JP2001078311A - 燃料電池を搭載した車両の補機駆動装置 - Google Patents

燃料電池を搭載した車両の補機駆動装置

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JP2001078311A
JP2001078311A JP2000019491A JP2000019491A JP2001078311A JP 2001078311 A JP2001078311 A JP 2001078311A JP 2000019491 A JP2000019491 A JP 2000019491A JP 2000019491 A JP2000019491 A JP 2000019491A JP 2001078311 A JP2001078311 A JP 2001078311A
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accessory
driving
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Atsushi Tabata
淳 田端
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Toyota Motor Corp
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    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
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    • Y02TCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES RELATED TO TRANSPORTATION
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  • Electric Propulsion And Braking For Vehicles (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 補機駆動用に燃料電池を含む複数のエネルギ
出力源を備える車両において、各エネルギ出力源の出力
の適切な使い分けを行う。 【解決手段】 車両にエンジン、燃料電池、バッテリを
エネルギ出力源として搭載する。エンジンから出力され
る動力で補機を駆動可能とする。また、燃料電池および
バッテリの電力を用いてモータを駆動することによって
も補機を駆動可能とする。かかる構成において、イグニ
ッションスイッチがオンになっている場合はエンジン、
燃料電池、バッテリの優先順位で補機を駆動する。その
他の場合には燃料電池、バッテリの優先順位で補機を駆
動する。こうすることで車両の運転効率および環境性の
向上を図ることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、燃料電池のエネル
ギを少なくとも利用して車両の補機を駆動する駆動装置
に関する。
【0002】
【従来の技術】車両には空調装置やパワーステアリング
装置などの補機が搭載されている。従来、これらの補機
は、主としてエンジンの動力を利用して駆動されてい
た。補機の中には空調装置などエンジン停止中にも駆動
することが望まれるものもある。これらについては、従
来、バッテリを電源として駆動されていた。
【0003】一方、近年、電源の一つとして燃料電池を
搭載した車両が提案されている。燃料電池とは、燃料と
して最終的に供給される水素の酸化により発電を行う装
置をいい、高効率で発電できる特長がある。また、燃料
電池から排出されるのは、水蒸気であり、有害な成分が
含まれないため環境性に非常に優れるという利点もあ
る。燃料電池は電動機と接続され、車両の走行に必要な
動力を出力する用途に使用される他、補機を駆動する動
力源としても活用される。燃料電池を用いて補機を駆動
すれば、エンジンを停止している状態で補機を駆動する
際の効率を向上することができる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、燃料電池は、
昨今開発が行われている装置である。従って、燃料電池
を含む複数のエネルギ出力源が車両に搭載されている場
合に、各エネルギ出力源の有する特長を活かした運転を
実現することが十分検討されていなかった。特に、燃料
電池は電気的エネルギを出力する点で二次電池と共通す
るものの、二次電池と異なり不可逆的なエネルギ出力源
である特徴がある。二次電池はハイブリッド車両の走行
中においても充電によりエネルギ状態を回復することが
できるのに対し、燃料電池は燃料を外部から補給しない
ことには、発電能力を回復することができない。また、
燃料電池は応答性が低いという特性も有している。
【0005】従来の燃料電池を搭載した車両では、燃料
電池を含む複数のエネルギ出力源をどのように活用すべ
きかという点について十分検討されてはいなかった。特
に補機の駆動についてはほとんど検討がなされていなか
った。車両に搭載されているエネルギ出力源は、少なく
とも一部が補機の駆動と車両の走行に供されるのが通常
である。補機を駆動する際の効率および環境性を向上す
るためには、車両の走行に供されるエネルギ出力源の運
転状態をも考慮して、各エネルギ出力源の運転を制御す
る必要がある。本発明は、かかる課題を解決するために
なされたものであり、燃料電池を搭載した車両の補機駆
動装置において、各エネルギ出力源を適切に使い分け、
補機駆動時の効率および環境性を向上する技術を提供す
ることを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段およびその作用・効果】上
述の課題を解決するために、本発明は次の構成を採っ
た。本発明の第1の補機駆動装置は、車両に搭載された
補機の駆動用に燃料電池を含む2種類以上のエネルギ出
力源を備える補機駆動装置であって、前記エネルギ出力
源の一部について出力可否を指定する選択手段と、該選
択手段の操作状態に応じて予め設定された優先順位で、
それぞれのエネルギ出力源を補機の駆動に供する状態で
運転するエネルギ出力源制御手段とを備えることを要旨
とする。選択手段としては、スイッチ、レバー、タッチ
パネルなど種々の機構を適用可能である。また、音声に
よる指示に基づいて選択する機構を適用してもよい。
【0007】かかる補機駆動装置によれば、上記選択手
段の操作状態に応じてエネルギ出力源の優先順位を切り
替えて補機を駆動することができる。エネルギ出力源と
は、機械的エネルギおよび電気的エネルギなど種々の形
態でエネルギを出力する源を意味する。燃料電池は電気
的エネルギを出力するエネルギ出力源に相当する。機械
的エネルギを出力するエネルギ出力源としては、例えば
熱機関が挙げられる。また、補機とは車両の動力系統に
は含まれないものの、車両の運転時に動作させる必要が
ある種々の機器をいう。例えば、いわゆるパワーステア
リング装置や空調機器などが補機に相当する。
【0008】エネルギ出力源の一部についての出力可否
は車両の走行可否と関連があるため、上記選択手段の操
作状態に応じて補機駆動時にエネルギ出力源の優先順位
を切り替えることにより、車両の移動に要するエネルギ
に応じて補機の駆動を柔軟に制御することができる。こ
の結果、補機を駆動する際の効率および環境性を、車両
の移動に要するエネルギに応じてそれぞれ向上すること
が可能となる。かかる選択手段としては、たとえばイグ
ニッション選択手段などを適用することができる。
【0009】なお、ハイブリッドシステムにおいては、
単位時間当たりのエネルギを考慮して運転の制御がなさ
れることが多い。従って、本明細書において、エネルギ
という用語は、特に断らない限り、単位時間当たりのエ
ネルギを意味するものとする。従って、本明細書では、
エネルギは、原則として動力および電力と同義の用語で
ある。
【0010】かかる補機駆動装置において、前記エネル
ギ出力源制御手段は、前記選択手段が前記エネルギ出力
源の出力を禁止する操作状態にある場合には、前記燃料
電池を優先的に運転する手段であるものとすることがで
きる。既に述べた通り、燃料電池は運転効率および環境
性の双方で優れたエネルギ出力源である。従って、上記
構成の補機駆動装置によれば、移動に要するエネルギが
要求されていない状況下において、補機駆動の効率およ
び環境性を向上することができる。
【0011】また、前記エネルギ出力源のうち燃料電池
を除くものの少なくとも一部は、前記車両の移動に供さ
れるエネルギをも出力するエネルギ出力源であり、前記
選択手段が前記エネルギ出力源の出力を許可する操作状
態にある場合には、前記燃料電池以外のエネルギ出力源
の少なくとも一部を前記燃料電池よりも優先して運転す
る手段であるものとすることもできる。
【0012】かかる状況下では、移動に要するエネルギ
出力源を考慮して、補機を駆動するためのエネルギ出力
源を選択することが望ましい。上記構成の補機駆動装置
によれば、かかる状況下において、燃料電池を使用する
優先順位を下げる。こうすることにより、例えば車両の
移動のために運転されるエネルギ出力源からのエネルギ
を利用して補機を駆動することができ、燃料電池の使用
を抑制することができる。この結果、FC燃料の消費を
抑制することができる。FC燃料の消費を抑制すること
により、車両の運転状態等が燃料電池を有効に活用でき
る状態にある場合に備えて燃料電池の発電能力を確保す
ることができ、全体として運転効率、環境性を向上する
ことができる。なお、上記構成の補機駆動装置は、燃料
電池の優先順位を下げるものの、車両に搭載された複数
のエネルギ出力源の中で優先順位を最も低くしたものに
は限られない。
【0013】本発明の補機駆動装置は、次の構成を採る
こともできる。本発明の第2の駆動装置は、車両に搭載
された補機の駆動用に燃料電池を含む2種類以上のエネ
ルギ出力源を備える補機駆動装置であって、前記エネル
ギ出力源の少なくとも一部は、前記車両の移動に供され
るエネルギをも出力する移動エネルギ出力源であり、前
記移動エネルギ出力源の少なくとも一部の運転可否を指
定する選択手段と、該選択手段の操作状態に応じて予め
設定された優先順位で、それぞれのエネルギ出力源を補
機の駆動に供する状態で運転するエネルギ出力源制御手
段とを備える補機駆動装置であることを要旨とする。
【0014】上記選択手段はエネルギ出力源のうち補機
の駆動と車両の移動の双方に供されるものの運転可否を
指定するものであり、車両の移動にも密接に関与してい
る。従って、この選択手段の操作状態に応じて補機駆動
時にエネルギ出力源の優先順位を切り替えることによ
り、車両の移動に要するエネルギに応じて補機の駆動を
柔軟に制御することができる。この結果、補機を駆動す
る際の効率および環境性を、車両の移動に要するエネル
ギに応じてそれぞれ向上することが可能となる。
【0015】本発明における上記選択手段について、移
動エネルギ出力源の少なくとも一部の運転可否を指定す
るとは、あくまでも原則的な運転の可否を指定すること
を意味する。例えば、この選択手段をオフすることで、
あるエネルギ出力源Aの運転の禁止が指定されている場
合を考える。かかる場合において、その他のエネルギ出
力源の全てが使用不能になった場合などには、選択手段
がオフになっているにも関わらず上記エネルギ出力源A
の運転を行う制御を適用する可能性がある。かかる場合
であっても、上記選択手段をオフにすることにより、エ
ネルギ出力源Aの運転を原則として禁止していることに
変わりない。本明細書における運転の可否の指定とは、
このような制御を適用する場合も含んでおり、上述の通
り、エネルギ出力源の原則的な運転可否を指定すること
を意味している。かかる選択手段としては、種々考えら
れるが、例えば、熱機関をエネルギ出力源として搭載し
ている場合には、いわゆるイグニッション選択手段が上
述の選択手段に相当する。
【0016】本発明の補機駆動装置において、前記選択
手段は、前記移動エネルギ出力源のうち燃料電池を除く
一部のものについて運転可否を指定する選択手段であ
り、前記エネルギ出力源制御手段は、前記選択手段の操
作状態が前記少なくとも一部のエネルギ出力源の運転を
禁止する状態にある条件下では前記燃料電池を優先的に
運転する手段である補機駆動装置。
【0017】上述の条件が成立している場合には、車両
の移動に供されるエネルギ出力源のうち上記選択手段に
対応したものの運転が原則として禁止される。つまり、
選択手段が上記状態にある場合には、車両を移動するた
めのエネルギの出力が要求されない可能性が高い状態に
相当する。かかる状況下では、移動に要するエネルギ出
力源を考慮することなく補機を駆動するためのエネルギ
出力源を選択することができる。上記構成の補機駆動装
置では、こうした状況に対応して燃料電池を優先して使
用する。既に述べた通り、燃料電池は運転効率および環
境性の双方で優れたエネルギ出力源である。従って、上
記構成の補機駆動装置によれば、移動に要するエネルギ
が要求されていない状況下において、補機駆動の効率お
よび環境性を向上することができる。
【0018】このように燃料電池を優先的に使用する補
機駆動装置においては、前記エネルギ出力源は、燃料電
池、熱機関、蓄電手段であり、前記選択手段は前記熱機
関の運転可否を指定する選択手段であるものとすること
ができる。もちろん、かかる構成に限定されるものでは
ない。
【0019】上記構成によれば、エネルギ出力源として
燃料電池、熱機関、蓄電手段の3種類を備え、熱機関の
運転が禁止されている場合には、燃料電池の運転を優先
する。従って、かかる状況下では、燃料電池、蓄電手段
の順に補機駆動に供されることになる。既に述べた通
り、熱機関は原則的に運転が禁止されているに過ぎない
から、例えば蓄電手段が使用不能になった場合などの条
件下で熱機関を運転するものとしてもよい。なお、熱機
関としては種々のエンジン、蓄電手段としては二次電池
やキャパシタなどを適用することができる。また、こう
した具体的な優先順位は、先に示した第1の駆動装置に
も適用可能である。
【0020】本発明の補機駆動装置において、前記選択
手段は、前記移動エネルギ出力源のうち燃料電池を除く
一部のものについて運転可否を指定する選択手段であ
り、前記エネルギ出力源制御手段は、前記選択手段の操
作状態が前記少なくとも一部のエネルギ出力源の運転を
許可する状態にある条件下では前記燃料電池以外のエネ
ルギ出力源の少なくとも一部を前記燃料電池よりも優先
して補機の駆動に供する手段であるものとすることがで
きる。
【0021】先に上記選択手段に対応したエネルギ出力
源の運転が禁止されている場合について説明した。逆
に、このエネルギ出力源の運転が許可されている状態に
ある場合には、車両を移動するためのエネルギの出力が
要求されている可能性が高い状態に相当する。上記構成
の補機駆動装置によれば、かかる状況下で、燃料電池を
使用する優先順位を下げることにより、燃料電池の使用
を抑制することができ、車両の運転効率、環境性を向上
することができる。なお、上記構成の補機駆動装置は、
燃料電池の優先順位を下げるものの、車両に搭載された
複数のエネルギ出力源の中で優先順位を最も低くしたも
のには限られない。
【0022】このように燃料電池の優先順位を下げて使
用する補機駆動装置においては、前記エネルギ出力源
は、燃料電池、熱機関、蓄電手段であり、前記選択手段
は前記熱機関の運転可否を指定する選択手段であり、前
記エネルギ出力源制御手段は、前記条件下では前記熱機
関、燃料電池、蓄電手段の優先順位で補機の駆動に供す
る手段であるものとすることができる。
【0023】燃料電池、熱機関、蓄電手段の3種類をエ
ネルギ出力源として備える車両においては、熱機関が車
両の移動中に主として使用されることが多い。従って、
移動のための出力が要求される状況下では、熱機関を優
先的に使用して補機を駆動することによりFC燃料の消
費および蓄電手段の電力低減を抑制することができる。
また、蓄電手段よりも燃料電池を優先することにより熱
機関を補機の駆動に使用しない場合における効率および
環境性を向上することができる。なお、上記構成におい
ては、熱機関、蓄電手段、燃料電池の優先順位を取るこ
とも可能である。また、こうした具体的な優先順位は、
先に示した第1の駆動装置にも適用可能である。
【0024】また、本発明は第1の補機駆動装置と主要
部を同一にする発明として、次の態様で構成することも
できる。本発明の第3の補機駆動装置は、車両に搭載さ
れた補機の駆動用に燃料電池を含む2種類以上のエネル
ギ出力源を備える補機駆動装置であって、前記補機は前
記車両の空調装置を含み、前記エネルギ出力源を前記空
調装置の駆動に使用する際の優先順位を、該車両の運転
者が指示するための優先順位入力手段と、少なくとも前
記空調装置については、該優先順位に従って前記エネル
ギ出力源を制御して前記補機を駆動する補機駆動制御手
段とを備えることを要旨とする。空調装置には、冷房お
よび暖房の双方が含まれる。
【0025】かかる補機駆動装置によれば、空調装置を
駆動する際に使用するエネルギ出力源を、各エネルギ出
力源の状態や車両が置かれている環境を考慮して、柔軟
に使い分けることができる。例えば、停車中など静粛性
が求められる場合には、燃料電池の優先度を高くするこ
とにより、静粛性を破ることなく空調装置を駆動するこ
とができる。暖房を行う場合には、燃料電池の熱を利用
することにより空調効率を向上することができる利点も
ある。この場合、燃料電池で得られた電力は空調以外の
用途に使用可能であるから、エネルギを無駄なく使用す
ることができる。燃料電池はエネルギの出力効率が高い
エネルギ出力源として知られているから、冷房を行う場
合の効率も向上することができる。燃料電池を優先すれ
ば、空調装置を駆動する際の環境性も向上することがで
きる。一方、燃料電池用のFC燃料が残り少ない場合に
は、その優先順位を低くすることにより、FC燃料の無
駄な消費を避けることもできる。このように優先順位を
任意に設定可能とすることにより、空調の快適性を確保
しつつ、エネルギ出力源を柔軟に使い分けることができ
る。
【0026】第3の補機駆動装置において、前記優先順
位入力手段は、予め設定された複数の運転モードから任
意の運転モードを選択することに前記優先順位を指示す
る手段であり、該運転モードには、少なくとも前記燃料
電池の優先度が最も高くなる運転モードが含まれている
ものとすることができる。
【0027】こうすれば、予め設定された運転モードか
ら選択することにより、容易に優先順位を指定すること
ができる。また、燃料電池を最優先する運転モードを含
めておけば、静粛性、環境性、空調時の効率面で非常に
有用性が高い。
【0028】上述の運転モードを備える補機駆動装置で
は、前記エネルギ出力源には、少なくとも燃料電池と熱
機関とが含まれ、前記補機駆動制御手段は、前記燃料電
池の優先度が最も高くなる運転モードが選択されている
場合には、該燃料電池の運転が不能となった後において
も前記熱機関の運転を禁止する条件下で、前記エネルギ
出力源の駆動を制御する手段であるものとすることもで
きる。
【0029】燃料電池の優先使用が要求される時は、静
粛性、環境性が求められる場合が多い。従って、かかる
運転モードでは、熱機関の運転を禁止するものとしてお
けば、空調の快適性を犠牲にすることがあるものの、空
調時の静粛性、環境性を確保することができる。運転者
が、熱機関による空調装置の駆動を望む場合には、改め
て熱機関を優先した運転モードを指定すれば済むため、
不快な状態を運転者に必要以上に強いることもない。こ
のように上述の制御によれば、静粛性、環境性が燃料電
池よりも劣る熱機関が急に運転を開始することを回避で
きる。
【0030】本発明は、上述した補機駆動装置と主要部
を同一にする種々の構成を取ることができ、例えば、以
下に示す車両として構成することができる。即ち、本発
明の車両は、車両の移動および補機の駆動のために、燃
料電池を含む2種類以上のエネルギ出力源を備える車両
であって、前記エネルギ出力源のうち前記車両の移動に
供されるエネルギをも出力する移動エネルギ出力源であ
り、前記移動エネルギ出力源の少なくとも一部の運転可
否を指定する選択手段と、該選択手段の操作状態に応じ
て予め設定された優先順位で、それぞれのエネルギ出力
源を補機の駆動に供する状態で運転する補機駆動制御手
段とを備える車両である。かかる車両によれば、先に補
機駆動装置で説明したのと同様の作用により、エネルギ
出力源の適切な使い分けを実現することができる。もち
ろん、車両として構成する場合も補機駆動装置で説明し
た種々の付加的要素をも考慮することができる。
【0031】本発明は、車両に搭載された補機の駆動用
に燃料電池を含む2種類以上のエネルギ出力源を備える
補機駆動装置であって、前記補機は前記車両の空調装置
を含み、前記エネルギ出力源を制御して前記空調装置を
駆動する前記補機駆動制御手段と、車内に外気を導入す
る開口部を開閉する開閉手段と、前記エネルギ出力源の
全てが前記冷房装置に要するエネルギを出力不能な状態
にあるか否かを検出する手段と、該出力不能な状態が検
出された場合には、前記開口部の開口状態を制御する開
閉制御手段とを備える車両として構成することもでき
る。
【0032】かかる車両は、具体的な態様の一つとして
空調装置に本発明を適用した場合に相当する。上記構成
によれば、既に説明した通り、車両の移動に供されるエ
ネルギ出力源を考慮しつつエネルギ出力源を適切に使い
分けて空調装置を駆動することができる。また、上記構
成によれば、全てのエネルギ出力源が空調装置の駆動に
供することができなくなった場合には、開口部を開くこ
とにより、車両の温度上昇を抑制することができる。な
お、ここで空調装置とは冷房装置およびファンなど暖房
装置以外の装置を意味する。
【0033】開口部の開閉はいずれか適用可能なエネル
ギ出力源を用いて行う。この際のエネルギ出力源は先に
説明した優先順位に関わらず選択することができる。一
般には冷房装置の駆動に要するエネルギ量よりも開口部
の開閉に要するエネルギは低いため、空調装置を駆動不
能になった場合でも開口部の開閉は可能である。開口部
としては、例えば、車両の窓が挙げられる。また、上記
制御に適用する外気導入口を設けるものとしてもよい。
当然、上記制御においては空調装置を駆動不能になった
直後に開口部を開閉するものとしてもよいし、空調装置
を駆動不能になった後、車内の温度が所定以上に上昇し
た場合に開口部を開閉するものとしてもよい。
【0034】また、本発明は、以下に示すエネルギ出力
源の制御方法として構成することもできる。即ち、本発
明の制御方法は、車両に搭載された燃料電池を含む2種
類以上のエネルギ出力源の運転状態を制御する制御方法
であって、(a) 前記車両の移動に供するエネルギ
と、前記車両に搭載された補機の駆動に供するエネルギ
の双方の出力に適用されるエネルギ出力源の少なくとも
一部の運転可否を指定する選択手段の操作状態を検出す
る工程と、(b) 前記車両に搭載された補機の駆動に
供するエネルギの出力に適用されるエネルギ出力源につ
いて、該補機の駆動に供するエネルギを出力するように
該選択手段の操作状態に応じて予め設定された優先順位
で各エネルギ出力源を運転する工程とを備える制御方法
である。
【0035】かかる制御方法によれば、先に補機駆動装
置で説明したのと同様の作用により、補機を駆動する際
の効率および環境性を向上することができる。なお、上
記構成は、補機駆動装置にエネルギを出力するエネルギ
出力源の制御方法として示したが、補機駆動装置自体の
制御方法として構成することもできることはいうまでも
ない。また、上記制御方法においても、先に補機駆動装
置で示した種々の付加的要素を考慮することができるこ
とも当然である。
【0036】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を、ハ
イブリッド車両に適用した場合の実施例に基づいて説明
する。 (1)装置の構成:図1は実施例としてのハイブリッド
車両の概略構成図である。本実施例のハイブリッド車両
の動力源は、エンジン10とモータ20である。図示す
る通り、本実施例のハイブリッド車両の動力系統は、上
流側からエンジン10、入力クラッチ18、モータ2
0、トルクコンバータ30、および変速機100を直列
に結合した構成を有している。即ち、エンジン10のク
ランクシャフト12は、入力クラッチ18を介してモー
タ20に結合されている。入力クラッチ18をオン・オ
フすることにより、エンジン10からの動力の伝達を断
続することができる。モータ20の回転軸13は、ま
た、トルクコンバータ30にも結合されている。トルク
コンバータの出力軸14は変速機100に結合されてい
る。変速機100の出力軸15はディファレンシャルギ
ヤ16を介して車軸17に結合されている。以下、それ
ぞれの構成要素について順に説明する。
【0037】エンジン10は通常のガソリンエンジンで
ある。但し、エンジン10は、ガソリンと空気の混合気
をシリンダに吸い込むための吸気バルブ、および燃焼後
の排気をシリンダから排出するための排気バルブの開閉
タイミングを、ピストンの上下運動に対して相対的に調
整可能な機構を有している(以下、この機構をVVT機
構と呼ぶ)。VVT機構の構成については、周知である
ため、ここでは詳細な説明を省略する。エンジン10
は、ピストンの上下運動に対して各バルブが遅れて閉じ
るように開閉タイミングを調整することにより、いわゆ
るポンピングロスを低減することができる。この結果、
エンジン10をモータリングする際にモータ20から出
力すべきトルクを低減させることもできる。ガソリンを
燃焼して動力を出力する際には、VVT機構は、エンジ
ン10の回転数に応じて最も燃焼効率の良いタイミング
で各バルブが開閉するように制御される。
【0038】モータ20は、三相の同期モータであり、
外周面に複数個の永久磁石を有するロータ22と、回転
磁界を形成するための三相コイルが巻回されたステータ
24とを備える。モータ20はロータ22に備えられた
永久磁石による磁界とステータ24の三相コイルによっ
て形成される磁界との相互作用により回転駆動する。ま
た、ロータ22が外力によって回転させられる場合に
は、これらの磁界の相互作用により三相コイルの両端に
起電力を生じさせる。なお、モータ20には、ロータ2
2とステータ24との間の磁束密度が円周方向に正弦分
布する正弦波着磁モータを適用することも可能である
が、本実施例では、比較的大きなトルクを出力可能な非
正弦波着磁モータを適用した。
【0039】モータ20の電源としては、バッテリ50
と燃料電池システム60とが備えられている。但し、主
電源は燃料電池システム60である。バッテリ50は燃
料電池システム60が故障した場合や十分な電力を出力
することができない過渡的な運転状態にある場合など
に、これを補完するようモータ20に電力を供給する電
源として使用される。バッテリ50の電力は、主として
ハイブリッド車両の制御を行う制御ユニット70や、照
明装置などの電力機器に主として供給される。
【0040】モータ20と各電源との間には、接続状態
を切り替えるための切替スイッチ84が設けられてい
る。切替スイッチ84は、バッテリ50,燃料電池シス
テム60,モータ20の3者間の接続状態を任意に切り
替えることができる。ステータ24は切替スイッチ84
および駆動回路51を介してバッテリ50に電気的に接
続される。また、切替スイッチ84および駆動回路52
を介して燃料電池システム60に接続される。駆動回路
51,52は、それぞれトランジスタインバータで構成
されており、モータ20の三相それぞれに対して、ソー
ス側とシンク側の2つを一組としてトランジスタが複数
備えられている。これらの駆動回路51,52は、制御
ユニット70と電気的に接続されている。制御ユニット
70が駆動回路51,52の各トランジスタのオン・オ
フの時間をPWM制御するとバッテリ50および燃料電
池システム60を電源とする擬似三相交流がステータ2
4の三相コイルに流れ、回転磁界が形成される。モータ
20は、かかる回転磁界の作用によって、先に説明した
通り電動機または発電機として機能する。
【0041】図2は燃料電池システムの概略構成を示す
説明図である。燃料電池システム60は、メタノールを
貯蔵するメタノールタンク61、水を貯蔵する水タンク
62、燃焼ガスを発生するバーナ63、空気の圧縮を行
なう圧縮機64、バーナ63と圧縮機64とを併設した
蒸発器65、改質反応により燃料ガスを生成する改質器
66、燃料ガス中の一酸化炭素(CO)濃度を低減する
CO低減部67、電気化学反応により起電力を得る燃料
電池60Aを主な構成要素とする。これらの各部の動作
は、制御ユニット70により制御される。
【0042】燃料電池60Aは、固体高分子電解質型の
燃料電池であり、電解質膜、カソード、アノード、およ
びセパレータとから構成されるセルを複数積層して構成
されている。電解質膜は、例えばフッ素系樹脂などの固
体高分子材料で形成されたプロトン伝導性のイオン交換
膜である。カソードおよびアノードは、共に炭素繊維を
織成したカーボンクロスにより形成されている。セパレ
ータは、カーボンを圧縮してガス不透過とした緻密質カ
ーボンなどガス不透過の導電性部材により形成されてい
る。カソードおよびアノードとの間に燃料ガスおよび酸
化ガスの流路を形成する。
【0043】燃料電池システム60の各構成要素は次の
通り接続されている。メタノールタンク61は配管で蒸
発器65に接続されている。配管の途中に設けられたポ
ンプP2は、流量を調整しつつ、原燃料であるメタノー
ルを蒸発器65に供給する。水タンク62も同様に配管
で蒸発器65に接続されている。配管の途中に設けられ
たポンプP3は、流量を調整しつつ、水を蒸発器65に
供給する。メタノールの配管と、水の配管とは、それぞ
れポンプP2,P3の下流側で一つの配管に合流し、蒸
発器65に接続される。
【0044】蒸発器65は、供給されたメタノールと水
とを気化させる。蒸発器65には、バーナ63と圧縮機
64とが併設されている。蒸発器65は、バーナ63か
ら供給される燃焼ガスによってメタノールと水とを沸
騰、気化させる。バーナ63の燃料は、メタノールであ
る。メタノールタンク61は、蒸発器65に加えてバー
ナ63にも配管で接続されている。メタノールは、この
配管の途中に設けられたポンプP1により、バーナ63
に供給される。バーナ63には、また、燃料電池60A
での電気化学反応で消費されずに残った燃料排ガスも供
給される。バーナ63は、メタノールと燃料排ガスのう
ち、後者を主として燃焼させる。バーナ63の燃焼温度
はセンサT1の出力に基づいて制御されており、約80
0℃から1000℃に保たれる。バーナ63の燃焼ガス
は、蒸発器65に移送される際にタービンを回転させ、
圧縮機64を駆動する。圧縮機64は、燃料電池システ
ム60の外部から空気を取り込んでこれを圧縮し、この
圧縮空気を燃料電池60Aの陽極側に供給する。
【0045】蒸発器65と改質器66とは配管で接続さ
れている。蒸発器65で得られた原燃料ガス、即ちメタ
ノールと水蒸気の混合ガスは、改質器66に搬送され
る。改質器66は、供給されたメタノールと水とからな
る原燃料ガスを改質して水素リッチな燃料ガスを生成す
る。なお、蒸発器65から改質器66への搬送配管の途
中には、温度センサT2が設けられており、この温度が
通常約250℃の所定値になるようにバーナ63に供給
するメタノール量が制御される。なお、改質器66にお
ける改質反応では酸素が関与する。この改質反応に必要
な酸素を供給するために、改質器66には外部から空気
を供給するためのブロワ68が併設されている。
【0046】改質器66とCO低減部67とは配管で接
続されている。改質器66で得られた水素リッチな燃料
ガスは、CO低減部67に供給される。改質器66での
反応課程において、通常は燃料ガスに一酸化炭素(C
O)が一定量含まれる。CO低減部67は、この燃料ガ
ス中の一酸化炭素濃度を低減させる。固体高分子型の燃
料電池では、燃料ガス中に含まれる一酸化炭素が、アノ
ードにおける反応を阻害して燃料電池の性能を低下させ
てしまうからである。CO低減部67は、燃料ガス中の
一酸化炭素を二酸化炭素へと酸化することにより、一酸
化炭素濃度を低減させる。
【0047】CO低減部67と燃料電池60Aのアノー
ドとは配管で接続されている。一酸化炭素濃度が下げら
れた燃料ガスは、燃料電池60Aの陰極側における電池
反応に供される。また、先に説明した通り、燃料電池6
0Aのカソード側には圧縮された空気を送り込むための
配管が接続されている。この空気は、酸化ガスとして燃
料電池60Aの陽極側における電池反応に供される。
【0048】以上の構成を有する燃料電池システム60
は、メタノールと水を用いた化学反応によって電力を供
給することができる。本実施例では、メタノールタンク
61,水タンク62内のメタノールおよび水の残量に応
じて、燃料電池の運転状態を制御する。かかる制御を実
現するため、それぞれのタンクには、容量センサ61
a、62aが設けられている。なお、本実施例では、メ
タノールおよび水を用いる燃料電池システム60を搭載
しているが、燃料電池システム60は、これに限定され
ず、ガソリン・天然ガス改質や、純水素を用いるもの
等、種々の構成を適用することができる。
【0049】なお、以下の説明では燃料電池システム6
0をまとめて燃料電池60と称するものとする。また、
燃料電池での発電に使用されるメタノールおよび水を総
称してFC燃料と呼ぶものとする。両者の容量は常に同
一とは限らない。以下の説明においてFC燃料量という
ときは、燃料電池での発電に制約を与える側の容量を意
味するものとする。つまり、メタノールおよび水のう
ち、発電を継続した場合に先に不足する側の容量を意味
するものとする。
【0050】トルクコンバータ30は、流体を利用した
周知の動力伝達機構である。トルクコンバータ30の入
力軸、即ちモータ20の出力軸13と、トルクコンバー
タ30の出力軸14とは機械的に結合されてはおらず、
互いに滑りをもった状態で回転可能である。また、トル
クコンバータ30には、両回転軸の滑りが生じないよ
う、所定の条件下で両者を結合するロックアップクラッ
チも設けられている。ロックアップクラッチのオン・オ
フは制御ユニット70により制御される。
【0051】変速機100は、内部に複数のギヤ、クラ
ッチ、ワンウェイクラッチ、ブレーキ等を備え、変速比
を切り替えることによってトルクコンバータ30の出力
軸14のトルクおよび回転数を変換して出力軸15に伝
達可能な機構である。本実施例では前進5段、後進1段
の変速段を実現可能な変速機を適用した。変速機100
の変速段は、制御ユニット70が車速等に応じて設定す
る。運転者は、車内に備えられたシフトレバーを手動で
操作し、シフトポジションを選択することによって、使
用される変速段の範囲を変更することが可能である。
【0052】本実施例のハイブリッド車両では、エンジ
ン10などのエネルギ出力源から出力される動力は、補
機の駆動にも用いられる。図1に示す通り、エンジン1
0には補機駆動装置82が結合されている。図3は補機
を駆動するための動力系統の構成を示す説明図である。
エンジン10などの動力を利用して駆動されるものが補
機駆動装置82に含まれる。車両には種々の補機が搭載
されているが、ここではエアコンのコンプレッサ82a
やパワーステアリング用の油圧ポンプ82bを例示し
た。補機駆動装置82は、具体的にはエンジン10のク
ランクシャフトに補機クラッチ19を介して設けられた
プーリにベルトを介して結合されており、クランクシャ
フトの回転動力によって駆動される。エアコン用のコン
プレッサ82aは車両の運転席に設けられた冷房スイッ
チ85がオンになっている場合に運転される。図示する
通り、制御ユニット70が冷房スイッチ85のオン・オ
フを検出し、その結果に応じてコンプレッサ82aの運
転を制御するのである。
【0053】補機駆動装置82には、また、補機駆動用
モータ80も結合されている。補機駆動用モータ80
は、切替スイッチ83を介して燃料電池60およびバッ
テリ50に接続されている。補機駆動用モータ80は、
モータ20と同様の構成を有しており、エンジン10の
動力によって運転され、発電を行うことができる。補機
駆動用モータ80で発電された電力はバッテリ50に充
電することができる。また、補機駆動用モータ80は、
バッテリ50および燃料電池60から電力の供給を受け
て力行することもできる。本実施例のハイブリッド車両
は、後述する通り、所定の条件下では、エンジン10の
運転が停止される。補機駆動用モータ80を力行すれ
ば、エンジン10が停止している時でも補機駆動装置8
2を駆動することができる。もちろん、エンジン10が
停止している場合に、入力クラッチ18をオフにして、
モータ20の動力で補機駆動装置82を駆動するものと
してもよい。補機駆動用モータ80で補機を駆動する際
には、負担を軽減するために、エンジン10と補機駆動
装置82との間の補機クラッチ19を解放する。
【0054】図3には併せて窓を開閉するためのウィン
ドモータ90を示した。ウィンドモータ90は窓91を
開閉するための直流モータであり、バッテリ50を電源
として駆動する。その動作は制御ユニット70により制
御される。なお、本明細書では、エンジン10の動力を
も利用可能な器機を補機と呼ぶ。ウィンドモータ90は
直接的にはエンジン10の動力を利用不能であるため、
厳密には補機に含まない。図3に併せて変速機100の
油圧を発生させるAT電動オイルポンプ102を示し
た。このポンプ102もバッテリ50により駆動され、
エンジン10の動力を利用不能である点でウィンドモー
タ90と共通する。
【0055】本実施例のハイブリッド車両には、図1に
示す通りイグニッションスイッチ88が設けられてい
る。イグニッションスイッチ88はオフ、オン、アクセ
サリの3段階の位置に操作することができる。イグニッ
ションスイッチ88がオフになっているときは、エネル
ギ出力源、即ちエンジン10、燃料電池60、バッテリ
50からはエネルギが出力されず、補機を含め図1〜3
で示した各要素は作動しない状態となる。イグニッショ
ンスイッチ88をオンにすると、エネルギ出力源の運転
が行われる。但し、ハイブリッド車両では、後述する通
り、必ずしもエンジン10の始動が必要とは限らないた
め、イグニッションスイッチ88をオンにすることはエ
ンジン10および燃料電池60の運転が許可された状態
に相当する。イグニッションスイッチ88をオフにアク
セサリにすると、エンジン10の運転が禁止される。但
し、電源、即ち燃料電池60とバッテリ50の使用は可
能である。
【0056】本実施例のハイブリッド車両では、エンジ
ン10、モータ20、トルクコンバータ30、変速機1
00、補機駆動用モータ80等の運転を制御ユニット7
0が制御している(図1参照)。制御ユニット70は、
内部にCPU、RAM,ROM等を備えるワンチップ・
マイクロコンピュータであり、ROMに記録されたプロ
グラムに従い、CPUが後述する種々の制御処理を行
う。制御ユニット70には、かかる制御を実現するため
に種々の入出力信号が接続されている。図4は制御ユニ
ット70に対する入出力信号の結線を示す説明図であ
る。図中の左側に制御ユニット70に入力される信号を
示し、右側に制御ユニット70から出力される信号を示
す。
【0057】制御ユニット70に入力される信号は、種
々のスイッチおよびセンサからの信号である。かかる信
号には、例えば、ガソリン残量、FC燃料残量、燃料電
池温度、エンジン10の回転数、エンジン10の水温、
イグニッションスイッチ、バッテリ残容量SOC、バッ
テリ温度、車速、トルクコンバータ30の油温、シフト
ポジション、サイドブレーキのオン・オフ、フットブレ
ーキの踏み込み量、エンジン10の排気を浄化する触媒
の温度、アクセル開度、冷房スイッチ85のオン・オ
フ、車内温度などがある。制御ユニット70には、その
他にも多くの信号が入力されているが、ここでは図示を
省略した。
【0058】制御ユニット70から出力される信号は、
エンジン10,モータ20,トルクコバータ30,変速
機100等を制御するための信号である。かかる信号に
は、例えば、エンジン10の点火時期を制御する点火信
号、燃料噴射を制御する燃料噴射信号、補機駆動用モー
タ80の運転を制御する補機駆動用モータ制御信号、モ
ータ20の運転を制御するモータ制御信号、変速機10
0の変速段を切り替える変速機制御信号、入力クラッチ
18及び補機クラッチ19の制御信号、エアコンコンプ
レッサや油圧ポンプの制御信号などの補機を制御する信
号、ウィンドモータ90の制御信号、モータ20の電源
の切替スイッチ84の制御信号、補機駆動用モータ80
の電源の切替スイッチ83の制御信号、燃料電池システ
ム60の制御信号などがある。制御ユニット70から
は、その他にも多くの信号が出力されているが、ここで
は図示を省略した。
【0059】(2)一般的動作:次に、本実施例のハイ
ブリッド車両の一般的動作について説明する。先に図1
で説明した通り、本実施例のハイブリッド車両は動力源
としてエンジン10とモータ20とを備える。制御ユニ
ット70は、車両の走行状態、即ち車速およびトルクに
応じて両者を使い分けて走行する。両者の使い分けは予
めマップとして設定され、制御ユニット70内のROM
に記憶されている。
【0060】図5は車両の走行状態と動力源との関係を
示す説明図である。図中の領域MGはモータ20を動力
源として走行する領域である。領域MGの外側の領域
は、エンジン10を動力源として走行する領域である。
以下、前者をEV走行と呼び、後者をエンジン走行と呼
ぶものとする。図1の構成によれば、エンジン10とモ
ータ20の双方を動力源として走行することも可能では
あるが、本実施例では、かかる走行領域は設けていな
い。
【0061】図示する通り、本実施例のハイブリッド車
両は、イグニッションスイッチ88がオンの状態で走行
を開始すると、まずEV走行で発進する。かかる領域で
は、入力クラッチ18をオフにして走行する。EV走行
により発進した車両が図5のマップにおける領域MGと
領域EGの境界近傍の走行状態に達した時点で、制御ユ
ニット70は、入力クラッチ18をオンにするととも
に、エンジン10を始動する。入力クラッチ18をオン
にすると、エンジン10はモータ20により回転させら
れる。制御ユニット70は、エンジン10の回転数が所
定値まで増加したタイミングで燃料を噴射し点火する。
こうしてエンジン10が始動して以後、領域EG内では
エンジン10のみを動力源として走行する。かかる領域
での走行が開始されると、制御ユニット70は駆動回路
51,52のトランジスタを全てシャットダウンする。
この結果、モータ20は単に空回りした状態となる。
【0062】制御ユニット70は、このように車両の走
行状態に応じて動力源を切り替える制御を行うととも
に、変速機100の変速段を切り替える処理も行う。変
速段の切り替えは動力源の切り替えと同様、車両の走行
状態に予め設定されたマップに基づいてなされる。マッ
プは、シフトポジションによっても相違する。図5には
Dポジション、4ポジション、3ポジションに相当する
マップを示した。このマップに示す通り、制御ユニット
70は、車速が増すにつれて変速比が小さくなるように
変速段の切り替えを実行する。
【0063】(3)空調制御処理:本実施例のハイブリ
ッド車両は、走行中および停車中に図3で示した種々の
補機等を駆動する。これらの制御は制御ユニット70が
所定の制御処理ルーチンを実行することにより行ってい
る。以下、補機駆動制御処理の一例として本実施例の冷
房制御について説明する。
【0064】図6は冷房制御処理ルーチンのフローチャ
ートである。車両が作動状態にある場合、換言すればイ
グニッションスイッチ88がオンまたはアクセサリの状
態にある場合に実行される処理である。イグニッション
スイッチ88がオフの状態にある場合には車両全体の作
動が停止しているため、冷房制御処理も実行されない。
この処理が開始されると、CPUは種々のセンサおよび
スイッチの信号を入力する(ステップS10)。ここで
は、図4で示した種々のセンサからの入力がなされる
が、特に、イグニッションスイッチ88、冷房スイッチ
85、車内温度、バッテリ残容量SOC、燃料電池用の
残燃料量FCLなどが以後の処理に関与する。
【0065】次に、CPUは冷房スイッチ85がオンで
あるか否かを判定する(ステップS20)。冷房スイッ
チ85がオンでない場合には、冷房制御処理を実行する
必要性がないため、何も処理を行うことなく、この制御
処理ルーチンを終了する。
【0066】冷房スイッチ85がオンである場合には、
次にイグニッションスイッチ88がオンであるか否かを
判定する(ステップS30)。イグニッションスイッチ
88がオンでない場合、即ちアクセサリの状態にある場
合には、エンジン10の運転が禁止されている状態に相
当する。駐車中に冷房したい場合などに相当する。イグ
ニッションスイッチ88がオンである場合にはエンジン
10の運転が許可された状態に相当する。前者の処理に
ついて説明した後、後者の処理について説明する。
【0067】イグニッションスイッチ88がオンでない
場合、エンジン10の運転が許可されていないため、C
PUは燃料電池60、バッテリ50の優先順位で電源を
使い分けてコンプレッサ82aを駆動する処理を行う。
かかる処理を実現するため、CPUはFC燃料の残量F
CLが所定の値FL以上であるか否かを判定する(ステ
ップS40)。燃料電池60によるエアコンのコンプレ
ッサ82aの駆動可否を判定するのである。FC燃料が
所定の値FL以上である場合には、燃料電池60の発電
能力に余裕があると判定し、燃料電池60を電源として
コンプレッサ82aを駆動する処理を行う(ステップS
50)。
【0068】このように上述の所定の値FLは、燃料電
池60によるコンプレッサ82aの駆動可否の判断基準
となる値であり、任意の値に設定可能である。FLを値
0に設定すれば、FC燃料を完全に消費するまで燃料電
池60を利用することになる。一般に冷房は車内の温度
を快適に保つために運転者が任意に操作するものである
ため、エネルギの使途としては車両の走行よりも重要性
が低い。本実施例では、かかる観点から値FLは所定の
正値とし、FC燃料に十分余裕がある場合にのみコンプ
レッサ82aの駆動に燃料電池60が使われるよう設定
した。
【0069】ステップS40において、FC燃料が所定
の値FLに満たない場合には、燃料電池60でのコンプ
レッサ82aの駆動を回避し、バッテリ50による駆動
可否の判断に移行する。CPUはバッテリ50の残容量
SOCが所定の値LO以上であるか否かを判定する(ス
テップS60)。残容量SOCがLO以上である場合に
は、バッテリ50の電力に余裕があると判断し、CPU
はバッテリ50を電源としてコンプレッサ82aを駆動
する(ステップS70)。残容量SOCが値LOに満た
ない場合には、バッテリ50の電力に余裕がないものと
判断する。この処理は、イグニッションスイッチ88が
オンでない状態で行われているため、エンジン10の運
転は原則として禁止されているため、CPUはコンプレ
ッサ82aの運転停止、即ち冷房の停止を行う(ステッ
プS80)。
【0070】上述の値LOはバッテリ50によるコンプ
レッサ82aの運転の可否判断の基準となる値であり、
任意に設定可能である。本実施例では燃料電池60で適
用された基準値FLと同様の観点から、所定の正値に設
定した。なお、上記処理においてバッテリ50の残容量
SOCが所定値LOに満たない場合に直ちに冷房を停止
するのではなく、運転者にエンジン10の運転の可否を
求めるものとしてもよい。この上で、運転者がイグニッ
ションスイッチ88を操作等してエンジン10の運転を
許可すれば、エンジン10を運転してコンプレッサ82
aを駆動することができる。
【0071】CPUはステップS80において冷房を停
止した後、車内の室温が所定の値Thi以上であるか否
かを判定する(ステップS90)。温度Thiは車両の
乗員が不快に感じ始める程度の温度であり、以下の基準
等に基づいて予め設定されている。温度Thiは、例え
ば、予め所定の一定値に設定しておくものとしてもよい
し、冷房の設定温度に対する相対的な値で設定するもの
としてもよいし、外気温との偏差で設定するものとして
もよい。その他種々の設定方法を適用することができ
る。
【0072】室温が温度Thi以上である場合には、乗
員が不快に感じると判断されるため、CPUはウィンド
モータ90を制御して窓を解放する処理を行う(ステッ
プS100)。併せて、運転者に対し、燃料電池60お
よびバッテリ50の出力低下を報知する(ステップS1
00)。報知は種々の方法により行うことができるが、
車外から認知可能な方法を採ることが望ましい。ステッ
プS100は停車中に行われる処理であるため、運転者
が車外にいる可能性もあるからである。かかる報知手段
としては例えば、クラクションを鳴らしたり、ライトを
点灯するなどの手段が考えられる。
【0073】なお、窓を開放する処理は、必ずしも行う
必要はなく、省略するものとしてもよい。また、冷房を
停止した場合には、室内温度に関わらず窓を解放するも
のとしてもよい。
【0074】ステップS30においてイグニッションス
イッチ88がオンと判定された場合の処理について説明
する。この場合は、エンジン10の運転が許可されてい
るため、エンジン10、燃料電池60、バッテリ50の
優先順位でエネルギ出力源を使い分け、コンプレッサ8
2aを駆動する処理を実行する。かかる処理を実現する
ため、CPUはまずエンジン10が運転中であるか否か
を判定する(ステップS110)。エンジン10が運転
中である場合には、その動力でコンプレッサ82aを駆
動すればよいため、それ以上の処理を行うことなく冷房
制御処理を終了する。
【0075】エンジン10が運転中でない場合には、F
C燃料の残容量FCLが所定の値FL以上であるか否か
を判定する(ステップS120)。燃料電池60による
エアコンのコンプレッサ82aの駆動可否を判定するの
である。FC燃料が所定の値FL以上である場合には、
燃料電池60の発電能力に余裕があると判定し、燃料電
池60を電源としてコンプレッサ82aを駆動する処理
を行う(ステップS130)。所定の値FLはステップ
S40と同じ値を用いた。もちろん、異なる値を用いる
ことも可能である。
【0076】FC燃料が所定の値FLに満たない場合に
は、燃料電池60でのコンプレッサ82aの駆動を回避
し、バッテリ50による駆動可否の判断に移行する。C
PUはバッテリ50の残容量SOCが所定の値LO以上
であるか否かを判定する(ステップS140)。残容量
SOCがLO以上である場合には、バッテリ50の電力
に余裕があると判断し、CPUはバッテリ50を電源と
してコンプレッサ82aを駆動する(ステップS15
0)。判断基準となる値LOはステップS60と同じ値
を用いた。もちろん、異なる値を用いることも可能であ
る。
【0077】バッテリ50の残容量SOCが所定の値L
Oに満たない場合は、エンジン10を始動する(ステッ
プS160)。イグニッションスイッチ88がオンにな
っている場合には、エンジン10の運転が許可されてい
るため、エンジン10の動力でコンプレッサ82aを駆
動するのである。イグニッションスイッチ88がオンに
なっている場合、通常、車両は走行中にある。従って、
ステップS160の処理が行われるのは、車両の走行状
態が図5に示した領域MGにおいてモータ20を動力源
として走行している状態、または信号待ちなどで車両が
停車している状態にある場合である。
【0078】以上で説明したハイブリッド車両によれ
ば、イグニッションスイッチ88のオン・オフによって
エネルギ出力源をコンプレッサ82aの駆動に供する優
先順位を切り替える。イグニッションスイッチ88がオ
ンでない場合には、走行のための動力が要求されていな
い状態に相当する。上記実施例では、かかる場合に燃料
電池60を優先的に使用することにより、コンプレッサ
82aを運転する際の効率および環境性を向上すること
ができる。一方、イグニッションスイッチ88がオンの
場合には、走行のための動力が要求されている状態に相
当する。上記実施例では、かかる場合にはエンジン10
を優先して使用する。つまり、車両の走行に主として使
用されるエネルギ出力源を優先して使用する。こうする
ことにより、FC燃料の過度の消費を抑制することがで
き、燃料電池60をより有効性が高い場面で活用するこ
とができる。このようにイグニッションスイッチ88の
操作状態に応じてエネルギ出力源の優先順位を切り替え
ることにより、コンプレッサ82aの駆動時に限らず全
体として、それぞれ車両の効率および環境性を向上する
ことができる。
【0079】また、上記ハイブリッド車両によれば、イ
グニッションスイッチ88がオンでない場合において、
燃料電池60、バッテリ50を使用不能である場合に
は、窓を開放し、車内の換気が可能となる。また、これ
を外部から認知可能な方法で運転者に報知すると、運転
者は燃料電池60、バッテリ50の電力低下を容易に知
ることもできる。なお、上記実施例では、イグニッショ
ンスイッチ88の操作状態に応じて補機等の制御を行う
場合を例示したが、必ずしもスイッチ88の操作状態に
限定されるものではなく、例えばイグニッションスイッ
チ88をオン・オフするためのキーが挿入されているか
否かを検出して制御するものとしてもよい。また、イグ
ニッションスイッチ88以外に制御に関与する固有のス
イッチを設けるものとしてもよい。この場合、エンジン
など一部のエネルギ出力源の運転可否を特定するスイッ
チとしてもよいし、シフトレバーがパーキングポジショ
ンにあるか否かに応じてオン・オフするスイッチ、サイ
ドブレーキなど車両の走行可否を指定するスイッチを用
いるものとしてもよい。
【0080】以上の説明では、エアコンのコンプレッサ
82aを駆動する制御処理を例示した。本発明は、かか
る制御処理に限らず、補機を駆動する種々の制御処理に
適用することができる。例えば、上記制御処理中のコン
プレッサ82aに代えて、油圧ポンプ82bを駆動する
ものとしてもよい。
【0081】(4)第2実施例:図7は第2実施例とし
てのハイブリッド車両の概略構成を示す説明図である。
第2実施例のハイブリッド車両は、第1実施例とほぼ同
じ構成を有している。第2実施例では、FC専用スイッ
チ88Aを備える点で第1実施例と相違する。FC専用
スイッチ88Aは、押しボタン式のスイッチであり、補
機、特に空調装置を駆動する際に使用する動力源の優先
順位を指定するスイッチである。FC専用スイッチ88
Aは、車内で運転者が操作可能な任意の部位に設けるこ
とができるが、第2実施例では操作性を考慮して、シフ
トレバー横に設けた。
【0082】第2実施例におけるFC専用スイッチ88
Aの機能は、次の通りである。FC専用スイッチ88A
がオフ、即ち、押し込まれていない状態にあるときは、
エンジン10も運転した状態で空調器機が駆動される。
第2実施例では、暖房時には、燃料電池60とエンジン
10とを駆動し、その熱で暖房を行う。換言すれば、燃
料電池60とエンジン10とを同等の優先順位で使用し
て暖房を行うことになる。冷房時には、エンジン10の
みを運転して、その動力でコンプレッサを駆動する。換
言すれば、燃料電池60よりもエンジン10を優先的に
使用して暖房を行うことになる。
【0083】FC専用スイッチ88Aがオン、即ち、押
し込まれた状態にあるときは、暖房、冷房ともに燃料電
池60のみを利用して空調機器が駆動される。換言すれ
ば、燃料電池60を最優先して冷房を行うことになる。
エンジン10の運転を禁止した状態で冷房を行う態様と
言い換えることもできる。FC専用スイッチ88Aは、
このように空調機器を運転するエネルギ源を運転者が使
い分けるためのスイッチである。
【0084】図8は、第2実施例のハイブリッド車両に
おける暖房機構の概略構成を示す説明図である。エンジ
ン10および燃料電池60で発生する熱を冷媒、具体的
には冷却水で室内ヒータ300まで運搬することによ
り、室内の暖房を行う機構を適用した。エンジン10の
冷却水と燃料電池60の冷却水を個別に室内ヒータ30
0まで運搬する機構として構成することも可能ではある
が、第2実施例では、一つの系統で冷却水を運搬する機
構を適用した。こうすることにより、暖房機構の小型化
を図ることができる利点がある。なお、第1実施例でも
同様の機構が備えられている。
【0085】図8に示す通り、暖房機構は、エンジン1
0、燃料電池60、室内ヒータ300を通って冷却水を
環流させる流路303、その流路303内に冷却水を流
す動力源となるポンプ301、流量を調整するためのバ
ルブ302A、302B,302Cから構成されてい
る。流路303は、エンジン10、燃料電池60、室内
ヒータ300を環流する流路と、室内ヒータ300をバ
イパスして燃料電池60およびエンジン10との間を流
れる流路とで構成される。バルブ302A、302B,
302Cを全て閉状態とすれば、冷却水は流れない。バ
ルブ302A、302Cを開,302Bを閉とすれば、
冷却水はエンジン10から燃料電池60、室内ヒータ3
00を通って図中に矢印で示す方向に環流する。全バブ
ルを開にすれば、バイパス流路にも冷却水が流れるた
め、室内ヒータ300に流れる冷却水の量を低減させる
ことができる。
【0086】第2実施例のハイブリッド車両では、FC
専用スイッチ88Aの状態に応じて燃料電池60,エン
ジン10の運転状態を切り替えて、暖房を行う。かかる
制御について説明する。なお、この制御は、第1実施例
と同様、制御ユニット70が実行する。
【0087】図9は、暖房制御処理ルーチンのフローチ
ャートである。この処理では、まず信号を入力し(ステ
ップS200)、暖房要求がなされているか否かを判断
する(ステップS202)。信号には、暖房スイッチ、
FC専用スイッチ88Aの状態などが含まれる。その
他、制御処理に必要な種々のセンサ信号、例えば、FC
燃料の残量や値量電池60の温度状態なども併せて入力
される。
【0088】暖房要求がなされていない場合には、何ら
処理を行うことなく暖房制御処理ルーチンを終了する。
ここで、暖房要求の有無は、暖房スイッチの状態に基づ
いて判断される。暖房スイッチがオフの場合には、暖房
要求がなされていないものと判断される。運転者が希望
する目標室内温度を入力するようにして、現在の室内温
度との比較に基づき、「目標室内温度>室内温度」の場
合に暖房要求がなされているものと判断する構成を適用
することもできる。
【0089】暖房要求がなされている時には、FC専用
スイッチ88Aのオン・オフおよび燃料電池60が発電
可能な状態にあるか否かによってエネルギ源を使い分け
て暖房を行う。先に説明した通り、FC専用スイッチ8
8Aがオフである場合には(ステップS204)、燃料
電池60とエンジン10とを用いて暖房を行う。従っ
て、燃料電池60、エンジン10を予め設定された状態
で共に運転しつつ(ステップS216)、暖房機構の全
バルブ302A〜302Cを開にして(ステップS21
8)、冷却水を流す。バルブ302Bを開にしてバイパ
ス流路にも冷却水を流すのは、エンジン10および燃料
電池60の双方を運転している場合には、両者の熱によ
って冷却水が非常に高温になり、これらを全て室内ヒー
タ300に流すと、室内の温度が過度に高くなる可能性
があるからである。運転者が目標室内温度を指定可能な
構成となっている場合には、この目標室内温度に応じて
バルブ302Bの開度を制御する態様を採ることも可能
である。
【0090】ここでは、燃料電池60、エンジン10の
運転を予め設定された状態で運転する場合を例示した
が、運転者が指示した目標室内温度、車速などのパラメ
ータに応じて運転状態を制御するものとしてもよい。所
定のパラメータと燃料電池60、エンジン10の運転状
態とを対応づけるテーブルを用意しておくことにより、
かかる制御は比較的容易に実現することができる。この
ように開ループ制御する態様の他、目標室内温度となる
よう、燃料電池60、エンジン10の運転状態、および
バルブの開度をフィードバック制御する態様を採ること
も可能である。
【0091】ステップS204において、FC専用スイ
ッチ88Aがオンであると判断された場合において、燃
料電池60が発電可能な状態にある場合には(ステップ
S206)、燃料電池60を用いた暖房を行う。即ち、
燃料電池60を予め設定された状態で運転するとともに
(ステップS208)、バルブ302A,302Cを
開、バルブ302B閉に制御する(ステップS21
0)。こうすることにより、冷却水はバイパス流路を通
らずに、燃料電池60、室内ヒータ300およびエンジ
ン10を環流する。冷却水は、燃料電池60の運転時の
熱によって加熱されるため、この熱を利用して室内の暖
房を行うことができる。バルブ302Bを閉じるのは、
燃料電池60の熱を効率的に室内ヒータ300に運搬す
るためである。燃料電池60で発電された電力は暖房に
使用しない。他に電力を利用して運転すべき器機に供給
されたり、バッテリ50の充電に使用されたりする。燃
料電池60の運転制御およびバルブの開閉制御について
は、ステップS216,S218と同様、種々の態様で
の制御が考えられる。
【0092】ステップS206において、FC燃料が残
り少ない、または燃料電池60の温度が発電可能な範囲
に入っていないなどの理由により、燃料電池60は発電
不能であると判断された場合には、暖房不可の表示を行
う(ステップS212)。本実施例では、計器メータが
配列された部位、いわゆるインパネと呼ばれる部位に、
かかる表示を行うためのインジケータを設けた。FC専
用スイッチ88Aがオンとなっているので、燃料電池6
0が運転不能な場合でもエンジン10を用いた暖房は行
わない。なお、これと併せて全バルブを閉じる制御を行
う(ステップS214)。こうすることにより、低温の
冷却水が循環して、室内の温度を低下させることを少し
でも回避できる。なお、ステップS212,S214の
処理により暖房不可とされた場合でも、FC専用スイッ
チ88Aをオフにすれば、エンジン10を利用した暖房
が行われることはいうまでもない。
【0093】以上で説明した第2実施例のハイブリッド
車両によれば、FC専用スイッチ88Aにより、燃料電
池60、エンジン10を運転者の意図に沿って使い分け
て暖房を行うことができる。燃料電池60はエンジン1
0に比べて、静粛性、環境性、エネルギの出力効率が優
れているため、FC専用スイッチ88Aをオンにしてお
けば、かかる利点を活かした暖房をすることができる。
【0094】FC専用スイッチ88Aがオンとなってい
るときは、エンジン10の運転が開始されることはない
から、特に静粛性、環境性が要求される場所において、
安心して暖房をすることができる利点もある。また、こ
うした使い分けをFC専用スイッチ88Aの単純な操作
で実現することができるため、車両の利便性を向上する
ことができる。
【0095】第2実施例では、暖房時の燃料電池60、
エンジン10の使い分けを指示する機構としてFC専用
スイッチ88Aを例示した。燃料電池60、エンジン1
0の使い分けを更に柔軟に指示可能な機構を設けるもの
としてもよい。ここでは燃料電池60が発電可能な状態
にある限り、暖房に使用される場合を例示したが、燃料
電池60の運転を禁止するスイッチを設けることも可能
である。
【0096】第2実施例では、停車中における暖房制御
を例示したが、走行中に適用することも可能である。こ
の場合には、FCスイッチ88Aのオン・オフに関わら
ず走行に使用される動力源を優先的に使用して暖房を行
う態様、FCスイッチ88Aのオン・オフが走行に使用
される動力源の優先順位にも影響を与える態様のいずれ
を採るものとしてもよい。
【0097】次に、第2実施例における冷房処理につい
て説明する。図10は、冷房制御処理ルーチンのフロー
チャートである。この処理では、まず信号入力が行われ
(ステップS300)、冷房要求がなさているか否かが
判断される(ステップS302)。冷房要求の判断方法
は暖房制御処理と同様である。冷房要求がなされていな
い場合には、何ら制御を行うことなく冷房制御処理ルー
チンを終了する。
【0098】冷房要求がなされている場合には燃料電池
60が発電可能であるか否か、FC専用スイッチ88A
がのオン・オフに応じて燃料電池60、エンジン10を
使い分けて冷房用のコンプレッサを駆動する。
【0099】冷房時は、燃料電池60が発電可能な状態
にある限り、FC専用スイッチ88Aの状態に関わらず
燃料電池60の電力でコンプレッサを駆動する。即ち、
燃料電池60を所定の状態で運転し(ステップS31
6)、その電力で補機駆動用のモータ80を運転してコ
ンプレッサを回転させる。エンジン10よりも燃料電池
60を用いてコンプレッサを駆動する方が、冷房時の静
粛性、環境性、エネルギ効率を向上することができるか
らである。暖房制御と同様、FC専用スイッチ88Aの
オンとなっている場合には、燃料電池60の動力でコン
プレッサを駆動し、オフとなっている場合には、燃料電
池60とエンジン10とを用いてコンプレッサを駆動す
るものとしてもよい。なお、燃料電池60の運転制御に
ついては、暖房制御時と同様、種々の態様が考えられ
る。
【0100】ステップS304において、燃料電池60
が発電不能な状態にあると判断された場合には、FC専
用スイッチ88Aのオン・オフに応じて制御内容を切り
替える。FC専用スイッチ88Aがオンとなっている場
合には(ステップS306)、暖房制御処理と同様、エ
ンジン10の運転が禁止される。従って、燃料電池60
が運転不能な状況下では、冷房不可の表示を行い(ステ
ップS312)、コンプレッサの運転を停止する(ステ
ップS314)。冷房不可の表示は、暖房時と同様、イ
ンパネと呼ばれる部位に設けられたインジケータによっ
て行われる。暖房不可を表示するインジケータと共通と
しても構わない。
【0101】FC専用スイッチ88Aがオフである場合
には(ステップS306)、エンジン10の動力を利用
して冷房が行われる。即ち、エンジン10を所定の運転
状態で駆動するとともに(ステップS308)、その動
力でコンプレッサを駆動する(ステップS310)。エ
ンジン10の運転制御については、暖房制御処理と同
様、種々の態様を適用可能である。
【0102】以上で説明して冷房制御処理によれば、暖
房制御処理と同様、運転者の意図に沿って、燃料電池6
0とエンジ10とを柔軟に使い分けて冷房を行うことが
できる。燃料電池60が優先的に使用されるため、暖房
制御処理と同様、静粛性、環境性、エネルギ効率に優れ
た冷房を実現することが可能である。特に、FC専用ス
イッチ88Aをオンにしておけば、急にエンジン10が
始動されることを回避できるため、高い静粛性、環境性
が要求される場所において安心して冷房を行うことがで
きる利点がある。
【0103】(5)変形例:以上では図1に示した構成
のハイブリッド車両への適用を例示した。本発明はかか
る構成のみならず種々の構成の車両に適用することがで
きる。上記実施例では、車両に搭載されているエネルギ
出力源の全てが走行と補機駆動の双方に利用可能な構成
を例示した。即ち、上述の例では、エンジン10はその
動力を車軸17に伝達することができる他、補機駆動装
置82へも伝達することができる。燃料電池60および
バッテリ50の電力をモータ20に供給すれば、車両を
走行することができ、モータ80に供給すれば、補機の
駆動をすることもできる。これに対し、一部のエネルギ
出力源が補機駆動にのみ適用可能な構成を採用するもの
としてもよい。例えば、燃料電池60およびバッテリ5
0のいずれか一方をモータ20の電源から除去するもの
としてもよい。
【0104】また、本発明は必ずしもハイブリッド車両
である必要もない。つまり、図1の構成においてモータ
20を削除するものとしてもよい。かかる場合には、燃
料電池60およびバッテリ50はモータ80の電源とし
て補機の駆動に使用される。本発明は図6に示したのと
同様の制御処理により、かかる構成にも適用可能であ
る。
【0105】上述の実施例ではエンジン10の動力を車
軸17に伝達可能なハイブリッド車両、即ちパラレルハ
イブリッド車両を例示した。本発明はいわゆるシリーズ
ハイブリッド車両に適用することも可能である。図11
はシリーズハイブリッド車両の構成を示す説明図であ
る。なお、電力および動力の伝達経路を示し、切替スイ
ッチ、クラッチ等の例示は省略した。エネルギ出力源と
してエンジン10、燃料電池60,バッテリ50を備え
る点は実施例と同様である。この構成では、車軸17A
に動力を出力できるのはモータ20Aのみである。エン
ジン10は発電機Gで発電し、その電力をモータ20A
に供給することにより車両を走行することができる。モ
ータ20Aはまた燃料電池60およびバッテリ50をも
電源として力行することができる。また、エンジン10
の動力により補機駆動装置82が駆動でき、燃料電池6
0およびバッテリ50の電力でモータ80Aを駆動する
ことにより、補機駆動装置82を駆動することができ
る。かかる構成の車両においても走行に主として使用さ
れるエネルギ出力源がエンジン10であることに相違は
ないため、上述の制御処理と同様の処理によって本発明
を適用し、エネルギ出力源の使い分けを実現することが
できる。
【0106】以上で説明した種々の実施例では、バッテ
リ50を備える場合を例示した。本発明の適用に際して
は、必ずしもバッテリ50を搭載する必要はない。各実
施例からバッテリ50を省略した構成を適用するものと
してもよい。また、バッテリ50に代えてキャパシタな
ど別の蓄電手段を用いることもできる。
【0107】以上、本発明の実施の形態について説明し
たが、本発明はこうした実施の形態に何等限定されるも
のではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内におい
て、更に種々なる形態で実施し得ることは勿論である。
例えば、本実施例のハイブリッド車両ではガソリンエン
ジンを用いたが、ディーゼルエンジンその他の熱機関を
用いることができる。本実施例では、モータとして全て
三相同期モータを適用したが、誘導モータその他の交流
モータおよび直流モータを用いるものとしてもよい。本
実施例では、種々の制御処理をCPUがソフトウェアを
実行することにより実現しているが、かかる制御処理を
ハード的に実現することもできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例としてのハイブリッド車両の概略構成図
である。
【図2】燃料電池システムの概略構成を示す説明図であ
る。
【図3】補機を駆動するための動力系統の構成を示す説
明図である。
【図4】制御ユニット70に対する入出力信号の結線を
示す説明図である。
【図5】車両の走行状態と動力源との関係を示す説明図
である。
【図6】冷房制御処理ルーチンのフローチャートであ
る。
【図7】第2実施例としてのハイブリッド車両の概略構
成を示す説明図である。
【図8】第2実施例における暖房機構の概略構成を示す
説明図である。
【図9】暖房制御処理ルーチンのフローチャートであ
る。
【図10】冷房制御処理ルーチンのフローチャートであ
る。
【図11】シリーズハイブリッド車両の構成を示す説明
図である。
【符号の説明】
10…エンジン 12…クランクシャフト 13、14,15…回転軸 16…ディファレンシャルギヤ 17,17A…車軸 18…入力クラッチ 19…補機クラッチ 20,20A…モータ 22…ロータ 24…ステータ 30…トルクコンバータ 50…バッテリ 51,52…駆動回路 60…燃料電池システム 61…メタノールタンク 62…水タンク 61a,62a…容量センサ 63…バーナ 64…圧縮機 65…蒸発器 66…改質器 68…ブロワ 70…制御ユニット 80,80A…補機駆動用モータ 82…補機駆動装置 82a…コンプレッサ 82b…油圧ポンプ 83、84…切替スイッチ 85…冷房スイッチ 88…イグニッションスイッチ 88A…FC専用スイッチ 90…ウィンドモータ 90…ウィンドモータ 91…窓 100…変速機
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) H01M 8/04 H01M 8/04 Z

Claims (14)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 車両に搭載された補機の駆動用に燃料電
    池を含む2種類以上のエネルギ出力源を備える補機駆動
    装置であって、 前記エネルギ出力源の一部について出力可否を指定する
    選択手段と、 該選択手段の操作状態に応じて予め設定された優先順位
    で、それぞれのエネルギ出力源を補機の駆動に供する状
    態で運転するエネルギ出力源制御手段とを備える補機駆
    動装置。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の補機駆動装置であって、 前記エネルギ出力源制御手段は、前記選択手段が前記エ
    ネルギ出力源の出力を禁止する操作状態にある場合に
    は、前記燃料電池を優先的に運転する手段である補機駆
    動装置。
  3. 【請求項3】 請求項1記載の補機駆動装置であって、 前記エネルギ出力源のうち燃料電池を除くものの少なく
    とも一部は、前記車両の移動に供されるエネルギをも出
    力するエネルギ出力源であり、 前記選択手段が前記エネルギ出力源の出力を許可する操
    作状態にある場合には、前記燃料電池以外のエネルギ出
    力源の少なくとも一部を前記燃料電池よりも優先して運
    転する手段である補機駆動装置。
  4. 【請求項4】 車両に搭載された補機の駆動用に燃料電
    池を含む2種類以上のエネルギ出力源を備える補機駆動
    装置であって、 前記エネルギ出力源の少なくとも一部は、前記車両の移
    動に供されるエネルギをも出力する移動エネルギ出力源
    であり、 前記移動エネルギ出力源の少なくとも一部の運転可否を
    指定する選択手段と、 該選択手段の操作状態に応じて予め設定された優先順位
    で、それぞれのエネルギ出力源を補機の駆動に供する状
    態で運転するエネルギ出力源制御手段とを備える補機駆
    動装置。
  5. 【請求項5】 請求項4記載の補機駆動装置であって、 前記選択手段は、前記移動エネルギ出力源のうち燃料電
    池を除く一部のものについて運転可否を指定する選択手
    段であり、 前記エネルギ出力源制御手段は、 前記選択手段の操作状態が前記少なくとも一部のエネル
    ギ出力源の運転を禁止する状態にある条件下では前記燃
    料電池を優先的に運転する手段である補機駆動装置。
  6. 【請求項6】 請求項5記載の補機駆動装置であって、 前記エネルギ出力源は、燃料電池、熱機関、蓄電手段で
    あり、 前記選択手段は前記熱機関の運転可否を指定する選択手
    段である補機駆動装置。
  7. 【請求項7】 請求項4記載の補機駆動装置であって、 前記選択手段は、前記移動エネルギ出力源のうち燃料電
    池を除く一部のものについて運転可否を指定する選択手
    段であり、 前記エネルギ出力源制御手段は、 前記選択手段の操作状態が前記少なくとも一部のエネル
    ギ出力源の運転を許可する状態にある条件下では前記燃
    料電池以外のエネルギ出力源の少なくとも一部を前記燃
    料電池よりも優先して補機の駆動に供する手段である補
    機駆動装置。
  8. 【請求項8】 請求項7記載の補機駆動装置であって、 前記エネルギ出力源は、燃料電池、熱機関、蓄電手段で
    あり、 前記選択手段は前記熱機関の運転可否を指定する選択手
    段であり、 前記エネルギ出力源制御手段は、前記条件下では前記熱
    機関、燃料電池、蓄電手段の優先順位で補機の駆動に供
    する手段である補機駆動装置。
  9. 【請求項9】 車両に搭載された補機の駆動用に燃料電
    池を含む2種類以上のエネルギ出力源を備える補機駆動
    装置であって、 前記補機は前記車両の空調装置を含み、 前記エネルギ出力源を前記空調装置の駆動に使用する際
    の優先順位を、該車両の運転者が指示するための優先順
    位入力手段と、 少なくとも前記空調装置については、該優先順位に従っ
    て前記エネルギ出力源を制御して前記補機を駆動する補
    機駆動制御手段とを備える補機駆動装置。
  10. 【請求項10】 請求項11記載の補機駆動装置であっ
    て、 前記優先順位入力手段は、予め設定された複数の運転モ
    ードから任意の運転モードを選択することに前記優先順
    位を指示する手段であり、 該運転モードには、少なくとも前記燃料電池の優先度が
    最も高くなる運転モードが含まれている補機駆動装置。
  11. 【請求項11】 請求項12記載の補機駆動装置であっ
    て、 前記エネルギ出力源には、少なくとも燃料電池と熱機関
    とが含まれ、 前記補機駆動制御手段は、前記燃料電池の優先度が最も
    高くなる運転モードが選択されている場合には、該燃料
    電池の運転が不能となった後においても前記熱機関の運
    転を禁止する条件下で、前記エネルギ出力源の駆動を制
    御する手段である補機駆動装置。
  12. 【請求項12】 車両の移動および補機の駆動のため
    に、燃料電池を含む2種類以上のエネルギ出力源を備え
    る車両であって、 前記エネルギ出力源のうち前記車両の移動に供されるエ
    ネルギをも出力する移動エネルギ出力源であり、 前記移動エネルギ出力源の少なくとも一部の運転可否を
    指定する選択手段と、 該選択手段の操作状態に応じて予め設定された優先順位
    で、それぞれのエネルギ出力源を補機の駆動に供する状
    態で運転する補機駆動制御手段とを備える車両。
  13. 【請求項13】 車両に搭載された補機の駆動用に燃料
    電池を含む2種類以上のエネルギ出力源を備える補機駆
    動装置であって、 前記補機は前記車両の空調装置を含み、 前記エネルギ出力源を制御して前記空調装置を駆動する
    前記補機駆動制御手段と、 車内に外気を導入する開口部を開閉する開閉手段と、 前記エネルギ出力源の全てが前記空調装置に要するエネ
    ルギを出力不能な状態にあるか否かを検出する手段と、 該出力不能な状態が検出された場合には、前記開口部の
    開口状態を制御する開閉制御手段とを備える車両。
  14. 【請求項14】 車両に搭載された燃料電池を含む2種
    類以上のエネルギ出力源の運転状態を制御する制御方法
    であって、(a) 前記車両の移動に供するエネルギ
    と、前記車両に搭載された補機の駆動に供するエネルギ
    の双方の出力に適用されるエネルギ出力源の少なくとも
    一部の運転可否を指定する選択手段の操作状態を検出す
    る工程と、(b) 前記車両に搭載された補機の駆動に
    供するエネルギの出力に適用されるエネルギ出力源につ
    いて、該補機の駆動に供するエネルギを出力するように
    該選択手段の操作状態に応じて予め設定された優先順位
    で各エネルギ出力源を運転する工程とを備える制御方
    法。
JP2000019491A 1999-07-08 2000-01-28 燃料電池を搭載した車両の補機駆動装置 Pending JP2001078311A (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2002303466A (ja) * 2001-03-30 2002-10-18 Sanyo Electric Co Ltd 冷凍装置及びその制御方法
KR100471282B1 (ko) * 2002-11-25 2005-03-10 현대자동차주식회사 연료 전지 하이브리드 전기 차량의 동력 분배 제어부의상태 천이 제어방법
KR102153626B1 (ko) * 2019-04-04 2020-09-08 울산대학교 산학협력단 다중 동력원을 갖는 차량의 동력제어방법

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