JP2001167693A - 電子放出素子および電子源および画像形成装置および電子放出素子の製造方法 - Google Patents

電子放出素子および電子源および画像形成装置および電子放出素子の製造方法

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JP2001167693A
JP2001167693A JP34941999A JP34941999A JP2001167693A JP 2001167693 A JP2001167693 A JP 2001167693A JP 34941999 A JP34941999 A JP 34941999A JP 34941999 A JP34941999 A JP 34941999A JP 2001167693 A JP2001167693 A JP 2001167693A
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Shin Kitamura
伸 北村
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  • Cathode-Ray Tubes And Fluorescent Screens For Display (AREA)
  • Cold Cathode And The Manufacture (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 簡易な構成で電子放出効率の高い電子放出素
子、およびこれを備えた電子源、およびこれを備えた画
像形成装置、および電子放出素子の製造方法を提供す
る。 【解決手段】 絶縁層3Cの側壁面上に高電位電極5A
を設け、絶縁層3Aの側壁面上に低電位電極5Bを設
け、絶縁層3Aと絶縁層3Cとの間に設けられた絶縁層
3Bの側壁面を高電位電極層4の側壁面及び絶縁層3
B,3Cの側壁面に比べて内部に凹むように後退させた
リセス部6を設けて、高電位電極5Aと低電位電極5B
との間に、電子放出部となる間隙7を設ける。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電子を放出するた
めの電子放出素子、および電子放出素子を備えた電子
源、および電子源を備えた画像形成装置、および電子放
出素子の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、電子放出素子としては、大別して
熱電子放出素子と冷陰極電子放出素子の2種類のものが
知られている。冷陰極電子放出素子には電界放出型(以
下、「FE型」という。)、金属/絶縁層/金属型(以
下、「MIM型」という。)や表面伝導型電子放出素子
等がある。
【0003】FE型の例としては、W.P.Dyke
& W.W.Dolan,”Field Emissi
on”,Advance in Electron P
hysics,8,89(1956)あるいはC.A.
Spindt,”PHYSICAL Properti
es of thin−film field emi
ssion cathodes with molyb
denium cones”,J.Appl.Phy
s.,47,5248(1976)等に開示されたもの
が知られている。
【0004】MIM型の例としては、C.A.Mea
d,”Operation of Tunnel−Em
ission Devices,”J. Apply.
Phys.,32,646(1961)等に開示された
ものが知られている。
【0005】また、最近の例では、Toshiaki.
Kusunoki,”Fluctuation−fre
e electron emission from
non−formed metal−insulato
r−metal(MIM)cathodes Fabr
icated by low current Ano
dic oxidation”,Jpn.J.App
l.Phys.vol.32(1993)pp.L16
95, Mutsumi suzuki etal ”
An MIM−Cathode Array for
Cathodeluminescent Displa
ys”,IDW’96,(1996)pp.529等が
研究されている。
【0006】表面伝導型の例としては、エリンソンの報
告(M.I.Elinson Radio Eng.E
lectron Phys.,10(1965))に記
載のもの等があり、この表面伝導型電子放出素子は、基
板上に形成された小面積の薄膜に、膜面に平行に電流を
流すことにより、電子放出が生ずる現象を利用するもの
である。
【0007】表面伝導型素子では、前記のエリソンの報
告に記載のSnO2薄膜を用いたもの、Au薄膜を用い
たもの、(G.Dittmer.Thin Solid
Films,9,317(1972))、In23
SnO2薄膜によるもの(M.Hartwell an
d C.G.Fonstad,IEEE Trans.
ED Conf.,519(1983))等が報告され
ている。
【0008】特開平9−82214号公開公報には、表
面伝導型電子放出素子の電子放出効率を向上させた例が
報告されている。
【0009】ここで、効率とは、表面伝導型電子放出素
子の一対の対向する素子電極に電圧を印加したときに流
れる電流(以降素子電流Ifと呼ぶ)と、これに対する
真空中に放出される電流(以降電子放出電流Ieと呼
ぶ)との電流比をさす。
【0010】図14を用いてこの例について説明する。
同図において、141は基板、142は電子放出部、1
43は導電性膜、144は陰極側素子電極、145は陽
極側素子電極、146は間隙、147は電界補正電極で
ある。
【0011】表面伝導型電子放出素子においては、放出
された電子が低電位電極と高電位電極で形成される電場
内を運動するように構成されており、高電位電極上の電
場の特異点によってアノード電極に到達する電子の割
合、すなわち電子放出効率が左右される。
【0012】本例では、この電子放出効率を改善するた
めに、低電位電極の外側に電界補正電極147を設置し
ている。
【0013】これらの表面伝導型電子放出素子において
は、電子放出を行う前に導電性薄膜を予め「通電フォー
ミング」と呼ばれる通電処理によって電子放出部を形成
するのが一般的であった。
【0014】この通電フォーミングとは、前述した導電
性薄膜の両側に電圧を印加して通電を行い、導電性薄膜
を局部的に破壊、変形もしくは変質させて、電気的に高
抵抗な状態の電子放出部を形成することである。なお、
電子放出部は導電性薄膜の一部に微小間隙が発生してお
り、その間隙付近から電子放出が行われる。
【0015】ここで、素子によって間隙の位置が異なる
と、電子放出特性がバラついてしまうという問題かあ
る。
【0016】この問題を解決する手段として、電子放出
部である間隙位置を制御するという目的で、通電フォー
ミングを行なわずに間隙を形成した例として、特開平1
−105445号公開公報や特開平9−55161号公
開公報に開示されたように、垂直型の表面伝導型素子が
提案されている。
【0017】この例は、図15に示すように、基板15
1上に両素子電極152と154の間に絶縁層153を
介して段差が形成されており、電極対向部に形成された
絶縁層153の側端面に電子放出部155を配置してい
る。
【0018】また、特開平9−330646号公開公報
に開示されたように、両素子電極の間に絶縁層が挟まれ
た構成となっている素子もある。
【0019】さらに、電子放出特性を改善するために、
「活性化」と呼ばれる処理を行うことがある。すなわ
ち、この活性化の処理は、前記電子放出部の亀裂の周辺
に炭素、炭素化合物(カーボン)からなる膜を形成する
ものであり、この活性化処理工程には、有機物質を含む
雰囲気で素子にパルス電圧を印加し、炭素、炭素化合物
を亀裂周辺部に堆積させる方法がある。
【0020】ここで、電子源は、上記のような電子放出
素子を複数具備して構成されるものである。
【0021】従来、多数の表面伝導型電子放出素子を配
列形成した例としては、並列に表面伝導型電子放出素子
を配列し、個々の表面電動型電子放出素子の両端(両素
子電極)を配線(共通配線)にて各々結線した行を多数
行配列(梯子状配列)した電子源が挙げられる(例え
ば、特開昭64−31332号公開公報、特開平1−2
83749号公開公報、特開平1−257552号公開
公報等)。
【0022】また、特に表示装置等の画像形成装置にお
いては、近年、液晶を用いた平板型表示装置がCRTに
替わって普及してきたが、自発光型でないため、バック
ライトを持たなければならない等の問題点があり、自発
光型表示装置が望まれてきた。
【0023】自発光型表示装置としては、表面伝導型電
子放出素子を多数配列した電子源と電子源より放出され
る電子によって、可視光を発光させる蛍光体とを組み合
わせた表示装置である画像形成装置が挙げられる(例え
ば、USP5066883)
【0024】ここで、画像形成装置に用いられる表面伝
導型電子放出素子においては、効率が高く電子放出特性
が安定していることが望ましい。
【0025】これは、電子放出効率の低い電子放出素子
を画像形成装置に用いると、必要な放出電流を得るため
に大きな素子電流Ifが必要となり、その結果、消費電
力が大きくなってしまったり、配線抵抗による電圧降下
が大きくなり、輝度むらが生じる原因になるからであ
る。
【0026】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
ような従来技術の場合には、下記のような問題が生じて
いた。
【0027】上述した従来技術に係る表面伝導型電子放
出素子においては、後述するように、電子放出部から放
出された電子の多くが、直接アノード電極には向かわ
ず、高電位側の導電性薄膜または素子電極に入射してし
まう。
【0028】このうち、弾性散乱されたものは再びアノ
ードに向かうが、かなりの部分が吸収されてしまうた
め、電子放出効率が低くなってしまう。
【0029】従って、直接アノードへ向かう電子の割合
を増やすことと、上記高電位側の導電性薄膜ないし、素
子電極上での弾性散乱の効率を向上させることが、電子
放出効率の改善の方法として考えられる。
【0030】なお、前記特開平9−82214号公開公
報に開示された技術のように補正電極を設置した素子に
おいては、電子放出効率は向上するものの、補正電極の
電位が高く駆動上問題があり、十分な解決には至ってい
なかった。
【0031】本発明は上記の従来技術の課題を解決する
ためになされたもので、その目的とするところは、簡易
な構成で電子放出効率の高い電子放出素子、およびこれ
を備えた電子源、およびこれを備えた画像形成装置、お
よび電子放出素子の製造方法を提供することにある。
【0032】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に本発明にあっては、第1の側壁面を有する第1の層
と、前記第1の側壁面の延長面上に、その面が略一致す
る第2の側壁面を有する第2の層と、 前記第1の側壁
面および第2の側壁面よりも内部に凹んだ位置に、その
面が設けられる第3の側壁面を有し、かつ、前記第1の
層と第2の層との間に設けられる第3の層と、を備えた
電子放出素子であって、前記第1の側壁面上に高電位電
極を設けると共に、前記第2の側壁面上に低電位電極を
設け、これらの電極間の間隙を電子放出部とすることを
特徴とする。
【0033】従って、低電位電極から高電位電極に向か
って放出された電子は、第1の層の厚さ分しか弾性散乱
を行わないため、高電位電極に吸収される割合が減ると
共に、第2の側壁面の位置が凹んでいる分だけ沿面距離
が増し、リーク電流を低減できる。また、第1の層と第
2の層との間に設けられる第3の層の側壁面が凹んだ位
置にあるような構造(リセス構造)部に、高電位電極及
び低電位電極を設けて、これらの間を電子放出部とした
ことで、電子放出部の位置制御を簡易な構成で容易に行
うことができる。
【0034】基板上に積層された低電位電極層と、該低
電位電極層上に積層された絶縁層と、該絶縁層上に積層
された高電位電極層と、を備え、前記高電位電極は前記
高電位電極層と電気的に接続され、かつ、前記低電位電
極は前記低電位電極層と電気的に接続されると良い。
【0035】前記絶縁層が、前記第1の層,第2の層お
よび第3の層から構成されると良い。
【0036】前記高電位電極層が前記第1の層であり、
前記絶縁層が、前記第2の層および第3の層から構成さ
れると良い。
【0037】前記第1の層側から第2の層側を見た場合
に、前記低電位電極が前記高電位電極に取り囲まれてい
ると良い。
【0038】前記第1の層,第2の層および第3の層を
貫通する貫通孔を形成することによって、この貫通孔の
内周面の一部を前記第1の側壁面とすると共に、該貫通
孔の内周面の他の一部を前記第2の側壁面として、これ
らの側壁面上にそれぞれ高電位電極および低電位電極を
設けて、該低電位電極が高電位電極に取り囲まれるよう
にすると良い。
【0039】前記高電位電極および低電位電極は、貫通
孔内周の周方向の一部にのみ設けて、該周方向の一部に
のみ前記電子放出部が形成されるようにすると良い。
【0040】前記高電位電極層を方形状に形成し、該高
電位電極層の一対の両端側に、それぞれ電子放出部を設
けると共に、前記両端側に、それぞれ低電位電極層が広
がるように各層を配置すると良い。
【0041】前記高電位電極層を方形状に形成し、該高
電位電極層の一対の両端のうちのいずれか片端のみに電
子放出部を設けると共に、前記両端側に、それぞれ低電
位電極層が広がるように各層を配置すると良い。
【0042】表面伝導型の電子を放出する素子であると
良い。
【0043】また、本発明の電子源にあっては、上記の
電子放出素子を複数配置することを特徴とする。
【0044】前記電子放出素子がマトリクス配線されて
いると良い。
【0045】また、本発明の画像形成装置にあっては、
上記の電子源を備えると共に、該電子源から放出された
電子によって画像を形成する画像形成部材を備えること
を特徴とする。
【0046】前記画像形成部材は、電子の衝突によって
発光する蛍光体であると良い。
【0047】また、本発明の電子放出素子の製造方法に
あっては、第1の層,第2の層および第3の層が積層さ
れた3層構造を有し、これらの層の側壁面側に電子放出
部が設けられる電子放出素子の製造方法であって、前記
第3の層は、第1の層および第2の層とは異なる材料か
ら構成すると共に、第2の層,第3の層および第1の層
の順に積層する積層工程の後に、前記第2の層のみを所
定量だけ選択エッチングしてリセス構造を形成する工程
と、その後、リセス位置に電子放出部が形成されるよう
に、第1の層および第2の層の側壁面にそれぞれ導電性
薄膜を被覆する工程と、を備えることを特徴とする。
【0048】前記第1の層,第2の層および第3の層
は、絶縁層であると良い。
【0049】前記第1の層は、前記導電性薄膜に電気的
に接続される高電位電極層であり、前記第2の層および
第3の層は、絶縁層であると良い。
【0050】
【発明の実施の形態】以下に図面を参照して、この発明
の好適な実施の形態を例示的に詳しく説明する。ただ
し、この実施の形態に記載されている構成部品の寸法、
材質、形状、その相対配置などは、特に特定的な記載が
ない限りは、この発明の範囲をそれらのみに限定する趣
旨のものではない。
【0051】まず、本発明の実施の形態に係る電子放出
素子を備えた装置の機構について説明する。
【0052】本発明の効率の向上についての説明を行う
前に表面伝導型電子放出素子における電子の運動につい
て述べる。始めに、図16を用いて平面型の素子につい
て説明する。
【0053】電子放出素子から距離Hを隔てて陽極16
3を構成したときに、素子高電位電極161と素子低電
位電極162の間に印加される電圧をVfとし、素子低
電位電極162と陽極(アノード)163との間に印加
されている電圧Vaを印加する構成において、SID
98 Digest、Okuda,et.alによる
と、素子にはnmオーダーの間隙があり、この素子にV
fを印加すると低電位電極の先端から対向する高電位電
極に向かって電子が放出され、電子が高電位電極の先端
部で電子が等方的に散乱することが分かっている。
【0054】同図において、164は駆動電圧Vfと等
しい等電位面、165はVfよりも高い等電位面であ
る。
【0055】電子放出部周辺にこのような電位分布があ
るために、放出された電子の多くは高電位電極上で数回
の弾性散乱(多重散乱)が繰り返され、特徴距離Xsを
越えた電子が陽極163に到達する。
【0056】ここで、Xs=HVf/(πVa)であ
り、例えばVa=10[KV],Vf=15[V],H
=2[mm]では、Xsは、約1μm程度である。
【0057】効率は、多重散乱による電子がXsを越え
るまでの間、多重散乱によって高電位電極に一部吸収さ
れることによる電子数の減少に支配されている。
【0058】数十eV程度の電子の散乱に伴い散乱され
る割合βについては明らかでないが、一回につき0.1
から0.5程度と見積もられている。
【0059】このような散乱機構で、βが1以下である
ことから、真空中に取り出される電子の量はべき乗で減
少していくことが分かる。
【0060】そこで、効率を向上させるには、Xs内に
おいて電子が高電位電極に散乱されないような構成にす
る必要がある。
【0061】次に、図17を用いて、本発明の実施の形
態に係る電子放出素子における電子の運動について説明
する。
【0062】図示のように、素子電極間に段差を設け、
その段差側壁に電子放出部を配置すると、低電位電極1
72から放出された電子は、平面型の場合と同様に、高
電位電極171上で多重散乱を繰り返すが、高電位電極
層の上面においては、散乱しようとした電子が、高電位
電極171に衝突されずにそのまま陽極(アノード)1
73に向かう。
【0063】なお、図中、174は駆動電圧Vfと等し
い等電位面、175はVfよりも高い等電位面である。
【0064】このため、高電位電極171の端部の位置
から高電位電極171の層の上部までの長さ(図中T
1)を前述の特徴距離Xsよりも出来るだけ小さい値に
なるように構成することで、多重散乱による効率の減少
を防ぐことが可能となる。
【0065】本発明は、散乱により高電位電極に吸収さ
れてしまう電子を減少させて、効率を向上させるという
目的を達成するために、電子放出部である間隙と高電位
電極の位置制御を、単純な構成で実現されるように鋭意
検討されたものである。
【0066】次に、効率向上を可能とした本実施の形態
に係る電子放出素子の構成等について述べる。
【0067】図1(a)は本発明の実施の形態に係る電
子放出素子の平面的模式図であり、図1(b)は図1
(a)におけるA−A線での断面図である。また、図2
はこの素子を駆動させた様子を示す模式図である。
【0068】図1中、2は低電位電極層、3A,3B,
3Cは絶縁層、4は高電位電極層であり、5Aは高電位
電極層4に電気的に接続された導電性材料で形成された
高電位電極であり、絶縁層3Cの側壁面(第1の側壁
面)上に設けられており、5Bは低電位電極層2に電気
的に接続された導電性材料で形成された低電位電極であ
り、絶縁層3Aの側壁面(第2の側壁面)上に設けられ
ており、6は段差側壁において絶縁層3Bの側壁面(第
3の側壁面)を高電位電極層4の側壁面及び絶縁層3
B,3Cの側壁面に比べて内部に凹むように後退させた
リセス部、7は電子放出部となる間隙である。なお、図
1の構成の場合には、絶縁層3Aが第2の層に相当し、
絶縁層3Bが第3の層に相当し、絶縁層3Cが第1の層
に相当する。
【0069】また、図2において、Vfは素子高電位電
極と素子低電位電極の間に印加される電圧、Ifはこの
時流れる素子電流、Vaは素子低電位電極と陽極(アノ
ード)8の間に印加されている電圧、Ieは電子放出電
流である。
【0070】このような配置において、電子の放出部の
拡大模式図を図3に示す。図3において、Dは高電位電
極5Aと低電位電極5Bとの間の間隙距離、T1は間隙
7の高電位電極5Aの端部位置から高電位電極層4の上
部までの距離、T2は間隙7の低電位電極5Bの端部位
置から低電位電極層2の表面までの間の距離である。
【0071】なお、高電位電極とは、広い意味では、高
電位電極層4と導電性材料から形成された高電位電極5
Aを含む電気的に高電位側に接続された全ての電極を意
味するものであり、同様に、低電位電極とは、広い意味
では、低電位電極層2と導電性材料から形成された低電
位電極5Bを含む電気的に低電位側に接続された全ての
電極を意味するものである。
【0072】この素子にVfを印加すると、図3におけ
る低電位電極5Bの先端から対向する高電位電極5Aに
電子31が放出され、放出された電子31は、高電位電
極5Aの先端部で再び等方的に散乱する。
【0073】高電位電極5Aで散乱された電子32の多
くは、前述の通り、高電位電極5Aで数回の弾性散乱
(多重散乱)が繰り返されるが、高電位電極層4の上部
では電子が散乱できずに陽極側に飛び出す。
【0074】散乱した電子の飛行距離は、最大で間隙幅
Dの200倍程度、または前述の特徴距離Xsと見積も
られており、T1を間隙幅Dの200倍または特徴距離
Xsよりもできるだけ小さくする事で陽極側に向かう電
子を増加させる事ができる。
【0075】これまで説明したように、多重散乱に関わ
るパラメータとしてT1が重要である。
【0076】図18はT1と効率との関係を示す図であ
り、同図において、縦軸は効率(Ie/If)、横軸は
logT1である。
【0077】これによると、T1が大きくなるに伴い効
率が低下していき、間隙位置が低電位電極層近くなる
と、より効率の低下が顕著となっている事がわかる。
【0078】素子構造を、上記のように、低電位電極層
上に絶縁層と高電位電極層が積層された段差構造にし、
段差側壁に間隙を配置すると、T1は高電位電極層の膜
厚と、段差側壁の間隙位置とで定義される。
【0079】高電位電極層の膜厚は寄生抵抗を考慮し、
駆動電圧によって適宜選択され、本実施の形態の構成で
は、通常の薄膜堆積技術により容易に制御可能である。
さらに、本実施の形態では絶縁層側壁にリセスを形成す
る事により、間隙位置を高電位電極直下にする事が可能
である。
【0080】このようにして、T1の制御が可能であ
り、高効率な電子放出素子が提供できる。
【0081】以上述べた本発明の実施の形態に係る電子
放出素子について、更に詳細に説明する。
【0082】図4を参照して、本発明の実施の形態に係
る電子放出素子の製造方法の一例を説明する。図4は、
本発明の実施の形態に係る電子放出素子の製造工程を順
に示した模式図である。
【0083】まず、予め、その表面を十分に洗浄した、
石英ガラス,Na等の不純物含有量を減少させたガラ
ス、青板ガラス及び、シリコン基板等にスパッタ法等に
よってSiO2を積層した積層体,アルミナ等のセラミ
ックス等の絶縁性の基板1上に低電位電極層2を積層す
る。
【0084】ここで、低電位電極層2は一般的に導電性
を有しており、蒸着法、スパッタ法等の一般的真空成膜
技術、フォトリソグラフィー技術により形成されるもの
である。
【0085】低電位電極層2の材料は、例えば、Be,
Mg,Ti,Zr,Hf,V,Nb,Ta,Mo,W,
Al,Cu,Ni,Cr,Au,Pt,Pd等の金属ま
たは合金材料、TiC,ZrC,HfC,TaC,Si
C,WC等の炭化物、HfB 2,ZrB2,LaB6,C
eB6,YB4,GdB4等の硼化物、TiN,ZrN,
HfN等の窒化物、Si,Ge等の半導体、有機高分子
材料、アモルファスカーボン、グラファイト、ダイヤモ
ンドライクカーボン、ダイヤモンドを分散した炭素及び
炭素化合物等が適宜選択される。
【0086】また、低電位電極層2の厚さとしては、数
十nmから数mmの範囲で設定され、好ましくは数百n
mから数μmの範囲で選択される。
【0087】次に、低電位電極層2に続いて絶縁層3A
を堆積する。ここで、絶縁層3Aは、スパッタ法等の一
般的な真空成膜法、CVD法、真空蒸着法で形成され、
その厚さとしては、数nmから数十μmの範囲で設定さ
れ、好ましくは数十nmから数百nmの範囲で選択され
る。
【0088】続いて、絶縁層3A上に後にリセス部分と
なる絶縁層3Bをスパッタ法等の一般的な真空成膜法、
CVD法、真空蒸着法で形成する。その厚さとしては、
数nmから100nmの範囲で設定され、好ましくは数
nmから30nmの範囲から選択される。
【0089】更に、絶縁層3Bに続いて絶縁層3Cを堆
積する。絶縁層3Cは、スパッタ法等の一般的な真空成
膜法、CVD法、真空蒸着法で形成され、その厚さとし
ては、数nmから100nmの範囲で設定され、好まし
くは数nmから30nmの範囲で選択される。
【0090】なお、上記の絶縁層3Bは絶縁層3Aと3
Cに対し、あるエッチャントにより選択的にエッチング
できる材料を適宜選択し、絶縁層3Aと3Bは、例えば
SiO2等絶縁性材料で構成する事がてき、絶縁層3B
は例えばSi34や、リン濃度の高いPSG、ホウ素濃
度の高いBSG膜等で構成する事ができる。
【0091】更に、前記絶縁層3Cに続き高電位電極層
4を堆積する。
【0092】この高電位電極層4は、前記低電位電極層
2と同様に導電性を有しており、蒸着法、スパッタ法等
の一般的真空成膜技術、フォトリソグラフィー技術によ
り形成される。
【0093】高電位電極層4の材料は、例えば、Be,
Mg,Ti,Zr,Hf,V,Nb,Ta,Mo,W,
Al,Cu,Ni,Cr,Au,Pt,Pd等の金属ま
たは合金材料、TiC,ZrC,HfC,TaC,Si
C,WC等の炭化物、HfB 2,ZrB2,LaB6,C
eB6,YB4,GdB4等の硼化物、TiN,ZrN,
HfN等の窒化物、Si,Ge等の半導体、有機高分子
材料、アモルファスカーボン、グラファイト、ダイヤモ
ンドライクカーボン、ダイヤモンドを分散した炭素及び
炭素化合物等から適宜選択される。
【0094】高電位電極層4の厚さとしては、数十nm
から数mmの範囲で設定され、好ましくは数十nmから
数百nmの範囲で選択される。
【0095】低電位電極層2及び高電位電極層4は、同
一材料でも異種材料でも良く、また、同一形成方法でも
異種方法でも良いが、高電位電極層4は低電位電極層2
に比べてその膜厚が薄い範囲で設定される場合があり、
低抵抗材料が望ましい。
【0096】これまでの製造工程で製造された様子を図
4(a)に示している。
【0097】次に、フォトリソグラフィー技術により、
堆積膜である絶縁層3A,3B,3C及び高電位電極層
4の一部が基板1から取り除かれた段差構造が形成され
る。ただし、本エッチング工程は、低電位電極層2の上
面まで停止しても良いし、低電位電極層2の一部がエッ
チングされても良い。
【0098】ここで、低電位電極層2が下部電極、高電
位電極層4が上部電極となる。
【0099】素子電極長さL1(図1(a)参照)は、
素子を構成する材料や抵抗値、電子放出素子の配置によ
り適宜設定される。通常は、数μmから数百μmの範囲
から選択される。
【0100】上述した段差の形成手法としては、フォト
レジストのスピンコーティング、マスクパターンの露光
及び現像を行い、ウェットエッチングもしくはドライエ
ッチングで絶縁層3A,3B,3C及び高電位電極層4
の一部が取り除かれる。
【0101】このエッチング工程においては、平滑かつ
垂直なエッチング面が望ましく、それぞれの電極及び絶
縁層の材料に応じて、エッチング方法を選択すれば良
い。
【0102】これまでの製造工程で製造された様子を図
4(b)に示している。
【0103】続いてウェットエッチング等により段差側
壁にリセス構造6を形成する。
【0104】エッチング方法として、例えば、高電位電
極層4の材料としてTa、絶縁層3A,3Cの材料とし
てSiO2、絶縁層3Bの材料としてPSG(リン濃度
10%)を選択し、エッチャントとしてHF(48
%):NH4F(40%)=1:10の割合の溶液を純
水で1%に希釈した物を用いてエッチングすると、絶縁
層3Bが選択的にエッチングされ段差側壁から絶縁層3
Bのみが後退し、リセス構造が形成される。
【0105】これまでの製造工程で製造された様子を図
4(c)に示している。
【0106】なお、この製造工程の他例としては、高電
位電極層4にTa等を、絶縁層3A,3CにSiO2、
絶縁層3BにSi34を選択し、熱リン酸でエッチング
するなど、エッチャントと高電位電極層4、絶縁層3
A,3B及び3Cの材料を適宜選択することができる。
【0107】このリセス構造があるために、後にこの部
分に電子放出部が形成される事になる。また、絶縁層3
Bを後退させる事により、沿面距離が長くなるため、駆
動時に両電極間に流れるリーク電流を減少させ、電子放
出効率を増加させる効果もある。
【0108】絶縁層3Bが後退して形成されるリセスの
深さとしては、深ければ深いほどリーク電流減少効果が
期待できるが、絶縁層3Bの上層が崩れ落ちる事のない
程度に、絶縁層3Bの厚さ等により適宜設定される。
【0109】なお、図4では絶縁層を3層構造にして、
その中間層を窪ませて、リセス構造を作製しているが、
後述する図10に示すように、絶縁層を2層構造にして
上部電極層直下にリセス構造を作製することもできる。
【0110】また、リセスは、段差を形成するエッチン
グ段階で同時に形成する事もできる。
【0111】次に、リセス部6を有する段差側壁に低電
位電極層2から高電位電極層4まで導電性薄膜5を被覆
させる。ここで側壁のリセス部6があるために、導電性
薄膜5に電子放出部となるべき間隙7が形成される。
【0112】この導電性薄膜5に用いる材料としては、
Pt,Ru,Ag,Au,Ti,In,Cu,Cr,F
e,Zn,Sn,Ta,W,Pd等の金属や、カーボ
ン、LaB6、HfC等の仕事関数の低い物質であり、
その膜厚は導電性を確保するために材料のもつ比抵抗に
もよるが、少なくとも10nm以上にする事が好まし
い。
【0113】また、段差側壁に導電性薄膜5を被覆させ
た後、前述の通電フォーミングにより間隙7を形成する
場合には、導電性薄膜5の材料としては比較的高抵抗で
あるPdO,SnO2,In23,PbO,Sb23
の酸化物、HfB2,ZrB2,LaB6,CeB6,YB
4,GdB4等の硼化物、TiC,ZrC,HfC,Ta
C,SiC,WC等の炭化物、TiN,ZrN,FfN
等の窒化物、Si,Ge等の半導体、カーボン、AgM
g,NiCu,Pb,Sn等が用いられ、その抵抗値
は、103〜107Ω/□のシート抵抗値を示す。
【0114】なお、その膜厚はフォーミングにより亀裂
を形成しやすいように数nmと薄く設定する必要があ
る。
【0115】前記導電性薄膜(もしくは高抵抗膜)5の
成膜法は、フォトリソグラフィー,斜方蒸着,スパッタ
法等から適宜選択される。例えば、絶縁層3Bの膜厚を
薄く(数十nm程)設定している場合には、斜方蒸着法
が有利であり、段差側壁に対して斜め上方向から前記導
電性薄膜(もしくは高抵抗膜)5を蒸着する事で、段差
側壁に一様に膜付けし、リセス部分に間隙7を形成する
事ができる。
【0116】これまでの製造工程で製造された様子を図
4(d)に示している。
【0117】前記導電性薄膜(もしくは高抵抗膜)5を
堆積する領域の長さL2(図1(a)参照)は、前記高
電位電極長L1と同じ長さもしくは、短い長さで設定さ
れ、電子放出長,素子構成,素子の配置により適宜選択
される。
【0118】次に、低電位電極層2及び高電位電極層4
にパルス電圧を印加し、導電性薄膜(もしくは高抵抗
膜)5に通電し、リセス部6に間隙7が形成されている
事を確認する。
【0119】導電性薄膜(もしくは高抵抗膜)5に間隙
7が形成されていなかった場合には、この段階でリセス
部6に間隙7が形成される(図4(e)参照)。
【0120】さらに、本発明の実施の形態に係る電子放
出素子では、電子放出部を形成する際に、有機材料の存
在下で、低電位電極層2及び高電位電極層4に電圧を印
加することによって、電子放出領域に炭素を生成し電子
放出点を形成する活性化と呼ばれる工程を行う場合があ
る。
【0121】本行程で生成する炭素とは、例えばグラフ
ァイトや非晶質カーボンである。
【0122】ここで、グラファイトとは、いわゆるHO
PG,PG,GCを包含するものであり、HOPGはほ
ぼ完全なグラファイトの結晶構造、PGは結晶粒が2.
0×10-8m程度で結晶構造がやや乱れたもの、GCは
結晶粒が2.0×10-9m程度になり結晶構造の乱れが
更に大きくなったものを指す。
【0123】また、非晶質カーボンとは、アモルファス
カーボン及び、アモルファスカーボンと前記グラファイ
トの微結晶の混合物を指すものである。
【0124】本行程で用いる真空処理装置について図5
を用いて説明する。
【0125】図5において、55は真空容器であり、5
6は排気ポンプであり、57は電子放出素子の段差の側
壁において、炭素を生成する際に用いられる有機ガスの
有機ガス供給源である。
【0126】真空容器55内には本発明の実施の形態に
係る素子が配置されている。即ち、1は基板、2は低電
位電極層(下部電極)、3は絶縁層、4は高電位電極層
(上部電極)、5は導電性薄膜(もしくは高抵抗膜)、
7は電子放出部となる間隙、51は電子放出素子に素子
電圧Vfを印加するための電源、50は低電位電極層2
と高電位電極層4との間を流れる素子電流Ifを測定す
るための電流計、54は素子より放出される電流を補足
するためのアノード電極である。
【0127】また、53はアノード電極54に電圧を印
加するための高電圧源、52は電子放出素子より放出さ
れる放出電流を測定するための電流計である。
【0128】一例として、アノード電極の電圧を0〜1
0kVの範囲として、アノード電極と電子放出素子との
距離Hを100μm〜8mmの範囲として測定を行うこ
とができる。
【0129】真空容器55内には、不図示の真空計等の
真空雰囲気下での測定に必要な機器が設けられていて、
所望の真空雰囲気下での測定評価を行えるようになって
いる。
【0130】また、排気ポンプ56は、ターボポンプ,
ロータリーポンプからなる通常の高真空装置系と、更に
イオンポンプ等からなる超高真空装置系とにより構成さ
れている。
【0131】以上の構成により、真空容器55に基板1
を配置して、その後排気して、真空雰囲気にした後に、
有機ガス供給源57より有機ガスを真空容器55に導入
し、有機物質のガスを含有する雰囲気下で、低電位電極
層2及び高電位電極層4に電圧を印加する。
【0132】電圧変形は、パルス波形で繰り返し印加さ
れる。これには、パルス波高値を定電圧としたパルスを
連続的に印加する方法や、パルス波高値を増加させなが
ら、電圧パルスを印加する方法がある。
【0133】ここで、炭素を生成する際の好ましい有機
物質のガス分圧は、炭素の形態,真空容器の形状や有機
物質の種類等により異なるが、場合に応じて適宜設定さ
れる。
【0134】適当な有機物質としては、アルカン,アル
ケンの脂肪族炭化水素類,芳香族炭化水素類,アルコー
ル類,アルデヒド類,ケトン類,アミン類、フェノー
ル,カルボン,スルホン酸等の有機酸類等で、具体的に
は、メタン,エタン,プロパン等のCn2n+2で表され
る飽和炭化水素、エチレン,プロピレン等のCn2n
の組成式で表される不飽和炭化水素の他、ベンゼン,ト
ルエン,メタノール,エタノール,ホルムアルデヒド,
アセトアルデヒド,アセトン,メチルエチルケトン,メ
チルアミン,エチルアミン,フェノール,蟻酸,酢酸,
プロピオン酸等が使用できる。
【0135】この炭素生成行程により、低電位電極層2
と高電位電極層4との間、もしくはリセス部に形成され
た間際の間に、雰囲気中に存在する有機物質から炭素を
堆積して、低電圧で電子放出が可能な形状を形成する。
【0136】さらに、この活性化工程の後に、安定化工
程と呼ばれる処理を行う場合がある。
【0137】本工程は、真空容器内の有機物質を排気す
る工程で、その真空容器内の圧力は、1.3×10-5
a以下が好ましく、さらに1.3×10-6Pa以下が特
に好ましい。
【0138】ここで、真空容器内を排気する場合は、装
置から発生するオイル等が混入し、素子特性に影響を与
えないように、ソープションポンプ、イオンポンプ等の
オイルを用いない真空排気系が好ましい。
【0139】さらに、真空容器を排気する場合は、真空
容器全体を加熱して、真空容器内壁や、電子放出素子に
吸着した有機物質分子を排気しやすくするのが好まし
い。この時の加熱温度は、80℃から200℃で5時間
以上が望ましいが、特にこの条件に限るものではなく、
真空容器の大きさ、形状、電子放出素子の構成等により
適宜選択される。
【0140】本発明の実施の形態に係る電子放出素子を
適用可能な応用例について、以下に述べる。すなわち、
本発明の実施の形態に係る電子放出素子を基体上に複数
個配列し、例えば電子源あるいは、画像形成装置を構成
することができる。
【0141】電子放出素子の配列については、種々のも
のを採用できる。
【0142】一例として、並列に配置した多数の電子放
出素子の個々を両端で接続し、電子放出素子の行を多数
個配し(行方向と呼ぶ)、この配線と直交する方向(列
方向と呼ぶ)で、この電子放出素子の上方に配した制御
電極(グリッドとも呼ぶ)により、電子放出素子からの
電子を制御駆動するはしご状配置のものがある。
【0143】また、これとは別に、電子放出素子をX方
向及びY方向に行列状に複数個配し、同じ行に配された
複数の電子放出素子の電極の一方を、X方向の配線に共
通に接続し、同じ列に配された複数の電子放出素子の電
極の他方を、Y方向の配線に共通に接続するものが挙げ
られる。
【0144】このようにマトリクス配線されているもの
は、所謂単純マトリクス配置である。まず単純マトリク
ス配置について以下に詳述する。
【0145】本発明の実施の形態に係る表面伝導型電子
放出素子においては、表面伝導型電子放出素子からの放
出電子は、しきい値電圧以上では、対向する素子電極間
に印加するパルス状電圧の波高値と巾で制御できる。
【0146】一方、しきい値電圧以下では、殆ど放出さ
れない。この特性によれば、多数の電子放出素子を配置
した場合においても、個々の素子に、パルス状電圧を適
宜印加すれば、入力信号に応じて、表面伝導型電子放出
素子を選択して電子放出量を制御できる。
【0147】以下、この原理に基づき、本発明の実施の
形態に係る電子放出素子を複数配して得られる電子源お
よび電子源を備えた画像形成装置について、図6を用い
て説明する。
【0148】図6において、61は電子源基体、62は
X方向配線、63はY方向配線であり、また、64は本
発明の実施の形態に係る表面伝導型電子放出素子、65
は結線である。
【0149】m本のX方向配線62は、DX1,DX2
…DXmからなり、真空蒸着法,印刷法,スパッタ法等
を用いて形成された導電性金属等で構成することができ
る。配線の材料、膜厚、巾は、適宜設計される。
【0150】Y方向配線63は、DY1,DY2,…DY
nのn本の配線よりなり、X方向配線62と同様に形成
される。これらm本のX方向配線62とn本のY方向配
線63との間には、不図示の層間絶縁層が設けられてお
り、両者を電気的に分離している(m,nは、共に正の
整数)。
【0151】不図示の層間絶縁層は、真空蒸着法,印刷
法,スパッタ法等を用いて形成されたSiO2等で構成
される。例えば、X方向配線62を形成した電子源基体
61の全面或は一部に所望の形状で形成され、特に、X
方向配線62とY方向配線63の交差部の電位差に耐え
得るように、膜厚、材料、製法が、適宜設定される。X
方向配線62とY方向配線63は、それぞれ外部端子と
して引き出されている。
【0152】表面伝導型電子放出素子64を構成する一
対の電極(不図示)は、m本のX方向配線62とn本の
Y方向配線63と導電性金属等からなる結線65によっ
て電気的に接続されている。
【0153】配線62と配線63を構成する材料、結線
65を構成する材料及び一対の素子電極を構成する材料
は、その構成元素の一部あるいは全部が同一であって
も、またそれぞれ異なってもよい。これら材料は、例え
ば前述の素子電極の材料より適宜選択される。
【0154】素子電極を構成する材料と配線材料が同一
である場合には、素子電極に接続した配線は素子電極と
いうこともできる。
【0155】X方向配線62には、X方向に配列した表
面伝導型電子放出素子64の行を選択するための走査信
号を印加する、不図示の走査信号印加手段が接続され
る。一方、Y方向配線63には、Y方向に配列した表面
伝導型電子放出素子64の各列を入力信号に応じて変調
するための、不図示の変調信号発生手段が接続される。
【0156】各電子放出素子に印加される駆動電圧は、
当該素子に印加される走査信号と変調信号の差電圧とし
て供給される。
【0157】上記構成においては、単純なマトリクス配
線を用いて、個別の素子を選択して、独立に駆動可能と
することができる。
【0158】このような単純マトリクス配置の電子源を
用いて構成した画像形成装置について、図7を用いて説
明する。図7は画像形成装置の表示パネルの一例を示す
模式図である。
【0159】図7において、61は電子放出素子を複数
配した電子源基体、71は電子源基体61を固定したリ
アプレート、76はガラス基体73の内面に画像形成部
材としての蛍光体である蛍光膜74とメタルバック75
等が形成されたフェースプレートである。
【0160】また、72は支持枠であり、この支持枠7
2には、リアプレート71、フェースプレート76がフ
リットガラス等を用いて接続されている。77は外囲器
であり、例えば大気中あるいは、窒素中で、400〜5
00度の温度範囲で10分以上焼成することで、封着し
て構成される。
【0161】また、64は、図1における電子放出素子
に相当するものであり、62,63は、表面伝導型電子
放出素子の一対の素子電極と接続されたX方向配線及び
Y方向配線である。
【0162】外囲器77は、上述の如く、フェースプレ
ート76、支持枠72、リアプレート71で構成され
る。ここで、リアプレート71は主に基体61の強度を
補強する目的で設けられるため、基体61自体で十分な
強度を持つ場合には、別体のリアプレート71は不要と
することができる。
【0163】即ち、基体61に直接支持枠72を封着
し、フェースプレート76,支持枠72及び基体61で
外囲器77を構成しても良い。一方、フェースプレート
76とリアプレート71との間に、スペーサーとよばれ
る不図示の支持体を設置することにより、大気圧に対し
て十分な強度をもつ外囲器77を構成することもでき
る。
【0164】尚、本発明の実施の形態に係る電子放出素
子を用いた画像形成装置では、放出した電子軌道を考慮
して、素子上部に蛍光体をアライメントして配置する。
【0165】図8は、本件のパネルに使用した蛍光膜を
示す模式図である。カラーの蛍光膜の場合は、蛍光体の
配列により図8(a)に示すブラックストライプあるい
は図8(b)に示すブラックマトリクスなどと呼ばれる
黒色導電材81と蛍光体82とから構成すると良い。
【0166】次に、単純マトリクス配置の電子源を用い
て構成した表示パネルに、NTSC方式のテレビ信号に
基づいたテレビジョン表示を行うための駆動回路の構成
例について、図9を用いて説明する。
【0167】図9において、91は画像表示パネル、9
2は走査回路、93は制御回路、94はシフトレジスタ
である。95はラインメモリ、96は同期信号分離回
路、97は変調信号発生器、VxおよびVaは直流電圧
源である。
【0168】表示パネル91は、端子Dox1乃至Do
xm、端子Doy1乃至Doyn、及び高圧端子Hvを
介して外部の電気回路と接続している。
【0169】端子Dox1乃至Doxmには、表示パネル
内に設けられている電子源、即ち、M行N列の行列状に
マトリクス配線された表面伝導型電子放出素子群を一行
(N素子)ずつ順次駆動する為の走査信号が印加され
る。
【0170】一方、端子Doy1乃至Doynには、走査
信号により選択された一行の表面伝導型電子放出素子の
各素子の出力電子ビームを制御する為の変調信号が印加
される。
【0171】高圧端子Hvには、直流電圧源Vaより、
例えば10[kV]の直流電圧が供給されるが、これは
表面伝導型電子放出素子から放出される電子ビームに蛍
光体を励起するのに十分なエネルギーを付与する為の加
速電圧である。
【0172】次に、走査回路92について説明する。同
回路は、内部にM個のスイッチング素子を備えたもので
(図中、S1乃至Smで模式的に示している)ある。
【0173】各スイッチング素子は、直流電圧源Vxの
出力電圧もしくは0[V](グランドレベル)のいずれ
か一方を選択し、表示パネル91の端子Dx1ないしD
mと電気的に接続される。
【0174】S1乃至Smの各スイッチング素子は、制御
回路93が出力する制御信号Tscanに基づいて動作
するものであり、例えばFETのようなスイッチング素
子を組み合わせることにより構成することができる。
【0175】直流電圧源Vxは、本例の場合には、表面
伝導型電子放出素子の特性(電子放出しきい値電圧)に
基づいて、走査されていない素子に印加される駆動電圧
が電子放出しきい値電圧以下となるような一定電圧を出
力するよう設定されている。
【0176】制御回路93は、外部より入力する画像信
号に基づいて適切な表示が行なわれるような各部の動作
を整合させる機能を有する。
【0177】制御回路93は、同期信号分離回路96よ
り送られる同期信号Tsyncに基づいて、各部に対し
てTscanおよびTsftおよびTmryの各制御信
号を発生する。
【0178】同期信号分離回路96は、外部から入力さ
れるNTSC方式のテレビ信号から同期信号成分と輝度
信号成分とを分離する為の回路で、一般的な周波数分離
(フィルター)回路等を用いて構成できる。
【0179】同期信号分離回路96により分離された同
期信号は、垂直同期信号と水平同期信号より成るが、こ
こでは説明の便宜上Tsync信号として図示した。ま
た、前記テレビ信号から分離された画像の輝度信号成分
は便宜上DATA信号と表した。このDATA信号はシ
フトレジスタ94に入力される。
【0180】シフトレジスタ94は、時系列的にシリア
ルに入力されるDATA信号を、画像の1ライン毎にシ
リアル/パラレル変換するためのもので、制御回路93
より送られる制御信号Tsftに基づいて動作する(即
ち、制御信号Tsftは、シフトレジスタ94のシフト
クロックであるということもできる。)。
【0181】シリアル/パラレル変換された画像1ライ
ン分(電子放出素子N素子分の駆動データに相当)のデ
ータは、Id1乃至IdnのN個の並列信号としてシフト
レジスタ94より出力される。
【0182】ラインメモリ95は、画像1ライン分のデ
ータを必要時間の間だけ記憶するための記憶装置であ
り、制御回路93より送られる制御信号Tmryに従っ
て適宜Id1乃至Idnの内容を記憶する。
【0183】記憶された内容は、I'd1乃至I'dnとし
て出力され、変調信号発生器97に入力される。
【0184】変調信号発生器97は、画像データI'd1
乃至I'dnの各々に応じて表面伝導型電子放出素子の各
々を適切に駆動変調する為の信号源であり、その出力信
号は、端子Doy1乃至Doynを通じて表示パネル91
内の表面伝導型電子放出素子に印加される。
【0185】前述したように、本発明の実施の形態に係
る電子放出素子は、放出電流Ieに対して以下の基本特
性を有している。
【0186】即ち、電子放出には明確なしきい値電圧V
thがあり、Vth以上の電圧を印加された時のみ電子
放出が生じる。電子放出しきい値以上の電圧に対して
は、素子への印加電圧の変化に応じて放出電流も変化す
る。
【0187】このことから、本素子にパルス状の電圧を
印加する場合、例えば電子放出閾値以下の電圧を印加し
ても素子放出は生じないが、電子放出閾値以上の電圧を
印加する場合には電子ビームが出力される。
【0188】その際、パルスの波高値Vmを変化させる
事により、出力電子ビームの強度を制御することが可能
である。また、パルスの幅Pwを変化させることにより
出力される電子ビームの電荷の総量を制御する事が可能
である。
【0189】従って、入力信号に応じて、電子放出素子
を変調する方式としては、電圧変調方式、パルス幅変調
方式等が採用できる。電圧変調方式を実施するに際して
は、変調信号発生器97として、一定長さの電圧パルス
を発生し、入力されるデータに応じて適宜パルスの波高
値を変調するような電圧変調方式の回路を用いることが
できる。
【0190】パルス幅変調方式を実施するに際しては、
変調信号発生器97として、一定の波高値の電圧パルス
を発生し、入力されるデータに応じて適宜電圧パルスの
幅を変調するようなパルス幅変調方式の回路を用いるこ
とができる。
【0191】シフトレジスタ94やラインメモリ95
は、デジタル信号式のものでもアナログ信号式のもので
も採用できる。画像信号のシリアル/パラレル変換や記
憶が所定の速度で行なわれれば良いからである。
【0192】デジタル信号式を用いる場合には、同期信
号分離回路96の出力信号DATAをデジタル信号化す
る必要があるが、これには同期信号分離回路96の出力
部にA/D変換器を設ければ良い。
【0193】これに関連してラインメモリ95の出力信
号がデジタル信号かアナログ信号かにより、変調信号発
生器97に用いられる回路が若干異なったものとなる。
【0194】即ち、デジタル信号を用いた電圧変調方式
の場合、変調信号発生器97には、例えばD/A変換回
路を用い、必要に応じて増幅回路などを付加する。
【0195】一方、パルス幅変調方式の場合、変調信号
発生器97には、例えば高速の発振器および発振器の出
力する波数を計数する計数器(カウンタ)及び計数器の
出力値と前記メモリの出力値を比較する比較器(コンパ
レータ)を組み合せた回路を用いる。
【0196】必要に応じて、比較器の出力するパルス幅
変調された変調信号を表面伝導型電子放出素子の駆動電
圧にまで電圧増幅するための増幅器を付加することもで
きる。
【0197】アナログ信号を用いた電圧変調方式の場
合、変調信号発生器97には、例えばオペアンプなどを
用いた増幅回路を採用でき、必要に応じてレベルシフト
回路などを付加することもできる。
【0198】パルス幅変調方式の場合には、例えば、電
圧制御型発振回路(VCO)を採用でき、必要に応じて
表面伝導型電子放出素子の駆動電圧まで電圧増幅するた
めの増幅器を付加することもできる。
【0199】このような構成をとり得る本発明の実施の
形態に係る画像表示装置(図7)においては、各電子放
出素子に、容器外端子Dox1乃至Doxm、端子Doy
1乃至Doynを介して電圧を印加することにより、電子
放出が生ずる。
【0200】高圧端子Hvを介してメタルバック75、
あるいは透明電極(不図示)に高圧を印加し、電子ビー
ムを加速する。加速された電子は、蛍光膜74に衝突
し、発光が生じて画像が形成される。
【0201】ここで述べた画像形成装置の構成は、本発
明を適用可能な画像形成装置の一例であり、本発明の技
術思想に基づいて種々の変形が可能である。
【0202】例えば、入力信号については、NTSC方
式を挙げたが入力信号はこれに限られるものではなく、
PAL,SECAM方式などの他、これよりも、多数の
走査線からなるTV信号(例えば、MUSE方式をはじ
めとする高品位TV)方式をも採用できる。
【0203】また、本発明の実施の形態に係る画像形成
装置は、テレビジョン放送の表示装置,テレビ会議シス
テムやコンピューター等の表示装置の他、感光性ドラム
等を用いて構成された光プリンターとしての画像形成装
置等としても用いることができる。
【0204】
【実施例】以下、上記本発明の実施の形態に係る電子放
出素子に基づく、より具体的な実施例を詳細に説明す
る。
【0205】(実施例1)上記実施の形態の中でも参照
した、図1および図4を参照して、本実施例について説
明する。
【0206】以下に、本実施例に係る電子放出素子の製
造工程を詳細に説明する。
【0207】(工程1)基板1に石英を用い、十分洗浄
を行った後、スパッタ法により低電位電極層2として厚
さ300nmのTa、絶縁層3Aとして厚さ35nmの
SiO2、CVD法により絶縁層3Bとして厚さ10n
mのPSG(リン濃度10%)、スパッタ法により絶縁
層3Cとして厚さ5nmのSiO2、高電位電極層4と
して厚さ25nmのTaをこの順で堆積した(図4
(a)に示す状態)。
【0208】その後、フォトリソグラフィー工程で、ポ
ジ型フォトレジスト(AZ1500/クラリアント社
製)のスピンコーティング、フォトマスクパターンを露
光、現像し、レジスタパターンを形成した。
【0209】その後、パターニングしたフォトリソレジ
ストをマスクとし、絶縁層3A,3B及び3C、および
高電位電極層4を、CF4ガスを用いてドライエッチン
グして、低電位電極層2で停止させ、長さL1が50μ
mの段差構造を形成した(図4(b)に示す状態)。
【0210】(工程2)次に、形成された段差部に、H
F(48%):NH4F(40%)=1:10の割合の
溶液を純水で1%に希釈した物をエッチング液として、
5分間エッチングを施し、絶縁層3Bを選択的にエッチ
ングして、段差側壁から50nm程絶縁層3B層を後退
させ、リセス構造6を形成した(図4(c)に示す状
態)。
【0211】(工程3)次に、導電性薄膜5として、2
nmのカーボン膜を前記段差部の周辺にのみ堆積し、リ
セス部6に間隙7を形成した。このカーボン膜は、フォ
トリソグラフィー技術を用いて、段差部周辺以外の部分
をフォトレジストでマスクし、イオンビームスパッタ法
により、段差側壁に対して斜め45度上方向から選択的
に堆積した(図4(d)に示す状態)。
【0212】(工程4)次に、低電位電極層2および高
電位電極層4に15Vのパルス電圧(ON時間:1ms
ec/OFF時間:9msec)を印加して、前記カー
ボン膜に通電し、上下電極間の抵抗が10MΩ以上であ
る事を確認した。
【0213】今回は工程3の段階で間隙7が形成されて
いたが、ここで上下電極間の抵抗が10MΩ以下である
場合には、10MΩ以上になるまで通電を続け、本工程
で間隙7を形成する場合もある(図4(e)に示す状
態)。
【0214】以上のようにして作製した、電子放出部と
なる間隙位置が上部電極寄りである素子を、図5のよう
に真空容器に配置し、上部電極が高電位電極層4となる
ように駆動した。
【0215】駆動電圧を、Vf=15V、Va=10k
Vとし、電子放出素子とアノード電極との距離HをH=
2mmとした。その結果、効率2.3%で電子放出が得
られた。
【0216】(実施例2)本実施例では、絶縁層を厚く
構成した場合の例を示す。
【0217】(工程1)前記実施例1の工程1と同様
に、高電位電極層4をTa(25nm)により、絶縁層
3AをSiO2(5nm)により、絶縁層3BをPSG
(10nm)により、絶縁層3CをSiO2(1μm)
により、低電位電極層2をTa(300nm)により形
成し、また、基板1を石英基板として段差構造を形成し
た。なお、絶縁層3CはCVD法により成膜した。
【0218】(工程2)形成した段差部に、HF(48
%):NH4F(40%)=1:10の割合の溶液を純
水で1%に希釈したものをエッチャントとして室温でエ
ッチングを施し、段差側壁にリセス構造を形成した。
【0219】(工程3)次に、前記実施例1の工程3〜
4と同様な方法で、段差部にカーボン膜を堆積し、リセ
ス部6に間隙7を形成した。
【0220】以上のように絶縁層を厚くすることで、素
子容量の低減がなされ高速応答が可能となった。また、
絶縁層が薄い場合に比べて、プロセス上の欠陥(絶縁層
成膜の際のピンホール発生等による電極間リークなど)
が減り、歩溜りを向上することができた。
【0221】このように絶縁層を厚くした場合でも、電
子放出部の位置制御が可能であり、作製した電子放出素
子から良好な電子放出が得られた。
【0222】(実施例3)本実施例では、電子放出部で
ある間隙部に活性化による安定化工程を施した場合の例
を示す。
【0223】(工程1)前記実施例1の工程1と同様
に、高電位電極層4をTa(25nm)により、絶縁層
3AをSiO2(5nm)により、絶縁層3BをPSG
(10nm)により、絶縁層3CをSiO2(35n
m)により、低電位電極層2をTa(300nm)によ
り形成し、また基板1を石英基板として段差構造を形成
した。なお、PSGはP濃度が10%であり、CVD法
により成膜した。
【0224】(工程2)形成された段差部に、HF(4
8%):NH4F(40%)=1:10の割合の溶液を
純水で1%に希釈した物をエッチャントとして室温でエ
ッチングを施し、段差側壁にリセス構造6を形成した。
【0225】(工程3)次に、前記実施例1の工程3〜
4と同様な方法で、段差部にPd膜を堆積し、リセス部
6に間隙7を形成した。なお、本例でも上下電極間の抵
抗は10MΩ以下であり微粒子膜を堆積した段階で間隙
7が形成されていた。
【0226】(工程4)次に、BN(ベンゾニトリ
ル),2.7×10-4Pa雰囲気中で低電位電極層2お
よび高電位電極層4に、前記実施例1の工程4と同様の
パルス電圧を印加し、間隙間に炭素を生成した。
【0227】なお、活性化工程は、間隙間に流れる電流
が飽和した時点で終了した。
【0228】以上のようにして作製した電子放出素子か
ら良好な電子放出が得られた。
【0229】(実施例4)本実施例で作製した電子放出
素子の断面図を図10に示した。平面図は実施例1と同
様であり、実施例1との相違点は、絶縁層が2層構造で
あり、高電位電極層の直下に間隙が形成されるという点
である。なお、本例の場合には、絶縁層3Aが第2の層
に相当し、絶縁層3Bが第3の層に相当し、高電位電極
層4が第1の層に相当する。
【0230】(工程1)前記実施例1の工程1のよう
に、高電位電極層4をTa(25nm)により、絶縁層
3BをSi34(10nm)により、絶縁層3AをSi
2(40nm)により、低電位電極層2をTa(30
0nm)により形成し、また、基板1を石英基板として
段差構造を形成した(Si34はスパッタ法により形成
した)。
【0231】(工程2)次に、形成された段差部に、1
20℃に熱したH3PO4によりエッチングを施し、Si
34で構成された3Bを選択的にエッチングし、段差側
壁にリセス構造6を形成した。
【0232】(工程3)次に、前記実施例1の工程3〜
4と同様に、段差部にカーボン膜5を堆積し、高電位電
極層4の直下のリセス部6に間隙7を形成した。
【0233】以上のようにして作製した電子放出素子
を、実施例1と同様な条件で駆動すると、2.7%の効
率で電子放出が得られた。
【0234】(実施例5)本実施例の模式的平面図を図
11(a)に、模式的断面図((a)におけるAA断
面)を図11(b)に示した。
【0235】(工程1)前記実施例4の工程1と同様
に、高電位電極層4をTa(25nm)により、絶縁層
3CをSiO2(5nm)により、絶縁層3BをSi3
4(10nm)により、絶縁層3AをSiO2(35n
m)により、低電位電極層2をTa(300nm)によ
り形成し、また、基板1を石英基板として段差構造を形
成した。
【0236】その後、フォトリソグラフィー、ドライエ
ッチングにより、2μmφのホール型構造を形成した
(各層を貫通する貫通孔としてのホールを形成した)。
【0237】(工程2)次に、前記実施例4の工程2と
同様に、ホール型構造の側壁(貫通孔としてのホールの
内周面)にリセス構造6を形成した。
【0238】(工程3)次に、前記実施例1の工程3〜
4と同様に、ホール型構造の側壁にカーボン膜5を堆積
し、リセス部6に間隙7を形成した。
【0239】以上のようにして作製した電子放出素子
を、実施例1と同様な条件で駆動すると、2.3%の効
率で電子放出が得られたが、本実施例における素子構成
は、アノード側から(第1の層側から第2の層側)み
て、低電位電極が高電位電極(高電位電極層)に囲まれ
ているため、ホール内から放出された電子は発散する事
により、実施例1と比較すると電子ビームに40%程度
の広がりが見られた。
【0240】なお、図示の例では、ホール内周の全てに
電子放出部を設ける場合の構成について示したが、これ
に限らず、ホール内周の周方向の一部にのみ、各電極を
設けて、周方向の一部にのみ電子放出部が形成されるよ
うにしても良い。
【0241】(実施例6)本実施例の模式的平面図を図
12(a)に、模式的断面図((a)におけるAA断
面)を図12(b)に示した。
【0242】本実施例では、図示のように素子の高電位
電極を低電位電極で挟むような構成(方形状に各層を形
成し、これらの一対の両端側に、それぞれ第1の側壁
面,第2の側壁面,第3の側壁面,高電位電極,低電位
電極および電子放出部を設け、さらに、これらの両端側
にそれぞれ低電位電極層が広がるように各層を積層させ
た構成)とする事(以下リッジ型と呼ぶ)で、アノード
側から素子を眺めたときの電子放出部を原点とすると、
電子ビームが原点付近に収束するという効果がある。
【0243】(工程1)前記実施例4の工程1と同様
に、高電位電極層4をTa(25nm)により、絶縁層
3CをSiO2(5nm)により、絶縁層3BをSi3
4(10nm)により、絶縁層3AをSiO2(35n
m)により、低電位電極層2をTa(300nm)によ
り形成し、また、基板1を石英基板として段差構造を形
成した。
【0244】その後、フォトリソグラフィー、ドライエ
ッチングにより、8μm幅のリッジ構造を形成した。
【0245】(工程2)次に、前記実施例4の工程2と
同様に、リッジ構造の両側壁にリセス構造6を形成し
た。
【0246】(工程3)次に、前記実施例1の工程3〜
4と同様に、リッジの両側壁にカーボン膜5を堆積し、
リセス部6に間隙7を形成した。
【0247】以上のようにして作製した電子放出素子
を、実施例1と同様な条件で駆動すると、本実施例の素
子構成ではアノード側からみて、高電位電極が低電位電
極に囲まれているため、リッジ両側壁から放出された電
子は−の電位に挟まれる事になり、実施例1と比較する
と電子ビームが原点付近に観測された。しかし、効率は
1.9%と若干低下した。
【0248】(実施例7)本実施例では、上記実施例6
のリッジ型において、両段差の片側だけに電子放出部を
形成した場合について説明する。
【0249】(工程1)前記実施例4の工程1と同様
に、高電位電極層4をTa(25nm)により、絶縁層
3CをSiO2(5nm)により、絶縁層3BをSi3
4(10nm)により、絶縁層3AをSiO2(35n
m)により、低電位電極層2をTa(300nm)によ
り形成し、また、基板1を石英基板として段差構造を形
成した。
【0250】その後、フォトリソグラフィー、ドライエ
ッチングにより、8μm幅のリッジ構造を形成した。
【0251】(工程2)次に、前記実施例4の工程2と
同様に、リッジ構造の両側壁にリセス構造6を形成し
た。
【0252】(工程3)次に、前記実施例1の工程3〜
4と同様に、リッジ構造の片側のみにカーボン膜5を堆
積し、片側のリセス部6にのみ間隙7を形成した。
【0253】以上のようにして作製した電子放出素子
を、実施例1と同様な条件で駆動すると、実施例5と同
様に、放出された電子は−の電位に挟まれ、また、放出
部がリッジ側壁の片側のみであるため、原点付近にさら
に径の小さい電子ビームが観測された。
【0254】(実施例8)本実施例では、本発明の電子
放出素子を具備した画像形成装置の一例として、上記実
施例1の素子を用いて画像形成装置を作製した場合につ
いて示す。
【0255】図13(a)は本実施例の素子を上から見
たときの模式的平面図であり、図13(b)は図13
(a)におけるA−A線での模式的断面図である。
【0256】この場合の電子放出素子は、図に示すよう
に、電子放出に関係する高電位電極以外の領域の絶縁層
を絶縁層131のように1μmと厚く設計し、寄生容量
を低減して、マトリクス駆動中に発生する信号遅延を防
止した。
【0257】このように構成された素子を10×10の
MTX状に配置し、x方向配線を低電位電極にy方向配
線を高電位電極に接続した。
【0258】また、素子は、横150μm、縦300μ
mのピッチで配置し、素子上部には2mmに距離を隔て
た位置に蛍光体を配置した。そして、蛍光体には10k
Vの電圧を印加した。
【0259】この結果、容量成分の低減効果によるマト
リクス駆動が可能で高精細な画像形成装置を形成でき
た。
【0260】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の電子放出
素子およびその製造方法によって、簡易な構成で、容易
に電子放出部の位置制御を行いつつ、弾性散乱の回数を
減らして電子放出効率を向上させることができる。
【0261】また、このように電子放出効率の向上した
電子放出素子を電子源や画像形成装置に適用すれば、性
能に優れた電子源及び画像形成装置を実現できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態に係る電子放出素子の模式
図である。
【図2】本発明の実施の形態に係る電子放出素子を駆動
させた場合の模式的断面図である。
【図3】本発明の実施の形態に係る電子放出素子の電子
放出部の拡大図である。
【図4】本発明の実施の形態に係る電子放出素子の製造
工程を順に示した模式図である。
【図5】電子放出素子の製造工程の一つである活性化処
理を行うための真空処理装置の模式図である。
【図6】本発明の実施の形態に係る電子源(単純マトリ
クス配置)の概略構成図である。
【図7】単純マトリクス配置の電子源を用いた本発明の
実施の形態に係る画像形成装置に用いる表示パネルの概
略構成図である。
【図8】図7の表示パネルにおける蛍光膜の模式図であ
る。
【図9】図7の表示パネルを駆動する駆動回路の一例を
示す回路図である。
【図10】本発明の実施例4に係る電子放出素子の模式
的断面図である。
【図11】本発明の実施例5に係る電子放出素子の模式
図である。
【図12】本発明の実施例6に係る電子放出素子の模式
図である。
【図13】本発明の実施例8に係る画像形成装置を作製
した際に用いた電子放出素子の模式図である。
【図14】従来技術に係る電子放出素子の模式的断面図
である。
【図15】従来技術に係る垂直型の表面伝導型素子の模
式的断面図である。
【図16】平面型の表面伝導型素子の電子の軌道を示す
模式図である。
【図17】垂直型の表面伝導型素子の電子の軌道を示す
模式図である。
【図18】電子放出効率と高電位電極に関する所定距離
との関係を示す関係図である。
【符号の説明】
1 基板 2 低電位電極層 3A,3B,3C 絶縁層 4 高電位電極層 5 導電性薄膜(もしくは高抵抗膜) 5A 高電位電極 5B 低電位電極 6 リセス部 7 間隙 8 陽極(アノード) 31,32 電子 50 電流計 51 電源 52 電流計 53 高圧電源 54 アノード電極 55 真空容器 56 排気ポンプ 57 有機ガス供給源 61 電子源基体 62 X方向配線 63 Y方向配線 64 電子放出素子 65 結線 71 リアプレート 72 支持枠 73 ガラス基体 74 蛍光膜 75 メタルバック 76 フェースプレート 77 外囲器 81 黒色導電材 82 蛍光体 91 像表示パネル 92 走査回路 93 制御回路 94 シフトレジスタ 95 ラインメモリ 96 同期信号分離回路 97 変調信号発生器 131 絶縁層 161 素子高電位電極 162 素子低電位電極 163 陽極(アノード) 164 駆動電圧Vfと等しい等電位面 165 駆動電圧Vfよりも高い等電位面 171 高電位電極 172 低電位電極 173 陽極(アノード) 174 駆動電圧Vfと等しい等電位面 175 駆動電圧Vfよりも高い等電位面 D 間隙距離 L1 素子電極長さ L2 導電性薄膜(もしくは高抵抗膜)を堆積する領域
の長さ T1 間隙の高電位電極の端部位置から高電位電極層の
上部までの距離 T2 間隙の低電位電極の端部位置から低電位電極層の
表面までの間の距離 Xs 特徴距離

Claims (17)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】第1の側壁面を有する第1の層と、 前記第1の側壁面の延長面上に、その面が略一致する第
    2の側壁面を有する第2の層と、 前記第1の側壁面および第2の側壁面よりも内部に凹ん
    だ位置に、その面が設けられる第3の側壁面を有し、か
    つ、前記第1の層と第2の層との間に設けられる第3の
    層と、を備えた電子放出素子であって、 前記第1の側壁面上に高電位電極を設けると共に、前記
    第2の側壁面上に低電位電極を設け、これらの電極間の
    間隙を電子放出部とすることを特徴とする電子放出素
    子。
  2. 【請求項2】基板上に積層された低電位電極層と、 該低電位電極層上に積層された絶縁層と、 該絶縁層上に積層された高電位電極層と、を備え、 前記高電位電極は前記高電位電極層と電気的に接続さ
    れ、かつ、前記低電位電極は前記低電位電極層と電気的
    に接続されることを特徴とする請求項1に記載の電子放
    出素子。
  3. 【請求項3】前記絶縁層が、前記第1の層,第2の層お
    よび第3の層から構成されることを特徴とする請求項2
    に記載の電子放出素子。
  4. 【請求項4】前記高電位電極層が前記第1の層であり、 前記絶縁層が、前記第2の層および第3の層から構成さ
    れることを特徴とする請求項2に記載の電子放出素子。
  5. 【請求項5】前記第1の層側から第2の層側を見た場合
    に、前記低電位電極が前記高電位電極に取り囲まれてい
    ることを特徴とする請求項1または2に記載の電子放出
    素子。
  6. 【請求項6】前記第1の層,第2の層および第3の層を
    貫通する貫通孔を形成することによって、この貫通孔の
    内周面の一部を前記第1の側壁面とすると共に、該貫通
    孔の内周面の他の一部を前記第2の側壁面として、これ
    らの側壁面上にそれぞれ高電位電極および低電位電極を
    設けて、該低電位電極が高電位電極に取り囲まれるよう
    にすることを特徴とする請求項5に記載の電子放出素
    子。
  7. 【請求項7】前記高電位電極および低電位電極は、貫通
    孔内周の周方向の一部にのみ設けて、該周方向の一部に
    のみ前記電子放出部が形成されるようにすることを特徴
    とする請求項6に記載の電子放出素子。
  8. 【請求項8】前記高電位電極層を方形状に形成し、該高
    電位電極層の一対の両端側に、それぞれ電子放出部を設
    けると共に、 前記両端側に、それぞれ低電位電極層が広がるように各
    層を配置することを特徴とする請求項2に記載の電子放
    出素子。
  9. 【請求項9】前記高電位電極層を方形状に形成し、該高
    電位電極層の一対の両端のうちのいずれか片端のみに電
    子放出部を設けると共に、 前記両端側に、それぞれ低電位電極層が広がるように各
    層を配置することを特徴とする請求項2に記載の電子放
    出素子。
  10. 【請求項10】表面伝導型の電子を放出する素子である
    ことを特徴とする請求項1〜9のいずれか一つに記載の
    電子放出素子。
  11. 【請求項11】請求項1〜10のいずれか一つに記載の
    電子放出素子を複数配置することを特徴とする電子源。
  12. 【請求項12】前記電子放出素子がマトリクス配線され
    ていることを特徴とする請求項11に記載の電子源。
  13. 【請求項13】請求項11または12に記載の電子源を
    備えると共に、該電子源から放出された電子によって画
    像を形成する画像形成部材を備えることを特徴とする画
    像形成装置。
  14. 【請求項14】前記画像形成部材は、電子の衝突によっ
    て発光する蛍光体であることを特徴とする請求項13に
    記載の画像形成装置。
  15. 【請求項15】第1の層,第2の層および第3の層が積
    層された3層構造を有し、これらの層の側壁面側に電子
    放出部が設けられる電子放出素子の製造方法であって、 前記第3の層は、第1の層および第2の層とは異なる材
    料から構成すると共に、 第2の層,第3の層および第1の層の順に積層する積層
    工程の後に、前記第2の層のみを所定量だけ選択エッチ
    ングしてリセス構造を形成する工程と、 その後、リセス位置に電子放出部が形成されるように、
    第1の層および第2の層の側壁面にそれぞれ導電性薄膜
    を被覆する工程と、を備えることを特徴とする電子放出
    素子の製造方法。
  16. 【請求項16】前記第1の層,第2の層および第3の層
    は、絶縁層であることを特徴とする請求項15に記載の
    電子放出素子の製造方法。
  17. 【請求項17】前記第1の層は、前記導電性薄膜に電気
    的に接続される高電位電極層であり、 前記第2の層および第3の層は、絶縁層であることを特
    徴とする請求項16に記載の電子放出素子の製造方法。
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