JP2001010043A - 容量性素子駆動装置 - Google Patents

容量性素子駆動装置

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JP2001010043A JP2000049752A JP2000049752A JP2001010043A JP 2001010043 A JP2001010043 A JP 2001010043A JP 2000049752 A JP2000049752 A JP 2000049752A JP 2000049752 A JP2000049752 A JP 2000049752A JP 2001010043 A JP2001010043 A JP 2001010043A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 負荷とは別に回路中及び素子内に存在する微
少な容量分を充放電する時のピーク電流、相手側出力に
発生する誘導電圧の傾きなどを抑え、誤動作やノイズの
発生を抑えることにより負荷や駆動回路の発熱を抑え
る。 【解決手段】 圧電部材21などの容量性負荷を形成す
るトランスデューサの静電容量性素子の両極電位を出力
回路22,23で変化させてその静電容量性素子を駆動
制御する容量性素子駆動装置において、同一方向検出回
路24の作用により、各電極電位211,212の変化が
開始するときに、電極電位が同時に同一方向に変化して
いる間はトランスデューサの静電容量性素子のインピー
ダンスよりも高いハイインピーダンスで各電極に印加す
る電位を制御し、トランスデューサの静電容量性素子の
両極間を充電又は放電する間はハイインピーダンスより
も低いローインピーダンスで各電極に印加する電位を制
御する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、圧電部材、液晶等
の容量性素子を駆動する容量性素子駆動装置に関する。
【0002】
【従来の技術】この種の容量性素子駆動装置としては、
圧電部材などの容量性素子に電極を接続して配置した複
数のインク室を並べて設けたインクジェットヘッドを駆
動する特開平7-178898号公報に開示されたヘッ
ド駆動装置がある。このようなヘッド駆動装置で駆動す
るインクジェットヘッドとしては、図27に示すよう
に、各インク室11、12、…を各圧電部材21、22、…
によって仕切って構成されたシェアモードのインクジェ
ットヘッド3があり、このようなインクジェットヘッド
3を駆動する従来のヘッド駆動装置4を図28に示す。
【0003】このヘッド駆動装置4は、シリアル/パラ
レル変換器5、このシリアル/パラレル変換器5からの
出力は、アンドゲート6及びイクスクルーシブオアゲー
ト7を介して駆動回路8に接続し、この駆動回路8から
の出力は、各出力端子9を介して各インク室11、12、
…の隔壁に設けた圧電部材21、22、…の電極に接続し
ている。
【0004】各駆動回路8は、図29に示すように、入
力端子I1、出力端子9、駆動電源12、抵抗体R1〜
R5、ハイポーラトランジスタTr1〜Tr4を備える。こ
の駆動回路8では、入力端子I1に入力される信号がハ
イレベルになると、ハイポーラトランジスタTr1がオン
して出力端子9に駆動電源電圧が出力され、入力される
信号がローレベルになると、ハイポーラトランジスタT
r2がオンして出力端子9が接地電位になる。
【0005】このような駆動回路8を使用してインクジ
ェットヘッド3を駆動制御する場合、例えば、インク室
13を駆動してインク吐出させる場合は、図30に示す
ように、インク室13と両側のインク室12、14との隔
壁を形成する圧電部材にインク室13側が両側のインク
室12、14側に対して正電圧となる駆動波形をTa間印
加してインク室13を拡大させ、その後両隣のインク室
12、14側がインク室13側に対して正電圧となる駆動
波形をTb間印加してインク室13を縮小させる動作を
行っている。この駆動波形の印加により、インク室13
の両側の隔壁を形成する圧電部材の両面に印加する端子
間電圧は図31に示すように+Vから−Vに急激に変化
する電圧となり、これによりインク室13のインク吐出
口からインクが吐出される。
【0006】また、このヘッド駆動装置では、図30に
示すようにインク室16からインクを吐出させない場合
はこのインク室16とこのインク室に隣接したインク室
15,17に同じ駆動波形をTb間印加してインク室16
の両側の隔壁を形成する圧電部材の両端間に電位差が生
じないようにする。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】ところで、一般に、バ
イポーラトランジスタを使用した回路などでは、消費電
力低減等のため、このバイポーラトランジスタの代りに
MOS(Metal Oxide Semiconductor)型トランジスタ
を使用することが行われており、図29に示すような駆
動回路8においても、バイポーラトランジスタTrの代
りにMOS型トランジスタを使用することが考えられ
る。
【0008】しかしながら、もしバイポーラトランジス
タの代りにP−MOS型トランジスタ、N−MOS型ト
ランジスタを使用して駆動回路を構成すれば、以下に示
すような問題点が考えられる。
【0009】すなわち、上述した従来の駆動回路と同様
に、駆動したいインク室の両隔壁の圧電部材に駆動電圧
を与えてそのインク室のインク吐出口からインクを吐出
させようとする場合、各MOSトランジスタ(低インピ
ーダンス)がONするときに、負荷である圧電部材とは
無関係にまず低インピーダンス素子での接合容量、駆動
回路の浮遊容量、保護ダイオードの容量分などの微少な
容量分を充放電する。
【0010】このとき、圧電部材の両極は同一方向へ変
化しようとするため、この圧電部材は負荷容量としては
作用しない。従って、出力電圧は急峻に変化し、ピーク
値が高く、立ち上がりの速い電流が流れる。その後、圧
電部材の充放電の電流が駆動回路及び負荷に流れる。こ
のようなピーク値が高く、立ち上がりの速い電流は、負
荷の充放電する時間に対して十分速い時間で立ち上が
る。
【0011】しかしながら、圧電部材の動作については
充放電する時間が重要であるため、上述したような最初
の速い電流の立ち上がり時間は圧電部材の動作に対して
影響を与えない。つまり、上述したような最初の立ち上
がりの速い電流は、駆動回路、ヘッドの配線、MOSト
ランジスタの寄生素子等の抵抗分に無駄に消費されるこ
とになり、駆動素子、ヘッドなどを余計に温度上昇させ
てしまう。
【0012】また、このピーク値が高く、急峻な電流に
より、MOSトランジスタの寄生素子が動作してしま
い、駆動素子の信頼性を損ねてしまうおそれもある。
【0013】さらに、出力電圧が急峻に変化すると、浮
遊容量などによる静電結合を介して、出力素子を駆動す
るためのプリバッファやロジック回路などにも影響を及
ぼし、誤動作などの発生する可能性が高くなってしま
う。
【0014】また、図29に示すようにバイポーラトラ
ンジスタTrを使用した場合でも、圧電部材の両極に電
位差が生じないように、駆動するインク室の周辺インク
室のみならず、インクを吐出しないインク室の全てに、
図30に示すようなTb間がハイレベルとなるパルスを
与えるようにすると、この時は、圧電部材(負荷)への
充放電動作はなく、上述したような駆動回路の浮遊容量
などの微少な容量への充放電動作が低インピーダンスの
トランジスタで行われることになる。
【0015】つまり、ヘッド駆動回路には、時定数の小
さい、立ち上がり立ち下がりの鋭い(di/dtの変化
が大きい)電流が流れることになり、ヘッド駆動回路の
配線のインダクタ成分によりL×di/dtという大き
な電圧変動が発生し、それがノイズとなってしまう。ま
た、出力電圧もその分速くスイッチするので、放射雑音
も大きくなり、誤動作の発生し易くなってしまう。
【0016】そこで、本発明は、負荷とは別に回路中及
び素子内に存在する微少な容量分を充放電する時のピー
ク電流、相手側出力に発生する誘導電圧の傾きなどを抑
えることができ、その電圧変化及び電流変化による誤動
作やノイズの発生を抑えることができるとともに負荷や
駆動回路の発熱を抑えることができ、低消費電力で信頼
性が高く、より安価な容量性素子駆動装置を提供しよう
とするものである。
【0017】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の発明は、
容量性負荷を形成するトランスデューサの静電容量性素
子の両極電位を変化させてその静電容量性素子を駆動制
御する容量性素子駆動装置において、トランスデューサ
の静電容量性素子の各電極に印加する電位を可変制御す
る電極電位制御手段を設け、電極電位制御手段の制御に
より各電極電位の変化が開始するとき、その電極電位が
同時に同一方向に変化している間は高いハイインピーダ
ンスで電極電位制御手段より各電極に印加する電位を制
御し、トランスデューサの静電容量性素子の両極間を充
電又は放電する間はハイインピーダンスよりも低いロー
インピーダンスで電極電位制御手段より各電極に印加す
る電位を制御するインピーダンス制御を行うことにあ
る。
【0018】請求項2記載の発明は、容量性負荷を形成
するトランスデューサの静電容量性素子の両極電位を変
化させてその静電容量性素子を駆動制御する容量性素子
駆動装置において、複数のスイッチ素子を有し、各スイ
ッチ素子のオンオフのタイミングを制御することにより
トランスデューサの静電容量性素子の電極に印加する電
位を可変可能に構成した電極電位制御手段を設け、電極
電位制御手段の各スイッチ素子を駆動させるタイミング
を異ならせることによって、電極電位制御手段の制御に
より各電極電位の変化が開始するときには高いハイイン
ピーダンスで電極電位制御手段より各電極に印加する電
位を制御し、トランスデューサの静電容量性素子の両極
間を充電又は放電する間はハイインピーダンスよりも低
いローインピーダンスで電極電位制御手段より各電極に
印加する電位を制御するインピーダンス制御を行うこと
にある。
【0019】請求項3記載の発明は、容量性負荷を形成
するトランスデューサの静電容量性素子の両極電位を変
化させてその静電容量性素子を駆動制御する容量性素子
駆動装置において、複数のMOSトランジスタを有し、
各MOSトランジスタを異なるゲート電圧でオンオフ制
御することによりトランスデューサの静電容量性素子の
電極に印加する電位を可変可能に構成した電極電位制御
手段を設け、電極電位制御手段の制御により各電極電位
の変化が開始するときには、低いゲート電圧でMOSト
ランジスタを駆動させて高いハイインピーダンスで電極
電位制御手段より各電極に印加する電位を制御し、トラ
ンスデューサの静電容量性素子の両極間を充電又は放電
する間は高いゲート電圧でMOSトランジスタを駆動さ
せてハイインピーダンスよりも低いローインピーダンス
で電極電位制御手段より各電極に印加する電位を制御す
るインピーダンス制御を行うことにある。
【0020】請求項4記載の発明は、容量性負荷を形成
するトランスデューサの静電容量性素子の両極電位を変
化させてその静電容量性素子を駆動制御する容量性素子
駆動装置において、複数のバイポーラトランジスタを有
し、各バイポーラトランジスタを異なるベース電流でオ
ンオフ制御することによりトランスデューサの静電容量
性素子の電極に印加する電位を可変可能に構成した電極
電位制御手段を設け、電極電位制御手段の制御により各
電極電位の変化が開始するときには、低いベース電流で
バイポーラトランジスタを駆動させて高いハイインピー
ダンスで電極電位制御手段より各電極に印加する電位を
制御し、トランスデューサの静電容量性素子の両極間を
充電又は放電する間は高いベース電流でバイポーラトラ
ンジスタを駆動させてハイインピーダンスよりも低いロ
ーインピーダンスで電極電位制御手段より各電極に印加
する電位を制御するインピーダンス制御を行うことにあ
る。
【0021】請求項5記載の発明は、容量性負荷を形成
するトランスデューサの静電容量性素子の両極電位を変
化させてその静電容量性素子を駆動制御する容量性素子
駆動装置において、各電極に対して隣接出力の変化を検
知する隣接出力信号変化検知手段及び、トランスデュー
サの静電容量性素子の各電極に印加する電位を可変制御
する電極電位制御手段を設け、電極電位制御手段の制御
により各電極電位の変化を開始する時と、隣接出力信号
変化検知手段によって検知した隣接出力の変化が開始す
る時に高いハイインピーダンスにて駆動し、その後ハイ
インピーダンスよりも低いローインピーダンスで電極電
位制御手段より各出力の電極に印加する電位を制御する
インピーダンス制御を行うことにある。
【0022】請求項6記載の発明は、請求項5記載の容
量性素子駆動装置において、電極電位制御手段によりハ
イインピーダンスで駆動するときの両方の電極を制御す
るインピーダンス比とローインピーダンスで駆動すると
きの両極の電極を制御するインピーダンス比とが同じに
なるように構成したことにある。
【0023】請求項7記載の発明は、容量負荷を形成す
るトランスデューサの静電容量性素子の両極電位を変化
させてその静電容量性素子を駆動制御する容量性素子駆
動装置において、トランスデューサの静電容量性素子の
各電極に印加する電位を可変制御する電極電位制御手段
及び隣接出力の出力変化を検出する手段を設け、隣接出
力の出力変化を検出する手段の検出動作により当該出力
と隣接出力が同時に同方向に変化する場合は高いハイイ
ンピーダンスで電極電位制御手段より各電極に印加する
電位を制御し、トランスデューサの静電容量性素子の両
極間を充電又は放電する場合はハイインピーダンスより
も低いローインピーダンスで電極電位制御手段より各電
極に印加する電位を制御することにある。
【0024】請求項8記載の発明は、請求項7記載の容
量性素子駆動装置において、電極電位制御手段は、複数
のスイッチ素子を有し、この各スイッチ素子をオンオフ
制御することによりトランスデューサの静電容量素子の
各電極に印加する電位を可変とし、隣接出力の出力変化
を検出する手段は、各スイッチ素子をオンオフ制御する
ための制御入力の入力論理値を検出することにある。
【0025】
【発明の実施の形態】以下、本発明に係る容量性素子駆
動装置を、圧電部材を使用したカイザー型インクジェッ
トヘッド駆動装置に適用した第1の実施の形態を図1な
いし図6を参照して説明する。
【0026】図1は、本実施の形態に係る装置の構成を
示す回路ブロック図で、図3に示すようなカイザー型イ
ンクジェットヘッドの1つのインク室を駆動する回路で
ある。
【0027】この駆動回路は、1つのインク室を駆動す
る容量性負荷を形成するトランスデューサの静電容量性
素子としての圧電部材(PZT)21の両極211,2
12に接続した電極電位制御手段としてのA出力回路2
2,B出力回路23、各出力回路22,23の出力端子
OUTA,OUTBに接続した同一方向検出回路24か
ら構成される。
【0028】この同一方向検出回路24は、各出力回路
22,23の出力に微分回路を接続し、その微分回路の
出力を合成したもの(同一方向検出回路24の出力)が
各出力回路22,23にインピーダンス制御手段として
フィードバックするように構成される。
【0029】つまり、同一方向検出回路24からは、圧
電部材21の両極211,212が共に+方向に変化して
いる間は正の微分波形が出力され、共に−方向に変化し
ている間は負の微分波形が出力される。これにより、こ
の正負の微分波形に基づいて出力回路22,23のイン
ピーダンスがハイインピーダンスになるように制御され
る。
【0030】図2は、図1に示す回路ブロック図の具体
的な回路構成を示す図である。A出力回路22は、圧電
部材21の一方の電極211に接続した出力端子OUT
Aと駆動電圧VAAとの間にスイッチング素子であるP
−MOSトランジスタP1をコンデンサCb11と並列に接
続し、出力端子OUTAと接地電圧となっているVSS
の間にN−MOSトランジスタN1をコンデンサCb12と
並列に接続して構成される。
【0031】上記P−MOSトランジスタP1は、基板
にドレイン、ソース、ゲートを固定し、その基板電位を
駆動電圧VAAよりも高い高電圧VCCとしている。こ
れは、相手側であるB出力回路23の出力OUTBが変
化した際に、誘導を受けて駆動電圧VAAより高い電位
になった時、上記P−MOSトランジスタP1の寄生ダ
イオードに電流が流れないようにするためである。但
し、P−MOSトランジスタP1の寄生ダイオードに電
流を流しても素子の信頼性が保たれるのであれば特に別
電位にする必要はなく、P−MOSトランジスタP1の
基板電位を駆動電圧VAAにしてもよい。上記N−MO
SトランジスタN1は、基板にドレイン、ソース、ゲー
トを固定し、その基板電位を接地電圧VSSとしてい
る。
【0032】上記P−MOSトランジスタP1、N−M
OSトランジスタN1のゲートには、それぞれプリバッ
ファ(PreBuffer)25,26からの出力端子
WP11,WN11が接続されており、このプリバッファ2
5,26の出力によって上記P−MOSトランジスタP
1、N−MOSトランジスタN1が駆動する。
【0033】また、これらプリバッファ25,26は、
レベルシフタ(L/S)27,28で電圧変換されたロ
ジック回路29からのスイッチ制御信号により駆動す
る。
【0034】上記プリバッファ25は、高電圧VCCと
接地電圧VSSとの間にP−MOSトランジスタPP1と
N−MOSトランジスタNP1とを直列に接続して構成さ
れる。また、プリバッファ26は、高電圧VCCと接地
電圧VSSとの間にP−MOSトランジスタPN1とN−
MOSトランジスタNN1とを直列に接続して構成され
る。
【0035】また、出力端子OUTAと高電圧VCCと
の間に保護ダイオード31を図示極性で接続し、出力端
子OUTAと接地電圧VSSの間に保護ダイオード32
を図示極性で接続している。
【0036】上記B出力回路23は、P−MOSトラン
ジスタP2、N−MOSトランジスタN2、P−MOSト
ランジスタPP2とN−MOSトランジスタNP2とで構成
されるプリバッファ35、P−MOSトランジスタPN2
とN−MOSトランジスタNN2とで構成されるプリバッ
ファ36、レベルシフタ(L/S)37,38、ロジッ
ク回路39、保護ダイオード41,42からなり、その
構成は上記A出力回路22と同様である。
【0037】次に、上記同一方向検出回路24は、上記
A出力回路22のプリバッファ25,26にそれぞれ設
けた抵抗RP1,RN1、上記B出力回路23のプリバッフ
ァ35,36にそれぞれ設けた抵抗RP2,RN2、コンデ
ンサCa1〜Ca8から構成される。
【0038】上記A出力回路22のP−MOSトランジ
スタP1に対しては、コンデンサCa1,Ca5と抵抗RP1
による微分回路の出力WP12がそのゲートに供給され、
A出力回路22のN−MOSトランジスタN1に対して
は、コンデンサCa2,Ca6と抵抗RN1による微分回路の
出力WN12がそのゲートに供給される。
【0039】上記B出力回路23のP−MOSトランジ
スタP2に対しては、コンデンサCa3,Ca7と抵抗RP2
による微分回路の出力WP22がそのゲートに供給され、
B出力回路23のN−MOSトランジスタN2に対して
は、コンデンサCa4,Ca8と抵抗RN2による微分回路の
出力WN22がそのゲートに供給される。
【0040】このように4つのスイッチング素子で構成
された駆動回路でカイザー型インクジェットヘッドにお
ける1つのインク室に対応して設けた圧電部材21を駆
動する。
【0041】このカイザー型インクジェットヘッドは、
図3に示すように、インク室51の上板を弾性板52で
構成して、その上面に、両面に電極211,212を形成
した上記ヘッド駆動装置で駆動する圧電部材21を設
け、圧電部材21により弾性板52を上側に凸となるよ
うに撓ませることによりインク室51を広げてインク供
給口55からインクを吸入し、この状態から勢いをつけ
て下側に凸となるように撓ませてインク室51を縮める
ことによりインク吐出口56からインクを吐出するよう
になっている。
【0042】このようなカイザー型インクジェットヘッ
ドの動作原理を図4(c)に示す圧電部材の端子間駆動
波形を参照しながら説明する。
【0043】初期状態では、各出力回路22,23の出
力OUTA,OUTBは、駆動電圧に固定されていて電
位差は生じていない状態である。そして、インク室を駆
動する場合には、先ずA出力回路22の出力OUTAを
接地電圧VSSに低下させる。このとき、圧電部材21
はインク室51が広がる方向に歪むように予め分極され
ているので、インク室51が広がる(図3(b)に示す
逆充電状態)。
【0044】そして、ある時間その状態を保ち、次にA
出力回路22の出力OUTAを駆動電圧VAAに戻し、
続いてB出力回路23の出力OUTBを接地電圧VSS
に低下させる(図3(c)に示す放電状態から充電状
態)。この動作を高速に行うことにより、インク室51
は広がった状態から一気に縮小するので、その間にイン
クの吐出が開始する。
【0045】この状態をある時間保持した後、B出力回
路23の出力OUTBを駆動電圧VAAに切替えて初期
状態(図3(d)に示す逆放電状態から初期状態)に戻
し一連のインク吐出動作が完了する。
【0046】次に、上記インク室を駆動する場合の駆動
回路における動作を図3、図4を参照しながら説明す
る。初期状態では、各出力回路22,23は、P−MO
SトランジスタP1,P2がONしていて各出力OUT
A,OUTBは駆動電圧VAAになっている。そしてA
出力回路22のP−MOSトランジスタP1をOFFし
た後、出力回路の貫通電流を防止するための時間(tk
1)をおいて、N−MOSトランジスタN1をONする。
【0047】このとき、スイッチ素子の接合容量や保護
ダイオード31,32の容量分や回路中の浮遊容量など
の微少な容量(コンデンサCb11,Cb12など)を充電
し、そのときの各出力回路22,23の出力OUTA,
OUTBは、負の方向に同時に変化する。
【0048】そして、コンデンサCa2,Ca6とA出力回
路22の抵抗RN1とから構成される微分回路の出力WN1
2は、図4(a)、(c)に示すように各出力回路2
2,23の出力OUTA,OUTBが負の方向に同時に
変化している間は、負の方向に変化しようとする微分波
形となる。
【0049】一方、プリバッファ26の出力WN11は、
図4(a)に示すように高電圧VCCに急峻に変化しよ
うとする。そして、このプリバッファ26の出力WN11
と微分回路の出力WN12とを合成した波形がN−MOS
トランジスタN1のゲート電圧の波形となる。
【0050】従って、各出力回路22,23の出力OU
TA,OUTBが同時に変化している間は、微分回路の
出力WN12である微分波形が働き、ゲート電圧を抑えて
ハイインピーダンスで駆動し(図4におけるX1部
分)、その後はプリバッファ26の出力WN11でゲート
を深くバイアスしてハイインピーダンスよりも低いロー
インピーダンスで駆動する。
【0051】この状態をある時間保持した後、A出力回
路22のN−MOSトランジスタN1をOFFした後、
出力回路の貫通電流を防止するための時間(tk2)をお
いてP−MOSトランジスタP1をONする。
【0052】このとき、上述した微少な容量(コンデン
サCb11,Cb12など)を放電し、そのとき各出力回路2
2,23の出力OUTA,OUTBは、正の方向に同時
に変化する。そして、コンデンサCa1,Ca5とA出力回
路22の抵抗RP1からなる微分回路の出力WP12は、図
4(a)、(c)に示すように各出力回路22,23の
出力OUTA,OUTBが正の方向に同時に変化してい
る間は、正の方向に変化しようとする微分波形となる。
【0053】一方、プリバッファ25の出力WP11は、
図4(a)に示すように接地電圧VSSに急峻に変化し
ようとする。そして、プリバッファ25の出力WP11と
微分回路の出力WP12とを合成した波形がP−MOSト
ランジスタP1のゲート電圧の波形となる。
【0054】従って、各出力回路22,23の出力OU
TA,OUTBが同時に変化している間は、微分回路の
出力WP12である微分波形が働き、ゲート電圧を抑えて
ハイインピーダンスで駆動し(図4におけるY1部
分)、その後はプリバッファ25の出力WP11でゲート
を深くバイアスしてローンピーダンスで駆動する。
【0055】ある程度A出力回路22の出力OUTAが
立ち上がり、放電動作がほぼ完了したところで、B出力
回路23のP−MOSトランジスタP2をOFFし、出
力回路の貫通電流を防止するための時間(tk3)をおい
てN−MOSトランジスタN2をONする。
【0056】このとき、スイッチ素子の接合容量や保護
ダイオード41,42の容量分や回路中の浮遊容量など
の微少な容量(コンデンサCb21,Cb22など)を充電
し、そのときの各出力回路22,23の出力OUTA,
OUTBは負の方向に同時に変化する。
【0057】そして、コンデンサCa3,Ca7とB出力回
路23の抵抗RN2とから構成される微分回路の出力WN2
2は、図4(b)、(c)に示すように各出力回路2
2,23の出力OUTA,OUTBが負の方向に同時に
変化している間は負の方向に変化しようとする微分波形
となる。
【0058】一方、プリバッファ36の出力WN21は、
図4の(b)に示すように高電圧VCCに急峻に変化し
ようとする。そして、プリバッファ36の出力WN21と
微分回路の出力WN22とを合成した波形がN−MOSト
ランジスタN2のゲート電圧の波形となる。
【0059】従って、各出力回路22,23の出力OU
TA,OUTBが同時に変化している間は微分回路の出
力WN22である微分波形が働き、ゲート電圧を抑えてハ
イインピーダンスで駆動し(図4におけるX2部分)、
その後はプリバッファ36の出力WN21でゲートを深く
バイアスしてローインピーダンスで駆動する。
【0060】このような一連の動作で、圧電部材(PZ
T)21の両極211,212には、図4の(c)に示す
ように−VAAからVAAの変位が加わり、インク室5
1は図3の(b)から(c)に示すように広がった状態
から縮小状態に高速に変化するので、このときにインク
の吐出が開始する。
【0061】そして、インク室51が縮小した状態をし
ばらく保った後、B出力回路23のN−MOSトランジ
スタN2をOFFした後、出力回路の貫通電流を防止す
るための時間(tk4)をおいてP−MOSトランジスタ
P2をONする。
【0062】このとき、上述した微少な容量(コンデン
サCb21,Cb22など)を放電し、そのとき各出力回路2
2,23の出力OUTA,OUTBは、正の方向に同時
に変化する。そして、コンデンサCa4,Ca8とA出力回
路の抵抗RP2からなる微分回路の出力WP22は、図4の
(b)、(c)に示すように各出力回路22,23の出
力OUTA,OUTBが正の方向に同時に変化している
間は正の方向に変化しようとする微分波形となる。
【0063】一方、プリバッファ35の出力WP21は、
図4(b)に示すように接地電圧VSSに急峻に変化し
ようとする。そして、プリバッファ35の出力WP21と
微分回路の出力WP22とを合成した波形がP−MOSト
ランジスタP2のゲート電圧の波形となる。
【0064】従って、各出力回路22,23の出力OU
TA,OUTBが同時に変化している間は微分回路の出
力WP22である微分波形が働き、ゲート電圧を抑えてハ
イインピーダンスで駆動し(図4におけるY2 部分)、
その後はプリバッファ35の出力WP21でゲートを深く
バイアスしてローインピーダンスで駆動する。
【0065】こうして各出力回路22,23の出力OU
TA,OUTBを駆動電圧VAAに戻しインク室51を
図3の(a)の初期状態に戻して一連の駆動回路の動作
を完了する。
【0066】このように、各出力回路22,23の出力
OUTA,OUTBに微分回路を接続し、その微分回路
の出力を合成した同一方向検出回路24の出力を各出力
回路22,23にフィードバックさせることにより、各
出力回路22,23の出力OUTA,OUTBが変化す
る際の、負荷としての圧電部材(PZT)21以外の微
少な容量を充放電するときはハイインピーダンスで駆動
するインピーダンス制御を行うので、図4にX1,X2,
Y1,Y2として示すようにそのときに流れる電流のピー
ク及び傾きを抑えることができる。
【0067】ところで、もし駆動装置を図5に示すよう
に本実施の形態のような同一方向検出回路24を有しな
い構成にした場合には、図6の(c)にZの部分として
示すように、各出力回路22,23の出力OUTA,O
UTBは互いの出力電圧に誘導されて電圧の変化が鋭く
なる。これでは、スイッチ素子などの寄生ダイオードに
電流が流れるおそれがあり、これが繰返し行われると駆
動回路自体の信頼性が低下する。
【0068】これに対して、本実施の形態では、同一方
向検出回路24を設けることにより、負荷としての圧電
部材(PZT)21以外の微少な容量を充放電するとき
はハイインピーダンスで駆動してそのときに流れる電流
のピーク及び傾きを抑えることができるので、図4にX
3,X4,Y3,Y4として示すようにそれによって発生す
る出力OUTA,OUTBの電圧の変化も鈍化できる。
このため、駆動回路の信頼性を向上することができる。
【0069】次に、本発明に係る容量性素子駆動装置
を、圧電部材を使用したカイザー型インクジェットヘッ
ド駆動装置に適用した第2の実施の形態を図7ないし図
10を参照して説明する。なお、本実施の形態において
前述した第1の実施の形態と同一部分は同一符号を付し
てその詳細な説明を省略する。
【0070】図7は、本実施の形態に係る装置の構成を
示す回路ブロック図で、図3に示すようなカイザー型イ
ンクジェットヘッドの1つのインク室を駆動するもので
ある。
【0071】本実施の形態に係る駆動回路は、図1に示
すものと比較すると、同一方向検出回路24を設ける代
りにインピーダンス制御手段としてディレイ回路63,
64を設け、この各ディレイ回路63,64を通して電
極電位制御手段としてのA、Bの各出力回路61,62
をONすることにより、各出力回路61,62の出力O
UTA,OUTBが変化を開始するときは各出力回路6
1,62をハイインピーダンスで駆動し、その後負荷の
充放電するときはローインピーダンスで駆動するように
した点が異なる。すなわち、本実施の形態では、ハイイ
ンピーダンス駆動を行う必要があるタイミングは、各出
力回路61,62の出力OUTA,OUTBが変化を開
始するときであることに着目し、各出力回路61,62
の出力OUTA,OUTBが変化を開始するときは、ハ
イインピーダンス駆動を行って負荷である圧電部材21
以外の微少容量を充放電させ、その後ローインピーダン
ス駆動を行って負荷である圧電部材21の充放電を行う
ものである。
【0072】図8は、図7に示す回路ブロック図の具体
的な回路構成を示す図である。A出力回路61は、出力
バッファを構成するP−MOSトランジスタP11,P12
及びN−MOSトランジスタN11,N12並びにバッファ
PP11,PP12を直列に接続して構成されるプリバッファ
65、バッファPN11,PN12を直列に接続して構成され
るプリバッファ66、レベルシフタ(L/S)27,2
8、ロジック回路29、保護ダイオード31,32から
なり、その構成は図2に示すA出力回路22とほぼ同様
であるが、本実施の形態のA出力回路61は、出力バッ
ファが同じゲートサイズの2つのP−MOSトランジス
タP11,P12並びにN−MOSトランジスタN11,N12
をそれぞれ並列して接続した点で異なる。
【0073】すなわち、上記P−MOSトランジスタP
12のゲートにはバッファPP11の出力を接続しているの
で、P−MOSトランジスタP12はバッファPP11の出
力に基づいて駆動する。また、上記P−MOSトランジ
スタP11のゲートにはバッファPP11の出力がバッファ
PP12を介して入力しているので、P−MOSトランジ
スタP11はバッファPP12の出力に基づいて、上記P−
MOSトランジスタP12よりもバッファPP12の分だけ
遅延して駆動する。従って、P−MOSトランジスタP
11についてバッファPP12が図7に示すディレイ回路6
3の機能を果す。
【0074】また、上記N−MOSトランジスタN12の
ゲートにはバッファPN11の出力を接続しているので、
N−MOSトランジスタN12はバッファPN11の出力に
基づいて駆動する。また、上記N−MOSトランジスタ
N11のゲートにはバッファPN11の出力がバッファPN12
を介して入力しているので、N−MOSトランジスタN
11はバッファPN12の出力により上記N−MOSトラン
ジスタN12よりもバッファPN12の分だけ遅延して駆動
する。従って、N−MOSトランジスタN11についてバ
ッファPN12が図7に示すディレイ回路63の機能を果
す。
【0075】上記B出力回路62は、出力バッファを構
成するP−MOSトランジスタP21,P22及びN−MO
SトランジスタN21,N22並びにバッファPP21,PP22
を直列に接続して構成されるプリバッファ67、バッフ
ァPN21,PN22を直列に接続して構成されるプリバッフ
ァ68、レベルシフタ(L/S)37,38、ロジック
回路39、保護ダイオード41,42からなり、その構
成は上記A出力回路61と同様である。
【0076】従って、上記P−MOSトランジスタP21
についてバッファPP22が図7に示すディレイ回路64
の機能を果す。また、上記N−MOSトランジスタN21
についてバッファPN22が図7に示すディレイ回路64
の機能を果す。
【0077】また、各出力回路61,62のP−MOS
トランジスタP11,P12、P21,P22の基板電位は、そ
れぞれ駆動電圧VAAより高い高電圧VCCにしてい
る。これにより、これらスイッチ素子のスイッチシーケ
ンス中に出力が駆動電圧VAAより高く跳ね上がったと
き(図6に示すZ部分)に、各スイッチ素子の寄生ダイ
オードや保護ダイオードに電流が流れることを防止でき
る。
【0078】次に本実施の形態における駆動回路で図3
に示すカイザー型インクジェットヘッドを駆動する場合
の駆動回路の動作を図9に基づいて説明する。
【0079】初期状態では、各出力回路61,62の出
力OUTA,OUTBは、各P−MOSトランジスタP
11,P12、P21,P22がONした状態になっているので
駆動電圧に固定されていて電位差は生じていない状態で
ある。
【0080】そして、インク室51を駆動する場合に
は、先ずA出力回路61のP−MOSトランジスタP1
1,P12をOFFするための信号が1本ロジック回路2
9から出力されレベルシフタ(L/S)27で電圧変換
されて、プリバッファ65の1段目のバッファPP11に
入力される。このバッファPP11からの出力は、P−M
OSトランジスタP12のゲートを駆動し、このP−MO
SトランジスタP12をOFFする。
【0081】また、1段目のバッファPP11の出力は、
2段目のバッファPP12にも入力され、この2段目のバ
ッファPP12でゲート遅延された出力は、P−MOSト
ランジスタP11のゲートを駆動し、このP−MOSトラ
ンジスタP11をOFFする。
【0082】次に、出力回路の貫通電流を防止する時間
(tm1)をおいて、A出力回路61のN−MOSトラン
ジスタN11,N12をONさせるための信号が1本ロジッ
ク回路29から出力され、レベルシフタ(L/S)28
で電圧変換されてプリバッファ66の1段目のバッファ
PN11に入力される。そして、このバッファPN11からの
出力は、N−MOSトランジスタN12のゲートを駆動
し、このN−MOSトランジスタN12をONする。
【0083】また、上記1段目のバッファPN11の出力
は、2段目のバッファPN12にも入力され、この2段目
のバッファPN12でゲート遅延された出力は、N−MO
SトランジスタN11のゲートを駆動し、このN−MOS
トランジスタN11をONする。
【0084】このように、2つのN−MOSトランジス
タN11,N12を並列して接続し、直列接続した2段のバ
ッファPN11,PN12で時間をおいて、N−MOSトラン
ジスタN11,N12を段階的にONさせることにより、最
初に素子の接合容量、保護ダイオード31,32の容量
分、回路中に存在する浮遊容量などの微少な容量(コン
デンサCb11,Cb12など)の充電をN−MOSトランジ
スタN12のみで行うので、そのときの電流の変化を鈍化
でき、出力電圧の立ち下がりも鈍化できる(図9に示す
X5部分)。
【0085】これにより、出力電圧の変位によって回路
中及び負荷を流れる電流のピークと変化のスピードが抑
えられると共に、A出力回路61のN−MOSトランジ
スタN11,N12が段階的にONしているときの抵抗とB
出力回路62のP−MOSトランジスタP21,P22のO
N抵抗の分圧比等で決まってくるB出力回路62に現れ
る誘導電圧の立ち下がりスピードも抑えられる(図9に
示すX5部分)。
【0086】こうして、出力OUTAを接地電圧VSS
に切替えることにより、圧電部材21のインク室51を
広げる(図3の(b)に示す逆充電状態)。そして、あ
る時間その状態を保ち、次にA出力回路61のN−MO
SトランジスタN11,N12が上記と同様に段階的にN−
MOSトランジスタN12,N11の順にOFFされる。
【0087】そして、出力回路の貫通電流を防止する時
間(tm2)をおいて、A出力回路61のP−MOSトラ
ンジスタP1,P2をONさせる信号が1本ロジック回路
29から出力され、レベルシフタ(L/S)27で電圧
変換されてプリバッファ65の1段目のバッファPP11
に入力される。このバッファPP11からの出力は、P−
MOSトランジスタP12のゲートを駆動し、このP−M
OSトランジスタP12をONする。
【0088】また、上記1段目のバッファPP11の出力
は、2段目のバッファPP12にも入力され、この2段目
のバッファPP12でゲート遅延された出力はP−MOS
トランジスタP11のゲートを駆動し、このP−MOSト
ランジスタP11をONする。
【0089】このように、2つのP−MOSトランジス
タP11,P12を並列して接続し、直列接続した2段のバ
ッファPP11,PP12で時間をおいて、P−MOSトラン
ジスタP11,P12を段階的にONさせることにより、最
初に素子の接合容量、保護ダイオード31,32の容量
分、回路中に存在する浮遊容量などの微少な容量(コン
デンサCb11,Cb12など)の放電をP−MOSトランジ
スタP12のみで行うので、そのときの電流の変化を鈍化
でき、出力電圧の立ち上がりも鈍化できる(図9に示す
Y5部分)。
【0090】これにより、出力電圧の変位によって回路
中及び負荷を流れる電流のピークと変化のスピードが抑
えられると共に、A出力回路61のP−MOSトランジ
スタP11,P12が段階的にONしているときの抵抗とB
出力回路62のP−MOSトランジスタP21,P22のO
N抵抗の分圧比等で決まってくるB出力回路62に現れ
る誘導電圧の立ち上がりスピードも抑えられる(図9に
示すY5部分)。
【0091】ある程度A出力回路61の出力OUTAが
立ち上がり、放電動作がほぼ完了したところで、B出力
回路62のP−MOSトランジスタP21,P22を上記の
ように段階的にP−MOSトランジスタP22,P21の順
にOFFし、出力回路の貫通電流を防止する時間(tm
3)をおいて、B出力回路62のN−MOSトランジス
タN21,N22を上記のように段階的にN−MOSトラン
ジスタN22,N21の順でONする。
【0092】この一連の動作で圧電部材の電極間には、
図9の(c)に示すように2倍の駆動電圧(−VAA〜
VAA)の変位が発生し、インク室51は広がった状態
から縮小状態に高速に変化するので、インク室51から
インクの吐出が開始する。
【0093】その後、ある時間この状態を保ちB出力回
路62のN−MOSトランジスタN21,N22を上記のよ
うに段階的にN−MOSトランジスタN22,N21の順で
OFFする。そして、出力回路の貫通電流を防止する時
間(tm4)をおいて、B出力回路62のP−MOSトラ
ンジスタP21,P22を上記のように段階的にP−MOS
トランジスタP22,P21の順にONする。
【0094】ここでも、B出力回路62のP−MOSト
ランジスタP21,P22を段階的にONするので、最初に
微少な容量分(コンデンサCb21,Cb22など)の放電を
P−MOSトランジスタP22のみで行うので、その時の
電流の変化を鈍化でき、出力電圧の立ち上がりも鈍化で
きる(図9に示すX6の部分)。
【0095】これにより、その電圧変位によって回路中
及び負荷を流れる電流のピークと変化のスピードが抑え
られると共に、B出力回路62のP−MOSトランジス
タP21,P22が段階的にONしているときの抵抗とA出
力回路61のP−MOSトランジスタP11,P12のON
抵抗の分圧比等で決まってくるA出力回路61に現れる
誘導電圧立ち上がりスピードも抑えられる(図9に示す
Y6部分)。
【0096】こうして、圧電部材21の両極間は同電位
(初期状態)になり、図3の(d)に示す逆放電状態か
ら初期状態になって一連のインク吐出動作が完了する。
【0097】このように、一対のスイッチ素子を並列し
て接続し、これらを段階的に駆動する直列接続した2段
のバッファを設け、各スイッチ素子をONして出力を変
化させるときに各スイッチ素子を、時間をおいて段階的
にONさせることにより、駆動回路に存在する負荷とし
ての圧電部材21とは別の容量(上記微少容量など)を
充放電するときは、一方のスイッチ素子(P12,N12又
はP22,N22)を駆動して高インピーダンスで駆動し、
負荷としての圧電部材21を充放電するときは、両方の
スイッチ素子(P12,N12及びP11,N11、P22,N22
及びP21,N21)を駆動して低インピーダンスで駆動す
るというインピーダンス制御を行うことができる。
【0098】これにより、前述した第1の実施の形態と
同様に、駆動回路に存在する負荷とは別の容量を充放電
するときの電圧及び電流変化が緩やかになる、すなわ
ち、立ち上がり、立ち下がりが鈍化するように制御する
ことができる。
【0099】従って、最初の立ち上がり、立ち下がりの
電流が駆動回路、ヘッドの配線、MOSトランジスタの
寄生素子等の抵抗分に無駄に消費されることを防止する
ことができ、駆動素子、ヘッドなどを余計に温度上昇さ
せることを防止できる。また、このような電流のピーク
値を抑え、電流の変化を緩やかにすることにより、MO
Sトランジスタの寄生素子が動作することを防止でき、
駆動素子の信頼性を向上させることができる。
【0100】また、圧電素子の負荷容量が数十から数百
PF以上に対して、微少容量は数PF以下であり、この
微少容量の充放電時間は、負荷容量を放電し充電してイ
ンクを吐出させる時間に対して十分短く、吐出特性に影
響するものではない。
【0101】例えば、図10に示すように、電圧変化が
緩やかとなるときの電圧V′は変化する側のA出力回路
61の高インピーダンスとその出力に影響を受けるB出
力回路62の低インピーダンスとの駆動電圧の分圧比分
となる。
【0102】なお、この第2の実施の形態においては、
各スイッチ素子の構成は同じゲートサイズのMOSトラ
ンジスタを並列接続した構成のものについて述べたが必
ずしもこれに限定されるものではなく、最初に駆動させ
るスイッチ素子(P12,N12又はP22,N22)として更
にゲート幅の小さいハイインピーダンスのものを使用す
るとともに、後から駆動させるスイッチ素子(P11,N
11又はP21,N21)としてゲート幅の大きい十分にロー
インピーダンスのものを使用してもよい。これにより、
誘導電圧や電流の傾斜をさらに緩やかに抑えることがで
きる。
【0103】図11は、本実施の形態における駆動回路
の変形例の構成を示す回路図で、図8に示す部分と同一
部分には同一符号を付してその詳細な説明を量略する。
【0104】この変形例に係るA出力回路61におい
て、図8に示すものと異なるのは、P−MOSトランジ
スタP11,P12の基板電位を駆動電圧VAAと同電位に
した点である。また、B出力回路62のP−MOSトラ
ンジスタP21,P22の基板電位もA出力回路61の場合
と同様に駆動電圧VAAと同電位にしている。
【0105】これにより、図8の回路の場合は出力回路
61,62の出力OUTA,OUTBのうち一方の出力
が立ち上がり始めるときに他方の出力が誘導を受けて駆
動電圧VAAより跳ね上がってしまうが、この変形例で
は出力回路61,62の出力端と駆動電圧間に接続した
保護ダイオード31,41やスイッチ素子の寄生ダイオ
ードに電流が流れてもその電流の立ち上がりが鈍化した
ものになり、この寄生ダイオードをベースとした寄生ト
ランジスタがスイッチ素子内に存在した場合でも動作し
難い方向に働くため、信頼性の高い駆動回路を提供でき
る。
【0106】次に、本発明に係る容量性素子駆動装置
を、圧電部材を使用したカイザー型インクジェットヘッ
ド駆動装置に適用した第3の実施の形態について図12
及び図13を参照して説明する。なお、本実施の形態に
おいて前述した第2の実施の形態と同一部分には同一符
号を付してその詳細な説明を省略する。
【0107】図12は、本実施の形態に係る装置の構成
を示す部分回路図で、図3に示すようなカイザー型イン
クジェットヘッドの1つのインク室を駆動するものであ
る。
【0108】この駆動回路のA出力回路71は、図8に
示すものと比較すると、出力端子OUTAと接地電圧V
SSの間に1つのN−MOSトランジスタN1を接続し
た点、このN−MOSトランジスタN1を高電圧VCC
で駆動させるためのプリバッファ73をP−MOSトラ
ンジスタPN1、N−MOSトランジスタNN1、ダイオー
ド74で構成して構成した点、上記ダイオード74を介
して駆動電圧よりも低い所定電圧(ここでは5V)で上
記N−MOSトランジスタN1を駆動させるためのP−
MOSトランジスタP5V1、上記プリバッファ73の出
力を遅延させるディレイ回路(Delay)75を設け
た点が異なる。
【0109】具体的には、上記P−MOSトランジスタ
PN1とN−MOSトランジスタNN1は駆動電圧VCCと
接地電圧VSS間に直列に接続されており、P−MOS
トランジスタPN1とN−MOSトランジスタNN1の接続
点に上記N−MOSトランジスタN1のゲートが接続さ
れている。
【0110】また、上記P−MOSトランジスタPN1と
N−MOSトランジスタNN1のゲートには、レベルシフ
タ(L/S)28の出力が接続されており、このレベル
シフタ28の入力端子にはロジック回路29からのスイ
ッチ制御信号が上記ディレイ回路75を介して入力され
るようになっている。
【0111】上記P−MOSトランジスタP5V1はドレ
インに5V電源端子が接続され、ソースは上記ダイオー
ド74を介してN−MOSトランジスタN1のゲートに
接続されている。また、P−MOSトランジスタP5V1
のゲートには上記ロジック回路29からのスイッチ制御
信号がそのまま入力されるようになっている。
【0112】上記B出力回路72は、図8に示すものと
比較すると、出力端子OUTBと接地電圧VSSの間に
1つのN−MOSトランジスタN2を接続した点、この
N−MOSトランジスタN2を高電圧VCCで駆動させ
るためのP−MOSトランジスタPN2、N−MOSトラ
ンジスタNN2、ダイオード77からなるプリバッファ7
6、上記ダイオード77を介して駆動電圧よりも低い所
定電圧(ここでは5V)で上記N−MOSトランジスタ
N2を駆動させるためのP−MOSトランジスタP5V2、
上記プリバッファ76の出力を遅延させるディレイ回路
78を設けた点で異なり、その具体的構成はA出力回路
71と同様である。
【0113】次に、図3に示すカイザー型インクジェッ
トヘッドのインク室51を駆動する図12の駆動回路に
おける動作を図13に基づいて説明する。インク室51
を図3の(a)に示す初期状態から同図(b)に示す逆
充電状態へ変化させる場合、図8の駆動回路においては
N−MOSトランジスタN11,N12の時間をずらしてO
Nしたが、ここではA出力回路71においてN−MOS
トランジスタN1を5Vで駆動してから時間をずらして
高電圧VCCで駆動する点で異なる。
【0114】すなわち、初期状態から逆充電状態へ移行
する場合、先ずロジック回路29からP−MOSトラン
ジスタP5V1をONさせる信号が出力され、P−MOS
トランジスタP5V1がONし、N−MOSトランジスタ
N1を5Vで駆動する。このとき、N−MOSトランジ
スタN1のゲートは十分にバイアスされないため、ハイ
インピーダンスでONする。
【0115】また、上記ロジック回路29からのスイッ
チ制御信号は、ディレイ回路75により遅延され、レベ
ルシフタ28で電圧変換されてプリバッファ73のP−
MOSトランジスタPN1、N−MOSトランジスタNN1
のゲートに入力する。これにより、高電圧VCCで駆動
されるP−MOSトランジスタPN1、N−MOSトラン
ジスタNN1がONしてN−MOSトランジスタN1を駆
動する。このとき、N−MOSトランジスタN1のゲー
トには高電圧VCCがかかるので、N−MOSトランジ
スタN1はローインピーダンスでONし圧電部材21を
駆動する。
【0116】また、N−MOSトランジスタN1をOF
Fするときは、P−MOSトランジスタP5V1をOFF
する信号がロジック回路29から出力されてN−MOS
トランジスタN1のゲートに入力された後、ロジック回
路29からのスイッチ制御信号はディレイ回路75から
遅延して出力され、レベルシフタ28を介してN−MO
SトランジスタN1のゲートに入力され、N−MOSト
ランジスタN1をOFFする。なお、B出力回路72に
おいてN−MOSトランジスタN2をON、OFFする
場合も同様に動作する。
【0117】このように、MOSトランジスタのゲート
を駆動電圧VAAよりも低い電圧(ここでは5V)で駆
動した後に高電圧VCCで駆動することにより、N−M
OSトランジスタN1,N2の出力は、まずハイインピー
ダンスでONした後に低インピーダンスでONするイン
ピーダンス制御を行うことができるので、前述した第2
の実施の形態と同様の効果が得られる。
【0118】なお、本実施の形態では、1つのN−MO
SトランジスタN1又はN2のゲート電圧を変えて駆動す
るものについて説明したが、必ずしもこれに限定される
ものではなく、N−MOSトランジスタN1又はN2の代
りに、第2の実施の形態のようなハイインピーダンスの
N−MOSトランジスタとローインピーダンスのN−M
OSトランジスタとを並列に接続して設け、ハイインピ
ーダンスのN−MOSトランジスタを高電圧VCCより
も低い電圧(例えば5V)で駆動してローインピーダン
スのN−MOSトランジスタを高電圧VCCで駆動する
ように構成してもよい。
【0119】また、本実施の形態では、N−MOSトラ
ンジスタN1又はN2について異なる電源で時間をずらし
て駆動させるものについて述べたが、P−MOSトラン
ジスタP11,P12又はP21,P22のゲートを高電圧VC
Cよりも低い電圧で駆動できるように別電源とゲート駆
動回路を組めば、P−MOSトランジスタに関しても実
現可能である。
【0120】また、単純にゲートの波形を鈍らせて最初
のスイッチングをソフトにする方法も考えられるが、最
初を遅くした分最後までCRカーブとなって鈍った波形
でMOSトランジスタを駆動するため、充放電動作に影
響が出てしまい、インク吐出動作に悪影響を及ぼしてし
まう。このような場合と比べると、本実施の形態では、
最後までCRカーブとなって鈍った波形となることもな
いので、インク吐出動作に影響を及ぼすこともない点で
有利である。
【0121】次に、本発明に係る容量性素子駆動装置
を、圧電部材を使用したカイザー型インクジェットヘッ
ド駆動装置に適用した第4の実施の形態について図14
ないし図17を参照して説明する。なお、本実施の形態
において前述した第2の実施の形態と同一部分は同一符
号を付してその詳細な説明を省略する。
【0122】図14は、本実施の形態に係る装置の構成
を示す部分回路図で、図3に示すようなカイザー型イン
クジェットヘッドの1つのインク室を駆動するものであ
る。本実施の形態に係る駆動回路は、図7におけるディ
レイ回路63,64に代えて一方の出力回路のインピー
ダンス比を他方の出力回路に合わせるように制御するた
めのインピーダンス制御手段として信号変化検出回路8
3を設け、この信号変化検出回路83によって各出力回
路81,82のインピーダンス制御を行う点が異なる。
【0123】図15は、図14に示す回路ブロック図の
具体的な回路構成を示す図である。この駆動回路のA出
力回路81は、図8に示すものと比較すると、P−MO
SトランジスタP11(ローインピーダンス),P12(ハ
イインピーダンス)を駆動させるためのプリバッファ8
4についてはバッファPP11,PP12をそれぞれP−MO
SトランジスタP11,P12のゲートに並列に接続して構
成した点、N−MOSトランジスタN11,N12を駆動さ
せるためのプリバッファ85についてはバッファPN1
1,PN12をそれぞれN−MOSトランジスタN11,N12
のゲートに並列に接続して構成した点、上記プリバッフ
ァ84,85の各バッファPP11,PP12、PN11,PN12
に別々にロジック回路29からのスイッチ制御信号を信
号変化検出回路83を介して入力するレベルシフタ(L
/S)86〜89を設けた点が異なる。
【0124】また、上記B出力回路82は、図8に示す
ものと比較すると、P−MOSトランジスタP21,P22
を駆動させるためのプリバッファ94についてはバッフ
ァPP21,PP22をそれぞれP−MOSトランジスタP2
1,P22のゲートに並列に接続して構成した点、N−M
OSトランジスタN21,N22を駆動させるためのプリバ
ッファ95についてはバッファPN21,PN22をそれぞれ
N−MOSトランジスタN21,N22のゲートに並列に接
続して構成した点、上記プリバッファ94,95の各バ
ッファPP21,PP22、PN21,PN22に別々にロジック回
路29からのスイッチ制御信号を信号変化検出回路83
を介して入力するレベルシフタ(L/S)96〜99を
設けた点が異なる。
【0125】上記信号変化検出回路83は、ディレイ回
路(D)101,102、111,112、ORゲート
103、113、インバータ104、114、ANDゲ
ート105、115から構成される。
【0126】具体的には、上記信号変化検出回路83
は、上記P−MOSトランジスタP11,P12、P21,P
22を駆動するためのロジック回路29からのスイッチ制
御信号をレベルシフタ87、97に入力するとともに、
ディレイ回路101、111、ORゲート103、11
3を介してレベルシフタ86、96に入力する。
【0127】また、上記N−MOSトランジスタN11,
N12、N21,N22を駆動するためのロジック回路29か
らのスイッチ制御信号をレベルシフタ89、99に入力
するとともに、ディレイ回路102、112を介してレ
ベルシフタ88、98に入力する。
【0128】さらに、上記ORゲート103の入力端子
にはANDゲート115の出力端子も接続されている。
このANDゲート115の入力端子にはディレイ回路1
11からの出力が入力されるとともにディレイ回路11
2からの出力がインバータ114を介して入力される。
【0129】また、上記ORゲート113の入力端子に
はANDゲート105の出力端子も接続されている。こ
のANDゲート105の入力端子にはディレイ回路10
1からの出力が入力されるとともにディレイ回路102
からの出力がインバータ104を介して入力される。
【0130】次に、図3に示すカイザー型インクジェッ
トヘッドのインク室51を駆動する場合の上記駆動回路
の動作を図16に基づいて説明する。初期状態では、各
出力回路81,82の出力OUTA,OUTBは各P−
MOSトランジスタP11,P12、P21,P22がONした
状態になっているので駆動電圧に固定されていて両者間
に電位差は生じていない。
【0131】この状態でインク室51を駆動する場合に
は、先ずA出力回路81のP−MOSトランジスタP1
1,P12をOFFするための信号PAが1本ロジック回
路29から出力されレベルシフタ87で電圧変換され
て、プリバッファ84のバッファPP12に入力される。
これにより、ハイインピーダンスで駆動するP−MOS
トランジスタP12がOFFする。
【0132】そして、上記ロジック回路29からの信号
PAはディレイ回路101でディレイされて信号PAD
となる。一方、B出力回路82のディレイ回路112か
らの出力NBDがインバータ114で反転された信号と
ディレイ回路111からの信号PBDとがANDゲート
115で論理積される。(この場合、B出力回路82に
変化はないのでこの信号も変化しない) そして、このANDゲート115からの出力と上記ディ
レイ回路101からの出力PADとがORゲート103
に入力され、その論理和出力がレベルシフタ86で電圧
変換されてプリバッファ84のバッファPP11に入力さ
れる。これにより、ローインピーダンスで駆動するP−
MOSトランジスタP11がOFFする。
【0133】また、このときディレイ回路102からの
出力NADがインバータ104で反転された信号とディ
レイ回路101からの出力PADとがANDゲート10
5で論理積され、この論理積された信号とB出力回路8
2のディレイ回路111からの出力信号PBDとがOR
ゲート113に入力され、その論理和出力がレベルシフ
タ96で電圧変換されてプリバッファ94のバッファP
P21に入力される。これにより、B出力回路82のP−
MOSトランジスタP21(ローインピーダンス)がOF
Fする(PAD信号の立ち上がり)。
【0134】次に、出力回路の貫通電流を防止する時間
(tn1)おいて、次にA出力回路81のN−MOSトラ
ンジスタN11,N12をONさせるための信号NAがロジ
ック回路29から出力されレベルシフタ89で電圧変換
されて、プリバッファ85のバッファPN12に入力され
る。これにより、ハイインピーダンスで駆動するN−M
OSトランジスタN12がONする。
【0135】このとき、B出力回路82においてはハイ
インピーダンスで駆動するP−MOSトランジスタP22
のみがONになっているので、ハイインピーダンスで容
量負荷である圧電部材21以外の微少な容量(素子の接
合容量、保護ダイオードの容量分、浮遊容量など)を充
電する。このときのB出力回路82の出力OUTBはN
−MOSトランジスタN22とP−MOSトランジスタP
22の駆動電圧の分圧比分落ち込もうとする。
【0136】そして、上記ロジック回路29からの信号
NAは微少な容量の充電した後、ディレイ回路102で
ディレイされて出力NADとなり、この出力NADがレ
ベルシフタ88で電圧変換されてプリバッファ85のバ
ッファPN11に入力される。これにより、ローインピー
ダンスで駆動するN−MOSトランジスタN11がONす
る。
【0137】また、このとき、NAD信号の立ち上がり
変化によってB出力回路82のP−MOSトランジスタ
P21がONして、各出力をローインピーダンスにして負
荷である圧電部材21を逆充電する。
【0138】次に、ある時間その状態を保ち、次にA出
力回路81のN−MOSトランジスタN12をOFFさせ
る信号NAがロジック回路29から出力され、これによ
りハイインピーダンスで駆動するN−MOSトランジス
タN12がOFFする。
【0139】上記ロジック回路29からの信号NAは、
ディレイ回路102によってディレイされた信号NAD
によってA出力回路81のローインピーダンスで駆動す
るN−MOSトランジスタN11がOFFする。
【0140】また、このディレイ回路102からの信号
NADの立ち下がり変化によってB出力回路82のロー
インピーダンスで駆動するP−MOSトランジスタP21
がOFFされ、再びB出力回路82をハイインピーダン
スで駆動するP−MOSトランジスタP22のみをONす
る状態にする。
【0141】このとき、B出力回路82のローインピー
ダンスで駆動するP−MOSトランジスタP21をOFF
しても逆充電動作は完了しているので負荷に影響を与え
ることはない。
【0142】そして、出力回路の貫通電流を防止する時
間(tn2)をおいて、ロジック回路29からの信号PA
によりA出力回路81のP−MOSトランジスタP12が
ONされることによって、各出力回路81,82は共に
P−MOSトランジスタP12,P22がONとなり、ハイ
インピーダンスで微少な容量の放電をする。このとき、
各出力回路81,82からの出力OUTA,OUTBは
同じハイインピーダンスのMOSトランジスタP12,P
22がONするので駆動電圧の半分の電圧分跳ね上がろう
とする。
【0143】その後、上記ロジック回路29からの信号
PAのディレイ回路101によるディレイ出力PADの
立ち下がり変化によって各出力回路81,82のP−M
OSトランジスタP11,P21がONされるので、ローイ
ンピーダンスで負荷である圧電部材21を放電する。
【0144】そして、ある程度負荷である圧電部材21
を放電した後、続いてロジック回路39からの信号PB
によりB出力回路82のP−MOSトランジスタP22が
OFFされ,この信号PBのディレイ回路111による
ディレイ出力PBDの立ち上がり変化によって各出力回
路81,82のP−MOSトランジスタP11,P21がO
FFされる。
【0145】その後、出力回路の貫通電流を防止する時
間(tn3)をおいて、ロジック回路39からの信号NB
によりB出力回路82のN−MOSトランジスタN22が
ONする。このとき、A出力回路81もハイインピーダ
ンスで駆動するP−MOSトランジスタP12のみがON
しているので、ハイインピーダンスで容量負荷である圧
電部材21以外の微少な容量(素子の接合容量、保護ダ
イオードの容量分、浮遊容量など)を充電する。そし
て、A出力回路81の出力OUTAはN−MOSトラン
ジスタN12とP−MOSトランジスタP12の駆動電圧の
分圧比分落ち込もうとする。
【0146】この充電動作後、上記ロジック回路39か
らの信号NBのディレイ回路112によるディレイ出力
NBDの立ち上がり変化によって、A出力回路81のN
−MOSトランジスタN11とB出力回路82のP−MO
SトランジスタP21をONして各出力をローインピーダ
ンスにして負荷である圧電部材21を充電する。
【0147】この一連の動作で圧電部材21の両極21
1,212には駆動電圧VAAの2倍の変位が加わり、イ
ンク室51は広がった状態から高速に縮まるのでインク
の吐出が開始する。
【0148】このような負荷の充電完了後、所定時間こ
の状態を保持した後、ロジック回路39からの出力NB
により、B出力回路82のN−MOSトランジスタN22
がOFFされ、上記ロジック回路39からの出力NBの
ディレイ回路112によるディレイ出力NBDの立ち下
がり変化によりB出力回路82のN−MOSトランジス
タN21とA出力回路81のP−MOSトランジスタP11
がOFFされる。
【0149】その後、出力回路の貫通電流を防止する時
間(tn4)をおいて、ロジック回路39からの信号PB
によりB出力回路82のハイインピーダンスで駆動され
るP−MOSトランジスタP22がONされ、各出力回路
81,82は共にP−MOSトランジスタP12,P22が
ONとなり、ハイインピーダンスで微少な容量の放電を
する。このとき、各出力回路81,82の出力OUT
A,OUTBは同じハイインピーダンスのMOSトラン
ジスタP12,P22がONするので駆動電圧VAAの半分
の電圧分跳ね上がろうとする。
【0150】その後、ロジック回路39からの信号PB
のディレイ回路111によるディレイ出力PBDの立ち
下がりで、各出力回路81,82のP−MOSトランジ
スタP11,P21がONされ、ローインピーダンスで負荷
である圧電部材21を放電して初期状態に戻る。
【0151】このように、いずれかの出力回路81,8
2の出力OUTA,OUTBが変化を開始するときに各
出力回路81,82の出力OUTA,OUTBをハイイ
ンピーダンスにするようなインピーダンス制御を行うこ
とにより、微少容量の充放電動作がよりソフトになり電
圧電流の変化が鈍化する。例えば、図17に示すよう
に、電圧変化が緩やかとなるときの電圧V″は変化する
側のA出力回路81のハイインピーダンスとその出力に
影響を受けるB出力回路82のハイインピーダンスとの
駆動電圧の分圧比分となる。
【0152】なお、A出力回路81のハイインピーダン
スで駆動されるP−MOSトランジスタP12とB出力回
路82のハイインピーダンスで駆動されるN−MOSト
ランジスタN22とのインピーダンス比を、MOSトラン
ジスタN22+ローインピーダンスで駆動されるMOSト
ランジスタN21とハイインピーダンスで駆動されるMO
SトランジスタN12+ローインピーダンスで駆動される
MOSトランジスタN11のインピーダンス比と同じに設
定するとともに、B出力回路82のハイインピーダンス
で駆動されるP−MOSトランジスタP22とA出力回路
81のハイインピーダンスで駆動されるN−MOSトラ
ンジスタN12のインピーダンス比を、ハイインピーダン
スで駆動されるMOSトランジスタN12及びローインピ
ーダンスで駆動されるMOSトランジスタN11と、ハイ
インピーダンスで駆動されるMOSトランジスタN22及
びローインピーダンスで駆動されるMOSトランジスタ
N21のインピーダンス比と同じに設定する。
【0153】また、各出力回路81,82のP−MOS
トランジスタのインピーダンスが、P12:P22=(P11
+P12):(P21+P22)となるように設定する。これ
により、低インピーダンスに切り替ったときの、出力O
UTA,OUTBの変動を抑えることができる。
【0154】次に、本発明に係る容量性素子駆動装置
を、圧電部材を使用したカイザー型インクジェットヘッ
ド駆動装置に適用した第5の実施の形態について図18
及び図19を参照して説明する。なお、本実施の形態に
おいて前述した第2の実施の形態と同一部分は同一符号
を付してその詳細な説明を省略する。
【0155】図18は駆動回路の具体的回路構成を示す
もので、この駆動回路は図15に示す駆動回路に対して
信号変化検出回路の構成を変えたものである。すなわ
ち、この信号変化検出回路131は、4個のD型フリッ
プフロップ132,133,134,135、2個のイ
ネーブル端子付きD型フリップフロップ136,13
7、4個の2入力ANDゲート138,139,14
0,141、2個の2入力ORゲート142,143、
4個のインバータ144,145,146,147から
なり、ロジック回路29からの信号PAをD型フリップ
フロップ132のD(データ)端子に入力するとともに
ANDゲート138の一方の入力端子に入力し、前記ロ
ジック回路29からの信号NAをD型フリップフロップ
133のD(データ)端子に入力するとともにインバー
タ144を介して前記ANDゲート138の他方の入力
端子に入力している。
【0156】また、ロジック回路39からの信号PBを
D型フリップフロップ134のD(データ)端子に入力
するとともにANDゲート140の一方の入力端子に入
力し、前記ロジック回路39からの信号NBをD型フリ
ップフロップ135のD(データ)端子に入力するとと
もにインバータ146を介して前記ANDゲート140
の他方の入力端子に入力している。
【0157】前記D型フリップフロップ132のQ出力
をA出力回路81のレベルシフタ86に入力するととも
にORゲート142の一方の入力端子に入力している。
前記D型フリップフロップ133のQ出力をA出力回路
81のレベルシフタ88に入力するとともにANDゲー
ト139の一方の入力端子に入力している。
【0158】前記D型フリップフロップ134のQ出力
をB出力回路82のレベルシフタ96に入力するととも
にORゲート143の一方の入力端子に入力している。
前記D型フリップフロップ135のQ出力をB出力回路
82のレベルシフタ98に入力するとともにANDゲー
ト141の一方の入力端子に入力している。
【0159】前記ANDゲート138の出力を前記イネ
ーブル端子付きD型フリップフロップ136のイネーブ
ル端子に入力するとともに前記イネーブル端子付きD型
フリップフロップ137のD端子に入力している。前記
ANDゲート140の出力を前記D型フリップフロップ
137のイネーブル端子に入力するとともに前記D型フ
リップフロップ136のD端子に入力している。
【0160】なお、前記各D型フリップフロップ132
〜135及び136,137には外部からクロックCL
Kが入力している。前記イネーブル端子付きD型フリッ
プフロップ136のQ出力を前記ORゲート142の他
方の入力端子に入力するとともにインバータ145を介
して前記ANDゲート139の他方の入力端子に入力し
ている。前記イネーブル端子付きD型フリップフロップ
137のQ出力を前記ORゲート143の他方の入力端
子に入力するとともにインバータ147を介して前記A
NDゲート141の他方の入力端子に入力している。
【0161】そして、前記ORゲート142の出力をA
出力回路81のレベルシフタ87に入力し、前記AND
ゲート139の出力をA出力回路81のレベルシフタ8
9に入力し、前記ORゲート143の出力をB出力回路
82のレベルシフタ97に入力し、前記ANDゲート1
41の出力をB出力回路82のレベルシフタ99に入力
している。
【0162】このような構成の駆動回路の動作を図19
に基づいて説明する。先ず、A出力回路81の出力OU
TAをローレベルにするためにロジック回路29からの
信号PAが立ち上がってA出力回路81のP−MOSト
ランジスタP11,P12をOFFする。そして、P−MO
SトランジスタP11,P12、N−MOSトランジスタN
11,N12が同時にONしたときの貫通電流を防止するた
めに1CLKだけ遅延したtk時間後にN−MOSトラ
ンジスタN11,N12をONにするための信号NAが立ち
上がり、A出力回路81の出力OUTAがローレベルに
なる。
【0163】この状態をある時間保持した後、今度は出
力OUTAをハイレベルにするために、先ず信号NAが
立ち下がりA出力回路81のN−MOSトランジスタN
11,N12をOFFにする。そして、貫通電流防止時間t
k経過後に信号PAが立ち下がりP−MOSトランジス
タP11,P12をONにする。
【0164】次に、B出力回路82の出力OUTBをロ
ーレベルにするためにロジック回路39からの信号PB
が立ち上がってB出力回路82のP−MOSトランジス
タP21,P22をOFFする。そして、P−MOSトラン
ジスタP21,P22、N−MOSトランジスタN21,N22
が同時にONしたときの貫通電流を防止するために1C
LKだけ遅延したtk時間後にN−MOSトランジスタ
N21,N22をONにするための信号NBが立ち上がり、
B出力回路82の出力OUTBがローレベルになる。
【0165】この出力OUTAの立ち上がり動作、出力
OUTBの立ち下がり動作を高速に行うことによりイン
クの吐出が開始する。そして、出力OUTBがローレベ
ルの状態をある時間保持した後、今度は出力OUTBを
ハイレベルにするために、先ず信号NBが立ち下がりB
出力回路82のN−MOSトランジスタN21,N22をO
FFにする。そして、貫通電流防止時間tk経過後に信
号PBが立ち下がりP−MOSトランジスタP21,P22
をONにする。こうして出力OUTBがハイレベルとな
り初期状態に戻る。このようにしてインクの吐出動作が
行われる。
【0166】また、インクの吐出動作を行わない場合
は、インク吐出対象となるインク室の電極に印加するA
出力回路81の出力波形をこのインク室の両側のインク
室の電極に印加するB出力回路82の出力波形と同じ波
形にする。これにより容量性負荷の両端には電位差が生
じないためインクの吐出動作は行われない。
【0167】次に、隣接出力の検知、すなわち、A出力
回路81の出力に対するB出力回路82の出力、及びB
出力回路82の出力に対するA出力回路82の出力の出
力変化検知について述べる。
【0168】先ず、A出力、B出力の各出力がハイイン
ピーダンスになるtk期間、ハイレベルとなる信号T1
を作る。これはtk期間の後は必ず出力変化があるの
で、出力変化開始を検知する信号になる。A出力回路8
1側のこの信号をT1(A)とし、B出力回路82側のこの
信号をT1(B)とする。
【0169】そして、A出力回路81側においては信号
T1(A)を前記イネーブル端子付きD型フリップフロップ
136のイネーブル端子に入力し、信号T1(B)をこのD
型フリップフロップ136のD端子に入力する。
【0170】このようにすることにより、信号T1(A)が
ハイレベルのときに信号T1(B)がハイレベルであれば、
A出力回路81の出力及びB出力回路82の出力が同時
に同一方向に変化するとみなし、ローインピーダンスの
MOSトランジスタP12、N12がONしないように制御
する。
【0171】同様に、B出力回路82側においては信号
T1(B)を前記イネーブル端子付きD型フリップフロップ
137のイネーブル端子に入力し、信号T1(A)をこのD
型フリップフロップ137のD端子に入力する。
【0172】このようにすることにより、信号T1(B)が
ハイレベルのときに信号T1(A)がハイレベルであれば、
B出力回路82の出力及びA出力回路81の出力が同時
に同一方向に変化するとみなし、ローインピーダンスの
MOSトランジスタP22、N22がONしないように制御
する。
【0173】また、信号T1(A)がハイレベルのときに信
号T1(B)がローレベルであれば、また、逆に信号T1(B)
がハイレベルのときに信号T1(A)がローレベルであれ
ば、充電あるいは放電動作とみなしてローインピーダン
スのMOSトランジスタP22、N22がONするように制
御する。
【0174】また、各インク室を圧電部材の隔壁によっ
て仕切ったシェアモードタイプのインクジェットヘッド
の場合は、A出力回路81の出力をインク吐出を行う当
該インク室に形成した電極に印加し、B出力回路82の
出力を当該インク室の両隣のインク室に形成した電極に
印加し、A出力回路81の出力とB出力回路82の出力
との電位差で両側の隔壁を駆動することになるが、この
場合はA出力回路81の出力及びB出力回路82の出力
のすべてが同じ方向に変化する場合にハイインピーダン
スで制御するようにする。
【0175】具体的には両隣の出力がハイインピーダン
スのときだけハイレベルになる信号の論理積を取った信
号を当該出力のイネーブル端子付きフリップフロップの
D端子に入力し、そのフリップフロップの出力がハイレ
ベルであれば、すなわち、ハイインピーダンスのときだ
けハイレベルになる信号が当該、両隣の3出力とも同時
にハイレベルになるとき、ハイインピーダンスのMOS
トランジスタのみでスイッチング動作するようにする。
【0176】以上のように制御することにより、負荷を
充放電するときはローインピーダンスのMOSトランジ
スタで高速に駆動し、同時に同一方向に変化する場合は
ハイインピーダンスで緩やかに出力を変化させ出力変化
時のノイズを低減する。
【0177】次に、本発明に係る容量性素子駆動装置
を、圧電部材を使用したシェアモードのインクジェット
ヘッド駆動装置に適用した第6の実施の形態を図20な
いし図26を参照して説明する。なお、本実施の形態に
おいて前述した第2の実施の形態と同一部分は同一符号
を付してその詳細な説明を省略する。
【0178】図20は、本実施の形態に係る装置の構成
を示す部分回路図、図21は、シェアモードのインクジ
ェットヘッドの構成を示した部分断面図で、この図20
及び図21において、1211、1212、1213、1
214、1215、1216、…は複数のインク室を仕切
っている壁を構成する圧電部材である。
【0179】この各圧電部材1211、1212、121
3、1214、1215…の面に例えば無電解ニッケルメ
ッキにより電極を形成している。すなわち、圧電部材1
211の一方の面に電極1221を形成し、同一インク室
1232の内壁面である圧電部材1211の他方の面と圧
電部材1212の一方の面に電極1222を形成し、同一
インク室1233の内壁面である圧電部材1212の他方
の面と圧電部材1213の一方の面に電極1223を形成
し、同一インク室1234の内壁面である圧電部材12
13の他方の面と圧電部材1214の一方の面に電極12
24を形成し、同一インク室1235の内壁面である圧電
部材1214の他方の面と圧電部材1215の一方の面に
電極1225を形成し、同一インク室1236の内壁面で
ある圧電部材1215の他方の面と圧電部材1216の一
方の面に電極1226を形成している。図示はしないが
他の圧電部材に対しても同様にして電極を形成してい
る。
【0180】複数のインク室を2つおきにまとめて3つ
のグループに分割している。すなわち、電極1222、
1225、…を形成したインク室1232、1235、…
をB群グループとし、電極1223、1226、…を形成
したインク室1233、1236、…をC群グループと
し、電極1224…を形成したインク室1234、123
7…をA群グループとしている。また、各インク室12
31、1232、1233、1234、1235…にはそれ
ぞれインクのインク吐出口1241、1242、124
3、1244、1245…が設けられている。
【0181】そして、各電極1211、1212、121
3、1214、1215…は、内部抵抗を介して端子D1、
D2、D3、D4、D5、D6…(以下、D1〜DNとする)
に接続している。この端子D1〜DN駆動電圧VAAとの
間にはスイッチ素子であるバイポーラトランジスタとし
てのPNP形トランジスタP1〜PNと図示極性のダイオ
ードとの並列回路を接続し、各端子D1〜DNと接地電圧
VSSの間にはスイッチ素子であるバイポーラトランジ
スタとしてのNPN形トランジスタN1〜NNと図示極性
のダイオードとの並列回路を接続して構成される。
【0182】図22は、端子D1〜DNのうちの1つの端
子DKの出力を制御する制御回路125を示すもので、
このような制御回路が各端子D1〜DN毎にそれぞれ接続
している。この制御回路125は、PNP形トランジス
タPKを小さいベース電流でON、FFさせるための信
号CTN1A、PNP形トランジスタPKを大きいベー
ス電流でON、OFFする信号CTN2A、NPN形ト
ランジスタNKを小さいベース電流でON、OFFする
信号CTN1B、NPN形トランジスタNKを大きいベ
ース電流でON、OFFする信号CTN2Bを出力する
ロジック回路126、このロジック回路126からの上
記信号に基づいて各バイポーラトランジスタPK,NKを
駆動制御するインピーダンス制御手段としてベース電流
制御回路127を備える。
【0183】次に、上記駆動回路の動作を図23ないし
図25を参照しながら説明する。図23の(a)に示す
初期状態では、図20に示すように各端子D1〜DNのト
ランジスタP1〜PNがオンしており、各端子D1〜DN
は、駆動電圧VAAの同電位に保たれた状態になってい
る。
【0184】例えば、C群グループであるインク室12
33のインク吐出口1243からインクの吐出を行う場合
は、端子D3に対応してロジック回路126からベース
電流制御回路127に供給される信号CNT1A,CN
T2A,CNT1B,CNT2B及びベース電流制御回
路127からトランジスタP3,N3のベースに供給され
るベース電流のタイミングは図25の(a)に示すよう
になり、また、端子D2、D4に対応してロジック回路1
26からベース電流制御回路127に供給される信号C
NT1A,CNT2A,CNT1B,CNT2B及びベ
ース電流制御回路127からトランジスタP2,P4並び
にN2,N4のベースに供給されるベース電流のタイミン
グは図25の(b)に示すようになる。
【0185】従って、C群グループであるインク室12
33、1236、…のインク吐出口1243、1246、
…からインクの吐出を行う場合は、インク室1233、
1236、…の端子D3、D6、…に接続されているトラ
ンジスタP3、P6、…をオフした後に、貫通電流を防止
する時間をおいてトランジスタN3、N6、…をオンす
る。これにより、図23の(b)に示す逆充電動作が行
われる。このとき、圧電部材の隔壁は、図24の(a)
に示すようにインク室1233、1236、…を広げる
方向に歪む。
【0186】そして、所定時間この状態を保持し、次に
トランジスタN3、N6、…をオフした後に、貫通電流を
防止する時間をおいてトランジスタP3、P6、…をオン
し、端子D3、D6、…と両隣の端子D2,D4、D5,D
7、…との電位差を小さくする。これにより、図23の
(c)に示す放電動作が行われる。このとき、圧電部材
の隔壁に係る電位差が小さくなるので、図24(b)に
示すように圧電部材の隔壁は初期状態に戻ろうとする。
また、トランジスタP3、P6、…をオンしたとき、両隣
の端子D2,D4、D5,D7、…を駆動するトランジスタ
P2,P4、P5,P7、…のダイオードに電流が流れる。
【0187】この放電動作に続いて両隣の端子D2,D
4、D5,D7…に接続されているトランジスタP2,P
4、P5,P7…をオフした後に、貫通電流を防止する時
間をおいてトランジスタN2,N4、N5,N7…をオンす
る。これにより、図23の(d)に示す充電動作が行わ
れる。このとき、圧電部材の隔壁は図24の(c)に示
すようにインク室1233、1236…を縮める方向に歪
む。
【0188】このような逆充電、放電、充電の動作を高
速に行うことにより、圧電部材の隔壁には図25の
(c)に示すように駆動電圧VAAの2倍に相当する電
圧の急激な変位が生じ、この変位によってインク室12
33、1236、…からのインクの吐出が開始する。
【0189】次に、インクの吐出が開始した後所定時間
この状態を保持し、両隣の端子D2,D4、D5,D7、…
に接続されているトランジスタN2,N4、N5,N7…を
オフした後に貫通電流を防止する時間をおいてトランジ
スタP2,P4、P5,P7…をオンする。これにより、図
23の(e)に示す逆放電動作が行われる。この動作
で、圧電部材の隔壁は、図24の(d)に示す初期状態
に戻り、インク室1233、1236、…のインクがイン
ク吐出口1243、1246、…のオリフィス面から切り
離され飛翔していく。そして、トランジスタP2,P4、
P5,P7…をオンしたとき、両隣の端子D3,D6…を駆
動するトランジスタP3,P6…のダイオードに電流が流
れる。
【0190】なお、この実施の形態では3分割駆動なの
で、C群グループのインク室1233、1236、…を駆
動して印字した後、A群グループのインク室1234、
1237…を駆動して印字し、最後にB群グループのイ
ンク室1232、1235、…を印字して1ラインの印字
が終了する。
【0191】ところで、本実施の形態では各トランジス
タをONするときにロジック回路126からの信号をベ
ース電流制御回路127を介して制御することにより、
変化を開始する時は小さいベース電流でトランジスタを
ハイインピーダンスで駆動し、負荷である圧電部材を充
放電する時はベース電流を大きくしてローインピーダン
スで駆動する。
【0192】具体的には図25に示すように、トランジ
スタPK又はNKをONして出力を変化させる時は、先ず
ロジック回路126から小さいベース電流をトランジス
タPK,Nkのベースに供給するための制御信号CNT1
A,CNT1Bをベース電流制御回路127に出力して
トランジスタPK,NKをハイインピーダンスでONさせ
る。そして、所定時間経過した後ロジック回路126か
ら大きいベース電流をトランジスタPK,NKのベースに
供給するための制御信号CNT2A,CNT2Bをベー
ス電流制御回路127に出力してトランジスタPK,NK
をローインピーダンスでONして圧電部材121の充放
電動作を行う。
【0193】このように、各トランジスタPK,NKをO
Nするときに、まずハイインピーダンスでONし、その
後ローインピーダンスで負荷である電圧部材121を駆
動するようなインピーダンス制御を行うことにより、各
出力D1〜DNを変化させる際に、負荷以外の微少容量を
充放電動作するときの電流のピーク及び傾きを抑えるこ
とができ、駆動回路やヘッドの配線抵抗分の発熱を抑え
られるとともに、駆動回路を駆動する場合に駆動電圧側
のトランジスタP1〜PNのコレクタ−エミッタ間のダイ
オードに流れる電流のピーク及び傾きを図25の(c)
にVFで示すように抑えることができる。これは、その
ダイオードをベースとする寄生トランジスタが動作する
ことを抑える方向に働く。
【0194】また、吐出動作を行わない場合、図26に
示すように駆動しようとするインク室1233にもこれ
に隣接するインク室1232,1234と同じ波形が入力
されるので、圧電部材121とは関係なく微少なトラン
ジスタの接合容量や浮遊容量の充放電動作となる。これ
により、出力のソフトなスイッチング動作が得られ、ノ
イズの少ない駆動装置が提供できる点で従来に比して効
果が大きい。
【0195】もし、このような動作を従来のようにロー
インピーダンスのトランジスタで行うと出力が高速にス
イッチングすることになり、放射雑音に対して悪影響を
及ぼし、また、スイッチング時の傾斜の厳しい電流と配
線のインダクタ分によるノイズも大きいものになってし
まう。
【0196】また、図30に示す従来の制御の場合、両
極の出力を同時に逆向きに変化させるようになっている
が、実際にはスイッチング素子やロジック回路のディレ
イ等により、多少スイッチングのタイミングがずれてト
ランジスタのコレクタ−エミッタ間のダイオードに電流
が流れることは避けられない。この点本実施の形態では
ダイオードに流れるピーク電流を抑えることができるた
め、信頼性の高い駆動装置が提供できる。この点でも従
来に比して有利な効果を奏することができる。
【0197】なお、上述した各実施の形態においては容
量性素子として圧電部材を用いたインクジェットヘッド
を使用し、このヘッドを駆動する場合について述べたが
必ずしもこれに限定されるものではなく、容量性素子と
して圧電部材と同様に容量性素子である液晶素子を使用
した装置やELプリントヘッド等を使用し、これらを駆
動する場合にも適用できるものである。
【0198】
【発明の効果】以上詳述したように本発明によれば、高
いインピーダンス(H)で負荷の各電極に印加する電位
を制御することにより、圧電部材などの負荷とは別に回
路中及び素子内に存在する微少な容量分を充放電し、そ
の後低いインピーダンス(L)で負荷の各電極に印加す
る電位を制御することにより、圧電部材などの負荷自体
を充放電することができる。これにより、上記微少な容
量分を充放電するときのピーク電流や負荷の他方の電極
を制御する出力に発生する誘導電圧の立ち上がり、立ち
下がりの傾きなどを抑えることができ、その電圧及び電
流変化による誤動作やノイズの発生を抑えることができ
る。さらに、上記負荷や駆動回路の発熱(消費電力)を
抑えることができ、高信頼で低消費電力の容量性素子駆
動装置を提供できる。
【0199】バイポーラトランジスタを使用した場合で
も、高いインピーダンス(H)で各電極に印加する電位
を制御し、その後低いインピーダンス(L)で各電極に
印加する電位を制御することにより、上記と同様の効果
を得ることができる。しかも、従来のように低インピー
ダンスのトランジスタを使用した場合には負荷の各電極
を制御する出力が高速にスイッチングすることになり、
放射雑音に対して悪影響を及ぼし、また、スイッチング
時の傾斜の厳しい電流と配線のインダクタ分によるノイ
ズも大きいものになってしまうが、本発明のようにバイ
ポーラトランジスタ制御することにより、上記のような
場合にも負荷の各電極を制御する出力のソフトなスイッ
チング動作が得られ、ノイズの少ない駆動装置が提供で
きる。
【0200】また、電極電位制御手段により高いインピ
ーダンス(H)で駆動するときの両方の電極を制御する
インピーダンス比と低いインピーダンス(L)で駆動す
るときの両極の電極を制御するインピーダンス比とが同
じになるように構成することにより、低インピーダンス
に切り替ったときの、負荷の各電極を制御する出力の変
動を抑えることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態におけるカイザー型
インクジェットヘッドの駆動装置の構成を示すブロック
図。
【図2】図1の具体的な回路構成を示す図。
【図3】同実施の形態に係るカイザー型インクジェット
ヘッドの各動作状態を示す図。
【図4】図2に示す回路の動作タイミング及び印加電圧
波形を示す図。
【図5】同実施の形態において同一方向検出回路を除去
した場合の具体的な回路構成を示す図。
【図6】図5に示す回路の動作タイミング及び印加電圧
波形を示す図。
【図7】本発明の第2の実施の形態におけるカイザー型
インクジェットヘッドの駆動装置の構成を示すブロック
図。
【図8】図7の具体的な回路構成を示す図。
【図9】図8に示す回路の動作タイミング及び印加電圧
波形を示す図。
【図10】図9に示すα部分の部分拡大図。
【図11】図7の具体的な回路構成の変形例を示す図。
【図12】本発明の第3の実施の形態におけるカイザー
型インクジェットヘッドの駆動装置の具体的な回路構成
を示す図。
【図13】図12に示す回路の動作タイミング及び印加
電圧波形を示す図。
【図14】本発明の第4の実施の形態におけるカイザー
型インクジェットヘッドの駆動装置の構成を示すブロッ
ク図。
【図15】図14の具体的な回路構成を示す図。
【図16】図15に示す回路の動作タイミング及び印加
電圧波形を示す図。
【図17】図16に示すβ部分の部分拡大図。
【図18】本発明の第5の実施の形態におけるカイザー
型インクジェットヘッドの駆動装置の具体的な回路構成
を示す図。
【図19】図18に示す回路の動作タイミング及び印加
電圧波形を示す図。
【図20】本発明の第6の実施の形態におけるシェアモ
ード型インクジェットヘッドの駆動装置の具体的な回路
構成を示す図。
【図21】同実施の形態におけるインクジェットヘッド
の構成を示す部分断面図。
【図22】図20に示す回路の1つの出力を制御する制
御回路の構成を示す図。
【図23】同実施の形態におけるインクジェットヘッド
を3分割駆動する場合の回路の各動作状態における電流
の流れを示す図。
【図24】同実施の形態におけるインクジェットヘッド
を3分割駆動する場合のヘッドの各動作状態を示す部分
断面図。
【図25】図20の回路を図22の制御回路で駆動制御
する場合の動作タイミング及び印加電圧波形を示す図。
【図26】吐出動作を行わない場合の当該インク室とこ
れに隣接する両側のインク室に印加する電圧波形を示す
図。
【図27】従来のシェアモード型インクジェットヘッド
の構成を示す部分断面図。
【図28】同従来例のヘッド駆動装置の構成を示す図。
【図29】同従来例のヘッド駆動装置における駆動回路
の具体的な回路図。
【図30】同従来例のヘッド駆動装置における動作タイ
ミングを示す図。
【図31】同従来例のシェアモード型インクジェットヘ
ッドにおける圧電部材に印加する端子間電圧波形を示す
図。
【符号の説明】
21…圧電部材(PZT) 22,61,71,81…A出力回路 23,62,72,82…B出力回路 24…同一方向検出回路 63,64…ディレイ回路 83…信号変化検出回路 127…ベース電流制御回路
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 小野 俊一 静岡県三島市南町6番78号 東芝テック株 式会社三島事業所内 Fターム(参考) 2C057 AF54 AF65 AG12 AG14 AL03 AL40 AM03 AM18 AM19 AM21 AM22 AP55 AR04 AR08 BA03 BA14

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 容量性負荷を形成するトランスデューサ
    の静電容量性素子の両極電位を変化させてその静電容量
    性素子を駆動制御する容量性素子駆動装置において、 前記トランスデューサの静電容量性素子の各電極に印加
    する電位を可変制御する電極電位制御手段を設け、 前記電極電位制御手段の制御により各電極電位の変化が
    開始するとき、その電極電位が同時に同一方向に変化し
    ている間は高いハイインピーダンスで前記電極電位制御
    手段より各電極に印加する電位を制御し、前記トランス
    デューサの静電容量性素子の両極間を充電又は放電する
    間は前記ハイインピーダンスよりも低いローインピーダ
    ンスで前記電極電位制御手段より各電極に印加する電位
    を制御するインピーダンス制御を行うことを特徴とする
    容量性素子駆動装置。
  2. 【請求項2】 容量性負荷を形成するトランスデューサ
    の静電容量性素子の両極電位を変化させてその静電容量
    性素子を駆動制御する容量性素子駆動装置において、 複数のスイッチ素子を有し、各スイッチ素子のオンオフ
    のタイミングを制御することにより前記トランスデュー
    サの静電容量性素子の電極に印加する電位を可変可能に
    構成した電極電位制御手段を設け、 前記電極電位制御手段の各スイッチ素子を駆動させるタ
    イミングを異ならせることによって、前記電極電位制御
    手段の制御により各電極電位の変化が開始するときには
    高いハイインピーダンスで前記電極電位制御手段より各
    電極に印加する電位を制御し、前記トランスデューサの
    静電容量性素子の両極間を充電又は放電する間は前記ハ
    イインピーダンスよりも低いローインピーダンスで前記
    電極電位制御手段より各電極に印加する電位を制御する
    インピーダンス制御を行うことを特徴とする容量性素子
    駆動装置。
  3. 【請求項3】 容量性負荷を形成するトランスデューサ
    の静電容量性素子の両極電位を変化させてその静電容量
    性素子を駆動制御する容量性素子駆動装置において、 複数のMOSトランジスタを有し、各MOSトランジス
    タを異なるゲート電圧でオンオフ制御することにより前
    記トランスデューサの静電容量性素子の電極に印加する
    電位を可変可能に構成した電極電位制御手段を設け、 前記電極電位制御手段の制御により各電極電位の変化が
    開始するときには、低いゲート電圧でMOSトランジス
    タを駆動させて高いハイインピーダンスで前記電極電位
    制御手段より各電極に印加する電位を制御し、前記トラ
    ンスデューサの静電容量性素子の両極間を充電又は放電
    する間は高いゲート電圧でMOSトランジスタを駆動さ
    せて前記ハイインピーダンスよりも低いローインピーダ
    ンスで前記電極電位制御手段より各電極に印加する電位
    を制御するインピーダンス制御を行うことを特徴とする
    容量性素子駆動装置。
  4. 【請求項4】 容量性負荷を形成するトランスデューサ
    の静電容量性素子の両極電位を変化させてその静電容量
    性素子を駆動制御する容量性素子駆動装置において、 複数のバイポーラトランジスタを有し、各バイポーラト
    ランジスタを異なるベース電流でオンオフ制御すること
    により前記トランスデューサの静電容量性素子の電極に
    印加する電位を可変可能に構成した電極電位制御手段を
    設け、 前記電極電位制御手段の制御により各電極電位の変化が
    開始するときには、低いベース電流で前記バイポーラト
    ランジスタを駆動させて高いハイインピーダンスで前記
    電極電位制御手段より各電極に印加する電位を制御し、
    前記トランスデューサの静電容量性素子の両極間を充電
    又は放電する間は高いベース電流で前記バイポーラトラ
    ンジスタを駆動させて前記ハイインピーダンスよりも低
    いローインピーダンスで前記電極電位制御手段より各電
    極に印加する電位を制御するインピーダンス制御を行う
    ことを特徴とする容量性素子駆動装置。
  5. 【請求項5】 容量性負荷を形成するトランスデューサ
    の静電容量性素子の両極電位を変化させてその静電容量
    性素子を駆動制御する容量性素子駆動装置において、 前記各電極に対して隣接出力の変化を検知する隣接出力
    信号変化検知手段及び、前記トランスデューサの静電容
    量性素子の各電極に印加する電位を可変制御する電極電
    位制御手段を設け、 前記電極電位制御手段の制御により各電極電位の変化を
    開始する時と、前記隣接出力信号変化検知手段によって
    検知した隣接出力の変化が開始する時に高いハイインピ
    ーダンスにて駆動し、その後前記ハイインピーダンスよ
    りも低いローインピーダンスで前記電極電位制御手段よ
    り各出力の電極に印加する電位を制御するインピーダン
    ス制御を行うことを特徴とする容量性素子駆動装置。
  6. 【請求項6】 前記電極電位制御手段によりハイインピ
    ーダンスで駆動するときの両方の電極を制御するインピ
    ーダンス比とローインピーダンスで駆動するときの両極
    の電極を制御するインピーダンス比とが同じになるよう
    に構成したことを特徴とする請求項5記載の容量性素子
    駆動装置。
  7. 【請求項7】 容量負荷を形成するトランスデューサの
    静電容量性素子の両極電位を変化させてその静電容量性
    素子を駆動制御する容量性素子駆動装置において、 前記トランスデューサの静電容量性素子の各電極に印加
    する電位を可変制御する電極電位制御手段及び隣接出力
    の出力変化を検出する手段を設け、 前記隣接出力の出力変化を検出する手段の検出動作によ
    り当該出力と隣接出力が同時に同方向に変化する場合は
    高いハイインピーダンスで前記電極電位制御手段より各
    電極に印加する電位を制御し、前記トランスデューサの
    静電容量性素子の両極間を充電又は放電する場合は前記
    ハイインピーダンスよりも低いローインピーダンスで前
    記電極電位制御手段より各電極に印加する電位を制御す
    ること特徴とする容量性素子駆動装置。
  8. 【請求項8】 電極電位制御手段は、複数のスイッチ素
    子を有し、この各スイッチ素子をオンオフ制御すること
    によりトランスデューサの静電容量素子の各電極に印加
    する電位を可変とし、隣接出力の出力変化を検出する手
    段は、前記各スイッチ素子をオンオフ制御するための制
    御入力の入力論理値を検出することを特徴とする請求項
    7記載の容量性素子駆動装置。
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