JP3993412B2 - エンジンのアイドル回転数制御装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、アイドル運転状態にあるエンジンの吸入空気量を調節可能なアイドル空気量調節手段と、該アイドル空気量調節手段を駆動するステップモータと、アイドル運転状態のエンジン回転数をエンジンの運転状態に応じて定まる目標アイドル回転数に一致させるように前記ステップモータの作動を制御する制御ユニットとを備えるエンジンのアイドル回転数制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、かかる装置は、たとえば特開平4−311641号公報、特開平5−71456号公報および特開平7−63149号公報等で既に知られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、ステップモータでアイドル空気量調節手段を駆動するようにした上記従来のアイドル回転数制御装置では、アイドル空気量調節手段の作動停止時にも、ステップモータの原点からのステップ数を記憶させるべく通電状態としてステップモータの位置を保持するようにしており、ステップモータは常時通電状態となっている。
【0004】
したがってステップモータを常時通電に耐える大型のものとしなければならないだけでなく、バッテリの充放電バランスが悪くなるエンジンの低回転領域においてステップモータへの常時通電に伴なう消費電力の増加によってバッテリの負担が大きくなる。特に空間的制約の多い小型の自動二輪車等にあっては、発電機やバッテリを小型化する必要があるので、充・放電バランスが悪化し易く、バッテリの負担が大きくなり易い。
【0005】
本発明は、かかる事情に鑑みてなされたものであり、ステップモータの消費電力を低減してステップモータの小型化を図るとともにバッテリの負担を軽減したエンジンのアイドル回転数制御装置を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、請求項1記載の発明は、アイドル運転状態にあるエンジンの吸入空気量を調節可能なアイドル空気量調節手段と、該アイドル空気量調節手段を駆動するステップモータとを備えるエンジンのアイドル回転数制御装置において、アイドル運転状態のエンジン回転数をエンジンの運転状態に応じて定まる目標アイドル回転数に一致させるように前記ステップモータへの通電を制御する制御ユニットを含み、該制御ユニットは、前記ステップモータが通電中であるときに、前記ステップモータが所定の駆動停止許容状態にあるか否かを判断し、所定の駆動停止許容状態にあるときに前記ステップモータへの通電を停止し、前記ステップモータが非通電中であるときに、前記ステップモータが所定の駆動開始許容状態にあるか否かを判断し、所定の駆動開始許容状態にあるときに前記ステップモータへの通電を開始するようにして前記ステップモータの通電を制御することを特徴とする。
【0007】
このような請求項1記載の発明の構成によれば、制御ユニットは、アイドル運転状態のエンジン回転数をエンジンの運転状態に応じて定まる目標アイドル回転数に一致させるようにステップモータへの通電を制御するので、アイドル空気量調節手段の作動位置に応じたステップモータの原点からのステップ数を常時把握しておく必要がなく、前記ステップモータが通電中であるときに、前記ステップモータが所定の駆動停止許容状態にあるか否かを判断し、所定の駆動停止許容状態にあるときに前記ステップモータへの通電を停止し、前記ステップモータが非通電中であるときに、前記ステップモータが所定の駆動開始許容状態にあるか否かを判断し、所定の駆動開始許容状態にあるときに前記ステップモータへの通電を開始するので、ステップモータの消費電力を低減し、ステップモータの過熱を防止することができる。したがってステップモータの小型化ならびに熱損破壊防止を図るとともにバッテリの負担を軽減することができ、バッテリの充放電バランスが悪くなるエンジンの低回転領域においてバッテリの負担を軽減することができる。
【0008】
また請求項2記載の発明は、上記請求項1記載の発明の構成に加えて、前記駆動停止許容状態は、前記ステップモータへの通電が第1の所定時間持続している状態ならびに前記ステップモータの温度が所定温度以上である状態もしくはアイドル運転状態のエンジン回転数および前記目標アイドル回転数の偏差の絶対値が所定の通電停止許容偏差以下である状態のいずれかであり、前記駆動開始許容状態は、前記ステップモータの通電停止が第2の所定時間持続している状態ならびに前記ステップモータの温度が所定温度未満である状態もしくは前記偏差の絶対値が所定の通電開始許容偏差以上である状態のいずれかであることを特徴とする。
【0009】
このような請求項2記載の発明の構成によれば、駆動停止許容状態および駆動開始許容状態を通電および通電停止の持続時間で判断することにより、温度センサ等の余分な構成を不要として、駆動停止許容状態および駆動開始許容状態を正確に判断することができる。また駆動停止許容状態および駆動開始許容状態をステップモータの温度で判断することにより、温度センサが必要となるものの、駆動停止許容状態および駆動開始許容状態をより正確に判断することができる。また、アイドル運転状態のエンジン回転数および前記目標アイドル回転数の偏差の絶対値が所定の通電停止許容偏差以下である状態にあるときに ステップモータへの通電を停止し、また前記偏差の絶対値が所定の通電開始許容偏差以上である状態にあるときに前記ステップモータへの通電を開始することもできる。
【0010】
さらに請求項3記載の発明は、上記請求項1記載の発明の構成に加えて、前記アイドル空気量調節手段が、スロットル弁を迂回してスロットルボディに設けられたバイパス路に介入する合成樹脂製の弁ハウジングと、バイパス路の開度を調節可能として前記弁ハウジングに摺動自在に嵌装されるとともに前記ステップモータに連結される合成樹脂製の弁ピストンとを備えるバイパス弁であることを特徴とし、かかる構成によれば、ステップモータの周囲に配置される合成樹脂に熱がこもり易いが、通電を適宜停止してステップモータを冷却することができるので、上記バイパス弁に好適にステップモータを適用することができ、合成樹脂製であることから軽量である弁ピストンを駆動するので、ステップモータをより小型化することができる。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を、添付の図面に示した本発明の一実施例に基づいて説明する。
【0012】
図1〜図10は本発明の一実施例を示すものであり、図1は回転数調節手段を備えたスロットルボディの縦断側面図、図2は回転数調節手段の拡大縦断側面図、図3は図2の3−3線断面図、図4は回転数調節手段の制御手順を示すフローチャート、図5はエンジン水温に応じた目標アイドル回転数の設定マップを示す図、図6は低バッテリ電圧時の目標回転数算出処理手順を示すフローチャート、図7はアイドル点火時期補正値の算出処理手順を示すフローチャート、図8は基本点火時期を定める点火時期マップ、図9はエンジン水温に応じた点火補正基準値の設定マップを示す図、図10は通電・非通電判断処理手順を示すフローチャートである。
【0013】
先ず図1において、スロットルボディ1には、エンジンの吸気ポートに連なる吸気道2が設けられるとともに、該吸気道2の中央部を開閉するスロットル弁3が軸支される。またスロットルボディ1には、前記スロットル弁3を迂回して吸気道2に両端を連通させるバイパス路4が設けられるとともに、該バイパス路4の途中を開閉してアイドル運転状態にあるエンジンの吸入空気量を調節可能なアイドル空気量調節手段としてのバイパス弁5が設けられる。
【0014】
図2で示すように、バイパス弁5の弁ハウジング6は、合成樹脂により円筒状に形成されており、スロットルボディ1に設けられる取付け孔7にシール部材8,9を介して嵌装される前記弁ハウジング6が、バイパス路4の中間部に介入するようにしてスロットルボディ1に固定される。この弁ハウジング6の軸心部には、有底の弁孔10と、該弁孔10の閉塞端に開口してバイパス路4の上流側に連なる入口孔11とが設けられ、弁ハウジング6の側壁には、バイパス路4の下流側に連なる制御孔12が設けられる。
【0015】
弁孔10には、合成樹脂から成る弁ピストン13が、制御孔12の開閉を可能として摺動可能に嵌装され、アイドル運転状態のエンジン回転数を調節可能な回転数調節手段NCを前記バイパス弁5とともに構成するステップモータ14が、前記弁ピストン13を開閉駆動するようにして弁ハウジング6に取り付けられる。
【0016】
弁孔10および弁ピストン13の対向周面には、図3で示すように、制御孔12とは反対側に配置されて相互に軸方向摺動可能に係合する位置決め溝15および突起16が設けられており、位置決め溝15および突起16の係合により弁ピストン13の回転が阻止される。また弁ピストン13には、該弁ピストン13の上端面に開口する有底のねじ孔17が同軸に設けられる。
【0017】
ステップモータ14は、上下一対のコイル20,20’を備えたステータ21と、永久磁石により構成されて前記ステータ21で囲繞されるロータ22とを備え、ロータ22を同軸に貫通して該ロータ22に固着される出力軸23は、ステータ21の上下両端に固設されるブラケット板24,25の軸受26,27によって回転自在に支承される。下方のブラケット板25はステータ21よりも大径に形成されており、該ブラケット板25の外周部が複数のボルト28…によって弁ハウジング6の上端に固着される。
【0018】
出力軸23は、前記ブラケット板25の軸受27から下方に突出するねじ軸部23aを一体に有しており、このねじ軸部23aが弁ピストン13のねじ孔17に螺合される。これらのねじ孔17およびねじ軸部23aによってねじ機構29が構成され、該ねじ機構29は、弁ピストン13および弁孔10の摺動面を挟んでバイパス路4と反対側に配設されることになる。
【0019】
上記ステップモータ14はゴム製のブーツ30で覆われ、このブーツ30は、弁ハウジング6の外周に嵌め込まれる。
【0020】
ステータ21には、コイル20,20’の通電を制御する制御ユニット31が接続されており、この制御ユニット31には、エンジン水温Te、エンジン回転数Ne、スロットル弁開度θth、ブースト負圧Pb、吸気温度Tiおよびバッテリ電圧Vb等に関する情報が入力される。
【0021】
而して制御ユニット31は、入力されるエンジン水温Te、エンジン回転数Ne、スロットル弁開度θth、ブースト負圧Pb、吸気温度Tiおよびバッテリ電圧Vb等に基づいて、アイドル運転状態のエンジン回転数をエンジンの運転状態に応じて定まる目標アイドル回転数に一致させるように、前記ステップモータ14への通電量を演算するとともに、その演算結果に応じてステータ21への通電を実行して、ロータ22を正転または逆転させる。
【0022】
ロータ22が回転すると、出力軸23のねじ軸部23aがねじ孔17に対して回転するが、ねじ孔17を有する弁ピストン13は回転不能であるので、ねじ軸部23aの回転に伴って弁ピストン13がその軸線に沿う方向に昇降し、制御孔12の有効開口面積が調節されることになる。こうして、スロットル弁3のアイドル閉弁時に、該スロットル弁3を迂回するようにバイパス路4を通ってエンジンに吸入される空気量が、エンジンの運転状態に応じて適正に制御されることになる。
【0023】
しかもバイパス弁5の全開時のバイパス路4の吸気流量すなわち制御孔12の全開開口面積で定まる吸気流量は、エンジンの冷間始動時に必要なエンジン回転数として定められる最大目標回転数を得るのに必要な吸気流量よりも低く設定される。
【0024】
制御ユニット31は、図4で示す手順に従って、回転数調節手段NCにおけるステップモータ14への通電を制御するものであり、ステップS1では、バイパス弁5の弁ピストン13の全開突き当て処理が終了したか否かを判断し、突き当て処理が未終了のときにはステップS2に進み、このステップS2で全開突き当てステップ数を算出する。次のステップS3ではステップモータ14の駆動方向をバイパス弁5の全開方向に設定し、ステップS4でステップモータ14におけるコイル20,20’の励磁モード、すなわちステップモータ14の通電パターンおよび通電・非通電を定める。
【0025】
このようなステップS1〜S4の処理により、制御ユニット31は、バイパス弁5を全開させることになり、このバイパス弁5の全開状態で制御ユニット31はステップモータ14のイニシャル設定を実行することになる。
【0026】
ステップS1において、弁ピストン13の全開突き当て処理が終了したと判断したときには、ステップS1からS5に進み、このステップS5ではエンジン回転数Neを読み込み、次のステップS6でエンジン水温Teに応じた目標アイドル回転数を、図5で示すマップに基づいて算出する。しかして、図5のマップでは、目標アイドル回転数はエンジン水温Teが低くなるにつれて増大するように設定され、エンジンの冷間始動時には一定の最大値に設定されている。ここでエンジン水温Teはエンジンの運転状態に応じた値を示すものであり、ステップS6ではエンジンの運転状態に応じた目標アイドル回転数を定めることになる。
【0027】
ステップS7では、図6で示す処理を実行するものであり、ステップS21〜S23の処理を実行することにより、バッテリ電圧がVbが規定値以下のときには、ステップS6で定めた目標アイドル回転数を所定の電圧補正回転数だけ増加させることになり、また補正後の目標アイドル回転数が所定の補正上限回転数以上となったときには、目標アイドル回転数を所定の電圧補正回転数だけ増加させる処理を停止することになる。
【0028】
ステップS8では、ステップS7で定まる目標アイドル回転数およびエンジン回転数Neの偏差を算出し、次のステップS9において、図7で示す手順に従ってアイドル点火時期補正値IGIDLEを算出する。このアイドル点火時期補正値IGIDLEは、基本点火時期に加算してエンジンの点火時期を決定するものであり、前記基本点火時期は、スロットル弁開度θthおよびエンジン回転数Neに基づいて図8で示すように定めた点火時期マップにより決定する
図7のステップS31では、図9で示すマップに基づいてエンジン水温Teに応じた点火補正基準値IGIDLを算出するものであり、エンジン水温Teが低温である状態すなわちエンジンの冷間始動状態ではエンジン水温Teが低くなるのに応じて進角側となる点火補正基準値IGIDLをステップS31で得ることになる。
【0029】
次のステップS32では、ステップS8で定めた回転数偏差に応じたPI制御値である点火フィードバック値IGFBを算出し、その点火フィードバック値IGFBを、前記回転数偏差の正負に応じて加算値もしくは減算値に定めるようにしてステップS33でアイドル点火時期補正値IGIDLEを得る。
【0030】
ステップS34では、ステップS33で定めたアイドル点火時期補正値IGIDLEが、図8の二点鎖線で示すように、零点近傍の任意値に設定されている点火補正終了判断値IGFBOFF以下となるか否かを判断し、点火補正終了判断値IGFBOFF以下となったことを確認した後に、ステップS35でアイドル点火時期補正値IGIDLEを「0」とする。
【0031】
このようなステップS31〜S35の処理によれば、エンジンの冷間始動時にバイパス弁5が全開している状態で、エンジン回転数Neが目標アイドル回転数に向かう方向にエンジンの点火時期を補正することになり、しかも補正にあたっては、基本点火時期から進角させる処理を実行する。
【0032】
図4に戻ってステップS10では、アイドル点火時期補正値が「0」となっているか否か、すなわちエンジン水温Teが比較的高温の状態になったか否かを確認し、アイドル点火時期補正値が「0」となっていたときにはステップS10からステップS11に進む。
【0033】
ステップS11では、ステップモータ14のステップ数をフィードバック制御する際のPID制御値を目標アイドル回転数およびエンジン回転数Neの偏差に応じて算出し、そのPID制御値に応じた目標ステップ数を次のステップS12で算出する。またステップS13では、バイパス弁5の開閉駆動方向すなわちステップモータ14の作動方向を設定する。
【0034】
その後のステップS14では、図10で示す手順に従って、ステップモータ14の通電・非通電の判断処理を実行するものであり、図10のステップS41ではステップモータ14が通電中であるか否かを判断する。
【0035】
ステップモータ14が通電中であったときには、ステップS42においてアイドル運転状態のエンジン回転数および目標アイドル回転数の偏差である回転数偏差の絶対値が所定の通電停止許容偏差以下であるか否かを判定し、通電停止許容偏差以下であったときには、ステップS43で、ステップモータ14の通電を停止するように判断する。
【0036】
またステップS42において前記回転数偏差の絶対値が所定の通電停止許容偏差を超えると判断したときには、ステップS44でステップモータ14が所定の駆動停止許容状態にあるか否かを判断する。この駆動停止許容状態は、ステップモータ14への通電が第1の所定時間持続している状態ならびにステップモータ14の温度が所定温度以上である状態のいずれかであり、この実施例では、ステップモータ14への通電が第1の所定時間持続している状態を通電タイマが「0」となったことで判断したときに、ステップS43に進んでステップモータ14への通電停止を判断する。
【0037】
すなわちステップS41〜S44の処理によれば、制御ユニット31は、アイドル運転状態のエンジン回転数および前記目標アイドル回転数の偏差の絶対値が所定の通電停止許容偏差以下である状態、ならびにステップモータが所定の駆動停止許容状態にある状態のいずれかが成立したときに、ステップモータ14を停止することを決めることになる。
【0038】
ステップS41において、ステップモータ14が非通電中であると判断したときには、ステップS45において、アイドル運転状態のエンジン回転数および目標アイドル回転数の偏差である回転数偏差の絶対値が所定の通電開始許容偏差以上であるか否かを判定し、通電開始許容偏差以上であったときには、ステップS46に進み、ステップモータ14が所定の駆動開始許容状態にあるか否かを判断する。
【0039】
この駆動開始許容状態は、ステップモータ14の通電停止が第2の所定時間持続している状態ならびにステップモータ14の温度が所定温度未満である状態のいずれかであり、この実施例では、ステップモータ14への通電が第2の所定時間持続している状態を非通電タイマが「0」となったことで判断したときに、ステップS47に進んでステップモータ14への通電を判断する。
【0040】
このようなステップS41、S45〜S47の処理によれば、制御ユニット31は、アイドル運転状態のエンジン回転数および前記目標アイドル回転数の偏差の絶対値が所定の通電開始許容偏差以上であり、かつステップモータ14が所定の駆動開始許容状態にあるときにステップモータ14への通電を開始することを決めることになる。
【0041】
再び図4に戻って、ステップS14での判断処理終了後には、その判断に基づいた励磁モードをステップS4で定めることになる。
【0042】
次にこの実施例の作用について説明すると、エンジンのアイドル運転状態において、制御ユニット31は、バッテリ電圧Vbが規定値以下のときに目標アイドル回転数を所定の電圧補正回転数だけ増加させるようにして回転数調節手段NCの作動を制御するものであり、エンジン負荷ではなくバッテリ電圧Vbに基づいてエンジンのアイドル回転数を増加させるようにしている。このため補機類の少ない小型の自動二輪車でもバッテリの充電不足が生じることがないようにして、バッテリ上がりを確実に防止することができる。
【0043】
しかも制御ユニット31は、目標アイドル回転数が所定の補正上限回転数以上となったときには目標アイドル回転数を所定の電圧補正回転数だけ増加させる処理を停止するので、エンジンの回転数増大にもかかわらずバッテリの寿命や充電系統の故障等に起因してバッテリ電圧が上昇しないときに、エンジン回転数が過度に上昇してしまうことを防止することができる。
【0044】
また回転数調節手段NCは、スロットル弁3を迂回してスロットルボディ1に設けられたバイパス路4に介入する弁ハウジング6と、該弁ハウジング6に摺動自在に嵌装される弁ピストン13とを備えるバイパス弁5と、そのバイパス弁5が備える弁ピストン13にねじ機構29を介して連結されるステップモータ14とで構成されるものであり、バイパス弁5の全開時のバイパス路4の吸気流量を定める制御孔12が、弁ハウジング6の側壁に設けられているので、制御孔12の開口形状によってバイパス弁5の全開時の吸気流量を任意に設定することができるとともに、微細な制御が可能となる。
【0045】
また制御ユニット31はバイパス弁5の全開時に前記ステップモータ14のイニシャル設定を実行するので、エンジンの冷間始動時にバイパス弁5を全開状態に維持し得ることに基づき、エンジンの冷間始動時にステップモータ14のイニシャル設定を実行することができる。
【0046】
またバイパス弁5の全開時のバイパス路4の吸気流量が、エンジンの冷間始動時の目標アイドル回転数を得るのに必要な吸気流量よりも低く設定され、制御ユニット31は、エンジンの冷間始動時にバイパス弁5が全開している状態で、エンジンの回転数が前記目標アイドル回転数となる方向にエンジンの点火時期を補正するので、エンジンの冷間始動時にバイパス弁5が全開状態のまま故障したとしてもエンジンの回転数が過度に上昇してしまうことはない。しかも制御ユニット31は、エンジンの点火時期を補正するにあたって基本点火時期から進角させるので、エンジンの冷間始動時にエンジン回転数をより速やかに増大させることができる。
【0047】
さらに制御ユニット31は、アイドル運転状態のエンジン回転数をエンジンの運転状態に応じて定まる目標アイドル回転数に一致させるようにステップモータ14への通電を制御するので、アイドル空気量調節手段ICの作動位置に応じたステップモータ14の原点からのステップ数を常時把握しておく必要がない。
【0048】
しかも制御ユニット31は、ステップモータ14が通電中であるときに、ステップモータ14が所定の駆動停止許容状態にあるか否かを判断し、所定の駆動停止許容状態にあるときにステップモータ14への通電を停止し、ステップモータ14が非通電中であるときに、ステップモータ14が所定の駆動開始許容状態にあるか否かを判断し、所定の駆動開始許容状態にあるときにステップモータ14への通電を開始するようにしてステップモータ14の通電を制御するので、ステップモータ14の消費電力を低減し、ステップモータ14の過熱を防止することができる。したがってステップモータ14の小型化ならびに熱損破壊防止を図るとともにバッテリの負担を軽減することができ、バッテリの充放電バランスが悪くなるエンジンの低回転領域においてバッテリの負担を軽減することができる。
【0049】
ところで前記駆動停止許容状態は、前記ステップモータへの通電が第1の所定時間持続している状態ならびに前記ステップモータの温度が所定温度以上である状態もしくはアイドル運転状態のエンジン回転数および前記目標アイドル回転数の偏差の絶対値が所定の通電停止許容偏差以下である状態のいずれかであり、前記駆動開始許容状態は、前記ステップモータの通電停止が第2の所定時間持続している状態ならびに前記ステップモータの温度が所定温度未満である状態もしくは前記偏差の絶対値が所定の通電開始許容偏差以上である状態のいずれかであるので、駆動停止許容状態および駆動開始許容状態を通電および通電停止の持続時間で判断することにより、温度センサ等の余分な構成を不要として、駆動停止許容状態および駆動開始許容状態を正確に判断することができ、駆動停止許容状態および駆動開始許容状態をステップモータ14の温度で判断することにより、温度センサが必要となるものの、駆動停止許容状態および駆動開始許容状態をより正確に判断することができる。また、アイドル運転状態のエンジン回転数および前記目標アイドル回転数の偏差の絶対値が所定の通電停止許容偏差以下である状態にあるときにステップモータへの通電を停止し、また前記偏差の絶対値が所定の通電開始許容偏差以上である状態にあるときに前記ステップモータへの通電を開始することもできる。
【0050】
さらにバイパス弁5が備える弁ハウジング6および弁ピストン13は合成樹脂から成るものであり、ステップモータ14の周囲に配置される弁ハウジング6および弁ピストン13に熱がこもり易いが、通電を適宜停止してステップモータ14を冷却することができるので、バイパス弁5に好適にステップモータ14を適用することができ、合成樹脂製であることから軽量である弁ピストン13を駆動するので、ステップモータ14をより小型化することができる。
【0051】
以上、本発明の実施例を説明したが、本発明は上記実施例に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明を逸脱することなく種々の設計変更を行うことが可能である。
【0052】
たとえば上記実施例では、アイドル運転状態のエンジン回転数および目標アイドル回転数の偏差の絶対値が所定の通電停止許容偏差以下である状態ならびにステップモータ14が所定の駆動停止許容状態にあるときのいずれかが成立したときにステップモータ14への通電を停止し、前記偏差の絶対値が所定の通電開始許容偏差以上である状態ならびにステップモータ14が所定の駆動開始許容状態にあるときのいずれもが成立したときにステップモータ14への通電を開始するようにしたが、アイドル運転状態のエンジン回転数および目標アイドル回転数の偏差の絶対値が所定の通電停止許容偏差以下である状態ならびにステップモータ14が所定の駆動停止許容状態にあるときのいずれもが成立したときにステップモータ14への通電を停止し、前記偏差の絶対値が所定の通電開始許容偏差以上である状態ならびにステップモータ14が所定の駆動開始許容状態にあるときのいずれかが成立したときにステップモータ14への通電を開始するようにしてもよい。
【0053】
【発明の効果】
以上のように請求項1記載の発明によれば、アイドル空気量調節手段の作動位置に応じたステップモータの原点からのステップ数を常時把握しておく必要がなく、ステップモータの消費電力を低減し、ステップモータの過熱を防止することができる。したがってステップモータの小型化ならびに熱損破壊防止を図るとともにバッテリの負担を軽減することができ、バッテリの充放電バランスが悪くなるエンジンの低回転領域においてバッテリの負担を軽減することができる。
【0054】
また請求項2記載の発明によれば、駆動停止許容状態および駆動開始許容状態を通電および通電停止の持続時間で判断することにより、温度センサ等の余分な構成を不要として、駆動停止許容状態および駆動開始許容状態を正確に判断することができる。また駆動停止許容状態および駆動開始許容状態をステップモータの温度で判断することにより、温度センサが必要となるものの、駆動停止許容状態および駆動開始許容状態をより正確に判断することができる。また、アイドル運転状態のエンジン回転数および前記目標アイドル回転数の偏差の絶対値が所定の通電停止許容偏差以下である状態にあるときにステップモー タへの通電を停止し、また前記偏差の絶対値が所定の通電開始許容偏差以上である状態にあるときに前記ステップモータへの通電を開始することもできる。
【0055】
さらに請求項3記載の発明によれば、バイパス弁に好適にステップモータを適用することができ、合成樹脂製であることから軽量である弁ピストンを駆動するので、ステップモータをより小型化することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 回転数調節手段を備えたスロットルボディの縦断側面図である。
【図2】 回転数調節手段の拡大縦断側面図である。
【図3】 図2の3−3線断面図である。
【図4】 回転数調節手段の制御手順を示すフローチャートである。
【図5】 エンジン水温に応じた目標アイドル回転数の設定マップを示す図である。
【図6】 低バッテリ電圧時の目標回転数算出処理手順を示すフローチャートである。
【図7】 アイドル点火時期補正値の算出処理手順を示すフローチャートである。
【図8】 基本点火時期を定める点火時期マップである。
【図9】 エンジン水温に応じた点火補正基準値の設定マップを示す図である。
【図10】 通電・非通電判断処理手順を示すフローチャートである。
【符号の説明】
1・・・スロットルボディ
3・・・スロットル弁
4・・・バイパス路
5・・・アイドル空気量調節手段としてのバイパス弁
6・・・弁ハウジング
13・・・弁ピストン
14・・・ステップモータ
31・・・制御ユニット
Claims (3)
- アイドル運転状態にあるエンジンの吸入空気量を調節可能なアイドル空気量調節手段(5)と、該アイドル空気量調節手段(5)を駆動するステップモータ(14)とを備えるエンジンのアイドル回転数制御装置において、アイドル運転状態のエンジン回転数をエンジンの運転状態に応じて定まる目標アイドル回転数に一致させるように前記ステップモータ(14)への通電を制御する制御ユニット(31)を含み、該制御ユニット(31)は、前記ステップモータが通電中であるときに、前記ステップモータ(14)が所定の駆動停止許容状態にあるか否かを判断し、所定の駆動停止許容状態にあるときに前記ステップモータ(14)への通電を停止し、前記ステップモータが非通電中であるときに、前記ステップモータ(14)が所定の駆動開始許容状態にあるか否かを判断し、所定の駆動開始許容状態にあるときに前記ステップモータ(14)への通電を開始するようにして前記ステップモータ(14)の通電を制御することを特徴とするエンジンのアイドル回転数制御装置。
- 前記駆動停止許容状態は、前記ステップモータ(14)への通電が第1の所定時間持続している状態ならびに前記ステップモータ(14)の温度が所定温度以上である状態もしくはアイドル運転状態のエンジン回転数および前記目標アイドル回転数の偏差の絶対値が所定の通電停止許容偏差以下である状態のいずれかであり、前記駆動開始許容状態は、前記ステップモータ(14)の通電停止が第2の所定時間持続している状態ならびに前記ステップモータ(14)の温度が所定温度未満である状態もしくは前記偏差の絶対値が所定の通電開始許容偏差以上である状態のいずれかであることを特徴とする請求項1記載のエンジンのアイドル回転数制御装置。
- 前記アイドル空気量調節手段(5)が、スロットル弁(3)を迂回してスロットルボディ(1)に設けられたバイパス路(4)に介入する合成樹脂製の弁ハウジング(6)と、バイパス路(4)の開度を調節可能として前記弁ハウジング(6)に摺動自在に嵌装されるとともに前記ステップモータ(14)に連結される合成樹脂製の弁ピストン(13)とを備えるバイパス弁であることを特徴とする請求項1または2記載のエンジンのアイドル回転数制御装置。
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