JP2001098222A - 下塗り剤組成物及びプラスチック基体の表面保護方法 - Google Patents

下塗り剤組成物及びプラスチック基体の表面保護方法

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JP2001098222A JP27406099A JP27406099A JP2001098222A JP 2001098222 A JP2001098222 A JP 2001098222A JP 27406099 A JP27406099 A JP 27406099A JP 27406099 A JP27406099 A JP 27406099A JP 2001098222 A JP2001098222 A JP 2001098222A
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浩一 樋口
Kazuharu Sato
和治 佐藤
Muneo Kudo
宗夫 工藤
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Abstract

(57)【要約】 【解決手段】 水酸基含有ベンゾフェノン系化合物とシ
ラン化合物との反応生成物及び/又はその(部分)加水
分解物を含有することを特徴とする下塗り剤組成物。 【効果】 本発明の下塗り剤組成物は、この被膜を施し
たプラスチック物品、特にポリカーボネート樹脂に優れ
た透明性、耐擦傷性、耐候性、耐薬品性を付与すること
が可能なため、車両、飛行機など運送機の窓、風防、建
物の窓、道路の遮音壁等、屋外で使用される用途に好適
なものである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、特にガラスに代わ
る構造材料として建物、車両等の窓用、計器カバー等に
最近頻繁に使用されるようになったポリカーボネート樹
脂等のプラスチック基体に、優れた耐擦傷性、耐候性保
護被膜を形成するシリコーン系被膜を被覆する場合に有
効な下塗り剤組成物及びプラスチック基体の表面保護方
法に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】近年、
透明板ガラスの代替として、非破砕性又はガラスよりも
耐破砕性の大きい透明材料を使用することが広く行われ
るようになってきた。例えば、プラスチック基材、特に
ポリカーボネート樹脂などは、透明性、耐衝撃性、耐熱
性等に優れていることから、ガラスに代わる構造部材と
して、建物や車両等の窓用、計器カバー等の種々の用途
に現在用いられている。
【0003】しかし、ガラスに比べて耐擦傷性、耐候性
などの表面特性に劣ることから、ポリカーボネート樹脂
成形品の表面特性を改良することが切望されており、最
近では、車両の窓、道路用遮音壁では屋外暴露10年以
上でも耐え得るものが要望されている。
【0004】ポリカーボネート樹脂成形品の耐候性を改
良する手段としては、ポリカーボネート樹脂基材の表面
に耐候性に優れたアクリル系樹脂フィルムなどをラミネ
ートする方法や、共押出等により樹脂表面に紫外線吸収
剤を含有した樹脂層を設ける方法が提案されている。
【0005】また、ポリカーボネート樹脂成形品の耐擦
傷性を改良する方法としては、ポリオルガノシロキサン
系、メラミン系などの熱硬化性樹脂をコーティングする
方法や、多官能性アクリル系の光硬化性樹脂をコーティ
ングする方法が提案されている。
【0006】一方、耐候性及び耐擦傷性を併せ持つ透明
体を製造する方法としては、特開昭56−92059号
公報及び特開平1−149878号公報などに多量の紫
外線吸収剤を添加したプライマー塗料層を介してコロイ
ダルシリカ含有ポリシロキサン塗料の保護被膜を設けた
紫外線吸収透明基板が知られている。
【0007】しかしながら、下塗り層への多量の紫外線
吸収剤の添加は、基材や下塗り層の上面に塗布されるコ
ロイダルシリカ含有ポリシロキサン塗料による保護被膜
との密着性を悪くしたり、加熱硬化工程中に、例えば揮
発化することによって組成物中から除去されてしまった
り、屋外で長期間に亘って使用した場合、徐々に紫外線
吸収剤がブリードアウトして白化するといった悪影響が
あった。更に、その上面のコロイダルシリカ含有ポリシ
ロキサンからなる保護被膜層には、耐擦傷性の面から紫
外線吸収剤を多量に添加できないという問題もあった。
【0008】このような観点から、紫外線吸収剤をシリ
ル化変性させ、固定化させるため、種々の方法が試みら
れている。例えば、特開昭57−21476号公報では
アルコキシシリル又はアルカノイルシリルのアルキルカ
ルバミル付加物が例示されている。しかし、この方法で
は工程が複雑で、経済性においても非常に不利であっ
た。
【0009】更に、特開昭58−10591号公報、特
開昭58−8766号公報では塩化テトラメチルアンモ
ニウム存在下で、特公平3−62177号公報ではアル
ミニウムキレート化合物存在下で、例えば2,4−ジヒ
ドロキシベンゾフェノン等の芳香族系紫外線吸収剤の水
酸基とエポキシ基含有シラン化合物のエポキシ基を反応
させてシリル化変性の紫外線吸収剤を得ている。
【0010】これらのシリル化変性の紫外線吸収剤は、
アルコキシシリル基を有するため、熱硬化工程でその縮
合反応により被膜中に固定化され、ブリードアウトする
ことなく、その点では良好であるが、シリル化変性して
あるため、紫外線吸収剤の共役系が変化するためか、今
度は耐候性が悪くなるという欠点があった。また、上記
シリル化変性紫外線吸収剤は、最表層の保護コーティン
グ層に添加しているもので、従来、このようなシリル化
変性紫外線吸収剤を下塗り剤組成物に添加することは行
われていなかった。
【0011】従って、本発明は、シリル化変性の紫外線
吸収剤を使用して、上記のような欠点がなく、耐擦傷
性、耐候性に優れた保護被膜を形成するための下塗り剤
組成物及びこれを用いたプラスチック基体の表面保護方
法を提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段及び発明の実施の形態】本
発明者らは、上記目的を達成するべく、ポリカーボネー
トなどの熱可塑性樹脂成形品のオルガノポリシロキサン
系塗膜被覆時における接着性、耐候性を向上させる下塗
り剤組成物の改良について種々検討した結果、下塗り剤
組成物に水酸基含有ベンゾフェノン系化合物とシラン化
合物との反応生成物及び/又はその(部分)加水分解
物、より好ましくは下記一般式(A)で示される化合物
と、下記一般式(B)で示されるエポキシ基含有シラン
とを反応させた反応生成物及び/又はその(部分)加水
分解物を添加すると、シリル基による効果のために下塗
り剤組成物中の他成分との相溶性が向上し、多量の添加
が可能となり、多量に加えても基材や保護被膜との密着
性を悪化させることがないこと、更には、下塗り層に紫
外線吸収剤が強固に固定化されるため、経時でのブリー
ドアウトによる白化現象もなくなり、またこの下塗り層
には多量の紫外線吸収剤があるため、あえてオルガノポ
リシロキサン系塗膜中に耐擦傷性の悪化因子である紫外
線吸収剤を加えなくても、あるいは加える場合も少量で
もよいことを見出し、本発明をなすに至った。
【0013】
【化2】 (式中、Xはそれぞれ同一でも異なっていてもよく、水
素原子又は水酸基を表し、そのうちの少なくとも1個は
水酸基である。)
【0014】 R1 aSiR2 b(OR34-a-b (B) (式中、R1はエポキシ基を含有する有機基であり、R2
は炭素数1〜10のアルキル基又はアリール基、R3
水素原子又は炭素数1〜10の酸素原子を含んでもよい
非置換又は置換一価炭化水素基であり、aは1又は2、
bは0又は1であり、a+bは1又は2である。)
【0015】従って、本発明は、下記下塗り剤組成物及
びプラスチック基体の表面保護方法を提供する。
【0016】[I]水酸基含有ベンゾフェノン系化合物
とシラン化合物との反応生成物及び/又はその(部分)
加水分解物を含有することを特徴とする下塗り剤組成
物。
【0017】[II]水酸基含有ベンゾフェノン系化合
物とシラン化合物との反応生成物及び/又はその(部
分)加水分解物が、下記一般式(A)で示される化合物
と、下記一般式(B)で示されるエポキシ基含有シラン
とを反応させた反応生成物及び/又はその(部分)加水
分解物である[I]記載の下塗り剤組成物。
【0018】
【化3】 (式中、Xはそれぞれ同一でも異なっていてもよく、水
素原子又は水酸基を表し、そのうちの少なくとも1個は
水酸基である。) R1 aSiR2 b(OR34-a-b (B) (式中、R1はエポキシ基を含有する有機基であり、R2
は炭素数1〜10のアルキル基又はアリール基、R3
水素原子又は炭素数1〜10の酸素原子を含んでもよい
非置換又は置換一価炭化水素基であり、aは1又は2、
bは0又は1であり、a+bは1又は2である。)
【0019】 [III](1)[I]又は[II]記載の反応生成物及び/又はその(部分) 加水分解物 0.1〜50重量部 (2)アルコキシシリル基を含有するアクリル系及び/又はビニル系単量体0. 1〜50重量%と、これと共重合可能な他の単量体99.9〜50重量%との有 機共重合体 100重量部 とを含有することを特徴とする下塗り剤組成物。
【0020】[IV]更に、(3)一分子内に窒素原子
及びアルコキシシリル基を含有する化合物を0.1〜5
0重量部含有することを特徴とする[III]記載の下
塗り剤組成物。
【0021】[V]成分(3)の化合物が一分子内に窒
素原子を1個以上及びアルコキシシリル基を2個以上含
有することを特徴とする[IV]記載の下塗り剤組成
物。
【0022】[VI]更に、(4)分子内に1個以上の
環状ヒンダードアミン構造を有する光安定剤を0.1〜
10重量部添加してなることを特徴とする[III],
[IV]又は[V]記載の下塗り剤組成物。
【0023】[VII](i)[I]〜[VI]のいず
れか1項記載の下塗り剤組成物の有機溶剤溶液をプラス
チック基体上に塗布し、 (ii)上記有機溶剤を蒸発させて上記下塗り剤組成物
の被膜を硬化させ、 (iii)次いで、この被膜上に下記一般式(C) R4 mSiR2 n(OR34-m-n (C) (式中、R4は炭素数1〜10のアルキル基、アリール
基、ハロゲン化アルキル基、ハロゲン化アリール基、ア
ルケニル基、又はエポキシ基、(メタ)アクリルオキシ
基、メルカプト基、アミノ基もしくはシアノ基を有する
有機基を表し、R 2は炭素数1〜10のアルキル基又は
アリール基、R3は水素原子又は炭素数1〜10の酸素
原子を含んでもよい非置換又は置換一価炭化水素基であ
り、m及びnは0,1又は2であり、m+nは0,1又
は2である。)で示されるシラン化合物の加水分解物又
は共加水分解物にコロイダルシリカを添加してなるコロ
イダルシリカ含有オルガノポリシロキサン組成物を塗布
し、(iv)加熱することによりこの塗布膜を硬化させ
ることを特徴とするプラスチック基体の表面保護方法。
【0024】[VIII]プラスチック基体がポリカー
ボネート樹脂である[VII]記載のプラスチック基体
の表面保護方法。
【0025】[IX]ポリカーボネート樹脂が透明であ
る[VIII]記載のプラスチック基体の表面保護方
法。
【0026】以下、本発明につき更に詳しく説明する。
本発明に係る下塗り剤組成物の必須成分は、水酸基含有
ベンゾフェノン系化合物とシラン化合物との反応生成物
及び/又はその(部分)加水分解物であり、ベンゾフェ
ノン系化合物の水酸基にシラン化合物を反応せしめたも
のである。この場合、ベンゾフェノン系化合物として
は、水酸基を有するものであればいずれのものでもよい
が、特には下記一般式(A)で示されるものが好まし
い。また、シラン化合物としては、ベンゾフェノン系化
合物の水酸基と反応可能な官能基を有するものであれば
いずれのものでもよいが、エポキシ基含有シラン、イソ
シアネート基含有シランが好ましく、特にはエポキシ基
含有シランが好ましい。
【0027】従って、下塗り剤組成物の必須成分とし
て、より好ましくは、下記一般式(A)で示されるベン
ゾフェノン系化合物と、下記一般式(B)で示されるエ
ポキシ基含有オルガノオキシシランとを触媒の存在下で
反応させた反応生成物及び/又はその(部分)加水分解
物である。即ち、この反応生成物は、ベンゾフェノン系
紫外線吸収剤(A)の水酸基とエポキシ基含有オルガノ
オキシシラン(B)のエポキシ基とを反応せしめたもの
である。
【0028】
【化4】 (式中、Xはそれぞれ同一でも異なっていてもよく、水
素原子又は水酸基を表し、そのうちの少なくとも1個は
水酸基である。)
【0029】 R1 aSiR2 b(OR34-a-b (B) (式中、R1はエポキシ基を含有する有機基であり、R2
は炭素数1〜10のアルキル基又はアリール基、R3
水素原子又は炭素数1〜10の酸素原子を含んでもよい
非置換又は置換一価炭化水素基であり、aは1又は2、
bは0又は1であり、a+bは1又は2である。)
【0030】本発明で使用される必須成分の出発原料で
あるベンゾフェノン系化合物(A)としては、具体的に
は下記のものが例示される。
【0031】
【化5】
【0032】これらの中で、紫外線吸収能の点から、特
に2,2’,4,4’−テトラヒドロキシベンゾフェノ
ンが好ましい。
【0033】一方、エポキシ基含有オルガノオキシシラ
ン(B)は、 R1 aSiR2 b(OR34-a-b (B) で示されるものである。
【0034】ここで、R2は炭素数1〜10のアルキル
基又はアリール基であり、具体的にはメチル基、エチル
基、プロピル基、ヘキシル基、デシル基、フェニル基な
どが例示される。
【0035】R3は水素原子又は炭素数1〜10の酸素
原子を含んでもよい非置換又は置換の一価炭化水素基で
あり、一価炭化水素基としては、アルキル基、アルケニ
ル基、アルコキシアルキル基、アシル基、アリール基な
どが挙げられ、具体的にはメチル基、エチル基、プロピ
ル基、イソプロピル基、ブチル基、ヘキシル基、フェニ
ル基、イソプロペニル基、メトキシエチル基、アセチル
基などが例示される。
【0036】aは1又は2であり、bは0又は1であ
り、a+bは1又は2である。
【0037】R1はエポキシ基を含有する有機基であ
り、下記で示されるものを挙げることができる。
【0038】
【化6】
【0039】このエポキシ基含有シラン(B)の具体例
としては、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラ
ン、γ−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラ
ン、γ−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、γ
−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、β−
(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキ
シシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エ
チルメチルジメトキシシラン、β−(3,4−エポキシ
シクロヘキシル)エチルトリエトキシシラン及びβ−
(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルメチルジエ
トキシシランなどが挙げられるが、保護コーティング剤
への溶解性、シラン化合物との反応性等の観点から、よ
り好ましくはγ−グリシドキシプロピルトリメトキシシ
ラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチル
トリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチル
ジメトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキ
シル)エチルメチルジメトキシシランである。
【0040】なお、本発明において、化合物(A)又は
(B)をそれぞれ1種単独で又は2種以上を併用して用
いることができる。
【0041】化合物(B)の配合量は、格別限定されな
いが、化合物(A)1モルに対して好ましくは0.5〜
3モル、更に好ましくは1.0〜2.5モルである。化
合物(B)が0.5モル未満であると、下塗り剤組成物
に添加しようとする場合、溶解性が低下し、更に基材へ
の固定化効率が低下し、耐候性が悪化するおそれがあ
る。また、化合物(B)が3モルを超えると、紫外線吸
収に関する化合物(A)の絶対量が少なくなるため、紫
外線吸収性が低下する場合がある。
【0042】この反応に用いられる触媒としては、特開
昭58−10591号公報に記されているような第4級
アンモニウム塩が好ましい。第4級アンモニウム塩とし
ては、テトラメチルアンモニウムクロリド、テトラエチ
ルアンモニウムクロリド、ベンジルトリメチルアンモニ
ウムクロリド、ベンジルトリエチルアンモニウムクロリ
ド等が例示される。
【0043】触媒の添加量に限定はないが、化合物
(A)と(B)との合計100重量部に対して0.00
5〜10重量部、更に好ましくは0.01〜5重量部で
ある。触媒の添加量が0.005重量部未満の場合は、
反応に長時間を要し、また10重量部を超えると、下塗
り剤組成物に添加した場合の安定性が悪化する場合があ
る。
【0044】この反応は、触媒の存在下、化合物(A)
及び(B)を50〜150℃の温度範囲で4〜20時間
加熱することにより行うことができる。この反応は無溶
媒で行っても、化合物(A),(B)の双方を溶解する
溶媒中で行ってもよいが、反応の制御のしやすさ、扱い
やすさから溶媒を用いた方が好ましい。かかる溶媒とし
ては、トルエン、キシレン、酢酸エチル、酢酸ブチルな
どが例示される。
【0045】本発明においては、上記反応生成物の部分
又は完全加水分解物を用いることができる。この反応生
成物の加水分解物は、例えば酸触媒存在下、そのシラン
化合物の低級アルコール溶液に水を添加して行われる。
低級アルコールとしては、メタノール、エタノール、イ
ソプロパノール、ブタノール等が例示される。更にその
アルコールと併用可能な溶媒としては、アセトン、アセ
チルアセトンなどのケトン類、酢酸エチル、酢酸イソブ
チルなどのエステル類、プロピレングリコールモノメチ
ルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテ
ル、ジイソプロピルエーテルなどのエーテル類が例示さ
れる。
【0046】本発明の下塗り剤組成物は、(1)水酸基
含有ベンゾフェノン系化合物とシラン化合物との反応生
成物及び/又はその(部分)加水分解物、(2)アルコ
キシシリル基を含有するアクリル系及び/又はビニル系
単量体と、これと共重合可能な他の単量体との有機共重
合体を含有するものが好ましい。即ち、この下塗り剤組
成物は、アルコキシシリル基の導入により、その上面に
被覆する保護コーティング被覆層との反応性が付与さ
れ、接着性が向上すると共に、アルコキシシリル基同士
が架橋することにより、耐熱性が向上し、耐久性を付与
できる。更には、上記反応生成物であるシリル化変性さ
れたベンゾフェノン系化合物との相溶性も良好なものと
なる。
【0047】この場合、このアルコキシシリル基を含有
する単量体の含有量が0.1重量%より少ないと、耐熱
性、耐久性が改良されず、上記反応生成物であるシリル
化変性されたベンゾフェノン系化合物との相溶性も悪く
なることがあり、また、50重量%を超えると、硬くな
りすぎて接着性が低下することがある。従って、アルコ
キシシリル基含有アクリル系、ビニル系単量体は0.1
〜50重量%、特に2〜30重量%とすることが好まし
く、これと共重合可能な他の単量体は99.9〜50重
量%、特に98〜70重量%とすることが好ましい。ま
た、このアルコキシシリル基のアルコキシ基としては、
炭素数1〜4、特に1〜3のものが好ましい。
【0048】このアルコキシシリル基を含有するアクリ
ル系単量体としては、3−メタクリロキシプロピルトリ
メトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリエト
キシシラン、3−メタクリロキシプロピルメチルジメト
キシシラン、3−メタクリロキシプロピルメチルジエト
キシシラン、3−アクリロキシプロピルトリメトキシシ
ラン、3−アクリロキシプロピルトリエトキシシラン、
3−アクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、3
−アクリロキシプロピルメチルジエトキシシラン、3−
メタクリロキシメチルトリメトキシシラン、3−メタク
リロキシメチルトリエトキシシラン、3−メタクリロキ
シメチルメチルジメトキシシラン、3−メタクリロキシ
メチルメチルジエトキシシラン、3−アクリロキシメチ
ルトリメトキシシラン、3−アクリロキシメチルトリエ
トキシシラン、3−アクリロキシメチルメチルジメトキ
シシラン、3−アクリロキシメチルメチルジエトキシシ
ランなどが例示されるが、これらの中で取り扱い性、架
橋密度、反応性などから、3−メタクリロキシプロピル
トリメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルメチ
ルジメトキシシランが好ましい。
【0049】また、このアルコキシシリル基を含有する
ビニル系単量体としては、ビニルトリメトキシシラン、
ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリス(2−メトキ
シエトキシ)シラン、ビニルメチルジメトキシシラン、
ビニルメチルジエトキシシラン、ビニルメチルビス(2
−メトキシエトキシ)シラン、3−ビニロキシプロピル
トリメトキシシラン、3−ビニロキシプロピルトリエト
キシシラン、3−ビニロキシプロピルメチルジメトキシ
シラン、3−ビニロキシプロピルメチルジエトキシシラ
ンなどが例示されるが、これらの中で取り扱い性、反応
性などから、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエ
トキシシラン、3−ビニロキシプロピルトリメトキシシ
ランが好ましい。
【0050】次に、これらの単量体(アルコキシシラ
ン)と共重合可能な他の単量体としては、メチルメタク
リレート、ブチルメタクリレート、2−エチルヘキシル
メタクリレート等のアルキルメタクリレート類、メチル
アクリレート、エチルアクリレート、ブチルアクリレー
ト等のアルキルアクリレート類、グリシジルメタクリレ
ート、アクリルアミド、アクリルニトリル、酢酸ビニ
ル、エチルビニルエーテル、ブチルビニルエーテル、ヘ
キシルビニルエーテル等のビニルエーテル類、スチレ
ン、エチレングリコールジメタクリレート、また紫外線
吸収剤であるベンゾトリアゾール類にメタクリル基を含
有する、例えば2−(2’−ヒドロキシ−5’−メタク
リロキシエチルフェニル)−2H−ベンゾトリアゾール
などが例示される。なお、アルコキシシリル基と反応し
得る基を有する化合物、例えば2−ヒドロキシエチルメ
タクリレートなどは、下塗り剤組成物が増粘、ゲル化な
どの経時変化を起こすおそれがあるため、アルコキシシ
リル基と反応し得る基を有さない単量体を使用すること
が好ましい。
【0051】本発明の下塗り剤組成物の主要構成成分で
ある有機共重合体は、上記したアルコキシシリル基を含
有する単量体とこれと共重合し得る他の単量体との共重
合体であり、この共重合体は、これら単量体を含有する
溶液にジクミルパーオキサイド、ベンゾイルパーオキサ
イド等のパーオキサイド類又はアゾビスイソブチロニト
リル等のアゾ化合物から選択されるラジカル重合用開始
剤を加え、加熱下に反応させることにより容易に得られ
る。
【0052】この有機共重合体の下塗り剤組成物におけ
る構成比は、10重量%未満では熱可塑性となり、耐熱
性が低下することがある。また、80重量%を超えると
接着性が不良となることがある。そのため、10〜80
重量%、特に20〜80重量%の範囲が好ましい。
【0053】また、この成分(2)の有機共重合体と成
分(1)との配合比は、有機共重合体100重量部に対
して、上記成分(1)が0.1〜50重量部になるよう
にするのが好ましい。特に好ましくは2〜50重量部で
ある。50重量部より多いと経済的に不利である。ま
た、0.1重量部よりも少ないと所望の耐候性が得られ
ず、好ましくない。
【0054】この下塗り剤組成物の粘度が低すぎて塗工
しづらく塗膜が薄くなってしまうような場合、接着性を
低下させずに可撓性を付与する成分として、アクリル系
重合体を添加してもよい。アクリル系重合体としては、
ポリ(メチルメタクリレート)、ポリ(ブチルメタクリ
レート)、ポリ(ブチルアクリレート)などのポリ(ア
ルキルメタクリレート)、ポリ(アルキルアクリレー
ト)あるいはこれらの共重合体が例示される。これらの
ものは、接着性を低下させることなく下塗り剤組成物に
可撓性を付与させるものである。これを添加する場合、
下塗り剤組成物全体に対して30重量%を超えて添加す
ると、この組成物の熱硬化性が悪化する場合があるの
で、この添加は30重量%以下が望ましい。
【0055】更に、この下塗り剤組成物に耐水性の良好
な接着性を付与したり、上記成分(1)のシリル化変性
のベンゾフェノン系化合物や成分(2)の有機共重合体
中のアルコキシシリル基と架橋し、必要に応じて添加さ
れる光安定剤などを膜中に固定化させる目的で、(3)
一分子内に窒素原子及びアルコキシシリル基を含有する
化合物を添加してもよい。更に好ましくは、このものは
一分子内に窒素原子を1個以上及びアルコキシシリル基
を2個以上含有するものである。
【0056】この成分としては、更に有機共重合体中の
(メタ)アクリル基とアミノ基とのマイケル付加反応に
より、膜中の架橋を緻密にさせる目的で、アミノ基含有
アルコキシシラン、アミド基含有アルコキシシラン、ア
ミノ基含有アルコキシシランとエポキシ基含有アルコキ
シシラン及びシリル化剤との反応生成物をアミド化した
ものなどが好適に使用されるが、より好ましくはアミノ
基含有アルコキシシランとエポキシ基含有アルコキシシ
ラン及びシリル化剤との反応生成物をアミド化したもの
が望ましい。
【0057】これらの成分として使用されるものの具体
例を下記に例示すると、アミノ基含有アルコキシシラン
としては、3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3
−アミノプロピルトリエトキシシラン、3−アミノプロ
ピルメチルジメトキシシラン、3−アミノプロピルメチ
ルジエトキシシラン、N−(2−アミノエチル)−3−
アミノプロピルトリメトキシシラン、N−(2−アミノ
エチル)−3−アミノプロピルトリエトキシシラン、N
−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルメチルジ
メトキシシラン、N−(2−アミノエチル)−3−アミ
ノプロピルメチルジエトキシシラン、3−(トリメトキ
シシリルプロピル)アミノプロピルトリメトキシシラ
ン、3−(トリエトキシシリルプロピル)アミノプロピ
ルトリエトキシシラン、2−(トリメトキシシリルプロ
ピル)アミノエチル−3−アミノプロピルトリメトキシ
シラン、2−(トリエトキシシリルプロピル)アミノエ
チル−3−アミノプロピルトリエトキシシランなどが例
示される。
【0058】アミド基含有アルコキシシランとしては、
ウレイドプロピルトリメトキシシラン、ウレイドプロピ
ルトリエトキシシラン、ウレイドプロピルメチルジメト
キシシラン、ウレイドプロピルメチルジエトキシシラン
などが例示される。
【0059】アミノ基含有アルコキシシランとエポキシ
基含有アルコキシシラン及びシリル化剤との反応生成物
をアミド化したものは、下記の方法により製造されるも
のである。この場合、アミノ基含有アルコキシシランと
しては、上記に示されたものが挙げられるが、接着性、
操作性の点から、N−(2−アミノエチル)−3−アミ
ノプロピルトリメトキシシラン、N−(2−アミノエチ
ル)−3−アミノプロピルメチルジメトキシシランなど
が好ましい。また、ここで使用されるエポキシ基含有ア
ルコキシシランは、上記一般式(B)で示されたものが
例示されるが、これらの中で反応性、操作性の点から、
γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グ
リシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、β−
(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルメチルジメ
トキシシランとすることが好ましい。更に、ここで使用
されるシリル化剤としては、ヘキサメチルジシラザン、
N,N’−ビス(トリメチルシリル)ホルムアミド、
N,N’−ビス(トリメチルシリル)ウレアなどが例示
されるが、このものはアミノ基含有アルコキシシランと
エポキシ基含有アルコキシシランとの反応により、生成
するOH基を保護してOH基とアルコキシシリル基との
反応を防止して、この反応生成物の経時変化を防止する
ためのものである。
【0060】このアミノ基含有アルコキシシランとエポ
キシ基含有アルコキシシラン及びシリル化剤との反応
は、アミノ基含有アルコキシシランとシリル化剤との混
合物にエポキシ基含有アルコキシシランを滴下し、加熱
反応させればよいが、これはアミノ基含有アルコキシシ
ランとエポキシ基含有アルコキシシランとを反応させ、
この反応生成物にシリル化剤を添加して反応させるよう
にしてもよい。
【0061】なお、この反応におけるアミノ基含有アル
コキシシランとエポキシ基含有アルコキシシランの配合
比は、エポキシ基/アミノ基(=N−H)のモル比が
0.3未満では、一分子中の架橋に関与するアルコキシ
基の数が少なすぎて硬化性が弱くなるし、分子全体の広
がりがなくなり、面接着性が弱くなって接着性が劣るよ
うになり、これが1.2を超えると、後述するアミド化
においてアミド化し得る=N−H基がほとんどなくなっ
て耐水接着性が悪くなるので、0.3〜1.2の範囲と
することが好ましい。
【0062】更に、この成分は、この反応生成物をアミ
ド化したものとされるが、このアミド化は酢酸クロリ
ド、酢酸ブロミド、プロピオン酸クロリド、無水酢酸、
酢酸イソプロペニル、ベンゾイルクロリドなどで例示さ
れるカルボン酸の酸ハロゲン化物、酸無水物、酸イソプ
ロペニルエステル化合物と反応させればよい。
【0063】なお、本発明の下塗り剤組成物中における
成分(3)の添加量は、上記に示した有機共重合体10
0重量部に対し0.1〜50重量部、特に0.5〜20
重量部含有することが好ましい。多すぎると下塗り層に
おける架橋密度が高くなりすぎて、得られる被膜の硬度
が高くなり、逆に接着性が不良となる場合がある。
【0064】更に、上記下塗り剤組成物に、(4)分子
内に1個以上の環状ヒンダードアミン構造を有する光安
定剤を添加することにより、耐候性を向上させることが
できる。使用される光安定剤としては、下塗り剤組成物
に用いた溶剤によく溶解し、かつ上記有機共重合体との
相溶性がよく、また低揮発性のものが好ましい。添加量
は、上記有機共重合体100重量部に対して0.1〜1
0重量部、特に2.6〜10重量部がよく、10重量部
を超えて添加すると塗膜の密着性が低下する場合があ
る。
【0065】光安定剤の具体例としては、3−ドデシル
−1−(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジ
ニル)ピロリジン−2,5−ジオン、N−メチル−3−
ドデシル−1−(2,2,6,6−テトラメチル−4−
ピペリジニル)ピロリジン−2,5−ジオン、N−アセ
チル−3−ドデシル−1−(2,2,6,6−テトラメ
チル−4−ピペリジニル)ピロリジン−2,5−ジオ
ン、セバシン酸ビス(2,2,6,6−テトラメチル−
4−ピペリジル)、セバシン酸ビス(1,2,2,6,
6−ペンタメチル−4−ピペリジル)、テトラキス
(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)
1,2,3,4−ブタンテトラカルボキシレート、テト
ラキス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペ
リジル)1,2,3,4−ブタンテトラカルボキシレー
ト、1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸と2,
2,6,6−テトラメチル−ピペリジノールとトリデカ
ノールとの縮合物、8−アセチル−3−ドデシル−7,
7,9,9−テトラメチル−1,3,8−トリアザスピ
ロ〔4,5〕デカン−2,4−ジオン、1,2,3,4
−ブタンテトラカルボン酸と1,2,6,6−テトラメ
チル−4−ピペリジノールとβ,β,β,β’−テトラ
メチル−3,9−(2,4,8,10−テトラオキサス
ピロ〔5,5〕ウンデカン)ジエタノールとの縮合物、
1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸と2,2,
6,6−テトラメチル−4−ピペリジノールとβ,β,
β,β’−テトラメチル−3,9−(2,4,8,10
−テトラオキサスピロ〔5,5〕ウンデカン)ジエタノ
ールとの縮合物等が挙げられ、これらの光安定剤は2種
以上併用してもよい。
【0066】上記下塗り剤組成物には、弊害を及ぼさな
い範囲で、シリル化変性されていない通常の紫外線吸収
剤を加えてもよい。紫外線吸収剤としては、上記の有機
共重合体と相溶性良好な有機系紫外線吸収剤が好まし
い。特に主骨格がヒドロキシベンゾフェノン系、ベンゾ
トリアゾール系、シアノアクリレート系、トリアジン系
である化合物誘導体が好ましい。更に、側鎖にこれら紫
外線吸収剤を含有するビニルポリマーなどの重合体でも
よい。具体的には、2,4’−ジヒドロキシベンゾフェ
ノン、2,2’,4,4’−テトラヒドロキシベンゾフ
ェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノ
ン、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン−5
−スルホン酸、2−ヒドロキシ−4−n−オクトキシベ
ンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−n−ドデシロキシ
ベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−n−ベンジロキ
シベンゾフェノン、2,2’−ジヒドロキシ−4,4’
−ジメトキシベンゾフェノン、2,2’−ジヒドロキシ
−4,4’−ジエトキシベンゾフェノン、2,2’−ジ
ヒドロキシ−4,4’−ジプロポキシベンゾフェノン、
2,2’−ジヒドロキシ−4,4’−ジブトキシベンゾ
フェノン、2,2’−ジヒドロキシ−4−メトキシ−
4’−プロポキシベンゾフェノン、2,2’−ジヒドロ
キシ−4−メトキシ−4’−ブトキシベンゾフェノン、
2,3,4−トリヒドロキシベンゾフェノン、2−(2
−ヒドロキシ−5−t−メチルフェニル)ベンゾトリア
ゾール、2−(2−ヒドロキシ−5−t−オクチルフェ
ニル)ベンゾトリアゾール、2−(2−ヒドロキシ−
3,5−ジ−t−ブチルフェニル)ベンゾトリアゾー
ル、エチル−2−シアノ−3,3−ジフェニルアクリレ
ート、2−エチルヘキシル−2−シアノ−3,3−ジフ
ェニルアクリレート、2−(2−ヒドロキシ−4−ヘキ
シルオキシフェニル)−4,6−ジフェニルトリアジ
ン、4−(2−アクリロキシエチル)−2−ヒドロキシ
ベンゾフェノンの重合体、2−(2’−ヒドロキシ−
5’−メタクリロキシエチルフェニル)−2H−ベンゾ
トリアゾールの重合体等が例示される。これらの中で、
プライマーとの相溶性、揮散性の点から、2,2’,
4,4’−テトラヒドロキシベンゾフェノンが好適に使
用される。また、これらの有機系紫外線吸収剤は2種以
上併用してもよい。
【0067】上記下塗り剤組成物は、溶剤により希釈さ
れ使用される。この溶剤としては、ジアセトンアルコー
ル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、エチレ
ングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコー
ルモノエチルエーテル、エチレングリコールモノエチル
エーテル、イソブチルアルコール、イソプロピルアルコ
ール、n−ブチルアルコール、n−プロピルアルコー
ル、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチル
ケトン、アセチルアセトン、酢酸エチル、酢酸ブチル、
キシレン、トルエン等が挙げられる。この下塗り剤組成
物は、通常、上記溶剤で希釈され、上記有機共重合体の
5〜10重量%の溶液として使用される。
【0068】この下塗り剤組成物溶液は、これを予め清
浄化したプラスチックフィルム等のプラスチック基体の
表面に塗布し、上記希釈溶剤を室温あるいは加熱下で蒸
発させて厚さ1〜10μm、好ましくは2〜5μmの塗
膜を形成させるようにすればよい。なお、この有機溶剤
希釈液は、粘度が5cSより低いと塗膜を厚くすること
ができず、30cSより高いと取り扱いや塗布方法が難
しくなる場合があるので、5〜30cSの範囲のものと
することが好ましい。更に、塗膜の平滑化をはかるた
め、フッ素系あるいはシリコーン系の界面活性剤を添加
してもよい。また、この塗膜の硬化を促進させるために
架橋硬化触媒を添加してもよい。
【0069】なお、上記下塗り剤組成物の硬化塗膜は、
例えば80〜200℃で加熱することにより形成するこ
とができる。
【0070】このようにして得られる本発明の下塗り剤
組成物による硬化被膜を設けたプラスチックフィルム、
基板などのプラスチック基体は、初期接着性、耐熱性、
耐温水性、耐候性の優れたものとされるが、このものは
この下塗り剤被膜の上に公知のコロイダルシリカ含有オ
ルガノポリシロキサン組成物の塗膜を形成することが有
効である。
【0071】この場合、このコロイダルシリカ含有オル
ガノポリシロキサンは、下記一般式(C) R4 mSiR2 n(OR34-m-n (C) (式中、R4は炭素数1〜10のアルキル基、アリール
基、ハロゲン化アルキル基、ハロゲン化アリール基、ア
ルケニル基、又はエポキシ基、(メタ)アクリルオキシ
基、メルカプト基、アミノ基もしくはシアノ基を有する
有機基を表し、R 2及びR3は上記式(B)と同様であ
り、m及びnは0,1又は2であり、m+nは0,1又
は2である。)で示されるシラン化合物の加水分解物又
は共加水分解物に1〜100mμのシリカ微粒子を水又
はメタノール、エタノール、イソブタノール、ジアセト
ンアルコールなどのアルコールを分散させたコロイダル
シリカを5〜70重量%添加したものとすることが好ま
しい。
【0072】ここで、R4は炭素数1〜10のアルキル
基、アリール基、ハロゲン化アルキル基、ハロゲン化ア
リール基、アルケニル基、又はエポキシ基、(メタ)ア
クリルオキシ基、メルカプト基、アミノ基もしくはシア
ノ基を有する有機基を表し、具体的にはメチル基、エチ
ル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、ヘキシ
ル基、デシル基、シクロヘキシル基などのアルキル基、
フェニル基、フェネチル基などのアリール基、3−クロ
ロプロピル基、3,3,3−トリフルオロプロピル基、
3,3,4,4,5,5,6,6,6−ノナフルオロヘ
キシル基などのハロゲン化アルキル基、p−クロロフェ
ニル基などのハロゲン化アリール基、ビニル基、アリル
基、9−デセニル基、p−ビニルベンジル基などのアル
ケニル基、3−グリシドキシプロピル基、β−(3,4
−エポキシシクロヘキシル)エチル基、9,10−エポ
キシデシル基などのエポキシ基含有有機基、γ−メタク
リルオキシプロピル基、γ−アクリルオキシプロピル基
などの(メタ)アクリルオキシ基含有有機基、γ−メル
カプトプロピル基、p−メルカプトメチルフェニルエチ
ル基などのメルカプト基含有有機基、γ−アミノプロピ
ル基、(β−アミノエチル)−γ−アミノプロピル基な
どのアミノ基含有有機基、β−シアノエチル基などのシ
アノ基含有有機基などを例示することができる。なお、
2及びR3は上記式(B)と同様である。
【0073】m及びnは0,1又は2であり、m+nは
0,1又は2である。
【0074】これらの条件を満たすシラン化合物の具体
例としては、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエ
トキシシラン、メチルトリス(2−メトキシエトキシ)
シラン、メチルトリアセトキシシラン、メチルトリプロ
ポキシシラン、メチルトリイソプロペノキシシラン、メ
チルトリブトキシシラン、エチルトリメトキシシラン、
エチルトリエトキシシラン、ビニルトリメトキシシラ
ン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリアセトキシ
シラン、ビニルトリス(2−メトキシエトキシ)シラ
ン、ビニルトリイソプロペノキシシラン、フェニルトリ
メトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、フェニ
ルトリアセトキシシラン、γ−クロロプロピルトリメト
キシシラン、γ−クロロプロピルトリエトキシシラン、
γ−クロロプロピルトリプロポキシシラン、3,3,3
−トリフロロプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシ
ドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシ
プロピルメチルジメトキシシラン、γ−グリシドキシプ
ロピルトリエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピル
メチルジエトキシシラン、β−(3,4−エポキシシク
ロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、β−(3,4
−エポキシシクロヘキシル)エチルメチルジメトキシシ
ラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチル
トリエトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘ
キシル)エチルメチルジエトキシシラン、γ−メタクリ
ルオキシプロピルトリメトキシシラン、γ−アクリルオ
キシプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピル
トリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシ
シラン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、
γ−メルカプトプロピルトリエトキシシラン、N−(β
−アミノエチル)−γ−アミノプロピルトリメトキシシ
ラン、β−シアノエチルトリメトキシシラン等のトリア
ルコキシ又はトリアシルオキシシラン類及びジメチルジ
メトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、ジメチル
ジ(2−メトキシエトキシ)シラン、ジメチルジアセト
キシシラン、ジメチルジプロポキシシラン、ジメチルジ
イソプロペノキシシラン、ジメチルジブトキシシラン、
ビニルメチルジメトキシシラン、ビニルメチルジエトキ
シシラン、ビニルメチルジアセトキシシラン、ビニルメ
チルジ(2−メトキシエトキシ)シラン、ビニルメチル
ジイソプロペノキシシラン、フェニルメチルジメトキシ
シラン、フェニルメチルジエトキシシラン、フェニルメ
チルジアセトキシシラン、γ−プロピルメチルジメトキ
シシラン、γ−プロピルメチルジエトキシシラン、γ−
プロピルメチルジプロポキシシラン、3,3,3−トリ
フロロプロピルメチルジメトキシシラン、γ−メタクリ
ルオキシプロピルメチルジメトキシシラン、γ−アクリ
ルオキシプロピルメチルジメトキシシラン、γ−アミノ
プロピルメチルジメトキシシラン、γ−アミノプロピル
メチルジエトキシシラン、γ−メルカプトプロピルメチ
ルジメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルメチルジ
エトキシシラン、N−(β−アミノエチル)−γ−アミ
ノプロピルメチルジメトキシシラン、β−シアノエチル
メチルジメトキシシラン等のジアルコキシシラン又はジ
アシルオキシシラン類、テトラアルコキシシラン類の例
としてはメチルシリケート、エチルシリケート、n−プ
ロピルシリケート、n−ブチルシリケート、sec−ブ
チルシリケート及びt−ブチルシリケート等を挙げるこ
とができる。これらのシラン化合物の部分あるいは完全
加水分解したものを使用してもよい。
【0075】また、これらのシラン化合物は、1種単独
で又は2種以上の混合物として使用することができる。
【0076】上記シラン化合物の(共)加水分解物は、
例えば酸触媒存在下、そのシラン化合物の低級アルコー
ル溶液に水を添加して行われる。低級アルコールとして
は、メタノール、エタノール、イソプロパノール、ブタ
ノール等が例示される。更に、そのアルコールと併用可
能な溶媒としては、アセトン、アセチルアセトンなどの
ケトン類、酢酸エチル、酢酸イソブチルなどのエステル
類、プロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロ
ピレングリコールモノメチルエーテル、ジイソプロピル
エーテルなどのエーテル類が例示される。
【0077】なお、上記の(共)加水分解物(オルガノ
ポリシロキサン)としては、数平均分子量が300〜1
0000、特に500〜2000であることが好まし
い。
【0078】本発明のオルガノポリシロキサン組成物に
は、更に必要に応じ、従来よりコーティング剤に用いら
れる公知の添加剤を配合しても差し支えない。
【0079】例えば、必要により有機化合物を分解・劣
化させる波長が400nm以下の有害な光線を吸収する
能力を有する無機酸化物微粒子(無機系紫外線吸収剤)
の効果量を添加し得る。これはチタン、セリウム、亜鉛
の酸化物が波長が400nm以下の光線を吸収する能力
があるため、無機酸化物微粒子中にはこれらの原子を少
なくとも1種含有することが好ましい。この無機酸化物
微粒子には、必要に応じ、粒子の安定化あるいは耐候性
の向上を目的に、光吸収能を妨げない範囲で、上記以外
の金属酸化物を単純に添加する、上記以外の金属酸化物
を本無機酸化物微粒子の周囲にメカニカルに吸着させ
る、金属酸化物の薄膜を本無機酸化物微粒子の表面に被
覆させる、ゾルゲル法にて混晶化させる、あるいは無機
酸化物微粒子中にドープさせ結晶の形態にするなどの方
法で加えてもよい。混晶化させる場合、チタン、セリウ
ム、亜鉛の含有量は50重量%以上、特に60重量%以
上とすることが好ましい。その金属の具体例としては、
Si(シリカ)、Al(アルミナ)、Sn(酸化ス
ズ)、Zr(酸化ジルコニウム)、Sb(酸化アンチモ
ン)、Fe(酸化鉄)、希土類金属(希土類酸化物)な
どを挙げることができるが、これらに限定されるもので
はない。これらの中で、特にSi、Al、Sn、Zrな
どが好ましい。
【0080】本無機酸化物微粒子の粒径は1〜300m
μの範囲であることが好ましく、更に好ましくは1〜2
00mμの範囲にあるのがよい。300mμを超過する
と、光の透過性が悪くなる場合がある。1mμ未満のも
のは、不安定すぎるため製造するのが難しく、適当でな
い。本無機酸化物微粒子は、粉体、水分散体、有機溶剤
分散体などの形で使用することができる。
【0081】また、硬化触媒を触媒量添加することが好
ましい。硬化触媒としては、ジメチルアミン、酢酸エタ
ノールアミン、蟻酸ジメチルアニリン、安息香酸、テト
ラエチルアンモニウム塩、酢酸ナトリウム、プロピオン
酸ナトリウム、蟻酸ナトリウム、酢酸ベンゾイルトリメ
チルアンモニウム塩等が挙げられる。この硬化触媒の添
加量は、上記オルガノポリシロキサン組成物の固形分1
00重量部に対して0.01〜1重量部、特に0.02
〜0.4重量部の使用が好ましい。
【0082】上記オルガノポリシロキサン組成物を上記
下塗り剤組成物の被膜に塗布し、加熱することにより硬
化させる。特に好ましくは50〜140℃の温度でこの
塗布膜を硬化させることにより、上記プラスチック基体
に接着性に優れた保護膜を形成し得る。即ち、上記下塗
り剤塗膜とオルガノポリシロキサンとの相乗作用によ
り、接着性、耐磨耗性が良好で、更に紫外線吸収剤が強
固に下塗り剤塗膜中に固定化されているため、耐候性、
耐候安定性が優れたものである。なお、この保護膜の厚
さは適宜選定されるが、通常1〜10μmである。
【0083】本発明の下塗り剤組成物は、各種プラスチ
ック材料に好適に使用され、特にポリカーボネート、ポ
リスチレン、変性アクリル樹脂、ウレタン樹脂、チオウ
レタン樹脂、ハロゲン化ビスフェノールAとエチレング
リコールの重縮合物、アクリルウレタン樹脂、ハロゲン
化アリール基含有アクリル樹脂、含硫黄樹脂等に好適に
使用され、中でも透明なポリカーボネートに有効であ
る。
【0084】
【実施例】以下、合成例及び実施例と比較例を示し、本
発明を具体的に説明するが、本発明は下記の実施例に制
限されるものではない。なお、下記の例において%は重
量%、部は重量部を示す。また、粘度は25℃の値であ
る。
【0085】シリル化変性紫外線吸収剤の合成 〔合成例1〕撹拌機、コンデンサー及び温度計を備えた
0.2Lフラスコに、2,2’,4,4’−テトラヒド
ロキシベンゾフェノン50g(0.20モル)、γ−グ
リシドキシプロピルトリメトキシシラン47.2g
(0.20モル)、塩化ベンジルトリエチルアンモニウ
ム0.81g(0.0036モル)及び酢酸ブチル10
0gを仕込み、撹拌しながら60℃に昇温し、溶解させ
た。このとき、その溶液は黄色透明状態であった。次い
で120℃まで加熱し、4時間反応させることにより、
褐色透明の溶液を得た。ガスクロマトグラフィー分析に
より、原料であるγ−グリシドキシプロピルトリメトキ
シシランの消失を確認した。固形分濃度は50.1%で
あった。このものの固形分濃度が0.05g/Lになる
ようにエタノールで希釈した溶液を使用して吸光度分析
を行ったところ、吸光度:λmax349.9nm,A
bs2.82であり、同濃度で測定した原料である2,
2’,4,4’−テトラヒドロキシベンゾフェノンの吸
光度:λmax351.7nm,Abs3.01とほぼ
同じであって、吸光波形もほぼ同じであった。
【0086】〔合成例2〕撹拌機、コンデンサー及び温
度計を備えた0.2Lフラスコに、2,2’,4,4’
−テトラヒドロキシベンゾフェノン50g(0.20モ
ル)、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン4
7.2g(0.20モル)、テトラメチルアンモニウム
クロリド1g(0.0092モル)及び酢酸ブチル10
0gを仕込み、撹拌しながら60℃に昇温し、溶解させ
た。このとき、その溶液は黄色透明状態であった。次い
で120℃まで加熱し、4時間反応させることにより、
褐色透明の溶液を得た。ガスクロマトグラフィー分析に
より、原料であるγ−グリシドキシプロピルトリメトキ
シシランの消失を確認した。固形分濃度は49.9%で
あった。このものの固形分濃度が0.05g/Lになる
ようにエタノールで希釈した溶液を使用して吸光度分析
を行ったところ、吸光度:λmax349.8nm,A
bs2.86であり、同濃度で測定した原料である2,
2’,4,4’−テトラヒドロキシベンゾフェノンの吸
光度:λmax351.7nm,Abs3.01とほぼ
同じであって、吸光波形もほぼ同じであった。
【0087】〔合成例3〕撹拌機、コンデンサー及び温
度計を備えた0.2Lフラスコに、2,2’,4,4’
−テトラヒドロキシベンゾフェノン50g(0.20モ
ル)、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチル
トリメトキシシラン49.3g(0.20モル)、塩化
ベンジルトリエチルアンモニウム0.81g(0.00
36モル)及び酢酸ブチル100gを仕込み、撹拌しな
がら60℃に昇温し、溶解させた。このとき、その溶液
は黄色透明状態であった。次いで120℃まで加熱し、
4時間反応させることにより、褐色透明の溶液を得た。
ガスクロマトグラフィー分析により、原料シランの消失
を確認した。固形分濃度は51.0%であった。このも
のの固形分濃度が0.05g/Lになるようにエタノー
ルで希釈した溶液を使用して吸光度分析を行ったとこ
ろ、吸光度:λmax350.9nm,Abs2.88
であり、同濃度で測定した原料である2,2’,4,
4’−テトラヒドロキシベンゾフェノンの吸光度:λm
ax351.7nm,Abs3.01とほぼ同じであっ
て、吸光波形もほぼ同じであった。
【0088】〔合成例4〕撹拌機、コンデンサー及び温
度計を備えた0.2Lフラスコに、2,2’,4,4’
−テトラヒドロキシベンゾフェノン50g(0.20モ
ル)、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン9
4.4g(0.40モル)、塩化ベンジルトリエチルア
ンモニウム1.62g(0.0072モル)及び酢酸ブ
チル150gを仕込み、撹拌しながら60℃に昇温し、
溶解させた。このとき、その溶液は黄色透明状態であっ
た。次いで120℃まで加熱し、4時間反応させること
により、褐色透明の溶液を得た。ガスクロマトグラフィ
ー分析により、原料であるγ−グリシドキシプロピルト
リメトキシシランの消失を確認した。固形分濃度は5
0.3%であった。このものの固形分濃度が0.05g
/Lになるようにエタノールで希釈した溶液を使用して
吸光度分析を行ったところ、吸光度:λmax348.
9nm,Abs2.79であり、同濃度で測定した原料
である2,2’,4,4’−テトラヒドロキシベンゾフ
ェノンの吸光度:λmax351.7nm,Abs3.
01とほぼ同じであって、吸光波形もほぼ同じであっ
た。
【0089】〔合成例5〕撹拌機、コンデンサー及び温
度計を備えた0.2Lフラスコに、2,2’,4,4’
−テトラヒドロキシベンゾフェノン50g(0.20モ
ル)、γ−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラ
ン49.6g(0.20モル)、塩化ベンジルトリエチ
ルアンモニウム0.81g(0.0036モル)及び酢
酸ブチル100gを仕込み、撹拌しながら60℃に昇温
し、溶解させた。このとき、その溶液は黄色透明状態で
あった。次いで120℃まで加熱し、4時間反応させる
ことにより、褐色透明の溶液を得た。ガスクロマトグラ
フィー分析により、原料であるγ−グリシドキシプロピ
ルメチルジエトキシシランの消失を確認した。固形分濃
度は50.0%であった。このものの固形分濃度が0.
05g/Lになるようにエタノールで希釈した溶液を使
用して吸光度分析を行ったところ、吸光度:λmax3
50.9nm,Abs2.88であり、同濃度で測定し
た原料である2,2’,4,4’−テトラヒドロキシベ
ンゾフェノンの吸光度:λmax351.7nm,Ab
s3.01とほぼ同じであって、吸光波形もほぼ同じで
あった。
【0090】〔合成例6〕撹拌機、コンデンサー及び温
度計を備えた0.2Lフラスコに、2,4−ジヒドロキ
シベンゾフェノン42.4g(0.20モル)、γ−グ
リシドキシプロピルトリメトキシシラン47.2g
(0.20モル)、塩化ベンジルトリエチルアンモニウ
ム0.81g(0.0036モル)及び酢酸ブチル90
gを仕込み、撹拌しながら60℃に昇温し、溶解させ
た。このとき、その溶液は黄色透明状態であった。次い
で120℃まで加熱し、4時間反応させることにより、
黄褐色透明の溶液を得た。ガスクロマトグラフィー分析
により、原料であるγ−グリシドキシプロピルトリメト
キシシランの消失を確認した。固形分濃度は49.7%
であった。このものの固形分濃度が0.05g/Lにな
るようにエタノールで希釈した溶液を使用して吸光度分
析を行ったところ、吸光度:λmax272.9nm,
Abs1.52であり、同濃度で測定した原料である
2,4−ジヒドロキシベンゾフェノンの吸光度:λma
x289.1nm,Abs2.61に比べ、やや低波長
シフトしており、強度もやや低下していた。
【0091】アルコキシシリル基含有有機共重合体の合
〔合成例7〕撹拌機、コンデンサー及び温度計を備えた
0.5Lフラスコに、γ−メタクリロキシプロピルトリ
メトキシシラン20g、メチルメタクリレート60g、
エチルアクリルレート5g、酢酸ビニル5g、グリシジ
ルメタクリレート10g、エチレングリコールジメタク
リレート0.2g及び重合開始剤としてアゾビスイソブ
チロニトリル0.5g、並びに溶剤としてジアセトンア
ルコール20g、エチレングリコールモノメチルエーテ
ル80gを仕込み、窒素気流下にて80〜90℃で5時
間撹拌した。得られたアルコキシシリル基を含有する有
機共重合体溶液の粘度は43600cst、またその共
重合体中のγ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシ
ラン含有量は20%であった。
【0092】〔合成例8〕合成例7のγ−メタクリロキ
シプロピルトリメトキシシラン20gを10gに、メチ
ルメタクリレート60gを70gに代えた以外は合成例
7と同様に合成して、アルコキシシリル基を含有する有
機共重合体溶液を作製した。得られたアルコキシシリル
基を含有する有機共重合体溶液の粘度は40600cs
t、またその共重合体中のγ−メタクリロキシプロピル
トリメトキシシラン含有量は10%であった。
【0093】〔合成例9〕合成例7のγ−メタクリロキ
シプロピルトリメトキシシラン20gをビニルトリメト
キシシラン20gに代えた以外は合成例7と同様に合成
して、アルコキシシリル基を含有する有機共重合体溶液
を作製した。得られたアルコキシシリル基を含有する有
機共重合体溶液の粘度は39700cst、またその共
重合体中のビニルトリメトキシシラン含有量は20%で
あった。
【0094】分子内に窒素原子とアルコキシシリル基を
含有する化合物の合成 〔合成例10〕撹拌機、コンデンサー及び温度計を備え
た2.0Lフラスコに、N−2−(アミノエチル)−3
−アミノプロピルトリメトキシシラン222gとシリル
化剤としてヘキサメチルジシラザン242gを仕込ん
で、窒素気流下に120℃に加熱し、ここにγ−グリシ
ドキシプロピルメチルジエトキシシラン496gを滴下
して反応させ、120℃で5時間加熱撹拌した後、低沸
点分を減圧下100℃で除去したところ、粘度1387
cst、屈折率1.4618、比重1.048の粘稠な
化合物862gが得られた。次いで、この反応生成物8
62gとトルエン862gを撹拌機、コンデンサー及び
温度計を備えた2.0Lフラスコに仕込み、窒素気流下
に室温でここに無水酢酸141gを滴下して反応させ、
110℃で2時間加熱撹拌させた後、50℃でメタノー
ル141gを滴下し、50℃で1時間加熱撹拌し、次い
で減圧下に100℃で低沸分を除去し、高粘稠な化合物
を得た。この化合物の赤外吸収スペクトル測定を行った
ところ、3000cm-1以上の領域にOH基あるいはN
H基に起因する吸収は認められず、1650cm-1にア
ミド基に起因する強い吸収が認められた。
【0095】コロイダルシリカ含有オルガノポリシロキ
サン組成物の合成 〔合成例11〕撹拌機、コンデンサー及び温度計を備え
た1.0Lフラスコに、メチルトリエトキシシラン16
4g、イソブタノール46gを仕込み、氷冷下に撹拌し
ながら5℃以下に維持し、ここに5℃以下としたコロイ
ダルシリカ(SiO220%含有品)138gを添加し
て氷冷下で2時間、更に20〜25℃で8時間撹拌した
後、ジアセトンアルコール45g、イソブタノール50
gを添加した。次いで、10%プロピオン酸ナトリウム
水溶液1.5gを加え、更に酢酸にてpHを6〜7に調
整した。そして、不揮発分(JIS K6833)が1
7%となるようにイソブタノールで調整し、常温で5日
間熟成して得られたコロイダルシリカ含有オルガノポリ
シロキサン組成物の粘度は約5cst、不揮発分の数平
均分子量は約1000であった。
【0096】〔合成例12〕合成例11において、プロ
ピオン酸ナトリウム水溶液の代わりに10%テトラメチ
ルアンモニウムベンゾエート水溶液3.0gとした以外
は同様に処理して、コロイダルシリカ含有オルガノポリ
シロキサン組成物を得た。
【0097】〔合成例13〕合成例11において、更に
2,2’,4,4’−テトラヒドロキシベンゾフェノン
1.8g(コロイダルシリカ含有オルガノポリシロキサ
ン組成物固形分100部に対して2部)を添加した以外
は同様に処理して、コロイダルシリカ含有オルガノポリ
シロキサン組成物を得た。
【0098】シリル化変性光安定剤の合成 〔合成例14〕撹拌機、コンデンサー及び温度計を備え
た0.3Lフラスコに、2,2,6,6−テトラメチル
−4−アリル−ピペリジン100g(0.5モル)、塩
化白金酸のブタノール溶液(H2PtCl6・6H2Oの
2%溶液)0.13gを仕込み、室温でトリメトキシシ
ラン80.6g(0.66モル)を1時間かけて滴下
し、更に90℃で5時間反応させた。反応終了後、減圧
下で蒸留を行い、7mmHgで151〜154℃の溜分
126gを得た。ガスクロマトグラフィー測定により9
7%純度で2,2,6,6−テトラメチルピペリジノ−
4−プロピルトリメトキシシランを得た。このものの構
造は赤外スペクトル測定、1H−NMR測定により確認
した。
【0099】〔実施例,比較例〕以下に実施例と比較例
を挙げて本発明を更に詳細に説明する。なお、実施例及
び比較例に用いた紫外線吸収剤、ヒンダードアミン系光
安定剤、有機共重合体等の略号は以下の通りである。
【0100】<紫外線吸収剤> UVA−1:合成例1の反応生成物 UVA−2:合成例2の反応生成物 UVA−3:合成例3の反応生成物 UVA−4:合成例4の反応生成物 UVA−5:合成例5の反応生成物 UVA−6:合成例6の反応生成物 UVA−7:2,2’,4,4’−テトラヒドロキシベ
ンゾフェノン UVA−8:2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン UVA−9:2−(3,5−ジ−t−ブチル−2−ヒド
ロキシフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール UVA−10:2−(2−ヒドロキシ−4−ヘキシルオキ
シフェニル)−4,6−ジフェニルトリアジン UVA−11:2−(2’−ヒドロキシ−5’−メタクリ
ロキシエチルフェニル)−2H−ベンゾトリアゾール
(30%)とメチルメタクリレート(70%)の共重合
体 UVA−12:2−(2’−ヒドロキシ−5’−メタクリ
ロキシエチルフェニル)−2H−ベンゾトリアゾール
(30%)とスチレン(70%)の共重合体 <ヒンダードアミン系光安定剤> HALS−1:N−アセチル−3−ドデシル−1−
(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジニル)
ピロリジン−2,5−ジオン HALS−2:1,2,3,4−ブタンテトラカルボン
酸と2,2,6,6−テトラメチル−ピペリジノールと
トリデカノールとの縮合物 HALS−3:合成例14で合成した2,2,6,6−
テトラメチルピペリジノ−4−プロピルトリメトキシシ
ラン <アルコキシシリル基含有有機共重合体> Pol−1:合成例7の反応生成物 Pol−2:合成例8の反応生成物 Pol−3:合成例9の反応生成物 <分子内に窒素原子とアルコキシシリル基を含有する化
合物> NSi−1:ウレイドプロピルトリエトキシシラン NSi−2:合成例10の反応生成物 <コロイダルシリカ含有オルガノポリシロキサン組成物
> HC−1:合成例11のコロイダルシリカ含有オルガノ
ポリシロキサン組成物 HC−2:合成例12のコロイダルシリカ含有オルガノ
ポリシロキサン組成物 HC−3:合成例13のコロイダルシリカ含有オルガノ
ポリシロキサン組成物
【0101】また、実施例中の各種物性の測定及び評価
は以下の方法で行った。 (1)耐候性試験 JIS K5400に準拠し、カーボンアーク式サンシ
ャインウェザーメーターにて促進試験を行って、500
0時間後の黄変度と密着性を調べ、黄変度7以下で密着
性良好なものを合格とした。(2)耐擦傷性試験 ASTM1044に準拠し、テーバー磨耗試験機にて磨
耗輪CS−10Fを装着し、荷重500g下で1000
回転後の曇価を測定した。テーバー磨耗性(%)は
{(試験後の曇価)−(試験前の曇価)}で示した。 (3)硬化被膜の密着性 JIS K5400に準拠し、サンプルをカミソリの刃
で1mm間隔の縦横11本ずつ切り目を入れて100個
の碁盤目をつくり、市販セロテープをよく密着させた
後、90度手前方向に急激に剥がしたとき、被膜が剥離
せずに残存したます目数(X)をX/100で表示し
た。
【0102】〔実施例1〜17,比較例1〜9〕合成例
7〜9で作成した有機共重合体(Pol−1〜3)、平
均分子量15万のポリメチルメタクリレート、分子内に
窒素原子とアルコキシシリル基を含有する化合物(NS
i−1〜2)、シリル化変性紫外線吸収剤(UVA−1
〜6)、紫外線吸収剤(UVA−7〜12)、光安定剤
(HALS−1〜3)を表1〜3に示す量で混合し、有
機共重合体の固形分が10%になるようにジアセトンア
ルコールとエチレングリコールモノメチルエーテルの比
率を20/80とした混合溶液にて調製して、下塗り剤
組成物A〜Zを表1〜3に示したように調製した。
【0103】次いで、この下塗り剤組成物を、表面を清
浄化した0.5mmポリカーボネート樹脂板に硬化塗膜
として2〜5μmになるようにフローコーティング法に
て塗布し、約120℃にて約30分硬化させた後、その
上に合成例11〜13で得られたコロイダルシリカ含有
オルガノポリシロキサン組成物(HC−1〜3)を塗布
し、硬化塗膜として2〜5μmになるようにフローコー
ティング法にて塗布し、約120℃にて約1時間硬化さ
せた。このようにして得られた塗膜の物性評価結果を表
4に示した。
【0104】
【表1】
【0105】
【表2】
【0106】
【表3】
【0107】
【表4】
【0108】
【発明の効果】本発明の下塗り剤組成物は、この被膜を
施したプラスチック物品、特にポリカーボネート樹脂に
優れた透明性、耐擦傷性、耐候性、耐薬品性を付与する
ことが可能なため、車両、飛行機など運送機の窓、風
防、建物の窓、道路の遮音壁等、屋外で使用される用途
に好適なものである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C09D 7/12 C09D 7/12 Z 133/14 133/14 143/04 143/04 183/04 183/04 // C08L 83/06 C08L 83/06 (72)発明者 山谷 正明 群馬県碓氷郡松井田町大字人見1番地10 信越化学工業株式会社シリコーン電子材料 技術研究所内 (72)発明者 樋口 浩一 群馬県碓氷郡松井田町大字人見1番地10 信越化学工業株式会社シリコーン電子材料 技術研究所内 (72)発明者 佐藤 和治 群馬県碓氷郡松井田町大字人見1番地10 信越化学工業株式会社シリコーン電子材料 技術研究所内 (72)発明者 工藤 宗夫 群馬県碓氷郡松井田町大字人見1番地10 信越化学工業株式会社シリコーン電子材料 技術研究所内 Fターム(参考) 4D075 CA02 CA32 CA44 CB06 DB31 DB48 DC01 DC05 DC08 4F006 AA36 AB39 BA02 BA03 CA04 DA04 4J002 CP05X CP05Y CP09Y CP131 CP161 CP171 FD046 GH00 GL00 GN00 4J038 CL001 DL032 GA03 JA33 JC32 JC35 PC08

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 水酸基含有ベンゾフェノン系化合物とシ
    ラン化合物との反応生成物及び/又はその(部分)加水
    分解物を含有することを特徴とする下塗り剤組成物。
  2. 【請求項2】 水酸基含有ベンゾフェノン系化合物とシ
    ラン化合物との反応生成物及び/又はその(部分)加水
    分解物が、下記一般式(A) 【化1】 (式中、Xはそれぞれ同一でも異なっていてもよく、水
    素原子又は水酸基を表し、そのうちの少なくとも1個は
    水酸基である。)で示される化合物と、下記一般式
    (B) R1 aSiR2 b(OR34-a-b (B) (式中、R1はエポキシ基を含有する有機基であり、R2
    は炭素数1〜10のアルキル基又はアリール基、R3
    水素原子又は炭素数1〜10の酸素原子を含んでもよい
    非置換又は置換一価炭化水素基であり、aは1又は2、
    bは0又は1であり、a+bは1又は2である。)で示
    されるエポキシ基含有シランとを反応させた反応生成物
    及び/又はその(部分)加水分解物である請求項1記載
    の下塗り剤組成物。
  3. 【請求項3】 (1)請求項1又は2記載の反応生成物及び/又はその(部 分)加水分解物 0.1〜50重量部 (2)アルコキシシリル基を含有するアクリル系及び/又はビニル系単量体0. 1〜50重量%と、これと共重合可能な他の単量体99.9〜50重量%との有 機共重合体 100重量部 とを含有することを特徴とする下塗り剤組成物。
  4. 【請求項4】 更に、(3)一分子内に窒素原子及びア
    ルコキシシリル基を含有する化合物を0.1〜50重量
    部含有することを特徴とする請求項3記載の下塗り剤組
    成物。
  5. 【請求項5】 成分(3)の化合物が一分子内に窒素原
    子を1個以上及びアルコキシシリル基を2個以上含有す
    ることを特徴とする請求項4記載の下塗り剤組成物。
  6. 【請求項6】 更に、(4)分子内に1個以上の環状ヒ
    ンダードアミン構造を有する光安定剤を0.1〜10重
    量部添加してなることを特徴とする請求項3,4又は5
    記載の下塗り剤組成物。
  7. 【請求項7】 (i)請求項1乃至6のいずれか1項記
    載の下塗り剤組成物の有機溶剤溶液をプラスチック基体
    上に塗布し、(ii)上記有機溶剤を蒸発させて上記下
    塗り剤組成物の被膜を硬化させ、(iii)次いで、こ
    の被膜上に下記一般式(C) R4 mSiR2 n(OR34-m-n (C) (式中、R4は炭素数1〜10のアルキル基、アリール
    基、ハロゲン化アルキル基、ハロゲン化アリール基、ア
    ルケニル基、又はエポキシ基、(メタ)アクリルオキシ
    基、メルカプト基、アミノ基もしくはシアノ基を有する
    有機基を表し、R 2は炭素数1〜10のアルキル基又は
    アリール基、R3は水素原子又は炭素数1〜10の酸素
    原子を含んでもよい非置換又は置換一価炭化水素基であ
    り、m及びnは0,1又は2であり、m+nは0,1又
    は2である。)で示されるシラン化合物の加水分解物又
    は共加水分解物にコロイダルシリカを添加してなるコロ
    イダルシリカ含有オルガノポリシロキサン組成物を塗布
    し、(iv)加熱することによりこの塗布膜を硬化させ
    ることを特徴とするプラスチック基体の表面保護方法。
  8. 【請求項8】 プラスチック基体がポリカーボネート樹
    脂である請求項7記載のプラスチック基体の表面保護方
    法。
  9. 【請求項9】 ポリカーボネート樹脂が透明である請求
    項8記載のプラスチック基体の表面保護方法。
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