JP2001017102A - そば粉及びそば加工品 - Google Patents

そば粉及びそば加工品

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JP2001017102A
JP2001017102A JP11196314A JP19631499A JP2001017102A JP 2001017102 A JP2001017102 A JP 2001017102A JP 11196314 A JP11196314 A JP 11196314A JP 19631499 A JP19631499 A JP 19631499A JP 2001017102 A JP2001017102 A JP 2001017102A
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buckwheat
buckwheat flour
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flour
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JP11196314A
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English (en)
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Hitoshi Todoroki
仁 等々力
Mika Furukawa
美香 古川
Masanaga Maejima
正長 前島
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NITSUKOKU SEIFUN KK
Original Assignee
NITSUKOKU SEIFUN KK
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 そば本来の風味を損ねることなく食感が良好
で且つ茹で延びを可及的に少ないそば麺等を得ることが
できるそば粉を提供することにある。 【解決手段】 レーザ回析法によって測定した粒度分布
曲線に、粒径5〜15μmの領域と粒径30μm以上の
領域との各々にピークA、Bが出現するそば粉であっ
て、該粒径5〜15μmの領域に出現するピークAのピ
ーク値が、粒径30μm以上の領域に出現するピークB
のピーク値よりも大であることを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はそば粉及びそば加工
品に関し、更に詳細には食感を改良し得るそば粉及びそ
ば加工品に関する。
【0002】
【従来の技術】そば粉には、ポリフェノールの一種であ
るルチン等の種々の有効成分を含むため、そば加工品は
健康食品として注目されている。特に、そば麺は、そば
粉を用いた代表的な加工食品であり、つるつるとした滑
らかさ及び腰の強い歯応えのある食感が好まれている。
一方、近年は、そば弁当等の様に、そば麺を茹でてから
多少の経時後に食される場合も増加しており、多少の経
時後でも、つるつるとした滑らかさ及び腰の強い歯応え
のある食感を呈し得るそば麺、つまり茹で伸びを可及的
に少なくし得るそば麺が求められている。このため、従
来、そば麺の滑らかさを向上すべく、乳化剤や増粘多糖
類等の添加物の添加したり、そば麺の歯応えの向上や茹
で伸びを可及的に少なくすべく、グルテン等の小麦蛋白
や乾燥卵白等を添加することが行われている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】かかる添加物を添加し
たそば麺は、当初目的の滑らかさや歯応えの向上、或い
は茹で伸びを可及的に少なくできる。しかし、添加物を
添加したそば麺は、そば本来の風味を損ね、且つ製造に
手間が掛かるために製造コストも高くなる。このため、
乳化剤等の添加物を添加することなくそば麺の滑らかさ
や歯応えを向上でき、茹で延びを可及的に少ないそば麺
が得られるそば粉が要望されている。また、そば粉はパ
ンやカステラ、クッキーにも使用されるが、そば粉が添
加されたパン等の食感は、そば粉が無添加のパン等に比
較して、パサツキ感やザラツキ感を呈するものである。
従って、パンや菓子等においては、そば粉の添加率を高
くすることができなかった。
【0004】一方、そば粉は、前述した様に、ルチン等
の有効成分が多く含まれているため、従来の添加量より
も多量のそば粉が添加された、食感の優れたパンや菓子
等の加工食品を得ることができれば、おいしい健康食品
としても提供できる。そこで、本発明の課題は、そば本
来の風味を損ねることなく食感が良好で且つ茹で延びを
可及的に少ないそば麺等を得ることができるそば粉及び
そば加工品を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者は、前記課題を
解決すべく検討したところ、そば麺の呈する滑らかさや
歯応え等の食感は、そば粉の粒度分布が極めて重要であ
ることを知った。この知見に基づいて、更に本発明者
は、そば粉の粒度分布とそば麺の食感との関係を検討し
た結果、本発明に到達した。すなわち、本発明は、レー
ザ回析法によって測定した粒度分布曲線が、粒径5〜1
5μmの領域と粒径30μm以上の領域との各々にピー
ク値が出現するそば粉であって、該粒径5〜15μmの
範囲に出現するピーク値が、粒径30μm以上の範囲に
出現するピーク値よりも大であることを特徴とするそば
粉にある。更に、本発明は、レーザ回析法によって測定
したそば粉の粒度分布曲線に、粒径15μm以下の領域
のみにピークが出現することを特徴とするそば粉にあ
る。
【0006】また、本発明は、そば粉が用いられて製造
された麺、パン、菓子等のそば加工品において、該そば
粉として、レーザ回析法によって測定した粒度分布曲線
が、粒径5〜15μmの領域と粒径30μm以上の領域
との各々にピーク値が出現し、且つ前記粒径5〜15μ
mの範囲に出現するピーク値が、粒径30μm以上の範
囲に出現するピーク値よりも大きいそば粉、或いは実質
的に粒径15μm以下の領域のみにピーク値が出現する
そば粉を用いることを特徴とするそば加工品にある。
【0007】かかる本発明において、粒径10μm以下
の粒度が30%以上となるようなそば粉を用いることに
よって、そば麺等の加工品の滑らかさ及び歯応え等の食
感を更に良好とすることができる。また、そば種実を衝
撃切断式製粉機又はハンマーミルで製粉することより、
所定の粒度分布曲線曲線のそば粉を容易に得ることがで
きる。
【0008】本発明に係るそば粉は、従来のそば粉に比
較して、粒径5〜15μmの領域に存在するそば粉の粒
子含有率が著しく高い。かかる本発明に係るそば粉は、
従来のそば粉に比較して、水にそば粉を添加して測定し
た粘度が高い。また、従来のそば粉粉と同一加水率でパ
ン生地を作成すると、本発明に係るそば粉を用いて得た
パン生地は、従来のそば粉を用いて得たパン生地よりも
硬い。従って、本発明に係るそば粉を用い、従来のそば
粉を用いて得たパン生地と同程度の硬さのパン生地を得
るには、従来のそば粉よりも加水率を高くすることを要
する。このことは、本発明に係るそば粉は、従来のそば
粉よりも吸水率が良好であることを示している。一般的
に、吸水率の高い、換言すると多加水のそば粉は滑らか
な食感を与える。また、そば粉には、うどん等に腰や滑
らかさ等を付与する小麦粉中に含まれているグルテンが
実質的に含まれておらず、そば麺の腰や滑らかさは、そ
ば粉に含まれている水溶性蛋白質によって主として付与
される。この点、本発明に係るそば粉を用いたそば麺に
は、従来のそば粉を用いたそば麺よりも腰や滑らかさを
付与できる。本発明に係るそば粉では、粒径5〜15μ
mの領域の粒子含有率が、従来のそば粉に比較して増加
しており、水との接触面積が拡大して従来のそば粉より
も短時間で多量の水溶性蛋白質が水中に溶出されるため
と考えられる。この様に、本発明に係るそば粉は、従来
のそば粉と比較して、多加水で且つ水溶性蛋白質を短時
間で多量に溶出する。このため、本発明に係るそば粉を
用いることによって、そば本来の風味を損ねることなく
食感が良好で且つ茹で延びを可及的に少ないそば麺等の
そば加工品を得ることができる。
【0009】
【発明の実施の形態】本発明に係るそば粉の粒度分布曲
線の一例を図1に示す。図1の粒度分布曲線は、レーザ
回析法によって測定したものであり、(株)日本レーザー
製のレーザー回析式粒度測定装置を用いて測定した。こ
の粒度分布曲線において、縦軸には粒子含有率(%)を
示し、横軸には粒径(μm)を示す。図1に示す粒度分
布曲線では、粒径5〜15μmの領域と粒径30μm以
上の領域との各々にピークA、Bが出現する。かかるピ
ークA、Bにおいて、ピークAの粒径7.5μm近傍に
おけるピーク値は、ピークBの粒径73μm近傍におけ
るピーク値よりも大きい。
【0010】図1に示す粒度分布曲線を呈するそば粉
は、図2に示す製粉機により製粉して得ることができ
る。図2に示す製粉機は、衝撃切断式製粉機であり、ホ
ッパ10から投入されたそば種実は、回転する回転軸1
2に設けられたスクリュ14によって、円筒スクリーン
16の内面側の一端側に供給される。供給されたそば種
実は、回転軸12と共に高速回転している複数枚のブレ
ード18、18・・による衝撃と剪断力とを受けて微粉
体に粉砕される。粉砕された粉体のうち、円筒スクリー
ン16の目開以下の粒径に粉砕された粉体は円筒スクリ
ーン16を通過して網下取出口20から取り出されて製
品となる。一方、円筒スクリーン16の目開を超える粗
い粉体は、円筒スクリーン16の他端側に設けられた排
出口21から排出されて取出口22から取り出される。
取り出された粗い粉体は、ホッパー10から再供給し、
再粉砕してもよい。
【0011】かかる衝撃切断式製粉機では、ブレード1
8、18・・の回転数が一定である場合、そば種実の供
給量を調整することによって、所望の粒度分布曲線のそ
ば粉を得ることができる。ここで、図1に示す粒度分布
曲線のそば粉を得たそば種実の供給量よりも、供給量を
減少した場合、図3に示す粒度分布曲線[(株)日本レー
ザー製のレーザー回析式粒度測定装置を用いて測定]を
呈するそば粉を得ることができる。図3に示すそば粉の
粒度分布曲線では、粒径5〜15μmの領域に出現する
粒径7.5μm近傍に位置するピークAのピーク値は、
図1に示す粒度分布曲線のピークAのピーク値よりも大
きくなる。一方、粒径30μm以上の領域に出現する粒
径73μm近傍に位置するピークBのピーク値は、図1
に示す粒度分布曲線のピークBのピーク値よりも小さく
なる。このことは、大粒径のそば粉粒子は、粉砕されて
小粒径のそば粉粒子となっていることを示す。
【0012】更に、図2に示す粒度分布曲線のそば粉を
得たそば種実の供給量よりも、供給量を減少した場合、
図4に示す粒度分布曲線[(株)日本レーザー製のレーザ
ー回析式粒度測定装置を用いて測定]のそば粉を得るこ
とができる。図4に示す示すそば粉の粒度分布曲線で
は、粒径5〜15μmの領域に出現する粒径7.5μm
近傍に位置するピークAのみが出現し、粒径30μm以
上の領域に出現するピークBは消滅している。図1、図
3、及び図4に示す粒度分布曲線を呈するそば粉は、多
加水で且つ水溶性蛋白質を短時間で多量に溶出すること
ができる。このため、かかるそば粉を用いることによっ
て、そば本来の風味を損ねることなく食感が良好で且つ
茹で延びを可及的に少ないそば麺等のそば加工品を得る
ことができる。特に、粒径10μm以下の粒子含有率が
30%以上であるそば粉は、そば麺等の加工品の滑らか
さ及び歯応え等の食感を更に良好とすることができる。
この粒子含有率の上限は、製粉機の製粉量との関係から
60%以下とすることが,工業的にそば粉を生産するう
えで好ましい。尚、図1に示す粒度分布曲線を呈するそ
ば粉では、粒径10μm以下の粒子含有率は33%であ
り、図3に示す粒度分布曲線を呈するそば粉では、粒径
10μm以下の粒子含有率は40%である。
【0013】図1、図3、及び図4に示す粒度分布曲線
を呈するそば粉は、図2に示す衝撃切断式製粉機の他
に、図5に示すハンマーミルによっても得ることができ
る。このハンマーミルは、ケーシング24内に設けられ
たロータ26にハンマー28、28・・がピン30、3
0・・によって吊り下げられており、ケーシング24の
内面にはライナー32が張られている。このライナー3
2の表面は、ケーシング24の磨耗防止を図ると共に、
粉砕を繰り返し行えるように凹凸面に形成されている。
かかるハンマーミルによれば、ホッパ34から供給され
たそば種実は、ハンマー28、28・・によって粉砕さ
れて所定粒径以下の粉体はスクリーン36を通過し製品
となり、所定粒径を超える粗い粉体はケーシング24内
に滞留して再粉砕される。
【0014】また、遠心粉砕機を用いても、条件次第で
は図1に示す粒度分布曲線に近似した図6に示す粒度分
布曲線[(株)日本レーザー製のレーザー回析式粒度測定
装置を用いて測定]のそば粉を得ることができる。図6
に示す粒度分布曲線のそば粉は、Retsch製の超遠心粉砕
機を用い、回転数20000rpm、スクリーンの目開
0.25mmとし、粉砕を2回繰り返して得らたもので
ある。図6の粒度分布曲線においても、粒径5〜15μ
mの領域と粒径30μm以上の領域との各々にピーク
A、Bが出現し、ピークAの粒径7.5μm近傍におけ
るピーク値は、ピークBの粒径73μm近傍におけるピ
ーク値よりも大きい。
【0015】ところで、従来、そば粉は、そば種実をロ
ール製粉機によって製粉されて得られたものが多い。か
かるそば粉の粒度分布曲線[(株)日本レーザー製のレー
ザー回析式粒度測定装置を用いて測定]は、図7(a)
に示す如く、粒径5〜15μmの領域と粒径30μm以
上の領域との各々にピークA、Bが出現し、且つ粒径3
0μm以上の範囲に出現するピークBのピーク値は、粒
径5〜15μmの範囲に出現するピークAのピーク値よ
りも大となるものである。かかるロール製粉機では、そ
ば種実の供給量を減少しても、図7(b)に示す粒度祖
分布曲線[(株)日本レーザー製のレーザー回析式粒度測
定装置を用いて測定]の如く、図7(a)の粒度分布曲
線に比較して、ピークBのピーク値が若干減少してピー
クAのピーク値が若干増加したものの、依然としてピー
クBのピーク値は、ピークAのピーク値よりも大きい。
更に、ロール製粉機に供給するそば種実の供給量を減少
しても、同様に、図7(c)に示す粒度分布曲線[(株)
日本レーザー製のレーザー回析式粒度測定装置を用いて
測定]の如く、図7(a)及び図7(b)の粒度分布曲
線に比較して、ピークBのピーク値が若干減少してピー
クAのピーク値が若干増加したものの、依然としてピー
クBのピーク値は、ピークAのピーク値よりも大きい。
尚、図7(a)〜図7(c)に示す粒度分布曲線を呈す
るそば粉の粒径10μm以下の各粒子含有率は、8%
[図7(a)]、15%[図7(b)]、及び13%
[図7(c)]である。
【0016】この様な、図7(a)〜図7(c)に示す
粒度分布曲線を呈するそば粉は、乳化剤等の添加物を添
加することなくそば麺の滑らかさや歯応えを向上するこ
とができず、そば麺の茹で延びを可及的に少なくするこ
とも困難である。また、図7(a)〜図7(c)に示す
そば粉を添加したパンやカステラ、クッキーの食感は、
そば粉が無添加のパン等に比較して、パサツキ感やザツ
キ感を呈するため、そば粉の添加率を充分に高くするこ
とができなかった。この点、図1、図3、及び図4に示
す粒度分布曲線を呈するそば粉は、乳化剤等の添加物を
添加することなくそば麺の滑らかさや歯応えを向上で
き、茹で延びを可及的に少ないそば麺が得られる。ま
た、図1、図3、及び図4に示す粒度分布曲線を呈する
そば粉が添加されたパンやカステラ、クッキーの食感
は、従来のそば粉が添加されたパン等の比較して改善で
き、従来の添加量よりも多量のそば粉を添加することが
できる。このため、かかるパン等は、ルチン等の有効成
分が多量に含まれた、おいしい健康食品としても提供で
きる。
【0017】
【実施例】実施例1 (1) 粘度 そば粉200gと水300gとを混合した混合物の粘度
をビスコメータによって測定した。図1に示す粒度分布
曲線を呈するそば粉(以下、実施例そば粉と称する)で
は46cpsであり、図7(a)に示す粒度分布曲線を呈
するそば粉(以下、比較例そば粉と称する)では30cp
sであった。従って、同一加水量では、実施例そば粉の
粘度は、比較例そば粉よりも高粘度となる。 (2) 生地の硬さ そば粉100gと小麦粉100gとに対し、水130を
添加して練った生地の硬さをファリノグラフ(ブラベン
ダー社製)によって測定した。測定値が大きいほど生地
が硬いことを意味する。実施例そば粉を用いた生地の硬
さは950B.Uであり、比較例そば粉を用いた生地の硬
さは615B.Uであった。従って、同一加水量では、実
施例そば粉を用いた生地は、比較例そば粉を用いた生地
よりも硬くなる。このことから、実施例そば粉、比較例
そば粉よりも高い吸水性を呈する。このため、実施例そ
ば粉は、比較例そば粉よりも多くの加水が可能である。
この様に、多くの加水が可能なそば粉を用いたそば麺
は、短時間で茹で上がり、且つ滑らかな食感を呈する。 (3) 水溶性蛋白質の抽出量 そば粉2gを水50mlに添加し、所定時間、室温下で攪
拌抽出した後、ろ過して抽出液を得た。この抽出液中に
溶出している蛋白質を水溶性蛋白質とし、抽出液中の蛋
白質量をケルダール法によって測定した。実施例そば粉
では水溶性蛋白質が6.0%であり、比較例そば粉では
水溶性蛋白質が4.2%であった。この様に,実施例そ
ば粉では、比較例そば粉よりも水溶性蛋白質量が多い。
このため、前述した粘度も実施例そば粉が、比較例そば
粉よりも高くなる。更に、そば麺では、滑らかな食感を
呈することができる。
【0018】実施例2 図1に示す粒度分布曲線を呈するそば粉500g、小麦
粉500g、及び水450gを混合して生そばを製造
し、更に所定条件で茹で上げた後、冷水で冷却・水切り
をして茹そば(以下、実施例品と称する)とした。ま
た、図7(a)に示す粒度分布曲線を呈するそば粉を用
いて同様に生そばを製造し、更に同一条件で茹で上げた
後、冷水で冷却・水切りして茹そば(以下、比較例品と
称する)とした。次いで、得られた直後の茹そばについ
て官能試験を行った。この官能試験の評価項目は、茹そ
ばの滑らかさ、腰の強さ、歯切れ、歯応え、香り、味の
6項目とした。評価方法は、比較例品を基準とし、実施
例品について評価した。この際、比較例品の各評価項目
を4点とし、実施例品について、かなり劣る(1点)、
少し劣る(2点)、僅かに劣る(3点)、同程度(4
点)、僅かに勝れる(5点)、少し勝れる(6点)、か
なり勝れる(7点)の7段階評価を行った。また、パネ
ルリストは40名であり、10名を1組として4組に分
けて評価を実施した。その結果を下記の[表1]に示
す。尚、[表1]において、各評価項目の数値はパネル
リスト40名の評価値の平均値である。
【表1】 [表1]から明らかな様に、実施例品である茹そばは、
比較例品である茹そばに比較して、滑らかさ、腰の強
さ、歯切れ、歯応えの評価項目で優れている。また、香
り、味の面においても、実施例品は比較例品以上の評価
であった。
【0019】実施例3 実施例2において得られた茹そばを、茹で上げてから2
4時間経過後に実施例1と同様の官能試験を行った。そ
の結果を下記の[表2]に示す。
【表2】 [表2]から明らかな様に、茹で上げてから24時間経
過後でも、茹で延びの程度を示す評価項目である、滑ら
かさ、腰の強さ、歯切れ、歯応えの項目では、実施例品
は比較例品よりも優れている。また、香り、味の面にお
いても、実施例品は比較例品以上の評価であった。
【0020】実施例4 そば粉を添加したそばパンを製造した。このそばパン
は、図1に示す粒度分布曲線を呈するそば粉(1500
g)、小麦粉(1500g)、イースト(75g)、イ
ーストフード(3g)、食塩(60g)、砂糖(150
g)、及び脱脂粉乳(60g)を混合した混合物に、3
0℃の水を加えてミキサーで5分間のミキシングを行っ
た。更に、ショートニング(180g)を加えて9分間
のミキシングを施した後、28℃にて75〜90分間の
発酵を行い、発酵品を220g毎に分割した。分割品に
ついて、更に室温下で25分間の発酵を施した後、38
℃、湿度80%のホイロ内で60〜70分間の発酵を行
った。その後、分割品を200℃で30分間の焼成を行
ってそばパン(以下、実施品と称する)を得た。また、
図1に示す粒度分布曲線を呈するそば粉に代えて、図7
(a)に示す粒度分布曲線を呈するそば粉を用いた他
は、同様にしてそばパン(以下、比較例品と称する)を
得た。
【0021】次いで、得られたそばパンについて官能試
験を行った。この官能試験の評価項目は、食感(滑らか
さ)、香り、味の3項目とした。評価方法は、比較例品
を基準とし、実施例品について評価した。この際、比較
例品の各評価項目を4点とし、実施例品について、かな
り劣る(1点)、少し劣る(2点)、僅かに劣る(3
点)、同程度(4点)、僅かに勝れる(5点)、少し勝
れる(6点)、かなり勝れる(7点)の7段階評価を行
った。また、パネルリストは40名であり、10名を1
組として4組に分けて評価を実施した。その結果を下記
の[表3]に示す。尚、[表3]において、各評価項目
の数値はパネルリスト40名の評価値の平均値である。
【表3】 [表3]から明らかな様に、食感(滑らかさ)、香り、
味の面においても、実施例品は比較例品以上の評価であ
った。
【0022】実施例5 そば粉を添加したそばカステラを製造した。このそばカ
ステラは、図1に示す粒度分布曲線を呈するそば粉(5
50g)、小麦粉(500g)、全卵(2250g)、
砂糖(1500g)、A双目糖(350g)、水飴(3
80g)、及び水(100g)を用いて得た。以下、図
1に示す粒度分布曲線を呈するそば粉を用いて得たそば
カステラを実施品と称する。また、図1に示す粒度分布
曲線を呈するそば粉に代えて、図7(a)に示す粒度分
布曲線を呈するそば粉を用いた他は、同様にしてそばカ
ステラ(以下、比較例品と称する)を得た。
【0023】次いで、得られたそばカステラについて官
能試験を行った。この官能試験の評価項目は、食感(滑
らかさ)、香り、味の3項目とした。評価方法は、比較
例品を基準とし、実施例品について評価した。この際、
比較例品の各評価項目を4点とし、実施例品について、
かなり劣る(1点)、少し劣る(2点)、僅かに劣る
(3点)、同程度(4点)、僅かに勝れる(5点)、少
し勝れる(6点)、かなり勝れる(7点)の7段階評価
を行った。また、パネルリストは40名であり、10名
を1組として4組に分けて評価を実施した。その結果を
下記の[表4]に示す。尚、[表4]において、各評価
項目の数値はパネルリスト40名の評価値の平均値であ
る。
【表4】 [表4]から明らかな様に、食感(滑らかさ)におい
て、実施例品は比較例品以上の評価であった。また、香
り、味の面においても、実施例品は、比較例品に比較し
て、そば独特のえぐみが少なく食べ易いものであった。
【0024】実施例6 そば粉を添加したそばクッキーを製造した。このそばク
ッキーは、図1に示す粒度分布曲線を呈するそば粉(1
50g)、小麦粉(50g)、無塩マーガリン(75
g)、砂糖(75g)全卵(50g)、ベーキングパウ
ダー(2g)、及びバニラエッセンス(2cc)を用いて
得た。以下、図1に示す粒度分布曲線を呈するそば粉を
用いて得たそばクッキーを実施品と称する。また、図1
に示す粒度分布曲線を呈するそば粉に代えて、図7
(a)に示す粒度分布曲線を呈するそば粉を用いた他
は、同様にしてそばクッキー(以下、比較例品と称す
る)を得た。
【0025】次いで、得られたそばクッキーについて官
能試験を行った。この官能試験の評価項目は、食感(滑
らかさ)、香り、味の3項目とした。評価方法は、比較
例品を基準とし、実施例品について評価した。この際、
比較例品の各評価項目を4点とし、実施例品について、
かなり劣る(1点)、少し劣る(2点)、僅かに劣る
(3点)、同程度(4点)、僅かに勝れる(5点)、少
し勝れる(6点)、かなり勝れる(7点)の7段階評価
を行った。また、パネルリストは40名であり、10名
を1組として4組に分けて評価を実施した。その結果を
下記の[表5]に示す。尚、[表5]において、各評価
項目の数値はパネルリスト40名の評価値の平均値であ
る。
【表5】 [表5]から明らかな様に、食感(滑らかさ)におい
て、実施例品は比較例品以上の評価であった。また、香
り、味の面においても、実施例品は、比較例品に比較し
て、そば独特のえぐみが少なく食べ易いものであった。
【0026】
【発明の効果】本発明によれば、乳化剤等の添加物を添
加することなくそば麺の滑らかさや歯応えを向上でき、
茹で延びを可及的に少ないそば麺等のそば加工品が得ら
れる。このため、そば弁当等の様に、調理から食するま
でに経時しるものであっても、茹で延びしないそば麺を
食することができる。また、本発明に係るそば粉が添加
されたパンやカステラ、クッキー等のそば加工品の食感
は、従来のそば粉が添加されたパン等の比較して改善で
き、従来の添加量よりも多量のそば粉を添加することが
できる。このため、かかるパン等は、ルチン等の有効成
分が多量に含まれた、おいしい健康食品としても提供で
きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るそば粉の粒度分布曲線の一例を示
すグラフである。
【図2】図1に示す粒度分布曲線を呈するそば粉を製造
し得る製粉機の概要を説明するための部分断面図であ
る。
【図3】本発明に係るそば粉の粒度分布曲線の他の例を
示すグラフである。
【図4】本発明に係るそば粉の粒度分布曲線の他の例を
示すグラフである。
【図5】図1に示す粒度分布曲線を呈するそば粉を製造
し得る他の製粉機の概要を説明するための部分断面図で
ある。
【図6】本発明に係るそば粉を製造し得る他の製粉機を
用いて得られたそば粉の粒度分布曲線を示すグラフであ
る。
【図7】従来のそば粉の粒度分布曲線を示すグラフであ
る。
【符号の説明】
ピークA 粒径5〜15μmの領域に出現するピーク ピークB 粒径30μm以上の領域に出現するピーク
フロントページの続き (72)発明者 前島 正長 長野県長野市南千歳一丁目16番地2 日穀 製粉株式会社内 Fターム(参考) 4B023 LE30 LG10 LP20 4B032 DB01 DB07 DB21 DG20 DP06 4B046 LA04 LB04 LC04 LG32 LP80

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 レーザ回析法によって測定した粒度分布
    曲線に、粒径5〜15μmの領域と粒径30μm以上の
    領域との各々にピーク値が出現するそば粉であって、 該粒径5〜15μmの領域に出現するピーク値が、粒径
    30μm以上の領域に出現するピーク値よりも大である
    ことを特徴とするそば粉。
  2. 【請求項2】 レーザ回析法によって測定したそば粉の
    粒度分布曲線に、粒径15μm以下の領域のみにピーク
    値が出現することを特徴とするそば粉。
  3. 【請求項3】 粒径10μm以下の粒子含有率が、30
    %以上である請求項1又は請求項2記載のそば粉。
  4. 【請求項4】 そば粉が、そば種実を衝撃切断式製粉機
    又はハンマーミルで製粉して得たそば粉である請求項1
    〜3のいずれか一項記載のそば粉。
  5. 【請求項5】 そば粉が用いられて製造された麺、パ
    ン、菓子等のそば加工品において、 該そば粉として、請求項1又は請求項2記載のそば粉が
    用いられていることを特徴とするそば加工品。
  6. 【請求項6】 そば粉として、粒径10μm以下の粒度
    が30%以上であるそば粉が用いられている請求項5記
    載のそば加工品。
  7. 【請求項7】 そば粉として、そば種実を衝撃切断式製
    粉機又はハンマーミルで製粉して得たそば粉が用いられ
    ている請求項5又は請求項6記載のそば加工品。
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Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006304623A (ja) * 2005-04-26 2006-11-09 Fujiwara Seimen Kk そば粉配合物、生そば及び茹でそば
JP2008099636A (ja) * 2006-10-20 2008-05-01 Nitsukoku Seifun Kk ケーキ類用ソバ粉及びその製造方法
JP2009112253A (ja) * 2007-11-07 2009-05-28 Nitsukoku Seifun Kk ソバ麺における食感・風味を改良できるソバ粉の製造方法
JP2012010617A (ja) * 2010-06-29 2012-01-19 Niigata Prefecture 麺の製造に用いる原料粉の製造方法及び麺の製造方法
JP2016067212A (ja) * 2014-09-26 2016-05-09 日清オイリオグループ株式会社 全脂大豆粉使用クッキー類
JP2016067211A (ja) * 2014-09-26 2016-05-09 日清オイリオグループ株式会社 全脂大豆粉及び全脂大豆粉使用ケーキ類

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