JP2001204195A - 交流電動機の駆動システム - Google Patents

交流電動機の駆動システム

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三根  俊介
Kosei Kishikawa
岸川  孝生
Takashi Ikimi
高志 伊君
Toshiaki Okuyama
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Abstract

(57)【要約】 【課題】故障に対してより頑強となるような実装形態を
もつ制御装置を備えた電動機駆動装置を提供する。 【解決手段】複数台の電力変換器の各々を個別に制御す
る複数台の制御装置を備えるようにして、かつその制御
装置の各々は、それぞれの装置で個別に、自装置が制御
する電力変換器の出力電流検出値と自装置が制御する電
力変換器以外の電力変換器の出力電流検出値とを入力し
て、これらの電流検出値を用いて出力電流加算値と各電
力変換器の出力電流の不平衡成分とに対する制御ゲイン
を異ならせて自電力変換器の出力電流がその指令値に一
致または比例するように自電力変換器に対する制御指令
を出力するような制御の実装形態とした。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、複数台のインバー
タにより多相交流電動機を駆動するための交流電動機駆
動システムに関するもので、特にインバータを制御する
制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、電動機駆動装置は電力変換器と
これを制御する制御装置により構成される。ここで、大
容量の電動機駆動装置を実現するには、電力変換器を大
容量化する必要があり、その方法の一つとして、複数の
電力変換器セットを並列運転させて各変換器の出力電力
の和を交流電動機に供給する方法がある。
【0003】変換器のセット並列運転には、各変換器を
リアクトルまたは相間リアクトルを介して電動機に接続
する形態と、多巻線電動機を用いて、その巻線一組に対
して1つの変換器を接続する形態とがある。前者の場
合、各変換器は電気的に結合しており、後者の場合は磁
気的に結合している。このような結合が存在するため、
各変換器を構成しているスイッチング素子のスイッチン
グ特性(例えばターンオフ特性)のばらつきにより電圧
差が生じると、この結合を介して変換器間に不要な循環
電流が流れる。この循環電流は‘インバータ間横流’も
しくは‘横流’とも呼ばれており、以下では、‘横流’
の呼び方に統一する。
【0004】この横流を効果的に抑制する制御方法とし
て、特開平3−253293号公報に記載された方法が挙げら
れる。これは、電力変換器の出力電流を制御する電流調
整器において、出力電流加算値の制御ゲインと各変換器
の不平衡電流、即ち横流に対する制御ゲインとを異なら
せて制御する方法である。これにより、横流に対する制
御応答を各変換器の出力電流加算値に対する制御応答と
は独立に設定できる。その結果、適切な制御ゲインで横
流を抑制でき、かつリアクトルを小形化できる効果が得
られる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】先に説明した従来技術
は、変換器のセット並列運転に適した制御方法の原理を
示すものであり、実際にこの方法を制御装置上に実装す
るには、装置故障に対する頑強性を保つように実装を工
夫する必要がある。
【0006】一般に、大容量の電動機駆動装置では、装
置故障が発生した場合に、運転を完全に停止させてしま
うことは望ましくない。例えば、その例として高速エレ
ベータの電動機駆動装置が挙げられる。高速エレベータ
の電動機駆動装置が故障により完全に停止してしまう
と、かごを階床まで移動できず、中にいる乗客を昇降路
内に長時間閉じ込めることになる。従って、故障が生じ
ても、残りの健全な部分を用いて運転を再開することが
望まれる。即ち、装置の故障に対してより頑強となるよ
うに制御方法の装置実装を工夫しなければならない。
【0007】本発明の目的は、上記課題の解決を図るも
のであり、具体的には、従来の技術に示したセット並列
インバータの制御方法を実装した制御装置で、装置の故
障に対してより頑強となるような実装形態をもつ制御装
置を備えた電動機駆動装置を得ることを目的としてい
る。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
め、複数台の電力変換器の各々を個別に制御する複数台
の制御装置を備えるようにして、かつその制御装置の各
々は、それぞれの装置で個別に、自装置が制御する電力
変換器の出力電流検出値と自装置が制御する電力変換器
以外の電力変換器の出力電流検出値とを入力して、これ
らの電流検出値を用いて出力電流加算値と各電力変換器
の出力電流の不平衡成分とに対する制御ゲインを異なら
せて自電力変換器の出力電流がその指令値に一致または
比例するように自電力変換器に対する制御指令を出力す
るような制御の実装形態とした。
【0009】この実装形態により、通常時は、それぞれ
の制御装置が個別に、出力電流加算値と各電力変換器の
出力電流の不平衡成分とを分離させて制御するように、
自電力変換器の出力電流を制御する。このため、複数台
の電力変換器全体の出力に対しても、出力電流加算値と
各電力変換器の出力電流の不平衡成分とを分離させて制
御できるようになる。そして、制御装置と電力変換器の
組の一部に故障が発生した場合には、この組を停止させ
て、残りの健全な制御装置と電力変換器の組を、自電力
変換器の出力電流のみを用いて制御する制御方法に切り
換えることで、単独で動作させることができ、電動機を
再駆動することが可能となる。
【0010】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
を参照して説明する。
【0011】図1は、本発明を適用した交流電動機の駆
動装置の構成図である。電動機駆動装置は、インバータ
1Aから電力線2A,リアクトル3Aを介して交流電動
機6に電力を供給する系と、インバータ1Bから電力線
2B,リアクトル3Bを介して交流電動機6に電力を供
給する系とによるインバータのセット並列接続で構成さ
れている。以下では、インバータ1Aとこれを制御する
制御装置5A,電力線2A,リアクトル3Aよりなる系
をA系,インバータ1Bとこれを制御する制御装置5
B,電力線2B,リアクトル3Bよりなる系をB系と呼
ぶことにする。尚、図1に示した電動機駆動装置は3相
交流系であるが、図の上では単相結線図で表している。
【0012】A系インバータ1A,B系インバータ1B
は、IGBT(Insulated Gate Bipolar Transistor)
またはGTO(Gate Turn Off thyristor)のような半
導体スイッチ素子を用いて構成されており、それぞれA
系制御装置5A,B系制御装置5Bからの制御信号に基
づいて、3相の交流電圧を出力する。
【0013】インバータの制御装置は、A系とB系のそ
れぞれの系に分散させて個別に設けているのが特徴であ
る。ここで、インバータの制御装置とは、インバータの
出力電流検出値を入力して、インバータに制御指令を出
力する装置のことを指し、ハードウェア上の形態として
は、マイコン、またはゲートアレイ、またはマイコンや
ゲートアレイを含んだ制御基板、または制御基板を含ん
だ制御盤のような形態を取る。
【0014】まずA系制御装置5Aでは、A系インバー
タ1Aの出力電流iAを電流センサ4Aで検出し、また
B系インバータ1Bの出力電流iBを電流センサ4Bで
検出して、それぞれの検出信号をアナログ−ディジタル
変換器(以下、A/D変換器)51A,52Aでディ
ジタル化(サンプリングと量子化)の処理をした後、こ
れらの信号をモータ電流指令iM *と共に、A系電流制御
ブロック部53Aにて処理する。A系電流制御ブロック
部53Aはこれらの入力を基に電動機電流とインバータ
間横流とをそれぞれ独立に制御するように処理するが、
その処理は後ほど詳しく説明する。PWMパルス発生器
54AはA系電流制御ブロック部53Aより出力された
A系電圧指令vA A *を基にPWM(Pulse Width Modulat
ion)によりA系インバータ1Aのゲートパルス信号を
作成する。
【0015】B系制御装置5Bも同様の流れで処理を行
う。即ち、B系インバータ1Bの出力電流iBを電流セ
ンサ4Bで検出し、またA系インバータ1Aの出力電流
Aを電流センサ4Bで検出して、それぞれの検出信号
をA/D変換器51B,52Bでディジタル化の処理を
した後、これらの信号をモータ電流指令iM *と共に、B
系電流制御ブロック部53Bにて処理する。B系電流制
御ブロック部53Bはこれらの入力を基に電動機電流と
インバータ間横流とをそれぞれ独立に制御するようにB
系電圧指令vBB *を演算する。PWMパルス発生器54
BはvBB *を基にPWMによりB系インバータ1Bのゲ
ートパルス信号を作成する。
【0016】次に電流制御ブロック部の処理の流れを説
明する。電流制御ブロック部は、自分の系と相手の系の
電流検出値を用いて、電動機電流と横流とをそれぞれ独
立に制御するようにして、自分の系の電圧指令を求め
る。
【0017】まずA系の電流制御ブロック部53Aより
説明する。A系電流制御ブロック部53Aは、A系側に
て電動機電流制御と横流制御とを独立して実施する。電
動機電流制御側では、ディジタル変換後のA系電流検出
値iAAとB系電流検出値iBAとを加算器531Aにより
加算して、減算器532Aにより電動機電流指令iM *
の偏差を取り、電動機電流調整器にて、この偏差を零に
するような和の電圧指令vAA *+vBA *が求められる。横
流制御側では、ディジタル変換後のA系電流検出値iAA
とB系電流検出値iBAとを減算器534Aにより減算し
て、減算器535Aにより横流指令値0との偏差を取
り、横流調整器536Aにて、この偏差を零にするよう
な差の電圧指令vAA *−vBA *が求められる。電動機電流
調整器の出力と横流調整器の出力とを加算器537Aで
加算し、係数器538Aにて1/2倍することで、A系
電圧指令vAA *が得られる。
【0018】B系の電流制御ブロック部53Bも、同様
にB系側にて電動機電流制御と横流制御とを独立して実
施する。電動機電流制御側は、ディジタル変換後のA系
電流検出値iABとB系電流検出値iBBとを加算器531
Bにより加算して、減算器532Bにより電動機電流指
令iM *との偏差を取り、電動機電流調整器にて、この偏
差を零にするような和の電圧指令vAB *+vBB *が求めら
れる。横流制御側では、ディジタル変換後のA系電流検
出値iABとB系電流検出値iBBとを減算器534Bによ
り減算して、減算器535Bにより横流指令値0との偏
差を取り、横流調整器536Bにて、この偏差を零にす
るような差の電圧指令vAB *−vBB *が求められる。電動
機電流調整器の出力から横流調整器の出力を減算器53
7Bで減算し、係数器538Bにて1/2倍すること
で、B系電圧指令vBB *が得られる。
【0019】以上のように、系ごとに分散させたA系制
御装置5AとB系制御装置5Bの各々において、自分の
系と相手の系の電流検出値を用いて、電動機電流調整器
と横流調整器とにより制御することにより、1)電動機
電流と横流とを独立に制御することが可能であり、また
2)A系インバータまたはB系インバータをそれぞれ単
独で動作させることも可能である。以下にその理由を説
明する。
【0020】始めに、図1の制御構成により、電動機電
流と横流とをそれぞれ独立に制御できることを説明す
る。図15は、図1に示したセット並列インバータシス
テムの等価回路を示したものである。セット並列インバ
ータシステム上の現象は、図15の互いに独立した2つ
の回路によって記述できる。図15(a)の電動機電流
回路は、電動機に流れる電流を発生させる回路、即ち、
電動機のトルクを発生させる回路を表している。この回
路の電圧源は2台のインバータ出力電圧の和であり、回
路電流は2台のインバータ出力電流の和になっている。
回路定数は、リアクトルと電動機回路(R−L直列回路
で表現)の直列回路で表される。図15(b)の横流回
路は、インバータ間横流を発生させる回路を表してい
る。この回路の電圧源は2台のインバータ出力電圧の差
であり、回路電流は2台のインバータ出力電流の差、即
ちインバータ間横流になっている。回路定数はリアクト
ルの抵抗分とインダクタンス分のみから成る。この等価
回路から、2台のインバータ出力電流の和を用いて2台
のインバータ出力電圧和を調整することにより電動機電
流を制御でき、また、2台のインバータ出力電流の差を
用いて2台のインバータ出力電圧差を調整することによ
り横流を制御できることが分かる。また、これらの2つ
の制御は互いに独立している。従って、図1に示した制
御構成がこの等価回路上での制御原理を満たすことを示
せば良い。
【0021】図1に示した制御構成のうち、A系制御装
置5Aの制御動作を検討する。A系制御装置5Aに入力
するA系検出電流をIAA(s),B系検出電流をI
BA(s),電動機電流指令をIm *(s),電動機電流調整器
533Aの制御ゲインをGm(s),横流調整器536A
の制御ゲインをGc(s), A系制御装置で求めたA系電
圧指令をVAA *(s),B系電圧指令をVBA *(s)とする。
尚、上記の各変数は時間変数をラプラス変換した変数で
表している。これらの変数を用いると電動機電流調整器
533Aでの制御を表す式は次のようになる。
【0022】
【数1】 VAA *(s)+VBA *(s)=Gm(s)・[Im *(s)−(IAA(s)+IBA(s))] …(1) また、横流調整器536Aでの制御を表す式は次のよう
になる。
【0023】
【数2】 VAA *(s)−VBA *(s)=Gc(s)・[0−(IAA(s)−IBA(s))] …(2) 従って、係数器538Aが出力するA系電圧指令V
AA *(s)は次のようになる。
【0024】
【数3】 VAA *(s)=1/2・[Gm(s)・{Im *(s)−(IAA(s)+IBA(s))} +Gc(s)・{0−(IAA(s)−IBA(s))}] …(3) ここで、PWM制御が理想的に働くとすると、A系イン
バータの出力電圧VA(s)は次のようになる。
【0025】
【数4】 VA(s)=1/2・[Gm(s)・{Im *(s)−(IAA(s)+IBA(s))} +Gc(s)・{0−(IAA(s)−IBA(s))}] …(4) 同様に、B系制御装置5Bの制御動作を求める。B系制
御装置5Bに入力するA系検出電流をIAB(s),B系検
出電流をIBB(s),電動機電流指令をIm *(s),電動機
電流調整器533Bの制御ゲインをGm(s),横流調整
器536Bの制御ゲインをGc(s),B系制御装置で求
めたA系電圧指令をVAB *(s),B系電圧指令をV
BB *(s) とする。A系の場合と同様の手順により、B系
電圧指令VBB *(s)とB系インバータの出力電圧VB(s)
は、それぞれ次のようになる。
【0026】
【数5】 VBB *(s)=1/2・[Gm(s)・{Im *(s)−(IAB(s)+IBB(s))} −Gc(s)・{0−(IAB(s)−IBB(s))}] …(5)
【0027】
【数6】 VB(s)=1/2・[Gm(s)・{Im *(s)−(IAB(s)+IBB(s))} −Gc(s)・{0−(IAB(s)−IBB(s))}] …(6) ここで、次の条件が成り立つと仮定する。
【0028】
【数7】 IAA(s)=IAB(s)=IA(s) …(7)
【0029】
【数8】 IBA(s)=IBB(s)=IB(s) …(8) 即ち、A系制御装置とB系制御装置に入力するA系電流
検出値が等しく、かつA系制御装置とB系制御装置に入
力するB系電流検出値が等しい場合を考える。この時、
式(4)と式(6)から、A系とB系の2台のインバー
タの出力電圧和と電圧差に関して、それぞれ次式が成り
立つ。
【0030】
【数9】 VA(s)+VB(s)=Gm(s)・[Im *(s)−(IA(s)+IB(s))] …(9)
【0031】
【数10】 VA(s)−VB(s)=Gc(s)・[0−(IA(s)−IB(s))] …(10) 式(9)は、図15(a)の電動機電流回路上で考える
と、電動機電流を検出して、これが電動機電流指令値に
追従するように、電圧源電圧を制御する処理を表してい
る。また、式(10)は、図15(b)の横流回路上で
考えると、横流を検出して、これが0に抑制されるよう
に、電圧源電圧を制御する処理を表している。従って、
A系制御装置の制御式とB系制御装置の制御式を合成し
た式(9)と式(10)によって、電動機電流と横流とを
それぞれ独立に制御ゲインを異ならせて制御できるこ
と、言い換えると、図1の制御構成によって、電動機電
流と横流とをそれぞれ独立に制御ゲインを異ならせて制
御できることが示された。
【0032】次に、図1の制御構成により、A系,B系
のインバータをそれぞれ単独に運転制御できることを説
明する。まず、A系インバータの単独運転制御から説明
する。図2にA系インバータの単独運転制御時の処理フ
ローチャートを示す。B系のインバータまたは制御装置
の異常を検出し、A系とB系のインバータの運転を一旦
停止させた後、A系インバータのみを単独運転させる。
この単独運転において、A系制御装置5Aでは次のよう
に制御処理を変更する。1)B系の電流検出値IBAを0
とする。2)横流調整器536Aの制御ゲインを0とす
る。3)電動機電流調整器533Aの制御ゲインをGm
からGm1に変更する。この変更により、A系制御装置5
Aの制御式は次のようになり、A系インバータを単独で
運転制御できるようになる。
【0033】
【数11】 VAA *(s)=1/2・Gm1(s)・{Im *(s)−IAA(s)} …(11) A系インバータの単独運転制御の場合、セット並列運転
制御の場合と比べて、インバータ側から見たリアクトル
−モータ系の回路定数が変わる。従って、電動機電流調
整器533Aの変更後の制御ゲインGm1を適切に設定す
ることにより、安定でかつ指令応答特性,外乱抑制特性
の良い制御が可能となる。また、B系インバータの単独
運転制御も、対称性を考慮してA系の場合と同様の制御
処理の変更により実施できる。この時の制御式は次のよ
うになる。
【0034】
【数12】 VBB *(s)=1/2・Gm1(s)・{Im *(s)−IBB(s)} …(12) 以上のように、図1に示した構成によって、図15に示
した電動機電流回路と横流回路とを独立に制御でき、言
い換えると、電動機電流と横流とをそれぞれ独立に制御
でき、かつ、A系,B系のインバータまたは制御装置の
いずれかが故障した場合でも健全な制御装置とインバー
タの組に対して単独運転させることができる。
【0035】従って、通常運転時は、電動機電流と横流
とを独立に制御できるため、リアクトルを小さくして2
台のインバータをセット並列運転できる。その結果、電
動機駆動装置の最大出力と力率を改善することができ
る。また、どちらか一方の系のインバータまたは制御装
置が異常を起こした場合には、異常を起こした系を停止
させて、もう一方の健全な系のインバータと制御装置を
単独で運転させることができる。従って、故障に対して
より頑強な電動機駆動装置を構築できる。例えば、本実
施例をエレベータの電動機駆動装置に適用した場合、一
方の系のインバータまたは制御装置が故障しても、もう
一方の正常な系で電動機を運転させることにより、かご
の昇降を制御できるため、長時間立ち往生することな
く、乗客を目的階まで運ぶことができる。
【0036】図3は、本発明を適用した交流電動機の駆
動装置の第2の実施例を示したものである。図3におい
て、図1と同じ符号のものは同じものを表している。図
3において、図1の構成と異なる部分は、A/D変換器
51A,52A,51B,52Bのサンプリング処理タ
イミングを同期させる同期タイミング信号発生器55A
を設けた点にある。
【0037】同期タイミング信号発生器55Aは、A/
D変換器51A,52A,51B,52Bのサンプリン
グ周期に一致する所定のサンプリング周期でパルス信号
を発生している。同期タイミング信号発生器55Aの出
力信号は、A系制御装置内のA/D変換器51A,52
AとB系制御装置内のA/D変換器51B,52Bへと
伝送される。A/D変換器51A,52Aおよび51
B,52Bは、同期タイミング信号発生器55Aからの
パルス信号を受けて、一斉にサンプリング処理を実施す
る。
【0038】以下、図3の構成の制御原理を説明する。
はじめに、検出値偏差が制御に及ぼす影響について説明
する。A系制御装置5Aで用いるA系電流検出値iAA
B系制御装置5Bで用いるA系電流検出値iABとの間に
式(13)で表される偏差εA が重畳し、A系制御装置
5Aで用いるB系電流検出値iABとB系制御装置5Bで
用いるB系電流検出値IBBとの間に式(14)で表され
る偏差εBが重畳している場合を仮定する。
【0039】
【数13】 IAB(s)=IAA(s)+εA(s) …(13)
【0040】
【数14】 IBA(s)=IBB(s)+εB(s) …(14) 式(13)を式(3)へ代入し、式(14)を式(5)
へ代入して、それぞれの式の和および差を求めると次の
ようになる。
【0041】
【数15】 VAA *(s)+VBB *(s)=Gm(s)・{Im *(s)−(IAA(s)+IBB(s))} +1/2・Gm(s)・(εA(s)+εB(s)) −1/2・Gc(s)・(εA(s)−εB(s)) …(15)
【0042】
【数16】 VAA *(s)−VBB *(s)=Gc(s)・{0−(IAA(s)−IBB(s))} +1/2・Gc(s)・(εB(s)−εA(s)) +1/2・Gm(s)・(εA(s)−εB(s)) …(16) 式(15)および式(16)において、右辺の第2項お
よび第3項は、理想的な制御に対する誤差成分であり、
検出値の偏差εAとεBが原因で発生する。この誤差分は
電流波形歪みの原因となり、電動機のトルクリップルを
引き起こす。
【0043】検出値偏差εAとεBは、主に各A/D変換
器のサンプリング処理のタイミングずれが原因で生じ
る。従って、例えばA系電流検出値について、サンプリ
ング処理のタイミングずれを△tAとすると、検出値偏
差εAは次式のように表される。
【0044】
【数17】
【0045】ここで、fはインバータの出力周波数を表
す。式(17)より、検出値偏差εA を小さくするに
は、△tAを小さくすればよい。A/D変換器のサンプ
リング周波数が高い場合には、相対的に△tAは小さく
なり、図1の構成でも検出値偏差による影響は問題のな
い範囲に抑えることができる。しかし、サンプリング周
波数を高くするには、制御を実行するマイクロプロセッ
サの演算量を削減するか、演算速度を上げねばならず、
実際には実施が難しいケースが多い。そこで、サンプリ
ング周波数が低い場合でもサンプリングタイミングを同
期させることにより、△tAの低減を図るのが図3の制
御構成である。
【0046】図3の構成では、各A/D変換器は、同期
タイミング信号発生器55Aの信号を受けてから一斉に
サンプリング処理を始める。ここで、同期タイミング信
号発生器55Aから各A/D変換器へ信号が伝わるまで
の伝送時間は無視できるほど小さい時間であり、各A/
D変換器はほぼ同時刻にサンプリング処理を行うことが
できる。その結果、サンプリング周波数に関わらず、△
Aを小さくでき、電流制御における誤差分、即ち、式
(15)および式(16)の右辺第2項以降の成分を問
題のない範囲に抑えこむことができる。つまり、電流波
形歪みの発生を抑え、電動機のトルクリップルの発生を
抑えることができる。
【0047】図4は、本発明を適用した交流電動機の駆
動装置の第3の実施例を示したものである。図4におい
て、図1と同じ符号のものは同じものを表している。図
4において、図1の構成と異なる点は、A系,B系の各
制御装置において、自系の電流検出値に対するA/D変
換器のみを設けている点と、他系の電流検出値はディジ
タル量に変換したディジタル信号として制御装置間を伝
送させている点にある。
【0048】従って、例えばA系制御装置5Aにおい
て、電流制御ブロック部53Aに入力するB系電流iAB
は、B系制御装置5B内のA/D変換器51Bでディジ
タル変換して送信器56B、受信器57Aを介してA系
制御装置5A内に伝送したディジタル信号を用いてお
り、またB系制御装置5Bにおいては、電流制御ブロッ
ク部53Bに入力するA系電流iBAは、A系制御装置5
A内のA/D変換器51Aでディジタル変換して送信器
56A,受信器57Bを介してB系制御装置5B内に伝
送したディジタル信号を用いている。
【0049】一般に、インバータ、例えばエレベータで
使用するIGBT(Insulated GateBipolar Transisto
r)インバータは数kHz以上の高周波でスイッチング
動作しているため、その周辺を通過する信号線はノイズ
が混入しやすい条件にある。図1の構成に示すように、
A系電流検出値iAのB系制御装置5Bへの信号伝送,
B系電流検出値iBのA系制御装置5Aへの信号伝送
は、他の系への伝送となるため、伝送距離が長くなり、
ノイズが混入しやすくなる。特に、アナログ信号で伝送
した場合、混入したノイズがそのまま信号の誤差分とし
て表れるため、誤動作を招く可能性がある。
【0050】図4の構成では、例えば、A系電流検出値
A(アナログ信号)のB系制御装置5Bへの信号伝送
は、A系制御装置5AのA/D変換器51AによるA/
D変換後、ディジタル信号となって、B系の制御装置へ
伝送される。ディジタル信号の場合、信号レベルと同程
度の大きなノイズの混入を受けない限り、信号はノイズ
の影響を受けないため、図1の構成の場合と比べて、誤
動作の可能性は小さくなる。B系電流検出値iB のA系
制御装置5Aへの信号伝送についても上記と同様であ
る。従って、電動機駆動装置としての動作信頼性,安全
性が向上するという効果が得られる。また、図4の構成
では、図1の構成に比べて、他の系の電流検出値に対す
るA/D変換器が必要ないため、装置構成が簡単にな
り、制御装置がコンパクトになるという効果も得られ
る。
【0051】図5は、本発明を適用した交流電動機の駆
動装置の第4の実施例を示したものである。図5におい
て、図4と同じ符号のものは同じものを表している。図
5において、図4の構成と異なる点は、各A/D変換器
51A,51Bの処理タイミングを同期させる同期タイ
ミング信号発生器55Aを設けた点にある。同期タイミ
ング信号発生器55Aは、既に、図3に示した第2の実
施例で説明したものと同じもので、A/D変換器51A
および51Bは、同期タイミング信号発生器55Aから
のパルス信号を受けて、一斉にA/D変換処理を実施す
る。
【0052】図4に示した構成のように、他系の電流検
出値をディジタル信号で伝送する場合、電流補償器の処
理中に他系の電流検出信号を読み込むための割り込み処
理が必要となる。また、ディジタル信号伝送の場合、1
桁のビット誤りによって、信号値が大きく変わる危険性
があるため、伝送されたディジタル信号データに誤りが
ないかをチェックするチェック処理が必要となる。従っ
て、アナログ信号伝送時と比べて、制御装置にかかる処
理負荷が大きくなり、処理時間が増大するため、処理周
期を短くできず、高速なサンプリング周波数による処理
実行が難しくなる。この結果、既に第2の実施例の記述
で説明したようなサンプリング処理のタイミングずれに
よる検出値偏差が生じて、電流制御に誤差が発生する。
【0053】これに対して、図5の構成では、同期タイ
ミング信号発生器55Aからの同期信号により、A系の
A/D変換器51AとB系のA/D変換器51Bとが同
時にサンプリング処理を行うため、サンプリング処理の
タイミングずれを抑制することができる。つまり、ディ
ジタル信号伝送の実施により制御装置の処理時間が増え
て、サンプリング周波数が遅くなっても、そのために電
流制御に発生する誤差を抑制することができる。
【0054】図6は、本発明を適用した交流電動機の駆
動装置の第5の実施例を示したものである。図6におい
て、図5と同じ符号のものは同じものを表している。図
6において、図5の構成と異なる点は、入力処理装置7
を設けた点にある。入力処理装置7では、A系インバー
タ1Aの電流検出値iAは、A/D変換器71でディジ
タル信号に変換した後、送信器74から受信器58Aを
介してA系制御装置5Aへ、また送信器74から受信器
59Bを介してB系制御装置5Bへそれぞれ伝送する。
また、B系インバータ1Bの電流検出値iBは、A/D
変換器72でディジタル信号に変換した後、送信器75
から受信器59Aを介してA系制御装置5Aへ、また送
信器75から受信器58Bを介してB系制御装置5Bへ
それぞれ伝送する。A/D変換器71と72は、同期タ
イミング信号発生器73が出力する信号を受けてサンプ
リング処理を実行する。
【0055】図6の構成は、図5の構成に対して、A/
D変換の処理機能を入力処理装置7に集約させている。
これにより、自系と他系インバータの検出電流をA/D
変換し、かつその時のサンプリング処理を同期させると
いう機能を入力処理装置7の追加によって実施できる。
従って、A系とB系の制御装置5Aと5Bは、インバー
タ1台を制御する時に用いていた制御装置をそのまま適
用することができ、制御装置全体の製作が容易になり、
また製作コストを下げることが可能となる。さらに、A
系とB系の電流検出値に対するA/D変換器が同じ制御
装置上に設けられているため、A/D変換の同期処理が
容易に実施でき、動作信頼性が向上するという効果も得
られる。
【0056】図7は、本発明を適用した交流電動機の駆
動装置の第6の実施例を示したものである。図7におい
て、図1と同じ符号のものは同じものを表している。図
7の構成は、図1の構成と比べて、A系制御装置5A内
の電流制御ブロック部53AとB系制御装置5B内の電
流制御ブロック部53Bの内部構成が異なる。
【0057】まずA系制御装置5Aの電流制御ブロック
部53Aの処理の流れを説明する。A/D変換器51A
より出力されたA系の検出電流iAAはA系電流ゲイン位
相補償器540Aによって(Gm(s)+Gc(s))を満た
す制御ゲインをかけ合わせる処理を受ける。また、A/
D変換器52Aより出力されたB系の検出電流iBAはB
系電流ゲイン位相補償器541Aによって(Gm(s)−
c(s))を満たす制御ゲインをかけ合わせる処理を受
ける。電動機電流指令値は、電動機電流指令に対するゲ
イン位相補償器539AによってGm(s) を満たす制御
ゲインをかけ合わせる処理を受ける。そして、電動機電
流指令に対するゲイン位相補償器539A,A系電流ゲ
イン位相補償器540A,B系電流ゲイン位相補償器5
41Aの出力は、加算器542Aにおいて、それぞれ
正,負,負の値を乗算した上で加算される。加算器54
2Aの出力は係数器543Aにより1/2を乗算され、
その結果、A系電圧指令VAA *が出力される。
【0058】B系制御装置5Bの電流制御ブロック部5
3Bについても、電流制御ブロック部53Aに対してA
系電流検出値とB系電流検出値を対称に入れ替えた処理
を行っている。
【0059】上記の処理の結果、A系制御装置5Aの電
流制御ブロック部53Aの制御式は次のようになる。
【0060】
【数18】 VAA *(s)=1/2・[Gm(s)・Im *(s)−{Gm(s)+Gc(s)}・IAA(s) −{Gm(s)−Gc(s)}・IBA(s)] …(18) また、B系制御装置5Bの電流制御ブロック部53Bの
制御式は次のようになる。
【0061】
【数19】 VBB *(s)=1/2・[Gm(s)・Im *(s)−{Gm(s)+Gc(s)}・IBB(s) −{Gm(s)−Gc(s)}・IAB(s)] …(19) ここで、式(18)は式(3)をIm *(s),IAA(s),
BA(s)の各変数でまとめて整理した式に等しく、式
(19)も式(5)をIm *(s),IAA(s),IBA(s)の
各変数でまとめて整理した式に等しい。従って、図7の
電流制御ブロック部53Aは図1の電流制御ブロック部
53Aと制御上は等価であり、また図7の電流制御ブロ
ック部53Bは図1の電流制御ブロック部53Bと制御
上は等価である。
【0062】図8は、図7の構成に対してA系インバー
タを単独運転制御する場合の処理フローチャート示した
ものであり、A系の電流制御ブロック部53Aにおい
て、1)B系電流検出値iBAを常に0に設定し、2)A
系電流ゲイン位相補償器540Aの制御ゲインを(Gm(s)
+Gc(s))からGm2(s)に変更し、3)電動機電流指
令に対するゲイン位相補償器539Aの制御ゲインをG
m(s)からGm2(s) に変更すれば、制御式は次のように
なり、Gm2(s)を適切に設計することにより、A系イン
バータを単独で運転制御できるようになる。
【0063】
【数20】 VAA *(s)=Gm2(s)・{Im *(s)−IAA(s)} …(20) またB系インバータについてもA系とB系の対称性を考
慮した同様の処理により、単独運転制御が可能である。
【0064】以上のことから、図7の構成でも、図1の
場合と同じく、電動機電流と横流とを独立に制御でき、
かつ、A系,B系のインバータまたは制御装置のいずれ
かが故障した場合でも健全な制御装置とインバータの組
に対して単独運転させることができる。さらに加えて、
図7の構成では、図1の構成に比べて、電流制御器内の
処理が簡素化されている。このため、電流制御器の処理
負荷が減少しており、処理周期をより短くでき、制御の
むだ時間遅れを低減することができる。その結果、各電
流補償要素の制御ゲインを増加させることができ、制御
の指令応答性能,外乱抑制性能を向上させることが可能
となる。
【0065】図9は、本発明を適用した交流電動機の駆
動装置の第7の実施例を示したものである。図9におい
て、図1と同じ符号のものは同じものを表している。図
9の構成は、図1の構成に対して、A系制御装置5A内
の電流制御ブロック部53AとB系制御装置5B内の電
流制御器53Bの構成部分が異なる。まずA系制御装置
5Aの電流制御器53Aの処理の流れを説明する。電流
制御器53Aでは、A系の電流検出値のみを用いて電動
機電流を制御する流れとA系の電流検出値とB系の電流
検出値との差を制御する流れの2つの流れがある。前者
の方は、A/D変換器51Aより出力されたA系の検出
電流iAAを係数器544Aにより2倍し、減算器545
Aにより電動機電流指令im *との偏差をとり、この偏差
が0に近づくようにA系電流調整器546Aで補償す
る。後者の方は、A/D変換器51Aより出力されたA系
の検出電流iAAとA/D変換器52Aより出力されたB
系の検出電流iBAとの差を減算器547Aで求め、この
結果と0との偏差を減算器548Aで求めて、この偏差
が0に近づくように横流調整器549Aで補償する。A
系電流調整器546Aの出力と横流調整器549Aの出
力の差が減算器550Aで求められ、その結果がA系電圧指
令VAA *として出力される。
【0066】B系制御装置5Bの電流制御ブロック部5
3Bにおいても、電流制御ブロック部53Aに対してA
系電流検出値とB系電流検出値を対称に入れ替えた処理
を行っている。即ち、B系の電流検出値のみを用いて電
動機電流を制御する流れとA系の電流検出値とB系の電
流検出値との差を制御する流れの2つの流れがある。前
者の方は、A/D変換器51Bより出力されたB系の検
出電流iBBを係数器544Bにより2倍し、減算器54
5Bにより電動機電流指令im *との偏差をとり、この偏
差が0に近づくようにB系電流調整器546Bで補償す
る。後者の方は、A/D変換器51Bより出力されたB
系の検出電流iBBとA/D変換器52Bより出力されたA
系の検出電流iABとの差を減算器547Bで求め、この
結果と0との偏差を減算器548Bで求めて、この偏差
が0に近づくように横流調整器549jBで補償する。
B系電流調整器546Bの出力と横流調整器549Bの
出力の差が減算器550Bで求められ、その結果がB系
電圧指令VBB *として出力される。
【0067】図9の電流制御ブロック部53Aと電流制
御ブロック部53Bは、図1の電流制御ブロック部53
Aと電流制御ブロック部53Bとそれぞれ制御上は等価
になる。図1の電流制御ブロック部53Aを表す制御式
である式(3)は次のように変形できる。
【0068】
【数21】 VAA *(s)=1/2・[Gm(s)・{Im *(s)−2・IAA(s)} −{Gm(s)−Gc(s)}・{0−IAA(s)−IBA(s)}]…(21) 従って、係数器544Aのゲインを2、A系電流調整器
546Aの制御ゲインをGm(s)、横流調整器549A
の制御ゲインを(Gm(s)−Gc(s))と設定することに
より、図9の電流制御ブロック部53Aは図1の電流制
御器53Aと制御上は等価になる。また、図1の電流制
御ブロック部53Bを表す制御式である式(5)も次の
ように変形できる。
【0069】
【数22】 VBB *(s)=1/2・[Gm(s)・{Im *(s)−2・IBB(s)} −{Gm(s)−Gc(s)}・{0−IBB(s)−IAB(s)}]…(22) 従って、係数器544Bのゲインを2、B系電流調整器
546Bの制御ゲインをGm(s)、横流調整器549B
の制御ゲインを(Gm(s)−Gc(s))と設定することに
より、図9の電流制御ブロック部53Bは図1の電流制
御ブロック部53Bと制御上は等価になる。つまり、図
1の構成と同様に図9の構成でも電動機電流と横流とを
独立に制御できる。
【0070】図10は、図9の構成に対してA系インバ
ータを単独運転制御する場合の処理フローチャート示し
たものであり、A系の電流制御ブロック部53Aにおい
て、1)係数器544Aのゲインを2から1に変更し、
2)A系電流調整器546Aの制御ゲインをGm(s)か
らGm3(s)に変更し、3)横流調整器549Aの制御ゲ
インを0に変更すれば、制御式は次のようになり、Gm3
(s)を適切に設計することにより、A系インバータを単
独で運転制御できるようになる。
【0071】
【数23】 VAA *(s)=1/2・Gm3(s)・{Im *(s)−IAA(s)} …(23) またB系インバータについてもA系とB系の対称性を考
慮した同様の処理により、単独運転制御が可能である。
【0072】以上のことから、図9の構成でも、図1と
同じく、電動機電流と横流とを独立に制御でき、かつ、
A系インバータとB系インバータとをそれぞれ単独で運
転制御できる。さらに加えて、図9の構成では、図1の
構成に比べて、電流制御器内の処理が簡素化されてい
る。このため、電流制御器の処理負荷が減少しており、
処理周期をより短くでき、制御のむだ時間遅れを低減す
ることができる。その結果、各電流補償要素の制御ゲイ
ンを増加させることができ、制御の指令応答性能,外乱
抑制性能を向上させることが可能となる。
【0073】また、図9の構成では、各系の電流制御器
における電流補償器は、自系の電流検出値のみで制御す
るものと、自系と他系の電流検出値の差を用いるものと
の2つのタイプから成る。このうち、自系の電流検出値
のみを用いる電流補償器の方は、既に述べたように電動
機電流の制御に関わる。従って、例えば、一時的に非常
に大きなノイズが混入した等の原因で、他系の電流検出
値が一時的に異常な値を示した時には、他系の電流検出
値を用いる方の電流補償器を一時的に止めて、自系の電
流検出値のみを用いる電流補償器のみで制御するように
処理を切り替えることが容易にできる。この結果、電動
機駆動装置を常に安定した状態で継続運転させることが
できる。
【0074】図11は、図1に示した第1の実施例の構
成に対する起動時の運転方法を示したものである。この
運転方法は、起動時の過渡状態におけるA系とB系に分
散させた各系制御装置の制御間の干渉防止を図るもので
ある。
【0075】一般に電流調整器の制御ゲインは、高速な
指令応答特性と外乱抑制効果を狙って、できるだけ高く
設定する。しかし、図1の実施例において、制御ゲイン
を高く設定した場合、システム起動時の過渡において、
A系制御装置5AとB系制御装置5Bとがお互いに相手
の急な立ち上がり動作に過剰に反応して、互いの制御動
作が干渉する可能性がある。特に、相手の電流との差分
によって制御する横流制御においてその可能性が高い。
【0076】そこで、図11では、起動時と定常時で制
御ゲインを変更するような運転方法を図る。以下、図1
1に示した電動機駆動装置の動作方法を説明する。ま
ず、起動前においては、A系制御装置5A、B系制御装
置5Bとも横流調整器の制御ゲインを定常時よりも低い
値とした起動時設定値に設定する。ここで、起動の過渡
においては、横流を制御する必要性も小さいため、制御
ゲインの設定値は0にしても構わない。次に、電動機電
流調整器の制御ゲインも定常時よりも低い値とした起動
時設定値に設定する。ここで、電動機電流は指令値へ追
従するように制御する必要があり、設定値はある程度の
大きさが必要である。そして、電動機駆動装置を起動さ
せて、A系インバータ1A、B系インバータ1Bを共に
起動させた後、それぞれの電流検出値から定常状態に達
したかどうかを判断し、定常状態に達した場合は、それ
ぞれの系の制御装置において、電動機電流調整器の制御
ゲインおよび横流調整器の制御ゲインを定常時設定値に
変更して、定常状態の制御動作へ移行する。ここで、定
常時設定値は起動時設定値に比べて大きく、定常状態に
対して設計した値である。このような運転方法により、
起動時の過渡においては、横流調整器,電動機電流調整
器とも制御ゲインが小さく、各制御装置の制御が干渉す
ることを防止できる。また、定常時では、所望の制御効
果を狙った大きな制御ゲインで制御動作させるため、外
乱抑制,指令応答性に関して、所望の制御効果を得るこ
とができる。
【0077】図12は図1に示した第1の実施例の構成
を制御盤上で実装した場合の盤配置の外観を示したもの
である。A系インバータ1AがA系インバータ盤8Aに
収まり、B系インバータ1BがB系インバータ盤8Bに
収まっている。また、A系制御装置5AがA系制御盤9
Aに収まり、B系制御装置5BがB系制御盤9Bに収ま
っている。また、A系インバータ1Aの電流検出値iA
は信号線10Aを通って、A系制御盤9AとB系制御盤
9Bへ伝送される。B系インバータ1Bの電流検出値i
Bは信号線10Bを通って、B系制御盤9BとA系制御
盤9Aへと伝送される。ここで、各盤の位置関係は、A
系制御盤9AとB系制御盤9Bは隣り合わせに配置され
ており、A系制御盤9Aの外側にA系インバータ盤8A
が配置され、B系制御盤9Bの外側にB系インバータ盤
8Bが配置されている。即ち、インバータ盤と制御盤の
配置の特徴として、1)制御盤同士は互いに接する位置
に配置されており、インバータ盤とこれを制御する制御
盤も互いに接する位置に配置している。2)各制御盤同
士の距離は各インバータ盤同士の距離よりも短くなるよ
うに配置している。3)各制御盤間によって挟まれた空
間にはインバータ盤が配置されないようになっている。
【0078】A系およびB系インバータ盤からは、イン
バータのスイッチングによる電磁ノイズが放射円状に発
生している。従って、これらのインバータ盤の直近に線
路長の長い信号線を通過させると、スイッチングによる
電磁ノイズが信号線に誘導して、信号線内を通る信号に
ノイズが重畳する恐れが生じる。
【0079】しかし、図12に示す盤配置ならば、信号
線へのノイズ混入を低減できる。例えば、A系インバー
タ盤8Aから伝送されるA系インバータ1Aの電流検出
信号iAはA系制御盤9AとB系制御盤9Bへ入力す
る。このうち、A系インバータ盤8AからB系制御装置
9Bへの信号伝送は距離が長くなりノイズ混入の恐れが
あるが、A系インバータ盤8Aから離れる方向に向かっ
て信号線10Aが通るため、その周辺のノイズ量は低減
している。その結果、信号線10Aに混入するノイズ量
を低減できる。B系インバータ盤8Bから伝送されるB
系インバータ1Bの電流検出信号iBについても同様の
ことが言える。
【0080】このように、図12に示す盤配置によっ
て、電流検出信号に混入するノイズ量を低減することが
でき、システムの動作信頼性,動作安定性を向上できる
という効果が得られる。また、図12の配置は、第3の
実施例である図4に示した他系の電流検出量をディジタ
ル信号で伝送する場合にも有効である。この場合、他の
配置比べて、ディジタル信号線を短くできるため、伝送
による信号の劣化を防ぐことができ、システムの動作信
頼性を向上できるという効果が得られる。
【0081】図13も図1に示した第1の実施例の構成
を制御盤上で実装した場合の盤配置の外観を示したもの
である。図13において、図12と同じ符号のものは同
じものを表している。図13に示す盤配置でも、A系制
御盤9AとB系制御盤9Bは隣り合わせに配置されてお
り、A系制御盤9AとB系制御盤9Bと挟んだ外側に、
A系インバータ盤8AとB系インバータ盤8Bが配置さ
れている。図13の配置も図12に示した配置と同様の
特徴をもつ。即ち、1)制御盤同士は互いに接する位置
に配置されており、インバータ盤とこれを制御する制御
盤も互いに接する位置に配置している。2)各制御盤同
士の距離は各インバータ盤同士の距離よりも短くなるよ
うに配置している。3)各制御盤間によって挟まれた空
間にはインバータ盤が配置されないようになっている。
【0082】この結果、図13に示すインバータ盤と制
御盤の配置では、図12の場合と同様に、電流検出信号
に混入するノイズ量を低減することができ、システムの
動作信頼性,動作安定性を向上できるという効果が得ら
れる。また、他系の電流検出量をディジタル信号で伝送
する場合にも有効である。この場合、他の配置に比べ
て、ディジタル信号線を短くできるため、伝送による信
号の劣化を防ぐことができ、システムの動作信頼性を向
上できるという効果が得られる。
【0083】図14は図1に示した第1の実施例の制御
構成を3相2巻線電動機に適用した例を示している。図
14において、図1と同じ符号のものは同じものを表し
ている。図1とは、電動機に3相2巻線電動機11を用
いている点が異なっている。
【0084】3相2巻線電動機11は、電動機の固定子
巻線が2組の3相巻線構成となっている電動機であり、
図14では、一方の3相巻線1組をA系インバータ1A
より給電し、もう一方の3相巻線の組をB系インバータ
1Bより給電するようにしている。2組の3相巻線は電
気的には絶縁されているが、固定子の鉄心を介して磁気
的に結合している。この巻線間の磁気的結合は等価的に
リアクトルを介した結合として表すことができる。つま
り、図14の構成と図1の構成とは回路的に等価と考え
て良い。従って、図14のように3相2巻線電動機を駆
動する場合も、図1と同じ制御構成を適用することによ
り、図1において記述した効果と同じ効果を得ることが
できる。即ち、電動機電流と磁気的結合を介してインバ
ータ間を流れる横流とを、それぞれ独立に制御できる。
その結果、電動機電流,横流ともそれぞれに適切な制御
ゲインで制御できるため、電動機電流の電流歪みが原因
で生じる電動機のトルクリップルを抑制でき、かつ横流
を抑制できるという効果が得られる。そしてさらに、ど
ちらか一方のインバータまたは制御装置が異常を起こし
た場合には、異常を起こした系を停止させて、もう一方
の系を単独で運転でき、故障に対してより強いシステム
を構築できるという効果が得られる。
【0085】図1の構成では、3相の電流検出量の各相
に対して電流制御する構成を示しているが、3相の電流
検出値を3相2相変換により、互いに直交した2相量に
変換し、直交した2相のそれぞれの相において電流補償
を実施しても良い。ここで、3相2相変換の変換式は次
式で表される。
【0086】
【数24】
【0087】3相2相変換した2相の各相に対して電流
補償を実施する場合、3相の各相で電流補償を実施する
場合と比べると、横流を制御する上で、以下に述べる利
点がある。インバータ間を流れる横流の電流経路を詳し
く見ると、3相の相間を通過する経路で横流が流れてい
ることが分かる。例えば、A系インバータのu相からv
相を通って、リアクトルを介して、B系インバータのv
相に入り込み、B系インバータのv相からu相を通っ
て、リアクトルを介して、A系インバータのu相へ戻る
という経路が形成される。このように、3相の相間を経
路とする電流に対して、3相をそれぞれ独立に電流制御
しようとすると、相間で干渉が生じて、制御の応答が遅
れる可能性がある。これに対して、3相2相変換後の2
相量は、互いに直交しているため、それぞれの相が干渉
することはなく、この2相量をそれぞれの相において電
流制御すれば、より速い制御応答を得ることができる。
つまり、電流検出値に対して、3相2相変換を行い、互
いに直交した2相のそれぞれの相において電流制御を行
えば、3相の相間を経路とする横流をより高速に抑制で
きるという効果が得られる。
【0088】また、上記では3相2相変換による2相へ
の変換の場合を説明したが、dq変換を用いても同様の
効果を得ることができる。dq変換の変換式は次のよう
になる。
【0089】
【数25】
【0090】前述した実施例では、各相にリアクトルを
挿入する構成の場合を説明したが、相間リアクトルを用
いた場合でも同様に適用することが可能である。
【0091】また、本発明は、電動機を駆動するインバ
ータに限らず、交流系統に接続して交流電力を直流電力
変換するセット並列のコンバータ,アクティブフィルタ
や無効電力補償装置のような電力系統に連系したセット
並列のインバータ等にも適用できる。要するに、電流指
令信号に従い、出力電流を制御する電力変換装置であれ
ば適用可能である。
【0092】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
一方の系のインバータまたは制御装置が異常を起こした
場合には、異常を起こした系を停止させて、もう一方の
健全な系を単独に動作させることで電動機を運転制御さ
せることができる。従って、故障に対してより強く安定
した電動機駆動システムを実現できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による一実施形態の電動機駆動装置の構
成図。
【図2】本発明の第1の実施形態(図1)に対する単独
運転処理を示すフローチャート。
【図3】本発明による第2の実施形態における電動機駆
動装置の構成図。
【図4】本発明による第3の実施形態における電動機駆
動装置の構成図。
【図5】本発明による第4の実施形態における電動機駆
動装置の構成図。
【図6】本発明による第5の実施形態における電動機駆
動装置の構成図。
【図7】本発明による第6の実施形態における電動機駆
動装置の構成図。
【図8】本発明の第6の実施形態(図7)に対する単独
運転処理を示すフローチャート。
【図9】本発明による第7の実施形態における電動機駆
動装置の構成図。
【図10】本発明の第7の実施形態(図9)に対する単
独運転処理を示すフローチャート。
【図11】本発明の第1の実施形態(図1)に対する起
動時から定常時までの運転処理を示すフローチャート。
【図12】本発明の第1の実施形態(図1)に対する盤
実装の外観図。
【図13】本発明の第1の実施形態(図1)に対する盤
実装の外観図。
【図14】本発明による第1の実施形態を3相2巻線電
動機駆動装置に適用した場合の構成図。
【図15】セット並列インバータシステムの等価回路。
【符号の説明】
1A…A系インバータ、1B…B系インバータ、2A…
A系電力線、2B…B系電力線、3A…A系リアクト
ル、3B…B系リアクトル、4A…A系電流センサ、4
B…B系電流センサ、5A…A系制御装置、5B…B系
制御装置、51A…A系制御装置のA系電流検出値用サ
ンプリング処理器、51B…B系制御装置のB系電流検
出値用サンプリング処理器、52A…A系制御装置のB
系電流検出値用サンプリング処理器、52B…B系制御
装置のA系電流検出値用サンプリング処理器、53A…
A系制御装置の電流制御ブロック部、53B…B系制御
装置の電流制御ブロック部、533A…A系制御装置の
電動機電流調整器、536A…A系制御装置の横流調整
器、533B…B系制御装置の電動機電流調整器、53
6B…B系制御装置の横流調整器、538A…係数器、
538B…係数器、539A…A系制御装置の電流指令
値に対するゲイン位相補償器、540A…A系制御装置
のA系電流検出値に対するゲイン位相補償器、541A
…A系制御装置のB系電流検出値に対するゲイン位相補
償器、539B…B系制御装置の電流指令値に対するゲ
イン位相補償器、540B…B系制御装置のA系電流検
出値に対するゲイン位相補償器、541B…B系制御装
置のB系電流検出値に対するゲイン位相補償器、543
A…係数器、543B…係数器、544A…係数器、5
44B…係数器、546A…A系制御装置のA系電流調
整器、549A…A系制御装置の横流調整器、546B
…B系制御装置のB系電流調整器、549B…B系制御
装置の横流調整器、54A…A系制御装置のPWMパル
ス発生器、54B…B系制御装置のPWMパルス発生器、
55A…同期タイミング信号発生器、56A…A系制御
装置のサンプリング信号送信器、57A…A系制御装置
のサンプリング信号受信器、56B…B系制御装置のサ
ンプリング信号送信器、57B…B系制御装置のサンプ
リング信号受信器、58A…A系制御装置のサンプリン
グ信号受信器、59A…A系制御装置のサンプリング信
号受信器、58B…B系制御装置のサンプリング信号受
信器、59B…B系制御装置のサンプリング信号受信
器、6…3相交流電動機、7…入力処理装置、71…入
力処理装置のA系電流検出値用サンプリング処理器、7
2…入力処理装置のB系電流検出値用サンプリング処理
器、73…同期タイミング信号発生器、74…A系電流
検出値用サンプリング信号送信器、75…B系電流検出
値用サンプリング信号送信器、8A…A系インバータ
盤、8B…B系インバータ盤、9A…A系制御盤、9B
…B系制御盤、10A…A系検出電流伝送用信号線、1
0B…B系検出電流伝送用信号線、11…3相2巻線電
動機。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 三根 俊介 茨城県ひたちなか市市毛1070番地 株式会 社日立製作所昇降機グループ内 (72)発明者 岸川 孝生 茨城県ひたちなか市市毛1070番地 株式会 社日立製作所昇降機グループ内 (72)発明者 伊君 高志 茨城県日立市大みか町七丁目1番1号 株 式会社日立製作所日立研究所内 (72)発明者 奥山 俊昭 茨城県日立市大みか町七丁目1番1号 株 式会社日立製作所日立研究所内 Fターム(参考) 5H576 AA07 BB06 DD02 DD04 DD05 EE01 EE11 GG04 HA04 HA07 HB01 HB05 JJ03 JJ08 JJ16 JJ25 LL22 LL55 MM11 PP02

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】複数台の電力変換器を備えて各電力変換器
    からの交流出力電力の和を交流電動機に供給する交流電
    動機の駆動システムにおいて、前記複数台の電力変換器
    の各々を個別に制御する複数台の制御装置を備え、各制
    御装置は、自装置が制御する電力変換器の出力電流検出
    値と他の電力変換器の出力電流検出値とを入力して、こ
    れらの電流検出値を用いて出力電流加算値と各電力変換
    器の出力電流の不平衡成分とに対する制御ゲインを異な
    らせて自電力変換器の出力電流がその指令値に一致また
    は比例するように自電力変換器に対する制御指令を出力
    することを特徴とする交流電動機の駆動システム。
  2. 【請求項2】複数台の電力変換器を備えて各電力変換器
    からの交流出力電力の和を交流電動機に供給する交流電
    動機の駆動システムにおいて、前記複数台の電力変換器
    の各々を個別に制御する複数台の制御装置を備え、各制
    御装置は、自装置が制御する電力変換器の出力電流検出
    値と他の電力変換器の出力電流検出値とを入力して、自
    電力変換器に対する制御指令を出力することを特徴とす
    る交流電動機の駆動システム。
  3. 【請求項3】複数台の電力変換器を備えて各電力変換器
    からの交流出力電力の和を交流電動機に供給する交流電
    動機の駆動システムにおいて、前記複数台の電力変換器
    の各々を個別に制御する複数台の制御装置を備え、各制
    御装置は、自装置が制御する電力変換器の出力電流検出
    値をアナログ−ディジタル変換する手段と他の電力変換
    器の出力電流検出値をアナログ−ディジタル変換する手
    段wp有し、これらディジタル量に変換された電流検出
    値を用いて出力電流加算値と各電力変換器の出力電流の
    不平衡成分とに対する制御ゲインを異ならせて自電力変
    換器の出力電流がその指令値に一致または比例するよう
    に自電力変換器に対する制御指令を出力することを特徴
    とする交流電動機の駆動システム。
  4. 【請求項4】複数台の電力変換器を備えて各電力変換器
    からの交流出力電力の和を交流電動機に供給する交流電
    動機の駆動システムにおいて、前記複数台の電力変換器
    の各々を個別に制御する複数台の制御装置を備え、各制
    御装置は、自装置が制御する電力変換器の出力電流検出
    値をアナログ−ディジタル変換する手段と前記ディジタ
    ル変換した出力電流検出値を他の制御装置へ送信する手
    段と他の制御装置より送信された出力電流検出値のディ
    ジタル信号を受信する手段とを有し、これらディジタル
    量に変換された電流検出値を用いて出力電流加算値と各
    電力変換器の出力電流の不平衡成分とに対する制御ゲイ
    ンを異ならせて自電力変換器の出力電流がその指令値に
    一致または比例するように自電力変換器に対する制御指
    令を出力することを特徴とする交流電動機の駆動システ
    ム。
  5. 【請求項5】複数台の電力変換器を備えて各電力変換器
    からの交流出力電力の和を交流電動機に供給する交流電
    動機の駆動システムにおいて、前記複数台の電力変換器
    の各々を個別に制御する複数台の制御装置と一つの入力
    処理装置とを備え、前記入力処理装置は、前記複数台の
    電力変換器の出力電流検出値それぞれをアナログ−ディ
    ジタル変換する手段とディジタル量に変換した出力電流
    検出値それぞれを前記個別の制御装置それぞれに送信す
    る手段を有し、各制御装置は、前記ディジタル量に変換
    した出力電流検出値を受信する手段を有し、これらディ
    ジタル量に変換された電流検出値を用いて出力電流加算
    値と各電力変換器の出力電流の不平衡成分とに対する制
    御ゲインを異ならせて自電力変換器の出力電流がその指
    令値に一致または比例するように自電力変換器に対する
    制御指令を出力することを特徴とする交流電動機の駆動
    システム。
  6. 【請求項6】複数台の電力変換器を備えて各電力変換器
    からの交流出力電力の和を交流電動機に供給する交流電
    動機の駆動システムにおいて、前記複数台の電力変換器
    の各々を個別に制御する複数台の制御装置を備え、各制
    御装置は、互いに独立な前記複数の電力変換器間の横流
    を制御する制御系と電動機電流を制御する制御系を備え
    たことを特徴とする交流電動機の駆動システム。
  7. 【請求項7】複数台の電力変換器を備えて各電力変換器
    からの交流出力電力の和を交流電動機に供給する交流電
    動機の駆動システムにおいて、前記複数台の電力変換器
    の各々を個別に制御する複数台の制御装置を備え、各制
    御装置は、自装置が制御する電力変換器の出力電流検出
    値と他の電力変換器の出力電流検出値の和に基づいてこ
    の和と電動機電流指令との偏差がなくなるような電圧指
    令を生成する手段と、自装置が制御する電力変換器の出
    力電流検出値と他の電力変換器の出力電流検出値との差
    に基づいてこの差がなくなるような電圧指令を生成する
    手段と、これら電圧指令に基づいて電力変換器の電圧指
    令を生成する手段とを備えたことを特徴とする交流電動
    機の駆動システム。
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