 は1価の炭化水
素基、Zは1価のポリエーテル鎖含有基、d、eは 0<
d≦2 、 0<e≦1 、 1.9≦ d+e≦ 2.1を満足する数)
のポリエーテル変性ポリオルガノシロキサン 0.1〜10
部、(D)微粉末状湿式シリカ 5〜 200部を含有する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、シリコーンゴム組
成物およびその製造方法に係わり、さらに詳しくは、加
熱処理を必要とせずに、可塑化戻りが少なくて貯蔵安定
性に優れ、経時的な物性変化がほとんど起こらないシリ
コーンゴム組成物と、そのようなシリコーンゴム組成物
の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】シリコーンゴムは、その優れた耐熱性、
耐寒性、耐候性、電気特性等から、様々な分野に広く使
用されている。そして、そのようなシリコーンゴムで
は、通常、機械的強度を高めるために、フュームドシリ
カや微粉末状シリカなどの補強性シリカ粉末を配合する
ことが行なわれている。
【0003】補強性シリカ粉末の中でも、特に、湿式法
で製造されたシリカ(以下、湿式シリカと示す。)は、
価格的に非常に安価であるため、これが配合されたシリ
コーンゴムは大きなコストメリットを有する。また、湿
式シリカは、ゴム特性の点でも優れた弾性を与えるた
め、汎用的なシリコーンゴムの充填剤として、従来から
多用されている。
【0004】ところが、湿式シリカは、およそ 1〜15%
の吸着水で表面を覆われているため、吸着水をほとんど
持たないフュームドシリカと比較して、撥水性の高いシ
リコーン生ゴムとの相溶性が非常に悪いことが知られて
いる。したがって、シリコーン生ゴムに湿式シリカを単
に配合しただけでは、両者が親和性に乏しいために、ゴ
ム特性が経時的に変化したり、あるいは可塑度が経時的
に大きく上昇し、いわゆる可塑化戻り(クレープ硬化)
を引き起こすという不具合があった。
【0005】この可塑化戻りを防ぐ対策として、例えば
(1)鎖状または環状のポリオルガノシロキサンやヘキ
サメチルジシラザン、反応性シランなどを添加して加熱
処理することにより、シリコーン生ゴムと湿式シリカと
の親和性を高める方法や、(2)予め湿式シリカの表面
を、適当なポリオルガノシロキサンやヘキサメチルジシ
ラザン、反応性シランなどで処理し、疎水化した湿式シ
リカを使用することにより、シリコーン生ゴムとの親和
性を高める方法などが、従来から実施されてきた。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記し
た(1)の方法においては、加熱処理を行なうことを必
要とし、そのことが、シリコーンゴムの生産性向上や低
価格化を妨げる大きな要因となっていた。
【0007】すなわち、(1)の方法は、常圧下で少な
くとも 100℃以上好ましくは 150℃以上の温度で加熱処
理することにより、あるいは減圧下で加熱することによ
り、湿式シリカ表面の吸着水を強制的に除去し、シリコ
ーン生ゴムや鎖状または環状ポリオルガノシロキサンや
ヘキサメチルジシラザン、反応性シラン等と湿式シリカ
との親和性を高める方法である。
【0008】また、特開平7-133356号公報には、長期に
亘って可塑化戻りの少ないシリコーンゴム組成物を得る
ために、より高い温度条件( 200〜 225℃)で加熱処理
することも提案されている。さらに、特開平 10-120905
号公報には、シリコーンゴムの一次加硫後と二次加硫後
との物性差を小さくする方法として、ポリオルガノハイ
ドロジェンシロキサンを、シリカ充填剤の処理剤として
配合し、 100℃以上の温度に加熱する方法も提案されて
いる。
【0009】このように、シリコーンゴム混練物(コン
パウンド)の経時的な特性変化や可塑化戻り(クレープ
硬化)を低減するためには、加熱処理を行なうことが必
須であり、そのため、シリコーンゴムの生産性が著しく
低下するばかりでなく、低価格化が妨げられるという問
題があった。
【0010】また、上記(2)の方法においては、加熱
処理を行なわない場合には、経時的な特性変化の防止や
可塑化戻りの防止に、十分な効果が得られていない。そ
のうえ、湿式シリカは、一旦表面処理により疎水化され
たとしても、経時的に水分を吸収する性質があるため、
(2)の方法で表面処理がなされた湿式シリカを使用す
る場合でも、実質的に加熱処理が行なわれている。さら
に、この方法では、予め湿式シリカの表面処理を行なう
必要があるため、シリコーンゴムの生産性低下や価格上
昇につながるという問題があった。
【0011】本発明は、このような課題に対処するため
になされたもので、微粉末状の湿式シリカを含有し、可
塑化戻りが少なく貯蔵安定性に優れ、経時的な物性変化
がほとんど起こらないシリコーンゴムコンパウンドを、
加熱処理を施すことなく得ることができるシリコーンゴ
ム組成物と、その製造方法を提供することを目的とす
る。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記目的
を達成すべく鋭意検討した結果、シリコーンゴム生ゴム
に微粉末状の湿式シリカを配合するにあたり、ポリオル
ガノハイドロジェンシロキサンとポリエーテル変性ポリ
オルガノシロキサンとを併用することが、両者の親和性
を高めるために有効であることを見出し、本発明を完成
するに至った。
【0013】すなわち、本発明のシリコーンゴム組成物
は、 (A)平均組成式:R1 a SiO(4-a)/2 (式中、R1 は置換または非置換の1価の炭化水素基
を、aは1.98〜2.02の範囲の数を示す。)で表わされる
平均重合度3000〜 20000のポリオルガノシロキサン 100
部(質量部、以下同じ。)と、 (B)平均組成式:R2 b c SiO(4-b-c)/2 (式中、R2 は置換または非置換の1価の炭化水素基
を、b、cはそれぞれ正の数でb+c= 1.0〜 3.0の数を示
す。)で表されるポリオルガノハイドロジェンシロキサ
ン 0.1〜10部と、 (C)平均組成式:R3 d e SiO(4-d-e)/2 (式中、R3 は置換または非置換の1価の炭化水素基を
示し、各R3 は同一であっても互いに異なっていても良
い。また、Zは一般式:−R4 O−(R5 O)n−R6
で示される1価のポリエーテル鎖含有基である。ただし
式中、R4 はアルキレン基を、R5 は1種または2種以
上の炭素数 2〜 4のアルキレン基を、R6は水素原子ま
たは炭素数 1〜18の不飽和結合を含まない1価の炭化水
素基を表わし、 nは 3〜 100の数を示す。さらに、d、
eは、それぞれ 0<d≦2 、 0<e≦1 を満たし、かつ
1.9≦ d+e≦ 2.1を満足させる数を示す。)で表される
ポリエーテル変性ポリオルガノシロキサン 0.1〜10部
と、 (D)微粉末状湿式シリカ 5〜 200部とを含有すること
を特徴とする。
【0014】また、本発明のシリコーンゴム組成物の製
造方法は、上記シリコーンゴム組成物を、加熱すること
なく常温で混合することを特徴とする。
【0015】本発明においては、湿式シリカを含有する
組成物を加熱処理することなく、可塑化戻りが少なく貯
蔵安定性に優れ、経時的な物性の変化がほとんど起こら
ないシリコーンゴム組成物を、容易に得ることができ
る。そして、加熱処理を施す必要がないため、高い生産
性を得ることができ、シリコーンゴムの低価格化を達成
することが可能になる。
【0016】以下、本発明について、さらに詳細に説明
する。
【0017】本発明において使用される、(A)平均組
成式:R1 a SiO(4-a)/2 で表わされる平均重合度30
00〜 20000のポリオルガノシロキサンは、硬化性シリコ
ーンゴム組成物のベースポリマーとなるものである。主
として直鎖状のものが用いられるが、その一部が分岐鎖
状あるいは三次元構造を形成していても良く、また単独
重合体、共重合体またはそれらの混合物であっても良
い。
【0018】このポリオルガノシロキサンにおいて、ケ
イ素原子に結合する置換または非置換の1価の炭化水素
基(R1 )としては、例えばメチル基、エチル基、プロ
ピル基のようなアルキル基;ビニル基、アリル基、ブタ
ジエニル基のようなアルケニル基;フェニル基、キセニ
ル基、ナフチル基のようなアリール基;シクロヘキシル
基のようなシクロアルキル基;シクロヘキセニル基のよ
うなシクロアルケニル基;ベンジル基のようなアラルキ
ル基;トリル基、キシリル基のようなアルキルアリール
基等が例示される。
【0019】これらの炭化水素基は、一般にメチル基で
あることが好ましいが、機械的強度と架橋性の点から、
例えばビニル基を、R1 の全数に対して 0〜 5%程度含
有していても良い。ビニル基の含有割合は、特に0.05〜
3%の範囲が好ましい。
【0020】なお、ポリオルガノシロキサンの分子鎖末
端としては、水酸基、アルコキシ基またはトリオルガノ
シリル基が例示され、トリオルガノシリル基がより好ま
しい。トリオルガノシリル基としては、トリメチルシリ
ル基、ジメチルビニルシリル基、メチルフェニルビニル
シリル基、メチルジフェニルシリル基等が例示される。
【0021】上記(A)成分の平均重合度は、3000〜 2
0000の範囲であり、好ましくは5000〜 10000、より好ま
しくは6000〜7000である。(A)成分の平均重合度が30
00未満では、十分な機械的強度を得ることが難しく、逆
に平均重合度が 20000を越える場合には系への配合が困
難になる。
【0022】本発明において使用される、(B)平均組
成式:R2 b c SiO(4-b-c)/2で表されるポリオル
ガノハイドロジェンシロキサンは、後述する(C)成分
のポリエーテル変性ポリオルガノシロキサンと相乗的に
微粉末状湿式シリカに作用し、本発明の目的を達成する
ために重要な成分である。
【0023】この(B)成分は、1分子中に少なくとも
1つのケイ素−水素結合を有するポリオルガノハイドロ
ジェンシロキサンであれば良く、直鎖状の低分子量化合
物から高分子量化合物まで、また分岐を有する化合物や
環状化合物として樹脂状化合物など、種々の形態のもの
を用いることができる。また、ケイ素原子に結合する置
換または非置換の1価の炭化水素基(R2 )としては、
前記したR1 と同様の炭化水素基の中から選ぶことがで
き、特にメチル基とすることが好ましい。
【0024】(B)成分の配合量は、分子中のケイ素−
水素結合の含有量により、(A)成分 100部に対して
0.1〜10部の範囲で変えることができる。(B)成分の
配合量が 0.1部未満では、目的とする効果が得られず、
反対に10部を越える場合には、加硫ゴムの表面にべたつ
きが発生し好ましくない。
【0025】本発明において使用される(C)成分であ
るポリエーテル変性ポリオルガノシロキサンは、(D)
成分である微粉末状湿式シリカが有する水と(A)成分
のポリオルガノシロキサンの両方に相溶する作用を持
ち、(C)成分自身が(D)成分である微粉末状湿式シ
リカと(A)成分であるポリオルガノシロキサンのバイ
ンダーとなると同時に、(B)成分であるポリオルガノ
ハイドロジェンシロキサンの(D)成分への結合反応を
容易にし、加熱による熱エネルギーを与えなくても表面
処理を推進することが可能になると考えられる。
【0026】(B)成分と(C)成分とは両者がともに
配合される必要があり、どちらが欠けても目的の効果が
得られない。すなわち、(B)成分と(C)成分のうち
でどちらか一方の成分が欠けた場合には、加熱処理を施
すことなくしては、可塑化戻りが少なく貯蔵安定性に優
れ、経時的な物性変化がほとんど起こらないシリコーン
ゴムコンパウンドを得ることはできない。
【0027】この(C)成分は、平均組成式:R3 d
e SiO(4-d-e)/2 で表される、シロキシ単位を分子中
に少なくとも1個有するポリエーテル変性ポリオルガノ
シロキサンである。ケイ素原子に結合する置換または非
置換の1価の炭化水素基(R 3 )としては、前記したR
1 と同様の炭化水素基の中から選ぶことができ、特にメ
チル基とすることが好ましい。また、Zは一般式:−R
4 O−(R5 O)n −R6 で示される1価のポリエーテ
ル鎖含有基である。
【0028】ここで、R4 はアルキレン基を表わし、メ
チレン基、エチレン基、トリメチレン基等が例示され、
好ましくはトリメチレン基である。R5 は、−R5 O−
としてポリエーテル鎖を構成する炭素数 2〜 4のアルキ
レン基を表わし、エチレン基、トリメチレン基、テトラ
メチレン基等の直鎖状アルキレン基、ならびにメチルエ
タン -1,2-ジイル基、エチルエタン -1,2-ジイル基等の
分岐状アルキレン基が例示される。同一ポリエーテル鎖
に、1種のアルキレン基のみを有していても良いが、2
種以上のアルキレン基を含み共重合ポリエーテル鎖を形
成していても良く、この場合は、ランダム共重合鎖でも
ブロック共重合鎖でも良い。さらに、ポリエーテル鎖の
重合度 nは、 3〜 100、より好ましくは 3〜30とする。
この重合度 nは、ポリエーテル変性ポリオルガノシロキ
サンの用途と、必要な疎水/親水比や粘度、界面張力な
どの物性に応じて、R5 の種類ないしその組合せととも
に選択される。さらにR6 は、水素原子または炭素数 1
〜18、好ましくは 1〜 6の不飽和結合を含まない1価の
炭化水素基を表わし、具体的には、メチル基、エチル
基、ブチル基、オクチル基、オクタデシル基等のアルキ
ル基;ベンジル基等のアラルキル基;フェニル基等のア
リール基;ならびにオクチルフェニル基、ノニルフェニ
ル基等のアリカリール基が例示される。
【0029】本発明の目的を達成するには、このような
(C)ポリエーテル変性ポリオルガノシロキサンとし
て、平均分子量が 500〜500000のものを用いることが望
ましい。(C)成分の平均分子量が上記範囲を外れた場
合には、湿式シリカの表面を処理する能力が十分でな
く、好ましくない。また、(C)成分であるポリエーテ
ル変性ポリオルガノシロキサンの配合量は、ポリエーテ
ルの含有量により0.1 〜10部の範囲で適量を用いること
ができる。(C)成分の配合量がこの範囲より少なすぎ
ると所望の効果が得られず、反対に多すぎる場合には、
ロール作業性が悪化して好ましくない。
【0030】本発明において使用される(D)微粉末状
湿式シリカは、湿式法、すなわち珪酸ソーダと鉱酸およ
び塩類を水溶液中で反応させる方法などで生成される微
粉末状のシリカであり、一般にシリコーンゴム等の補強
性充填剤として使用されている公知のものを使用するこ
とができる。市販品としては、日本シリカ工業(株)製
のニプシルLP、ニプシルHD、ニプシルVN3 、ニプシルSS
等のニプシルシリーズや、徳山曹達(株)製のトクシー
ルUS、トクシールUSA 、トクシールUS-F等のトクシール
シリーズが挙げられる。
【0031】これらの(D)微粉末状湿式シリカとして
は、粒径が20μm 以下のものを使用することが好まし
い。また、低価格化の観点からは、表面処理されていな
い方が好ましいが、オルガノシラン、オルガノシロキサ
ン、オルガノシラザン等で表面処理されているものを使
用することもできる。さらに、本発明の目的を達成する
ためには、(D)成分の含水量は 1〜 9%とすることが
好ましく、さらに好ましくは 2〜 7%とする。
【0032】(D)成分の配合量は、多すぎると配合が
困難になり、また少なすぎる場合には、引張強度等の機
械的強度を付与することができないため、(A)成分 1
00部に対して 5〜 200部の範囲で配合することが好まし
い。
【0033】本発明のシリコーンゴム組成物は、上記し
た(A)〜(D)の各成分を、二本ロール、バンバリミ
キサー、ニーダーミキサー、一軸または二軸の連続混合
機等を用いて、混合することにより得られる。そして、
混合後さらに加熱処理する必要がないため、短時間でシ
リコーンゴム組成物を調製することが可能である。ま
た、必要に応じて、酸化チタン、カーボンブラック、酸
化鉄、ガラス繊維のような公知の充填剤、耐熱剤、顔料
などの添加剤を配合しても良い。
【0034】このようにして得られたシリコーンゴム組
成物は、さらに硬化剤を配合することにより硬化させる
ことができる。硬化方法としては、有機過酸化物による
硬化方法と、付加型架橋剤および触媒による硬化方法と
の2つの方法が挙げられる。
【0035】ここで、有機過酸化物による硬化剤として
は、従来から公知のベンゾイルパーオキサイド、2,4-ジ
クロロベンゾイルパーオキサイド、ジターシャリーブチ
ルパーオキサイド、ジクミルパーオキサイド、2,5-ジメ
チル -2,5-ジ(ターシャリーブチルパーオキシ)ヘキサ
ン等が例示される。これらの硬化剤は、本発明のシリコ
ーンゴム組成物 100部に対して、 0.1〜 5部の範囲で使
用される。
【0036】また、付加型反応(ヒドロシリル化反応)
による硬化剤としては、1分子中に平均2個以上のケイ
素原子に結合した水素原子を有するポリオルガノシロキ
サンが架橋剤として用いられ、白金系触媒が硬化性触媒
として用いられる。上記水素原子を有するポリオルガノ
シロキサンの配合量は、本発明のシリコーンゴム組成物
におけるポリオルガノシロキサン中のケイ素原子に結合
したアルケニル基1個に対し、ケイ素原子に結合した水
素原子 0.5個〜 5個が相当する量が好ましい。なお、本
発明の(B)成分として、1分子中に平均2個以上のケ
イ素原子に結合した水素原子を有するポリオルガノシロ
キサンを配合する場合には、前記架橋剤の配合量を減ら
すことも可能である。また白金系触媒は、(A)成分に
対して 1〜 1000ppm程度とすることが好ましい。
【0037】さらに、キーパット等の具体的なシリコー
ンゴム成形品は、上述したシリコーンゴム組成物を、金
型によるプレス成形、インジェクション成形等の公知の
成形方法によって成形することにより得ることができ
る。
【0038】
【発明の実施の形態】以下、本発明を実施例によってさ
らに詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定
されるものではない。また、実施例における部は、いず
れも質量部を表わす。
【0039】実施例1 (CH3 2 SiO単位 99.86モル%、(CH3 )(C
2 =CH)SiO単位0.14モル%からなり、末端がジ
メチルビニルシリル基で封鎖された重合度7000のポリオ
ルガノシロキサン 100部と、ジメチルシロキサン単位と
メチルハイドロジェンシロキサン単位とを1:9 のモル比
で含み、粘度が 1000cStのメチルハイドロジェンポリシ
ロキサン(1) 2部、ポリエーテル基の含有割合が30%
で、平均分子量8000であるポリエーテル変性ポリオルガ
ノシロキサン(1) 3部、微粉末状の湿式シリカであるト
クシールUSA 45部と、ステアリン酸マグネシウム0.07部
とを、ニーダーミキサーで均一になるまで混練して、シ
リコーンゴム組成物(コンパウンド)を得た。なお、こ
のとき、加熱は行わなかった。そして、このシリコーン
ゴム組成物を得るのに要した時間を測定した。また直ち
に、得られたシリコーンゴム組成物の可塑度を測定し
た。
【0040】次に、得られたシリコーンゴム組成物 100
部に対して、硬化剤として有機過酸化物(2,5-ジメチル
-2,5-ジ(ターシャリーブチルパーオキシ)ヘキサン)
0.3部を添加し、温度 170℃、圧力 100kgf/cm2 の条件
でプレス加硫を10分間行ない、 130mm× 130mm× 2mmの
シリコーンゴムシートを作製した。そして、このシート
を、空気循環乾燥機により 200℃× 4時間のアト加硫
(二次加硫)を行ない、次の日に硬さを測定した。
【0041】さらに、得られたシリコーンゴム組成物
を、1か月間40℃の部屋に放置した後取り出し、16イン
チロールに投入して、可塑化戻りの程度を観察するとと
もに、シリコーンゴムシートを作製して硬さを測定し
た。これらの結果を表1に示す。
【0042】実施例2 メチルハイドロジェンポリシロキサン(1) に代えて、ジ
メチルシロキサン単位とメチルハイドロジェンシロキサ
ン単位とのモル比が 1:1であり、粘度が200cStのメチル
ハイドロジェンポリシロキサン(2) を使用し、さらにそ
の配合量を 3部とした以外は実施例1と同様にして、シ
リコーンゴム組成物を得た。このとき、シリコーンゴム
組成物を得るのに要した時間を測定した。また、このシ
リコーンゴム組成物を用いて、実施例1と同様の試験を
実施した。結果を表1に示す。
【0043】実施例3 ポリエーテル変性ポリオルガノシロキサン(1) に代え
て、ポリエーテル基の含有割合が70%で、平均分子量 2
0000であるポリエーテル変性ポリオルガノシロキサン
(2) を使用し、さらにその配合量を 2部とした以外は実
施例2と同様にして、シリコーンゴム組成物を得た。こ
のとき、シリコーンゴム組成物を得るのに要した時間を
測定した。また、このシリコーンゴム組成物を用いて、
実施例1と同様の試験を実施した。結果を表1に示す。
【0044】比較例1 ポリエーテル変性ポリオルガノシロキサン(1) を配合し
なかった以外は、実施例1と同様にして、シリコーンゴ
ム組成物を得た。このとき、シリコーンゴム組成物を得
るのに要した時間を測定した。また、このシリコーンゴ
ム組成物を用いて、実施例1と同様の試験を実施した。
結果を表1に示す。
【0045】比較例2 メチルハイドロジェンポリシロキサン(1) を配合しなか
った以外は、実施例1と同様にして、シリコーンゴム組
成物を得た。このとき、シリコーンゴム組成物を得るの
に要した時間を測定した。また、このシリコーンゴム組
成物を用いて、実施例1と同様の試験を実施した。結果
を表1に示す。
【0046】比較例3 実施例1のシリコーンゴム組成物において、メチルハイ
ドロジェンポリシロキサン(1) とポリエーテル変性ポリ
オルガノシロキサン(1) をともに配合せず、代わりに、
末端がシラノール基で封鎖され、25℃における粘度が 9
0cStであるポリオルガノシロキサン 3部を配合した。そ
れ以外は実施例1と同様にして、シリコーンゴム組成物
を得た。このとき、シリコーンゴム組成物を得るのに要
した時間を測定した。また、このシリコーンゴム組成物
を用いて、実施例1と同様の試験を実施した。結果を表
1に示す。
【0047】比較例4 比較例3で得られたシリコーンゴム組成物を、混練しな
がら 150℃× 3時間の加熱処理を行なった。このとき、
シリコーンゴム組成物を得るのに要した時間を測定した
が、所定の温度に達するまでの昇温時間や加熱後の冷却
時間など、加熱時間以外にもかなりの時間を要した。ま
た、得られたシリコーンゴム組成物を用いて、実施例1
と同様の試験を実施した。結果を表1に示す。
【0048】比較例5 比較例1で得られたシリコーンゴム組成物を、混練しな
がら 150℃× 3時間の加熱処理を行なった。このとき、
シリコーンゴム組成物を得るのに要した時間を測定した
が、所定の温度に達するまでの昇温時間や加熱後の冷却
時間など、加熱時間以外にもかなりの時間を要した。ま
た、得られたシリコーンゴム組成物を用いて、実施例1
と同様の試験を実施した。結果を表1に示す。
【0049】
【表1】 表1に示すように、実施例1〜3では、メチルハイドロ
ジェンポリシロキサンとポリエーテル変性ポリオルガノ
シロキサンとを併用することにより、加熱混練処方によ
り得られる組成物と同様に、可塑化戻りが小さく硬さの
経時変化が少ないシリコーンゴム組成物を得ることがで
きた。しかも、加熱混練工程を省くことができるので、
製造時間の大幅な短縮が可能となり、シリコーンゴムの
価格の大幅な低下を図ることが可能となった。
【0050】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、本発明
によれば、微粉末状の湿式シリカを含む配合成分から、
加熱処理することなく、可塑化戻りが少なく貯蔵安定性
に優れ、経時的な物性の変化がほとんど生じないシリコ
ーンゴム組成物を、容易に得ることができる。そして、
加熱処理を施す必要がないため、従来にはない高い生産
性を実現することができ、シリコーンゴムの低価格化が
可能となる。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (A)平均組成式:R1 a SiO
    (4-a)/2 (式中、R1 は置換または非置換の1価の炭化水素基
    を、aは1.98〜2.02の範囲の数を示す。)で表わされる
    平均重合度3000〜 20000のポリオルガノシロキサン 100
    部(質量部、以下同じ。)と、 (B)平均組成式:R2 b c SiO(4-b-c)/2 (式中、R2 は置換または非置換の1価の炭化水素基
    を、b、cはそれぞれ正の数でb+c= 1.0〜 3.0の数を示
    す。)で表されるポリオルガノハイドロジェンシロキサ
    ン 0.1〜10部と、 (C)平均組成式:R3 d e SiO(4-d-e)/2 (式中、R3 は置換または非置換の1価の炭化水素基を
    示し、各R3 は同一であっても互いに異なっていても良
    い。また、Zは一般式:−R4 O−(R5 O)n −R6
    で示される1価のポリエーテル鎖含有基である。ただ
    し式中、R4 はアルキレン基を、R5 は1種または2種
    以上の炭素数 2〜 4のアルキレン基を、R6 は水素原子
    または炭素数 1〜18の不飽和結合を含まない1価の炭化
    水素基を表わし、 nは 3〜 100の数を示す。さらに、
    d、eは、それぞれ 0<d≦2 、 0<e≦1 を満たし、
    かつ 1.9≦ d+e≦ 2.1を満足させる数を示す。)で表さ
    れるポリエーテル変性ポリオルガノシロキサン 0.1〜10
    部と、 (D)微粉末状湿式シリカ 5〜 200部とを含有すること
    を特徴とするシリコーンゴム組成物。
  2. 【請求項2】 (C)成分のポリエーテル変性ポリオル
    ガノシロキサンの平均分子量が、 500〜500000であるこ
    とを特徴とする請求項1記載のシリコーンゴム組成物。
  3. 【請求項3】 請求項1記載のシリコーンゴム組成物
    を、加熱することなく常温で混合することを特徴とする
    シリコーンゴム組成物の製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007307757A (ja) * 2006-05-17 2007-11-29 Shin Etsu Chem Co Ltd シリコーンゴム成形物品の製造方法及びこれに用いる付加硬化型液状シリコーンゴム組成物

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2007307757A (ja) * 2006-05-17 2007-11-29 Shin Etsu Chem Co Ltd シリコーンゴム成形物品の製造方法及びこれに用いる付加硬化型液状シリコーンゴム組成物
JP4678331B2 (ja) * 2006-05-17 2011-04-27 信越化学工業株式会社 シリコーンゴム成形物品の製造方法及びこれに用いる付加硬化型液状シリコーンゴム組成物

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