JP2001018787A - 倍力装置 - Google Patents

倍力装置

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JP2001018787A
JP2001018787A JP11189657A JP18965799A JP2001018787A JP 2001018787 A JP2001018787 A JP 2001018787A JP 11189657 A JP11189657 A JP 11189657A JP 18965799 A JP18965799 A JP 18965799A JP 2001018787 A JP2001018787 A JP 2001018787A
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booster
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rod
piston
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Fumihiro Yamanaka
史景 山中
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Honda Motor Co Ltd
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Honda Motor Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 電気アクチュエータ付きの倍力装置におい
て,電気アクチュエータの作動によるブースタピストン
の作動中は,反力機構に発生する反力が所定値を超える
と,その反力の増加に応じて出力杆の出力の増大を規制
にして,使用者に違和感を与えないようにする。 【解決手段】 電気アクチュエータ55の作動によるブ
ースタピストン4,6の作動中,反力機構54から入力
杆22に伝達される反力が所定値を超えると,その反力
の増加に応じて入力杆22の弁筒10に対する後退に抵
抗力を付与する出力規制手段59を該入力杆22及び弁
筒10間に設ける。これにより出力杆46の出力の立ち
上がりを倍力限界点の手前で終わらせ,その後は該出力
を電気アクチュエータ55の駆動力に比例させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は,自動車のブレーキ
を倍力作動するのに用いられる倍力装置に関し,特に,
ブースタシェルと,このブースタシェル内を,低圧源に
連通する前部の低圧室と,後部の変圧室とに区画し,該
変圧室が該低圧室よりも高圧となると,その圧力差で前
進するブースタピストンと,このブースタピストンに連
設される弁筒と,この弁筒に進退可能に配設される入力
杆と,出力杆と,前記弁筒,入力杆及び出力杆の三者間
に介裝されて,前記ブースタピストンの前進力を前記出
力杆に伝達すると同時に,その出力杆の作動反力の一部
を前記入力杆に伝達する反力機構と,前記入力杆に制限
された範囲で進退可能に設けられる弁ピストンと,この
弁ピストンを前記入力杆に対する後退位置に付勢する付
勢手段と,前記弁筒に設けられ,該弁筒に対する前記弁
ピストンの進退に応じて前記変圧室を高圧源と低圧室と
に連通切換えする制御弁と,前記弁筒に設けられ,通電
時に前記弁ピストンを前記付勢手段の付勢力に抗して前
進させるべく作動する電気アクチュエータとを備える倍
力装置の改良に関する。
【0002】
【従来の技術】かゝる倍力装置は,例えば特開平8−2
39029号公報に開示されているように,既に知られ
ている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】かゝる倍力装置では,
入力杆に操作力を入力するときでも,電気アクチュエー
タを作動するときでも,またそれらを同時に行うときで
も,弁ピストンを前進させて,変圧室に高圧源を連通す
るように制御弁を切換えることにより,ブースタピスト
ンに倍力動作を与え,出力杆を駆動することができる。
【0004】ところで,電気アクチュエータは,特定の
信号に基づいて自動的に作動されるものであるが,従来
のかゝる倍力装置では,電気アクチュエータの作動時に
は,反力機構に発生する反力に関係なく,制御弁を,変
圧室を高圧源に連通する切換位置に保持し続けるため,
出力杆の出力が倍力限界まで一気に増大することゝな
り,これによる急ブレーキが操縦者に違和感を与える。
【0005】本発明は,かゝる事情に鑑みてなされたも
ので,電気アクチュエータの作動によるブースタピスト
ンの作動中は,前記反力機構に発生する反力が所定値を
超えると,その反力の増加に応じて出力杆の出力の増大
を規制して,使用者に違和感を与えないようにした,前
記倍力装置を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に,本発明は,ブースタシェルと,このブースタシェル
内を,低圧源に連通する前部の低圧室と,後部の変圧室
とに区画し,該変圧室が該低圧室よりも高圧となると,
その圧力差で前進するブースタピストンと,このブース
タピストンに連設される弁筒と,この弁筒に進退可能に
配設される入力杆と,出力杆と,前記弁筒,入力杆及び
出力杆の三者間に介裝されて,前記ブースタピストンの
前進力を前記出力杆に伝達すると同時に,その出力杆の
作動反力の一部を前記入力杆に伝達する反力機構と,前
記入力杆に制限された範囲で進退可能に設けられる弁ピ
ストンと,この弁ピストンを前記入力杆に対する後退位
置に付勢する付勢手段と,前記弁筒に設けられ,該弁筒
に対する前記弁ピストンの進退に応じて前記変圧室を高
圧源と低圧室とに連通切換えする制御弁と,前記弁筒に
設けられ,通電時に前記弁ピストンを前記付勢手段の付
勢力に抗して前進させるべく作動する電気アクチュエー
タとを備える倍力装置において,前記電気アクチュエー
タの作動による前記ブースタピストンの作動中,前記反
力機構から前記入力杆に伝達される反力が所定値を超え
ると,その反力の増加に応じて前記入力杆の前記弁筒に
対する後退に抵抗力を付与する出力規制手段を該入力杆
及び弁筒間に設けたことを特徴とする。
【0007】この特徴によれば,電気アクチュエータの
作動時には,出力杆の出力の急な立ち上がりを倍力限界
手前の或る時点で停止させ,それからは出力杆の出力を
操縦者による入力部材への入力に対応したものに制限す
ることができて,マスタシリンダ等の被作動機器を自動
的に確実作動させ得ると共に,操縦者に違和感を与える
ことを回避することができる。
【0008】
【実施例の形態】本発明の実施の形態を,添付図面に示
す本発明の実施例に基づいて説明する。
【0009】図1は本発明の実施例に係る自動車のブレ
ーキ用倍力装置の縦断側面図,図2は同倍力装置の要部
拡大図,図3は出力規制開始時の作用説明図,図4は出
力規制中の作用説明図,図5は同倍力装置の作動特性線
図である。
【0010】図1及び図2において,倍力装置Bのブー
スタシェル1は,開放端を相互に結合する椀状の前部シ
ェル1a及び後部シェル1bと,両シェル1a,1b間
に挟止されてブースタシェル1内部を前部シェル室2と
後部シェル室3とに仕切る隔壁板1cとから構成され,
その後部シェル1bが自動車の車室前壁に固定され,前
部シェル1aにはブレーキ用マスタシリンダMが取付け
られる。
【0011】前部シェル室2は,それに前後往復動可能
に収容される前部ブースタピストン4と,その後面に重
ねて結着されると共に前部シェル1aと隔壁板1c間に
挟着される前部ダイヤフラム6とにより,前側の前部負
圧室2a(低圧室)と後側の前部変圧室2bとに区画さ
れる。そして,前部負圧室2aは,負圧導入管14を介
して負圧源V(低圧源)と接続される。
【0012】また後部シェル室3は,それに前後往復動
可能に収容される後部ブースタピストン5と,その後面
に重ねて結着され,且つ隔壁板1cと共に両シェル1
a,1b間に固着される後部ダイヤフラム7とにより,
前側の後部負圧室3aと後側の後部変圧室3bとに区画
される。
【0013】前,後部ブースタピストン4,5はそれぞ
れ鋼板により環状に成形されており,これらは中心部に
固着される合成樹脂製の弁筒10を介して一体に連結さ
れる。弁筒10は,隔壁板1cにシール部材11を介し
て,また後部シェル1bの中心部に形成された後方延長
筒12にシール部材13を介して摺動自在に支承され
る。両ブースタピストン4,5の後退限は,後部ダイヤ
フラム7の後面に多数***させた突起7aがブースタシ
ェル1の後壁に当接することにより規定される。
【0014】弁筒10は,それと一体の環状隔壁10c
を挟んで前後に並ぶ前部室10aと後部室10bを備え
ており,その前部室10aには,コイル15を収容する
磁性体の円筒状コイルハウジング16が嵌装され,止環
1 によって固定される。このコイルハウジング16の
後端には,コイル15の後端を覆う環状のヨーク17
が,またその前端には,コイル15の前端を覆うと共
に,コイル15に囲繞される固定コア18がそれぞれ固
着されている。
【0015】固定コア18の中心部には入力ピストン1
9が摺動自在に嵌合される。この入力ピストン19は,
固定コア18に摺動自在に嵌合する小径軸部19a,こ
の小径軸部19aの後端に連なる中間径の中間軸部19
b,及びこの中間軸部19bの後端に連なる大径軸部1
9cからなっており,その中間軸部19b外周面に,固
定コア18に対向して可動コアを兼ねる筒状の弁ピスト
ン20がシール部材21を介して相対摺動可能に嵌合さ
れるが,その相対摺動距離Lは,中間軸部19b及び大
径軸部19c間の段部と,中間軸部19b前端の止環8
2 とによって一定に制限されるようになっている。そし
て,弁筒10及び弁ピストン20間には,弁ピストン2
0を中間軸部19b及び大径軸部19c間の段部に向か
って付勢する弁ピストン戻しばね27(付勢手段)が縮
設される。
【0016】弁ピストン20及び入力ピストン19の後
端部は,弁筒10の環状隔壁10cを貫通して後部室1
0bまで延びており,その入力ピストン19の大径軸部
19cには,前記後方延長筒12の後端から後部室10
bに挿入された入力杆22の前端部が首振り可能に連結
される。入力杆22は,その後端に連結されるブレーキ
ペダルPにより操作力が入力される。
【0017】弁ピストン20の後端には傘状の第1弁座
231 が形成され,この第1弁座231 の前方に並ぶ第
2弁座232 が弁筒10の環状隔壁10cの後面内周縁
に形成される。これら第1及び第2弁座231 ,232
にそれぞれ着座し得る第1及び第2弁部241 ,242
を備えた環状の弁体24が弁筒10の後部室10bに前
後動自在に設けられ,この弁体24の後端をベローズ2
5を介して支持する弁体保持筒26が後部室10bに嵌
装される。この弁体保持筒26は,後部室10bの内周
面に係止される止環83 によって後端が押さえられる。
この弁体保持筒26と弁体24との間に,ベローズ25
の内側で弁体24を第1及び第2弁座231 ,232
向かって付勢する弁ばね28が縮設される。上記ベロー
ズ25は,弁体24の前後動を許容しながら弁体24及
び弁体保持筒26間をシールする。前記弁ピストン戻し
ばね27は,弁ばね28より大きいセット荷重が付与さ
れる。
【0018】前記後方延長筒12の後端には,内向きフ
ランジ12aが一体に形成されており,この内向きフラ
ンジ12aの中心部が大気A(高圧源)に開口する大気
導入口29となっている。この内向きフランジ12aの
内側面に当接して入力杆22の最終後退限を規定するス
トッパ30が入力杆22に前後方向調節可能に固着され
る。
【0019】前記弁体保持筒26の前端部には,段付き
の内向きフランジ26aが一体に形成されており,その
内端面に支承される前部ばね座311 と入力杆22の間
に,入力杆22を後退方向へ付勢する入力杆戻しばね3
2が縮設される。また弁体保持筒26内の後部には,弁
体保持筒26に係止された止環84 により後面を押さえ
られる後部ばね座312 が設けられ,前部ばね座311
及び後部ばね座312との間に出力規制ばね33が所定
のセット荷重を付与して縮設される。前部ばね座311
は,通常一定の間隙を置いて前記弁ピストン20の後端
に対向するように配置される。
【0020】弁筒10の後端部内周には,エアフィルタ
34が装着され,それを通して第1弁座231 の内周は
大気導入口29と常時連通している。上記エアフィルタ
34は,入力杆22の弁筒10に対する前後動を妨げな
いように柔軟性を有する。
【0021】弁筒10には,前後の変圧室2b,3b間
を連通する第1連通路361 と,前後の負圧室2a,3
a間を連通する第2連通路362 と,第1及び第2弁座
23 1 ,232 間に設けられた環状通路37に上記第1
連結路361 を連通する第1ポート381 と,第2連通
路362 を第2弁座232 の外周側に連通する第2ポー
ト382 とが形成される。
【0022】固定コア18の前端部は大径ピストン40
に形成され,この大径ピストン40の中心部に形成され
て,その前面に開口する有底のシリンダ孔41に,大径
ピストン40より一定の割合で縮径した小径ピストン4
2が摺動自在に嵌装され,この小径ピストン42に,固
定コア18の中心部を摺動自在に貫通した入力ピストン
19の小径軸部19aの前端が連結される。
【0023】大径ピストン40の外周にカップ体44が
摺動自在に嵌合し,このカップ体44には大径及び小径
ピストン40,42に対向する,ゴム等の弾性材からな
る反力伝達部材45が充填される。
【0024】カップ体44の前面には出力杆46が突設
され,この出力杆46は前記ブレーキマスタシリンダM
のピストンに連接される。またカップ体44及び弁筒1
0の前端面に当接するリテーナ47が配設され,このリ
テーナ47とブースタシェル1の前壁との間に弁筒戻し
ばね48が縮設される。
【0025】前記ストッパ30や前,後部ばね座3
1 ,312 ,入力ピストン19には,空気に流通のた
めの通気孔49,50,51や溝52が設けられてい
る。
【0026】上記において,第1及び第2弁座231
232 ,弁体24及び弁ばね28は,弁筒10に対する
弁ピストン20の進退に応じて変圧室2b,3bを大気
導入口29と負圧室2a,3aとに連通切換えする制御
弁53を構成し,また大径ピストン40,小径ピストン
42,反力伝達部材45及びカップ体44は,両ブース
タピストン4,5の推力を出力杆46に伝達すると同時
に,出力杆46の作動反力の一部を入力杆22に伝達す
る反力機構54を構成する。またコイル15,コイルハ
ウジング16及び固定コア18は,コイル15の通電量
に応じて弁ピストン20に固定コア18側への吸引力を
付与する電気アクチュエータ55を構成するものであ
り,そのコイル15には,それへの通電を制御する制御
ユニット56が接続され,この制御ユニット56の入力
側には,操縦者によるブレーキペダルPの踏み込み速度
が所定値を超えることを検知する操作速度検知センサ5
7と,自車の前方所定距離内の障害物を検知する障害物
検知センサ58からの検知信号が入力される。制御ユニ
ット56は,両センサ57,58の何れか一方の検知信
号を受けたとき,コイル15に通電するようになってい
る。また上記弁保持筒26,前,後部ばね座311 ,3
2 及び出力規制ばね33は,電気アクチュエータ55
の作動時における出力杆46の出力増加を規制する出力
規制手段59を構成する。
【0027】次にこの実施例の作用を説明する。 <通常ブレーキ>倍力装置Bの休止状態では,図1及び
図2に示すように,前後のブースタピストン4,5は,
弁筒戻しばね48のセット荷重をもって,後部ダイヤフ
ラム7の突起7aをブースタシェル1の後壁に当接させ
る後退限に保持され,入力杆22は,入力杆戻しばね3
2のセット荷重をもって,ストッパ30を延長筒12の
内向きフランジ12aに当接させる後退限に保持され
る。
【0028】電気アクチュエータ55の非作動時,車両
を制動すべくブレーキペダルPを踏込めば,入力杆22
は弁プランジャ23を伴って前進して,第1弁座231
をも前進させるが,当初,両ブースタピストン4,5は
不動であるから,第1弁座231 が弁体24の第1弁部
241 から直ちに離れて,両変圧室2b,3bに連なる
第1ポート381 を環状通路37を介して大気導入口2
9に連通させる。一方,第2弁座232 には,弁体24
が弁ばね28の弾発力をもって第2弁部242を着座さ
せ,両負圧室2a,3aに連なる第2ポート382 と環
状通路37間を遮断している。その結果,大気導入口2
9から弁筒10内に流入した大気は第1弁座231 を通
過し,第1ポート381 を経て両変圧室2b,3bに導
入され,該室2b,3bを両負圧室2a,3aより高圧
にするので,それらの気圧差に基づく大きな前方推力を
得て両ブースタピストン4,5は,弁筒10及び大径ピ
ストン40を伴いながら弁筒戻しばね48の力に抗して
前進するので,大径ピストン40が反力伝達部材45を
介してカップ体44,即ち出力杆46を前方へ押動して
ブレーキマスタシリンダMのピストンMbを駆動する。
こうして,ブレーキマスタシリンダMをブレーキペダル
Pの踏込み力に応じて作動させ,車両に制動かけること
ができる。
【0029】このような制動中,反力伝達部材45の後
端面には,大径ピストン40に加わる両ブースタピスト
ン4,5の推力と,入力杆22から小径ピストン42に
加わる操縦者の操作入力とが作用し,またその前端面に
は,出力杆46の作動反力が作用し,これによって反力
伝達部材45は前後に圧縮される。その結果,出力杆4
6の作動反力の一部が反力伝達部材45を介して入力杆
22に伝達されることになり,操縦者は出力杆46の出
力,即ち制動力の大きさを感受することができる。
【0030】而して,出力杆46の出力が倍力限界に達
するまでは,ブースタピストン4,5と一体の弁筒10
は,入力杆22の前進量だけ前進するもので,入力杆2
2が前進を止めると,弁筒10と共に前進してきた弁体
24の第1弁部241 が第1弁座231 に再び着座し
て,変圧室2b,3bへの大気のそれ以上の導入を阻止
するので,ブースタピストン4,5の前進も停止し,入
力に対応した倍力出力が得られることになる(図5の線
a−b参照)。
【0031】出力杆46の出力が倍力限界を超えると,
ブースタピストン4,5の気圧差による推力が最大とな
り,第1弁座231 は第1弁部241 から離間したまゝ
となるので,出力杆46の出力は,ブースタピストン
4,5の気圧差による最大推力と,ブレーキペダルPへ
の踏力による入力杆22の推力との和となる(図3の線
b−c参照)。
【0032】ブレーキペダルPに対する踏力を解除する
と,入力杆22は入力杆戻しばね32の反発力により前
部ばね座311 に当接するまで弁筒10に対して後退
し,それに応じて弁ピストン20も弁ピストン戻しばね
27の反発力により入力ピストン19に追従するように
後退して,第1弁座231 を第1弁部241 に着座さ
せ,更に弁ばね28のセット荷重に抗し弁体24を後退
させて第2弁部242 を第2弁座232 から離座させ
る。その結果,両変圧室2b,3bが第1ポート3
1 ,環状通路37及び第2ポート382 を介して両負
圧室2a,3aと連通するので,両変圧室2b,3bへ
の大気の導入が阻止される一方,両変圧室2b,3bの
空気が両負圧室2a,3aに素早く移行し,負圧限Vへ
と吸入され,負圧室2a,3a及び変圧室2b,3b間
の気圧差が無くなるため,ブースタピストン4,5は弁
筒戻しばね48の反発力で弁筒10と共に後退し,マス
タシリンダMの作動を解除していく。
【0033】ブースタピストン4,5及び弁筒10が後
退限に到達する手前で,入力杆22は先に後退限に到達
して,弁ピストン20と共に停止し,その後の僅かなブ
ースタピストン4,5及び弁筒10の後退により,前部
ばね座311 が入力ピストン19から離れ,一方,第2
弁座232 は第2弁部242 に着座させ,当初の休止状
態に戻る。 <自動ブレーキ> (出力規制前)走行中,例えば障害物センサ58の検知
信号により制御ユニット56が電気アクチュエータ55
のコイル15に通電すると,弁ピストン22は,固定コ
ア18に吸引され,弁ピストン戻しばね27の力に抗し
つゝ入力ピストン19上を前方へ前記規定ストロークL
だけ摺動して,第1弁座231 を第1弁部241 から大
きく引き離す。その結果,大気導入口29から弁筒10
に流入した大気が第1弁座231 を大量通過して両変圧
室2b,3bを急速に満たすため,出力杆46の出力が
急速に立ち上がり,マスタシリンダMのピストンMbを
確実に駆動して,ブレーキを自動的に作動することがで
きる(図5の線a−b参照)。 <自動ブレーキ> (出力規制)出力杆46の出力に伴い,その作動反力に
より圧縮された反力伝達部材45は,その一部をシリン
ダ孔41側にはみ出して小径ピストン42を後方へ押圧
するので,小径ピストン42の後面に当接する入力ピス
トン19も後方へ押圧される。このとき既に弁ピストン
20は,入力ピストン19に対する前進限に達している
から,入力ピストン19は弁ピストン20を伴って弁筒
10に対し後退していき,コイル15の通電量の増加に
より出力杆46の作動反力が所定値に達すると,図3に
示すように,第1弁座231 を第1弁部241 に着座さ
せて,両変圧室2b,3bへの大気の導入を停止させる
と共に,入力ピストン19の後端を,出力規制ばね33
の前端を支承している前部ばね座311 に当接させる。
但し,出力規制ばね33を圧縮するには至らない。こう
して出力杆46の出力の急速な立ち上がりは,図5の点
dで示すように出力限界に達する手前で終わる。 (出力規制中の踏力入力時)上記のような出力規制ばね
33が出力杆46の作動反力を受けている出力規制中
に,ブレーキ力を増強すべくブレーキペダルPから入力
杆22に踏力を加えると,弁ピストン20が再び前進し
て第1弁座231 を第1弁部241 から離座させるの
で,両変圧室2b,3bへの大気の導入が再開され,ブ
ースタピストン4,5の推力,即ち出力杆46の出力が
増大し,それに伴い増大する作動反力が出力規制ばね3
3の荷重より大となると,図4に示すように,弁ピスト
ン20が出力規制ばね33を圧縮しながら第1弁座23
1 を第1弁部241 に着座させ,両変圧室2b,3bへ
の大気の導入を止めて,出力杆46の出力増大を制限す
る。このような作用の繰り返しにより,出力杆46の出
力は,コイル15の通電によって倍力限界まで立ち上が
った,ブースタピストン4,5前後の作用する気圧差に
よる推力と,ブレーキペダルPへの踏力による入力杆2
2の推力との和となる(図5の線d−e−b−c参
照)。
【0034】このように,自動ブレーキ時でも,出力杆
46の出力の急な立ち上がりを或る時点で停止させ,そ
れから出力杆46の出力は,ブレーキペダルPに対する
踏力に応じて増加するので,自動ブレーキを確実に達成
すると共に,操縦者に違和感を与えることがない。
【0035】本発明は,上記実施例に限定されるもので
はなく,その要旨を逸脱しない範囲で種々の設計変更が
可能である。例えば,倍力装置Bを,ブースタピストン
を単一とするシングル型に構成することもできる。また
低圧源を大気とすると共に,高圧源を高圧空気供給源と
することもできる。
【0036】
【発明の効果】以上のように本発明によれば,ブースタ
シェルと,このブースタシェル内を,低圧源に連通する
前部の低圧室と,後部の変圧室とに区画し,該変圧室が
該低圧室よりも高圧となると,その圧力差で前進するブ
ースタピストンと,このブースタピストンに連設される
弁筒と,この弁筒に進退可能に配設される入力杆と,出
力杆と,前記弁筒,入力杆及び出力杆の三者間に介裝さ
れて,前記ブースタピストンの前進力を前記出力杆に伝
達すると同時に,その出力杆の作動反力の一部を前記入
力杆に伝達する反力機構と,前記入力杆に制限された範
囲で進退可能に設けられる弁ピストンと,この弁ピスト
ンを前記入力杆に対する後退位置に付勢する付勢手段
と,前記弁筒に設けられ,該弁筒に対する前記弁ピスト
ンの進退に応じて前記変圧室を高圧源と低圧室とに連通
切換えする制御弁と,前記弁筒に設けられ,通電時に前
記弁ピストンを前記付勢手段の付勢力に抗して前進させ
るべく作動する電気アクチュエータとを備える倍力装置
において,前記電気アクチュエータの作動による前記ブ
ースタピストンの作動中,前記反力機構から前記入力杆
に伝達される反力が所定値を超えると,その反力の増加
に応じて前記入力杆の前記弁筒に対する後退に抵抗力を
付与する出力規制手段を該入力杆及び弁筒間に設けたの
で,電気アクチュエータの作動時には,出力杆の出力の
急な立ち上がりを或る時点で停止させ,それからは出力
杆の出力を操縦者による入力部材への入力に応じて増加
することができて,マスタシリンダ等の被作動機器を自
動的に確実作動させ得ると共に,操縦者に違和感を与え
ることを回避することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例に係る自動車のブレーキ用倍力
装置の縦断側面図。
【図2】同倍力装置の要部拡大図。
【図3】出力規制開始時の作用説明図。
【図4】出力規制中の作用説明図。
【図5】同倍力装置の作動特性線図。
【符号の説明】
A・・・・高圧源 B・・・・倍力装置 V・・・・低圧源 1・・・・ブースタシェル 2a・・・低圧室(前部負圧室) 3a・・・低圧室(後部負圧室) 2b・・・変圧室(前部変圧室) 3b・・・変圧室(後部変圧室) 4・・・・ブースタピストン(前部ブースタピストン) 5・・・・ブースタピストン(後部ブースタピストン) 10・・・弁筒 15・・・コイル 20・・・弁ピストン 27・・・付勢手段(弁ピストン戻しばね) 46・・・出力杆 53・・・制御弁 54・・・反力機構 55・・・電気アクチュエータ 59・・・出力規制手段

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ブースタシェル(1)と,このブースタ
    シェル(1)内を,低圧源(V)に連通する前部の低圧
    室(2a,3a)と,後部の変圧室(2b,3b)とに
    区画し,該変圧室(2b,3b)が該低圧室(2a,3
    a)よりも高圧となると,その圧力差で前進するブース
    タピストン(4,5)と,このブースタピストン(4,
    5)に連設される弁筒(10)と,この弁筒(10)に
    進退可能に配設される入力杆(22)と,出力杆(4
    6)と,前記弁筒(10),入力杆(22)及び出力杆
    (46)の三者間に介裝されて,前記ブースタピストン
    (4,5)の前進力を前記出力杆(46)に伝達すると
    同時に,その出力杆(46)の作動反力の一部を前記入
    力杆(22)に伝達する反力機構(54)と,前記入力
    杆(22)に制限された範囲(L)で進退可能に設けら
    れる弁ピストン(20)と,この弁ピストン(20)を
    前記入力杆(22)に対する後退位置に付勢する付勢手
    段(27)と,前記弁筒(10)に設けられ,該弁筒
    (10)に対する前記弁ピストン(20)の進退に応じ
    て前記変圧室(2b,3b)を高圧源(A)と低圧室
    (2a,3a)とに連通切換えする制御弁(53)と,
    前記弁筒(10)に設けられ,通電時に前記弁ピストン
    (20)を前記付勢手段(27)の付勢力に抗して前進
    させるべく作動する電気アクチュエータ(55)とを備
    える倍力装置において,前記電気アクチュエータ(5
    5)の作動による前記ブースタピストン(4,5)の作
    動中,前記反力機構(54)から前記入力杆(22)に
    伝達される反力が所定値を超えると,その反力の増加に
    応じて前記入力杆(22)の前記弁筒(10)に対する
    後退に抵抗力を付与する出力規制手段(59)を該入力
    杆(22)及び弁筒(10)間に設けたことを特徴とす
    る倍力装置。
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