JP4306012B2 - 感光性導体ペースト - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明はセラミックス基板やガラス基板上に微細配線パターンを形成するための感光性導体ペーストに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、パソコンおよびPCカードに搭載するマルチチップモジュール、チップサイズパッケージ、あるいは携帯電話などの移動体通信機器用途の高周波用フィルター、チップインダクター、積層コンデンサーなどの電子部品あるいはセラミックス多層基板に対して、小型化や高密度化、高精細化、高信頼性の要求が高まってきている。また、プラズマディスプレイなどの表示装置の高精細化に伴い、電極の微細化への要求も高まってきている。これらの要求に対して、各種の微細な導体膜形成方法が提案されている。
【0003】
代表的な方法としては、薄膜法、メッキ法および厚膜印刷法がある。薄膜法は、スパッタ、蒸着などで成膜した後に、フォトリソグラフィー技術で解像度L/S=20/20μm以上のパターニングが可能であるが、この方法では導体膜の膜厚はスパッタや蒸着のプロセス時間に比例し、厚くするためには長時間を有するために薄い膜しか得られず、その結果回路としてのインピーダンスが高くなるという欠点がある。またメッキ法では、焼成工程において抵抗体などの厚膜受動素子の形成が困難であるという問題がある。
【0004】
一方、スクリーン印刷で金属粉末と樹脂よりなるペーストをパターン印刷後、焼成して導体形成される厚膜印刷法では、導体膜を厚くすることや、抵抗体などの受動素子を同時形成することが容易であるが、その反面、L/S=50/50μm以下の解像度で、一定幅のライン形成が困難であり、また断面形状が蒲鉾上になり電気的特性面の設計が困難であるという問題があった。
【0005】
厚膜印刷法の解像性、断面形状を改善するものとして、感光性ペースト法がある。これは、厚膜印刷用の導体ペーストとして感光性を有するものを使用し、印刷後にマスク露光、現像の工程を経ることで高解像度の厚膜導体パターンを形成し得るものである。感光性ペーストとしては、金属やカーボンなどの金属粉末を光硬化性樹脂に混合したものが多く用いられる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
感光性ペースト法はこのように優れた方法ではあるが、非感光性のペーストと比較して材料の設計に制約がある。その一つとして、金属粉末の形状とサイズの制約があげられる。従来の厚膜印刷法で使用される非感光性導体ペーストでは、導体の焼結性を向上させる目的で、鱗片状の金属粉末を用いる、または非常にサイズの小さい、具体的には0.1μm以下の平均粒子径を持つ金属粉末、いわゆる超微粒子を用いるなどの工夫が行われてきた。鱗片状の粉末や超微粒子は焼結が容易であるために焼成後の比抵抗値が小さく電気伝導性に優れた導体が得られる。
【0007】
しかし、感光性ペーストでは、これらの粉末はいずれも使用することが困難である。感光性ペーストを露光する際に、ペースト中を光線が通過する必要があるが、このとき光線は金属粉末の隙間を抜けて通過することになる。鱗片状の粉末は印刷したときに基板に対して平行に配向する傾向があるために、基板面を隙間無く覆う形となり光線を遮断してしまう。また、金属粉末を微細化するほど、粉末間の隙間が小さくなり、やはり光線の透過は難しくなる。このため感光性の導体ペーストでは、光線の透過性を良好にし、パターン加工性を向上させるためには金属粉末は球状または塊状でなければならず、またそのサイズも極端に小さなものは使えないために、結果として焼成後の導体の電気伝導性が非感光性の導体ペーストに比較して劣ったものとなってしまう欠点があった。この欠点は、焼成温度が低い場合には特に問題になる。ディスプレイ用途では、ガラス基板上に導体を形成する必要があり、ガラスの耐熱温度はセラミックスに比較して低いので焼成温度を下げる必要がある。従って感光性ペーストの電気伝導性が悪いという欠点は、特にディスプレイ用途において顕著な問題となる。
【0008】
本発明の目的は、焼成後に電気伝導性の良好な感光性導体ペーストを供給することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明は、金属粉末と感光性樹脂と溶剤を必須成分とする導体ペーストであり、金属粉末の少なくとも一部として粒子径0.01μm以下の金属超微粒子を含有し、金属超微粒子の含有量が、金属粉末全量中、1重量%以上10重量%未満であることを特徴とする感光性導体ペーストである。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を具体的に説明する。
本発明は、金属粉末として鱗片状粉末を使用せず、また微細な粉末を含む量は少なく、そのほとんどを平均粒子径1μm以上6μm未満の粉末としたことによりパターン加工性が良好であり、また少量含んだ微細な0.1μm以下の粉末(以下金属超微粒子とする)が焼結性を向上するために、焼成後に電気伝導性の良好な感光性導体ペーストを得るものであり、感光性樹脂と金属粉末と、金属超微粒子からなる感光性導体ペーストによって達成される。
【0011】
本発明における感光性樹脂とは、ポリマーと、1分子中に2つ以上の炭素−炭素2重結合を有する多官能モノマーと、光重合開始剤を必須成分とする、感光性ペースト中の感光性を担う有機成分のことである。
【0012】
感光性樹脂中のポリマーは特に限定されないが、感光性樹脂のパターン加工が、有機溶媒ではなくアルカリ水溶液現像で行えるためにアルカリ可溶性のポリマーであることが望ましい。アルカリ可溶性のポリマーとしては、アクリル系共重合体があげられる。アクリル系共重合体とは、共重合成分に少なくともアクリル系モノマーを含む共重合体であり、アクリル系モノマーとは、具体的な例としては、メチルアクリレート、エチルアクリレート、n−プロピルアクリレート、イソプロピルアクリレート、n−ブチルアクリレート、sec−ブチルアクリレート、イソブチルアクリレート、tert−ブチルアクリレート、n−ペンチルアクリレート、アリルアクリレート、ベンジルアクリレート、ブトキシエチルアクリレート、ブトキシトリエチレングリコールアクリレート、シクロヘキシルアクリレート、ジシクロペンタニルアクリレート、ジシクロペンテニルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、グリセロールアクリレート、グリシジルアクリレート、ヘプタデカフロロデシルアクリレート、2−ヒドロキシエチルアクリレート、イソボニルアクリレート、2−ヒドロキシプロピルアクリレート、イソデキシルアクリレート、イソオクチルアクリレート、ラウリルアクリレート、2−メトキシエチルアクリレート、メトキシエチレングリコールアクリレート、メトキシジエチレングリコールアクリレート、オクタフロロペンチルアクリレート、フェノキシエチルアクリレート、ステアリルアクリレート、トリフロロエチルアクリレート、アクリルアミド、アミノエチルアクリレート、フェニルアクリレート、フェノキシエチルアクリレート、1−ナフチルアクリレート、2−ナフチルアクリレート、チオフェノールアクリレート、ベンジルメルカプタンアクリレートなどのアクリル系モノマー、およびこれらのアクリレートをメタクリレートに代えたものなどが挙げられる。アクリル系モノマー以外の共重合成分としては、炭素−炭素2重結合を有する全ての化合物が使用可能であるが、好ましくはスチレン、p−メチルスチレン、o−メチルスチレン、m−メチルスチレン、α−メチルスチレン、クロロメチルスチレン、ヒドロキシメチルスチレンなどのスチレン類、γ−メタクリロシキプロピルトリメトキシシラン、1−ビニル−2−ピロリドン等が挙げられる。望ましくはアクリル酸アルキルあるいはメタクリル酸アルキル、より好ましくは少なくともメタクリル酸メチルを含むことで、熱分解性の良好な重合体を得ることが出来る。ポリマーがアルカリ可溶性を有することで現像液として環境に問題のある有機溶媒ではなくアルカリ水溶液を用いることが出来る。アクリル系共重合体にアルカリ可溶性を付与するためには、モノマーとして不飽和カルボン酸等の不飽和酸を加えることにより達成される。不飽和酸の具体的な例としては、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、クロトン酸、マレイン酸、フマル酸、酢酸ビニル、またはこれらの酸無水物等が挙げられる。これらを加えることによるポリマーの酸価は、現像性の観点から80〜140の範囲であることが好ましい。
【0013】
硬化速度を向上させるためには、ポリマーの少なくとも一部が、側鎖または分子末端に炭素−炭素2重結合を有することが好ましい。炭素−炭素2重結合を有する基としては、ビニル基、アリル基、アクリル基、メタクリル基などが挙げられる。このような官能基をポリマーに付加させるには、ポリマー中のメルカプト基、アミノ基、水酸基、カルボキシル基に対して、グリシジル基やイソシアネート基と炭素炭素2重結合を有する化合物や、アクリル酸クロライド、メタクリル酸クロライドまたはアリルクロライドを付加反応させてつくる方法がある。
【0014】
グリシジル基と炭素−炭素2重結合を有する化合物としては、グリシジルメタクリレート、グリシジルアクリレート、アリルグリシジルエーテル、グリシジルエチルアクリレート、クロトニルグリシジルエーテル、グリシジルクロトネート、グリシジルイソクロトネートなどが挙げられる。イソシアナート基と炭素−炭素2重結合を有する化合物としては、アクリロイルイソシアネート、メタクロイルイソシアネート、アクリロイルエチルイソシアネート、メタクリロイルエチルイソシアネート等がある。
【0015】
多官能モノマーとしては、1分子中に炭素−炭素2重結合を2つ以上有する化合物が用いられ、その具体的な例としては、アリル化シクロヘキシルジアクリレート、1,4−ブタンジオールジアクリレート、1,3−ブチレングリコールジアクリレート、エチレングリコールジアクリレート、ジエチレングリコールジアクリレート、トリエチレングリコールジアクリレート、ポリエチレングリコールジアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、ジペンタエリスリトールモノヒドロキシペンタアクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラアクリレート、グリセロールジアクリレート、メトキシ化シクロヘキシルジアクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート、プロピレングリコールジアクリレート、ポリプロピレングリコールジアクリレート、トリグリセロールジアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、ビスフェノールAジアクリレート、ビスフェノールA−エチレンオキサイド付加物のジアクリレート、ビスフェノールA−プロピレンオキサイド付加物のジアクリレート、または上記化合物のアクリル基を一部または全てメタクリル基に代えた化合物等が挙げられる。
【0016】
光重合開始剤としては、市販の光ラジカル開始剤が好適に使用できる。例えば、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタノン−1、あるいはビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルフォスフィンオキサイド、2−メチル−1[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルフォリノプロパン−1−オンに、2,4−ジエチルチオキサントンなどが例として挙げられるが、本発明に使用できる光重合開始剤系はこれらに限定されるものではない。
【0017】
金属超微粒子は、ここではその粒子径が0.01μm以下である。金属超微粒子は非常に粒子が細かいために表面エネルギーが大きく、焼結に要する熱エネルギーが小さいために、少量の添加によって、ペースト全体の低温での焼結性を向上させる。また、感光性ペーストに含まれる金属粉末のごく一部しか占めないので、露光時に光線を遮る効果は小さく、パターン加工性への悪影響は僅かである。
【0018】
金属超微粒子は、粉末全量のうち、1重量%以上10%重量%未満であることが好ましい。1重量%未満では、低温における焼結性の向上の効果は小さく、また、10重量%以上では露光時の光線を遮断する効果が大きくなりパターン加工性が大幅に低下してしまう。
【0019】
金属超微粒子と定義される部分以外の金属粉末は、粒度分布が0.3μm以上10μm未満の範囲にあり、平均粒子径が1μm以上、6μm未満の範囲であることが望ましい。平均粒子径が1μm未満であると、樹脂に対して同体積の金属粉末を添加した場合に、粉末の表面積が大きくなり、また空隙が少なくなるために多くの光を遮り、ペースト内部への光線透過率を低下させる。6μm以上の場合は、塗布した場合の表面粗さが大きくなり、さらにパターン精度や寸法精度が低下するため好ましくない。
【0020】
金属粉末の粒度分布、平均粒子径の測定方法としては、光散乱法が好ましく用いられる。光散乱法では粒子径の分布が得られるので、個数分布累積量の50%量に相当する粒子径、いわゆるD50粒子径をもって平均粒子径とする。
【0021】
本発明で用いられる金属粉末および金属超微粒子の形状は、単分散で凝集がなく、球状あるいは粒状であることが望ましい。この場合、球状とは球形率が80個数%以上が好ましい。球状率の測定は、粉末を光学顕微鏡で300倍の倍率にて撮影して計数し球状のものの比率を表した。球状であると露光時に光線の散乱が非常に少なくなり、膜の内部まで光線を透過させやすい。
【0022】
本発明で用いられる金属粉末、および金属超微粒子としては、金、銀、銅、ニッケル、タングステン、モリブデンなどがあるが、特にこれらに限定されるものではない。本発明の低温焼成で低抵抗の導体を得るという目的を考慮すると、比較的融点が低く、比抵抗値の低い金属が好適であり、金、銀、銅が好ましい。さらに、金は非常に高価であること、銅は酸化しやすいので空気中では焼成できないことなどから最も好適であるのは銀である。
【0023】
次に本発明による感光性ペーストを用いたパターンの形成例について説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
【0024】
アルミナ基板、ガラス基板等の上にスクリーン印刷でペーストを塗布し、乾燥する。70℃〜100℃で数分から1時間加熱して乾燥した後、マスクを介して露光する。マスクは、所望する電極形状に対してネガ型のものを使用し、露光は高圧水銀灯等により、露光量は例えばi線(365nm)における測定で10〜300mJ/cm2で行う。露光後、アルカリ水溶液を現像液として現像を行う。アルカリ水溶液は、金属分の残留を防ぐためにテトラメチルアンモニウムヒドロキシドやエタノールアミンなどの有機アルカリが好ましい。現像液で所定時間現像した後、水洗を行う。これら現像と水洗は、浸漬、スプレー、パドルなどで行うことが出来るが、より高い解像度のパターンが得られるのでスプレー現像が好ましい。現像液のスプレー時間は20秒から200秒であり、水洗は同じくスプレーで10秒から60秒で行う。スプレーする際に、基板を回転させておくことが現像の均一性の点から好ましい。回転速度は100〜1000rpmが好ましい。水洗後、回転を上げて余分な水を振り切り、乾燥させる。このときの回転数は1000〜4000回転である。必要であればオーブンなどで完全に水分を除去した後、電気炉、ベルト炉等で焼成を行い、有機成分を揮発させると共に無機粉末を焼結させることにより導体膜ないし絶縁層を形成できる。焼成の雰囲気は、大気中、または窒素雰囲気で行われる。金属粉末が銅などの酸化しやすい金属である場合は、酸素を10〜100ppm含有する窒素雰囲気、水素雰囲気等で、800〜1000℃の温度で1〜60分保持して焼成し、パターンを作成する。
【0025】
この構成により、保存安定性が良好で且つパターン加工性に優れた感光性ペーストが得られるものである。
【0026】
本発明の感光性ペーストにより形成するパターンは、低温で焼成する場合に特にその効果が発揮されるため、セラミックス基板に比べて耐熱性の低いガラス基板上に導体形成する場合に好適であり、特にディスプレイ用途に好適であるが、ノートパソコンや携帯電話に実装されるMCM(マルチチップモジュール)用基板の電極、CSP(チップサイズパッケージ)用基板の電極をはじめ、チップインダクター、チップコンデンサーなどのチップ部品の電極、モジュール基板の電極など、セラミックスまたはガラスセラミックス基板上に導体形成する場合にも適用可能である。
【0027】
【実施例】
以下の実施例で本発明を具体的に説明するが、本発明はこれら実施例により何等の制限を受けるものではない。
表1に示した各組成について、以下に述べる要領でペーストの調整を行い、パターン加工性の試験を行った。使用した原料類を以下に示す。
【0028】
A.無機粉末
a.銀粉末 単分散球状 平均粒子径2.0μm 粒度分布範囲 1.1μm〜6.7μm 比表面積1.0(m2/g) タップ密度 4.5(g/cm3)(三井金属)
b.銀超微粒子 単一粒子径 5nm ワックス中に分散したもの
銀含有率80%(大研化学工業)
B.ポリマー(感光性有機成分中)
グリシジルメタクリレート変性メタクリル酸−メタクリル酸メチル共重合体
a.酸価84 重量平均分子量 10000
(ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)でポリスチレン換算)
C.多官能モノマー
プロピレンオキシド変性トリメチロールプロパントリアクリレート
3官能モノマー 2重結合当量 157g/mol TPA−330(日本化薬)。
【0029】
D.光開始剤
2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタノン−1(チバスペシャリティケミカルズのイルガキュア369:以下IC369とする)
E.溶剤
γブチロラクトン
F.分散剤
分散剤a:“ノプコスパース092”(サンノプコ製)
G.レベリング剤
LC−951(楠本化成)(有効濃度は10重量%、残りは溶剤)
H.現像液
テトラエチルアンモニウムヒドロキシド 0.1重量%水溶液。
【0030】
以下の作業は、全て黄色灯下で行った。
ペースト調整
(1)ポリマーと溶剤を混合し、60℃で3時間加熱して溶解させた。
(2)ポリマー溶液を室温に冷却し、その他の有機組成と、金属粉末、および金属超微粒子を混合し、モーターと撹拌羽を用いて200rpmで30分室温で均一に混合した。
(3)得られたスラリーを、3本ロール(EXACT model 50)で混練し、ペーストを得た。
【0031】
パターン加工
(1)ペーストを7.5cm角の96%アルミナ基板上(ニッコー製)にスクリーン印刷で全面塗布した。
【0032】
スクリーンはSUS#325メッシュを使用した。
(2)印刷した基板を熱風オーブンで80℃で40分乾燥した。乾燥後の膜厚は15μmであった。
(3)高圧水銀灯(15mW/cm2)を用いて、パターンマスクを介してペーストの露光を行った。パターンマスクは長さ374.4mm、幅0.3mmのミアンダ状パターンを用いた。
(4)アルカリ現像液(0.1%TMAH水溶液)を用いて、露光後の基板を浸漬し、揺動させて現像し、その後水シャワーでリンスした。
【0033】
焼成
(1)現像後のミアンダパターンを形成した基板を、電気炉に入れ、大気中で2時間かけて580℃に昇温した。
(2)580℃で20分間保持した。
(3)加熱を停止して自然冷却した。
【0034】
導電性評価
(1)触針式の段差計(東京精密製サーフコム1500A)を使用し、焼成後のミアンダパターンの膜厚を測定した。
(2)テスターを用いて、ミアンダパターンの両端間の電気抵抗値を測定した。
(3)下式を用いて導体の比抵抗を測定した。
【0035】
Rs=R÷l×w×h×100
Rs:導体の比抵抗値(μΩ・cm)
R :導体の抵抗値 (Ω)
l :導体の長さ (mm) ここでは374.4mm
w :導体の幅 (mm) ここでは0.3mm
h :導体の厚さ (μm)
結果は全て表1に示した。
【0036】
【表1】
【0037】
実施例1〜3に示した結果は、感光性銀ペーストの銀粒子全量中、それぞれ1重量%、5重量%、10重量%の銀超微粒子を含む場合の例である。超微粒子を全く用いなかった比較例1に対して、いずれの場合も焼成後の導体の比抵抗は低下しており、導電性が向上したことが示された。
【0038】
また、比較例2では超微粒子量を0.5重量%としたところ、導体比抵抗の低下はほとんど見られず、比較例3では同じく添加量を20重量%としたところ、パターン加工性が大幅に低下し、実質パターン加工は不可能であった。
【0039】
【発明の効果】
本発明は上述のような構成を有することにより、感光性ペーストの焼結性をさせ、600℃未満の低温において導電性の良好な導体を形成し得るペーストが得られるものである。
Claims (5)
- 金属粉末と感光性樹脂と溶剤を必須成分とする導体ペーストであり、金属粉末の少なくとも一部として粒子径0.01μm以下の金属超微粒子を含有し、金属超微粒子の含有量が、金属粉末全量中、1重量%以上10重量%未満であることを特徴とする感光性導体ペースト。
- 金属粉末のうち、金属超微粒子を除いた残りの部分が、粒度分布が0.3μm以上10μm未満の範囲にあり、平均粒子径が1μm以上6μm未満であることを特徴とする請求項1記載の感光性導体ペースト。
- 金属超微粒子と、それ以外の金属粉末が、少なくともその一部として互いに同種の金属を含むことを特徴とする請求項1記載の感光性導体ペースト。
- 金属粉末の少なくとも一部が銀粉末であることを特徴とする請求項1記載の感光性導体ペースト。
- 金属粉末が球状または粒状であることを特徴とする請求項1記載の感光性導体ペースト。
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