JP2001115272A - 耐食性および耐黒変性に優れた溶融Zn−Al系めっき鋼板 - Google Patents

耐食性および耐黒変性に優れた溶融Zn−Al系めっき鋼板

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JP2001115272A JP29756499A JP29756499A JP2001115272A JP 2001115272 A JP2001115272 A JP 2001115272A JP 29756499 A JP29756499 A JP 29756499A JP 29756499 A JP29756499 A JP 29756499A JP 2001115272 A JP2001115272 A JP 2001115272A
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育郎 山岡
Shiro Fujii
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一実 西村
Akira Tanaka
暁 田中
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 耐食性および耐黒変性に優れた溶融Zn−A
l系めっき鋼板の提供。 【解決手段】 重量%で、Al:0.1〜70%を含有
し、残部がZnおよび不可避不純物よりなるめっき層を
有する溶融Zn−Al系のめっき鋼板であって、めっき
層の表面に、Co化合物1種または2種以上を合計量で
0.01〜80重量%含有する皮膜層を有することを特
徴とする耐食性と耐黒変性に優れた溶融Zn−Al系め
っき鋼板。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、耐食性と耐黒変性
に優れた溶融Zn−Al系合金めっき鋼板に関するもの
である。
【0002】
【従来の技術】最近、建材、土木分野において、未塗装
状態あるいは加工後に塗装を施した溶融Znめっき鋼板
が使用されるが、これらの鋼板の多くは耐食性を高める
ためクロメート処理され、その状態でコイルあるいは切
り板のままで梱包されて一定期間、倉庫等に保管された
後に各種部材に加工されて使用される。これらの保管
中、クロメ−ト処理によって白錆の発生は顕著に防止さ
れるが、湿度の高い梅雨時等には、クロメ−ト処理材に
黒変(黒錆)が生じることがあり、商品価値を著しく低
下させることから、耐黒変性向上への要望が高かった。
溶融Zn−Al系めっき鋼板は溶融Znめっき鋼板より
耐食性が優れているが、未塗装状態あるいは加工後に塗
装を施す場合、耐食性をさらに高めるため、溶融Znめ
っき鋼板の場合と同様にクロメ−ト処理する場合が多
い。クロメ−ト処理をすれば未処理材に比べ耐食性は改
善されるが、黒変に対する耐性は通常の溶融Znめっき
鋼板のそれと大差ないため、優れた耐食性と耐黒変性を
兼備する溶融Zn−Al系めっき鋼板の開発が望まれて
いた。
【0003】黒変を抑制するための措置として、例え
ば、亜鉛系合金めっき鋼板をNiイオン、Coイオンあ
るいはその両者の混合溶液で浸漬処理またはスプレ−処
理しNiやCoを付着させる方法(特公平3−4998
2号公報)、Coの水酸化物、Feの水酸化物あるいは
両者を含む水溶液を100℃以上のめっき面にスプレー
して酸化皮膜を形成させる方法(特公平5−33311
号公報)などが開示されており、いずれの場合も、これ
らの溶液で処理した後、めっき面の黒変を助長するとさ
れているクロメ−ト処理を行っても、めっき面は黒変し
にくいとされている。ところが、溶融Zn−Al系合金
めっき鋼板は、更なる耐食性向上のためにはクロメ−ト
処理で代表される後処理皮膜形成が必要であり、そのた
め鋼板の処理は黒変抑制処理とクロメ−ト処理の2工程
となり、余分な設備費がかかってしまう難点があった。
【0004】また、Coイオンの黒変防止能をめっき中
に取り込むことを目的として、溶融Zn−Mg−Al−
Coの4元系合金めっき鋼板が提案されている(特公平
9−143658号公報)。黒変防止成分をめっき工程
で取り込むため工程増はないが、Coがめっき層全体に
分布するため、めっき表層部に所望の濃度のCoを分布
させるには相当な量のCoが必要となり、不経済であっ
た。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、前記のよう
な従来技術の問題点を解決して、耐食性と耐黒変性の優
れた溶融Zn−Al系合金めっき鋼板を提供することを
目的としている。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、めっき鋼
板の後処理により優れた耐食性と耐黒変性を兼備するZ
n−Al系合金めっき鋼板を開発すべく、種々検討し
た。その結果、鋼板の後処理工程において、めっき表面
に形成する耐食性薄膜中に少量の黒変防止成分を均一に
分布させれば、製造工程を増やすことなく優れた耐食性
と耐黒変性が得られることを見出した。本発明は、この
ような知見をもとにして完成されたものであり、その要
旨とするところは、 (1)重量%で、Al:0.1〜70%を含有し、残部
がZnおよび不可避不純物よりなるめっき層を有する溶
融Zn−Al系のめっき鋼板であって、めっき層の表面
に、Co化合物1種または2種以上を合計量で0.01
〜80重量%含有する皮膜層を有することを特徴とする
耐食性と耐黒変性に優れた溶融Zn−Al系めっき鋼
板。
【0007】(2)めっき層が、重量%で、Mg:0.
1〜30%、Si:0.1〜5%の1種または2種を、
さらに含有することを特徴とする前記(1)に記載の耐
食性と耐黒変性に優れた溶融Zn−Al系めっき鋼板。 (3)めっき層が、重量%で、Sn:0.5〜10%、
Sb:0.05〜1%、Pb:0.05〜1%の1種ま
たは2種以上を、さらに含有することを特徴とする前記
(1)または(2)に記載の耐食性と耐黒変性に優れた
溶融Zn−Al系めっき鋼板。 (4)皮膜層が、Ti,Zr,Cr,Mo,W,Mnお
よび希土類元素のうち1種または2種以上の元素を含有
する金属系化合物、リン酸塩、亜リン酸塩、ケイ酸塩、
ニトロ化合物、シラン化合物、水性有機樹脂の1種また
は2種以上から形成されることを特徴とする前記(1)
〜(3)に記載の耐食性と耐黒変性に優れた溶融Zn−
Al系めっき鋼板である。
【0008】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を詳細
に説明する。本発明においては、所定のCo化合物、及
び腐食抑制皮膜の形成能を有する無機化合物や有機樹脂
を含む水溶性の金属表面処理剤で溶融Zn−Al系めっ
き面を処理することにより、該めっき面上にCo化合物
が均一に分布した耐食性保護薄膜を形成させることが、
めっき鋼板の耐食性を改善しつつ、外観すなわち、湿潤
雰囲気中でのめっき層の耐黒変性を改善するための大き
な技術上のポイントである。
【0009】本発明におけるめっき層の組成は、Alを
0.1〜70重量%含有し、残部がZnおよび不可避不
純物からなるものとする。Alは、めっき層と素地鋼板
間のめっき密着性を改善し、耐食性を向上させる働きが
ある。Alが0.1重量%未満ではめっき密着性が低下
する。また、溶融めっき浴中でのFe−Zn系金属間化
合物を形成し、めっき浴中ドロスが多量に発生し品質低
下の原因となる。一方、70重量%を超える場合はめっ
き浴の融点が高くなるため、めっき浴中機器の溶損、加
熱コスト増大等の問題が生じる。
【0010】これに加え、以下の元素を選択的に添加し
ても良い。Mgは、0.1重量%以上の添加でめっき層
の耐食性を大幅に向上させる。しかし、30重量%を超
えて添加しても、その効果は飽和するばかりでなく、酸
化物となりめっき浴面に黒色ドロスが発生し品質低下の
原因となり、逆に耐黒変性を低下させる。Siは、0.
1重量%以上の添加で、めっき層の耐食性を向上させる
と共にめっき層と素地鋼板の間でのFe−Zn合金化反
応およびFe−Al合金化反応を抑制する効果がある。
しかし、Siを5重量%を超えて添加してもその効果が
飽和するばかりでなく、ドロス発生量が増大し品質低下
の原因となる。
【0011】Sn,Sb,Pbは、めっき表面にスパン
グル模様を生成させる必要がある場合に添加する。Sn
は、0.5重量%以上の添加でその効果が現れるが、1
0重量%を超える添加にてその効果は飽和する。Sb,
Pbは、それぞれ、0.05重量%以上の添加でその効
果が現れるが、1重量%を超えて添加してもその効果は
飽和する。さらに、Tiは、めっき層の耐食性向上とめ
っき組織を微細化させる効果を持つので、効果の現れる
0.01重量%以上を添加しても良い。しかし、5重量
%を超えて添加してもその効果は飽和するばかりでな
く、ドロス発生量が増大し品質低下の原因となる。N
i,Feは、めっき浴に不可避的不純物として入る場合
があるが、それぞれ0.1重量%未満となるよう調整す
ることが好ましい。
【0012】溶融Zn−Al系合金めっき鋼板の製造方
法として、被めっき鋼板を無酸化炉−還元炉方式もしく
は全還元炉方式にて焼鈍加熱した後、溶融めっき浴に浸
漬引上げ後ガスワイピング法にて所定のめっき付着量に
連続的に溶融めっきする方法、もしくは被めっき鋼板の
表面にNi下地めっきを施し通電加熱した後、同様に溶
融めっきする方法が適用できる。また、溶融Zn−Al
系めっき鋼板の表面外観品位向上のため、被めっき鋼板
を加熱前にアルカリ脱脂、酸洗、湯洗等を行い、表面汚
れをあらかじめ除去してもよい。
【0013】本発明において皮膜層中に分散するCo化
合物は、皮膜形成能を有する無機化合物や水性有機樹脂
が溶解あるいは分散した水溶液に溶解あるいは微細分散
するものであれば、特に限定しないが、Coの塩類、水
酸化物、酸化物、錯化合物から選ばれた1種または2種
以上の化合物が好ましい。これらのうちCoの塩類とし
ては、水への溶解性または分散性が比較的良好な硝酸コ
バルト、酢酸コバルト、塩化コバルト、臭化コバルト、
炭酸コバルト、燐酸コバルト、チオシアン酸コバルト、
硫酸コバルト等から選ばれた1種または2種以上の化合
物であることがより好ましい。
【0014】また、Coの錯化合物としては、例えばヘ
キサアンミンコバルト(III)イオン、トリス(エチ
レンジアミン)コバルト(III)イオン等のようなC
3+の錯体、テトラクロロコバルト(II)イオン、ア
クアトリクロロコバルト(II)イオン等のようなCo
2+の錯体、トリス(2,2−ジピリジル)コバルト
(I)イオン等のようなCo+ の錯体、コバルトカルボ
ニルのような酸化数0のCo錯体が挙げられるが、錯体
が水に溶解あるいは微細分散するものであれば、錯化剤
(配位子)を特に限定しない。上記のCo(III)、
Co(II)、Co(I)錯イオンの対アニオンとして
は、硝酸イオン、酢酸イオン、塩化物イオン、臭化物イ
オン、炭酸イオン、燐酸イオン、亜燐酸イオン、チオシ
アン酸イオン等を用いる。
【0015】皮膜層中に分散するCo化合物の合計量は
皮膜全体の0.01〜80重量%、望ましくは0.1〜
50重量%とするのがよい。Co化合物の含有量が0.
01重量%未満では、皮膜中に分散するCo化合物の濃
度が希薄となり十分な耐黒変性が得られない。一方、8
0重量%を超えるとCo化合物の黒変抑制効果が飽和す
るだけでなく、皮膜中でCo化合物の均一分散が困難と
なる。皮膜層は、金属系化合物、リン酸塩、亜リン酸
塩、ケイ酸塩、ニトロ化合物、シラン化合物、水性有機
樹脂の1種または2種以上から形成するのがよい。
【0016】皮膜層を形成する金属系化合物としては、
例えば、塗布型クロメ−トの基剤として広く用いられて
いるクロム酸塩やフッ化クロム等を主成分とするCr系
化合物、フルオロチタン酸等のチタン酸を主成分とする
化合物並びに該化合物に更にV化合物を添加したもの、
フルオロジルコニウム酸等のジルコニウム酸を主成分と
する化合物並びに該化合物に更にCeやVの化合物を添
加したもの、モリブデン酸、タングステン酸あるいは過
マンガン酸を含む各種の酸素酸化合物、Ce、La、Y
等の希土類元素の塩を主成分とする化合物等が挙げられ
る。
【0017】皮膜層を形成するリン酸塩としては、例え
ば、リン酸亜鉛、リン酸カルシウム、リン酸バリウム、
縮合リン酸アルミニウム等、亜リン酸塩としては、例え
ば、亜リン酸亜鉛、亜リン酸バリウム、亜リン酸マグネ
シウム、亜リン酸マンガン等、ケイ酸塩としては、例え
ば、Na2 O・xSiO2 (x=2または3)の組成の
重合体等、ニトロ化合物としては、例えば、亜硝酸ナト
リウムで代表される亜硝酸塩等、シラン化合物として
は、例えば、トリメトキシシリル基を有するシランカッ
プリング剤等が挙げられる。
【0018】また、水性有機樹脂としては、水溶性樹脂
のほか、水不溶性樹脂がエマルジョンやサスペンジョン
などの形で水中に微分散された状態になり得るもの(水
分散性樹脂)も含める。このような水性樹脂として使用
できる樹脂としては、例えば、ポリオレフィン系樹脂、
アクリル系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポリカーボネー
ト系樹脂、ポリエステル系樹脂、エポキシ系樹脂、フェ
ノール系樹脂、その他の加熱硬化型の樹脂などを例示で
き、架橋可能な樹脂であることがより好ましい。これら
の水性樹脂の2種類以上を混合して用いてもよい。水性
樹脂として使用できる樹脂に共通に見られる構造は、例
えば、水に溶解または分散できるように分子鎖に各種の
親水性基を導入したもの、乳化重合や重合後の乳化処理
によりエマルジョンを形成したものを例示できる。
【0019】本発明でZn−Al系合金めっき上に形成
される皮膜は、上記の腐食抑制皮膜の形成能を有する化
合物を、合計量で20重量%以上、望ましくは50重量
%以上含む。皮膜形成能を有する成分が20重量%未満
では、Co化合物を担持し均一に分散できるような皮膜
が得られない。本発明において、めっき上に形成される
皮膜の付着量は特に限定しないが、金属系化合物を主た
る構成成分とする皮膜では、Coを含む金属換算で1〜
300mg/m2 、他の無機系化合物を主たる構成成分
とする皮膜では、皮膜層に分散するCo化合物を含め
0.1〜5g/m2 、有機樹脂を主たる構成成分とする
皮膜では、皮膜層に分散するCo化合物を含め0.3〜
5g/m2 の範囲にするのが好ましい。
【0020】付着量が、金属系化合物を主たる構成成分
とする皮膜におけるCoを含む金属換算で、1mg/m
2 未満、他の無機系化合物を主たる構成成分とする皮膜
で0.1g/m2 未満、有機樹脂を主たる構成成分とす
る皮膜で0.3g/m2 未満の場合、耐食性が不十分と
なるおそれがある。一方、それぞれ300mg/m2
5g/m2 、5g/m2 を超えると、皮膜が不均一とな
り外観に問題が出たり、コストアップが懸念される。
【0021】本発明において、めっき面上への皮膜形成
の方法としては、溶融めっき後のめっき表面が100℃
以上の温度にあるうちに、Co化合物と皮膜形成成分を
含む水系表面処理液をスプレー塗布して蒸発乾燥させ皮
膜化する方法、溶融めっき後めっき表面が100℃を下
回る温度に冷却した後、Co化合物と皮膜形成成分を含
む水系表面処理浴へのめっき鋼板のディップ、該表面処
理液のロールコート、バーコート、刷毛塗り、あるいは
スプレ−等の後、熱風などにより加熱乾燥あるいは反応
させることにより行うが、他の方法で塗布、皮膜形成さ
せてもよく、ここで掲げた方法に限定されない。本発明
における皮膜は、その目的を損なわない範囲で、各種の
有機及び無機の化合物、樹脂などを含んでいても差し支
えない。これらの例としては、腐食抑制剤、界面活性
剤、無機潤滑剤、樹脂ワックス、顔料、染料、架橋剤等
が挙げられる。
【0022】
【実施例】以下、本発明を実施例及び比較例によってよ
り具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例により
限定されるものではない。 (実施例1)めっき付着量100〜130g/m2 、め
っき組成はAlが0.2〜55重量%、Mgが0〜26
重量%、Siが0〜2重量%、Snが0〜5重量%、S
bが0〜0.15重量%、Pbが0〜0.15重量%で
残部Znからなる、表1に示す溶融Zn−Al系合金め
っき鋼板を製造した。次いで、腐食抑制皮膜形成成分と
してクロム酸10g/lとシリカ10または40g/l
を含み、耐黒変性発現成分として硝酸コバルト、酢酸コ
バルト、チオシアン酸コバルトのいずれか1種を5また
は25g/l含む表面処理液を調製し、めっき表面にス
プレー後、皮膜中のCr量が概ね30mg/m2 となる
ようにロール絞りし、100℃にて熱風乾燥した。形成
皮膜中のCo化合物含量は、9.1〜55.6重量%で
ある。飽和蒸気を噴霧した湿潤雰囲気中(温度:98
℃、RH:95%以上)にこれらの試験板を5時間暴露
し、皮膜形成面の黒変状態を目視により判定した。 判
定基準は、
【0023】 評点5 黒変全くなし 4 白っぽく変化 3 灰色程度 2 黒灰色から黒変化 1 完全黒変 とし、評点3以上を合格とした。また、各試験板につい
てJIS−Z2371に準拠した塩水噴霧試験を行い、
240時間後の白錆発生面積を測定することにより耐食
性を判定した。判定基準は、
【0024】 評点5 白錆発生なし 4 白錆発生面積5%未満 3 白錆発生面積5%〜25%未満 2 白錆発生面積25%〜50%未満 1 白錆発生面積50%以上 とし、評点4以上を合格とした。比較のため、Co化合
物を含まない皮膜についても同様に処理を行い、黒変状
態と白錆発生状態を判定した(比較例No.40〜5
0)。結果をまとめて表1に示す。
【0025】
【表1】
【0026】(実施例2)めっき面上の皮膜形成成分と
して、高酸価変性アクリル樹脂の水分散化物(樹脂固形
分25重量%、アニオン性)、あるいは自己乳化型のポ
リウレタン樹脂エマルジョン(樹脂固形分25重量%、
アニオン性)のいずれか1種を200〜400g/l含
み、耐黒変性発現成分として硝酸コバルト、炭酸コバル
ト、燐酸コバルトのいずれか1種を3または20g/l
含む表面処理液を調製した。実施例1で調製した溶融Z
n−Al系合金めっき鋼板にこれらの処理液をスプレー
後、エアナイフ絞りによりト−タルの皮膜付着量が概ね
1g/m2 となるようにした。形成皮膜中のCo化合物
含量は、2.9〜28.6重量%であった。実施例1と
同様の黒変、白錆発生の促進試験を行い、皮膜形成面の
黒変状態と耐食性をそれぞれ5段階評点により判定し
た。比較のため、Co化合物を含まない皮膜も調製し、
同様に黒変状態と耐食性を判定した(比較例No.90
〜100)。また、比較のため、水性樹脂12g/l
(樹脂固形分3g/l)、Co化合物20g/lの処理
液も調製し、ディップにより本発明のCo化合物の含量
を逸脱するCo化合物含量約87%の皮膜形成を試みた
が、めっき表面上にCo化合物が均一に分散する皮膜を
作れなかった(比較例No.101、102)。結果を
まとめて表2に示す。
【0027】
【表2】
【0028】表1および2から明らかなように、本発明
の実施例No.1〜39、51〜89で得ためっき鋼板
は、耐食性と耐黒変性の両方が優れている。これに対
し、めっき面上に形成された皮膜に所定量のCo化合物
が含まれない場合(比較例No.40〜50、90〜1
02)は、本発明鋼板に比較し耐黒変性が劣る。
【0029】
【発明の効果】本発明のめっき鋼板は、優れた耐食性と
耐黒変性を発現するだけでなく、その製造において、め
っき表面の黒変防止処理を従来の後処理(耐食性等を高
める処理)工程の中で行えるため、工程増がなく余分な
設備費がかからない。また、少量のCo化合物を、後処
理工程で形成される腐食抑制皮膜中に均一に分散できる
ため、原材料費のアップが殆どなく効果的に黒変を抑制
できる。そのため、本発明によるめっき鋼板及びその製
造方法は、建材、土木、車体等で後処理が必要な用途に
極めて有用である。
フロントページの続き (72)発明者 西村 一実 千葉県富津市新富20−1 新日本製鐵株式 会社技術開発本部内 (72)発明者 田中 暁 千葉県君津市君津1番地 新日本製鐵株式 会社君津製鐵所内 Fターム(参考) 4K044 AA02 AB02 BA06 BA10 BA17 BA19 BA21 BC02 CA11 CA16

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 重量%で、Al:0.1〜70%を含有
    し、残部がZnおよび不可避不純物よりなるめっき層を
    有する溶融Zn−Al系のめっき鋼板であって、めっき
    層の表面に、Co化合物1種または2種以上を合計量で
    0.01〜80重量%含有する皮膜層を有することを特
    徴とする耐食性と耐黒変性に優れた溶融Zn−Al系め
    っき鋼板。
  2. 【請求項2】 めっき層が、重量%で、 Mg:0.1〜30%、 Si:0.1〜5%の1種または2種を、さらに含有す
    ることを特徴とする請求項1に記載の耐食性と耐黒変性
    に優れた溶融Zn−Al系めっき鋼板。
  3. 【請求項3】 めっき層が、重量%で、 Sn:0.5〜10%、 Sb:0.05〜1%、 Pb:0.05〜1%の1種または2種以上を、さらに
    含有することを特徴とする請求項1または2に記載の耐
    食性と耐黒変性に優れた溶融Zn−Al系めっき鋼板。
  4. 【請求項4】 皮膜層が、Ti,Zr,Cr,Mo,
    W,Mnおよび希土類元素のうち1種または2種以上の
    元素を含有する金属系化合物、リン酸塩、亜リン酸塩、
    ケイ酸塩、ニトロ化合物、シラン化合物、水性有機樹脂
    の1種または2種以上から形成されることを特徴とする
    請求項1〜3に記載の耐食性と耐黒変性に優れた溶融Z
    n−Al系めっき鋼板。
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