JPH0774421B2 - 耐経時密着性及び耐黒変性に優れた溶融亜鉛めっき鋼板 - Google Patents

耐経時密着性及び耐黒変性に優れた溶融亜鉛めっき鋼板

Info

Publication number
JPH0774421B2
JPH0774421B2 JP21838088A JP21838088A JPH0774421B2 JP H0774421 B2 JPH0774421 B2 JP H0774421B2 JP 21838088 A JP21838088 A JP 21838088A JP 21838088 A JP21838088 A JP 21838088A JP H0774421 B2 JPH0774421 B2 JP H0774421B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
plating
resistance
blackening
hot
galvanized steel
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP21838088A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH0270050A (ja
Inventor
日出夫 高村
顕 安田
康二 大和
Original Assignee
川崎製鉄株式会社
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by 川崎製鉄株式会社 filed Critical 川崎製鉄株式会社
Priority to JP21838088A priority Critical patent/JPH0774421B2/ja
Publication of JPH0270050A publication Critical patent/JPH0270050A/ja
Publication of JPH0774421B2 publication Critical patent/JPH0774421B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Coating With Molten Metal (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 〈産業上の利用分野〉 溶融亜鉛めっき鋼板は自動車用の他に建材,家電等に用
途が拡大している。本発明は特に建材,家電等に使用す
る際に問題となる耐経時めっき密着性及び耐黒変性を改
善した溶融亜鉛めっき鋼板に関するものである。
〈従来の技術〉 近年ニーズの多様化および高級化に伴なって表面処理鋼
板も多くの製品が開発されている。このうち溶融亜鉛め
っき鋼板は、犠性防食能をもつ表面処理鋼板として広範
囲に使用されている。ところで一般的な溶融亜鉛めっき
鋼板は、通常めっき層の密着性を損うFe−Zn合金が形成
されないように、めっき浴中にAlを0.05〜0.3wt%,ス
パングル調整のためにPbを0.01〜0.3wt%添加してい
る。
しかしこのような溶融亜鉛めっき鋼板をコイル状態で長
期に保管したり、室内等の高温多湿環境中で、使用した
場合、めっき層が粒界腐食に起因して、経時的に剥離し
たり、まためっき表面の光沢がなくなり局所的に黒く変
色する現象(以下黒変と称す)が発生し商品価値を失な
うことが多い。
そこで、このような経時的なめっき密着性劣化や黒変の
発生を防止するいくつかの対策事例が開示されている。
例えば、前者の耐経時めっき密着性劣化防止について
は、特開昭62−89856号公報及び特開昭57−26155号公報
に見られる様に、めっき密着性に有害な亜鉛めっき浴中
のPbを除くかあるいは添加量を下げてかわりにSbを添加
する方法、また特開昭56−105447号公報では亜鉛めっき
浴に、MgとCu又はSbの1種を添加する方法等が開示され
ている。しかし、これらのSb,Mg,Cu等の添加は、添加量
が多い場合に、初めてめっき密着性劣化防止に効果があ
るので、コスト的に不利であり、またスパングルが不均
一で美麗なめっき外観が得られにくい等の欠点がある。
しかも、めっきの黒変防止には何らの改善効果を奏する
ものではない。
黒変防止に関しては、めっき直後に金属の水酸化物を塗
布する方法が、特開昭63−65088号公報に、弱反応型ク
ロメート処理液で処理する方法が、鉄と鋼,72(1986)1
3,S1307等に開示されているが、本発明者らが詳細に実
験し、調査したところによればいずれもその効果は十分
であるとはいえず、また経時めっき密着性劣化防止効果
を奏するものではない。
〈発明が解決しようとする課題〉 本発明の目的は、耐経時めっき密着性及び耐黒変性を同
時に飛躍的に改善した溶融亜鉛めっき鋼板を提供するも
のである。
〈課題解決のための手段〉 一般的に使用されているAl−Pb−Znめっき浴で製造した
溶融亜鉛めっき鋼板は、めっき層中のAl,Pbに起因して
耐経時めっき密着性及び耐黒変性が劣るのでPbに変わる
べき添加元素を種々検討した結果、Al:0.06〜0.20wt%
を含有するZnめっき浴にPb:0.001〜0.008wt%,Bi:0.001
〜0.009wt%添加して製造した溶融亜鉛めっき鋼板は耐
経時めっき密着性に優れ、また耐黒変性が著しく優れて
いることを見い出した。
すなわち本発明は、Al:0.06〜0.20wt%,Pb:0.001〜0.00
8wt%及びBi:0.001〜0.009wt%を含有し、残部がZn及び
不可避的不純物よりなるめっき層を有することを特徴と
する耐経時めっき密着性及び耐黒変性に優れた溶融亜鉛
めっき鋼板である。
〈作用〉 以下に本発明の構成を具体的に説明する。
まず、めっき層中のAl,Pb,Biの含有量を上記の範囲に限
定した理由について述べる。
めっき層中のAlは0.06〜0.20wt%に限定される。Alが0.
06%未満では亜鉛めっき時にAl富化層の形成が不充分と
なり局所的にFe−Zn合金相のΓが形成してめっき密着性
が著しく低下し、逆にAlが0.20%超では、めっき密着性
は優れているが黒変が促進されるので上限は0.20%とし
た。
めっき層中のPbは0.001〜0.008wt%に限定される。本発
明者らは、溶融Znめっき鋼板の黒変現象に及ぼすAl,Pb
の添加の影響を詳細に調べたところ、第1図に示す関係
を得た。すなわち、浴中Al,Pbの添加量が増すにつれ黒
変しやすくなるが、耐黒変性にはPbの影響の方が大きい
ことがわかった。またPbは、経時的にめっき密着性を劣
化する。したがって、Pbは耐黒変性からはPbレスが望ま
しいが、Pbが無添加ではめっきの濡れ性が低下し不めっ
きが発生しやすい。したがって微量のPbの添加は必要で
ある。本発明ではめっき層中にBiを添加することによ
り、Pbの悪影響を解消し、不めっきが発生せず、しかも
Biの添加とあいまって耐経時めっき密着性,耐黒変性を
劣化させない添加範囲として0.001〜0.008wt%に限定し
たものである。
一方めっき中のBiの添加量は0.001〜0.009wt%に限定さ
れる。Biを0.001wt%以上添加することにより耐黒変性
は著しく向上するが、0.3wt%を越えるとめっき表面の
光沢がなくなり耐黒変性も低下してくる。耐黒変性から
はBiの上限は0.3wt%まで可能であるが、耐経時めっき
密着性からは、Biの添加量が過剰になると亀裂が発生し
てくる。このため耐黒変性および耐経時めっき密着性の
両者を満足する添加量範囲として0.001〜0.009wt%に規
制した。またBiの添加によってPb添加量を前述の如く低
減しても、十分にスパングル調整が可能であり、任意の
スパングルサイズをもつめっき外観を得ることができ
る。
Biが耐黒変性,耐経時めっき密着性を改善する理由につ
いては明確でないが、黒変現象は、めっき層中に存在す
るAl,Pbがめっき表面へ拡散・濃化する際にZnの酸化を
促進するため発生することを発明者らは知見したが、Bi
を添加すると黒変しにくいのは安定なBiの酸化物がめっ
き表面に優先的に形成されてZnの酸化を抑制しているた
めと推定される。
このような溶融Znめっき鋼板を製造するに当っては、亜
鉛めっき浴中に所定のめっき層含有量に該当するAl,Pb,
Biを添加すればよく、その他の条件は、通常の溶融亜鉛
めっき鋼板の製造条件に従って、製造が可能である。す
なわち溶融Znめっき時の浴温は430〜500℃、浸入板温は
浴温±30℃の範囲が望ましい。
〈実施例〉 実施例1 Al:0.15%,Pb:0.005%,Bi:0.005%添加した亜鉛めっき
浴(浴温470℃)で冷延鋼帯(0.7×1250×C)を70mpm
のラインスピードで浴浸通板させて目付量約100g/m2
溶融亜鉛めっき鋼板を得た。
この亜鉛めっき板を2枚密着合わせにして70℃相対湿度
95%雰囲気中で黒変促進試験をした。比較材としてAl:
0.15,Pb:0.03%含有する亜鉛めっき浴で同じめっき条件
でめっきした溶融亜鉛めっき鋼板を試験に供した。黒変
試験20h後には比較材は全面黒変したのに対し、本発明
による溶融亜鉛めっき鋼板は黒変が全くみられなかっ
た。まためっき1ヵ月後両者を180°密着曲げ試験して
めっき層の亀裂状態を比較したところ、比較材はめっき
層がほとんど剥離したのに対し、本発明材はめっき層の
亀裂,剥離は全くみられなかった。
実施例2 Al,Pb,Biの添加量を種々変えた亜鉛めっき浴で、他のめ
っき条件は実施例1に準じて目付量100〜110g/m2にめっ
きした。めっき鋼板の耐黒変性及び耐経時めっき密着性
を調査した結果を第1表に示した。
なお、黒変促進試験及び耐経時めっき密着性の評価は次
のようにした。
黒変促進試験 種々のZnめっき浴でめっきしためっき板(同一のもの)
を2枚密着合わせして70℃相対湿度95%雰囲気中で10h,
20h黒変試験後、色差計で黒変試験前後のめっき表面の
明度変化(ΔL)を測定した。
◎ ΔL=0 黒変全くなし ○ ΔL=1〜2 淡く灰黒色化 △ ΔL=3〜5 わずかに黒変(20%) × ΔL=6〜10黒色50%以上 ※ ΔL=11以上全面黒変 耐経時めっき密着性 めっき板を70℃で相対湿度95%雰囲気中で10日,20日そ
れぞれ放置後180°密着曲げテストを行なって曲げ部の
亀裂,剥離程度を目視観察し評価した。
◎ めっき層全く変化なし ○ 亀裂わずかに発生 △ 亀裂多し × めっき層一部剥離 ※ 全面剥離 これらの特性を調査した結果本発明によれば、従来技術
に比べ耐黒変性及び耐経時めっき密着性が共に優れた溶
融Znめっき鋼板が得られることがわかった。
〈発明の効果〉 溶融亜鉛めっき鋼板の問題点である耐経時めっき密着性
及び耐黒変性を亜鉛めっき浴中にBiを添加することによ
って改善をはかったものであるが、これによって特に建
材,家電部品へのより一層の好適な使用が期待できる。
【図面の簡単な説明】
第1図は経時変化が黒変化に及ぼす、AlとPbの影響を示
すグラフである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭61−288039(JP,A) 特開 昭57−26155(JP,A) 特開 昭56−20154(JP,A) 特開 平2−15152(JP,A)

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】A1:0.06〜0.20wt%,Pb:0.001〜0.008wt%
    及びBi:0.001〜0.009wt%を含有し、残部がZn及び不可
    避的不純物よりなるめっき層を有することを特徴とする
    耐経時めっき密着性及び耐黒変性に優れた溶融亜鉛めっ
    き鋼板。
JP21838088A 1988-09-02 1988-09-02 耐経時密着性及び耐黒変性に優れた溶融亜鉛めっき鋼板 Expired - Fee Related JPH0774421B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP21838088A JPH0774421B2 (ja) 1988-09-02 1988-09-02 耐経時密着性及び耐黒変性に優れた溶融亜鉛めっき鋼板

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP21838088A JPH0774421B2 (ja) 1988-09-02 1988-09-02 耐経時密着性及び耐黒変性に優れた溶融亜鉛めっき鋼板

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH0270050A JPH0270050A (ja) 1990-03-08
JPH0774421B2 true JPH0774421B2 (ja) 1995-08-09

Family

ID=16718992

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP21838088A Expired - Fee Related JPH0774421B2 (ja) 1988-09-02 1988-09-02 耐経時密着性及び耐黒変性に優れた溶融亜鉛めっき鋼板

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH0774421B2 (ja)

Families Citing this family (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CA2097784C (en) * 1993-06-04 1997-03-04 Martin Gagne Alloy for after-fabrication hot-dip galvanizing
JP3854469B2 (ja) * 2000-03-31 2006-12-06 新日本製鐵株式会社 高耐食性を有し加工性に優れためっき鋼材およびその製造方法
JP3854468B2 (ja) * 2000-03-31 2006-12-06 新日本製鐵株式会社 高耐食性を有し加工性に優れためっき鋼材およびその製造方法
JP3769198B2 (ja) * 2000-02-29 2006-04-19 新日本製鐵株式会社 高耐食性めっき鋼材およびその製造方法
JP3769197B2 (ja) * 2000-02-29 2006-04-19 新日本製鐵株式会社 高耐食性めっき鋼材およびその製造方法
JP3857882B2 (ja) * 2000-03-31 2006-12-13 新日本製鐵株式会社 高耐食性を有し加工性に優れためっき鋼材およびその製造方法
JP3769199B2 (ja) * 2000-02-29 2006-04-19 新日本製鐵株式会社 高耐食性めっき鋼材およびその製造方法
EP1209245A1 (en) * 2000-11-23 2002-05-29 Galvapower Group N.V. Flux and its use in hot dip galvanization process
KR100369402B1 (ko) * 2001-03-24 2003-01-24 덕산산업주식회사 배출성능을 향상시킨 용융아연도금욕 제조방법

Also Published As

Publication number Publication date
JPH0270050A (ja) 1990-03-08

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3983932B2 (ja) 表面外観の良好な高耐食性Mg含有溶融Zn−Al系合金めっき鋼板
JPS648702B2 (ja)
JP2783452B2 (ja) 合金化溶融亜鉛めっき鋼板の製造方法
JPH0774421B2 (ja) 耐経時密着性及び耐黒変性に優れた溶融亜鉛めっき鋼板
JP2825671B2 (ja) 溶融Zn−Mg−Al−Snめっき鋼板
JP2754126B2 (ja) 外観、耐経時黒変性、耐食性に優れる溶融Zn−Alめっき鋼板
JP3729233B2 (ja) 黒変抵抗をもつ溶融亜鉛基めっき鋼板
JP3503594B2 (ja) 耐黒変性に優れた溶融Zn−Al合金めっき鋼板とその製造方法
JP2001115273A (ja) 耐経時黒変性に優れた溶融Zn−Al系めっき鋼板
JP3498466B2 (ja) 高加工性合金化溶融めっき鋼板及びその製造方法
JP2704816B2 (ja) 外観、耐経時黒変性、耐食性に優れる溶融Zn−Alめっき鋼板
JPS5817252B2 (ja) 高耐食性合金メッキ鉄鋼製品
JP3009269B2 (ja) 溶融亜鉛合金めっき被覆物
JPH0397840A (ja) 合金化溶融亜鉛めっき鋼板
JPS6032700B2 (ja) 溶融メツキ用亜鉛合金
JP2821827B2 (ja) 外観、耐経時黒変性、耐食性に優れる溶融Zn−Alめっき鋼板の製造方法
JP3344518B2 (ja) 耐経時密着性および耐黒変性に優れた溶融亜鉛めっき鋼板の製造方法
JP2754125B2 (ja) 外観、耐経時黒変性、耐食性に優れる溶融Zn−Alめっき鋼板
JP2970410B2 (ja) 接着性、プレス成形性の良好な合金化溶融亜鉛めっき鋼板およびその製造方法
JPH0368749A (ja) 亜鉛系溶融めっき鋼板の製造方法
JP2765078B2 (ja) 合金化溶融めっき鋼板およびその製造方法
JPS5952947B2 (ja) 溶融メツキ用亜鉛合金
JP2825675B2 (ja) 加工性に優れた合金化溶融亜鉛めっき鋼板の製造方法
JP2991877B2 (ja) 外観、耐経時黒変性、耐食性に優れる溶融Zn−Alめっき鋼板
JPH0544006A (ja) 加工性及び耐食性に優れた合金化溶融亜鉛めつき鋼板の製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
LAPS Cancellation because of no payment of annual fees