JP2001130393A - 車輌用制動制御装置 - Google Patents
車輌用制動制御装置Info
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Abstract
は、肉厚差の生成を抑止することのできる車輌用制動制
御装置を提供すること。 【解決手段】 本発明の車輌用制動制御装置は、ブレー
キディスクに摩擦材を押圧させて車輪の回転を制動する
ディスクブレーキ機構を有する車輌用制動制御装置にお
いて、ブレーキディスクの肉厚状態を検出する肉厚検出
手段と、ブレーキディスクと摩擦材との接触状態を制御
する接触状態制御手段とを有し、接触状態制御手段は、
肉厚検出手段によって検出されたブレーキディスクの肉
厚状態に基づいて、ブレーキディスクの肉厚が薄い部分
よりも厚い部分に対して摩擦材が強く接触するように、
ブレーキディスクと摩擦材との接触状態を制御すること
を特徴としている。
Description
制御する車輌用制動制御装置に関し、特に、ディスクブ
レーキの肉厚差を解消又は抑止することのできる車輌用
制動制御装置に関する。
278872号公報に記載のものなどが知られている。これら
の車輌用制動装置は、車輪の回転を制動することによっ
て車輌自体を制動させるものである。車輪の回転を制動
するには、車輪に結合されたブレーキディスクにブレー
キパッド(摩擦材)を押圧させ、ブレーキディスクとブ
レーキパッドとの間に摩擦力を働かせる。
スクに対して車輪の回転軸を完全に直角にするのは難し
く、ブレーキディスクはごく僅かに面振れを起こしなが
ら回転していることが多い。このような状態で回転する
ブレーキディスクに対してブレーキパッドを押圧させる
と、ブレーキディスクの円周方向に僅かな肉厚差が生じ
る。このような肉厚差が生じると、ブレーキ時に車輌自
体を振動させる原因となったり、ブレーキペダルからの
反力が細かく変動して運転者に違和感を与える場合があ
るので好ましくない。
と、ブレーキ操作をしていない場合でもブレーキディス
クの一部とブレーキパッドとが接触してしまう、いわゆ
るブレーキの引きずりが生じてしまう場合もある。この
ようなブレーキの引きずりが生じると、ブレーキパッド
の消耗も速くなるという弊害も生じやすい。そこで、発
明者らは鋭意検討の結果、車輌の制動を制御する制御装
置を用いて、ブレーキディスクの肉厚差を解消、あるい
は、肉厚差の生成を抑止し得る技術を見出した。
クの肉厚差を解消、あるいは、肉厚差の生成を抑止する
ことのできる車輌用制動制御装置を提供することにあ
る。
装置は、ブレーキディスクに摩擦材を押圧させて車輪の
回転を制動するディスクブレーキ機構を有する車輌用制
動制御装置において、ブレーキディスクの肉厚状態を検
出する肉厚検出手段と、ブレーキディスクと摩擦材との
接触状態を制御する接触状態制御手段とを有し、接触状
態制御手段は、肉厚検出手段によって検出されたブレー
キディスクの肉厚状態に基づいて、ブレーキディスクの
肉厚が薄い部分よりも厚い部分に対して摩擦材が強く接
触するように、ブレーキディスクと摩擦材との接触状態
を制御することを特徴としている。
厚状態検出装置によってブレーキディスクの肉厚状態
(肉厚差の状態)を検出し、この検出結果に基づいて、
ブレーキディスクの肉厚が薄い部分よりも厚い部分に対
して摩擦材が強く接触するように積極的に制御する(薄
い部分に接触させない場合も含む)。このようにするこ
とによって、ブレーキディスクの肉厚が厚い部分を削っ
てその肉厚差を解消することができる。あるいは、ブレ
ーキディスクに肉厚差が生成されるのを抑止することが
できる。この結果、ブレーキディスクの肉厚差によるブ
レーキ時の振動などの弊害を抑止することができる。
ーキディスクと摩擦材との接触状態を制御することが好
ましい。このようにすれば、車輌非制動時にブレーキデ
ィスクの肉厚差を解消(抑制)する制御を行ため、ブレ
ーキディスクと摩擦材との接触状態をブレーキディスク
の肉厚差解消(抑制)に最も適した状態とすることがで
き、ブレーキディスクの肉厚差をより効果的に解消(抑
制)することができる。
ーキディスクの肉厚が厚い部分に対して摩擦材を接触さ
せ、ブレーキディスクの肉厚が薄い部分に対しては摩擦
材を接触させないことが好ましい。このようにすれば、
ブレーキディスクの肉厚の厚い部分を削って肉厚差を解
消すると共に、肉厚の薄い部分では摩擦材をブレーキデ
ィスクに接触させないので、摩擦材の消耗を抑止するこ
とができる。
ブレーキディスクの肉厚変動に対応させて、摩擦材のブ
レーキディスクへの押圧力を変動制御することが好まし
い。このようにすれば、ブレーキディスクと摩擦材との
接触状態を、ブレーキディスクの肉厚の状態に対応させ
て変動制御するので、ブレーキディスクの肉厚差をより
早期に解消でき、かつ、その肉厚をより効果的に均一化
させることができる。
ルシリンダー内のブレーキ液圧を上昇させて摩擦材をブ
レーキディスクに押圧させる液圧ブレーキ機構であり、
肉厚検出手段は、車輌制動時におけるブレーキ液圧変動
からブレーキディスクの肉厚状態を検出し、接触状態制
御手段は、ブレーキ液圧を調整することによってブレー
キディスクと摩擦材との接触状態を制御することが好ま
しい。このようにすれば、肉厚状態検出手段によるブレ
ーキディスクの肉厚状態の検出と接触状態制御手段によ
るブレーキディスクと摩擦材との接触状態の制御とを、
ブレーキ液圧を用いて行うことができる。この結果、ブ
レーキ液圧を制御することによってブレーキディスクの
肉厚差を解消(抑止)できる。
施形態について図面を参照しつつ説明する。
形態について説明する。図1に本実施形態の制動制御装
置の構成を示す。本実施形態の制動制御装置は、液圧に
よって車輪に結合されたブレーキディスク4に摩擦材で
あるブレーキパッド3を押圧させる液圧ブレーキ機構に
おいて、液圧を制御することによって制動制御を行うも
のである。また、この液圧ブレーキ機構は、常に液圧を
高くして蓄圧しておく液圧源を有しており、いわゆるハ
イドロブースタアクチュエータ方式のものである。
パー1内のホイールシリンダ2に対して液圧(本実施形
態においては、ブレーキフルードとしてブレーキオイル
を用いているため、以下油圧とも言う)を伝達させる。
この油圧によってブレーキパッド(摩擦材)3を車輪に
結合されたブレーキディスク4に押圧させ、車輪の回転
を制動して車輌自体を制動させる。制動時に必要となる
油圧は、マスタシリンダ兼ブレーキブースタ(以下単に
マスタシリンダという)5又は液圧源(ポンプモータ6
及びアキュミュレータ7)によって発生される。
やアキュミュレータ7に蓄圧された油圧は、ブレーキオ
イルを媒体として、液圧伝達経路であるブレーキ配管を
介して各車輪のホイールシリンダ2に伝達される。ブレ
ーキ配管内に充填されるブレーキオイルは、リザーバタ
ンク8内に貯蔵されている。そして、このブレーキ配管
上には複数の制御弁(ソレノイドバルブ)9が配設され
ており、ソレノイドバルブ9は油圧の伝達経路を切り替
えると共にホイールシリンダ2に伝達される油圧を調節
する。
る。
のもので、運転者のブレーキペダル10の操作踏力をブ
ーストするブースタ機構を内蔵している。マスタシリン
ダ5の内部には、ブレーキオイルが充填されている。ブ
レーキペダル10の操作によってマスタシリンダ5内に
発生する油圧は、各車輪のホイールシリンダ2に二系統
の伝達経路(ブレーキ配管)によって伝達される。一方
の系統は前輪(右前輪FR及び左前輪FL)への伝達経路
で、他方の系統は後輪(右後輪RR及び左後輪RL)へ
の伝達経路であり、いわゆる前後分割方式のブレーキ配
管が採用されている。
配管上には、それぞれ圧力センサ11が取り付けられて
おり、マスタシリンダ5直後のブレーキ油圧を検出し得
るようにされている。各圧力センサ11の検出結果は、
ブレーキ制御全般を司るコンピュータ(以下、単にEC
U:Electronic Control Unitとも言う)13に送出され
る。また、ブレーキペダル10には、このブレーキペダ
ル10が操作されたことを検出するストップランプスイ
ッチ12が接続されている。ストップランプスイッチ1
2は、ブレーキペダル10が操作されたときに、車輌後
部に取り付けられたストップランプを点灯させるスイッ
チとして機能すると共にブレーキペダル10が操作され
たことを知らせる信号をECU13に対して送出する。
U13からの命令に従って、バッテリの電力によって駆
動され、リザーバタンク8内に貯蔵されたブレーキオイ
ルをアキュミュレータ7に対して送出する。液圧源のも
う一つの構成要素であるアキュミュレータ7は、ポンプ
モータ6によって送出されたブレーキオイルを、その内
部に所定の高圧下で貯蔵する。アキュミュレータ7の下
流側近傍のブレーキ配管上には、アキュミュレータ7内
の油圧を検出する圧力センサ11が取り付けられてい
る。この圧力センサ11の検出結果もECU13に送出
される。
に示されるように配設されており、このブレーキ配管上
には、伝達経路を切り替えると共にホイールシリンダ2
に伝達させる油圧を調整する複数のソレノイドバルブ9
が配設されている。図1に示された状態は、全てのソレ
ノイドバルブ9がオフにされた状態である。各ソレノイ
ドバルブ9は、ECU13に接続されており、ECU1
3によってその開閉動作が制御されている。なお、以下
の説明において、各ソレノイドバルブ9を図1中の各ソ
レノイドバルブ9に付した記号によって区別する。
ブレーキ配管上にはマスタシリンダ(M/C)カットバルブ
(ソレノイドバルブ)SMFが配置されており、マスタシ
リンダ5から前輪FR,FLの各ホイールシリンダ2へ
の油圧の伝達を開放・遮断している。なお、M/Cカット
バルブSMFの開閉DUTY比を制御することによって、マス
タシリンダ5からホイールシリンダ2に伝達させる油圧
を調整することも可能である。マスタシリンダ5から前
輪FR,FLのホイールシリンダ2へのブレーキ配管
は、M/CカットバルブSMFの下流側でアキュミュレータ7
からのブレーキ配管と合流し、さらにその下流で二つに
分岐されて前輪FR,FLの各ホイールシリンダ2に接
続されている。
れた一方のブレーキ配管上には、ソレノイドバルブSBF
が配されており、マスタシリンダ5からの油圧を両前輪
FR,FLに伝達するか否かを制御している。アキュミ
ュレータ7からの油圧と他のソレノイドバルブ9とを用
いて、右前輪FR側に伝達される油圧と左前輪FL側に
伝達される油圧とを独立して制御する場合などは、この
ソレノイドバルブSBFは閉じられる。
イールシリンダ2へのもう一系統のブレーキ配管上に
も、同様にM/CカットバルブSMRが配置されており、ま
た、後輪RR,RLの間のブレーキ配管上には、ソレノ
イドバルブSBRが配されている。これらの構成や機能に
ついては、上述した前輪側と同様であるため、ここでの
詳しい説明は省略する。
持バルブ(ソレノイドバルブ)S**Hと減圧バルブ(ソレ
ノイドバルブ)S**Rとが設けられている。ここで、S**H
などの**には、各車輪記号(FR,FL,RR,RL)が入る。
とアキュミュレータ7との間のブレーキ配管上に配置さ
れている。各ホイールシリンダ2とアキュミュレータ7
とを繋ぐブレーキ配管は、保持バルブS**Hの上流側で一
本にまとめられてからアキュミュレータ7に繋げられて
いる。保持バルブS**Hは、アキュミュレータ7からホイ
ールシリンダ2への油圧を制御(伝達・非伝達及び油圧
の増圧速度、ホイールシリンダ2内の油圧の保持など)
している。油圧の増圧速度は、保持バルブS**Hの開閉DU
TY比によって調整する。
ブS**Hとの間には、リザーバタンク8に繋がるブレーキ
配管がそれぞれ接続されている。減圧バルブS**Rは、こ
の各ホイールシリンダ2とリザーバタンク8とを繋ぐブ
レーキ配管上に配設されている。この各ホイールシリン
ダ2とリザーバタンク8とを繋ぐブレーキ配管は、減圧
バルブS**Rの上流側で一本にまとめられてからリザーバ
タンク8に繋げられている。減圧バルブS**Rは、ホイー
ルシリンダ2内のブレーキオイルをリザーバタンク8に
還流させ、ホイールシリンダ2内の油圧を減圧させる。
油圧の減圧速度は、減圧バルブS**Rの開閉DUTY比によっ
て調整できる。
に、各ホイールシリンダ2内の油圧を検出する圧力セン
サ11が取り付けられている。このこの圧力センサ11
の検出結果もECU13に送出される。これらのソレノ
イドバルブS**H,S**Rを用いて、ホイールシリンダ2内
の油圧を増圧させる増圧モード、ホイールシリンダ2内
の油圧を保持させる保持モード、ホイールシリンダ2内
の油圧を減圧させる減圧モードを切り替える。
付けられており、各車輪の回転速度を検出している。車
輪速センサ14は、各車輪(即ち、ブレーキディスク
4)の回転位置も検出することができる。各車輪速セン
サ14もECU13に接続されている。ECU13は、
マイクロコンピュータによって構成され、車輌の制動制
御やその他の制御を司っている。
ブレーキディスク4の肉厚差を解消、あるいは肉厚差の
生成を抑止する制御について説明する。
レーキディスク4の肉厚差を検出し、肉厚差が大きい場
合には、車輌が制動されていないときにこの肉厚差を解
消するものである。なお、ここでの車輌の制動とは、運
転者の意志によってブレーキペダル10が操作された結
果の制動だけでなく、運転者の操作によらずにECU1
3が車輌状態を判定して車輌を制動させる場合も含む。
即ち、通常の制動時だけでなく、ABS制御時や、ブレー
キアシスト制御時、車輌安定制御時の車輌制動を含む。
のフローチャートは車両の運行中に一定時間毎に繰り返
し実行される。まず、車輌が制動中であるか否かが判定
される(ステップ100)。車輌が制動中である場合、
即ち、ステップ100が肯定される場合は、次に、全車
輪についての肉厚差発生フラグRTVを0にリセットする
(ステップ110)。なお、ステップ100が否定され
る場合については後述する。
(ブレーキディスク4)の一回転あたりのホイールシリ
ンダ2内の油圧変動を、車輪速センサ14と圧力センサ
11とを用いて検出する〔図3(a)参照〕。そして、E
CU13において、ブレーキディスク4の一回転あたり
の油圧変動ΔPiを算出し、この油圧変動ΔPiが予め決定
された閥値P0よりも大きいか否かを判定する(ステップ
120)。ブレーキディスク4に肉厚差が生じていれ
ば、制動時のホイールシリンダ2内の油圧は目標油圧Pt
には一致せずに変動が生じ、この変動は肉厚差が大きい
ほど大きくなる。
きに発生する油圧変動に相当するものとして決定されて
いる。この閥値P0を予め低く設定しておけば、肉厚差が
成長する前に肉厚差を解消するようになるので、肉厚の
生成を抑制することができる。ステップ120が肯定さ
れる車輪については、解消すべき肉厚差がブレーキディ
スク4に発生しているとして、肉厚差発生フラグRTVを
1にセットする(ステップ130)。一方、全ての車輪
についてステップ120が否定される場合は、このルー
チンを終了する。
レーキディスク4とホイールシリンダ2内の油圧変動と
の関係〔図3(a)参照〕を記憶する(ステップ14
0)。なお、油圧変動において、油圧が高くなるのはブ
レーキディスク4を挟んでいるブレーキパッド3が押し
戻されるためであるので、この部分のブレーキディスク
の厚さは厚いということである。反対に、油圧変動にお
いて油圧が低くなるのはブレーキディスク4を挟んでい
るブレーキパッド3がさらにブレーキディスク4に対し
て押圧され、ホイールシリンダ2内のピストンがさらに
ストロークするためであるので、この部分のブレーキデ
ィスクの厚さは薄いということである。このように、ブ
レーキディスク4の肉厚の状態がその回転位置(角度)
θに対応させて記憶される。即ち、ECU13、各ホイ
ールシリンダ2内の油圧を測定する各圧力センサ11、
及び、ブレーキディスク4の回転位置を検出する車輪速
センサ14などが肉厚検出手段として機能している。
終了し、繰り返し実行されるうちに、ステップ100が
否定される状態、即ち、車輌が制動されていない状態に
なった場合には、まず各輪毎に肉厚差発生フラグRTVが
1であるか否かが判定される(ステップ150)。ステ
ップ150において、肉厚差発生フラグRTVが1の車輪
が存在しなければ、このルーチンを抜ける。しかし、肉
厚差発生フラグRTVが1の車輪が存在する場合、即ち、
ステップ150が肯定される場合は、肉厚差発生フラグ
RTVが1の車輪については、ステップ140において記
憶したデータに基づいて油圧制御を行い、ブレーキディ
スクの肉厚差を解消(あるいは抑止)する(ステップ1
60)。
二つの例を詳述する。まず、図3(b)に示されるよう
に、ブレーキディスク4の肉厚が厚い場所に対応する部
分にのみ、一定の制御油圧でブレーキパッド3を押圧さ
せる場合について説明する〔実施形態1〕。この場合、
ホイールシリンダ2内の油圧を上昇させてブレーキディ
スクの肉厚が厚い部分に対してブレーキパッド3を接触
させることによって、ブレーキディスク4の肉厚の厚い
部分を削って肉厚差を減少させる。
ブレーキパッド3との接触によって車輪の回転はほとん
ど制動されない。即ち、このとき、運転者はほとんど違
和感を感じることはなく、ここでの制御油圧はこのよう
な接触を生じさせる程度のものである。上述したよう
に、この実施形態1では、ブレーキディスク4の肉厚の
厚い部分に対してのみブレーキパッド3を接触させてい
る。
て肉厚差を解消すると共に、肉厚の薄い部分ではブレー
キパッド3をブレーキディスク4に接触させないので、
ブレーキパッド3の消耗を抑止することができる。ま
た、ブレーキパッド3をブレーキディスク4に接触させ
る際には、その制御油圧を一定にしている。このように
すれば制御が複雑にならずに済み、ECU13の処理な
どの制御系に多大な処理不可を与えることなく、ブレー
キディスクの肉厚差を解消することができる。
キディスク4の肉厚が厚い部分にはブレーキパッド3を
強く接触(押圧)させ、肉厚が薄い部分には弱く接触
(押圧)させるように、その押圧力を変動制御する場合
について説明する〔実施形態2〕。この場合は、ホイー
ルシリンダ2内の油圧を、ステップ140において記憶
した肉厚差-油圧の関係に基づいて変動制御する。これ
によって、ブレーキパッド3はブレーキディスク4の肉
厚が厚い部分には強い押圧力で接触され、肉厚が薄い部
分には弱い押圧力で接触されるので、ブレーキディスク
4の肉厚差がより早期に解消される。
ーキディスク4との接触も、運転者が違和感を感じない
レベルでの接触である。また、図3(c)に示されるよう
に、ブレーキディスク4の肉厚変動に対応させて、ブレ
ーキディスク4が一回転するまで制御油圧を変動制御し
たが、制御油圧が低い状態では、ブレーキディスク4と
ブレーキパッド3とが必ずしも接触していなくても構わ
ない。さらに、ここでは、ブレーキディスク4が一回転
するまで制御油圧を変動制御したが、ブレーキディスク
4の肉厚が厚い部分に対してのみ、制御油圧を変動制御
することも考えられる。
ールシリンダ2内の油圧を上述した図3(b)や図3(c)に
示されるような制御油圧とするには、アキュミュレータ
7内の油圧を保持バルブS**Hと減圧バルブS**Rとを用い
て各輪毎に伝達させることによって行う。即ち、液圧源
(ポンプモータ6及びアキュミュレータ7)やソレノイ
ドバルブ9などがブレーキディスク4とブレーキパッド
3との接触状態を制御する接触状態制御手段として機能
する。
ルシリンダ2内の実際の油圧であるが、図3(b)及び図
3(c)に示されているのは制御油圧(目標油圧)であ
る。また、図3(a)のグラフにおける縦軸と図3(b)及び
図3(c)の縦軸とは、そのスケールは必ずしも一致して
いない。
続ける。ステップ160の制御が開始された後、車輌が
制動されているか否かが再度判定される(ステップ17
0)。車輌の制動が行われている、即ち、ステップ10
0においては車輌制動中ではなかったが、ステップ17
0では車輌制動が開始されているような場合は、ステッ
プ160の制御は中断され(ステップ190)、このル
ーチンを抜ける。一方、車輌制動が依然開始されていな
いようである場合は、ステップ160の油圧制御開始後
の走行距離Lが所定の距離Lを超えていないか否かが判定
される(ステップ180)。
ィスク4の肉厚差解消のための油圧制御を持続させる
と、ブレーキディスク4やブレーキパッド3が削れすぎ
てしまう場合などが危惧されるので、所定距離L0を走行
する期間を超えて油圧制御を行わないようにするためで
ある。ステップ170及びステップ180が否定されて
いる間、即ち、車輌が制動されずに、かつ、油圧制御開
始後の走行距離Lが所定距離L0未満である間はステップ
160の上述した油圧制御が続行される。
動されずにかなりの距離を連続して走行する場合がある
が、ステップ180を設けることによって、油圧制御を
実行する上での上限を走行距離Lに基づいて設定してい
る。このようにすることによって、長期間連続してブレ
ーキディスク4にブレーキパッド3を接触させ続けるこ
との弊害を抑止している。ステップ180が肯定される
ようであれば、油圧制御が解除され(ステップ19
0)、このルーチンを終了する。
い部分よりも厚い部分に対して強く接触させる(薄い部
分には接触させない場合も含む)ことによって、ブレー
キディスク4の肉厚差を解消(あるいは抑止)すること
ができ、ブレーキディスク4の肉厚差によるブレーキ振
動などの弊害を解消することができる。
述した実施形態に限定されるものではない。例えば、上
述した実施形態例においては、ブレーキ油圧を制御する
ためにソレノイドバルブ9を用いたが、ブレーキ油圧の
伝達・遮断とその調整を行えるならばどのような制御弁
であってもよい。また、上述した実施形態においては、
ブレーキ配管方式が前後分割方式とされたが、X配管方
式などの他の配管方式であっても構わない。
ーキディスク4の肉厚差を解消するための制御は、車輌
非制動時に行われた。しかし、車輌制動時にブレーキデ
ィスクと摩擦材とが接触している状態で、肉厚差を解消
するための制御を行ってもよい。この場合は、車輌を制
動するために必要な摩擦力を得るための押圧力で摩擦材
をブレーキディスクに押圧させるのに加えて、ブレーキ
ディスクの肉厚差を解消(あるいは抑止)するための押
圧力を上積みして加えればよい。ただし、車輌非制動時
に上述した油圧制御を行う方が、車輌制動制御が肉厚差
解消制御に対しする外乱とならないので好ましい。
ては、液圧ブレーキ機構の制動制御機構でなくてもよ
い。例えば、車輪を電気モータで駆動する場合に、肉厚
状態検出手段が、ブレーキディスクに摩擦材を押圧させ
ているときの電気モータのトルク変動からブレーキディ
スクの肉厚状態を検出することも考えられる。このよう
にしておけば、車輌制動時にブレーキディスクに対して
摩擦材をソレノイドバルブなどを用いて接触(押圧)さ
せるような場合でも、ブレーキディスクの肉厚状態を検
出することができる。
キディスクの肉厚状態を検出する肉厚検出手段と、ブレ
ーキディスクと摩擦材との接触状態を制御する接触状態
制御手段とを有し、接触状態制御手段が、肉厚検出手段
によって検出されたブレーキディスクの肉厚状態に基づ
いて、ブレーキディスクの肉厚が薄い部分よりも厚い部
分に対して摩擦材が強く接触するように、ブレーキディ
スクと摩擦材との接触状態を制御するので、ブレーキデ
ィスクの肉厚差を解消、あるいは、肉厚差の生成を抑止
することができる。
を示す構成図である。
制御処理のフローチャートである。
油圧との関係を示すグラフであり、(a)は検出時、(b)は
実施形態1における制御時、(c)は実施形態2における
制御時である。
ブレーキパッド(摩擦材)、4…ブレーキディスク、5
…マスタシリンダ、6…ポンプモータ(接触状態制御手
段)、7…アキュミュレータ(接触状態制御手段)、8
…リザーバタンク、9…ソレノイドバルブ(接触状態制
御手段)、10…ブレーキペダル、11…圧力センサ
(肉厚状態検出手段)、12…トップランプスイッチ、
13…ECU(接触状態制御手段・肉厚状態検出手
段)、14…車輪速センサ(肉厚状態検出手段)。
Claims (5)
- 【請求項1】 ブレーキディスクに摩擦材を押圧させて
車輪の回転を制動するディスクブレーキ機構を有する車
輌用制動制御装置において、 前記ブレーキディスクの肉厚状態を検出する肉厚検出手
段と、前記ブレーキディスクと前記摩擦材との接触状態
を制御する接触状態制御手段とを有し、 前記接触状態制御手段は、前記肉厚検出手段によって検
出された前記ブレーキディスクの肉厚状態に基づいて、
前記ブレーキディスクの肉厚が薄い部分よりも厚い部分
に対して前記摩擦材が強く接触するように、前記ブレー
キディスクと前記摩擦材との接触状態を制御することを
特徴とする車輌用制動制御装置。 - 【請求項2】 前記接触状態は、車輌非制動時に前記ブ
レーキディスクと前記摩擦材との接触状態を制御するこ
とを特徴とする請求項1に記載の車輌用制動制御装置。 - 【請求項3】 前記接触状態制御手段は、前記ブレーキ
ディスクの肉厚が厚い部分に対して前記摩擦材を接触さ
せ、前記ブレーキディスクの肉厚が薄い部分に対しては
前記摩擦材を接触させないことを特徴とする請求項1又
は2に記載の車輌用制動制御装置。 - 【請求項4】 前記接触状態制御手段は、前記ブレーキ
ディスクの肉厚変動に対応させて、前記摩擦材の前記ブ
レーキディスクへの押圧力を変動制御することを特徴と
する請求項1又は2に記載の車輌用制動制御装置。 - 【請求項5】 前記ディスクブレーキ機構は、ホイール
シリンダー内のブレーキ液圧を上昇させて前記摩擦材を
前記ブレーキディスクに押圧させる液圧ブレーキ機構で
あり、前記肉厚検出手段は、車輌制動時におけるブレー
キ液圧変動から前記ブレーキディスクの肉厚状態を検出
し、前記接触状態制御手段は、ブレーキ液圧を調整する
ことによって前記ブレーキディスクと前記摩擦材との接
触状態を制御することを特徴とする請求項1〜4の何れ
かに記載の車輌用制動制御装置。
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