JP2001155387A - 光ディスクの製造方法および光ディスク - Google Patents

光ディスクの製造方法および光ディスク

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JP2001155387A
JP2001155387A JP33504099A JP33504099A JP2001155387A JP 2001155387 A JP2001155387 A JP 2001155387A JP 33504099 A JP33504099 A JP 33504099A JP 33504099 A JP33504099 A JP 33504099A JP 2001155387 A JP2001155387 A JP 2001155387A
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disk
optical disk
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cationic
ultraviolet
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Kiyoshi Oshima
清志 大嶋
Norio Tsunematsu
則夫 常松
Katsuhide Ebisawa
勝英 蛯沢
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Original Assignee
Dainippon Ink and Chemicals Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 DVD規格により定められた環境条件下で長
時間使用した場合でも反りの拡大を0.2度以下に抑
え、さらには継続的な繰り返し使用にも耐え得る高い信
頼性を備えた光ディスクの製造方法およびこの製造方法
により製造された光ディスクを提供する。 【解決手段】 2枚のディスク基板間にカチオン型紫外
線硬化性組成物を介在させ、両者を貼り合わせて光ディ
スクを製造するに際し、両ディスク基板1aの撓み剛性
量の平均値を22.8N/m以上とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えばデジタル/
バーサタイル・ディスクに代表される光ディスクの製造
方法および光ディスクに関するものである。
【0002】
【従来の技術】デジタル/バーサタイル・ディスク(以
下ではDVDと略称する)に代表される情報光ディスク
は、高温環境下で長時間使用されると、ディスク自体に
反りが生じてしまい、反りがある大きさ以上になると再
生できなくなってしまう場合がある。
【0003】そこで、DVDにおいてはディスクにある
程度の耐性をもたせるため、70℃50%RH−96時
間(気温70℃、湿度50%の環境下に96時間放置さ
せる)の環境試験を実施した後でも、ラジアル反りがD
VD−ROMで0.8度以下、DVD−RAMで0.7
度以下に抑えられるものであることが規格により定めら
れていることが知られている。
【0004】製造時におけるディスクの反りは、製造後
の環境条件による反りの拡大や製造上のばらつき(歩留
まり)を考慮して、上記規格値よりも25%程度厳しい
値(DVD−ROMで0.6度程度、DVD−RAMで
0.5度程度)に設定される必要がある。したがって、
上記環境試験実施後の反りの拡大を0.2度以下に抑え
ることがひとつの目標となっている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところで、DVDの実
際の使用状況を鑑みると、例えばDVDプレーヤやDV
Dカーナビゲーションシステムが搭載される車室内の気
温は夏期において70℃を優に超過することが知られて
いる。このことからすると、DVD規格により定められ
た環境試験をクリアするだけでは、必ずしも実際の使用
に耐えられるとはいえないのが現状である。
【0006】本発明は上記の事情に鑑みてなされたもの
であり、DVD規格により定められた環境条件下で長時
間使用した場合でも反りの拡大を0.2度以下に抑え、
さらには継続的な繰り返し使用にも耐え得る高い信頼性
を備えた光ディスクの製造方法およびこの製造方法によ
り製造された光ディスクを提供することを目的としてい
る。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者は、上記の課題
を解決するために、2枚のディスク基板として撓み剛性
量が同一か異なるものを組み合わせ、これらの間に接着
剤を介在させ両者を貼り合わせて光ディスクを製造し、
これらについて次のような耐久性試験を行ってその特性
を観察したところ、ディスク基板および光ディスクの撓
み剛性量がいずれも耐久性の大きな尺度となることを見
い出し、本発明に至った。
【0008】本発明者は上記の課題を解決するために次
のような光ディスクの製造方法を採用することとした。
すなわち、少なくとも一方が情報記録層を有する2枚の
ディスク基板間に接着剤を介在させ、両者を貼り合わせ
て光ディスクを製造するに際し、2枚のディスク基板の
撓み剛性量の平均値を22.8N/m以上とするのであ
る。
【0009】好ましくは、ディスク基板の撓み剛性量を
いずれも22.8N/m以上とすれば、DVD規格によ
り定められた環境条件よりもさらに厳しい条件下で長時
間使用した場合でも光ディスクの反りの拡大が0.2度
以下に抑えられ、継続的な繰り返し使用にも耐え得る高
い信頼性を光ディスクに与えることができる。
【0010】ところで、本発明では、光ディスクの製造
にあたり、第1、第2のディスク基板1a,1bには、
2枚の基板の撓み剛性量の平均値が22.8N/m以上
となるものを選択して使用するのが必須の条件である。
【0011】本発明では、貼り合わせるべき2枚のディ
スク基板の組み合わせとしては、例えば(1)熱可塑性
樹脂のみからなるディスク基板1枚と、情報記録層を有
する熱可塑性樹脂からなるディスク基板1枚との組み合
わせ、(2)情報記録層を有する熱可塑性樹脂からなる
ディスク基板の2枚の組み合わせがある。これらは、
(1)の場合でも(2)の場合でも、情報記録層が露出
しない様に、対向させて接着剤を介して貼り合わされ
る。
【0012】本発明において、非補強熱可塑性樹脂から
なるディスク基板とは、情報記録層を除いたディスク基
板部分が、熱可塑性樹脂のみから構成されており、繊維
や充填剤等の補強剤が含まれていないことを意味する。
すなわち、ディスク基板を構成する熱可塑性樹脂には、
それに不溶な補強剤を含んでいない。
【0013】本発明における撓み剛性量の測定対象は、
2枚のディスク基板であり、ディスク基板が、情報記録
層を有する非補強熱可塑性樹脂からなるディスク基板の
場合は、この情報記録層を含めた形で撓み剛性量の測定
を行うし、ディスク基板が、情報記録層を有さない非補
強熱可塑性樹脂からなるディスク基板の場合は、そのま
まで撓み剛性量の測定を行う。また、ディスク基板が、
後述する様な保護層で保護された情報記録層を有する非
補強熱可塑性樹脂からなるディスク基板の場合は、この
保護層をも含めた形で撓み剛性量の測定を行う。以下の
撓み剛性量の数値は、この測定対象に従ったものとす
る。
【0014】ディスク基板は、2枚のうち一方のみが2
2.8N/mでも良いが、両方とも22.8N/mであ
る方が、容易に195.0N/m以上の光ディスクが得
られ易く好ましい。ディスク基板1a,1bには公知公
用の素材がいずれも使用でき、例えばアクリル、ポリカ
ーボネート、アモルファスポリオレフィンなどの耐熱性
熱可塑性合成樹脂が挙げられる。ディスク基板の情報記
録層の有無にかかわらず、2枚のディスク基板の大部分
を構成する耐熱性熱可塑性合成樹脂は、軽量化、重量バ
ランス、貼り合わせ時の応力発生を同様とする、両面読
み出しを可能にする等の観点から、ガラス繊維や粒子状
充填剤を含有しない樹脂単体から構成されていることが
好ましく、ディスク基板の撓み剛性量の平均値が22.
8〜152.0N/mとなるように2枚を選択するのが
好ましい。貼り合わせるべき2枚のディスク基板の個々
の撓み剛性量は、平均値が前記範囲となる様にした上
で、極力同じ撓み剛性量のものを組み合わせることが好
ましいのは勿論である。
【0015】DVDは、ディスク基板が、単一の素材か
ら構成される場合に限らず、紫外線を十分に透過する材
料と紫外線を透過しにくいか実質的には透過しない材料
との複合材から構成される場合もある。そのようなもの
の一例としては、DVD−ROMのうち情報記録層とし
ての金属膜が厚いDVD−10、DVD−18、あるい
はDVD−RAMがある。
【0016】情報記録層はディスク基板の片面に記録情
報に対応する凹凸を設け、その上に金属膜を積層して構
成されるが、DVD−ROMの場合、2枚のディスク基
板1a,1bは、その少なくとも一方が紫外線透過性基
板上に情報記録層を有し、他方は情報記録層を有する場
合と有さない場合とがある。つまり、光ディスク10は
第1、第2のディスク基板1a,1bが双方ともに情報
記録層を有する場合と、一方は情報記録層を有するが他
方は情報記録層を有さない場合とがある。
【0017】本発明においては半反射膜や反射膜に代表
される金属膜に、後述する好適なガラス転移点(Tg)と
弾性率の紫外線硬化性組成物を直接塗布して展延するこ
とも可能であるが、例えば金属膜の経時変質を極力防止
できるように調整された従来の紫外線硬化性組成物をあ
らかじめ金属層上に展延し硬化させてから、その硬化物
からなる保護層上にカチオン型紫外線硬化性組成物を塗
布、展延、硬化するようにしてもよい。この保護層を形
成する情報記録層保護用組成物としては、公知慣用の紫
外線硬化性保護コート剤がいずれも使用できる。この保
護層は層厚が5〜20μmの範囲で均一に形成されるこ
とが望ましい。この場合は、第1、第2のディスク基板
1a,1bの両保護層どうしが、接着剤たる紫外線硬化
性組成物により接着されることになる。
【0018】金属膜としては、記録情報の読み取りに採
用される可視光線を高率で反射して的確に凹凸を確認で
きるものが好ましい。可視光線を高率で反射する皮膜
は、一般的に紫外線をも高率で反射するからである。
【0019】金属膜の素材には、例えばAlやNiの合
金等、可視光反射率が80〜100%で、かつ紫外線全
波長領域にわたってそれの透過率が0を越えて10%未
満、好ましくは0を越えて0.5%未満の条件を満足す
るものが挙げられる。例えば、DVD−9、DVD−1
8と呼ばれる規格品においては、半反射膜と呼ばれる光
透過率が70〜82%の材料、例えば金からなる膜が形
成されている。
【0020】DVD−RAMの場合は上記のDVDとは
異なる特徴的な層構成を有しており、その1例としては
ポリカーボネート製基板上にZnS−SiO2層、Ge
SbTe層、ZnS−SiO2層、Al合金層、および
保護層を順次積層したディスク基板を2枚用意し、保護
層どうしを対向させて接着剤で硬化、貼り合わせを行っ
た構造のものが知られている。
【0021】本発明においては、情報記録層や保護層の
有無にかかわらず、2枚のディスク基板の厚さをいずれ
も6.0×10-4mとすることが望ましい。情報記録層
や必要に応じて設けられる保護層は、それぞれオングス
トロームオーダー、ミクロンオーダーであり、基板の厚
さに対して極めて薄いものである。ディスク基板の厚さ
をともに6.0×10-4mとすることで、これらを貼り
合わせた光ディスクについてはディスク面に垂直な2方
向のいずれに対してもほぼ同程度の撓み剛性量が得られ
るからである。
【0022】本発明において、2枚のディスク基板間に
介在させる接着剤としては、公知慣用のものが使用でき
るが、最終的に得られる光ディスクを、撓み剛性量19
5.0〜765.0N/mの範囲とするのが容易となる
点で、接着後の接着層のガラス転移点(Tg)が0〜10
0℃で、30℃における弾性率が0.5〜3000MP
aとなる接着剤を用いるのが好ましい。これらの特徴
は、接着層40〜70μmの被膜について、動的粘弾性
測定[(tanδ)MAX]や、レオバイブロンDDVIIEA
(周波数3.5Hz、昇温スピード3℃/min)で測定す
ることができる。
【0023】また、本発明においては接着剤に紫外線硬
化性組成物を用いるのが接着後の耐熱性に優れる点で好
ましい。紫外線硬化性組成物としては、ラジカル型紫外
線硬化性組成物またはカチオン型紫外線硬化性組成物を
採用することができるが、いずれの型の組成物にせよ、
硬化収縮率が10%以下となるものが望ましい。ラジカ
ル型紫外線硬化性組成物は、閃光照射方式によるDVD
−ROMを製造するのに好適に用いられるのに対し、カ
チオン型紫外線硬化性組成物は、落下照射方式によるD
VD−RAMを製造するのに好適である。
【0024】ラジカル型紫外線硬化性組成物は、ラジカ
ル型紫外線硬化性樹脂とラジカル重合型光開始剤とを必
須成分として含み、紫外線照射とほぼ同時に硬化度合い
が実質的に飽和する(即硬化するという意味で即効性と
いう)性質を備える。ラジカル型紫外線硬化性組成物を
調製するに際しては、単官能(メタ)アクリレートと、多
官能(メタ)アクリレートとが、重合性モノマー成分とし
て用いることができる。これらはそれぞれ、単独または
2種以上併用して使用することができる。硬化収縮や接
着性を考慮すると、単官能(メタ)アクリレートを主体と
して、多官能(メタ)アクリレートを併用するようにする
のが好ましい。ラジカル重合型光開始剤は光によりラジ
カルを発生し、そのラジカルが組成物を構成する前記
(メタ)アクリレートと効率的に反応するものであれば良
い。分子が開裂してラジカルを発生するタイプや芳香族
ケトンと水素供与体の組み合わせのように複合して用い
られるものがある。後者の例の芳香族ケトンと組み合わ
せる水素供与体としては、例えば、メルカプト化合物お
よびアミン形系化合物等が挙げられるが、一般にはアミ
ン系化合物が好ましい。
【0025】カチオン型紫外線硬化性組成物は、ラジカ
ル型紫外線硬化性組成物と異なり、紫外線照射直後直ち
には硬化度合いが飽和せず、所定時間経過してから硬化
度合いが実質的に飽和する(遅効性という)性質を備え
る。つまり、紫外線照射時から硬化度合いが飽和するま
である程度の時間がある(ポットライフがある)ので、
カチオン型紫外線硬化性樹脂とカチオン重合型光開始剤
とを必須成分として含むカチオン型紫外線硬化性組成物
は、ディスク基板への塗布が容易である。なお、紫外線
硬化性組成物は、いずれの型の場合も、実質的に無溶媒
の液状とするのが好ましい。組成物自体およびそれの硬
化した接着層がいずれも透明となるように組成を選択す
るのがより好ましい。
【0026】なお、紫外線硬化性組成物としては、常温
〜40℃において、液状であるものを用いるのが好まし
い。溶媒は用いないのが好ましく、用いたとしても極力
少量に止めるのが好ましい。組成物の粘度は、ラジカル
型、カチオン型のいずれの組成物でも、通常25℃にお
いて50〜10000mPas、好ましくは100〜1
000mPasとなる様にする。また、紫外線硬化性組
成物の塗布をスピンコータで行う場合には、粘度を50
0〜1000センチポイズとなるように調製するのが、
比較的厚膜とできる点で好ましい。
【0027】カチオン型紫外線硬化性組成物としては公
知のすべての組成物を用いることができ、カチオン重合
型の光開始剤を含むエポキシ樹脂がこれに該当する。カ
チオン重合型の光開始剤としては、スルホニウム塩、ヨ
ードニウム塩およびジアゾニウム塩等がある。
【0028】エポキシ樹脂は、ビスフェノールA−エピ
クロールヒドリン型、脂環式エポキシ、長鎖脂肪族型、
臭素化エポキシ樹脂、グリシジルエステル型、グリシジ
ルエーテル型、複素環式系等種々のものがいずれであっ
てもかまわない。好適な具体例として、大日本化学工業
(株)製のエピクロン850S、(株)ナガセ化成工業
製のディコナールEX−313,314,321,42
1,512,521がある。
【0029】このエポキシ樹脂としては、例えばDVD
−RAMを得るにあたっては、紫外線をほとんど反射す
る金属膜からなる情報記録層の経時変質を極力防止する
ため、遊離したフリーの塩素および塩素イオン含有率
が、零または極力零に近いものを用いるのが望ましい。
塩素の量が1重量%以下、望ましくは0.5重量%以下
とすることが推奨される。
【0030】カチオン型紫外線硬化性樹脂とカチオン重
合型光開始剤の重合割合は、上記に基づいて選択できる
が、通常、カチオン型紫外線硬化性樹脂100重量部当
たり0.1〜20重量部、好ましくは0.2〜5重量部
である。なお、紫外線光源の波長域の近紫外領域や可視
領域の波長をより有効に利用するため、例えば公知慣用
の光ラジカル発生剤を併用することができる。この際の
光ラジカル発生剤としては、例えばアントラセン、フェ
ノチアジン、ベンジルメチルケタール、ベンゾフェノ
ン、アセトフェノン等が挙げられる。
【0031】なお、紫外線照射終了から硬化度合いが飽
和するまでの時間や飽和硬化度の絶対値は、カチオン型
紫外線硬化性樹脂、同樹脂と併用するカチオン重合型光
開始剤の各々種類とそれらの重量割合により調整される
が、例えば3〜30分、好ましくは5〜25分、より好
ましくは5〜15分、特に好ましくは5〜10分となる
様に調整される。
【0032】本発明において、紫外線照射手段の光源と
しては、例えばクセノンランプ、クセノン−水銀ラン
プ、メタルハライドランプなどの公知公用のランプを用
いればよい。
【0033】こうして得られる光ディスクは、撓み剛性
量195.0N/m以上となるが、本発明では、貼り合
わせ前の両ディスク基板の収縮率の相違等や熱による反
りの発生が接着後にも起こりにくく、両面から記録情報
を読み出せる形式の光ディスクに適用できる等の点で、
ディスク基板を構成する前記合成樹脂がいずれも樹脂単
体から構成されていることが好ましいので、光ディスク
としては、195.0〜765.0N/mの撓み剛性量
となる。
【0034】
【発明の実施の形態】本発明に係る実施形態を図1を参
照して説明する。まず、光ディスクの製造工程について
説明すると、第1のディスク基板の被貼り合わせ面に、
紫外線を照射されたカチオン型紫外線硬化性組成物がリ
ング状に落下、塗布される。カチオン型紫外線硬化性組
成物の塗布が終了すると、第1のディスク基板は第2の
ディスク基板と重ね合わされる(以下ではディスク基板
を貼り合わせたものをディスクとする)。そして、軸心
を合わせて展延を行う。
【0035】ディスクを加熱することによりディスクの
外周端面からはみ出しているものを含めディスク基板間
に存在するカチオン型紫外線硬化性組成物すべての硬化
の促進が図られる。
【0036】続いて、カチオン型紫外線硬化性組成物の
落下照射、ディスク基板の重ね合わせ、軸心合わせ搬
送、展延処理、端面処理についてそれぞれ具体的に説明
する。
【0037】図1には紫外線を照射しつつ第1のディス
ク基板1aにカチオン型紫外線硬化性組成物を落下する
装置の構成を示す。図において、10はカチオン型紫外
線硬化性組成物供給手段、11はカチオン型紫外線硬化
性組成物を落下するためのディスペンサ(ノズル)、1
2は紫外線照射手段、13は内面に反射板を有する筐
体、14はディスク基板載置テーブルである。
【0038】ディスペンサ11としては兵神装備株式会
社社製のモーノロボディスペンサー(商品名)、型式名
4NDP04−G15を採用し、紫外線照射手段12と
してはフュージョン社製の紫外線照射装置I250型、
Dバルブ(発光長約0.25m)を採用している。ま
た、ディスク基板載置テーブル14は図示しないモータ
により回転可能とされている。
【0039】ディスペンサ11から糸を引くように落下
するカチオン型紫外線硬化性組成物17と紫外線照射手
段12との距離は5.0×10-2mとし、また、紫外線
照射手段12と落下途中のカチオン型紫外線硬化性組成
物17の周囲を内面が反射板で構成された筐体13で取
囲み、紫外線照射の均一性向上を図っている。また、筐
体13には図中矢印方向に移動するシャッタ13aを設
けてある。
【0040】本実施形態においては、カチオン型紫外線
硬化性組成物17が落下している間に紫外線照射手段1
2を発光させることによりカチオン型紫外線硬化性組成
物17に紫外線を照射する。この間にディスク基板載置
テーブル14が回転し、カチオン型紫外線硬化性組成物
が第1のディスク基板1aの被貼り合わせ面にリング状
に塗布されることになる。所定量のカチオン型紫外線硬
化性組成物の落下が終了したら、シャッタ13aを図中
左方向に作動させてカチオン型紫外線硬化性組成物17
が通過する孔を閉じる。なお、図1では第1のディスク
基板1aのリング状凸部は省略してある。
【0041】カチオン型紫外線硬化性組成物を落下すべ
き次の第1のディスク基板1aが移動してきたら、シャ
ッタ13aを開いてカチオン型紫外線硬化性組成物の落
下を再開する。カチオン型紫外線硬化性組成物を落下し
ない間も紫外線照射手段12により発光は連続的に行わ
れている。そこで、シャッタ13aの開閉を行い、ディ
スペンサ11への紫外線照射を防いでカチオン型紫外線
硬化性組成物の硬化によるディスペンサ11の閉塞を防
止するのである。
【0042】本実施形態の場合、ディスペンサ11を吐
出方向に駆動してカチオン型紫外線硬化性組成物17の
落下を終え、シャッタ13aを作動させてカチオン型紫
外線硬化性組成物47が通過する孔を閉じた後、ディス
ペンサ11を僅かに吸入方向に駆動してノズル先端の液
だまりをノズル内に移動させる。ディスペンサ11内に
移動させた液だまり、つまりカチオン型紫外線硬化性組
成物は、次回の落下でも液だまりとはならず、吐出量一
定で第1のディスク基板1a上に供給される。
【0043】以上が本実施形態における光ディスク製造
の装置構成と製造工程の全体的な流れであるが、本実施
形態において、カチオン型紫外線硬化性組成物に対し紫
外線をより均一に照射するには、ディスペンサ11のノ
ズル径を小さくして落下途中のカチオン型紫外線硬化性
組成物17の径を小さくすればよい。
【0044】また、本実施形態においては、カチオン型
紫外線硬化性組成物に均一に紫外線を照射するために、
紫外線照射手段12と落下途中のカチオン型紫外線硬化
性組成物の周囲を内面が反射板で構成された筐体13で
取囲み、紫外線照射の均一性向上を図ることができる。
【0045】カチオン型紫外線硬化性組成物のノズルか
らディスク基板への到達までの落下中における同組成物
への紫外線照射光量は、通常5.0×102〜5.0×
103J/m2、好ましくは1.0×103〜4.0×1
3J/m2、となるように行われるのが望ましい。
【0046】本実施形態においては、紫外線照射を直接
ディスク基板に行わなくて済むので、被貼り合わせ体が
耐熱性を有しない場合であっても熱による変形が防止さ
れることになり、従来のように直接ディスク基板に対し
て連続的な紫外線を照射する方法に比べて有利である。
【0047】また、カチオン型紫外線硬化性樹脂とカチ
オン重合型光開始剤とからなるカチオン型紫外線硬化性
組成物の接着層(硬化後)の全体厚さは特に制限されな
いが、通常15〜60μm、好ましくは20〜55μm
となる様にする。
【0048】展延終了後、ディスク端面からはみ出して
いるカチオン型紫外線硬化性組成物の硬化促進にはディ
スク10を70℃以下で加熱処理する方法が採用される
が、これは、当該部分に紫外線を照射する方法に比べて
安価な設備で足り、生産コストの低減が図れるためであ
る。
【0049】なお、本実施形態においては、接着剤にカ
チオン型紫外線硬化性組成物を用いた光ディスクの製造
工程について説明したが、本発明に係る光ディスクの製
造方法および光ディスクは、接着剤にラジカル型紫外線
硬化性組成物を用いても実施可能であり、具体的には、
既存技術であるスピンコート法、スクリーン印刷法等に
よって接着面に一様に接着剤を塗布し接着面どうしを重
ね合わせた後に紫外線を連続的に照射して硬化させる方
法、特開平9−193249号公報に記載されたディス
クの貼り合わせ方法および貼り合わせ装置によって本発
明のような信頼性の高い光ディスクを製造することがで
きる。
【0050】
【実施例】まず、ディスク基板単体での撓み剛性量が異
なる光ディスクを複数用意し、それぞれについて撓み剛
性量を測定した。次いで、これらの光ディスクについて
90℃,85%RH−96時間(気温90℃,湿度85
%の環境下に96時間放置させる)の環境試験を実施
し、反りの拡大量(度)を測定した。なお、光ディスク
基板には、ポリカーボネート基板(厚さ6.0×10-4
m)を使用し、その一方の面にアルミニウム蒸着を行
い、このAl記録層面には、紫外線硬化性アクリル型保
護コート剤SD−523(粘度120mPa・S、ガラ
ス転移点(Tg)72℃、30℃弾性率1500MPa)
をスピンコータにて、硬化後膜厚が6μmとなるように
塗布し紫外線を照射(紫外線照射量は3.5×103
/m2)して硬化させた。さらにこの面にはカチオン重
合型接着剤を落下した。
【0051】この様な、保護層と情報記録層とからなる
薄層を非補強熱可塑性樹脂上に有するディスク基板を2
枚を、保護層を対向させる様にして貼り合わせる様にし
た。接着剤には、カチオン型紫外線硬化性接着剤(水添
ビスフェールA型エポキシ樹脂50部、ビスフェールA
型エポキシ樹脂10部、1.6−ヘキサンジオールジグ
リシジルエーテル40部、光カチオン重合開始剤(RH
ODORSIL2074)0.5部、光ラジカル発生剤
(IRGACURE184)0.25部、シリコーン添加
剤(L−7604)0.2部)を使用し、接着剤塗布量は
光ディスク1枚あたり6.0×10-4Kg、接着層の厚
さを48μm、端面からのはみ出し接着剤の加熱硬化処
理は60℃で5分間行った。
【0052】ここで、撓み剛性量の測定方法について説
明する。本発明においては、図2(a)に示すように光デ
ィスクの一端を挟持してディスク面が水平となるように
固定し、挟持部と対向する光ディスクの他端にF(N)
の錘を吊下し、このときの光ディスク他端の撓み量d
(m)から撓み剛性量G=F/d(N/m)を得、これ
を光ディスクの強度を表す指標としている。
【0053】なお、光ディスクを固定するに際し、光デ
ィスクは、図2(b)に示す領域を把持具によって挟まれ
るものとする。また、撓み量d(m)は、無負荷のとき
のディスク面から負荷した状態での光ディスク他端のデ
ィスク面までの鉛直方向の距離である。
【0054】下記の表1には、用意した4種類の光ディ
スクA,B,C,Dについて行った撓み剛性量の測定結
果をディスク基板単体での撓み剛性量とともに示し、さ
らに図3にはディスク単体での撓み剛性量と光ディスク
の撓み剛性量との関係を示す。なお、各光ディスクは、
それぞれ同じ撓み剛性量の2枚のディスク基板を貼り合
わせて得るようにした。接着剤としては次のものを用い
た。図4のグラフから、光ディスクの撓み剛性量はディ
スク基板単体での撓み剛性量にほぼ比例することがわか
る。
【表1】
【0055】続いて、上記4種類の光ディスクA,B,
C,Dについて、90℃,85%RH−96時間の環境
試験実施後に測定した反りの拡大量を下記の表2に示
し、さらに図4には光ディスクの撓み剛性量と反りの拡
大量との関係を示す。図5のグラフから、光ディスクの
撓み剛性量が大きいほど、環境試験実施後の反りの拡大
量が小さくなることが明らかであり、さらに光ディスク
の撓み剛性量が195N/m以上であれば、反りの拡大
量を0.2度以下に抑えられることがわかる。これはデ
ィスク基板単体についていえば、図4のグラフから、デ
ィスク基板単体の撓み剛性量が22.8N/m以上であ
れば光ディスクの反りの拡大量を0.2度以下に抑えら
れるということである。
【表2】
【0056】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
厳しい条件下で長時間使用した場合でも光ディスクの反
りの拡大が0.2度以下に抑えられ、継続的な繰り返し
使用にも耐え得る高い信頼性を光ディスクに与えること
ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明によるディスク製造装置の実施形態を
示し、カチオン型紫外線硬化性組成物の落下照射装置の
構成を示す図である。
【図2】 ディスク基板ならびに光ディスクのたわみ剛
性を測定方法を示す図である。
【図3】 ディスク単体での撓み剛性量と光ディスクの
撓み剛性量との関係を示すグラフである。
【図4】 光ディスクの撓み剛性量と反りの拡大量との
関係を示すグラフである。
【符号の説明】
1a 第1のディスク基板 10 カチオン型紫外線硬化性組成物供給手段 11 ディスペンサ(ノズル) 12 紫外線照射手段

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも一方が情報記録層を有す
    る、2枚の非補強熱可塑性樹脂からなるディスク基板間
    に接着剤を介在させて両者を貼り合わせる光ディスクの
    製造方法であって、前記2枚のディスク基板の撓み剛性
    量の平均値を22.8N/m以上とすることを特徴とす
    る光ディスクの製造方法。
  2. 【請求項2】 前記2枚のディスク基板の厚さをいず
    れも6.0×10-4mとすることを特徴とする請求項1
    記載の光ディスクの製造方法。
  3. 【請求項3】 前記接着剤に紫外線硬化性組成物を用
    いることを特徴とする請求項1または2記載の光ディス
    クの製造方法。
  4. 【請求項4】 少なくとも一方が情報記録層を有する
    2枚の非補強熱可塑性樹脂からなるディスク基板間に接
    着剤を介在させて両者を貼り合わせた光ディスクであっ
    て、前記2枚のディスク基板の撓み剛性量の平均値が2
    2.8N/m以上であることを特徴とする光ディスク。
  5. 【請求項5】 少なくとも一方が情報記録層を有する
    2枚の非補強熱可塑性樹脂からなるディスク基板間に接
    着剤を介在させて両者を貼り合わせた光ディスクであっ
    て、その撓み剛性量が195.0N/m以上であること
    を特徴とする光ディスク。
  6. 【請求項6】 前記2枚のディスク基板の撓み剛性量
    がいずれも22.8N/m以上であることを特徴とする
    請求項5記載の光ディスク。
  7. 【請求項7】 前記2枚のディスク基板の厚さがいず
    れも6.0×10-4mであることを特徴とする請求項
    4、5または6記載の光ディスク。
  8. 【請求項8】 前記接着剤に紫外線硬化性組成物を用
    いたことを特徴とする請求項4、5、6または7記載の
    光ディスク。
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