JP2001002797A - コレステリック液晶フィルム - Google Patents

コレステリック液晶フィルム

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JP2001002797A
JP2001002797A JP17579999A JP17579999A JP2001002797A JP 2001002797 A JP2001002797 A JP 2001002797A JP 17579999 A JP17579999 A JP 17579999A JP 17579999 A JP17579999 A JP 17579999A JP 2001002797 A JP2001002797 A JP 2001002797A
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liquid crystal
film
cholesteric liquid
cholesteric
crystal film
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JP17579999A
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Ryo Nishimura
涼 西村
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Original Assignee
Nippon Mitsubishi Oil Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 鏡面反射を抑制したコレステリック液晶フィ
ルムに関する 【解決手段】 コレステリック液晶相における螺旋軸方
位が膜厚方向に一様に平行でないコレステリック配向が
固定化されたフィルムであって、該フィルムの正反射除
去反射率(SCE)と正反射込み反射率(SCI)の比
((SCE/SCI)×100)で定義される拡散率が
15%以上であるコレステリック液晶フィルムである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、鏡面反射を抑制し
たコレステリック液晶フィルムに関する。
【0002】
【従来の技術】コレステリック液晶は、その内部の液晶
分子が膜厚方向に螺旋を描くように規則的にねじれて配
向しており、螺旋軸が膜厚方向と平行となることに由来
する特異な光学的性質を有する。この特異な光学的性質
とは、特定の波長帯域における円偏光選択反射性であ
る。当該性質を利用して、非偏光の中から左右どちらか
の円偏光のみを取り出す光学用途や、この作用が特定の
波長帯域に限定されるために反射/透過光が着色するこ
とを利用した装飾用途への応用が考えられている。
【0003】一般に工業的に取り扱われているコレステ
リック液晶フィルムは、螺旋軸が基板に垂直であり、螺
旋ピッチに対応する層構造が基板上に平板組織を形成し
ているものである。これら従来のコレステリック液晶フ
ィルムでは、当該フィルムの入射光は鏡面反射され、反
射光の輝度は視野角依存性が大きいことから鏡面反射領
域外では輝度が急激に低下するものであった。これらフ
ィルムの反射光を利用する用途に用いた場合には、鏡面
反射するために反射光は特定の方向に限定されてしま
い、他の方向では十分な輝度が得られないという課題が
あった。さらに当該フィルムが選択反射する波長帯域
は、ブルーシフト現象により視野角依存性が大きいため
に、反射光の色調が視野角により大きく変化してしまう
という課題があった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記課題を
解決するものであり、液晶層構造を制御することで、コ
レステリック液晶層の配向自体に光拡散性を付与するこ
とに成功した。さらに詳しくは、コレステリック液晶相
における螺旋軸方位を膜厚方向に一様に平行ではないよ
うに配向制御することにより非鏡面性のコレステリック
液晶フィルムを発明するに至った。
【0005】
【課題を解決するための手段】すなわち本発明は、コレ
ステリック液晶相における螺旋軸方位が膜厚方向に一様
に平行でないコレステリック配向が固定化されたフィル
ムであって、該フィルムの正反射除去反射率(SCE)
と正反射込み反射率(SCI)の比((SCE/SC
I)×100)で定義される拡散率が15%以上である
コレステリック液晶フィルムに関する。
【0006】
【発明の実施の形態】以下、本発明を具体的に説明す
る。本発明のコレステリック液晶フィルムは、コレステ
リック液晶相における螺旋軸方位が膜厚方向に一様に平
行ではないコレステリック配向を形成している。このよ
うなコレステリック配向の一例としては、通常のコレス
テリック配向における螺旋構造を疑似層構造と見なした
とき、当該層構造が規則的または不規則に湾曲、屈曲し
たような状態にコレステリック配向したものが挙げられ
る。このような状態を一般に指紋状組織と言い、また指
紋状組織を形成した際、そのコレステリック液晶層表面
にはオイリーストリークが観察される。本発明のコレス
テリック液晶フィルムの一態様としては、上記のような
指紋状組織を有し、かつオイリーストリークを形成した
ものが挙げられるがこれに限定されるものではない。
また本発明のコレステリック液晶フィルムにおいて、螺
旋軸方位が膜厚方向に一様に平行ではないコレステリッ
ク配向を形成している領域は、フィルム全領域、フィル
ム表面、フィルム内部のいずれの領域であってもよく、
例えばフィルム表面の一部(フィルム表面領域)、フィ
ルム内部の一部(フィルム内部領域)に有するものであ
ってもよい。また当該コレステリック配向を形成してい
る領域は、単層フィルムの複数領域、例えばフィルム表
裏面領域、複数のフィルム内部領域にそれぞれ有するも
のであってもよい。また当該領域は、例えばフィルム表
面や内部に均一な厚さを持った層状態として形成されて
いることは必ずしも必要とせず、フィルム表面やフィル
ム内部の少なくとも一部に該領域が形成されていればよ
い。さらには当該領域が、所望の図形、絵文字、数字、
記号等の型を象るように有したものであってもよい。な
お本発明のコレステリック液晶フィルムが形成する上記
の如きコレステリック配向は、原子間力顕微鏡や透過型
電子顕微鏡などで液晶層の表面形状や断面形状を観察す
ることにより容易に確認することができる。
【0007】また本発明のコレステリック液晶フィルム
は、正反射除去反射率(SCE)と正反射込み反射率
(SCI)の比((SCE/SCI)×100)で定義
される拡散率が15%以上である。ここで正反射込み反
射率(SCI)とは、被測定物を拡散照明により均一照
明した際の全反射率のことをいう。また正反射除去反射
率(SCE)とは、被測定物を拡散照明により均一照明
した際の全反射率より正反射光成分を除いた(被測定物
表面で拡散した光の成分からなる)拡散反射率のことを
いう(全反射率=正反射率+拡散反射率)。これら正反
射除去反射率および正反射込み反射率は、JIS−Z−
8722「色の測定方法−反射及び透過物体」に準拠し
て測定することにより求めることができる。具体的な測
定方法としては、d/8(拡散照明8゜受光)照明・受
光光学系を持つ測定器、例えばミノルタ社製分光測色計
CM−3500dを用いて測定することができる。
【0008】本発明のコレステリック液晶フィルムは、
上記定義に基づいて求められる拡散率が通常15%以
上、好ましくは20%以上85%以下、さらに好ましく
は30%以上75%以下である。拡散率が15%より低
い場合、フィルム表面が鏡面反射する可能性があり、非
鏡面性を示す本発明のコレステリック液晶フィルムを得
ることができない恐れがある。
【0009】上述のような特異なコレステリック配向領
域を有し、かつ特定の拡散率を有する本発明のコレステ
リック液晶フィルムは、例えば高分子液晶、低分子液晶
またはその混合物等をフィルム材料として、指紋状組織
を有し、かつオイリーストリーク形成するようにコレス
テリック配向を形成せしめた後、当該配向を冷却、架橋
等のフィルム材料に応じた方法により固定化することに
よって所望の拡散率を有するコレステリック液晶フィル
ムを得ることができる。所望の拡散率を有する当該コレ
ステリック配向を形成しうる諸条件としては、フィルム
材料となる高分子液晶や低分子液晶の種類、組成、各物
性等により異なるので一概には言えないが、コレステリ
ック配向を形成する際の熱処理温度、熱処理時間および
フィルム膜厚を適宜調節することにより、所望の拡散率
を有する本発明のコレステリック液晶フィルムを得るこ
とができる。コレステリック配向を形成する際の熱処理
温度としては、通常30〜250℃、好ましくは40〜
200℃、特に好ましくは50〜170℃の範囲であ
る。また熱処理時間は、通常5秒〜2時間、好ましくは
10秒〜1時間、特に好ましくは20秒〜30分の範囲
である。さらにコレステリック液晶フィルムのフィルム
膜厚としては、通常0.3〜30μm、好ましくは0.
5〜20μm、特に好ましくは0.7〜10μmの範囲
である。この熱処理温度、熱処理時間およびフィルム膜
厚を適宜調節することにより、所望の拡散率を有する本
発明のコレステリック液晶フィルムを得ることができ
る。また当該コレステリック配向の固定化方法として
は、フィルム材料として高分子液晶を主成分とする場合
には、例えば所望のコレステリック液晶相を発現させた
後、その状態から急冷してコレステリック配向を固定化
する方法等を採用することができる。また低分子液晶を
主成分とする場合には、所望のコレステリック液晶相を
発現させ、その状態を維持したまま光、熱または電子線
等により架橋させてコレステリック配向を固定化する方
法等を適宜採用することができる。
【0010】コレステリック液晶フィルムのフィルム材
料となる高分子液晶としては、コレステリック配向が固
定化できるものであれば特に制限はなく、主鎖型、側鎖
型高分子液晶等いずれでも使用することができる。具体
的にはポリエステル、ポリアミド、ポリカーボネート、
ポリエステルイミド等の主鎖型液晶ポリマー、あるいは
ポリアクリレート、ポリメタクリレート、ポリマロネー
ト、ポリシロキサン等の側鎖型液晶ポリマーが挙げられ
る。なかでもコレステリック配向を形成する上で配向性
が良く、合成も比較的容易である液晶性ポリエステルが
望ましい。液晶性ポリエステルの構成単位としては、例
えば芳香族あるいは脂肪族ジオール単位、芳香族あるい
は脂肪族ジカルボン酸単位、芳香族あるいは脂肪族ヒド
ロキシカルボン酸単位等を好適な例として挙げることが
できる。
【0011】またコレステリック液晶フィルムのフィル
ム材料となる低分子液晶としては、例えばアクリロイル
基、ビニル基、エポキシ基等の官能基を導入したビフェ
ニル誘導体、フェニルベンゾエート誘導体、スチルベン
誘導体等を基本骨格とした液晶が挙げられる。また低分
子液晶としては、ライオトロピック性、サーモトロピッ
ク性のどちらも用いることができるが、サーモトロピッ
ク性を示すものが作業性、プロセス等の観点からより好
適である。
【0012】また最終的に得られるコレステリック液晶
フィルムの耐熱性を向上させるために、フィルム材料中
に高分子液晶や低分子液晶等の他にコレステリック相の
発現を妨げない範囲において、例えばビスアジド化合物
やグリシジルメタクリレート等の架橋剤を添加すること
もでき、これら架橋剤を添加することによりコレステリ
ック液晶相を発現させた状態で架橋させることもでき
る。さらにフィルム材料中には、二色性色素、染料、顔
料、酸化防止剤、紫外線吸収剤、ハードコート剤等の各
種添加剤を本発明の効果を損なわない範囲において適宜
添加することもできる。
【0013】このようにして得られる本発明のコレステ
リック液晶フィルムの各種光学パラメーターは、フィル
ム材料の種類や熱処理条件等によって異なるため一概に
はいえないが、コレステリック選択反射の波長帯域幅と
しては、通常30〜150nm、コレステリック選択反
射の中心波長としては、通常380〜800nm、好ま
しくは420〜700nmの可視域、または700〜2
000nm、好ましくは750〜1100の近赤外域の
範囲、さらにコレステリック配向における螺旋巻き数と
しては、通常2巻き以上、好ましくは2.2巻き以上、
特に好ましくは2.5巻き以上であることが望ましい。
ここで本発明でいうコレステリック選択反射の波長帯域
幅とは、コレステリック配向を形成する液晶分子のねじ
れ方向と同一方向の円偏光を入射した際に、選択反射に
よる反射率が70%以上となる波長範囲を意味する。こ
れらのパラメーターは、本発明のコレステリック液晶フ
ィルムが用いられる用途に応じて適宜調節することが望
ましい。
【0014】以上の如き本発明のコレステリック液晶フ
ィルムは、鏡面反射が抑制され視認性に優れたものであ
ることからその応用範囲は極めて広く、種々の光学用素
子や光エレクトロニクス素子、装飾用部材、偽造防止用
素子等として使用することができる。
【0015】具体的に光学用素子や光エレクトロニクス
素子としては、例えば支持基板として透明かつ等方なフ
ィルム、例えばフジタック(富士写真フィルム社製)、
コニカタック(コニカ社製)などのトリアセチルセルロ
ースフィルム、TPXフィルム(三井化学社製)、アー
トンフィルム(日本合成ゴム社製)、ゼオネックスフィ
ルム(日本ゼオン社製)、アクリプレンフィルム(三菱
レーヨン社製)等に本発明のコレステリック液晶フィル
ムを積層した光学積層体とすることによって様々な光学
用途への展開を図ることが可能である。例えば当該光学
積層体をTN(twisted nematic)−L
CD(Liquid CrystalDispla
y)、STN(Super Twisted Nema
tic)−LCD、ECB(Electrically
Controlled Birefringenc
e)−LCD、OMI(Optical Mode I
nterference)−LCD、OCB(Opti
cally Compensated Birefri
ngence)−LCD、HAN(Hybrid Al
igned Nematic)−LCD、IPS(In
Plane Switching)−LCD等の液晶
ディスプレーに備えることによって色補償および/また
は視野角改良された各種LCDを得ることができる。ま
た光学積層体を上記したように分光された偏光を必要と
する分光光学機器、特定の波長を得る偏光光学素子、光
学フィルター、円偏光板等として用いることもできる。
さらには時計や携帯電話等の情報端末機器、すなわち反
射型液晶表示素子や半透過型液晶表示素子等の意匠性お
よび視認性向上に配されるカラー偏光板として用いるこ
とも可能であり、1/4波長板と本発明のコレステリッ
ク液晶フィルムを組み合わせてなる直線偏光板を当該用
途に好適に用いることができる。カラー偏光板として本
発明のコレステリック液晶フィルムを用いることによ
り、反射光の輝度の視野角依存性を大幅に解消した各種
液晶表示素子を得ることができる。また本発明の直線偏
光板を備えた液晶表示素子は、反射光の色調においても
視野角によって大きく変化するようなことも生じること
がない。このように本発明のコレステリック液晶フィル
ムは、光学用素子や光エレクトロニクス素子として様々
な光学部材を提供することができる。
【0016】装飾用部材としては、コレステリック液晶
による色鮮やかな呈色効果を有し、かつフィルムに視認
者等の写り込み等が起こらないという非鏡面性を併せ持
った新たな意匠性フィルムをはじめ様々な意匠性成形材
料等を得ることができる。また薄膜化できることから既
存製品等に添付する、一体化する等の方法によって意匠
性を付与し、他の類似製品との差別化にも大きく貢献す
ることが期待できる。例えば、本発明のコレステリック
液晶フィルムをガラス窓等に張り付けると外部からはコ
レステリック液晶特有の選択反射が異なった色に見え、
ファッション性に優れたものにすることができる。また
明るい外部からは内部が見え難く、それにもかかわらず
内部からは外部の視認性がよい窓とすることもできる。
【0017】偽造防止用素子としては、視認性に優れる
本発明のコレステリック液晶フィルムを偽造防止フィル
ム、シール、ラベル等として用いることができる。具体
的には本発明のコレステリック液晶フィルムを例えば自
動車運転免許証、身分証明証、パスポート、クレジット
カード、プリペイドカード、各種金券、ギフトカード、
有価証券等と一体化する、または一部に設ける、具体的
には貼り付ける、埋め込む、紙類に織り込むことにより
その効果を発現できる。
【0018】
【実施例】以下に実施例について述べるが、本発明はこ
れらに限定されるものではない。
【0019】(実施例1)ガラス転移温度が80℃のR
体光学活性化合物を含有する液晶性ポリエステルをラビ
ングポリイミド層を有するトリアセチルセルロースフィ
ルム上にスピンコート法で成膜し、135℃5分間熱処
理したところ、緑色の非鏡面反射を呈する液晶フィルム
が得られた。該フィルムを触針式膜厚計にて測定したと
ころ、膜厚は約3.3μmであった。得られた液晶フィ
ルムの拡散率をミノルタ社製分光測色計CM−3500
dを用いて測定したところ約29%であった(SCE:
13%,SCI:45%)。
【0020】また液晶フィルムに関して偏光顕微鏡観察
およびフィルム断面のTEM観察を行ったところ、コレ
ステリック相における螺旋軸方位が膜厚方向に一様に平
行ではないコレステリック配向が固定化され、指紋状組
織およびオイリーストリークを形成していることが観察
された。さらに同フィルムを日本分光社製紫外可視近赤
外分光光度計V−570にて透過スペクトル測定したと
ころ、中心波長λsが約550nm、選択反射波長帯域
幅Δλが約90nmの選択反射を示すコレステリック液
晶フィルムがラビングポリイミド層を有するトリアセチ
ルセルロースフィルム上に形成されていることが確認で
きた。。得られたコレステリック液晶フィルムを目視観
察したところ、鏡面反射による視認者の写り込みはな
く、視認性に優れたものであった。また当該フィルムを
あらゆる角度に傾けて反射光の輝度、色調の視野角依存
性を観察したが、輝度の低減、色調の大幅な変化は見ら
れなかった。
【0021】(実施例2)ガラス転移温度が77℃のR
体光学活性化合物を含有する液晶性ポリエステルをラビ
ングポリイミド層を有するトリアセチルセルロースフィ
ルム上にスピンコート法で成膜し、130℃5分間熱処
理したところ、青色の非鏡面反射を呈する液晶フィルム
が得られた。該フィルムを触針式膜厚計にて測定したと
ころ、膜厚は約5.1μmであった。得られた液晶フィ
ルムの拡散率をミノルタ社製分光測色計CM−3500
dを用いて測定したところ約46%であった(SCE:
21%,SCI:46%)。また液晶フィルムに関して
偏光顕微鏡観察およびフィルム断面のTEM観察を行っ
たところ、コレステリック相における螺旋軸方位が、膜
厚方向に一様に平行ではないコレステリック配向が固定
化され、指紋状組織およびオイリーストリークを形成し
ていることが観察された。さらに同フィルムを日本分光
社製紫外可視近赤外分光光度計V−570にて透過スペ
クトル測定したところ、中心波長λsが約500nm、
選択反射波長帯域幅Δλが約90nmの選択反射を示す
コレステリック液晶フィルムがラビングポリイミド層を
有するトリアセチルセルロースフィルム上に形成されて
いることが確認できた。
【0022】得られたコレステリック液晶フィルムを目
視観察したところ、鏡面反射による視認者の写り込みは
なく、視認性に優れたものであった。また当該フィルム
をあらゆる角度に傾けて反射光の輝度、色調の視野角依
存性を観察したが、輝度の低減、色調の大幅な変化は見
られなかった。
【0023】(実施例3)ガラス転移温度が77℃のR
体光学活性化合物を含有する液晶性ポリエステルをラビ
ングポリイミド層を有するトリアセチルセルロースフィ
ルム上にスピンコート法で成膜し、145℃4分間熱処
理したところ、赤色の非鏡面反射を呈する液晶フィルム
が得られた。該フィルムを触針式膜厚計にて測定したと
ころ、膜厚は約2.6μmであった。得られた液晶フィ
ルムの拡散率をミノルタ社製分光測色計CM−3500
dを用いて測定した結果、約23%であった(SCE:
10%,SCI:43%)。また液晶フィルムに関して
偏光顕微鏡観察およびフィルム断面のTEM観察を行っ
たところ、コレステリック相における螺旋軸方位が膜厚
方向に一様に平行ではないコレステリック配向が固定化
され、指紋状組織およびオイリーストリークを形成して
いることが観察された。さらに同フィルムを日本分光社
製紫外可視近赤外分光光度計V−570にて透過スペク
トル測定したところ、中心波長λsが約620nm、選
択反射波長帯域幅Δλが約110nmの選択反射を示す
コレステリック液晶フィルムがラビングポリイミド層を
有するトリアセチルセルロースフィルム上に形成されて
いることが確認できた。
【0024】得られたコレステリック液晶フィルムを目
視観察したところ、鏡面反射による視認者の写り込みは
なく、視認性に優れたものであった。また当該フィルム
をあらゆる角度に傾けて反射光の輝度、色調の視野角依
存性を観察したが、輝度の低減、色調の大幅な変化は見
られなかった。
【0025】(実施例4)正の一軸ネマチック液晶性化
合物であるメチルヒドロキノン ビス(4−(6−アク
リロイロキシオヘキシルオキシ)安息香酸)エステル、
4−シアノフェノール 4−(6−アクリロイロキシオ
ヘキシルオキシ)安息香酸エステル、市販のキラルドー
パント液晶S−811(ロディック社製)からなる混合
物を、蒸留精製したN−メチル−2−ピロリドンの10
%溶液とした。該溶液にフッ素系界面活性剤S−383
(旭硝子社製)、光反応開始剤イルガキュアー907
(チバガイギー社製)、増感剤ジエチルチオキサントン
を添加し、表面をレーヨン布によりラビング処理したポ
リエチレンナフタレート(PEN)フィルム(三菱ダイ
ヤホイル社製)上にバーコーターを用いて塗布した。塗
布後、該フィルムごと60℃に設定したクリーンオーブ
ンに投入し15分乾燥を行った後、さらに75℃に設定
したオーブン中で4分熱処理し、その温度から約1℃/
分で50℃まで冷却したところ、黄色の非鏡面反射を呈
するフィルムが得られた。その後、酸素濃度が250p
pm以下になるまで窒素置換し、UV照射を行い硬化さ
せた液晶フィルムを得た。該フィルムを触針膜厚で測定
したところ、膜厚は約3.2μmであった。得られた液
晶フィルムの拡散率をミノルタ社製分光測色計CM−3
500dを用いて測定した結果、約64%であった(S
CE:28%,SCI44%)。また液晶フィルムに関
して偏光顕微鏡観察およびフィルム断面のTEM観察を
おこなったところ、コレステリック相における螺旋軸方
位が膜厚方向に一様に平行ではないコレステリック配向
が固定化され、指紋状組織およびオイリーストリークを
形成していることが観察された。さらに同フィルムを日
本分光社製紫外可視近赤外分光光度計V−570にて透
過スペクトルを測定したところ、中心波長が約580n
m、選択反射波長帯域幅が約40nmの選択反射を示す
コレステリック配向が固定化されたコレステリック液晶
フィルムであることが確認できた。
【0026】得られたコレステリック液晶フィルムを目
視観察したところ、鏡面反射による視認者の写り込みは
なく、視認性に優れたものであった。また当該フィルム
をあらゆる角度に傾けて反射光の輝度、色調の視野角依
存性を観察したが、輝度の低減、色調の大幅な変化は見
られなかった。
【0027】(実施例5)実施例2で得られたコレステ
リック液晶フィルムの円偏光度を、溝尻光学工業所製自
動エリプソメータDVA−36VW型を用いて測定し
た。波長500nmにおける左右円偏光の透過率差が
1:22.3と右円偏光の場合の方が高透過率であっ
た。このことから当該コレステリック液晶フィルムは、
偏光度約91%の右円偏光を透過し、左円偏光を反射す
る円偏光板として用いることができることが確認でき
た。
【0028】(実施例6)実施例1で得られたコレステ
リック液晶フィルム上に、ポラテクノ社製一軸延伸フィ
ルム(ポリビニルアルコール製、リターデーション:1
40nm) をλ/4板として接着剤を介して貼合するこ
とで、直線偏光板を得た。当該直線偏光板の偏光度を測
定するために、グラントムソン・プリズム偏光子の吸収
軸と当該直線偏光板のλ/4板の遅相軸が±45度をな
すようにして、550nmにおける透過率を浜松ホトニ
クス社製分光器PMA−11によりそれぞれ測定した。
+45度をなしている場合の場合の透過率と−45度を
なした場合の透過率の比が1:31.5であったことか
ら、当該直線偏光板の偏光度が約93.8%であること
が分かった。
【0029】次いで当該直線偏光板を反射型液晶表示素
子の反射板として用いたところ、外光や視認者の写り込
みがなく、コレステリック液晶フィルムの輝度および色
調に大きな視野角依存性は見られず、また鮮明な色調で
かつ視認性の高い当該素子が得られた。
【0030】さらに、当該直線偏光板を半透過型液晶表
示素子の反射板として用いたところ、外光や視認者の写
り込みがなく、コレステリック液晶フィルムの輝度およ
び色調に大きな視野角依存性は見られず、また鮮明な色
調でかつ視認性の高い当該素子が得られた。通常の室内
照明下では表示文字は鮮やかな緑色であったが、暗所に
て白色バックライトを点灯して観察したところ、表示文
字はピンク色となり、意匠面でも優れていることが確認
された。
【0031】
【発明の効果】本発明のコレステリック液晶フィルム
は、鏡面反射を抑制し、当該フィルムに入射した光の反
射光の輝度および色調の視野角依存性を解消したもので
ある。このことから視認性や意匠性が求められる液晶デ
ィスプレー等の光学素子、光エレクトロニクス素子、装
飾用材料、偽造防止用素子等の光学部材として好適に用
いることができる等、工業的価値が極めて高い。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 コレステリック液晶相における螺旋軸
    方位が膜厚方向に一様に平行でないコレステリック配向
    が固定化されたフィルムであって、該フィルムの正反射
    除去反射率(SCE)と正反射込み反射率(SCI)の
    比((SCE/SCI)×100)で定義される拡散率
    が15%以上であるコレステリック液晶フィルム。
  2. 【請求項2】 請求項1記載のコレステリック液晶フ
    ィルムから構成される円偏光板。
  3. 【請求項3】 請求項1記載のコレステリック液晶フ
    ィルムとλ/4板から構成される直線偏光板。
  4. 【請求項4】 請求項1記載のコレステリック液晶フ
    ィルムを少なくとも1枚備える液晶表示素子。
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