JP2001194779A - 感光性導体ペースト - Google Patents

感光性導体ペースト

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JP2001194779A
JP2001194779A JP2000001347A JP2000001347A JP2001194779A JP 2001194779 A JP2001194779 A JP 2001194779A JP 2000001347 A JP2000001347 A JP 2000001347A JP 2000001347 A JP2000001347 A JP 2000001347A JP 2001194779 A JP2001194779 A JP 2001194779A
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acrylate
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carbon double
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JP2000001347A
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Nobuo Matsumura
宣夫 松村
Takenori Kamioka
武則 上岡
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Toray Industries Inc
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Toray Industries Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】感光性導体ペーストは、焼成後の比抵抗値が高
くなる問題があった。 【解決手段】本発明は、感光性樹脂単位重量中に含まれ
る炭素−炭素2重結合の量を2.0mmol/g以上に
することにより、焼成後に低い抵抗値を示す感光性導体
ペーストを得るものである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はセラミックス基板や
ガラス基板上に微細配線パターンを形成するための感光
性導体ペーストに関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、パソコンおよびPCカードに搭載
するマルチチップモジュール、チップサイズパッケー
ジ、あるいは携帯電話などの移動体通信機器用途の高周
波用フィルター、チップインダクター、積層コンデンサ
ーなどの電子部品あるいはセラミックス多層基板に対し
て、小型化や高密度化、高精細化、高信頼性の要求が高
まってきている。また、プラズマディスプレイなどの表
示装置の高精細化に伴い、電極の微細化への要求も高ま
ってきている。これらの要求に対して、各種の微細な導
体膜形成方法が提案されている。
【0003】代表的な方法としては、薄膜法、メッキ法
および厚膜印刷法がある。薄膜法は、スパッタ、蒸着な
どで成膜した後に、フォトリソグラフィー技術で解像度
L/S=20/20μm以上のパターニングが可能であ
るが、この方法では導体膜の膜厚はスパッタや蒸着のプ
ロセス時間に比例し、厚くするためには長時間を有する
ために薄い膜しか得られず、その結果回路としてのイン
ピーダンスが高くなるという欠点がある。またメッキ法
では、十分な厚膜を形成するのにメッキ速度が問題にな
り、また大量の金属を含んだメッキ液の廃液が問題とさ
れる。
【0004】一方、スクリーン印刷で導体粉末と樹脂よ
りなるペーストをパターン印刷後、焼成して導体形成さ
れる厚膜印刷法では、導体膜を厚くすることや、抵抗体
などの受動素子を同時形成することが容易であるが、そ
の反面、L/S=50/50μm以下の解像度で、一定
幅のライン形成が困難であり、また断面形状が蒲鉾上に
なり電気的特性面の設計が困難であるという問題があっ
た。
【0005】厚膜印刷法の解像性、断面形状を改善する
ものとして、感光性ペースト法がある。これは、厚膜印
刷用の導体ペーストとして感光性を有するものを使用
し、基板全面に印刷後、マスク露光、現像の工程を経る
ことで高解像度の厚膜導体パターンを形成し得るもので
ある。感光性ペーストとしては、金属粉末を光硬化性樹
脂に混合したものが多く用いられる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】感光性ペースト法はこ
のように優れた方法ではあるが、非感光性のペーストと
比較して焼成性が悪く、焼成後の導体の抵抗値が高いと
いう問題があった。 即ち、非感光性のペーストでは、
バインダー樹脂は導体粉末のつなぎとしての必要最低量
含まれておればよく、その場合の樹脂の固形分量は導体
粉末に対して10%未満である。それに対して、感光性
のペーストでは、バインダー樹脂は導体粉末の繋ぎとし
てだけではなく、感光性を有しておりフォトリソグラフ
ィーによるパターン加工性を担う成分であるので、十分
なパターン加工性を得るためには導体粉末に対して一定
量以上の分量、具体的には10重量%から30重量%含
まれている必要がある。導体ペーストは焼成の際に、有
機成分が熱分解して揮発し、残された導体粉末およびガ
ラスフリットなどの無機成分のみが焼結することで導体
膜を形成するものであるので、有機成分の量が多いと分
解揮発するのに時間がかかり、焼成性の点からは望まし
くない。
【0007】さらに、非感光性のペーストでは、バイン
ダー樹脂成分は熱分解性が良好であるという点からのみ
選択すれば良いのに対して、感光性のペーストでは、バ
インダー樹脂は感光性を有するために光重合性の官能基
を持つ必要があり、これが熱分解温度を上げる原因とな
る。
【0008】また、非感光性ペーストでは、導体粉末自
体も焼結性の良好な1μm以下の微細な粉末や薄片状の
粉末を用いることがあるが、これらの粉末はいずれも光
線の透過を妨げるために、感光性ペーストでは1μm以
上の球状、または粒状の導体粉末を用いるが、このこと
も焼結性の点では不利である。
【0009】特に、プラズマディスプレイパネルなどの
表示素子電極用途では、ガラス基板上に電極を形成する
ために、セラミックス電子部品やセラミックス基板上で
の場合に比較して焼成温度が低くなるためにこの問題は
顕著である。
【0010】本発明の目的は、感光性導体ペーストにお
いて、低温での焼成性を向上し、比抵抗値の低い微細導
体パターンを得ることにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明は、導体粉末と感
光性樹脂を含有する導体ペーストであって、感光性樹脂
の重量に対する炭素−炭素2重結合の量が2.0mmo
l/g以上であることを特徴とする感光性導体ペースト
である。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、本発明を具体的に説明す
る。本発明は、感光性導体ペーストにおいて、感光性樹
脂の単位重量当たりに含まれる、炭素−炭素2重結合の
量が2.0mmol/g以上であることを特徴とする感
光性導体ペーストである。
【0013】感光性樹脂とは、ポリマーと、1分子中に
2つ以上の炭素−炭素2重結合を有する多官能モノマー
と、光重合開始剤を必須成分とする、感光性ペースト中
の感光性を担う有機成分のことである。
【0014】感光性樹脂成分中のポリマーは特に限定さ
れないが、感光性樹脂のパターン加工が、有機溶媒では
なくアルカリ水溶液現像で行えるためにアルカリ可溶性
のポリマーであることが望ましい。アルカリ可溶性のポ
リマーとしては、アクリル系共重合体があげられる。ア
クリル系共重合体とは、共重合成分に少なくともアクリ
ル系モノマーを含む共重合体であり、アクリル系モノマ
ーとは、具体的な例としては、メチルアクリレート、エ
チルアクリレート、n−プロピルアクリレート、イソプ
ロピルアクリレート、n−ブチルアクリレート、sec
−ブチルアクリレート、イソブチルアクリレート、te
rt−ブチルアクリレート、n−ペンチルアクリレー
ト、アリルアクリレート、ベンジルアクリレート、ブト
キシエチルアクリレート、ブトキシトリエチレングリコ
ールアクリレート、シクロヘキシルアクリレート、ジシ
クロペンタニルアクリレート、ジシクロペンテニルアク
リレート、2−エチルヘキシルアクリレート、グリセロ
ールアクリレート、グリシジルアクリレート、ヘプタデ
カフロロデシルアクリレート、2−ヒドロキシエチルア
クリレート、イソボニルアクリレート、2−ヒドロキシ
プロピルアクリレート、イソデキシルアクリレート、イ
ソオクチルアクリレート、ラウリルアクリレート、2−
メトキシエチルアクリレート、メトキシエチレングリコ
ールアクリレート、メトキシジエチレングリコールアク
リレート、オクタフロロペンチルアクリレート、フェノ
キシエチルアクリレート、ステアリルアクリレート、ト
リフロロエチルアクリレート、アクリルアミド、アミノ
エチルアクリレート、フェニルアクリレート、フェノキ
シエチルアクリレート、1−ナフチルアクリレート、2
−ナフチルアクリレート、チオフェノールアクリレー
ト、ベンジルメルカプタンアクリレートなどのアクリル
系モノマー、およびこれらのアクリレートをメタクリレ
ートに代えたものなどが挙げられる。アクリル系モノマ
ー以外の共重合成分としては、炭素−炭素2重結合を有
する全ての化合物が使用可能であるが、好ましくはスチ
レン、p−メチルスチレン、o−メチルスチレン、m−
メチルスチレン、α−メチルスチレン、クロロメチルス
チレン、ヒドロキシメチルスチレンなどのスチレン類、
γ−メタクリロシキプロピルトリメトキシシラン、1−
ビニル−2−ピロリドン等が挙げられる。望ましくはア
クリル酸アルキルあるいはメタクリル酸アルキル、より
好ましくは少なくともメタクリル酸メチルを含むこと
で、熱分解性の良好な重合体を得ることが出来る。ポリ
マーがアルカリ可溶性を有することで現像液として環境
に問題のある有機溶媒ではなくアルカリ水溶液を用いる
ことが出来る。アクリル系共重合体にアルカリ可溶性を
付与するためには、モノマーとして不飽和カルボン酸等
の不飽和酸を加えることにより達成される。不飽和酸の
具体的な例としては、アクリル酸、メタクリル酸、イタ
コン酸、クロトン酸、マレイン酸、フマル酸、酢酸ビニ
ル、またはこれらの酸無水物等が挙げられる。これらを
加えることによるポリマーの酸価は、現像性の観点から
80〜140の範囲であることが好ましい。
【0015】硬化速度を向上させるためには、ポリマー
の少なくとも一部が、側鎖または分子末端に炭素−炭素
2重結合を有することが好ましい。炭素−炭素2重結合
を有する基としては、ビニル基、アリル基、アクリル
基、メタクリル基などが挙げられる。このような官能基
をポリマーに付加させるには、ポリマー中のメルカプト
基、アミノ基、水酸基、カルボキシル基に対して、グリ
シジル基やイソシアネート基と炭素−炭素2重結合を有
する化合物や、アクリル酸クロライド、メタクリル酸ク
ロライドまたはアリルクロライドを付加反応させてつく
る方法がある。
【0016】グリシジル基と炭素−炭素2重結合を有す
る化合物としては、グリシジルメタクリレート、グリシ
ジルアクリレート、アリルグリシジルエーテル、グリシ
ジルエチルアクリレート、クロトニルグリシジルエーテ
ル、グリシジルクロトネート、グリシジルイソクロトネ
ートなどが挙げられる。イソシアナート基と炭素−炭素
2重結合を有する化合物としては、アクリロイルイソシ
アネート、メタクリロイルイソシアネート、アクリロイ
ルエチルイソシアネート、メタクリロイルエチルイソシ
アネート等がある。
【0017】多官能モノマーとしては、1分子中に炭素
−炭素2重結合を2つ以上有する化合物が用いられ、そ
の具体的な例としては、アリル化シクロヘキシルジアク
リレート、1,4−ブタンジオールジアクリレート、
1,3−ブチレングリコールジアクリレート、エチレン
グリコールジアクリレート、ジエチレングリコールジア
クリレート、トリエチレングリコールジアクリレート、
ポリエチレングリコールジアクリレート、ジペンタエリ
スリトールヘキサアクリレート、ジペンタエリスリトー
ルモノヒドロキシペンタアクリレート、ジトリメチロー
ルプロパンテトラアクリレート、グリセロールジアクリ
レート、メトキシ化シクロヘキシルジアクリレート、ネ
オペンチルグリコールジアクリレート、プロピレングリ
コールジアクリレート、ポリプロピレングリコールジア
クリレート、トリグリセロールジアクリレート、トリメ
チロールプロパントリアクリレート、ビスフェノールA
ジアクリレート、ビスフェノールA−エチレンオキサイ
ド付加物のジアクリレート、ビスフェノールA−プロピ
レンオキサイド付加物のジアクリレート、または上記化
合物のアクリル基を1部または全てメタクリル基に代え
た化合物等が挙げられる。
【0018】発明者らは、これらポリマーの側鎖および
多官能モノマーに含まれる炭素−炭素2重結合の量が多
い場合に、焼結後の導体の抵抗値が低くなることを発見
した。望ましい量としては、感光性樹脂成分の単位重量
当たりの炭素−炭素2重結合のモル数として2.0mm
ol/g以上である。
【0019】ペースト中の感光性樹脂成分の単位重量あ
たりの炭素−炭素2重結合モル数を調べるには例えば次
のようにして行う。ペーストの有機溶媒可溶成分を、I
R、NMR、GC/MSおよびHPLC等を用いて、有
意成分の定量分析を行う。それらのうち、感光性樹脂成
分、すなわちポリマー成分、多官能モノマー成分など、
炭素−炭素2重結合を持つ化合物を定量し、その構造式
から2重結合の数を算出し、全感光性樹脂成分の単位重
量当たりに含まれる炭素−炭素2重結合のモル数を決定
することが出来る。
【0020】炭素−炭素2重結合はラジカル重合により
感光性樹脂を架橋させるので、これが多い場合には光あ
るいは熱による架橋により樹脂の収縮が生じ、これによ
り焼成時に導体粉末は圧縮応力を受けて焼結することに
なり、より緻密な焼結体が得られることにより比抵抗値
が下がるものと考えられる。しかし架橋密度が上がる
と、熱分解による感光性樹脂の揮発が遅くなる恐れがあ
るために好ましくない。これを防ぐためには、多官能モ
ノマーとして複数のアクリル基の間を熱分解しやすいエ
チレンオキサイドやプロピレンオキサイドなどの繰り返
し単位で結合した変性モノマーを用いることが好まし
い。
【0021】これら変性モノマーの例としては、エチレ
ンオキサイド変性トリメチロールプロパントリアクリレ
ートや、プロピレンオキサイド変性モノマーである日本
化薬(株)の“カヤラッドTPA−330”、同じく日
本化薬(株)の“カヤラッドHX−620”などがあげ
られる。
【0022】ポリマーと多官能モノマーの好ましい比率
は、ポリマーおよび多官能モノマーのそれぞれが炭素−
炭素2重結合を単位重量当たりいくらずつ含むかによっ
て異なってくる。ポリマーには炭素−炭素2重結合を含
まない場合もあり、含む場合においても、通常はポリマ
ーの単位重量あたりの炭素−炭素2重結合のモル数は多
官能モノマーに比較すると遙かに少ない。従って、感光
性樹脂成分中の炭素−炭素2重結合量を増大させるため
には、多官能モノマーの比率を増加することが好まし
い。しかし、多くの多官能モノマーは液状であるため
に、ポリマーに対するモノマーの比率を増加しすぎると
ペーストを塗布乾燥した場合に表面に粘着性が残り、取
り扱いが難しくなる。ポリマーに炭素−炭素2重結合が
含まれず、且つ多官能モノマーが一般的な3官能性モノ
マーである場合には、ポリマーが100重量部に対して
好ましい多官能モノマーの量は70重量部以上200重
量部未満である。ポリマーに炭素−炭素2重結合が含ま
れる場合および/または多官能モノマーとして5官能あ
るいは6官能モノマーすなわち炭素−炭素2重結合量の
多く含まれるものを用いる場合においては、多官能モノ
マーの量はより少なくても良好な結果が得られる。この
場合、ポリマー100重量部に対して好ましい多官能モ
ノマーの量は5重量部以上200重量部未満である。
【0023】感光性樹脂の熱分解温度は、熱重量分析に
よる重量減少速度がピークとなる温度で定義すると、ペ
ーストの焼成温度を基準としてそれよりも150℃以上
低いことが望ましい。表示素子電極用途では、ガラス基
板上に電極を形成するために焼成温度は600℃未満で
あることから、ペーストの感光性樹脂の熱分解温度は4
50℃未満が望ましい。
【0024】光重合開始剤としては、市販の光ラジカル
開始剤が好適に使用できる。例えば、2−ベンジル−2
−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)
−ブタノン−1、あるいはビス(2,4,6−トリメチ
ルベンゾイル)−フェニルフォスフィンオキサイド、2
−メチル−1[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モ
ルフォリノプロパン−1−オンに、2,4−ジエチルチ
オキサントンなどが例として挙げられるが、本発明に使
用できる光重合開始剤系はこれらに限定されるものでは
ない。
【0025】本発明で用いられる金属粉末の形状は、単
分散で凝集がなく、球状あるいは粒状であることが望ま
しい。この場合、球状とは球形率が80個数%以上が好
ましい。球状率の測定は、粉末を光学顕微鏡で300倍
の倍率にて撮影して計数し球状のものの比率を表した。
球状であると露光時に光線の散乱が非常に少なくなり、
膜の内部まで光線を透過させやすい。
【0026】本発明で用いられる金属粉末としては、
金、銀、銅、白金、パラジウム、ニッケル、タングステ
ン、モリブデンなどがあるが、特にこれらに限定される
ものではない。本発明の低温による焼成で低抵抗の導体
を得るという目的を考慮すると、比較的融点が低く、比
抵抗値の低い金属が好適であり、金、銀、銅が好まし
い。さらに、金は非常に高価であること、銅は酸化しや
すいので空気中では焼成できないことなどから最も好適
であるのは銀である。
【0027】金属粉末の平均粒子径は、1μm以上、6
μm以下の範囲であることが望ましい。平均粒子径が1
μm未満であると、樹脂に対して同体積の導体粉末を添
加した場合に、粉末の表面積が大きくなり、また空隙が
少なくなるために多くの光を遮り、ペースト内部への光
線透過率を低下させる。6μmより大きい場合は、塗布
した場合の表面粗さが大きくなり、さらにパターン精度
や寸法精度が低下するため好ましくない。
【0028】次に本発明による感光性ペーストを用いた
パターンの形成例について説明するが、本発明はこれに
限定されるものではない。
【0029】アルミナ基板、ガラス基板等の上にスクリ
ーン印刷でペーストを塗布し、乾燥する。70℃〜10
0℃で数分から1時間加熱して乾燥した後。マスクを介
して露光する。マスクは、所望する電極形状に対してネ
ガ型のものを使用し、露光は高圧水銀灯等により、露光
量は例えばi線(365nm)における測定で10〜3
00mJ/cm2で行う。露光後、アルカリ水溶液を現
像液として現像を行う。アルカリ水溶液は、金属分の残
留を防ぐためにテトラメチルアンモニウムヒドロキシド
やエタノールアミンなどの有機アルカリが好ましい。現
像液で所定時間現像した後、水洗を行う。これら現像と
水洗は、浸漬、スプレー、パドルなどで行うことが出来
るが、より高い解像度が得られるのでスプレー現像が好
ましい。現像液のスプレー時間は20秒から200秒で
あり、水洗は同じくスプレーで10秒から60秒で行
う。スプレーする際に、基板を回転させておくことが現
像の均一性の点から好ましい。回転速度は100〜10
00rpmが好ましい。水洗後、回転を上げて余分な水
を振り切り、乾燥させる。このときの回転数は1000
〜4000回転である。必要であればオーブンなどで完
全に水分を除去した後、マッフル炉、ベルト炉等で焼成
を行い、有機成分を揮発させると共に無機粉末を焼結さ
せることにより導体膜ないし絶縁層を形成できる。焼成
の雰囲気は、大気中、または窒素雰囲気で行われる。導
体粉末が銅などの酸化しやすい金属である場合は、酸素
を10〜100ppm含有する窒素雰囲気、あるいは水
素雰囲気等で、800〜1000℃の温度で1〜60分
保持して焼成し、パターンを作成する。
【0030】この構成により、パターン加工性に優れ、
焼成後に比抵抗の低い導体パターンを形成できる感光性
ペーストが得られるものである。
【0031】このようにして得られる導体パターンは、
プラズマディスプレイ用途においてガラス基板上に銀に
よりバス電極パターンを形成するのに好ましい比抵抗値
である4.0μΩ・cm未満となる。4.0μΩ・cm
以上であると、配線抵抗が高くなるために、駆動電力が
大きくなってしまうので好ましくない。
【0032】本発明の感光性ペーストにより形成するパ
ターンは、低温で焼成する場合に特にその効果が発揮さ
れるため、セラミックス基板に比べて耐熱性の低いガラ
ス基板上に導体形成する場合に好適であり、特にディス
プレイ用途に好適であるが、ノートパソコンや携帯電話
に実装されるMCM(マルチチップモジュール)用基板
の電極、CSP(チップサイズパッケージ)用基板の電
極をはじめ、チップインダクター、チップコンデンサー
などのチップ部品の電極、モジュール基板の電極など、
セラミックスまたはガラスセラミックス基板上に導体形
成する場合にも適用可能である。
【0033】
【実施例】以下の実施例で本発明を具体的に説明する
が、本発明はこれら実施例により何等の制限を受けるも
のではない。
【0034】表1に示した各組成(重量部で記載)につ
いて、以下に述べる要領でペーストの調整を行った。
【0035】A.銀粉末 単分散粒状 平均粒子径2.0μm 比表面積1.2
(m2/g) タップ密度 4.0(g/cm3)(大同特殊鋼(株)
製) B.ポリマー (1)グリシジルメタクリレート変性メタクリル酸−メ
タクリル酸メチル共重合体(酸価110、重量平均分子
量30000) (2)メタクリル酸−メタクリル酸メチル共重合体(酸
価100、重量平均分子量30000) 分子量はゲルパーミエーションクロマトグラフィー(G
PC)でポリスチレン換算した。
【0036】C.多官能モノマー (1)プロピレンオキシド変性トリメチロールプロパン
トリアクリレート 3官能モノマー 2重結合当量 157g/mol TPA−330(日本化薬(株)製) (2)ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート 6官能モノマー 2重結合等量 101g/mol DPHA(日本化薬(株)製) D.光開始剤 2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフ
ォリノフェニル)−ブタノン−1(チバスペシャリティ
ケミカルズのイルガキュア369:以下IC369とす
る)。
【0037】E.溶剤 γブチロラクトン F.分散剤 “ノプコスパース092”(サンノプコ製) G.レベリング剤 LC−951(楠本化成製)(有効濃度は10重量%、
残りは溶剤) H.ガラスフリット ガラス転移点461℃、ガラス軟化点510℃、平均粒
子径0.9μm、90%粒子径1.7μm、トップサイ
ズ3.3μm I.現像液 テトラエチルアンモニウムヒドロキシド 0.1重量%
水溶液 J.粘度調整剤 ”アエロジル”200(日本アエロジル製) 以下の作業は、全て黄色灯下で行った。
【0038】ペースト調整 (1)ポリマーと溶剤を混合し、60℃で3時間加熱し
て溶解させた。 (2)ポリマー溶液を室温に冷却し、その他の有機組成
と、金属粉末を混合し、モーターと撹拌羽を用いて20
0rpmで30分室温で均一に混合した。 (3)得られたスラリーを、3本ロール(EXACT
model 50)で混練し、ペーストを得た。
【0039】パターン加工と比抵抗測定 幅300μm、長さ374.4mmのミアンダ形状の比
抵抗測定用配線パターンを形成した。(1)ペーストを
ガラス基板(120mm角、厚み1.2mm)上に、幅
55〜120μm、ピッチ140μmのストライプパタ
ーン(長さ100mm)のスクリーンマスク(SUS#
325メッシュ)を用いて印刷し、80℃で40分間乾
燥した。乾燥後の厚みは10μmであった。 (1)高圧水銀灯(15mW/cm2)を用いて、パタ
ーンマスクを介してペーストの露光を10秒間行った。 (2)アルカリ現像液(0.1%TMAH水溶液)を用
いて、露光後の基板を浸漬し、揺動させて現像し、その
後水シャワーでリンスした。 (3)ボックス炉により焼成した。室温から580℃ま
で2時間で昇温し、580℃で20分保持した後、炉内
にて自然冷却した。 (4)焼成後の配線幅と、膜厚を測定した。配線幅はビ
デオマイクロメーター(オリンパス光学(株)製“VM
−10”)で測定し、膜厚は表面形状測定装置“サーフ
コム1500A”(東京精密製)で測定した。 (5)配線パターンの電気抵抗値を測定した。 (6)配線の比抵抗を次式により計算した。 比抵抗計算式(末尾の÷10は単位換算) 比抵抗(μΩ・cm) =抵抗測定値(Ω)×線幅(μm)×膜厚(μm)÷配
線長(mm)÷10 結果を全て表1にまとめた。
【0040】
【表1】
【0041】実施例1、2は、炭素−炭素2重結合がい
ずれも2.0mmol/g以上であり、低い抵抗値であ
った。比較例1、2では、比抵抗はいずれも4.0μΩ
・cm以上であり、銀配線としては好適ではなかった。
【0042】
【発明の効果】本発明は上述のような構成を有すること
により、焼成後に低い比抵抗値を示す感光性導体ペース
トが得られるものである。

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】導体粉末と、感光性樹脂を含有する導体ペ
    ーストであって、感光性樹脂の重量に対する炭素−炭素
    2重結合の量が2.0mmol/g以上であることを特
    徴とする感光性導体ペースト。
  2. 【請求項2】感光性樹脂として少なくともアルカリ可溶
    性ポリマーと、多官能モノマーと、光開始剤を含むこと
    を特徴とする請求項1記載の感光性導体ペースト。
  3. 【請求項3】アルカリ可溶性ポリマーが、アルカリ可溶
    性アクリル系共重合体であることを特徴とする請求項2
    記載の感光性導体ペースト。
  4. 【請求項4】アルカリ可溶性アクリル系共重合体が、側
    鎖に炭素−炭素2重結合を持つことを特徴とする請求項
    3記載の感光性導体ペースト。
  5. 【請求項5】多官能モノマーが、1分子中に2個から6
    個の炭素−炭素2重結合を有する多官能アクリルモノマ
    ーであることを特徴とする請求項2記載の感光性導体ペ
    ースト。
  6. 【請求項6】導体粉末が球状または粒状であることを特
    徴とする請求項1記載の感光性導体ペースト。
  7. 【請求項7】導体粉末の平均粒子径が1μm以上6μm
    以下であることを特徴とする請求項1記載の感光性導体
    ペースト。
  8. 【請求項8】導体粉末が、金、銀、銅、白金、パラジウ
    ムから選ばれる金属を少なくとも1種以上含むことを特
    徴とする請求項1記載の感光性導体ペースト。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007086661A (ja) * 2005-09-26 2007-04-05 Taiyo Ink Mfg Ltd ガラススラリー、及びそれを用いた感光性ペースト並びにプラズマディスプレイパネル
KR100769455B1 (ko) 2006-07-31 2007-10-22 전자부품연구원 감광성 저항용 페이스트로 내장형 저항체를 형성하는 방법
CN103198879A (zh) * 2013-03-06 2013-07-10 东南大学 一种正性感光电极浆料及其制备方法

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