JP2001002943A - 熱可塑性樹脂組成物 - Google Patents

熱可塑性樹脂組成物

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JP2001002943A
JP2001002943A JP11175216A JP17521699A JP2001002943A JP 2001002943 A JP2001002943 A JP 2001002943A JP 11175216 A JP11175216 A JP 11175216A JP 17521699 A JP17521699 A JP 17521699A JP 2001002943 A JP2001002943 A JP 2001002943A
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resin composition
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thermoplastic
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Osamu Takise
修 滝瀬
Shigeru Muramatsu
繁 村松
Hiroshi Urabe
宏 浦部
Hajime Oyama
一 大山
Masami Suzuki
政己 鈴木
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Mitsubishi Engineering Plastics Corp
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Mitsubishi Engineering Plastics Corp
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 燃焼時の刺激性ガス・腐食性ガス・黒煙の発
生を飛躍的に抑制し、且つ熱可塑性樹脂本来の優れた機
械的特性や流動性、成形性を発現しうる難燃性熱可塑性
樹脂組成物。 【解決手段】 (A)熱可塑性樹脂100重量部 (B)赤燐 0.1 〜
30重量部 (C)多孔質構造を有する充填剤 0.01〜
50重量部 (D)強化充填材 0〜1
50重量部 該熱可塑性樹脂(A)は芳香族系熱可塑性樹脂が好まし
く、より好ましくは縮合型熱可塑性樹脂であり、さらに
好ましくは熱可塑性ポリエステル樹脂(A1)であって
芳香族ポリカーボネート樹脂(A2)又はポリフェニレ
ンエーテル樹脂(A3)との組成物であってもよく、又
はポリアミド樹脂(A4)であって、ポリフェニレンエ
ーテル樹脂(A3)との組成物であってもよい。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、非ハロゲン系難燃
剤を使用した難燃性の熱可塑性樹脂組成物に関する。更
に詳しくは、コネクター、リレー、トランス部材、ケー
ス部材、コイルボビン等の薄肉・小型な電気電子機器部
品、自動車部品、機械部品に好適な難燃性の熱可塑性樹
脂組成物及び成形品に関する。
【0002】
【従来の技術】ポリエステル樹脂は、熱可塑性樹脂の中
でもその優れた電気特性を用いて電気電子部品や自動車
部品等に好適に使用されている。該分野ではUL規格に
規定される難燃性が多くの場合求められ、一般的にハロ
ゲン/アンチモン系難燃剤等に代表される難燃剤により
難燃性を付与することが以前より知られている。各種ハ
ロゲン/アンチモン系化合物の添加により難燃性を付与
することには一応の成功をおさめているものの、ハロゲ
ン系難燃剤の分解生成物が電機製品である金属を腐食す
る場合がある。また、一部のハロゲン系難燃剤の環境へ
の影響が問題となったことから、非ハロゲン系の難燃性
樹脂が求められている。
【0003】非ハロゲン系難燃剤としては、水酸化アル
ミニウム、水酸化マグネシウム等の含水無機化合物が一
般に知られている。しかしながら、これらの含水無機化
合物はハロゲン系難燃剤に対し難燃化効果が乏しく、相
対的に多量に添加する必要があり、そのために機械的強
度や成形性を著しく損なうという欠点を有している。
【0004】更に燐化合物として燐酸エステルを使用す
る方法が特開平03−281652号公報、特開平05
−70671号公報等により知られている。しかしなが
ら燐酸エステルを使用する方法においてもハロゲン系難
燃剤に比較し難燃効果が小さいため相対的に多量の添加
量を必要とし、その結果、機械的強度の低下や耐加水分
解性の低下を招くという欠点を有している。一方、赤燐
は比較的難燃効果が高く、それ自体適切な表面処理を施
すことにより耐加水分解性の低下もほとんど見られなく
なるものの、易燃性であるポリブチレンテレフタレート
においては高度な難燃性を得るには多量の添加量を必要
とし、その結果、機械的強度の低下や金型腐食性といっ
た問題が生じ現実的でない。また、成形加工時やリレー
部品等に用いる際には腐食性ガスが発生し、また燃焼時
に刺激性ガス・腐食性ガス・黒煙の発生等の問題があ
る。また、トリアジン環を有する窒素化合物を使用する
方法が特公昭58−5939号公報、特公昭60−33
850号公報により知られている。しかしながら窒素化
合物は、難燃効果が低いのみならず、機械的強度を著し
く低下させたりするなどの問題を有している。
【0005】また、ポリアミド樹脂の場合も、赤燐及び
無機充填材を配合した組成物が、難燃性、耐トラッキン
グ性及び機械的強度に優れた非ハロゲン系難燃性樹脂と
して、特に電気部品などに用いられているが、該電気部
品が金属接点を有する場合、赤燐から発生する腐食性ガ
スによって、該金属が腐食して導電性が低下するという
問題があった。該金属腐食を防止する手段として、ポリ
アミド組成物に特定の金属化合物、好ましくは酸化第二
銅を添加する方法(米国特許3883475明細書)、
酸化カドミウムを添加する方法(フランス特許2367
100明細書)、亜鉛化合物、好ましくは酸化亜鉛、硼
酸亜鉛または硫化亜鉛を添加する方法(特開平6−14
5504公報)などが知られているが、それらの方法で
は金属腐食を防止する効果が不十分であった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】かかる現状において本
発明は、前記した従来技術の欠点を解消すべくなされた
ものである。すなわち本発明は、臭素原子や塩素原子を
含有しない難燃剤を使用する際に問題となっていた、成
形加工時やリレー部品等に用いる際の腐食性ガスや毒性
ガスの発生を抑制し、また燃焼時の刺激性ガス・腐食性
ガス・黒煙の発生を飛躍的に抑制し、且つ熱可塑性樹脂
本来の優れた機械的特性や流動性、成形性を発現しうる
難燃性熱可塑性樹脂組成物を提供することを目的とす
る。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は上述の問題を解
決するためになされたものであり、その要旨は、熱可塑
性樹脂(A)100重量部に対し、下記成分(B)、
(C)、(D)を各々下記の範囲となるような割合で含
有してなる熱可塑性樹脂組成物に存するものである。 (B)赤燐 0.1 〜 30重量部 (C)多孔質構造を有する充填剤 0.01〜 50重量部 (D)強化充填材 0〜150重量部
【0008】
【発明の実施の形態】熱可塑性樹脂(A)は芳香族系熱
可塑性樹脂であることが好ましく、また縮合型熱可塑性
樹脂であることが好ましい。具体的には該熱可塑性樹脂
(A)は熱可塑性ポリエステル樹脂(A1)又はポリア
ミド樹脂(A4)であることが好ましい。本発明に於け
る熱可塑性ポリエステル樹脂(A1)としては、公知の
芳香族ポリエステル系樹脂を用いることができる。ここ
で芳香族ポリエステル系樹脂とは、芳香環を重合体の連
鎖単位に有するポリエステルで、芳香族ジカルボン酸お
よびジオール(およびそれらのエステル形生成誘導体)
とを主成分とする重縮合反応により得られる重合体もし
くは共重合体である。
【0009】芳香族ジカルボン酸としては、フタル酸、
テレフタル酸、イソフタル酸、オルトフタル酸、1,5
−ナフタレンジカルボン酸、2,5−ナフタレンジカル
ボン酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、ビフェニル
−2,2’−ジカルボン酸、ビフェニル−3,3’−ジ
カルボン酸、ビフェニル−4,4’−ジカルボン酸、ジ
フェニルエーテル−4,4’−ジカルボン酸、ジフェニ
ルメタン−4,4’−ジカルボン酸、ジフェニルスルフ
ォン−4,4’−ジカルボン酸、ジフェニルイソプロピ
リデン−4,4’−ジカルボン酸、アントラセン−2,
5−ジカルボン酸、アントラセン−2,6−ジカルボン
酸、p−ターフェニレン−4,4’−ジカルボン酸、ピ
リジン−2,5−ジカルボン酸等が挙げられ、中でもテ
レフタル酸が好ましく使用できる。
【0010】これらの芳香族ジカルボン酸は2種以上を
混合して使用しても良い。なお、少量であればこれらの
芳香族ジカルボン酸と共にアジピン酸、ピメリン酸、ス
ベリン酸、アゼライン酸、ドデカンジオン酸、セバシン
酸、ダイマー酸などの脂環式ジカルボン酸を1種以上混
合して使用することができる。
【0011】ジオール成分としては、エチレングリコー
ル、トリメチレングリコール、プロピレングリコール、
1,4−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、ネ
オペンチルグリコール、ヘキサンジオール、オクタンジ
オール、デカンジオールなどの炭素数2〜12程度の脂
肪族グリコールが挙げられ、好ましくは炭素数2〜10
程度の脂肪族グリコール、ポリオキシアルキレングリコ
ール(アルキレン基の炭素数が2〜4程度であり、複数
のオキシアルキレン単位を有するグリコール、例えば、
ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、ジテ
トラメチレングリコール、トリエチレングリコール、ト
リプロピレングリコール、トリテトラメチレングリコー
ルなど)、脂環族ジオール(例えば、1,4−シクロヘ
キサンジオール、1,4−シクロヘキサンジメチロー
ル、水素化ビスフェノールAなど)、芳香族ジオール
(例えば、2,2−ビス−(4−(2−ヒドロキシエト
キシ)フェニル)プロパン、キシレングリコールなど)
などが挙げられる。また、ジオール成分としては、ハロ
ゲン化物、例えばテトラブロモビスフェノールA、テト
ラブロモビスフェノールAのアルキレンオキサイド(エ
チレンオキサイドやプロピレンオキサイドなど)付加物
などのハロゲン化ジオールも使用できる。これらのジオ
ール成分は、単独又は二種以上組み合わせて使用しても
よい。なお、少量であれば、分子量400〜6,000
の長鎖ジオール、すなわちポリエチレングリコール、ポ
リ−1,3−プロピレングリコール、ポリテトラメチレ
ングリコールなどを1種以上共重合せしめてもよい。
【0012】好ましい熱可塑性ポリエステル樹脂(A
1)としては、ポリエチレンテレフタレート(PE
T),ポリプロピレンテレフタレート、ポリブチレンテ
レフタレート(PBT)、ポリエチレンナフタレート
(PEN)、ポリブチレンナフタレート(PBN)、ポ
リ(シクロヘキサン−1,4−ジメチレン−テレフタレ
ート)等を挙げることができる。またエチレングリコー
ル/イソフタレート/テレフタレート共重合体、1,4
−ブタンジオール/イソフタル酸/テレフタル酸共重合
体、1,4−ブタンジオール/イソフタル酸/デカンジ
カルボン酸共重合体等の共重合ポリエステルを使用する
こともできる。また、ポリブチレンテレフタレートとポ
リオキシテトラメチレングリコールからなるポリエステ
ルエラストマーも好ましく用いられるが、特にポリブ
チレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート
とポリオキシテトラメチレングリコールからなるポリエ
ステルエラストマー、またはポリエチレンテレフタレ
ートの中から選ばれる少なくとも1種であることが好ま
しく、さらに好ましくはポリブチレンテレフタレートで
ある。
【0013】熱可塑性ポリエステル樹脂(A1)は単独
で又は二種以上組み合わせて使用できる。なお、熱可塑
性ポリエステル樹脂(A1)は、溶融成形性などを損な
わない限り、直鎖状のみならず分岐鎖構造を有していて
もよく、また架橋されていてもよい。
【0014】熱可塑性ポリエステル樹脂(A1)の数平
均分子量は特に制限されず、例えば、1×104〜10
0×104、好ましくは3×104〜70×104、さら
に好ましくは5×104〜50×104程度の範囲から選
択できる。ポリエステル樹脂(A1)の固有粘度は、
0.5〜2dl/g、好ましくは0.6〜1.5dl/
g、さらに好ましくは0.6dl/g〜1.2dl/g
程度である。なお、固有粘度はフェノールと1,1,
2,2−テトラクロロエタンの重量比1:1の混合溶媒
に試料を溶解し、ウベローデ粘度計を用いて30℃で測
定した値である。
【0015】またポリアミド樹脂(A4)としては、3
員環以上のラクタム、重合可能なωーアミノ酸、また
は、二塩基酸とジアミンなどの重縮合によって得られる
ポリアミドを用いることができる。具体的には、εーカ
プロラクタム、アミノカプロン酸、エナントラクタム、
7ーアミノヘプタン酸、11ーアミノウンデカン酸、9
ーアミノノナン酸、αーピロリドン、αーピペリドンな
どの重合体、ヘキサメチレンジアミン、ノナメチレンジ
アミン、ウンデカメチレンジアミン、ドデカメチレンジ
アミン、メタキシリレンジアミンなどのジアミンと、テ
レフタル酸、イソフタル酸、アジピン酸、セバシン酸、
ドデカン二塩基酸、グルタール酸などのジカルボン酸と
重縮合せしめて得られる重合体またはこれらの共重合体
が挙げられ、例えば、ナイロン4、6、7、8、11、
12、6.6、6.9、6.10、6.11、6.1
2、6T、6/6.6、6/12、6/6T、6I/6
T、MXD6などが挙げられる。本発明におけるポリア
ミド樹脂(A4)として、より好ましくは、ナイロン
6、ナイロン66、共重合ナイロン6/66、MXD6
ナイロンなどが挙げられる。また、上記のポリアミド樹
脂の複数種を併用することもできる。本発明におけるポ
リアミド(A4)は、ある範囲内の重合度、すなわち粘
度を有するものが好ましい。好ましい相対粘度は、JI
S K 6810に従って、98%硫酸中濃度1%、温
度25℃で測定した値で、2.0〜5.5、特に好まし
くは2.2〜4.5の範囲から選ばれる。相対粘度が低
いと、機械的性質が低下する。逆に高すぎると、成形性
を損なうようになるので好ましくない。
【0016】本発明においては、熱可塑性樹脂(A)と
して、熱可塑性ポリエステル樹脂(A1)と芳香族ポリ
カーボネート樹脂(A2)を95:5〜30:70(重
量比)、好ましくは95:5〜50:50(重量比)で
配合してなる樹脂組成物、熱可塑性ポリエステル樹脂
(A1)とポリフェニレンエーテル樹脂(A3)を9
5:5〜30:70(重量比)、好ましくは95:5〜
50:50(重量比)で配合してなる樹脂組成物、ポリ
アミド樹脂(A4)とポリフェニレンエーテル樹脂(A
3)とを95:5〜30:70(重量比)、好ましくは
95:5〜50:50(重量比)で配合してなる樹脂組
成物も好ましく用いられる。なお、これらの樹脂の混合
比率はその目的に応じて広い範囲で選択可能であり、上
記範囲に限定されるものではない。
【0017】熱可塑性ポリエステル樹脂(A1)と組み
合わせる芳香族ポリカーボネート樹脂(A2)として
は、芳香族ヒドロキシ化合物またはこれと少量のポリヒ
ドロキシ化合物などをホスゲンまたは炭酸のジエステル
と反応させることによって得ることのできる、分岐して
いてもよいポリカーボネート重合体または共重合体であ
る。これらのポリカーボネート重合体または共重合体は
2種以上混合して用いてもよい。芳香族ジヒドロキシ化
合物としては、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニ
ル)プロパン(=ビスフェノールA)、テトラメチルビ
スフェノールA、ビス(4−ヒドロキシフェニル)−p
−ジイソプロピリデンベンゼン、ハイドロキノン、レゾ
ルシノール、4,4’−ジヒドロキシジフェニル等が挙
げられ、好ましくはビスフェノールAが挙げられる。こ
れらのジヒドロキシ化合物は2種以上併用しても良い。
【0018】分岐した芳香族ポリカーボネートを得るに
は、フロログルシン、4,6−ジメチル−2,4,6−
トリ(4−ヒドロキシフェニル)ヘプテン−2、4,6
−ジメチル−2,4,6−トリ(4−ヒドロキシフェニ
ル)ヘプタン、2,6−ジメチル−2,4,6−トリ
(4−ヒドロキシフェニル)ヘプテン−3、1,3,5
−トリ(4−ヒドロキシフェニル)ベンゾール、1,
1,1−トリ(4−ヒドロキシフェニル)エタン、2,
6−ビス(2−ヒドロキシ−5−メチルベンジル)−4
−メチルフェノール、α,α’,α”−トリ(4‐ヒド
ロキシフェニル)−1,3,5−トリイソプロピルベン
ゼンなどで示されるポリヒドロキシ化合物、あるいは
3,3−ビス(4−ヒドロキシフェニル)オキシインド
ール(=イサチンビスフェノール)、5−クロルイサチ
ンビスフェノール、5,7−ジクロルイサチンビスフェ
ノール、5−ブロムイサチンビスフェノールなどを前記
芳香族ジヒドロキシ化合物の一部として用いればよく、
使用量は、0.01〜10モル%であり、好ましくは
0.1〜2モル%である。
【0019】本発明で用いる芳香族ポリカーボネート
(A2)の粘度平均分子量は、溶媒としてメチレンクロ
ライドを用い、温度25℃で測定された溶液粘度より換
算した値で、好ましくは、12,000〜100,00
0であり、より好ましくは16,000〜30,000
であり、最も好ましくは18,000〜23,000で
ある。
【0020】芳香族ポリカーボネート(A2)の分子量
を調節するには、一価芳香族ヒドロキシ化合物を用いれ
ばよく、mー及p−メチルフェノール、m−及びp−プ
ロピルフェノール、p−tert−ブチルフェノール及
びp−長鎖アルキル置換フェノールなどが挙げられる。
本発明で用いる芳香族ポリカーボネート樹脂(A2)と
しては、好ましくは芳香族ジヒドロキシ化合物としてビ
スフェノールAを使用したポリカーボネート樹脂、また
はビスフェノールAと他の芳香族ジヒドロキシ化合物と
から誘導される芳香族ポリカーボネート共重合体が挙げ
られる。
【0021】また、本発明で熱可塑性ポリエステル樹脂
(A1)又はポリアミド樹脂(A4)と組み合わせて使
用できるポリフェニレンエーテル(A3)としては、具
体的にはポリ(2,6−ジメチル−1,4−フェニレ
ン)エーテル、ポリ(2,6−ジエチル1,4−フェニ
レン)エーテル、ポリ(2,6−ジプロピル−1,4−
フェニレン)エーテル、ポリ(2−メチル−6−エチル
−1,4−フェニレン)エーテル、ポリ(2−メチル−
6−プロピル−1,4−フェニレン)エーテルなどが例
示できるが、特にポリ(2,6−ジメチル−1,4−フ
ェニレン)エーテル、2,6ージメチルフェノール/
2,3,6−トリメチルフェノール共重合体およびこれ
らにスチレンをグラフト重合したグラフト共重合体等が
好ましい。本発明においては、該ポリフェニレンエーテ
ルと不飽和脂肪族カルボン酸もしくはその酸無水物を反
応させて得られる変性ポリフェニレンエーテルも使用で
きる。該不飽和脂肪族カルボン酸の酸無水物を使用する
場合は、無触媒下に、不飽和脂肪族カルボン酸の酸無水
物とポリフェニレンエーテルとを溶融混合状態で反応さ
せて変性ポリフェニレンエーテルを得ることができる。
この場合、溶融混合の方法としては、ニーダー、バンバ
リーミキサー、押出機等特に制限はないが、操作性等を
考慮すると、押出機を用いるのが好ましい。該不飽和カ
ルボン酸無水物としては、無水マレイン酸、無水イタコ
ン酸、無水シトラコン酸等が例示でき、中でも無水マレ
イン酸が好ましい。該ポリフェニレンエーテルの変性に
必要な前記不飽和カルボン酸又はその無水物の使用割合
は、ポリフェニレンエーテル100重量部に対して、
0.01〜10重量部、好ましくは0.1〜3重量部、
特に好ましくは0.1〜1重量部である。0.01重量
部以下であると、熱可塑性ポリエステル樹脂(A1)や
ポリアミド樹脂(A4)との併用の効果が小さく、10
重量部を越えると、酸無水物が熱分解し、その結果耐熱
性の低下や外観不良等の実用上の不都合を生じる場合が
あるので好ましくない。また、ポリフェニレンエーテル
の変性に不飽和脂肪族カルボン酸を使用する場合は、必
要に応じてベンゾイルパーオキサイド、ジクミルパーオ
キサイドおよびクメンハイドロパーオキサイド等のラジ
カル発生剤を触媒として使用することができる。
【0022】本発明で使用する赤燐(B)は、そのまま
何ら処理を施すことなく配合することも可能であるが、
貯蔵時発火や加水分解される恐れがあるため、これを防
止する処理を施したものが好ましく用いられる。このよ
うな処理の方法としては、公知文献に記載されている通
りの方法が用いられ、例えば赤燐に水酸化アルミニウ
ム、水酸化マグネシウム、水酸化亜鉛及びチタンの水酸
化物を微量添加して赤燐の酸化を触媒的に抑制する方法
が挙げられる。この他、パラフィンやワックスで被覆す
る方法、フェノール系やメラミン系、エポキシ系、不飽
和ポリエステル系といった熱硬化性性樹脂により被覆す
る方法、あるいは赤燐を銅、ニッケル、銀等の金属塩の
水溶液で処理することにより、赤燐表面に金属燐化合物
を析出させて安定化させる方法等が挙げられる。また、
樹脂に配合される前の赤燐の平均粒径は特に限定される
ものではないが、機械的強度の低下抑制の観点から10
μm以下が好ましく、更に好ましくは1μm以下であ
る。
【0023】該赤燐(B)の添加量は、熱可塑性樹脂
(A)100重量部に対して1〜30重量部、好ましく
は1〜20重量部、更に好ましくは2〜15重量部であ
る。赤燐(B)の添加量が1重量部より少ないと難燃効
果が十分でなく、30重量部を超える場合機械的特性の
低下が顕著となり好ましくない。
【0024】本発明では、さらに多孔質構造を有する添
加剤(C)を併用することを必須要件とする。これによ
って、非ハロゲン系の難燃剤である赤燐を用いた場合に
問題となっていた成型時等に生ずる腐食性ガスや刺激性
ガスを吸着抑制できるものと考えられる。本発明では該
多孔質構造を有する添加剤(C)は、BET比表面積で
30m2/g以上のものであることが好ましい。具体的
にはシリカゲル、(活性)アルミナ、ゼオライト、活性
白土、活性炭、酸化マグネシウム、水酸化マグネシウ
ム、ケイ酸マグネシウム、Mg、AlもしくはSiの酸
化物又はその組み合わせを主構成成分とした合成吸着剤
(たとえば協和化学(株)の商品名キョーワード)、ハ
イドロタルサイトに代表される合成吸着剤等が具体例と
して挙げられる。このうち、熱可塑性ポリエステル樹脂
(A1)を使用する場合には、好ましくはシリカゲル、
(活性)アルミナ、ゼオライトが用いられる。また、ポ
リアミド樹脂(A4)を使用する場合には、好ましくは
酸化マグネシウムとシリカゲルが好ましい。
【0025】該多孔質構造を有する添加剤(C)の添加
量は、熱可塑性樹脂(A)100重量部に対して0.0
1〜50重量部、好ましくは0.01〜20重量部であ
る。0.01重量部より少ないと腐食性改良効果が十分
でなく、50重量部を超えると機械的特性の低下や流動
性が著しく低下するために好ましくない。
【0026】本発明に用いる強化充填材(D)は有機充
填材でも無機充填材でも良く、例えば、ガラス繊維、ガ
ラスフレーク、ガラスビーズ、カーボン、シリカ、シリ
カ・アルミナ、ジルコニア、ホウ素、窒化ホウ素、窒化
ケイ素、チタン酸カリウム、ステンレス、アルミニウ
ム、チタン、銅、真鍮、タルク、マイカ、カオリン、ウ
ォラストナイト、炭酸カルシウム、酸化チタン、酸化亜
鉛、硫酸バリウム、チタン酸カリウムウィスカー、ホウ
酸アルミニウムウィスカー等の無機繊維、金属繊維その
他の無機充填材、さらには有機繊維(例えば、芳香族ポ
リアミド繊維、フッ素樹脂繊維、液晶性芳香族ポリエス
テル繊維など)が含まれる。本発明において、好ましい
強化充填材(D)としては、無機繊維(例えば、ガラス
繊維など)が挙げられる。好ましい強化充填材のガラス
繊維は、通常熱可塑性樹脂に使用されるものであれば特
に限定されないが、Eガラス(無アルカリガラス)から
作られるチョップドストランドが好ましい。該強化充填
材(D)は単独で又は二種以上組み合わせても使用でき
る。
【0027】強化充填材(D)が無機又は有機の繊維で
ある場合、その平均繊維径は特に制限されず、例えば1
〜100μm、好ましくは1〜50μm、より好ましく
は3〜30μm、さらに好ましくは1〜20μm、最も
好ましくは5〜15μm程度であり、また平均繊維長
も、特に制限されないが、例えば、0.1〜20mm、
好ましくは1〜10mm程度である。
【0028】なお、該強化充填材(D)は、熱可塑性樹
脂(A)との界面密着性を向上させるために収束剤又は
表面処理剤(例えば、エポキシ系化合物、アクリル系化
合物、イソシアネート系化合物、シラン系化合物、チタ
ネート系化合物などの官能性化合物)で表面処理したも
のを用いるのが好ましい。強化充填材(D)は、前記収
束剤又は表面処理剤により予め表面処理してもよく、又
は熱可塑性樹脂組成物の調製の際に収束剤又は表面処理
剤を添加して表面処理してもよい。これら強化充填材
(D)の添加量は、熱可塑性樹脂組成物全体に対して0
〜60重量%が好ましく、更に好ましくは10〜50重
量%であり、より好ましくは0〜40重量%である。該
添加量が60重量%を超えると流動性が著しく低下した
り、成形性や外観が損なわる場合があり、また配合量が
少ないと、材料強度が小さくなる場合があるので、あま
り好ましくない。
【0029】本発明の熱可塑性樹脂組成物は、上記の
(A)〜(D)成分に加えて難燃性をさらに高めるため
に窒素含有化合物(E)を含んでいてもよい。該窒素含
有化合物(F)の例としては、メラミン、シアヌル酸等
のトリアジン系化合物やテトラゾール化合物等が挙げら
れる。好ましくはメラミンとシアヌル酸との塩、あるい
はメラミンの2量体及び/または3量体であるメラム及
び/またはメレムが挙げられる。該窒素含有化合物
(E)の添加量は、熱可塑性樹脂(A)100重量部に
対して1〜50重量部である。添加量が1重量部より少
ないとこれらの化合物の添加による難燃性向上効果が十
分でなく、50重量部より多い場合、機械的特性の低下
が顕著となり好ましくない。また、本発明でポリアミド
樹脂(A4)を使用する場合には、本発明の効果を損な
わない範囲において、上記窒素含有化合物(E)に代え
て、水酸化マグネシウム、硼酸亜鉛、ポリリン酸塩など
の赤燐以外のりん系難燃剤を含んでもよい。
【0030】さらに本発明の樹脂組成物は、ポリテトラ
フルオロエチレン(F)を含んでいても良い。これは垂
落防止剤として機能するもので、例えばフィブリル形成
能を有するポリテトラフルオロエチレンが挙げられる。
これは重合体中に容易に分散し、且つ重合体同士を結合
して繊維状材料を作る傾向を示すものである。フィブリ
ル形成能を有するポリテトラフルオロエチレンはAST
M規格でタイプ3に分類される。該フィブリル形成能を
有するポリテトラフルオロエチレンとしては、例えばダ
イキン工業(株)よりポリフロンFA−500(商品
名)として、あるいは三井・デュポンフロロケミカル
(株)より、テフロン6J(商品名)またはテフロン3
0J(商品名)等として市販されている。ポリテトラフ
ルオロエチレン、テトラフルオロエチレン/パーフルオ
ロアルキルビニルエーテル共重合体、テトラフルオロエ
チレン/ヘキサフルオロプロピレン共重合体、フッ化ビ
ニリデン等のフッ素化ポリオレフィン等が挙げられ、好
ましくはポリテトラフルオロエチレン、テトラフルオロ
エチレン/ヘキサフルオロプロピレン共重合体が好まし
い。
【0031】ポリテトラフルオロエチレン(F)の添加
量は、、熱可塑性樹脂(A)100重量部に対して、
0.1〜5重量部であり、好ましくは0.1〜3重量部
である。該ポリテトラフルオロエチレンの添加量が0.
1重量部以下では燃焼時の滴下防止能が不十分であり、
5重量部以上では流動性、機械的性質が著しく低下する
ため好ましくない。
【0032】本発明の熱可塑性樹脂組成物には、さらに
樹脂の種類によるなど必要に応じて慣用の添加剤等を配
合することもできる。該添加剤としては、酸化防止剤、
紫外線吸収剤、耐熱安定剤、耐候安定剤などの安定剤、
エラストマーなどの衝撃改良材、滑剤、離型剤、カーボ
ンブラックなどの染顔料等の着色剤、触媒失活剤、耐電
防止剤、発泡剤、可塑剤、結晶核剤、結晶化促進剤など
が挙げられる。
【0033】本発明の熱可塑性樹脂組成物の製造方法
は、特定の方法に限定されないが、好ましくは溶融混練
によるものであり、熱可塑性樹脂について通常使用され
ている混練方法が適用できる。
【0034】該混練方法としては、例えば各成分を必要
であれば、付加的成分である物質と共に、ヘンシェルミ
キサー、リボンブレンダー、V型ブレンダー等により均
一に混合した後、一軸または多軸混練押出機、ロール、
バンバリーミキサー、ラボプラストミル(ブラベンダ
ー)等で混練することができる。
【0035】各成分は、付加的成分(添加剤)を含め、
樹脂の重合から成形までの任意の段階で実施されるが、
押出機を用いて溶融混練するのが好ましい。これらは混
練機に一括でフィードしても、順次フィードしてもよ
い。また、付加的成分を含め各成分から選ばれた2種以
上の成分を予め混合したものを用いてもよい。本発明の
熱可塑性樹脂組成物の成形加工方法は、特に限定される
ものではなく、熱可塑性樹脂について一般に用いられて
いる成形法、すなわち射出成形、中空成形、押出成形、
プレス成形等の成形法が適用できる。
【0036】
【実施例】以下、本発明を実施例及び比較例により更に
詳細に説明するが、本発明はその要旨を超えない限り、
以下の実施例に限定されるものではない。なお、樹脂組
成物の物性などを評価は下記の試験により実施した。な
お、本実施例及び比較例で使用した各成分の略号及び内
容は、下記のとおりである。 (1)ポリブチレンテレフタレート:三菱エンジニアリ
ングプラスチックス(株)製品、商品名ノバドゥール
(登録商標)5008AS(以下、「PBT」と称す
る。) (2)芳香族ポリカーボネート:三菱エンジニアリング
プラスチックス(株)製品、商品名ノバレックス(登録
商標)7022PJ、粘度平均分子量22,000。
(以下、「PC」と称する。) (3)ポリアミド6樹脂:三菱エンジニアリングプラス
チックス(株)製品、商品名ノバミッド(登録商標)1
010J、相対粘度2.5。 (4)赤燐マスターペレット:フェノール樹脂と水酸化
アルミニウムで表面コーティングされた赤燐(燐化学工
業(株)製品、商品名ノーバエクセル140)をPBT
でマスターペレットにしたもの。配合比率はPBT70
重量部に対してノーバエクセル140が30重量部 (5)赤燐:日本化学工業社製品、商品名:ヒシガード
TP−10(酸化チタンで被覆したもの) (6)GF1:ガラス繊維(日本電気硝子(株)製品、
商品名T−123、GF径 13μm) (7)GF2:ガラス繊維(日本電気硝子(株)製品、
商品名T−283、GF径 13μm。 (8)窒素含有化合物:シアヌル酸メラミン(三菱化学
(株)製品、商品名MX−44) (9)ポリテトラフルオロエチレン:PTFE(ダイキ
ン工業(株)製品、商品名ポリフロンFA−500)。
(以下、「PTFE」とも称する。) (10)シリカゲル:(富士シリシア化学(株)製品、
商品名サイシリア330(BET値300m2/g)。
(以下、「シリカゲル」と称する。) (11)活性アルミナ:(住友化学(株)製品、商品名
BK112(BET値300m2/g)。(以下、「活
性アルミナ」と称する。) (12)酸化マグネシウム:(協和化学(株)製品、商
品名ミクロマグ3−150(BET値150m2
g)。(以下、「MgO」と称する。)
【0037】また評価試験は、下記の方法により行っ
た。 (a)引っ張り強度:ASTM規格 D−638に従っ
て作成した引っ張り試験片を用いて、ASTM D−6
38の引っ張り試験を実施した。引っ張り強度は、kg
/cm2 の単位で表示する。 (b)曲げ弾性率:ASTM規格 D−790に従って
作成した曲げ試験片を用いて、ASTM D−790の
曲げ試験を実施した。曲げ弾性率は、kg/cm 2の単
位で表示する。
【0038】(c)燃焼性1:アンダーライターズラボ
ラトリーズ(Underwriter's Laboratories Inc.)のUL
規格94に従って作成した1/32”厚みの試験片を用
いて、UL規格94の20mm垂直燃焼試験を実施し
た。難燃性レベルは高いものからV−0>V−1>V−
2>HBの順である。 (d)燃焼性2:グローワイヤ発火性試験(IEC−6
95−2−1準拠) (e)腐食性:120ccのガラス製広口瓶に予め処理
したペレットを50g入れる。さらに腐蝕対象物となる
Cu板をペレットと非接触となるようにペレット上部に
置いたシャーレ内にいれて密栓する。その後、150℃
で50時間熱処理し腐食の程度を観察した。尚、ペレッ
トの前処理は120℃で6時間乾燥した後、23℃−5
0%RH下で48時間コンディショニングをした。 (f)金属腐食性:引っ張り試験片(ASTM1号ダン
ベル)に銀板を乗せ、アルミホイルで厳重に包み、熱風
オーブン中で140℃で300時間熱処理後に取り出
し、銀板の腐食状況を目視観察した。
【0039】〔実施例1〜5〕表1に示した成分を、表
1に示した配合比で、十分混合攪拌し、次いでこれをベ
ント口付の日本製鋼(株)製品の二軸型押出機(商品名
TEX30C)に供給し、第1ホッパーより下流に設置
したベント口より600トールの減圧にし、設定温度2
55℃、スクリュー回転数200rpmの混練条件下
で、溶融混練し、組成物とした後、ペレット化し、熱可
塑性樹脂組成物を得た。生産速度は20kg/hrであ
った。得られたペレットを予め120℃で6時間、乾燥
後、射出成形し各種試験片を得、評価を行った。この評
価結果を表1に示す。
【0040】
【表1】
【0041】〔比較例1〜5〕表2に示した成分を、表
2に示した配合比で、実施例1〜5と同様の混練を行
い、ペレットを得た。得られたペレットを、予め120
℃で6時間、乾燥後、射出成形し各種試験片を得、評価
を行った。この評価結果を表2に示す。
【0042】
【表2】
【0043】以上の結果から、実施例はいずれも高強度
を保持し、難燃性に優れ、且つ優れた耐腐食性を示すこ
とが明らかである。また、比較例1は、赤燐(B)がな
い場合には十分な難燃性が得られないことを示し、比較
例2及び3は赤燐(B)を使用することで難燃性は十分
であるものの、腐食性に劣ることを示しており、さらに
比較例4と5は赤燐(B)があっても芳香族ポリカーボ
ネート樹脂が無ければ十分な難燃性が得られないことを
示している。
【0044】〔実施例6、7及び比較例6、7〕表3に
示す成分を、表3に示す配合量で、ポリアミド樹脂、赤
リン、多孔質充填材および強化用無機充填材をブレンド
後、日本製鋼(株)製品のTEX30HCT型2軸押出
機を用い、280℃の設定温度で溶融混合してポリアミ
ド樹脂組成物のペレットを得た。このペレットを各々の
成形品に応じて射出成形して、機械的物性、燃焼性、金
属腐食性の評価を行なった。この評価結果を表3に示
す。
【0045】
【表3】
【0046】〔実施例8及び比較例8〕以下の実施例8
と比較例8において用いた成分は以下の通りである。 (1)変性ポリフェニレンエーテル(変性PPE):三
菱エンジニアリングプラスチックス(株)製品、商品名
ユピエース(登録商標)CPX100、5kgに対し
て、無水マレイン酸50gを加え、スーパーミキサーで
3分間混合した後、二軸押出機により300℃で加熱溶
融下に混練し、無水マレイン酸変性PPEを得た。 (2)ポリアミドMXD6(メタキシリレンジアミンと
アジピン酸から得られる結晶性熱可塑性樹脂):三菱エ
ンジニアリングプラスチックス(株)製品、商品名レニ
ー(登録商標)6000)。 (3)ポリアミド66:東レ(株)製品、グレード名3
001N。 (4)GF3:ガラス繊維(日本電気硝子(株)製品、
商品名T−296A(GF径10μm) 表4に示す成分を、表4に示す配合量で、変性PPE、
ポリアミド樹脂、赤リン、多孔質充填材および強化用無
機充填材をブレンド後、ナカタニ(株)製単軸押出機を
用い、285℃の設定温度で溶融混合してポリアミド樹
脂組成物のペレットを得た。このペレットを各々の成形
品に応じて射出成形して、機械的物性、燃焼性、金属腐
食性の評価を行った。この評価結果を表4に示す。
【0047】
【表4】
【0048】
【発明の効果】以上説明してきたように、本発明におい
て、熱可塑性ポリエステル樹脂を用いた熱可塑性樹脂組
成物は、非ハロゲン系難燃剤により難燃化を強化し、さ
らにその際の問題点であった成形時並びに燃焼時に毒性
及び腐食性のガス発生を抑制し、且つ熱可塑性ポリエス
テル樹脂が本来持つ優れた機械的特性、流動性、成形性
が高度に発現できるものである。また、一方本発明にお
いてポリアミド樹脂を用いた熱可塑性樹脂組成物は、難
燃性と機械的強度に優れ、かつ金属接点腐食性が少ない
ため、ブレーカー、スイッチ、電磁開閉器等、金属接点
を有する電気部品の用途に好適である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C08K 3/34 C08K 3/34 3/36 3/36 5/3492 5/3492 7/14 7/14 7/22 7/22 7/24 7/24 C08L 67/02 C08L 67/02 69/00 69/00 71/12 71/12 77/00 77/00 //(C08L 101/16 27:18) (72)発明者 村松 繁 神奈川県平塚市東八幡5丁目6番2号 三 菱エンジニアリングプラスチックス株式会 社技術センター内 (72)発明者 浦部 宏 神奈川県平塚市東八幡5丁目6番2号 三 菱エンジニアリングプラスチックス株式会 社技術センター内 (72)発明者 大山 一 神奈川県平塚市東八幡5丁目6番2号 三 菱エンジニアリングプラスチックス株式会 社技術センター内 (72)発明者 鈴木 政己 神奈川県平塚市東八幡5丁目6番2号 三 菱エンジニアリングプラスチックス株式会 社技術センター内 Fターム(参考) 4J002 BD123 BD154 BD164 BN18X CF04W CF05W CF06W CF07W CF08W CF09W CF10W CF12W CF14W CF16W CF183 CG01X CG03X CH07X CL01W CL02W CL03W CL05W CL06W CL063 CL09W DA017 DA056 DA078 DA088 DA098 DC008 DE077 DE098 DE138 DE147 DE188 DE238 DE287 DG048 DJ007 DJ008 DJ017 DJ018 DJ038 DJ058 DK008 DL008 EU009 EU189 EU199 FA018 FA048 FA068 FA088 FA097 FB076 FB266 FD013 FD017 FD018 FD020 FD050 FD060 FD070 FD080 FD090 FD100 FD134 FD139 FD160 FD170 FD320 GM00 GN00 GQ00

Claims (20)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 熱可塑性樹脂(A)100重量部に対
    し、下記成分(B)、(C)、及び(D)を各々下記の
    範囲となるような割合で含有してなる熱可塑性樹脂組成
    物。 (B)赤燐 0.1 〜 30重量部 (C)多孔質構造を有する充填剤 0.01〜 50重量部 (D)強化充填材 0〜150重量部
  2. 【請求項2】 熱可塑性樹脂(A)が芳香族系熱可塑性
    樹脂であることを特徴とする請求項1に記載の熱可塑性
    樹脂組成物。
  3. 【請求項3】 熱可塑性樹脂(A)が縮合型熱可塑性樹
    脂であることを特徴とする請求項1又は2に記載の熱可
    塑性樹脂組成物。
  4. 【請求項4】 熱可塑性樹脂(A)が熱可塑性ポリエス
    テル樹脂(A1)であることを特徴とする請求項1ない
    し3のいずれかに記載の熱可塑性樹脂組成物。
  5. 【請求項5】 熱可塑性ポリエステル樹脂(A1)が、
    ポリブチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフ
    タレートとポリオキシテトラメチレングリコールからな
    るポリエステルエラストマー、またはポリエチレンテ
    レフタレートの中から選ばれる少なくとも1種である請
    求項4記載の熱可塑性樹脂組成物。
  6. 【請求項6】 熱可塑性樹脂(A)が、熱可塑性ポリエ
    ステル樹脂(A1):芳香族ポリカーボネート樹脂(A
    2)=95:5〜30:70(重量比)の樹脂組成物で
    あることを特徴とする請求項1ないし5のいずれかに記
    載の熱可塑性樹脂組成物。
  7. 【請求項7】 熱可塑性ポリエステル樹脂(A1):芳
    香族ポリカーボネート樹脂(A2)=95:5〜50:
    50(重量比)である請求項6記載の熱可塑性樹脂組成
    物。
  8. 【請求項8】 多孔質構造を有する充填剤(C)がアル
    ミナ、シリカゲル、活性炭、ゼオライトの中から選ばれ
    る少なくとも1種である請求項6又は7のいずれかに記
    載の熱可塑性樹脂組成物。
  9. 【請求項9】 熱可塑性樹脂(A)が、熱可塑性ポリエ
    ステル樹脂(A1):ポリフェニレンエーテル樹脂(A
    3)=95:5〜50:50(重量比)である請求項1
    ないし5のいずれかに記載の熱可塑性樹脂組成物。
  10. 【請求項10】 熱可塑性ポリエステル樹脂(A1):
    ポリフェニレンエーテル樹脂(A3)=95:5〜5
    0:50(重量比)である請求項9記載の熱可塑性樹脂
    組成物。
  11. 【請求項11】 熱可塑性樹脂(A)がポリアミド樹脂
    (A4)であることを特徴とする請求項1ないし3のい
    ずれかに記載の熱可塑性樹脂組成物。
  12. 【請求項12】 熱可塑性樹脂(A)が、ポリアミド樹
    脂(A4):ポリフェニレンエーテル樹脂(A3)=9
    5:5〜50:50(重量比)である請求項1ないし
    3、及び11のいずれかに記載の熱可塑性樹脂組成物。
  13. 【請求項13】 熱可塑性樹脂(A)が、ポリアミド樹
    脂(A4):ポリフェニレンエーテル樹脂(A3)=9
    5:5〜50:50(重量比)である請求項12記載の
    熱可塑性樹脂組成物。
  14. 【請求項14】 窒素含有化合物(E)を、熱可塑性樹
    脂(A)100重量部に対して1〜50重量部含有して
    なる請求項1ないし13のいずれかに記載の熱可塑性樹
    脂組成物。
  15. 【請求項15】 窒素含有化合物(E)がトリアジン系
    化合物であることをを特徴とする、請求項14に記載の
    熱可塑性樹脂組成物。
  16. 【請求項16】 トリアジン系化合物がメラミンであ
    り、かつシアヌル酸またはイソシアヌル酸との塩である
    ことを特徴とする請求項15に記載の熱可塑性樹脂組成
    物。
  17. 【請求項17】 トリアジン系化合物がメラミンの2量
    体であるメラム及び/または3量体であるメレムである
    ことを特徴とする請求項16に記載の熱可塑性樹脂組成
    物。
  18. 【請求項18】 ポリテトラフルオロエチレン(F)
    を、熱可塑性樹脂(A)100重量部に対して0.1〜
    5重量部含有してなる請求項1ないし17のいずれかに
    記載の熱可塑性樹脂組成物。
  19. 【請求項19】 強化充填材(D)がガラス繊維である
    ことを特徴とする、請求項1ないし18のいずれかに記
    載の熱可塑性樹脂組成物。
  20. 【請求項20】 請求項1〜19のいずれか1項記載の
    熱可塑性樹脂組成物を成形してなる成形品。
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