JP2001141057A - 気密容器の気密機構 - Google Patents

気密容器の気密機構

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JP2001141057A
JP2001141057A JP32433399A JP32433399A JP2001141057A JP 2001141057 A JP2001141057 A JP 2001141057A JP 32433399 A JP32433399 A JP 32433399A JP 32433399 A JP32433399 A JP 32433399A JP 2001141057 A JP2001141057 A JP 2001141057A
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packing
vacuum
airtight
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opening
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Shinichi Ito
真一 伊藤
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Chiyoda Manufacturing Corp
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 真空ポンプ等を駆動することなく、気密室の
開口部を開閉する扉と開口部の周縁面との間をシールす
るパッキンを、その一部が当接する対向面から引き離す
ことのできる気密容器の気密機構を提供する。 【解決手段】 滅菌室52の扉の内面に形成された凹溝
58に挿入されたパッキン60を引き離す引離手段に
は、真空ポンプ30を駆動することなくパッキン60を
吸引する吸引源として、押出手段と引離手段とを切り替
える切替手段としての三方モータ弁42と真空ポンプ3
0とを連結する配管32の途中に、滅菌室52を真空状
態とするときに駆動された真空ポンプ30によって真空
状態とされる真空タンク24が設けられ、且つ真空ポン
プ30が停止しても真空タンク24の真空状態を保持す
る逆止弁22が設けられている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は気密容器の気密機構
に関し、更に詳細にはパッキンの一部が扉の内面等の対
向面に接離動する気密容器の気密機構に関する。
【0002】
【従来の技術】扉によって開口部が密閉されて内部が気
密状態となる気密容器として、病院等でリネンや手術器
機等の医療機材の滅菌に使用される高圧滅菌器がある。
かかる高圧滅菌器の一例を図6に示す。図6に示す高圧
滅菌器10には、気密室としての滅菌室52が設けられ
ている筐体12に、扉54が開閉自在にヒンジ14、1
4によって取り付けられている。この扉54により開口
部56を閉じることによって、滅菌室52を気密とする
ことができる。尚、筐体12の正面には、滅菌室52内
の温度、湿度、圧力、時間等を設定するための操作パネ
ル16が設けられている。
【0003】かかる高圧滅菌器10においては、開口部
56の周縁に沿ってゴム製のパッキン60が設けられて
いる。このパッキン60は、図7に示す様に、横断面形
状が略台形であって、開口部56の周縁に沿って形成さ
れた凹溝58に、矢印Aの示す方向に摺動可能に挿入さ
れているフローティングパッキンである。かかるパッキ
ン60が挿入されている凹溝58の底面には、圧縮空気
を供給・排出する流体通孔62が設けられており、パッ
キン60の先端面は、扉54に開口部56が閉じられた
際に、扉54の内面54aと対向する。この際に、流体
通孔62を介して凹溝58の底面側に、流体として圧縮
空気を供給すると、凹溝58に摺動可能に挿入されてい
るパッキン60は、扉54の方向に押し出され、その先
端面が扉54の内面54aに当接し、扉54の内面54
aと開口部56の周縁との間をシールして滅菌室52を
気密状態とすることができる。
【0004】他方、滅菌等が完了した後、常圧に戻され
た滅菌室52に収容されている滅菌対象物を蓋54を開
いて取り出す際には、流体通孔62から圧縮空気を排出
してパッキン60の底面と凹溝58の底面との間を減圧
状態とし、パッキン60を凹溝58に引き込む。このた
め、パッキン60の先端面と蓋54の内面54aとの間
に間隙が形成され、扉54をスムーズに開けることがで
きる。特に、最近、上下方向又は左右方向に扉がスライ
ドして滅菌室52の開口部56を開閉する滅菌器が使用
されてきている。かかる高圧滅菌器10では、パッキン
60の先端面と扉の内面との間に間隙が形成されて初め
て扉をスライドすることが可能となる。
【0005】図6及び図7に示すパッキン60の押し出
し又は引き込みは、図8に示す気密機構が用いられてい
る。図8に示す気密機構は、流体としての圧縮空気(圧
空)を供給する供給配管20と、真空発生機構としての
電動式真空ポンプ30によって吸引される吸引配管32
と、滅菌器10に形成された凹溝58の底面に開口する
流体通孔62に連結された配管40とが、自動弁である
電動モータで回動される三方モータ弁42を介して連結
されている。この電動式真空ポンプ30は、吸引配管3
2を分岐する配管34及び三方モータ弁36を介して高
圧滅菌器10の滅菌室52に連結され、滅菌室52を真
空状態とする際にも使用される。更に、滅菌室52に
は、三方モータ弁38を介して蒸気又は清浄な空気が供
給され、供給された蒸気は三方モータ弁36を介して滅
菌室52から大気中に放出される。尚、三方モータ弁3
6,38,42は、弁体をモータによって回動するもの
であって、三方からの繋ぎ込み口の中間で弁体を停止で
き、滅菌室52や凹溝58を蒸気供給配管等から切り離
すことができる。
【0006】かかる図8に示す高圧滅菌器10を用いて
滅菌を行う際には、図9に示すコンディショニング(真
空)工程、滅菌工程、排気工程、乾燥工程、及び完了工
程の各々を順次通過させる。図9において、横軸は経過
時間を示し、縦軸は滅菌室52の内圧を示す。先ず、カ
ートに載置した状態で挿入・密閉された被滅菌物が収納
された滅菌室52の扉54を閉じ、三方モータ弁42を
経由して圧空を凹溝58に導入し、パッキン60の先端
面を扉54の内面54aに当接させることによって、滅
菌室52を気密状態とした後、コンディショニング(真
空)工程に入る。このコンディショニング(真空)工程
では、滅菌室52のジャケット部(図示せず)に蒸気を
導入して加熱した滅菌室52内に、カートに載置した状
態で挿入・密閉した被滅菌物の各々を加温すべく、真空
ポンプ30を駆動して滅菌室52内を真空状態とした
後、三方モータ弁38を経由して蒸気を滅菌室52内に
供給し、滅菌室52の圧力を上昇させて被滅菌物を加温
する。更に、滅菌室52を真空状態とした後、蒸気を供
給する操作を複数回繰り返し、被滅菌物を充分に加温す
る。このコンディショニング(真空)工程は、次の滅菌
工程において、加温することなく低温状態の被滅菌物が
収納された滅菌室52に蒸気を吹き込んだ際に、被滅菌
物の表面等で蒸気が凝縮して発生したドレンによって、
被滅菌物が著しく濡れることを防止するためである。
【0007】次いで、滅菌室52に蒸気を供給して所定
圧力まで昇圧し、所定圧力の状態で所定時間保持する。
かかる保持によって、滅菌室52内は滅菌温度で所定時
間保持されるため、被滅菌物に付着していた細菌等を滅
菌することができる。その後、三方モータ弁36を経由
して滅菌室52内の蒸気を大気中に排気した後、滅菌工
程で滅菌室52に導入された蒸気によって濡れた被滅菌
物を乾燥する乾燥工程に入る。この乾燥工程では、排気
工程において、蒸気が排気されて大気圧となった滅菌室
52内を、三方モータ弁36を経由して真空ポンプ30
によって吸引することにより、滅菌室52を真空状態と
して被滅菌物の水分を蒸発させる。但し、水分の蒸発に
伴い被滅菌物の温度が低下するため、被滅菌物から水分
を蒸発し易くすべく、加温された清浄な空気を三方モー
タ弁38を経由して滅菌室52内に導入し、滅菌室52
内を大気圧近傍まで昇圧して被滅菌物を昇温する。更
に、昇温した被滅菌物を乾燥すべく、再度、滅菌室52
内を真空状態とした後、加温された清浄な空気を供給す
る操作を複数回繰り返し、被滅菌物を充分に乾燥する。
被滅菌物の乾燥が不充分の場合は、被滅菌物を滅菌室5
2から取り出したとき、空気中の細菌等が被滅菌物に付
着して増殖を始めるおそれがあるためである。
【0008】かかる乾燥工程が完了した際に、滅菌室5
2内に清浄な空気を導入して滅菌を完了し、扉54を開
けて被滅菌物が搭載されたカートを取り出す。この扉5
4を開けるには、流体通孔62から圧縮空気を排出した
後、三方モータ弁42を経由して真空ポンプ30によっ
てパッキン60の底面と凹溝58の底面との間を吸引し
て真空状態とし、パッキン60を凹溝58に引き込み、
パッキン60の先端面と蓋54の内面54aとの間に間
隙を形成することが必要である。尚、三方モータ弁3
6,38,42の各弁体は、通常、三方からの繋ぎ込み
口の中間に位置しているものとする。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】ところで、高圧滅菌器
10を用いた一連の滅菌操作では、図9に示す様に、滅
菌室52内を短時間で真空状態とする操作が繰り返され
ている。このため、真空ポンプ30としては、通常、吸
引能力の高い高性能の真空ポンプ30が採用されてい
る。かかる吸引能力が高い高性能の真空ポンプ30は、
一般的に大型であるため、ランニングコストが高く、且
つ駆動開始から所定能力が発揮されるまで一定の時間を
要する。この様な、高性能の真空ポンプ30を、パッキ
ン60の凹溝58への引き込みのみのために駆動させる
ことは、効率的な真空ポンプ30の運転方法ではなく、
且つパッキン60の凹溝58への引き込みが完了するま
でに一定の時間が必要であるため、滅菌が終了した被滅
菌物を取り出す人を待たせることになる。しかし、パッ
キン60の凹溝58への引き込み用としての専用真空ポ
ンプを、大型で且つ高性能の真空ポンプ30と別個に設
けることは、高圧滅菌装置を大型化すると共に、製品コ
ストを高くするため適当ではない。そこで、本発明の課
題は、気密室を真空状態とする真空ポンプ等の真空発生
機構を駆動することなく、気密室の開口部を開閉する扉
と開口部の周縁面との間をシールするパッキンを、その
一部が当接する対向面から引き離すことのできる気密容
器の気密機構を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明者は前記課題を解
決すべく検討した結果、図9に示す様に、気密室を真空
状態とする真空ポンプ30は、一連の操作の間に何回も
駆動されている。このため、気密室を真空状態とするた
めに真空ポンプ30が駆動されたとき、同時に吸引され
て真空状態とされる真空タンクを設け、パッキン60の
先端面を対向面から引き離す際に、パッキン60の底面
と凹溝58の底面との間の空気を真空状態とされた真空
タンクに吸引することによって、真空ポンプ30を駆動
することなくパッキン60の先端面を対向面から引き離
すことができることを見出し、本発明に到達した。
【0011】すなわち、本発明は、扉によって開閉され
る開口部が形成された気密室を真空状態とする真空ポン
プ等の真空発生機構と、前記気密室の開口部の周縁面又
は前記開口部の周縁面に対応する扉の内面に形成された
凹溝に挿入されたパッキンと、 前記扉で閉じられた前
記開口部の周縁面と扉との間をシールして前記気密室を
気密状態とする際に、前記凹溝が形成された凹溝形成面
の対向面に、前記パッキンの一部が当接するように、前
記パッキンの一部又は全体を前記対向面の方向に押し出
す押出手段と、前記開口部の周縁面と扉との間に間隙を
形成して前記扉を開ける際に、前記対向面に当接してい
るパッキンの一部を前記対向面から引き離すように、前
記凹溝内にパッキンの一部又は全体を収納する引離手段
と、前記押出手段と引離手段とを切り換え、前記パッキ
ンの一部を前記対向面に接離動させる切替手段とを具備
する気密容器の気密手段であって、該引離手段には、前
記対向面に当接しているパッキンの一部を前記対向面か
ら引き離す際に、前記パッキンの一部又は全部を前記凹
溝内に収容し得るように、前記真空発生機構を駆動する
ことなく前記パッキンを凹溝方向に吸引する吸引源とし
て、前記真空発生機構と切替手段とを連結する配管の途
中に、前記気密室を真空状態とするときに駆動された前
記真空発生機構によって真空状態とされる真空タンクが
設けられ、且つ前記気密室を真空状態にして真空発生機
構を停止してから前記パッキンを凹溝方向に吸引するに
至るまで前記真空タンクの真空状態を保持する保持手段
とが設けられていることを特徴とする気密容器の気密機
構にある。
【0012】かかる本発明において、パッキンの少なく
とも一部を凹溝に摺動自在に挿入し、前記パッキンを対
向面の方向に押し出す流体を給排すると共に、前記パッ
キンを凹溝の方向に吸引する流体通孔を前記凹溝の底面
に開口することによって、パッキンの押し出し及び引き
離しを容易に行うことができる。或いは、パッキンとし
てのチューブ状パッキンを凹溝に挿入し、前記チューブ
状パッキンの一部が対向面に当接するように、前記チュ
ーブ状パッキンを膨出する流体を供給すると共に、前記
チューブ状パッキンを凹溝内に収容するように、前記チ
ューブ状パッキンから流体を吸引する流体通孔を設け、
且つ前記チューブ状パッキンから流体を吸引する吸引源
として、真空発生機構と切替手段とを連結する配管の途
中に、気密室を真空状態とするときに駆動した前記真空
発生機構によって真空状態とされる真空タンクを設ける
ことによって、パッキンの押し出し及び引き離しを容易
に行うことができる。また、真空タンク内の真空度が所
定値に到達していないとき、真空発生機構を起動する制
御手段を設けることによって、対向面に当接しているパ
ッキンの一部を対向面から確実に引き離すことができ
る。更に、停電等によって真空発生機構等が作動しない
とき、対向面に当接しているパッキンの一部を前記対向
面から引き離す緊急引離手段を設けることによって、停
電等の緊急時でもパッキンを損傷することなく扉を開け
ることができる。尚、気密室の開口部の周縁面と扉との
間に間隙を形成して前記扉を開ける際に、真空タンクの
真空度が対向面に当接しているパッキンの一部を前記対
向面から引き離し得る値に到達したとき、ランプ等の表
示手段を作動させる制御手段を設けることによって、扉
を開けられることを人に伝えることができる。
【0013】本発明に係る気密容器の気密機構によれ
ば、真空タンクをパッキンの吸引源として使用できるた
め、気密容器の扉を開ける際に、真空ポンプ等の真空発
生機構を駆動することなくパッキンを凹溝の方向に吸引
することができ、気密室の周縁面と扉の内面との間に間
隙を形成できる。したがって、真空発生機構を駆動して
パッキンを吸引する場合に比較して、気密容器の扉を開
けることができるまでの待ち時間を短縮でき、且つラン
ニングコストの低減を図ることができる。尚、真空タン
クは、パッキンを凹溝に引き込む程度に吸引できる程度
の容量であればよく、装置を大型化したり製造コストを
高価にすることはない。
【0014】
【発明の実施の形態】本発明に係る気密容器の気密機構
について、図6に示す高圧滅菌器10に設けられた図7
に示すパッキン60、つまり開口部56の周縁に沿って
周縁面に形成された凹溝58に、矢印Aの示す方向に摺
動可能に挿入されているフローティングパッキンについ
て説明する。かかるパッキン60の押出手段及び引離手
段を具備する気密容器の気密機構の一例を図1に示す。
図1に示す気密機構は、流体としての圧縮空気(圧空)
を供給する供給配管20と、真空発生機構としての電動
式真空ポンプ30によって吸引される吸引配管32と、
気密容器としての高圧滅菌器10に形成された凹溝58
の底面に開口する流体通孔62に連結された配管40と
が、電動モータで回動される三方モータ弁42を介して
連結されている。この三方モータ弁42は、吸引配管3
2と配管40或いは供給配管20と配管40とを切り替
える切替弁であって、吸引配管32と供給配管20とを
連結することはない。かかる三方モータ弁42は、モー
タによって弁体を回動するものであるが、手動によって
も弁体を回動できる。
【0015】この電動式真空ポンプ30は、吸引配管3
2を分岐する配管34及び三方モータ弁36を介して高
圧滅菌器10の滅菌室52に連結され、滅菌室52を真
空状態とする際に駆動される。更に、滅菌室52には、
三方モータ弁38を介して蒸気又は清浄な空気が供給さ
れ、供給された蒸気は三方モータ弁36を介して滅菌室
52から大気中に放出される。尚、三方モータ弁36,
38も、弁体をモータによって回動するものであって、
三方からの繋ぎ込み口の中間で弁体を停止でき、滅菌室
52を蒸気供給配管等から切り離すことができる。
【0016】図1に示す電動式真空ポンプ30から三方
モータ弁42に至る吸引配管32には、逆止弁22と真
空タンク24とが設けられている。この逆止弁22は、
真空タンク24の真空度を保持する保持手段である。つ
まり、三方モータ弁42によって、吸引配管32と配管
40とが切り離されているとき、電動真空ポンプ30が
停止され、配管34に空気が流入して真空タンク24よ
りも配管34の内圧が高くなったとき、配管34中の空
気の真空タンク24への流入を阻止し、真空タンク24
の真空度を保持する。一方、この逆止弁22は、電動式
真空ポンプ30が駆動されて配管34の真空度が真空タ
ンク24の真空度よりも高くなったとき、真空タンク2
4内の空気の配管34への流入を許容し、真空タンク2
4の真空度を高めることができる。
【0017】また、扉54を開く際に、真空タンク24
内の真空度が所定値に到達していないとき、パッキン6
0の先端面を扉54の内面54aから充分に引き離すこ
とができないおそれがあるため、真空発生機構としての
電動真空ポンプ30を駆動する制御手段としての圧力ス
イッチ26が設けられている。かかる圧力スイッチ26
は、滅菌室52の開口部の周縁面と扉54の内面54a
との間に間隙を形成して扉54を開く際に、真空タンク
24の真空度が内面54aに当接しているパッキン60
の先端面を内面54aから充分に引き離し得る値に到達
したとき、表示手段としてのランプを点灯させる制御手
段としての役割も果たしている。
【0018】かかる図1に示す気密機構を用い、滅菌室
52の開口部の周縁面と扉54の内面54aとの間をパ
ッキン60によってシールする際には、圧縮空気を供給
配管20、三方モータ弁42、配管40、及び流体通孔
62を介して凹溝58の底面とパッキン60の底面との
間に供給する。供給された圧縮空気によって底面が押さ
れたパッキン60は扉54の方向に押し出され、その先
端面が扉54の内面54aに当接し、扉54の内面54
aと開口部56の周縁面との間をシールして滅菌室52
を気密状態とすることができる。一方、常圧に戻された
滅菌室52の蓋54を開く際には、凹溝58の底面とパ
ッキン60の底面との間を、流体通孔62、配管40、
三方モータ弁42、及び吸引配管32を介して真空タン
ク24に吸引し、パッキン60の底面と凹溝58の底面
との間を減圧状態とし、パッキン60を凹溝58に引き
込むことによって、パッキン60の先端面と蓋54の内
面54aとの間に間隙を形成できる。
【0019】かかる真空タンク24は、パッキン60の
底面と凹溝58の底面との間を減圧状態とし得る程度の
容量であればよく、約1リットルの容量のタンクで充分
である。このため、吸引配管32として部分的に太い配
管を用いて真空タンク24としてもよい。この様に、真
空タンク24は小容量であるため、滅菌室52を真空状
態とする際に駆動した電動真空ポンプ30によって、同
時に真空タンク24も真空状態とすることができ、真空
タンク24を真空状態とするためにのみ電動真空ポンプ
30を駆動することを要しない。ここで、図1に示す高
圧滅菌器10を用いて蒸気滅菌を行う際には、先述した
様に、図9に示すコンディショニング(真空)工程、滅
菌工程、排気工程、乾燥工程、及び完了工程の各々を順
次通過させる、滅菌室52を真空状態とすることは何回
もあり、その都度、電動真空ポンプ30を駆動する。こ
のため、真空タンク24は何回も吸引されて真空状態と
することができる。
【0020】しかも、吸引配管32には、真空タンク2
4の真空状態を保持する保持手段としての逆止弁22が
設けられている。このため、滅菌室52を真空状態とし
て電動真空ポンプ30が停止して配管34の内圧が真空
タンク24よりも高くなっても、凹溝58の底面とパッ
キン60の底面との間を吸引して減圧状態とし、パッキ
ン60を凹溝58の方向に吸引するに至るまで真空タン
ク24の真空度を実質的に保持できる。したがって、電
動真空ポンプ30を駆動してパッキン60を吸引する図
8に示す気密機構に比較して、図1に示す気密機構で
は、真空状態に保持されている真空タンク24をパッキ
ン60の吸引源に用いることによって、扉54が開ける
ことができるまでの待ち時間を短縮でき、且つランニン
グコストの低減を図ることができる。但し、三方モータ
弁42等の洩れによって、扉54を開く際に、真空タン
ク24の真空度が不足する場合には、圧力スイッチ26
の信号によって電動真空ポンプ30を駆動し、真空タン
ク24を所定の真空度とすることができる。
【0021】図1に示す気密機構では、三方モータ弁4
2は手動でも弁体を回動可能であるため、停電時でも弁
体を回動してパッキン60を吸引して扉54を開くこと
ができるが、手動では弁体を回動できない三方モータ弁
42′を設置した場合、停電時には、三方モータ弁4
2′及び電動真空ポンプ30を駆動できず、パッキン6
0を吸引することができないため、扉54を開くことが
できない。無理に扉54を開けると、パッキン60を破
損してしまうため、パッキン60の交換を必要とする。
この点、図2に示す気密機構では、パッキン60を凹溝
58に引き込む緊急引離手段として、真空タンク24と
配管40との間に手動バルブ43を具備するバイパス配
管41を設けている。かかるバイパス配管41によっ
て、停電等により三方モータ弁42等が駆動できなくな
ったとき、手動バルブ43を開放することによって、パ
ッキン60を凹溝58に引き込むことができ、パッキン
60を損傷することなく扉54を開くことができる。
尚、図2に示す気密機構において、図1に示す気密機構
を構成する部材と同一部材は同じ番号を付与し、詳細な
説明を省略した。
【0022】図1及び図2に示す気密機構では、吸引配
管32と配管40或いは供給配管20と配管40との切
替弁として三方モータ弁42を使用しているが、図3に
示す様に、三方モータ弁42に代えて二個の電磁弁4
5,47を使用してもよい。電磁弁45,47のうち、
電磁弁45は吸引配管32側に設けられており、電磁弁
47は供給配管20側に設けられている。かかる電磁弁
45,47の各々と配管40との間には、電磁弁45,
47が洩れた場合にも、配管40を介して凹溝58の底
面とパッキン60の底面との間に影響を与えないように
逆止弁を設けることが好ましい。尚、図3に示す気密機
構においても、図1に示す気密機構を構成する部材と同
一部材は同じ番号を付与し、詳細な説明を省略した。
【0023】以上の説明では、主として横断面形状が略
台形状で且つ中実のパッキン60を用いた例で説明して
きたが、パッキンとしては、図4に示す様に、シート状
パッキン64であってもよく、図5に示す様に、チュー
ブ状パッキン66であってもよい。図4に示すシート状
パッキン64は、その周縁部が凹溝58の周縁に沿って
押板65、65によって保持されており、内壁とシート
状パッキン64の底面との間の空間部59を、流体通孔
62を介して減圧状態としたとき、シート状パッキン6
4の中央部及びその近傍は凹状に窪む。一方、流体通孔
62を介して空間部59に圧空を供給すると、シート状
パッキン64は点線で示すように膨出して扉54の内面
に当接し、開口部56の周縁と扉54の内面との間をシ
ールすることができる。
【0024】また、図5に示すチューブ状パッキン66
は、凹溝58に挿入されたチューブ状パッキン66に、
流体通孔62に挿入された流体通路63が連結されてい
る。流体通路63を経由して圧空がチューブ状パッキン
66の中空部67に供給されると、チューブ状パッキン
66は点線で示すように膨出して扉54の内面に当接
し、開口部56の周縁面と扉54の内面との間をシール
できる。他方、流体通路63を経由してチューブ状パッ
キン66の中空部67に充填された圧空を吸引すると、
チューブ状パッキン66は凹溝58に収容され、開口部
56の周縁面と扉54の内面との間に間隙を形成でき
る。かかるチューブ状パッキン66は、横断面形状が円
形でなくてもよく、例えば台形状であってもよい。尚、
これまでの説明は、蒸気を用いた高圧滅菌装置について
説明してきたが、真空ポンプ等の真空発生機構を具備す
る滅菌装置、例えばガス滅菌装置、薬液滅菌装置、洗浄
滅菌装置等に本発明を適用できることは勿論のことであ
る。
【発明の効果】本発明によれば、気密容器の扉を開ける
際に、気密室の周縁面と扉の内面との間をシールしてい
たパッキンを、真空ポンプ等の真空発生機構を駆動する
ことなくパッキンを凹溝の方向に吸引することができ、
気密室の周縁面と扉の内面との間に間隙を形成できる。
その結果、真空発生機構を駆動してパッキンを吸引する
場合に比較して、気密容器の扉を開けることができるま
での待ち時間を短縮でき、且つランニングコストの低減
を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る気密容器の気密機構に係る一例を
説明する略線図である。
【図2】本発明に係る気密容器の気密機構に係る他の例
を説明する略線図である。
【図3】本発明に係る気密容器の気密機構に係る他の例
を説明する略線図である。
【図4】本発明に係る気密容器の気密機構に用いるパッ
キンの一例を説明する部分断面図である。
【図5】本発明に係る気密容器の気密機構に用いるパッ
キンの一例を説明する部分断面図である。
【図6】気密容器として用いる高圧滅菌装置の概略を説
明する斜視図である。
【図7】図6に示す高圧滅菌装置に用いたパッキンの動
作等を説明する部分断面図である。
【図8】図6に示す高圧滅菌装置の気密機構を説明する
略線図である。
【図9】図6に示す高圧滅菌装置を用いて蒸気滅菌した
際の滅菌室内の経時圧力変化を示すグラフである。
【符号の説明】
10 高圧滅菌装置値(気密容器) 22 逆止弁(保持手段) 24 真空タンク 26 圧力スイッチ(制御手段) 30 真空ポンプ(真空発生機構) 36,38,42,42′ 三方モータ弁 41 バイパス配管(緊急引離手段) 45,47 電磁弁 52 滅菌室(気密室) 54 扉 54a 扉54の内面 58 凹溝 60,64,66 パッキン 62 流体通孔

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 扉によって開閉される開口部が形成され
    た気密室を真空状態とする真空ポンプ等の真空発生機構
    と、 前記開口部の周縁面又は前記開口部の周縁面に対応する
    扉の内面に形成された凹溝に挿入されたパッキンと、 前記扉で閉じられた前記開口部の周縁面と扉との間をシ
    ールして前記気密室を気密状態とする際に、前記凹溝が
    形成された凹溝形成面の対向面に、前記パッキンの一部
    が当接するように、前記パッキンの一部又は全体を前記
    対向面の方向に押し出す押出手段と、 前記開口部の周縁面と扉との間に間隙を形成して前記扉
    を開ける際に、前記対向面に当接しているパッキンの一
    部を前記対向面から引き離すように、前記凹溝内にパッ
    キンの一部又は全体を収納する引離手段と、 前記押出手段と引離手段とを切り換え、前記パッキンの
    一部を前記対向面に接離動させる切替手段とを具備する
    気密容器の気密手段であって、 該引離手段には、前記対向面に当接しているパッキンの
    一部を前記対向面から引き離す際に、前記パッキンの一
    部又は全部を前記凹溝内に収容し得るように、前記真空
    発生機構を駆動することなく前記パッキンを凹溝方向に
    吸引する吸引源として、前記真空発生機構と切替手段と
    を連結する配管の途中に、前記気密室を真空状態とする
    ときに駆動された前記真空発生機構によって真空状態と
    される真空タンクが設けられ、 且つ前記気密室を真空状態にして真空発生機構を停止し
    てから前記パッキンを凹溝方向に吸引するに至るまで前
    記真空タンクの真空状態を保持する保持手段とが設けら
    れていることを特徴とする気密容器の気密機構。
  2. 【請求項2】 パッキンの少なくとも一部が凹溝に摺動
    自在に挿入され、前記パッキンを対向面の方向に押し出
    す流体を給排すると共に、前記パッキンを凹溝の方向に
    吸引する流体通孔が前記凹溝の底面に開口されている請
    求項1記載の気密容器の気密機構。
  3. 【請求項3】 パッキンとしてのチューブ状パッキンが
    凹溝に挿入され、前記チューブ状パッキンの一部が対向
    面に当接するように、前記チューブ状パッキンを膨出す
    る流体を供給すると共に、前記チューブ状パッキンを凹
    溝内に収容するように、前記チューブ状パッキンから流
    体を吸引する流体通孔が設けられ、 且つ前記チューブ状パッキンから流体を吸引する吸引源
    として、真空発生機構と切替手段とを連結する配管の途
    中に、前記気密室を真空状態とするときに駆動された前
    記真空発生機構によって真空状態とされる真空タンクが
    設けられている請求項1記載の気密容器の気密機構。
  4. 【請求項4】 扉を開ける際に、真空タンク内の真空度
    が所定値に到達していないとき、真空発生機構を起動す
    る制御手段が設けられている請求項1〜3のいずれか一
    項記載の気密容器の気密機構。
  5. 【請求項5】 停電等によって真空発生機構等が作動し
    ないとき、対向面に当接しているパッキンの一部を前記
    対向面から引き離す緊急引離手段が設けられている請求
    項1〜4のいずれか一項記載の気密容器の気密機構。
  6. 【請求項6】 気密室の開口部の周縁面と扉との間に間
    隙を形成して前記扉を開ける際に、真空タンクの真空度
    が対向面に当接しているパッキンの一部を前記対向面か
    ら引き離し得る値に到達したとき、ランプ等の表示手段
    を作動させる制御手段が設けられている請求項1〜5の
    いずれか一項記載の気密容器の気密機構。
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