JP2001032714A - エンジンの冷却制御装置 - Google Patents

エンジンの冷却制御装置

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JP2001032714A
JP2001032714A JP11208480A JP20848099A JP2001032714A JP 2001032714 A JP2001032714 A JP 2001032714A JP 11208480 A JP11208480 A JP 11208480A JP 20848099 A JP20848099 A JP 20848099A JP 2001032714 A JP2001032714 A JP 2001032714A
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JP
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cooling water
electric
water temperature
engine
water pump
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JP11208480A
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Yuichi Shimazaki
勇一 島崎
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Honda Motor Co Ltd
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Honda Motor Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 エンジンの冷却系に設けた電動サーモスタッ
トおよび電動ウオータポンプの消費電力を節減しながら
冷却水温度を的確に制御する。 【解決手段】 目標冷却水温度TwREF と実際の冷却水
温度Twとの偏差の絶対値が第1閾値A以上のときに電
動ウオータポンプPの回転数を増減するとともに電動サ
ーモスタットTの開度を増減し、偏差の絶対値が第1閾
値A未満で第2閾値B以上のときに電動ウオータポンプ
Pの回転数を増減して電動サーモスタットTの開度をホ
ールドし、偏差の絶対値が第2閾値B未満で第3閾値C
以上のときに電動ウオータポンプPの回転数をホールド
して電動サーモスタットTの開度を増減し、偏差の絶対
値が第3閾値C未満のときに電動ウオータポンプPの回
転数をホールドするとともに電動サーモスタットTの開
度をホールドすることにより、消費電力を最小限に抑え
ながら冷却水温度Twを目標冷却水温度TwREF に収束
させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電動サーモスタッ
トの開度および電動ウオータポンプの回転数を制御手段
で制御するエンジンの冷却制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、エンジンのウオータジャケット
およびラジエータを接続する閉じた冷却水回路に冷却水
を循環させるウオータポンプは、エンジンのクランクシ
ャフトに接続されて駆動されるようになっており、また
エンジンの冷間時に暖機を促進すべくラジエータを迂回
するバイパス回路を構成するサーモスタットは、冷却水
温度に反応するサーモワックスを駆動源としている。
【0003】かかる従来のウオータポンプおよびサーモ
スタットを備えたエンジンの冷却制御装置では、ウオー
タポンプの回転数がエンジン回転数によって一義的に決
定されてしまい、かつサーモスタットの開度が冷却水温
度によって一義的に決定されてしまうため、ウオータポ
ンプの回転数およびサーモスタットの開度をきめ細かく
制御することができなかった。
【0004】それに対して、ウオータポンプを電気モー
タで駆動して回転数を任意に制御することを可能にし、
かつサーモスタットの開度を電気的に変化させてラジエ
ータを通過する冷却水の流量を任意に制御することを可
能にしたエンジンの冷却制御装置が、特開平5−231
148号公報により公知である。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところで上記公報に記
載されたものは、目標冷却水温度と実際の冷却水温度と
の間に偏差が発生すると、その偏差の大小に関わらず電
動ウオータポンプの回転数の増減および電動サーモスタ
ットの開度の増減が並行して行われるようになってい
る。従って、前記偏差が小さいために電動ウオータポン
プの回転数の増減だけで、あるいは電動サーモスタット
の開度の増減だけで冷却水温度を速やかに目標冷却水温
度に収束させることができる場合にも、電動ウオータポ
ンプの回転数の増減および電動サーモスタットの開度の
増減の両方が実行されてしまい、消費電力の節減が妨げ
られる問題がある。
【0006】本発明は前述の事情に鑑みてなされたもの
で、電動サーモスタットおよび電動ウオータポンプの消
費電力を節減しながら冷却水温度を目標冷却水温度に的
確に収束させることを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、請求項1に記載された発明によれば、エンジンのウ
オータジャケットおよびラジエータを接続する閉じた冷
却水回路に、開弁時に前記冷却水回路を構成して閉弁時
にラジエータを通過しないバイパス回路を構成する電動
サーモスタットと、冷却水を循環させる電動ウオータポ
ンプとを設け、制御手段が電動サーモスタットの開度お
よび電動ウオータポンプの回転数を制御するエンジンの
冷却制御装置において、前記制御手段は、目標冷却水温
度と実際の冷却水温度との偏差を算出し、前記偏差の絶
対値が第1閾値以上のときに電動ウオータポンプの回転
数を増減するとともに電動サーモスタットの開度を増減
し、前記偏差の絶対値が第1閾値未満で第2閾値以上の
ときに電動ウオータポンプの回転数を増減して電動サー
モスタットの開度をホールドし、前記偏差の絶対値が第
2閾値未満で第3閾値以上のときに電動ウオータポンプ
の回転数をホールドして電動サーモスタットの開度を増
減し、前記偏差の絶対値が第3閾値未満のときに電動ウ
オータポンプの回転数をホールドするとともに電動サー
モスタットの開度をホールドすることにより、実際の冷
却水温度を目標冷却水温度に収束させることを特徴とす
るエンジンの冷却制御装置が提案される。
【0008】上記構成によれば、目標冷却水温度と実際
の冷却水温度との偏差の絶対値が第1閾値以上で該偏差
の絶対値が最も大きい領域では、電動ウオータポンプの
回転数の増減および電動サーモスタットの開度の増減を
併せて実行して偏差を速やかに0に収束させることがで
きる。また偏差の絶対値が第1閾値未満かつ第2閾値以
上で該偏差の絶対値が2番目に大きい領域では、電動サ
ーモスタットの開度の増減よりも有効性は高いが消費電
力が多い電動ウオータポンプの回転数の増減だけを実行
して、消費電力の節減を図りながら偏差を速やかに0に
収束させることができる。また偏差の絶対値が第2閾値
未満かつ第3閾値以上で該偏差の絶対値が3番目に大き
い領域では、電動ウオータポンプの回転数の増減よりも
有効性は低いが消費電力が少ない電動サーモスタットの
開度の増減だけを実行して、消費電力の更なる節減を図
りながら偏差を0に収束させることができる。また目標
冷却水温度と実際の冷却水温度との偏差の絶対値が第3
閾値未満で該偏差の絶対値が最も小さい領域では、電動
ウオータポンプの回転数のホールドおよび電動サーモス
タットの開度のホールドを併せて実行して消費電力を最
小限に抑えることができる。
【0009】また請求項2に記載された発明によれば、
請求項1の構成に加えて、冷却水温度を検出する冷却水
温度検出手段と、エンジン回転数を検出するエンジン回
転数検出手段と、エンジン負荷を検出するエンジン負荷
検出手段とを備えてなり、前記制御手段は、冷却水温
度、エンジン回転数およびエンジン負荷に基づいて基準
冷却水温度を補正して目標冷却水温度を算出することを
特徴とするエンジンの冷却制御装置が提案される。
【0010】上記構成によれば、冷却水温度、エンジン
回転数およびエンジン負荷に基づいて基準冷却水温度を
補正して目標冷却水温度を算出するので、エンジンの運
転状態に応じた適切な目標冷却水温度を算出して電動ウ
オータポンプおよび電動サーモスタットの制御を行うこ
とができる。
【0011】尚、実施例の吸気負圧Pb、スロットル開
度θTHおよびスロットル開度変化率ΔθTHはそれぞれ本
発明のエンジン負荷に対応し、実施例の吸気負圧検出手
段S 3 、スロットル開度検出手段S4 およびスロットル
開度変化率検出手段S5 はそれぞれ本発明のエンジン負
荷検出手段に対応する。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を、添
付図面に示した本発明の実施例に基づいて説明する。
【0013】図1〜図6は本発明の第1実施例を示すも
ので、図1はエンジンの冷却系の全体構造を説明する
図、図2は図1に対応する冷間時の作用説明図、図3は
電動サーモスタットの縦断面図、図4は電動ウオータポ
ンプおよび電動サーモスタットの制御ルーチンのフロー
チャート、図5は電動ウオータポンプに関する目標冷却
水温度を算出するための補正係数を検索するマップ、図
6は電動サーモスタットに関する目標冷却水温度を算出
するための補正係数を検索するマップである。
【0014】先ず、図1の模式図に基づいてエンジンE
の冷却系の全体構造を説明する。
【0015】エンジンEは、シリンダブロックに形成し
たシリンダボアの外周とシリンダヘッドに形成した燃焼
室の外周とを囲むウオータジャケットJを備えており、
このウオータジャケットJを通過して温度上昇した冷却
水を冷却すべくラジエータRが設けられる。ウオータジ
ャケットJの下流端とラジエータRの上部とがラジエー
タアッパーホースh1 で接続されるとともに、ラジエー
タRの下部とウオータジャケットJの上流端とがラジエ
ータロアホースh2 で接続され、このラジエータロアホ
ースh2 に電動サーモスタットTおよび電動ウオータポ
ンプPが設けられる。電動サーモスタットTとウオータ
ジャケットJの下流端とがバイパスホースh3 で接続さ
れる。
【0016】電動サーモスタットTは、サーモワックス
を駆動源とする一般のサーモスタットと異なってリニア
ソレノイド11を駆動源とするもので、その開度を連続
的に変化させることができる。電動ウオータポンプP
は、エンジンEのクランクシャフトを駆動源とする一般
のウオータポンプと異なって電気モータ12を駆動源と
してインペラ13を回転駆動するもので、その回転数を
連続的に変化させることができる。
【0017】電子制御ユニットUには、ウオータジャケ
ットJに設けられて該ウオータジャケットJ内の冷却水
温度Twを検出する冷却水温度検出手段S1 からの信号
と、エンジン回転数Neを検出するエンジン回転数検出
手段S2 からの信号と、エンジンEの吸気負圧Pbを検
出する吸気負圧検出手段S3 からの信号と、スロットル
開度θTHを検出するスロットル開度検出手段S4 からの
信号と、スロットル開度変化率ΔθTH(単位時間あたり
のスロットル開度θTHの変化量)を検出するスロットル
開度変化率検出手段S5 からの信号とが入力される。電
子制御ユニットUは、前記冷却水温度Tw、エンジン回
転数Ne、吸気負圧Pb、スロットル開度θTHおよびス
ロットル開度変化率ΔθTHに基づいて電動サーモスタッ
トTの開度および電動ウオータポンプPの回転数を制御
するとともに、電動サーモスタットTあるいは電動ウオ
ータポンプPの故障時には警告灯14を点灯させて警告
を行うとともに、オーバーヒートを抑制すべくフェイル
セーフモードに移行して燃料噴射制御装置15を介して
エンジンEの燃料噴射量をリッチ化する。
【0018】次に、図3に基づいて電動サーモスタット
Tの構造を説明する。
【0019】電動サーモスタットTは、ラジエータロア
ホースh2 の上流側半部を介してラジエータRの下部に
連なる第1ハウジング16と、ラジエータロアホースh
2 の下流側半部を介して電動ウオータポンプPに連なる
とともにバイパスホースh3を介してウオータジャケッ
トJの下流端に連なる第2ハウジング17とを備える。
第1ハウジング16には第1弁座18が形成されてお
り、第1弁座18の周囲から第1ハウジング16の内部
に向かって円錐状に延びる複数本の支持腕19…の先端
に、第1弁座18の中央を貫通して第2ハウジング17
の内部に突出するガイドロッド20が固定される。第2
ハウジング17に開口するバイパスホースh3 の入口に
は、前記ガイドロッド20の同軸上に位置するように第
2弁座21が形成される。
【0020】ガイドロッド20にはリニアソレノイド1
1が摺動自在に支持されており、このリニアソレノイド
11を内部に保持するホルダー22に第1弁体23およ
び第2弁体24が一体に設けられる。第1弁座18と、
それに着座可能な第1弁体23とは併せて冷却水流量制
御弁25を構成し、また第2弁座21と、それに着座可
能な第2弁体24とは併せてバイパス弁26を構成す
る。第2ハウジング17の内部に固定されたばね座27
と第1弁体23との間に、圧縮された弁ばね28が装着
されており、この弁ばね28の弾発力で冷却水流量制御
弁25の第1弁体23は第1弁座18に着座する方向に
付勢され、バイパス弁26の第2弁体24は第2弁座2
1から離反する方向に付勢される。
【0021】従って、リニアソレノイド11が非励磁状
態にあるとき、弁ばね28の弾発力でホルダー22が図
中左方向に移動し、第1弁体23が第1弁座18に着座
して冷却水流量制御弁25が閉弁し、第2弁体24が第
2弁座21から離反してバイパス弁26が開弁する。逆
に、リニアソレノイド11が励磁状態にあるとき、鎖線
で示すようにホルダー22が弁ばね28の弾発力に抗し
て図中右方向に移動し、第1弁体23が第1弁座18か
ら離反して冷却水流量制御弁25が開弁し、第2弁体2
4が第2弁座21に着座してバイパス弁26が閉弁す
る。
【0022】而して、冷却水温度検出手段S1 で検出し
た冷却水温度Twが低いとき、例えばエンジンEの始動
直後の冷間時には、電子制御ユニットUからの指令で電
動サーモスタットTのリニアソレノイド11が図3に示
す非励磁状態になり、冷却水流量制御弁25が閉弁して
バイパス弁26が開弁する。その結果、図2に示すよう
に、ラジエータRの出口に連なるラジエータロアホース
2 が閉鎖され、冷却水がラジエータRを通過する回路
が遮断される。従って、電動ウオータポンプPからエン
ジンEのウオータジャケットJに供給された冷却水は、
ラジエータアッパーホースh1 を経てラジエータRに流
入することなく、ウオータジャケットJの下流端からバ
イパスホースh3 、開弁したバイパス弁26およびラジ
エータロアホースh2 を経て電動ウオータポンプPに還
流する。このように、ウオータジャケットJを通過して
温度上昇した冷却水をラジエータRを通過させずに循環
させることにより、エンジンEの暖機運転を促進するこ
とができる。また、冷却水温度が特に低い間は電動ウオ
ータポンプPの運転も停止され、ウオータジャケットJ
内に冷却水を滞留させることにより、エンジンEの暖機
運転が更に効果的に促進される。
【0023】エンジンEの暖機運転完了後の熱間時に
は、電子制御ユニットUからの指令で電動サーモスタッ
トTのリニアソレノイド11が励磁状態になり、それま
で閉弁していた冷却水流量制御弁25が開弁し、それま
で開弁していたバイパス弁26が閉弁する。その結果、
図1に示すように、ラジエータRの出口に連なるラジエ
ータロアホースh2 が開放され、冷却水がラジエータR
を通過する回路が形成される。従って、電動ウオータポ
ンプPからエンジンEのウオータジャケットJに供給さ
れた冷却水は、バイパスホースh3 に流入することな
く、ウオータジャケットJの下流端からラジエータアッ
パーホースh1 、ラジエータR、ラジエータロアホース
2 、開弁した冷却水流量制御弁25およびラジエータ
ロアホースh 2 を介して電動ウオータポンプPに還流す
る。このようにウオータジャケットJを通過して温度上
昇した冷却水をラジエータRを通過させて冷却すること
により、エンジンEの温度を適切に保って安定した運転
を可能にすることができる。
【0024】次に、図4および〜図6に基づいて、電動
サーモスタットTおよび電動ウオータポンプPの制御に
ついて更に詳細に説明する。
【0025】先ず、ステップS1において、冷却水温度
検出手段S1 、エンジン回転数検出手段S2 、吸気負圧
検出手段S3 、スロットル開度検出手段S4 およびスロ
ットル開度変化率検出手段S5 により、冷却水温度T
w、エンジン回転数Ne、吸気負圧Pb、スロットル開
度θTHおよびスロットル開度変化率ΔθTHをそれぞれ検
出する。
【0026】続くステップS2において、図5(A)〜
(E)のマップに前記冷却水温度Tw、エンジン回転数
Ne、吸気負圧Pb、スロットル開度θTHおよびスロッ
トル開度変化率ΔθTHをそれぞれ適用し、電動ウオータ
ポンプPに関する5個の補正係数(KTw)p,(KN
e)p,(KPb)p,(KθTH)p,(KΔθTH)p
を検索するとともに、図6(A)〜(E)のマップに前
記冷却水温度Tw、エンジン回転数Ne、吸気負圧P
b、スロットル開度θTHおよびスロットル開度変化率Δ
θTHをそれぞれ適用し、電動サーモスタットTに関する
5個の補正係数(KTw)t,(KNe)t,(KP
b)t,(KθTH)t,(KΔθTH)tを検索する。
【0027】上記10個の補正係数(KTw)p,(K
Ne)p,(KPb)p,(KθTH)p,(KΔθTH
p,(KTw)t,(KNe)t,(KPb)t,(K
θTH)t,(KΔθTH)tは、各パラメータTw,N
e,Pb,θTH,ΔθTHが小さい領域では1.0に保持
され、大きい領域では1.0よりも大きい所定値に保持
され、中間の領域では1.0から前記所定値までリニア
に増加するように設定される。
【0028】続くステップS3において、予め設定した
基準冷却水温度TwBASEに前記10個の補正係数(KT
w)p,(KNe)p,(KPb)p,(KθTH)p,
(KΔθTH)p,(KTw)t,(KNe)t,(KP
b)t,(KθTH)t,(KΔθTH)tを乗算すること
により、目標冷却水温度TwREF を算出する。このよう
にエンジンEの運転状態を表す5個のパラメータTw,
Ne,Pb,θTH,ΔθTHを用いて基準冷却水温度Tw
BASEを補正するので、エンジンEの運転状態に則した適
切な目標冷却水温度TwREF を得ることができる。
【0029】続くステップS4において、冷却水温度検
出手段S1 で検出した実際の冷却水温度Twと目標冷却
水温度TwREF との偏差の絶対値が予め設定した第1閾
値A(例えば10℃)以上であり、かつステップS5で
実際の冷却水温度Twが目標冷却水温度TwREF よりも
低ければ、つまり実際の冷却水温度Twが目標冷却水温
度TwREF よりも10℃以上低ければ、ステップS6で
電動ウオータポンプPの回転数を減少させるとともに、
電動サーモスタットTの冷却水流量制御弁25の開口面
積を減少させる。これにより、ラジエータRを流れる冷
却水の流量を減少させ、冷却水温度Twを目標冷却水温
度TwREF に向けて上昇させることができる。一方、前
記ステップS5で実際の冷却水温度Twが目標冷却水温
度TwRE F 以上であれば、つまり実際の冷却水温度Tw
が目標冷却水温度TwREF よりも10℃以上高ければ、
ステップS7で電動ウオータポンプPの回転数を増加さ
せるとともに、電動サーモスタットTの冷却水流量制御
弁25の開口面積を増加させる。これにより、ラジエー
タRを流れる冷却水の流量を増加させ、冷却水温度Tw
を目標冷却水温度TwREF に向けて低下させることがで
きる。
【0030】またステップS8において、冷却水温度検
出手段S1 で検出した実際の冷却水温度Twと目標冷却
水温度TwREF との偏差の絶対値が前記第1閾値A(例
えば10℃)未満かつ予め設定した第2閾値B(例えば
5℃)以上であり、更にステップS9で実際の冷却水温
度Twが目標冷却水温度TwREF よりも低ければ、つま
り実際の冷却水温度Twが目標冷却水温度TwREF より
も5℃〜10℃低ければ、ステップS10で電動ウオー
タポンプPの回転数を減少させてラジエータRを流れる
冷却水の流量を減少させることにより、冷却水温度Tw
を目標冷却水温度TwREF に向けて上昇させる。一方、
前記ステップS9で実際の目標冷却水温度TwREF が冷
却水温度Tw以上であれば、つまり実際の冷却水温度T
wが目標冷却水温度TwREF よりも5℃〜10℃高けれ
ば、ステップS11で電動ウオータポンプPの回転数を
増加させてラジエータRを流れる冷却水の流量を増加さ
せることにより、冷却水温度Twを目標冷却水温度Tw
REF に向けて低下させる。
【0031】またステップS12において、冷却水温度
検出手段S1 で検出した実際の冷却水温度Twと目標冷
却水温度TwREF との偏差の絶対値が前記第2閾値B
(例えば5℃)未満かつ予め設定した第3閾値C(例え
ば2℃)以上であり、更にステップS13で実際の冷却
水温度Twが目標冷却水温度TwREF よりも低ければ、
つまり実際の冷却水温度Twが目標冷却水温度TwREF
よりも2℃〜5℃低ければ、ステップS14で電動サー
モスタットTの冷却水流量制御弁25の開口面積を減少
させてラジエータRを流れる冷却水の流量を減少させる
ことにより、冷却水温度Twを目標冷却水温度TwREF
に向けて上昇させる。一方、前記ステップS13で実際
の目標冷却水温度TwREF が冷却水温度Tw以上であれ
ば、つまり実際の冷却水温度Twが目標冷却水温度Tw
REF よりも2℃〜5℃高ければ、ステップS15で電動
サーモスタットTの冷却水流量制御弁25の開口面積を
増加させてラジエータRを流れる冷却水の流量を増加さ
せることにより、冷却水温度Twを目標冷却水温度Tw
REF に向けて低下させる。
【0032】またステップS16において、冷却水温度
検出手段S1 で検出した実際の冷却水温度Twと目標冷
却水温度TwREF との偏差の絶対値が前記第3閾値C
(例えば2℃)未満であれば、冷却水温度Twが適正に
保たれていると判断し、ステップS17で電動ウオータ
ポンプPおよび電動サーモスタットTを共に非作動にす
る。尚、ここでいう非作動とは、電動ウオータポンプP
および電動サーモスタットTに対する通電を遮断するこ
とではなく、電動ウオータポンプPの回転数を増減せず
に現在の回転数をホールドすることを指し、また電動サ
ーモスタットTの開度を増減せずに現在の開度をホール
ドすることを指す。
【0033】また前記ステップS4,S8,S12,S
16が何れも成立しないときには、何らかの異常事態が
発生した判断してフェイルセーフモードに突入し、ステ
ップS18でオーバーヒートによるエンジンEの損傷を
未然に回避すべくドライバーに対する警告を行うととも
にエンジンEの燃料噴射量をリッチ化する。
【0034】尚、前記ステップS6,S7,S10,S
11,S14,S15における電動ウオータポンプPの
回転数の増減量と、電動サーモスタットTの開度の増減
量とは、そのときの実際の冷却水温度Twと目標冷却水
温度TwREF との偏差の絶対値に応じて設定される。
【0035】ところで、エンジンEの冷却水温度Twの
制御における応答性は電動ウオータポンプPが電動サー
モスタットTに勝っているが、消費電力が少ない点では
電動サーモスタットTが電動ウオータポンプPに勝って
いる。本実施例では、実際の冷却水温度Twと目標冷却
水温度TwREF との偏差の絶対値が最も大きい領域(ス
テップS6,S7参照)では、電動ウオータポンプPの
回転数の増減および電動サーモスタットTの開度の増減
の両方を同時に実行することにより、多少の消費電力の
増加を容認して偏差を速やかに0に収束させている。
【0036】前記偏差の絶対値が2番目に大きい領域
(ステップS10,S11参照)では、電動サーモスタ
ットTの開度をホールドして電動ウオータポンプPの回
転数の増減だけを優先的に実行することにより、また前
記偏差の絶対値が3番目に大きい領域(ステップS1
4,S15参照)では、電動ウオータポンプPの回転数
をホールドして電動サーモスタットTの開度の増減だけ
を優先的に実行することにより、制御の応答性と消費電
力の節減とを効果的に調和させて両立させている。更に
前記偏差の絶対値が最も小さい領域(ステップS17参
照)では、電動サーモスタットTの開度および電動ウオ
ータポンプPの回転数の両方をホールドすることによ
り、消費電力を最小限に抑えている。
【0037】次に、図7および図8に基づいて本発明の
第2実施例を説明する。
【0038】第2実施例は電動サーモスタットTの構造
において第1実施例と異なっており、その他の構成を第
1実施例と同じである。
【0039】本実施例の電動サーモスタットTはロータ
リソレノイド31を駆動源とするもので、ラジエータロ
アホースh2 を介してラジエータRに連なる継手32
と、バイパスホースh3 を介してウオータジャケットJ
に連なる継手33とを備えた外筒34と、外筒34の内
部に相対回転可能に収納されてラジエータロアホースh
2 を介して電動ウオータポンプPに連なる内筒35とを
備える。1個の通孔35 1 を備えた内筒35は回転軸3
6でロータリソレノイド31に連結されて所定角度範囲
で往復回転駆動され、図8に示すように通孔351 が継
手33に連通するとウオータジャケットJと電動ウオー
タポンプPとが連通し、この状態から内筒が矢印方向に
回転して通孔351 が継手32に連通するとラジエータ
Rと電動ウオータポンプPとが連通する。
【0040】而して、本第2実施例によっても、上述し
た第1実施例と同じ作用効果を奏することができる。
【0041】以上、本発明の実施例を詳述したが、本発
明はその要旨を逸脱しない範囲で種々の設計変更を行う
ことが可能である。
【0042】例えば、実施例ではエンジン負荷として吸
気負圧Pb、スロットル開度θTH、スロットル開度変化
率ΔθTHを例示したが、それ以外にシリンダの内圧やエ
ンジンの出力トルクを採用することができる。
【0043】
【発明の効果】以上のように請求項1に記載された発明
によれば、目標冷却水温度と実際の冷却水温度との偏差
の絶対値が第1閾値以上で該偏差の絶対値が最も大きい
領域では、電動ウオータポンプの回転数の増減および電
動サーモスタットの開度の増減を併せて実行して偏差を
速やかに0に収束させることができる。また偏差の絶対
値が第1閾値未満かつ第2閾値以上で該偏差の絶対値が
2番目に大きい領域では、電動サーモスタットの開度の
増減よりも有効性は高いが消費電力が多い電動ウオータ
ポンプの回転数の増減だけを実行して、消費電力の節減
を図りながら偏差を速やかに0に収束させることができ
る。また偏差の絶対値が第2閾値未満かつ第3閾値以上
で該偏差の絶対値が3番目に大きい領域では、電動ウオ
ータポンプの回転数の増減よりも有効性は低いが消費電
力が少ない電動サーモスタットの開度の増減だけを実行
して、消費電力の更なる節減を図りながら偏差を0に収
束させることができる。また目標冷却水温度と実際の冷
却水温度との偏差の絶対値が第3閾値未満で該偏差の絶
対値が最も小さい領域では、電動ウオータポンプの回転
数のホールドおよび電動サーモスタットの開度のホール
ドを併せて実行して消費電力を最小限に抑えることがで
きる。
【0044】また請求項2に記載された発明によれば、
冷却水温度、エンジン回転数およびエンジン負荷に基づ
いて基準冷却水温度を補正して目標冷却水温度を算出す
るので、エンジンの運転状態に応じた適切な目標冷却水
温度を算出して電動ウオータポンプおよび電動サーモス
タットの制御を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】エンジンの冷却系の全体構造を説明する図
【図2】図1に対応する冷間時の作用説明図
【図3】電動サーモスタットの縦断面図
【図4】電動ウオータポンプおよび電動サーモスタット
の制御ルーチンのフローチャート
【図5】電動ウオータポンプに関する目標冷却水温度を
算出するための補正係数を検索するマップ
【図6】電動サーモスタットに関する目標冷却水温度を
算出するための補正係数を検索するマップ
【図7】本発明の第2実施例に係る電動サーモスタット
の斜視図
【図8】図7の8−8線断面図
【符号の説明】
A 第1閾値 B 第2閾値 C 第3閾値 E エンジン J ウオータジャケット Ne エンジン回転数 P 電動ウオータポンプ Pb 吸気負圧(エンジン負荷) R ラジエータ S1 冷却水温度検出手段 S2 エンジン回転数検出手段 S3 吸気負圧検出手段(エンジン負荷検出手
段) S4 スロットル開度検出手段(エンジン負荷検
出手段) S5 スロットル開度変化率検出手段(エンジン
負荷検出手段) T 電動サーモスタット TwBASE 基準冷却水温度 TwREF 目標冷却水温度 Tw 冷却水温度 U 電子制御ユニット(制御手段) θTH スロットル開度(エンジン負荷) ΔθTH スロットル開度変化率(エンジン負荷)

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 エンジン(E)のウオータジャケット
    (J)およびラジエータ(R)を接続する閉じた冷却水
    回路に、開弁時に前記冷却水回路を構成して閉弁時にラ
    ジエータ(R)を通過しないバイパス回路を構成する電
    動サーモスタット(T)と、冷却水を循環させる電動ウ
    オータポンプ(P)とを設け、制御手段(U)が電動サ
    ーモスタット(T)の開度および電動ウオータポンプ
    (P)の回転数を制御するエンジンの冷却制御装置にお
    いて、 前記制御手段(U)は、目標冷却水温度(TwREF )と
    実際の冷却水温度(Tw)との偏差を算出し、前記偏差
    の絶対値が第1閾値(A)以上のときに電動ウオータポ
    ンプ(P)の回転数を増減するとともに電動サーモスタ
    ット(T)の開度を増減し、前記偏差の絶対値が第1閾
    値(A)未満で第2閾値(B)以上のときに電動ウオー
    タポンプ(P)の回転数を増減して電動サーモスタット
    (T)の開度をホールドし、前記偏差の絶対値が第2閾
    値(B)未満で第3閾値(C)以上のときに電動ウオー
    タポンプ(P)の回転数をホールドして電動サーモスタ
    ット(T)の開度を増減し、前記偏差の絶対値が第3閾
    値(C)未満のときに電動ウオータポンプ(P)の回転
    数をホールドするとともに電動サーモスタット(T)の
    開度をホールドすることにより、実際の冷却水温度(T
    w)を目標冷却水温度(TwREF )に収束させることを
    特徴とするエンジンの冷却制御装置。
  2. 【請求項2】 冷却水温度(Tw)を検出する冷却水温
    度検出手段(S1 )と、エンジン回転数(Ne)を検出
    するエンジン回転数検出手段(S2 )と、エンジン負荷
    (Pb、θTH,ΔθTH)を検出するエンジン負荷検出手
    段(S3 ,S 4 ,S5 )とを備えてなり、前記制御手段
    (U)は、冷却水温度(Tw)、エンジン回転数(N
    e)およびエンジン負荷(Pb,θTH,ΔθTH)に基づ
    いて基準冷却水温度(TwBASE)を補正して目標冷却水
    温度(TwREF )を算出することを特徴とする、請求項
    1に記載のエンジンの冷却制御装置。
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