JP2001158371A - 後輪操舵機構の電子制御装置 - Google Patents

後輪操舵機構の電子制御装置

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JP2001158371A
JP2001158371A JP34383799A JP34383799A JP2001158371A JP 2001158371 A JP2001158371 A JP 2001158371A JP 34383799 A JP34383799 A JP 34383799A JP 34383799 A JP34383799 A JP 34383799A JP 2001158371 A JP2001158371 A JP 2001158371A
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steering angle
rear wheel
control
angle
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JP34383799A
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Hiroshi Furuumi
洋 古海
Kunio Shirakawa
邦雄 白川
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Honda Motor Co Ltd
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Honda Motor Co Ltd
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  • Steering Control In Accordance With Driving Conditions (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 後輪の操舵シャフトを直線駆動機構で従動さ
せる後輪操舵機構において、機構上の中立位置でタイヤ
反力が生じても、直線駆動機構による振動を生じさせな
い後輪操舵機構の電子制御装置を提供する。 【解決手段】 この電子制御装置10は、前輪操舵制御
システム190の前輪操舵から後輪操舵情報S1を設定
する目標舵角設定手段20、後輪161,162の転舵
方向Drを電磁アクチュエータ141,142に指示す
る転舵方向指示手段30、後輪161,162の目標舵
角θrに従って電動モータ120に駆動電流IMを供給
し、後輪161,162の舵角を調整する舵角調整手段
40、転舵しつつある後輪161,162の実舵角θR
を計測する実舵角計測手段50を有している。目標舵角
設定手段20は、前輪操舵情報S1の情報変換部21、
その後輪操舵情報S2に基づく転舵方向Drと目標舵角
θrの目標指示部22を有する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、車両の前輪操舵に
伴って後輪も操舵し、この協働操舵によって、例えば走
行時の前輪操舵による最小回転半径を小さくするための
後輪操舵機構の電子制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、自動車の姿勢制御を機構的
に、または油圧や電動で制御しながら補助するための後
輪操舵装置が知られている。
【0003】一般に、後輪操舵機構には、後輪どうしを
リンク機構を介して操舵シャフトに連結した構造が採ら
れている。このような構造において、例えば、操舵シャ
フトにスライダ駆動軸を並行させ、このスライダ駆動軸
上でスライダを駆動力によって往復移動させる方式があ
る。この方式では、スライダをクラッチ機構を介して操
舵シャフトと連結させ、あるいは切り離すと共に、連結
させたスライダの往復移動に操舵シャフトを従動させ
る。そして、操舵シャフトを左右軸方向に従動させるこ
とにより、後輪の向きを左方または右方に転舵させる。
【0004】図12は後輪操舵機構の一例における要部
の斜視図である。この後輪操舵機構400は、本出願人
が機構部を改良した電動制御による「後輪転舵装置」で
あり、精密センサで制御せずに機構的な中立位置に位置
決めさせる方式を採っている。この後輪操舵機構400
では、2つのスライダ420L,420Rをスライダ駆
動軸421上の左右に配置する。加えて、それぞれのス
ライダ420L,420Rにはクラッチ機構430L,
430Rを設けてある。
【0005】このため、いずれか一つのスライダ420
Lまたは420Rを、択一的に操舵シャフト440と連
結し、または切り離すことができる。このクラッチ機構
430L,430Rの作動レバー424L,424R
は、スライダ420L,420Rがスライダ駆動軸42
1の中央部にあるときだけ、電動アクチュエータ425
L,425Rによりケーシングの案内溝431に沿って
作動する。したがって、操舵シャフト440が1つのス
ライダ420Lまたは420Rによる従動以外には、決
して動けない構成になる。
【0006】なお、操舵シャフト440の追従機構42
6をセンタピース441上に設け、この追従機構426
を介して操舵ストロークセンサ427により、操舵シャ
フト440の左右従動方向とそのときの移動距離を検出
させる。また、両スライダ430L,430Rの別の従
動機構428を左スライダ430L上に代表させて設
け、この従動機構428を介して駆動ストロークセンサ
429により、両スライダ430L,430Rの移動距
離を検出させている。
【0007】また、441は操舵シャフト440の中央
部に設けたセンタピース、491は図示しないケーシン
グ内面から突き出させたストッパ、411は電動駆動手
段(以下、一例として電動モータという)、417は電
動駆動手段411の減速機構である。
【0008】図13は図12に示す後輪操舵機構を車内
から路面方向に見た要部の透視図であり、図13(a)
は後輪を進行方向に向って左方向に転舵させた状態を示
し、図13(b)は直進走行しているときの状態を示
す。図13(a)に示す後輪操舵装置400では、左右
スライダ420L,420Rのスライダ駆動軸421
に、中央部から左右に振り分けてネジ部429Lと逆ネ
ジ部429Rが螺刻してある。
【0009】このため、電動モータ411により減速機
構417を介してスライダ駆動軸421を回転させる
と、左右スライダ420L,420Rが同時に外方に移
動して互いに遠ざかり、そして内方に引き戻されて接近
する。これに先立って、前述したクラッチ機構430R
を作動させれば、右スライダ420Rが、操舵シャフト
440を図面右に移動し、左右ナックル442,443
を介して左右後輪444,445を操舵角度(以下、舵
角という)θ1,θ1だけ転舵させることができる。
【0010】また、左右スライダ420L,420Rを
機構的な中立位置に戻して左右後輪444,445の舵
角θ1を(θ1=0)としたいときは、電動モータ411
を逆転させてスライダ駆動軸421も逆転させる。これ
によって、前述した作動順序とは反対方向に各部が作動
し、左右スライダ420L,420Rどうしが接近しな
がら、操舵シャフト440を図面左方向に引き戻す。そ
して、左右の後輪444,445が直進方向を向く。
【0011】このとき、(b)に示すセンタピース44
1およびストッパ491に、左右スライダ420L,4
20Rを図面左右方向(矢印498,499)から当接
させる。このため、操舵シャフト440がいずれの位置
にあっても、単に電動モータ411を逆転させるだけ
で、操舵シャフト440を正確に機構上の中立位置に位
置合せすることができる。以下、このスライダ駆動軸4
21の中央部の位置を左右スライダ420L,420R
の機構上の中立位置という。
【0012】例えば、何らかの事情が急に生じて左右後
輪444,445を直進方向に向けたい場合も考えられ
る。このときでも、左右スライダ420L,420Rを
中立位置に戻させるだけで、直ちに後輪操舵を打ち切る
などのフェイルセーフな制御が実現できる。また、後輪
を右向きから左向きに切り返すときは、両スライダ42
0L,420Rを機構上の絶対的な中立位置に容易に戻
し得る。そして、この状態からその反対向きに後輪を転
舵させるため、中立位置を基準にして新たな舵角を正確
に決定することができる。
【0013】また、同様にして、左のクラッチ機構43
0Lと左スライダ420Lにより、後輪を右方に向けて
転舵させたり直進方向に戻したりできる。したがって、
この機構的な中立位置を精密な位置センサなどに頼らな
いので、高価なアナログ回路で複雑なフィードバック制
御を行なわない。このため、広い舵角範囲の後輪操舵で
ありながら比較的に安価な構成を実現できる。なお、前
述した中立位置では、左右スライダ420L,420R
をセンタピース441で位置決めすると共に、ケーシン
グのストッパ491に当接させて位置をずらさないよう
確実に支持させておく。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来例による後輪操舵機構の電子制御装置には次に述べる
ような問題点があった。左右後輪444,445の向き
を、例えば、左転舵状態から機構上の中立位置を越えて
右転舵状態に切り換える際、先ず、電動モータ411を
逆転させて両スライダ420L,420Rを中立位置に
引き戻す必要がある。
【0015】図14は右スライダが中立位置に引き戻さ
れてストッパに当接した状態の要部拡大図である。スラ
イダ駆動軸421を逆方向(矢印428)に逆転させ、
右スライダ420Rを図面左方向(矢印429)にスラ
イドさせて引き戻すと、右スライダ420Rが中立位置
でストッパ491に当接する。
【0016】図15はタイヤ反力による後輪の追従遅れ
を説明する図である。スライダ420L,420Rが中
立位置に停止すれば、操舵シャフト440も機構上の中
立位置に支持される。ところが、例えば右後輪445
は、タイヤ接地面Gに対するタイヤの弾性変形、右ナッ
クル443その他機構部の弾性変形に伴って、微小な角
度θ2ではあるが、まだ左転舵状態にある。そして、後
輪操舵の追従遅れにより操舵シャフト440を右方向
(左転舵状態)に引き戻そうとする方向のタイヤ反力
(矢印432)が働く。
【0017】このような状態で、左のクラッチ機構43
0Lを係合させて左方向(右転舵状態)に転舵させよう
とすると、左電動アクチュエータ425Lを駆動し、か
つ、電動モータ411を正転方向に回転させる必要があ
る。ところが、後輪操舵機構400が機構的なバックラ
ッシュを有しているため、前述したタイヤ反力(矢印4
32)に伴って、このバックラッシュ分だけ操舵シャフ
ト440が右方向(左転舵状態)に戻されてしまう。
【0018】したがって、後輪の舵角が、操舵シャフト
440の従動に基づいて計測され、操舵シャフト440
が引き戻された方向(左転舵方向)に、その従動距離に
従った舵角として検出される。このため、後輪操舵制御
上では、後輪操舵機構400が未だ左転舵状態にあると
認識し、再び舵角を中立位置に戻すべくスライダ駆動軸
421を逆転させる。
【0019】以後、スライダ駆動軸421を繰り返し逆
転して操舵シャフト440を引き戻しながら振動状態に
なり、いつまで経っても操舵シャフト440を右方向
(左転舵方向)に従動できない可能性があった。特に、
自動車の積載重量が大きかったり、また、戻し速度が早
過ぎると、このようなタイヤ反力(矢印432)が生じ
やすく、これらを操舵制御で解決することが重要な技術
上の課題であった。
【0020】そこで、本発明の目的は、後輪の操舵シャ
フトを直線駆動機構で従動させる後輪操舵機構におい
て、機構上の中立位置でタイヤ反力が生じても、直線駆
動機構による振動を生じさせない後輪操舵機構の電子制
御装置を提供することにある。
【0021】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するた
め、本発明による後輪操舵機構の電子制御装置は、一対
の直線駆動機構の一方に車両の後輪の操舵シャフトを従
動させながら、双方の直線駆動機構を操舵シャフトに沿
って互いに接離させ、直線駆動機構の往復スライドによ
って後輪を操舵させる後輪操舵機構の電子制御装置であ
って、直線駆動機構に付与する目標舵角と、操舵シャフ
トによる後輪の実舵角との対応関係を制御履歴として記
憶した履歴記憶手段と、この履歴記憶手段による制御履
歴に基づいて、後輪の実舵角が機構上の中立位置から目
標舵角とは反対方向に位置ずれするか判定し、この位置
ずれが判定されたときは、位置ずれ直前の制御をそのま
ま継続させる制御継続手段とを有したものである。
【0022】この電子制御装置によれば、履歴記憶手段
の制御履歴から制御継続手段によって中立位置からの実
舵角の位置ずれが識別される。このような位置ずれが識
別されても、これに伴った直線駆動機構の制御モードを
遂行させない。このため、中立位置でタイヤ反力が生じ
ても、操舵シャフトが振動状態に陥らず、予定していた
制御モードを継続して遂行することができる。
【0023】本発明の請求項2記載の後輪操舵機構の電
子制御装置は、履歴記憶手段が、前後する二つの制御モ
ードの検索順序を制御履歴として記憶する構成であっ
て、前記制御継続手段が、目標舵角と実舵角を二つのア
ドレスとした2次元の検索テーブルに各制御モードを格
納させた構成であることを特徴とした。これによれば、
目標舵角と実舵角の2次元アドレスの検索順序によっ
て、中立位置での操舵シャフトの位置ずれが識別され
る。
【0024】
【発明の実施の形態】本発明の実施の形態を添付図に基
づいて以下に説明する。図1は本発明の第1の実施形態
による後輪操舵機構の電子制御装置の一構成例を概略的
に説明する図である。この後輪操舵機構の電子制御装置
10は、4輪操舵方式の自動車に搭載した後輪操舵機構
100を電子制御するための装置である。
【0025】このような自動車には、一般の4輪駆動
(4WD)車を含むが、主として低速走行時に前輪操舵
に伴って後輪を転舵させる車両であれば、土木工事用の
大型車両から普通乗用車までいずれも含まれる。以下、
一般的な4輪自動車を一例として述べる。
【0026】後輪操舵機構100は、本出願人が、精密
センサによる制御に頼らず中立位置を機構的に位置決め
させる改良をした機構であり、駆動源の駆動力を転舵力
に変換する直線駆動機構130、転舵方向を選択するク
ラッチ機構140、後輪操舵のため左右従動を行なう操
舵シャフト150を有する。また、直線駆動機構130
には、例えば電動モータからなる電動駆動手段120
(以下、電動モータという)を駆動源として回転駆動力
が加えられる。これらの点では、前述した従来例と共通
する。
【0027】つまり、クラッチ機構140が、左右対象
な作動原理を採る2つの機能ブロックに分けられる点で
共通する。これに対して、3重の同軸シリンダ構造のネ
ジ式延縮機構である点で、前記従来例とは異なる。すな
わち、本機構100が、1つの外部回転筒内で、2つの
中間部スライド筒を前記駆動従動機構と同様に離間させ
て左右外方に延び出させ、続いて内方に引き込み中立位
置に止める。しかも、それぞれの中間部スライド筒内
に、クラッチ機構140の各機能ブロックを設けてあ
る。なお、このクラッチ機構140の各機能ブロックか
ら本発明による直線駆動機構を構成する。
【0028】図2は図1に示す機構を分解して図示した
斜視図である。図2に示す直線駆動機構130の外部回
転筒131には、その外歯歯車132に、電動モータ1
20の駆動歯車が減速機構121を介して回転可能に噛
合される。電動モータ120は、回転駆動を行なうため
の直流モータである。また、励磁方法の種類によって異
なる駆動回路を用いれば、その他の異なる電動モータを
代用することもできる。
【0029】外部回転筒131の内周面には、その中央
部から図面左右に振り分けて互いに逆ネジを螺刻してあ
る。そして、外部回転筒131内に、2つの中間部スラ
イド筒133,134を図面左右に並べて外部回転筒1
31と同軸に配置し、それぞれを外部回転筒131の内
周面の各逆ネジと螺合させる。両中間部スライド筒13
3,134外周面の左右外端部には、摺動案内用の突起
133A,134Aを形成し、図示しないケーシングに
設けた軸方向の溝に係合させることにより、ケーシング
に対して両中間部スライド筒133,134が回転不能
に支持してある。
【0030】このため、電動モータ120の回転によっ
て、2つの中間部スライド筒133,134を外部回転
筒131の図面左右外方に延び出させることができる。
また、電動モータ120を逆転させることにより、内方
に引き込んで機構上の中立位置に引き戻すこともでき
る。この場合、摺動案内用の突起133A,134A
を、図示しないケーシング内の左右端部のストッパに当
接させ、双方の中間部スライド筒133,134を停止
させる。そして、中立位置から延び出した中間部スライ
ド筒133,134が、最外延出位置を越えないよう
に、ケーシング内での各部の取付位置および取付方向を
予め調節してある。
【0031】各中間部スライド筒133,134には、
前述したクラッチ機構140の2つの機能ブロック14
0L,140Rをそれぞれ図面左右に配置させてある。
【0032】図3は図2に示すクラッチ機構の左機能ブ
ロックを分解して図示した斜視図である。この左機能ブ
ロック140Lは、ソレノイドを内蔵した左電磁アクチ
ュエータ141を外周部に、また、中間部スライド筒1
33と同軸に摺動回転する内部クラッチ筒143を内接
させて併有する。左電磁アクチュエータ141は、ソレ
ノイドの通電によって可動ピンを突き出すアクチュエー
タを一例として述べる。この他、機構部での取付位置と
取付方向によっては、回転作動に伴い可動ピンを揺動さ
せる方式であってもよい。
【0033】内部クラッチ筒143外周の外端部には、
アーム状のクラッチレバー143Aを突設させ、このク
ラッチレバー143Aが突き出された案内用貫通溝14
5A(図2参照)を、前述した左中間部スライド筒13
3外端部で周方向に削設してある。ケーシングにも同様
の案内用溝145Bが形成されている。このとき、内部
クラッチ筒143が、例えばねじりバネその他の左バネ
機構143Bによって軸端部から見て反時計廻りの方向
に回転付勢してある。
【0034】このため、中立位置で左電磁アクチュエー
タ141に通電すると、その可動ピン先端部が押し出さ
れ、回転付勢に抗して内部クラッチ筒143のクラッチ
レバー143Aを案内用貫通溝145Aおよび案内用溝
145Bに沿って押し下げる。そして、案内用貫通溝1
45Aおよび案内用溝145Bにクラッチレバー143
Aが導かれながら、内部クラッチ筒143を中間部スラ
イド筒133内で一定角度だけ回転させる。したがっ
て、内部クラッチ筒143を案内用貫通溝145Aおよ
び案内用溝145Bのある中立位置でだけ回転させるこ
とができる。
【0035】内部クラッチ筒143内周の外端部には、
複数の内歯歯車状のクラッチ歯143C,・・・143C
を突条に設け、それぞれのクラッチ歯143Cを内部ク
ラッチ筒143と同軸をなす所定ピッチで形成する。そ
して、前述した操舵シャフト150(図1、2参照)外
周に、同数の外歯歯車状の係合歯151,・・・151を
突設させ、それぞれの係合歯151を各クラッチ歯14
3Cと対向する位置で同様のピッチに形成する。
【0036】このため、操舵シャフト150の各係合歯
151を外方から各クラッチ歯143Cにスプライン結
合させれば、各係合歯151がクラッチ歯143Cの谷
溝内に滑り込める配置になる。そこで、前述した左電磁
アクチュエータ141を励磁してクラッチレバー143
Aを押し下げ、クラッチ歯143Cを各係合歯151の
谷溝内に滑り込ませる。
【0037】以下、それぞれの電磁アクチュエータ14
1、142が非励磁のとき、左右機能ブロック140
L、140Rがクラッチオン状態にあるといい、いずれ
かの電磁アクチュエータ141、142が励磁される
と、左右機能ブロック140Lまたは140Rがクラッ
チオフ状態にあるという。
【0038】以上、左機能ブロック140Lについて述
べたが、右機能ブロック140Rを、左機能ブロック1
40Lと左右対象にして同様に構成してある。したがっ
て、左または右電磁アクチュエータ141,142の作
動によって、内部クラッチ筒143開口端の各クラッチ
歯143C,144Cが、操舵シャフト150の各係合
歯151,152と対向する位置に回転する。
【0039】これにより、クラッチ機構140の左また
は右機能ブロック140L,140Rが、各係合歯15
1,152を介して操舵シャフト150と係合する。し
かも、中立位置以外の位置では、案内用溝145B、1
46Bにより内部クラッチ筒143,144を元に戻さ
ない構造にしてあるため、それ以外の位置で左右機能ブ
ロック140L,140Rが作動することは双方ともあ
り得ない。
【0040】操舵シャフト150は、一方の軸端部にガ
イドピン159を有する。このため、ケーシングに凹条
に削設したガイドに沿ってガイドピン159を摺動さ
せ、左右軸方向に移動可能に軸支されると共に、ケーシ
ングに対して廻り止めされている。そして、図示しない
タイロッドおよびナックルアームを含む左および右リン
ク機構155,156(図1参照)を介して、操舵シャ
フト150の両端部を自動車の右および左後輪161,
162に連結させてある。
【0041】このため、図示しないキングピンを介して
両後輪161,162が転舵可能に構成される。操舵シ
ャフト150外周の軸方向中央部には、左右中間部スラ
イド筒133,134に向けて左右センタリング突起1
53,154を形成する。そして、各センタリング突起
153,154の軸方向端面が当接する位置で、左右中
間部スライド筒133,134内周に操舵シャフト15
0に向けた移動突起133B,134Bを形成してあ
る。
【0042】また、各内部クラッチ筒143,144の
内方端部には、双方が同時に回転したときに、互いに係
止し合って左右移動を抑止させる係止鈎143D,14
4Dを延び出させて形成してある。なお、前述した操舵
シャフト150のガイドピン159延出方向には、図面
左右方向への操舵シャフト150の従動による移動距離
を検出する操舵ストロークセンサ157(図1参照)を
併設してある。続いて、後輪操舵機構100の作用をま
とめて述べる。
【0043】図4、図5は図1に示す後輪操舵機構の要
部の部分断面図である。以下、一例として、右電磁アク
チュエータ142を作動させた場合について説明する。
図4に示す直線駆動機構130の右中間部スライド筒1
34が、右電磁アクチュエータ142の作動によって操
舵シャフト150と係合される。これにより操舵シャフ
ト150の従動に伴う移動方向が決定される。
【0044】続いて、電動モータ120を回転させる
と、左右中間部スライド筒133,134が外部回転筒
131の外方に延び出す。このとき、左中間部スライド
筒133のクラッチ歯143Cは、その溝内に操舵シャ
フト150の左係合歯151を滑り込ませるため係合し
ない。しかし、右中間部スライド筒134のクラッチ歯
144Cが操舵シャフト150の右係合歯152と係合
する。このため、操舵シャフト150が、右内部クラッ
チ筒144を介して右中間部スライド筒134に押しや
られ、右中間部スライド筒134の延出と共に操舵シャ
フト150が右方向に従動する。これに連動して、両後
輪161,162の向きが自動車の直進方向の左方に転
舵される。
【0045】また、図5に示す電動モータ120を逆転
させると、外部回転筒131も逆転して左右中間部スラ
イド筒133,134が内方に引き込まれる。このと
き、右中間部スライド筒134の移動突起134Bがセ
ンタリング突起154に当接してセンタリング突起15
4を引き戻し、右中間部スライド筒134の引き込みと
共に操舵シャフト150が左方向に従動する。これによ
り両後輪161,162の向きが連動して直進方向に戻
される。
【0046】したがって、後輪操舵を行なうときには、
操舵ストロークセンサ157で操舵シャフト150を監
視しながら、前輪の操舵状況を前提条件として左右電磁
アクチュエータ141,142と電動モータ120を制
御すればよい。そして、前輪操舵に協働させて後輪を右
向き、左向きに転舵させ、また、中立位置に戻して自動
車の姿勢制御を助ける後輪操舵が実現できる。
【0047】図6は図1〜図5に示す左右内部クラッチ
筒の係止鈎による作用を説明する図であり、(a)に要
部の部分断面を示し、(b)に係止鈎の部分を透視して
示し、(c)にケーシング内から見た案内用溝を示す。
ケーシングの各案内用溝145B,146Bの中央縦部
は、その長さが左右中間部スライド筒133,134の
各案内用貫通溝145A,146Aの縦部の長さより短
く形成してあり、各クラッチレバー143A,144A
が案内用貫通溝145A,146Aから外れ落ちない構
成にしてある。
【0048】前述した電磁アクチュエータ141,14
2のうち、いずれか一方が作動すると、各内部クラッチ
筒143または144が回転する。このとき、係止鈎1
43D,144Dどうしが相対的に接近し合うが、互い
に係止し合う位置までは移動できない。
【0049】しかし、双方の電磁アクチュエータ14
1,142によって両内部クラッチ筒143,144が
同時に回転すると、係止鈎143D,144Dどうしが
互いに係止し合う距離を移動できる。これら係止鈎14
3D,144Dによれば、両電磁アクチュエータ14
1,142の同時作動を誤った後輪操舵とみなし、両内
部クラッチ筒143,144を外方に引き出さない機構
が実現できる。
【0050】図7は図1に示す電子制御装置の一構成例
を図示したブロック図である。この電子制御装置10
は、自動車の前輪操舵制御システム190の前輪操舵情
報S1によって、後輪161,162の目標舵角θrおよ
び転舵方向Drを設定するための目標舵角設定手段20
と、この目標舵角設定手段20からの転舵方向Drを電
磁アクチュエータ141,142に指示するための転舵
方向指示手段30と、同じく目標舵角θrに基づいて電
動モータ120に駆動電流IMを供給し、後輪161,
162の舵角を調整する舵角調整手段40とを有してい
る。
【0051】さらに、これら各手段20〜40と共に、
転舵しつつある後輪161,162の実際の舵角(以
下、省略して実舵角という)θRを計測するための実舵
角計測手段50とを併設してある。前記目標舵角設定手
段20、転舵方向指示手段30、舵角調整手段40から
本発明による制御継続手段を、また、後述するステータ
スレジスタから本発明による履歴記憶手段を構成する。
【0052】各手段20〜50は、例えば半導体プロセ
スによる公知のプログラマブルシーケンスコントロー
ラ、これに内蔵したアナログデジタル変換器、およびマ
イクロプログラムを用いて複数の制御アクションとして
容易に構成できる。この他にも、公知のマイクロプロセ
ッサ、その制御メモリおよび周辺回路からなるプロセッ
サシステムとすれば、これら各機能をそのファームウェ
アで実現できる。
【0053】転舵方向指示手段30は、目標舵角設定手
段20が決めた適切な転舵方向Drを導入し、この転舵
方向Drを内蔵レジスタに設定する転舵方向設定部31
と、設定した転舵方向Drに対応した左または右電磁ア
クチュエータ141,142のソレノイドを選択し、該
当する電磁アクチュエータ141または142を作動さ
せるためのソレノイド通電部32とを有している。
【0054】舵角調整手段40は、例えばPID制御に
よって舵角調整を行なう手段であり、目標舵角θrから
の実舵角θRの減算器41、その舵角偏差ΔθrのPID
演算部42、電動モータ120のパルス幅変調(PW
M)制御を行ないながら回転方向を切り替える駆動制御
部44、電動モータ120の電動機駆動部45を有し、
これらを順に配置してある。
【0055】これら各部は、前述したように制御アクシ
ョンまたはファームウェアによる各処理機能として実現
できる。例えば、各処理機能を1つ以上の単位アクショ
ンから構成し、それぞれの単位アクションを入力パラメ
ータに基づいてシーケンスコントロールできる。あるい
は、入力パラメータの変化を契機として割込み処理を行
なっても、また、いくつかの処理機能を並列処理させて
もよい。
【0056】PID演算部42は、舵角偏差Δθrから
その比例項、積分項、微分項を求める演算部である。こ
れら比例項等のパラメータは舵角偏差Δθrであり、ま
た、各種の演算係数は、後輪操舵機構100の構造特性
に基づいて決まる値である。簡易には、予め作動試験等
で求めた統計上の平均値を用いればよい。
【0057】この舵角調整手段40によれば、目標舵角
θrから実舵角θRを減算して舵角偏差Δθrを求め、こ
の舵角偏差Δθrを変数としてPID演算を行なう。そ
して、その演算結果からPWM制御のゲインを決め、電
動モータ120をデューティコントロールする。
【0058】このため、PID演算結果に基づいて電動
モータ120と直線駆動機構130の外部回転筒131
の回転が適切に制御され、これに伴って中間部スライド
筒133,134が共に外方に向けて移動しながら操舵
シャフト150を図面上下(図1参照)軸方向に従動さ
せ、これにより後輪161,162が目標舵角θrに転
舵される。
【0059】続いて、後輪161,162を中立位置に
戻すときは、電動モータ120と外部回転筒131の逆
転に伴って中間部スライド筒133,134が内方に向
けて引き戻される。
【0060】実舵角計測手段50は、前述した操舵シャ
フト150の操舵ストロークセンサ157によって、操
舵シャフト150が軸方向に従動する移動距離Lを実測
し、この移動距離Lを後輪161,162の実舵角θR
に変換する手段である。例えば、操舵シャフト150の
中立位置から左方を正の値、右方を負の値、また、機構
上の中立位置を零とした数値によれば演算し易い。この
数値は、前述した操舵ストロークセンサ157の変位量
を介して操舵シャフト150の移動距離Lを計測して求
めた値である。
【0061】このとき、操舵シャフト150の移動距離
Lから、逆三角関数演算によって実舵角θが一義的に求
まる。簡易には、例えば移動距離Lそのままを実舵角θ
Rに相当する値として送出すればよい。この場合、後述
する目標舵角設定手段20で逆三角関数演算を含む演算
を行なうことができる。
【0062】図8は図7に示す目標舵角設定手段の一構
成例を図示したブロック図である。この目標舵角設定手
段20は、前輪舵角および車速を含む前輪操舵情報S1
に基づいて後輪161、162の目標舵角θrを求める
情報変換部21と、この情報変換部21の目標舵角θr
に基づく転舵方向Drと制御手順を指示する目標指示部
22とを有する手段である。目標指示部22には、操舵
制御のための制御手順テーブル23、操舵制御における
直前の制御モードを各種ステータス情報S3として格納
したステータスレジスタ24、その他の図示しないレジ
スタが含まれる。
【0063】図9は図8に示す制御手順テーブルの一ア
ドレス例を図示した構成図である。この制御手順テーブ
ル23は、実舵角θRと目標舵角θrとに基づいて制御手
順を検索するための2次元検索テーブルである。つま
り、実舵角θRと目標舵角θrを、それぞれ複数の角度範
囲に区切り、各角度範囲を組み合わせた検索アドレスに
一群の制御手順を制御モードとして配列してある。
【0064】例えば、実舵角θRと目標舵角θrを、機構
上の中立位置N、左操舵L、右操舵Rの各状態にある三
つの角度範囲にそれぞれ区切る。これにより、各角度範
囲を組み合わせて9個の検索キーA、B、C〜H、Jを
設ける。
【0065】また、目標舵角θrが左への操舵Lを指示
されても、実舵角θRが右方への操舵Rにあるときであ
って、実舵角θRが機構上の中立位置N近傍の角度範囲
内にあると、前述したタイヤ反力による振動状態が生じ
る可能性がある。このため、中立位置N近傍に別の角度
範囲を設定して検索キーAを細分化した別の検索キーA
0を設け、タイヤ反力に妨げられない左転舵制御を中立
位置近傍で可能にさせる。同様に、検索キーJを細分化
した別の検索キーJ0を設け、同じく右転舵制御を可能
にさせる。
【0066】この他にも、これら左および右操舵L、R
をさらに細分化すれば、中立位置近傍から最大舵角まで
の操舵制御を一層きめ細かく行なうことができる。ま
た、マイクロプロセッサシステムの場合には、これら検
索キーA、B、C〜H、Jなどに代えて実舵角θRと目
標舵角θrとの各角度範囲に対応させた2次元のアドレ
スを用いてもよい。
【0067】図10は図9に示す制御手順テーブルの各
検索キーに、後輪操舵のための複数の制御モードを対応
づけた一例の配置図である。このような制御手順テーブ
ル23の各検索キーA、A0、B、C〜H、J0、Jに
は、前述した各制御モードを実舵角θRと目標舵角θrの
各組合せに対応させてある。そして、前述したステータ
ス情報を参照しながら、検索した制御モードにより後輪
操舵のための適切な制御手順を決定する。参考のため図
中の各検索キーA、A0、B、C〜H、J0、Jに矢印を
付記し、該当する制御手順に伴う実舵角θRの操舵方向
を示す。
【0068】先ず、制御手順テーブル23中央部の後輪
操舵の停止制御モードを述べる。この停止制御モード
は、前述した転舵方向指示手段30と舵角調整手段40
とに操舵制御の停止を指示するモードであって、実舵角
θRと目標舵角θrがともに中立位置Nにある検索キーE
と対応づける。また、転舵方向指示手段30によって左
右の電磁アクチュエータ141、142を消磁させると
ともに、舵角調整手段40によって電動モータ120へ
の駆動電流IMの供給を打ち切らせる。
【0069】次に、停止制御モードを挟むセンタリング
モードを述べる。このセンタリングモードは、同様に操
舵シャフト150のセンタリングを指示するモードであ
って、目標舵角θrが中立位置Nであって、実舵角θRが
左および右操舵L、Rにある検索キーF、D、および後
述する検索キーA0、J0と対応づける。また、転舵方向
指示手段30によって左右の電磁アクチュエータ14
1、142を消磁させるとともに、舵角調整手段40に
よって電動モータ120を逆転させる。なお、検索キー
A0、J0については、後述する復旧制御モード、左およ
び右転舵制御モードにも対応づける。
【0070】続いて、後輪161、162の左転舵制御
モードを、目標舵角θrが左操舵Lであって、実舵角θR
が中立位置近傍の右操舵R、中立位置Nおよび左操舵L
にある各検索キーA0、B、Cに対応づける。また、右
転舵制御モードを、目標舵角θrが右操舵Rであって、
実舵角θRが中立位置近傍の左操舵L、中立位置Nおよ
び右操舵Rにある各検索キーJ0、H、Gに対応づけ
る。なお、検索キーA0、J0については、前述したセン
タリングモード、後述する復旧制御モードにも対応づけ
る。
【0071】これら左および右転舵制御モードは、同様
に操舵制御における左または右転舵を指示するモードで
あって、転舵方向指示手段30によって左および右電磁
アクチュエータ141、142のいずれか一方のみを励
磁させる。その後、舵角調整手段40によって電動モー
タ120を正転または逆転方向に回転させながら、舵角
調整手段40によって、実舵角θRが所望の目標舵角θr
になるよう直線駆動手段130を駆動制御させる。
【0072】さらに、転舵した後輪の復旧制御モード
を、目標舵角θrが左操舵Lであって、実舵角θRが右操
舵Rである検索キーA、A0と対応づけてある。同様
に、目標舵角θrが右操舵R、実舵角θRが左操舵Lの検
索キーJ、J0とも対応づける。このため、各検索キー
A0、J0については、前述した左転舵または右転舵制御
モードおよびセンタリングモードに兼用される。
【0073】これら復旧制御モードは、操舵シャフト1
50を機構上の中立位置に向けて復旧させるモードであ
って、転舵方向指示手段30によって左右の電磁アクチ
ュエータ141、142を消磁させたまま、舵角調整手
段40によって電動モータ120を逆転方向に回転駆動
させる。
【0074】検索キーA0の角度範囲内では、左転舵制
御モードを選択するか、復旧制御モードを選択するか、
センタリングモードを選択するかのいずれか一つを判定
するための条件が、その直前の制御モードによって決定
される。すなわち、その直前の制御モードが左転舵制御
モード(検索キーBの角度範囲内)であったときは、そ
のまま左転舵制御モードが、選択される。
【0075】同様に、その直前の制御モードが、復旧制
御モード(検索キーAの角度範囲内)およびセンタリン
グモード(検索キーBの角度範囲内)であったときも、
そのまま復旧制御モードまたはセンタリングモードが選
択される。また、検索キーJ0の角度範囲内においても
同様に、直前の制御モードが右転舵制御モードであった
ときそのまま右転舵制御モードが選択される。
【0076】簡易には、マイクロコントローラに設定し
たアクション番号を各制御モードとして用いればよい。
例えば、目標舵角θrに対する実舵角θRの2次元アレー
に各検索キーA、A0、B、C〜H、J0、Jを登録して
おき、それぞれのアクション番号をキー検索することが
できる。
【0077】ステータスレジスタ24には、直前に遂行
した制御モードの検索キーA、A0、B、C〜H、J0、
Jをステータス情報S3として登録しておく。このステ
ータスレジスタ24によって、直前の後輪操舵制御にお
ける制御モードがステータス情報S3から明らかにな
る。続いて、本発明の実施形態における作用について説
明する。
【0078】図11は図8に示す目標舵角設定手段によ
る目標舵角設定業務の一例のフローチャートである。こ
の目標舵角設定業務は、後輪操舵制御の稼働中に前輪操
舵制御システム190から新たな前輪操舵情報S1が送
出されるごとに遂行されるが、簡易には定期的に遂行さ
せてもよい。先ず、前輪操舵情報S1を情報変換部21
に導入し、情報変換処理(ステップST1)を実行す
る。
【0079】この情報変換処理ST1では、現在の走行
速度などに基づいて、前輪操舵情報S1から目標舵角θr
を決定するとともに、実舵角計測手段50から目標指示
部22に後輪161、162の実舵角θRが得られる
と、操舵制御のための手順決定処理(ステップST2)
に移行する。
【0080】手順決定処理ST2では、実舵角θRが導
入されると、得られた実舵角θRと目標舵角θrに基づい
て、制御手順テーブル23から適切な制御モードを決定
する。また、前述したステータスレジスタ24のステー
タス情報から直前の制御モードを参照しながら適切な制
御モードを決定する。
【0081】信号出力処理(ステップST3)では、手
順決定処理ST2で決定された制御モードに基づいて転
舵方向指示手段30に転舵方向Drを、また、舵角調整
手段40に目標舵角θrと転舵方向Drに関する信号を送
出する。これにより、左右の電磁アクチュエータ14
1、142のいずれかが必要に応じて駆動され、また、
電動モータ120が適切に駆動制御される。
【0082】以上述べたように、後輪161、162を
右操舵Rから実舵角θRの中立位置Nを越えて左操舵L
するとき、タイヤ反力により再び右操舵Rに戻ることが
ある。また、左操舵Lから右操舵Rさせるとき、実舵角
θRが左操舵Lの状態に戻ることがある。しかし、この
目標舵角設定業務によれば、たとえ実舵角θRが戻され
ても、前述した直線駆動機構130の振動を事前に防止
できる。以下、これらについて説明を加える。
【0083】図9に示す検索キーA0の角度範囲では、
目標舵角θrが左操舵Lを指示しているにもかかわら
ず、実舵角θRが、いまだ右操舵Rの状態であることを
示している。したがって、通常は復旧制御モードによ
り、電動モータ120を逆転駆動させて実舵角θRが中
立位置Nを示すよう制御させる。
【0084】しかし、目標舵角θrが、右操舵Rを指示
してから連続的に左操舵Lを指示するよう変更されたと
き、実舵角θRが、右操舵Rの状態からいったんは中立
位置Nを示す状態になっても、前述したタイヤ反力によ
り再び右操舵Rの状態になってしまうことがあった。
【0085】そうすると、また復旧制御モードとなって
電動モータ120を逆転駆動させ、実舵角θRを中立位
置Nに戻す制御がなされる。そして、目標舵角θrが左
操舵Lを指示していても、電動モータ120の逆転駆動
→実舵角θRが中立位置Nを示す→タイヤ反力による実
舵角θRの戻り→電動モータ120の逆転駆動が繰り返
される。このため、直線駆動機構130が振動してしま
うおそれがあった。
【0086】そこで、本発明によれば、検索キーA0を
用いようとするとき、これが検索キーB、A0の順であ
ったか、または検索キーA、A0もしくは検索キーD、
A0の順であったかを判定し、その結果によって、中立
位置近傍での検索キーA0による制御モードの決定をそ
のまま継続させようとするものである。
【0087】これを実現させるため、予め直前の検索キ
ーを制御履歴として登録しておき、この制御履歴を参照
して検索キーA0を用いる直前に、三つの検索キーA、
B、Dのいずれが用いられたかに基づいて制御モードを
決定する。
【0088】つまり、タイヤ反力による実舵角θRの戻
りが生じるときは、直前の検索キーがBであるから、こ
のときには左転舵制御モードを選択する。また、直前の
検索キーがAおよびDであるときは、復旧制御モードま
たはセンタリングモードを選択することができる。
【0089】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
後輪の操舵シャフトを直線駆動機構で従動させる後輪操
舵機構において、目標舵角に対する実舵角の制御履歴を
記憶しておき、この制御履歴を参照しながら直線駆動機
構の制御手順を決定する。このため、機構上の中立位置
でタイヤ反力による操舵シャフトの位置ずれが生じて
も、直線駆動機構が操舵制御をスムーズに遂行できる後
輪操舵機構の電子制御装置を提供することができる。
【0090】また、本発明の請求項2記載の装置によれ
ば、目標舵角と実舵角との対応状況を2次元マトリクス
に構成されて、二つのアドレスからなる検索順序が参照
されるため、シーケンスプログラムに適した実用的な後
輪操舵の履歴管理が実現できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態による後輪操舵機構の電子
制御装置の一構成例を概略的に説明する図
【図2】図1に示す機構を分解して図示した斜視図
【図3】図2に示すクラッチ機構の左機能ブロックを分
解して図示した斜視図
【図4】図1に示す後輪操舵機構の要部の部分断面図
【図5】図1に示す後輪操舵機構の要部の部分断面図
【図6】図1〜図5に示す左右中間部スライド筒の係止
鈎による作用を説明する図
【図7】図1に示す電子制御装置の一構成例を図示した
ブロック図
【図8】図7に示す目標舵角設定手段の一構成例を図示
したブロック図
【図9】図8に示す制御手順テーブルの一アドレス例を
図示した配置図
【図10】図9に示す制御手順テーブルの各アドレス
に、後輪操舵のための複数の制御モードを格納した一例
の配置図
【図11】図8に示す目標舵角設定手段による履歴制御
業務の一例のフローチャート
【図12】後輪操舵機構の一例における要部の斜視図
【図13】図12に示す後輪操舵機構を車内から路面方
向に見た要部の透視図
【図14】右スライダがストッパに当接した状態の要部
拡大図
【図15】タイヤ反力による後輪の追従遅れを説明する
【符号の説明】
10…電子制御装置、20…目標舵角設定手段、30・・
・転舵方向指示手段、40・・・舵角調整手段、50・・・実
舵角計測手段、100・・・後輪操舵機構、120・・・電動
駆動手段(電動モータ)、130・・・直線駆動機構、1
40・・・クラッチ機構、150・・・操舵シャフト、157
・・・操舵ストロークセンサ、161,162・・・後輪、D
r…転舵方向、IM・・・駆動電流、S1…前輪操舵情報、S
3…ステータス情報、θR・・・実舵角、θr・・・目標舵角。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 3D032 CC02 CC03 CC50 DA01 DA02 DA06 DA23 DB11 DC01 DC02 DC03 DC07 DD02 DD17 DD20 DE20 EA04 EB01 EB08 EC22 EC23 GG01 3D033 CA02 CA04 CA05 CA11 CA13 CA18 CA21 CA27 3D034 CA02 CC09 CC12 CC14 CD04 CD11 CD12 CD13 CE03 CE05 CE09 CE13

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一対の直線駆動機構の一方に車両の後輪
    の操舵シャフトを従動させながら、双方の直線駆動機構
    を操舵シャフトに沿って互いに接離させ、直線駆動機構
    の往復スライドによって後輪を操舵させる後輪操舵機構
    の電子制御装置であって、 前記直線駆動機構に付与する目標舵角と、操舵シャフト
    による後輪の実舵角との対応関係を制御履歴として記憶
    した履歴記憶手段と、 この履歴記憶手段による制御履歴に基づいて、後輪の実
    舵角が機構上の中立位置から目標舵角とは反対方向に位
    置ずれするか判定し、この位置ずれが判定されたとき
    は、位置ずれ直前の制御をそのまま継続させる制御継続
    手段とを有した後輪操舵機構の電子制御装置。
  2. 【請求項2】 前記履歴記憶手段が、前後する二つの制
    御モードの検索順序を制御履歴として記憶する構成であ
    って、前記制御継続手段が、目標舵角と実舵角を二つの
    アドレスとした2次元の検索テーブルに各制御モードを
    格納させた構成であることを特徴とした請求項1記載の
    後輪操舵機構の電子制御装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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