JP2001003719A - 機関弁の電磁駆動装置 - Google Patents

機関弁の電磁駆動装置

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JP2001003719A
JP2001003719A JP11176322A JP17632299A JP2001003719A JP 2001003719 A JP2001003719 A JP 2001003719A JP 11176322 A JP11176322 A JP 11176322A JP 17632299 A JP17632299 A JP 17632299A JP 2001003719 A JP2001003719 A JP 2001003719A
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valve
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cam
armature
opening
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Seinosuke Hara
誠之助 原
Makoto Nakamura
信 中村
Akira Onuki
彰 大貫
Koichiro Ono
浩一郎 小野
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Hitachi Unisia Automotive Ltd
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Unisia Jecs Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 機関弁の開閉時の急激な作動を抑制すると共
に、機関弁のバルブリフトを可変制御して運転状態に応
じて機関性能を発揮させる。 【解決手段】 シリンダヘッド21にバルブリフター2
7を介して摺動自在に保持された吸気弁23を、アーマ
チュア30を介して開閉駆動する開閉弁用電磁石31,
32と、吸気弁を開閉ストローク位置の中立位置に保持
する開弁側、閉弁側のスプリング28、33とを設け
た。また、前記アーマチュアに固定されたガイドロッド
38の下端部に、レバー部材48を傾動自在に支持する
と共に、該レバー部材とバルブリフターとの間に、上下
に第1,第2カム面45,46を有する伝達カム43を
揺動自在に介装し、ステップモータなどによって偏心カ
ム49の回転位置を制御してレバー部材の第2カム面に
対する当接位置を変化させて吸気弁のバルブリフトを可
変制御した。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えば自動車用内
燃機関の機関弁である吸気弁や排気弁を、主として電磁
力で開閉駆動する電磁駆動装置に関する。
【0002】
【従来の技術】この種の従来の電磁駆動装置としては、
例えば特開平8−21220号公報等に記載されている
ものが知られている。
【0003】図11に基づいて概略を説明すれば、機関
のシリンダヘッド1に摺動自在に設けられた吸気弁2
と、吸気弁2を開閉駆動する電磁駆動機構3とを備えて
いる。
【0004】前記吸気弁2は、吸気ポート4の開口端を
開閉する傘部2aと、該傘部2aの上端部に一体に設け
られたバルブステム2bとを有している。
【0005】前記電磁駆動機構3は、シリンダヘッド1
上に固定されたケーシング5内に挿通されたバルブステ
ム2bの上端部に円板状のアーマチュア6が固定されて
いると共に、ケーシング5の内部上下位置に前記アーマ
チュア6を吸引して吸気弁2を開閉作動させる閉弁用電
磁石7及び開弁用電磁石8が配置されている。
【0006】また、ケーシング5の上壁とアーマチュア
6の上面との間には、吸気弁2を開方向へ付勢する開弁
側スプリング9が弾持され、一方、シリンダヘッド1上
面のシート溝底面とアーマチュア6の下面との間には、
吸気弁2を閉方向へ付勢する閉弁側スプリング10が弾
持されている。さらに、前記各電磁石7,8は、夫々の
コイルに増幅器11を介して電子制御ユニット12から
の制御電流が出力されるようになっている。
【0007】この電子制御ユニット12は、機関回転数
センサ13や閉弁用電磁石7の温度検出センサ14から
の検出信号に基づいて両電磁石7,8の通電量を制御す
るようになっている。なお、図中15は電源である。
【0008】そして、前記2つのスプリング9,10の
ばね力と2つの電磁石7,8による吸引力とによって、
各スプリング9,10に蓄力して位置エネルギーとして
保持し、電磁力の開放,吸引を交互に繰り返すことによ
って吸気弁2を開閉駆動させるようになっている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前記従
来の電磁駆動装置にあっては、吸気弁2の開閉時に各電
磁石7,8の電磁吸引力が、該吸引力に対抗する各スプ
リング9,10のばね力よりも増大してしまうため、閉
弁時には傘部2aがバルブシート4aに激しく衝突し、
また開弁時にはアーマチュア6が開弁用電磁石8に衝突
してしまうおそれがある。
【0010】すなわち、図12A,Bに基づいて各電磁
石7,8の吸引力増加原理を説明すれば、図12Bは、
吸気弁2開閉時の電磁吸引力特性とスプリング9,10
のばね力特性を示しており、まず、閉弁時に閉弁用電磁
石7の吸引力にアーマチュア6が上方に吸引される。よ
って、吸気弁2が上方へ摺動すると、閉弁側スプリング
10が伸長される一方、開弁側スプリング9が圧縮され
てばね力が増大し、ばね力が蓄えられる。
【0011】次に、開弁時には、閉弁用電磁石7にOF
F信号(非通電信号)が出力される一方、開弁用電磁石
8にON信号(通電信号)が出力され、アーマチュア6
が下方へ吸引され、吸気弁2が下方へ摺動すると、開弁
側スプリング9が伸長されて閉弁側スプリング10が圧
縮されてばね力が増大しばね力が蓄えられる。
【0012】したがって、閉弁時及び開弁時には開弁
側,閉弁側の各コイルスプリング9,10の増大したば
ね力で吸気弁2の摺動速度が減速させられるが、かかる
開,閉切換時には圧縮及び伸長したばね反力に加えて吸
引側の電磁石7,8の吸引力が急激に増加する。つま
り、各電磁石7,8の電磁吸引力は、アーマチュア6と
電磁石7,8の各固定コア7a,8aとの間の距離のほ
ぼ2乗に反比例して増大する。したがって、かかる増大
した吸引力が各スプリング9,10の圧縮,伸長側の合
成ばね力に打ち勝ってアーマチュア6を十分に減速させ
ることなく、上方あるいは下方向へ急激に移動させる。
したがって、吸気弁2は、図11Aに示すように、最大
開時と閉時に急激なリフト,ダウン変化し、この結果、
閉時には傘部2aがバルブシート4aに衝突し、開時に
はアーマチュア6が開弁用電磁石8に衝突して、夫々大
きな打音を発生させると共に、アーマチュア6やバルブ
シート4a等の摩耗や破損を惹起するおそれがある。
【0013】また、従来の装置では、吸気弁2の傘部2
aをバルブシート4aに対して適切な面圧で付勢するた
め、閉弁用電磁石7の吸引力と開弁側スプリング9のば
ね力とを適度にバランスさせる必要があるが、各スプリ
ング9,10の経時変化によるヘタリやバルブステム2
bの熱膨張、及びバルブシート4aの摩耗等に起因して
アーマチュア6と電磁石7の固定コア7aのギャップ変
化が生じて電磁力が大きく変化してしまう。この結果、
十分な閉弁保持力が得られず、傘部2aとバルブシート
4aとの間にクリアランスが発生してシール性が失われ
たり、またはシート部に異物が堆積しやすくなって、バ
ルブの放熱性が悪化してバルブの溶損などを招くおそれ
がある。
【0014】さらに、従来例にあっては、装置をシリン
ダヘッド1上に組み付けるには、まず吸気弁2をシリン
ダヘッド1下方から挿入して、バルブステム2b上端部
に、開弁用電磁石8を取り付けた後、該バルブステム2
bにアーマチュア6を固定しなければならない。つま
り、シリンダヘッド1上で電磁駆動機構3を組み付けな
ければならないため、その組み付け作業が煩雑となる。
特に、かかる組み付け中に前記のように適正な閉弁保持
力を得るためにアーマチュア6の上限,下限位置の正確
な調整が要求されるため、さらに組み付け作業能率が低
下するおそれがある。
【0015】また、この従来の装置は、吸気弁2の開閉
ストローク動作を、開弁側及び閉弁側のスプリング9、
10に蓄えたばね力によって行なっている一方、各電磁
石7、8の吸引力によって吸気弁2を単に開状態あるい
は閉状態に保持させるようになっているにすぎず、吸気
弁2を開弁あるいは閉弁ストロークを小さく制御するこ
とはできない。すなわち、吸気弁2のバルブリフトを機
関運転状態に応じて可変にすることが不可能である。
【0016】この結果、機関性能を、たとえば、機関低
回転時の燃費や高回転時の出力の向上といった、機関運
転状態に応じて十分に発揮させることが困難になる。
【0017】
【課題を解決するための手段】本発明は、前記従来装置
の課題に鑑みて案出されたもので、請求項1記載の発明
は、機関弁に連係するアーマチュアと、該アーマチュア
を吸引して前記機関弁を開作動及び閉作動させる開弁
用,閉弁用の電磁石とを備えた機関弁の電磁駆動装置に
おいて、前記機関弁のステムエンドに設けられたバルブ
リフターと前記アーマチュアとの間に、前記バルブリフ
ターの上面を転動して機関弁の開閉駆動力を伝達する伝
達カムを介装すると共に、該伝達カムを介して前記機関
弁のバルブリフト量を可変にする可変機構を設けたこと
を特徴としている。
【0018】請求項2記載の発明にあっては、前記可変
機構は、基端部が前記アーマチュアに固定されて機関弁
方向へ延出したガイドロッドの先端側に傾動自在に支持
されて、下面が前記伝達カムの上面を転接しながら押圧
するレバー部材と、該レバー部材の回動位置を制御する
制御部とから構成したことを特徴としている。
【0019】請求項3記載の発明にあっては、前記制御
部は、レバー部材の一端部に連係してレバー部材の傾動
位置を規定する偏心カムと、該偏心カムの回転位置を制
御するアクチュエータとから構成したことを特徴として
いる。
【0020】したがって、この発明によれば、例えば、
機関低回転時には、可変機構のアクチュエータにより偏
心カムを左右のいずれか一方へ回転させることにより、
レバー部材を一方向に傾動させると、該レバー部材の伝
達カム上面に対する当接位置が一方側に変化して伝達カ
ムのベース部側がバルブリフターの上面に当接する。こ
のため、該伝達カムのバルブリフターに対する押圧スト
ローク量が小さくなり、この時点における機関弁のバル
ブリフト量が小さく制御される。
【0021】一方、機関高回転時には、可変機構のアク
チュエータによって偏心カムを今度は他方向に回転させ
ることによって、レバー部材を他方向に傾動させる。こ
れにより、該レバー部材の伝達カム上面に対する当接位
置が他方側に変化して伝達カムのリフト部側がバルブリ
フターの上面に当接する。このため、該伝達カムのバル
ブリフターに対する押圧ストローク量が大きくなって機
関弁のバルブリフト量が大きく制御される。
【0022】
【発明の実施の形態】図1及び図2は本発明の機関弁の
電磁駆動装置を吸気側に適用した一実施形態を示し、シ
リンダヘッド21内に形成された吸気ポート22の開口
端を開閉する吸気弁23と、該吸気弁23を開閉作動さ
せる電磁駆動機構24と、吸気弁23と電磁駆動機構2
4との間に介装された伝達機構25と、該伝達機構25
に連係して吸気弁23のバルブリフトを可変にする可変
機構26とを備えている。
【0023】前記吸気弁23は、燃焼室に臨む吸気ポー
ト22開口端の環状バルブシート22aに離着座して該
開口端を開閉する傘部23aと、該傘部23aの上面中
央に一体に設けられてバルブガイド21aを介してシリ
ンダヘッド21内を摺動するバルブステム23bとを備
え、該バルブステム23bのエンド部に有蓋円筒上のバ
ルブリフター27がシリンダヘッド21の保持孔21b
内を摺動自在に設けられている。また、この吸気弁23
は、バルブステム23bのステムエンドに固定されたコ
ッタと保持孔21b底面との間に弾装された閉弁用スプ
リングであるバルブスプリング28のばね力で閉方向に
付勢されている。尚、前記保持孔21bの下部にはエア
抜き孔21cが貫通形成されている。
【0024】前記電磁駆動機構24は、シリンダヘッド
21上に設けられたケーシング29と、該ケーシング2
9内に上下動自在に収納された円板状のアーマチュア3
0と、ケーシング29内のアーマチュア30を挟んだ上
下位置に固定された上側の閉弁用電磁石31及び下側の
開弁用電磁石32と、アーマチュア30などを介して吸
気弁23を開方向に付勢する開弁側スプリング33とを
備えている。
【0025】前記ケーシング29は、図1及び図2に示
すように、シリンダヘッド21上に4本のビス34で固
定された金属製の筒状本体29aと、該本体29aの上
端一側にビス35で固定された非磁性材の筒状カバー2
9bとからなり、該カバー29側の内周面に非磁性材の
筒状ホルダー36が配置されている。また、この筒状ホ
ルダー36は、開口上端に閉弁用電磁石31を保持した
段差径状の非磁性材の蓋部37が固定されていると共
に、下端部に開弁用電磁石32を保持した底壁36aを
一体に有している。尚、前記蓋部37の中央には、エア
抜き孔37aが貫通形成されている。
【0026】前記アーマチュア30は、上下面が両電磁
石31,32に対向配置され、中央には下方へ延出した
ガイドロッド38の基端部がナット固定されていると共
に、このガイドロッド38の下端に可変機構26の後述
するレバー部材48が連結されている。前記ガイドロッ
ド38は、底壁36aの中央に有する筒壁36b内に嵌
挿固定されたガイド筒部39を介して上下摺動自在に支
持されていると共に、その軸心Xが吸気弁23のバルブ
ステム23bの軸心Yと所定量だけ機関巾方向へオフセ
ット配置されている。
【0027】前記開閉弁用の電磁石31,32は、固定
コア31a,32aが横断面略U字形に形成され、互い
にアーマチュア30を介して所定の隙間Sをもって対向
配置され、固定コア31a,32aの内部に電磁コイル
31b,32bが巻装されている。この電磁コイル31
b,32bには、後述する電子制御ユニット40からの
通電−非通電信号が出力されて、アーマチュア30を上
方あるいは下方へ吸引あるいは吸引を解除するようにな
っている。
【0028】前記開弁側スプリング33は、アーマチュ
ア30の上面中央と蓋部37の下面との間に弾装され
て、そのばね力が各電磁石31,32の消磁時には、前
記閉弁側スプリング28のばね力とバランスしてアーマ
チュア30を両電磁石31,32のほぼ平衝中立位置に
保持するようになっており、その状態で吸気弁23は閉
弁位置及び開弁位置のほぼ中間位置(図1に示す位置)
に保持される。
【0029】前記電子制御ユニット40は、機関のクラ
ンク角センサ,機関回転数センサ,閉弁用電磁石31の
温度を検出する温度検出センサ及び機関負荷を検出する
エアフローメータからの夫々の検出値に基づいて、閉弁
用,開弁用電磁石31,32に通電−非通電を相対的に
繰り返し出力している。
【0030】ここで、前記クランク角センサからの回転
角検出値は、吸気弁23の開閉タイミングをクランクシ
ャフトの回転と同期制御するためのものであり、機関回
転数検出センサからの検出値つまりクランクシャフトの
回転数の検出値は、該回転数によって変化する各電磁石
31,32の吸引許容時間に対処するために利用され、
さらに、温度センサの検出値は、温度上昇による閉弁用
電磁石31の電磁コイル31bの通電抵抗増大に対処す
るためのものである。また、エアフローメータによる機
関負荷検出値は、機関回転数検出値とともに吸気弁23
の開閉タイミングを最適に制御するために利用するもの
である。
【0031】前記伝達機構25は、図1及び図2に示す
ように、両端部が筒状ケーシング29の本体29a内周
面に有する両ボス部41に支持されたカム支軸42と、
該カム軸42に揺動自在に支持された伝達カム43とか
ら主として構成されている。
【0032】具体的に説明すれば、前記伝達カム43
は、図1及び図3に示すように正面横し字状を呈し、一
端側の円弧状ベース部44に有する軸孔43aに挿通し
たカム支軸42を支点として上下に揺動自在に設けら
れ、バルブリフター27の上面に当接する下面が円弧凸
状の第1カム面45として構成されている一方、レバー
部材48の下面に当接する上面が円弧凸状の第2カム面
46として構成されている。
【0033】前記第1カム面45は、図3に示すように
第2カム面46よりも前後方向に延出されて面積が大き
く設定され、ベース部44側の第1ランプ部45aが緩
やかな円弧面に形成されていると共に、先端側の第1リ
フト部45bが第1ランプ部45aの曲率より大きな円
弧面に形成されている。一方、第2カム面46は、ベー
ス部44側の第2ランプ部46aが緩やかな円弧面に形
成されていると共に、先端側の第2リフト部46bが第
2ランプ部46aの曲率より大きな円弧面に形成されて
いる。
【0034】また、この伝達カム43は、カム支軸42
の外周に巻回された捩りばね47によってカム支軸42
を支点として上方向へ回動付勢されている。
【0035】前記可変機構26は、図1及び図2に示す
ようにほぼ中央部が連結ピン38aによって前記ガイド
ロッド38の下端部に回転自在に連結されたレバー部材
48と、該レバー部材48の回動位置を制御する偏心カ
ム49と、該偏心カム49を回転制御するアクチュエー
タであるステップモータ50とから主として構成されて
いる。
【0036】前記レバー部材48は、伝達カム43とほ
ぼ平行に配設されて、コ字形状の一端部48a内にカム
溝53が形成されていると共に、他端部48b側が先細
り状に形成されている。また、平坦な下面48cが伝達
カム43の第2カム面46aに常時当接している。
【0037】前記偏心カム49は、前記カム支軸42と
平行に配置されて前後端部が前記ボス部41を貫通した
カム軸51に固定されていると共に、その軸心Zがカム
軸51の軸心Qから所定量だけオフセットしている。
【0038】また、前記ステップモータ50は、ビス5
3によって筒状本体29aの外側面に水平方向から固定
されていると共に、その回転力が駆動軸から減速ギア5
2a,52b及びカム軸51を介して偏心カム49に伝
達されて、該偏心カム49の回転位置を制御している。
また、このステップモータ50は、前記電子制御ユニッ
ト40からのパルス信号によって回転駆動するようにな
っている。
【0039】以上のように構成された本実施形態では、
前記伝達機構25による制動作用と、可変機構26によ
るバルブリフト可変作用の主たる2つの作用を有してお
り、まず、最初に伝達機構25による作用について説明
する。
【0040】すなわち、機関停止時には、両電磁石3
1,32の各電磁コイル31b,32bに電子制御ユニ
ット41から通電信号が出力されず、非通電状態となっ
ている。このため、アーマチュア30は、図1に示すよ
うに、両スプリング28,33の相対的なばね力によっ
て隙間S内のほぼ平衝中立位置に保持され、したがっ
て、吸気弁23もバルブシート22aから若干離れた中
立位置になっている。この時点での伝達カム43は、第
1カム面45の第1ランプ部45a側がバルブリフター
27の上面に、第2カム面46の第2リフト46b側が
レバー部材48の下面48cにそれぞれ当接している。
【0041】機関を始動して低回転域となった状態で
は、まず、電子制御ユニット41から開弁用電磁石32
の電磁コイル32bに通電信号が出力されると、図5に
示すようにアーマチュア30が該電磁石32に吸引さ
れ、かつ開弁側スプリング33のばね力によって下降し
て、レバー部材48が伝達カム43を下方へ押圧する。
これによって、該伝達カム43は、カム支軸42を支点
として下方へ回動して、第2カム面46の第1ランプ部
46aがレバー部材48に転接しつつ、第1カム面45
の第1リフト部45bでバルブリフター27の上面を押
圧し、閉弁側スプリング28のばね力に抗して吸気弁2
3を下降、つまり開弁させる。
【0042】一方、吸気弁23の閉時には、開弁用電磁
石32への通電が遮断され、閉弁用電磁石31の電磁コ
イル31bに通電されるため、図4に示すようにアーマ
チュア30が該電磁石31に吸引されて上昇し、同時に
閉弁側スプリング28のばね力によってバルブリフター
27を上昇させて伝達カム43を上方へ押圧する。これ
によって、伝達カム43は、上方へ回動して第1カム面
45の第1ランプ部45aがバルブリフター27の上面
を転接しつつ第2カム面46の第2リフト部46bがレ
バー部材48を上方へ押圧する。これによって、吸気弁
23は開弁側スプリング33のばね力に抗して上昇し、
傘部23aがバルブシート22aに着座して閉弁する。
【0043】ここで、図9A,Bに基づいて吸気弁23
の開閉時の各電磁石31,32の吸引力特性及び各スプ
リング28,33のばね力特性を考察すると、図中横軸
はアーマチュア30の変位を示し、この変位特性は伝達
カム43の第1,第2カム面45,46のプロフィール
によって吸気弁23の開閉リフト特性の約1/2になって
いる。このため、吸気弁23に伝達される両電磁石3
1,32の電磁吸引力は、伝達カム43のテコ比によっ
て約1/2となり、その分、両電磁吸引力を増大させる必
要がある。しかし、電磁吸引力特性は、前述したように
アーマチュア30と各電磁石31,32の固定コア31
a,32aとの間の距離の2乗にほぼ反比例する特性と
なり、約4倍の吸引力となるため、伝達カム43のテコ
比によりアーマチュア30のストローク量を減少させる
ことは、より大きな電磁吸引力を得やすくなり、電磁石
31,32の有効な使用が可能になる。
【0044】また、本実施形態にあっては、図9Aに示
すように吸気弁23の開閉ストロークの終端域(丸破
線)では緩やかな作動特性が得られる。
【0045】すなわち、吸気弁23の閉弁時を例に取っ
て具体的に説明すれば、吸気弁23の閉作動時には、電
磁吸引力と閉弁側スプリング28のばね力とによってバ
ルブリフター27が上昇するに連れて伝達カム43との
当接点は第1ランプ45aの第1リフト部45a側の一
端からベース部44側の他端部に転移する。このため、
閉弁側スプリング28のばね力がバルブリフター27を
介して伝達カム43に伝達されるモーメントは零に近づ
き、したがって、伝達カム43からレバー部材48,ア
ーマチュア30に伝達される閉弁側スプリング28のば
ね力は零に近づくことになる。そして、かかる特異な作
用は開弁時にも生じる。
【0046】したがって、基本的に伝達カム43の第
1,第2ランプ部45a,46aで機械的にバルブリフ
ター27の急激な動き(特に吸気弁閉時)及びアーマチ
ュア30の急激な動き(特に吸気弁開時)を抑制するこ
とが可能になり、この結果、吸気弁23は、開閉ストロ
ークの終端域でなだらかな作動特性が得られる。要する
に、伝達カム43が開閉側スプリング33,28と各電
磁石31,32の吸引力によって揺動し、回転モーメン
トが作用することによって制動力が大きくなって、緩衝
作用が得られるのである。
【0047】しかも、両スプリング28,33のアーマ
チュアに作用するばね合力は、図9Bに示すようにアー
マチュア30の上限,下限付近からそれぞれ急激に増大
する特性となり、この増大特性がそれぞれ吸気弁23の
開時及び閉時の終端域の制動力として有効に作用する。
【0048】したがって、吸気弁23は、図9A(特に
丸破線)に示すように開閉作動時に安定した緩衝作用が
得られ、この結果、傘部23aとバルブシート22a及
びアーマチュア30と開弁電磁石32との激しい衝突が
回避され、打音や摩耗あるいは破損等の発生が防止され
る。
【0049】次に、可変機構26の作用について説明す
れば、まず、機関始動後の低回転域では電子制御ユニッ
ト40からステップモータ50に制御パルス信号が出力
されて、減速ギア52a,52bを介してカム軸51の
回転位置を制御し、偏心カム49の肉厚部が図4及び図
5に示すように下側に位置するように回転させる。これ
によって、レバー部材48は、図示のように一端部48
a側が下降して連結ピン38aを中心に反時計方向に回
転し、他端部48b側が上昇する位置に保持される。
【0050】したがって、伝達カム43は、捩りばね4
7のばね力によってレバー部材48の下面48cに追従
してリフト部45b,46b側が上昇し、バルブリフタ
ー27との間の隙間S1が比較的大きくなり、バルブリ
フター27の上面に対する第1カム面45当接位置がベ
ース部49側になる。
【0051】このため、前述のように開弁用電磁石32
の吸引力によりアーマチュア30を下降させて、レバー
部材48、伝達カム43を介してバルブリフター27を
押し下げるその押し下げ量が小さくなる。したがって、
かかる機関低回転時における吸気弁23のバルブリフト
量Lが図8の一点鎖線で示すように小さくなる。
【0052】一方、機関低回転域から高回転域に移行し
た場合は、ステップモータ50がさらに回転して、カム
軸51を介して偏心カム49を図6及び図7に示す位
置、つまり肉厚部が上側に位置するように回転させる。
これによって、レバー部材48は、図示のように一端部
48a側が上昇して連結ピン38aを中心に時計方向に
回転し、他端部48b側が下降する位置に保持される。
【0053】したがって、伝達カム43は、リフト部4
5b,46b側がレバー部材48の下面48cで押圧さ
れて該リフト部45b,46側が下降し、バルブリフタ
ー27との間の隙間S1が小さくなり、バルブリフター
27の上面に対する第1カム面45当接位置がベース部
44側から第1ランプ部45a側になる。
【0054】このため、前述のように開弁用電磁石32
の吸引力によりアーマチュア30を下降させて、レバー
部材48、伝達カム43を介してバルブリフター27を
押し下げるその押し下げ量が大きくなる。したがって、
かかる機関高回転時における吸気弁23のバルブリフト
量L2が図8の実線で示すように大きくなる。
【0055】このように、本実施形態では、吸気弁23
のバルブリフト量を、機関運転状態に応じて可変にする
ことができるため、機関性能を十分に引き出すことが可
能になり、例えば低回転域での燃焼の促進による燃費の
向上や高回転時における吸入空気量の増加による出力の
向上、あるいは1気筒当たり複数の吸気弁を有する機関
にあっては、少なくとも1つの吸気弁のバルブリフトを
他の吸気弁と異ならせることにより、シリンダ内での吸
入空気の強い旋回流(スワール)を生成することがで
き、これによって、燃焼の促進を図ることが可能にな
る。
【0056】なお、かかる高回転時における吸気弁23
の開閉時の各電磁石31,32の吸引力特性及び各スプ
リング28,33のばね力特性は、図10A,Bに示す
ような特性を示し、伝達機構25による制動作用も低回
転時と同様になる。
【0057】また、本実施形態では、電磁駆動機構24
と吸気弁23とは別体に設けられ、伝達カム43がバル
ブリフター27を押し下げていない時(閉弁時)は、吸
気弁23は閉弁用スプリング28のばね力によって安定
かつ確実に閉弁方向に付勢することができる。
【0058】さらに、吸気弁23やバルブリフター27
及び閉弁側スプリング28の配置構成は、従来から採用
されているカムシャフト式の動弁構造と同じであるか
ら、これらのシリンダヘッド21への組み付けが容易に
なると共に、電磁駆動機構24と伝達機構25及び可変
機構26がケーシング29に一体的に取り付けられ、こ
れらを予めユニット化した上で、シリンダヘッド21上
に組み付けることができるため、従来のようにシリンダ
ヘッド上での細かな組み付け作業が不要となり、装置全
体の機関への搭載性(組付作業性)が良好になる。
【0059】本発明は、吸気弁側に限らず排気弁側のみ
に適用することも可能であり、排気弁側に適用した場合
は、排気弁の開時の急激な動きを規制できることによっ
て、燃焼ガスの急激な排出が抑制され、この結果、排気
音を低減させることが可能になる。
【0060】
【発明の効果】以上の説明で明らかなように、本発明に
係る機関弁の電磁駆動装置によれば、伝達カムによって
機関弁の開閉終端域における急激な開閉作動を十分に抑
制できるため、傘部とバルブシート、並びにアーマチュ
アと閉弁用電磁石との激しい衝突が緩和される。この結
果、激しい衝突打音の発生や摩耗あるいは破損等の発生
が防止される。
【0061】特に、この発明は、可変機構により機関弁
のバルブリフトを機関運転状態状態に応じて可変制御す
ることができるため、例えば、機関低回転時の燃費の向
上や高回転時の出力の向上など機関性能を十分に引き出
すことが可能になる。
【0062】しかも、請求項2記載の発明によれば、可
変機構のレバー部材をガイドロッドの先端側と伝達カム
との間に設けて、該伝達カムに対する当接支点を変化さ
せることにより、バルブリフトを可変制御するようにし
たため、装置の大型化を抑制しつつバルブリフトを効果
的に制御することできる。
【0063】請求項3記載の発明によれば、制御部を、
前記レバー部材の傾動位置を規定する偏心カムと該偏心
カムの回転位置を制御するアクチュエータとによって構
成したため、安定かつ高い制御精度を得ることができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態を示す縦断面図。
【図2】図1のA−A線断面図。
【図3】本実施形態に供される伝達カムの正面図。
【図4】小バルブリフト制御時の閉弁状態を示す縦断面
図。
【図5】小バルブリフト制御時の開弁状態を示す縦断面
図。
【図6】大バルブリフト制御時の閉弁状態を示す縦断面
図。
【図7】大バルブリフト制御時の開弁状態を示す縦断面
図。
【図8】本実施形態におけるバルブリフト特性図。
【図9】Aは小バルブリフト時における吸気弁の開閉時
期特性図、Bは各電磁石の吸引力と各スプリングのばね
力特性図。
【図10】Aは大バルブリフト時における吸気弁の開閉
時期特性図、Bは各電磁石の吸引力と各スプリングのば
ね力特性図。
【図11】従来の装置を示す縦断面図
【図12】Aは吸気弁の開閉時期特性図、Bは各電磁石
の吸引力と各スプリングのばね力特性図。
【符号の説明】
21…シリンダヘッド 23…吸気弁 23b…バルブステム 24…電磁駆動機構 25…伝達機構 26…可変機構 27…バルブリフター 28…閉弁側スプリング 30…アーマチュア 31…閉弁用電磁石 32…開弁用電磁石 33…開弁側スプリング 38…ガイドロッド 43…伝達カム 45…第1カム面 46…第2カム面 48…レバー部材 49…偏心カム 50…ステップモータ(アクチュエータ)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 大貫 彰 神奈川県厚木市恩名1370番地 株式会社ユ ニシアジェックス内 (72)発明者 小野 浩一郎 神奈川県厚木市恩名1370番地 株式会社ユ ニシアジェックス内 Fターム(参考) 3H063 AA01 BB09 DA14 DB13 DB31 DC02 GG19 3H106 DA07 DA25 DB02 DB12 DB26 DB32 DC02 DC17 DD14 EE48 GC29 KK17

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 機関弁に連係するアーマチュアと、該ア
    ーマチュアを吸引して前記機関弁を開作動及び閉作動さ
    せる開弁用,閉弁用の電磁石とを備えた機関弁の電磁駆
    動装置において、 前記機関弁に設けられたバルブリフターと前記アーマチ
    ュアとの間に、前記バルブリフターの上面を転動して機
    関弁の開閉駆動力を伝達する伝達カムを介装すると共
    に、該伝達カムを介して前記機関弁のバルブリフト量を
    可変にする可変機構を設けたことを特徴とする機関弁の
    電磁駆動装置。
  2. 【請求項2】 前記可変機構は、基端部が前記アーマチ
    ュアに固定されて機関弁方向へ延出したガイドロッドの
    先端側に傾動自在に支持されて、下面が前記伝達カムの
    上面を転接しながら押圧するレバー部材と、該レバー部
    材の回動位置を制御する制御部とから構成したことを特
    徴とする請求項1記載の機関弁の電磁駆動装置。
  3. 【請求項3】 前記制御部は、レバー部材の一端部に連
    係してレバー部材の傾動位置を規定する偏心カムと、該
    偏心カムの回転位置を制御するアクチュエータとから構
    成したことを特徴とする請求項2記載の機関弁の電磁駆
    動装置。
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