JP2001201602A - プラスチックレンズ - Google Patents

プラスチックレンズ

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JP2001201602A
JP2001201602A JP2000007808A JP2000007808A JP2001201602A JP 2001201602 A JP2001201602 A JP 2001201602A JP 2000007808 A JP2000007808 A JP 2000007808A JP 2000007808 A JP2000007808 A JP 2000007808A JP 2001201602 A JP2001201602 A JP 2001201602A
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plastic lens
primer layer
hard coat
layer
fine particles
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JP2000007808A
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Mitsuhiro Toda
光洋 戸田
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Seiko Epson Corp
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Seiko Epson Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】本発明は分子内に1つ以上のジスルフィド結合
を有する(チオ)エポキシ化合物を含有する重合性組成
物を硬化して得られる高屈折率のプラスチックレンズに
おいて、各種品質の優れたプラスチックレンズを提供す
ることを目的とし、特に優れた外観と耐衝撃性、密着
性、耐候性を実現することを目的とする。 【解決手段】本発明は分子内に1つ以上のジスルフィド
結合を有する(チオ)エポキシ化合物を含有する重合性
組成物を硬化して得られる透明樹脂をもちいたプラスチ
ックレンズ基材表面上に、基材側から順にプライマー
層、ハードコート層を設け、あるいはさらにその表面に
反射防止膜をもうけたプラスチックレンズにおいて、プ
ライマー層がポリウレタン樹脂から形成されたプライマ
ー層、あるいはさらに無機微粒子を含有するプライマー
層を用いる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、プラスチックレン
ズに関し、更に詳細には、高い屈折率および高い透明性
が要求されるプラスチックレンズの表面にプライマー
層、ハードコート層及び無機反射防止膜が積層されてな
るプラスチックレンズにおいて、各種品質(外観、耐擦
傷性、耐熱性、耐湿性、耐衝撃性、耐候性、透明樹脂と
表面処理層との密着性、耐久性等)の優れたプラスチッ
クレンズに関するものである。
【0002】以下の説明は眼鏡用プラスチックレンズを
例にとり説明するが、これに限られるものではない。
【0003】
【従来の技術】プラスチックレンズはガラスレンズに比
べ軽量で、成形性、加工性、染色性が良く、割れにくく
安全性も高いため、眼鏡レンズの分野で広く用いられて
いる。しかしプラスチックレンズは軟質で非常に傷つき
やすい為、プラスチックレンズの表面に硬度の高いハー
ドコート層をもうけ、耐擦傷性の向上をはかっている。
またプラスチックレンズ基材とハードコート層の密着性
が不充分な場合にはプラスチックレンズとハードコート
層の間にプライマー層をもうけ、密着性を向上させてい
る。さらには表面反射を防止する目的でハードコート層
の表面に無機物質を蒸着した反射防止膜をもうけている
場合もある。こうしたプラスチックレンズの表面処理に
より、プラスチックレンズの品質は高いものとなってい
る。
【0004】しかしながら、ハードコート層や反射防止
膜の表面処理を施したプラスチックレンズは、いっさい
表面処理を行っていないプラスチックレンズに比較し
て、耐衝撃性が低下するという欠点がある。特にレンズ
の中心厚が薄いマイナス度数のレンズの場合は耐衝撃性
が著しく低下し、割れやすいという欠点をもつ。これを
改善するために中心厚を厚くすると、レンズの周辺部の
厚さ(コバ厚)は非常に厚くなり、外観上好ましくな
い。またレンズの重量も重くなり、眼鏡の使用感は低下
し、実用上好ましくない。近年は屈折率の高いプラスチ
ックレンズ基材の開発が進み、これによりレンズの中心
厚、コバ厚を薄くすることが可能であるが、屈折率の高
いプラスチックレンズ基材は耐衝撃性が低く、割れやす
いという欠点をもつ。
【0005】この課題を解決するために、特開昭63−
87223号公報、特開昭63−141001号公報に
は、特定のポリアルコールとイソシアネートからなるウ
レタン樹脂のプライマー層を、レンズ基材とハードコー
ト層の間にもうける方法が開示されている。また同様に
特開平3−109502号公報にはポリアルコールとブ
ロック型イソシアネートからなるウレタン樹脂のプライ
マー層を用いる方法が開示されている。もともとプライ
マー層はプラスチックレンズ基材とハードコート層の密
着性を改善する目的の層であるが、このプライマー層に
特定の樹脂を選択することにより、プラスチックレンズ
の耐衝撃性を改善することができる。
【0006】しかしこれらの樹脂からなるプライマー層
は屈折率が1.50前後であるため、プラスチックレン
ズ素材の屈折率が高くなると、屈折率の差により干渉縞
が発生し、外観上好ましくない。これを改善する目的
で、金属酸化物からなる微粒子をプライマー層に添加し
て、プライマー層の屈折率をプラスチックレンズ素材の
屈折率に近いものとする方法(特開平6−337376
号公報)も提案されているが、干渉縞の発生は抑えられ
るものの、金属酸化物が多くなるとプライマー層が白濁
しやすくなり、外観上好ましくないばかりでなく、密着
性、耐衝撃性も低下する。さらに特開平11−1933
55号公報にはチオウレタン樹脂溶液のプライマー組成
物を用いてプラスチックレンズ素材の屈折率に近いもの
とする方法が開示されているが、これらの樹脂によるプ
ライマー層は、一般に耐候性に劣り、時間の経過ととも
に表面処理層の密着性は低下し、表面処理層がはがれ、
外観上好ましくない状態になりやすい。近年はプラスチ
ックレンズの品質は高いものが望まれ、単にハードコー
ト層と反射防止膜を設けただけでなく、各種品質(外
観、耐擦傷性、耐熱性、耐湿性、耐衝撃性、耐候性、レ
ンズ基材と表面処理層との密着性、耐久性等)の優れた
プラスチックレンズ、特に耐衝撃性の優れた安全性の高
い、プラスチックレンズの開発が望まれている。近年屈
折率の高いプラスチックレンズ基材の開発が進む中で、
それに応じたプラスチックレンズの表面処理技術は重要
なものとなっている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】分子内に1つ以上のジ
スルフィド結合を有する(チオ)エポキシ化合物を含有
する重合性組成物を硬化して得られる透明樹脂をもちい
たプラスチックレンズ基材表面上に、基材側から順にプ
ライマー層、ハードコート層を設けたプラスチックレン
ズ、あるいはさらにその表面に反射防止膜をもうけたプ
ラスチックレンズにおいて、各種品質(外観、耐擦傷
性、耐熱性、耐湿性、耐衝撃性、耐候性、レンズ基材と
表面処理層との密着性、耐久性等)の優れたプラスチッ
クレンズ、特に耐衝撃性の優れた安全性の高い、プラス
チックレンズを提供することを目的としてなされたもの
である。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は分子内に1つ以
上のジスルフィド結合を有する(チオ)エポキシ化合物
を含有する重合性組成物を硬化して得られる透明樹脂を
もちいたプラスチックレンズ基材表面上に、基材側から
順にプライマー層、ハードコート層を設けたプラスチッ
クレンズ、あるいはさらにその表面に反射防止膜をもう
けたプラスチックレンズにおいて、プライマー層がポリ
ウレタン樹脂から形成されたプライマー層を用いること
によって本目的が達成されることを見いだした。
【0009】請求項1のプラスチックレンズは、分子内
に1つ以上のジスルフィド結合を有する(チオ)エポキ
シ化合物を含有する重合性組成物を硬化して得られる透
明樹脂上に形成されたプライマー層と、該プライマー層
上に形成されたハードコート層を設けたプラスチックレ
ンズにおいて、前記プライマー層がポリウレタン樹脂か
ら形成されたものであることを特徴とし、これにより前
記透明樹脂の欠点である、割れやすいという性質を補
い、耐衝撃性に優れたプラスチックレンズの提供が可能
である。
【0010】請求項2のプラスチックレンズは、請求項
1に記載のプラスチックレンズにおいて、さらに前記プ
ライマー層が無機微粒子を含有することを特徴とし、こ
れによりプライマー層の屈折率を、前記透明樹脂の屈折
率と、同等あるいは近い屈折率に調節することが可能で
あり、干渉縞が無いかあるいは低減させた、外観にすぐ
れたプラスチックレンズの提供が可能である。
【0011】請求項3のプラスチックレンズは、請求項
1または2に記載のプラスチックレンズにおいて、さら
にハードコート層の表面に無機物質からなる反射防止膜
を有することを特徴とし、これにより表面反射による像
のチラツキをおさえるという機能を有し、さらに高付加
価値のプラスチックレンズを提供することが可能であ
る。
【0012】請求項1から3のいずれか1項に記載のプ
ラスチックレンズにおいては、前記プライマー層に含ま
れるポリウレタン樹脂が、ポリエーテルポリオール類、
ポリエーテルポリオール変性体、ポリエステルポリオー
ル類、ポリブタジエンポリオール類、ポリアミン類、ア
ルカノールアミン類、ポリチオール類から選ばれる活性
水素含有化合物とポリイソシアネートとから得られるポ
リウレタン樹脂であることが好ましい(請求項4)。こ
れらポリエーテルポリオール類、ポリエーテルポリオー
ル変性体、ポリエステルポリオール類、ポリブタジエン
ポリオール類、ポリアミン類、アルカノールアミン類、
ポリチオール類から選ばれる活性水素含有化合物とポリ
イソシアネートとから得られるポリウレタン樹脂を用い
ることで、前記透明樹脂の欠点である、割れやすいとい
う性質を補い、耐衝撃性に優れたプラスチックレンズの
提供が可能である。さらには前記透明樹脂とプライマー
層、プライマー層とハードコート層の密着性が増し、耐
候性にすぐれたプラスチックレンズを提供することが可
能である。
【0013】請求項1から4のいずれか1項に記載のプ
ラスチックレンズにおいては、前記プライマー層に含ま
れる無機微粒子がSi,Al,Sn,Sb,Ta,C
e,La,Fe,Zn,W,Zr,In,Tiから選ば
れる1種以上の金属の金属酸化物からなる、微粒子また
は複合微粒子であることが好ましい(請求項5)。これ
らSi,Al,Sn,Sb,Ta,Ce,La,Fe,
Zn,W,Zr,In,Tiから選ばれる1種以上の金
属の金属酸化物からなる、微粒子または複合微粒子を用
いることでプライマー層の屈折率を、前記透明樹脂の屈
折率と、同等あるいは近い屈折率に調節することが可能
であり、干渉縞が無いかあるいは低減させた、外観にす
ぐれたプラスチックレンズの提供が可能である。さらに
は前記透明樹脂とプライマー層、プライマー層とハード
コート層の密着性が増し、耐候性にすぐれたプラスチッ
クレンズを提供することが可能である。
【0014】本発明のプラスチックレンズは分子内に1
つ以上のジスルフィド結合を有する(チオ)エポキシ化
合物を含有する重合性組成物を硬化して得られる透明樹
脂上に形成されたプライマー層と、該プライマー層上に
形成されたハードコート層を設けたプラスチックレンズ
において、前記プライマー層がポリウレタン樹脂から形
成されたものであることを特徴とするが、ここで分子内
に1つ以上のジスルフィド結合を有する(チオ)エポキ
シ化合物を含有する重合性組成物を硬化して得られる透
明樹脂としては、例えば特開平11−322930号公
報に詳細に開示されたものを実施することによって得ら
れるものを用いることができる。この透明樹脂上にポリ
ウレタン樹脂を含有するプライマー層を形成する。形成
されるプライマー層に含まれるポリウレタン樹脂は、両
末端に活性水素を含有する化合物とポリイソシアネート
の反応から形成される樹脂である。ここで活性水素含有
化合物としては、エチレングリコール、1,2−プロピ
レングリコール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブ
タンジオール、ネオペンチルグリコール、1,6−へキ
サンジオール、ジプロピレングリコール、ジエチレング
リコール、ポリプロピレングリコール、ポリエチレング
リコール、ポリテトラメチレングリコールなどのポリエ
ーテルポリオール類、ウレタン変性ポリエーテルポリオ
ール、ポリエーテルエステルコポリマーポリオール、末
端アミノ化ポリエーテルポリオール、シリコン変性ポリ
エーテルポリオールなどのポリエーテルポリオール変性
体、エチレンアジペート、ジエチレンアジペート、テト
ラメチレンアジペート、ヘキサメチレンアジペート、ブ
チレンアジペート、ネオペンチレンアジペート、ε−カ
プロラクトンの開環重合体、ポリカーボネートジオール
などのポリエステルポリオール類、1,4−ポリブタジ
エンポリオール、1,2−ポリブタジエンポリオールな
どのポリブタジエンポリオール類、3,3’−ジクロロ
−4,4’−ジアミノジフェニルメタン、メチレンジア
ニリン塩化ナトリウム錯体、1,2−ビス(2−アミノ
フェニルチオ)エタン、トリメチレングリコール−ジ−
p−アミノベンゾエート、ジ(メチルチオ)−トルエン
ジアミン、ジアミノフェニルカルボン酸塩、ビス−(2
−シアノエチルアミノ)エタンなどのポリアミン類、N
−メチルジエタノールアミンなどのアルカノールアミン
類、1,2−エタンジチオール、1,4−ブタンジチオ
ール、1,6−ヘキサンジチオール、1,9−ノナンジ
チオール、1,10−デカンジチオール、1,2−ベン
ゼンジチオール、ジチオエリトリトール、2,3−ジメ
ルカプト−1−プロパノール、3,4−ジメルカプトト
ルエン、トリメチロールプロパントリスチオプロピオネ
ート、ビス(3−メルカプトプロピルチオ)メタン、
1,2−ビス(3−メルカプトプロピルチオ)エタン、
1,3−ビス(3−メルカプトプロピルチオ)プロパ
ン、1,2,3−ビス(3−メルカプトプロピルチオ)
プロパン、2−メルカプトエタノール、p−メルカプト
フェノール、3−メルカプト−1,2−プロパンジオー
ルなどのポリチオール類から選ばれる活性水素含有化合
物が挙げられるが、その他公知の活性水素含有化合物の
使用も可能である。
【0015】ポリイソシアネートの例としては、トルエ
ンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネー
ト、3,3’−ジメチル−4,4’−ジフェニレンジイ
ソシアネート、1,5−ナフタレンジイソシアネート、
トリジンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシア
ネート、イソホロンジイソシアネート、p−フェニレン
ジイソシアネート、t−シクロヘキサン−1,4−ジイ
ソシアネート、キシレンジイソシアネート、水添キシレ
ンジイソシアネート、水添ジフェニルメタンジイソシア
ネート、リジンジイソシアネート、テトラメチルキシレ
ンジイシシアネート、トリメチルヘキサメチレンジイソ
シアネート、1,3−ビス(イソシアナトメチル)シク
ロヘキサン等のジイソシアネートと、トリフェニルメタ
ントリイソシアネート、トリス(イソシアネートフェニ
ル)チオホスフェート、リジンエステルトリイソシアネ
ート、2−イソシアネートエチル−2,6−ジイソシア
ネートヘキサノエート、1,6,11−ウンデカントリ
イソシアネート、1,8−ジイソシアネート−4−イソ
シアネートメチルオクタン、1,3,6−ヘキサメチレ
ントリイソシアネート、ビシクロヘプタントリイソシア
ネート等のトリイソシアネートがあげられる。さらにこ
れらジイソシアネート、トリイソシアネートから得られ
るウレタン変性体が使用可能である。ウレタン変性体と
しては、アダクト体、ウレチジオン体(二量体)、イソ
シアヌレート体(三量体)、カルボジイミド、アロハネ
ート変性体、ウレア変性ポリイソシアネート、ビュレッ
ト変性ポリイソシアネート、イソシアネートプレポリマ
ー(セミプレポリマー)があげられる。さらにこれらポ
リイソシアネートをアセチルアセトン、ジメチルマロネ
ート、ジエチルマロネート、2,4−ヘキサンジオン、
3,5−ヘプタンジオン、アセトオキシム、メチルエチ
ルケトオキシム、ブタノンオキシム、カプロラクタムな
どのブロッキング剤でブロックしたブロックイソシアネ
ートがあげられる。
【0016】ポリウレタン樹脂の製造は公知の方法で可
能であり、触媒として各種アミンやジブチルスズジラウ
レートなどの金属系化合物等を用いることも可能であ
る。ポリウレタン樹脂を含有するプライマー層を形成す
る方法としては、予め活性水素含有化合物とポリイソシ
アネートを反応させたポリウレタン樹脂の溶液を前記透
明樹脂上に塗布し加熱乾燥する方法と、活性水素含有化
合物とポリイソシアネートを含む溶液を前記透明樹脂上
に塗布し、前記透明樹脂上反応させ加熱乾燥する方法が
挙げられる。
【0017】さらに前記透明樹脂上に形成されるプライ
マー層は無機微粒子を含有することが好ましい。無機微
粒子の具体的例としてはSiO2,Al23,SnO2
Sb 25,Ta25、CeO2,La23,Fe23
ZnO,WO3,ZrO2,In23,TiO2等の金属
酸化物からなる微粒子または2種以上の金属の金属酸化
物からなる複合微粒子を、分散媒たとえば水、アルコー
ル系もしくはその他の有機溶媒にコロイド状に分散させ
たものがあげられる。
【0018】本発明のプライマー層を形成するために用
いられる、プライマー組成物の溶媒としては従来公知の
溶媒の使用が可能である。炭化水素類、ハロゲン化炭化
水素類、エステル類、アルコール類、ケトン類、エーテ
ル類などがあげられるが、これらは単独で用いても良い
し、2種以上の混合溶剤として用いても良い。具体的に
は、トルエン、酢酸エチル、メチルエチルケトン、テト
ラヒドロフラン、メタノール、ジアセトンアルコール、
プロピレングリコールモノエチルエーテル等の使用が可
能である。プライマー層を形成する成分を、これら溶媒
で、塗布に適した濃度に希釈して前記透明樹脂上に塗布
する。塗布する方法としては、ディッピング法、スピン
コート法などの従来公知の方法を用いることができる。
これらの方法で塗布したのち、50℃から150℃の任
意の範囲で加熱乾燥することによりプライマー層が形成
される。またプライマー層の膜厚は0.01〜50μm
が好ましい。0.01μm以下にすると耐衝撃性の効果
は少なく、50μm以上にすると、面精度が低下する。
また本発明のプライマー層には、従来公知の各種添加剤
を含むことが可能である。塗布性の向上を目的とした各
種レベリング剤、耐候性の向上を目的とした紫外線吸収
剤や酸化防止剤、さらに染料や顔料等の添加剤を含むこ
とが可能である。
【0019】本発明に使用するハードコート層はハード
コート層の本来の機能である耐擦傷性を向上するもので
あれば良く、従来公知のプラスチックレンズ用のハード
コート層が使用可能である。従来公知のものとしてはメ
ラミン系樹脂、シリコーン系樹脂、ウレタン系樹脂、ア
クリル系樹脂等をもちいたハードコート層が挙げられる
が、シリコーン系樹脂をもちいたハードコートが最も好
ましい。具体的例としては金属酸化物微粒子、シラン化
合物からなるコーティング組成物を塗布し硬化させてハ
ードコート層をもうける。このコーティング組成物には
コロイダルシリカ、および多官能性エポキシ化合物等の
成分を含んでいてもよい。金属酸化物微粒子の具体的例
としてはSiO2,Al23,SnO2,Sb25,Ta
25,CeO2,La23,Fe23,ZnO,WO3
ZrO2,In23,TiO2等の金属酸化物からなる微
粒子または2種以上の金属の金属酸化物からなる複合微
粒子を、分散媒たとえば水、アルコール系もしくはその
他の有機溶媒にコロイド状に分散させたものがあげられ
る。シラン化合物の具体例として、ビニルトリアルコキ
シシラン、ビニルトリクロロシラン、ビニルトリ(β−
メトキシ−エトキシ)シラン、アリルトリアルコキシシ
ラン、アクリルオキシプロピルトリアルコキシシラン、
メタクリルオキシプロピルトリアルコキシシラン、メタ
クリルオキシプロピルジアルコキシメチルシラン、γ−
グリシドオキシプロピルトリアルコキシシラン、β−
(3,4−エポキシシクロヘキシル)−エチルトリアル
コキシシラン、メルカプトプロピルトリアルコキシシラ
ン、γ−アミノプロピルトリアルコキシシラン、N−β
(アミノエチル)−γ−アミノプロピルメチルジアルコ
キシシラン、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシ
ラン、テトラプロポキシシラン、テトライソプロポキシ
シラン、テトラブトキシシラン、テトラフェノキシシラ
ン、テトラアセトキシシラン、テトラアリロキシシラ
ン、テトラキス(2−メトキシエトキシ)シラン、テト
ラキス(2−エチルブトキシ)シラン、テトラキス(2
−エチルヘキシロキシ)シラン等があげられる。コロイ
ダルシリカは粒径1〜100ミリミクロンのシリカ微粒
子をアルコール、水等の溶剤に分散させたものがあげら
れる。多官能性エポキシ化合物の具体例としては、1,
6−ヘキサンジオールジグリシジルエーテル、エチレン
グリコールジグリシジルエーテル、ジエチレングリコー
ルジグリシジルエーテル、トリエチレングリコールジグ
リシジルエーテル、テトラエチレングリコールジグリシ
ジルエーテル、ノナエチレングリコールジグリシジルエ
ーテル、プロピレングリコールジグリシジルエーテル、
ジプロピレングリコールジグリシジルエーテル、トリプ
ロピレングリコールジグリシジルエーテル、テトラプロ
ピレングリコールジグリシジルエーテル、ノナプロピレ
ングリコールジグリシジルエーテル、ネオペンチルグリ
コールジグリシジルエーテル、ネオペンチルグリコール
ヒドロキシヒバリン酸エステルのジグリシジルエーテ
ル、トリメチロールプロパンジグリシジルエーテル、ト
リメチロールプロパントリグリシジルエーテル、グリセ
ロールジグリシジルエーテル、グリセロールトリグリシ
ジルエーテル、ジグリセロールジグリシジルエーテル、
ジグリセロールトリグリシジルエーテル、ジグリセロー
ルテトラグリシジルエーテル、ペンタエリスリトールジ
グリシジルエーテル、ペンタエリスリトールトリグリシ
ジルエーテル、ペンタエリスリトールテトラグリシジル
エーテル、ジペンタエリスリトールテトラグリシジルエ
ーテル、ソルビトールテトラグリシジルエーテル、トリ
ス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレートのジグリ
シジルエーテル、トリス(2−ヒドロキシエチル)イソ
シアヌレートのトリグリシジルエーテル、等の脂肪族エ
ポキシ化合物、イソホロンジオールジグリシジルエーテ
ル、ビス−2,2−ヒドロキシシクロヘキシルプロパン
ジグリシジルエーテル等の脂環族エポキシ化合物、レゾ
ルシンジグリシジルエーテル、ビスフェノールAジグリ
シジルエーテル、ビスフェノールFジグリシジルエーテ
ル、ビスフェノールSジグリシジルエーテル、オルトフ
タル酸ジグリシジルエステル、フェノールノボラックポ
リグリシジルエーテル、クレゾールノボラックポリグリ
シジルエーテル等の芳香族エポキシ化合物等が挙げられ
る。さらに本発明に使用するハードコート層は従来公知
の各種添加剤を含むことが可能である。塗布性の向上を
目的とした各種レベリング剤、耐候性の向上を目的とし
た紫外線吸収剤や酸化防止剤、さらに染料や顔料等の添
加剤を含むことが可能である。
【0020】本発明でもちいる無機物質からなる反射防
止膜を形成する被層化方法としては、真空蒸着法、イオ
ンプレーティング法、スパッタリング法等が挙げられ
る。真空蒸着法においては、蒸着中にイオンビームを同
時に照射するイオンビームアシスト法を用いてもよい。
また、層構成としては、単層反射防止膜もしくは多層反
射防止膜のどちらを用いてもかまわない。
【0021】使用される無機物の具体例としては、Si
2,SiO,ZrO2,TiO2,TiO,Ti23
Ti25,Al23,Ta25,CeO2,MgO,Y2
3,SnO2,MgF2,WO3などが挙げられる。これ
らの無機物は単独で用いるかもしくは2種以上の混合物
を用いる。
【0022】また、反射防止膜を形成する際には、ハー
ドコート層の表面処理を行なうことが望ましい。この表
面処理の具体的例としては、酸処理,アルカリ処理,紫
外線照射処理,アルゴンもしくは酸素雰囲気中での高周
波放電によるプラズマ処理,アルゴンや酸素もしくは窒
素などのイオンビーム照射処理などが挙げられる。以
下、実施例により更に詳細に説明する。
【0023】
【発明の実施の形態】実施例により本発明を更に詳しく
説明するが、本発明はこれらに限定されるものではな
い。また得られたレンズをそれぞれ次に述べる方法で試
験、評価を行ない、その結果を表1に示した。 (a)外観:暗箱中で黒色の背景を用いて蛍光灯を用い
て、透過光、反射光で白濁と干渉縞について観察した。 (b)耐摩耗性:ボンスター#0000スチールウール
(日本スチールウール(株)製)で1Kgの荷重をか
け、10往復、表面を摩擦し、傷ついた程度を目視で評
価した。 (c)密着性:基材とハードコート層およびハードコー
ト層とマルチコート層との密着性は、JISD−020
2に準じてクロスカットテープ試験によって行なった。
即ち、ナイフを用い基材表面に1mm間隔に切れ目を入
れ、1平方mmのマス目を100個形成させる。次に、
その上へセロファン粘着テープ(ニチバン(株)製 商
品名「セロテープ」)を強く押し付けた後、表面から9
0度方向へ急に引っ張り剥離した後コート被層の残って
いるマス目をもって密着性指標とした。 (d)耐候性:キセノンランプによるサンシャインウェ
ザーメーターに400時間暴露した後の表面状態に変化
のないものを良とした。 (e)耐熱性(冷却サイクル性):70℃の温風中に1
時間保存した後表面状態を調べた。更に−5℃で15
分、60℃で15分のサイクルを5回繰り返し、表面状
態に変化のないものを良とした。 (f)耐湿試験:60℃×99%雰囲気に10日間放置
した後表面状態に変化のないものを良とした。 (g)耐久性:耐久性は本質的に密着性の接続であると
考え、(d)から(f)の試験を行なったものについ
て、上記のクロスカットテープ試験を行ないコート層に
剥離のないものを良とした。 (h)耐衝撃性試験:16.3gの硬球を127cmの
高さからレンズの凸面中心に自然落下させ、レンズの割
れを確認した。なお本試験に使用したレンズの中心厚は
すべて1.2mmのものとした。
【0024】(実施例1) (1−I)プラスチックレンズ基材の製造 ビス(2,3−エピチオプロピル)ジスルフィド50g
に、ビス(2−メルカプトエチル)スルフィド1.5
g、紫外線吸収剤としてSEESORB701(シプロ
化成工業)0.5gを加えて十分混合した後、N,N−
ジメチルシクロヘキシルアミン0.05gを加えて混合
し、常温で良く攪拌した後、5mmHgに減圧して攪拌
しながら10分間脱気を行った。この原料を、2枚の鏡
面仕上げのガラス板を用いて、粘着テープで保持した鋳
型中に注入し、30℃から130℃まで22時間かけて
昇温し、重合硬化させた。その後、型よりレンズを離型
し、130℃で2時間加熱してアニール処理を行った。
このようにして製造したプラスチックレンズは、屈折率
ne=1.741、アッベ数33、比重1.48の物が
得られた。 (1−II)プライマー用組成物の調製および塗布硬化 市販のポリウレタンLQ3510[三洋化成(株)製、
固形分濃度30%(ポリアルキレンアジペート使用)]
83gにトルエン/IPA(イソプロピルアルコール)
(混合比2/1)混合溶剤417gを加え固形分濃度5
%に希釈する。次に、この溶液に攪拌下ゆっくり、シリ
コン系界面活性剤(日本ユニカー(株)製L−700
2)0.3gを加えてプライマー組成物とした。このプ
ライマー組成物を、前記(1−I)で得られたプラスチ
ツクレンズ基材上に浸漬法(引き上げ速度15cm/m
in)にて塗布した。塗布した基材レンズは100℃で
30分間加熱硬化処理して、基材上に膜厚3.0μmの
プライマー層を形成させた。 (1−III)ハードコート組成物の調製および塗布硬化 ブチルセロソルブ76.6gおよびメチルセロソルブ分
散二酸化セリウム−二酸化チタン−二酸化ケイ素複合微
粒子ゾル(触媒化成工業(株)製、商品名「オプトレイ
ク1832」固形分濃度20wt%)60.2gおよび
γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン19gを
混合した。この混合液に0.1N塩酸水溶液5.4gを
攪拌しながら滴下を行い4時間攪拌後一昼夜熟成させ
た。この液にグリセロールトリグリシジルエーテル(ナ
ガセ化成工業(株)製、商品名「デナコールEX−31
4」)を15.4g添加した後、Fe(C5723
0.4gおよびMn(C57220.22g、シリコ
ン系界面活性剤(日本ユニカー(株)製、商品名「FZ
−2110」0.1gおよびフェノール系酸化防止剤
(川口化学工業(株)製、商品名「アンテージクリスタ
ル」)0.2gを添加し4時間攪拌後一昼夜熟成させて
塗液とした。このハードコート組成物を、前記(1−I
I)で得たプライマー層を有するプラスチックレンズ基
材のプライマー層上に、浸漬法(引き上げ速度12cm
/min)にて塗布した。塗布したレンズは130℃で
90分間加熱硬化処理してプライマー層上に膜厚2.5
μmのハードコート層を形成させた。得られたプラスチ
ックレンズ(プライマー層、ハードコート層付き)は外
観、耐衝撃性、コート膜の密着性、耐候性に優れたもの
であった。
【0025】(実施例2)実施例1で得られたプラスチ
ックレンズを酸素ガスによるイオンビーム照射処理(加
速電圧500V×60秒)を行なった後、基板から大気
にむかって順に、SiO2、ZrO2、SiO2、Ti
2、SiO2の5層からなる反射防止多層膜を真空蒸着
法(真空器械工業(株)製;BMC−1000)にて形
成を行なった。その際4層目のTiO2をイオンビーム
アシスト蒸着により成膜を行った。蒸着各層の光学的膜
厚は、最初のSiO2、次のZrO2とSiO2の等価膜
層がλ/4、TiO2層がλ/2、最上層のSiO2層が
λ/4となる様に形成した。なお、設計波長λは520
nmとした。得られた多層膜の反射干渉色は緑色を呈
し、全光線透過率は99%であった。得られたプラスチ
ックレンズ(プライマー層、ハードコート層、反射防止
膜付き)は外観、耐衝撃性、コート膜の密着性、耐候性
に優れたものであった。
【0026】(実施例3) (3−I)プラスチックレンズ基材の製造 実施例1(1−I)と同様の方法で処理を行った。 (3−II)プライマー用組成物の調製および塗布硬化 市販の水性エマルションポリウレタン「スーパーフレッ
クス150)」(第一工業製薬株式会社製、固形分濃度
30%、無黄変型、エーテル・エステル系)140g、
純水280g、メタノール80gを加え固形分濃度8%
に希釈する。このプライマー組成物を、前記(3−I)
で得られたプラスチツクレンズ基材上に浸漬法(引き上
げ速度10cm/min)にて塗布した。塗布した基材
レンズは100℃で10分間加熱硬化処理して基材上に
膜厚1.0μmのプライマー層を形成させた。 (3−III)ハードコート組成物の調製および塗布硬化 実施例1(1−III)と同様の方法で処理を行った。得
られたプラスチックレンズ(プライマー層、ハードコー
ト層付き)は外観、耐衝撃性、コート膜の密着性、耐候
性に優れたものであった。
【0027】(実施例4)実施例3で得られたプラスチ
ックレンズをプラズマ処理(アルゴンプラズマ400W
×60秒)を行った後、基板から大気にむかって順に、
ZrO2、SiO2、ZrO2、SiO2の4層からなる
反射防止多層膜を真空蒸着法(真空機器工業(株)製:
BMCー1000)にて、成膜温度250℃の条件で膜
形成を行った。各層の光学的膜厚は、最初のZrO2
SiO2の等価膜層および次のZrO2層、最上層のSi
2層がそれぞれλ/4となる様に形成した。なお、設
計波長λは520nmとした。得られた多層膜の反射干
渉色は緑色を呈し、全光線透過率は99.0%であっ
た。得られたプラスチックレンズ(プライマー層、ハー
ドコート層、反射防止膜付き)は外観、耐衝撃性、コー
ト膜の密着性、耐候性に優れたものであった。
【0028】(実施例5) (5−I)プラスチックレンズ基材の製造 実施例1(1−I)と同様の方法で処理を行った。 (5−II)プライマー用組成物の調製および塗布硬化 ポリイソシアネートとしてヘキサメチレンジイソシアネ
ート(和光純薬工業株式会社製、試薬1級)33.6g
をシクロヘキサノン200gに溶解させ、40℃で撹拌
しながら触媒としてジブチル錫ジラウレートを少量添加
した。次にブタノンオキシムを少量ずつ添加し、IR測
定でイソシアネートの吸収がなくなるまでブタノンオキ
シムを少量ずつ添加した。この液に1,10−デカンジ
チオール(和光純薬工業株式会社製、試薬1級)41.
2g、およびシリコン系界面活性剤「L7604」(日
本ユニカー(株)製)0.2gを混合し充分に撹拌を行
ないプライマー組成物とした。このプライマー組成物
を、前記(5−I)で得られたプラスチツクレンズ基材
上に浸漬法(引き上げ速度20cm/min)にて塗布
した。塗布した基材レンズは120℃で50分間加熱硬
化処理して基材上に膜厚2.5μmのプライマー層を形
成させた。 (5−III)ハードコート組成物の調製および塗布硬化 ブチルセロソルブ44.2gおよびγーグリシドキシプ
ロピルトリメトキシシラン28.7gを混合し、この混
合液に0.1N塩酸水溶液7.9gを攪拌しながら滴下
を行い4時間攪拌後一昼夜熟成させた。この液に市販の
金属酸化物ゾル「オプトレイク1120Z(S−7,
G)」触媒化成株式会社製:ZrO2/TiO2=0.0
2、SiO2/TiO2=0.22、粒径:10nm、固
形分濃度:20%」110gを加え攪拌した後、この液
にグリセロールトリグリシジルエーテル(ナガセ化成工
業(株)製、商品名「デナコールEX−314」)を
7.5gを添加し、さらにFe(C5723を0.4
gおよびMn(C57220.22g、シリコン系界
面活性剤(日本ユニカー(株)製、商品名「FZ−21
10」0.1gおよびフェノール系酸化防止剤(川口化
学工業(株)製、商品名「アンテージクリスタル」)
0.2gを添加し4時間攪拌後一昼夜熟成させて塗液と
した。このハードコート組成物を、前記(5−II)で得
たプライマー層を有するプラスチックレンズ基材のプラ
イマー層上に、浸漬法(引き上げ速度25cm/mi
n)にて塗布した。塗布したレンズは130℃で90分
間加熱硬化処理してプライマー層上に膜厚2.0μmの
ハードコート層を形成させた。得られたプラスチックレ
ンズ(プライマー層、ハードコート層付き)は外観、耐
衝撃性、コート膜の密着性、耐候性に優れたものであっ
た。
【0029】(実施例6)実施例5で得られたプラスチ
ックレンズを実施例4と同様の方法で処理を行った。得
られたプラスチックレンズ(プライマー層、ハードコー
ト層、反射防止膜付き)は外観、耐衝撃性、コート膜の
密着性、耐候性に優れたものであった。
【0030】(実施例7) (7−I)プラスチックレンズ基材の製造 ビス(2,3−エピチオプロピル)ジスルフィド50g
に、4,8 or 4,7or 5,7−ジメルカプトメ
チル−1,11−ジメルカプト−3,6,9−トリチア
ウンデカン5g、紫外線吸収剤としてSEESORB7
01(シプロ化成工業)0.5gを加えて十分混合した
後、N,N−ジメチルシクロヘキシルアミン0.05g
を加えて混合し、以降実施例1(1−I)と同様にして
プラスチックレンズを作製した。このようにして製造し
たプラスチックレンズは、屈折率ne=1.739、ア
ッベ数33、比重1.47の物が得られた。 (7−II)プライマー用組成物の調製および塗布硬化 市販の水性エマルションポリウレタン「スーパーフレッ
クス300」(第一工業製薬株式会社製、固形分濃度3
0%、無黄変型、エーテル・エステル系)140g、純
水280g、Fe23/TiO2複合体の水性ゾル(F
23/TiO2=2/97、平均粒径30nm、固形
分濃度10%)90gを混合する。このプライマー組成
物を、前記(7−I)で得られたプラスチツクレンズ基
材上に浸漬法(引き上げ速度10cm/min)にて塗
布した。塗布した基材レンズは100℃で30分間加熱
硬化処理して基材上に膜厚0.8μmのプライマー層を
形成させた。 (7−III)ハードコート組成物の調製および塗布硬化 実施例5(5−III)と同様の方法で処理を行った。得
られたプラスチックレンズ(プライマー層、ハードコー
ト層付き)は外観、耐衝撃性、コート膜の密着性、耐候
性に優れたものであった。
【0031】(実施例8)実施例7で得られたプラスチ
ックレンズを実施例2と同様の方法で処理を行った。得
られたプラスチックレンズ(プライマー層、ハードコー
ト層、反射防止膜付き)は外観、耐衝撃性、コート膜の
密着性、耐候性に優れたものであった。
【0032】(実施例9) (9−I)プラスチックレンズ基材の製造 実施例7(7−I)と同様の方法で処理を行った。 (9−II)プライマー用組成物の調製および塗布硬化 ブロック型のポリイソシアネート「コロネート252
9」(日本ポリウレタン工業(株))45g、ポリエス
テルポリオール「ニッポラン1100」(日本ポリウレ
タン工業(株))32g、エチルセロソルブ170gを
混合して、そこへ市販の金属酸化物ゾル「オプトレイク
1120Z(S−7,G)」触媒化成株式会社製:Zr
2/TiO2=0.02、SiO2/TiO2=0.2
2、粒径:10nm、固形分濃度:20%」90g、シ
リコン系界面活性剤を0.15重量部添加し、充分に撹
拌混合する。このプライマー組成物を、前記(9−I)
で得られたプラスチツクレンズ基材上に浸漬法(引き上
げ速度20cm/min)にて塗布した。塗布した基材
レンズは100℃で50分間加熱硬化処理して基材上に
膜厚1.2μmのプライマー層を形成させた。 (9−III)ハードコート組成物の調製および塗布硬化 実施例5(5−III)と同様の方法で処理を行った。得
られたプラスチックレンズ(プライマー層、ハードコー
ト層付き)は外観、耐衝撃性、コート膜の密着性、耐候
性に優れたものであった。
【0033】(実施例10)実施例9で得られたプラス
チックレンズを実施例4と同様の方法で処理を行った。
得られたプラスチックレンズ(プライマー層、ハードコ
ート層、反射防止膜付き)は外観、耐衝撃性、コート膜
の密着性、耐候性に優れたものであった。
【0034】(比較例1)実施例1において、前記(1
−II)のプライマー層を形成せずに処理を行った以外
は、すべて実施例1と同様に処理を行いプラスチックレ
ンズを作製した。
【0035】(比較例2)比較例1で得られたレンズを
実施例4と同様の方法で処理を行いプラスチックレンズ
を作製した。
【0036】
【表1】
【0037】
【発明の効果】以上詳述したように、本発明により、分
子内に1つ以上のジスルフィド結合を有する(チオ)エ
ポキシ化合物を含有する重合性組成物を硬化して得られ
る高屈折率のプラスチックレンズにおいて、各種品質
(外観、耐摩耗性、耐熱性、耐湿性、耐衝撃性、耐候
性、透明樹脂と表面処理層との密着性、耐久性等)の優
れたプラスチックレンズを提供することが可能である。
特に優れた外観と耐衝撃性、密着性、耐候性を実現し
た。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) G02B 1/10 G02B 1/10 A G02C 7/02 Z Fターム(参考) 2K009 AA07 AA15 BB23 CC03 CC09 CC35 CC42 DD02 DD03 DD06 4J002 CK031 CK041 CK051 DE096 DE106 DE116 DE126 DE136 DE146 DJ016 GH02 GP01 HA05 4J038 DG001 DG111 DG131 DG191 DG261 HA216 KA20 NA19 PA07 PB08 PC08

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】分子内に1つ以上のジスルフィド結合を有
    する(チオ)エポキシ化合物を含有する重合性組成物を
    硬化して得られる透明樹脂上に形成されたプライマー層
    と、該プライマー層上に形成されたハードコート層を設
    けたプラスチックレンズにおいて、前記プライマー層が
    ポリウレタン樹脂から形成されたものであることを特徴
    とするプラスチックレンズ。
  2. 【請求項2】請求項1に記載のプラスチックレンズにお
    いて、さらに前記プライマー層が無機微粒子を含有する
    ことを特徴とするプラスチックレンズ。
  3. 【請求項3】請求項1または2に記載のプラスチックレ
    ンズにおいて、さらにハードコート層の表面に無機物質
    からなる反射防止膜を有することを特徴とするプラスチ
    ックレンズ。
  4. 【請求項4】請求項1から3のいずれか1項に記載のプ
    ラスチックレンズにおいて、前記プライマー層に含まれ
    るポリウレタン樹脂が、ポリエーテルポリオール類、ポ
    リエーテルポリオール変性体、ポリエステルポリオール
    類、ポリブタジエンポリオール類、ポリアミン類、アル
    カノールアミン類、ポリチオール類から選ばれる活性水
    素含有化合物とポリイソシアネートとから得られるポリ
    ウレタン樹脂であることを特徴とするプラスチックレン
    ズ。
  5. 【請求項5】請求項1から4のいずれか1項に記載のプ
    ラスチックレンズにおいて、前記プライマー層に含まれ
    る無機微粒子がSi,Al,Sn,Sb,Ta,Ce,
    La,Fe,Zn,W,Zr,In,Tiから選ばれる
    1種以上の金属の金属酸化物からなる、微粒子または複
    合微粒子であることを特徴とするプラスチックレンズ。
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