JP2001055826A - 床用化粧材 - Google Patents

床用化粧材

Info

Publication number
JP2001055826A
JP2001055826A JP11229691A JP22969199A JP2001055826A JP 2001055826 A JP2001055826 A JP 2001055826A JP 11229691 A JP11229691 A JP 11229691A JP 22969199 A JP22969199 A JP 22969199A JP 2001055826 A JP2001055826 A JP 2001055826A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
layer
resin
decorative material
cushioning
laminated
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Withdrawn
Application number
JP11229691A
Other languages
English (en)
Inventor
Tetsuo Matsukura
哲夫 松倉
Yoshiaki Nezu
義昭 根津
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Dai Nippon Printing Co Ltd
Original Assignee
Dai Nippon Printing Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Dai Nippon Printing Co Ltd filed Critical Dai Nippon Printing Co Ltd
Priority to JP11229691A priority Critical patent/JP2001055826A/ja
Publication of JP2001055826A publication Critical patent/JP2001055826A/ja
Withdrawn legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Floor Finish (AREA)
  • Laminated Bodies (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 塩ビクッションフロアのような床用化粧材
を、主としてポリ塩化ビニル樹脂で構成するのに代え
て、ポリ塩化ビニル樹脂以外の、主としてポリオレフィ
ン系樹脂を素材とした際に、従来の塩ビクッションフロ
アが保持する諸性能を有した床用化粧材を提供すること
を課題とする。 【解決手段】 ポリオレフィン系樹脂または/およびゴ
ムの発泡層等のクッション性層3の上面に、ポリオレフ
ィン系樹脂の着色層7、模様層4、表面に凹凸6を有す
る硬化型の透明樹脂保護層5の各層、下面に裏打ち層2
を積層し、課題を解決した。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ポリオレフィン樹
脂または/およびゴムからなるクッション性層を用いて
化粧を施した、主としてポリオレフィン樹脂を用いて構
成した床用化粧材に関する。
【0002】
【従来の技術】コンクリート面や床用合板の下地上に仕
上げ材として貼る床用化粧材としては、種々のものが知
られているが、長尺のものとしては、ポリ塩化ビニル樹
脂製の発泡層を有した、いわゆる塩ビクッションフロア
が知られている。塩ビクッションフロアは、アスベス
ト、ガラスクロス等を裏打材とし、ポリ塩化ビニル樹脂
の発泡性ゾルを塗布し加熱して発泡層を形成した上に、
模様印刷、表面塗装を施し、必要に応じて凹凸を施した
もので、幅1m〜4m程度、長さ数十mの長尺シートと
して市販されている。この塩ビクッションフロアは、歩
行頻度が激しい部位には必ずしも向かない点や、火の付
いた煙草を落とすと焼け焦げが生じて修復が難しい点等
の短所を有しているものの、耐水性がある、歩行音を抑
える働きがある、装飾性が優れている、および、つなぎ
目の少ない一様な施工ができる等の長所があることか
ら、住宅や店舗等の床仕上げ用に使用されている。
【0003】素材として使用しているポリ塩化ビニル樹
脂は、難燃性であること、可塑剤を添加することにより
硬軟の度合いが調節できること、型押し等により、表面
の風合いを自由に作ることができること、および汎用さ
れているために価格が安定している等の利点を有してい
るものの、最近、ポリ塩化ビニル樹脂が持つ塩素と、可
塑剤であるフタル酸エステルに由来する部分とが、焼却
時の高温下で反応し、毒性の高い、2,3,7,8−テ
トラクロロ−ダイベンゾダイオキシンおよび塩素の置換
数、置換位置を異にする同種の化合物(総称して俗にダ
イオキシンと言う。)が発生することが問題視されてい
る。そこで、ポリ塩化ビニル樹脂を素材としていた製品
については、建築物の内外装や家具の表面材、もしくは
雑貨に至る住環境における様々な製品を、他の素材で置
き換える動きが活発化している。
【0004】ポリ塩化ビニル樹脂以外の合成樹脂とし
て、注目されているのが、塩素分を含まないポリオレフ
ィン系樹脂であり、汎用樹脂であるポリプロピレン樹脂
やポリエチレン樹脂を使用した床用化粧材の検討が進め
られている。壁用や天井用の化粧材が、極端な負荷を受
けることがないのにくらべ、床用化粧材は、壁用や天井
用の化粧材と異なり、使用されるときに、人や軽量車両
(乳母車、買い物用カート、車椅子等)が行き来する等
の動的な負荷に加え、家具、その他の物品が長期間、同
じ位置に置かれる等の静的な負荷をも受けるため、性能
上の独特な要求点がある。使用される部位にもよるが、
要求点の主なものは、例えば、クッション性があって
歩行感がよく、歩行音が少ないこと、つまずきの原因
となる継ぎ目のまくれ上がりが無いこと(=表面の収縮
が無いこと)、使用状況に適した耐摩耗性を有してい
ること、および物品を長期間置いたことによる置き跡
がつきにくいこと等である。前記した塩ビクッションフ
ロアは、他年の使用により改良が施された結果、これら
の点はほぼ解消されているが、塩ビクッションフロアに
おいて使用されているポリ塩化ビニル樹脂を単にポリオ
レフィン系樹脂で置き換えただけでは、これらの要求点
は必ずしも満足されず、引き続き、改良が進められてい
る。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明においては、塩
ビクッションフロアのような床用化粧材を、主としてポ
リ塩化ビニル樹脂で構成するのに代えて、ポリ塩化ビニ
ル樹脂以外の、主としてポリオレフィン系樹脂を素材と
した際に、少なくとも、従来の塩ビクッションフロアが
保持する諸性能を有した床用化粧材を提供することを課
題とする。
【0006】
【課題を解決する手段】このため、従来のポリ塩化ビニ
ル樹脂の発泡層をポリオレフィン系樹脂または/および
ゴムの発泡層に置き換えた上で、表面を好ましくは硬化
性樹脂を用いて構成し、置き跡については、クッション
性層上の着色層、補強層、および透明樹脂保護層を設け
て対処することにより、従来の塩ビクッションフロアが
保持する諸性能を有した床用化粧材を提供することがで
きた。
【0007】第1の発明は、ポリオレフィン系樹脂また
は/およびゴムの層、これらの素材からなる発泡層、ま
たはラテックス含浸繊維質シートからなるクッション性
層上に、模様層および硬化性樹脂が硬化した透明樹脂保
護層がこの順に積層されていることを特徴とする床用化
粧材に関するものである。第2の発明は、第1の発明に
おいて、クッション性層上に、着色層を介して模様層が
積層されていることを特徴とする床用化粧材に関するも
のである。第3の発明は、第1の発明において、クッシ
ョン性層上に、補強層を介して模様層が積層されている
ことを特徴とする床用化粧材に関するものである。第4
の発明は、第1の発明において、クッション性層上に、
補強層および着色層を介して模様層が積層されているこ
とを特徴とする床用化粧材に関するものである。第5の
発明は、第1の発明において、クッション性層上に、補
強層兼着色層を介して模様層が積層されていることを特
徴とする床用化粧材に関するものである。第6の発明
は、第1〜第5いずれかの発明において、透明樹脂保護
層が熱硬化性樹脂組成物または電離放射線硬化性樹脂組
成物が架橋硬化したものであることを特徴とする床用化
粧材に関するものである。第7の発明は、第1〜第5い
ずれかの発明において、透明樹脂保護層が模様層上に設
けられた熱可塑性樹脂からなる透明合成樹脂層、および
熱硬化性樹脂組成物または電離放射線硬化性樹脂組成物
が架橋硬化した硬化塗膜からなることを特徴とする床用
化粧材に関するものである。第8の発明は、第6または
第7の発明において、透明樹脂保護層の表面に凹凸を有
することを特徴とする床用化粧材に関するものである。
第9の発明は、第1〜第8いずれかの発明において、ク
ッション性層の下面には、裏打ち層が積層されているこ
とを特徴とする床用化粧材に関するものである。
【0008】
【発明の実施の形態】図1〜図5は、いずれも本発明の
床用化粧材の構造例を示す断面図である。共通する部分
が多いので、相違点を中心に説明する。図1に示す床用
化粧材1は、下から裏打ち層2、クッション性層3、模
様層6、および表面に凹凸を有する透明樹脂保護層5が
順に積層されたものである。裏打ち層2は、下地との接
着性を確保するためのもので、寸法安定性の向上にも寄
与する。クッション性発泡層3は、床用化粧材1にクッ
ション性を与え、歩行感を良くし、歩行音を軽減するた
めのものである。模様層4は床用化粧材1の外観意匠を
向上させる意味で設けられ、通称は印刷や転写により設
けられる。透明樹脂保護層5は、表面の耐摩耗性を確保
すると共に、汚染された際に、汚れを除去しやすい働き
があり、硬化性樹脂を使用して構成される。また、透明
樹脂保護層5には、下層に後述する着色層7や補強層8
と共に、伸びを抑制して、置き跡が付きにくいようにす
る働きをも持たせている。また、透明樹脂保護層5の表
面に形成された凹凸6は、外観上の変化を持たせて、質
感を向上させるほか、歩行時等のスリップ性を制御する
ものである。
【0009】図2に示す床用化粧材1は、図1に示した
もののクッション性層3と模様層6との間に着色層7を
積層したものである。着色層7の役割の第1は、下地を
隠蔽し、意図した色彩を与えることである。この構成に
おいては、着色層7を発泡層3上に積層してから模様層
を4を形成してもよいが、むしろ、着色層7となる別の
着色フィルムに印刷して模様層4を形成し、さらに、透
明樹脂保護層5を形成したものをクッション性層3上に
形成した方が、厚い発泡層に印刷もしくは転写するより
も、取扱い上、容易である。また、着色層7は透明樹脂
保護層5と共に、伸びを抑制して、置き跡が付きにくい
ようにする働きもある。
【0010】図3に示す床用化粧材1は、図2に示すも
のにおける着色層7に代えて補強層8をクッション性層
3と模様層4との間に積層してあるものである。補強層
8は、床用化粧材1上に家具等を長期間置いた際に生じ
る置き跡の発生を抑制するためのもので、引っ張り強度
が高い素材で構成され、家具等を置いた際に、局部的に
伸びても、負荷を取り除くと元に戻るような性質の素材
が構成されるものである。
【0011】図4(a)に示す床用化粧材1は、図1に
示すもののクッション性層3上に、補強層8と着色層7
を順に積層した上に模様層4を積層したものであり、層
構成としては、最も多層になるが、各層がそれぞれの機
能を分担できる利点がある。また図4(b)に示す床用
化粧材1は、やはり多層にはなるが、高い耐摩耗性を与
えるための構成を有し、図2に示すものの模様層4と透
明樹脂保護層5との間に、別の透明樹脂層5’が介在す
るものである。
【0012】図5に示す床用化粧材1は、図4に示した
ものの補強層8と着色層7を一つの層7(8)で兼ねた
ものであって、この床用化粧材1は、図4に示したもの
と同等の機能を有しつつ、層構成が簡略化されたもので
ある。以下に各層の素材、形成方法等について述べる。
【0013】クッション性層3は、ポリオレフィン系樹
脂または/およびゴムの層、これらの素材からなる発泡
層、またはゴム含浸繊維質シートからなるものである。
【0014】床用化粧材のような用途に適したポリオレ
フィン系樹脂としては、大別すると、非エラストマーで
あるポリオレフィン系樹脂と、ポリオレフィン系熱可塑
性エラストマーの2つのタイプがある。
【0015】一方のタイプである非エラストマーとして
は、具体的にはポリエチレン(低密度、又は高密度)、
ポリプロピレン(イソタクチック型、シンジオタクチッ
ク型、又はこれらの混合型)、ポリメチルペンテン、ポ
リブテン、エチレン/プロピレン共重合体、プロピレン
/ブテン共重合体等の高結晶質のものがある。
【0016】他方のタイプであるポリオレフィン系熱可
塑性エラストマーには、次の(1)〜(8)のようなも
のがある。
【0017】(1)主原料がハードセグメントである高
密度ポリエチレン、又はアイソタクチックポリプロピレ
ン等からなり、更に、ソフトセグメントとしてのエラス
トマー及び、必要に応じて無機充填剤を添加したもの。
ここで、エラストマーとしては、ジエン系ゴム、水素添
加ジエン系ゴム、オレフィンエラストマー等が用いられ
る。ジエン系ゴムとしては、イソプレンゴム、ブタジエ
ンゴム、ブチルゴム、プロピレン/ブタジエンゴム、ア
クリロニトリル/ブタジエンゴム、アクリロニトリル/
イソプレンゴム、スチレン/ブタジエンゴム等がある。
水素添加ジエンゴムは、上記のジエン系ゴム分子の二重
結合の少なくとも一部分に水素原子を付加させてなるも
ので、ポリオレフィン系樹脂(本発明においては、高密
度ポリエチレン又はポリプロピレン)の結晶化を抑え、
柔軟性を向上させたものである。オレフィンエラストマ
ーとしては、2種類又は3種類以上のオレフィンと共重
合しうるポリエンを少なくとも1種加えた弾性共重合体
であり、オレフィンとしてはエチレン、プロピレン、α
−オレフィン等が使用され、ポリエンとしては、1,4
−ヘキサジエン、環状ジエン、ノルボルネン等が使用さ
れる。好ましいオレフィン系共重合体ゴムとしては、例
えばエチレン/プロピレン共重合体ゴム等のオレフィン
を主成分とする弾性共重合体が挙げられる。なお、これ
らのエラストマーは、必要に応じて有機過酸化物、硫黄
等の架橋剤を用いて、適量架橋させてもよい。
【0018】(2)ハードセグメントがアイソタクチッ
クポリプロピレン、ソフトセグメントがアタクチックポ
リプロピレンであるもので、好ましくは、後者の割合が
5重量%未満のもの(特公平6−23278号公報記
載)。
【0019】(3)エチレン/プロピレン/ブテンの共
重合体で、ブテンとして、1−ブテン、2−ブテン、ま
たはイソブチレンの3種の構造異性体の1種を含むも
の。次の(3a)〜(3c)が代表的である。 (3a)エチレン/プロピレン/ブテンの3元のランダ
ム共重合体であり、モノマー中のプロピレンが、好まし
くは90重量%であるもの(特開平9−111055号
公報記載)。 (3b)プロピレン成分含有率が50重量%以上であ
る、エチレン/プロピレン/ブテンの3元の共重合体か
らなる非晶質と、結晶質ポリプロピレンからなるもの
(特開平5−77371号公報記載)。 (3c)プロピレン及び/又は1−ブテンの含有量が5
0重量%以上の低結晶質と、アイソタクチックポリプロ
ピレン等の結晶性ポリオレフィンを含むものに、更に、
油ゲル化剤を0.5重量%添加したもの(特開平7−3
16358号公報記載)。
【0020】(4)ハードセグメントがポリエチレン、
ポリプロピレン又はポリメチルペンテン等の結晶質であ
り、ソフトセグメントが部分架橋したエチレン/プロピ
レン非共役ジエン3元共重合体ゴム等のモノオレフィン
共重合体ゴムであるもの(特公昭53−21021号公
報記載)。
【0021】(5)ハードセグメントとしてのオレフィ
ン系共重合体(結晶質)とソフトセグメントとしての未
架橋モノオレフィン共重合体ゴムとを加熱しつつ剪断応
力を加え、部分架橋させてあるもの(特公昭53−34
210号公報記載)。
【0022】(6)過酸化物と混合・加熱すると分子量
が減って流動性が増す過酸化物分解型オレフィン重合
体、例えば、アイソタクチックポリプロピレン、プロピ
レン/エチレン共重合体、又はプロピレン/ブテン−1
共重合体をハードセグメントとし、同様な操作で流動性
が減る過酸化物架橋型モノオレフィン重合体、例えば、
エチレン/プロピレン共重合体ゴム、エチレン/プロピ
レン/非共役ジエン3元共重合体ゴム等をソフトセグメ
ントとし、更には、同様な操作で架橋せず、流動性も変
わらない過酸化物非架橋型炭化水素ゴム、等を過酸化物
の存在下で混合・加熱して得られるもの(特公昭56−
15741号公報記載)。
【0023】(7)エチレン/スチレン/ブタジエン共
重合体(特開平2−139232号公報記載)。
【0024】(8)水酸基又はカルボキシル基を持たせ
た上記(1)〜(7)のオレフィン系エラストマー。
【0025】クッション性層3を構成するゴムとして
は、天然ゴム、再生ゴム、スチレン−ブタジエンゴム、
アクリロニトリル−ブタジエンゴム、クロロプレンゴ
ム、ブチルゴム、ポリスルフィドゴム、シリコーンゴ
ム、ポリウレタンゴム、ステレオゴム(合成天然ゴ
ム)、エチレンプロピレンゴム、もしくはブロックコポ
リマーゴム(SBS、SIS、SEBS等)等がある。
これらのゴムはゴム単独の層、もしくは発泡層、または
ポリオレフィン系樹脂とブレンドした層、もしくはブレ
ント物の発泡層とするほか、ゴムのラテックスを繊維質
シートに含浸したゴム含浸繊維質シートの形でも、本発
明の床用化粧材のクッション性層を構成することがで
き、ゴムのラテックスを含浸する繊維質シートとして
は、繊維状の金属からなるシート、アスベストシート、
ガラス繊維の織布もしくは不織布、天然繊維もしくは合
成繊維の織布もしくは不織布、紙、難燃紙等が挙げら
れ、長繊維のものが好ましい。また、含浸率は10〜6
0%程度である。クッション性層3の厚みは0.5mm
〜5mm程度が好ましい。
【0026】上記のポリオレフィン系樹脂、ゴム、もし
くはラテックスを用いて発泡シートとするには、必要に
応じて、着色剤、安定剤、老化防止剤、充填剤等を配合
し、あるいはさらに所定の発泡倍率になるよう、発泡剤
を含有させる等したものをシート化した後、加熱発泡さ
せるか、またはシート化しつつ発泡させて発泡層を形成
して、厚みが0.5mm〜5mm程度のクッション性層
3とする。発泡倍率が過大であると、床用化粧材の強度
が低下すると共に置き跡がつきやすくなり、また、発泡
倍率が過小であると、クッション性が生じないため、発
泡倍率としては2倍〜20倍が好ましい。なお、屋内や
歩行頻度の激しくない場所に用いる場合には、歩行速度
が概して遅く、歩行者からもたらされる衝撃も比較的小
さいので、クッション性層3として発泡シートを使用し
た方が、歩行感がソフトでよい。これに対し、公共性の
高い建物の内外の通路、廊下、階段、店舗の床等におい
ては、歩行速度も速く、靴による衝撃が大きいため、発
泡させてない硬いシートをクッション性層3として使用
した方が、歩行感の点でも、また、耐久性の点でも適し
ている。なお、後述する着色層7を積層せずに、このク
ッション性層3を着色することもできるが、発泡させる
と表面が粗面となって、意図する色彩が得られないこと
もある。
【0027】クッション性層3は、ポリオレフィン系樹
脂または/およびゴムの層、これらの素材からなる発泡
層、またはゴム含浸繊維質シートからなるものである
が、必要に応じ、無機充填剤(例えば、水酸化アルミニ
ウム)0.1〜40%、より好ましくは30%以下、又
は、木粉もしくは竹粉の天然繊維からなる有機質充填剤
0.1〜40%、より好ましくは30%以下を含んでも
よい。含有量の下限未満では、含有したことによる効果
が発揮されず、上限を超えると、クッション性層3の機
械的強度が低下する。いずれの充填剤も、クッション性
層3を構成する主成分の素材を節約し、また、クッショ
ン性層3の寸法安定性を高めることができる。特に、竹
粉を含んだクッション性層3は、抗菌効果、および防か
び効果を有するため、床用化粧材に抗菌性、および防か
び性を与えることができる。
【0028】クッション性層3には必要に応じ、片面も
しくは両面にコロナ放電処理、またはオゾン処理等を行
なって、接着性を改善しておくとよい。また、同様の主
旨で、好ましくは、コロナ放電処理を施した後の面に、
プライマー層を形成しておいてもよい。プライマー層を
構成する樹脂としては、ポリエステル樹脂、ポリウレタ
ン樹脂、アクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリビ
ニルブチラール樹脂、ニトロセルロース樹脂等が使用で
きるほか、アルキルチタネート系やエチレンイミン系の
化合物も使用できる。これらの樹脂や化合物は、単独、
若しくは混合して塗料組成物、又はインキ組成物とし、
適宜な塗布手段、又は印刷手段を用いてプライマー層と
する。
【0029】着色層7は、別に成膜された合成樹脂製着
色フィルムか、合成樹脂をバインダーとする合成樹脂塗
料を塗布して得られる着色塗膜である。前者の合成樹脂
製着色フィルムの場合には、上記したようなポリオレフ
ィン系樹脂を用いて構成されたものが好ましいが、代表
的なポリオレフィン樹脂であるポリプロピレン樹脂を主
体とするもの、もしくはポリエチレン樹脂を主体するも
のの、いずれを用いても構成できる。ただし、ポリエチ
レン樹脂を主体するものを用いるときは、例えば、下層
がEVA樹脂等の熱融着性のある樹脂を素材として構成
されている場合に、下層との熱融着が可能になる利点が
ある。なお、着色層7は、ポリオレフィン以外のプラス
チックを用いたものであってもよく、例えば次のような
樹脂からも構成できる;具体的には、ポリビニルアルコ
ール樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合樹脂、エチレン
−ビニルアルコール共重合樹脂、ポリエチレンテレフタ
レート樹脂、ポリブチレンテレフタレート樹脂、ポリエ
チレンナフタレート−イソフタレート共重合樹脂、ポリ
メタクリル酸メチル樹脂、ポリメタクリル酸エチル樹
脂、ポリアクリル酸ブチル樹脂、ナイロン6又はナイロ
ン66等で代表されるポリアミド樹脂、三酢酸セルロー
ス樹脂、セロファン、ポリスチレン樹脂、ポリカーボネ
ート樹脂、ポリアリレート樹脂、又はポリイミド樹脂等
である。なお、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリ塩化ビニリデ
ン樹脂、もしくは塩化ビニル−酢酸ビニル共重合樹脂等
も、本発明の床用化粧材において、着色層を構成し得る
が、焼却時の問題が残るので、床用化粧材を構成する各
層から、ポリ塩化ビニル樹脂等の塩素を構造中に含む樹
脂やフタル酸エステル系可塑剤の使用を回避することが
好ましい。
【0030】着色層7は、合成樹脂をバインダーとする
合成樹脂塗料を塗布して得られる着色塗膜であってもよ
い。バインダーとして使用し得る合成樹脂としては、ロ
ジン変成マレイン酸樹脂、ニトロセルロース、酢酸セル
ロース、酪酢酸セルロース、エチルセルロース、ポリア
ミド樹脂、塩化ゴム、環化ゴム、ポリアミド樹脂、ポリ
塩化ビニル樹脂、塩化ビニル/酢酸ビニル共重合樹脂、
エチレン/酢酸ビニル共重合樹脂、塩素化ポリプロピレ
ン、もしくはアクリル樹脂等の熱可塑性樹脂、ポリウレ
タン樹脂等、フェノール樹脂、レゾルシノール樹脂、フ
ラン樹脂、エポキシ樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ポ
リイミド、ポリアミドイミド、ポリベンツイミダゾー
ル、もしくはポリベンゾチアゾール等の熱硬化性樹脂で
ある。
【0031】着色層7の厚みは、着色フィルムの場合に
は10〜500μm程度、着色塗膜の場合には1〜50
μm程度である。着色層7は、上記したように、別に成
膜された合成樹脂製着色フィルムであっても、あるいは
合成樹脂をバインダーとする合成樹脂塗料を塗布して得
られる着色塗膜であってもよいが、それぞれ特徴を有し
ている。着色層7を別に成膜された合成樹脂製着色フィ
ルムで構成するときは、合成樹脂製着色フィルムを直
接、印刷機にかけて模様層4を形成することができ、被
印刷対象が薄く、高速で印刷しやすい利点がある。着色
層7を合成樹脂塗料の着色塗膜で構成するときは、通
常、クッション性層3上に塗布するため、その後の印刷
時には、クッション性層(裏打ち層を伴なうことがあ
る)および着色層の積層体を被印刷対象とすることにな
り、被印刷対象が厚く、高速印刷には向かない不利があ
る。また、一般的には、別に成膜されたフィルムの方が
塗膜よりも強度的に強く、置き跡の発生を抑えることが
できて有利である。着色層が別に成膜されたフィルムで
あるときは、発泡倍率の低い低発泡シートであってもよ
い。
【0032】補強層8は、前にも述べたように、本発明
の床用化粧材1に置き跡が付くのを抑制する目的で使用
するものであって、引っ張り強度が高い素材で構成さ
れ、家具等を置いた際に、局部的に伸びても、負荷を取
り除くと元に戻るような性質の素材からなるものであ
る。補強層8は、別に成膜したフィルムか、または寸法
安定性の高いガラス繊維不織布(=いわゆるガラスペー
パー)であることが好ましく、成膜したフィルムの場
合、架橋させたものはより好ましい。塗膜で構成する場
合には、熱硬化型樹脂や電離放射線硬化性樹脂が硬化し
たものであることが好ましい。
【0033】補強層8と着色層7とは、図4を引用して
既に説明したように、重ねて、各々の持つ機能を持たせ
てもよいが、図5に示すように、一つの層で、補強層8
と着色層7の機能を兼ねた補強層兼着色層7(8)とし
てもよい。上記した補強層8を構成する際に、顔料もし
くは染料等の着色剤を配合することにより、補強層兼着
色層7(8)が得られる。
【0034】模様層4は本発明の床用化粧材に、外観意
匠的な価値を与えるためのものであり、通常、インキを
用いる直接印刷法により形成するか、もしくは離型性シ
ート上に印刷して得られる転写シートを用いた転写法に
より形成する。ただし、模様層4のすぐ下の層(クッシ
ョン性層3もしくは着色層7であることが普通であ
る。)が着色されているときは、模様層4を省くか、模
様に替えて単なる着色のみを行なうこともあり得る。印
刷法としては、接着性を考慮した場合のバインダーの選
択範囲が広い、グラビア印刷法が適しているが、これ以
外の手法によってもよい。また、電子写真法やインキジ
ェット等も原則的には模様層4の形成手段として使用可
能である。模様層4の模様は任意のものでよく、用途に
合わせて選択する。床用であるという連想から、タイル
調の模様、大理石その他の石の模様、織物、コルク柄、
木目等が好まれる。木目についても、従来のフローリン
グの慣習から、小幅板を並べたような模様や寄木模様が
好まれるが、これらの模様に限定されるものではない。
なお、転写法による場合であって、左右のある模様を用
いるときは、左右を逆に作成した、いわゆる逆版を用い
て印刷するとよい。模様層4の下層に着色層7、もしく
は補強層兼着色層7(8)を有しない場合には、模様層
4の下層を均一一様に着色しておき、その上に模様層4
を形成するとよい。
【0035】模様層4を形成する際に使用するインキの
バインダーとしては、アクリル樹脂、ポリウレタン樹
脂、ポリアミド樹脂等が好ましく、単独、または混合し
て用いられる。なお、模様層4をインキで形成する場合
には、インキに含まれる顔料や染料等の着色剤は、接着
性についてはマイナスに働く傾向があるので、模様層4
の表面に、模様層3を形成するのに用いるインキのバイ
ンダーと同じバインダーを含み、着色剤を含まない無色
のレジューサー(エキステンダー、メジュウム等とも呼
ばれる。)を塗布して、透明樹脂層を形成しておくと、
模様層4上の接着性が改善され、好ましい。この透明樹
脂層は接着性を向上させるためのものであるが、もっと
接着性を向上させたいときは、ポリウレタン樹脂系等の
接着剤を塗布してもよい。接着性の向上のために設ける
透明樹脂層は、数μmの厚みがあれば通常足りるが、も
っと積極的な意味で、着色層7(特に、着色フィルムで
構成する場合と同等)と同等程度の厚み、即ち、10〜
500μm程度、好ましくは50〜200μm程度の透
明樹脂フィルムで構成してもよく、こうして模様層上に
厚い透明樹脂層が積層されることにより、耐摩耗性が向
上する。なお、このように厚い透明樹脂層を有していて
も、次記の透明樹脂保護層5をさらに積層すると、さら
に一層、向上した耐摩耗性が得られる。いわゆる重歩行
用の場合には、このようにして、模様層4上に厚い被覆
を行なう。
【0036】透明樹脂保護層5は、床用化粧材1の表面
に耐摩耗性、耐汚染性等を付与するためのものであっ
て、熱可塑性樹脂でも構成でき、クッション性層3や着
色層7の素材と揃えて、ポリオレフィン系樹脂で構成す
ることもでき、ポリオレフィン系樹脂で構成するときは
樹脂を溶融して押し出して作製するので、性質の異なる
複数の層からなる多層のシートであってもよい。例え
ば、全体としては固い樹脂で構成しつつも、下側の層
は、被覆の対象となる下層のシートとの接着性のよい樹
脂で構成する等である。透明樹脂保護層5は、床用化粧
材の表面の性状を向上させたいときには、硬化性樹脂を
使用して構成することが好ましい。また、透明樹脂保護
層5は、着色層7や補強層8と共に、伸びを抑制して置
き跡が付きにくいようにする働きも持っており、さらに
表面に凹凸6を有していて、外観上の変化により、質感
を向上させるためと、歩行時等のスリップ性を制御する
ためのものである。透明樹脂保護層5を構成するバイン
ダーとしては、熱硬化性樹脂を使用する熱硬化性樹脂組
成物、あるいは紫外線又は電子線照射により硬化する電
離放射線硬化性樹脂組成物を用い、塗布後に加熱した
り、電離放射線を照射して架橋硬化させることによりさ
らに物理的、化学的な諸性能を向上させる。
【0037】熱硬化性樹脂組成物を構成する熱硬化性樹
脂としては、ポリウレタン樹脂等、フェノール樹脂、レ
ゾルシノール樹脂、フラン樹脂、エポキシ樹脂、不飽和
ポリエステル樹脂、ポリイミド、ポリアミドイミド、ポ
リベンツイミダゾール、もしくはポリベンゾチアゾール
等が使用し得る。
【0038】透明樹脂保護層5を構成するための電離放
射線硬化性樹脂組成物としては、分子中に重合性不飽和
結合または、エポキシ基を有するプレポリマー、オリゴ
マー、及び/又はモノマーを適宜に混合したものであ
る。電離放射線とは、電磁波又は荷電粒子線のうち分子
を重合又は架橋し得るエネルギー量子を有するものを指
し、通常は、紫外線又は電子線を用いる。電離放射線の
うちでも電子線は材料を透過する性質が高く、下層にポ
リ塩化ビニル樹脂等の塩素を含有する樹脂があると、黄
色に変色しやすい傾向があるが、そのほかの樹脂、特に
ポリオレフィン系樹脂を使用するときは、黄色に変色し
やすい欠点が生じにくい。
【0039】透明樹脂保護層5を構成するバインダーと
して使用する電離放射線硬化性樹脂組成物としては、不
飽和ジカルボン酸と多価アルコールの縮合物等の不飽和
ポリエステル類、ポリエステルメタクリレート、ポリエ
ーテルメタクリレート、ポリオールメタクリレート、メ
ラミンメタクリレート等のメタクリレート類、ポリエス
テルアクリレート、エポキシアクリレート、ウレタンア
クリレート、ポリエーテルアクリレート、ポリオールア
クリレート、メラミンアクリレート等のアクリレート、
カチオン重合型エポキシ化合物が挙げられる。
【0040】電離放射線硬化性樹脂組成物中のモノマー
の例としては、スチレン、α−メチルスチレン等のスチ
レン系モノマー、アクリル酸メチル、アクリル酸−2−
エチルヘキシル、アクリル酸メトキシエチル、アクリル
酸ブトキシエチル、アクリル酸ブチル、アクリル酸メト
キシブチル、アクリル酸フェニル等のアクリル酸エステ
ル類、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタ
クリル酸プロピル、メタクリル酸メトキシエチル、メタ
クリル酸エトキシメチル、メタクリル酸フェニル、メタ
クリル酸ラウリル等のメタクリル酸エステル類、アクリ
ル酸−2−(N,N−ジエチルアミノ)エチル、アクリ
ル酸−2−(N,N−ジメチルアミノ)エチル、アクリ
ル酸−2−(N,N−ジベンジルアミノ)メチル、アク
リル酸−2−(N,N−ジエチルアミノ)プロピル等の
不飽和置換の置換アミノアルコールエステル類、アクリ
ルアミド、メタクリルアミド等の不飽和カルボン酸アミ
ド、エチレングリコールジアクリレート、プロピレング
リコールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジア
クリレート、1,6−ヘキサンジオールジアクリレー
ト、トリエチレングリコールジアクリレート等の化合
物、ジプロピレングリコールジアクリレート、エチレン
グリコールジアクリレート、プロピレングリコールジメ
タクリレート、ジエチレングリコールジメタクリレート
等の多官能性化合物、及び/又は分子中に2個以上のチ
オール基を有するポリチオール化合物、例えばトリメチ
ロールプロパントリチオグリコレート、トリメチロール
プロパントリチオプロピレート、ペンタエリスリトール
テトラチオグリコレート等が挙げられる。
【0041】通常、電離放射線硬化性樹脂組成物中のモ
ノマーとしては、以上の化合物を必要に応じて1種若し
くは2種以上を混合して用いるが、電離放射線硬化性樹
脂組成物に通常の塗布適性を与えるために、前記のプレ
ポリマー又はオリゴマーを5重量%以上、前記モノマー
及び/又はポリチオール化合物を95重量%以下とする
のが好ましい。
【0042】電離放射線硬化性樹脂組成物を塗布し、硬
化させたときのフレキシビリティーが要求されるとき
は、モノマー量を減らすか、官能基の数が1又は2のア
クリレートモノマーを使用するとよい。電離放射線硬化
性樹脂組成物を塗布し、硬化させたときの耐摩耗性、耐
熱性、耐溶剤性が要求されるときは、官能基の数が3つ
以上のアクリレートモノマーを使う等、電離放射線硬化
性樹脂組成物の設計が可能である。ここで、官能基が1
のものとして、2−ヒドロキシアクリレート、2−ヘキ
シルアクリレート、フェノキシエチルアクリレートが挙
げられる。官能基が2のものとして、エチレングリコー
ルジアクリレート、1,6−ヘキサンジオールジアクリ
レートが挙げられる。官能基が3以上のものとして、ト
リメチロールプロパントリアクリレート、ペンタエリス
リトールトリアクリレート、ペンタエリスリトールテト
ラアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクレ
リート等が挙げられる。
【0043】電離放射線硬化性樹脂組成物の塗布後の硬
化が紫外線照射により行われるときは、光重合開始剤や
光重合促進剤を添加する。光重合開始剤としては、ラジ
カル重合性不飽和基を有する樹脂系の場合は、アセトフ
ェノン類、ベンゾフェノン類、チオキサントン類、ベン
ゾイン、ベンゾインメチルエーテル等を単独又は混合し
て用いる。また、カチオン重合性官能基を有する樹脂系
の場合は、光重合開始剤として、芳香族ジアゾニウム
塩、芳香族スルホニウム塩、芳香族ヨードニウム塩、メ
タセロン化合物、ベンゾインスルホン酸エステル等を単
独又は混合物として用いる。光重合開始剤の添加量は、
電離放射線硬化性樹脂組成物100重量部に対し、0.
1〜10重量部である。
【0044】透明樹脂保護層5には、その層の表面の耐
摩耗性を向上させる意味で、好ましくは無機質であっ
て、架橋硬化した樹脂よりも高硬度の球状粒子を含有さ
せる。高硬度の球状粒子を添加すると、一層の表面強化
が実現される。こで球状粒子は真球である必要はなく、
表面が滑らかであればよい。球状粒子の役割は、表面保
護層の表面からその一部が突出して、摩耗の原因となる
外力を球状粒子の表面で受け止め、球状粒子自身が次第
に磨耗することによって、下層の磨滅を防止する事であ
る。球状粒子としてはα−アルミナ、シリカ、酸化クロ
ム、酸化鉄、ダイアモンド、黒鉛等があるが、中でも、
硬度が高く、球形のものが多い点から、球形のα−アル
ミナ(昭和電工株式会社の球状アルミナAS−10から
AS50)が推奨できる。球状粒子の粒径は、平均粒径
で5〜100μmが好ましい。無機質の球状粒子を表面
保護層に用いる際に、表面保護層を構成する樹脂中での
密着性を上げる意味で、予めシランカップリング剤等で
処理するとよい。
【0045】透明樹脂保護層5には、下層の透視性を妨
げない範囲で、表面の艶を調整する意味での艶消し剤等
を含ませたものであってよい。艶消し剤とは、例えば、
シリカ、または炭酸カルシウム、シラスバルーン、樹脂
ビーズ等がある。耐摩耗剤または艶消し剤は、樹脂との
光の屈折率の差が少なく、透明性の高いものを選択して
用いるか、または添加量が過剰にならないようにする。
【0046】本発明においては、模様層4上に透明樹脂
保護層5を形成するので、模様層4を構成する少なくと
も一部の模様を、その上に透明樹脂保護層形成用樹脂組
成物を塗布した際にはじく性質のある撥液性模様で構成
しておくと、撥液性模様上に実質上、透明樹脂保護層が
形成されないか、周囲にくらべてごく薄く形成されるた
めに凹部を生じさせることができ、表面に模様に応じた
凹凸を形成することができる。このほか、透明樹脂保護
層5の表面には型押しにより凹凸を形成してもよく、模
様層4の模様に合わせた模様状の凹凸、布目の凹凸、梨
地等の一様な凹凸等がある。
【0047】本発明の床用化粧材は主にポリオレフィン
樹脂を用いて構成されるため、実際に使用する際に、太
陽光や蛍光灯等の紫外線による悪影響がある。この悪影
響は、積層してある各層間の接着性の低下や甚だしい場
合には剥離をも伴なうため、このための対策を講じてお
くのがよく、剥離の起きやすい部分の上層に、好ましく
は、紫外線吸収剤と光安定剤とからなる添加剤を添加し
ておく。添加の対象となる層は、透明樹脂保護層5、模
様層4である。添加剤は、1つの層に添加するよりも、
2つの層に添加した方が、化粧材全体としての添加効果
があり、さらに、添加剤を添加する層をふやしてよい。
【0048】紫外線吸収剤と光安定剤とからなる添加剤
を適用するには、対象となる層を形成するための樹脂組
成物、塗料組成物又はインキ組成物中に適量を混練又は
分散させた後、それらを用いて成膜、塗布又は印刷によ
って行なう。透明層や着色層ートに添加剤を添加する場
合には、樹脂のペレットと共に添加剤を加熱溶融して混
合するか、あるいは、少量の樹脂ペレットに予め、添加
剤を溶融混合しておいたものを必要な量の樹脂ペレット
と溶融混合する方法によってもよい。
【0049】紫外線吸収剤としては、次の(1)〜
(5)のようなものが使用できる。 (1)ベンゾフェノン系;2,4−ジヒドロキシベンゾ
フェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシ−ベンゾフェ
ノン、2−ヒドロキシ−4−n−オクトキシベンゾフェ
ノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシ−ベンゾフェノン
−5−スルホン酸。 (2)ベンゾトリアゾール系;2−(2’−ヒドロキシ
−5’−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−
(2’−ヒドロキシ−3’−t−ブチル−5’−メチル
フェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−
(2’−ヒドロキシ−3’,5’−ジ−t−ブチルフェ
ニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(2’−
ヒドロキシ−3’,5’−ジクミルフェニル)フェニル
ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3’−
ドデシル−5’−メチルフェニル)ベンゾトリアゾー
ル、2,2’−メチレンビス[4−(1,1,3,3−
テトラメチルブチル)−6−(2H−ベンゾトリアゾー
ル−2−イル)フェノール]。 (3)アクリレート系;エチル−2−シアノ−3,3’
−ジフェニルアクリレート、2−エチルヘキシル−2−
シアノ−3,3’−ジフェニルアクリレート。 (4)サリシレート系;フェニルサリシレート、4−t
−ブチルフェニルサリシレート。 (5)オキザニリド系;2−エトキシ−2’−エチルオ
キザリックアシドビスアニリド、2−エトキシン−5−
t−ブチル−2’−エチルオキザリックアシドビスアニ
リド。 これらの紫外線吸収剤を添加する割合は、添加する対象
の層の樹脂分に対し、好ましくは、0.1〜2重量%の
範囲である。0.1重量%未満では添加効果が乏しく、
2重量%を超えても、効果の向上が見られない。
【0050】光安定材としては、ヒンダードアミン系の
光安定材(Hindered Amine Light
Stabilizerの英語名の頭文字を取って、H
ALSと通称される、次のような化合物が使用できる。
ビス−(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジ
ニル)セバケート、ビス−(N−メチル、2,2,6,
6,−テトラメチル−4−ピペリジニル)セバケート、
[コハク酸ジメチル−1−(2−ヒドロキシエチル)−
4−ヒドロキシ−2,2,6,6,−テトラメチルピペ
リジン]縮合物、ポリ{[6−(1,1,3,3−テト
ラメチルブチル)イミノ]−1,3,5−トリアジン−
2,4−ジイル[(2,2,6,6−テトラメチル−4
−ピペリジル)イミノ]ヘキサメチレン[(2,2,
6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)イミノー
ル]}。これらの光安定剤を添加する割合は、添加する
対象の層の樹脂分に対し、好ましくは、0.1〜2重量
%の範囲である。0.1重量%未満では添加効果が乏し
く、2重量%を超えても、効果の向上が見られない。
【0051】なお、紫外線吸収剤と光安定剤は、それぞ
れを単独で使用した場合でも効果はあるが、併用した方
が、理由は定かではないが、相乗的に効果が向上するた
め、併用する事が望ましい。なお、紫外線吸収剤と光安
定剤は、使用中のブリードが避けがたく、種々の方策が
講じられているが、上記のHALSについては、層を構
成する樹脂に対し、例えば、4−アクリロイルオキシ−
2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、あるいは4
−メタクリロイルオキシ−2,2,6,6−テトラメチ
ルピペリジン等の(メタ)アクリロイルオキシ基を持つ
環状アミン化合物をグラフト共重合させ、ブリードを防
止する技術の実用が開始されており、この方式を利用す
るのがよい。
【0052】本発明の床用化粧材は、接着剤を使用して
コンクリート、もしくは床用合板等の上に接着して使用
するものであるので、接着剤を使用する際に、接着剤が
床用化粧材の裏面に接着しやくなるために、裏打ち層2
を積層しておくことが好ましい。裏打ち層2を構成する
素材としては、ゴム含浸繊維質シートの説明の際に挙げ
た繊維質シートが原則的に使用できるが、アスベストシ
ートは、粉塵となって人が吸い込む恐れがあるので、ガ
ラス繊維を用いたものがよい。裏打ち層2とクッション
性層3とは、接着剤を用いたラミネート、加圧による圧
入、裏打ち層2上へのクッション性層形成用組成物のコ
ーティングにより積層できる。クッション性層3に積層
された裏打ち層2は、床用化粧材1の寸法安定性を向上
させる働きも有する。裏打ち層2を上記したような素材
で構成すると、床用化粧材1全体の剛性が増すため、過
度に剛性が増すと、長尺の床用化粧材1を取扱う際に巻
こうとすると、折れ曲がってしまうことがあり、床用化
粧材1が折れ曲がったまま、元に戻らなくなったり、ひ
び割れることもある。床用化粧材1に柔軟性が要求され
るときは、極く薄くて引っ張り強度の大きいポリエステ
ル樹脂フィルム(例えば、厚み12μm程度の2軸延伸
フィルム)のような樹脂フィルムを、上記の繊維質シー
トに替えて用いてもよい。ポリエステル樹脂フィルム以
外に、ポリエチレン樹脂フィルム、もしくはポリプロピ
レン樹脂フィルム等のポリオレフィン樹脂フィルムを使
用してもよい。
【0053】本発明の床用化粧材の製造は、種々の手順
で行なえる。各層については、種々の態様を説明した
が、最も好ましく、簡略化された構成は、図2に示すよ
うな、下から、裏打ち層2、クッション性層3、模様層
4、表面に凹凸6を有する透明合成樹脂層5が積層され
た構造である。図2を参照しながら、それらの製造の手
順を説明する。先ず、素材として、着色層7を構成する
着色合成樹脂フィルムと、クッション性層3を構成する
発泡シートとを準備する。着色合成樹脂フィルムには、
その上面に印刷を施しておき、印刷面上には、電子線硬
化性塗料を塗布し、電子線を照射して表面を固め、梨地
等の凹凸を施しておく。また、着色合成樹脂フィルムの
下面には接着性向上のため、プライマーを予め塗布して
おく。こうして準備された両シートを、着色合成樹脂フ
ィルムのプライマーを塗布してある下面に発泡シートが
重なるようにして、ポリウレタン樹脂系接着剤等を用い
てドライラミネーションにより貼り合わせる。その後、
発泡シートの下面に、用途によってガラスクロスまたは
ポリエステルフィルムをポリウレタン樹脂系接着剤等を
用いて貼り合わせて製品とする。言わば、逐次ラミネー
トする方法、もしくは2段階ラミネートである。なお、
両シートの積層をドライラミネーションに代えて、いず
れかのシートの溶融押し出しによるラミネート、好まし
くは、発泡シートの溶融押し出しによるラミネートによ
って行なってもよい。また、転写シート上に模様層を構
成するための印刷を施しておき、その上に、樹脂層(例
えば、着色層もしくは透明樹脂保護層)を形成すると同
時に、模様層を転写する方法を採ることもできる。
【0054】別の方法は、上記における着色合成樹脂フ
ィルム、発泡シート、裏打ち層の3者を、芯になる発泡
シートの溶融押し出しと同時にラミネートする方法であ
り、その他は上記の2段階ラミネートと同様で、着色合
成樹脂フィルム、および裏打ち層の、発泡シートと接す
る側には、予め、プライマー層を形成しておき、接着性
を高める。
【0055】本発明の床用化粧材は、模様層を着色層と
透明樹脂層でサンドイッチした構造、特に着色層と透明
樹脂層のいずれもが50μm〜200μm程度の厚みの
あるシートで構成した、「ダブリングシート」として構
成しておき、このダブリングシートの下面(着色層側の
面)に裏打層を貼ることによっても作成できる。裏打層
の貼付けは、接着剤を用いたラミネーションによって
も、熱融着による方式によってもよい。床用化粧材は
「ソリ」を嫌うため、一例として10Kg/cm2程度
の圧力で、130℃で10分間の加熱しながらのプレ
ス、および10分間の熱を加えないて行なうプレスの組
み合わせによる枚葉プレス(=1枚毎に行なうプレスの
意味)で行なう。本発明の床用化粧材は、最表面に凹凸
を有していてもよいが、最表面を構成する際に凹凸を付
けても、裏打層を積層する際に同時に凹凸を付けても、
あるいは別の工程で凹凸付けを行なってもよい。また、
裏打層として発泡シートを用いる場合には、発泡済の裏
打層を積層しても、あるいは、未発泡シートを積層して
から発泡させても、いずれでもよい。
【0056】
【実施例】(実施例1)厚み0.9mmのポリエチレン
系樹脂製の着色シート(タツノ化学(株)製、F−2
1)の上面に、濡れ指数が40dyn/cm以上になる
ようにコロナ処理を施した後、コロナ処理面にポリウレ
タン系樹脂をベヒクルとするプライマー塗料(昭和イン
ク工業所(株)製、AFS)を用いて全面に塗布して、
プライマー層を形成した。形成されたプライマー層上
に、着色ベタ層形成用インキ(昭和インク工業所(株)
製、UE)および絵柄層形成用インキ(昭和インク工業
所(株)製、EX−5000)をそれぞれ用いて、着色
ベタ層および絵柄層を順次形成し、印刷シートを得た。
得られた印刷シートの印刷面上にポリウレタン系樹脂を
主成分とする接着剤(大日精化工業(株)製、セイカボ
ンドE295L)を塗布量が15g/m2 (乾燥時)に
なるよう塗布して接着剤層を形成した上に、透明ポリプ
ロピレン樹脂(日本ポリケム社製、TX−1950)を
溶融させたものをTダイを使用し、厚みが150μmに
なるよう押し出し、押し出した直下において、先に形成
した接着剤層を介して印刷シート上にラミネートして、
印刷面が透明ポリプロピレン樹脂層で被覆された複層の
化粧シートを得た。得られた複層の化粧シートの透明樹
脂層の上面に、濡れ指数が40dyn/cm以上になる
ようにコロナ処理を施した後、コロナ処理面にアクリル
ウレタン系樹脂を樹脂成分とするプライマー塗料(ザ・
インクテック(株)製、EBP3)を用いて全面に塗布
して、プライマー層を形成し、次いで、プライマー層上
に電離放射線硬化型樹脂塗料(大日精化工業(株)製、
セイカビームEBF−03)を全面に塗布量が15g/
2 (乾燥時)になるよう塗布し、塗布後、直ちに、電
子線(加速電圧;125KV、照射線量;5Mrad)
を照射して、塗膜を硬化させ、表面が硬化塗膜で被覆さ
れた化粧シートを得た。得られたシートの構成は、下か
ら順に、ポリエチレン系樹脂製着色シート/プライマー
層/着色ベタ層/絵柄層/接着剤層/透明ポリプロピレ
ン樹脂層/硬化塗膜が積層したものである。ただし、記
号「/」は前後の層が互いに積層していることを意味す
るものとする。
【0057】以上のようにして得られた、表面が硬化塗
膜で被覆された化粧シートの裏面に、次の〜の各種
の裏打材を積層して床用化粧材とした。 ポリプロピレン樹脂シート エチレン/酢酸ビニル共重合樹脂シート エチレン/酢酸ビニル共重合樹脂およびポリエチレン
樹脂のブレンド樹脂のシート 炭酸カルシウムを含むエチレン/酢酸ビニル共重合樹
脂の発泡シート エチレン/酢酸ビニル共重合樹脂の発泡シート スチレン/ブタジエンゴムの発泡シート 上記のシートの裏面にガラス不織布をラミネートし
たもの 上記のシートの裏面にガラス不織布をラミネートし
たもの
【0058】得られた床用化粧材は、上記のいずれの裏
打層を積層した場合も、従来の塩ビクッションフロアと
くらべて同等な歩行感を有し、床への施工上の問題もな
く、耐摩耗性等の耐久性も遜色のないものであった。
【0059】(実施例2)厚み0.1mmの着色された
ポリプロピレン系樹脂フィルム(三菱化成ビニル社製)
の上面を実施例1と同様にしてコロナ処理した後、アク
リルウレタン系樹脂の2液硬化型インキを使用して、グ
ラビア印刷により、木目柄を印刷して印刷シートを得
た。得られた印刷シートの印刷面上に実施例1で用いた
のと同様な電離放射線硬化型樹脂塗料を全面に塗布量が
10g/m2 (乾燥時)になるよう塗布し、塗布後、直
ちに、電子線(加速電圧;125KV、照射線量;5M
rad)を照射し、直ちに加熱エンボス加工を施して、
表面に凹凸を有し、硬化塗膜で被覆された化粧シートを
得た。得られた化粧紙シートの裏面(=着色されたポリ
プロピレン系樹脂フィルム側の面)に、厚み1mmのS
BRゴム発泡シート(=クッション性層)、および厚み
12μmのポリエチレンテレフタレート樹脂フィルム
(=裏打層)を、いずれもポリウレタン樹脂系接着剤を
介して順にラミネートし、床用化粧材とした。また、上
記と同様な化粧シートの裏面に、厚み2mmのSBRラ
テックス含浸紙を接着剤を用いてラミネートし、同様に
床用化粧材とした。
【0060】(実施例3)厚み1mmのSBRゴム発泡
シートの表面に、アクリルウレタン系樹脂の2液硬化型
インキを使用して、グラビア印刷により、プライマー層
を形成し、続いて同じアクリルウレタン系樹脂の2液硬
化型インキを使用して、着色ベタ層、および木目柄を印
刷し、実施例1で用いたのと同様な電離放射線硬化型樹
脂塗料を全面に塗布量が10g/m2 (乾燥時)になる
よう塗布し、塗布後、直ちに、電子線(加速電圧;12
5KV、照射線量;5Mrad)を照射し、直ちに加熱
エンボス加工を施して、表面に凹凸を有し、硬化塗膜で
被覆された床用化粧材を得た。なお、発泡シートとし
て、所定の色彩に着色したものを使用し、着色ベタ層を
形成せずに木目柄を印刷し、その他は上記と同様に行な
っても、同様の外観のものが得られた。
【0061】(実施例4)実施例2におけるのと同様に
して、印刷シートを得た後、やはり同様な操作により、
表面に凹凸を有し、硬化塗膜で被覆された化粧シートを
得た。得られた化粧シートの下面側に、30g/m2
ガラスペーパー(オリベスト製)を介して、竹粉30重
量%を含む15倍発泡のポリエチレン樹脂発泡シート
(厚み1mm)を接着剤を用いてラミネートし、床用化
粧材を得た。得られた床用化粧材の裏面の抗菌性を調べ
るため、抗菌製品技術協議会の品質と安全性に関する自
主規格「抗菌製品の抗菌力試験法I(1988年度版)
フィルム密着法」を参考にして抗菌力試験を行なった。
ただし、試験は黄色ブドウ球菌(Staphyloco
ccus aureus IFO 12732)の1菌
種で実施した。試験の結果、黄色ブドウ球菌の生菌数
は、保存開始前には、3.1×10-6であったが、35
℃の温度で24時間保存後には生菌が検出されず、抗菌
効果があることが確認された。
【0062】
【発明の効果】第1の発明によれば、ポリオレフィン系
樹脂または/およびゴムの層、これらの素材からなる発
泡層、またはゴム含浸繊維質シートを下層に有している
ので、クッション性を有し、歩行感、歩行音の点で支障
がなく、発泡層上に模様層を有しているので、装飾効果
がある上、最表面を硬化性樹脂が硬化した透明樹脂保護
層で被覆してあるので、表面の物理的、化学的性状が優
れると共に、置き跡が比較的付きにくい利点を有した床
用化粧材を提供できる。第2の発明によれば、第1の発
明の効果に加え、着色層を発泡層と模様層との間に有し
ているので、下地隠蔽性が高く、模様層による装飾効果
が向上した床用化粧材を提供できる。また、着色層の存
在による補強効果の向上がある。なお、模様層を印刷で
形成する場合であれば、発泡層にくらべて薄い合成樹脂
フィルム上に模様層を形成できるので、高速で高品質の
印刷が行なえる利点がある。第3の発明によれば、第1
の発明の効果に加え、発泡層と模様層との間に補強層を
有しているので、置き跡が付くことを抑制できる利点が
ある。第4の発明によれば、第1の発明の効果に加え、
発泡層と模様層との間に補強層と着色層とを有している
ので、第2および第3の発明により加わった両方の利点
がある。第5の発明によれば、第1の発明の効果に加
え、第4の発明と同様な利点がある。第6の発明によれ
ば、第1〜第5いずれかの発明の効果に加え、透明樹脂
保護層を、具体的に熱硬化性あるいは電離放射線硬化性
のものを用いて構成するので、加工しやすく、表面の物
理的、化学的性状が優れたものとすることができる利点
がある。第7の発明によれば、第1〜第5いずれかの発
明の効果に加え、模様層上と硬化塗膜との間に熱可塑性
樹脂からなる透明合成樹脂層を有しているので、より耐
摩耗性の高い床用化粧材を提供できる。第8の発明によ
れば、第6または第7の発明の効果に加え、透明保護樹
脂層の表面に凹凸を有しているので、外観的にも変化が
あり、物理的に見ても、滑りを防止して歩行時の危険を
少なくできる利点がある。第9の発明によれば、第1〜
第7いずれかの発明の効果に加え、裏打ち層を下面に有
しているため、施工時の接着性、寸法安定性を向上させ
ることができる。また、裏打ち層をポリエステル樹脂フ
ィルムのような、極く薄くて引っ張り強度の大きいフィ
ルムで構成する場合には、長尺の床用化粧材を巻いたと
きに、折れ曲がりやひび割れの欠点が生じることを抑制
できる利点がある。第10の発明によれば、第1〜第9
いずれかの発明の効果に加え、クッション性層3の寸法
安定性が優れ、竹粉を含んだクッション性層は、抗菌効
果、および防かび効果を有するため、抗菌性、および防
かび性を有する床用化粧材を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】床用化粧材の基本的な構成を示す断面図であ
る。
【図2】着色層を伴った構成を示す断面図である。
【図3】補強層を伴った構成を示す断面図である。
【図4】補強層又は透明樹脂層と着色層を伴った構成を
示す断面図である。
【図5】補強層兼着色層を伴った床用化粧材の構成を示
す断面図である。
【符号の説明】
1 床用化粧材 2 裏打ち層 3 クッション性層 4 模様層 5 透明樹脂保護層 6 凹凸 7 着色層 8 補強層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4F100 AK01C AK03A AK04 AK07 AK07E AK42E AK51 AK68E AN01A AN02A AN02E BA04 BA05 BA07 BA10A BA10C BA10E CA23A DD01C DG01A DG03A DG15E DJ01A EH23 EH46 EJ82A GB08 HB00B HB40 JB13C JB14C JB16C JD05 JH01 JL00 JL10D JN01C YY00A

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ポリオレフィン系樹脂または/およびゴ
    ムの層、これらの素材からなる発泡層、またはラテック
    ス含浸繊維質シートからなるクッション性層上に、模様
    層および硬化性樹脂が硬化した透明樹脂保護層がこの順
    に積層されていることを特徴とする床用化粧材。
  2. 【請求項2】 クッション性層上に、着色層を介して模
    様層が積層されていることを特徴とする請求項1記載の
    床用化粧材。
  3. 【請求項3】 クッション性層上に、補強層を介して模
    様層が積層されていることを特徴とする請求項1記載の
    床用化粧材。
  4. 【請求項4】 クッション性層上に、補強層および着色
    層を介して模様層が積層されていることを特徴とする請
    求項1記載の床用化粧材。
  5. 【請求項5】 クッション性層上に、補強層兼着色層を
    介して模様層が積層されていることを特徴とする請求項
    1記載の床用化粧材。
  6. 【請求項6】 透明樹脂保護層が熱硬化性樹脂組成物ま
    たは電離放射線硬化性樹脂組成物が架橋硬化したもので
    あることを特徴とする請求項1〜5いずれか記載の床用
    化粧材。
  7. 【請求項7】 透明樹脂保護層が模様層上に設けられた
    熱可塑性樹脂からなる透明合成樹脂層、および熱硬化性
    樹脂組成物または電離放射線硬化性樹脂組成物が架橋硬
    化した硬化塗膜からなることを特徴とする請求項1〜5
    いずれか記載の床用化粧材。
  8. 【請求項8】 透明樹脂保護層の表面に凹凸を有するこ
    とを特徴とする請求項6または7記載の床用化粧材。
  9. 【請求項9】 クッション性層の下面には、裏打ち層が
    積層されていることを特徴とする請求項1〜8いずれか
    記載の床用化粧材。
  10. 【請求項10】 クッション性層が、無機充填剤0.1
    〜40%、又は、木粉もしくは竹粉の天然繊維からなる
    有機質充填剤0.1〜40%を含んでいることを特徴と
    する請求項1〜9いずれか記載の床用化粧材。
JP11229691A 1999-08-16 1999-08-16 床用化粧材 Withdrawn JP2001055826A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP11229691A JP2001055826A (ja) 1999-08-16 1999-08-16 床用化粧材

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP11229691A JP2001055826A (ja) 1999-08-16 1999-08-16 床用化粧材

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2001055826A true JP2001055826A (ja) 2001-02-27

Family

ID=16896201

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP11229691A Withdrawn JP2001055826A (ja) 1999-08-16 1999-08-16 床用化粧材

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2001055826A (ja)

Cited By (22)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002256686A (ja) * 2001-02-28 2002-09-11 Lonseal Corp 非ハロゲン系発泡床材
JP2002339536A (ja) * 2001-05-14 2002-11-27 Takiron Co Ltd 室内階段用床材
KR100415196B1 (ko) * 2001-11-19 2004-01-16 주식회사 엘지화학 피브이씨와 변성 티피오로 조성된 발포층을 가진 바닥장식재와 그의 제조방법
KR100439313B1 (ko) * 2001-08-29 2004-07-07 주식회사 엘지화학 고무성분이 공중합된 변성 올레핀수지를 사용한 바닥재
JP2005200465A (ja) * 2004-01-13 2005-07-28 Bando Chem Ind Ltd ポリオレフィン樹脂フィルムおよびその製造方法
JP2006233649A (ja) * 2005-02-25 2006-09-07 Ryoichi Kitamura タイル材
EP1702751A1 (en) * 2005-03-15 2006-09-20 Prialpas S.P.A. Method of obtaining a covering rubber plate particularly suitable for floorings
JP2006248013A (ja) * 2005-03-10 2006-09-21 Matsushita Electric Ind Co Ltd 化粧部材
JP2007268937A (ja) * 2006-03-31 2007-10-18 Dainippon Printing Co Ltd 発泡壁紙
JP2007297917A (ja) * 2007-08-24 2007-11-15 Toppan Printing Co Ltd 化粧材
JP2009127298A (ja) * 2007-11-22 2009-06-11 Toppan Cosmo Inc 床用化粧材
JP2010076213A (ja) * 2008-09-25 2010-04-08 Dainippon Printing Co Ltd 化粧シート
JP2010076217A (ja) * 2008-09-25 2010-04-08 Dainippon Printing Co Ltd 下地隠蔽性が向上した化粧シート
JP2010222768A (ja) * 2009-02-26 2010-10-07 Daio Paper Corp 床材用含浸紙
JP4566272B1 (ja) * 2008-07-22 2010-10-20 大日本印刷株式会社 床用化粧材
KR20110121596A (ko) * 2010-04-30 2011-11-07 쇼 인더스트리즈 그룹, 인코포레이티드 비-비닐 탄성 플로어링 제품 및 그 제조 방법
JP2012087451A (ja) * 2011-12-05 2012-05-10 Dainippon Printing Co Ltd 発泡壁紙
KR101156936B1 (ko) 2009-09-02 2012-06-14 소병춘 발포올레핀을 이용한 탄성바닥재 및 그 시공방법
JP2013226794A (ja) * 2011-09-27 2013-11-07 Dainippon Printing Co Ltd 積層シート及び発泡積層シート
US10259204B2 (en) 2010-04-30 2019-04-16 Columbia Insurance Company Resilient flooring product and methods of making same
KR20200113505A (ko) * 2019-03-25 2020-10-07 (주)두일지피씨 Uv코팅층에 엠보 형성이 가능한 인테리어 장식부재의 제조방법 및 이 제조방법에 의하여 제조된 인테리어 장식부재
KR20220088531A (ko) * 2020-12-17 2022-06-28 주식회사 멋스럼 점착식 타일 및 이의 제조방법

Cited By (29)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002256686A (ja) * 2001-02-28 2002-09-11 Lonseal Corp 非ハロゲン系発泡床材
JP2002339536A (ja) * 2001-05-14 2002-11-27 Takiron Co Ltd 室内階段用床材
KR100439313B1 (ko) * 2001-08-29 2004-07-07 주식회사 엘지화학 고무성분이 공중합된 변성 올레핀수지를 사용한 바닥재
KR100415196B1 (ko) * 2001-11-19 2004-01-16 주식회사 엘지화학 피브이씨와 변성 티피오로 조성된 발포층을 가진 바닥장식재와 그의 제조방법
JP2005200465A (ja) * 2004-01-13 2005-07-28 Bando Chem Ind Ltd ポリオレフィン樹脂フィルムおよびその製造方法
JP2006233649A (ja) * 2005-02-25 2006-09-07 Ryoichi Kitamura タイル材
JP4539379B2 (ja) * 2005-03-10 2010-09-08 パナソニック電工株式会社 化粧部材
JP2006248013A (ja) * 2005-03-10 2006-09-21 Matsushita Electric Ind Co Ltd 化粧部材
EP1702751A1 (en) * 2005-03-15 2006-09-20 Prialpas S.P.A. Method of obtaining a covering rubber plate particularly suitable for floorings
JP2007268937A (ja) * 2006-03-31 2007-10-18 Dainippon Printing Co Ltd 発泡壁紙
JP2007297917A (ja) * 2007-08-24 2007-11-15 Toppan Printing Co Ltd 化粧材
JP2009127298A (ja) * 2007-11-22 2009-06-11 Toppan Cosmo Inc 床用化粧材
JP2010242485A (ja) * 2008-07-22 2010-10-28 Dainippon Printing Co Ltd 床用化粧材
JP4566272B1 (ja) * 2008-07-22 2010-10-20 大日本印刷株式会社 床用化粧材
JP2010076213A (ja) * 2008-09-25 2010-04-08 Dainippon Printing Co Ltd 化粧シート
JP2010076217A (ja) * 2008-09-25 2010-04-08 Dainippon Printing Co Ltd 下地隠蔽性が向上した化粧シート
JP2010222768A (ja) * 2009-02-26 2010-10-07 Daio Paper Corp 床材用含浸紙
KR101156936B1 (ko) 2009-09-02 2012-06-14 소병춘 발포올레핀을 이용한 탄성바닥재 및 그 시공방법
KR20110121596A (ko) * 2010-04-30 2011-11-07 쇼 인더스트리즈 그룹, 인코포레이티드 비-비닐 탄성 플로어링 제품 및 그 제조 방법
JP2011236733A (ja) * 2010-04-30 2011-11-24 Shaw Industries Group Inc 非ビニル弾性床製品およびその作製方法
US9359773B2 (en) 2010-04-30 2016-06-07 Columbia Insurance Company Non-vinyl resilient flooring product and methods of making same
US10259204B2 (en) 2010-04-30 2019-04-16 Columbia Insurance Company Resilient flooring product and methods of making same
KR101974216B1 (ko) * 2010-04-30 2019-04-30 쇼 인더스트리즈 그룹, 인코포레이티드 비-비닐 탄성 플로어링 제품 및 그 제조 방법
JP2013226794A (ja) * 2011-09-27 2013-11-07 Dainippon Printing Co Ltd 積層シート及び発泡積層シート
JP2012087451A (ja) * 2011-12-05 2012-05-10 Dainippon Printing Co Ltd 発泡壁紙
KR20200113505A (ko) * 2019-03-25 2020-10-07 (주)두일지피씨 Uv코팅층에 엠보 형성이 가능한 인테리어 장식부재의 제조방법 및 이 제조방법에 의하여 제조된 인테리어 장식부재
KR102262574B1 (ko) * 2019-03-25 2021-06-09 (주)두일지피씨 Uv코팅층에 엠보 형성이 가능한 인테리어 장식부재
KR20220088531A (ko) * 2020-12-17 2022-06-28 주식회사 멋스럼 점착식 타일 및 이의 제조방법
KR102510143B1 (ko) 2020-12-17 2023-03-20 주식회사 데코스탠다드 점착식 타일 및 이의 제조방법

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2001055826A (ja) 床用化粧材
KR100876787B1 (ko) 바닥재용 화장 시트 및 이를 이용한 바닥용 화장재
JP6487127B1 (ja) 化粧板、その使用方法及びその製造方法、並びに、それを含む積層体、床仕上げ材
JP6520128B2 (ja) 化粧シート及び化粧板
JP5145645B2 (ja) 化粧シートおよびそれを用いた化粧板
JP2003056168A (ja) 床材及びその製造方法
JP2006123495A (ja) 化粧シート
JP2003049530A (ja) 床材及びその製造方法
JP2012144735A (ja) 水性塗料
JP5141008B2 (ja) 化粧シートおよびそれを用いた化粧板
JP2008126409A (ja) 化粧シートおよびそれを用いた化粧板
JP5035440B2 (ja) 化粧シート
KR101456731B1 (ko) 화장 시트 및 그것을 사용한 화장판
JP2004084285A (ja) 床材
JP6520129B2 (ja) 化粧シート及びその製造方法、並びに、化粧板及びその製造方法
JP2001038849A (ja) 化粧シート
JP2007077602A (ja) 床用化粧材
JP4428191B2 (ja) 化粧シートの製造方法
JP4583059B2 (ja) 床材用化粧シート
JP2006123543A (ja) 化粧シート
JP5286211B2 (ja) 低誘虫シート及びこれを用いた照明器具
JP2000355048A (ja) ポリオレフィン化粧材の製造方法
JP3052138B1 (ja) 化粧材
JP2004058379A (ja) 高光沢度を有する化粧シート
JP4482755B2 (ja) 化粧シート及びその製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A300 Withdrawal of application because of no request for examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300

Effective date: 20061107